JP2005280039A - 感熱記録紙 - Google Patents

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章晴 藤井
Tatsuo Nagai
龍夫 永井
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Abstract

【課題】耐水性と印字品質(画質)のいずれも品質良好な感熱記録紙を提供する。
【解決手段】原紙上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録紙において、該感熱記録層中にアクリル系ポリマーとコロイダルシリカを含有し、かつ原紙は水塗布後のベック平滑度が30秒以上であることを特徴とする感熱記録紙。

Description

本発明は、無色または淡色の塩基性ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録紙に関し、特にハンディターミナル用紙や配送伝票など屋外での使用に適した感熱記録紙に関する。
一般に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料と顕色剤との熱による発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録体は、発色が非常に鮮明であることや、記録時に騒音がなく装置も比較的安価でコンパクト、メンテナンス容易であるなどの利点から、ファクシミリやコンピューター分野、各種計測器等に広く実用化されている。さらに最近では、ラベル、チケットの他、屋外計測用のハンディターミナルや配送伝票など、各種プリンター、プロッターの出力媒体として用途も急速に拡大しつつある。これらの用途の場合、屋外で使用されることが多く、雨などの水分や湿気、日光、真夏の車内の高温状態など、従来に比べて過酷な環境下での使用に耐える品質性能が必要となる。また、ラベル用およびハンディターミナル用感熱記録紙はバーコード特に2次元バーコードが印字され、チケットは金券として扱われるので文字が明確に印字される必要があり、高い印字品質も要求される。
耐水性の改善に関しては、例えば特許文献1には、ポリビニルアルコール等の接着剤にイソシアナート系化合物を添加することが記載されているがまだ不十分である。酢酸ビニルエマルジョン、アクリルエマルジョンやSBRラテックスのような疎水性樹脂エマルジョンを感熱記録層の接着剤として使用することによって、耐水性を向上させることも知られているが、記録時にサーマルヘッドへのカス付着やスティッキングが発生することがあり、使用に際して問題がある。また、特許文献2では接着剤としてコロイダルシリカとアクリル系ポリマーとの複合体を用いること、特許文献3では、自己架橋性アクリルエマルジョンとコロイダルシリカを用いることが提案されている。
特開昭55−159993号公報 特開平9−207435号公報 特開平7−266711号公報
ラベル用およびハンディターミナル用感熱記録紙には、耐水性のほか高い印字品質も要求されるが、アクリル系ポリマーとコロイダルシリカを感熱記録層に使った場合には、耐水性など強度面は強くなる一方、ヘッドと記録面のマッチング性に劣り、必要とされる印字品質が低下する傾向にある。そこで、本発明は、耐水性と印字品質(画質)のいずれも良好な感熱記録紙を提供することを目的とする。
本発明は、原紙上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録紙において、該感熱記録層中にアクリル系ポリマーとコロイダルシリカを含有し、かつ該原紙は水塗布後のベック平滑度が30秒以上であることを特徴とする感熱記録紙に関する。
本発明によれば、優れた耐水性を有するとともに、高画質が得られ、極めて実用的価値が高い。
本発明の感熱記録紙を得るには、例えば、塩基性ロイコ染料および顕色剤をそれぞれバインダーとともに分散した分散液と、アクリル系ポリマー、コロイダルシリカ、顔料等その他必要な添加剤を加えて混合して感熱記録層塗液を得たのち、この塗液を特定の原紙上に塗布乾燥して得られる。原紙には水塗布乾燥後のベック平滑度が30秒以上である原紙を使用する。
感熱記録層中にアクリル系ポリマーとコロイダルシリカを含有した場合には、耐水性は強くなる一方で印字品質が低下する傾向にある。これは、アクリル系ポリマーとコロイダルシリカとの相互作用により感熱記録層が固くなり、感熱ヘッドと記録層とのマッチングが悪くなるためと思われる。その結果、良好な画質が得られ難い。さらに、支持体が原紙である場合、感熱記録層塗液の塗布時にその水分によって原紙表面が膨潤し表面付近の凹凸が大きくなり、この凹凸が感熱記録層の印字品質に悪い影響を与えると考えられる。そこで、本発明は、原紙における感熱記録層塗液の塗布前後における平滑度変化の重要性に着眼しなされたものであり、水塗布後の平滑度が30秒以上である原紙を用いることにより、優れた画質の感熱記録紙とすることができる。水塗布後の平滑度が小さくなる、すなわち変動が大きいということは、感熱記録層塗液を塗布時に紙表面が膨潤しやすく、表面付近の凹凸が大きくなることを意味している。
本発明の原紙に使うパルプ繊維としては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)、古紙パルプなどを使用することができ、木材系のセルロースパルプであれば特に限定されるものではない。濾水度はカンディアンスタンダードフリーネスで200ml〜450mlのものが好ましい。これより400ml以上では、透気度が高すぎて塗工用原紙としては不向きであり、200ml以下では原紙の柔軟性が少なくなるため、感熱用原紙としては不向きである。
