JPH083185A - ジヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体 - Google Patents

ジヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体

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JPH083185A
JPH083185A JP6058381A JP5838194A JPH083185A JP H083185 A JPH083185 A JP H083185A JP 6058381 A JP6058381 A JP 6058381A JP 5838194 A JP5838194 A JP 5838194A JP H083185 A JPH083185 A JP H083185A
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hydrogen
alkyl
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JP6058381A
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Anthony David Baxter
デービッド バクスター アンソニー
Eric Keith Baylis
キース ベイリス エリック
Stephen Paul Collingwood
ポール コーリングウッド ステファン
Roger John Taylor
ジョン テイラー ロジャー
Mesmaeker Alain De
ドゥ メスメーカー アラン
Chantal Schmit
シュミット ハンタル
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Ciba Geigy AG
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I): 【化140】 (式中、B1 及びB2 は、1価のヌクレオシド塩基の
基;R1 〜R5 は、水素、ハロゲン、ヒドロキシなど;
6 〜R9 、Rx 及びRy は、水素、ハロゲン、ヒドロ
キシ、C1 −C8 アルキル、C3 −C8 シクロアルキ
ル、C6 −C15アリールなど;又はR7 OとR8 は、一
緒になって、イソプロピリデンジオキシ基などを表す)
で示されるジヌクレオチド類似体、その製造方法及びそ
の用途。 【効果】 上記ジヌクレオチド類似体及びそれを含むオ
リゴヌクレオチドは、例えばタンパク質合成に起因する
疾患の治療、又はインフルエンザ、ヘルペス若しくはH
IVのようなウイルスの治療、さらにウイルス感染の検
出や遺伝子に関連した疾患の検出の遺伝子プローブな
ど、に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジヌクレオチド類似
体、それらの製造、及びそれから誘導された単位を含む
オリゴヌクレオチドに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】数年
来、天然のオリゴヌクレオチドの構造的類似体である化
合物に関心が持たれているが、これは生物系での遺伝子
発現を阻止するためのアンチ−センスプローブ、並びに
インフルエンザ、ヘルペス及びHIVのようなウイルス
の治療の薬剤並びに癌の治療での薬剤としての有用性の
ためである。最近、興味が持たれている類似体は、オリ
ゴヌクレオチドの糖部分を結合する基が他の結合基によ
る3’及び5’の酸素結合の置き換えにより改質されて
いるそれらである。
【0003】WO91/15499には、下記式:
【化9】 (式中、Bは核酸塩基であり;Aは−O−又は−CH2
−であり;X及びZはそれぞれ−O−、−S−、−NH
−又は−CH2 −(ここでX及びZは同一又は異なって
いてもよい)であり;V及びWは=O、=S、=Se、
−NH2 、アルコキシ、−OH又は−SH(ここで、V
及びWは同一又は異なっていてもよい)であり;Lは−
H又は結合ペアーの一方であり;Cは−OR(ここで、
Rはアルキル、アルケニル、若しくはアルキニル基、
(これらは場合により、1又はそれ以上の、ハロゲン、
シアノ、カルボキシ、ヒドロキシ、ニトロ及び/若しく
はメルカプト基で置換されていてもよい)であり;そし
て、nはいずれかの整数である)で示されるオリゴヌク
レオチドが記載されている。
【0004】WO91/15499には、X及びZがそれぞれ−C
2 −である上記式の化合物は、記載されておらず、そ
のような化合物をどのようにしたら製造できるかについ
も示唆されていない。3’酸素結合及び5’酸素結合の
両方が、炭素結合により置き換えられているオリゴヌク
レオチド類似体の製造は、重要な問題として残ってい
る。そのようなオリゴヌクレオチド類似体を製造する方
法が、今や見出された。得られた新規な化合物は、ヌク
レーアゼの加水分解に対して良好な安定性、及び良好な
ハイブリダイゼイション特性を有し、アンチセンスプロ
ーブとして、インフルエンザ、ヘルペス及びHIVのよ
うなウイルス治療のための薬剤としてのそれらの用途を
可能にする。
【0005】
【課題を解決するための方法】従って、本発明は、式
(I):
【0006】
【化10】
【0007】(式中、B1 及びB2 は、それぞれ独立し
て、1価のヌクレオシド塩基の基であり;R1 は、R1 a
又はZであり;R1 a、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ
独立して、水素、ハロゲン又はヒドロキシであり;R5
は、R5 a又はZであり;R6 は、水素又はR6 aであり;
7 は、水素、アルキル−N,N−ジアルキルホスホロ
アミジル又はR7 aであり、R8 は、R8 a又はZである
か、又は表示の、R7 OとR8 は、一緒に、イソプロピ
リデンジオキシ基を表し;R5 a及びR8 aは、それぞれ独
立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−OR10、−O
COR10、又は3個のC1 −C15ヒドロカルビル基で置
換されたシリルオキシであり;R6 a及びR7 aは、それぞ
れ独立して、C1 −C10脂肪族基、C6 −C15芳香族
基、C7 −C30芳香脂肪族基、−COR11、−SO2
11、又は3個のC1 −C15ヒドロカルビル基で置換され
たシリルであり;R9 は、水素、C1 −C8 脂肪族基、
3 −C 8 環式脂肪族基、C6 −C15芳香族基、C7
13芳香脂肪族基、又はアルカリ金属イオン若しくはア
ンモニウムイオンであり;R10及びR11は、それぞれ独
立して、C1 −C10脂肪族基、C3 −C8 環式脂肪族
基、C6 −C15芳香族基又はC7 −C16芳香脂肪族基で
あり;Rx 及びRy は、独立して、水素、ハロゲン、ヒ
ドロキシ、C1 −C10アルキル、C2 −C10アルケニ
ル、C3 −C8 シクロアルキル、C6 −C15アリール、
7 −C16アラルキル、C1 −C10アルコキシ、C2
10アルケンオキシ、C6 −C10アリールオキシ又はC
7 −C16アラルキルオキシ基(ここで、これらは非置換
又は置換されている)又は−OCORz であり;Rz
は、置換若しくは非置換の、C1 −C10アルキル、C2
−C10アルケニル、C3 −C8 シクロアルキル、C6
15アリール又はC7 −C16アラルキル基であり;そし
てZは、C6 −C10アリールオキシチオカルボニルオキ
シ(ここで、C6 −C10アリール基は置換又は非置換で
ある)である)で示されるジヌクレオチド類似体を提供
する。
【0008】一般に、式(I)の化合物において、R5
及びR8 は、それぞれ独立して、水素、フッ素、塩素、
ヒドロキシ、C1 −C10アルコキシ、C2 −C10アルケ
ンオキシ、C6 −C15アリールオキシ、C7 −C16アラ
ルキルオキシ、−OCOR10、又は3個のC1 −C15
ドロカルビル基で置換されたシリルオキシであり;
【0009】R6 a及びR7 aは、それぞれ独立して、置換
若しくは非置換の、C1 −C10アルキル、C2 −C10
ルケニル、C6 −C15アリール若しくはC7 −C16アラ
ルキル基、−COR11、−SO211、又は3個のC1
−C15ヒドロカルビル基で置換されたシリルであり;
【0010】R9 は、水素、或は置換若しくは非置換
の、C1 −C8 アルキル、C3 −C8シクロアルキル、
6 −C15アリール、C7 −C13アラルキル、又はアル
カリ金属イオン若しくはアンモニウムイオンであり;そ
して
【0011】R10及びR11は、それぞれ独立して、置換
若しくは非置換の、C1 −C10アルキル、C2 −C10
ルケニル、C3 −C8 シクロアルキル、C6 −C15アリ
ール又はC6 −C16アラルキルである。
【0012】式(I)の化合物は異性体の可能な形態の
一つ、例えばジアステレオマー、光学活性体、ラセミ化
合物、又はそれの混合物であってよい。好ましい異性体
は式(IA):
【0013】
【化11】
【0014】(式中、B1 、B2 、Rx 、Ry 及びR1
〜R9 は、上記と同義である)で示されるそれらであ
る。
【0015】式(I)及び(IA)の化合物において、
1 及びB2 は、同一又は異なっていてもよく、天然由
来のヌクレオシドに見出される塩基の基、例えばアデニ
ニル、シトシニル、グアニニル、チミニル又はウラシリ
ルであってよく、それらは非置換、又はアミノ窒素原子
上に保護基、例えばアセチルのようなアシル基、ベンゾ
イル若しくは4−ニトロベンゾイルのような芳香族アシ
ル基、又はベンジルオキシメチルのようなアラルキルオ
キシメチル基、又はそれの合成類似体により置換されて
いてもよい。天然ヌクレオシド塩基の適切な類似体は、
2−メチルチオアデニン、2−アミノアデニン、6−ヒ
ドロキシプリン及び2−アミノ−6−クロロプリンのよ
うなプリン類、5−フルオロウラシル、5−クロロウラ
シル、5−ブロモウラシル、ジヒドロウラシル及び5−
メトキシシトシンのようなピリミジン類、並びに塩基窒
素原子上に保護基を有するその誘導体類である。好適に
は、B1 及びB2 はそれぞれピリミジン塩基の一価基で
あり、より好適にはチミン又はシトシン塩基であり、特
にB1 及びB2 がそれぞれ1−チミニルであるか、又は
1 が1−チミニルであり、B2 がN−ベンジルオキシ
メチル−1−チミニル若しくはN−アセチル−1−シト
シニルであるものである。
【0016】Z、即ち置換又は非置換C6 −C10アリー
ルオキシチオカルボニルオキシとしての、R1 、R5
はR8 は、例えば置換又は非置換の、フェニルオキシチ
オカルボニルオキシ、好適にはC1 −C4 アルキル−又
はハロゲン−置換の、フェニルチオカルボニルオキシ、
特にp−トリルオキシチオカルボニルオキシ又はペンタ
フルオロフェノキシチオカルボニルオキシであってよ
い。
【0017】Rx 、Ry 、R5 又はR8 がC1 −C10
ルコキシを表す場合には、それらは、例えばメトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブト
キシ、イソブトキシ、n−ペントキシ、ネオペンチルオ
キシ、n−ヘキシルオキシ、n−オクチルオキシ、2−
エチルヘキシルオキシ、n−ノニルオキシ又はn−デシ
ルオキシであってよい。アルコキシとしての、Rx 、R
y 、R5 又はR8 は、好適にはC1 −C4 アルコキシ、
特にメトキシ又はエトキシである。
【0018】C2 −C10アルケンオキシとしての、R
x 、Ry 、R5 又はR8 は、例えばビニルオキシ、アリ
ルオキシ、1−プロペニルオキシ、イソプロペニルオキ
シ、メタリルオキシ、2−ブテニルオキシ、1−ブテニ
ルオキシ、イソブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘ
キセニルオキシ、オクテニルオキシ又はデセニルオキシ
であってよい。アルケンオキシとしての、Rx 、Ry
5 又はR8 は、好適には、C3 又はC4 アルケンオキ
シ、特にアリルオキシ又はメタリルオキシである。
【0019】Rx 、Ry 、R5 又はR8 がC6 −C15
リールオキシを表す場合には、それらは、例えばフェノ
キシ、o−トリルオキシ、m−トリルオキシ、p−トリ
ルオキシ、2,3−ジメチルフェノキシ、2,4−ジメ
チルフェノキシ、2,5−ジメチルフェノキシ、アルフ
ァ−ナフチルオキシ又はベータ−ナフチルオキシであっ
てよい。アリールオキシとしての、Rx 、Ry 、R5
はR8 は、好適にはC6 −C8 アリールオキシ、特にフ
ェノキシである。
【0020】アラルキルオキシとしての、Rx 、Ry
5 又はR8 は、例えばベンジルオキシ、4−メチルベ
ンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、2−フェニルプ
ロポキシ、3−フェニルプロポキシ又はジフェニルメト
キシであってよい。アラルキルオキシとしての、Rx
y 、R5 又はR8 は、好適にはC7 −C9 アラルキル
オキシ、特にベンジルオキシである。
【0021】トリ(C1 −C15ヒドロカルビル)置換シ
リルオキシとしての、R5 又はR8は、例えばトリアル
キルシリルオキシ、例えばトリメチルシリルオキシ、ト
リエチルシリルオキシ、トリ−n−プロピルシリルオキ
シ、トリ−イソプロピルシリルオキシ、トリ−n−ブチ
ルシリルオキシ、トリ−イソブチルシリルオキシ、トリ
−tert−ブチルシリルオキシ、イソプロピルジメチ
ルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ、又は1,1,2,2−テトラメチルエチルジメチル
シリルオキシ(テキシルジメチルシリルオキシ)、又は
アリールジアルキルシリルオキシ、例えばフェニルジメ
チルシリルオキシ、フェニルジエチルシリルオキシ、フ
ェニルジイソプロピルシリルオキシ又はtert−ブチ
ルジフェニルシリルオキシであってよい。トリ(C1
15ヒドロカルビル)置換シリルオキシとしての、R5
又はR8 は、好適にはC1 −C6 アルキルジ(C6 −C
8アリール)シリルオキシ、特にtert−ブチルジフ
ェニルシリルオキシ、又はC2 −C10分岐アルキルジ
(C1 −C4 アルキル)シリルオキシ、特にテキシルジ
メチルシリルオキシである。
【0022】非置換又は置換C1 −C10アルキルとして
の、Rx 、Ry 、Rz 、R6 、R7、R10又はR11は、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2
−エチルヘキシル若しくはn−デシル、又はハロゲン、
ヒドロキシ若しくはニトロで置換されたそれらの基のい
ずれかであってよい。C1 −C10アルキルとしての、R
x 、Ry 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR11は、好適に
はC1 −C4 アルキル、特にメチル又はエチルである。
【0023】Rx 、Ry 、Rz 、R6 、R7 、R10又は
11が、非置換又は置換C2 −C10アルケニルを表す場
合には、それは、例えばビニル、アリル、1−プロペニ
ル、イソプロペニル、メタリル、2−ブテニル、1−ブ
テニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オク
テニル若しくはデセニル、又はハロゲン、ヒドロキシ若
しくはニトロで置換されたそれらの基のいずれかであっ
てよい。C2 −C10アルケニルとしての、Rx 、Ry
z 、R6 、R7 、R10又はR11は、好適にはC3 又は
4 アルケニル、特にアリル又はメタリルである。
【0024】非置換又は置換C6 −C15アリールとして
の、Rx 、Ry 、Rz 、R6 、R7、R10又はR11は、
例えばフェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリ
ル、o−キシリル、m−キシリル、アルファ−ナフチル
若しくはベータ−ナフチル、又はハロゲン、ヒドロキ
シ、C1 −C4 アルコキシ若しくはニトロで置換された
それらの基のいずれかであってよい。C6 −C15アリー
ルとしての、Rx 、Ry 、Rz 、R6 又はR7 は、好適
にはC6 −C8 アリール、特にフェニルであり、そして
6 −C10アリールとしての、R10又はR11は、C6
10アリール、特にフェニル、ニトロフェニル又はナフ
チルである。
【0025】置換又は非置換C7 −C30アラルキルとし
ての、R6 又はR7 は、例えばベンジル、2−フェニル
エチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピ
ル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、又はC1
−C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、又
はヒドロキシで置換されたそれらの基のいずれか、例え
ば4−メチルベンジル、メトキシトリフェニルメチル又
はジメトキシトリフェニルメチルであってよい。C7
30アラルキルとしてのR6 又はR7 は、好適には非置
換若しくはC1 −C4 アルコキシ−置換のC7 −C20
ラルキル、特にベンジル、トリフェニルメチル又はジメ
トキシトリフェニルメチルである。
【0026】Rx 、Ry 、Rz 、R10又はR11が、置換
又は非置換C7 −C16アラルキルを表す場合には、それ
は、例えばベンジル、4−メチルベンジル、2−フェニ
ルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピ
ル若しくはジフェニルメチル、又はハロゲン、ヒドロキ
シ、C1 −C4 アルコキシ若しくはニトロで置換された
それらの基のいずれかであってよい。好適には、それは
7 −C9 アラルキル、特にベンジルである。
【0027】トリ(C1 −C15ヒドロカルビル)置換シ
リルとしての、R6 又はR7 は、トリアルキルシリル、
例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−n
−プロピルシリル、トリ−イソプロピルシリル、トリ−
n−ブチルシリル、トリ−イソブチルシリル、トリ−t
ert−ブチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、
tert−ブチルジメチルシリル、又はテキシルジメチ
ルシリル、又はアリールジアルキルシリル、例えばフェ
ニルジメチルシリル、フェニルジエチルシリル、フェニ
ルジイソプロピルシリル若しくはフェニルジ−tert
−ブチルシリル、又はアルキルジアリールシリル、例え
ばイソプロピルジフェニルシリル若しくはtert−ブ
チルジフェニルシリルであってよい。トリ(C1 −C15
ヒドロカルビル)置換シリルとしての、R6 又はR7
は、好適にはC1 −C6 アルキルジ(C6 −C8 アリー
ル)シリル、特にtert−ブチルジフェニルシリル、
又はC2 −C10分岐アルキル(ジC1 −C4 アルキル)
シリル、特にテキシルジメチルシリルである。
【0028】アルキル−N,N−ジアルキルホスホルア
ミジルとしてのR7 は、オリゴヌクレオチド類似体の自
動合成での3’位での結合のために式(I)のジヌクレ
オチドの活性化に有用であるそのようなクラスのいかな
る基であってよい。その基は、例えばC1 −C8 アルキ
ル−N,N−ジアルキルホスホルアミジル(ここで、C
1 −C8 アルキル基は非置換又はシアノ、C1 −C4
ルキルスルホニル若しくはカルボキシルエステル基で置
換されている)であってよい。好都合には、この基はシ
アノ−C1 −C8 アルキル−N,N−ジ(C1 −C8
アルキルホスホルアミジル、好適にはシアノ−C1 −C
4 アルキル−N,N−ジ(C1 −C4 )アルキルホスホ
ルアミジル、特に2−シアノ−N,N−ジイソプロピル
ホスホルアミジルである。
【0029】非置換又は置換C1 −C8 アルキルとして
のR9 は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−
オクチル又は2−エチルヘキシル、好適にはC1 −C6
アルキル、特にメチル、エチル若しくはイソブチル、又
はC1 −C4 アルコキシ、ハロゲン、C1 −C4 アルキ
ルスルホニル若しくはシアノで置換されているそれらの
基のいずれか、例えばメトキシメチル、2−メトキシエ
チル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、3−
メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−メトキシ
−n−ブチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリ
フルオロエチル、2−クロロエチル、2−クロロ−n−
プロピル、2−メタンスルホニルエチル、又は好適には
2−シアノエチルであってよい。非置換又は置換C7
13アラルキルとしてのR9 は、例えばベンジル、4−
メチルベンジル、o−メトキシベンジル、p−メトキシ
ベンジル、ジフェニルメチル、2−フェニルエチル、2
−フェニルプロピル又は3−フェニルプロピル、好適に
は、C7 −C9 アラルキル、特にベンジルであってよ
い。アルカリ金属イオンとしてのR9 は、好適にはナト
リウム又はカリウムイオンである。アンモニウムイオン
としてのR9 は、非置換アンモニウムイオン又は置換ア
ンモニウムイオン、例えばメチルアンモニウムイオン、
エチルアンモニウムイオン、n−プロピルアンモニウム
イオン、イソプロピルアンモニウムイオン、n−ブチル
アンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、
tert−ブチルアンモニウムイオン、2−ヒドロキシ
エチルアンモニウムイオン若しくは3−ヒドロキシプロ
ピルアンモニウムイオンのようなアルキルアンモニウム
イオン、又はジメチルアンモニウムイオン、ジエチルア
ンモニウムイオン、ジ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウムイオン、メチル(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウムイオン、ジ−n−プロピルアンモニウムイオン若
しくはジ(イソプロピル)アンモニウムイオンのような
ジアルキルアンモニウムイオン、又はトリメチルアンモ
ニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、メチル
ジエチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモ
ニウムイオン若しくはトリ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウムイオンのようなトリアルキルアンモニウムイ
オンであってよい。
【0030】Rx 、Ry 、Rz 、R9 、R10又はR
11が、C3 −C8 シクロアルキルを表す場合には、それ
は、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル
シクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプ
チル又はシクロオクチルであってよい。シクロアルキル
としてのRx 、Ry 、Rz 、R9 、R10又はR11は、好
適にはC6 −C8 シクロアルキル、特にシクロヘキシル
である。
【0031】本発明の好適なジヌクレオチド類似体は、
式(I)のそれら、特に、式(IA)において、B1
びB2 がそれぞれピリミジン塩基の一価基、好適にはチ
ミン又はシトシン塩基であり、特に好適にはB1 及びB
2 がそれぞれ1−チミニルであるか、又はB1 が1−チ
ミニルであり、そしてB2 がN−ベンジルオキシメチル
−1−チミニル若しくはN−アセチル−1−シトシニル
であり;
【0032】R1 が水素、フッ素、ヒドロキシ又はC1
−C4 アルキル−若しくはハロゲン−置換フェニルオキ
シチオカルボニルオキシであり;
【0033】R2 、R3 及びR4 がそれぞれ水素であ
り;
【0034】R5 が水素、ヒドロキシ又は−OCOR10
(ここで、R10はC1 −C4 アルキル又はC6 −C10
リールである)であり、特に好適にはR5 が水素又は−
OCOCH3 であり;
【0035】R6 が水素、−COR11(ここで、R11
1 −C4 アルキル又はC6 −C10アリールである)、
アルキルジアリールシリル、又は非置換若しくはC1
4アルコキシ置換C7 −C20アラルキルであり、特に
好適にはR6 は水素、ベンゾイル、tert−ブチルジ
フェニルシリル又は4,4’−ジメトキシトリフェニル
メチルであり;
【0036】R7 が水素、ベンジル、シアノ−C1 −C
4 アルキル−N,N−ジ(C1 −C4 アルキル)ホスホ
ルアミジルであり、特に2−シアノエチル−N,N−ジ
イソプロピルホスホルアミジル、又は−COR11(ここ
で、R11はC6 −C10アリールであり、特にR11はフェ
ニル、4−ニトロフェニル又はアルファ−ナフチルであ
る)であり;
【0037】R8 が水素、ヒドロキシ、−OR10(ここ
で、R10はC1 −C4 アルキル、特にメチルである)、
若しくは−OCOR10(ここで、R10はC1 −C4 アル
キル、特にメチルである)、若しくはC6 −C10アリー
ル、特にフェニルであるか、又はR7 OとR8 は、一緒
に、イソプロピリデンジオキシ基を表し;
【0038】R9 が水素、又は非置換若しくは置換C1
−C6 アルキル、特にメチル、エチル、イソブチル若し
くは2−シアノエチルであり;そして
【0039】Rx 及びRy が、独立して、水素、フッ
素、メチル、エチル若しくはフェニルであるか、又はR
y が水素、メチル、エチル若しくはフェニルであり、R
x がヒドロキシ、フッ素、メトキシ、エトキシ、ベンジ
ルオキシ、アセトキシ若しくはベンゾイルオキシであ
