JP6119504B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は感熱記録体に関し、特に湿度条件等の外部環境や、記録速度等の記録条件に影響されることなく、常に安定した記録を行うことができる感熱記録体に関するものである。
無色または淡色の塩基性染料と有機または無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリやプリンター、更には各種計算機等の記録媒体として幅広い分野で使用されている。しかしながら、例えば、低湿度環境下で記録すると、記録機器と記録紙との摩擦帯電等によって記録紙の通紙適性が低下し、紙詰まりや記録機器への貼り付きが起きたり、サーマルヘッドや他の回路の破損、異常、誤動作等が発生したりする問題がある。このため、金属酸化物、金属ハロゲン化物、高分子電解質、界面活性剤、吸湿性物質等の各種導電性物質により記録体を処理することが提案されている(特許文献1〜4参照)。
一方、医療用途等の解像度に優れた感熱記録体、多色化、或いはオーバーヘッドプロジェクター(OHP)に使用する目的等で支持体としてプラスチックフィルムや合成紙を使用した感熱記録体が提案されている。支持体にプラスチックフィルムを用いた場合、静電気による問題が顕著であり、特に低湿度条件下での摩擦帯電が著しく、上記の如き導電性物質では、十分な帯電防止効果は得られていない。帯電防止性能を高めるために導電性物質を多量に使用すると、導電度はある程度高められるものの、感熱記録体に不用な地肌発色(所謂地肌カブリ)現象が発生する問題がある。また、導電性物質が高分子電解質の場合では、感熱記録体の製造中に凝集等の問題が発生し、歩留まりの低下や連続操業性に問題が発生している。導電性を向上させるため、金属系の導電剤の使用が提案されている。しかしながら、金属体は高価であるため経済的に好ましくなく、また金属体は感熱記録体を着色する等の問題があり、満足の行く品質が得られていないのが実情である。このような問題を解決するために、帯電防止層に粘土鉱物であるスメクタイト粘土やヘクトライト粘土を含有する帯電防止層を設けることが提案されている(特許文献5〜7参照)。しかしながら、このような帯電防止層では、塗膜強度が劣り、十分な粘着ラベル適性が得られていないのが現状である。
粘着ラベル加工を施された感熱記録体は、裏面に粘着剤層と剥離台紙を積層され、感熱記録ラベルとして使用される。最近のオートメーション化により、惣菜等の入ったトレーを自動ラッピングした後、感熱記録ラベルを貼付するオートラベラー(自動ラベル貼付機)が使用されるが、冬場の湿度が低い環境では、静電気の影響でラベルがオートラベラーのアームの横に貼り付いたり、ラベルを貼付する位置がずれたりするという問題が発生している。
スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土は、水に濃度10%程度までは均質なゾルまたはゲル状の塗液として調製でき、支持体に塗布、乾燥すると優れた導電性を有する帯電防止層を形成することが可能である。しかしながら、スメクタイト粘土もしくはヘクトライト粘土を水分散体塗液として調製し、連続操業にて支持体に塗布する場合、連続操業に起因する塗液濃度の変動等により粘度が部分的に極端に増加し、粘土成分に起因する凝集物が発生し、例えばバーコーティング等の塗布工程ではバー筋や塗布ムラが発生する問題がある。このような問題が発生した場合には、塗液の作り直しや、塗布速度を下げる等の製造効率の悪い操業が行われているのが実情である。
特開昭57−148687号公報 特開昭57−156292号公報 特開昭57−170794号公報 特開昭57−199687号公報 特開平2−139279号公報 特開平2−214689号公報 特許第2815954号公報
本発明は、塗膜強度に優れ、極めて均一な帯電防止層を得ることにより、低湿度環境において静電気の影響を受けず、オートラベラーでの作業性に優れる感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、支持体の一方の面に感熱記録層を備え、他方の面(以下、支持体の裏面とも、あるいは単に裏面ともいう)に特定の帯電防止層を備えることにより、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体の一方の面に、無色または淡色の塩基性染料と、前記塩基性染料と反応する呈色剤を含有する感熱記録層を備え、他方の面に帯電防止層を備えた感熱記録体において、前記帯電防止層がスメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種、リン酸塩、並びに澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有し、更に前記帯電防止層上に粘着剤層と剥離シートを備えたことを特徴とする感熱記録体。
項2:前記スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が90:10〜70:30である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記リン酸塩と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が1:99〜55:45である、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:オートラベラー用である、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、塗膜強度に優れ、極めて均一な帯電防止層が得られる。このため、粘着ラベル適性に優れ、低湿度環境において静電気の影響を受けず、オートラベラーでの作業性に優れる。
本発明における帯電防止層は、スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種、リン酸塩、並びに澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有している。
