JP4897321B2 - チタンシリカライトモレキュラーシーブおよびその製造方法 - Google Patents

チタンシリカライトモレキュラーシーブおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタンシリカライトモレキュラーシーブおよびその製造方法に関し、詳しくは、5員環を含むMFI構造を有するチタンシリカライトモレキュラーシーブ(TS−1モレキュラーシーブ)およびその製造方法に関する。
チタンシリカライトモレキュラーシーブは、1980年代にはじめて報告された新規なヘテロ原子置換シリカライトモレキュラーシーブである。前記チタンシリカライトモレキュラーシーブとして現在報告されているものには、MFI構造を有するTS−1モレキュラーシーブ、MEL構造を有するTS−2モレキュラーシーブ、より大きい細孔組織を有するTS−48モレキュラーシーブ等がある。これらチタンシリカライトモレキュラーシーブは、さまざまな有機基質の接触酸化、例えば、オレフィン類のエポキシ化、芳香族化合物のヒドロキシル化、シクロヘキサノールのオキシム化およびアルコール類の酸化等に適用することができ、これら接触酸化において優れた反応性および選択性を発揮する。酸化還元モレキュラーシーブ触媒として使用されるこれらチタンシリカライトモレキュラーシーブには、ある工業プロセスへの応用において大いに成功する見込みがある。
前記各種チタンシリカライトモレキュラーシーブの中でも、TS−1モレキュラーシーブは、ZSM−5と同様の構造を有する人造の結晶性多孔材料であり、その骨格内の一部のケイ素をチタンで置き換えることによって得られる。このTS−1モレキュラーシーブは、チタンの接触酸化特性およびZSM−5構造の形状選択性効果により、さまざまな酸化反応において優れた触媒活性および選択性を発揮する。前記TS−1モレキュラーシーブによる接触酸化反応では、一般に、酸化剤として過酸化水素(H22)を用いる。そのため、副生成物が水であるので、従来の酸化反応と比較して環境への害が少なく、かつ取り扱いが容易であるという利点がある。したがって、TS−1モレキュラーシーブは、新たな工業プロセスの開発を可能にする。
TS−1モレキュラーシーブの合成方法は、1981年にマルコ・タラマッソ(Marco Taramasso)らによりはじめて開示された(特許文献1及び2)。その報告によれば、TS−1モレキュラーシーブの調製は、まず、シリカ源およびチタン源と、有機塩基(RN+)およびアルカリ性酸化物(Men/2O)の少なくとも一方とを含む反応混合物を調製する。続いて、その反応混合物を、オートクレーブの中で130〜200℃の範囲で6〜30日間水熱反応による結晶化を行う。さらに、その結晶化生成物を濾過、洗浄、乾燥およびか焼して、最終生成物のTS−1モレキュラーシーブが得られる。前記シリカ源は、テトラアルキルオルトケイ酸塩、コロイド状のSiO2、またはアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる。前記チタン源は、加水分解可能なチタン化合物から選ばれ、好ましくはTi(OC254である。また、前記有機塩基は、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。前記反応混合物は、一般に以下のような組成の範囲を示す。なお、数値はmol%を表す。
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サンガラ(Thangaraj)らは、上記の方法によって合成されたTS−1モレキュラーシーブの骨格内のチタン含有量が極めて低いことを指摘した上で、合成されたTS−1モレキュラーシーブの骨格に含まれるチタンの量を効果的に増加させるTS−1モレキュラーシーブ合成方法を開示した(非特許文献1)。その方法によって、タラマッソの方法で調製されたモレキュラーシーブのSi/Ti値を39から20へ低下させることができたとしている。サンガラの方法は、以下の工程を含む。まず、適量のテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)水溶液をテトラエチルケイ酸エステル溶液に加え、一定時間攪拌しながらその溶液を完全に溶解させる。つぎに、激しく攪拌した状態で、テトラブチルチタン酸エステルのイソプロピルアルコール溶液をゆっくりと加え、透明な液体混合物を得る。このテトラブチルチタン酸エステル溶液は、テトラブチルチタン酸エステルの急速な加水分解による白色のTiO2沈殿物の生成を防ぐために、ゆっくりと滴下しなければならない。15分間攪拌した後、新たに適量のTPAOH水溶液をゆっくりと加え、ついで75〜80℃の範囲で3〜6時間加熱し、反応混合物中のアルコールを除去する。その後、前記混合物をオートクレーブ中に移し、170℃で3〜6日間、水熱反応による結晶化を行い、乾燥させて、TS−1モレキュラーシーブを得る。この方法において、前記反応混合物の組成は、SiO21分子に対しTiO20.01〜0.10分子、TPAOH0.36分子、H2O35分子という分子比で表わされる。
デュ(Du)らは、中国特許1167082号公報(特許文献3)において、TS−1モレキュラーシーブの製造方法を開示している。その方法は以下の手段を含む。まず、チタン源をTPAOH水溶液に溶かし、固形のシリカゲル粒子と均質に混合して反応混合物を得る。つぎに、その反応混合物を、オートクレーブの中で130〜200℃の範囲で1〜6日間、水熱反応により結晶化する。そして、結晶化した反応混合物を一般的な方法で濾過、洗浄、乾燥、およびか焼する。
上記従来技術におけるTS−1モレキュラーシーブの合成方法の主な欠点は、合成の過程で、比較的多い割合のチタン原子が、モレキュラーシーブの骨格形成に寄与できず、不純物を形成することである。その不純物は、モレキュラーシーブの空孔内に留まる骨格外チタンとなる。この骨格外チタン部分は、接触酸化において有効な役割を果たし得ないとされており、また、H22等の酸化剤の分解を引き起こすと考えられている。そのため、前記従来の方法で調製されたTS−1モレキュラーシーブは、接触酸化の活性が低くなるおそれがある。さらに、不安定な骨格外チタンを含むため、接触酸化の活性が良好なTS−1モレキュラーシーブを着実に得ることは非常に困難である。したがって、前記従来の製造方法により得られたTS−1モレキュラーシーブは、活性の安定性に劣り従来技術によるTS−1モレキュラーシーブの工業的利用を不利なものにするおそれがある。
