本発明は、さまざまな修正形態や代替形態を許すが、本発明の特定の実施態様を、例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。図面は、原寸通りでない場合がある。しかし、図面とそれに対する詳細な説明が、本発明を開示された特定の形に制限することを意図されたものではなく、逆に、その意図が、請求項によって定義される本発明の趣旨および範囲に含まれるすべての修正形態、同等物、代替形態を含むことを理解されたい。
用語「ウェハ」は、一般に、半導体材料または非半導体材料から形成された基板を指す。そのような半導体材料または非半導体材料の例に、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウムが含まれるが、これに制限はされない。そのような基板は、半導体製造施設で一般に見られ、かつ/または処理されている。
ウェハに、一般に、バージン・ウェハ(virgin wafer)など、基板だけが含まれる場合がある。その代わりに、ウェハに、基板上に形成できる1つまたは複数の層が含まれている場合もある。たとえば、そのような層に、レジスト、誘電材料、導電材料が含まれるが、これに制限はされない。レジストには、光リソグラフィ技法、電子ビーム・リソグラフィ技法、またはX線リソグラフィ技法によってパターン形成できるレジストが含まれる。誘電材料の例に、二酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、窒化チタニウムが含まれるが、これに制限はされない。誘電材料の追加の例に、米国カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.社が市販するBlack Diamond(商標)および米国カリフォルニア州サンノゼのNovellus Systems,Inc.社が市販するCORAL(商標)などの「low−k」誘電材料、「xerogels」などの「ultra−low k」誘電材料、五酸化タンタルなどの「high−k」誘電材料が含まれる。さらに、導電材料の例に、アルミニウム、ポリシリコン、び銅を含めることができるが、これに制限はされない。
ウェハに形成される1つまたは複数の層は、パターンありまたはパターンなしとすることができる。たとえば、ウェハに、再現可能なパターンフューチャを有する複数のダイを含めることができる。材料のそのような層の形成および処理が、最終的に、完成した半導体デバイスをもたらすことができる。したがって、ウェハに、完全な半導体デバイスの層の一部が形成されていない基板または完全な半導体デバイスのすべての層が形成されている基板が含まれる場合がある。
「レチクル」または「マスク」は、一般に、実質的に不透明の領域および/または部分的に不透明の領域が形成され、パターンに構成された実質的に透明の基板と定義される。この基板に、たとえば、水晶などのガラス材料を含めることができる。レチクルは、リソグラフィ・プロセスの露光ステップ中にレジストによって覆われたウェハの上に置くことができ、レチクルのパターンをレジストに転写することができる。たとえば、レチクルの実質的に不透明の領域が、その下にあるレジストの領域をエネルギー源への露出から保護することができる。
本明細書で使用される用語「デザイナ・インテント・データ」は、用語「設計情報」と交換可能に使用される。さらに、本明細書で、いくつかの実施形態を集積回路に関して説明するが、これらの実施形態が、MEMS(microelectromechanical)デバイスやその類似物など、他の半導体デバイスにも同様に適用できることを理解されたい。さらに、用語「集積回路」は、用語「半導体デバイス」と交換可能に使用される。
ここで図面に話を移すが、図面のそれぞれに示されたステップが、それぞれの方法の実践に必須ではないことに留意されたい。図面のそれぞれに示された方法のいずれかから1つまたは複数のステップを省略することができ、また1つまたは複数のステップを追加することができ、それでもこれらの実施形態の範囲内でそれらの方法を実践することができる。図1は、レチクルの検査によって作られた検査データに基づいてウェハ上のニューサンス欠陥を識別することを含むコンピュータで実施される方法を示す流れ図である。図1に示された方法は、デザイナ・インテント・データを利用することによる、ウェハ検査、ウェハ欠陥分類、ウェハ欠陥レビュー、ウェハ欠陥分析の改善された方法を提供する。
