JP2008194917A - 感熱記録体 - Google Patents

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Akito Ogino
明人 荻野
Jun Makihara
潤 牧原
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Abstract

【課題】 本発明によれば、十分な発色感度、画質が得られ、捺印性、擦過性、画像部の耐水性及び耐光性の良好な感熱記録体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層と保護層とを設けた感熱記録体であって、該感熱記録層が、電子供与性ロイコ染料として、3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有し、且つ該保護層中が粉末セルロースを含有させることにより優れた効果が発現する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、塩基性ロイコ染料と電子受容性顕色剤との発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録体に関する。
感熱記録体は無色ないし淡色の塩基性ロイコ染料(以下、「染料」という。)とフェノ−ル性化合物等の電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」という。)を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サ−マルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レ−ザ−光等の加熱による瞬時の化学反応により発色させることにより、記録画像を得ることができる。この感熱記録体は、ファクシミリ、コンピュ−タ−の端末プリンタ−、自動券売機、計測用レコ−ダ−等に広範囲に使用され、さらに各種チケット用、レシート用、ラベル用、銀行のATM用、ガスや電気の検針用、車馬券等の金券用などにも使用されている。
しかし、感熱記録層に含まれる染料及び顕色剤は、各種溶剤に容易に溶解するため、インキ(水性、油性)、接着剤などに含まれる可塑剤が感熱記録体に触れると、白紙部の発色、発色濃度が低下などの保存性に係る問題が生じる。また、配送伝票用紙、請求書、領収書などでは保存性に加えて捺印性を求められている。このため、感熱記録層上にシリカ(特許文献1、2)や多孔質炭酸カルシウム(特許文献3)を含有した保護層を設けた感熱記録体が開発されている。
一方、本願発明で用いた粉末セルロースは、パルプなどのセルロース繊維を加水分解した後に乾式粉砕して微粒化したものであり、有機溶媒等の吸収性があるため、食品の精製(特許文献4)等に用いられている。
特開2000−289333 特開2005−262549 特開2005−41013 特許第3790648号
しかしながら、高吸油性のシリカを含有した感熱記録体(特許文献1、2)は、インキが吸収・定着させることができるため、良好な捺印性を得ることができるが、同時にバインダーもシリカ中に吸収されてしまうため、表面強度が得られにくく、一般印刷適性においてブランケット汚れが発生する。更に、シリカを含有した層は摩擦抵抗が大きくなるため、耐擦過性が低下するとともに、発色感度も低下する。
炭酸カルシウムを含有した感熱記録体(特許文献3)は、炭酸カルシウム中にバインダーが吸収されにくいため、一般印刷適におけるブランケット汚れは発生しないが、良好な捺印性、一般印刷適性おけるインキ着肉性、十分な発色感度を得ることができない。
そこで、本発明は、発色感度、画質が優れるとともに、捺印性、擦過性、画像部の耐水性及び耐光性に優れた感熱記録体を提供することを課題とする。
上記課題は、支持体上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層と保護層とを設けた感熱記録体であって、該感熱記録層が、電子供与性ロイコ染料として、3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有し、且つ該保護層中が粉末セルロースを含有することで達成された。特に、保護層に乾式粉砕で製造された粉末セルロースを含有することにより優れた効果が発現する。
本発明によれば、十分な発色感度、画質が得られ、捺印性、擦過性、画像部の耐水性及び耐光性の良好な感熱記録体を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の感熱記録体は、支持体上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層と保護層とを設けた感熱記録体であって、該感熱記録層が、電子供与性ロイコ染料として、3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有し、且つ該保護層中が粉末セルロースを含有することを特徴としている。
本発明において、感熱記録層上に設けられた保護層に粉末セルロースを含有することで優れた捺印性、発色感度、擦過性などが発現する理由は次のように推測される。
粉末セルロースは、無機顔料と同様に粉末セルロース自身が持つ空隙にインキを吸収・定着させると共に、粉末セルロースを構成しているセルロース繊維間の毛細管現象によりインキを吸収する。このことにより、粉末セルロースは、従来から使用されていた無機顔料と比べてインキ吸収速度が速く、特に、木材パルプを原料とした粉末セルロースは、原料の導管由来の大きな空隙も有しているため、過剰なインキを保持することができるため、優れた捺印性が発現されると考えられる。
また、この粉末セルロースは、セルロースの中心繊維から外に伸びたより細い繊維やその表面の毛羽立ちを有し、これらによる絡み合いがあるため、感熱記録体の最表層に含有させた場合においても十分な塗工層強度が得られ、良好な一般印刷適性、特に擦過性が得られる。さらに、粉末セルロースを含有した層は、摩擦抵抗が小さくなるため、最表層に粉末セルロースを含有させた場合、良好な擦過性が得られると考えられる。
さらに、粉末セルロースは、シリカや炭酸カルシウムなどの無機顔料と比較して、同じ層に添加されるバインダーなどとの屈折率の差が小さく、内部散乱(内部ヘイズ)が起こりにくいため、感熱記録層あるいは感熱記録層上に設けられた層に含有させた場合、良好な発色感度、画質が得られる。