英国特許2,071,071号公報 米国特許4,410,501号公報 中国特許1167082号公報 ゼオライト(Zeolite)、1992年、第12冊、第943頁〜第950頁
したがって、本発明の目的は、触媒活性および安定性に優れ、特に酸化反応の触媒として有用なチタンシリカライトモレキュラーシーブおよびその製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、特に、MFI構造を有し、さらに、独自のクリスタリット形態を有するTS−1モレキュラーシーブであって、かつ、前記のような特性を有する新規なTS−1モレキュラーシーブおよびその製造方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、前記モレキュラーシーブの各クリスタリットが空の孔を有することを特徴とするチタンシリカライトモレキュラーシーブである。ここで、「空の孔」とは、前記骨格外チタン等の不純物により塞がれていない空孔を意味する。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、前記の構成を有することにより、触媒活性および安定性に優れ、特に酸化反応の触媒として有用である。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブが触媒活性および安定性に優れる理由は、例えば、以下のように考えられる。すなわち、クリスタリットが薄い壁と空の孔を有する構造を備えることにより、分子、特に反応物質および生成物の中の大きな分子(例えば芳香族化合物)の拡散を容易にすると推測される。このため、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、触媒反応、とりわけ芳香族化合物または環式化合物の接触酸化にとって好都合である。また、本発明によるチタンシリカライトモレキュラーシーブには骨格外TiO2が少ないため、生成されるタールおよびコークスが少なく、触媒活性が低下しにくいと推測される。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、MFI構造を有するチタンシリカライトモレキュラーシーブであることが、チタンの接触酸化特性およびZSM−5構造の形状選択性効果により、さまざまな酸化反応において優れた触媒活性および選択性を発揮するため好ましい。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブにおいて、前記クリスタリットにおける空の孔の長半径は5〜300nmが好ましく、特に好ましくは10〜200nmである。また、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブにおいて、前記空の孔の形状は特に限定されず、円形、長方形、不規則な多角形、不規則な円形またはこれらの組み合わせ等が可能である。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブにおいて、25℃およびP/P0=0.10で1時間測定された前記モレキュラーシーブのベンゼン吸着能力が、少なくとも70mg/gであることが、さらに触媒活性および安定性に優れやすいため好ましい。ここで、P/P0は相対圧力を表す。また、前記ベンゼン吸着能力は通常の静的吸着法によって測定する。前記ベンゼン吸着能力は、より好ましくは80mg/g以上である。
また、本発明のモレキュラーシーブにおいて、前記モレキュラーシーブの結晶粒は、単一のクリスタリットまたは複数のクリスタリットの集合体を含み、前記クリスタリットが空の孔を有することが好ましい。さらに、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブにおいて、SiO2:TiO2のモル比は、5〜500の範囲であることが好ましく、10〜200の範囲であることがより好ましい。
つぎに、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブの製造方法は、未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを、塩基性物質を含む塩基性液に浸漬して塩基処理し、得られた生成物を回収することを含むチタンシリカライトモレキュラーシーブの製造方法である。ここで、「未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブ」とは、本発明の製造方法に係る処理が施されていないチタンシリカライトモレキュラーシーブをいう。前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブは特に限定されず、例えば、前記従来の合成方法等により合成されたものを適宜用いることができる。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブの製造方法は、前記の構成を有することにより、触媒活性および安定性に優れ、特に酸化反応の触媒として有用なチタンシリカライトモレキュラーシーブを製造することができる。
前記塩基処理におけるメカニズムは、例えば、以下のように考えられる。すなわち、前記塩基処理により、前記骨格外チタンが再びチタンシリカライトモレキュラーシーブの骨格に入ることができるようになり、TiO2等の形態で存在する前記骨格外チタンの量が減少し、空の孔が形成され、さらに、骨格内の有効なチタンの量が増加する。その結果、本発明の製造方法により製造されたチタンシリカライトモレキュラーシーブは、従来のチタンシリカライトモレキュラーシーブと比較して明らかに触媒活性および安定性に優れ、特に接触酸化に有用に用いることができるのである。