図1からわかるように、この方法は、ステップ10に示されているように、レチクルの検査によって作られた検査データを入手することを含む。検査データの入手に、レチクルを検査することを含む。いくつかの実施形態では、検査データの入手に、レチクルの検査に使用される検査システムから検査データを受け取ることを含む。他の実施形態では、検査データの入手に、ファブ・データベースから検査データを受け取ることを含む。ファブ・データベースは、ツール・ヒストリ、ウェハ・ヒストリ、レチクル・ヒストリなど、ファブ内で実行されたプロセスのすべてに関する情報を含む。ファブ・データベースは、全体的なファブ管理システムで使用するのに適するデータの任意のセットをも含む。そのようなシステムの例が、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、ラメイ(Lamey)他のPCT出願第WO 99/59200号に示されている。データは、この方法を実行するように構成されたプロセッサまたはファブ・データベースに送られる前に、検査システムに結合されたプロセッサによって処理される。それに加えてまたはその代わりに、データを、この方法を実行するように構成されたプロセッサによって受け取られた後に処理することもできる。
図2の概略図に示されているように、たとえば、検査システム12を使用して、レチクルを検査することができる。この検査システムは、レチクルの検査中に検査データを生成する。図2に示された検査システム12の個々の構成要素は、当技術分野で既知であり、したがって、本明細書ではこれ以上説明しない。レチクル検査システムの1つの構成が図2に示されているが、この検査システムは、当技術分野で既知のすべてのレチクル検査システムを含む。適切な検査システムの例に、米国カリフォルニア州サンノゼのKLA−Tencor社から入手可能なSL3UVシステムやTeraStarシステムが含まれる。さらに、この検査システムを、エリアル・イメージング(aerial imaging)ベースのレチクル検査システムとすることができる。検査データは、プロセッサ14によって受け取られる。このプロセッサ14は検査システムに結合されている。いくつかの実施形態では、プロセッサ14を検査システムに組み込むことができる。その場合に、データは、プロセッサ14からこの方法を実行するように構成されるプロセッサ16に送られる。いくつかの実施形態では、プロセッサ16をイメージ・コンピュータとすることができる。さらに、プロセッサ16は、当技術分野で既知の任意の適切なプロセッサを含む。異なる実施形態では、検査データを、プロセッサ14からファブ・データベース18に送るようにしてもよい。その場合に、データを、ファブ・データベースからプロセッサ16に送ることができる。上の実施形態のどれにおいても、データを、両方のプロセッサによって使用するか解釈することができる共通データ構造(KLA−Tencor社が市販するKLARFFなど)を有するファイルとして送ることができる。
検査システム12、プロセッサ11、46、ファブ・データベース18は、図2に示されているように、ワイヤ、ケーブル、無線伝送パス、および/またはネットワークなどの伝送媒体によって結合される。伝送媒体に、「有線」部分と「無線」部分を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ16に、ウェハ検査システム(図示せず)を組み込むことができる。他の実施形態では、プロセッサ16を独立プロセッサとすることができる。どの実施形態でも、プロセッサ16をウェハ検査システムに結合することができ、このプロセッサは、ウェハの検査によって生成されたデータを受け取ることができる。他の実施形態では、プロセッサ16がファブ・データベース18からウェハ検査データを受け取る。いくつかの実施形態では、プロセッサ16に送られるデータが、レチクルで検出された欠陥の座標と欠陥のイメージを含む。
伝統的に、集積回路(IC)設計とIC製造は、最小限のオーバーラップを有する明らかに別々のアクティビティであった。しかし、技術的現状の製造テクノロジは、この2つのアクティビティの間の実質的な相互作用を必要としている。このコラボレーションのほとんどが行われる場所が、TCADレイアウト・フェーズであり、ここでは、ICデザイナからの概略図が、物理的に配置され、ルーティングされる。このコラボレーションは、一般にDFM(Design for Manufacturability)と称するが、ウェハ検査に関する多数の問題をもたらした。しかし、本明細書で説明する方法は、これらの問題の多くに対処している。
