JPH0575108B2 - - Google Patents

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JPH0575108B2
JPH0575108B2 JP86175406A JP17540686A JPH0575108B2 JP H0575108 B2 JPH0575108 B2 JP H0575108B2 JP 86175406 A JP86175406 A JP 86175406A JP 17540686 A JP17540686 A JP 17540686A JP H0575108 B2 JPH0575108 B2 JP H0575108B2
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ion
ring
water
alkali
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Hiroyuki Hirai
Yoshiharu Yabuki
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C8/00Diffusion transfer processes or agents therefor; Photosensitive materials for such processes
    • G03C8/40Development by heat ; Photo-thermographic processes
    • G03C8/4013Development by heat ; Photo-thermographic processes using photothermographic silver salt systems, e.g. dry silver
    • G03C8/408Additives or processing agents not provided for in groups G03C8/402 - G03C8/4046
    • G03C8/4086Base precursors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
    • C01D1/00Oxides or hydroxides of sodium, potassium or alkali metals in general
    • C01D1/04Hydroxides
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/52Compositions containing diazo compounds as photosensitive substances
    • G03C1/61Compositions containing diazo compounds as photosensitive substances with non-macromolecular additives
    • G03C1/615Substances generating bases
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    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、錯形成反応によるアルカリの発生方
法に関する。 先行技術とその問題点 アルカリは種々の反応(例えば加水分解反応、
重合反応、呈色反応、酸化還元反応、中和反応
等)に用いられる非常に汎用な試薬であり、一般
の商品の中にもアルカリが組み込まれているもの
が数多く有る。このようなものとしては、銀塩写
真の現像液、各種洗剤等が挙げられる。 しかしながら、アルカリは、空気中のCO2を吸
収して中和するなど安定性に問題があること、ま
た、それを取り扱う際皮膚を刺激するなどして人
体に悪影響を及ぼすなど安全性に問題があること
などの理由から、これを日常直接取り扱つたり、
あるいは経時安定性が要求される商品に組み込む
ことは望ましくない。 従つて、このような適用例のみならず、安定
性、安全性の面を解決したアルカリの発生方法が
確立されれば、有効な利用が可能となることが予
想される。 また、米国特許第3260598号には、水に難溶な
金属水酸化物とXYで表わされるアルカリ放出剤
(ここでXはNaイオンまたはKイオンを表わし、
Yはクエン酸イオン、シユウ酸イオン、フツ化物
イオン、フエリシアン化物イオン、酒石酸イオ
ン、亜硫酸イオン、エチレンジニトリロテトラ酢
酸イオン、1,3−ジアミノ−2−プロパノール
テトラ酢酸イオン、またはその他の脂肪族含窒素
ポリカルボン酸イオンを表わす。)との反応によ
りPHを上昇させる機構を利用した画像形成方法が
開示されている。しかしながら、この方法ではア
ルカリの発生効率が低く、さらに改良が望まれて
いた。 発明の目的 本発明の目的は、中性化合物より瞬時にアルカ
リを発生させることが可能な安定性および安全性
に優れたアルカリの発生方法を提供することにあ
る。 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によつて達成
される。すなわち、本発明は下記一般式()で
表わされる錯化剤と、下記一般式()で表わさ
れる水に難溶な金属化合物とを、水の存在下で反
応させることを特徴とするアルカリの発生方法で
ある。 一般式()
【化】 一般式() MYm {上記一般式()において、D-は−CO2 -
−SO3 -または−PO3 2-を表わす。B+は、アルカ
リ金属イオン、または置換もしくは非置換のグア
ニジニウムイオン、アミジニウムイオンもしくは
4級アンモニウムイオンを表わす。kは1または
2を表わし、一般式()の陰イオン、陽イオン
の均衡が保てるような関係にある。 Eは−S−,−O−、または−NR2−(R2はH
または種々の置換基を表わし、またNとNに隣接
する原子との二重結合を形成するための結合手と
なつてもよい。)を表わし、上記一般式()で
示されるようにCに隣接する。ZはCおよびEと
ともに縮合環を有していてもよい5または6員の
複素環を完成するのに必要な原子群を表わし、こ
のような複素環には−D-Bk +または−D-Bk +以外
の置換基が結合してもよい。R1はHまたは種々
の置換基を表わし、またCとCに隣接する原子と
の二重結合を形成するための結合手となつてもよ
い。 上記一般式()において、MはCa2+,Ba2+