サイズ剤には、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物、石油系樹脂、スチレン系樹脂、高級アルコール類、オレフィン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、高級脂肪酸系が挙げられるが、その添加量は対パルプ0.05〜1.5重量%である。また、これらのサイズ剤の定着剤としては、硫酸バンド、ポリアミド、アクリルアマイド、カチオン化デンプン等が用いられる。
填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。
サイズプレス液としてはデンプン、PVA、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸無水物、石油系樹脂、スチレン系樹脂等を単独又は併用して用いることができ、さらに必要に応じてグリオキザール等の耐水化剤を添加することもできる。
その他、必要に応じて歩留り向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、増白剤等の公知の添加剤を加えて紙料を調製し、各種の抄紙機、例えば長網多筒、丸網多筒抄紙機等で抄造することにより、本発明の原紙が製造される。原紙のベック平滑度は通常50〜200秒程度である。
ところが、塗液を原紙に塗布する際に、原紙表面が水の影響で膨潤し平滑性が低下するため、画質の悪化を招きやすい。そこで、本発明で所望する表面付近の凹凸の小さい原紙としては、サイズ度や湿潤強度の強いものが適し、サイズ剤の内添・外添や湿潤紙力増強を添加することが有効である。但し、同程度のサイズ度や湿潤強度を有する原紙同士であっても、水塗布後におけるこれらの平滑度は必ずしも同程度の値とはならない。また、耐水化剤等を添加し耐水性を強化した場合でも、水に対する強度は上がるもののその表面付近の平滑性までは制御が難しい。このように、水塗布の前後で平滑度変化の挙動は原紙によって様々に異なるため、本発明で用いられる原紙とするには、パルプ組成をはじめ添加剤の種類や配合量、あるいは抄紙条件等を適宜勘案して、水塗布後の平滑度が30秒以上となるように製造することが大事である。なお、本発明でいう水塗布後の平滑度とは、原紙にメイヤーバー#10を使って手塗りで水道水を塗布して乾燥し、23℃、50%RHで4時間調湿したのち、ベック平滑度を測定したものとする。
湿潤紙力増強剤としては、例えば尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ポリ尿素―ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、アルデヒドテンプン、ケトンアルデヒド樹脂等が挙げられ、必要に応じて2種類以上を併用することも可能である。中でも、ポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂やポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂が特に好ましく用いられる。
次に、感熱記録層において特に耐水性の面からは、コロイダルシリカをアクリル系ポリマー成分中に導入した複合粒子タイプも使用可能であるが、それよりもアクリル系ポリマーとコロイダルシリカとはそれぞれ使用され含有されることが好ましい。この理由は明らかではないが、アクリル系ポリマーとコロイダルシリカとの結合状態によるものと考えられる。複合粒子タイプの場合は、アクリル粒子の周囲にコロイダルシリカが重合結合によって強く結合し、感熱記録層の接着剤(バインダー)として使用してもコロイダルシリカの存在によってアクリル粒子同士が融着あるいは接近しにくくなり、成膜性が阻害されやすい。一方、両者がただ添加される場合は、コロイダルシリカは吸着のような状態でアクリル粒子に弱く結合し、アクリル粒子同士による成膜を妨げることがなく強固な膜が形成されるため、さらに耐水性が向上すると考えられる。また、良好な成膜性によって感熱記録層の強度が高まり、印刷適性も向上すると考えられる。
本発明で用いられるコロイダルシリカとしては、無水珪酸の超微粒子を水中に分散させた球状タイプや、一次粒子である球状コロイダルシリカがある特定の個数、直列にあるいは一部分岐して数珠状につながった構造を有する鎖状タイプのもの(以下、鎖状コロイダルシリカと称することがある。)が使用される。
球状コロイダルシリカや鎖状コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径は、5〜50nmのものからなることが好ましく、その平均粒径はアクリル系ポリマー粒子の平均粒径100に対して5〜50の範囲のものが望ましい。また、鎖状コロイダルシリカの大きさ(長さ)は、レーザー散乱法で40〜200nmであることが好ましく、小さすぎると空隙率が低くなりヘッドカス、耐水性ともに十分な効果が得られにくいため、40nm以上が望ましい。さらに、塗料安定性の観点からアニオン性のものが適しており、コロイド溶液のpHは約7〜11のものが好ましく使用される。
本発明において、コロイダルシリカの形状は特に限定されず、球状でも鎖状でも、またこれらを併用しても構わないが、より好ましくは鎖状コロイダルシリカが適する。アクリル系ポリマーは耐熱性が低く、印字時の熱によって容易に溶融しカス付着の原因になると考えられるが、感熱記録層にコロイダルシリカとともに含有されることによってコロイダルシリカがアクリル系ポリマー粒子(以下、「アクリル粒子」ということがある。)を取り囲むように存在し、アクリル粒子への熱の伝達が効率良く遮られ、ヘッドカス付着が防止されると推測される。そして、鎖状コロイダルシリカの場合はアクリル粒子に結合する際に、その三次元的な立体構造によりアクリル粒子周囲に空隙が形成され断熱効果が高まることによって、アクリル粒子がいっそう溶融し難くなると考えられる。
