JP2012116026A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、支持体に機械パルプを5重量%以上含有させ、支持体のサイズ剤処理を調節することにより、支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度を50秒以上とすると共に、該感熱記録層をカーテン法によって設ける。
【選択図】なし
Description
一般に紙の不透明度を向上させる方法として、紙を嵩高にすることが知られている。感熱記録体の分野では、多価アルコールなどの嵩高剤を添加した支持体を用いて、発色感度を向上させた感熱記録体が開示されている(特許文献1)。
また機械パルプは新聞紙や雑誌等の原料として用いられているが、一般に機械パルプを使用することで紙が嵩高になることが知られている(特許文献2など)。
また、裏面にインクジェット記録適性を持たせた感熱記録体において、支持体と感熱記録層との間に二層の下塗り層を設けることにより、インクジェット記録された場合に感熱記録面に対するインクジェットのインクによる影響を抑制する方法が開示されている(特許文献3)。
また支持体に機械パルプを用いた場合、支持体上に感熱記録層を塗工する際に、塗工液が支持体中に含浸しやすく、塗工層の被覆性や平滑性が低下し(沈み込み)、印字濃度や再印字性(保存後の印字濃度)が低下する。
そのため、本発明は、感熱記録体の裏面(感熱記録層の反対面)に印刷した場合においても、感熱記録面に印字した画像品質、特にバーコード読取り性に優れ、かつ印字濃度、再印字性、印刷強度が良好である感熱記録体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該支持体が機械パルプを5重量%以上含有するパルプから成り、該支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度(滴下水の量を0.001mlとする以外は、紙パルプ技術協会 J.TAPPI No.32−2:2000に規定される点滴吸水度に準じる。)が50秒以上でであり、該感熱記録層をカーテン法によって設けることを特徴とする感熱記録体である。
木材繊維の形態がほとんどそのまま残って単繊維化している化学パルプに比べ、機械パルプは大部分が破断した繊維及び繊維束である。そのため機械パルプを含有したシートは嵩が高くなることにより、高い不透明性を有している。さらに、機械パルプは疎水性のリグニンで固められているため、インキに対する高い吸着性を有しているとともに機械パルプ自体が空隙を有している。そのため機械パルプを含有したシートは疎水性であるインキの着肉性に優れる。
これに対して、親水性である嵩高剤を含有したシートは、嵩が高くなることにより、高い不透明性を有しているが、疎水性であるインキに対する着肉性が不十分であるため、印刷した際に反対面へインキが浸透しやすいという問題(即ち、印刷裏抜け)が発生する。
特に、サーモメカニカルパルプ(TMP)は、他の機械パルプに比べて比散乱係数が高く、高い不透明度を得られることから、本願発明の感熱記録体の支持体として好ましく用いられる。
古紙パルプとは、古紙を原料とし、脱墨工程にてこれらの古紙に含まれるインキを除去したパルプを指す。古紙に含まれるインキとしては、印刷インキ(日本印刷学会編、“印刷工学便覧”、技報堂、p.606、1983)、ノンインパクトプリンティングインキ(“最新・特殊機能インキ”、シーエムシー、p1、1990)や主に新聞、更紙系雑誌に用いられる非加熱の浸透乾燥方式のオフセットインキ(後藤朋之、日本印刷学会誌、38(5)、7、(2001)など)が挙げられる。
古紙は、新聞、チラシ、更紙系雑誌、ダンボールなどの機械パルプを主原料パルプとして含有する古紙と、コート紙系雑誌、感熱・感圧紙、模造・色上質紙、コピー用紙、コンピューターアウトプット用紙などの化学パルプを主原料パルプとして含有する古紙に大分される。
古紙に含まれる機械パルプや化学パルプは、その性質を保持している。古紙に含まれる機械パルプは、上述したように、嵩が高く、機械パルプを含む古紙を含有したシートは高い不透明性を有している。
非木材パルプとしては、バガスパルプやワラパルプなどが挙げられる。
機械パルプの配合割合が支持体のパルプ全体に対して5重量%未満では十分な不透明度を得ることが難しくなり、インキ裏抜け防止効果が期待できない。一方、機械パルプの配合割合を25重量%より多くすると、インキ裏抜け防止効果は向上するが支持体表面の平滑性が低下する傾向が見られる。その結果、支持体上に感熱記録層を塗工した際の塗工面の均一性が低下し、印字した画像の精細性は低下するため、バーコード読取り性の向上効果は飽和する傾向が見られる。特に機械パルプの配合割合を50重量%より多くすると、印字した画像の精細性の低下が大きく印字濃度、再印字性が低下すると共に、パルプ繊維の絡み合い(繊維間結合)の減少に伴い支持体の強度が低下するため、印刷時にインキのタック(粘着性)により、支持体表層が引き剥がされるピッキングなどの問題が発生することがある。
古紙パルプを使用する場合、この機械パルプには古紙パルプが含有する機械パルプも含まれ、古紙パルプ中の機械パルプの配合割合は、JIS P8120に準じて測定される。支持体のパルプ全体に対する古紙パルプの配合割合は、インキ裏抜け防止効果と印字画像の精細さのバランスを最適化する目的で、好ましくは5〜95重量%の範囲、より好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは5〜60重量%である。
この点滴吸水度は、滴下水の量を1μl(0.001ml)とした以外は、紙パルプ技術協会 J.TAPPI No.32−2:2000(紙−吸水試験方法−第2部:滴下法)に準じて測定する。即ち、測定用試験片(紙)を水平に張り、その測定面(即ち、感熱記録層を設ける面)に、蒸留水1μl(0.001ml)を滴下したときの、目視観察で水滴が吸収されるまでの時間を測定する。この測定用試験片(紙)の大きさは、この測定ができるものであればよく、例えば、直径が少なくとも40mm程度の円形のものを用いてもよい。点滴吸水度は、時間(秒)で表わされ、点滴吸水度が高いほど吸水性は低く、点滴吸水度が低いほど吸水性は高い。