たとえば、図1からわかるように、レチクルの検査によって作られた検査データ10をデザイナ・インテント・データ20と組み合わせて使用して、ステップ22に示されているようにレチクル上の許容可能な欠陥を判定することができる。デザイナ・インテント・データに、レチクルの領域の異なるタイプ、レチクル上のフューチャの異なるタイプ、および/またはレチクル上のフューチャの異なる部分を識別する指定を含む。領域、フューチャ、またはフューチャの部分の異なるタイプに、たとえば、本明細書で詳細に説明するように、クリティカル領域と非クリティカル領域、クリティカルフューチャと非クリティカルフューチャ、またはフューチャのクリティカル部分とフューチャの非クリティカル部分を含む。指定は、IC設計から生成される回路パターン・データベースに応じて異なることもある。IC設計は、EDA(electronic design automation)、コンピュータ支援設計(CAD)、その他のIC設計ソフトウェアなど、当技術分野で既知の任意の方法またはシステムを使用して開発することができる。そのような方法やシステムは、IC設計から回路パターン・データベースを生成するのに使用することができる。回路パターン・データベースには、ICのさまざまな層の複数のレイアウトを表すデータが含まれる。したがって、回路パターン・データベースのデータを使用して、複数のレチクルのレイアウトを決定することができる。レチクルのレイアウトは、一般に、レチクル上のパターン内のフューチャを定義する複数のポリゴンを含む。各レチクルは、ICのさまざまな層の1つを製造するのに使用される。ICの層に、たとえば、半導体基板内の接合パターン、ゲート誘電体パターン、ゲート電極パターン、レベル間誘電体内のコンタクト・パターン、メタライゼーション層の相互接続パターンを含む。
回路パターン・データベースに、上で説明した指定を含む。この指定には、たとえば、レチクル上の異なるタイプの領域、フューチャ、またはフューチャの部分に関連するフラグまたはタグを含む。しかし、この指定に、別のタイプからあるタイプの領域、フューチャ、またはフューチャの部分を区別するのに適する目印を含む。レチクル上の領域、フューチャ、またはフューチャの部分あるいは領域、フューチャ、またはフューチャの部分の一部のそれぞれを、指定に関連付けることができる。レチクルのレイアウトを表す回路パターン・データベースのデータは、指定を表す回路パターン・データベースのデータとは別にすることができる。さらに、異なるタイプの指定を、回路パターン・データベース内で分離することができる。たとえば、回路パターン・データベースに、レチクル上のクリティカルな領域、フューチャ、またはフューチャの部分の指定を含むデータの第1セットと、レチクル上の非クリティカルな領域、フューチャ、またはフューチャの部分の指定を含むデータの第2セットを含む。その代わりに、異なる指定を、データの単一のセットに組み合わせることができる。レチクルのレイアウトと指定を表すデータは、検査システムまたは別のプロセッサに結合されたプロセッサによって可読の任意の形を有するようにすることができる。たとえば、データに、1つまたは複数のフューチャと、そのフューチャに関連するレチクル内の空間的位置を含むファイルまたは他の可読データを含む。各フューチャに、本明細書に記載のように1つまたは複数のポリゴンまたは他の形状を含めることができ、レチクル内の空間的位置を、ポリゴンまたは形状のそれぞれに関連付けることもできる。したがって、このデータを使用してレチクルを製造することができる。
デザイナ・インテント・データとレチクル検査の使用の方法の追加の例が、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、グラッサ(Glasser)他の米国特許第6529621号と、グラッサ(Glasser)他のPCT出願第WO 00/36525号に示されている。本明細書に記載のシステムまたは方法に、グラッサ(Glasser)他によって示された要素またはステップのどれでも含めることができる。デザイナ・インテント・データは、ウェハ検査システム、欠陥レビュー・ツール、および/または欠陥分析ステーションのプロセッサに直接に供給することができる。一例では、デザイナ・インテント・データを、上で説明したものなどの伝送媒体を介して、ウェハ・インスペクタ、欠陥レビュー・ツール、および/または欠陥分析ステーションのプロセッサに直接に送ることができる。分析ステーションの一例が、KLA−Tencor社が市販するKlarity defects製品である。Klarity defects製品は、ウェハ・インスペクタ(wafer inspector)からとられたデータのオフライン分析を提供する。