前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、MFI型チタンシリカライトモレキュラーシーブであることが、チタンの接触酸化特性およびZSM−5構造の形状選択性効果により、さまざまな酸化反応において優れた触媒活性および選択性を発揮するため好ましい。
本発明の製造方法において、前記塩基処理に際し、未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを前記塩基性液と均質に混合することが好ましい。
前記塩基性液は、前記本発明の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、塩基性物質の水溶液であることが好ましく、または、有機塩基もしくはその水溶液であることが好ましい。さらに、前記有機塩基は、脂肪族アミン、脂肪族アミノアルコールもしくは4級アンモニウム塩基またはそれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい。
前記脂肪族アミンは、一般式R2(NH2nで表される脂肪族アミンであることが特に好ましい。ただし、R2は炭素数1から6までの飽和炭化水素基を表し、nは1または2である。また、前記脂肪族アミンは、エチルアミン、ノルマルブチルアミン、ブタンジアミンまたはヘキサンジアミンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが最適である。
前記脂肪族アミノアルコールは、一般式(HOR3mNH3-mで表される脂肪族アミノアルコールであることが特に好ましい。ただし、R3は炭素数1から4までの飽和炭化水素基を表し、mは1から3までの整数である。また、前記脂肪族アミノアルコールは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも一種類であることが最適である。
前記4級アンモニウム塩基は、一般式R4 4NOHで表される4級アンモニウム塩基であることが特に好ましい。ただし、R4は炭素数1から4までの飽和炭化水素基であり、好ましくは炭素数2から4までの飽和炭化水素基である。また、前記4級アンモニウム塩基はテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドであることが最適である。
前記塩基処理において用いる各試薬の使用量比は、前記本発明の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、モレキュラーシーブ100gに対し、有機塩基を0.0050〜0.50mol、水を5〜200molの比で用いることが好ましく、モレキュラーシーブ100gに対し、有機塩基を0.010〜0.15mol、水を20〜80molの比で用いることがより好ましい。
前記塩基処理中の液温および浸漬する時間は、前記本発明の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、液温は120〜200℃の範囲が好ましく、浸漬する時間は1〜192時間の範囲が好ましい。前記液温は、特に好ましくは150〜180℃の範囲であり、前記浸漬時間は、特に好ましくは、2〜120時間の範囲である。
前記塩基処理は、オートクレーブの中で行うことが、高い圧力が得られるため好ましい。この時の圧力は特に限定されないが、通常は自然発生圧力下で行ってよく、また、より高い圧力をかけてもよい。
また、本発明の製造方法では、前記塩基処理を複数回繰り返すことが、より触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいため好ましい。
本発明の製造方法において、前記塩基処理に先立ち、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを、酸性物質を含む酸性液に浸漬して酸処理することを含むことが、より触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいため好ましい。この酸処理におけるメカニズムは、例えば、前記塩基処理について述べたメカニズムと同様であると考えられる。
前記酸処理に際し、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを前記酸性液と均質に混合することが好ましい。
前記酸性液は、前記の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、酸性物質の水溶液であることが好ましい。また、前記酸性物質は、一般式R1(COOH)xで表される脂肪酸を含むことが好ましい。ただし、R1は炭素数1から4までの飽和炭化水素基を表し、xは1または2である。さらに、前記酸性物質は、塩化水素、硫酸、リン酸、硝酸およびフッ化水素からなる群から選ばれる少なくとも一種類の無機酸を含むことが好ましい。さらに、前記酸性物質は、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよびフッ化アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種類の酸性塩を含むことが好ましい。
前記酸処理において用いる各試薬の使用量比は、前記の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、モレキュラーシーブ100gに対し、酸性物質を0.010〜2.0mol、水を5〜250molの比で用いることが好ましく、モレキュラーシーブ100gに対し、酸性物質を0.080〜0.80mol、水を10〜100molの比で用いることがより好ましい。
前記酸処理中の液温および浸漬する時間は、前記の効果を奏する範囲内で適宜選択することができるが、液温は5〜95℃の範囲が好ましく、浸漬する時間は5〜360分の範囲が好ましい。前記液温は、特に好ましくは15〜60℃の範囲であり、前記浸漬する時間は、特に好ましくは10〜180分の範囲である。
