JP6900313B2 - フロアパネル用機械式係止システム - Google Patents

Description

本開示は、全体として、フロアパネル及び建材パネル用の機械式係止システムの分野に関する。本開示は、フロアボード、係止システム、及び製造方法を示す。

本発明の実施例は、薄いフローティングフロアで使用するのに特に適している。これらのフローティングフロアは、係止システムで機械的に接合されたフロアパネルで形成される。係止システムは、好ましくは、フロアパネルと一体であり、即ち工場で取り付けられる。フロアパネルは、熱可塑性材料又は熱硬化性材料又は木材ベニアで形成された一つ又はそれ以上の上層と、木質繊維をベースとした材料又はプラスチック材料製の中間コアと、好ましくはコアの後側に設けられた下バランシング層とを含む。本発明の実施例は、好ましくは、例えば壁パネル、天井、家具構成要素等のボード材料を含む建材パネルの接合にも使用できる。セラミックタイルの連結にも使用できる。

従って、従来技術、公知のシステムの問題点、及び非限定的例としての本発明の実施例の目的及び特徴の以下の説明は、とりわけ、この適用分野に関し、詳細にはフロアパネル、及び特に積層フロア、及び一般的にＬＶＴと呼ばれるいわゆるラグジャリービニルタイル等の薄い弾性熱可塑性フロアパネルに関する。これは、長縁部及び短縁部を持ち、長縁部及び短縁部の両方で互いに機械的に接合されるようになった、矩形のフロアパネルとして形成される。

長縁部及び短縁部は、主として、本発明の実施例の説明を簡単にするために使用される。パネルは正方形であってもよい。フロアパネルは、一般的には、コア材料の厚さ許容差をなくすため、表面層を下に向けた状態で製造される。実施例の主要部分は、説明を簡単にするため、表面を上に向けた状態で示してある。

本発明の実施例は、任意のフロアパネルの長縁部及び短縁部で使用でき、パネルを水平方向及び／又は垂直方向で係止する、長縁部及び短縁部に設けられた全ての種類の公知の係止システムと組み合わせてもよいということを強調しておかなければならない。

この従来技術の説明の関連部分もまた、本発明の実施例の一部である。

市販の幾つかのフロアパネルは、長縁部及び短縁部に形成された機械式係止システムでフローティング態様で設置される。これらのシステムは、パネルを水平方向及び垂直方向で係止する係止手段を含む。機械式係止システムは、通常は、パネルのコアを加工することによって形成される。別の態様では、係止システムの部分を別の材料、例えばアルミニウムやプラスチック材料で形成し、これをフロアパネルと一体化し、即ち製造と関連してフロアパネルに接合できる。

積層フローリングは、通常は６−８ｍｍの木材ベースのコア、０．２ｍｍ厚の積層体製の上装飾表面層、及び積層体、プラスチック、紙等の材料製の０．１ｍｍ厚の下バランシング層を含む。積層体表面は、メラミンを含浸した紙でできている。最も一般的なコア材料は高密度で安定性に優れたファイバボードであり、通常ＨＤＦ（高密度ファイバボード）と呼ばれる。含浸紙をコアに熱及び圧力で積層する。ＨＤＦ材料は硬質であり、特にファイバの配向に対して垂直な垂直方向で可撓性が低い。

最近、一般的にＷＦＦフロア（木質繊維フロア）と呼ばれる粉体をベースとした新型の積層フロアが導入された。含浸紙の代わりに、木質繊維、メラミン粒子、酸化アルミニウム、及び顔料を含む乾燥粉体混合物を使用する。粉体をＨＤＦコアに付け、熱及び圧力の作用で硬化する。一般的には、樹脂含有量が高く水膨潤性が低い高品質のＨＤＦを使用する。デジタル印刷によって先進の装飾を形成してもよい。粉体の上面に水性インクを噴射してもよく、又は耐磨耗性が非常に高い３Ｄプリントが得られるように、プレス前に幾つかの透明な粉体層を噴射してもよい。一般的に「ＢＡＰ法」と呼ばれるデジタル式バインダ及び粉体プリントを使用して先進の３Ｄプリントを形成してもよい。デジタル式で付けた、顔料なしのブランクインクでできたバインダパターンを持つ幾つかの層で、顔料粉体即ちいわゆるドライインクを結合してもよい。高い耐磨耗性は、多くの場合、石材やタイルの複製を製造するのに使用される。このようなＷＦＦフロアは、比較的広幅であってもよく、短縁部係止システムの材料費が比較的高い。

厚さが３−６ｍｍのＬＶＴフローリングは、通常、透明な磨耗層を含み、これは、紫外線（ＵＶ）硬化型ポリウレタン（ＰＵ）、ラッカー、及び透明ホイルの下の装飾性プラスチックホイルでコーティングされていてもよい。磨耗層及び装飾性ホイルを、熱可塑性材料及び鉱物充填体の混合物でできた一つ又は幾つかのコア層に積層する。プラスチックコアは、一般的には軟質であり、非常に柔軟である。

一般的にＷＰＣフロアと呼ばれる木材−プラスチック複合フロアは、ＬＶＴフロアと同様である。コアは、木質繊維充填体と混合した熱硬化性材料でできており、一般的に鉱物をベースとしたＬＶＴコアよりも強固であり且つはるかに剛性が高い。

ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、又はポリエチレン（ＰＥ）等の熱可塑性材料を、木質繊維及び鉱物粒子の混合物と組み合わせてもよい。これにより、様々な密度及び柔軟性の様々なフロアパネルが提供される。

樹脂含有量が高い耐水性ＨＤＦ、ＬＶＴフロア、及びＷＰＣフロアは、従来のＨＤＦベース積層フロアよりも強度及び柔軟性が高いコア材料で形成されており、一般的には、小さな厚みで製造される。

上述の種類のフロアの最小厚は、主として、係止システムを形成する上で必要とされる。パネル自体は強固であり且つ柔軟であり、多くの用途で約３−５ｍｍの厚さで十分であるが、このような薄いフロアでは強固な係止システムを形成できないため、使用できない。

上述の種類のフロアは、様々な柔軟性、密度、及び強度の様々なコア材料を含む。係止システムは、強固であり且つ対費用効果に優れた係止機能を提供するため、このような様々な材料特性に適合しなければならない。

下文において、設置したフロアパネルの見える方の表面を「前側」又は「フロア面」と呼ぶのに対し、下張り床に面するフロアパネルの反対側を「後側」と呼ぶ。前側と後側との間の縁部を「接合縁」と呼ぶ。「水平平面」は、前側と平行に延びる平面を意味する。接合された二つのフロアパネルの二つの隣接した接合縁の並置された上部分が、水平平面に垂直な「垂直平面」を形成する。「垂直方向係止」は、垂直平面と平行な係止を意味する。「水平方向係止」は、水平平面と平行な係止を意味する。

「上」という用語は、表面側に向かうということを意味し、「下」という用語は、裏面側に向かうということを意味し、「内方」という用語は、主として、パネルの内−中間部分に向かって水平方向にということを意味し、「外方」という用語は、主として、パネルの中間部分から水平方向に遠ざかるということを意味する。

長縁部並びに短縁部を垂直に及び縁部に対して垂直な水平方向に機械的に接合するため、幾つかの方法を使用できる。最も使用されている方法の一つは、傾け−スナップ嵌め法である。長縁部を傾けによって設置する。短縁部は、水平方向スナップ嵌めによって係止される。垂直方向連結は、一般的には、さね継ぎ(tongue and groove)であり、水平方向連結は、縁部に係止エレメントを備えたストリップを隣接した縁部の係止溝と協働することによって行われる。スナップ嵌めは、可撓性ストリップによって行われる。

同様の係止システムを剛性ストリップで形成してもよく、これらのシステムは、短縁部及び長縁部の両方を係止位置に傾ける傾け−傾け法により連結される。

長縁部及び短縁部の両方を一回の傾け動作で係止する、短縁部に別体の可撓性タングが設けられた先進のいわゆる「重ね係止システム」が導入されている。この種のフロアパネルは、ＷＯ２００６／０４３８９３に記載されている。この文献には、水平方向で係止するため、係止溝と協働する係止エレメントと、垂直方向で係止するため、タング溝と協働する可撓性で弓形のいわゆる「バナナタング」を含む短縁部係止システムを持つフロアパネルが開示されている。可撓性で弓形のタングは、縁部に形成された変位溝に製造中に挿入される。タングは、連結中に縁部に沿って水平方向に曲がり、垂直方向に移動することによってパネルを設置できるようにする。長縁部は、傾けによって連結され、同じ傾け動作によって生じる垂直方向鋏移動が短縁部を連結する。このような係止を、一般的には、「垂直方向重ね(vertical folding)」と呼ぶ。

更に、同様のフロアパネルがＷＯ２００７／０１５６６９に記載されている。この文献は、改良可撓性タング、いわゆる「ブリストルタング」を持つ重ね係止システムを提供する。ブリストルタングは、タングのほぼ全長に亘って真っ直ぐな外タング縁部を有する。タングの内部分は、タング縁部に沿って水平方向に延びる可曲突出部を含む。