Sr2+,Mg2+,Zn2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Mn2+
またはFe2+を表わし、Yは酸化物イオン、水酸
化物イオン、炭酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸
イオンまたはアルミン酸イオンを表わす。とm
は、それぞれ、MとYの各々の価数が均衡を保て
るような整数を表わす。なお、MYmは結晶水
を有していてもよく、また複塩を形成していても
よい。} 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明
する。 本発明のアルカリ発生方法においては、下記一
般式()で表わされる錯化剤と、下記一般式
()で表わされる水に難溶な金属化合物とを、
水の存在下で反応させ、アルカリを発生させてい
る。 一般式
【化】 一般式 MYm () 上記一般式()において、D-は−CO2 -,−
SO3 -または−PO3 2-を表わす。B+は、アルカリ
金属イオン、または置換もしくは非置換のグアニ
ジニウムイオン、アミジニウムイオンもしくは4
級アンモニウムイオンを表わす。kは1または2
を表わし、一般式()の陰イオン、陽イオンの
均衡が保てるような関係にある。 Eは−S−,−O−、または−NR2−(R2はH
または種々の置換基を表わし、またNとNに隣接
する原子との二重結合を形成するための結合手と
なつてもよい。)を表わし、上記一般式()で
示されるようにCに隣接する。ZはCおよびEと
ともに縮合環を有していてもよい5または6員の
複素環を完成するのに必要な原子群を表わし、こ
のような複素環には−D-Bk +または−D-Bk +以外
の置換基が結合してもよい。R1はHまたは種々
の置換基を表わし、またCとCに隣接する原子と
の二重結合を形成するための結合手となつてもよ
い。 上記の複素環としては、縮合環を有していても
よい5または6員の複素環、特に芳香族複素環が
好ましく、ピリジン環、キノリン環、ピラジン
環、チオフエン環、フラン環などが挙げられる。
またテトラヒドロフラン環も好ましい例として挙
げられる。 一般式()で表わされる錯化剤のなかでも下
記一般式()で表わされるものが特に好まし
い。 一般式
【化】 上記一般式()において、Xは種々の置換基
を表わし、nは0〜4の整数を表わす。nが2以
上のとき、Xは同一でも異なつていてもよく、ま
た互いに結合して環を形成してもよい。B+は一
般式()におけるものと同義である。 Xおよび前記Zで完成される複素環に結合する
置換基の好ましい例としては、−CO2 -B+(例えば
−CO2K,−CO2Na,
【式】 等)、−SO3 -B+(例えば−SO3K,−SO3Na,
【式】等)、水素原子、ハロゲ ン原子(例えばC,F,Br,I等)、シアノ
基、ニトロ基、水酸基または置換もしくは非置換
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、カルボキシ
メチル等)、シクロアルキル基、(例えばシクロヘ
キシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基
等)、アリール基(例えばフエニル基等)、アルケ
ニル基(例えばビニル基、アリル基等)、アルキ
ニル基(例えばエチニル基等)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエト
キシ基等)、アリールオキシ基(例えばフエノキ
シ基等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アシル基(例え
ばアセチル基、ベンゾイル基等)、アミノ基(例
えばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、ア
ルキルチオ基(例えばメチルチオ基等)、アリー
ルチオ基(例えばフエニルチオ基等)、複素環基
(例えばピリジン基等)、アルキルスルホニル基
(例えばメチルスルホニル基等)、アリールスルホ
ニル基(例えばフエニルスルホニル基等)、もし
くはカルバモイル基(例えばフエニルカルバモイ
ル基、ジエチルカルバモイル基等)が挙げられ
る。また、Xが互いに結合して環を形成する場合
の環としては、ベンゼン環などが挙げられる。 B+の好ましい例としては、Li+,Na+,K+
Cs+,N+(CH34
【式】
【式】
【式】
【式】(C2H53 + NH等が挙げられる。 錯化剤の好ましい具体例を以下に挙げる。
【式】
【式】
【化】
【式】
【式】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【式】
【式】
【式】
【式】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【化】
【化】
【式】
【式】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【式】
【式】
【化】
【式】
【式】
【式】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】 次に一般式()について説明する。Mは
Ca2+,Ba2+,Sr2+,Mg2+,Zn2+,Co2+,Ni2+
Cu2+,Mn2+またはFe2+を表わし、Yは酸化物イ
オン、水酸化物イオン、炭酸イオン、ケイ酸イオ
ン、ホウ酸イオンまたはアルミン酸イオンを表わ
す。とmは、それぞれ、MとYの各々の価数が
均衡を保てるような整数を表わす。 Yとしては、特に、酸化物イオン、水酸化物イ
オン、炭酸イオンが好ましい。 なお、MYmは結晶水を有していてもよく、
また複塩(塩基性塩)を形成していてもよい。 また、これらの金属化合物、そして前記錯化剤
は2種以上混合して用いてもよい。 一般式()で表わされる水に難溶な金属化合
物の具体例を以下に挙げる。 CaCO3,ZnO,Zn(OH)2、塩基性炭酸亜鉛、
塩基性炭酸マグネシウム、Co(OH)2、塩基性炭
酸コバルト、Cu(OH)2、塩基性炭酸銅、Ni
(OH)2、塩基性炭酸ニツケル、MnCO3,Fe
(OH)2,BaCO3,SrCO3等。 一般式()のうち、特に好ましい一般式
()で表わされる錯化剤と一般式()で表わ
される金属化合物の組合わせとしては、次のもの
が挙げられるが、本発明はこれらに限られるもの
ではない。
【表】
【表】
【表】
【表】 本発明における錯化剤のうち特に好ましいもの
である一般式()で表わされる錯化剤は、一般
に次のようにして合成できる。 第1のルートとしては、ジヤーナル オブ ア
メリカン ケミカル ソサイヤテイ(J.Am.
