JP3106640B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP3106640B2
JP3106640B2 JP03358259A JP35825991A JP3106640B2 JP 3106640 B2 JP3106640 B2 JP 3106640B2 JP 03358259 A JP03358259 A JP 03358259A JP 35825991 A JP35825991 A JP 35825991A JP 3106640 B2 JP3106640 B2 JP 3106640B2
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徹 村井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関するもの
であり、更に詳しく述べるならば医療計測用のCRT画
像をハードコピーとして出力する画像用感熱プリンター
で使用するのに適した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は一般に紙、合成紙、又はプ
ラスチックフィルム等からなる支持体の少なくとも片面
上に、電子供与性ロイコ染料よりなる無色又は淡色の発
色性物質と、電子受容性のフェノール性化合物よりなる
有機酸性顕色剤と、接着剤とを主成分として含む感熱発
色層を設けたものであって、これら発色性染料と顕色剤
とを熱エネルギーによって反応させて発色記録画像を得
るものである。
【0003】このような感熱記録体は、記録装置がコン
パクトでしかも安価であり、かつ保守が容易であること
などの利点を有し、ファクシミリや自動券売機、科学計
測機の記録用媒体としてだけでなく、POSラベル、C
AD、CRT医療画像用等の各種プリンターやプロッタ
ーの出力媒体として広く使用されている。
【0004】その中でも記録画像の均一性、高解像度が
必要なCRT医療計測用の画像プリンター及び寸法安定
性、細線記録の必要なCADプロッターには支持体とし
て複層構造を有する合成紙や、必要に応じて無機顔料を
含有する2軸延伸した熱可塑性樹脂フィルムが使用され
ている。
【0005】特にCRT医療計測用の画像プリンター用
紙には、白色度が高く、光沢度の高い記録紙が望まれて
いる。従来の記録紙では光沢度が低く、コントラストが
不充分であった。感熱記録体の光沢度は、コントラスト
を満足できるレベルにするためには、例えばJIS P
8142に準じて測定した光沢度が60%以上必要で
あり、そのためには、感熱発色層上に中間層及び/又は
光沢層を設ける必要があった。
【0006】しかし、製造工程において、光沢層表面は
バック面と接触して巻き取られるため、巻取時の張力に
よる締め付け圧力、あるいは巻取ロールを床面に置いた
時の自重による圧力を受けるため、バック面の平滑度、
光沢度が低いとその表面性が光沢層に転写され、光沢層
の光沢度を低下させる問題があった。
【0007】光沢層表面の光沢度を低下させないために
は、光沢層の表面強度を強くすることが考えられるが、
例えばガラス転移温度の高い樹脂エマルジョンを使用す
ると、光沢度が高くならない欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光沢度が6
0%以上の強光沢感熱記録体の光沢度が製造工程から記
録体として使用されるまでの時間内に低下してしまい、
本来の光沢度を失ってしまう問題を解決し、長時間にわ
たって高い光沢度を保持し、高濃度の記録が得られる感
熱記録体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光沢度が6
0%の強光沢感熱記録体の光沢度を、製造工程から使用
されるまでの時間内に低下させない方法について、鋭意
検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は支持体の少なくとも片
面上に、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料、加熱に
よる該ロイコ染料を発色させる有機酸性物質及び接着剤
を主成分として含有する感熱発色層を設け、該感熱発色
層上に必要に応じて中間層を設け、更に該感熱発色層又
は該中間層上に光沢層を設け、反対面にバック層を設け
てなる感熱記録体において、JIS P 8142に準
じて測定した光沢層の光沢度が60%以上であり、かつ
バック層が、水溶性樹脂及び/又は水分散性の樹脂、顔
料及び導電剤を主成分として含有する層であり、かつバ
ック面の光沢度が40%以上55%以下とすることによ
り、長時間にわたって光沢層が60%以上の高い光沢度
を保持しうることを見いだした。
【0011】本発明で使用する支持体は、ポリオレフィ
ン系樹脂と白色無機顔料を加熱混練し、ダイから押し出
し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹
脂と白色無機顔料からなるフィルムを片面当たり1〜2
層積層し、横方向に延伸して製造された合成紙、及びポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性
樹脂単独あるいは混合物をダイから押し出し2軸延伸し
