JPWO2011114780A1 - 感熱記録体 - Google Patents

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    • B41M5/41Base layers supports or substrates

Abstract

【課題】 画質や表面強度に優れた感熱記録体を提供する。【解決手段】 感熱記録体の支持体に飽和脂肪酸アミドを含有させて低密度化して、優れた発色性、画質を有する感熱記録体を提供する。本発明の感熱記録体は、十分な一般印刷適性を有し、かつ印刷裏抜けなどの問題を生じることがない。また、下塗り層を設けない場合においても十分な画質や一般印刷適性を確保することができる。【選択図】 なし

Description

この発明は、支持体に飽和脂肪酸アミドを含有させて低密度化した感熱記録体であって、発色感度、画質、表面強度等に優れた感熱記録体に関する。
一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下「ロイコ染料」という)とフェノール性化合物等の電子受容性顕色剤(以下「顕色剤」という)とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー、スーパーマーケットやコンビニなどのレシート等の記録媒体として広範囲に使用されている。近年、用いる媒体はハンディターミナル用途など小型化が進んでおり、また、ラベル、チケット用途などでは高感度・高精細性、特にバーコード読み取り適性が求められるなど、感熱記録体は優れた発色性能を求められている。さらに、レシート等の記録媒体として使用される場合には、裏面に広告等を印刷する機会が増えており、感熱記録体には従来から要求されている発色感度、画質などの品質のほか、一般印刷適性(印刷裏抜け防止、印刷時の耐ピッキング性、印刷作業性など)が求められている。
一方、脂肪酸アミド等を含有させて紙を低密度化することは一般に知られている(特許文献1など)。
また、非イオン界面活性剤を添加した低密度紙を用いて、支持体の熱伝導性を低下させることにより発色感度を向上させた感熱記録体(特許文献2)や、支持体に脂肪酸アミドや脂肪酸エステルなどを添加した低密度紙を用いた感熱記録紙(特許文献3〜5)が開示されている。
特開2008−248408 特開2002−293023 特開2005−1281 特開2005−134578 特開2005−154996
一般に低密度化剤を用いて低密度化した原紙(低密度紙)は、裏面に印刷した場合に表面にその印刷が映ること(印刷裏抜け)が少ないことや、支持体の熱伝導性が低下するため発色感度が向上する等の利点があるため、感熱記録体の支持体にこのような低密度紙を用いることは、このような観点からは好ましいといえる。
しかし、支持体に低密度化した原紙(低密度紙)を用いた場合、紙力(即ち、紙自体の強度)が低下し、かつ表面の平滑度が低下する傾向にあるため、支持体として低密度紙を用いた感熱記録体は、画質が低下したり、印刷時にピッキングなどのトラブルが発生することがある。
画質の低下は、感熱記録体に印字する場合に、印字されない部分が生じる印字ムラに起因する問題であり、紙の平滑性が劣るためにプリンターヘッドとの密着性が劣ることが原因で引き起こされると考えられている。
また、ピッキングは、印刷時に発生する紙の毛羽立ちや紙剥けのことをいい、紙面や塗工層の強度(表面強度ともいえる)が、塗工面へのインキの粘着力よりも弱いことが原因で引き起こされると考えられている。
そのため十分な画質や一般印刷適性を確保するために、一般に感熱記録体の支持体(低密度紙)と感熱記録層との間に下塗り層を設けることが行われている(特許文献2等)。
本発明は、低密度化した原紙(嵩高紙)を支持体として用いて、発色感度、印刷裏抜け防止性、画質及び耐ピッキング性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
低密度紙の製造に用いる低密度化剤には、油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、多価アルコール系非イオン界面活性剤などの界面活性剤、高級アルコール、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物などがあるが、本発明者らは、これらの低密度化剤を比較検討した結果、感熱記録体の支持体に特定の脂肪酸アミドを含有させると、感熱記録体が優れた画質や一般印刷適性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
一般的に、低密度化剤は支持体を構成するセルロース繊維の繊維間結合力を低下させ、繊維間の空隙を大きくすることで低密度な支持体が得られる。しかし、繊維間結合力の低下は紙力(即ち、紙自体の強度)の低下につながり、前述のとおり印刷時にピッキングなどのトラブルが発生することがある。
支持体に脂肪酸アミドを含有させると、同様に支持体を構成するセルロース繊維の繊維間の空隙が大きくなり低密度な支持体が得られる。一方、脂肪酸アミドが有するアミド基は、支持体を構成するセルロース繊維や支持体に塗工する塗工液中のバインダーや顔料などと結合を形成し、繊維間結合力の低下抑制や塗工層の膜強度の向上、塗工層と支持体の接着強化などの作用を有するため、画質や一般印刷特性(印刷時の耐ピッキング性など)が良好であると考えられる。
更に、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸として飽和脂肪酸を用いると、感熱記録体が発色感度や画質により優れることが分かった。
即ち、本発明は、低密度化された支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該支持体が飽和脂肪酸アミドを含有する感熱記録体である。
本発明の感熱記録体は、支持体の原紙が飽和脂肪酸アミドを含有するため、他の低密度化剤を含有させて低密度化した原紙を支持体に用いた場合に比べて、優れた画質や一般印刷適性を有する。
また、支持体の低密度化剤である飽和脂肪酸アミドには、飽和脂肪酸モノアミドと飽和脂肪酸ポリアミドがあるが、これらを使用する感熱記録体の性質は異なる。
飽和脂肪酸モノアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、飽和脂肪酸ポリアミドを用いる場合に比べて、感熱記録体の発色感度が特に優れ、それは印字濃度の性能が良いことに表れる。
一方、飽和脂肪酸ポリアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、紙の平滑性にかかわらず、プリンターヘッドとの密着性が良好であり、極めて画質が良好であり、精細な画像が得られる。
また、本発明の感熱記録体は、支持体が低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字濃度が向上するとともに、印刷裏抜けなどの問題を生じることがない。
更に、本願発明の感熱記録体は、この下塗り層を設けない場合においても十分な画質や一般印刷適性を確保することができる。
感熱記録体の印字面の状態を示す。(1)は実施例1、(2)は比較例1のものを示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。 感熱記録体の印字面の状態を示す。(3)は実施例2(低密度化剤:ステアリン酸モノアミド)、(4)は実施例4(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、(5)は比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)、(6)は比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)を示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。
本発明で用いる支持体は飽和脂肪酸アミドを含有する。
脂肪酸アミドを構成する脂肪酸には、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸と、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸とが含まれるが、本願発明では飽和脂肪酸(即ち、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸が飽和脂肪酸である脂肪酸アミド)を用いる。支持体に、飽和脂肪酸アミドを用いると、感熱記録体の発色感度や画質が優れる(表1)。また、これらの飽和脂肪酸の中で、炭素数が12〜22、好ましくは16〜18の直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。
またこの飽和脂肪酸アミドを構成するアミンはモノアミン、ポリアミン、ポリアルキレンイミン等のいずれでもよいが、好ましくはモノアミンである。
飽和脂肪酸モノアミドは、一般式RCONH(式中、Rは、飽和脂肪酸アミドを構成する飽和脂肪酸からカルボン酸基を除いた基を表し、飽和脂肪酸アミドの場合は、飽和炭化水素基、直鎖飽和脂肪酸アミドの場合は、直鎖飽和炭化水素基を表す。)で表わされる。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合には、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合に比べて、感熱記録体の発色感度がより優れ、それは印字濃度や印刷裏抜け等の性能が良いことに表れる(表1)。特に、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合は、低印加エネルギー(例えば、0.20mJ/dot以下)で印字した場合に発色感度が顕著に優れるので、高速で印字する場合やハンディターミナルなど出力の小さい(印加エネルギーの低い)印字機で印字する場合等に好ましい。
飽和脂肪酸モノアミドは感熱記録体における増感剤に類似する構造を持つため、支持体中に飽和脂肪酸モノアミドを含有することにより、感熱記録層に含有する顕色剤の発色反応を促進する働きがあるものと推測される。
飽和脂肪酸モノアミドとしては、ラウリル酸モノアミド、パルミチン酸モノアミド、ステアリン酸モノアミド、ベヘン酸モノアミドなどが挙げられる。
本発明で用いる支持体が含有する飽和脂肪酸ポリアミドとしては、例えば、ラウリル酸ポリアミド、パルミチン酸ポリアミド、ステアリン酸ポリアミド、ベヘン酸ポリアミドなどが挙げられるが、好ましくは飽和脂肪酸ジアミドである。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合には、感熱記録体に印字した場合に、精細性が優れている。この精細性とは、感熱記録体に印字する場合、より細かいところまで精密に印字されていることをいう。感熱記録層又はその上層の保護層にプリンターヘッド等で加熱することにより印字するが、その場合に、支持体上の感熱記録層又はその上層の保護層とプリンターヘッドとの密着性が良好になり、より均一に印字されるためと考えられる。