Chem.Soc.),71,4152(1949)、同誌、76,3167
(1954)、ジヤーナル オブ オルガニツク ケミ
ストリー(J.Org.Chem.),14,14(1949)、オル
ガニツク シンセシス コレクシヨン(Org.
Syntheses Coll.),第3巻、740(1955)等に記載
のα−ピコリン誘導体の酸化を利用するものが挙
げられ、模式的に次のように表わされる。
【化】 また、第2のルートとしては、ジヤーナル オ
ブ アメリカン ケミカル ソサイヤテイ(J.
Am.Chem.Soc.),78,4130(1956)、ケミストリ
イ アンド インダストリイ(Chem.and Ind.),
1958,437等に記載のケリダミン酸エステルのア
ルキル化反応あるいは置換反応を利用するものが
挙げられ、模式的に次のように表わされる。
【化】 本文中に例示したものはすべて既知化合物であ
り、文献に従つて合成することができる。 本発明において、アルカリの発生は、一般式
()で表わされる錯化剤が一般式()で表わ
される金属化合物の金属イオンと錯体を形成する
ことによつて起こる。 その機構について好ましい組合わせ例のなかの
3を例にとつて説明する。 ピコリン酸カリウムと水酸化亜鉛とを水中で混
合すると、下式に従つて、より安定なピコリン酸
の亜鉛錯体を形成する。
【化】 上式は、ピコリン酸カリウムと水酸化亜鉛の比
が2:1の平衡式であるが、文献[エー イー
マーテル、アール エム スミス(A.E.Martell
R.M.Smith)共著、クリテカル スタビリテイ
コンスタンツ第1巻(Critical Stability
Constants Vol.1)]によれば、この他に1:1、
3:1の錯体が存在し、その安定度定数は、次に
示すように非常に大きな値を示す。 log KML=5.30 log KML2=9.62 log KML3=12.92 このように錯体が非常に安定なため、平衡が上
式において右へ大きく傾むいている。それゆえ、
式に従つてアルカリ(上式ではKOH)が効率よ
く発生し、PHが上昇する。 錯化剤として、一般式()のもの以外の一般
式()で表わされる錯化剤と難溶性金属化合物
の組合わせとしては、次のものが例示できる。
【表】 これらの組合わせにおけるアルカリ発生の機構
等は上記の一般式()の場合と同様である。 本発明において、水の存在下とは、錯形成反応
を起こすために媒体として水を用いることを表わ
している。水の供給方法としては、難溶性金属化
合物と錯化剤(結晶)の混合物へ、アルカリを発
生させたい時に外から加える形で用いてもよい
し、錯化剤の水溶液として用いてもよいし、難溶
性化合物の懸濁液として用いてもよい。 本発明のアルカリの発生方法は、例えば、銀塩
写真法、ジアゾ写真法などの画像形成、アニオン
重合性のものの接着剤、塗装の塗膜形成、シーリ
ング・コーキング剤、洗浄剤、かびとり剤等に適
用して有効である。 ジアゾ写真法においては、下式に示すように、
末露光部の残存ジアゾニウム塩とカプラーとを、
アルカリ性の条件下、カツプリング反応させ、ア
ゾ色素を形成させる。
【表】 本発明では、例えば湿式一成分法において、ジ
アゾ感光紙中にジアゾニウム塩とともに難溶性金
属塩の分散物を塗布し、現像剤中にはカプラーと
ともに錯化剤を添加して用いることができる。従
来の湿式法ジアゾ写真では、アルカリ性現像剤を
用いていたが、本発明により中性の現像剤を使用
できることになり、安全性、安定性の上で好まし
い。 銀塩写真法においては、現像すなわちハロゲン
化銀と現像主薬との酸化還元反応はアルカリ性の
条件下で行われるが、感材中に難溶性金属塩を分
散し、現像液中に錯化剤を加えることにより、非
アルカリ性の現像液が使用できることになり、そ
の結果、現像液の安定性、取り扱い性が大幅に向
上する。 また、加熱によつて画像を形成するものについ
ては、特開昭59−218443号の明細書に詳述されて
いる。すなわち、支持体上に少なくともハロゲン
化銀、色素供与性物質およびバインダーを有する
感光材料を微量の水の存在下で加熱して、拡散性
の色素を生成または放出させるとともにこの拡散
性の色素と受像材料に転写させる方式である。こ
の方式に本発明における錯化剤と水に難溶な金属
化合物とを組み合せて用いることができる。 この熱現像方式においては、難溶性金属化合物
と錯化剤はそれぞれ別の支持体上の少なくとも一
層に含有させるのが望ましい。 例えば、難溶性金属化合物は感光材料に、錯化
剤は受像材料に含有させることが好ましい。 また、錯化剤は、関与させる水の中に溶解して
供給してもよい。難溶性金属化合物は特開昭59−
174830号、同53−102733号等に記載の方法で調製
された微粒子分散物として含有するのが望まし
く、その平均粒子サイズは50μ以下、特に5μ以下
が好ましい。 この方式において、難溶性金属化合物または錯
化剤を支持体上の層に含有する場合の添加量は、
