JP3707562B2 - 感熱記録紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はロイコ染料と顕色剤との間の発色反応を利用した感熱記録紙に関し、更に詳しくは、機械パルプ系古紙を原料とする古紙パルプを配合して抄紙した支持体を使用しているにもかかわらず、機械パルプ系の古紙パルプによるドット再現性不良、特に機械パルプ系古紙パルプ上がベタ発色時に白く抜ける現象(以下、「白抜け」と称す)を伴うことのない感熱記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここで言う感熱記録紙とは、通常では無色ないし淡色の発色性ロイコ染料と有機酸性物質のような顕色剤とが、熱時溶融反応して発色することを記録紙に応用したものであり、その一例としては特公昭43−4160号、特公昭45−14039号公報等に開示されており、公知である。これらの感熱記録紙は、計測用レコーダー、コンピューター等の端末プリンター、ファクシミリ、自動券売機、バーコードラベルなど広範囲の分野に応用されているが、最近はこれら記録装置の多様化、高性能かが進められるに従って、感熱記録紙に対する要求品質もより高度なものになっている。
【0003】
近年、急増する紙ゴミの処理が重大な社会問題になってきている。これを解決する一つの手段として、紙ゴミを資源と見なし、紙ゴミを紙に再生することが見直され、また必要とされてきている。これを促進するためには、古紙パルプを配合した紙の使用量を多くする必要がある。その意味で、感熱記録紙にもこの古紙パルプを使用した支持体を使用する要求が高まりつつある。
【0004】
一般的に、感熱記録紙には広葉樹材の化学パルプが使用され、古紙を原料とするバルプは殆ど使用されていない。また、古紙を原料とするパルプを使用する場合も、化学パルプ系の上質古紙を原料とするパルプしか使用されておらず、新聞あるいは雑誌等のいわゆる機械パルプ系の古紙を原料とするパルプは使用されていない。これは、感熱記録紙に求められるドット再現性を得るために、感熱記録紙に使用される支持体には、表面の平滑性及び均質性が求められるためである。古紙を原料とするパルプを使用すると、広葉樹材のパルプ以外のパルプが混入することになり、支持体を構成するパルプの均質性が崩れ、広葉樹材のパルプ以外のパルプが支持体表面にある場合には、そのパルプが突起し、表面平滑性が損なわれることがあり、そしてこの現象は、機械パルプ系古紙を原料とするパルプを使用した場合に特に顕著である。
【0005】
即ち、古紙パルプを原料とした支持体を用いて作られた感熱記録紙は、混入した古紙パルプの突起部分で著しく再現性が損なわれる欠点である白抜けが発生する。そして特に機械パルプ系古紙を原料とするパルプを使用した感熱記録紙は、この白抜けが顕著である。そこで、この白抜けを改善するために、一般の上質紙を支持体に使用したときに用いられる感熱発色層と支持体との間にアンダーコート層を設け、支持体の表面の凹凸を該アンダーコート層で平滑化することが考えられる。
【0006】
このアンダーコート層を設けるためのコート液の塗布方法としては、エアーナイフ塗工、キスタッチ方式によるロッド塗工、バッキングロールで支持させるロッド塗工、ブレード塗工などが一般に行なわれている。しかし、エアーナイフ塗工、キスタッチ方式によるロッド塗工では、塗布液を低濃度で塗布し、且つエアーやロッドの支持体表面への塗布時のシェアーが弱いため、支持体表面を均一に荒らす力が弱く、古紙パルプの白抜けに対してまったく効果がない。また、バッキングロールで支持させるロッド塗工やブレード塗工では、一般に高粘度の液を高いシェアー圧をかけて塗布を行なうのであるが、液の粘度が高いために、ロッドやブレードが支持体表面から塗布液の圧力で浮き上がっているため、上記の塗工方式と同じく、支持体表面を均一に荒らす力が弱く、白抜けに対しての効果がない。
【0007】
なお、アンダーコート層の形成については、例えば特開平2−1369号公報には、特定の顔料及びバインダー比率、固形分比率の塗液をブレード塗工することにより、アンダーコート層を形成する方法が提案され、また特開平2−92581号公報には、カチオン性樹脂を顔料に対し特定比率含有する塗液をブレード塗工することにより、アンダーコート層を形成する方法が提案されている。また同様に、特開平3−45382号公報には、特定の顔料及び特定ガラス転移点のラテックスを使用して、特定の塗布量(付着量)及び密度になるようにブレード塗工することにより、アンダーコート層を形成する方法が提案されているが、いずれの方法も、本発明の目的にあるような機械パルプ系古紙パルプの局所的な凸による白抜けに対しては、効果がみられなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の実状に鑑みてなされたものであって、従来の方法では改善しきれなかった機械パルプ系古紙パルプを含有する原料パルプから得られた抄造紙からなる支持体を用いながら、白抜けのない、ベタ黒発色均一性に優れた感熱記録紙を提供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、支持体上にロイコ染料と顕色剤とを主成分とする感熱発色層を設けてなる感熱記録紙において、上記支持体が機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプを3重量%以上含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、且つ上記支持体と感熱発色層との間に、顔料とバインダーを主成分とするB型粘度計での粘度が60〜200CPSの塗布液を、バッキングロールで支持させて計量させるニップタッチ方式であってロッドのホルダーとしてバリ・バーを使用したロッドコータを用いて塗布し、形成したアンダーコート層を設けたことを特徴とする感熱記録紙が提供される。
【0010】
一般的に、機械系パルプ古紙を原料とした古紙パルプを含有する原料パルプから得られた支持体を使用した感熱記録紙は、ドット再現性が著しく低い。これは、支持体表面の均質性が古紙パルプによって損なわれ、支持体表面で古紙パルプが突起となっているためであり、この支持体を感熱記録紙に加工した場合、古紙パルプ上の感熱発色層がその突起のために他の部分に比べて薄く、局所的に付着量が少なくなっているためであることが判明した。
【0011】