り、特に好適な化合物ではRx 及びRy がそれぞれ水素
であるステレオ異性体である。
【0040】式(I)のジヌクレオチド類似体は、式
(II):
【化12】
【0041】で示される化合物を、式(III ):
【化13】
【0042】(上記式中、B1 、B2 、Rx 、Ry 、R
1 a、R2 、R3 、R4 、R5 a、R6 、R8 a 及びR9
は、上記と同義であり、そしてR7 は水素又はR7 a(こ
こで、R7 aは上記と同義である)である)で示される化
合物と、遊離基開始剤の存在下に反応させることにより
製造することできる。適切な開始剤はアゾビス(イソブ
チロニトリル)のようなアゾ化合物類、ベンゾイルペル
オキシド、tert−ブチルペルオキシド又は2,2−
ビス(tert−ブチルペルオキシ)プロパンのような
過酸化物類、tert−ブチルペルベンゾエート又はt
ert−ブチルペル−2−エチルヘキサノエートのよう
な過酸エステル類、アセチルペルジカーボナート又はビ
ス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルジカー
ボナートのような過炭酸塩類又は過硫酸カリウムのよう
な過塩類を含む。開始剤は一般に式(III )の化合物1
モルに対して0.1〜100モル%、好適には5〜15
モル%の量で用いられる。
【0043】(II)と( III)の反応は、溶媒なしで行
なうことできるが、好適には有機溶媒、通常はベンゼ
ン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素中で
行なわれる。反応は温度範囲30〜150℃、好適には
70〜100℃で行なってよい。
【0044】式(I)のジヌクレオチド類似体は、上記
に定義された式(II)の化合物を、式(IV):
【化14】
【0045】(式中、B1 、R5 a及びR6 は、上記と同
義である)で示される化合物と、塩基、好適には非−親
核性塩基、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセ−7−エン又は1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネ−5−エンのような立体障害アミ
ン、又はナトリウム若しくはカリウムのメトキシド、エ
トキシド若しくはブトキシドのようなアルカリ金属アル
コキシド、の存在下に反応させることにより製造するこ
とができる。
【0046】反応は温度範囲−20〜100℃で行なう
ことができ、好適には周囲温度で行なわれる。反応は好
適には不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン若しくは
キシレンのような芳香族炭化水素、好適にはジエチルエ
ーテル、ジオキサン、若しくは特にテトラヒドロフラン
のようなエーテル、中で行なわれる。
【0047】式(I)のジヌクレオチド類似体は、上記
に定義した式(II)の化合物をシリル化剤と反応させ、
P(III )シリル化合物を得て、次いでこの後者を上記
に定義した式(IV)の化合物と反応させることにより製
造することもできる。シリル化剤は、例えばトリメチル
クロロシラン若しくはトリエチルクロロシランのような
トリアルキルハロシランであってよく、式(II)の化合
物とピリジン若しくはトリエチルアミンのような三級塩
基の存在下に反応させる。式(II)の化合物とシランと
の反応は、温度範囲−20〜150℃で行なうことがで
き、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン又はトルエンのような溶媒を用いて、又は用いずに行
なうことができる。別の方法として、過剰のシランを希
釈剤として用いることもできる。シリル化剤として、ヘ
キサメチルジシラジドを用いることもでき、溶媒の不存
在下に100〜200℃で式(II)の化合物と反応させ
ることができる。P(III )シリル化合物と式(IV)の
化合物との反応は、P(III )種での置換反応のための
慣用の条件下で行なうことができる。それは好適にはア
ルブゾフ法、即ち周囲温度と160℃のような上昇した
温度の間で行うことができ、続いて得られたシリルエー
テルの加水分解を行なう。
【0048】式(IV)の化合物と、式(II)の化合物又
はP(III )シリル化合物との上記の反応は、R1 がヒ
ドロキシであり、そしてR2 が水素である式(I)のジ
ヌクレオチド類似体を与え、そのものから式(I)の他
のジヌクレオチド類似体はさらなる反応(等)で製造す
ることができる。
【0049】R1 、R2 、R5 及びR8 が水素(それは
ジ−2−デオキシリボ−ス類似体である)である式
(I)のジヌクレオチド類似体は、R1 、R2 、R5
びR8 がそれぞれヒドロキシである類似体から慣用の脱
酸素法により、例えばR1 がヒドロキシであり、R2
水素であり、R3 とR4 が上記のように定義され、R5
が水素又はR7 aであり、R6 とR7 aが上記のように定義
され、R8 が水素であり、そしてR9 が上記のように定
義された式(I)の化合物を、適切に置換された試薬と
反応させて、遊離基仲介切断、例えばp−トリルクロロ
チオノホーマート又はペンタフルオロフェニルクロロチ
オノホーマートのような、置換又は非置換のC6 −C10
アリールオキシチオカルボニルクロリドと反応させてヒ
ドロキシ基R 1 を置換又は非置換C6 −C10アリールオ
キシチオカルボニルオキシ基に変換し、次いでアゾビス
(イソブチルニトリル)又は上記の遊離基開始剤のよう
な遊離基開始剤の存在下でのトリ−n−ブチルスズのよ
うなトリアルキルスズとの反応によりこの基を脱離して
製造することができる。そのような脱酸素化は、慣用の
手順により行なうことができる。アルコール脱酸素化の
他の標準的方法は、Hartwig,Tetrahedron 39,2609(198
3) に記載されている。
【0050】同様に、R5 及び/又はR8 がヒドロキシ
である式(I)の化合物は、上述したようにアリールチ
オカルボニルクロリドとの反応で、R5 及び/又はR8
がアリールチオカルボニルオキシである式(I)の化合
物に変換することができ、遊離基開始剤の存在下でのト
リアルキルスズと反応させてR5 及び/又はR8 が水素
である式(I)の化合物を得ることができる。
【0051】R6 及び/又はR7 が水素である式(I)
の化合物は、R6 及び/又はR7 がそれぞれ上記に定義
されたR6 a及びR7 aである式(I)の類似体の加水分解
又は還元により、例えばエーテル、エステル又はシリル
エーテル基の加水分解によりヒドロキシ基を形成させる
公知の方法を用いて製造することができる。例えば、R
6 及び/又はR7 が上述したような置換シリル基である
式(I)の化合物は、塩酸のような強鉱酸又はフッ化セ
シウム若しくは4級フッ化アンモニウムのようなフッ化
物と、カルボン酸、通常は酢酸の存在下に反応させるこ
とができる。好適な方法において、R6 及び/又はR7
が置換シリル基である式(I)の化合物を、周囲温度で
酢酸の存在下にフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
と反応させて−OR6 及び/又は−OR7 基をヒドロキ
シル基へ加水分解させる。R6 及び/又はR7 がアシル
基−COR11である式(I)の化合物は、例えばアルカ
リ金属アルコキシド若しくは水性アルカリとの反応によ
り加水分解、又はリチウムアルミニウムヒドリドとの反
応で還元することができる。エーテル、エステル及びシ
リルエーテル基のヒドロキシ基への変換のための他の適
切な方法は、T.W.Greene and P.G.Wuts,Protective Gro
ups in Organic Synthesis.Wiley Interscience 1991に
記載されている。
【0052】R7 が置換又は非置換アルキル−N,N−
ジアルキルホスホルアミジルである式(I)の化合物
は、R7 が水素である式(I)の化合物を2−シアノエ
チル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホ
ルアミダイトのような置換又は非置換アルキル−N,
N,N’,N’−テトラアルキルホスホルアミダイトと
反応させて製造することができる。この反応は好都合に
は不活性雰囲気下にメチレンクロリドのような溶媒中で
ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリドのようなアン
モニウムテトラゾリドの存在下に行なわれる。それは周
囲温度又は穏やかに上昇した温度、例えば50℃までの
温度で行なうことができる。
【0053】R1 がハロゲンであり、そしてR2 が水素
である式(I)のジヌクレオチド類似体は、R1 がヒド
ロキシであり、そしてR2 が水素である式(I)のそれ
らから慣用の方法を用いる親核置換反応により製造する
ことができる。
【0054】例えば、R1 がフッ素であり、そしてR2
が水素である式(I)の化合物は、R1 がヒドロキシで
あり、そしてR2 が水素である式(I)の化合物をジア
ルキルアミノフルオロスルフラン又は四フッ化硫黄と反
応させることにより製造することができる。ジアルキル
アミノフルオロスルフランは、好適にはジエチルアミノ
三フッ化硫黄(DAST)のようなジアルキルアミノ三
フッ化硫黄であり、一般に非−プロトン溶媒、好適には
ハロ炭化水素、芳香族炭化水素又はテトラヒドロフラ
ン、特にクロロホルム又はジクロロメタンのようなクロ
ロ−含有溶媒中で反応される。この反応は、好適には温
度範囲−78〜30℃で行なわれる。適切な反応方法
は、M.Hudlicky,OrganicReactions 35,513(1988)に記載
されている。四フッ化硫黄との反応の適切な方法は、C.
L.J.Wang,Organic Reactions,34,319(1988) に記載され
ている。
【0055】R9 が置換若しくは非置換の、アルキル、
シクロアルキル又はアラルキル基である式(II)の化合
物は、式(V):
【0056】
【化15】
【0057】(式中、B2 、Rx 、Ry 、R3 、R4
びR8 aは上記と同義であり、R7 は水素又はR7 aであ
り、R9 aは置換若しくは非置換の、C1 −C8 アルキ
ル、C3 −C8 シクロアルキル又はC7 −C13アラルキ
ルであり、そしてQは保護基である)で示される化合物
を加水分解して、水素原子によりQを置き換えることに
より製造することができる。
【0058】基QはP−H基を保護することにおいて効
果があると知られているどのような基であってよく、一
方反応はそのような結合に影響し、容易に脱離すること
ができ、そのような反応の後にP−Hを生成するように
行なわれる。そのような保護基は、例えばヨーロッパ特
許0009348 号の式(Ia)の化合物のそれら、又はAus
t.J.Chem.33,292(1980)若しくは米国特許4933478 号に
記載された化合物のそれらであってよい。
【0059】好適な保護基Qは、式(VI):
【化16】
【0060】(式中、R12は水素、C1 −C10アルキ
ル、C3 −C8 シクロアルキル、C6 −C10アリール又
はC7 −C11アラルキルであり、そしてR13及びR14
それぞれ独立してC1 −C10アルキルである)で示され
るそれらを含む。式(VI)の好適な基は、R12が水素又
はC1 −C4 アルキルであり、特に水素又はメチルであ
り、そしてR13及びR14がそれぞれC1 −C4 アルキル
であり、特にメチル又はエチルであるそれらである。
【0061】他の好適な保護基Qは、式(VIA):
【化17】
【0062】(式中、R15及びR16は独立してC1 −C
10アルキルであるか、又はR15はC1−C10アルキルで
あり、そしてR16はC6 −C10アリールである)で示さ
れるそれらである。式(VIA)の好適な基は、R15及び
16がC1 −C4 アルキルであるそれらであり、特にR
15及びR16がそれぞれメチルであるそれらである。
【0063】水素原子によりQを置き換えるための式
(V)の化合物の加水分解は、Qが式(VI)の基である
場合に、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリル
ブロミド又はトリメチルシリルヨージドのようなトリア
ルキルシリルハライドとの反応により行なうことができ
る。反応は温度範囲−30〜100℃、好適には0〜4
0℃で、エタノールのようなアルコールの存在下に、有
機溶媒、例えばクロロホルム若しくはトリクロロエタン
のようなハロ炭化水素、テトラヒドロフランのようなエ
ーテル、ベンゼン、トルエン若しくキシレンのような芳
香族炭化水素、又はそのような溶媒の二種以上の混合溶
媒中で行なうことができる。一般的に、所望の化合物が
9 が水素である式(II)の化合物である場合には、ト
リアルキルシリルヨージドが用いられ、一方R9 が水素
以外である式(II)の化合物、即ちR9 がR9 aである化
合物を所望の場合には、トリアルキルシリルクロリドが
用いられる。トリアルキルシリルブロミドが用いられた
場合には、R9 が水素である式(II)の化合物と、R9
がR9 aである式(II)の化合物との混合物が一般的に得
られる。
【0064】水素原子によりQを置き換える式(V)の
化合物の加水分解は、加水分解条件下に酸で処理するこ
とにより行なうこともできる。それは塩酸のような鉱酸
で行なうことができ、その場合には、得られた化合物の
9 は水素であり、又は酢酸のような有機酸で行なわれ
た場合には、得られた化合物はR9 がR9 aである化合
物、R9 が水素である化合物又はその混合物であってよ
い。
【0065】Qが式(VIA)の基である場合には、加水
分解は塩基での処理、通常は穏和な条件下、例えば周囲
温度〜100℃の温度、好適には70〜90℃で水性ア
ンモニアでの処理により行ない、R9 がアンモニアイオ
ンである式(II)の化合物、これは酸性化によりR9
水素である化合物を与える、を得ることができる。R9
がアルカリ金属又は置換のアンモニウムイオンである式
(II)の化合物は、アルカリで加水分解を行なうか、又
はR9 が水素である式(II)の化合物をアルカリ金属塩
基又はアミンと反応させて塩を形成させることにより製
造することができる。
【0066】R7 がR7 aである式(V)の化合物は、R
7 が水素である式(V)の化合物、即ち式(VII ):
【0067】
【化18】
【0068】(式中、B2 、Q、Rx 、Ry 、R3 、R
4 、R8 a及びR9 aは、上記と同義である)示される化合
物を、式(VIII):
【0069】
【化19】
【0070】(式中、R7 aは水素以外として上記と同義
であり、そしてXはハロゲン原子、例えば塩素、臭素、
ヨウ素、又はヒドロキシ基、又は式R11COOH(ここ
で、R11は上記と同義である)で示される酸の無水物と
反応させることにより製造することができる。この反応
は、慣用の、エステル化又はエーテル化の方法を用いて
行なうことができる。従って、R7 が基−COR11(こ
こで、R11は上記と同義である)である場合には、エス
テル化は式(VII )の化合物を、式:R11COOHの
酸、又はその酸クロリド若しくはその無水物と、エステ
ル化触媒の存在下に芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン又はその混合物のような不活性有機溶媒中での反応に
より行うことができる。本発明の好適な実施態様とし
て、式(V)の化合物のヒドロキシ基の立体配向を変換
することが望ましい場合には、エステル化は、トリアリ
ールホスフィン、及びジエチルアゾジカルボキシラート
又はジイソプロピルアゾジカルボキシラートのようなア
ゾジカルボキシラートの存在下に、Mitsunobu の方法
(Synthesis, 1981,1 )を用いてに行なうことができ
る。
【0071】式(VIII)の化合物は、アルキルハライ
ド、アルケニルハライド、アリールハライド、カルボン
酸、カルボン酸ハライド、スルホン酸、スルホニルハラ
イド又はトリアルキルシリルハライドであり、これらは
商業的に入手できるか、又は公知の方法により製造する
ことができる。
【0072】Qが式(VI)の基である式(VII )の化合
物は、式(IX):
【化20】
【0073】(式中、B2 及びR8 aは上記と同義であ
る)で示されるオキセタンを、式(X):
【化21】
【0074】(式中、Qa は式(VI)の基であり、R
3 、R4 及びR9 aは上記と同義であり、そしてMはリチ
ウム又はマグネシウムである)で示される有機金属化合
物と、ルイス酸、好適には三フッ化ホウ素錯体の存在下
に反応させることにより製造することができる。反応
は、通常は低温、好適には−120〜40℃で、不活性
有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン、又はヘキサンの
ような炭化水素、又はその混合溶媒中で、オキセタンの
当量当たり1〜10、好適には4〜7当量の有機金属化
合物を用いて行なうことができる。式(X)の有機金属
化合物は、好適には、式(XI):
【0075】
【化22】
【0076】(式中、Qa 、R3 、R4 及びR9 aは、上
記と同義である)で示される化合物と、有機リチウム、
好適にはアルキルリチウム、又は有機マグネシウムハラ
イド、好適にはアルキルマグネシウムハライドとの反応
により、その場所で形成される。ヌクレオシドオキセタ
ンと有機金属化合物との反応の適切な方法は、H.Tanaka
et al. Tetrahedron Lett.,30,2567(1989) に記載され
ている。
【0077】式(IX)の化合物は、式(XII ):
【化23】
【0078】(式中、B2 及びR8 aは上記と同義であ
る)で示される化合物を、ピリジン中メタンスルホニル
クロリドと反応させ、続いてJ.P.Horwitz et al. J.Or
g.Chem.,31,205(1966) による方法を用いて水性水酸化
ナトリウムで処理することにより製造することができ
る。
【0079】式(XI)の化合物は、式(XIII):
【化24】
【0080】(Qa 及びR9 aは上記と同義である)で示
される保護されたホスフィン酸エステルを、式(XIV
):
【0081】
【化25】
【0082】(式中、R3 及びR4 は上記と同義であ
り、そしてYは脱離原子又は脱離基である)で示される
化合物と反応させることにより得ることができる。
【0083】式(XIII)のホスフィン酸エステルは、例
えばヨーロッパ特許0009348 号、Aust.J.Chem.,33,212
(1980) 又は米国特許4933478 号に記載されている公知
の方法により製造することができる。
【0084】式(XIV )の脱離原子又は脱離基Yは、例
えばハロゲン原子、又はそれからの酸性水素原子の脱離
のあとの有機酸の残基、例えば有機スルホン酸塩の基、
例えばp−トルエンスルホン酸塩の基又はトリフルオロ
メタンスルホン酸塩の基であってよい。好適には、Yは
ハロゲン原子又はアリールスルホン酸塩の基、特に塩素
若しくは臭素、又はp−トルエンスルホン酸塩の基であ
る。従って、式(XIV)の化合物は公知であり、公知の
方法により製造することができる。
【0085】式(XIII)の保護されたホスフィン酸エス
テルと式(XIV )の化合物との反応は、P−H結合での
置換反応の慣用の条件下で、例えばテトラヒドロフラン
のような不活性有機溶媒中でナトリウム、水素化ナトリ
ウム又はアルキルリチウムのような塩基を用いて、行な
うことができる。
【0086】R8 aが水素又はヒドロキシである式(XII
)の化合物は、容易に入手できるヌクレオシドであ
る。R8 aが水素又はヒドロキシ以外のものである式(XI
I )の化合物は、R8 aがヒドロキシである式(XII )の
化合物への、慣用の、ハロゲン化、エーテル化、エステ
ル化又はシリル化反応により製造することができる。
【0087】式(XI)の化合物は、別の方法として、式
(XIII)の保護されたホスフィン酸エステルをシリル化
剤と反応させて、P(III )シリル化合物を得て、次い
で後者を式(XIV )の化合物と反応させることにより製
造することができる。適切なシリル化剤は上述したもの
を含む。式(XIII)のエステルをビス(トリメチルシリ
ル)アミドとトルエンのような溶媒中で−80〜40℃
で反応させてP(III)シリル化合物を得て、次いでR3
及び/又はR4 がフッ素であり、Yが塩素原子、例え
ばクロロジフルオロエタンである式(XIV )の化合物
と、好都合には、同様な溶媒中で−80〜40℃で反応
させる場合に、この方法はR3 及び/又はR4 がフッ素
である式(XI)の化合物の製造に好都合である。
【0088】Qが式(IV)又は(VIA)の基であり、そ
してR3 及びR4 がそれぞれ水素である式(V)の化合
物は、式(XV):
【0089】
【化26】
【0090】(式中、Q、R9 a及びR10は上記と同義で
ある)で示される化合物を、式(XVI):
【化27】
【0091】(式中、B2 は上記と同義である)で示さ
れる塩基で、トリメチルシリルクロリド、ビス(トリメ
チルシリル)アセトアミド又はヘキサメチルジシラザン
のようなシリル化剤及びフルオロアルカンスルホン酸塩
のような触媒の存在下にアセトニトリル又は1,2−ジ
クロロエタンのような不活性有機溶媒中で40〜90℃
でグリコシル化し、続いて水性の酸、通常は酢酸と反応
させて、グリコシル化反応の間にシリル化された第3級
ヒドロキシル基を再生させて、式(XVII):
【0092】
【化28】
【0093】(式中、B2 、Q、R9 及びR10は上記と
同義である)で示される化合物を得ることにより製造す
ることができる。
【0094】R7 が水素であり、そしてR8 aがヒドロキ
シである式(V)の化合物を製造することが所望なら
ば、式(XVII)の化合物を穏和な塩基加水分解条件に付
し、例えば周囲温度でメタノール中炭酸カリで処理し、
式(XVII)のR10COO−基を加水分解することができ
る。
【0095】式(XVI )の塩基はアデニン、シトシン、
グアニン、チミン若しくはウラシル、又は公知の方法で
製造されるそれらの置換誘導体類のような容易に入手で
きるヌクレオシド塩基である。
【0096】式(XV)の化合物は、式(XVIII ):
【化29】
【0097】のオレフィン性アセトナイドを、式(XIX
):
【化30】
【0098】(式中、Q及びR9 aは上記と同義である)
で示されるホスフィナートと、遊離基開始剤の存在下に
反応させて、式(XX):
【化31】
【0099】(式中R9 aは上記と同義である)で示され
る化合物を得て、次いで式(XX)の化合物のアセトナイ
ド基を加水分解して、例えば酸性のイオン交換樹脂で処
理して、式(XXI ):
【0100】
【化32】
【0101】(式中R9 aは上記と同義である)で示され
る化合物を得て、次いで式R10COOH(R10は上記と
同義である)又はそれの無水物若しくは酸ハライドと反
応させて式(XV)の化合物を得ることにより製造するこ
とができる。
【0102】オレフィン性アセトナイドとホスフィナー
トとの反応は、有機溶媒、通常はベンゼン、トルエン又
はキシレンのような芳香族炭化水素中で遊離基開始剤の
存在下に行なうことができる。開始剤はベンゾイルペル
オキシド、tert−ブチルペルオキシド若しくは2,
2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−プロパンの
ような過酸化物、tert−ブチルペルベンゾアート若
しくはtert−ブチルペル−2−エチルヘキサノアー
トのような過酸エステル、ジアセチルペルジカーボナー
ト若しくはビス(4−tert−ブチルシクロヘキシ
ル)ペルジカーボナートのような過炭酸塩、又は過硫酸
ナトリウムのような過塩であってよい。反応は30〜1
00℃、好適には70〜90℃で行なうことができる。
【0103】式(XVIII )のオレフィン性アセトナイド
は、式(XXII):
【化33】
【0104】のジアセトナイド化合物、これ自体はCarb
ohyd.Res.24(1972)194-5に記載されたように製造するこ
とができる、から製造することができる。このジアセト
ナイドはカルボン酸無水物又は酸ハライド、通常は酢酸
無水物と反応させて、式(XXIII ):
【0105】
【化34】
【0106】(式中、R11は上記と同義である)で示さ
れるモノアセトナイドを得て、次いでこのものをメタン
スルホニルクロリドと、塩基の存在下に反応させて表示
のヒドロキシ基をメタンスルホニル基で置き換えること
ができる。この生成物をメチルエチルケトン中で70〜
90℃でヨウ化ナトリウムと反応させて、式(XXIV):
【0107】
【化35】
【0108】(式中、R11は上記と同義である)で示さ
れるオレフィン性アセトナイドを得て、これを周囲温度
で水性メタノール中で炭酸カリと処理して式(XVIII )
のオレフィン性アセトナイドを得る。
【0109】Qが式(VI)の基である式(XIX )のホス
フィナートは、式(XIII)のホスフィナートであり、上
述のように製造することができる。
【0110】Qが式(VIA)の基である式(XIX )のホ
スフィナートは、式(XXV ):
【化36】
【0111】(式中、R15及びR16は上記と同義であ
る)で示されるホスフィン酸を、式R9 aOH(ここで、
9 aは上記と同義である)のアルコールでエステル化す
ることにより製造することができる。
【0112】エステル化は−10〜30℃、好適には0
〜10℃で行なうことができる。これは、好都合には溶
媒、好適にはテトラヒドロフランのようなエーテル中
で、好適には塩基、通常はジメチルアミノピリジンのよ
うな第3級アミン及びN,N’−ジシクロヘキシルカル
ボジイミドのような脱水剤の存在下に行なわれる。
【0113】式(XXV )のホスフィン酸は、ホスフィン
酸を、式(XXVI):
【化37】
【0114】(式中、R15及びR16は上記と同義であ
る)で示されるケトンと反応させるか、又はホスフィン
酸を、このケトンのケタールとS.J.Fitch, J.Amer.Che
