JPH06270547A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH06270547A
JPH06270547A JP5056956A JP5695693A JPH06270547A JP H06270547 A JPH06270547 A JP H06270547A JP 5056956 A JP5056956 A JP 5056956A JP 5695693 A JP5695693 A JP 5695693A JP H06270547 A JPH06270547 A JP H06270547A
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JP
Japan
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resin
water
glyoxal
overcoat layer
thermosensitive coloring
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JP5056956A
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English (en)
Inventor
Keiji Yamauchi
啓滋 山内
Yoichi Hata
陽一 秦
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性が良好で、かつ黄ばみの少ない感熱記
録体を得る。 【構成】 支持体の少なくとも片面に、無色又は淡色の
電子供与性ロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を発色
させる電子受容性有機酸性物質及び接着剤樹脂を主成分
として含有する感熱発色層を設け、該感熱発色層上に必
要に応じて水溶性樹脂及び/又は水分散性樹脂及び顔料
を主成分として含有するオーバーコート層を設けてなる
感熱記録体において、感熱発色層中及び/又はオーバー
コート層中に前記樹脂の耐水化剤として、グリオキザー
ルに対しグリコールアルデヒドの含有量が2%以下であ
るグリオキザールを含有する感熱記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関するもの
であり、更に詳しく述べるならばファクシミリ、POS
ラベル、CRT画像用プリンター、感熱磁気プリンター
等の各種プリンターの出力用紙として使用するのに適し
た感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は一般に紙、合成紙、又はプ
ラスチックフィルム等からなる支持体の少なくとも片面
上に、電子供与性ロイコ染料のような無色又は淡色の発
色性物質と、電子受容性フェノール性化合物などのよう
な有機酸性顕色剤と、接着剤とを主成分として含む感熱
発色層を設けたものであって、これら発色性染料と顕色
剤とを熱エネルギーによって反応させて発色記録画像を
得ることができる。
【0003】このような感熱記録体は、記録装置がコン
パクトでしかも安価であり、かつ保守が容易であること
などの利点を有し、ファクシミリや自動券売機、科学計
測機の記録用媒体としてだけでなく、POSラベル、C
AD、CRT医療画像用等の各種プリンター、プロッタ
ーの出力媒体として広く使用されている。
【0004】その中で高湿度で支障無く記録できるため
の耐水性及び記録紙表面、記録画像の耐水性が必要な場
合には、感熱発色層及び/又はオーバーコート層にそれ
ぞれの層の樹脂を耐水化するため、耐水化剤が使用され
ている。耐水化剤としてグリオキザールは良好な耐水性
を発現するが、長期間保存すると感熱記録体が黄変し、
使用できない問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は感熱発色層及
び/又はオーバーコート層に接着剤樹脂の耐水化剤とし
てグリオキザールを含有する感熱記録体において、長期
間保存した場合においても黄変の少ない感熱記録体を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは感熱発色層
及び/又はオーバーコート層に接着剤樹脂の耐水化剤と
してグリオキザールを含有する感熱記録体において、長
期間保存した場合の黄変を改善するため鋭意検討を進め
た結果、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は支持体の少なくとも片
面に、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料、加熱によ
り該ロイコ染料を発色させる電子供与性有機酸性物質及
び接着剤樹脂を主成分として含有する感熱発色層を設
け、更に必要に応じて該感熱発色層上に水溶性樹脂及び
/又は水分散性樹脂、及び顔料を主成分として含有する
オーバーコート層を設けてなる感熱記録体において、該
感熱発色層及び/又はオーバーコート層に樹脂の耐水化
剤として、グリオキザールに対しグリコールアルデヒド
の含有量が2%以下であるグリオキザールを含有するこ
とにある。
【0008】グリオキザールは、一般に、エチレングリ
コールの気層酸化法、アセトアルデヒド、パラアルデヒ
ド、又はエチレンの硝酸酸化法により製造されている
が、グリオキザールの純度がほぼ同一であっても、ある
種のグリオキザールを使用した感熱記録体では黄変が著
しく、使用できない場合がある。グリオキザールに含有