本発明者等は、このような機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプを含有する原料パルプから得られた抄造紙からなる支持体を使用した場合におけるドット再現性の低下を防ぐために鋭意研究した結果、支持体と感熱発色層との間にアンダーコート層を、バッキングロールで支持させて計量させるニップタッチ方式であってロッドのホルダーとしてバリ・バーを使用したロッドコーを用いて設けることにより、ドット再現性の低下を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明で用いる、機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプの、機械パルプの例としては、砕木パルプ、リフアイナーグラインドパルプ、ケミリフアイナーパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルバルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、加圧グラウンドパルプ、加圧グラインドパルプなどがあり、また機械パルプ系古紙の例としては、古紙として回収された新聞、雑誌、ダンボールなどが挙げられる。更に、機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプとは、これらの回収された新聞、雑誌、ダンボールなどから再生されたパルプを指す。
【0013】
また、本発明で言うロッドコータとは、バッキングロールで支持させて計量させるニップタッチ方式によるロッドコータを指し、バッキングロールを使用しないキスタッチロッドコータは含まない。また、本発明のニップタッチ方式ロッドコータで用いるロッドのホルダーの具体例としては、例えば、一般プラスチックホルダー、PC Rollflex、バリ・バー及びマグネットホルダーなどが挙げられるが、バリ・バーを使用した場合に特に良好な結果が得られる。
【0014】
上記のような塗布方式を用いた場合、一般に使用される塗布液のB型粘度は500CPSとされている。これは、上記の塗布方式の場合、支持体に押し付けられるロッドが塗布液の圧力(ハイドロダイナミック・カウンタープレッシャー)により支持体から浮上する形で一定の塗膜を作り出す必要があるためである。しかし、本発明においては、塗布液の粘度を60〜200CPSとすることにより、ロッドを支える塗布液の圧力を低下させ、ロッドを支持体表面にしっかりと接触させることを最大の特徴としている。
【0015】
このように、あえてロッドを支持体表面にしっかりと接触させることは、本発明者等の研究の結果では支持体表面をロッドが荒らし、アンダーコート層の表面平滑性を低下させることが明らかになっている。そして、更に本発明者らは、この効果は一般の上質紙を支持体に用いた場合には欠点となるが、もともと表面が機械パルプ系古紙を原料とする古紙パルプで不均一に荒れている支持体の場合には、その古紙パルプの凹凸を目立たなくする程度に均一に荒らすことになることを見出し、このように均一に荒らされたアンダーコート層の上に感熱発色層を設け、キャレンダーがけを行なった場合、均一に荒らされていた表面が一様に平滑化され、古紙パルプによる凹凸が目立たなくなり、その結果、ドット再現性の低下がなくなることを見出して、本発明を完成させた。
【0016】
本発明のアンダーコート層の塗布液には、上記の効果を阻害しない範囲で、通常の顔料や各種助剤等を配合できるが、中空フィラーを使用した場合にその効果が大きい。但し、配合量には充分注意する必要がある。また、アンダーコート層の塗布量は特に限定されない。この場合、顔料としては、この種の感熱記録材料に慣用される顔料中から適宜選択使用することができ、その具体例としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカ等の無機顔料の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂などの有機顔料が挙げられる。また、中空フィラーとしては、従来公知の種々のものが用いられ、このようなものには、例えば、ガラス、セラミックス、プラスチック等の種々の材質で形成された中空体(バルーン)等が挙げられる。
【0017】
なお、支持体上に上記アンダーコート層を設けるには、上記の顔料等を結合剤と共に支持体上に塗布乾燥させればよい。この場合の結合剤としては、後記の感熱発色層塗布おいて例示されたものと同様のものが挙げられる。
【0018】
本発明の感熱記録紙は、前記の支持体上に、ロイコ染料と該ロイコ染料を加熱接触時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けたものである。この感熱発色層において用いられるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【0019】
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、
3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、
3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、
3−(N−エチル−N−p−トリル)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2−{N−(3’−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、
3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2’,4’−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
6’−ブロモ−3’−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−クロルフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2’−ヒドロキシ−4’−ジエチルアミノフェニル)−3−(2’−メトキシ−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−(2’−メトキシ−4’−ジメチルアミノフェニル)−3−(2’−ヒドロキシ−4’−クロル−5’−メチルフェニル)フタリド、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、
2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、
3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4’−ブロモフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4’、5’−ベンゾフルオラン、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニルエチレン−2−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−メトキシ)−3−(1''−p−ジメチルアミノフェニル−1''−p−クロロフェニル−1'',3''−ブタジエン−4''−イル)ベンゾフタリド、