ＷＯ２０１３／１５１４９３には、パネル縁部の材料で形成されたタングを持ち、重ね係止システムを形成するため、タングが溝に挿入される係止システムが記載されている。十分な可撓性を得るためにタングをどのように形成しなければならないか、及び対費用効果に優れた方法で溝にどのように挿入しなければならないかは説明されていない。

別体の可撓性タングは重ね係止システムの重要部分である。可撓性の別体のタングを更に対費用効果に優れた方法で製造し、縁部に挿入できたら有利である。更に、非常に薄いフロアパネルに重ね係止システムを形成できるようにタングの幅及び厚さを小さくできたら有利である。

ＷＯ２００６／０４３８９３ ＷＯ２００７／０１５６６９ ＷＯ２０１３／１５１４９３

本発明の目的は、主に薄いフロアパネルの隣接した短縁部用の、可撓性タングを含む、更に対費用効果に優れた改良重ね係止システムを提供することである。

第１の特定の目的は、公知のタングよりもコンパクトであり且つ対費用効果に優れた、薄いパネルの係止に適した別体の可撓性タングを提供することである。

第２の特定の目的は、簡単な直線状のロッド状の部品として形成される可撓性で可曲性のタングを持つ係止システムを提供することである。

第３の特定の目的は、フロアパネルのコア材料から先進の可撓性タングを形成し、このタングを形成した後、好ましくは同じ製造ラインでパネルの溝に挿入するための対費用効果に優れた方法を提供することである。

本発明の上述の目的は、本発明の実施例によって個々に又は纏めて達成される。

本発明の第１の態様によれば、第１パネルの第１縁部の変位溝に配置された可撓性タングと、隣接した第２パネルの第２縁部のタング溝とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネルのセットが提供される。可撓性タングは、第１及び第２の縁部を垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されている。機械式係止システムは、更に、第１縁部又は第２縁部に設けられた係止ストリップを含み、係止ストリップには、水平方向で係止するため、第１縁部又は第２縁部の他方に設けられた係止溝と協働するように形成された係止エレメントが設けられている。可撓性タングは、変位溝内で水平方向に変位可能である。可撓性タングの外部分は、二つ又はそれ以上の湾曲した縁部区分を含み、これらの縁部区分の各々は、係止中に第２縁部と協働するように形成された摺動面と、タング溝に対して係止するように形成された係止面とを含む。タング区分は、係止位置及び非係止位置で湾曲した可撓性タングの長さ方向で互いから離間されている。第１縁部の外方上縁部から可撓性タングの外縁部までの第１水平方向距離及び第１縁部の外方上縁部から可撓性タングの内縁部までの第２水平方向距離は、可撓性タングの長さに沿って変化する。タング区分は、湾曲区分が、少なくとも部分的に直線状になり、幅が本質的に可撓性タングの全長に沿って本質的に同じ本質的に直線状のロッド状区分に変形するように、第２縁部によって内方に押されるように形成される。タング区分は、係止面がタング溝に挿入されるように、最終係止工程で初期位置に向かって戻るように形成されている。

湾曲区分は、直線状になり、可撓性タングの本質的に全長に沿って本質的に同じ幅を持つ本質的に直線状のロッド状区分に変形してもよい。

タング区分は、係止面がタング溝に挿入されるように、最終係止工程でその初期位置に向かってばね作用で戻るように形成されていてもよい。

本文中及び下文において、「第２パネル縁部」という用語は、特段の記載のない限り、「第２縁部」又は「隣接した縁部」という用語と相互交換可能に使用される。

本文中、「本質的に直線状」という用語は、湾曲区分が直線状区分に向かって少なくとも部分的に直線状にされたことを意味する。例として、湾曲区分を、完全に直線状の区分に合わせて直線状にしてもよい。第１湾曲区分を、第２湾曲区分に合わせて直線状にすることによって、直線状区分に向かって直線状にしてもよい。第１及び第２の湾曲区分は、第１及び第２の湾曲区分の長さ方向に沿って凸状又は凹状の外縁部を有する。直線状にする際に第１湾曲区分の凸状又は凹状の外縁部の外縁点は、変位溝に向かって移動する。外縁点は、変位溝から最も遠い第１湾曲区分上の点である。これによって、第１湾曲区分上の外縁点は、変位溝に最も近い第２湾曲区分の外縁点まで移動する。ここで、外縁点は、変位溝から最も遠い第２湾曲区分上の点である。

最終係止工程では、タング区分は、初期位置に向かって戻る。第１例では、タング区分は、初期位置に部分的に戻る。第２例では、タング区分は、完全に初期位置に戻る。第３例では、幾つかのタング区分は完全に初期位置に戻り、幾つかのタング区分は初期位置に部分的に戻る。

タング区分は、ばね作用で初期位置に戻ってもよい。

摺動面は、タング溝の下壁の一部の形状と本質的に一致する形状を備えていてもよい。更に、係止面は、タング溝の上壁の一部の形状と本質的に一致する形状を備えていてもよい。

好ましくは、可撓性タングは、変位溝に自由に配置されている。これによって、可撓性タングには、例えば接着剤や摩擦連結によってパネルに取り付けられている部分がない。

しかしながら、別の態様では、可撓性タングの一つ又はそれ以上の部分がパネルに取り付けられていてもよい。例えば、可撓性タングの長さ方向第１端部分及び／又は長さ方向第２端部分が変位溝に取り付けられていてもよい。タングの取り付けは、接着剤、クリップ、又はパネルに設けられた変位溝等のスロットに挿入することによって行われてもよい。

タングは、摩擦連結によってパネルに取り付けられてもよい。摩擦連結は、タングの一つ又はそれ以上の上部分及び／又は下部分で、タングの長さ方向に沿って行われてもよい。第１例では、湾曲縁部区分は本質的に同じである。第２例では、湾曲縁部区分は異なっている。

可撓性タングは、プラスチック材料で形成されていてもよい。プラスチック材料は、熱可塑性材料であってもよいし、熱硬化性材料であってもよい。詳細には、プラスチック材料は、架橋ポリエチレン等の架橋熱可塑性材料であってもよい。「架橋熱可塑性材料」は、本明細書中、熱可塑性材料の少なくとも一部が架橋しているということを意味する。

摺動面は、傾斜面であってもよい。摺動面は本質的に平らであってもよい。摺動面は上向きであってもよい。一実施例によれば、摺動面は、垂直平面に関して０°乃至６０°の角度を形成する。

係止面は、傾斜面であってもよい。係止面は本質的に平らであってもよい。係止面は下向きであってもよい。一実施例によれば、係止面は、垂直平面に関して０°乃至６０°の角度を形成する。

可撓性タングの幅は、可撓性タングの長さの９０％に亘って本質的に同じであってもよい。計測値について「本質的に同じ」というのは、±１０％程度内に収まるということを意味する。

可撓性タングは、第１水平方向距離が第２水平方向距離と本質的に同じであるような断面を持つタング区分を含んでいてもよい。

可撓性タングの主部の断面は、水平方向幅Ｗ及び垂直方向厚さＴＴが本質的に同じであってもよい。「主部」というのは、タングの長さの少なくとも５０％を意味する。例において、主部は、タングの長さの７０％であってもよいし、８０％であってもよいし、９０％であってもよい。特定の例では、主部は、タングの全長であってもよい。

可撓性タングの垂直方向厚さＴＴは、約１．５ｍｍよりも小さくてもよい。

簡単な断面を持ち、内位置が真っ直ぐなロッド状形状を有する湾曲タングは、薄いフロアパネルの係止に適した非常にコンパクトな可撓性タングを設計するのに使用してもよい幾つかの利点を提供する。薄いフロアパネルというのは、本明細書中、パネルの厚さが６−１０ｍｍであるということを意味する。非常に薄いフロアパネルの厚さは６ｍｍよりも小さく、例えば３ｍｍ、４ｍｍ、又は５ｍｍである。

本発明の第２の態様によれば、第１パネルの第１縁部の変位溝に配置された可撓性タングと、隣接した第２パネルの第２縁部のタング溝とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネルのセットが提供される。可撓性タングは、第１及び第２の縁部を垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されている。可撓性タングは、摺動面及び係止面を含む。変位溝は、上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁及び水平方向開口部を持つキャビティを含む。第２フロアパネルは、係止中に摺動面と協働し、可撓性タング区分を曲げてキャビティに押し込むように形成された摺動縁部を持つ突出部を含む。可撓性タング区分は、係止面がタング溝に挿入されるように、最終係止工程で外方に戻るように形成されている。

タング区分は、これらの区分の初期位置に向かってばね作用で戻ってもよい。

内キャビティ壁は、湾曲面であってもよいし、平面であってもよい。上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁は、変位溝でその長さ方向に沿って開始してもよいし終了してもよい。上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁は、連続した上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁であってもよく、これによって、これらの壁は、滑らかな移行部で変位溝に滑らかに連結されている。これらの連続した壁は、回転式のカービング工具又はジャンピング工具によって形成されてもよい。