これらの飽和脂肪酸アミドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミド(不飽和脂肪酸アミド及び本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の飽和脂肪酸アミドを含むが、主に不飽和脂肪酸アミドである。)を併用してもよい。本発明においては、本願発明の飽和脂肪酸アミドおよび本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸アミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。また、本発明においては、使用する飽和脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸モノアミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
支持体中の本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量は、所望する効果が得られる範囲で適宜調整可能であるが、嵩高効果と表面強度のバランスが良好であるため、支持体中の対パルプあたり好ましくは0.1〜1重量%である。本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量が0.1重量%以上であると、十分な嵩高効果が得られやすい。また、本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量が1重量%以下であると、紙力低下による印刷時のピッキングなどのトラブル発生や、表面の平滑度の低下による感熱記録体の画質低下などが起こりにくい。
本願発明の飽和脂肪酸アミドは、通常乳化分散したエマルジョンとして用いられる。このエマルジョンは、例えば、飽和脂肪酸アミドを熱水と乳化剤と共にホモミキサー等の乳化装置に入れ、乳化時に溶融温度以上にして熱溶融させ、乳化分散することにより得られる。乳化剤の種類と添加量、乳化時の撹拌強度、乳化時間などを適宜調節して、良好な粒度分布を持つエマルジョン粒子が得られる。乳化剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、から選ばれる1種類または2種類以上を組み合わせて使用される。
このエマルジョン粒子は、粒子径が小さい方が添加量に対する嵩高効果が大きく、支持体の紙力低下が発生しにくいので好ましい。レーザー回折散乱法で測定したエマルジョン粒子の平均粒子径は通常0.3〜20μm程度である。
本発明で用いる支持体は、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等)、非木材パルプなどのパルプであり、支持体に要求される品質に応じて、適宜配合することができる。
本発明において、白色度や不透明度を向上させるために、支持体に填料を添加することが望ましい。填料の添加量は特に制限されるものではないが、支持体の灰分として2〜20%になるように調整して添加することが望ましい。なお、支持体の灰分が20%を超えるとパルプ繊維の絡み合いが阻害されるため、十分な強度が得られなくなる恐れがある。支持体の灰分はJIS P8251に準じて測定される。
本発明において、必要に応じて支持体に、通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤などを添加することができる。
本発明において、支持体の抄紙方法は特に限定されるものではなく、トップワイヤーなどを含む長網マシン、円網マシン、この両者の併用マシンなどを用いることができる。また、抄紙方法としては、酸性抄紙、中性抄紙方式から適宜選択することができ、特に限定されるものではない。
さらに、サイズプレス、プレメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどを使用して、表面の平滑性と支持体の白色度を高める顔料、表面強度を高める水溶性高分子物質又は疎水性高分子のエマルジョン等、吸水抵抗性を付与する表面サイズ剤などを含む塗液を支持体に含浸させあるいは塗工してもよい。
水溶性高分子物質又は疎水性高分子のエマルジョン等の具体例としては、例えば、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類等の水溶性高分子、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル等の疎水性高分子のエマルジョンなどが挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、カチオン性サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などが挙げられるがこれらに制限されるものではない。好ましくはアルキルケテンダイマー系サイズ剤である。
塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調製剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、接着剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
塗工液の固形分濃度は、組成や塗工方式等により適宜調整されるが、通常5〜15重量%程度であり、乾燥塗工量は0.1〜3.0g/cmである。
本願発明で用いる支持体である原紙は低密度化剤である飽和脂肪酸アミドを含有するため、この原紙は低密度化されることができる(低密度紙)。しかしながら、支持体が飽和脂肪酸アミドを含有する場合であっても、感熱記録体に要求される品質などに応じて、例えば、支持体をカレンダー処理するなどの製造条件を調整することで、より高密度化又はより低密度化することもできる。
本願の低密度紙の密度は0.95g/cm以下であり、好ましくは0.60〜0.85g/cm、より好ましくは0.65〜0.85g/cm、特に0.65g/cm以上で0.85g/cm未満である。この密度はJIS P8118で測定する。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有する。
以下、感熱記録層及びその他の塗工層で使用される各種材料を例示するが、顔料、バインダー、架橋剤などはこれらの材料は上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、各塗工層に使用することができる。
本発明に使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系化合物、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明に使用する顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものがすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達(株)製商品名D−90として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達(株)製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明に使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明に使用する顔料としては、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられ、要求品質に応じて併用することもできる。
本発明に使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することもできる。
本発明に使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明に使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す安定化剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を添加することもできる。このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明に使用するロイコ染料、顕色剤、増感剤、その他の各種成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層においては、通常ロイコ染料1重量部に対して顕色剤0.5〜10重量部、顔料0.5〜20重量部、増感剤0.1〜10重量部程度、安定化剤0.01〜10重量部程度、その他の成分0.01〜10重量部が使用され、バインダーは感熱記録層固形分中5〜25重量%程度が適当である。
本発明において、ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。この塗工液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有するが、適宜感熱記録層以外の層を設けてもよい。例えば、支持体と感熱記録層の間に下塗り層、感熱記録層上に保護層、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層などを設けることができる。
この下塗り層は、主としてバインダーと顔料とから成る。
下塗り層に用いるバインダーとしては、一般的に使用されている水溶性高分子あるいは疎水性高分子のエマルジョン等が適宜使用可能である。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等のセルロース誘導体、デンプンとその誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の疎水性高分子のエマルジョンを用いることができる。これらのバインダーは1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層に用いる顔料としては、従来一般的に使用されている公知の顔料、具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、焼成カオリン、クレー、タルク等の無機顔料などを使用することができる。これらの顔料は1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層中の顔料は、全固形分に対して、通常50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。
下塗り層の塗液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
保護層としては、通常顔料と樹脂を主成分とし、樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。また、保護層に1)カルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂や2)ガラス転移点が50℃より高く95℃以下であるアクリル系樹脂を含有させることは、耐熱性、耐水性、耐湿熱性の点から好ましい。