前記酸処理は、複数回繰り返すことが、さらに触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいため好ましい。また、前記酸処理と前記塩基処理を交互に繰り返すことが、特に触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいためより好ましい。
本発明によれば、触媒活性および安定性に優れ、特に酸化反応の触媒として有用なチタンシリカライトモレキュラーシーブおよびその製造方法を提供することができる。本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、とりわけ芳香族化合物または環式化合物の接触酸化にとって好都合である。また、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、モレキュラーシーブとしての物性を有しているから、触媒用に限定されるものでなく、従来公知のモレキュラーシーブと同様の用途に適宜用いることができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
以下に、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブの製造方法の一例を示す。まず、未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを準備する。この未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブとしては、特に限定されないが、TS−1モレキュラーシーブが好ましい。合成方法も特に限定されず、従来技術による合成方法、例えば前記サンガラらの文献(ゼオライト(Zeolite)、1992年、第12冊、第943頁〜第950頁)に記載の方法等により合成したものを適宜用いることができる。前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、合成したものをそのまま用いてもよいし、か焼した後用いてもよい。このときのか焼には有機テンプレートを用いてもよいし、用いなくてもよいが、有機テンプレートを用いてか焼し、その後前記有機テンプレートを取り除いて用いるのが好ましい。また、市販品が入手可能な場合は、それをそのまま用いてもよい。
つぎに、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを塩基処理する。まず、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを、有機塩基および水とよく混合する。有機塩基としては、前記各種有機塩基を適宜用いることができる。これら有機塩基は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。前記有機塩基は、4級アンモニウム塩を含むことが好ましく、特に、脂肪族アミノアルコールもしくは4級アンモニウム塩またはこれらの混合物を用いることが好ましい。この時用いるモレキュラーシーブ、有機塩基および水の使用量比は、例えば、モレキュラーシーブ100gに対し有機塩基0.005〜0.50mol、水5〜200molであり、好ましくは、モレキュラーシーブ100gに対し有機塩基0.010〜0.15mol、水20〜80molである。そして、前記混合物をオートクレーブに移し、自然発生圧力下において、120〜200℃の範囲で1〜192時間、好ましくは、150〜180℃の範囲で2〜120時間反応させる。このとき、必要に応じ、自然発生圧力より高い圧力をかけてもよい。その結果得られた生成物を濾過し、ついで洗浄し、そして乾燥し、さらにか焼して、目的のチタンシリカライトモレキュラーシーブを得ることができる。
前記塩基処理は、一回だけ行ってもよいが、複数回繰り返して行うと、前記骨格外チタン等をより効果的に取り除くことができ、触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいため好ましい。
(実施形態2)
以下に、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブの製造方法のその他の一例を示す。まず、未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを、実施形態1と同様にして準備する。
つぎに、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを酸処理する。まず、前記未処理のチタンシリカライトモレキュラーシーブを、酸性物質および水とよく混合する。酸性物質としては、前記各種酸性物質を適宜用いることができる。これら酸性物質は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。前記酸性物質の中でも、無機酸が特に好ましい。この時用いるモレキュラーシーブ、酸性物質および水の使用量比は、例えば、モレキュラーシーブ100gに対し酸性物質0.010〜2.0mol、水5〜250molであり、好ましくは、モレキュラーシーブ100gに対し酸性物質0.080〜0.80mol、水10〜100molである。そして、前記混合物を、5〜95℃の範囲で5〜360分、好ましくは、15〜60℃の範囲で10〜180分反応させて、酸処理されたチタンシリカライトモレキュラーシーブを得る。
そして、前記酸処理されたチタンシリカライトモレキュラーシーブを、実施形態1と同様にして塩基処理する。必要に応じ、塩基処理に先立って、洗浄および乾燥を行ってもよい。前記塩基処理の結果得られた生成物を濾過し、ついで洗浄し、そして乾燥し、さらにか焼して、目的のチタンシリカライトモレキュラーシーブを得ることができる。