可撓性タングは、直線状であってもよい。これによって、簡単であり且つ対費用効果に優れたタングが提供される。しかしながら、別の態様では、タングは湾曲していてもよい。

タングの断面は、その長さ方向に沿って一定であってもよい。

第１例では、タング区分は、ばね作用でタング区分の初期形状に戻る。第２例では、タング区分は、完全にタング区分の初期形状に戻る。

係止システムは、二つ又はそれ以上のキャビティ及び突出部を備えていてもよい。

機械式係止システムは、更に、第１縁部又は第２縁部に係止ストリップを備えていてもよく、該係止ストリップには、水平方向で係止するため、第１縁部又は第２縁部の他方の係止溝と協働するように形成された係止エレメントが設けられている。

本発明の第３の態様によれば、第１パネルの第１縁部の変位溝に配置された可撓性タングと、隣接した第２パネルの第２縁部のタング溝とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネルのセットが提供される。可撓性タングは、第１及び第２の縁部を垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されている。可撓性タングの外部分は、摺動面及び係止面を含む突出部を含む。変位溝は、上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁及び水平方向開口部を持つキャビティを含む。第２フロアパネルは、係止中に摺動面と協働し、可撓性タング区分を曲げてキャビティに押し込むように形成された摺動縁部を含む。可撓性タング区分は、係止面がタング溝に挿入されるように、外方に戻るように形成されている。

上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁は、連続した上キャビティ壁、内キャビティ壁、及び下キャビティ壁であってもよい。

係止システムは、ばね作用でそれらの初期形状に戻ってもよい。

係止システムは、二つ又はそれ以上のキャビティ及び突出部を備えていてもよい。

機械式係止システムは、更に、第１縁部又は第２縁部に係止ストリップを備えていてもよい。係止ストリップには、水平方向で係止するため、第１縁部又は第２縁部の他方の係止溝と協働するように形成された係止エレメントが設けられている。

これらのキャビティにより、タングを、薄いフロアパネルを係止するのに適したコンパクトな形状の非常に簡単で本質的に直線状のロッド状部品として形成できるという利点が得られる。

本発明の第４の態様によれば、コアを含む建材パネルの縁部に係止システムを形成するための方法が提供される。この方法は、
第１縁部の下部分にストリップを形成し、ストリップの外部分に係止エレメントを形成する工程と、
第１縁部の外部分でコアからタングを形成する工程と、
側方に開放した水平方向に延びる挿入溝を第１縁部に形成する工程と、
垂直方向及び水平方向変位でタングを挿入溝に少なくとも部分的に変位する工程と、
隣接した第２縁部にタング溝及び係止溝を形成する工程とを含む。
タングは、垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されており、係止エレメントは、水平方向で係止するため、係止溝と協働するように形成されている。

タングは、垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されており、係止エレメントは、水平方向で係止するため、係止溝と協働するように形成されている。

本方法は、第１縁部の外−下部分にタングを形成する工程を含んでもよい。

本方法は、互いに関して垂直方向及び水平方向にオフセットした下部分及び上部分を持つタングを形成する工程を含んでもよい。

本方法は、タングを回転ホイールで変位する工程を含んでもよい。

この製造方法は、タングをフロアパネルのコア材料から形成してもよく、常にパネルの短縁部と一致する適当な長さを備えた可撓性タングの製造に追加の別の材料を必要としないという利点を提供する。

本発明の第５の態様によれば、第１パネルの第１縁部の変位溝に配置された可撓性タングと、隣接した第２パネルの第２縁部のタング溝とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネルのセットが提供される。可撓性タングは、第１及び第２の縁部を垂直方向で係止するため、タング溝と協働するように形成されており、機械式係止システムは、更に、第１縁部又は第２縁部に設けられた係止ストリップを含む。係止ストリップには、水平方向で係止するため、第１縁部又は第２縁部の他方に設けられた係止溝と協働するように形成された係止エレメントが設けられている。可撓性タングは、下部分及び上部分をむ。下部分及び上部分は、互いに関して垂直方向及び水平方向にオフセットしており、下部分は、垂直方向下方に延びる下突出部を含む。

下部分は、少なくとも二つの下突出部をその長さに沿って備えていてもよい。

下部分は、変位可能なタングに沿って互いから離間された水平方向内方に延びる少なくとも二つの内突出部を含んでいてもよい。

オフセットした上部分及び下部分を持つタングには、係止システムの形成に使用されるのと同じコア材料からタングをインラインで形成するとき、タングに突出部及びキャビティが対費用効果に優れた方法で形成されるという利点がある。

以上開示した全ての実施例は、部分的に又は完全に互いに組み合わせてもよい。ということを強調する。

例示の実施例と関連して、以下に添付の例示の図面を参照して更に詳細に説明する。

図１ａ−図１ｅは、周知の原理による重ね係止システムを示す図である。 図２ａ−図２ｆは、溝及びキャビティの形成に使用される製造方法の実施例を示す図である。 図３ａ−図３ｆは、一実施例による可撓性タングの曲げを示す図である。 図４ａ−図４ｆは、本発明の一実施例による押出しシートブランク又はシート状材料からの可撓性タングの形成を示す図である。 図５ａ−図５ｆは、一実施例によるパネルに設けられたキャビティ及び突出部を含む係止システムを示す図である。 図６ａ−図６ｉは、一実施例によるロッド状の別体のタングの変位及び曲げを示す図である。 図７ａ及び図７ｂは、可撓性タングを分離し、溝に挿入する一実施例による方法を示す図である。 図８ａ、図８ｂ、及び図８ｃは、一実施例による突出部を含む可撓性タングの形成及び挿入を示す図である。 図９ａ−図９ｄは、様々な実施例による可撓性タングを挿入し曲げる変形例の方法を示す図である。 図１０ａ−図１０ｃは、一実施例による可撓性タングの形成を示す図である。 図１１ａ及び図１１ｂは、上部分及び下部分を一実施例に従って変位した可撓性タングの形成を示す図である。 図１２ａ−図１２ｅは、上部分及び下部分を様々な実施例に従って変位した可撓性タングの形成を示す図である。 図１３ａ−図１３ｈは、本発明の一態様による様々な実施例を示す図である。 図１４ａ−図１４ｄは、一実施例による可撓性タングの強化方法を示す図である。 図１５ａ及び図１５ｂは、二つの実施例による家具の部品及びセラミックタイルの係止システムを示す図である。 図１６ａ、図１６ｂ、及び図１６ｃは、一実施例による湾曲可撓性タングの形成を示す図である。

図１ａ−図１ｅは、可撓性タング１０、及び公知の原理に従って垂直方向に変位することによる第１パネル縁部１及び第２パネル縁部１’の係止を示す。可撓性ブリストルタング１０は、タング本体２０及び可撓性突出部２１を含む。これらの突出部は、図１ｂに示すように内部分に設けられ、又は図１ｃに示すように外部分に設けられている。可撓性タング１０は、係止中、図１ａに示すように変位溝１１内に内方に変位し、最終係止工程中、可撓性タング１０の外部分がタング溝９に挿入され、隣接した第１パネル縁部１及び第２パネル縁部１’が垂直平面ＶＰと平行に垂直方向に係止するように外方に変位する。これらのパネル縁部１、１’は、係止エレメント８が設けられたストリップ６を一方の縁部に含む。係止エレメントは、隣接した縁部に形成された係止溝１４と係止し、これらの縁部を、パネル表面と平行であり且つ垂直平面に対して垂直な水平方向で係止する。

図１ｂは、タング本体２０及びその内部分の可撓性突出部２１を持つブリストルタング１０を示す。図１ｃは、タング本体２０及びその外部分の可撓性突出部２１を持つブリストルタング１０を示す。

可撓性タングの縁部に沿った長さ方向長さはＬであり、縁部に対して垂直に水平方向に延びる幅はＷであり、垂直方向のタング厚さはＴＴである。タング厚さＴＴは、変位溝１１の溝の厚さＧＴとほぼ同じである。最大幅Ｗは、変位溝１１の溝深さＧＤよりも大きい。

可撓性タングは複雑な形状を有し、従って、高い強度と可撓性を併せ持つようにするのに使用されるガラス繊維を含む熱可塑性プラスチックを基材とした射出成形品として形成される。突出部がタングの長さ方向で曲がることが、このような先進の可撓性タングの重要な特徴である。

図１ｄ及び図１ｅは、可撓性タング１０が、例えば８個乃至３２個のタングを含むタングブランク３０として製造され、提供されることを示す。プラスチック材料を射出チャンネル３１を通して金型に注入する。これは、製造費を低減するためだけに、一般的に一方の側からだけ行われる。射出成形後、チャンネル材料を除去し、再溶融して再使用する。

ガラス繊維を含む熱可塑性プラスチック材料を用いた射出成形は、製造許容差が非常に低い高品質の部品を提供する、対費用効果に優れた方法である。しかしながら、可撓性タングの製造方法及び形状には、重ね設置が望ましい場合の、新型フロアパネルの可撓性タング及びコア材料を含む対費用効果に優れた係止システムの製造の可能性を制限する幾つかの欠点がある。