支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度が50秒以上であることにより、支持体上に感熱記録層を塗工した際の塗工液の沈み込みを抑制して塗工層の有効層厚が厚くなり、かつ均一な塗工面が得られるため、印字した画像の精細性が向上してバーコード読取り性、印字濃度、再印字性が良好となる。点滴吸水度は、好ましくは80秒以上であり、更に好ましくは100秒以上である。点滴吸水度が高いとバーコード読取り性、印字濃度、再印字性は良好となる。支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度が50秒未満であると、支持体上に感熱記録層を塗工した際の塗工液の沈み込みが大きく、十分なバーコード読取り性、印字濃度、再印字性が得られない。一方、点滴吸水度が高すぎると、一般印刷において、インキのハジキによる印刷ムラ(特に網点部での濃度ムラ)が発生したり、インキの定着性低下による再転写(印刷後にインキが他の印刷物や印刷版胴に転写すること。)などの問題が生じてくることから、点滴吸水度は好ましくは300秒以下、より好ましくは200秒以下である。
また、外添のためのサイズ剤(外添サイズ剤)としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂などのカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマー、スチレン系ポリマー、イソシアネート系ポリマーなどのカチオン性ポリマー、ロジン、トール油及びフタル酸などのアルキド樹脂ケン化物、石油樹脂とロジンのケン化物などのアニオン性低分子化合物、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、アルキルケテンダイマー(AKD)などが挙げられるが、中性抄紙下でセルロース中のカルボキシル基と相互作用しやすいスチレン−アクリル酸系共重合体樹脂のカチオン性ポリマーやアルキルケテンダイマー(AKD)が好ましく、特にスチレン−アクリル酸系共重合体樹脂のカチオン性ポリマーがより好ましい。
また、支持体が古紙パルプを含有する場合、古紙パルプに含有される界面活性剤などの影響により支持体の点滴吸水度が低下する傾向が見られる。
このような場合においても、サイズ剤の種類、使用量、添加方法を適宜選択し調節して、所望の点滴吸水度を得ることができる。
更に必要に応じて支持体に、抄造工程で通常使用される薬品類、例えば、紙力増強剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
サイズ剤を内添する場合の添加量は、所望の点滴吸水度を与えるような量にすればよいが、好ましくは固形分で対パルプ重量あたり0.1〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
表面強度を高める水溶性高分子物質としては、例えば、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは、単独又は2種類以上混合して用いられる。
塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、接着剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
塗工液の固形分濃度は、組成や塗工装置等により適宜調整されるが、通常5〜15重量%程度である。
また、ゲートロールコーター、サイズプレスコーター等の両面同時塗工を行う塗工装置を用いた場合は、支持体の両面に均等に塗工されるため、支持体の感熱記録層を設ける面の塗工量は、両面を合わせた塗工量の半分となる。
一方、特に印字濃度や印刷裏抜けの向上などを目的として、感熱記録層と支持体の間に顔料が含有される下塗り層を設けた場合、前記ロッドブレード法、エアナイフ法など接触方式の塗工方法では感熱記録層による被覆性が低いため、印字した画像の精細性が低下してバーコード読取り性が劣る。さらに、下塗り層に含有される顔料が感熱記録面に露出しやすくなるため、印字時に顔料と接触したサーマルヘッドが摩耗し、印字不良が発生するなど印字走行性の低下を引き起こす。
感熱記録層の塗工量を増やすことにより被覆性を高めることは可能であるが、感熱記録層の塗工量を増やすと、感熱記録面への一般印刷時にピッキング等のトラブル、すなわち印刷強度の問題が発生する。
塗工液濃度、塗工速度、カーテン膜幅、落下角度等の諸条件は、各々のカーテン法及び塗工装置に合わせ、適宜調整して行うことが望ましい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕、 3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。
本発明の下塗り層のバインダーとしては、一般的に使用されている水溶性高分子あるいは疎水性高分子のエマルジョン等が適宜使用可能である。具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等のセルロース誘導体、デンプンとその誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の疎水性高分子のエマルジョンを用いることができる。これらのバインダーは1種又は2種以上用いてもよい。
下塗り層の塗工液には必要に応じて、分散剤、可塑剤、pH調整剤、消泡剤、保水剤、防腐剤、着色染料、紫外線防止剤等の各種助剤を適宜配合してもよい。
更に、感熱記録体の裏面(即ち、感熱記録層の反対面)に印刷した際に、下塗り層は感熱記録面へインキが浸透することを抑制する効果がある。本発明では、前述の通り下塗り層の有効層厚が厚く、かつ均一な塗工面が得られるため、下塗り層を厚くしたり、下塗り層を多層にして、インキが浸透しないようなバリア性を持たせる必要は無い。従って、本発明の感熱記録体においては、下塗り層の乾燥後の塗工量は比較的少ない。