前記酸処理および塩基処理は、一回ずつのみ行ってもよいが、それぞれ複数回行ってもよく、酸処理と塩基処理を交互に行ってもよいし、塩基処理のみを複数回繰り返してもよい。そのようにすると、前記骨格外チタン等をより効果的に取り除くことができ、触媒活性および安定性に優れたチタンシリカライトモレキュラーシーブが得やすいため好ましい。
最終的に得られるチタンシリカライトモレキュラーシーブ中のクリスタリットの有する空孔は、実施形態2の方が実施形態1よりも大きい傾向がある。しかし、どちらの方法でも本発明の目的を達成することが可能である。
以上のようにして本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブを製造することができるが、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは以上の製造方法に限られず、他の製造方法により製造してもよい。
本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、触媒活性および安定性に優れ、特に酸化反応の触媒として有用である。その使用方法は特に限定されず、従来公知の触媒、特に公知のチタンシリカライトモレキュラーシーブと同様の方法で使用することができる。また、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、モレキュラーシーブとしての物性を有しているから、上記の用途に限定されるものでなく、従来公知のモレキュラーシーブと同様の用途に適宜用いることができる。
(実施例)
本発明について、さらに、さまざまな具体的実施例とともに説明する。以下の実施例では、TPAOHは、東京化成株式会社(Tokyo Kasei Organic Chemicals)製の製品を用いた。他の試薬はすべて市販品を用いた。チタンシリカライトモレキュラーシーブの透過型電子顕微鏡画像は、日本電子株式会社製のJEM−2000 FX−II 透過型電子顕微鏡(TEM)によって撮影した。低温でのN2吸着脱着等温線は、ASTM D4222−98の標準的な方法にしたがって測定した。X線回折結晶状態図は、Bruker D5005機器(独国製)によって測定した。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、引例(ゼオライト(Zeolite)、1992年、第12冊、第943頁〜第950頁)の記載に従い、以下の方法で合成した。すなわち、まず、22.5gのTEOS(テトラエチルオルトケイ酸エステル)と7.0gのTPAOH溶液および59.8gの蒸留水とをよく混合した。さらに、大気圧下において、60℃で1時間加水分解を行い、TEOS加水分解溶液を得た。この溶液に、1.1gのテトラブチルチタン酸エステルおよび5.0gの無水イソプロピルアルコールからなる溶液を、激しく攪拌しながらゆっくりと加えた。得られた混合物を、75℃で3時間攪拌し、澄んだ透明なコロイドを得た。このコロイドをステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を170℃で一定に保ちながら6日間置いた。その後、このようにして得られた結晶化生成物の混合物を濾過し、pH値が6〜8の範囲になるまで蒸留水で洗浄し、110℃で1時間乾燥させて、合成したままのTS−1材料粉末を得た。この合成したままのTS−1材料粉末を、空気中において550℃で4時間か焼し、未処理のTS−1モレキュラーシーブを得た。
前記未処理のTS−1モレキュラーシーブと硫酸溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対し硫酸0.15mol、水150molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物を90℃で5時間反応させた。そして、得られた生成物を通常の方法で濾過、洗浄および乾燥して、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとトリエタノールアミン、TPAOHおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しトリエタノールアミン0.20mol、TPAOH0.15mol、水180molの比で混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を190℃で一定に保ちながら12時間反応させた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとフッ化水素酸溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対しフッ化水素酸0.25mol、水60molの比で均質に混合した。そして、この混合物を50℃で3時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとTPAOHおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しTPAOH0.010mol、水80molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を170℃で一定に保ちながら24時間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとリン酸溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対しリン酸1.55mol、水250molの比で均質に混合した。そして、この混合物を68℃で0.3時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとヘキサンジアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しヘキサンジアミン0.50mol、水200molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を140℃で一定に保ちながら6日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブと硝酸アンモニウム溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対し硝酸アンモニウム3.25mol、水200molの比で均質に混合した。