m.Soc.,86,61(1964) に記載された方法を用いて反応さ
せ、続いて得られたホスフィン酸エステルを加水分解、
例えば水と加熱することにより製造することができる。
【0115】式(V)の化合物は、式(XXVII ):
【化38】
【0116】(式中、B2 及びR10は上記と同義であ
り、そしてR7 aは上記と同義である)で示されるオレフ
ィン性ヌクレオシドを、式(XIX )のホスフィナートと
遊離基開始剤の存在下に、例えば上述したように式(XV
III )のオレフィン性アセトナイドとホスフィナートと
の反応で用いたと同じ条件下に、反応させて製造するこ
とができる。
【0117】式(XXVII )のオレフィン性ヌクレオシド
は、式(XXVIII):
【化39】
【0118】(式中、R10及びR7 aは上記と同義であ
る)で示される化合物を、式(XVI )の塩基でのグリコ
シル化、例えば式(XV)の化合物のグリコシル化のため
に上述した条件を用いてのグリコシル化により製造する
ことができる。
【0119】式(XXVIII)の化合物は、式(XVIII )の
オレフィン性アセトナイドを、式(XXIX):
【化40】
【0120】(式中、R7 aは上記と同義であり、そして
Xはハロゲン又はヒドロキシである)で示される化合物
か、又は式(XXX ):
【0121】
【化41】
【0122】(式中、R11は上記と同義である)で示さ
れる無水物と反応させて、式(XXXI):
【化42】
【0123】(式中、R7 aは上記と同義である)で示さ
れる化合物を得て、式(XXXI)の化合物を酸性イオン交
換樹脂と60〜70℃で反応させて、アセトナイド基を
加水分解して、式(XXXII ):
【0124】
【化43】
【0125】(式中、R7 aは上記と同義である)で示さ
れる化合物を形成させて、次いでこの化合物のヒドロキ
シ基を式R10COOH(ここで、R10は上記と同義であ
る)の酸、又はその無水物若しくは酸ハライドと反応さ
せて、式(XXVIII)の化合物を得ることにより製造する
ことができる。
【0126】化合物R7 aXは、アルキルハライド、アル
ケニルハライド、アリールハライド、アラルキルハライ
ド、カルボン酸、カルボン酸ハライド又はトリアルキル
シリルハライドであり、それらは商業的に入手できる
か、又は公知の方法で製造することができる。そのよう
な化合物と式(XVIII )のオレフィン性アセトナイドと
の反応は、慣用のエーテル化又はエステル化の方法を用
いて行なうことができる。
【0127】R5 aが式−OCOR10(ここで、R10は上
記と同義である)の基であり、そのいくつかは新規な化
合物であり、B1 がチミニル残基であり、抗菌特性を有
し、B1 がチミニル基であり、そしてR6 がベンゾイル
であるそれらを含む式(III)の化合物は、式(XXXII
I):
【0128】
【化44】
【0129】(式中、R1 a、R2 、R6 a及びR10は上記
と同義である)で示される化合物を、式(XXXIV ):
【0130】
【化45】
【0131】(式中、B1 は上記と同義である)で示さ
れる塩基でグリコシル化することにより製造することが
できる。この反応は公知のグリコシル化条件下、例えば
トリメチルシリルクロリド、ビス(トリメチルシリル)
アセトアミド又はヘキサメチルシラザンのようなシリル
化剤及びフルオロアルカンスルホナート塩のような適当
な触媒の存在下にアセトニトリル又は1,2−クロロエ
タンのような不活性有機溶媒中、温度範囲40〜90℃
で行なうことができる。
【0132】式(XXXIV )の塩基は、アデニン、シトシ
ン、グアニン、チミン若しくはウラシル、又は公知の方
法で合成されるそれの置換誘導体のような容易に入手で
きるヌクレオシド塩基である。
【0133】式(XXXIII)の化合物は、式(XXXV):
【化46】
【0134】(式中、R1 a、R2 及びR6 は上記と同義
である)で示される化合物を、酸性イオン交換樹脂で処
理し、アセトナイド基を通常は水、又はジメチルホルム
アミド若しくはジクロロメタンのような極性溶媒中で4
0〜100℃で加水分解し、続いて式R10COOH(こ
こで、R10は上記と同義である)、又はそれの無水物若
しくは酸ハライドとの反応による加水分解で生成したヒ
ドロキシ基のエステル化により製造することができる。
【0135】R1 a及びR2 がそれぞれ水素である式(XX
XV)の化合物は、式(XXXVI ):
【化47】
【0136】(式中、R6 aは上記と同義である)で示さ
れるケトンと、第4級ホスホニウム塩及びアルキルリチ
ウムとの、通常は、−60〜−80℃ないし周囲温度の
範囲から上昇した温度でのウイティヒ反応により、通常
は酢酸で酸性化して反応混合物を得ることにより製造す
ることができる。この反応は有機溶媒、例えばテトラヒ
ドロフラン、ヘキサンのような炭化水素、又はそれらの
混合物中で行なわれる。
【0137】R1 a及びR2 の一つ又は両方がハロゲンで
ある式(XXXV)の化合物は、式(XXXVI )の化合物から
得ることができる。
【0138】J.M.J.Trondiet et al,Eur.J.Med.ChemChi
m.Ther.11(6),489(1976)に記載された方法を用いるアセ
トニトリル中の四塩化炭素とトリフェニルホスフィンの
反応は、R1 a及びR2 が塩素である式(XXXV)の化合物
を与える。テトラヒドロフラン中での式(XXXVI )の化
合物と、ジブロモジフルオロメタン、ヘキサメチルホス
ホノトリアミド及び亜鉛との反応は、R1 a及びR2 がそ
れぞれフッ素である式(XXXV)の新規な化合物を与え
る。
【0139】式(XXXVI )の化合物は、1,2−イソプ
ロピリデンキシロースから、第1級アルコール基と、R
6 aが上記と同義であり、Xがハロゲン原子又はヒドロキ
シ基である式R6 aXの化合物との反応により、メチロー
ル基を−CH2 OR6 a基に変換し、次いで生成物をピリ
ジウムジクロマートのような酸化剤で、通常は30〜4
0℃で酢酸無水物のような脱水剤の存在下にメチレンク
ロリドのような不活性溶媒中で反応して、3’−ヒドロ
キシ基をケト基へ変換することにより製造することがで
きる。式(XXXVI )の化合物を製造するための適切な方
法は、H.S.Mosher et al,J.Org.Chem.,51,2702(1986)に
記載されている。
【0140】化合物R6 aXは、上述したように式(VII
I)の化合物R7 aXと同様の化合物範囲から選択するこ
とができ、キシロースアセトナイドとの反応は公知のエ
ステル化又はエーテル化の方法を用いて行なわれる。
【0141】R5 aがヒドロキシであり、及び/又はR6
が水素である式(III )の化合物は、R5 aが基−OCO
10(ここで、R10は上記と同義である)であり、及び
/又はR6 が水素以外、例えばアルキル、−COR
11(ここで、R11はアルキル又はアリールである)又は
トリアルキルシリルである式(III )の化合物の公知の
方法による加水分解により得ることができる。
【0142】R5 aがフッ素又は塩素である式(III )の
化合物は、R5 aがヒドロキシである式(III )の化合物
の、公知方法による親核置換反応により製造することが
できる。
【0143】R5 aがアルコキシ、アルケンオキシ、アリ
ールオキシ、アラルキルオキシ又は置換シリルオキシで
ある式(III )の化合物は、R5 aがヒドロキシである式
(III )の化合物の、公知方法によるエーテル化により
製造することができる。
【0144】式(IV)の化合物は、相当する3’−ヨー
ドヌクレオシドと、一酸化炭素及びトリス(トリメチル
シリル)シランとの、2,2’−アゾビス(イソブチロ
ニトリル)のような遊離基開始剤の存在下での反応、相
当する3’−シアノヌクレオシドを、ジイソブチルアル
ミニウムヒドリドでの還元、又はWO92/20823に記載され
た別な方法により製造することができる。
【0145】式(IV)の化合物は、S.Shuto et al,Nucl
eosides & Nucleotides,1(3),236-272(1982)に記載され
ているように、相当する3’−アミノヌクレオシドを亜
硝酸塩と処理するか、又はBamford et al,J.Med.Chem.,
33,2494(1990) に記載されているように、相当する3’
−C−(4,5−ジヒドロ−5−メチル−1,3,5−
ジチアジン−2−イル)ヌクレオシドの加水分解により
製造することができる。
【0146】それ自体が新規である、本発明のジヌクレ
オチド類似体の中間体は、Rx 及びRy が両方共水素で
はない式(II)及び(V)の化合物、即ち式(XXXXIII
):
【0147】
【化48】
【0148】(式中、R3 、R4 、R7 、R8 a、R9
x 、Ry 及びB2 は、上記と同義であり、そしてRm
は水素又は上記と同義であるQであるが、但しRx 及び
y は両方共水素ではない)で示される化合物を含む。
【0149】Rx が水素であり、そしてRy がR17(こ
こで、R17はC1 −C10アルキル、C2 −C10アルケニ
ル、C3 −C8 シクロアルキル、C6 −C15アリール又
はC7 −C16アラルキルである)である式(V)の化合
物は、式(XXXVII):
【0150】
【化49】
【0151】(式中、B2 、Q、R3 、R4 、R7 a、R
8 a、R9 a及びR17は、上記と同義である)で示される化
合物の脱酸素化により製造することができる。この脱酸
素化は上述のこの脱酸素化の方法を用いて行うことがで
きる。
【0152】式(XXXVII)の化合物は、上述した式
(X)の化合物を、式(XXXVIII ):
【化50】
【0153】(式中、B2 、R7 a、R8 a及びR17は、上
記と同義である)で示される化合物と、場合により三フ
ッ化ホウ素錯体のようなルイス酸の存在下に、例えば式
(IX)及び(X)の化合物の反応に用いた条件下に反応
させて得ることができる。
【0154】式(XXXVII)の化合物は、ナトリウム又は
水素化ナトリウムのような塩基での処理により生成した
イオン形態の式(XIII)の化合物を、三フッ化ホウ素錯
体のようなルイス酸の存在下に、式(XXIII )のジオー
ルのエポキシド(エポキシドは、V.Zsoldos-Mady et a
l,Monatschifte feur Chemie,117,1325(1986)の方法に
従い製造することができる)と反応させることにより得
ることができる。
【0155】式(XXXVII)の化合物は、式(XXXIX ):
【化51】
【0156】(式中、B2 、R7 a及びR8 aは、上記と同
義である)で示されるアルデヒドを、式R17Li又はR
17MgY(ここで、R17は上記と同義であり、そしてY
はハロゲン、通常は塩素、臭素である)の有機金属化合
物と、一般的には有機溶媒、好適にはテトラヒドロフラ
ン又はジエチルエーテルのようなエーテル中で−120
〜0℃、好適には−100〜−60℃で反応させて、続
いて得られたアルコールの酸化、例えばSwern 酸化によ
り製造することができる。
【0157】式(XXXIX )のアルデヒドは、公知の方法
を用いて相当する5’−ヒドロキシメチル化合物の酸
化、例えばJones and Moffat,J.Amer.Chem.Soc.90,5337
(1968) 又はRanganatham et al,J.Org.Chem.,39,290(19
74)の方法を用いてハロ酢酸、ジメチルスルホキシド及
びジシクロヘキシルカルボジイミドでの処理により得る
ことができる。5’−ヒドロキシメチル化合物は、容易
に入手できる、ヌクレオシド又はその置換誘導体であ
る。
【0158】Rx が−OR17であり、そしてRy がR17
(ここで、R17は上記と同義である)である式(V)の
化合物は、式R17Y(ここでR17は上記と同義であり、
そしてYはハロゲン、通常は臭素又はヨウ素である)の
ハライドとの反応による式(XXXVII)の化合物のヒドロ
キシ基のエーテル化により製造することができる。この
反応は、一般的に例えば水酸化ナトリウム、又は1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンの
ような立体障害アミンの存在下に有機溶媒、通常はベン
ゼン又はトルエンのような炭化水素中で行なわれる。
【0159】同様のエーテル化の方法は、式(XXXX):
【化52】
【0160】(式中、B2 、Q、R3 、R4 、R7 a、R
8 a及びR9 aは、上記と同義である)で示される化合物
を、Rx がOR17であり、そしてRy が水素である式
(V)の化合物へ変換するために用いてもよい。
【0161】Rx がハロゲンであり、そしてRy が水素
又はR17(ここで、R17は上記と同義である)である式
(V)の化合物は、それぞれ式(XXXX)又は(XXXVII)
の化合物の親核置換反応、例えばメチレンクロリドのよ
うな有機溶媒中ジエチルアミノ三フッ化硫黄との、−1
00〜−30℃での、場合によりピリジンの存在下での
反応により得ることができる。
【0162】Rx が−OCOR17であり、そしてRy
水素又はR17(ここで、R17は上記と同義である)であ
る式(V)の化合物は、それぞれ式(XXXX)又は(XXXV
II)の化合物に、式R17COOH(ここで、R17は上記
と同義である)の酸、又はその酸ハライド若しくはその
無水物を反応させて、ヒドロキシ基をエステル化して製
造することができる。この反応は、慣用のエステル化の
方法を用いて、例えば酸クロリド又は無水物が用いられ
る場合には、エステル化はピリジンのような有機塩基の
存在下にメチレンクロリド、トルエン又は酢酸エチルの
ような有機溶媒中で−70〜30℃、好適には−15〜
−5℃で行なわれる。
【0163】式(XXXX)の化合物は、式(XXXIX )のア
ルデヒドを式(X)の化合物と反応させて製造すること
ができる。この反応は一般的に−100〜0℃、好適に
は−70〜−80℃で、テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、tert−ブチルメチルエーテル又はトルエ
ンのような有機溶媒中で場合により三フッ化ホウ素錯体
のようなルイス酸の存在下に行なわれる。
【0164】R9 が水素である式(I)のジヌクレオチ
ド類似体は、R9 が上述したR9 aである式(I)のジヌ
クレオチド類似体から、加水分解、好適には塩基との処
理により得ることができる。そのような加水分解は、好
適にはアルカリ金属ヒドロキシド、特に水酸化ナトリウ
ム若しくは水酸化リチウム、又は水性若しくはエタノー
ル性の濃アンンモニアを用いて行なわれる。
【0165】式(I)のジヌクレオチドのジアステレオ
マー又は中間体の混合物が得られた場合には、それらは
公知の方法、例えば分別蒸留、結晶化又はクロマトグラ
フィーにより分離することができる。
【0166】本発明は、式(I)のジヌクレオチド類似
体から誘導された単位の少なくとも一種を含むオリゴヌ
クレオチド、そのようなオリゴヌクレオチドの製造にお
いての式(I)のジヌクレオチド類似体の用途をも提供
する。そのようなオリゴヌクレオチドは、式(I)、好
適には式(IA)の、同一又は異なるジヌクレオチド類
似体から誘導された単位の一種のみを含んでいてもよ
く、又は式(I)のジヌクレオチドから誘導された単位
の少なくとも一種及び他の天然又は合成のヌクレオシド
から誘導された他の単位の少なくとも一種を含むことも
できる。一般に、このオリゴヌクレオチドは、2〜20
0ヌクレオシド−誘導体単位を含む。好適なオリゴヌク
レオチドは、2〜100、より好適には2〜50、特に
2〜20のそのような単位を含む。好適には、このオリ
ゴヌクレオチドは、式(I)の同一又は異なるジヌクレ
オチド類似体の単位と一緒に、D−リボース又は2−デ
オキシリボースから誘導された天然又は合成のヌクレオ
シドの単位を含む。
【0167】本発明は、さらに式(XXXXI ):
【化53】
【0168】(式中、U、V及びWは、同一若しくは異
なる、天然又は合成のヌクレオシドの残基であり、U、
V及びWの残基の少なくとも一つは、式(I)のジヌク
レオチド類似体から誘導され、かつ式(XXXXII):
【0169】
【化54】
【0170】(式中、R1 〜R5 、R8 、R9 、Rx
y 、B1 及びB2 は、上記と同義である)を有し、L
はヌクレオシド架橋基であり、そしてnは0〜200の
数、好適には0〜100、さらに好適には0〜50、特
に0〜30である)で示されるオリゴヌクレオチドを提
供する。好適な架橋基Lは、天然のオリゴヌクレオシド
架橋基−P(O)O- −基である。さらなる架橋基の例
は、−P(O)S- −、−P(S)S- −、−P(O)
18−、−P(O)NR1920−、又は−CH2−(こ
こで、R18は水素又はC1 −C6 アルキルであり、そし
てR19及びR20は独立して水素又はC1 −C6 アルキル
である)である。
【0171】式(I)のジヌクレオチドの一種又はそれ
以上から誘導された残基は、末端又はヌクレオチド配列
中に結合することができ、それにより式(I)のジヌク
レオチド類似体の一種又はそれ以上から誘導された数
個、例えば2〜5個の残基は、天然又は合成のヌクレオ
シドの残基の間に結合することができるか、又はヌレオ
チド配列中に位置するこの分布の混合形態であることが
できる。好適には4〜30個のヌクレオシド単位が存在
し、好適にはその1〜12個、特に1〜6個、そしてよ
り特に1〜4個の単位が式(I)のジヌクレオチド類似
体から誘導された残基である。
【0172】特に好適な実施態様は、nが2〜50、好
適には2〜30であり、Lが基−P(O)O- −であ
り、U、V及びWが、天然又は合成ヌクレオシドの、同
一又は異なる残基であり、U、V及びWの残基の少なく
とも一種が、式(XXXXII)のものである式(XXXXI )の
オリゴヌクレオチドである。天然のヌクレオシドは、例
えばアデノシン、シトシン、グアノシン、ウリジン、2
−アミノアデノシン、5−メチルシトシン、2’−デオ
キシアデノシン、2’−デオキシシトシン、2’−デオ
キシグアノシン又はチミジンであってよい。式(XXXXI
)の残基は、末端又はヌクレオチド配列中に結合する
ことができ、それにより式(XXXXI )の同一又は異なる
残基の数個、例えば2〜5個の残基は、前後に続くこと
ができるか、、又は式(XXXXI )の同一又は異なる残基
が天然のヌクレオシドの残基の間に結合することができ
るか、又はそれらの分布の混合した形態がヌクレオチド
配列中に位置することができる。
【0173】式(XXXXI )のオリゴヌクレオチドの特に
好適な別の実施態様において、U、V及びWが、B1
びB2 が天然のヌクレオシドである式(XXXXII)の同一
又は異なる残基である。この実施態様において、nは好
適には2〜20、特に1〜12、さらに特に1〜6であ
り、そして最も特に1〜4である。
【0174】本発明のオリゴヌクレオチドの製造は、公
知の方法を用いて行なわれ、必要ならば、商業的な核酸
合成装置を用いて自動的に行なうことができる。架橋基
−P(O)O- −の場合には、例えばホスホトリエステ
ル法、ホスファイトトリエステル法又はH−ホスホナー
ト法を用いることができ、それらのすべては当業者には
よく知られている。多くの適切な方法がOligonucleotid
es and Analogues: APractical Approach,F.Eckstein,O
xford University Press,1991に記載されている。
【0175】典型的な方法において、R6 及びR7 がそ
れぞれ水素、即ち5’及び3’ヒドロキシが遊離である
式(I)のジヌクレオチド類似体を、4,4’−ジメト
キシトリフェニルメチルクロリドと、塩基の存在下に、
例えばWO92/20822又はWO92/20823に記載された方法を用
いて反応させて、R6 がジメトキシ基である式(I)の
ジヌクレオチド類似体を得て、次いで2−シアノエチル
−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホルジ
アミダイトを反応させて、3’−ヒドロキシを2−シア
ノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホ
スホルアミジル基で置き換え、それにより3’−位での
結合のためにジヌクレオチド類似体を活性化する。得ら
れた官能化されたジヌクレオチド類似体を、所望するど
のような配列にも、例えばGPC−固定支持体及び標準
の核酸合成装置、例えばBiosystems 380B,390 及び 394
並びにMilligen/Biosearch 7500 及び8800s を用いて、
挿入することができる。
【0176】本発明のオリゴヌクレオチドが、R9 が上
述のR9 aである式(XXXXII)の単位の一種又はそれ以上
を含む場合には、それはR9 が水素である相当するオリ
ゴヌクレオチドへ、加水分解により、好適にはR9 が上
述したR9 aである式(I)のジヌクレオチド類似体の加
水分解のために上述したような塩基加水分解により、変
換することができる。
【0177】本発明のジヌクレオチド類似体及びそれか
ら誘導された単位を組み入れられたオリゴヌクレオチド
は、治療、例えばタンパク質により調整される疾患に悩
む、ヒト又は他の動物の治療、又はインフルエンザ、ヘ
ルペス若しくはHIVのようなウイルスによる疾患の治
療に用いることができる。従って、本発明は、活性成分
として本発明のジヌクレオチド類似体又はそれから誘導
された単位を組み入れられたオリゴヌクレオチドを含む
薬学的配合物をも提供する。最適投与量及び治療計画は
当業者により容易に決定することができる。約70Kg重
量の哺乳動物への投薬の場合には、その投与量は、例え
ば1日当たり0.01〜1000mgでよい。一般に、本
発明の治療薬剤を内服的に、例えば経口で、吸入的に、
静脈注射若しくは筋肉注射により投与することが好まし
い。経皮的、局所的若しくは内部−局限的方法及び坐剤
に含有したような、他の投与方法も有効である。製薬学
的に許容しうる担体に組み合わせた使途は、いくつかの
治療方法に好適である。
【0178】本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレア
ーセに対する驚くほど高い安定性を有している。相補の
核酸鎖との非常に良好なペアリング、特にRNA型との
ペアリング、も見出された。本発明のオリゴヌクレオチ
ドは、従って、特にアンチセンス技術、即ち核酸の適切
な相補の核酸配列に結合するために望ましくないタンパ
ク質生成物の発現を阻止する、のために適切である(ヨ
ーロッパ特許0266099号、WO87/07300及びWO89/08146号
参照)。それらは、例えば核酸段階(例えば、腫瘍遺伝
子)で生物活性タンパク質の発現を阻害することによ
り、感染又は治療に用いることができる。本発明のオリ
ゴヌクレオチドは診断薬としても適切であり、ウイルス
感染の検出、又は1本鎖若しくは2本鎖核酸段階での選
択的相互作用による遺伝的に関連した疾患の検出、の遺
伝子プローブとして用いることができる。特に、ヌクレ
ーゼに対する増大した安定性のために、診断的用途が生
体外のみでなく生体内(例えば、組織試料、血奬及び血
清)においても可能である。この種の用途の可能性は、
例えばWO91/066556 に記載されている。
【0179】本発明の製薬学的に活性なジヌクレオチド
及びオリゴヌクレオチドは、非経口的に投与しうる製剤
又は注入溶液の形態で用いることができる。この種の溶
液は、好適には等張の水性溶液又は懸濁液であり、それ
らを使用の前に、例えば活性物質を担体、例えばマンニ
トールそれ自体又は一緒に含む親液性製剤に調製するこ
とができる。この製薬学的製剤は、消毒することがで
き、及び/又は賦形剤、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤
及び/又は乳化剤、溶解剤、浸透圧を調節する塩及び/
又は緩衝液を含むことができる。この製薬学的製剤は、
所望ならば、さらに製薬学的活性物質、例えば抗菌剤を
含むことができ、それ自体公知の方法、例えば慣用の溶
解又は親液化工程の手段により製造することができ、活
性物質の0.1〜90%、特に約0.5〜30%、例え
ば1〜5%を含む。
【0180】
【実施例】本発明を下記の実施例により説明する。
【0181】例1:この例は、化合物(1)の製造方法
を示した。
【化55】
【0182】アルゴン雰囲気下、−78℃において、n
BuLi(170ml、ヘキサン中の1.6mole溶液)
を、テトラヒドロフラン(THF:500ml)中のエチ
ルメチル(1,1−ジエトキシエチル)ホスフィナート
(59.5g 、0.26mole)に、20分間かけてゆっ
くりと加えた。得られた溶液を、−78℃において90
分間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素エーテラート
(39g 、0.27mole)を、5分かけて加え、更にそ
の5分後に、THF(500ml)中の、1−(3,5−
アンヒドロ−β−D−スレオ−ペントフラノジル)チミ
ン(12g 、53mmole )を1時間以上かけて滴下によ
り加えた。得られた溶液を、NaHCO3 飽和溶液(3
0ml)とNaHCO3 (10g )を添加する前に、−7
8℃において1時間攪拌した。得られた混合物を、数時
間かけて室温まで温め、次いで減圧下で濃縮した。ジク
ロロメタン(400ml)を加え、濾過し濃縮して、透明
黄色油状物を得た。減圧フラシュシリカクロマトグラフ
ィー傾斜溶離(クロロホルム−クロロホルム/エタノー
ル(15:1))により精製し、吸湿性白色固体として
化合物(1)(融点24〜51℃)を得た。
【0183】実測値:C49.7%,H7.4%,N6.0%,P6.7%;計算値
(C19H33N2O8P.1/2H2O);C49.9%,H7.5%, N6.1%,P6.75%;
2つのジアステレオ異性体の混合物としてのNMR特
性:31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,36.4MHz): δ=50.