本発明で使用される粉末セルロースとしては、乾式粉砕によって製造されたNPファイバー又はKCフロックを冠した粉末セルロース製品(日本製紙ケミカル社製)、具体的には、NPファイバーW−10MG2、KCフロックW−50、KCフロックW−100G、KCフロックW−200G、KCフロックW−300G、KCフロックW−400G(以上、日本製紙ケミカル社製)、湿式粉砕によって製造されたセオラスSC−900、セオラスSC−900S、セオラスRC−591S、セオラスCL−611S、セオラスファイバーDF−17、セオラスクリームFP−03、セオラスFD−F20(以上、旭化成製)などを挙げることができ、これらに限定されるものではないが、捺印性、印刷適性の点から乾式粉砕によって製造され粉末セルロースを使用することが望ましい。
本発明において、乾式粉砕によって製造された粉末セルロースとは、木材パルプや非木材パルプを酸加水分解した後、濾過・水洗し、脱水・乾燥し、粉砕・篩別するという工程を経て製造されたものであり、乾燥後に粉砕(所謂、乾式粉砕)されている点を特徴とする。この乾式粉砕とは、乾燥させたパルプを高圧下で処理し、パルプ同士の衝突する際に発生する摩擦力によって粉砕する方法である。この摩擦力は、一般に行なわれている水中でビーズとパルプを処理(即ち、湿式粉砕)し、パルプとビーズとの間で発生する衝突力に比べて小さい。このため、乾式粉砕により得られる粉末セルロースは、導管由来のパルプの内部空隙を存在させた状態で、パルプが粉砕されパルプ表面が毛羽立ったものになると考えられる。
本発明において印字濃度、画質及び捺印性を得るためには、本発明で用いる粉末セルロースの平均粒径1μm〜30μmが好ましく、3μm〜15μmがより好ましい。平均粒径が大きくなると捺印性は向上するが、サーマルプリンタで印字したときの発色感度、画質が低くなる傾向があり、平均粒径が小さいと十分な捺印性が得られない。
本発明において、支持体上に設けられた塗工層にこの粉末セルロースを単独あるいは各種顔料と併用することもできる。なお、この粉末セルロースを顔料と併用する場合、粉末セルロース及び顔料の全量100重量部に対して、固形分で粉末セルロースを20部以上含有させることが望ましい。
本発明において、支持体上に設けられた粉末セルロースを含有した保護層には、バインダーとしてデンプン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子やスチレン・ブタジエン共重合体、アクリル酸系共重合体等の合成樹脂エマルジョン等を含有することが必要であり、保護層に含有させた場合、粉末セルロース(あるいは更に顔料を加えたもの)及びバインダーの含有量は、粉末セルロース(あるいは更に顔料を加えたもの)100重量部に対しバインダーは固形分で30〜300重量部程度であることが望ましい。
更に、本発明の感熱記録体においては、感熱記録層に染料として3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ETAC)を含有することで画像部の耐水性及び耐光性に優れた感熱記録体を得ることができる。
本発明の感熱記録体において、粉末セルロースを含有する保護層に、更に、各種水溶性高分子(各種ポリビニルアルコール、各種デンプン)、各種水溶性高分子と各種架橋剤、アクリル、SBRなどの合成樹脂、合成樹脂と各種架橋剤を含有することは画像部及び白紙部の保存性、耐水性の点から望ましいく、特に、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂をさせることで良好な耐水性、印字走行性を得ることができる。この理由は明らかではないが次のように推測される。
カルボキシル変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と、架橋剤であるエピクロロヒドリン系樹脂のアミンあるいはアミド部分が、架橋反応ことによって耐水性が発現する。次に、変性ポリアミン/アミド系樹脂の親水性部位とカルボキシル変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂で形成された親水性のある架橋部位が引き合うため、この架橋部位は変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態、つまり親水性のある架橋部位が疎水性基で水から保護された状態となり、更なる耐水性が発現する。このため、従来のものより強固な耐水性が得られると推測される。
また、変性ポリアミン/ポリアミド系樹脂の親水性部位がカルボキシル変性ポリビニルアルコールの水酸基に引き付けられ、カルボキシル変性ポリビニルアルコールが変性ポリアミン/アミド系樹脂の疎水基を外側にして包まれた状態になるとともに、変性ポリアミン/アミド系樹脂のカチオン性部位がカルボキシル変性ポリビニルアルコールのカルボキシル基と一種の架橋反応していることも、高い耐水性が得られる一因であると考えられる。
さらに、カルボキシル変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂の架橋反応により3次元的な構造を有していること、カチオン性である変性ポリアミノ/アミド系樹脂がアニオン性の顔料に対して分散効果を発揮するため、従来技術に比べてポーラスな層になると考えられる。このため、高温条件において発生する塗工層中の耐熱性の低い材料の溶融物は、保護層中の空隙に吸着されるため、優れた印字走行性(耐ヘッドカス性)を有する。
上記カルボキシル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、又はこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には例えば特開昭53−91995号公報の実施例1若しくは4に例示されている製造方法が挙げられる。また、カルボキシル変性ポリビニルアルコールの鹸化度は72〜100mol%であることが好ましく、重合度は500〜2400、より好ましくは1000〜2000である。