１つの欠点は、短縁部に形成された溝に可撓性タングを挿入するため、可撓性タングの長さＬがパネルの幅と対応していなければならないということである。

プラスチック材料は、タング１０の長さＬに沿ってタング本体２０を通って流れなければならず、突出部２１とタング本体２０との間に空間Ｓがなければならない（図１ｄ及び図１ｅ参照）。これにより、タングの形状に対し、費用と関連した特定の制限が生じる。例えば、幅Ｗが４ｍｍよりも小さく、厚さＴＴが１．５ｍｍよりも小さく、長さが約３００ｍｍを越える場合、製造時間及び工具の費用が大幅に上昇する場合がある。

別の問題点は、溝深ＧＤが約４ｍｍの場合、約１．５ｍｍよりも小さい溝厚ＧＴの変位溝を形成するのは困難であるということである。

機械式係止システムは、一般的には、溝及び突出部を縁部と平行に及び縁部全体に沿って形成する大型の回転工具で形成される。

図２ａ乃至図２ｅは、本発明の一態様に従って、縁部１に対して垂直に配置されたキャビティ２２及び突出部２１を含む係止システム及びタングを形成するのに使用される製造方法の一実施例を示す。

図２ａは、パネル縁部１に当てて前後に変位する、回転鋸ブレード４０を含む工具を示す平面図である。別の態様では、パネル１を鋸ブレード４０に当てて前後に変位してもよい。この製造方法は、図２ｂ及び図２ｃに示すように、キャビティ又は突出部２１を形成するのに使用してもよい。これらの図では、上側の図がパネル縁部１の斜視図であり、下側の図がパネル縁部１の平面図である。

図２ｄは、移動するパネル縁部１に当てて垂直方向又は水平方向に変位されてもよい、いわゆる回転ジャンプ工具ヘッド４１の側面図を示す。これによって、局所的キャビティ２２が形成される。

図２ｅは、回転カービング工具４５でキャビティ２２を形成する対費用効果に優れた方法を示す。カービング工具４５は、カービング工具４５の外縁部に沿って配置された歯４６を含む。この工具の回転速度をパネル１の変位と同期し、各歯４６が一つのキャビティ２２を所定位置にパネル１の縁部に沿った所定の水平方向間隔で形成する。工具を垂直方向に変位する必要がない。カービング工具４５は、数組の歯４６を備えていてもよく、各組は、一つのキャビティを形成するのに使用されてもよい。これらのキャビティ２２は、歯４６の形状で決まる異なる断面を備えていてもよい。

図２ｆは、いわゆるスクリューカッター４２の平面図を示す。これは先進の製造技術であり、突出部及びキャビティを、スクリューカッター４２に当てて高速で変位した縁部に対して垂直に高精度で対費用効果に優れた方法で形成できる。スクリューカッターの原理の詳細な説明がＷＯ２０１０／０８７７５２に記載されている。

図３ａは、一実施例による可撓性タング１０を示す。可撓性タング１０の幅Ｗは、実質的に可撓性タング１０の全長Ｌに亘って本質的に同じである。

図３ｂ及び図３ｃは、図３ａに示すタング部分Ｔｓ１の拡大図、及びパネル縁部１に設けられた変位溝１１に挿入した可撓性タング１０の断面Ａ−Ａを示す。

図３ｂは、可撓性タング１０を非係止位置及び係止位置で示す。非係止位置は、実線で示す上側のパネル縁部１’によって示され、係止位置は、破線で示す下側のパネル縁部１’によって示される。可撓性タング１０を、上リップ１２を含む変位溝１１に挿入する。垂直平面ＶＰは、上リップ１２の上−外部分と交差する。タングは、少なくとも二つのタング区分Ｔｓ１、Ｔｓ２を含む。これらのタング区分は、隣接した縁部１’の摺動縁部１７と係止中に協働する摺動面１５と、タング溝９内に係止する係止面１６とを各々備えている。本発明によれば、摺動面１５は、可撓性タング１０の上部分に設けられている。更に詳細には、摺動面１５は、可撓性タング１０の外−上傾斜部分である。更に、本発明によれば、係止面１６は可撓性タング１０の下部分に設けられている。更に詳細には、係止面１６は可撓性タング１０の外−下傾斜部分である。摺動面１５は係止面１６の上方に配置されている。タング区分Ｔｓ１、Ｔｓ２は、可撓性タング１０の長さ方向Ｌで互いに離間されている。タングは、係止位置及び非係止位置で湾曲しており、垂直平面ＶＰから可撓性タング１０の外部分までの第１水平方向距離Ｄ１及び垂直平面ＶＰから可撓性タング１０の内部分までの第２水平方向距離Ｄ２がタングの長さＬに沿って変化する。

可撓性タング１０の形状は、更に、タングの内部分からタングの最内点を結ぶ水平な内線までの第３水平方向距離Ｄ３によって定められてもよい。内線は、可撓性タング１０の長さ方向と本質的に平行である。内線は、タング区分Ｔｓ１、Ｔｓ２．．．の各々が同形状である場合、直線である。第１例では、Ｄ１は、可撓性タング１０の長さ方向全長に沿ってＤ３と対応し、これによって可撓性タング１０の一定幅Ｗを提供する。第２例では、少なくとも可撓性タング１０の長さ方向一部に沿ってＤ１がＤ３と異なり、これによって変化する幅Ｗを提供する。

本願の例示の実施例は、タング区分の数に関して非限定的であることは明らかである。確かに、一つ又はそれ以上のタング区分Ｔｓ１、Ｔｓ２．．．、ＴｓＮがある。ここでＮは１以上の任意の整数である。即ち、Ｎ＝１、２、３、４．．．である。

図３ｃは、内位置にある係止中の可撓性タング１０を示す。この実施例によれば、係止中、隣接した縁部１’は、隣接した縁部１’に設けられた係止溝１４が第１パネル縁部１に設けられた係止エレメント８に向かって下げられ、これと協働するように、第１パネル縁部１に向かって本質的に垂直方向下方に変位する。可撓性タング１０は、隣接したパネル１’の摺動縁部１７によって内方に押され、湾曲区分Ｔｓ１、Ｔｓ２が直線状になる。これは、可撓性タング１０が、タング幅Ｗが可撓性タング１０の主要部分に沿って本質的に同じである本質的に真っ直ぐなロッド形状部品を形成されるためである。一実施例では、タング区分の係止中、距離Ｄ３は、非係止状態の距離から、この非係止状態の距離の２０％以下に変化してもよい。係止位置並びに非係止位置において、図３ｂに示すように、垂直平面ＶＰを越えて外方に突出した摺動面１５は、係止中、図３ｃに示すように変位溝１１に向かって押されるということに着目されたい。これによって、摺動面１５は、係止中、垂直平面ＶＰの内方に部分的に又は全体に押される。

図３ｂに示すように、可撓性タング１０は、タングの長さ方向に沿ってタングの内部分及び外部分のそれぞれに配置された内突出部２１ａ及び外突出部２１ｂを含む。図３ｂでは、外突出部２１ｂを持つタング区分Ｔｓ１を直線状にし、本質的に真っ直ぐな区分にしたことがわかる。

図３ｄは、一実施例を示す。この実施例によれば、パネルは、短縁部１、１’及び長縁部４を含む。パネルの長縁部４を傾けて隣接した短縁部１を鋏のように動かすことにより、タング区分をパネル縁部に沿って内方に徐々に押圧し、可撓性タング１０を本質的に真っ直ぐな部品となるように変形する。例えば、タング区分の長さ方向に沿って凸状又は凹状の外縁部を持つ可撓性タング１０の少なくとも一つのタング区分が直線状になり、そのため、凸状又は凹状の外縁部の外縁点が変位溝１１に向かって移動する。ここで、外縁点は、変位溝１１から最も遠いタング区分上の点である。図３ｂでは、外縁点は、その長さ方向に沿って、凸状タング区分Ｔｓ１の中央部分に配置されている。ここで、変位溝１１の内壁までの距離ＸＭは最大である。凹状タング区分Ｔｓ０では、図３ｂに示すように、外縁点は凹状タング区分の縁部分にその長さ方向に沿って配置されていてもよいということに着目されたい。ここでは、変位溝１１の内壁までの距離が最大である。例として、外縁点を、変位溝１１に向かって、少なくともタング１０の最大幅の２０−６０％、好ましくは、４０−５０％と対応する距離だけ移動してもよい。詳細には、可撓性タング１０を、本質的に真っ直ぐな部品、例えばその全長に沿って真っ直ぐな部品となるまで直線状にしてもよい。好ましくは、可撓性タング１０の外部分及びタング溝９は、縁部１ｂの外部分及び第２タング部分Ｔｓ２、好ましくは、第１タング部分Ｔｓ１から最も離れたタング部分が、図３ｆに示すようにその内位置に配置されたとき、図３ｅに示すように、縁部１ａの内部分及び第１タング部分Ｔｓ１がその最終係止位置の近くに配置されるように形成されている。これらの縁部区分Ｔｓ１、Ｔｓ２は、垂直方向重ね中、徐々にタング溝９内に移動し、短縁部を互いから押し離すタングの曲げによる係止抵抗及び分離力が減少する。これにより係止を容易に行うことができる。