7,50.5ppm 。
【0184】例2:この例は、化合物(2)の製造方法
を示した。
【化56】
【0185】アルゴン下に、ジエチルアゾカルボキシレ
ート(2.8ml、18mmole )を、0〜5℃に冷却した
トルエン(100ml)とテトラヒドロフラン(30ml)
の混合溶液中の、化合物(1)(7.3g 、16.3mm
ole )、トリフェニルフォスフィン(4.7g 、18mm
ole )及び安息香酸(2.19g 、18mmole )の溶液
に、滴下により加えた。室温で60分間放置した後、そ
の混合物を、濃縮し減圧フラシュクロマトグラフィ(傾
斜溶離液:ジクロロメタン/エタノール(100:0な
いし10:1))で精製し、得られた白色固体を、ジク
ロロメタン(200ml)に溶かし、飽和NaHCO3
液(5x100ml)で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、
そして濃縮し、白色泡状の化合物(2)を得た。
【0186】実測値:C55.9,H7.O,N4.8,P5.8%; 計算値
(C26H37N2O9P.1/2H2O):C55.6,H6.8,N5.0,P5.5%;リンに
おける2つのジアステレオ異性体の混合物としてのNM
R特性:3 1Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,161.9MHz):δ
=49.1,49.2ppm 。
【0187】例3:この例は、化合物(3)の製造方法
を示した。
【化57】
【0188】アルゴン下に、ジエチルアゾジカーボネー
ト(2.1ml、13mmole )を、0〜5℃に冷却し、か
つ攪拌したトルエン(60ml)とテトラヒドロフラン
(15ml)の混合溶液中の化合物(1)(5g 、11mm
ole )、トリフェニルフォスフィン(3.5g 、13mm
ole )及び1−ナフチオン酸(2.3g 、13mmole )
の溶液に、滴下(5分間)により加えた。得られた溶液
を、室温において48時間放置した後、減圧下で濃縮し
た。フラシュシリカカラムクロマトグラフィ(溶離液:
クロロホルム/エタノール(50:1))で精製し、白
色固体として化合物(3)を得た。
【0189】実測値:C59.5%,H6.8%,N4.6%,P5.3%;計算値
(C30H39N2O9P):C59.8%,H6.5%,N4.65%,P5.15%; リンにお
ける2つのジアステレオ異性体の1:1混合物としての
NMR特性:31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,36.4MH
z): δ=48.3,48.2 ppm。
【0190】例4:この例は、化合物(4)の製造方法
を示した。
【化58】
【0191】アルゴン下に、ジエチルアゾジカーボネー
ト(0.42ml、2.7mmole )を、攪拌したトルエン
(20ml)とテトラヒドロフラン(5ml)の混合溶液中
の化合物(1)(1.0g 、2.2mmole )、トリフェ
ニルホスフィン(0.70g、2.7mmole )及びp−
ニトロ安息香酸(0.45g 、2.7mmole )の溶液
に、滴下(5分間)により加えた。室温で一晩放置した
後に、混合溶液を、濃縮し、フラシュシリカカラムクロ
マトグラフィ(溶離液:クロロホルム/エタノール(5
0:1))で精製し、化合物(4)(融点60〜63
℃)を得た。
【0192】実測値:C52.3%,H6.1%,N6.8%,P5.2%;計算値
(C26H36N3O11P):C52.25%,H6.05%,N7.05%,P5.22%;リンに
おける2つのジアステレオ異性体の1:1混合物として
のNMR特性:31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,36.4MH
z): δ=47.9,47.2ppm 。
【0193】例5:この例は、化合物(5)の製造方法
を示した。
【化59】
【0194】アルゴン下、0℃において、トリ−メチル
シリルクロライド(4.56ml、36mmole )を、攪拌
したクロロホルム(20ml)中の化合物(2)(2g 、
3.6mmole )及びエタノール(1ml)の溶液に、滴下
(2分間)により加えた。得られた溶液を、室温で一晩
放置した後、減圧下で濃縮し、得られたオフホワイト色
泡状物質をフラシュシリカクロマトグラフィ(溶離液:
クロロホルム/エタノール(40:1))で精製し、白
色固体として化合物(5)を得た。
【0195】実測値:C52.7%,H5.7%,N6.1%,P6.8%;計算値
(C20H25N2O7P.H2O):C52.85%,H6.0%,N6.15%,P6.8%; リン
における2つのジアステレオ異性体の1:1混合物とし
てのNMR特性:31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,162M
Hz):δ=37.4,37.1ppm 。
【0196】例6:この例は、化合物(6)の製造方法
を示した。
【化60】
【0197】アルゴン下に、トリ−メチルシリルクロラ
イド(0.42ml,3.3mmole )を、攪拌したエタノ
ール(ピペット10滴)を含むクロロホルム(5ml)中
の化合物3(199mg、0.33mmole )の溶液に加え
た。得られた溶液を、室温で一晩放置し、そして減圧下
で濃縮し、得られたオフホワイトの泡状物を、フラシュ
シリカカラムクロマトグラフィ(溶離液:クロロホルム
/エタノール(40:1))で精製し、白色固体として
化合物(6)を得た。
【0198】実測値:C59.0%,H5.5%,N5.5%,P6.1%;計算値
(C24H27N2O7P)C59.25%,H5.6%,N5.75%,P6.35%; リンにお
ける2つのジアステレオ異性体の1:1混合物としての
NMR特性:31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,162MHz):
δ=37.6,37.2ppm 。
【0199】例7:この例は、化合物(7)の製造方法
を示した。
【化61】
【0200】アルゴン下に、トリメチルシリルクロライ
ド(14ml、0.11mmole )を、攪拌したクロロホル
ム(150ml)中の化合物(4)(7g 、11.7mmol
e )及びエタノール(1ml)の溶液に、滴下(2分間)
により加えた。得られた溶液を、室温で一晩放置し、そ
して減圧下で濃縮し、得られた淡黄色泡状物をフラシュ
シリカカラムクロマトグラフィ(傾斜溶離液:クロロホ
ルム/エタノール(40:1ないし20:1))で精製
し、白色固体として化合物(7)を得た。
【0201】実測値:C49.4%,H5.1%,N8.4%,P6.3%;計算値
(C20H24N3O9P.1/3H2O)C49.3%,H5.1%,N8.6%,P6.35%;リン
における2つのジアステレオ異性体の1:1混合物とし
てのNMR特性:31Pnmr(1Hデカップリング) (CDCl3,36.
4MHz):δ=36.3,35.9ppm 。
【0202】例8:この例は、化合物(8)の製造方法
を示した。
【化62】
【0203】アルゴン下、−70℃において、n−ブチ
ルリチウム(ヘキサン中1.6m :144ml,0.23
1mol )を、乾燥したテトラヒドロフラン(500ml)
中のメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(8
2.5g 、0.231mole)懸濁液に約10分間かけて
加えた。混合溶液を、15℃まで加熱した(この間に、
橙色溶液が生成する)。この溶液を、−70℃まで再冷
却し、さらにn−ブチルリチウム(6ml)を加え、更に
その15分間後に、反応温度を−66〜−71℃に保ち
ながら、テトラヒドロフラン(100ml)中の、5−O
−ベンゾイル−1,2−ジ−O−アセトナイド−3−ケ
トキシロース(H.S.MosherによりJ.Org.Chem.1986,51,2
702 中に記載されたと同様に調製した:50.0g 、
0.171mole)を、5回に分けて、35分間かけて加
えた。混合溶液を、2時間、−70℃に保った後、1.
5時間かけて10℃まで温め、同温度で3時間放置し
た。酢酸(3.5ml)を加えた後に、ヘキサン(500
ml)を加えた。得られた沈殿物を濾過し、そして溶液を
シリカゲルパッドを通した。このパッドを、エーテル
(1リットル)で洗浄し、濾液を留去し粗製油状物を得
た。生成物を、シリカゲル(Merck,Art15111,10cm Φ,5
cmL )によるフラシュシリカカラムクロマトグラフィ
で、ヘキサン、次いでヘキサン:エタノール(3:1)
混合溶液で溶離して精製し、無色固体として化合物
(8)(融点61〜62℃)を得た。
【0204】δH(CDCl3):8.10(2H,d,Ph-H),7.55(1H,t,P
h-H),7.41(2H,t,Ph-H),5.95(1H,d,H-1),5.50(1H,s,C=C
H),5.35(1H,s,C=CH),5.10(1H,m,H=4),4.96(1H,d,H-2),
4.55(1H,dd,H-5),4.40(1H,dd,H-5),1.55(3H,s,CH3),1.4
0(3H,s,CH3)ppm。 δC(CDCl3):166.2(COPh),145.6,133.1,129.6,128.3,11
2.7,112.6,104.5,81.6,77.3,65.6,27.3,27.0ppm。 実測値:C66.5,H6.4%; 計算値(C16H18O5)C66.25,H6.25%
【0205】例9:この例は、化合物(9)の製造方法
を示した。
【化63】
【0206】水(20ml)及びテトラヒドロフラン(1
50ml)中の化合物8(20.0g、68.9 mmole)
とDOWEXイオン交換樹脂(50W×250W−10
0mesh:100ml)を、5日間加熱還流した。混合物を
濾過し、樹脂をジクロロメタン(100ml)で洗浄し
た。濾過物を、蒸留及びトルエン(3×100ml)で共
沸蒸留し、粘稠橙色油状物を得た。0℃において、ジク
ロロメタン(100ml)中の、この油状物の溶液に、ピ
リジン(22ml、0.276mole)と酢酸無水物(1
9.3ml、0.207mole)を加え、その混合物を0℃
で3時間攪拌した。溶媒を留去し、得られた粗生成物を
シリカゲル(Merck,Art7734,500g)をによるカラムクロ
マトグラフィ(エーテル:ヘキサン混合溶液(1:10
ないし4:10))で溶離して精製した。薄層クロマト
グラフィで純粋なものに適合した溜分を集め、溶媒を留
去して、無色油状物として化合物(9)を得た(1位に
おけるα:βアノマーの5:2混合物として)。
【0207】各精製アノマー標本の特性: α−アノマー:δH(CDCl3):8.03(2H,d,Ph-H),7.57 (1H,
m,Ph-H),7.44(2H,t,Ph-H),6.54 (1H,d,J=4.57Hz,H-1),
5.69(1H,m,H-2),5.36(2H,m,C=CH2),5.03(1H,m,H-4),4.5
4(1H,dd,J=12.0,3.3Hz,H-5),4.44(1H,dd,J=12.0,5.0Hz,
H-5),2.15(3H,s,COCH3);2.07(3H,s,COCH3)ppm。 δC(C1DCl3):169.86,169.62(CH3CO),166.10(PhCO),141.
01(C-3)133.17,129.55,129.45,128.39(Ph),110.26(C=CH
2),93.77(C-l),79.62(C-2),72.30(C-4),65.87(C-5),20.
91(CH3CO),20.42(CH3)ppm 。 β−アノマー: δH(CDCl3)8.07(2H,d,Ph-H),7.57(1H,m,
Ph-H),7.44 (2H,t,Ph-H),6.24(1H,s,H-1),5.73(1H,d,H-
2),5.56(1H,m,C=CH),5.49(1H,m,C=CH),5.10 (1H,m,H-
4),4.53(1H,dd,J=11.9,3.85Hz,H-5),4.44(1H,dd,J=11.
9,6.7Hz,H-5),2.11(3H,s,COCH3),2.01(3H,s,COCH3)pp
m。 δC(CDCl3):169.82,169.25(CH3CO),166.17(PhCO),142.5
6(C-3),138.14,129.66,128.32(Ph),116.17(C=CH2),99.0
7(C-1),79.62(C-2),77.62(C-4),66.68(C-5),21.01(CH3C
O),20.88(CH3)ppm。
【0208】例10:この例は、化合物(10)化合物
の製造方法を示した。
【化64】
【0209】アルゴン下に、チミン(4.38g 、3
4. 7mmole )とビス(トリメチルシリール)アセトア
ミド(14.12g 、69.4mmole )の懸濁液を、攪
拌しながら70℃まで加熱した。得られた溶液を、2時
間かけて22℃まで冷却した。22℃において、1,2
−ジクロロエタン(15ml)中の化合物(9)の溶液
(11.6g 、34.7mmole )を、上記反応物に攪拌
しながら加えた。次いでトリメチルシリル・トリフルオ
ロメタン・スルホナート(9.25g 、41.6mmole
)を15分かけて滴下により加えた。反応混合溶液
を、3時間攪拌しながら50℃まで加熱した。飽和Na
HCO3 溶液(80ml)を、混合物にゆっくりと加え、
泡立ちが止った時に、この混合物を分離漏斗に移した。
生成物をクロロホルム(4x50ml)中に抽出し、そし
てMgSO4 で乾燥する前に、抽出物を塩水で洗浄し
た。溶媒を留去して得られた粗生物(15.0g )を、
シリカゲルによるフラシュリシカクロマトグラフィ(ヘ
キサン、次いでヘキサン:エチルアセテート(1:1)
混合溶液)で溶離して精製した。薄層クロマトグラフィ
により純粋であると適合させた適切な画分から溶媒を留
去し、無色ガラス様固体として化合物(10)(融点5
5〜58℃)を得た。
【0210】1HNMR(CDCl3): δ=8.95(1H,bs,NH),8.04(2
H,m,Ph-H),7.61(1H,m,Ph-H),7.48(2H,m,Ph-H),7.17(1H,
d,J=1.3Hチミン-H),6.07(1H,d,J=5.7Hz,H-1),5.74 (1H,
m,H-2'),5.49(1H,m,C=CH),5.41 (1H,m,C=CH),5.03(1H,
m,H-4'),4.71(1H,dd,J,12.3,2.8Hz,H-5'),4.54 (1H,dd,
J=12.3,4.4Hz,H-5'),2.15 (3H,s,COCH3),1.65(3H,d,J=
1.0Hz,CH3)ppm 。13 CNMR(CDCl3):δ=170.29(CH3C(O)),166.04(PhC(O)),16
3.65(C-2)150.62(C-4),141.70(C-3'),134.56 (C-6),13
3.46,129.43,129.28,128.60, (Ph),112.76(C=CH2),111.
85(C-5),86.72(C-1'),78.20(C-2'),75.32(C-4'),65.42
(C-5'),20.65(CH3C(O)),12.15(CH3)PPM 。 実測値:C59.6,H5.25,N6.7%; 計算値(C20H20N2O7):C60.
0,H5.03,N7.00% 。
【0211】例11:この例は、下記式:
【化65】
【0212】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである) で示される化合物(11)の
製造方法を示した。
【0213】アルゴン下、室温において、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(DB
U)(0.68ml、4.55mmole )を、乾燥THF
(30ml)中の化合物(5)(2.02g 、4.56mm
ole )と式(IV)のアルデヒド(ここで、B1 は1−チ
ミニルであり、R5 はHであり、そしてR6 はtert−ブ
チルジフェニルシリルである)(2.25g 、4.53
mmole )に加えた。得られた溶液を、室温において2時
間攪拌した。濃縮し、フラシュリシカクロマトグラフィ
(傾斜溶離液:クロロホルム/エタノール(20:1な
いし10:1))により精製し、白色泡状物として化合
物(11)を得た(4つのジアステレオマーの混合物と
して単離した)。
【0214】実測値:C.57.45%,H6.2%,N5.7%;計算値(C47
H57N4O12PSi.3H20):C57.4,H6.45,N 5.7%。31Pnmr(1H デ
カップリング)(CDCl3,162MHz):δ=54.3,53.5,53.3,52.7
ppm 。M/Z;(FAB+);951;(MNa+) 。
【0215】例12:この例は、下記式:
【化66】
【0216】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである) で示される化合物(12)の
製造方法を示した。
【0217】アルゴン雰囲気下に、トリエチルアミン
(0.86ml、6.18mmole )を、撹拌した乾燥ジク
ロロメタン(80ml)中の化合物(11)(5.75g
、6.22mmole )及びジメチルアミノピリジン
(0.76g 、6.22mmole )の溶液に加えた。得ら
れた溶液を、0℃まで冷却し、p−トリルクロロチオノ
ホーマート(1.05ml、6.81mmole )を5分間か
けて滴下により加えた。溶液を、周囲温度まで温め、1
8時間攪拌を持続した。得られた混合物を、ジクロロメ
タン(200ml)で希釈し、NaH2 PO3 で(0.5
mole:2x60ml)で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し
た。濃縮し、フラシュリシカクロマトグラフィ(溶離
液:クロロホルム/エタノール(30:1)により精製
し、オフホワイト色泡状物として化合物(12)を得た
(4つのジアステレオマーの混合物として)。
【0218】実測値:C59.3%,H6.0%,N5.0%,P2.5%;計算値
(C55H63N4O13PSSi.2H2O):C59.25%,H6.05%,N5.0%,P2.8%;
31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=47.9,4
7.6,47.3ppm。M/Z (FAB+)1101.6(MNa+)。
【0219】例13:この例は、下記式:
【化67】
【0220】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである) で示される化合物(13)の
製造方法を示した。
【0221】アルゴン下、100℃において、アゾビス
(イソブチリロニトリル)(5mg)を、脱気したトルエ
ン(10ml)中の化合物(12)(800mg、0.74
mmole )及びトリブチルスズヒドリド(0.28ml、
0.89mmole )の溶液に加えた。100℃で5時間加
熱した後、粗製混合物を濃縮し、アセトニトリル(50
ml)及びヘキサン(50ml)に分配した。アセトニトリ
ル層を分離し、ヘキサン(8x50ml)で抽出した。濃
縮後に得られたオフホワイト色泡状物を、フラシュリシ
カクロマトグラフィ(溶離液:クロロホルム/エタノー
ル(30:1ないし18:1)で精製し、化合物(1
3)を得た(上記精製により部分的に分離した4つのジ
アステレオマーの混合物として)。
【0222】実測値:C61.1,H6.4,N6.0%;計算値(C47H57N
4O11PSi.1/2H2O):C61.2,H6.35,N6.1%。 第1のジアステレオ異性体:31Pnmr(162MHz,CDCl3):δ=5
4.8ppm。 第2のジアステレオ異性体:31Pnmr(162MHz,CDC13):δ=5
4.3ppm;M/Z (FAB+)935(MNa+) 。
【0223】例14:この例は、下記式:
【化68】
【0224】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである) で示される化合物(14)の
製造方法を示した。
【0225】アルゴン下に、ナトリウム(1mg、0.0
4mmole )を、乾燥したエタノール(1ml)中の化合物
(13)(60mg、0.066mmole )の溶液に加え
た。室温で18時間放置した後に、酢酸(6μl 、0.