このカルボキシル基含有樹脂として好ましくはカルボキシ変性ポリビニルアルコールが挙げられ、このエピクロロヒドリン系樹脂として好ましくはポリアミドエピクロロヒドリン樹脂やポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などが挙げられ、このポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂としては、ポリアミン/アミド系樹脂として、ポリアミド尿素系樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられる。
また、このアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸および、(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分を含む。(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを例示できる。またこのアクリル系樹脂は、好ましくは非コアシェル型アクリル系樹脂である。
本発明において、感熱記録層及び感熱記録層以外の塗工層を塗工する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができる。例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。
感熱記録層ならびに感熱記録層以外の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層の一般的な乾燥塗工量は2〜12g/m程度である。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお、各実施例および比較例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
パルプの濾水度(カナダ標準濾水度、以下「CSF」という。)はJIS P8121に準じて測定した。支持体の密度は、JIS P8118で測定した。支持体の感熱記録面側(下塗り層もしくは感熱記録層を塗工する面)の平滑度は、JIS P8155(王研式)で測定した。この平滑度(秒)が高いほど表面は平滑である。
[実施例1]
(支持体)
パルプ原料としてCSF350mlの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を使用し、ステアリン酸モノアミド(中京油脂社製:N327、固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合、填料として炭酸カルシウムを支持体の灰分が15%となるように配合、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ固形分当たり0.15%となるように配合した紙料を長網抄紙機で抄造し、ゲートロールコーターでヒドロキシエチル化澱粉(STALEY社製:ETHYLEX2035)7.0%及び表面サイズ剤(星光PMC社製:SKレジンS−25)0.08%に調整した塗工液(溶媒:水)を両面で乾燥塗工量が0.5g/mになるように塗工した。
次に、支持体の密度が0.85g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚68μm)になるように、スーパーカレンダーを用いて支持体を処理し、感熱記録面側の平滑度64秒のサンプルを得た。
(下塗り層)
上記で得た支持体の片面に、下記配合からなる下塗り層用塗工液を塗工・乾燥して、下塗り層の乾燥塗工量が7.0g/mの感熱記録層塗工用支持体を得た。
下塗り層用塗工液(U液)
焼成カオリン(エンゲルハード社製:アンシレックス90) 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:ST55
26、固形分48%) 40部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 30部
水 146部
(感熱記録層)
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行なった。
A液(顕色剤分散液)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピー
アイコーポレーション社製:NYDS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
B液(ロイコ染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成
社製、ODB−2) 2.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 4.6部
水 2.6部
C液(増感剤分散液)
ジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
次に下記の割合で分散液を混合して感熱記録層用塗工液を調製した。
感熱記録層用塗工液
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(ロイコ染料分散液) 9.2部
C液(増感剤分散液) 36.0部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
この感熱記録層用塗工液を、上記で得た感熱記録層塗工用支持体の下塗り層上に乾燥塗工量が3.0g/mとなるように塗工・乾燥した。このシートをスーパーカレンダーを用いて線圧100kN/mの条件で処理して、感熱記録体を得た。
[実施例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例3]
ステアリン酸モノアミドの代わりにステアリン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。密度が0.85g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚68μm)になるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度が64秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例4]
実施例3と同様にして得た支持体を、密度が0.70g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚83μm)になるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は20秒であった。このほかは実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例1]
ステアリン酸モノアミドを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして支持体を得た。この支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は110秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は95秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例3]
ステアリン酸モノアミドの代わりにオレイン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。支持体の坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は23秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例4]
ステアリン酸モノアミドの代わりに多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体(花王社製:KB115、固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例5]
下塗り層を設けない以外は実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例6]
下塗り層を設けない以外は実施例4と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例5]
下塗り層を設けない以外は比較例3と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例6]
下塗り層を設けない以外は比較例4と同様にして感熱記録体を得た。
以上のようにして得た感熱記録体について以下の評価を行った。
[印字濃度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して階調パターンの印字を行ない、印加エネルギー0.35mJ/dotと0.195mJ/dotでの印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[画質]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギーを順次0.120mJ/dotから0.240mJ/dotまで、0.015mJ/dotごとに上げて、階調パターンの印字を行ない、この範囲の印字部の精細性を目視で評価した。これらの画質の違いは、印加エネルギーが比較的低い範囲、特に0.120〜0.225mJ/dotの範囲で顕著であった。
優:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラなく印字できている
良:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが僅かに見られる
可:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが見られ。白抜け(印字されない部分)も僅かに見られる
不可:上記印字エネルギー範囲で、印字部の白抜けがかなり見られる
試験した感熱記録体のうち、実施例1及び2(低密度化剤:ステアリン酸モノアミド)、実施例4(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、比較例1(低密度化剤なし)、比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)及び比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)の感熱記録体について、試験後の印字紙を図1及び2に示す。
[表面強度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、ローランド製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、表面強度(耐ピッキング性)を藍単色ベタ部表面の毛羽立ち、紙剥け状態を目視で観察して評価した。