される不純物は、通常、酢酸、しゅう酸、グリオキシル
酸、グリコール酸、等の有機酸のほか、ホルマリン、グ
リコールアルデヒド、アセトアルデヒド等が含有されて
いる。その他、硝酸酸化法による場合は硝酸、亜硝酸が
含有されている。
【0009】これらの不純物の中で、黄変の原因となる
物質について検討した結果、グリコールアルデヒドの含
有量が大きく関係しており、グリコールアルデヒドの含
有量がグリオキザールに対し2%以下のものを使用する
と、黄変が少なくなることが判明した。不純物のうち、
有機酸、硝酸、亜硝酸は蒸留操作や陰イオン交換樹脂処
理することで除去できるし、アセトアルデヒドは蒸留操
作で、ホルマリンは水蒸気吹き込みによるストリッピン
グ操作により除去できるが、グリコールアルデヒドは工
業的かつ経済的に除去することが容易でない。
【0010】従って、原料段階でグリコールアルデヒド
を除去すること及び製造段階でグリコールアルデヒドが
副生するのを抑制する反応条件を選ぶ必要がある。特
に、エチレングリコールを気相酸化する方法ではグリコ
ールアルデヒドが多く副生する傾向があるので、例え
ば、酸素の反応混合ガス中にリン又はリン化合物をリン
換算で1〜50ppm併存させて高温で銀触媒に接触さ
せる酸化反応による方法(特開昭59−39843号公
報)を利用することができる。
【0011】本発明で使用する支持体は、上質紙、中質
紙、再生紙、塗工紙のほかポリオレフィン系樹脂と白色
無機顔料を加熱混練し、ダイから押し出し、縦方向に延
伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔
料からなるフィルムを片面当たり1〜2層積層し、横方
向に延伸して製造された合成紙、およびポリオレフィン
系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂単独ある
いは混合物をダイから押し出し2軸延伸したもの、さら
に熱可塑性樹脂に白色の無機顔料を加熱混練したものを
ダイから押し出し2軸延伸したフィルムを使用すること
ができる。
【0012】本発明の感熱発色層は無色、又は淡色の電
子供与性ロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を発色さ
せる電子供与性有機酸性物質及び接着剤を主成分として
含有するほか、必要に応じて、白色顔料、熱可融性物
質、補助添加成分、例えば、分散剤、消泡剤、蛍光染料
等を含んでいてもよい。
【0013】本発明の感熱発色層は上記支持体の少なく
とも片面に、従来から当業者間で使用されているエアナ
イフ方式、メイヤーバー方式、ブレード方式、リバース
ロール方式、スリットダイ方式等の塗工方法によって形
成され、乾燥後の塗工量が2〜10 g/m2、望ましく
は4〜9 g/m2となるように塗工される。また感熱発
色層の表面をスーパーカレンダー、グロスカレンダー、
マシンカレンダー等により平滑化処理を行うことによ
り、記録感度、記録濃度、記録の均一性を向上させるこ
とができる。また、必要に応じてオーバーコート層を塗
工する場合においてもオーバーコート層の塗工性を向上
させ、均一な厚さのオーバーコート層を形成させること
ができる。
【0014】本発明に用いられる発色性染料は、顕色剤
と加熱下に反応して発色することのできる無色又は淡色
の電子供与性ロイコ染料がある。例えば、2,2ビス
{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−3,9’−キサ
ンテン)−2’−イルアミド〕フェニル}プロパン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−〔N−エ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ〕−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(メタトリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N,Nジブチル)アミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染
料の少なくとも1員からなるものである。
【0015】本発明に用いられる顕色剤は、発色性染料
と加熱下に反応してこれを発色させることのできる電子
受容性有機酸性物質からなるものである。このような顕
色剤は、常温以上、好ましくは70℃以上で液化または
気化して、上記発色性染料と反応してこれを発色させる
ものである。例えば、4,4’−イソプロピリデンジフ
ェノール(ビスフェノールA)、4,4’−イソプロピ
リデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソ
プロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’
−イソプロピリデンビス(2,6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−t−
ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒド
ロキシジフェノキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェ
ニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロピルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、2,4−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4 −ジヒドロキ
シ−4’−メチルジフェニルスルホン、および3,4−
ジヒドロキシフェニル−p−トリスルホンなどから選ば
れた少なくとも1員からなるものである。顕色剤は通常
発色濃度を最高とするため、発色性染料1重量部に対し
1〜5重量部、好ましくは1.5〜3重量部の割合で混
合、使用される。
【0016】本発明において、感熱発色層に含まれる接
着剤は水溶性樹脂および水分散性樹脂のいずれでも使用
可能である。例えばポリビニルアルコール、澱粉、変性
澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、キトサン、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸塩、ポリアクリルアマイド、ポリエステル樹
脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合樹脂、メチルビニルエーテル
−無水マレイン酸共重合樹脂、イソプロピレン−無水マ
レイン酸共重合樹脂等の水溶性樹脂、および酢酸ビニル
エマルジョン、アクリル酸エステル共重合エマルジョ
ン、メタクリル酸エステル共重合エマルジョン、酢酸ビ
ニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合エマルジョ
ン、ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマル
ジョン、ポリ塩化ビニリデンエマルジョン、SBRラテ
ックス、MBRラテックス等の乳化物で最低造膜温度が
20℃以下の造膜性の良好な水分散性樹脂を単独又は混
合して使用することができる。水分散性樹脂は一般的に
水溶性樹脂に比べ耐水性が良好であるが、水分散性樹脂
の一部に水酸基を導入したものはグリオキザールによる
耐水化効果とも相まって良好な耐水性を得ることができ
る。
【0017】しかし、前記発色性染料および顕色剤の各
分散液と混合した時に混合液が発色したり、凝集した
り、あるいは高粘度となったりしないことが必要であ
り、また形成された感熱記録層皮膜が強靭であること、
減感作用のないことなどが必要である。
【0018】感熱発色層中の接着剤樹脂の配合量は感熱
発色層の固形分に対し8〜20%が望ましく、8%未満
では塗膜強度が低い欠点があるし、20%を越すと感度
が低下する問題がある。また、感熱発色層の耐水性を向
上するためには、接着剤樹脂を硬化させるための耐水化
剤としてグリオキザールが好んで使用される。本発明に
おいては特に、上記グリコールアルデヒドの含有量がグ
リオキザールに対し2%以下のグリオキザールを使用す
る必要がある。
【0019】本発明に係るグリオキザールの添加量は感
熱発色層の固形分に対し0.5〜10%が望ましい。添
加量が0.5%未満では耐水性が不十分であるし、10
%を越えると、記録感度が低下し問題である。
【0020】本発明の感熱発色層に使用するワックス
は、例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチレ
ンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、ヤシ脂肪酸アミド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸ア
ミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワッ
クス、エステルワックス等の疎水性のワックス類を平均
粒径0.5〜10μmに粉砕し水中に乳化分散したもの
がある。感熱発色層のワックスは、スティック防止、感
度向上、濃度アップのため、感熱発色層の固形分に対し
1〜30%配合する必要がある。1%未満であれば、ス
ティックや感度、濃度の向上効果が少ないし、30%を
越すと、ヘッドカスが増加する問題がある。
【0021】本発明の感熱発色層に使用する顔料は、例
えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリ
カ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面
処理された炭酸カルシウムやシリカなどの無機顔料、並
びに、尿素樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポ
リスチレン樹脂等の有機顔料がある。感熱発色層の顔料
配合量は感熱発色層の固形分に対し5〜40%が良好で
あり、40%を越すと記録濃度が低下するし、5%未満
ではスティックが悪化する傾向がある。
【0022】本発明の感熱発色層に使用する熱可融性物
質としては、例えばシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエ
ステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テ
レフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジブチルエ
ステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル
酸ジブチルエステル、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニ
ルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2
−(4−メチルフェノキシ)エタン、炭酸ジフェニル、
p−ベンジルビフェニル、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブ
チリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチ
レンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,4−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、4,
4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)等のヒンダードフェノール類、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、
および2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェ
ノン等の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等がある。
【0023】熱可融性物質は、一般に顕色剤1重量部に
対して4重量部以下の割合で感熱発色層に含まれている
ことが好ましい。さらに、感熱層塗料のヌレを良くしハ
ジキをなくすため、アセチレングリコール、ジアルキル
スルホコハク酸塩等のヌレ性向上剤を添加することもで
きる。
【0024】また、本発明の感熱発色層上に必要に応じ
て設けるオーバーコート層は、水溶性樹脂及び/又は水
分散性樹脂、及び顔料を主成分として含有し、必要に応
じて耐水化剤を含有するものであり、感熱発色層の耐傷
性、耐水性、耐薬品性を高めるとともに、スティック、
カス等の走行性を良好にするものである。
【0025】オーバーコート層は、必要に応じて感熱発
色層上に乾燥後の塗工量が1.0〜5.0g/m2、望
ましくは2.0〜4.0g/m2塗工して得ることがで
きる。オーバーコート層の塗工量が1.0g/m2未満
であれば塗膜が均一に形成されないため、耐傷性、耐水
性、耐薬品性が低下する問題がある。塗工量が5.0g
/m2を越すと、感度が低下し、記録濃度が低下する欠
点がある。オーバーコート層の塗工方法は、感熱発色層
の塗工に利用したものの中から適宜選択して利用するこ
とができる。
【0026】本発明のオーバーコート層に使用される水
溶性及び/又は水分散性樹脂は結晶性が乏しく、造膜性
が良好で、結着力が強く、さらに乾燥後、無色透明の連
続皮膜となることが望ましい。このような樹脂は感熱発
色層に使用する樹脂の中から適宜選択して使用すること
ができる。
【0027】オーバーコート層の樹脂配合量は、オーバ
ーコート層の固形分に対し20〜80%の範囲が良好で
あり、樹脂の配合比が80%を越すと記録時にスティッ
クが発生する問題がある。また、樹脂の配合比が20%
未満では塗膜強度、耐水性が低下する。
【0028】本発明のオーバーコート層に使用される顔
料は感熱発色層に使用する顔料の中から適宜選択して使
用することができる。顔料の配合量は、オーバーコート
層の固形分に対し15〜75%が望ましい。本発明のオ
ーバーコート層に使用される耐水化剤は、感熱発色層に
使用するグリコールアルデヒドの含有量がグリオキザー
ルに対し2%以下のグリオキザールを使用する必要があ
る。グリオキザールの配合量はオーバーコート層の固形
分に対し5〜30%が望ましい。
【0029】本発明のオーバーコート層には必要に応
じ、スティックを防止するため滑剤を配合することがで
きる。滑剤は、感熱発色層に配合する上記ワックス類の
外、ラウリルリン酸エステル、オレイルリン酸エステ
ル、ステアリルリン酸エステル等のアリキルリン酸エス
テルおよびそのアルカリ金属塩、及びアミン塩、アルキ
ルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アミ
ン塩、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル等がある。
【0030】オーバーコート層に使用する滑剤は減感作
用、消色作用、地発色作用のないものを選択する必要が
あり、その配合量は5〜40%が望ましい。5%未満で
はスティックに効果がないし、40%を越すとオーバー
コート層の強度が低下し、問題である。
【0031】オーバーコート層を塗工した後、カール防
止、帯電防止の点から必要に応じてバック層を塗工し、
さらにスーパーカレンダー、グロスカレンダー、マシン
カレンダー等により平滑化処理を行うことにより、画像
の均一性、感度、記録濃度を向上させることができる。
なお、本発明においては支持体と感熱発色層との間に、
必要に応じてアンダーコート層を設けることも可能であ
る。
【0032】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。各実施例中、「部」は「重量部」を示
す。 実施例1〜実施例5 坪量64g/m2の上質紙の片面上に次に示す感熱発色
層塗料を乾燥後の塗工量が6.0g/m2となるように
塗工した後、スーパーカレンダーで平滑処理を行い、王
研式平滑度(J.TAPPI No.6)が 1,00
0±100秒の感熱記録体を得た。