1mmole )を加えた。濃縮及び短いシリカプラグ(ジク
ロロメタン/エタノール(5:1):10ml)中を通過
させて得られた粗製油状物を、フラシュシリシカクロマ
トグラフィ(溶離液:ジクロロメタン/エタノール(1
8:1))で精製し、白色泡状物として化合物(14)
を得た(上記精製により部分的に分離し得る、リンにお
けるジアステレオ異性体の混合物として単離した)。
【0226】実測値:C58.6,H7.0,N6.6,P3.5%; 計算値(C
40H53N4O10PSi.3/4H2O):C58.4,H6.7,N6.8,P3.75%;31Pnm
r (1H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=55.9,55.7pp
m 。M/Z(FAB+)831(MNa+)。
【0227】例15:この例は、下記式:
【化69】
【0228】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである) で示される化合物(15)の
製造方法を示した。
【0229】周囲温度において、THF(208μl )
中の、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド
(0.21mmole )溶液を、乾燥したTHF(5ml)中
の化合物(13)(190mg、0.21mmole )及び酢
酸(12μl 、0.21mmole)の溶液に加えた。得ら
れた溶液を、室温で2時間攪拌し、そして濃縮した。フ
ラシュリシカクロマトグラフィ(溶離液:クロロホルム
/エタノール(10:1))で精製し、白色泡状物の、
リンにおけるリンにおける2つのジアステレオ異性体の
混合物として化合物(15)を得た。
【0230】実測値:C49.8,H5.6,N 7.1,P3.9%;計算値(C
13H39N4O11P.2/3H2O.1/2CHCl3):C49.7,H5.65,N7.35,P4.
05% 。31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=5
6.1,55.9ppm 。M/Z(FAB+)675(MH+) 。
【0231】例16:この例は、下記式:
【化70】
【0232】(式中、Tは、1−チミニルである) で示
される化合物(16)の製造方法を示した。
【0233】アルゴン下に、ナトリウム(8mg、0.3
4mmole )を、乾燥したエタノール(2ml)中の化合物
(15)(116mg、0.17mmole )の溶液に加え
た。周囲温度において18時間の後に、酢酸(30μl
、0.51mmole )を加えた。濃縮、及び短いシリカ
プラグ(エチルアセテート:エタノール(2:1))中
を通過させ、得られた粗製油状物を、出発物質を回収し
ながら、フラシュリシカカラムクロマトグラフィ(溶離
液:エチルアセテート/エタノール(3:1))で精製
し、化合物(16)を得た。単離した生成物は、リンに
おけるジアステレオ異性体の混合物としての特性を有し
ていた。
【0234】実測値:C48.1,H6.5,N9.1,P5.15%;計算値(C
24H35N4O10P.3/2H2O):C48.25,H6.4,N9.4,P5.2%。31Pnmr
(1Hデカップリング)(CDCl3,162Mz3):δ=57.9,57.7ppm
。M/Z (FAB+) 571(MH+) 。
【0235】例17:この例は、下記式:
【化71】
【0236】(式中、Meはメチルであり、Phはフェ
ニルであり、そしてTは、1−チミニルである) で示さ
れる化合物(17)の製造方法を示した。
【0237】アルゴン下、室温において、1,8−ジア
ゾビシクロ〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(DB
U:0.11ml、0.74mmmole)を、乾燥したTHF
(3ml)中の化合物(7)(0.38g 、0.79mmol
e )及び式(IV)のアルデヒド(ここで、B1 は、1−
チミニルであり、R5 はHであり、そしてR6 は、テト
ラ−ブチルジフェニルシリルである)(0.30g 、
0.61mmole )の溶液に加えた。得られた溶液を、室
温で3時間攪拌した。濃縮し、フラシュシリカカラムク
ロマトグラフィ(傾斜溶離液:クロロホルム/エタノー
ル(25:1ないし12:1))で精製し、白色泡状物
としての化合物(17)を得た(4つのジアステレオ異
性体の混合物として単離した)。
【0238】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=54.7,54.0,53.6,52.8ppm 。
【0239】例18:この例は、下記式:
【化72】
【0240】(式中、Meはメチルであり、Phはフェ
ニルであり、そしてTは、1−チミニルである) で示さ
れる化合物(18)の製造方法を示した。
【0241】アルゴン雰囲気下、0℃において、ペンタ
フルオロフェニルクロロチオノホーマート(20μl 、
0.12mmole )を、乾燥したジクロロメタン(1ml)
中の化合物(17)(109mg、0.11 mmole)及び
ジメチルアミノピリジン(16.4mg、mmole )の溶液
に加えた。得られた溶液を室温まで温めた。24時間の
後、濃縮し、フラシュシリカカラムクロマトグラフィで
精製し、化合物(18)を得た(4つのジアステレオ異
性体の混合物として単離した)。
【0242】31Pnmr (1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=47.3,47.2,46.6ppm。
【0243】例19:例13の製造方法により化合物
(18)を処理することにより、下記式:
【0244】
【化73】
【0245】(式中、Meはメチルであり、Phはフェ
ニルであり、そしてTは、1−チミニルである) で示さ
れる化合物(19)を得た。
【0246】例20:この例は、下記式:
【化74】
【0247】(式中、Tは、1−チミニルである) で示
される化合物(20)の製造方法を示した。
【0248】アルゴン下に、反応開始剤としてtert−ブ
チルシクロヘキシルペルジカーボネート(5mg)を、ト
ルエン(0.25ml)中の化合物6(72mg、0.15
mmole )及び化合物(10)(52mg、0.13mmole
)の加熱溶液(90℃)に加えた。開始剤の添加を、
30分毎に繰り返した。3時間の後、濃縮し、フラシュ
シリカカラムクロマトグラフィ(エチルアセテート/メ
タノール混合溶液)で精製し、化合物(20)を得た
(4つのジアステレオ異性体の混合物として)。
【0249】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=54.1,54.4,54.5,54.6ppm 。
【0250】例21:この例は、化合物(21)の製造
方法を示した。
【化75】
【0251】室温において、1,2,5,6−ジ−O−
イソプロピリデン−α−D−アロフラノース(式(XXI
I)のジアセトニド:Carbohyd. Res. 24(1972)192によ
り調製した)(55.72g 、0.214M )、酢酸無
水物(100ml)及びピリジン(50ml)の混合物を、
3時間攪拌した。溶液を蒸留し、次いでメタノールとで
共沸蒸留を3回行い、過剰の酢酸無水物とピリジンを留
去した。残渣を、ジクロロメタン(200ml)に溶解
し、水で数回洗浄した後にMgSO4 で乾燥した。溶媒
を留去して、白色固体(融点75℃)を得た。〔α〕D
25 +109.4 o ,c1.03CHCl3
【0252】実測値:C55.5,H7.30; 計算値(C14H2207):C
55.6,H,7.3%
【0253】例22:この例は、化合物(22)の製造
方法を示した。
【化76】
【0254】化合物(21)(65g 、0.215M )
を、80%:酢酸(250ml)に溶解し、60時間放置
した。酢酸を、蒸留及びメタノールとの共沸蒸留により
留去し、淡黄色油状物を得た。この油状物を、シリカク
ロマトグラフィ(シリカ:70g 、溶離液:エチルアセ
テート)で精製し、無色油状物として化合物(22)を
得た。[ α]D 25+125.2o ,c1.15CHCl3
【0255】実測値:C50.1,H7.0;計算値(C11H18O7):C5
0.4,H6.9%。
【0256】例23:この例は、化合物(23)の製造
方法を示した。
【化77】
【0257】アルゴン下に、ピリジン(180ml)中の
化合物(22)(45.9g 、0.175M )を、5℃
まで冷却し、メタノールスルホニルクロライド(60.
1g、0.525M )を、1時間かけて加えた。温度
を、室温まで上昇させ、混合物を、更に2.5時間(薄
層クロマトグラフィ(TLC)により、反応の完了が観
察されるまで)攪拌した。クロロホルム(200ml)及
び塩酸(2N、300ml)を加え、その混合物を5分間
攪拌した。有機層を分け、炭酸水素ナトリウム溶液(2
50ml)次いで塩水(250ml)で洗浄し、そしてMg
SO4 で乾燥した。溶媒を蒸留し、得られた黄色油状物
(70g )を、フラシュクロマトグラフィ(溶離液:エ
タノール)で精製し、化合物(23)(融点84〜5
℃)を得た。[ α]D 25+109.6o,c0.75;
【0258】実測値:C37.3,H5.3;計算値(C13H22O11S2):
C37.3,H5.3% 。
【0259】例24:この例は、化合物(24)の製造
方法を示した。
【化78】
【0260】ブタン−2−オン(1.51)中の化合物
(23)(65g 、0.155M )及びヨウ化ナトリウ
ム(94g 、0.62M )の混合物を、5時間加熱還流
した。さらに10%ヨウ化ナトリウムを加え、3時間加
熱した。溶媒を留去し、暗褐色の残渣を、クロロホルム
と水に分配した。溶液が無色になるまで、チオ硫酸ナト
リウムを分割して加えた。クロロホルム抽出液を分離
し、炭酸水素ナトリウム次いで塩水で洗浄し、そしてM
gSO4 で乾燥した。蒸留により得られた淡黄色油状物
(35g 、100%)を、シリカクロマトグラフィ(溶
離液:ヘキサン/エチルアセテート(2:1))で精製
し、化合物(24)を得た。分析標本を、クーゲルロー
ル蒸留(100℃;0.1mmHg)により得た。[ α]D 25
+107.5o,c1.13CHCl3;
【0261】実測値:C58.0,H 7.0; 計算値(C11H16O5):C
57.9,H7.1%。
【0262】例25:この例は、化合物(25)の製造
方法を示した。
【化79】
【0263】メタノール(100ml)中の化合物(2
4)(15g 0.066M )を、水(100ml)中の炭
酸カリウム(22.7g 0.165M )の溶液に溶解
した。15分の後に、反応を終了させた(TLC)。溶
媒の容量を、50mlまで減らし、さらに水と共沸蒸溜し
た後に、残渣をクロロホルム(3x100ml)で洗浄し
た。クロロホルム抽出液を、塩水で洗浄し、そしてMg
SO4 で乾燥した。蒸留により、白色固体(融点67.
5〜68℃)を得た。〔α〕D 25+38.2O,c0.95CHcl3
【0264】実測値:C57.8,H8.0;計算値(C9H14O4C):C5
8.05,H7.6% 。
【0265】例26:この例は、化合物(26)の製造
方法を示した。
【化80】
【0266】アルゴン下に、トルエン(1ml)中のイソ
ブチル(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ホスフィ
ナート(7.22g 、0.0403M )及びt−ブチル
シクロヘキシルペルジカーボネート(0.5g )の溶液
を、80℃まで加熱し攪拌した。トルエン(4ml)中の
化合物(25)及びt−ブチルシクロヘキシルペルジカ
ーボネート(2g )の溶液を、30分かけてゆっくり加
え、その溶液を4時間攪拌した。反応完了時に(31Pn
mrで観察)、溶媒を除去し、淡黄色油状物を得た。そ
の油状物を、シリカクロマトグラフィ(傾斜溶離液:エ
ーテルに次いでエチルアセテート、そして最後にエチル
アセテート中の5%メタノール)でで精製し、油状物
(部分的に固化)として化合物(26)を得た。
【0267】6測値:C52.7,H8.5,P8.7; 計算値(C16H30O
7P):C52.6,H8.3,P8.5%。31 Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.85,57.2ppm。
【0268】例27:この例は、化合物(27)の製造
方法を示した。
【化81】
【0269】ジメトキシエタン(200ml)中の化合物
(26)(8.25g 、0.0226M )を、水中のス
ラリー(Dowex、50W×2(100):H+ 型/
50ml)に加え、混合物を、12時間、80℃まで加熱
し、そして冷却した。Dowexを、濾過して除去し、
淡黄色溶液を得た。溶媒を留去し、油状物として化合物
(27)を得た(これ以上は精製しなかった)。
【0270】31Pnmr(CD3OD,162MHz): δ=63.2,63.4,64.
3 及び64.4ppm 。
【0271】例28:この例は、化合物(28)の製造
方法を示した。
【化82】
【0272】化合物(27)(20g 、0.0613M
)を、ピリジン(40ml)及び酢酸無水物(40ml)
の混合溶液に冷却し、温度を30℃未満に維持しながら
加えた。反応を、20分間で終了させた(TLCにより
観察)。過剰の酢酸無水物とピリジンを留去した。残渣
油状物をクロロホルム中に溶かし、希塩酸、炭酸水素ナ
トリウム水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥
した。蒸留により得られた黄色シロップを、シリカクロ
マトグラフィで精製し、化合物(28)を得た。
【0273】実測値:C50.4;H7.15,P6.65; 計算値(C19H
32O10P):C50.55,H7.15,P6.9% 。31 Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=55.5,55.7,55.8ppm。
【0274】例29:この例は、化合物(29)の製造
方法を示した。
【化83】
【0275】アルゴン下に、チミン(6.31g 、0.
05M )、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド
(20.34g 、0.1M )及びジクロロエタン(12
5ml)の混合物を、溶液が透明になるまで80℃まで加
熱した。その溶液を、室温まで冷却し、ジクロロエタン
(75ml)中の化合物(28)(22.57g 、0.0
5M )の溶液、次いでトリメチルシリルトリフルオロメ
タンスルホナート(32.91g 、0.125M )を加
えた。反応混合物を、50℃まで加熱し、8時間反応が
完了するまで(TLC)攪拌した。クロロホルム(30
0ml)及び水(200ml)、次いで飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液を、水溶液層が中性になるまで加えた。混合物
を、クロロホルム(3x100ml)で洗浄し、抽出物を
水、次いで塩水で洗浄し、MgSO4 で乾燥した。蒸留
により得られた粘稠液体を、シリカクロマトグラフィ
(溶離液:クロロホルム中の5%メタノール)で精製し
た。得られた無色油状物を、酢酸、水及びテトラヒドロ
フラン(100ml;3:1:1)中に溶かし、蒸気浴槽
上で15分間加熱した。溶媒を留去し、そしてメタノー
ル次いでクロロホルムと共に共沸蒸留し、白色吸湿性固
体として化合物(29)を得た。
【0276】実測値:C50.9,H6.9,N5.2,P5.9;計算値(C22
H35O10N2P):C50.95,H6.8,N5.4,P5.9%。31Pnmr(1H デカ
ップリング)(CDCl3,162 MHz): δ=56.0,56.3ppm 。
【0277】例30:この例は、化合物(30)の製造
方法を示した。
【化84】
【0278】メタノール(5ml)中に溶解した化合物
(29)(4.4g 、0.0085M)を、水(5ml)
中の炭酸カリウム(2.34g 0.017M )に加
え、この混合物を、15分間攪拌した。混合物を、蒸留
乾固し、残渣をアセトンと共に攪拌した。無機質固体を
濾過で除去し、アセトンを蒸留し、油状物として化合物
(30)を得た。
【0279】31Pnmr(C20,162MHz): δ=63.0ppm。
【0280】例31:この例は、化合物(31)の製造
方法を示した。
【化85】
【0281】化合物(30)(2.0g 、0.0046
M )、2,2−ジメトキシプロパン(20ml)、ジメチ
ルホルムアミド(20ml)及びp−トルエンスルホン酸
(0.1g )の混合物を、100℃で2.5時間加熱し
た。溶液を、10mlまで濃縮し、水(50ml)を加え、
生成物をエチルアセテート(3x50ml)で抽出した。
エチルアセテート層を濃縮して、得られた油状物を、シ
リカクロマトグラフィ(クロロホルム中の4%メタノー
ル)で精製し、化合物(31)を得た。
【0282】31Pnmr(CDCl3,162MHZ): δ=56.05ppm,56.1
9ppm。
【0283】例32:この例は、化合物(32)の製造
方法を示した。
【化86】
【0284】80℃において、化合物(31)(1.7
1g 、0.0036M )を、アンモニア溶液(10%、
20ml)中で、4時間加熱した。溶媒を留去して得られ
た油状物を、Dowex50W5×2(2g )と共にメ
タノール(10ml)中で攪拌した。溶媒を濾過及び留去
し、化合物(32)を得た。
【0285】31Pnmr(CD3OD,162MHZ): δ=37.35ppm,JPH=
540Hz 。
【0286】例33:この例は、化合物(33)の製造
方法を示した。
【化87】
【0287】テトラヒドロフラン(10ml)中の化合物
(32)(0.8g 、0.0022M )、2−メチルプ
ロパノール(0.25ml、0.0026M )、ジメチル
アミノピリジン(0.1g )を室温において攪拌した。
ジシクロヘキシルカルボジミド(0.55g 、0.00
26M )を加え、攪拌を3時間持続した。沈殿物を、濾
過して除去し、濾液から溶媒を留去して得られた油状物
を、シリカクロマトグラフィ(エチルアセテート次いで
エチルアセテート中の5%メタノール傾斜溶離液)で精
製し、化合物(33)を得た。
【0288】31Pnmr(CDC13,162MHz): δ=39.2ppm,JPH=5
40Hz。
【0289】例34:この例は、下記式:
【化88】
【0290】(式中、Phはフェニルであり、iBuは
イソブチルであり、そしてTは、1−チミニルである)
で示される化合物(34)の製造方法を示した。
【0291】アルゴン下、室温において、1,8−ジア
ザビシクロ−〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(DB
U;0.03ml、0.2mmole )を、乾燥したTHF
(1ml)中の化合物(33)(0.0833g 、0.2
mmole )及び式(IV)のアルデヒド(ここで、B1 は1
−チミニルであり、R5 はHであり、そしてR6 はtert
−ブチルジフェニルシリルである)(0.0985g 、
0.2mmole )の溶液に加えた。溶液を、室温で4時間
攪拌した。濃縮後、シリカクロマトグラフィにより精製
し、粘性油状物として化合物(34)を得た(4つのジ
アステレオ異性体の混合物として単離した)。
【0292】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=54.8,53.9,53.