上記エピクロロヒドリン系樹脂の具体例として、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などを挙げることができ、単独又は併用することもできる。また、エピクロロヒドリン系樹脂の主鎖に存在するアミンとしては第1級から第4級までのものを使用することができ、特に制限はない。さらに、カチオン化度及び分子量は、耐水性が良好なことから、カチオン化度5meq/g・Solid以下(pH7での測定値)、分子量50万以上が好ましい。具体例としては、スミレーズレジン650(30)(住友化学社製)、スミレーズレジン675A(住友化学社製)、スミレーズレジン6615(住友化学社製)、WS4002(星光PMC社製)、WS4020(星光PMC社製)、WS4024(星光PMC社製)、WS4046(星光PMC社製)、WS4010(星光PMC社製)、CP8970(星光PMC社製)などが挙げられる。
また、ポリアミン/アミド系樹脂として、ポリアミド尿素系樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などが挙げられ、具体例としてはスミレーズレジン302(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン712(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン703(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジン636(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素系樹脂)、スミレーズレジンSPI−100(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学社製:変性ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−203(50)(住友化学社製)、スミレーズレジンSPI−198(住友化学社製)、プリンティブA−700(旭化成社製)、プリンティブA−600(旭化成社製)、PA6500、PA6504、PA6634、PA6638、PA6640、PA6644、PA6646、PA6654、PA6702、PA6704(以上、星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂)、CP8994(星光PMC社製:ポリエチレンイミン樹脂)などが挙げられ、特に制限されるものではなく、これらを単独又は2種類以上使用することも可能であるが、発色感度の点からポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素系樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹)を使用することが望ましい。
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂の含有量は、カルボキシル変性ポリビニルアルコール100重量部に対してそれぞれ1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量部である。含有量が少なすぎると架橋反応が不十分となり良好な耐水性が得られず、多すぎると塗液の粘度増加やゲル化により操業性の問題が生じる。
また、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有した保護層を設ける場合、保護層に接する感熱記録層にエピクロロヒドリン系樹脂及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有することが望ましい。保護層に含有される成分を含有させることによって、感熱記録層と保護層の接着性が良好となり、浸漬耐水性が向上する。なお、エピクロロヒドリン系樹脂は感熱記録層に0.2〜5.0重量部(乾燥重量)添加することが望ましい。エピクロロヒドリン系樹脂の添加量が多くなると、塗料の安定性が低下する。
次に、本発明で使用される各種材料を例示するが、バインダー、架橋剤、顔料などは上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、特定の染料を含有した感熱記録層、粉末セルロースを含有した保護層、のみならず、下塗り層等をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
本発明の感熱記録体において、3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランと併用できる染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではない。以下に代表的な無色ないし淡色の塩基性無色染料の具体例を示す。また、これらの塩基性無色染料は単独又は2種以上を併用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3’−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン、ビス−〔2,2,2’,2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明において使用することのできる顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号記載のフェノール性化合物、国際公開WO02/098674号あるいはWO03/029017号に記載のフェノールノボラック型縮合組成物、国際公開WO00/14058号あるいは特開2000−143611号に記載のウレアウレタン化合物、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
また、所望の効果を阻害しない範囲で従来公知の増感剤を使用することができ、かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果等を示す安定剤として、4,4’−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等と併用することができる。
本発明の感熱記録層に使用する染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性無色染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、顔料0.5〜10部程度使用され、バインダーは感熱記録層固形分中5〜25%程度が適当である。