一部のレチクルに、位相シフト・フューチャまたは光近接効果補正(OPC)フューチャが含まれる。一実施形態では、この方法に、ウェハ上のそのようなレチクルの印刷性をシミュレートすることを含む。このシミュレーションは、KLA−Tencor社から入手可能なPROLITHなどのシミュレーション・プログラムまたは当技術分野で既知の他の適切なシミュレーション・プログラムを使用して実行することができる。このシミュレーションは、レチクルを表すデータおよび/またはレチクルの検査によって生成されたデータに基づいている。さらに、この方法に、シミュレーション結果とデザイナ・インテント・データに基づいて、レチクル上のクリティカル欠陥と非クリティカル欠陥を区別することを含む。さらに他の実施形態では、この方法に、レチクルを表すデータから位相シフト・フューチャまたはOPCフューチャを除去することを含む。位相シフト・フューチャまたはOPCフューチャは、PROLITHなどのシミュレーション・プログラムを使用することによって除去することができる。その後、デザイナ・インテント・データを使用して、レチクル上の非クリティカル欠陥を識別し、任意選択としてレチクル上の非クリティカル欠陥をフィルタ・アウトすることができる。レチクル・データから位相シフト・フューチャまたはOPCフューチャを除去することによって、レチクル上のクリティカル欠陥と非クリティカル欠陥の区別を単純にすることができる。
許容可能な欠陥は、レチクルの非クリティカル部分にある、レチクル上の欠陥として識別することができる。いくつかの場合に、許容可能な欠陥を、テスト構造など、レチクルの非クリティカルフューチャに近接して位置する欠陥として識別することができる。さらに、許容可能なレチクル欠陥を、所定の範囲の横寸法または横寸法に関する所定のしきい値より小さい横寸法を有する欠陥として識別することができる。その代わりに、許容可能なレチクル欠陥を、特性がその特性の所定の範囲の外になるようには位相や透過などのレチクルの特性を変更しないレチクル欠陥として識別することができる。他の場合に、許容可能なレチクル欠陥を、そのレチクルを用いて露光されたウェハに印刷されない欠陥として識別することができる。その代わりに、許容可能なレチクル欠陥を、パターンが特性の所定の範囲の外にある1つまたは複数の特性を有しない、そのレチクルを用いて露光されたウェハに印刷されるパターンを変更しないレチクル上の欠陥として識別することができる。たとえば、許容可能な欠陥は、ウェハに印刷されるフューチャの横寸法を変更することになるが、横寸法の許容範囲の外になるようには横寸法を変更しないレチクル欠陥である。
一般に、許容可能なレチクル欠陥は、レチクル、レチクルのクリティカル部分、ウェハ上のパターン、またはウェハのクリティカル部分の特性を、その特性の所定の範囲の外になるようには変更しないレチクル上で見つかる欠陥である。したがって、レチクル上の許容可能な欠陥は、製造のためにレチクルをリリースする前に修理しなくてもよい。許容可能なレチクル欠陥を許容することは、そのような欠陥がウェハに繰り返して印刷されることになる。したがって、許容可能なレチクル欠陥は、そのレチクルを用いてウェハに印刷されるパターンを、印刷されるパターンが「理想的な」パターンから逸脱するように変更することになる。したがって、許容可能なレチクル欠陥によって引き起こされる印刷されたウェハ上のパターンの変化が、ウェハの検査中にウェハ上の欠陥として識別される場合がある。ウェハ検査システムは、これらの欠陥にフラグを立てる(これらが、一般に、アレイ検出モードまたはランダム検出モードで差として目立つので)。それと同時に、ユーザが関心を持つ、ウェハ上の他の繰り返される欠陥がある場合がある。したがって、ウェハ検査プロセスでは、多数の繰り返される欠陥が見つけるが、そのうちの一部が「ニューサンス欠陥」である場合があり、ユーザは、欠陥分類とレビューでこれらの繰り返し欠陥を分析しなければならない。このように、デザイナ・インテント原理を使用するようにウェハ検査プロセスを適合させずにレチクル検査にデザイナ・インテント・データを適用することは、ウェハ検査、欠陥分類、レビューに関する実際の問題を提示する。その結果、ウェハ検査結果が、許容可能なレチクル欠陥から生じる許容可能なウェハ欠陥によってゆがめられることになる。さらに、欠陥分類とレビューの精度とスループットが、大きく下がることになる。しかし、本明細書に記載の方法は、欠陥が「クリティカル欠陥」であるかどうか、および欠陥が単にニューサンス欠陥であるかどうかを判定する方法を提供するので有利である。このよにして、本明細書に記載の方法は、ウェハ検査システムまたはウェハ検査プロセッサに、許容可能なレチクル欠陥によって引き起こされる多数の欠陥で溢れるのをなくすことができる。したがって、本明細書に記載の方法は、より明瞭に分析し利用することのできるウェハ検査結果を与える。