たもの、さらに熱可塑性樹脂に白色の無機顔料を加熱混
練したものをダイから押し出し2軸延伸したもののほ
か、上質紙、中質紙、ロール紙、再生紙、塗工紙等のパ
ルプ繊維から製造されたものを使用できる。パルプ繊維
から製造した支持体は画像の均一性を良くするため、あ
らかじめ塗工層を設けた後感熱層を塗工するのが望まし
い。
【0012】本発明の感熱発色層は無色又は淡色の電子
供与性ロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を発色させ
る有機酸性物質及び接着剤を主成分として含有するほ
か、必要に応じて白色顔料、熱可融性物質、補助添加成
分、例えば、分散剤、消泡剤、蛍光染料等を含んでいて
もよい。
【0013】本発明の感熱発色層は支持体の少なくとも
片面に、乾燥後の塗工量が3〜10g/m2 となるよう
に塗工して得ることができる。塗工方法は、エアナイフ
方式、メイヤーバー方式、ブレード方式、リバースロー
ル方式、スリットダイ方式等の従来から当業者間で使用
されている方法を利用することができる。また感熱発色
層の表面をスーパーカレンダー、グロスカレンダー、マ
シンカレンダー等により平滑化処理を行うことにより、
中間層の塗工性を向上させ、均一な厚さの中間層を形成
させることができる。
【0014】本発明に用いられる発色性染料は、顕色剤
と加熱下に反応して発色することのできる無色又は淡色
の電子供与性ロイコ染料がある。例えば、2,2ビス
〔4−{6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)−3’−メチルスピロ(フタリド−3,9’−キサ
ンテン)−2’−イルアミド}フェニル〕プロパン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−〔N−エ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ〕−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(メタトリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N,Nジブチル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系
染料の少なくとも1員からなるものである。
【0015】本発明に用いられる顕色剤は、発色性染料
と加熱下に反応してこれを発色させることのできる電子
受容性有機酸性物質からなるものである。このような顕
色剤は、常温以上、好ましくは70℃以上で液化又は気
化して、上記発色性染料と反応してこれを発色させるも
のであり、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェ
ノール(ビスフェノールA)、4,4’−イソプロピリ
デンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプ
ロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−
イソプロピリデンビス(2,6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4−t−
ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒド
ロキシジフェノキシド。
【0016】4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオ
キシジフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、2,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジ
フェニルスルホン、及び3,4−ジヒドロキシフェニル
−p−トリスルホンなどから選ばれた少なくとも1員
からなるものである。顕色剤は通常発色濃度を最高とす
るため、発色性染料1重量部に対し1〜5重量部、好ま
しくは1.5〜3重量部の割合で混合、使用される。
【0017】本発明において、感熱発色層に含まれる接
着剤は水溶性樹脂及び水分散性樹脂のいずれでも使用可
能であり、例えばポリニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、キトサン、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリル酸塩、ポリアクリルアド、ポリエステル樹脂、
スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−
無水マレイン酸共重合樹脂、メチルビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合樹脂、イソプロピレン−無水マレイ
ン酸共重合樹脂等の水溶性樹脂、及び酢酸ビニルエマル
ジョン、アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸共重合
エマルジョン、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポ
リ塩化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンエマル
ジョン、SBRラテックス、MBRラテックス等の乳化
物で最低造膜温度が20℃以下の造膜性の良好な水分散
性樹脂を単独で或いは混合して使用することができる。
【0018】しかし、前記発色性染料及び顕色剤の各分
散液と混合した時に混合液が発色したり、凝集したり、
あるいは高粘度となったりしないことが必要であり、ま
た形成された感熱記録層皮膜が強靱であること、減感作
用のないことなどが必要である。
【0019】また、感熱発色層の耐水性を向上するため
には、樹脂を硬化させるための架橋剤を使用することが
できる。例えば、グリオキザール、ポリアルデヒド等の
ジアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリア
ミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メ
ラミン樹脂、グリセリンジグリシジルエーテル等のジグ
リシジル系化合物、ジメチロールウレア化合物、アジリ
ジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過
硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム
等のような無機化合物を1%〜10%の範囲で用いるこ
とができる。
【0020】本発明の感熱層に使用される白色顔料は、
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ
土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭
酸カルシウムやシリカなどの無機顔料、並びに、尿素−
ホルマリン樹脂粉末、スチレン−メタクリル酸共重合樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリスチレン樹脂
粉末等の有機顔料が使用できるが、平均粒径が5μm以
下の微粒子が望ましい。
【0021】本発明の感熱発色層に使用される熱可融性
物質としては、例えば、ステアリン酸アミド、ステアリ
ン酸エチレンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド、ベヘン酸アミド等の脂
肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシ
ウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィ
ンワックス、エステルワックス等のワックス類、シュウ
酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−
クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステ
ル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベ
ンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル、1−
ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル。
【0022】1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2
−(4−メチルフェノキシ)エタン、炭酸ジフェニル、
p−ベンジルビフェニル、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブ
チリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチ
レンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,4−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、4,
4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)等のヒンダードフェノール類、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、
及び2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノ
ン等の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等がある。
【0023】熱可融性物質は、一般に顕色剤1重量部に
対して4重量部以下の割合で感熱発色層に含まれている
ことが好ましい。さらに、感熱層塗料のヌレを良くしハ
ジキをなくすため、アセチレングリコール、ジアルキル
スルホコハク酸塩等のヌレ性向上剤を添加することもで
きる。
【0024】本発明の感熱発色層上に設ける中間層は、
感熱発色層上に直接光沢層を塗工すると、光沢度が上昇
しないとか、光沢層薬品の影響により感熱発色層が着色
したり、発色部分が消色する等の問題がある場合に設け
るものであり、水溶性及び/又は水分散性の樹脂と耐水
性を向上させるための架橋剤からなり、必要に応じて塗
料の粘度、塗工性、乾燥性の点から顔料を添加すること