可撓性タング１０は、摩擦連結部２３を備えていてもよい。摩擦連結部２３は、好ましくは、タングの上部分及び／又は下部分に配置される。摩擦連結部２３は、細長くてもよい。要求された可撓性は、主として、タングの湾曲したタング本体２０によって得られる。湾曲したタング本体２０は、係止中、主として水平方向に変位溝１１内に内方に曲がる。

可撓性タング１０は、第１水平方向距離Ｄ１が第２水平方向距離Ｄ２と本質的に同じであり、タング幅Ｗが、垂直平面ＶＰを越えて突出する摺動面１５の幅の約２倍の断面のタング部分を含んでいてもよい。可撓性タング１０は、タング幅Ｗがタング厚ＴＴと本質的に同じであるように、非常にコンパクトな断面で形成されていてもよい。

以上説明した実施例には幾つかの利点がある。内部分が直線状であるため、深さが非常に小さい変位溝を形成できる。タングが簡単な形状をしているため、対費用効果に優れた方法で製造できる。これは、射出成形中にプラスチック材料が容易に浮き上がる(float)ためである。これにより、タング幅Ｗ及びタング厚ＴＴを小さくでき、タング長Ｌを大きくできる。厚さＴＴが１．５ｍｍより小さく、例えば厚さが約１．０−１．５ｍｍであり、幅Ｗが約１．５−３ｍｍの射出成形タングを製造できる。更に、タング厚ＴＴが０．５−１．０ｍｍの極薄可撓性タングを製造できる。このようなタングは、非常に薄いフロアパネル、例えば厚さが約３ｍｍのＬＶＴ又はＷＰＣフロアパネルの係止に使用されてもよい。

可撓性タングの剛性は、横ばね定数によって指定されてもよい。非限定的例によれば、可撓性タングの横ばね定数は、タングの１００ｍｍの長さ当たり５−５０Ｎ／ｍｍである。別の非限定的例によれば、横ばね定数は、タングの１００ｍｍの長さ当たり１５−２５Ｎ／ｍｍである。可撓性タングの横ばね定数は、当業者に公知の標準的な方法によって試験されてもよい。

図４ａは、一実施例によるタングブランク３０の平面図及び断面図を示す。図４ａ及び図４ｂは、全長に沿って断面が同じ押出プラスチック又は金属製の部品であるタングブランク３０から可撓性タング１０を形成してもよいということを示す。詳細には、タングブランク３０の幅は、その長さ方向に沿って一定である。可撓性タング１０の湾曲部分を打ち抜きホイール４３で形成してもよい。湾曲部分は、タングブランク３０から材料を除去することによって形成される。本実施例によれば、結果的に得られた可撓性タング１０の幅が可撓性タング１０の長さ方向に沿って本質的に一定になるように、タングブランク３０の内部分及び外部分から材料を除去する。可撓性タング１０は、垂直方向上方又は下方に突出した摩擦連結部２３を備えていてもよい。これを図４ｂの実施例による可撓性タング１０の平面図に示す。

変形例によれば、結果的に得られた可撓性タング１０の幅が可撓性タング１０の長さ方向に沿って一定でなくなるように、タングブランク３０の内部分及び／又は外部分から材料を除去してもよい。幅が一定でない可撓性タング１０の例を、図９ｂ、図９ｃ、及び図１２ｃの実施例に関して以下に説明する。

変形例によれば、可撓性タング１０の湾曲部分は、切断、カービング、打ち抜き、又はフライス削り等の他の手段によって形成されてもよい。

タングブランク３０及び／又は可撓性タング１０は、射出成形、押出、連続した層を形成する３Ｄプリント、又は強化材による引抜成形によって形成されてもよい。

一般的には、タングブランク３０及び／又は可撓性タング１０は、熱可塑性プラスチック又は熱硬化性プラスチック等のプラスチック、ＷＰＣ、金属、又はパネルコア材料又はパネルの少なくとも一つの層を形成する材料等のパネル材料からなる群から選択された少なくとも一つの材料で形成されていてもよい。材料は、更に、強化材を含んでいてもよい。これによって、材料が更に剛性になってもよい。例えば、強化材は、繊維又は熱硬化性樹脂等の樹脂を含んでいてもよい。別の態様では、又は追加として、材料は、架橋ポリマーを含むプラスチック等の架橋材料を含んでいてもよい。

熱可塑性プラスチックには、ＰＶＣ、ＰＥ、ＰＰ、ＣＰＶＣ、又はこれらと同様の材料が含まれる。非限定的例では、ポリエチレンは、低密度ＰＥ、線状低密度ＰＥ、中密度ＰＥ、又は高密度ＰＥであってもよい。詳細には、熱可塑性プラスチックは、架橋ポリエチレン等の架橋熱可塑性プラスチックであってもよく、ＰＥＸ又はＸＬＰＥとも呼ばれる。更に、熱可塑性プラスチックは、強化熱可塑性プラスチックであってもよい。強化熱可塑性プラスチックは、繊維等の強化材を含んでいてもよい。繊維には、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、木質繊維、バサルト繊維、不織繊維、紡織繊維の少なくとも一つが含まれる。別の態様では、繊維は、磁性金属繊維、例えば鉄や磁性合金等の金属繊維であってもよい。これによって、リサイクル中に繊維をプラスチックから容易に分離できる。繊維は特定の配向を備えていてもよい。例えば、繊維は可撓性タング１０の長さ方向に沿って配向されていてもよい。別の態様では、繊維はランダムに配向されていてもよい。繊維は、可撓性タング１０にランダムに分配されていてもよい。別の態様では、繊維は可撓性タング１０に、例えば可撓性タング１０の中央部分に、布等のマット状層の形態で配置されていてもよい。

かくして、可撓性タング１０は、好ましくは、経時的に大きくクリープしたり変形したりしない低クリープ材料で形成される。これによって、係止機能は、経時的に、例えば一月後、一年後、又は１０年後に劣化しない。上述の強化材及び架橋材料は、両方ともクリープに対抗する。図４ｄ−図４ｆは、タングブランク３０をシート状材料５０から形成してもよいということを示す。単層シートの場合の図４ｄに示すシート状材料５０は、熱可塑性プラスチック材料であってもよく、好ましくは、鉱物繊維又は木質繊維を含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも三つの層が積層してあり、又は互いに融着してある。ガラス繊維又は上文中に説明した任意の他の繊維を使用してシート状材料を強化してもよい。シート状材料は、更に、好ましくは木質繊維と混合した熱硬化性樹脂でできていてもよい。図４ｆは、少なくとも三つの層を含むシート状材料５０を示す。上層５１ａ及び下層５１ｃは熱可塑性材料でできており、中間層５１ｂは、繊維、例えばガラス繊維でできた強化層である。中間層５１ｂは、繊維でできたマット状層である。しかしながら、層５１ａ−ｃについて上文中に説明した他の材料を使用してもよいということは明らかである。例えば上層５１ａ及び下層５１ｃは、熱硬化性プラスチックで形成されていてもよく、中間層５１ｂは、ランダムに分配した繊維でできていてもよい。図４ｅの実施例によれば、可撓性タング１０は、材料特性が異なる少なくとも三つの材料層でできている。これらの層及び強化層は、熱及び／又はプレスによって互いに接合されていてもよい。高温エンボスローラーを使用してシート状材料５０に直線状シート溝５２ａ又は曲線状シート溝５２ｂを形成してもよい。シート溝は、分離後、可撓性タング１０の外部分及び／又は内部分を形成する。これらの溝は、回転式の切断工具又はカービング工具で形成されてもよい。打ち抜き工具４３又は打ち抜きホイール４３を使用して可撓性タング１０を形成してもよい。これらの全ての製造方法を組み合わせてもよい。可撓性タング１０を従来の３Ｄプリント方法で形成してもよい。図４ｄ−ｆに関し、単に例示の目的で３層を選択した。選択される層の数は任意であり、例えば１層、２層、３層、４層、５層、６層、又は７層であってもよいということは明らかである。更に、複数の強化層が設けられていてもよい。例えば、中間層が第１及び第２の強化層の内面間に挟まれ、第１及び第２の強化層の外面に上下の層がそれぞれ配置されていてもよい。