0 及び52.6ppm 。
【0293】例35:この例は、下記式:
【化89】
【0294】(式中、Tは、1−チミニルであり、Ph
はフェニルであり、そしてiBuはイソブチルである)
で示される化合物(35)の製造方法を示した。
【0295】5℃において、p−トリクロロチオノホー
マート(0.22g 、1.19mmole )を、ジクロロメ
タン(50ml)中の化合物(34)(1.0g 、1.0
8mmole )、トリエチルアミン(0.109g 、1.0
8mmole )、ジメチルアミノピリジン(0.27mmole
)の混合物に加えた。溶液を、室温まで温め、2時間
攪拌した。さらに、p−トリクロロチオノホーマート
(0.55g 、0.3mmole )及びジメチルアミノピリ
ジン(0.07mmole )を加え、混合物を、5日間攪拌
した。得られた混合物を、NaHCO3 、希HCl、水
及び塩水で洗浄し、次いでMgSO4 で乾燥した。溶媒
を除去し、残渣をシリカ上(溶離液:クロロホルム中の
5%メタノール)で精製し、オフホワイト色固体として
化合物(35)を得た(4つのジアステレオ異性体の混
合物として)。
【0296】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=47.06,47.37,4
7.89,48.65ppm 。
【0297】例36:この例は、下記式:
【化90】
【0298】(式中、1−チミニルであり、Phはフェ
ニルであり、そしてiBuはイソブチルである)で示さ
れる化合物(36)の製造方法を示した。
【0299】アルゴン下、100℃において、アゾビス
(イソブチロニトリル)(2.5mg)を、脱気したトル
エン(5ml)中の化合物(35)(0.48g 、0.4
5mmole )、トリブチルスズヒドリド(0.158g 、
0.54mmole )の混合物に加え、その混合物を4時間
加熱した。得られた混合物を濃縮し、残渣をアセトニト
リル(25ml)中に溶解し、ヘキサン(3x25ml)で
洗浄した。アセトニトリルを留去し、油状とし、その油
状物を、シリカ上(溶離液:クロロホルム中の5%メタ
ノール)で精製し、白色泡状固体として化合物(36)
を得た(ジアステレオ異性体の混合物として)。
【0300】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=54.61,54.67pp
m 。M/Z(FAB+)915(MNa+)。
【0301】例37:この例は、下記式:
【化91】
【0302】(式中、Tは、1−チミニルであり、そし
てiBuはイソブチルである)で示される化合物(3
7)の製造方法を示した。
【0303】化合物(36)(0.26g 、0.279
mmole )を、テトラヒドロフラン(10ml)中に溶解
し、希HCl(2M 、10ml)を加えた。乳白色溶液
を、70℃に加熱し、得られた透明溶液を、24時間攪
拌し加熱した。溶媒を除去し、残渣を水(10ml)中に
溶解した。次いで溶液をエーテル及びエチルアセテート
で洗浄し、そして溶媒を留去し乾固した。化合物(3
7)を、ジアステレオ異性体の混合物として得た。
【0304】31Pnmr(CD30D,162MHz): δ=59.61,59.96pp
m 。
【0305】例38:この例は、下記式:
【化92】
【0306】(式中、Tは、1−チミニルである) で示
される化合物(38)の製造方法を示した。
【0307】化合物(37)(0.104g 、0.16
9mmole )を、水酸化ナトリウム溶液(1M 、10ml)
に溶解した。溶液を、40℃まで3時間加熱し、次いで
室温で一晩放置した。31Pnmrにより、ナトリウム塩
(δ=42.9ppm( 一重線))までの加水分解したことが分
った。Dowex50WX2イオン交換樹脂を添加し、
混合物を5分間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を留去
し親液性の白色固体を得た。白色固体として化合物(3
8)を得た。
【0308】31Pnmr(D2O,162MHz): δ=48.81ppm 。1 H及び13Cnmrにより、化合物(38)の構造を確認し
た。
【0309】例39:この例は、化合物(39)の製造
方法を示した。
【化93】
【0310】アルゴン下に、水素化ナトリウム(4.0
g 、0.1M ;60%油中分散)を、石油エーテル(4
0〜60℃)で洗浄し、テトラヒドロフラン(75ml)
に加えた。混合物を、−10℃まで冷却し、温度を−5
℃に保ちながら、テトラヒドロフラン(50ml)中の化
合物(25)(18.62g 、0.1M)を、滴下によ
り加えた。溶液を、5℃まで温め、テトラヒドロフラン
(25ml)中の臭化ベンジル(11.9ml、0.1M )
及びテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(0.3
7g 、0.001M )を、ゆっくりと加えた。混合物を
室温まで温め、さらに3時間攪拌し、そして反応を終了
した(TLC(エーテル)による観察)。フロリシル
(Florisil)(5g )を加え、溶媒を留去した。残渣
を、ヘキサン(50mmole )に移し、固体物を濾過して
除去した。濾液を留去し、得られた黄色油状物を、クー
ゲルロール蒸留(150℃、1mmHg)で精製し、油状物
(2.9g )を得た。この油状物を、シリカクロマトグ
ラフィ(溶離液:石油エーテル(40〜60℃)中の1
0%エチルアセテート)で精製し、化合物(39)を得
た。
【0311】実測値:C69.6,H7.5%; 計算値(C16H20O4):C
69.5,H7.2%。
【0312】例40:この例は、化合物(40)の製造
方法を示した。
【化94】
【0313】アルゴン下、トルエン(2ml)中のイソブ
チル(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ホスフィナ
ート(12.6g ,0.07M )及びテトラ−ブチルシ
クロヘキシルペルジカーボネート(0.5g )の溶液
を、80℃に加熱した。トルエン(2ml)中の化合物
(39)(19.34g 、0.07M )を、2時間かけ
て分割して加えた。さらに、トルエン(6ml)中のペル
ジカーボネート(2.5g)を、2時間かけて加えた。
反応混合物を、ペルジカーボネートを2時間毎に添加し
ながら、反応が完了した(31Pnmr)と見えるまでさらに
10時間攪拌した。混合物を冷却し、そして溶媒を留去
し、得られたゴム状物質を、シリカフラシュクロマトグ
ラフィ(溶離液:エチルアセテートに次いでエチルアセ
テート中の5%メタノール)により精製した。メタノー
ル性溶離画分を、再びシリカクロマトグラフィ(溶離
液:エチルアセテート中の5%メタノール)で精製し、
化合物(40)を得た。
【0314】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.0,56.2ppm
【0315】例41:この例は、化合物(41)の製造
方法を示した。
【化95】
【0316】化合物(40)(15.07g 、0.03
3M )、テトラヒドロフラン(150ml)及び希塩酸
(150ml、1M )を、室温において24時間、次いで
40℃において8時間攪拌した。得られた溶液を、固体
状の炭酸水素ナトリウムで中和し、そして蒸留した。残
渣を水に溶解し、エチルアセテート(3×50ml)で洗
浄した。有機抽出物を塩水で洗浄し、MgSO4 で乾燥
した。溶媒を蒸留し、得られた化合物(41)を、さら
に、シリカクロマトグラフィ(溶離液:エチルアセテー
ト中の5%メタノール)で精製した。
【0317】実測値:C57.5,H8.4%; 計算値(C20H33O7P):
C57.68,H7.99% 。31 Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.7,56.9,57.3,57.8ppm 。
【0318】例42:この例は、化合物(42)の製造
方法を示した。
【化96】
【0319】ピリジン(100ml)中の、化合物(4
1)(10.41g 、0.025M )及び酢酸無水物
(100ml)を、室温において18時間放置した。溶媒
を、蒸留乾固し、残渣を、クロロホルム中(100ml)
に溶解し、次いで希塩酸(100ml)、炭酸水素ナトリ
ウム(100ml)そして塩水(100ml)で洗浄し、最
後にMgSO4 で乾燥した。溶媒を留去して化合物(4
2)を得た(そのまま化合物(43)の製造に用い
た)。
【0320】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=55.5,55.7,55.
9ppm。
【0321】例43:この例は、化合物(43)の製造
方法を示した。
【化97】
【0322】アルゴン下、80℃において、チミン
(2.02g 、0.004M )、N,O−ビストリメチ
ルシリルアセトアミド(1.63g 、0.008M )及
びジクロロエタン(10ml)を、2時間加熱し、無色の
溶液を得た。溶液を、室温まで冷却し、ジクロロエタン
(15ml)中の化合物(42)(2.02g 、0.00
4M )の溶液、次いでトリメチルシリルトリフルオロメ
タンスルホナート(2.65g 、0.012M )を加え
た。混合物を、50℃で3時間加熱した。得られた黄色
溶液を冷却し、水(20ml)に加えた。炭酸水素ナトリ
ウムを、pHが中性になるまで加えた。水性層を、ジク
ロロメタン(3×10ml)で抽出し、有機層を塩水で洗
浄した後に、MgS04で乾燥した。蒸留することにに
より得られた白色固体を、シリカクロマトグラフィ(傾
斜溶離液:エチルアセテート中の2〜5%メタノール)
により精製し、吸湿性白色固体として化合物(43)を
得た。
【0323】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.3 ppm 。
【0324】例44:この例は、化合物(44)の製造
方法を示した。
【化98】
【0325】化合物(43)(1.80g 、0.003
2M )、炭酸カリウム(0.438g 、0.0032M
)、メタノール(8ml)及び水(2ml)の混合物を、
室温で15時間放置した。溶媒を留去して得られたゴム
状物質を、水及びエチルアセテート(10ml)に分配し
た。エチルアセテート(3×10ml)で抽出し、次いで
塩水で洗浄し、MgSO4 で乾燥し、溶媒を留去して白
色固体として化合物(44)を得た。
【0326】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.3,56.4ppm
【0327】例45:この例は、化合物(45)の製造
方法を示した。
【化99】
【0328】化合物(44)(16.79g 、32 mmo
le)を、ジクロロメタン(100ml)中に溶解し、混合
物を5℃まで冷却した。1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕ウンデシ−7−エン(DBU;10.72g 、
70.4mmole )、次いでフェニルメトキシクロロメタ
ン(6.02g 、38.4mmole )を加えた。反応混合
物を、室温まで温め3時間攪拌した。さらに、フェニル
メトキシクロロメタン(0.6g 、3.8mmole )を加
え、この混合物を一晩放置した。希塩酸(100ml)を
加え、そして有機層を、分離して、水次いで塩水で洗浄
した後、MgSO4 で乾燥した。溶媒を留去し得られた
油状物を、フラシュシリカクロマトグラフィ(溶離液:
ジクロロメタン中の2%メタノール)により精製し、化
合物(45)を得た。
【0329】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=55.87ppm 。
【0330】例46:この例は、化合物(46)の製造
方法を示した。
【化100】
【0331】化合物(45)(5.6g 、8.7mmole
)及びヨードメタン(2.47g 、8.7mmole )
を、アセトニトリル(50ml)中で攪拌し、溶液を、5
℃まで冷却した。2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチ
ルアミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−
ジアザホスホリン(BDDDP、例えばFulka);
2.38g 、8.7mmole )を加え、混合溶液を、5時
間攪拌した。さらにヨードメタン(1.2g )及びBD
DDP(1.2g )を、24時間かけて分割し加えた。
溶媒を留去し、残渣を、エチルアセテートで洗浄し、次
いで水、希塩酸、炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で洗
浄した。溶媒を除去し、残渣をフラシュシリカクロマト
グラフィ(溶離液:10%メタノール/クロロホルム)
により精製し、化合物(46)を得た。
【0332】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=55.78ppm
【0333】例47;この例は、化合物(47)の製造
方法を示した。
【0334】
【化101】
【0335】メタノール(10ml)中の化合物(46)
(1.3g 、1.97mmole )及びアンモニア溶液(5
0%、25ml)を、80℃において8時間加熱した。得
られた溶液から溶媒を留去し、残渣油状物を水(10m
l)に溶解した。Dowex(50WX2)イオン交換
樹脂を、溶液が酸性になるまで加えた。Dowexを、
濾過して除去し、水溶液を蒸留乾固させ、化合物(4
7)を得た。
【0336】31Pnmr(CD3OD,162MHz): δ=35.89ppm,JPH5
40Hz。
【0337】例48:この例は、化合物(48)の製造
方法を示した。
【化102】
【0338】化合物(47)(0.45g 、0.83mm
ole )を、テトラヒドロフラン(5ml)中に溶解し、2
−メチルプロパン−1−オール(0.07g 、0.99
mmole )、ジメチルアミノピリジン(50mg)及びジシ
クロヘキシルカルボジイミド(0.205g 、0.99
mmole )を加えた。混合溶液を、3時間攪拌した。エー
テル(15ml)及びヘキサン(5ml)を加え、形成され
たジシクロヘキシル尿素を濾過して除去し、溶媒を留去
した。残渣油状物を、シリカクロマトグラフィ(溶離
液:2%メタノール/エチルアセテート)で精製し、化
合物(48)を得た。
【0339】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=38.29及び38.7
5ppm,JPH=540Hz。
【0340】例49:この例は、化合物(49)の製造
方法を示した。
【化103】
【0341】化合物(47)(0.9g 、1.65mmol
e )を、テトラヒドロフラン(10ml)中に溶解し、エ
タノール(0.076g 、1.65mmole )、ジメチル
アミノピリジン(10mg)及びジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(0.409g 、1.98mmole )を加え、混
合溶液を、3時間攪拌した。エーテル(30ml)及びヘ
キサン(5ml)を加え、形成したジシクロヘキシル尿素
を、濾過し除去した。溶媒を留去し、そして得られた化
合物(49)を、さらに精製することなく化合物(5
0)の製造に用いた。
【0342】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=37.65,38.09pp
m,JPH= 535Hz。
【0343】例50:この例は、下記式:
【化104】
【0344】(式中、Phは、フェニルであり、そして
Tは、1−チミニルである)で示される化合物(50)
の製造方法を示した。
【0345】アルゴン下、室温において、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(DB
U:1.30g 、8.56mmole )を、乾燥したTHF
(50ml)中の化合物(49)(4.9g 、8.56mm
ole )及び式(IV)のアルデヒド(ここで、B1 は、1
−チミニルであり、R5 はHであり、R6 は、tert−ブ
チルジフェニルシリルである)(4.22g 、8.56
mmole )の溶液に加えた。溶液を、4時間攪拌し、フラ
シュシリカクロマトグラフィ(傾斜溶離液:10〜20
%エタノール/クロロホルム)で精製した。更に、シリ
カクロマトグラフィ(溶離液:2〜5%エタノール/ク
ロロホルム)で精製し、化合物(50)を得た(4つの
ジアステレオ異性体の混合物として)。
【0346】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=54.23,53.24,5
2.34及び52.10ppm。
【0347】例51:この例は、下記式:
【化105】
【0348】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(51)の製造方法を示した。
【0349】化合物(50)(4.7g 、4.41mmol
e )、トリエチルアミン(1.62ml、13.2mmole
)及びジメチルアミノピリジン(0.54g 、4.4m
mole)を、ジクロロメタン(50ml)中に溶解した。溶
液を、5℃まで冷却した。p−トリルクロロチオノホー
マート(1.54g 、8.2mmole )を加え、混合物を
8時間攪拌し、室温まで温め、そして48時間放置し
た。溶媒を除去し、残渣を、まずフラシュシリカクロマ
トグラフィ(傾斜溶離液:〜10%エタノール/ジシク
ロメタン)、次いでシリカクロマトグラフィ(溶離液:
2〜4%エタノール/ジシクロメタン)で精製し、化合
物(51)を得た(4つのジアステレオ異性体の混合物
として)。
【0350】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=47.85,48.12,4
8.20,48.32ppm 。
【0351】例52:この例は、下記式:
【化106】
【0352】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(51)の製造方法を示した。
【0353】アルゴン下、脱気したトルエン(25ml)
中で、化合物(51)(3.25g、2.67mmole
)、トリブチルスズヒドリド(1.12g 、3.85m
mol)及びアゾビス(イソブチロニトリル)(0.05
4g 、3.3mmole )を、100℃まで6時間加熱し
た。溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル中に溶解し、
ヘキサン(3×25ml)で洗浄した。アセトニトリルを
留去することで、得られた白色泡状固体を、シリカクロ
マトグラフィ(溶離液:2〜5%エタノール/ジシクロ
メタン)で精製した。その後、カラムから単一の異性体
A、異性体Bと別の異性体Cの混合物として化合物(5
2)を得た。
【0354】31Pnmr(CDCl3,162MHz)。Aδ= 53.87ppm;
Bδ=54.14,53.87ppm;Cδ= 54.10ppm。
【0355】例53:この例は、化合物(53)の製造
方法を示した。
【化107】
【0356】テトラヒドロフラン中で、化合物(52)
(単一異性体A;0.57g 、0.54mmole )を、テ
トラ−n−ブチルアンモニウムフロライド(;1.0m
、THF0.53μl )及び酢酸(0.033g )と
共に混合した。混合物を、一晩放置し、次いで蒸留して
得られたゴム状物質を、シリカクロマトグラフィ(溶離
液:4〜7.5%エタノール/クロロホルム)により精
製し、単一異性体として化合物(53)を得た。
【0357】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=55.86ppm 。
【0358】化合物(52)(混合異性体B)において
同反応を繰り返し、化合物(53)(31Pnmr: δ=55.78
及び56.14ppm)の混合異性体を得た。
【0359】例54:この例は、化合物(54)の製造
方法を示した。
【化108】
【0360】エタノール(10ml)中で、化合物(5
3)(0.66g .0.81mmole )を、触媒として、
パラジウム/カーボンを使用して水素化した。反応は、
72時間、室温において終了した。触媒を濾過して除去
し、溶媒を留去して、白色固体を得た。この固体を、エ
タノール(5ml)中に溶解し、ナトリウムエトキシド溶
液(1ml、0.1%)を添加し、混合物を室温で2時間
放置した。溶媒を留去し、エタノール(2×10ml)を
添加し、それぞれ添加の後に、溶媒を留去した。残渣
を、エタノール(10ml)に溶解し、そしてDowex
(50WX2)イオン交換樹脂を、中性になるまで加え
た。Dowexを、濾過して除去し、溶媒を除去して、
化合物(54)を得た(異性体の混合物として)。
【0361】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=62.09,62.16pp
m 。
【0362】例55:この例は、下記式:
【化109】
【0363】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(55)の製造方法を示した。
【0364】N−ベンゾイルシトシン(3.4g 、1
5.88mmole )、N,O−ビストリメチルシリルアセ
トアミド(9.69g 、47.65mmole )及びジクロ
ロエタン(40ml)を、50℃において、1時間攪拌し
た。得られた透明溶液を、室温まで冷却し、ジクロロエ
タン(40ml)中の化合物(42)(7.95g 、1
5.88mmole )、次いでトリメチルシリルトリフルオ
ロメタンスルホナート(10.6g 、47.65mmole
)を加えた。混合物を、50℃において4時間攪拌
し、冷却の後に氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム溶液を
pH7以上に維持して注いだ。有機層を分離し、塩水で
洗浄後に乾燥した。溶媒を留去して、黄色泡状固体を得
た。これを、酢酸(60ml)、THF(20ml)及び水
(20ml)中に溶解した。溶液を、4時間、50℃まで
加熱した。得られた混合物を、半量まで留去し、次いで
メタノールと水の混合溶液と共に2度、共沸蒸留し、白
色固体として得られた化合物(55)を、さらにシリカ
クロマトグラフィ(溶離液:10%メタノール/クロロ
ホルム)で精製した。
【0365】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=54.7,54.8ppm
【0366】例56:この例は、化合物(56)の製造
方法を示した。
【化110】
【0367】化合物(55)(2.0g 、3.0mmole
)、ナトリウムメトキシド(0.65g 、25%溶液
/メタノール)を混合した。混合物を、アルゴン下、室
温において一晩放置した。Dowex(50WX8H+
型)イオン交換樹脂を、溶液が酸性になるまで添加し
た。Dowexを、濾過して除去し、濾過物をメタノー
ル及び水で洗浄し、次いでアンモニア水(1%)で溶離
した。溶離液を留去することで化合物(56)を得た。
【0368】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=27.5ppm。JPH=
500Hz 。
【0369】例57:この例は、化合物(57)の製造
方法を示した。
【化111】
【0370】化合物(56)(0.08g )、酢酸無水
物(2ml)、ピリジン(2ml)及びテトラヒドロフラン
(5ml)を、50℃において3時間加熱した。混合物
を、蒸留及びメタノール(3×10ml)と共に共沸蒸留
した。残渣を、シリカクロマトグラフィ(溶離液:5%
メタノール/クロロホルム)により精製し、無色油状物
として化合物(57)を得た。
【0371】31Pnmr(CDCl3,160MHz): δ=40.84,41.16pp
m 。JPH=540Hz 。
【0372】例58:この例は、下記式:
【化112】
【0373】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(58)の製造方法を示した。
【0374】アルゴン下に、化合物(57)(0.09
g )を、乾燥THF(5ml)中の、式(IV)のアルデヒ
ド(0.09g )(ここで、B1 は、1−チミニルであ
り、R5 はHであり、そしてR6 は、tert−ブチルジフ
ェニルシリルである)に、加えた。1,8−ジアザビシ
クロ〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(DBU;0.
03g )を、加え、混合物を3時間攪拌した。溶媒を除
去して、得られた油状物を、乾燥したシリカカラム(溶
離液:1%メタノール/クロロホルム)中をすばやく通
過させて、化合物(58)を得た(ジアステレオ異性体
の混合物として)。
【0375】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=56.47,56.51,5
6.58及び56.88ppm。
【0376】例59:この例は、下記式:
【化113】
【0377】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(59)の
製造方法を示した。
【0378】化合物(13)を、例13において得られ
た第1ジアステレオ異性体に代えて、例15の方法に従
って化合物(59)を単一異性体として得た。
【0379】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=55.95ppm 。
【0380】例60:この例は、下記式:
【化114】
【0381】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(60)の
製造方法を示した。
【0382】例15の工程に従って、しかし化合物(1
3)を、例13において得られた第2のジアステレオ異
性体に代えて、化合物(60)を単一異性体として得
た。
【0383】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=55.2ppm。
【0384】例61:この例は、下記式:
【化115】
【0385】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(61)の製造方法を示した。
【0386】ナトリウム(81mg、3.6mmole )を、
乾燥したメタノール(20ml)中の化合物(59)
(1.20g 、1.78mmole )の溶液に加え、得られ
た溶液を、室温において1時間攪拌した。次いで酢酸
(203μl 、3.6mmole )を加え、得られた混合物
を、濃縮し、そしてフラシュシリカカラムクロマトグラ
フィ(傾斜溶離液:クロロホルム/エタノール(4:1
ないし3:1)で溶離)で精製した。化合物(61)
を、単一異性体として得た。
【0387】31Pnmr(1H デカップリング)(CD3OD,162MH
z):δ=63.3ppm。
【0388】例62:この例は、下記式:
【化116】
【0389】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(62)の製造方法を示した。
【0390】例61の工程に従って、しかし化合物(5
9)を化合物(60)に代えて、化合物(62)を単一
異性体として得た。
【0391】31Pnmr(1H デカップリング)(CD3OD,162MH
z):δ=59.7ppm。
【0392】例63:この例は、下記式:
【化117】
【0393】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(63)の
製造方法を示した。
【0394】ベンゾイルクロライド(1.891ml、1
6.3mmole )を、乾燥したピリジン(50ml)中の化
合物(1)(6.08g 、13.6mmole )の溶液に加
えた。アルゴン下、室温で48時間放置した後に、濃縮
することで黄色油状物を得た。ジクロロメタン(200
ml)中に溶解し、0.5N:塩酸(2x50ml)及び飽
和NaHCO3 溶液(2x50ml)で洗浄し、そしてM
gSO4 で乾燥しすることで、得られた黄色泡状物を、
フラシュシリカカラムクロマトグラフィで繰り返して精
製して、白色固体としての化合物(63)を得た。
【0395】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=48.3 及び48.2ppm;m/z (CI,NH3)553.3(MH+)507.3
(M+-OC2H5) 。
【0396】例64:この例は、下記式:
【化118】
【0397】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(64)の
製造方法を示した。
【0398】アルゴン下に、トリメチルシリルクロライ
ド(1.6ml、13mmole )を、攪拌したエタノール
(0.2ml)を含むクロロホルム(10ml)中の化合物
(63)(700mg、1.3mmole )の溶液に加えた。
得られた溶液を、室温で20時間放置し、次いで減圧下
で濃縮した。フラシュシリカカラムクロマトグラフィ
(溶離液:クロロホルム/エタノール(20:1))で
精製することで、白色泡状の化合物(64)を得た(2
つのジアステレオ異性体の混合物として)。
【0399】実測値:C52.4,H5.4,N6.2,P6.3%; 計算値(C
20H25N2O7P.1/4CHCl3):C52.15,H5.45,N6.0,P6.65% 。m/
z(CINH3)454(MNH4 +)437(MH+)。
【0400】例65:この例は、下記式:
【化119】
【0401】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(65)の
製造方法を示した。
【0402】アルゴン雰囲気下、0ないし5℃におい
て、ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン
(0.13ml、0.88mmole )を、乾燥したTHF
(10ml)中の化合物(64)(393mg、0.9mmol
e )及び式(IV)のアルデヒド(ここで、R6 は、tert
−ブチルジフェニルシリルであり、R5 はHであり、そ
してB1 は、1−チミニルである)(433ml、0.8
7mmole )の溶液に加えた。得られた混合物を、室温で
2時間攪拌し、そして濃縮した。2cm厚シリカフリッ
ト(溶離液:クロロホルム及びエタノールの(5:1)
混合溶液;400ml)中を通過させることで、濃縮の後
にオフホワイト色固体を得た。さらに、フラシュシリカ
クロマトグラフィ(傾斜溶離液:クロロホルム/エタノ
ール(25:1ないし13:1))で精製することで、
白色固体として化合物(65)を得た(4つのジアステ
レオ異性体の混合物として)。
【0403】実測値:C58.7,H5.7,N5.6,P3.0%; 計算値(C
47H57N4O12PSi.1/3CHCl3):C58.7,H5.95,N5.8,P3.2%;31P
nmr(1Hデカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=53.9,53.8,5
3.6 及び53.1ppm;m/z(FAB+)929(MH+),803,(M-T) 。
【0404】例66:この例は、下記式:
【化120】
【0405】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(66)の
製造方法を示した。
【0406】アルゴン下に、トリエチルアミン(97μ
l 、0.7mmole )を、乾燥したジクロロメタン(15
ml)中の化合物(65)(0.50g 、0.54mmole
)及びジメチルアミノピリジン(65mg、0.53mmo
le )の溶液に加えた。得られた溶液を、0ないし5℃
まで冷却し、p−トリルクロロチオノンホーマート(1
17μl 、0.76mmole )を5分間かけて滴下により
加えた。室温で18時間放置した後に、反応混合物を、
希釈し(50ml:CH2 Cl2 )、0.1N:NaH2
PO4 (2×25ml)で洗浄した。MgSO4 で乾燥
し、濃縮し、そしてフラシュシリカカラムクロマトグラ
フィ(溶離液:クロロホルム−エタノール(25:
1))で精製することで、白色固体として化合物(6
6)を得た(4つのジアステレオ異性体の混合物として
単離した)。
【0407】実測値:C58.4,H5.7,N4.8,P 2.5%;計算値(C
55H63N4O13PSSi.3H20):C58.3,H6.15,N4.95,P2.75%;31Pn
mr(1H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=47.7,47.4,4
6.71ppm 。
【0408】例67:この例は、下記式:
【化121】
【0409】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(67)製
造方法を示した。
【0410】アルゴン下、100℃において、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN:3mg)を、脱気したト
ルエン(3ml)中の化合物(66)(365mg、0.3
4mmole )及びトリブチルスズヒドリド(109μl 、
0.41mmole )の溶液に加えた。100℃で3時間の
後に、濃縮することで得られたオフホワイト色泡状物
を、フラシュシリカカラムクロマトグラフィ(傾斜溶離
液:クロロホルム:エタノール(30:1ないし25:
1))によりで精製して、化合物(67)を得た(2つ
のジアステレオ異性体の混合物として)。
【0411】実測値:C60.0,H6.3,N5.9%;計算値(C47H57N
4O11PSi.1/4CHCl3):C60.2,H6.1,N5.95%;31Pnmr(1H デカ
ップリング)(CDCl3,162MHz):δ=54.3,53.6ppm;m/z (A
B+)913(MH+),787(M-T)。
【0412】例68:この例は、下記式:
【化122】
【0413】(式中、Phはフェニルであり、Tは、1
−チミニルである)で示される化合物(68)の製造方
法を示した。
【0414】アルゴン下に、ナトリウム(5mg)を、メ
タン(2ml)中の化合物(67)(100mg、0.11
mmole )の溶液に加えた。室温で1時間の攪拌の後に、
酢酸(35μl )を加えた。濃縮することで得られた白
色固体を、フラシュシリカカラムクロマトグラフィ(溶
離液:クロロホルム:エタノール(15:1))により
精製して、白色固体として化合物(68)を得た(2つ
のジアステレオ異性体の混合物として単離した)。
【0415】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=56.1,55.6ppm;m/z(AB+)809(MH+)683(M-T)。
【0416】例69:この例は、下記式:
【化123】
【0417】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(69)の
製造方法を示した。
【0418】アルゴン雰囲気下、0℃において、ジエチ
ルアミノスルフルトリフロライド(1.13ml、8.6
mmole )を、乾燥したクロロホルム(70ml)中の化合
物(11)(4つのジアステレオ異性体の混合物:4.