ができる。中間層に使用される水溶性及び/又は水分散
性の樹脂は結晶性に乏しく、造膜性が良好で、乾燥後、
無色透明の連続皮膜となることが望ましく、感熱発色層
に使用される樹脂の中から適宜選択して使用することが
できる。中間層に使用される架橋剤、顔料も感熱発色層
に使用される架橋剤、顔料の中から適宜選択して使用す
ることができる。
【0025】中間層は、感熱発色層上に乾燥後の塗工量
として1.0〜5.0g/m2 、望ましくは2.0〜
4.0g/m2 塗工して得ることができる。塗工方法
は、感熱発色層の塗工に使用される方法の内から適宜選
択して利用することができる。中間層の塗工量が1.0
g/m2 未満であれば塗膜が均一に形成されないため、
その上に塗工する光沢層の塗料が浸透し、光沢度が低下
する。塗工量が5.0g/m2 を越すと光沢度は向上す
るが感度が低下し、記録濃度が低下する欠点がある。中
間層の樹脂/顔料比は、100/0〜50/50の範囲
が良好であり、樹脂の配合比が50%未満では塗膜のバ
リヤー性が低く、塗工量が少ない場合と同様の問題が発
生する。
【0026】本発明の光沢層は、水溶性及び/又は水分
散性の樹脂と滑剤、必要に応じて顔料、分散剤、濡れ
剤、消泡剤を添加した塗料を感熱発色層又は中間層上に
塗工して得ることができる。
【0027】光沢層に使用する水溶性及び/又は水分散
性の樹脂は強靱で造膜性、光沢発現性が良好な樹脂が望
ましく、例えば、ポリビニルアルコール、変性澱粉、ゼ
ラチン、カゼイン、キトサン、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアク
リルアド、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸
エステル共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合
樹脂、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合樹
脂、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合樹脂等の水
溶性樹脂、及び酢酸ビニルエマルジョン、アクリロニト
リル−(メタ)アクリル酸共重合エマルジョン、酢酸ビ
ニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合エマルジョ
ン、ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマル
ジョン、ポリ塩化ビニリデンエマルジョン、SBRラテ
ックス、MBRラテックス等の乳化物で最低造膜温度が
20℃以下の造膜性の良好な水分散性樹脂を単独で又は
混合して使用することができる。
【0028】また、中間層を設けると、有機溶剤に対し
てバリヤー性ができるため、有機溶剤可溶な光沢層樹
脂、滑剤を使用することができる。有機溶剤可溶な樹脂
として、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合
樹脂、アクリロニトリル−メタクリル酸エステル共重合
樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アクリル酸エステル共
重合樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂等がある。光
沢層に使用する樹脂としては、光沢層の光沢度を高める
ため、少なくとも60%以上配合する必要がある。
【0029】光沢層に使用する滑剤は、水系塗料の場
合、ラウリルリン酸エステル、オレイルリン酸エステ
ル、ステアリルリン酸エステル等のアリキルリン酸エス
テル及びその金属塩、ラウリルスルホン酸エステル、オ
レイルスルホン酸エステル、ステアリルスルホン酸エス
テル等のアルキルスルホン酸エステル及びその金属塩、
モノミリスチン酸グリセリド、モノステアリン酸グリセ
リド、モノオレイン酸グリセリド、ジステアリン酸グリ
セリド、ジオレイン酸グリセリド等のグリセリン脂肪酸
エステル、モノラウリル酸ジグリセリド、ジラウリル酸
ジグリセリド、モノラウリル酸テトラグリセリド、モノ
ラウリル酸ヘキサグリセリド、モノラウリル酸デカグリ
セリド等のポリグリセリン脂肪酸エステル等がある。溶
剤系塗料の場合は、上記アルキルリン酸エステル、アル
キルスルホン酸エステル又はそのアルキル(C1
18)アミン塩等で溶剤可溶性のものを使用することが
できる。光沢層に使用する滑剤の配合量は5〜40%が
望ましく、5%未満ではスティック防止上効果がない
し、40%を越すと光沢層の強度が低下し、問題であ
る。
【0030】光沢層には平滑度を過度に高めないため、
顔料を配合することができ、感熱発色層に使用されるも
のの中から適宜選択して使用することができるが、光沢
度を低下させないために平均粒径1〜20μmの比較的
粒径の大きな無機顔料又は有機顔料を0.1〜5%の範
囲で使用するのが望ましい。また、光沢層の耐水性を向
上させるためには、樹脂を硬化させるための架橋剤を使
用することができ、感熱発色層に使用されるものの中か
ら適宜選択して使用することができる。
【0031】光沢層は感熱発色層及び/又は中間層上に
乾燥後の塗工量が1.0〜5.0g/m2 、望ましくは