本発明の帯電防止層に用いられるスメクタイト粘土及びヘクトライト粘土とは、結晶質のクレー鉱物で、3層構造を有する無制限膨張グループに属し、それぞれ天然品及び合成品があり、いずれも本発明に好ましく適用できる。
スメクタイト粘土は、例えば次式、〔(Si8−aAl)(Mg6−bAl)・O20(OH)・M a−b(備考;Mは殆どすべてNaであり、a−b>0である。)で表示される。
ヘクトライト粘土は、例えば次式、〔(Si(Mg5.34Li0.66)O20(OH,F))〕M 0.66(備考;Mは殆どすべてNaである。)で表示されるものがあり、市販のものでは、ロックウッド社製のラポナイトB、ラポナイトSが知られている。
また、中央層が全て水酸基となった次式、〔(Si(Mg5.34Li0.66)O20(OH))〕M 0.66(備考;Mは常にNaである。)で表示されるヘクトライト粘土の例としては、ロックウッド社製のラポナイトRD、ラポナイトRDS、ラポナイトXLG、ラポナイトXLS等がある。
上記の如きラポナイトは白色粉末で、水に加えるとラポナイトB、RD、XLGはゲルを、またラポナイトS、RDS、XLSはゾルを、それぞれ容易に形成する。例えばラポナイトは、結晶構造の各層の厚さは約1nmで2次元に延長して小板を形成する。この小板ユニットに存在するマグネシウム原子が、より低原子価陽イオンのリチウム原子と同形置換しており、小板ユニットは負に帯電しているが、乾燥状態ではこの負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能陽イオン(普通はナトリウムイオン)と釣り合っている。このラポナイトを脱イオン水中に1.5〜2.0質量%の濃度で分散させると、格子構造外側にある置換可能陽イオンがイオン化して、小板面から拡散し、小板面は負の電荷を得て相互に反発して小板ユニットか、バラバラに分散したコロイド状分散液、即ちゾルを形成する。分散された小板には全体に固有の負電荷が存在し、小板の端部には周囲媒体からのイオン吸着により、わずかな局部電荷を帯びる。これは溶液中のイオンの種類と濃度及び媒体のpHに依存するが、通常は陽イオンのみが吸着され、端部は正電荷を帯びることになる。結果として、端−面結合が生じて代表的な「カードハウス」構造が形成され、ゲルが形成される。このゲルの強度はラポナイトの濃度に依存し、低濃度の場合、比較的緩やかな粒子連鎖の網目が形成されゲル強度は低いが、濃度が増加すれば粒子連鎖の網目が充填されるため、強度が急速に増す。
このような性質を有するラポナイトを帯電防止層の塗液に用いた場合、塗布工程において低濃度でも適度な粘性を有し、支持体上で、表面の乱れが少なく、塗布面のコントロールが容易であり、且つ接着性も比較的良好である。また置換可能イオンを有するため、常湿度環境下では勿論、低湿度環境下においても優れた導電性を有するものと考えられる。
上記スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土は、水に濃度10%程度までは均質なゾルまたはゲル状の塗液として調製でき、支持体に塗布、乾燥すると優れた導電性を示す。しかしながら、支持体に、スメクタイト粘土若しくはヘクトライト粘土を単に水分散体塗液として調製し、塗布した場合、水中での分散安定性が低く、凝集による析出物が発生し易いため、例えばバーコーティング等の塗布工程でバー筋や塗りムラ等の塗布欠陥を生じる問題がある。
本発明では、上記スメクタイト粘土やヘクトライト粘土の水分散物中に分散剤としてリン酸塩を含有させることにより、スメクタイト粘土やヘクトライト粘土の水中での分散状態を安定化し、凝集による析出物の発生を抑制し、安定した分散液を調製することができる。
本発明に用いられるリン酸塩としては、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、またはこれらのカリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が例示できる。特に、ナトリウム塩が、安価で製造が容易であることから、本発明におけるリン酸塩として好ましく用いることができる。
本発明において、これらのリン酸塩の添加量は特に限定するものではないが、スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種の合計100質量部に対して好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部、更に好ましくは5〜15質量部程度が用いられる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の分散剤を併用することもできる。
本発明では、帯電防止層に水溶性樹脂として澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を用いることにより、塗液に適度な保水性を発現させ、塗布時における均一な塗布面を形成することができ、塗りムラの少ない均一性の高い帯電防止層を得ることができる。また、スメクタイト粘土やヘクトライト粘土のバインダーとして帯電防止層の凝集破壊を防ぐ効果に優れ、帯電防止層の支持体との密着性を向上し、塗膜強度を高めることができる。
澱粉及びその澱粉の誘導体の具体例としては、例えば、未処理澱粉、酸化澱粉、酢酸澱粉、燐酸エステル化澱粉、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、カルバミン酸エステル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、カルボキシエチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、デキストリン、グラフト澱粉、架橋澱粉等が挙げられる。
これらの中でも酸化澱粉は、バインダー効果に優れ、適度な保水性を有することから、後述するアプリケートロール表面に微細なクラックを無数有するロールコーターにより、薄膜塗布を連続的に行なう操業時において、アプリケートロールの微細クラックの目詰まり発生による問題がなく、また乾燥後の接着力も十分であることから、好ましく用いられる。