そして、この混合物を大気温度(25℃)で1.5時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとノルマルブチルアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しノルマルブチルアミン0.18mol、水30molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を160℃で一定に保ちながら4日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において500℃で4時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
前記合成したままのTS−1材料粉末を、実施例1と同様にして合成した。この合成したままのTS−1材料粉末と塩酸溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対し塩酸0.75mol、水260molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物を15℃で6.0時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとブタンジアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しブタンジアミン0.30mol、水10molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製のオートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を155℃で一定に保ちながら3日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において600℃で2時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとシュウ酸溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対しシュウ酸4.5mol、水30molの比で均質に混合した。そして、この混合物を80℃で2.5時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとジエタノールアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しジエタノールアミン0.30mol、水50molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を165℃で一定に保ちながら2日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとフッ化アンモニウム溶液および水とを、モレキュラーシーブ100gに対しフッ化アンモニウム0.05mol、水80molの比で均質に混合した。そして、この混合物を35℃で4.5時間反応させた。通常の方法で濾過、洗浄および乾燥を行い、酸処理されたTS−1モレキュラーシーブを得た。前記酸処理されたTS−1モレキュラーシーブとテトラエチルアンモニウムヒドロキシドおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しテトラエチルアンモニウムヒドロキシド0.25mol、水60molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、温度を175℃で一定に保ちながら3日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
前記未処理のTS−1モレキュラーシーブの代わりに実施例7で得られたTS−1モレキュラーシーブを用いる以外は実施例7と同様にして目的とする本発明のTS−1モレキュラーシーブを得た。つまり、実施例7の手順を二回繰り返すことによって、すなわち、本発明の方法による酸処理および塩基処理をそれぞれ複数回行うことによって、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとテトラエチルアンモニウムヒドロキシドおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しテトラエチルアンモニウムヒドロキシド0.25mol、水60molの比で均質に混合した。そして、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、175℃で3日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとトリエタノールアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しトリエタノールアミン0.25mol、水60molの比で均質に混合した。そして、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、150℃で3日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
まず、未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成した。つぎに、前記未処理のTS−1モレキュラーシーブとテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、エチルアミンおよび水とを、モレキュラーシーブ100gに対しテトラエチルアンモニウムヒドロキシド0.15mol、エチルアミン0.10mol、水80molの比で均質に混合した。つぎに、この混合物をステンレス製オートクレーブに移し、自然発生圧力下において、175℃で3日間置いた。その後、冷却し、常圧にもどし、通常の方法で濾過、洗浄、乾燥を行い、さらに空気中において550℃で3時間か焼し、本発明による改良されたTS−1モレキュラーシーブを得た。