一方、アクリル粒子が溶融した場合でも、鎖状コロイダルシリカの立体構造によって生じた空隙部位に溶融物が吸収されると考えられ、ヘッドカスの発生を抑制することができる推測される。また、感熱記録層の空隙率が高まることにより、擬似的な空気の層が水の浸透を妨げ、かつ適度に鎖状構造が絡み合い水に溶解し難くなることにより、さらに高い耐水性をも付与し得るものと考えられる。
本発明で用いられるアクリル系ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸共重合物、酢酸ビニル−メタクリル酸共重合物、酢酸ビニル−アクリル酸アルキル共重合物、酢酸ビニル−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−アクリル酸共重合物、アクリロニトリル−アクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル−アクリルアミド共重合物、アクリル酸−メタクリル酸共重合物、アクリル酸−アクリル酸アルキル共重合物等の金属塩、アクリル酸−アクリル酸アルキル−アクリルアミド共重合物、アクリル酸−メタクリルアミド−スチレン酸共重合物、メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合物、メタクリル酸金属塩−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合物、メタクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−アクリルアミド共重合物、メタクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合物、アクリル酸アルキル−アクリルアミド−スチレン共重合物、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル−無水マレイン酸共重合物、メタクリル酸アルキル−アクリル酸アルキル−無水マレイン酸金属塩共重合物、アクリル酸アルキル−スチレン−無水マレイン酸金属塩共重合物、メタクリル酸アルキル−フマル酸共重合物、アクリル酸アルキル−イタコン酸金属塩共重合物等およびこれらの変性物を挙げることができ、必要に応じて乳化剤等を用いて水系エマルジョンとして用いることができる。
上記のアクリル系ポリマーにおいて、アルキルとはメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数10以下の飽和炭化水素が挙げられ、また金属塩としてはアンモニウム、Li、Na、K、Mg、Ca、Al等の塩が挙げられる。
アクリル系ポリマーの配合量としては、エマルジョンの状態で感熱記録層100重量部(以下重量部は固形換算とする)に対してアクリルエマルジョン0.1〜50重量部配合することが好ましく、より好ましくは0.1〜30重量部である。少なすぎると耐水性が不足し、多すぎると感度低下が起こりやすい。コロイダルシリカの好ましい配合量は、アクリルエマルジョン100重量部に対して1〜500重量部が好ましく、より好ましくは10〜300重量部である。少なすぎるとヘッドカス付着やスティッキングが発生したり、多すぎると感熱記録層塗料の経時安定性に問題が出やすい。
感熱記録層に含有される顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または2種以上混合して使用することもできる。中でもジヒドロキシスルホン化合物や、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホンが好ましく用いられ、ジフェニルスルホン架橋型化合物は日本曹達(株)製商品名D−90として入手可能である。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
塩基性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン
2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3´−フタリド〕
3,6,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3´−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3´−ニトロ)アニリノラクタム
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4´−ニトロ)アニリノラクタム
1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン
1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン
1,1−ビス−〔2’,2’,2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジアセチルエタン
ビス−〔2、2、2’、2’−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
感熱記録層に含まれる接着剤いわゆるバインダーとしては、前記のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとを主として用いるが、塗料の流動性向上などのため、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で感熱記録層用接着剤として一般的に知られているものを用いることもできる。具体的には、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチルラール、ポリスチレンおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用し、要求される品質に応じて併用することも可能である。