0g 、4.3mmole )の溶液に加えた。1時間の後に、
トリエチルアミン(1.2ml、8.6mmole )を加え
た。得られた混合物を、クロロホルム(100ml)と共
に分離ロートに移し、飽和水性NaHCO3 溶液(2×
30ml)で洗浄した。MgSO4 で乾燥し、濃縮し、そ
してフラシュシリカカラムクロマトグラフィ(傾斜溶離
液:クロロホルム−エタノール(35:1ないし25:
1))により精製することで、白色固体として化合物
(69)を得た(ジアステレオ生成物の混合物)。
【0419】実測値:C56.8%,H5.9%,F1.7%,N5.5%,P2.8%;
計算値(C47H56FN4O11PSi.2/3CHCl3):C56.65%,H 5.65%,F
1.9%,N5.55%,P3.05%;31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,
162MHz):δ=47.75 (d,JP-F67.4Hz),47.7(d,JP-F76.8H
z),47.2(d,JP-F69.3Hz),47.15 (d,JP-F67.1Hz)ppm;m/z
(AB+)931(MH+)。
【0420】さらに、この生成混合物を精製することに
より、純粋な形態ではじめに溶離されたジアステレオ異
性体の単離が可能となった: 化合物(69A)。31 Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=47.35
(d,JP-F64.4Hz)。
【0421】例70:この例は、下記式:
【化124】
【0422】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(70)化
合物の製造方法を示した。
【0423】THF中のテトラ−n−ブチルアンモニア
フロライドの1.0mole溶液(107μl 、0.107
mmole )を、酢酸(6.2μl 、0.lmmole )を含む
THF(2ml)中の化合物(69)(100mg、0.1
07mmole )の溶液に加えた。得られた溶液を、室温で
3時間攪拌した後に濃縮した。フラシュシリカカラムク
ロマトグラフィ(傾斜溶離液: クロロホルム−エタノ
ール(20:1ないし15:1)により精製し、濃縮し
て白色泡状物として化合物(70)を得た(4つのジア
ステレオ異性体の混合物として)。
【0424】実測値:C:48.5%,H.5.1%,N7.0%;計算値(C31
H38FN4O11P.3/4CHCl3):C48.75%,H5.0%,N7.15%;31Pnmr(1
H デカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=49.1(d,JP-F74.7
Hz),48.2(d,JP-F77.9Hz),47.9(d,JP-F62.9Hz),47.6,(d,
JP-F65.8Hz)ppm;m/z (FAB+).715(MNa+),693(MH+)。
【0425】例71:この例は、下記式:
【化125】
【0426】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(71)の
製造方法を示した。
【0427】アルゴン雰囲気下に、ナトリウム(8mg、
0.35mmole )を、乾燥したメタノール(2ml)中の
化合物(69)(100mg、0.107mmole )の溶液
に加えた。得られた溶液を、室温で2時間攪拌した。酢
酸(60μl 、1.0mmole)を加え、この混合物を減
圧下で濃縮した。フラシュシリカカラムクロマトグラフ
ィ(溶離液:クロロホルム−エタノール(15:1))
により精製することで、化合物(71)を得た(4つの
ジアステレオ異性体の混合物として)。
【0428】実測値:C54.0%,H5.8%,F2.0%,N6.1%,P3.0%;
計算値(C40H52FN4O10PSi.2/3CHCl3):C53.9%,H5.85%,F2.
1%,N6.2%,P3.4%;31Pnmr(1Hデカップリング)(CDCl3,162M
Hz):δ=49.2(d,JP-F67.8Hz),48.35(d,JP-F76.8Hz)48.3
(d,JP-F64.0Hz),48.25 (d,JP-F77.3Hz)ppm 。
【0429】例72:この例は、下記式:
【化126】
【0430】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(72)の製造方法を示した。
【0431】方法1:アルゴン雰囲気下に、ナトリウム
(50mg、2.2mmole )を、乾燥したエタノール(4
0ml)中の化合物(70)(375mg、0.54mmole
)の溶液に加えた。酢酸(0.5ml)を添加する前
に、得られた懸濁液を室温で4時間攪拌した。濃縮し、
そしてフラシュシリカカラムクロマトグラフィ(傾斜溶
離液:クロロホルム−エタノール(8:1))により精
製することで、白色泡状物及び4つのジアステレオ異性
体の混合物として化合物(72)を得た。
【0432】31Pnmr(1H デカップリング)(CD3OD,162MH
z):δ=50.7(d,JP-F80.9Hz),50.6(d,JP- F67.1Hz) 50.4
(d,JP-F68.7Hz),50.2(d,JP-F57.0Hz)ppm 。
【0433】方法2:THF中のテトラブチルアンモニ
アフロライドの1mole溶液(78μl、0.078mmole
)を、酢酸(4.5μl 、0.079mmole )を含む
THF(2ml)中の化合物(71)(65mg、0.07
9mmole )の溶液に加えた。3時間の後に、溶液を減圧
下で濃縮し、ジエチルエーテル(2x10ml)と共に粉
砕した。残留した粗製固体をフラシュシリカカラムクロ
マトグラフィ(溶離液:クロロホルム−エタノール
(7:1))により精製し、白色泡状物として化合物
(72)を得た(4つのジアステレオ異性体の混合物と
して得られた化合物(72)は、方法1の生成物と同じ
31PNMRスペクトルを有した。)
【0434】例73:この例は、下記式:
【化127】
【0435】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(73)の製造方法を示した。
【0436】方法A:水酸化ナトリウム(10mg)を、
水(50μl )を含む重メタノール(0.5ml)中の化
合物(72)(18mg、30.6μmole)の溶液に加え
た。室温で18時間放置した後に、化合物(72)を全
て化合物(73)に変換した(ここで、2種のジアステ
レオ異性体として存在する)。
【0437】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=34.2(d,JP-F67Hz),33.9(d,JP-F64.1Hz)。
【0438】方法B:化合物(72)を、濃アンモニア
溶液に溶解し、70℃において加熱した。7時間の後
に、混合物を濃縮し、そして短いシリカカラム(溶離
液:クロロホルム/エタノール(3:1))中を通過さ
せた;さらに、塩基性のアンバーライト(溶離液:酢酸
/水(1:1)混合溶液)を再び通過させた。凍結乾燥
することで、白色メレンゲ状生成物(2種のジアステレ
オ異性体として存在する)を得た(この生成物は、方法
Aの生成物と同じ31Pnmrスペクトラムを有する)。
【0439】実測値:C47.3%,H5.7%,F3.1%,N9.8%,P5.1%;
計算値(C22H30FN4O10P):C47.15%,H5.4%,F3.4%,N10.0%,P
5.5%;m/z (FAB+)599 (MK+),583(MNa+),561(MH+) 。
【0440】例74:この例は、下記式:
【化128】
【0441】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(74)の製造方法を示した。
【0442】2N水酸化ナトリウム溶液中の化合物(1
6)(47mg、82.4μmole)の溶液を、40℃で1
時間、超音波処理した。溶液が酸性になるまで、酸性の
Dowexイオン交換樹脂を加えた。濾過しそして凍結
乾燥することで、白色メレンゲ状として生成物を得た
(ナトリウム塩として単離)。
【0443】実測値:C42.8%,H5.3%,N9.3%,P4.9%;計算値
(C22H30N4O10PNa.3H2O):C42.7,H5.9%,N9.05%,P5.0%;31P
nmr(1Hデカップリング)(CDCl3,162MHz):δ=43.0ppm;m/z
(FAB+)543(MH+)。
【0444】例75:化合物(11)を、フラシュシリ
カカラムクロマトグラフィ(溶離液:クロロホルム/エ
タノール混合溶液)で精製した。得られたはじめの溶離
ジアステレオ異性体は、純粋な形態のジアステレオ異性
体であり、化合物(75)であった。
【0445】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=53.7ppm。
【0446】例76:この例は、下記式:
【化129】
【0447】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(76)の
製造方法を示した。
【0448】化合物(75)を、化合物(11)に代え
て、例69の工程を繰り返した。化合物(76)を、単
一形態のジアステレオ異性体として得た。
【0449】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=47.3(d,JP-F79.1Hz)ppm。
【0450】例77:この例は、下記式:
【化125】
【0451】(式中、Phはフェニルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(77A)
及び(77B)の製造方法を示した。
【0452】(A)化合物(69A)を、化合物(6
9)に代えて、例70の工程を繰り返した。化合物(7
7A)を、単一形態のジアステレオ異性体として得た。
【0453】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=48.65(d,JP-F64.2Hz)ppm 。
【0454】(B)化合物(69)を、化合物(76)
に代えて、例70の工程を繰り返した。化合物(77
B)を、単一形態のジアステレオ異性体として得た。
【0455】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=48.2(d,JP-F78.6Hz)ppm。
【0456】例78:この例は、下記式:
【化131】
【0457】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(78A)及び化合物(78B)の製造方
法を示した。
【0458】(A)化合物(77A)を、化合物(7
0)に代えて、例72の工程を繰り返した。化合物(7
8A)を、リンにおける2つのジアステレオ異性体の混
合物として得た。
【0459】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=50.6(d,JP-F81Hz)ppm及び50.2(d,JP-F55Hz)ppm
【0460】(B)化合物(77B)を、化合物(7
0)に代えて、例72の工程を繰り返した。化合物(7
8B)を、リンにおける2つのジアステレオ異性体の混
合物として得た。
【0461】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=50.7(d,JP-F79.3Hz) 及び50.4(d,JP-F68.7Hz)ppm
【0462】例79:この例は、下記式:
【化132】
【0463】(式中、Tは、1−チミニルである)で示
される化合物(79A)及び化合物(79B)の製造方
法を示した。
【0464】(A)化合物(78A)を、化合物(7
2)に代えて、例73の工程を繰り返した。化合物(7
9A)を、単一形態のジアステレオ異性体として得た。
【0465】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=34.2 (d,JP-F64.1Hz)ppm 。
【0466】(B)化合物(78B)を、化合物(7
2)に代えて、例73の工程を繰り返した。化合物(7
9B)を、化合物(79A)に対して逆のキラリティの
単一形態のジアステレオ異性体として得た。
【0467】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=34.5 (d,JP-F67.1Hz)ppm 。
【0468】例80:この例は、下記式:
【化133】
【0469】(式中、DMTrは、ジメトキシトリフェ
ニルメチルであり、そしてTは、1−チミニルである)
で示される化合物(80)、化合物(80A)及び化合
物(80B)の製造方法を示した。
【0470】化合物(80A):アルゴン下、室温にお
いて、トリメチルアミン(78mg、0.77mmole )、
ジメチルアミノピリジン(3.5mg、0.028 mmol
e)及び4’4’−ジメチルトリフェニルメチルクロラ
イド(225mg、0.66mmole )を、乾燥したピリジ
ン(12ml)中の化合物(61)(400g 、0.7mm
ole )の溶液に加えた。
【0471】室温で4時間の後に、トリエチルアミン
(19mg、0.19mmole )、ジメチルアミノピリジン
(1mg、0.008mmole )及びジメトキシトリフェニ
ルメチルクロライド(56mg、0.16mmole )を再び
加えた。室温で一晩攪拌した後に、反応混合物を、水
(15ml)中に注いだ。水性層を、クロロホルム(3×
20ml)で抽出し、合わせた有機画分をNa2 SO4
乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。フラシュシリカクロ
マトグラフィ(溶離液:CH2 Cl2 /C25 OH
(9:1)及び1%:トリエチルアミン)により、黄色
泡状物として化合物(80)を得た。
【0472】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,101MH
z):δ=54.3ppm。1 Hnmr(CDCl3,250MHz):δ=3.68(s2×OCH3),6.05ないし6.
15(m2,H1')ppm 。
【0473】化合物(80):化合物(61)に代えて
化合物(16)(335mg、0.59mmole )、及びト
リエチルアミン(104mg、1.03mmole )、ジメチ
ルアミノピリジン(4.6mg、0.0038mmole )、
ジメトキシトリフェニルメチルクロライド(300mg、
0.88mmole )及びピリジン(13ml)を用いて、化
合物(80A)の製造工程を繰り返し、化合物(80)
を得た。
【0474】1Hnmr(CDCl3,500MHz):δ=3.79(s,2 ×OC
H3),6.06ないし6.11(m,H1'), 6.12 ないし6.14(m,H1')p
pm;FAB-MS:(M+H)+=873。
【0475】化合物(80B):化合物(61)に代え
て化合物(62)(175mg、0.31mmole )、及び
トリエチルアミン(54mg、0.54mmole )、ジメチ
ルアミノピリジン(3mg、0.025mmole )、ジメト
キシトリフェニルメチルクロライド(136mg、0.4
0mmole )及びピリジン(7ml)を用いて、化合物(8
0A)の製造工程を繰り返し、化合物(80B)を得
た。
【0476】1Hnmr(CDCl3,250MHz):δ=3.75(s,2 ×OCH
3),5.95ないし6.12(m,HI',HI')ppm。
【0477】例81:この例は、下記式:
【化134】
【0478】(式中、DMTrは、ジメトキシトリフェ
ニルであり、iPrはイソプロピルであり、そしてT
は、1−チミニルである)で示される化合物(81)、
化合物(81A)及び化合物(81B)の製造方法を示
した。
【0479】化合物(81A):アルゴン雰囲気下、室
温において、乾燥したジクロロメタン(18ml)中の化
合物(80A)(460mg、0.527mmole )の溶液
を、乾燥したジクロロメタン(10ml)中のジイソプロ
ピルアンモニウムテトラゾリド(108mg、0.63mm
ole )及び2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テ
トライソプロピルホスホルジアミダイド(174mg、
0.58mmole )の混合物に、滴下により加えた。反応
混合物を、40℃において4時間攪拌し、冷却の後に、
飽和炭酸水素ナトリウム溶液(25ml)中に注いだ。水
性層をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。合わ
せた有機層を、Na2 SO4 で乾燥し、溶媒を留去し
た。フラシュシリカカラムクロマトグラフィ(溶離液:
エチルアセテート/メタノール(9:1)及び1%:ト
リメチルアミン)により、油状物を得た。残渣を、乾燥
したクロロホルム中に溶解し、ペンタンで沈殿させて、
純粋な化合物(81A)を得た。溶媒をベンゼンと共に
共沸蒸留した後に、白色泡状物として化合物(81A)
を単離した。
【0480】31Pnmr(CDCl3,101MHz): δ=148.55,148.6
9,53.35,53.75ppm 。
【0481】化合物(81):化合物(80A)に代え
て、化合物(80)(300mg、0.34mmole )、及
びジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(113m
g、0.41mmole )、シアノエチル−N,N,N’,
N’−テトライソプロピルホスホルジアミダイド(11
3mg、0.38mmole )及びジクロロメタン(19ml)
を用いて、化合物(81A)の製造工程を繰り返し、化
合物(81)を得た。
【0482】31Pnmr(CDCl3,101MHz): δ=148.57,148.7
1,53.69,53.29ppm 。 Pd-MS:(M+K)+:1112 。
【0483】化合物(81B):化合物(80A)に代
えて化合物(80B)(239mg、0.27mmole )、
及びジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(91m
g、0.30mmole )、シアノエチル−N,N,N’,
N’−テトライソプロピルホスホルジアミダイド(91
mg、0.30mmole )及びジクロロメタン(15ml)を
用いて、化合物(81A)の製造工程を繰り返し、化合
物(81B)を得た。
【0484】31Pnmr(CDCl3,101MHz): δ=148.61,148.5
6,53.75,53.35ppm 。
【0485】例82:この例は、下記式:
【化135】
【0486】(式中、DMTr及びTは、例81と同義
である)で示される化合物(82)の製造方法を示し
た。
【0487】化合物(80B):化合物(61)に代え
て、化合物(72)(240mg、0.41mmole )、及
びトリメチルアミン(80mg、0.79mmole )、ジメ
チルアミノピリジン(3mg、0.025mmole )、ジメ
トキシトリフェニルメチルクロライド(228mg、0.
67mmole )及びピリジン(10ml)を用いて、化合物
(80A)の製造工程を繰り返し、化合物(82)を得
た。
【0488】31Pnmr(CDCl3,101MHz): δ=47 ないし48pp
m 。
【0489】例83:この例は、下記式:
【化136】
【0490】(式中、DMTr、iPr及びTは、例8
1と同義である)で示される化合物(83)の製造方法
を示した。
【0491】化合物(80A)に代えて、化合物(8
2)(365mg、0.41mmole )、及びジイソプロピ
ルアンモニウムテトラゾリド(100mg、0.58mmol
e )、シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソ
プロピルホスホルジアミダイド(116mg、0.53mm
ole )及びジクロロメタン(12ml)、及び溶離液とし
てCH2 Cl2 /CH3 0H(20/1)及び1%:ト
リメチルアミンを用いて、化合物(81A)の製造工程
を繰り返し、化合物(83)を得た。
【0492】31Pnmr(CDCl3,101MHz): δ=148.60,47.2な
いし46.2ppm Pd-MS: (M+Na)+ :1115。
【0493】例84:この例は、下記式:
【0494】
【化137】
【0495】で示される化合物(85)の製造方法を示
した。
【0496】V.Zsoldos-Mady らによるMonatschifte fu
r Chemie117,1325 (1986)の方法に従って、化合物(2
2)を、5,6−アンヒドロ−1,2−O−(1−メチ
ルエチルリデン)α−D−アロフラノース−3−0−ア
セテート(化合物(84)に変換した。
【0497】トルエン(8ml)を、トルエン(8ml)で
洗浄した無含油水素化ナトリウム(60%油中分散;6
6mg、1.64mmole )に加えた。懸濁液を、0℃まで
冷却し、トルエン(1ml)中のエチルジエトキシメチル
ホスフィナート(321mg、1.64mmole )の溶液
を、5分間かけて滴下により加えた。混合物を、0℃に
おいて30分間激しく攪拌し、20℃まで温め、次いで
再び0℃まで冷却した。ここで、トルエン(1ml)中の
化合物(84)(200mg、0.82mmole )を、滴下
により加え、次いで三フッ化ホウ素エーテラート(0.
30ml、2.46mmole )を加えた。溶液を、20℃ま
で温め、3時間攪拌した。この混合物に、飽和炭酸水素
ナトリウム(4ml)を加えた。水性層を、エーテルで3
回抽出し、そしてその合わせたエーテル層を、塩水で洗
浄し、そしてMgSO4 で乾燥した後に、蒸留した。
【0498】粗製生成物を、フラシュシリカカラムクロ
マトグラフィ(傾斜溶離液:エチルアセテート/エタノ
ールによる溶離)で精製した。生成物は、2つのジアス
テレオ異性体の混合物であり、粘稠油状物として得た。
【0499】31Pnmr(1H デカップリング)(CDCl3,162MH
z):δ=44.9,5.9 ppm;m/z(CI,NH3)441(MH+). 103 (CH(OE
t)2,100%)。
【0500】例85:この例は、下記式:
【化138】
【0501】(Phは、フェニルであり、Aは、9−ア
デニニルであり、そしてTは、1−チミニルである)で
示される化合物(86)の製造方法を示した。
【0502】20℃において、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデシ−7−エン(0.04ml、0.