優:全く毛羽立ちや紙剥けが見られない
良:毛羽立ちや紙剥けがほとんどない
可:毛羽立ちや紙剥けが僅かに見られる
不可:毛羽立ちや紙剥けが多く見られる
[印刷裏抜け(バーコード読取性)]
作製した感熱記録体の感熱記録面と反対の面に、RI印刷機を用いてオフセット輪転印刷用インキ(墨)を印刷し乾燥させた後、感熱記録面にゼブラ社製ラベルプリンタ140XiIIIにてバーコード印字(CODE39)した後、印字されたバーコードをバーコードリーダー(日本システックス社製、Quick Check PC600)にて評価した。評価はANSIグレード(CEN法、測定回数10回の平均)にて行った。
印刷裏抜けとは、低密度化剤を含有する支持体に印刷した際に、反対面へインキが浸透しやすくなり、印字された感熱記録面が読み取りにくくなる問題をいう。
評価値が1.5以上であれば、バーコード読取性において実用上問題ないレベルであり、一方、評価値が1.5未満であると、実用上問題が発生する。
評価結果を下表に示す。
図1に示すように、印字濃度が薄いところで顕著であるが、実施例1の感熱記録体はムラなく印字できているのに対し(図1(1))、比較例1の感熱記録体は印字にムラがある(図1(2))。これは、支持体が飽和脂肪酸アミドを含有することにより適正に低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字性が良いことを示している。
低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)を用いた場合(実施例1〜6)には、低密度化剤を用いない場合(比較例1)に比べて、画質や印刷裏抜けが良好になり、脂肪酸エステル系の低密度化剤(ステアリン酸エステル)を用いた場合(比較例4、6)に比べて、画質、印字濃度及び表面強度が良好になり、不飽和脂肪酸アミド(オレイン酸ジアミド)を用いた場合(比較例3、5)に比べて、発色感度や画質が優れる。
また、低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸モノアミド)を用いて高密度にした場合(比較例2)には、低密度にした場合(実施例1)に比べて、印刷裏抜けが劣り、印字濃度も若干悪くなる。
飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合(実施例1、2及び5)には、飽和脂肪酸ポリアミド(ステアリン酸ジアミド)を用いた場合(実施例3、4及び6)に比べて、印字濃度や印刷裏抜けが優れている。特に、図2の(3)と(4)を印加エネルギーが低い場合(0.195mJ/dot付近以下)で比較すると、(3)飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合には、発色感度が優れていることが見て取れる。このことは、表1において実施例1、2及び5の印字濃度が実施例3、4及び6よりも高いことに表れている。
【0004】
性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該支持体が飽和脂肪酸モノアミドを含有する感熱記録体である。
発明の効果
[0007]
本発明の感熱記録体は、支持体の原紙が飽和脂肪酸アミドを含有するため、他の低密度化剤を含有させて低密度化した原紙を支持体に用いた場合に比べて、優れた画質や一般印刷適性を有する。
また、支持体の低密度化剤である飽和脂肪酸アミドには、飽和脂肪酸モノアミドと飽和脂肪酸ポリアミドがあるが、これらを使用する感熱記録体の性質は異なる。
飽和脂肪酸モノアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、飽和脂肪酸ポリアミドを用いる場合に比べて、感熱記録体の発色感度が特に優れ、それは印字濃度の性能が良いことに表れる。
一方、飽和脂肪酸ポリアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、紙の平滑性にかかわらず、プリンターヘッドとの密着性が良好であり、極めて画質が良好であり、精細な画像が得られる。
また、本発明の感熱記録体は、支持体が低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字濃度が向上するとともに、印刷裏抜けなどの問題を生じることがない。
更に、本願発明の感熱記録体は、この下塗り層を設けない場合においても十分な画質や一般印刷適性を確保することができる。
図面の簡単な説明
[0008]
[図1]感熱記録体の印字面の状態を示す。(1)は実施例1、(2)は比較例1のものを示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。
[図2]感熱記録体の印字面の状態を示す。(3)は実施例2(低密度化剤:ステアリン酸モノアミド)、(4)は比較例8(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、(5)は比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)、(6)
【0005】
は比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)を示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。
発明を実施するための最良の形態
[0009]
本発明で用いる支持体は飽和脂肪酸アミドを含有する。
脂肪酸アミドを構成する脂肪酸には、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸と、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸とが含まれるが、本願発明では飽和脂肪酸(即ち、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸が飽和脂肪酸である脂肪酸アミド)を用いる。支持体に、飽和脂肪酸アミドを用いると、感熱記録体の発色感度や画質が優れる(表1)。また、これらの飽和脂肪酸の中で、炭素数が12〜22、好ましくは16〜18の直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。
またこの飽和脂肪酸アミドを構成するモノアミンである。
[0010]
飽和脂肪酸モノアミドは、一般式RCONH(式中、Rは、飽和脂肪酸アミドを構成する飽和脂肪酸からカルボン酸基を除いた基を表し、飽和脂肪酸アミドの場合は、飽和炭化水素基、直鎖飽和脂肪酸アミドの場合は、直鎖飽和炭化水素基を表す。)で表わされる。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合には、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合に比べて、感熱記録体の発色感度がより優れ、それは印字濃度や印刷裏抜け等の性能が良いことに表れる(表1)。特に、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合は、低印加エネルギー(例えば、0.20mJ/dot以下)で印字した場合に発色感度が顕著に優れるので、高速で印字する場合やハンディターミナルなど出力の小さい(印加エネルギーの低い)印字機で印字する場合等に好ましい。
飽和脂肪酸モノアミドは感熱記録体における増感剤に類似する構造を持つため、支持体中に飽和脂肪酸モノアミドを含有することにより、感熱記録層に含有する顕色剤の発色反応を促進する働きがあるものと推測される。
飽和脂肪酸モノアミドとしては、ラウリル酸モノアミド、パルミチン酸モ
【0006】
ノアミド、ステアリン酸モノアミド、ベヘン酸モノアミドなどが挙げられる。
[0011]
飽和脂肪酸ポリアミドとしては、例えば、ラウリル酸ポリアミド、パルミチン酸ポリアミド、ステアリン酸ポリアミド、ベヘン酸ポリアミドなどが挙げられる。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合には、感熱記録体に印字した場合に、精細性が優れている。この精細性とは、感熱記録体に印字する場合、より細かいところまで精密に印字されていることをいう。感熱記録層又はその上層の保護層にプリンターヘッド等で加熱することにより印字するが、その場合に、支持体上の感熱記録層又はその上層の保護層とプリンターヘッドとの密着性が良好になり、より均一に印字されるためと考えられる。
[0012]
これらの飽和脂肪酸アミドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミド(不飽和脂肪酸アミド及び本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の飽和脂肪酸アミドを含むが、主に不飽和脂肪酸アミドである。)を併用してもよい。本発明においては、本願発明の飽和脂肪酸アミドおよび本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸アミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。また、本発明においては、使用する飽和脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸モノアミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
支持体中の本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量は、所望する効果が得られる範囲で適宜調整可能であるが、嵩高効果と表面強度のバランスが良好であるため、支持体中の対パルプあたり好ましくは0.1〜1重量%である。本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量が0.1重量%以上であると、十分な
【0022】
C液(増感剤分散液)
ジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
[0046]
次に下記の割合で分散液を混合して感熱記録層用塗工液を調製した。
感熱記録層用塗工液
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(ロイコ染料分散液) 9.2部
C液(増感剤分散液) 36.0部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
この感熱記録層用塗工液を、上記で得た感熱記録層塗工用支持体の下塗り層上に乾燥塗工量が3.0g/mとなるように塗工・乾燥した。このシートをスーパーカレンダーを用いて線圧100kN/mの条件で処理して、感熱記録体を得た。
[0047]
[実施例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例7]