下塗り層の乾燥塗工量は、好ましくは15g/m2以下、より好ましくは1〜15g/m2、更に好ましくは3〜10g/m2である。
下塗り層、保護層など、感熱記録層以外の各塗工層の塗工には、カーテンコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロールコーター、リップコーター及びバーコーター等、汎用の塗工機を用いることができる。
なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。各パルプのフリーネス(カナダ標準濾水度、以下「CSF」という。)はJIS P8121に準じて測定した。
なお、以下の実施例と比較例において、発明の効果を明らかにする目的で密度が同程度となるように、支持体はマシンカレンダー処理によって密度が0.7g/cm3程度となるように調整した。
また、点滴吸水度は、下塗り層を設けていない紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度を指す。
(支持体1)
CSF90mlのTMP20部とCSF300mlのLBKP80部からなるパルプ100部に対して硫酸アルミニウム0.7部と炭酸カルシウム10部を添加・混合した原料を、長網抄造機で抄造した。その両面に、ヒドロキシエチル化澱粉(STALEY社製ETHYLEX2035)及びカチオン性サイズ剤(スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂のカチオン性ポリマー、ハリマ化成株式会社製LC−5)からなるクリヤーサイズ塗工液を、ヒドロキシエチル化澱粉の支持体両面の乾燥塗工量が0.67g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.335g/m2)、カチオン性サイズ剤の支持体両面の乾燥塗工量が0.15g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.075g/m2)になるように、ゲートロールコーターで塗工した。カレンダーで密度が0.7g/cm3になるように処理することにより、坪量48g/m2、灰分5%の紙支持体を得た。この紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は170秒であった。
<下塗り層用塗工液>
焼成カオリン(エンゲルハード社製:アンシレックス90) 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:ST5526、
固形分48%) 40部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 30部
水 146部
(感熱記録層)
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行なった。
顕色剤分散液(A液)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB−2)
2.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 4.6部
水 2.6部
増感剤分散液(C液)
シュウ酸ジベンジル 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
<感熱記録層用塗工液>
顕色剤分散液(A液) 36.0部
ロイコ染料分散液(B液) 9.2部
増感剤分散液(C液) 36.0部
軽質炭酸カルシウム分散液(白石カルシウム社製:ブリリアント15、
固形分50%) 20.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 10.0部
界面活性剤(日信化学社製、サーフィノール104、固形分:50%)
0.5部
粘度調整剤(サンノプコ社製、SNシックナー929S、固形分:12%)
4.2部
パルプ配合を、TMP70部、LBKP30部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は100秒であった。
[実施例3]
パルプ配合を、TMP10部、RGP(CSF70ml)10部、NBKP(CSF470ml)5部、LBKP75部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は155秒であった。
[実施例4]
パルプ配合を、TMP5部とCSF300mlの古紙パルプ(機械パルプの配合割合10%、以下同じ。)95部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は155秒であった。
[実施例5]
パルプ配合を、TMP40部、古紙パルプ60部とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は130秒であった。
[実施例6]
カチオン性サイズ剤の支持体両面を合わせた乾燥塗工量を0.06g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.03g/m2)とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は90秒であった。
[実施例7]
カチオン性サイズ剤の支持体両面を合わせた乾燥塗工量を0.04g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.02g/m2)とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は60秒であった。
[実施例8]
カチオン性サイズ剤の支持体両面を合わせた乾燥塗工量を0.60g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.30g/m2)とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は320秒であった。