本明細書で使用する用語「ニューサンス欠陥」は、一般に、ウェハに形成されるパターンを変更せず、そのパターンから形成される電気要素が特性の所定の範囲内の1つまたは複数の特性を有するような、ウェハ上の欠陥を指す。対照的に、本明細書で使用する用語「クリティカル欠陥」は、一般に、ウェハに形成されるパターンを変更し、そのパターンから形成される電気要素が特性の所定の範囲の外の1つまたは複数の特性を有することになる、ウェハ上の欠陥を指す。いくつかの実施形態では、クリティカル欠陥は、欠陥によって影響されるパターン形成されたウェハ上の欠陥またはフューチャを、パターン形成されたウェハの設計限度と比較することによって、ニューサンス欠陥または他の「非クリティカル欠陥」から区別することができる。クリティカル欠陥は、設計限度の外の1つまたは複数の特性を有するようにパターン形成されたウェハを変更する欠陥として分類することができる。
この方法に、ステップ26に示されているように、レチクルを使用してウェハにパターン形成することも含めることができる。ウェハのパターン形成には、一般に、ウェハ上にレジストの層を形成することが含まれる。ウェハとその上に形成されたレジストの層を、露光ツール内に置く。露光ツールは、一般に、レチクルを介してレジスト上に光を向けることによって、レジストの層を露光する。露光ツールは、走査型投影システムまたは、「ステッパ」とも呼ばれるステップアンドリピート・システムなどである。露光ツールには、Nikon社、ASM Lithography社、Canon社、またはIntegrated Solutions,Inc.社から市販されているツールなどの当技術分野で既知の露光ツールを含む。レジストを露光した後に、ウェハを現像し、レジストの一部を除去する。レジストの残りの部分が、ウェハ上でパターンを形成する。
この方法に、さらに、ステップ28に示されているように、ウェハを検査することが含まれる。ウェハを、当技術分野で既知の任意の方法を使用して検査する。たとえば、ウェハを、斜めの入射角でウェハを照らし、ウェハから散乱する光を検出することによって検査することができる。その代わりにまたはそれに加えて、ウェハを、ウェハから鏡面反射される光を検出することによって検査することができる。さらに、光学技法または電子ビーム検査技法などの非光学技法を使用してウェハを検査することもできる。ウェハを、当技術分野で既知の任意の検査システムを使用して検査することもできる。適切な検査システムの例に、いずれもKLA−Tencor社から入手可能な2351システム、AIT XPシステム、AIT TFHシステム、eS25システム、Surfscan SP1DLSシステム、Viper 2401システム、Viper 2430システムが含まれる。いくつかの実施形態では、この方法に、ウェハの検査を含めないことができる。いくつかの実施形態では、この方法に、ウェハ検査システムまたはファブ・データベースからウェハ検査データを入手することを含む。ウェハ検査データは、図2に示し、説明したように、ウェハ検査システムまたはファブ・データベースから入手することができる。
さらに、この方法に、ステップ30に示されているように、ウェハ上のニューサンス欠陥を識別することを含む。ニューサンス欠陥は、ウェハの検査の前にウェハ上にパターンを形成するのに使用されたレチクルの検査によって作られた検査データに基づいて識別することができる。たとえば、ニューサンス欠陥は、許容可能なレチクル欠陥と判定されたレチクル上の欠陥の結果としてウェハ上に形成される。このようにして、この方法に、許容可能と判定されたレチクル欠陥を識別することと、これらの許容可能なレチクル欠陥から生じた対応するウェハ欠陥を突き止めることを含むことになる。これらの欠陥が、許容可能であり、半導体デバイスの歩留まりを下げないことがわかっているので、この方法を実行するように構成されたプロセッサに、欠陥位置と他の欠陥特性(すなわち、サイズ、アスペクト比など)など、レチクル検査プロセス中に生成することのできる、許容可能なレチクル欠陥に関するデータを与えることができる。たとえば、この方法を実行するように構成されたプロセッサは、上で説明した、ウェハにパターン形成するのに使用されたレチクルのレチクル検査データを受け取ることができる。このプロセッサは、許容可能なレチクル欠陥に対応するウェハ欠陥を識別することができ、これらの欠陥に「実際の欠陥」としてフラグを立てないようにすることができる。用語「実際の欠陥」は、本明細書で、許容可能なレチクル欠陥の結果でないウェハ上の欠陥を指すのに使用される。