また、本発明における帯電防止層には、本発明の効果を阻害しない範囲において、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックス等を併用してもよい。
本発明における帯電防止層は、例えば、水を分散媒体として、上記のスメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種、リン酸塩、並びに澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、必要により各種助剤を混合することにより調製された帯電防止層用塗液を、支持体の裏面に乾燥後の重量で好ましくは0.1〜10g/m程度、より好ましくは0.1〜5g/m程度、更に好ましくは0.2〜5g/m程度となるように塗布及び乾燥して形成される。助剤としては、顔料、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、増粘剤等の公知のものを用いることができる。
本発明における帯電防止層は、スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が、90:10〜70:30であることが好ましく、85:15〜75:25であることがより好ましい。また、リン酸塩と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が1:99〜55:45であることが好ましく、10:90〜50:50であることがより好ましい。これにより、スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種を帯電防止層の全固形量中、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜90質量%、更に好ましくは65〜85質量%程度と高配合にすることができ、低塗布量で十分な導電性を発揮できる。また、高配合によっても分散液の安定性を損なわず、異物や筋状の塗布欠陥のない塗布面を効果的に得ることができる。この理由については明らかでないが、リン酸塩と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との相互作用により、保水性を効果的に向上できるためと考えられる。
本発明では、帯電防止層用塗液は、例えばスロットダイ、スライドビード、カーテン、エアナイフ、ブレード、グラビア、バー、ロッド、ロールコーター等の塗布方式により塗布される。これらの中でも、回転するロールに塗液を塗り付け、該ロールに塗り付けた塗液を支持体に塗布するロールコーターが、塗液ロスや塗布時の欠陥発生量が少なく、好ましく用いられる。特に、リバースロールコーターは、高速塗布において薄膜を均一に塗布する観点から好ましい。更に、表面に幅1〜10μmのクラックを無数に有するアプリケートロールを備えたロールコーターは、薄膜をより均一に塗布する観点から、本発明の塗布方式として好ましい。なお、クラック幅は、表面を1000倍で撮影した10枚の写真からクラック幅の平均値を測定したものである。
本発明では、支持体の一方の面に感熱記録層を含む各層を形成する任意の過程において、他方の面に帯電防止層を形成することができる。感熱記録体を巻き取りの状態で製造する方法においては、支持体側の剥離帯電を抑えて、記録面に付着する塵ホコリ等によるコスレ汚れや印字の白抜けを防ぐ観点から、帯電防止層を形成した後に感熱記録層を形成することが好ましい。
本発明における支持体は、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙等の紙支持体、並びに樹脂ラミネート紙等、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等の支持体を用いることができる。これらの中でも、本発明では、帯電防止層に含有される澱粉及びその誘導体との接着力に優れるという観点から、紙支持体を用いることが好ましい。
また、支持体としては、透気度が50秒以下であることが好ましい。本発明では、透気度が低いほど(数値が小さいほど)、塗液の吸収性を高めて、塗液を支持体の内部にまで十分に浸透させることができるため、塗液のハジキや泳ぎムラといった塗布欠陥を減らして、より一層均一な帯電防止層を得ることができる。また、このため、スメクタイト粘土やヘクトライト粘土を含んだ塗液を高速で塗布することも可能となり、高速での塗布においても十分な塗布量を得ることができ、更なる塗布速度の高速化することができる。しかも、上述の通り、帯電防止層用塗液の保水性に優れるため、塗液中の水が紙へ浸透する速度を抑えて、ウェット張力切れによる紙切れ発生を効果的に抑えることができる。一般に支持体として紙支持体を用いる場合、透気度は、例えば、原紙を構成するパルプのフリーネス、填料等の灰分の添加率等を変更することにより調節することができる。透気度を50秒以下に調節するには、パルプのC.S.Fフリーネスを400ml以上とすることが好ましい。ここで、透気度は、JIS P 8117:2009に準じて測定される王研式透気度である。
本発明の感熱記録層は、塩基性染料、呈色剤、バインダー等を含有する。塩基性染料としては、各種公知の無色または淡色の塩基性染料が挙げられる。例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリルメタン系染料、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(6’−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダミン−Bアニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)ラクタム等のラクタム系染料、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチル−N−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−アニリノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオ
ロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−iso−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−β−エチルヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染料等が挙げられる。なお、これらの塩基性染料は必要に応じて2種以上を併用することができる。
また、呈色剤としては、上記塩基性染料と熱時接触して呈色する無機または有機の酸性物質が挙げられる。例えば、4−tert−ブチルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4−アセチルフェノール、4−フェニルフェノール、ハイドロキノン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、2,2’−メチレンビス(4−クロルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,3−ジ〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ヒドロキシノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸ペンチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニルプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、4− ヒドロキシ安息香酸−p−クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸−p−メトキシベンジル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シ
クロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩等の有機酸性物質等が例示される。これらの呈色剤も勿論必要に応じて2種以上を併用することができる。
塩基性染料と呈色剤の使用比率は、用いられる塩基性染料や呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に限定するものではないが、一般に塩基性染料1質量部に対して1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部程度の呈色剤が使用される。
塩基性染料と呈色剤を含む感熱記録層用塗液は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌、粉砕機により塩基性染料と呈色剤とを一緒に、または別々に分散する等して得られた分散液を用いて調製される。
感熱記録層用塗液中には、通常バインダーとして澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等が、感熱記録層の全固形量中2〜40質量%程度、好ましくは5〜25質量%程度用いられる。
更に、感熱記録層用塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル−ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の分散剤、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、その他消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。
また、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、パルミチン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド類、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のヒンダードフェノール類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、p−ベンジルビフェニル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステル等のエステル類、更には各種公知の熱可融性物質やカオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料を添加することもできる。また、本発明の所望の効果を損なわない範囲で通常の導電性物質を添加することもできる。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層の形成方法については特に限定されるものではなく、例えばバーコーティング、エアナイフコーティング、ブレードコーティング等により、感熱記録層用塗液を支持体の一方の面に塗布及び乾燥する方法等によって形成される。また、塗布量についても特に限定されるものではなく、通常乾燥重量で1〜20g/m程度、より好ましくは2〜10g/m程度の範囲で調節される。
本発明では、感熱記録層上に保護層を設けてもよい。これにより、記録走行性、耐摩擦カブリ性、耐薬品性等を向上させることができる。
保護層は、例えば、水を媒体とし、バインダー、必要により顔料、架橋剤、ワックス、滑剤等を混合することにより調製された保護層用塗液を、乾燥後の塗布量が好ましくは0.5〜10g/m程度、より好ましくは1〜5g/mとなるように感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。バインダーとしては、感熱記録層用塗液に使用できるものの中から適宜選択することができる。