ステアリン酸モノアミドの代わりにステアリン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。密度が0.85g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚68μm)になるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度が64秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例8]
【0023】
比較例7と同様にして得た支持体を、密度が0.70g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚83μm)になるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は20秒であった。このほかは比較例7と同様にして感熱記録体を得た。
[0048]
[比較例1]
ステアリン酸モノアミドを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして支持体を得た。この支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は110秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は95秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例3]
ステアリン酸モノアミドの代わりにオレイン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。支持体の坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は23秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例4]
ステアリン酸モノアミドの代わりに多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体(花王社製:KB115、固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施
【0024】
例1と同様にして感熱記録体を得た。
[0049]
[実施例3]
下塗り層を設けない以外は実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例9]
下塗り層を設けない以外は比較例8と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例5]
下塗り層を設けない以外は比較例3と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例6]
下塗り層を設けない以外は比較例4と同様にして感熱記録体を得た。
[0050]
以上のようにして得た感熱記録体について以下の評価を行った。
[印字濃度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して階調パターンの印字を行ない、印加エネルギー0.35mJ/dotと0.195mJ/dotでの印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[0051]
[画質]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギーを順次0.120mJ/dotから0.240mJ/dotまで、0.015mJ/dotごとに上げて、階調パターンの印字を行ない、この範囲の印字部の精細性を目視で評価した。これらの画質の違いは、印加エネルギーが比較的低い範囲、特に0.120〜0.225mJ/dotの範囲で顕著であった。
優:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラなく印字できている
良:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが僅かに見られる
可:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが見られ。白抜け(印字されない部分)も僅かに見られる
不可:上記印字エネルギー範囲で、印字部の白抜けがかなり見られる
試験した感熱記録体のうち、実施例1及び2(低密度化剤:ステアリン酸
【0025】
モノアミド)、比較例8(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、比較例1(低密度化剤なし)、比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)及び比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)の感熱記録体について、試験後の印字紙を図1及び2に示す。
[0052]
[表面強度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、ローランド製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、表面強度(耐ピッキング性)を藍単色ベタ部表面の毛羽立ち、紙剥け状態を目視で観察して評価した。
優:全く毛羽立ちや紙剥けが見られない
良:毛羽立ちや紙剥けがほとんどない
可:毛羽立ちや紙剥けが僅かに見られる
不可:毛羽立ちや紙剥けが多く見られる
[0053]
[印刷裏抜け(バーコード読取性)]
作製した感熱記録体の感熱記録面と反対の面に、RI印刷機を用いてオフセット輪転印刷用インキ(墨)を印刷し乾燥させた後、感熱記録面にゼブラ社製ラベルプリンタ140XiIIIにてバーコード印字(CODE39)した後、印字されたバーコードをバーコードリーダー(日本システックス社製、Quick Check PC600)にて評価した。評価はANSIグレード(CEN法、測定回数10回の平均)にて行った。
印刷裏抜けとは、低密度化剤を含有する支持体に印刷した際に、反対面へインキが浸透しやすくなり、印字された感熱記録面が読み取りにくくなる問題をいう。
評価値が1.5以上であれば、バーコード読取性において実用上問題ないレベルであり、一方、評価値が1.5未満であると、実用上問題が発生する。
[0054]
評価結果を下表に示す。
【0026】
[表1]
[0055]
図1に示すように、印字濃度が薄いところで顕著であるが、実施例1の感熱記録体はムラなく印字できているのに対し(図1(1))、比較例1の感熱記録体は印字にムラがある(図1(2))。これは、支持体が飽和脂肪酸アミドを含有することにより適正に低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字性が良いことを示している。
低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)を用いた場合(実施例1〜3、比較例7〜9)には、低密度化剤を用いない場合(比較例1)に比べて、画質や印刷裏抜けが良好になり、脂肪酸エステル系の低密度化剤(ステアリン酸エステル)を用いた場合(比較例4、6)に比べて、画質、印字濃度及び表面強度が良好になり、不飽和脂肪酸アミド(オレイン酸ジアミド)を用いた場合(比較例3、5)に比べて、発色感度や画質が優れる。
また、低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸モノアミド)を用いて高密度にした場合(比較例2)には、低密度にした場合(実施例1)
【0027】
に比べて、印刷裏抜けが劣り、印字濃度も若干悪くなる。
飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合(実施例1、2及び5)には、飽和脂肪酸ポリアミド(ステアリン酸ジアミド)を用いた場合(比較例7〜9)に比べて、印字濃度や印刷裏抜けが優れている。特に、図2の(3)と(4)を印加エネルギーが低い場合(0.195mJ/dot付近以下)で比較すると、(3)飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合には、発色感度が優れていることが見て取れる。このことは、表1において実施例1〜3の印字濃度が比較例7〜9よりも高いことに表れている。
この発明は、支持体に飽和脂肪酸アミドを含有させて低密度化した感熱記録体であって、発色感度、画質、表面強度等に優れた感熱記録体に関する。
一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下「ロイコ染料」という)とフェノール性化合物等の電子受容性顕色剤(以下「顕色剤」という)とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー、スーパーマーケットやコンビニなどのレシート等の記録媒体として広範囲に使用されている。近年、用いる媒体はハンディターミナル用途など小型化が進んでおり、また、ラベル、チケット用途などでは高感度・高精細性、特にバーコード読み取り適性が求められるなど、感熱記録体は優れた発色性能を求められている。さらに、レシート等の記録媒体として使用される場合には、裏面に広告等を印刷する機会が増えており、感熱記録体には従来から要求されている発色感度、画質などの品質のほか、一般印刷適性(印刷裏抜け防止、印刷時の耐ピッキング性、印刷作業性など)が求められている。
一方、脂肪酸アミド等を含有させて紙を低密度化することは一般に知られている(特許文献1など)。
また、非イオン界面活性剤を添加した低密度紙を用いて、支持体の熱伝導性を低下させることにより発色感度を向上させた感熱記録体(特許文献2)や、支持体に脂肪酸アミドや脂肪酸エステルなどを添加した低密度紙を用いた感熱記録紙(特許文献3〜5)が開示されている。
特開2008−248408 特開2002−293023 特開2005−1281 特開2005−134578 特開2005−154996
一般に低密度化剤を用いて低密度化した原紙(低密度紙)は、裏面に印刷した場合に表面にその印刷が映ること(印刷裏抜け)が少ないことや、支持体の熱伝導性が低下するため発色感度が向上する等の利点があるため、感熱記録体の支持体にこのような低密度紙を用いることは、このような観点からは好ましいといえる。
しかし、支持体に低密度化した原紙(低密度紙)を用いた場合、紙力(即ち、紙自体の強度)が低下し、かつ表面の平滑度が低下する傾向にあるため、支持体として低密度紙を用いた感熱記録体は、画質が低下したり、印刷時にピッキングなどのトラブルが発生することがある。
画質の低下は、感熱記録体に印字する場合に、印字されない部分が生じる印字ムラに起因する問題であり、紙の平滑性が劣るためにプリンターヘッドとの密着性が劣ることが原因で引き起こされると考えられている。
また、ピッキングは、印刷時に発生する紙の毛羽立ちや紙剥けのことをいい、紙面や塗工層の強度(表面強度ともいえる)が、塗工面へのインキの粘着力よりも弱いことが原因で引き起こされると考えられている。
そのため十分な画質や一般印刷適性を確保するために、一般に感熱記録体の支持体(低密度紙)と感熱記録層との間に下塗り層を設けることが行われている(特許文献2等)。