2.0〜4.0g/m2 になるように光沢層用塗料を塗
工して得ることができる。光沢層の塗工量が1.0g/
2 未満であれば塗膜が均一に形成されないため光沢度
が高くならないし、スティック防止性も悪化する。塗工
量が5.0g/m2 を越すと光沢度、スティック防止性
は向上するが感度が低下し、記録濃度が低下する欠点が
ある。塗工方法は、感熱発色層の塗工に使用する方法の
中から適宜選択して利用することができる。
【0032】光沢層の反対面に、カール防止、帯電防止
の点からバック層を塗工する必要がある。また、バック
層は、光沢層と接触させて巻き取られても光沢層の光沢
度を低下させないため、光沢度を40%以上に保つ必要
があり、造膜性、光沢度の良好な樹脂と、微粒子の顔料
を使用する必要がある。
【0033】バック層塗料は水溶性樹脂及び/又は水分
散性の樹脂、架橋剤、顔料、導電剤のほか、分散剤、消
泡剤、滑剤等の助剤からなるものである。樹脂、架橋
剤、顔料、助剤等は光沢層に使用されるものの中から適
宜選択して使用することができるが、顔料は平均粒子径
が1μm以下の微粒子を選ぶ必要がある。
【0034】導電剤は、例えば、ポリスチレンスルホン
酸ナトリウム又はアンモニウム塩並びにポリアクリル酸
ナトリウム塩又はアンモニウム塩等のアニオン系のもの
が好ましい。導電剤の配合量は、バック層塗料中5〜3
0%程度が望ましく、20℃65%RHの環境条件で測
定したバック面の表面電気抵抗率が1×1010Ω以下と
なるようにするのが好ましい。
【0035】バック層の塗工量は1.0〜5.0g/m
2 、望ましくは3.0〜4.0g/m2 塗工する必要が
ある。バック層の塗工量が1.0g/m2 未満であれば
塗膜が均一に形成されないため、光沢度が高くならない
し、カールも発生し易くなる。塗工量が5.0g/m2
を越すと光沢度、カール防止性は向上するが、記録体の
剛度が低下し、コストアップとなる問題がある。塗工方
法は感熱発色層の塗工に使用する方法の中から選んで利
用することができる。光沢層、バック層を塗工した後、
スーパーカレンダー、グロスカレンダー、マシンカレン
ダー等により平滑化処理を行うことにより、目標の光沢
度を得ることができる。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定され
るものではない。各実施例中、「部」は「重量部」を示
す。
【0037】実施例1 合成紙ユポFPG−80の片面上に次に示す感熱発色層
塗料を乾燥後の塗工量が5.5g/m2 となるように塗
工し、さらにその上に中間層塗料及び光沢層塗料を乾燥
後の塗工量がそれぞれ2.5g/m2 、2.0g/m2
となるように塗工した。さらに、光沢層と反対面にバッ
ク層塗料を乾燥後の塗工量が3.5g/m2 となるよう
に塗工した後、スーパカレンダー処理を行った。光沢層
及びバック層の光沢度はそれぞれ69.3%、48.2
%であった。
【0038】 ・感熱発色層の塗料調成 A液(感熱発色性染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ −6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水溶液 20部 水 10部 B液(顕色剤分散液) 4−ヒドロキシ−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン 50部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水溶液 50部 水 25部 A液、B液をそれぞれ別々にウルトラビスコミルで分
散、粉砕し、平均粒径が1μm以下となるように調整し
た。A液 45部、B液 100部、60%炭酸カルシ
ウムスラリー 32部、10%ポリビニルアルコール水
溶液 60部、SBRラテックス(固形分 50%)
24部、30%ステアリン酸亜鉛分散液 17部、水
22部を混合し、感熱発色層塗料とした。
【0039】 ・中間層塗料 60%カオリナイトクレー分散液 33部 変性ポリビニルアルコール水溶液(固形分10%) 300部 アクリルエマルジョン (ヘキスト合成、LX825DO;固形分40%) 88部 ジメチロール尿素溶液(固形分30%) 50部 水 362部 を混合し、中間層塗料とした。
【0040】 ・光沢層塗料 シリカ含有アクリルエマルジョン (ヘキスト合成、モビニール8020;固形分44%) 175部 ラウリルリン酸エステルカウム塩(固形分50%) 40部 30%ベンゾグアナミン樹脂粉末(平均粒径3μm) 10部 水 175部 を混合し、光沢層塗料とした。
【0041】 ・バック層塗料 ポリスチレンスルホン酸ソーダ(固形分30%) 33部 アクリルエマルジョン (ヘキスト合成、LX825DO;固形分40%) 150部 酸化澱粉水溶液(固形分10%) 100部 コロイダルシリカ(固形分20%) 100部 水 17部 を混合し、バック層塗料とした。
【0042】実施例2〜実施例4 実施例1で使用した光沢層及びバック層の代わりに以下
に示す光沢層、バック層を使用する以外は実施例1と同