化合物種、難溶性金属化合物の粒子サイズ、錯形
成反応速度等に依存するが、各々塗布膜を重量に
換算して50重量%以下で用いるのが適当であり、
さらに好ましくは0.01重量%から40重量%の範囲
が有用である。また錯化剤を関与させる水の中に
溶解して供給させる場合には、0.005mol/な
いし5mol/の濃度が好ましく、特に0.05mol/
ないし2mol/の濃度が好ましい。さらに反
応系の錯化剤の含有量は、難溶性金属化合物の含
有量に対し、モル比で1/100倍ないし100倍、特
に1/10倍ないし20倍が好ましい。 この方式においては、画像露光後または画像露
光と同時に少量の水の存在下で加熱するだけで現
像と同時に銀画像に対応または逆対応する部分に
おいて生成または放出された拡散性(可動性)色
素を色素固定層に移す。 そのため感光材料は、支持体上に少なくともハ
ロゲン化銀、必要に応じて有機金属塩、必要に応
じて還元剤、色素供与性物質、およびバインダー
を含む感光層()と、()層で形成された親
水性で拡散性の色素を受けとめることのできる色
素固定層()より構成される。 上述の感光層()と色素固定層()とは、
同一の支持体上に形成してもよいし、また別々の
支持体上に形成することもできる。色素固定層
()と、感光層()とはひきはがすこともで
きる。例えば、像様露光後均一加熱現像し、その
後、色素固定層()または感光層をひきはがす
ことができる。また感光層()を支持体上に塗
布した感光材料と、固定層()を支持体上に塗
布した受像材料(色素固定材料)とを別々に形成
させた場合には、感光材料に像様露光して色素固
定材料を重ね水の存在下で均一加熱することによ
り拡散性色素を固定層()に移すことができ
る。 色素固定層()は、色素固定のため、例えば
色素媒染剤を含むことができる。媒染剤としては
種々の媒染剤を用いることができ、特に有用なも
のはポリマー媒染剤である。 この方式で用いるハロゲン化銀には特別な限定
はなく、例えば米国特許第4500626号に記述され
ている感光性ハロゲン化銀のいずれも用いること
ができる。 この方式で用いる色素供与性物質とは、高温状
態下で感光性ハロゲン化銀が銀に還元される際、
この反応に対応または逆対応して拡散性色素を生
成または放出する化合物である。色素供与性物質
の例としては、特開昭58−149046号、同59−
154445号、同59−165054号、同59−180548号、同
59−218443号、米国特許第4503137号、同第
4500626号、同第4483914号および同第4455363号、
特願昭60−33491号に記載のものが挙げられる。 バインダーとしては、ゼラチン等の親水性バイ
ンダーが好ましい。 この方式においては、感光性ハロゲン化銀と共
に、有機金属塩を酸化剤として併用することもで
きる。 この場合、感光性ハロゲン化銀と有機金属塩と
は、接触状態もしくは接近した距離にあることが
必要である。 このような有機金属塩の中、有機銀塩は、特に
好ましく用いられる。 上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得
る有機化合物としては、米国特許第4500626号第
52欄〜第53欄等に記載の化合物がある。また特願
昭60−113235号記載のフエニルプロピオール酸銀
などのアルキニル基を有するカルボン酸の銀塩や
アセチレン銀誘導体も有用である。有機銀塩は2
種以上併用してもよい。 この方式の画像形成方法においては、感光材料
中に還元性物質を含有させるのが望ましい。 還元性物質としては一般に還元剤として公知な
ものの他、前記の色素供与性物質の中で還元性を
有するものも含まれる。また、それ自身は還元性
を持たないが現像過程で求核試薬や熱の作用によ
り還元性を発現する還元剤プレカーサーも含まれ
る。 用いられる還元剤の例としては、米国特許第
4500626号の第49〜第50欄に記載のものなどが挙
げられる。 また、この方式で使用する水の量は、感光材料
及び色素固定材料の全塗布膜の重量の少なくとも
0.1倍、好ましくは0.1倍以上で全塗布膜の最大膨
潤体積に相当する溶媒の重量以下(特に全塗布膜
の最大膨潤体積に相当する溶媒の重量から全塗布
膜の重量を差引いた量以下)という少量でよい。 膨潤時の膜の状態は不安定であり、条件によつ
ては局所的ににじみを生ずるおそれがあり、これ
を避けるには感光要素と色素固定要素の全塗布膜
厚の最大膨潤時の体積の相当する水の量以下が好
ましい。 加熱温度は50℃〜水の沸点まで、特に60℃〜
100℃が好ましい。 また本発明は、前記の作用に従い、接着剤、塗
装剤、洗浄剤、かびとり剤等にも応用できる。 発明の具体的作用効果 本発明によれば、前記一般式()で表わされ
る錯化剤と、前記一般式()で表わされる水に
難溶な金属化合物とを、水の存在下で反応させて
いるため、中性化合物より瞬時にアルカリを発生
させることが可能な安定性および安全性に優れた