本発明は、低密度化した原紙(嵩高紙)を支持体として用いて、発色感度、印刷裏抜け防止性、画質及び耐ピッキング性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
低密度紙の製造に用いる低密度化剤には、油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、多価アルコール系非イオン界面活性剤などの界面活性剤、高級アルコール、高級アルコールあるいは高級脂肪酸のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物などがあるが、本発明者らは、これらの低密度化剤を比較検討した結果、感熱記録体の支持体に特定の脂肪酸アミドを含有させると、感熱記録体が優れた画質や一般印刷適性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
一般的に、低密度化剤は支持体を構成するセルロース繊維の繊維間結合力を低下させ、繊維間の空隙を大きくすることで低密度な支持体が得られる。しかし、繊維間結合力の低下は紙力(即ち、紙自体の強度)の低下につながり、前述のとおり印刷時にピッキングなどのトラブルが発生することがある。
支持体に脂肪酸アミドを含有させると、同様に支持体を構成するセルロース繊維の繊維間の空隙が大きくなり低密度な支持体が得られる。一方、脂肪酸アミドが有するアミド基は、支持体を構成するセルロース繊維や支持体に塗工する塗工液中のバインダーや顔料などと結合を形成し、繊維間結合力の低下抑制や塗工層の膜強度の向上、塗工層と支持体の接着強化などの作用を有するため、画質や一般印刷特性(印刷時の耐ピッキング性など)が良好であると考えられる。
更に、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸として飽和脂肪酸を用いると、感熱記録体が発色感度や画質により優れることが分かった。
即ち、本発明は、低密度化された支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該支持体が飽和脂肪酸モノアミドを含有する感熱記録体である。
本発明の感熱記録体は、支持体の原紙が飽和脂肪酸アミドを含有するため、他の低密度化剤を含有させて低密度化した原紙を支持体に用いた場合に比べて、優れた画質や一般印刷適性を有する。
また、支持体の低密度化剤である飽和脂肪酸アミドには、飽和脂肪酸モノアミドと飽和脂肪酸ポリアミドがあるが、これらを使用する感熱記録体の性質は異なる。
飽和脂肪酸モノアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、飽和脂肪酸ポリアミドを用いる場合に比べて、感熱記録体の発色感度が特に優れ、それは印字濃度の性能が良いことに表れる。
一方、飽和脂肪酸ポリアミドを用いて低密度化した支持体を有する感熱記録体は、紙の平滑性にかかわらず、プリンターヘッドとの密着性が良好であり、極めて画質が良好であり、精細な画像が得られる。
また、本発明の感熱記録体は、支持体が低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字濃度が向上するとともに、印刷裏抜けなどの問題を生じることがない。
更に、本願発明の感熱記録体は、この下塗り層を設けない場合においても十分な画質や一般印刷適性を確保することができる。
感熱記録体の印字面の状態を示す。(1)は実施例1、(2)は比較例1のものを示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。 感熱記録体の印字面の状態を示す。(3)は実施例2(低密度化剤:ステアリン酸モノアミド)、(4)は比較例8(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、(5)は比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)、(6)は比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)を示す。左の数字は印加エネルギー(mJ/dot)を示す。
本発明で用いる支持体は飽和脂肪酸アミドを含有する。
脂肪酸アミドを構成する脂肪酸には、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸と、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸とが含まれるが、本願発明では飽和脂肪酸(即ち、脂肪酸アミドを構成する脂肪酸が飽和脂肪酸である脂肪酸アミド)を用いる。支持体に、飽和脂肪酸アミドを用いると、感熱記録体の発色感度や画質が優れる(表1)。また、これらの飽和脂肪酸の中で、炭素数が12〜22、好ましくは16〜18の直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。
またこの飽和脂肪酸アミドを構成するアミンはモノアミンである。
飽和脂肪酸モノアミドは、一般式RCONH(式中、Rは、飽和脂肪酸アミドを構成する飽和脂肪酸からカルボン酸基を除いた基を表し、飽和脂肪酸アミドの場合は、飽和炭化水素基、直鎖飽和脂肪酸アミドの場合は、直鎖飽和炭化水素基を表す。)で表わされる。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合には、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合に比べて、感熱記録体の発色感度がより優れ、それは印字濃度や印刷裏抜け等の性能が良いことに表れる(表1)。特に、飽和脂肪酸モノアミドを用いた場合は、低印加エネルギー(例えば、0.20mJ/dot以下)で印字した場合に発色感度が顕著に優れるので、高速で印字する場合やハンディターミナルなど出力の小さい(印加エネルギーの低い)印字機で印字する場合等に好ましい。
飽和脂肪酸モノアミドは感熱記録体における増感剤に類似する構造を持つため、支持体中に飽和脂肪酸モノアミドを含有することにより、感熱記録層に含有する顕色剤の発色反応を促進する働きがあるものと推測される。
飽和脂肪酸モノアミドとしては、ラウリル酸モノアミド、パルミチン酸モノアミド、ステアリン酸モノアミド、ベヘン酸モノアミドなどが挙げられる。
和脂肪酸ポリアミドとしては、例えば、ラウリル酸ポリアミド、パルミチン酸ポリアミド、ステアリン酸ポリアミド、ベヘン酸ポリアミドなどが挙げられる。
なお、後述の実施例でも明らかなように、飽和脂肪酸ポリアミドを用いた場合には、感熱記録体に印字した場合に、精細性が優れている。この精細性とは、感熱記録体に印字する場合、より細かいところまで精密に印字されていることをいう。感熱記録層又はその上層の保護層にプリンターヘッド等で加熱することにより印字するが、その場合に、支持体上の感熱記録層又はその上層の保護層とプリンターヘッドとの密着性が良好になり、より均一に印字されるためと考えられる。
これらの飽和脂肪酸アミドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミド(不飽和脂肪酸アミド及び本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の飽和脂肪酸アミドを含むが、主に不飽和脂肪酸アミドである。)を併用してもよい。本発明においては、本願発明の飽和脂肪酸アミドおよび本願発明の飽和脂肪酸アミド以外の脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸アミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。また、本発明においては、使用する飽和脂肪酸アミドの合計のうち、本願発明の飽和脂肪酸モノアミドが50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。
支持体中の本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量は、所望する効果が得られる範囲で適宜調整可能であるが、嵩高効果と表面強度のバランスが良好であるため、支持体中の対パルプあたり好ましくは0.1〜1重量%である。本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量が0.1重量%以上であると、十分な嵩高効果が得られやすい。また、本願発明の飽和脂肪酸アミドの含有量が1重量%以下であると、紙力低下による印刷時のピッキングなどのトラブル発生や、表面の平滑度の低下による感熱記録体の画質低下などが起こりにくい。
本願発明の飽和脂肪酸アミドは、通常乳化分散したエマルジョンとして用いられる。このエマルジョンは、例えば、飽和脂肪酸アミドを熱水と乳化剤と共にホモミキサー等の乳化装置に入れ、乳化時に溶融温度以上にして熱溶融させ、乳化分散することにより得られる。乳化剤の種類と添加量、乳化時の撹拌強度、乳化時間などを適宜調節して、良好な粒度分布を持つエマルジョン粒子が得られる。乳化剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、から選ばれる1種類または2種類以上を組み合わせて使用される。
このエマルジョン粒子は、粒子径が小さい方が添加量に対する嵩高効果が大きく、支持体の紙力低下が発生しにくいので好ましい。レーザー回折散乱法で測定したエマルジョン粒子の平均粒子径は通常0.3〜20μm程度である。
本発明で用いる支持体は、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グランドパルプ(GP)、リファイナグランドパルプ(RGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等)、非木材パルプなどのパルプであり、支持体に要求される品質に応じて、適宜配合することができる。
本発明において、白色度や不透明度を向上させるために、支持体に填料を添加することが望ましい。填料の添加量は特に制限されるものではないが、支持体の灰分として2〜20%になるように調整して添加することが望ましい。なお、支持体の灰分が20%を超えるとパルプ繊維の絡み合いが阻害されるため、十分な強度が得られなくなる恐れがある。支持体の灰分はJIS P8251に準じて測定される。
本発明において、必要に応じて支持体に、通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤などを添加することができる。
本発明において、支持体の抄紙方法は特に限定されるものではなく、トップワイヤーなどを含む長網マシン、円網マシン、この両者の併用マシンなどを用いることができる。また、抄紙方法としては、酸性抄紙、中性抄紙方式から適宜選択することができ、特に限定されるものではない。
さらに、サイズプレス、プレメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどを使用して、表面の平滑性と支持体の白色度を高める顔料、表面強度を高める水溶性高分子物質又は疎水性高分子のエマルジョン等、吸水抵抗性を付与する表面サイズ剤などを含む塗液を支持体に含浸させあるいは塗工してもよい。