図５ａは、可撓性タング１０を真っ直ぐなロッド状部品として形成してもよいということを示す。図５ｂは、第１パネル１の変位溝１１の内部分にキャビティ２２ａ、２２ｂが形成されてもよく、隣接した第２パネル１’に突出部２１が形成されてもよいということを示す。キャビティ２２ａ、２２ｂ及び突出部２１は、パネル１、１’の側縁部分に沿って長さ方向に形成される。各キャビティは、連続した上キャビティ壁２６、内キャビティ壁２７、及び下キャビティ壁２８、及び垂直平面ＶＰに向かう水平方向キャビティ開口部２９を含む。キャビティ壁は、好ましくは縁部に沿って連続している。これは、キャビティ壁が、好ましくは、回転カービング工具即ちジャンピング工具で形成されるためである。内キャビティ壁２７の少なくとも一部が湾曲している。各突出部２１は、上水平壁及び外壁を含む。本実施例によれば、外壁は傾斜している。しかしながら、変形例によれば、外壁は垂直であってもよく、突出部もまた、上壁と本質的に平行な下水平壁を備えていてもよい。キャビティ２２ａ、２２ｂは、変位溝１１と同じ垂直方向寸法を備えていてもよい。別の態様では、キャビティ２２ａ、２２ｂは、垂直方向寸法が変位溝１１よりも大きくてもよい。これにより、比較的大型で効率がよいジャンピング工具又は鋸ブレードを使用できるため、対費用効果に更に優れた方法で製造を行うことができ、係止機能に悪影響を及ぼすことなく製造許容差を高めることができる。変形例によれば、キャビティ２２ａ、２２ｂの垂直方向寸法は、変位溝１１よりも小さい。

図５ｃ−図５ｆは、突出部２１がタング区分Ｔｓ１の一部を変位してこれを曲げ、キャビティ２２に入れるように、突出部２１及びキャビティ２２がパネル縁部に沿って互いに隣接して配置されていることを示す。図５ｄは、垂直方向寸法即ちキャビティ厚Ｃｔが変位溝１１の厚さＧＴとほぼ同じキャビティ２２ａを含む断面Ａ−Ａを示す。図５ｅは、キャビティ２２ｂのキャビティ厚が変位溝１１よりも大きく、変位溝１１の上下の部分の垂直方向下方にオフセットした断面Ａ−Ａの変形例を示す。変位可能なタング１０の外部分の外タング厚ＴＴａは、内部分のタング厚ＴＴｂよりも比較的大きくてもよい。形成工具の垂直方向位置が変位溝１１の上部分と整合していなくても、タングの内部分がキャビティ内に変位するという利点が得られる。変形例によれば、キャビティ２２ｂのキャビティ厚は変位溝１１よりも小さくてもよい。図５ｆは、キャビティ及び突出部が形成されておらず、可撓性タング１０が変位溝１１内で本質的に変位しない断面Ｂ−Ｂを示す。縁部のこの部分は、タング区分Ｔｓ１を内方に曲げるための支持体として使用される。

図６ａ−図６ｉは、図５ａ−図５ｆによるロッド状可撓性タング１０の変位を詳細に示す。図６ａは、図６ｂ及び図６ｃによる水平平面ＨＰ１及びＨＰ１’での第１及び第２の縁部区分１、１’の平面図を示す。ここでは、タングは本質的に直線状である。図６ｄ−図６ｆは、可撓性タング１０の部分が突出部２１によってキャビティ２２に押し込まれた、内部分が曲げられた可撓性タング１０を示す。図６ｇ−図６ｉは、タング溝９及び変位溝１１が垂直方向で整合し、可撓性タング１０の外部分がタング溝９に挿入された外係止位置で可撓性タング１０を示す。この実施例によれば、可撓性タング１０は、外係止位置で本質的に直線状である。しかしながら、変形例（図示せず）によれば、外係止位置で可撓性タング１０の少なくとも一部が曲げられてもよい。例えば、可撓性タング１０の幾つかの区分が湾曲していてもよい。

図７ａ及び図７ｂは、好ましくは係止システムの形成に使用したのと同じ製造ラインで、パネル１の縁部分からタング、好ましくは可撓性タング１０を形成し、タングを溝に、好ましくは変位溝１１に挿入する方法を示す。可撓性タング１０は、この実施例では、ストリップ６の外部分に形成される。プレスホイール４４ａ、４４ｂ、及び４４ｃを使用し、タング１０を縁部１から分離し、タングを溝１１内に垂直方向及び水平方向に変位する。タングの別の部分Ｐ２を溝１１に挿入に固定するとき、タングの部分Ｐ１が縁部１に連結されている。タング１０は、更に、縁部１から外され、好ましくはホイール４４ａ、４４ｂによってパネル縁部１と同じ速度で変位され、ホイール４４ｃ又は何らかのプレスユニットによって変位溝１１に挿入される。上下の支持ユニットを使用してタングを溝内に整合し位置決めしてもよい。タングは、係止システムにおいて、図５ａ−図５ｆで説明したように使用されてもよい。

このような製造方法には幾つかの利点がある。タングブランクを必要とせず、タング１０が、常に、パネル縁部と一致する適当な長さである。ＨＤＦ、樹脂含有量が高い高密度耐水性ＨＤＦ、鉱物繊維又は木質繊維充填体と混合した熱可塑性材料、いわゆるＬＶＴ又はＷＰＣ材料、発泡熱可塑性材料、等の様々なコア材料が市場で導入されてきた。図７ａ及び図７ｂの実施例に従って、上述の材料のうちの任意の材料を使用してもよい。熱可塑性フロア材料は、多くの場合、熱収縮及び熱膨張を小さくするため、ガラス繊維で強化してある。ガラス繊維４７は、可撓性タング１０が形成されるコア６の部分に配置されており、可撓性タング１０の強度及びばね特性の向上に寄与する。こうした材料は十分な可撓性を備えており、強固で可撓性のタング本体を提供する。エンジニアリングウッドフロアは、一般的には、合板等の別の材料を短側部に有する。この別の材料は、可撓性タングの形成にも使用できる。熱可塑性フロア材料は、多くの場合、熱収縮及び熱膨張を小さくするため、ガラス繊維で強化してある。このようなガラス繊維層は、コア６の中間部分に位置決めされる。ガラス繊維４７は、コア６の部分、好ましくは可撓性タング１０が形成される下部分に位置決めされていてもよく、可撓性タング１０の強度及びばね特性の向上に寄与する。

図８ａ−図８ｃは、スクリューカッター、ジャンピング工具ヘッド、又は打ち抜きホイールで比較的複雑な湾曲タング１０が形成され、可撓性タング１０を変位溝１１内で変位するのにパネル縁部に形成されたキャビティ及び突出部が必要とされないことを示す。図８ａは、ストリップ６の外部分に形成されており且つここに連結されたタング１０を示す。図８ｂは、ストリップ６から外した可撓性タング１０を示し、図８ｃは、変位溝１１に挿入した変位可能なタング１０を示す。

湾曲タングというのは、タングの少なくとも一区分が湾曲していることを意味する。湾曲タングの湾曲区分の数は任意であり、例えば３個、４個、５個、６個、．．．である。湾曲区分は、互いに直接的に連結されていてもよい。しかしながら、随意であるが、直線状区分が湾曲区分を連結してもよい。

図９ａ−図９ｄは、係止システム及び可撓性タング１０の好ましい実施例を示す。図９ａは、係止面１６及び摺動面１５を持つ真っ直ぐなロッド状可撓性タング１０を示す。この可撓性タング１０は、キャビティ２２を持つパネル縁部１の変位溝１１に挿入される。図９ａは、更に、突出部２１を持つ隣接した縁部１’を示す。図９ｂは、隣接した縁部１’の突出部の代りに、可撓性タング１０の外部分に形成された外方に延びる突出部２１を用いる例を示す。このような突出部２１は、押出しによって製造された又はシート状材料から製造された可撓性タング１０に形成するのが容易である。高品質の係止システムを形成する上で、対費用効果に優れた回転カービング工具で十分である。図９ｂの実施例によれば、可撓性タング１０は、突出部２１をキャビティ２２とは逆方向に向けて、変位溝１１のキャビティ２２に挿入できる。これによって、摺動縁部１７等のパネル縁部１’の外面が突出部２１と接触し、可撓性タング１０のタング区分の一部を内方に変位し、曲げる。図９ｃは、キャビティ２２に代えてタング１０の内部分に形成された内突出部２１ａを使用してもよいということを示す。これによって、パネル縁部１’の突出部２１が変位し、可撓性タング１０のタング区分の一部を内方に曲げる。この変位は、タング１０と変位溝１１の内壁との間に空間がある内突出部２１ａを間で生じる。この実施例では、内壁は平らな表面であるが、同様に他の形状も等しく考えられる。図９ｄは、キャビティ及び突出部の両方の代りに、可撓性タング１０の内部分及び外部分に内突出部２１ａ及び外突出部２１ｂが夫々設けられた湾曲した可撓性タング１０を使用する。これによって、摺動縁部１７等のパネル縁部１’の外面が突出部２１と接触し、可撓性タング１０のタング区分の一部を変位溝１１の内壁に向かって内方に変位し、曲げる。この実施例では、内壁は平らな表面であるが、同様に他の形状も等しく考えられる。

非限定的例では、可撓性タング１０の内部分及び／又は外部分は、本質的に、正弦曲線の一部、鋸歯状波の一部、として形成されていてもよく、段階的に一定の外形を有し、又は直線状の外形を有する。

以上及び以下の全ての実施例において、各突出部２１、２１ａ、２１ｂは、可撓性タング１０の垂直方向下部分、垂直方向上部分、又は中間部分に設けられていてもよいということは明らかである。