さらに、図1に示されているように、この方法に、ステップ24に示されているように、レチクル上の欠陥の位置の座標をウェハ上の1つまたは複数の位置の座標に変換することを含む。いくつかの実施形態では、許容可能なレチクル欠陥の位置の座標を、ウェハ上の1つまたは複数の位置の座標に変換する。このようにして、欠陥がウェハ上のこれらの1つまたは複数の位置で検出された場合に、その欠陥を、許容可能なウェハ欠陥または「ニューサンス欠陥」として識別することができる。他の実施形態では、パターン形成されたウェハ上でのレチクル欠陥の影響が未知の場合に、レチクル欠陥の座標をウェハ上の1つまたは複数の位置の座標に変換する。ウェハを、そのレチクルを用いて露光することができ、ウェハ上の1つまたは複数の位置を検査するか他の形で分析して、レチクル欠陥の印刷性またはレチクル欠陥が印刷されたパターンに対して有する影響を判定することができる。
他の実施形態では、方法に、レチクルの検査によって作られた検査データに基づいて、ニューサンス欠陥が形成されるウェハ上の位置を識別することを含む。その方法に、ニューサンス欠陥が形成される位置が検査されないように、ウェハ検査の1つまたは複数のパラメータを選択することも含めることができる。類似する形で、この方法に、ニューサンス欠陥がレビューされないように、ウェハ欠陥レビューの1つまたは複数のパラメータを選択することを含む。さらに他の実施形態では、この方法に、ニューサンス欠陥が分析されないように、ウェハ欠陥分析の1つまたは複数のパラメータを選択することを含む。
一実施形態では、レチクル上の点とウェハ上の対応する点の間の欠陥座標を、自動的に変換する。対照的に、現在、レチクルと対応するウェハとの間の座標の変換は、通常、自動的でない形で実行されている。たとえば、座標の自動的でない変換は、スプレッドシートを使用して手動で実行することができる。しかし、座標の自動変換は、設計情報に基づく欠陥の分析に関して特に有利である。座標変換の一実施形態を、KLA−Tencor社が市販するX−LINKを使用し、レチクル座標とウェハ座標から変換された座標を作成するX−LINK機能を自動化することによって実施することができる。そのような実施形態では、レチクル欠陥イメージを、設計情報に基づいて欠陥を分析するように構成されたプロセッサに送る。いくつかの実施形態では、レチクルからウェハへの座標の変換に、変換の精度を自動的に検証することを含めることもできる。
いくつかの実施形態では、レチクル欠陥を、上で説明したように、デザイナ・インテント・データに基づいて、許容可能なレチクル欠陥と判定することができる。さらに他の実施形態では、この方法は、デザイナ・インテント・データをウェハの検査によって生成されたデータと組み合わせて使用して、ウェハ上のニューサンス欠陥を識別することを含む。たとえば、デザイナ・インテント・データを使用して、レチクル上の異なるタイプの領域、フューチャ、またはフューチャの部分を示す。したがって、デザイナ・インテント・データを、同様に、そのレチクルを用いて印刷されたウェハ上の対応する領域、フューチャ、またはフューチャの部分に与えることができる。このようにして、欠陥が突き止められたウェハ上の領域、フューチャ、またはフューチャの部分のタイプに基づいて、ニューサンス欠陥またはクリティカル欠陥としてその欠陥を識別することができる。したがって、デザイナ・インテント・データを使用して、許容可能なレチクル欠陥の結果としてウェハ上に形成されたかそうでないことになる、ウェハ上のニューサンス欠陥を識別することができる。たとえば、デザイナ・インテント・データを使用して、欠陥レジスト層の結果であるウェハ上のニューサンス欠陥を識別することができる。
そのような例の1つで、この方法に、化学的機械的研磨(CMP)ダミー・パッドなどの「ダミー構造」に対応するデザイナ・インテント・データを使用して、ユーザが欠陥について気にしないウェハ上の区域(すなわち、「ドント・ケア区域(don't care area)」すなわちDCA)を識別することを含む。本明細書で使用される用語「ダミー構造」は、半導体デバイスの電気要素を形成しない、パターン形成されたフューチャを指すのに使用される。上で説明したように、ウェハ検査は、2つの主要な課題すなわち、重要な欠陥の検出とニューサンス欠陥のフィルタ・アウトに直面している。CMPダミー・パッドが設計のレイアウトに追加された時に、第2の課題が重要性を増す。というのは、ダミー・パッド上で検出されたニューサンス欠陥をフィルタリングするのに費やされる時間が、大幅に増えることになるからである。さらに、ダミー・パッドの個数が増えるにつれて、ダミー・パッド上で検出される可能性のあるニューサンス欠陥の個数が増える。さらに、ICに含まれる銅ベース相互接続の個数が増えるにつれて、CMPダミー・パッドを含むICの層の個数が、大幅に増える。