26mmole )を、ジクロロメタン(5ml)中の、D.Yu a
nd M.d'Alarcao,J.Org.Chem.1989,54,3240の方法により
製造された化合物(5)(0.12g 、0.26mmole
)及び式(IV)のアルデヒド(ここで、B1 は、9−
アデニニルであり、R5 aはHであり、そしてR6 はtert
−ブチルジフェニルシリルである)(0.10g 、0.
26mmole )に加えた。混合物を、室温において15時
間攪拌し、蒸留により濃縮し、そしてフラシュシリカカ
ラムクロマトグラフィにより精製して、化合物(86)
を得た(ジアステレオ異性体の混合物として)。
【0503】例86:この例は、下記式:
【化139】
【0504】(式中、Phはフェニルである)で示され
る化合物(87)の製造方法を示した。
【0505】n−ブチルリチウム(1.6m /ヘキサ
ン:3.9ml、6.25mM)を、78℃に保った乾燥し
たTHF(20ml)中のエチル〔(メチル)1,1−ジ
エトキシエチル〕ホスフィナート(1.4g 、6.mM)
に加えた。15分の後に、THF(5ml)中の、WO92/2
0822中の記載にあるように製造された、式(XXXXIX)の
アルデヒド(ここで、B2 は、1−チミニルであり、R
7 aは、tert−ブチルジフェニルシリルであり、そしてR
8 aはHである)(1.2g 、2.5mM)の溶液を、滴下
により加え、そしてその溶液を、室温まで温めた。飽和
アンモニウムクロライド溶液(50ml)及びエチルアセ
テート(100ml)を、加えた。有機層を、MgSO4
で乾燥し、溶媒を留去し黄色油状物を得た。シリカカラ
ムクロマトグラフィ(溶離液:エチルアセテート/ヘキ
サン(1: 1ないし2:1)混合溶液)により精製す
ることで、無色泡状物として化合物(87)を得た。
【0506】31Pnmr(CDCl3,162MHz): δ=50.74,49.76,4
9.54,48.54ppm 。
【0507】例87〜99:オリゴヌクレオチドを、化
合物(81)、(81A)及び(81B)から製造し、
及びOligonucleotide Sunthesis (A Practical Approa
ch, M.J.Gait,IRL Press,Oxford 1984)に従って、標準
ホスホルアミダイド化学を用いて、ABI390/自動
DNA合成装置(Applied Biosystems Incから入手でき
る) 中で、DMTr−保護及びホスホロアミド−活性さ
れた、天然のヌクレオチド類−2’−デオキシアデノシ
ン(dA)、−2’−デオキシアデシチジン(dC)、
−2’−デオキシグアノシン(dG)及びチミジン(d
T)−を、(しかし、カップリング回数(10回)を増
さないで)同時に製造した。DMTrオリゴヌクレオチ
ドを、逆層HPLC(溶離液A:トリエチルアンモニウ
ムアセテート(TEAA、50mM、pH 7.0;溶離
液B:TEAA、50mM、pH7/70%アセトニトリ
ル;45分間で15%Bから45%Bへ傾斜させた)
で、精製した。HPLCによる精製の後に、DMTr保
護基を、酢酸溶液(80%)で処理することにより除去
し、そのオリゴヌクレオチドを、エタノールで沈殿さ
せ、遠心分離により分離した。オリゴヌクレオチドの純
度を、毛細管ゲル電気泳動(ポリアクリルアミド;緩衝
液:H3 PO4 (100mM)、トリス(100mM)、エ
チレンジアミンテトラ酢酸(2mM)、尿素(7M )、p
H8.8)で、測定した。
【0508】室温において、上記で記載されたように製
造された化合物(81)から誘導した各オリゴヌクレオ
チドの部分を、2N水酸化ナトリウム溶液と反応させ、
化合物(81)から誘導した単位中のP原子上のC2
5 O−基を加水分解し、水酸基とした。得られたオリゴ
ヌクレオチドは、下記表中において、(加水分解され
た)化合物(81)から誘導した改質単位を有すること
を明示している。
【0509】製造されたオリゴヌクレオチド配列を、下
記に示した。
【0510】
【表1】
【0511】
【表2】
【0512】オリゴヌクレオチドの構造を、マトリック
ス援用レーザー脱離(matrix assisted laser-desrptio
n time-of-flight:MALDI−TOF)質量スペクト
ル測定器を用い、マトリックスとして2,4,6−トリ
ヒドロキシアセトフェノン、添加剤としてジアンモニウ
ムハイドロゲンシトレート(U.Pieles,Nu=1. A=AidsRe
s.1993, 21,3191 ;最終濃度:25mM)を用いて脱離さ
せるオリゴヌクレオチドを測定した。
【0513】オリゴヌクレオチドの、それらの相補的D
NA配列へのハイブリダイズする能力は、UV溶解曲線
を記録し、そこから溶解温度(Tm)値を測定すること
により評価した。方法は、例えば、S.M.Feier ら, Biop
olymers 1982,22,1107、に記載されている。DNA/R
NAハイブリッドの熱変性は、260nmにおいて、Gilf
ord Response II Spectrophotometer (Ciba-Corning D
iagnosticsより入手できる)を用いて行った。
【0514】吸収(対)温度曲線は、リン酸塩(10m
M)、Na+ (100mM)、EDTA(0.1mM)、P
h7.0における、各ストランド4μM を、測定した。
Tm値は、得られた溶解曲線から決定した。オリゴヌク
レオチドと、対応する改質されていない天然のオリゴヌ
クレオチドと比較して、改質単位の数に対するTmの変
化(ΔTm/mod)は、各オリゴヌクレオチドに対し
て記録した。その結果を第5表に示した。
【0515】
【表3】
【0516】例100:先の、いくつかの例において製
造された化合物を、試験管内において、単純ヘルペス型
1(HSV−1)(17i株)及びヒトのサイトメガロ
ウイルス(HCMV:AD菌株)に対しての抗ウイルス
活性を試験した。化合物の水溶液は、10mMと50mMの
間の濃度で調製した。調製の後に、それらの溶液を、−
70℃において保管し、抗ウイルス測定に用いる前に溶
かした。溶かした後に、溶液を、細胞の培地(あらかじ
め濾過処理されていない)に適切な濃度に希釈した。
【0517】Tynhsら J.Antimicrob.Chemother.,8,65-7
2(1981)中に、そのように記載された同様の方法におい
て、細胞の単層を、20〜200プラーク形成単位に感
染させ、ウイルスが吸収された後に、接種材料を、試験
する化合物の種々の濃度を含む維持培地に移した。ウイ
ルスの増殖は、0.5%の低ゲル化温度の寒天を混合す
ることにより阻止された。固定期間(HSVについては
2ないし3日及びHCMVについては7ないし10日)
の終了時において、単層を固定し、メチレンブルーで染
色し、そしてプラーク数を測定した。
【0518】本発明の各ジヌクレオチド類似化合物のプ
ラーク減少の結果を、第6表に示した。
【0519】
【表4】
【化130】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/665 31/70 ADY G01N 33/569 G (72)発明者 エリック キース ベイリス イギリス国 チェシャー ストックポート アビー グローブ 18 (72)発明者 ステファン ポール コーリングウッド イギリス国 ボルトン ウエストホートン ザ ホスカース ローズウッド 39 (72)発明者 ロジャー ジョン テイラー イギリス国 マンチェスター ストレット フォード スチュアート ロード 14 (72)発明者 アラン ドゥ メスメーカー スイス国 4447 カナーキンデン ユーリ ガッセ 31 (72)発明者 ハンタル シュミット スイス国 4059 バーゼル ハーゼンマッ トシュトラーセ 5

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、B1 及びB2 は、それぞれ独立して、1価のヌ
    クレオシド塩基の基であり;R1 は、R1 a又はZであ
    り;R1 a、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立して、
    水素、ハロゲン又はヒドロキシであり;R5 は、R5 a
    はZであり;R6 は、水素又はR6 aであり;R7 は、水
    素、アルキル−N,N−ジアルキルホスホルアミジル又
    はR7 aであり、R8 は、R8 a又はZであるか、又は表示
    の、R7 OとR8 は、一緒に、イソプロピリデンジオキ
    シ基を表し;R5 a及びR8 aは、それぞれ独立して、水
    素、ハロゲン、ヒドロキシ、−OR10、−OCOR10
    又は3個のC1 −C15ヒドロカルビル基で置換されたシ
    リルオキシであり;R6 a及びR7 aは、それぞれ独立し
    て、C1 −C10脂肪族基、C6 −C15芳香族基、C7
    30芳香脂肪族基、−COR11、−SO211、又は3
    個のC1 −C15ヒドロカルビル基で置換されたシリルで
    あり;R9 は、水素、C1 −C8 脂肪族基、C3 −C8
    環式脂肪族基、C6 −C15芳香族基、C7 −C13芳香脂
    肪族基、又はアルカリ金属イオン若しくはアンモニウム
    イオンであり;R10及びR11は、それぞれ独立して、C
    1 −C10脂肪族基、C3 −C8 環式脂肪族基、C6 −C
    15芳香族基又はC7 −C16芳香脂肪族基であり;Rx
    びRy は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C
    1 −C10アルキル、C2 −C10アルケニル、C3 −C8
    シクロアルキル、C6 −C15アリール、C7 −C16アラ
    ルキル、C1 −C10アルコキシ、C2 −C10アルケンオ
    キシ、C6 −C10アリールオキシ、C7 −C16アラルキ
    ルオキシ基(ここで、これらは非置換又は置換されてい
    る)又は−OCORz であり;Rz は、置換若しくは非
    置換の、C1 −C10アルキル、C2 −C10アルケニル、
    3 −C8 シクロアルキル、C6 −C15アリール又はC
    7 −C16アラルキル基であり;そしてZは、C6 −C10
    アリールオキシチオカルボニルオキシ(ここで、C6
    10アリール基は置換又は非置換である)である)で示
    されるジヌクレオチド類似体。
  2. 【請求項2】 R5 a及びR8 aが、それぞれ独立して、水
    素、フッ素、塩素、ヒドロキシ、C1 −C10アルコキ
    シ、C2 −C10アルケンオキシ、C6 −C15アリールオ
    キシ、C7 −C16アラルキルオキシ、−OCOR10、又
    は3個のC1 −C15ヒドロカルビル基で置換されたシリ
    ルオキシであり;R6 a及びR7 aは、それぞれ独立して、
    置換若しくは非置換の、C1 −C10アルキル、C2 −C
    10アルケニル、C6 −C15アリール、又はC7 −C16
    ラルキル基、−COR11、−SO211、又は3個のC
    1 −C15ヒドロカルビル基で置換されたシリルであり;
    9 は、水素、或は置換若しくは非置換の、C1 −C8
    アルキル、C3 −C8 シクロアルキル、C6 −C15アリ
    ール、C7 −C13アラルキル、又はアルカリ金属イオン
    若しくはアンモニウムイオンであり;そしてR10及びR
    11は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の、C1
    −C10アルキル、C2 −C10アルケニル、C3 −C8
    クロアルキル、C6 −C15アリール又はC6 −C16アラ
    ルキルである請求項1記載のジヌクレオチド類似体。
  3. 【請求項3】 式(IA): 【化2】 (式中、B1 、B2 、Rx 、Ry 及びR1 〜R9 は、請
    求項1と同義である)で示されるステレオ異性体である
    請求項1記載のジヌクレオチド類似体。
  4. 【請求項4】 アルコキシとしての、Rx 、Ry 、R5
    又はR8 が、C1 −C4 アルコキシであり、アルケンオ
    キシとしての、Rx 、Ry 、R5 又はR8 が、C3 又は
    4 アルケンオキシであり、アリールオキシとしての、
    x 、Ry 、R5 又はR8 が、C6 −C8 アリールオキ
    シであり、C7 −C16アラルキルオキシとしての、R
    x 、Ry 、R5 又はR8 が、C7 −C9 アラルキルオキ
    シであり、そしてトリ(C1 −C15ヒドロカルビル)−
    置換シリルオキシとしての、R5又はR8 が、C1 −C6
    アルキルジ(C6 −C8 アリール)シリルオキシであ
    る請求項1、2又は3記載のジヌクレオチド類似体。
  5. 【請求項5】 C1 −C4 アルコキシとしての、Rx
    y 、R5 又はR8が、メトキシ又はエトキシであり、
    3 又はC4 アルケンオキシとしての、Rx、Ry 、R5
    又はR8 が、アリルオキシ又はメタリルオキシであ
    り、C6 −C8アリールオキシとしての、Rx 、Ry
    5 又はR8 が、フェノキシであり、C7 −C9 アラル
    キルオキシとしての、Rx 、Ry 、R5 又はR8 が、ベ
    ンジルオキシであり、そしてトリ(C1 −C15ヒドロカ
    ルビル)−置換シリルオキシとしての、R5 又はR8
    が、tert−ブチルジフェニルシリルオキシである請
    求項4記載のジヌクレオチド類似体。
  6. 【請求項6】 C1 −C10アルキルとしての、Rx 、R
    y 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR11が、C1 −C4
    ルキルであり、C2 −C10アルケニルとしての、Rx
    y 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR11が、C3 −C4
    アルケニルであり、C3 −C8 シクロアルキルとして
    の、Rx 、Ry 、Rz 、R9 、R10又はR11が、C6
    8 シクロアルキルであり、C6 −C15アリールとして
    の、Rx、Ry 、Rz 、R6 又はR7 が、C6 −C8
    リールであり、C6 −C15アリールとしての、R10又は
    11が、C6 −C10アリールであり、C7 −C16アラル
    キルとしての、Rx 、Ry 、Rz 、R6 、R7 、R10
    はR11が、C7 −C9 アラルキルであり、そしてトリ
    (C1 −C15ヒドロカルビル)−置換シリルとしての、
    6 又はR7 が、C1 −C6 アルキルジ(C6 −C8
    リール)シリルである請求項1〜5のいずれか1項記載
    のジヌクレオチド類似体。
  7. 【請求項7】 C1 −C4 アルキルとしての、Rx 、R
    y 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR11が、メチル又はエ
    チルであり、C3 −C4 アルケニルとしての、Rx 、R
    y 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR11が、アリル又はメ
    タリルであり、C6 −C8 シクロアルキルとしての、R
    x 、Ry 、Rz 、R9 、R10又はR11が、シクロヘキシ
    ルであり、C6 −C8 アリールとしての、Rx 、Ry
    z 、R6 又はR7 が、フェニルであり、C6 −C10
    リールとしての、R10又はR11が、フェニル、ニトロフ
    ェニル又はナフチルであり、C7 −C16アラルキルとし
    ての、Rx 、Ry 、Rz 、R6 、R7 、R10又はR
    11が、ベンジルであり、そしてトリ(C1 −C15ヒドロ
    カルビル)−置換シリルとしての、R6 又はR7 が、t
    ert−ブチルジフェニルシリルである請求項6記載の
    ジヌクレオチド類似体。
  8. 【請求項8】 C1 −C8 アルキルとしてのR9 が、C
    1 −C6 アルキルであり、C7 −C13アラルキルとして
    のR9 が、C7 −C9 アラルキルであり、そしてアルカ
    リ金属イオンとしてのR9 が、ナトリウム又はカリウム
    イオンである請求項1〜7のいずれか1項記載のジヌク
    レオチド類似体。
  9. 【請求項9】 B1 及びB2 が、それぞれ、ピリミジン
    塩基の一価基であり、R1 が、水素、フッ素、ヒドロキ
    シ、又はC1 −C4 アルキル−、若しくはハロゲン−置
    換のフェニルオキシチオカルボニルオキシであり、R
    2 、R3 及びR4 が、それぞれ、水素であり、R5 が、
    水素、ヒドロキシ、又は−OCOR10(ここで、R10
    1 −C4 アルキル又はC6 −C10アリールである)で
    あり、R6 が、水素若しくは−COR11(ここで、R11
    はC1 −C4 アルキル又はC6 −C10アリールである)
    又はアルキルジアリールシリルであるか、又はR6 が、
    非置換若しくはC1 −C4 アルコキシ置換のC7 −C20
    アラルキルであり、R7 が水素、ベンジル、シアノ−C
    1 −C4 アルキル−N,N−ジ(C1 −C4 )アルキル
    ホスホルアミジル又は−COR11(ここで、R11はC6
    −C10アリールである)であり、R8 が水素、ヒドロキ
    シ、−OR10(ここで、R10はC1 −C4 アルキルであ
    る)、又は−OCOR10(ここで、R10はC1 −C4
    ルキル又はC6 −C10アリールである)であるか、又は
    7 OとR8 が、一緒に、イソプロピリデンジオキシ基
    を表し、R9 が、水素、又は非置換若しくは置換のC1
    −C6アルキルであり、そしてRx 及びRy が、独立し
    て、水素、フッ素、メチル、エチル若しくはフェニルで
    あるか、又はRy が、水素、メチル、エチル若しくはフ
    ェニルであり、そしてRx がヒドロキシ、フッ素、メト
    キシ、エトキシ、ベンジルオキシ、アセトキシ若しくは
    ベンゾイルオキシである請求項1〜3のいずれか1項記
    載のジヌクレオチド類似体。
  10. 【請求項10】B1 及びB2 が、それぞれ、1−チミニ
    ルであり、R5 が、水素又は−OCOCH3 であり、R
    6 が、水素、ベンゾイル、tert−ブチルジフェニル
    シリル又は4,4’−ジメトキシトリフェニルメチルで
    あり、R7 が水素、ベンジル、2−シアノエチル−N,
    N−ジイソプロピルホスホルアミジル、又は−COR11
    (ここで、R11はフェニル、4−ニトロフェニル又はア
    ルファ−ナフチルである)であり、R9 は、メチル、エ
    チル、イソブチル又は2−シアノエチルであり、そして
    X 及びRy が、それぞれ、水素である請求項9記載の
    ジヌクレオチド類似体。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のジヌクレオチド類似体
    を製造する方法であって、式(II): 【化3】 で示される化合物を、式(III ): 【化4】 (上記式中、B1 、B2 、Rx 、Ry 、R1 a、R2 、R
    3 、R4 、R5 a、R6 、R8 a 及びR9 は、請求項1と
    同義であり、そしてR7 は水素又はR7 a(ここで、R7 a
    は請求項1と同義である)である)で示される化合物と
    放離基開始剤の存在下に反応させることを特徴とする方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のジヌクレオチド類似体
    を製造する方法であって、請求項11で定義された式
    (II)の化合物を、式(IV): 【化5】 (式中、B1 、R5 a及びR6 は、請求項1と同義であ
    る)で示される化合物と塩基の存在下に反応させること
    を特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のジヌクレオチド類似体
    を製造する方法であって、式(II)の化合物をシリル化
    剤と反応させ、次いで反応化P(III )シリル化合物を
    請求項12で定義された式(IV)の化合物と反応させる
    ことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 R1 、R2 、R5 及びR8 が、水素で
    ある請求項1記載のジヌクレオチド類似体を製造する方
    法であって、R1 がヒドロキシであり、そしてR2 、R
    5 及びR8 が水素である請求項1記載のジヌクレオチド
    類似体を脱酸素することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 R6 及び/又はR7 が水素である請求
    項1記載のジヌクレオチド類似体を製造する方法であっ
    て、R6 がR6 aであり、そして/又はR7 がR7 aである
    請求項1記載の類似体を加水分解又は還元することを特
    徴とする方法。
  16. 【請求項16】 R1 が、フッ素であり、そしてR2
    水素である請求項1記載のジヌクレオチド類似体を製造
    する方法であって、R1 がヒドロキシであり、そしてR
    2 が水素である請求項1記載の類似体を、ジアルキルア
    ミノフルオロスルフラン又は四フッ化硫黄と反応させる
    ことを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 R7 が、置換又は非置換のアルキル−
    N,N−ジアルキルホスホルアミジルである請求項1記
    載のジヌクレオチド類似体を製造する方法であって、R
    7 が水素である請求項1記載の類似体を、置換又は非置
    換のアルキル−N,N,N’,N’−テトラアルキルホ
    スホルジアミダイトと反応させることを特徴とする方
    法。
  18. 【請求項18】 R9 が、水素である請求項1記載のジ
    ヌクレオチド類似体を製造する方法であって、R9 がR
    9 a(ここで、R9 aは、置換又は非置換の、C1 −C8
    ルキル、C3 −C8 シクロアルキル又はC7 −C13アラ
    ルキルである)である請求項1記載の類似体を、塩基で
    処理して加水分解することを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜10のいずれか1項記載の
    ジヌクレオチド類似体から誘導された単位の少なくとも
    一つを含むオリゴヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 オリゴヌクレオチドの製造のための、
    請求項1〜10のいずれか1項記載のジヌクレオチド類
    似体の用途。
  21. 【請求項21】 式(XXXXI ): 【化6】 (式中、U、V及びWは、天然又は合成ヌクレオシド
    の、同一又は異なる残基であり、U、V及びWの残基の
    少なくとも一つは、請求項1〜10のいずれか1項記載
    のジヌクレオチド類似体から誘導され、かつ式(XXXXI
    I): 【化7】 (式中、R1 〜R9 、Rx 、Ry 、B1 及びB2 は、請
    求項1〜10のいずれか1項と同義である)を有し、L
    はヌクレオシド架橋基であり、そしてnは0〜200の
    数である)で示されるオリゴヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 nが0〜30の数であり、そしてLが
    −P(O)O- −基である請求項21記載のオリゴヌク
    レオチド。
  23. 【請求項23】 nが1〜6である請求項21又は22
    記載のオリゴヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 U、V及びWが、天然又は合成ヌクレ
    オシドの、同一又は異なる残基であり、U、V及びWの
    残基の少なくとも一つが、B1 及びB2 が天然のヌクレ
    オシド塩基の基である式(XXXXII)で示されるものであ
    る請求項21〜23のいずれか1項記載のオリゴヌクレ
    オチド。
  25. 【請求項25】 活性成分として、請求項1〜10のい
    ずれか1項記載のオリゴヌクレオチド、又はそれから誘
    導された単位の少なくとも一つを含むことを特徴とする
    薬学的製組成物。
  26. 【請求項26】 式(XXXXIII ): 【化8】 (式中、R3 、R4 、R7 、R8 、R9 、Rx 、Ry
    びB2 は、請求項1と同義であり、そしてRm は水素又
    は保護基であるが、但しRx 及びRy は同時に水素では
    ない)で示される化合物。
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