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
本発明で使用される顔料はカオリン、(焼成)カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム金属塩などを例示することができる。
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
上記組成からなる塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記体が得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗料に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40%程度である。また、塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ベントブレードコーター、ベベルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/mの範囲である。また、感熱記録層上に設ける保護層の塗布量は特に限定されず、通常1〜5g/mの範囲である。
本発明の感熱記録体はさらに、発色感度を高める目的で、支持体と感熱記録体の間に填料、バインダーからなるアンダー層を設けることもできる。また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
以下、本発明の感熱記録体を実施例によって説明する。尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(Malvern社製、装置名:Mastersizer S)により測定し、吸油量はJIS K−5101に準じて測定した。
実施例1〜5、比較例1〜5の材料および評価結果を表に示した。
<平均粒子径>
<記録感度評価>
作製した感熱記録体について、大倉電気社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotで印字
した。記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(RD−914)で測定し評価した。
<擦過性>
塗工表面を1000g/cm2加重を加えたスチールウールで擦り線発色を目視評価した。
○:ほとんど発色しない
×:濃く発色する
<捺印性>
作製した感熱記録体白紙部に、シャチハタ印で捺印し5秒後にティシューペーパーで拭き取り目視評価した。
○:若干かすれるが、文字ははっきり残る
×:かすれて文字を読み取れない
<プリンタ走行性>
作製した感熱記録体をイシダ社製ラベルプリンタIP2100印字レベル5で連続市松印字を行ない、尾引、かすれ、筋などの印字不良を目視評価した。
○:30000枚印字で印字不良なし
△:10000枚〜30000枚で印字不良が発生
×:10000枚未満で印字不良が発生
[アンダーコート塗料の調整]
−焼成カオリン(エンゲルハード社製、商品名:アンシレックス90) 100部
−スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 40部
−完全鹸化ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA117)10%水溶液
30部
−水 160部
を攪拌分散しアンダーコート塗料を調整した。
[感熱記録層塗料の調整]
下記配合の2種のロイコ染料分散液(A液、B液)及び顕色剤/増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にダイノーミルでを用いて、A液およびB液はそれぞれ平均粒子径0.8μm、C液は1.1μmになるまで湿式磨砕を行った。
<A液>
−3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製) 20部
−3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製、BLACK305) 20部

−完全ケン化型ポリビニルアルコール(PVA117)10%水溶液 40部
−水 20部
<B液>
−3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(BLACK305)
40部
−完全ケン化型ポリビニルアルコール(PVA117)10%水溶液 40部
−水 20部
<C液>
−4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン(顕色剤) 15部
−ジフェニルスルホン(増感剤) 25部
−完全ケン化型ポリビニルアルコール(PVA117)10%水溶液 40部
−ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4020、固形分25%、カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン) 8部
−水 20部
次に、下記のようにして感熱記録層塗料1、2を調整した。
<感熱記録層塗料1>
A液50部、C液120部、珪酸(水澤化学社製、ミズカシルP527)25部、カルボキシ変性ポリビニルアルコール10%(クラレ社製、商品名:PVA−KL318、重合度:1800、ケン化度、99mol%)50部を混合し、さらに水280部を加えて攪拌し、感熱記録層塗料を調製した。
<感熱記録層塗料2>
B液50部、C液120部、珪酸(ミズカシルP527)25部、カルボキシ変性ポリビニルアルコール10%(PVA−KL318)50部を混合し、さらに水280部を加えて攪拌し、感熱記録層塗料を調製した。
[保護層塗料の調整]
下記の割合で混合して保護層塗量1〜6を調整した。
<保護層塗料1>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−KL318、重合度:1800、ケン化度、99mol%)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂
(星光PMC社製、商品名:WS4020、固形分25%、カチオン化度:2.7、分子量:220万、4級アミン) 10部