アルカリの発生方法が得られる。 このようなアルカリの発生方法は、上記の利点
を有するため、例えば銀塩写真法、ジアゾ写真法
などの画像形成、アニオン重合性のものの接着
剤、塗装の塗膜形成、シーリング・コーキング
剤、洗浄剤、かびとり剤等に適用して有効であ
る。 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例および実験例を示
し、本発明の効果をさらに詳細に説明する。 実施例1 (組合わせ例10) ピコリン酸6.15g(50mmol)を、PH=7.2になる
ように1Nの水酸化ナトリウム水溶液約50mlに溶
解させた。この溶液にZnO 2.03g(25mmol)を攪
拌しながら添加した。 得られた混合液のPHを測定すると3分後には
13.2まで上つた。一方ZnOと水の混合液では、PH
=6.6を示した。 実施例 2 一般式()で表わされる錯化剤と一般式
()で表わされる金属化合物との下記の組合わ
せについて実施例1と同様の操作を行なつた。こ
の場合いずれも速かなPHの上昇を観測した。それ
ぞれについて到達PHを以下に示す。
【表】
【表】
【表】 実施例 3 ピコリン酸12.3g(100mmol)、水酸化ナトリウ
ム約4g、水50mlよりピコリン酸ナトリウムの水
溶液(NaOHの量によりPH=7.2に調整)を調製
した。この溶液に塩基性炭酸亜鉛(3Zn(OH)2
2ZnCO3・H2O)2.84g(Zn2+当り25mmol)を攪
拌しながら添加した。得られた混合液のPHは13.8
を示した。 実施例2の組合わせaより錯化剤の量を増加さ
せているが、この増加によりPH値も上昇すること
がわかる。 次にこの混合液を濾過し、1Nの塩酸を用いて
滴定を行なつた。同様に実施例2の組合わせaの
サンプルについても滴定した。その結果、本実施
例のサンプルではNaOHが7.2mmol(効率24%)、
Na2CO3が10mmol(効率100%)発生しているの
が判明し、一方実施例2の組合わせaのサンプル
ではNaOH4.8mmol(16%)、Na2CO36.0mmol
(60%)発生しているのが判明した。 本発明のアルカリの発生方法は効率のよいもの
であることがわかる。 実施例4 (組合わせ例12) ジピコリン酸4.18g(25mmol)をPH7.2になるよ
うに1Nの水酸化ナトリウム水溶液約50mlに溶解
させた(溶液A)。 ジピコリン酸8.36g(50mmol)、NaOH約4gお
よび水50mlよりジピコリン酸ナトリウムの水溶液
(PH=7.2)を調製した。(溶液B)。 溶液AとBに、それぞれ塩基性炭酸亜鉛2.84g
(Zn2+当り25mmol)を加え、PHメーターにてPH
の時間変化を追つた。 結果を以下に示す。
【表】 上記結果より、PHの上昇は非常に早く、PHメー
ターの応答時間を考慮すると、瞬時にPHを13以上
とすることも可能であることがわかる。 実施例5(組合せ例11およびEDTA3Na塩を用い
た場合) ピコリン酸6.15g(50mmol)をPH7.2になるよう
に1Nの水酸化ナトリウム水溶液約50mlに溶解さ
せた(溶液C)。 ピコリン酸3.08g(25mmol)をPH7.2になるよう
に1Nの水酸化ナトリウム水溶液約25mlに溶解さ
せた(溶液D)。 また、EDTA7.3g(25mmol)をPH7.2になるよ
うに1Nの水酸化ナトリウム水溶液約70mlに溶解
させた(溶液E;比較)。 上記溶液C,D,Eにそれぞれ水酸化亜鉛
2.48g(25mmol)を加え、PHメーターにてPHの時
間変化を追つた。 結果を以下に示す。
【表】 上記結果より、本発明の組合せを用いたアルカ
リの発生方法は、米国特許第3260598号明細書に
記載のEDTA3Naの塩と水酸化亜鉛との組合せ
を用いたものに比べて、PH上昇速度が極めて早
く、アルカリ発生量が多く、錯化剤の重量
(または当量)当りのアルカリ発生量が多いこと
から効率が良いことがわかる。また、
EDTA3Naの塩の水溶液は、それ自身弱アルカ
リ性[上記明細書記載値PH8.2:The Merck
Index第8版記載値PH9.3(1%水溶液)]を示すの
に対し、ピコリン酸ナトリウムはほぼ中性であ
り、その点においても好ましい。 そして、上記のような利点は、本発明の錯化
剤が一般式()に示されるようにヘテロ環カル
ボン酸塩の構造であるため、キレート生成速度が
早いこと、すなわちエントロピーの点で有利であ
ること、また本発明の錯化剤は中性水溶液とし
たとき、EDTAのようにフリーのカルボキシ基
が存在しないため、効率が高くなることに起因す
ると考えられる。 実験例1:ジアゾ写真材料への応用 原紙上に下記成分の混合物を用いジアゾ組成物
を100μmの湿潤厚みで塗布した。
【化】 1/2ZnC2 30mg クエン酸 20mg メチレンブルー 0.1mg 塩基性炭酸亜鉛 200mg 乾燥後、通常のジアゾ露光装置で透明なテキス
トオリジナルを通し、紫外線で露光した。露光済