【0033】 1.感熱発色層の塗料調成 A液(感熱発色性染料分散液) 3−(N,N−ジブチル)アミノ−6−メチル −7−アニリノフルオラン 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 20部 水 10部 B液(顕色剤分散液) 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 50部 10%ポリビニルアルコール水溶液 50部 水 25部
【0034】A液、B液をそれぞれ別々にウルトラビス
コミルで分散、粉砕し、平均粒径が1.3±0.3μm
となるように調整した。A液25部、B液75部、60
%炭酸カルシウム分散液(ブリリアント−15、平均粒
径0.15μm、白石工業(株)品)60部、15%ヒ
ドロキシプロピル化澱粉(スタコデックス、松谷化学
(株)品)107部、ステアリン酸アミド分散液(ハイ
ミクロンG−270、融点100℃、固形分21%、中
京油脂(株)品)29部、表1に示す不純物を含有する
グリオキザールを5部を混合し、感熱発色層塗料とし
た。
【0035】実施例6〜実施例8 市販の合成紙(FPG−80、王子油化合成紙(株)
品)の片面上に、次に示す感熱発色層塗料を乾燥後の塗
工量が5.0g/m2となるように塗工し、さらにオー
バーコート層塗料を乾燥後の塗工量が3.0g/m2
なるように塗工した後スーパーカレンダーで平滑処理を
行い、王研式平滑度が 4,000±200秒の感熱記
録体を得た。
【0036】2.感熱発色層の塗料調成 実施例1で使用したA液30部、B液88部、60%炭
酸カルシウム分散液(ブリリアント−15、平均粒径
0.15μm、白石工業(株)製)50部、10%ポリ
ビニルアルコール水溶液60部、SBRラテックス(L
−1537、固形分 50%、旭化成(株)品)24
部、ステアリン酸アミド分散液(ハイミクロンG−27
0、融点100℃、固形分21%、中京油脂(株)品)
24部、水24部を混合し、感熱発色層塗料とした。
【0037】 3.オーバーコート層の塗料調成 カオリナイトクレー分散液(UW−90、 平均粒径0.5μm、固形分60%EMC社品) 58部 カルボキシ変性ポリビニルアルコール10%水溶液 (ゴーセナールT−330、日本合成化学(株)品) 250部 アクリルエマルジョン (SC−2250、固形分40%、日本触媒(株)品) 63部 ステアリン酸亜鉛分散液 (ハイドリンZ−7、固形分30%、中京油脂(株)品) 17部 グリオキザール(表2に示す不純物を含有) 25部 水 357部 を混合し、オーバーコート層塗料とした。
【0038】実施例9、実施例10 市販の合成紙(FPG−80、王子油化合成紙(株)
品)の片面上に、次に示す感熱発色層塗料を乾燥後の塗
工量が5.0g/m2となるように塗工し、さらに実施
例6〜実施例8で使用したオーバーコート層塗料を乾燥
後の塗工量が3.0g/m2となるように塗工した後ス
ーパーカレンダーで平滑処理を行い、王研式平滑度が
3,500±200秒の感熱記録体を得た。
【0039】4.感熱発色層の塗料調成 実施例1で使用したA液25部、B液63部、60%炭
酸カルシウム分散液(ブリリアント−15、平均粒径
0.15μm、白石工業(株)製)63部、10%ポリ
ビニルアルコール水溶液50部、SBRラテックス(L
−1537、固形分 50%、旭化成(株)品)28
部、ステアリン酸アミド分散液(ハイミクロンG−27
0、融点100℃、固形分21%、中京油脂(株)品)
24部、グリオキザール(表2)8部、水39部を混合
し、感熱発色層塗料とした。
【0040】比較例1、比較例2 実施例1及び実施例6において、表3に示すグリコール
アルデヒドの含有量の高いグリオキザールを使用する以
外は実施例1及び実施例6と同様にして感熱記録体を得
た。実施例1〜実施例10および比較例1、比較例2で
得られた感熱記録体を市販の感熱記録方式のファクシミ
リで記録を行った。常温で30日間経過後記録物を評価
した結果は表1〜表3に示す通りであり、実施例1〜実
施例10では地肌の黄変は少なかったのに対し、比較例
1、比較例2では地肌の黄変が激しく、記録のコントラ
ストも低下していた。
【0041】
【表1】 記録濃度 : マクベスRD−914 濃度計で測定。 耐水性 : 30℃85%RHでの記録性 ○:問題無
し 白色度 : JIS P 8123に準じて測定。 白色度低下:室内で1月間静置した場合の黄ばみ ○:黄ばみがほとんど無い。 ×:黄ばみが大きい。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明により、耐水性が良好で、かつ室
内に長期間保存されても地肌の黄ばみの少ない感熱記録
体を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に、無色又は淡
    色の電子供与性ロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を
    発色させる電子受容性有機酸性物質及び接着剤樹脂を主
    成分として含有する感熱発色層を設け、更に必要に応じ
    て該感熱発色層上に水溶性樹脂及び/又は水分散性樹
    脂、及び顔料を主成分として含有するオーバーコート層
    を設けてなる感熱記録体において、感熱発色層及び/又
    はオーバーコート層中に前記樹脂の耐水化剤として、グ
    リオキザールに対しグリコールアルデヒドの含有量が2
    %以下であるグリオキザールを含有することを特徴とす
    る感熱記録体。
JP5056956A 1993-03-17 1993-03-17 感熱記録体 Pending JPH06270547A (ja)

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