(比較例)
未処理のTS−1モレキュラーシーブを、実施例1と同様の方法で合成し、この未処理のTS−1モレキュラーシーブを比較例とした。
(TEMによる写真撮影)
実施例1〜実施例11および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブについて、透過型電子顕微鏡(TEM)画像の写真撮影を行った。図1〜図11に実施例1〜実施例11の、図12に比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブのTEM写真を示す。倍率は、図3(実施例3)のみ2万5千倍、それ以外はすべて5万倍である。図示のように、実施例のチタンシリカライトモレキュラーシーブでは、空孔の明瞭な像がTEM写真により示された。これに対し、比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブでは、空孔がTEM写真により明瞭に示されなかった。
(X線回折)
実施例1〜実施例11および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブについて、X線回折を行った。図13に、実施例1のチタンシリカライトモレキュラーシーブのX線回折結晶状態図を示す。実施例2〜実施例11および比較例については、特に図示しないが、図13と同様のパターンを示し、実施例1と同様の結晶構造を有することが示された。
(ヒステリシスループ)
実施例1〜実施例11および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブについて、低温でのN2吸着脱着ヒステリシスを測定した。図14〜図24に実施例1〜実施例11の、図25に比較例1のチタンシリカライトモレキュラーシーブの、前記測定による等温線を示す。なお、図中の「STP」は、標準温度および標準圧力での測定であることを示す。図14〜図24に示す通り、実施例のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、N2の吸着等温線と脱着等温線との間に、明らかなヒステリシスループが存在した。これに対し、図25に示す通り、比較例のチタンシリカライトにおけるそれらの等温線の間には明らかなヒステリシスループは確認されなかった。また、出願人らの研究によると、ヒステリシスループは、上記チタンシリカライトモレキュラーシーブのクリスタリットにおける空洞構造に関係しているらしい。すなわち、クリスタリットの有する空孔が大きくなればなるほど、上記ヒステリシスループが大きくなる傾向があるようである。
(触媒活性および選択性)
実施例1〜実施例11および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブについて、それぞれ触媒活性および選択性を測定した。測定方法を以下に示す。
まず、冷却器を取り付けた三つ口フラスコを準備した。つぎに、その中にチタンシリカライトモレキュラーシーブ、フェノール(ヒドロキシベンゼン)およびアセトンを入れてよく混合した。この混合物の組成は、重量比で、TS−1モレキュラーシーブ:フェノール:アセトン=1:20.0:16.0とした。さらに、前記混合物を通常の方法により80℃まで加熱し、攪拌しながら、30重量%濃度の過酸化水素水を、フェノールとH22の重量比が1:0.39となるように加えた。そして、前記温度を維持したまま6時間反応を継続した。得られた生成物は、30m×0.25mmのOV−101毛管カラムを備えたバリアン(Varian)3400クロマトグラフで分析した。その結果を表1に示す。なお、表1において、フェノール転化率、ジヒドロキシベンゼン選択性および各生成物の選択性は、式1〜式5により定義するものとする。
(式1)
フェノール転化率(%)=((カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数+キノンのmol数)/投入されたフェノールのmol数)×100
(式2)
ジヒドロキシベンゼン選択性(%)=((カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数)/(カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数+キノンのmol数))×100
(式3)
カテコール選択性(%)=(カテコールのmol数/(カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数+キノンのmol数))×100
(式4)
ヒドロキノン選択性(%)=(ヒドロキノンのmol数/(カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数+キノンのmol数))×100
(式5)
キノン選択性(%)=(キノンのmol数/(カテコールのmol数+ヒドロキノンのmol数+キノンのmol数))×100
Figure 0004897321
表1からわかる通り、フェノール選択性は、実施例6が比較例とほぼ同じであり、それ以外の実施例ではいずれも比較例よりも高かった。また、ジヒドロキシベンゼン選択性においては、すべての実施例が、比較例よりも高い値を示した。
(触媒活性の安定性)
実施例1および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブをフェノールのヒドロキシル化に用いた場合における接触酸化の触媒活性の安定性を以下の方法により調べた。