のサンプルを下記組成の現像液で処理した。
【化】
【化】 ホウ砂 10g 水 1000ml 光学濃度1.05をもつポジの紫色画像が得られ
た。 実験例2:カビ取り剤への応用 下記成分より成るカビ取り剤を調製した。 A液(分散液) 酸化亜鉛 2% B液(水溶液) 次亜塩素酸ソーダ 3.6%
【化】
【化】 カビの生えた壁にA液、次いでB液を吹きかけ
たところ、5分後にはカビは消失していた。 従来のカビ取り剤は次亜塩素酸ソーダ 3.6%,
NaOH 1%、界面活性剤 0.8%より成り、PHが
13に近くこれを吹きつけて用いるのは安全上好ま
しくなかつたが、本発明では壁面でA液とB液が
反応してはじめてアルカリ性となるため、安全で
ある。 実験例3:銀塩写真法への応用(乾式処理) 感光性臭化銀を含むベンゾトリアゾール銀乳剤の
調製法 ベンゾトリアゾール6.5gとゼラチン10gを水
1000mlに溶解した。この溶液を50℃に保ち、攪拌
した。次に、硝酸銀8.5gを水100mlに溶かした液
を2分間で上記溶液に加えた。 次に、臭化カリウム1.2gを水50mlに溶かした液
を2分間で加えた。調製された乳剤をPH調整によ
り沈降させ、過剰の塩を除去した。その後、乳剤
のPHを6.0に合わせた。収量は200gであつた。 色素供与性物質のゼラチン分散物の調製法 下記構造の色素供与性物質を10g、
【化】 界面活性剤として、コハク酸−2−エチル−ヘキ
シルエステルスルホン酸ソーダ0.5g、トリ−クレ
ジルフオスフエート(TCP)4gを秤量し、シク
ロヘキサンノン20mlを加え、約60℃に加熱溶解さ
せ、均一な溶液とした。 この溶液と石灰処理ゼラチンの10%溶液100g
とを攪拌混合した後、ホモジナイザーで10分間、
10000rpmにて分散した。 次に、感光性塗布物の調製法について述べる。 (a) 感光性臭化銀を含むベンゾトリアゾール銀乳
剤 10g (b) 色素供与性物質の分散物 3.5g (c) ゼラチン(10%水溶液) 5g (d) 2,6−ジクロロ−4−アミノフエノール
0.2gをメタノール2mlに溶かした溶液 (e) 下記構造の化合物の10%水溶液 1ml
【化】 (f) 水酸化亜鉛(10%水性分散物) 3.0g 以上の(a)〜(e)を混合し、加熱溶解させた後、厚
さ180μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
上に30μmのウエツト膜厚に塗布した。 さらに、この上に保護層として次の組成物を塗
布した。 イゼラチン10%水溶液 30ml ロ水 60ml ハ 2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−S−ト
リアジン 2% 5ml イ)〜ハ)を混合した液を30μmのウエツト膜厚
で塗布し、乾燥して感光材料を作成した。 次に、色素固定材料の作り方について述べる。 ポリ(アクリル酸メチル−コ−N,N,N−ト
リメチル−N−ビニルベンジルアンモニウムクロ
ライド)(アクリル酸メチルとビニルベンジルア
ンモニウムクロライドの比率は1:1)10gを
175mlの水に溶解し、10%石灰処理ゼラチン100g
と均一に混合した。この混合液に2,4−ジクロ
ル−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンの
4%水溶液25mlを加え、二酸化チタンを分散した
ポリエチレンでラミネートした紙支持体上に
90μmのウエツト膜厚に均一に塗布した。 更にこの上にピコリン酸カリウム2.0gと水18
ml、10%ゼラチン20g、コハク酸−2−エチル−
ヘキシルエステルスルホン酸ソーダの1%水溶液
4.8mlを混合溶解した液を30μmのウエツト膜厚に
塗布し、乾燥後媒染層を有する色素固定材料とし
て用いる。 感光材料にタングステン電球を用い2000ルツク
スで10秒間像状に露光した。この露光済みの感光
材料101の乳剤面に20ml/m2の水をワイヤーバー
で供給し、その後色素固定材料と膜面が接するよ
うに重ね合せた。給水した膜の温度が90〜95℃と
なるように温度調整したヒートローラーを用い、
20秒間加熱した後色素固定材料を感光材料からひ
きはがすと、固定材料上に鮮明な像が得られた。
この場合の最高濃度と最低濃度をマクベス反射濃
度計(RD−519)を用いて測定したところ画像
濃度として充分なものであつた。 実施例4:銀塩写真法への応用(湿式処理) 沃臭化銀乳剤の調製法 ゼラチン40gとKBr26gを水3000mlに溶解した。
この溶液を50℃に保ち攪拌した。 次に硝酸銀34gを水200mlに溶かした液を10分
間で上記溶液に添加した。 その後KI3.3gを水100mlに溶かした液を2分間
で添加した。 こうしてできた沃臭化銀乳剤のPHを調整し、沈
降させ、過剰の塩を除去した。 その後PHを6.0に合わせ収量400gの沃臭化銀乳
剤を得た。 下記の組成の塗布物をポリエチレンテレフタレ