様にして、感熱記録体を得た。 実施例2 ・光沢層塗料 スチレンブタジエンラテックス(固形分50%) 160部 モノオレイン酸グリセリル 20部 30%ベンゾグアナミン樹脂粉末(平均粒径3μm) 10部 水 210部 を混合し、光沢層塗料とした。 ・バック層塗料 ポリスチレンスルホン酸アンモニウム(固形分33%) 30部 酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン (固形分50%) 140部 10%ポリビニルアルコール水溶液 100部 60%カオリナイトクレー分散液 17部 水 113部 を混合し、バック層塗料とした。
【0043】実施例3 ・光沢層塗料 ポリエステル樹脂エマルジョン (高松油脂製、ペスレジンA200;固形分20%) 210部 ラウリルスルホン酸ソーダ(固形分30%) 50部 60%炭酸カルシウム分散液(平均粒径2μm) 2部 を混合し、光沢層塗料とした。 ・バック層塗料 ポリスチレンスルホン酸アンモニウム(固形分33%) 45部 ポリエステルエマルジョン (互応化学、プラスコートRZ−50;固分40%) 113部 酸化澱粉水溶液(固形分10%) 100部 コロイダルシリカ(固形分20%) 150部 を混合し、バック層塗料とした。
【0044】実施例4 ・光沢層塗料 10%乳酸カゼイン水溶液 500部 スチレンブタジエンラテックス(固形分50%) 48部 モノミリスチン酸ヘキサグリセリル(固形分100%) 10部 オレイルリン酸エステルカリウム塩(固形分30%) 33部 塩基性炭酸ジルコニウムアンモン(固形分20%) 15部 60%炭酸カルシウム分散液(平均粒径2μm) 5部 を混合し、光沢層塗料とした。 ・バック層塗料 ポリアクリル酸ソーダ(固形分40%) 25部 ポリエステルエマルジョン (互応化学、プラスコートRZ−50;固形分40%) 150部 酸化澱粉水溶液(固形分10%) 100部 40%二酸化チタン分散液 50部 水 75部 を混合し、バック層塗料とした。
【0045】比較例1〜比較例4 実施例1〜実施例4において、バック層として以下の塗
料を乾燥後の塗工量が3.0g/m2 となるように塗工
する以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。 ・バック層塗料 ポリスチレンスルホン酸ソーダ(固形分33%) 30部 ポリエステルエマルジョン (互応化学、プラスコートRZ−50;固形分40%) 75部 酸化澱粉水溶液(固形分10%) 100部 70%炭酸カルシウム分散液 71部 水 124部
【0046】実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例
4で得られた試料をスリッターで小巻取り仕上げを行
い、110mm巾で20mの長さのロール試料を作製し
た。常温で1週間経過後、光沢層の光沢度を測定すると
共に、市販の感熱プリンター(UP−850、ソニー
製)で階調記録を行い、濃度の最も高い部分の光沢度、
反射濃度を測定した。結果は表−1に示す通りであり、
実施例1〜実施例4では巻取後1週間経過しても光沢
度、記録濃度が高く、コントラストの高い記録が得られ
たのに対し、比較例1〜比較例4では光沢度の低下が大
きく、記録濃度が低かった。
【0047】
【表1】 光沢度 :JIS P 8142に準じて測定した。 記録濃度:Mcbeth RD−914濃度計で測定し
た。
【0048】
【発明の効果】本発明により製造した感熱記録体は、製
造工程で光沢層がバック層と接触して巻取られた場合、
及びスリッターで小巻取仕上げを行った場合において
も、光沢層の光沢度低下が少なく、感熱プリンターで記
録した場合、光沢度、画像濃度が高く、コントラストの
高い記録を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 村井 徹 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子 製紙株式会社 商品研究所内 (56)参考文献 特開 平1−125277(JP,A) 特開 昭61−139482(JP,A) 特開 昭64−11883(JP,A) 特開 平2−171283(JP,A) 特開 昭63−147683(JP,A) 特開 昭58−220791(JP,A) 特開 平2−70478(JP,A) 特開 平1−178476(JP,A) 特開 平3−67688(JP,A) 特開 平2−18082(JP,A) 特開 平2−175281(JP,A) 特開 平2−169292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に、無色又は淡
    色の電子供与性ロイコ染料、加熱により該ロイコ染料を
    発色させる有機酸性物質及び接着剤を主成分として含有
    する感熱発色層を設け、該感熱発色層上に必要に応じて
    中間層を設けた後、更に該感熱発色層又は該中間層上に
    光沢層を設け、反対面にバック層を設けてなる感熱記録
    体において、JIS P 8142に準じて測定した光
    沢層の光沢度が60%以上であり、かつバック層が、水
    溶性樹脂及び/又は水分散性の樹脂、顔料及び導電剤を
    主成分として含有する層であり、バック面の光沢度が、
    40%以上55%以下であることを特徴とする感熱記録
    体。
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