本発明では、必要に応じて、支持体と感熱記録層との間に、下塗り層を設けることもできる。これにより、記録感度をより高めることができる。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、及び/または有機中空粒子、及び/または熱膨張性粒子、並びにバインダーを含有する下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥して形成される。ここで、吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。下塗り層用塗液の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、4〜12g/m程度がより好ましい。
下塗り層中のバインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。これらのバインダーの中でも、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。
更に、本発明では、感熱記録層、帯電防止層、必要により設けた下塗り層、保護層のいずれかを形成した後、またはそれら全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダーによる平滑化処理を施すこともできる。
本発明の感熱記録体は、一方の面に感熱記録層を備え、他方の面に帯電防止層を備えており、更に粘着ラベル加工が施されて帯電防止層上に粘着剤層と剥離シートを備えている。本発明に使用される粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソプレンゴム等によるゴム系物質を主成分とするもの、ビニルエーテル系物質を主成分とするもの、2−エチルヘキシルアクリレートを主モノマーとする共重合ポリマー等のアクリル系物質を主成分とするもの、ゴム状シロキサンと樹脂状シロキサンとを主成分とするもの等が挙げられる。これらは、エマルジョンや溶剤ないし無溶剤型の各種粘着剤として用いることができる。
粘着剤は、帯電防止層上に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シートの剥離剤表面に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けた後、帯電防止層上に貼着し、粘着剤層を転写して設けてもよい。いずれの場合も、粘着剤層には使用時以外での不要な粘着を防ぐために剥離シートを貼合し、所望により剥がして使用するものである。
剥離シートとしては、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙や、または上質紙等にポリエチレン等をラミネートしたポリラミネート紙等の剥離基紙に、剥離剤としてフッ素樹脂やシリコーン樹脂等が乾燥重量で0.05〜3g/m程度の範囲で付着された剥離面を有するものが好ましい。粘着剤の塗布方法としては、例えばロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター等が使用され、塗布量は、乾燥重量で5〜50g/m程度の範囲で調節される。
本発明における特定の帯電防止層を備えた感熱記録体は、帯電防止層の塗膜強度が高いため、重剥離となるような粘着剤でも剥離シートと共に帯電防止層が剥がれる恐れがなく、貼付して剥がした後の糊残りもなく、粘着剤を選ばずに粘着ラベル適性に優れる。また、オートラベラー使用時には、冬場の湿度が低い環境で静電気の影響によりラベルがオートラベラーのアームの横に貼り付いたり、ラベルを貼付する位置がずれたりするという問題がない。特に剥離速度が上がると剥離帯電と帯電防止層のピッキングが起き易くなるラベル送り速度3m/分以上のオートラベラーにおいて、本発明の効果を遺憾なく発揮できるため好ましく用いられる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例及び比較例で使用した分散液の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
実施例1
・紙支持体の作製
NBKP(C.S.F.550ml)25部、LBKP(C.S.F.560ml)75部を配合したパルプスラリーに、填料としてカオリンを紙灰分が5.0%になるように添加し、更に、サイズ剤としてロジンサイズを絶乾パルプに対して1.5%、硫酸アルミニウム2.0%を添加して紙料とした。この紙料を長網多筒式シリンダードライヤー抄紙機で抄紙し、4段スーパーカレンダーで処理して58g/mの紙支持体を得た。この紙支持体の王研式透気度は、10秒であった。
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、BASF社製)60部を水80部に分散して得られた分散物に、微小中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、ローム&ハース社製、固形分濃度26.5%)75部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)31部と、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)2.5部、同じくカルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部、及び水15.5部からなる組成物を混合攪拌して、下塗り層用塗液を得た。
・A液(ロイコ染料分散液)調製
3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水40部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン30部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水80部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕してB液を得た。
・C液(増感剤分散液)調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からなる組成物を、サンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕してC液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液55部、B液115部、C液80部、ポリビニルアルコールの10%水溶液80部、及び炭酸カルシウム35部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液200部、カオリン(商品名:UW−90、BASF社製)100部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液30部、及び水100部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・帯電防止層用塗液(I)の調製
酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)90部、ピロリン酸ナトリウム(商品名:ナンカリンS1、燐化学工業社製)6部、合成ヘクトライト粘土(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製)45部、及び水650部からなる組成物を混合攪拌して、帯電防止層用塗液(I)を得た。
・感熱記録体の作製
上質紙からなる巻取り状の紙支持体を用いて、紙支持体の裏面に、帯電防止層用塗液(I)を乾燥後の塗布量が0.5g/mとなるように、アプリケーターロール表面にクラック幅3μmのクラックが無数に存在するリバースロールコーターにより、塗工速度500m/分で塗布及び乾燥して帯電防止層を形成した後、一旦ワインダーに巻き取った。更に、この帯電防止層が形成された巻取り状の紙支持体を用いて、紙支持体の表面(紙支持体の帯電防止層とは反対側の面)に、支持体に近い側から下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液の順に乾燥後の塗布量が、それぞれ6.0g/m、4.5g/m、及び2.0g/mとなるように塗布及び乾燥して、下塗り層、感熱記録層、及び保護層を形成し、保護層表面をスーパーカレンダーで平滑化処理して粘着ラベル加工前の巻取り状の感熱記録体を得た。
・粘着ラベル加工
シリコーン系剥離剤を1.0g/m塗布及び乾燥した65g/mの剥離シート(グラシン紙)上に固形分濃度25%の低温接着用アクリル樹脂系粘着剤ラテックス(商品名:アクリセットPS−5108、日本触媒社製)を乾燥後の塗布量が20g/mとなるように塗布及び乾燥して粘着剤層を形成した後、上記で得られた感熱記録体に、帯電防止層と粘着剤層とが接触するように、この剥離シートを貼り合せて、粘着剤層と剥離シートを更に備えた粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の帯電防止層用塗液(I)の調製において、合成ヘクトライト粘土45部に代えて、合成スメクタイト粘土(商品名:スメクトンSA−1、クニミネ工業社製)45部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
実施例3
・帯電防止層用塗液(II)の調製
酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)150部、ピロリン酸ナトリウム(商品名:ナンカリンS1、燐化学工業社製)3部、合成ヘクトライト粘土(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製)60部、及び水800部からなる組成物を混合攪拌して、帯電防止層用塗液(II)を得た。
・感熱記録体の作製
実施例1の感熱記録体の作製において、帯電防止層用塗液(I)に代えて、上記の帯電防止層用塗液(II)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
実施例4
・帯電防止層用塗液(III)の調製
酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)110部、ピロリン酸ナトリウム(商品名:ナンカリンS1、燐化学工業社製)5部、合成ヘクトライト粘土(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製)35部、及び水500部からなる組成物を混合攪拌して、帯電防止層用塗液(III)を得た。
・感熱記録体の作製
実施例1の感熱記録体の作製において、帯電防止層用塗液(I)に代えて、上記の帯電防止層用塗液(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の紙支持体の作製において、パルプのフリーネスを変更し、LBKP(C.S.F.560ml)75部に代えて、LBKP(C.S.F.410ml)75部とした以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。この紙支持体の王研式透気度は、50秒であった。
実施例6
・帯電防止層用塗液(IV)の調製
酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)100部、ピロリン酸ナトリウム(商品名:ナンカリンS1、燐化学工業社製)9部、合成ヘクトライト粘土(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製)92部、及び水1162部からなる組成物を混合攪拌して、帯電防止層用塗液(IV)を得た。
・感熱記録体の作製
実施例1の感熱記録体の作製において、帯電防止層用塗液(I)に代えて、上記の帯電防止層用塗液(IV)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