ート支持体上に60μmのウエツト膜厚に塗布し乾
燥して感光材料を作成した。 (1) 沃臭化銀乳剤 12g (2) 10%ゼラチン 7g (3) 塩基性炭酸亜鉛の10%水性分散物(平均粒子
サイズ 0.2μ) 10g (4) 1,2−ビス(ビニルスルフオニルアセトア
ミド)エタン 4%水溶液 1ml この感光材料をタングステン電球を用い2000ル
クスで10秒間像状に露光した。その後、下記の現
像液を感材1m2当り1用いて室温で3分間現像
したのち、定着液(富士Fix)に室温で1分間浸
し、さらに3分間水洗し感光させて銀像を得た。
マクベス透過濃度計(TD−504)で測定すると
最高濃度0.94、最低濃度0.10であつた。 現像液処方 亜硫酸ナトリウム 10g ハイドロキノン 6g 1−フエニル−3−ピラゾリドン 0.25g 臭化カリウム 1g ピコリン酸カリウム 8.0g H2Oを加えて 1 実験例5:熱現像カラー感光材料への応用 ベンゾトリアゾール銀乳剤の作り方について述
べる。 ゼラチン28gとベンゾトリアゾール13.2gを水
300mlに溶解した。この溶液を40℃に保ち攪拌し
た。この溶液に硝酸銀17gを水100mlに溶かした
液を2分間で加えた。 このベンゾトリアゾール銀乳剤のPHを調整し、
沈降させ、過剰の塩を除去した。その後、PHを
6.30に合わせ、収量400gのベンゾトリアゾール銀
乳剤を得た。 第5層と第1層用のハロゲン化銀乳剤の作り方
をのべる。 良く攪拌しているゼラチン水溶液(水1000ml中
にゼラチン20gと塩化ナトリウム3gを含み、75℃
に保温したもの)に塩化ナトリウムと臭化カリウ
ムを含有している水溶液600mlと硝酸銀水溶液
(水600mlに硝酸銀0.59モルを溶解させたもの)を
同時に40分間にわたつて等流量で添加した。この
ようにして、平均粒子サイズ0.40μmの単分散立
方体塩臭化銀乳剤(臭素50モル%)を調製した。 水洗、脱塩後、チオ硫酸ナトリウム5mgと4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン20mgを添加して、60℃で化学増感
を行なつた。乳剤の収量は600gであつた。 次に、第3層用のハロゲン化銀乳剤の作り方を
のべる。 良く攪拌しているゼラチン水溶液(水1000ml中
にゼラチン20gと塩化ナトリウム3gを含み、75℃
に保温したもの)に塩化ナトリウムと臭化カリウ
ムを含有している水溶液600mlと硝酸銀水溶液
(水600mlに硝酸銀0.59モルを溶解させたもの)を
同時に40分間にわたつて等流量で添加した。この
ようにして、平均粒子サイズ0.35μmの単分散立
方体塩臭化銀乳剤(臭素80モル%)を調製した。 水洗、脱塩後、チオ硫酸ナトリウム5mgと4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン20mgを添加して、60℃で化学増感
を行なつた。乳剤の収量は600gであつた。 次に、色素供与性物質のゼラチン分散物の作り
方について述べる。 イエローの色素供与性物質(A)を15g、トリイソノ
ニルフオスフエート7.5gを秤量し、酢酸エチル40
mlを加え、約60℃に加熱溶解させ、均一な溶液と
した。この溶液と石灰処理ゼラチンの10%溶液
100gおよび界面活性剤としてドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダの2.5%水溶液60mlとを攪拌混
合した後、ホモジナイザーで10分間、10000rpm
にて分散した。 マゼンタの色素供与性物質(B)を使う事と高沸点
溶媒としてトリクレジルフオスフエートを7.5g使
う以外は、上記方法により同様にしたマゼンタの
色素供与性物質の分散物を作つた。 イエローの色素分散物と同様にして、シアンの
色素供与性物質(C)を使いシアンの色素分散物を作
つた。 これらにより、次表のような多層構成のカラー
感光材料を作つた。
【表】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】 次に色素固定材料の作り方について述べる。 ゼラチン63g、下記構造の媒染剤130gとエチレ
ンジアミン四酢酸三ナトリウム100g(0.28モル)
とを1300mlの水に溶解しポリエチレンでラミネー
トした紙支持体上に45μmのウエツト膜厚となる
ように塗布した後乾燥した。
【化】 さらにこの上にゼラチン35g、1,2−ビス
(ビニルスルフオニルアセトアミドエタン)1.05g
を800mlの水に溶解した液を17μmのウエツト膜厚
となるように塗布乾燥し色素固定材料D−10を作
つた。 さらに色素固定材料D−10で用いたエチレンジ
アミン四酢酸三ナトリウム100gの代わりに表に
示す化合物(添加量)を使用した以外はD−10と
全く同様にして色素固定材料D−11,D−12を作
成した。 上記多層構成のカラー感光材料にタングステン電