3−(4’−ジメチルアミノ−2’−ベンジルオキシ)−3−(1''−p−ジメチルアミノフェニル−1''−フェニル−1'',3''−ブタジエン−4''−イル)ベンゾフタリド、
3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド、
3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、
ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン等。
【0020】
また、感熱発色層で用いる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、例えばフェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が好ましく適用され、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
【0021】
4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、
4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール
4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
2,2’ーメチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、
4,4’−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、
4,4’−ジフェノールスルホン、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4−ベンジロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジフェノールスルホキシド、
P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、
P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、
プロトカテキユ酸ベンジル、
没食子酸ステアリル、
没食子酸ラウリル、
没食子酸オクチル、
1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、
N,N’−ジフェニルチオ尿素、
N,N’−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、
サリチルアニリド、
5−クロロ−サリチルアニリド、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、
2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、
1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
2,4’−ジフェノールスルホン、
3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、
3,3’−ジアリル−4,4’−ジフェノールスルホン、
α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、
チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、
テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールS等。
【0022】
本発明の感熱記録紙を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0023】
ポリビニルアルコ−ル、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、ポリアクリル酸ソ−ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソ−ダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックス等。
【0024】
また、感熱発色層においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と共に、必要に応じ、熱感度向上剤として種々の熱可融性物質を併用することができ、その具体例としては、例えば次の化合物が挙げられる。
【0025】
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−p−クロロベンジル等。
【0026】
なお、感熱発色層においては、必要に応じて、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、フィラー、分散剤、発色画像安定化剤、酸化防止剤、消泡剤、光安定化剤、螢光増白剤、界面活性剤等を併用することができる。この場合、フィラーとしては、前記アンダーコート層において、顔料として例示された無機系や有機系の微粉末が挙げられる。
【0027】
本発明の感熱記録紙は、前記した各成分を含む感熱発色液を前記のアンダーコート層上に塗布し、乾燥したものにキャレンダー掛けを行なうことによって得られる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において示す部及び%はいずれも重量基準である。
【0029】
実施例1
LBKPのバージンパルプ90%、新聞古紙パルプ10%の配合率で長網抄紙機を用いて坪量60g/m2の支持体を抄造した。また、下記の混合物を充分に撹拌・分散させてアンダーコート液とした。
【0030】
沈降炭酸カルシウム 20.0部
40%スチレン/ブタジェン共重合体
ラテックスエマルジョン 10.0部
水 70.0部
【0031】
このアンダーコート液を上記の支持体に、バリ・バーを用いて絶乾塗布量2.5g/m2になるように塗布、乾燥を行ない、アンダーコート済紙を得た。
【0032】
下記組成の混合物を、別々のボールミルで24時間粉砕して、〔A液〕及び〔B液〕を調製した。
【0033】
〔A液〕
クリスタルバイオレットラクトン 1.5部