実施例7
・帯電防止層用塗液(V)の調製
酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)440部、ピロリン酸ナトリウム(商品名:ナンカリンS1、燐化学工業社製)7部、合成ヘクトライト粘土(商品名:ラポナイトB、ロックウッド社製)65部、及び水828部からなる組成物を混合攪拌して、帯電防止層用塗液(V)を得た。
・感熱記録体の作製
実施例1の感熱記録体の作製において、帯電防止層用塗液(I)に代えて、上記の帯電防止層用塗液(V)を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作製において、帯電防止層を設けずに紙支持体の裏面に粘着ラベル加工を行った以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の帯電防止層用塗液(I)の調製において、酸化澱粉の8%水溶液(商品名:エースC、王子コーンスターチ社製)100部に代えて、ポリビニルアルコールの8%水溶液(商品名:PVA117、クラレ社製)100部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の帯電防止層用塗液(I)の調製において、ピロリン酸ナトリウム5部に代えて、分散剤としてポリオキシエチレンジステアレート5部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着ラベル加工後の感熱記録体を得た。
かくして得られた粘着ラベル加工前後の感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(裏面塗布欠陥)
上記の感熱記録体の作製において、幅500mmの紙支持体の裏面に、帯電防止用塗液を塗工速度500m/分にて、長さ10000mの塗布及び乾燥を行った後、裏面に発生した異物や筋状欠陥を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎:異物や筋状欠陥の発生がなく、問題ない。
○:異物や筋状欠陥の発生がほとんどない。
△:異物や筋状欠陥が散見されるが、実用上問題ない。
×:異物や筋状欠陥の発生が著しく、問題である。
(ロール目詰まり)
上記の感熱記録体の作製において、幅500mmの紙支持体の裏面に、帯電防止用塗液を塗工速度500m/分にて、長さ10000mの塗布を行った後、帯電防止層用塗液によるリバースロールコーターのアプリケーターロール表面の目詰まりに起因するアプリケーターロールへの濡れ性の状況を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎:アプリケーターロールの濡れ性は、非常に良好な状態であり、問題ない。
○:アプリケーターロールの濡れ性は、部分的に若干低下しているが、問題ない。
△:アプリケーターロールの濡れ性は、紙幅全体にわたり低下しているが、問題のないレベル。
×:アプリケーターロールの濡れ性が低下著しく、全面に目詰まりが発生しており、問題である。
(裏面電気抵抗)
上記の粘着ラベル加工前の感熱記録体をシート状に断裁し、裏面(帯電防止層の表面)の電気抵抗値を以下の条件にて測定し、下記の基準で評価した。
測定機器:HP製 HP4339B HIGHRESISTANCE METER
測定方法:100V、30sec、5kg荷重
測定環境:10℃,10%RH
○:裏面の電気抵抗値が1014Ω未満であり、問題ない。
×:裏面の電気抵抗値が1014Ω以上であり、問題である。
(オートラベラー適性)
上記の粘着ラベル加工後の感熱記録体について、23℃,10%RHの環境下で、オートラベラー(AL−EMZ:イシダ社製)を用いて、自動ラッピングしたトレーにラベル送り速度3m/分、4m/分、5m/分で10枚ずつ連続してラベリングを行った。
○:所定の位置に全てラベリングされ、問題ない。
△:若干の位置ずれはあったが、ほぼ所定の位置に全てラベリングされ、実用上問題はない。
×:大きな位置ずれや、ラベリングできない場合もあり、実用上問題である。
Figure 0006119504
本発明の感熱記録体は、塗膜強度に優れ、極めて均一な帯電防止層を備えている。このため、粘着ラベル適性に優れ、低湿度環境において静電気の影響を受けず、高速記録におけるオートラベラーでの作業性に優れる。各種感熱記録ラベルとして幅広い分野で使用できるものである。

Claims (4)

  1. 支持体の一方の面に、無色または淡色の塩基性染料と、前記塩基性染料と反応する呈色剤を含有する感熱記録層を備え、他方の面に帯電防止層を備えた感熱記録体において、前記支持体の透気度が50秒以下であり、前記帯電防止層がスメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種、リン酸塩、並びに澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有し、更に前記帯電防止層上に粘着剤層と剥離シートを備えたことを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記スメクタイト粘土及びヘクトライト粘土から選ばれる少なくとも1種と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が90:10〜70:30である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記リン酸塩と、澱粉及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種との質量比率が1:99〜55:45である、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. オートラベラー用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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