変性ポリアミド樹脂
(住友化学社製商品名:スミレッズレジンSPI−106N、固形分45%) 3部
粉末セルロース
(日本製紙ケミカル社製、NPファイバーW−06MG)15%分散液 200部
ステアリン酸亜鉛
(中京油脂社製、商品名:ハイドリンE−366、固形分40%) 5部
<保護層塗料2>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
粉末セルロース
(日本製紙ケミカル社製、KCフロックW−400G) 15%分散液 200部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗料3>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
水酸化アルミニウム(マーテインスベルグ社製、マーティフィンOL)50%分散液
65部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
<保護層塗料4>
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL318)10%溶液 100部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(WS4020) 10部
変性ポリアミド樹脂(スミレッズレジンSPI−106N) 3部
シリカ(水澤化学社製、ミズカシルP603)25%分散液 120部
ステアリン酸亜鉛(ハイドリンE−366) 5部
[感熱記録体1の作製]
60g/mの原紙にアンダーコート塗料を乾燥後の塗布量が8.0g/mとなるようブレードコーターで塗工した。この上に感熱記録層塗料1を乾燥後の塗布量が4.5g/mとなるようブレードコーターで塗工し、感熱記録紙1を作製した。
[感熱記録体2の作製]
感熱記録層塗料2を使用する以外は上記と同じ方法で、感熱記録紙2を作成した。
[実施例1]
上記の感熱記録紙1上に保護層塗料1を乾燥後の塗布量が2.5g/mとなるよう手塗りバーで塗工した。ベック平滑度(23℃、50%環境下で調湿後)が2000〜2500秒になるようカレンダー処理を行い、実施例1の感熱記録体を作製した。
[実施例2]
保護層塗料1の代わりに保護層塗料2を用いて実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例1]
保護層塗料1の代わりに保護層塗料3を用いて実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例2]
保護層塗料1の代わりに保護層塗料4を用いて実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例3]
感熱記録紙1の代わりに感熱記録紙2を用いて実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
実施例と比較例で作成した各感熱記録体について、下記の評価を行なった。評価結果を表1に示す。
<平均粒子径>
レーザー回折・散乱法(Malvern社製、装置名:Mastersizer S)で平均粒子径を測定した。
[印字濃度]
大倉社製感熱プリンタTH−PMD、パターンNO.8にて階調印字を行い、#14で得られた画像の印字濃度をマクベス濃度計RD918で測定した。数値が大きいほど発色濃度が優れている。
<画質評価>
ベタ印字部を目視で評価した。
○:鮮明な黒で印字される
×:全体が白くぼける
<擦過性>
塗工表面を1000g/cm2加重を加えたスチールウールで擦り線発色を目視評価した。
○:ほとんど発色しない
×:濃く発色する
<捺印性評価>
作製した感熱記録体白紙部に、シャチハタ印で捺印し5秒後にティシューペーパーで拭き取り目視評価した。
○:若干かすれるが、文字ははっきり残る
×:かすれて文字を読み取れない
<保存性>
上記プリンタ、パターンNO.8にて市松印字を行い、発色部について下記の保存性を評価した。
[耐光性残存率]
キセノンフェードメーターで24時間照射前後の発色部濃度を測定し、残存率(=試験後の発色濃度/試験前の発色濃度×100(%))を算出し、下記の基準で評価した。
○:残存率85%以上
×:残存率85%未満
[耐水性残存率]
水道水に24時間浸し、自然乾燥した。試験前後の発色部濃度を測定し、残存率(=試験後の発色濃度/試験前の発色濃度×100(%))を算出し、下記の基準で評価した。
○:残存率90%以上
△:残存率70%以上
×:残存率70%未満
Figure 2008194917
Figure 2008194917
本発明の感熱記録体は、擦過性、捺印性、耐光性、耐水性などに優れていることがわかる。特に、比較例3は染料として3−(N−ジアルキルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いているため画像安定性に問題があるのに対し、本発明の感熱記録体においては、感熱記録層に染料として3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ETAC)を含有しているため、画像安定性に優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、無色又は淡色の塩基性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層と保護層とを設けた感熱記録体であって、該感熱記録層が、電子供与性ロイコ染料として、3−(N−エチル−pメチルフェニルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有し、且つ該保護層中が粉末セルロースを含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記粉末セルロースが、乾式粉砕により製造されたことを特徴とする請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記保護層が、更に、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂を含有する請求項1〜2に記載の感熱記録体。
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