水溶性高分子物質又は疎水性高分子のエマルジョン等の具体例としては、例えば、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類等の水溶性高分子、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル等の疎水性高分子のエマルジョンなどが挙げられる。これらは、単独、または2種類以上混合して用いられる。
表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、カチオン性サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などが挙げられるがこれらに制限されるものではない。好ましくはアルキルケテンダイマー系サイズ剤である。
塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調製剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、接着剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
塗工液の固形分濃度は、組成や塗工方式等により適宜調整されるが、通常5〜15重量%程度であり、乾燥塗工量は0.1〜3.0g/cmである。
本願発明で用いる支持体である原紙は低密度化剤である飽和脂肪酸アミドを含有するため、この原紙は低密度化されることができる(低密度紙)。しかしながら、支持体が飽和脂肪酸アミドを含有する場合であっても、感熱記録体に要求される品質などに応じて、例えば、支持体をカレンダー処理するなどの製造条件を調整することで、より高密度化又はより低密度化することもできる。
本願の低密度紙の密度は0.95g/cm以下であり、好ましくは0.60〜0.85g/cm、より好ましくは0.65〜0.85g/cm、特に0.65g/cm以上で0.85g/cm未満である。この密度はJIS P8118で測定する。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有する。
以下、感熱記録層及びその他の塗工層で使用される各種材料を例示するが、顔料、バインダー、架橋剤などはこれらの材料は上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、各塗工層に使用することができる。
本発明に使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系化合物、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明に使用する顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものがすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達(株)製商品名D−90として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達(株)製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明に使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明に使用する顔料としては、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられ、要求品質に応じて併用することもできる。
本発明に使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することもできる。
本発明に使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
本発明に使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す安定化剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を添加することもできる。このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明に使用するロイコ染料、顕色剤、増感剤、その他の各種成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層においては、通常ロイコ染料1重量部に対して顕色剤0.5〜10重量部、顔料0.5〜20重量部、増感剤0.1〜10重量部程度、安定化剤0.01〜10重量部程度、その他の成分0.01〜10重量部が使用され、バインダーは感熱記録層固形分中5〜25重量%程度が適当である。
本発明において、ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。この塗工液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を有するが、適宜感熱記録層以外の層を設けてもよい。例えば、支持体と感熱記録層の間に下塗り層、感熱記録層上に保護層、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層などを設けることができる。
この下塗り層は、主としてバインダーと顔料とから成る。
下塗り層に用いるバインダーとしては、一般的に使用されている水溶性高分子あるいは疎水性高分子のエマルジョン等が適宜使用可能である。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等のセルロース誘導体、デンプンとその誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の疎水性高分子のエマルジョンを用いることができる。これらのバインダーは1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層に用いる顔料としては、従来一般的に使用されている公知の顔料、具体例としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、焼成カオリン、クレー、タルク等の無機顔料などを使用することができる。これらの顔料は1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層中の顔料は、全固形分に対して、通常50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。
下塗り層の塗液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
保護層としては、通常顔料と樹脂を主成分とし、樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。また、保護層に1)カルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂や2)ガラス転移点が50℃より高く95℃以下であるアクリル系樹脂を含有させることは、耐熱性、耐水性、耐湿熱性の点から好ましい。
このカルボキシル基含有樹脂として好ましくはカルボキシ変性ポリビニルアルコールが挙げられ、このエピクロロヒドリン系樹脂として好ましくはポリアミドエピクロロヒドリン樹脂やポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などが挙げられ、このポリアミン系樹脂/ポリアミド系樹脂としては、ポリアミン/アミド系樹脂として、ポリアミド尿素系樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられる。
また、このアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸および、(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分を含む。(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを例示できる。またこのアクリル系樹脂は、好ましくは非コアシェル型アクリル系樹脂である。
本発明において、感熱記録層及び感熱記録層以外の塗工層を塗工する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができる。例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。
感熱記録層ならびに感熱記録層以外の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層の一般的な乾燥塗工量は2〜12g/m程度である。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお、各実施例および比較例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
パルプの濾水度(カナダ標準濾水度、以下「CSF」という。)はJIS P8121に準じて測定した。支持体の密度は、JIS P8118で測定した。支持体の感熱記録面側(下塗り層もしくは感熱記録層を塗工する面)の平滑度は、JIS P8155(王研式)で測定した。この平滑度(秒)が高いほど表面は平滑である。
[実施例1]
(支持体)
パルプ原料としてCSF350mlの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を使用し、ステアリン酸モノアミド(中京油脂社製:N327、固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合、填料として炭酸カルシウムを支持体の灰分が15%となるように配合、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ固形分当たり0.15%となるように配合した紙料を長網抄紙機で抄造し、ゲートロールコーターでヒドロキシエチル化澱粉(STALEY社製:ETHYLEX2035)7.0%及び表面サイズ剤(星光PMC社製:SKレジンS−25)0.08%に調整した塗工液(溶媒:水)を両面で乾燥塗工量が0.5g/mになるように塗工した。
次に、支持体の密度が0.85g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚68μm)になるように、スーパーカレンダーを用いて支持体を処理し、感熱記録面側の平滑度64秒のサンプルを得た。
(下塗り層)
上記で得た支持体の片面に、下記配合からなる下塗り層用塗工液を塗工・乾燥して、下塗り層の乾燥塗工量が7.0g/mの感熱記録層塗工用支持体を得た。
下塗り層用塗工液(U液)
焼成カオリン(エンゲルハード社製:アンシレックス90) 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:ST55