まず、実施例1および比較例のチタンシリカライトモレキュラーシーブをそれぞれ型から押し出し、直径0.9〜1.25mmの範囲の円筒状粒子に成形した。つぎに、この粒子を固定床反応器に充填した。さらに、フェノールとアセトンとH22の重量比が1:1.25:0.39の組成を有する反応物を準備した。そして、この反応物を、大気圧下において、80℃で、毎時間、触媒1g当たり1.0gのフェノールの割合で触媒床を通過させ、一定時間ごとに生成物の組成を追跡した。生成物の組成の追跡は、30m×0.25mmのOV−101毛管カラムを備えたバリアン(Varian)3400クロマトグラフで分析した。その結果を表2に示す。フェノール転化率は、前記と同様、式1で定義される。
Figure 0004897321
表2からわかるとおり、本発明によって得られたチタンシリカライトモレキュラーシーブは、比較例で得られたチタンシリカライトモレキュラーシーブに比べ、接触酸化の反応性および活動安定性に優れている。上記反応を、チタンシリカライトモレキュラーシーブの触媒再生を行うことなく160時間行った場合、本発明によるチタンシリカライトモレキュラーシーブ触媒は高い触媒反応性を維持したが、比較例によるチタンシリカライトの反応性は明らかに低下した。すなわち、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、触媒反応における安定性に優れている。
以上、実施例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実施例ではTS−1モレキュラーシーブを用いたが、本発明はこれ以外のチタンシリカライトモレキュラーシーブにも用いることができる。また、触媒活性とその選択性および安定性の調査では、フェノールのヒドロキシル化を行ったが、本発明のチタンシリカライトモレキュラーシーブは、これ以外の反応、特に接触酸化の触媒として好適に用いることができる。
図1は、実施例1のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図2は、実施例2のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図3は、実施例3のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図4は、実施例4のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図5は、実施例5のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図6は、実施例6のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図7は、実施例7のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図8は、実施例8のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図9は、実施例9のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図10は、実施例10のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図11は、実施例11のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図12は、比較例のモレキュラーシーブの顕微鏡写真(TEM写真)である。 図13は、実施例1のモレキュラーシーブのX線回折結晶状態図である。 図14は、実施例1のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図15は、実施例2のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図16は、実施例3のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図17は、実施例4のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図18は、実施例6のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図19は、実施例6のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図20は、実施例7のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図21は、実施例8のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図22は、実施例9のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図23は、実施例10のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図24は、実施例11のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。 図25は、比較例のモレキュラーシーブの、標準温度および標準圧力におけるN2吸着脱着等温線である。

Claims (3)

  1. MFI構造を有するチタンシリカライトモレキュラーシーブであって、
    前記モレキュラーシーブの各クリスタリットが、長半径が5〜300nmの範囲である空の孔を有することを特徴とするチタンシリカライトモレキュラーシーブ。
  2. 25℃およびP/P0=0.10で1時間測定された前記モレキュラーシーブのベンゼン吸着能力が、少なくとも70mg/gである請求項1記載のチタンシリカライトモレキュラーシーブ。
  3. 前記モレキュラーシーブの結晶粒は、単一のクリスタリットまたは複数のクリスタリットの集合体を含み、前記クリスタリットが空の孔を有する請求項1又は2に記載のチタンシリカライトモレキュラーシーブ。
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