また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、エチレンビスアミド,モンタン酸ワックス,ポリエチレンワックス,1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン,p−ベンジルビフェニル,β−ベンジルオキシナフタレン,4−ビフェニル−p−トリルエーテル,m−ターフェニル,1,2−ジフェノキシエタン,4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル,ジベンゾイルオキシメタン,1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン,1,2−ジフェノキシエチレン,ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル,p−ニトロ安息香酸メチル,シュウ酸ジベンジル,シュウ酸ジ(p−クロロベンジル),シュウ酸ジ(p−メチルベンジル),テレフタル酸ジベンジル,p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル,ジ−p−トリルカーボネート,フェニル−α−ナフチルカーボネート,1,4−ジエトキシナフタレン,1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル,4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、オルトトルエンスルホンアミド、パラトルエンスルホンアミドを例示することができるが,特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は,単独または2種以上混合して使用してもよい。
顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。中でも平均粒径8〜15μmの水酸化アルミニウムは、ヘッドカス付着やスティッキングの防止に効果的であり好ましい。このほかにワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
また、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性等を付与する安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、4−ベンジルオキシ−4′−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン、エポキシレジン等を添加することもできる。
本発明の感熱記録層に使用する塩基性ロイコ染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性ロイコ染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、填料0.5〜10部程度が使用される。
塩基性ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、アクリル系ポリマー、コロイダルシリカおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ビルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/mの範囲である。感熱記録層を形成後、カレンダー等によって平滑度を200秒〜2000秒にすることが好ましい。低すぎると適切な印字品質が得られず、あまり高すぎてもスティッキングの発生を招きやすい。
本発明の感熱記録紙はさらに、保存性を高める目的で、高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上に設けたり、発色感度を高める目的で、顔料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けることもできる。支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必適宜付加することができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」を示す。
実施例および比較例で用いた原紙および感熱記録層塗液は、以下の手法で作成した。なお、ここで原紙は手抄きにより作成したが、各種公知の抄紙機を使用してもよい。
[実施例1]
−原紙の製造−
濾水度300mlのLBKPと濾水度390mlのNBKPを重量比90対10で混合したパルプ100重量部に、水、カオリン20重量部、硫酸バンド2部、ロジン系サイズ剤1部、カチオン化デンプン0.5重量部、および湿潤紙力増強剤としてポリアミド・エピクロヒドリン2重量部を添加して、10%濃度スラリーにしたあと、オントップ多筒式抄紙機で80g/mの原紙を抄造し、5%のデンプン水溶液でサイズプレス処理を行ったのちステキヒドサイズ度が30秒、ベック平滑度63秒のものを得た。
得られた原紙に、メイヤーバー#10を使って手塗りで水道水を塗布したのちに乾燥し、23℃50%RHで4時間調湿したのち、ベック平滑度を測定したところ、水塗布後のベック平滑度は35秒であった。
−感熱記録層の形成−