図１０ａは、図８ａ−図８ｃに示す湾曲タングが、例えばスクリューカッター４２及びジャンピング工具ヘッド４１で形成されてもよいということを示す。図１０ｂは、タング１０の縁部の上部分がジャンピング工具ヘッド４１で形成されてもよいということを示す。このような実施例は、材料を節約する。図１０ｃは、タング１０がストリップ６の外部分の上方でスクリューカッター４２及びジャンピング工具４１で形成されてもよいということを示す。本発明の全ての実施例において、ジャンピング工具４１に代えて回転カービング工具４５を使用してもよい。

図１１ａは、表面層２及びコアを持つパネル１を示す。コアは、上コア層５ａ及び下コア層５ｂを含む。非限定的例では、パネル１はＬＶＴパネルであってもよい。下コア層５ｂは、熱可塑性材料の含有量が上コア層５ａよりも高い。可撓性タング１０は、下コア層５ｂから形成される。このことは、可撓性タング１０の材料組成が下コア層５ｂと同じであるということを意味する。図１１ａは、更に、変位溝１１に挿入した可撓性タング１０を示す。

図１１ａ及び図１１ｂは、湾曲した可撓性タング１０が対費用効果に優れた方法で、第１スクリューカッター４２ａ及び第２スクリューカッター４２ｂの二つのスクリューカッターで形成されてもよいということを示す。可撓性タング１０は、好ましくは、互いに対して垂直方向及び水平方向にずらされた内−下部分１０ａ及び上−外部分１０ｂを含む。上部分１０ｂは、好ましくは、下部分１０ａよりも変位溝１１の内部分から遠い。第１スクリューカッター４２ａがタングから材料を除去するとき、外突出部２１ｂが上部分１０ｂに形成され、第２スクリューカッター４２ｂがタングの下部分１０ａから材料を除去するとき、内突出部２１ａがタングの下部分１０ａに形成される。タングの内部分は、上部分として形成されてもよく、外部分は下部分として形成されてもよい。例えば、係止溝１４を含む第２パネル１’の縁部にタングを挿入する場合、このようなタングを使用してもよい。

図１２ａ−図１２ｃは、図１１ａ、図１１ｂに示す係止システムの更に詳細な説明を提供する。図１２ａは、二つの隣接したパネル縁部の一方に係止システムの一部が形成されたパネル１の縁部区分を示す。溝１１、係止エレメント８を持つストリップ６、及びタング１０が回転工具で形成される。タングは、好ましくは、ストリップ６の外部分に形成されている。係止システム及びタング１０は、パネル縁部１の長さ方向に沿って本質的に同じ連続した断面を備えている。タング１０は、互いに対して垂直方向及び水平方向にずらされた上部分１０ｂ及び下部分１０ａを含む。上部分１０ｂは、係止面１６を含む。下部分１０ａは、下方に延びる下突出部２１ｃを含む。図１２ｂは、タング１０の外−上部分１０ｂ及び内−下部分１０ａから第１スクリューカッター４２ａ及び第２スクリューカッター４２ｂを使用して材料を除去し、外突出部２１ｂ及び内突出部２１ａを形成することを示す。図１２ｃは、係止システムの製造中に変位溝１１に挿入できるようにストリップ６から外した可撓性タング１０を示す。可撓性タングは、内突出部２１ａがタング１０の上部分の垂直方向下方に配置されていることを特徴とする。

図１２ｄ及び図１２ｅは、チェーン４８及び上ベルト４９を含むダブルエンドテノーマシン（double-end tenor machine）での加工を容易にするため、水平平面Ｈｐ１に対して傾斜したタング本体２０を持つタング１０を形成できるということを示す。表面層２を下に向けてパネル１を、ダブルエンドテノーに位置決めする。タング１０から上ベルト４９までの水平方向距離Ｄ４は、ジャンピング工具ヘッド４１、スクリューカッター４２のスクリューカッター工具ヘッド４５の半径Ｒよりも小さくてもよい。

図１３ａ−図１３ｈは、別の実施例を示す。図１３ａは、第２パネル１’、即ち第１パネル１のストリップ６に形成された係止エレメント８と協働する係止溝１４を含む重ねパネルに可撓性タング１０が設けられた係止システムを示す。図１３ｂ−図１３ｄは、可撓性タング１０が重ねパネル１’のコア区分から形成されてもよいということを示す。これは、コア５の上部分、中間部分、又は下部分に配置されてもよい。図１３ｅは、第２重ねパネル１’の係止溝１４の内壁に形成された変位溝１１に可撓性タング１０が取り付けられた係止システムを示す。タング１０は、図１３ｆに示すように、コアの下部分に配置されたコア区分から形成されてもよい。図１３ｇは、第１パネル１のストリップ６の外部分に変位溝１１が形成された係止システムを示す。図１３ｈは、タングがストリップ６上方に位置するコア部分から形成されてもよいということを示す。

図１４ａ−図１４ｄは、可撓性タング１０を形成するのに更に適するようにコア材料５を局所的に変更してもよいということを示す。この方法は、係止システムが別体の可撓性タングなしの一部品係止システムとして形成された場合でも、任意の種類の機械式係止システムの強度及び可撓性を高めるのに使用されてもよい。図１４ａは、樹脂、例えばメラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、又はフェノールホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂２４を、液体又は乾燥粉体の形態で、例えばメラミンホルムアルデヒド含浸バランシング紙３に適用してもよく、又はコア材料６に直接適用してもよいということを示す。図１４ｂは、コア材料５、好ましくは木材をベースとしたパネル、例えばＨＤＦボード又はパーティクルボードを、積層前に樹脂２４を加えた含浸紙３に適用してもよいということを示す。図１４ｃは、表面層２及びバランシング層３をコア６に積層した場合の積層後のフロアボードを示す。樹脂２４は、コア５に浸透し、積層中に熱及び圧力の作用で硬化する。図１４ｄは、タング１０が一部品をなしてコア５に形成された第１パネル１の縁部を示す。タング１０は可撓性が大きく、樹脂含有量がコア５の他の部分よりも高い。樹脂含有量が高いため、製造中に変位溝１１に挿入される強固な可撓性タング１０を形成するのに非常に適した材料が提供される。

図１５ａは、開示の各実施例による可撓性タング１０及び係止システムを使用し、家具の部品１、１’を互いに垂直に係止することを示す。傾斜した変位溝１１にキャビティ２２を形成してもよく、タング溝９の下に突出部を形成してもよい。可撓性タングは、上文中に説明したように、湾曲したロッド状部品であってもよく、パネルコアのコア部分から形成されてもよい。

図１５ｂは、開示の各実施例による可撓性タング１０及び係止システムを使用してセラミックタイル１、１’を係止してもよいということを示す。ストリップ６及び係止エレメント８は、第１タイル１の縁部に取り付けられるプラスチック製又は金属製の別体の部品として形成されていてもよい。キャビティ２２及び突出部２１が、ダイヤモンド工具でセラミック材料に形成されていてもよい。開示の可撓性タング１０の全ての実施例を使用してもよい。第２タイル１’は、タング溝９及び係止溝１４を含む。可撓性タング１０は、第１及び第２の縁部を垂直方向で係止するため、上文中に説明したようにタング溝９と協働するように形成されている。更に、別体のストリップ６の係止エレメント８は、水平方向で係止するため、係止溝１４と協働するように形成されている。

図示の全ての係止システムは、垂直方向変位及び／又は傾け及び／又は水平方向スナップ嵌めで係止されるようになっていてもよい。更に、これらの係止システムは、上方傾け又は縁部に沿った変位で外されてもよい。垂直方向係止を、可撓性ストリップ６及び好ましくは係止中に曲げられる可撓性係止エレメント８と組み合わせてもよい。好ましくは、ストリップ６の外部分を下方に曲げ、係止エレメント８の上部分を曲げ、即ち水平方向外方に返す。

図１６ａ−図１６ｃに概略に示すように、最初にタングブランク３０即ち本質的に真っ直ぐなタングを提供した後、変形によりこれを曲げて所望形状の湾曲した可撓性タング１０にすることによって、湾曲した可撓性タング１０を形成してもよい。タングブランク３０は、上文中に説明したように、プラスチック、好ましくは熱可塑性材料又は熱硬化性材料で強化材入りで又は強化材なしで形成される。しかしながら、他の材料が同様に考えられる。この方法は、タングの長さ方向に沿って本質的に一定の断面を持つ湾曲した可撓性タングを製造するのに特に適している。しかしながら、タングブランク３０は、タングの長さ方向に沿って断面が変化していてもよい。随意であるが、タングブランク３０は、その長さ方向に沿って内突出部及び／又は外突出部を備えていてもよい。

図１６ａに示すように、タングブランク３０はロール３２で提供され、当業者に公知の供給方法に従って曲げ装置３４に供給される。次いで、タングブランク３０を図１６ｂに示す曲げ状態に配置する。本実施例によれば、タングブランク３０は、タングブランク３２０の幾つかの部分が曲がるように一連の曲げエレメント５０又は曲げエレメント５０のマトリックスに配置される。図１６ｂでは、曲げエレメント５０は、基材５２に固定されたロッド、釘、又はねじであり、タングブランク３０は、曲げエレメント５０間にジグザグパターンで配置される。しかしながら、別の態様では、曲げエレメント５０はローラー又は円筒体であってもよい。随意であるが、タングブランク３０の端点は、例えば基材５２に固定されていてもよい。タングの最終形状は、曲げエレメント５０のパターンで決まる。曲げエレメント５０間の水平方向及び／又は垂直方向距離は、一定であってもよいし、変化してもよい。