球を用い、連続的に濃度が変化しているG,R,
IR三色分解フイルター(Gは500〜600nm、Rは
600〜700nmのバンドパスフイルター、IRは
700nm以上透過のフイルターを用い構成した)を
通して500ルツクスで1秒間露光した。 この露光済みの感光材料の乳剤面に13ml/m2
水をワイヤーバーで供給し、その後表に示す各色
素固定材料と膜面が接するように重ね合せた。吸
水した膜の温度が90〜95℃となるように温度調整
したヒートローラーを用い、25秒間加熱した後色
素固定材料を感光材料からひきはがすと、固定材
料上にG,R,IRの三色分解フイルターに対応
してイエロー、マゼンタ、シアンの像が得られ
た。各色の最高濃度と最低濃度をマクベス反射濃
度計(RD−519)を用いて測定したところ次表
の結果を得た。
【表】 米国特許第3260598号には、Zn(OH)2とエチレ
ンジアミン四酢酸三ナトリウムもしくはクエン酸
三カリウム等との組合せで塩基を発生させる方法
が開示されているが、上表から明らかなように錯
形成化合物として上記特許記載の配位子のアルカ
リ金属塩を用いた場合は極めて低い画像濃度しか
得られないことがわかる。 なお、これら各実験例では、本発明における1
種の組合せの錯化剤と金属化合物を用いたが、上
記の各種の組合せで同等の結果を得た。 以上より、本発明の効果は明らかである。 実施例 6 一般式()で表わされる錯化剤と一般式
()で表わされる金属化合物との下記の組合わ
せについて実施例1と同様の操作を行なつてPHの
上昇について調べた。なお、PH値は、混合してか
ら5秒後のものであり、実施例1と同様にPH7.2
よりスタートした。このスタート値からの上昇値
(ΔPH)も併記する。また、比較例として米国特
許第3260598号明細書記載のEDTA・3NaとZn
(OH)2の組合わせを示す。
【表】
【表】 以上の結果から、本発明の組合わせが、塩基を
速やかに放出できる点で米国特許第3260598記載
の方法より優れていることは明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式()で表わされる錯化剤と、下
    記一般式()で表わされる水に難溶な金属化合
    物とを、水の存在下で反応させることを特徴とす
    るアルカリの発生方法。 一般式() 【化】 一般式() MYm {上記一般式()において、D-は−CO2 -
    −SO3 -または−PO3 2-を表わす。B+は、アルカ
    リ金属イオン、または置換もしくは非置換のグア
    ニジニウムイオン、アミジニウムイオンもしくは
    4級アンモニウムイオンを表わす。kは1または
    2を表わし、一般式()の陰イオン、陽イオン
    の均衡が保てるような関係にある。 Eは−S−,−O−、または−NR2−(R2はH
    または種々の置換基を表わし、またNとNに隣接
    する原子との二重結合を形成するための結合手と
    なつてもよい。)を表わし、上記一般式()で
    示されるようにCに隣接する。ZはCおよびEと
    ともに縮合環を有していてもよい5または6員の
    複素環を完成するのに必要な原子群を表わし、こ
    のような複素環には−D-Bk +または−D-Bk +以外
    の置換基が結合してもよい。R1はHまたは種々
    の置換基を表わし、またCとCに隣接する原子と
    の二重結合を形成するための結合手となつてもよ
    い。 上記一般式()において、MはCa2+,Ba2+
    Sr2+,Mg2+,Zn2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Mn2+
    またはFe2+を表わし、Yは酸化物イオン、水酸
    化物イオン、炭酸イオン、ケイ酸イオン、ホウ酸
    イオンまたはアルミン酸イオンを表わす。とm
    は、それぞれ、MとYの各々の価数が均衡を保て
    るような整数を表わす。なお、MYmは結晶水
    を有していてもよく、また複塩を形成していても
    よい。} 2 Z,CおよびEで完成する縮合環を有してい
    てもよい5または6員の複素環が、ピリジン環、
    キノリン環、ピラジン環、チオフエン環、フラン
    環またはテトラヒドロフラン環である特許請求の
    範囲第1項に記載のアルカリの発生方法。 3 錯化剤が下記一般式()で表わされる特許
    請求の範囲第2項に記載のアルカリの発生方法。 一般式() 【化】 {上記一般式()において、Xは種々の置換
    基を表わし、nは0〜4の整数を表わす。nが2
    以上のとき、Xは同一でも異なつていてもよく、
    また互いに結合して環を形成してもよい。B+
    一般式()におけるものと同義である。}
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