26、固形分48%) 40部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 30部
水 146部
(感熱記録層)
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行なった。
A液(顕色剤分散液)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(エーピー
アイコーポレーション社製:NYDS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
B液(ロイコ染料分散液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成
社製、ODB−2) 2.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 4.6部
水 2.6部
C液(増感剤分散液)
ジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117
、固形分10%) 18.8部
水 11.2部
次に下記の割合で分散液を混合して感熱記録層用塗工液を調製した。
感熱記録層用塗工液
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(ロイコ染料分散液) 9.2部
C液(増感剤分散液) 36.0部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
この感熱記録層用塗工液を、上記で得た感熱記録層塗工用支持体の下塗り層上に乾燥塗工量が3.0g/mとなるように塗工・乾燥した。このシートをスーパーカレンダーを用いて線圧100kN/mの条件で処理して、感熱記録体を得た。
[実施例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例7
ステアリン酸モノアミドの代わりにステアリン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。密度が0.85g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚68μm)になるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度が64秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例8
比較例7と同様にして得た支持体を、密度が0.70g/cm(即ち、坪量58g/m、紙厚83μm)になるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は20秒であった。このほかは比較例7と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例1]
ステアリン酸モノアミドを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして支持体を得た。この支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は110秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例2]
実施例1と同様にして得た支持体を、坪量が58g/m、密度が1.00g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いて処理した。この感熱記録面側の平滑度は95秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例3]
ステアリン酸モノアミドの代わりにオレイン酸ジアミド(固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。支持体の坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は23秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例4]
ステアリン酸モノアミドの代わりに多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体(花王社製:KB115、固形分30%)を対パルプ固形分当たり1.0%配合して、実施例1と同様にして支持体を得た。坪量が58g/m、密度が0.70g/cmになるように、スーパーカレンダーを用いてこの支持体を処理した。この感熱記録面側の平滑度は25秒であった。このほかは実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
下塗り層を設けない以外は実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
比較例9
下塗り層を設けない以外は比較例8と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例5]
下塗り層を設けない以外は比較例3と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例6]
下塗り層を設けない以外は比較例4と同様にして感熱記録体を得た。
以上のようにして得た感熱記録体について以下の評価を行った。
[印字濃度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して階調パターンの印字を行ない、印加エネルギー0.35mJ/dotと0.195mJ/dotでの印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[画質]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギーを順次0.120mJ/dotから0.240mJ/dotまで、0.015mJ/dotごとに上げて、階調パターンの印字を行ない、この範囲の印字部の精細性を目視で評価した。これらの画質の違いは、印加エネルギーが比較的低い範囲、特に0.120〜0.225mJ/dotの範囲で顕著であった。
優:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラなく印字できている
良:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが僅かに見られる
可:上記印字エネルギー範囲で、印字ムラが見られ。白抜け(印字されない部分)も僅かに見られる
不可:上記印字エネルギー範囲で、印字部の白抜けがかなり見られる
試験した感熱記録体のうち、実施例1及び2(低密度化剤:ステアリン酸モノアミド)、比較例8(低密度化剤:ステアリン酸ジアミド)、比較例1(低密度化剤なし)、比較例3(低密度化剤:オレイン酸ジアミド)及び比較例4(低密度化剤:ステアリン酸ジエステル)の感熱記録体について、試験後の印字紙を図1及び2に示す。
[表面強度]
作製した感熱記録体の感熱記録面に、ローランド製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、表面強度(耐ピッキング性)を藍単色ベタ部表面の毛羽立ち、紙剥け状態を目視で観察して評価した。
優:全く毛羽立ちや紙剥けが見られない
良:毛羽立ちや紙剥けがほとんどない
可:毛羽立ちや紙剥けが僅かに見られる
不可:毛羽立ちや紙剥けが多く見られる
[印刷裏抜け(バーコード読取性)]
作製した感熱記録体の感熱記録面と反対の面に、RI印刷機を用いてオフセット輪転印刷用インキ(墨)を印刷し乾燥させた後、感熱記録面にゼブラ社製ラベルプリンタ140XiIIIにてバーコード印字(CODE39)した後、印字されたバーコードをバーコードリーダー(日本システックス社製、Quick Check PC600)にて評価した。評価はANSIグレード(CEN法、測定回数10回の平均)にて行った。
印刷裏抜けとは、低密度化剤を含有する支持体に印刷した際に、反対面へインキが浸透しやすくなり、印字された感熱記録面が読み取りにくくなる問題をいう。
評価値が1.5以上であれば、バーコード読取性において実用上問題ないレベルであり、一方、評価値が1.5未満であると、実用上問題が発生する。
評価結果を下表に示す。
図1に示すように、印字濃度が薄いところで顕著であるが、実施例1の感熱記録体はムラなく印字できているのに対し(図1(1))、比較例1の感熱記録体は印字にムラがある(図1(2))。これは、支持体が飽和脂肪酸アミドを含有することにより適正に低密度化されているので、支持体の断熱性が向上し、発熱体から供給された熱を効率よく感熱記録層へ提供できるので、印字性が良いことを示している。
低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)を用いた場合(実施例1〜3、比較例7〜9)には、低密度化剤を用いない場合(比較例1)に比べて、画質や印刷裏抜けが良好になり、脂肪酸エステル系の低密度化剤(ステアリン酸エステル)を用いた場合(比較例4、6)に比べて、画質、印字濃度及び表面強度が良好になり、不飽和脂肪酸アミド(オレイン酸ジアミド)を用いた場合(比較例3、5)に比べて、発色感度や画質が優れる。
また、低密度化剤として飽和脂肪酸アミド(ステアリン酸モノアミド)を用いて高密度にした場合(比較例2)には、低密度にした場合(実施例1)に比べて、印刷裏抜けが劣り、印字濃度も若干悪くなる。
飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合(実施例1、2及び5)には、飽和脂肪酸ポリアミド(ステアリン酸ジアミド)を用いた場合(比較例7〜9)に比べて、印字濃度や印刷裏抜けが優れている。特に、図2の(3)と(4)を印加エネルギーが低い場合(0.195mJ/dot付近以下)で比較すると、(3)飽和脂肪酸モノアミド(ステアリン酸モノアミド)を用いた場合には、発色感度が優れていることが見て取れる。このことは、表1において実施例1〜3の印字濃度が比較例7〜9よりも高いことに表れている。

Claims (5)

  1. 支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該支持体が飽和脂肪酸アミドを含有し、該支持体の密度が0.95g/cm以下である感熱記録体。
  2. 前記支持体の密度が0.60〜0.85g/cmである請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記飽和脂肪酸アミドが飽和脂肪酸モノアミドである請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記飽和脂肪酸モノアミドが直鎖飽和脂肪酸モノアミドである請求項3に記載の感熱記録体。
  5. 前記支持体と感熱記録層との間に下塗り層を設けない請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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