次いでタングブランク３０を所定時間に亘って曲げ状態で固定する。随意であるが、曲げ状態前及び／又はその最中の加熱プロセスで加熱装置６０によってタングブランク３０に熱を加えてもよい。これによって、湾曲タングの形成を迅速化できる。随意であるが、加熱プロセス後に冷却装置７０によってタングブランクに冷却プロセスを加えてもよい。加熱プロセス及び冷却プロセスは、当業者に公知の方法によって実施されてもよい。基準期間経過後、タングブランク３０は曲げた形状をとり、永久的に又は半永久的に変形し、湾曲したタングエレメントとなる。変形は引張力、圧縮力、剪断、曲げ、又は捩じれにより生じる。永久的変形は不可逆的塑性変形である。半永久的というのは、本明細書中において、形成直後の曲げ形状が、少なくとも１カ月、１年、又は１０年といった最小時間中に本質的に保存されるということを意味する。最終的には、湾曲したタングエレメントを切断装置８０で切り、所定長さの一つ又はそれ以上の湾曲した可撓性タング１０にする。上述のプロセスで形成された湾曲した可撓性タング１０を図１６ｃに概略に示す。

上文中に開示した全ての実施例は、互いに部分的に又は完全に組み合わせてもよい。詳細には、図４ａ−図４ｃの実施例に関して説明した可撓性タングの材料及び強化材の様々な選択は、直線状の又は湾曲した本願の他の可撓性タングの実施例で使用してもよい。

１ 第１パネル縁部
１’第２パネル縁部
８ 係止エレメント
９ タング溝
１０ 可撓性タング
１１ 変位溝
１４ 溝
２０ タング本体
２１ 可撓性突出部
ＶＰ 垂直平面
Ｌ タングの長さ
Ｗ タングの幅
ＴＴ タングの厚さ
ＧＴ 変位溝の厚さ

Claims (14)

1. 第１パネル（１）の第１縁部の変位溝（１１）に配置された可撓性タング（１０）と、隣接した第２パネル（１’）の第２縁部のタング溝（９）とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネル（１、１’）のセットであって、前記可撓性タング（１０）は、前記第１及び第２縁部を垂直方向で係止するため、前記タング溝（９）と協働するように形成されている、フロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記可撓性タング（１０）は、摺動面（１５）及び係止面（１６）を含み、
   前記第２パネル（１’）は、第２パネル（１’）の第２縁部に沿ってその長手方向に配置された二つ以上の突出部（２１）を有し、この突出部（２１）は係止中に前記可撓性タング（１０）の前記摺動面（１５）と協働する摺動縁部（１７）を含み、
   前記機械式係止システムは、第１パネル（１）の第１縁部に沿ってその長手方向に配置されるとともに、前記二つ以上の突出部（２１）に対向して設けられた二つ以上のキャビティ（２２ａ、２２ｂ）を有し、
   前記キャビティ（２２ａ、２２ｂ）は上キャビティ壁（２６）、内キャビティ壁（２７）、下キャビティ壁（２８）、及び水平方向開口部（２９）をもち、
   前記突出部（２１）の摺動縁部（１７）は、可撓性タング区分（Ｔｓ１，Ｔｓ２）を曲げて前記キャビティ（２２ａ、２２ｂ）に押し込むように形成され、
   前記可撓性タング（１０）の前記第１パネル（１）に向かう部分は直線状をなし、かつ前記可撓性タング区分（Ｔｓ１，Ｔｓ２）は長手方向に沿って前記突出部および前記キャビティに対応して設けられ、
   前記可撓性タング区分（Ｔｓ１、Ｔｓ２）は、前記係止面（１６）が前記タング溝（９）に挿入されるように、最終係止工程で外方に戻るように形成され、
   前記二つ以上の突出部（２１）は前記第２パネル（１’）の第２縁部から前記第１パネル（１）側に向かって突出し、
   前記二つ以上のキャビティ（２２ａ、２２ｂ）は前記変位溝（１１）内に引っ込んで設けられた、フロアパネル（１、１’）のセット。
2. 請求項１に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記キャビティ（２２ａ、２２ｂ）は前記変位溝（１１）と同一の垂直方向高さをもつ、フロアパネル（１、１’）のセット。
3. 請求項１に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記キャビティ（２２ａ，２２ｂ）は前記変位溝（１１）より大きい垂直方向高さをもつ、フロアパネル（１、１’）のセット。
4. 請求項１乃至３のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記機械式係止システムは、更に、前記第１縁部又は前記第２縁部に係止ストリップ（６）を備えており、該係止ストリップには、水平方向で係止するため、前記第１縁部又は前記第２縁部の他方の係止溝（１４）と協働するように形成された係止エレメント（８）が設けられている、フロアパネル（１、１’）のセット。
5. 請求項１乃至４のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記可撓性タング区分（Ｔｓ１、Ｔｓ２）は、ばね特性によって初期位置まで戻る、フロアパネル（１、１’）のセット。
6. 請求項１乃至５のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記内キャビティ壁は湾曲面を有する、フロアパネル（１、１’）のセット。
7. 請求項１乃至６のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記可撓性タングの断面は長手方向に沿って一定となる、フロアパネル（１、１’）のセット。
8. 請求項１乃至７のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記可撓性タングの断面は傾斜する外面を有する、フロアパネル（１、１’）のセット。
9. 請求項１乃至８のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
   前記第１縁部および前記第２縁部はキャビティあるいは突出部を含まない部分を有し、この部分は前記可撓性タングを曲げて前記キャビティへ押し込む支持体として機能する、フロアパネル（１、１’）のセット。
10. 請求項１乃至９のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
    前記変位溝（１１）は少なくとも二つのキャビティ（２２ａ，２２ｂ）の各々の水平方向開口部（２９）と区別される水平方向開口部をもつ、フロアパネル（１、１’）のセット。
11. 請求項１乃至１０のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
    前記可撓性タング（１０）は、内部分のタング厚み（ＴＴｂ）より、大きな外タング部分の厚み（ＴＴａ）をもつ外部分を有する、フロアパネル（１、１’）のセット。
12. 請求項１乃至１１のいずれか一項に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
    前記可撓性タング（１０）は、外側の係止位置において、基本的に直線状をなす、フロアパネル（１、１’）のセット。
13. 第１パネル（１）の第１縁部の変位溝（１１）に配置された可撓性タング（１０）と、隣接した第２パネル（１’）の第２縁部のタング溝（９）とを含む、機械式係止システムを備えた本質的に同じフロアパネル（１、１’）のセットであって、前記可撓性タング（１０）は、前記第１及び第２縁部を垂直方向で係止するため、前記タング溝（９）と協働するように形成されている、フロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
    前記可撓性タング（１０）の外部分は、摺動面（１５）及び係止面（１６）を含む二つ以上の突出部（２１）を含み、
    前記機械式係止システムは、第１パネル（１）の第１縁部に沿ってその長手方向に配置されるとともに、前記二つ以上の突出部（２１）に対向して設けられた二つ以上のキャビティ（２２ａ、２２ｂ）を有し、
    前記キャビティ（２２ａ、２２ｂ）は上キャビティ壁（２６）、内キャビティ壁（２７）、下キャビティ壁（２８）、及び水平方向開口部（２９）をもち、
    前記第２パネル（１’）は、係止中に前記突出部（２１）の前記摺動面（１５）と協働し、可撓性タング区分（Ｔｓ１、Ｔｓ２）を曲げて前記キャビティ（２２ａ、２２ｂ）に押し込むように形成された摺動縁部（１７）を含み、
    前記可撓性タング（１０）の前記第１パネル（１）に向かう部分は直線状をなし、かつ前記可撓性タング区分（Ｔｓ１，Ｔｓ２）は長手方向に沿って前記突出部および前記キャビティに対応して設けられ、
    前記可撓性タング区分（Ｔｓ１、Ｔｓ２）は、前記係止面（１６）が前記タング溝（９）に挿入されるように、外方に戻るように形成され、
    前記二つ以上の突出部（２１）は前記可撓性タング（１０）の他の部分から前記第２パネル（１’）側へ突出し、
    前記二つ以上のキャビティ（２２ａ，２２ｂ）は前記変位溝（１１）内に引っ込んで設けられた、フロアパネル（１、１’）のセット。
14. 請求項１３に記載のフロアパネル（１、１’）のセットにおいて、
    前記機械式係止システムは、更に、前記第１縁部又は前記第２縁部の一方に係止ストリップ（６）を備えており、該係止ストリップには、水平方向で係止するため、前記第１縁部又は前記第２縁部の他方の係止溝（１４）と協働するように形成された係止エレメント（８）が設けられている、フロアパネル（１、１’）のセット。

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