[実施例9]
支持体原料中に、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(星光PMC社製AD1604、固形分30%)をパルプスラリーに対して固形分で対パルプ重量当たり0.15%となるように添加し、カチオン性サイズ剤の支持体両面を合わせた乾燥塗工量を0.06g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.03g/m2)とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は110秒であった。
[実施例10]
クリヤーサイズ塗工液のカチオン性サイズ剤をアルキルケテンダイマー(日本PMC株式会社製SKレジンS−20)としたこと以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は150秒であった。
[実施例11]
支持体に下塗り層を設けない以外は実施例1と同様に、感熱記録層用塗工液を塗工して、感熱記録体を得た。
パルプ配合を、LBKP100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は190秒であった。
[比較例2]
パルプ配合を、LBKP100部として、パルプスラリーに対して、嵩高剤(花王株式会社製KB115、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体)を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は160秒であった。
[比較例3]
嵩向上の為、LBKP製造時のリファイナーの強度を変更し、フリーネス(CSF)が570mlのLBKPを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は140秒であった。
[比較例4]
カチオン性サイズ剤の支持体両面を合わせた乾燥塗工量を0.02g/m2(感熱記録層を設ける面の乾燥塗工量が0.01g/m2)とした以外は、実施例4と同様にして感熱記録体を得た。紙支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度は10秒であった。
[比較例5]
感熱記録層用塗工液をロッドブレード法で塗工・乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例6]
感熱記録層用塗工液を乾燥塗工量が14.0g/m2となるようにロッドブレード法で塗工・乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
[印字濃度]
感熱記録体に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギー0.35mJ/dotで印字を行ない、印字後の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[再印字性](保存後の印字濃度)
40℃、90%RHの環境下で感熱記録体を24時間保存した。保存後の感熱記録体に、大倉電機社製のTH−PMDを使用して、印加エネルギー0.35mJ/dotで印字を行ない、印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[バーコード読取性(印刷裏抜け)]
作製した感熱記録体の感熱記録面と反対の面に、RI印刷機を用いてオフセット輪転印刷用インキ(墨)を印刷し乾燥させた後、感熱記録面にゼブラ社製ラベルプリンタ140XiIIIにてバーコード印字(CODE39)した後、印字されたバーコードをバーコードリーダー(日本システックス社製、Quick Check PC600)にて評価した。評価はANSIグレード(CEN法、測定回数10回の平均)にて行った。
評価値が1.5以上であれば、バーコード読取性において実用上問題ないレベルであり、一方、評価値が1.5未満であると、バーコード読取性において実用上問題が発生する。
作製した感熱記録体の感熱記録面に、ローランド社製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ社製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、藍単色ベタ部のピッキング(インキのタック(粘着性)により感熱記録体表層が引き剥がされること)を目視で評価した。
優:ピッキングが全く見られない
良:ピッキングがほとんど見られない
可:ピッキングが若干見られるが、実用上支障がない程度である
不可:ピッキングが多い、もしくは支持体の内部まで破壊される
Claims (3)
- 支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該支持体が機械パルプを5重量%以上含有するパルプから成り、該支持体の感熱記録層を設ける面の点滴吸水度(滴下水の量を0.001mlとする以外は、紙パルプ技術協会 J.TAPPI No.32−2:2000に規定される点滴吸水度に準じる。)が50秒以上であり、該感熱記録層をカーテン法によって設けることを特徴とする感熱記録体。
- 前記支持体が機械パルプを10〜50重量%含有するパルプから成る請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記支持体と前記感熱記録層との間にバインダーと顔料とから成る下塗り層を設け、その塗工量が15g/m2以下である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
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2010
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