染料、顕色剤の各材料は、あらかじめ以下の配合の分散液をつくり、サンドグラインダーで平均粒径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。
<顕色剤分散液>
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
<染料分散液>
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(ODB−2) 3.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 6.9部
水 3.9部
<増感剤分散液>
ステアリン酸アミド(平均粒径0.4μm)
6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
以下の組成物を混合し、感熱記録層塗液を得た。この塗液を上記で得られた原紙に乾燥後の塗布量が6g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒になるように処理し、感熱記録紙を得た。
顕色剤分散液 36.0部
染料分散液 13.8部
増感剤分散液 36.0部
水酸化アルミニウム50%分散液(平均粒径8μm)
26.0部
ステアリン酸亜鉛30%分散液 6.7部
アクリル系ポリマー 20.0部
(アクリル酸エステル共重合体、クラリアントポリマー(株)製;商品名モビニール9000)
コロイダルシリカ 5.0部
感熱記録層の形成において、コロイダルシリカとして鎖状コロイダルシリカ(商品名:日産化学株式会社製:スノーテックスPS−M)を使用した。
[実施例2]
原紙の製造において、LBKPとNBKPを重量比90対10で混合したパルプ100重量部に代えて、LBKP60部と古紙パルプ(DIP)40部とを混合し、かつ湿潤紙力増強剤の添加量を0.3部に変更した以外は実施例1と同様にして紙料を調製し、長網抄紙機で80g/mの原紙を抄造した。得られた原紙のステキヒトサイズ度は20秒、ベック平滑度は75秒であった。また、水塗布後のベック平滑度は40秒であった。この原紙を用いて、実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
[比較例1]
原紙の製造において、ロジン系サイズ剤1部をアルキルケテンダイマー0.75部に変更した以外は、上記と同様にして原紙を得た。得られた原紙のステキヒトサイズ度は32秒、ベック平滑度は60秒、水塗布後のベック平滑度は25秒であった。この原紙を用いて、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
[比較例2]
比較例1と同じ原紙を、ゲージ圧5kg/cmで2回カレンダー処理し、ステキヒトサイズ度31秒、平滑度が95秒、水分塗布後の平滑度が27秒の原紙を得た。この原紙を用いて、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
[比較例3]
原紙の製造において、サイズプレス処理のデンプン水溶液濃度を15%に変更した以外は、上記と同様にして原紙を得た。得られた原紙のステキヒドサイズ度は40秒、ベック平滑度100秒、水塗布後のベック平滑度は18秒であった。この原紙を用いて、実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。
[比較例4]
比較例1と同じ原紙を用い、感熱記録層塗液において、アクリル系ポリマーの代わりにポリビニルアルコール(クラレ製PVA117)を、コロイダルシリカの代わりにシリカ(日本シリカ製ニプシールE743)をそれぞれ用いて、上記に従って感熱記録層を形成し感熱記録紙を得た。
−評価方法−
実施例および比較例で得られた感熱記録紙について以下の評価を行い、結果を表にまとめて示す。
[ベック平滑度]
JIS P8119に準拠して測定した。
[ステキヒトサイズ度]
JIS P8122に準拠して測定した。
[発色感度]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.25mJ/dot、0.34mJ/dotで印字を行った。印字後及び品質試験後の画像濃度はマクベス濃度計(アンバーフィルター使用)で測定した。
[画質評価]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.34mJ/dotで印字を行った後、ベタ部分の画質を目視で評価した。
○:記録面の均一性良好
×:記録面が不均一
[耐水性]
感熱記録紙の表面に水滴を1滴垂らし、10秒後にティッシュペーパーで1回擦って記録面の剥がれ度合いを目視判定し、次の基準で評価した。
○:記録面の剥がれがほとんどない
×:記録面の剥がれが多い
Figure 2005280039
Figure 2005280039
上記の表から、本発明の感熱記録紙は、発色感度、耐水性に優れるとともに、画質も良好であることが示される。これに対し比較例1〜3は、水塗布前の平滑度は高いものの水塗布後のベック平滑度が低くなり、画質が悪い。また、アクリル系ポリマーとコロイダルシリカに代えてポリビニルアルコールを使用した比較例4では、画質は良好であるが耐水性に劣っていた。

Claims (2)

  1. 原紙上に、無色または淡色の塩基性ロイコ染料および顕色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層中にアクリル系ポリマーとコロイダルシリカを含有し、かつ該原紙は水塗布後のベック平滑度が30秒以上であることを特徴とする感熱記録紙。
  2. 前記コロイダルシリカが鎖状コロイダルシリカである請求項1記載の感熱記録紙。
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