20%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部
水 43.5部
【0034】
〔B液〕
ビスフェノールA 6.0部
20%ポリビニルアルコール水溶液 5.0部
水 39.0部
【0035】
次に、〔A液〕及び〔B液〕を混合、撹拌して感熱発色層塗布液を調製し、この塗布液をワイヤーバーで約3g/m2(固形分)となるように上記アンダーコート済紙に塗布、乾燥を行なった。そして更に、ベック平滑度で800秒になるようにスーパーキャレンダー処理を行ない、本発明の感熱記録紙を得た。
【0036】
実施例2
LBKPのバージンパルプ70%、新聞古紙パルプ30%の配合率で長網抄紙機を用いて坪量60g/m2の支持体を抄造し、これを使用した以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録紙を得た。
【0037】
実施例3
下記の混合物を充分に撹拌・分散させてアンダーコート液とした他は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録紙を得た。
【0038】
ホウケイ酸ガラス−ナトリウム塩の発泡中空粒子 20.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 60.0部
【0039】
実施例4
実施例2の支持体に、実施例3のアンダーコート液を使用した以外は、実施例1と同様にして本発明の感熱記録紙を得た。
【0040】
比較例1
アンダーコートをワイヤーバーコートした以外は、実施例1と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。但し、ワイヤーバーコートを行なうために、アンダーコート液固形分濃度を2分の1に水で稀釈を行なった。
【0041】
比較例2
アンダーコートをワイヤーバーコートした以外は、実施例3と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。但し、ワイヤーバーコートを行なうために、アンダーコート液固形分濃度を2分の1に水で稀釈を行なった。
【0042】
比較例3
アンダーコートをワイヤーバーコートし、アンダーコート液の付着量を5.0g/m2にした以外は実施例3と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。但し、ワイヤーバーコートを行なうために、アンダーコート液固形分濃度を2分の1に水で稀釈を行なった。
【0043】
比較例4
アンダーコートをエアーナイフコートした以外は、実施例3と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。但し、エアーナイフコートを行なうために、アンダーコート液固形分濃度を2分の1に水で稀釈を行なった。
【0044】
比較例5
下記の混合物を充分に撹拌・分散させてアンダーコート液とした他は、実施例1と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。
【0045】
ホウケイ酸ガラス−ナトリウム塩の発泡中空粒子 35.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 35.0部
水 30.0部
【0046】
比較例6
比較例5のアンダーコート液を用いて、ブレードコートした以外は、実施例1と同様にして比較用の感熱記録紙を得た。
【0047】
参考例
アンダーコートをブレードコートした以外は、実施例3と同様にして比較用の感熱記録紙を得ようとしたが、ブレード塗工としては液粘度が低すぎるために均一塗工ができずに、比較用の感熱記録紙を得ることができなかった。
【0048】
以上のようにして得られた感熱記録紙について、シミュレータ装置にて動的発色感度のテストを行なった。テスト機は8×7.70ドット/mmのサーマルヘッドを有し、発色抵抗体は約300Ω/ドットであり、印字条件としては主走査記録速度1.0msec/ライン、プラテン押圧4kg/A−4、ヘッド電力0.6w/ドット、通電時間1.20msecの条件で印字し、発色濃度とドット再現性としてのベタ発色部の白抜け状態を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
なお、発色濃度は、マクベス濃度計RD−914型、フィルターw−106で測定した。また、ドット再現性としてのベタ発色部の白抜け状態については、以下に示すランクで評価を行なった。
◎…白抜けまったくない、○…白抜けすこしあり、△…白抜けかなりあり、×…白抜け非常に多い。
【0050】
【表1】
Figure 0003707562
【0051】
表1の結果から、本発明の感熱記録紙は、機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプを配合したパルプから得られた支持体を使用しているにもかかわらず、ドット再現性に優れたものであることがわかる。
【0052】
【発明の結果】
請求項1の感熱記録紙は、支持体として機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプを3重量%以上含有する原料パルプから得られた抄造紙を用い、且つ支持体と感熱発色層との間に、顔料とバインダーを主成分とするB型粘度計での粘度が60〜200CPSである塗布液を、バッキングロールで支持させて計量させるニップタッチ方式であってロッドのホルダーとしてバリ・バーを使用したロッドコータを用いて塗布し、形成したアンダーコート層を設けたものとしたことから、機械パルプ系古紙パルプを配合して抄紙した支持体を使用しているにもかかわらず、白抜けのないドット再現性に優れたものである。
【0053】
請求項2の感熱記録紙は、前記アンダーコート層に含有させる顔料として中空フィラーを用いたものとしたことから、ドット再現性が更に向上するという効果が加わる。

Claims (2)

  1. 支持体上にロイコ染料と顕色剤とを主成分とする感熱発色層を設けてなる感熱記録紙において、上記支持体が機械パルプ系古紙を原料とした古紙パルプを3重量%以上含有する原料パルプから得られた抄造紙からなり、且つ上記支持体と感熱発色層との間に、顔料とバインダーを主成分とするB型粘度計での粘度が60〜200CPSの塗布液を、バッキングロールで支持させて計量させるニップタッチ方式であってロッドのホルダーとしてバリ・バーを使用したロッドコータを用いて塗布し、形成したアンダーコート層を設けたことを特徴とする感熱記録紙。
  2. 前記アンダーコート塗布液に使用する顔料が中空フィラーである請求項1記載の感熱記録紙。
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