CMPダミー・パッド領域の周囲のDCAを手動で識別することは、極端に時間がかかる。しかし、本明細書に記載の方法は、レイアウト・ツールまたはプロセッサを使用して、検査のためにダミー・パッドの周囲のDCAを生成することによって、ニューサンス欠陥のフィルタリングまたはDCAの手動生成に必要な時間を減らすことができる。さらに、ダミー・パッド区域を、検査のためにフィルタ・アウトできるのと同時に、パターン全体の回路区域に対する欠陥検査の感度が維持される。
図3a〜3dに、ウェハ上のDCAを識別するためにICの個々の層データをどのように操作できるかの一例を示す。この例で操作される個々の層データは、ICの第1金属(M1)層の層データである。しかし、個々の層データの類似する操作をICのすべての層について実行できることを理解されたい。まず、個々の層データを、GDSIIファイルから選択する。個々の層データと基準フレームの間のAND演算を実行することによって、図3aに示されているように、M1層のオリジナル・マスクデータを生成する。次に、図3bに示されているように、フレームと層データの間のNOT演算を実行することによって、M1層のうちでパターンがない領域内でダミー・パッドを生成する。したがって、ブール演算の単純なシーケンスによって、M1層のダミー・パッドの簡単な生成が可能になる。
図3cに示されているように、ダミー・データと基準フレームの間でAND演算を実行することによって、第1DCA(DCA1)を識別することができる。しかし、この層の上下の層に悪影響を及ぼすことになる欠陥について検査するために、DCA1のある部分を検査することが有利である場合がある。たとえば、ほとんどの場合に、ダミー・パッド自体の欠陥は、回路性能の展望からは重要でない。しかし、これらの欠陥の一部が、別の層または次の層の欠陥に寄与する場合があり、この場合に、これらが、実際の回路パターンの崩壊を引き起こすことになる。しかし、DCAの手動生成は、DCAが決定されつつある層の上下に形成される層の知識なしで実行される。対照的に、DCA1データとこの層の上下の層のデータ(すなわち、M1層の場合に、M2層、M3層、M4層のデータ)の間のNOT演算を実行することによって、ダミー区域をさらにフィルタリングして、実際のDCAデータ(すなわち、DCA2)を決定することができる。たとえば、図3dに示されているように、M2層の層データとオーバーラップするダミー区域をDCA1から除去することができる。というのは、このオーバーラップするダミー・パッド上の欠陥が、M2層のフューチャの1つまたは複数の特性に悪影響を及ぼすことになるからである。
この方法に、DCAのサイズを変更することも含めることができる。たとえば、ブール演算によって生成されたDCAの一部が、検査システム・ステージ・アセンブリおよび/またはイメージ・コンピュータによって効果的に管理するのに小さすぎるか大きすぎる寸法を有する場合がある。DCAの生成の後に、DCAのサイズを、検査ツールが処理できる最小寸法(すなわち、xμm)を介して増やすか減らすことができる(すなわち、DCA3=DCA2−xまたはDCA3=DCA2+x)。さらに、比較的小さいDCAを、層全体のDCAデータから除去することができる。このようにして、あるDCAを、サイズを変えるかある層のDCAデータから除去すると同時に、ICの別の層の欠陥に影響を及ぼすことになるDCA内の欠陥の識別を可能にすることができる。
DCAデータを、レチクル検査システム、ウェハ検査システム、欠陥レビュー・システム、および/または分析システムに供給する。さらに他の実施形態では、デザイナ・インテント・データまたはウェハの異なる区域に関連するクリティカルさに関する情報を、レチクル検査システム、ウェハ検査システム、ウェハ欠陥レビュー・ツール、および/またはウェハ欠陥分析ツールに送る。レチクル検査システムまたはウェハ検査システムは、DCAデータおよび/またはデザイナ・インテント・データを使用して、DCA内で検出されたニューサンス欠陥をフィルタ・アウトすることによって、またはDCA内で検査を全く実行しないことによって、レチクルまたはウェハ上の実際の欠陥を検出する。このようにして、ウェハのうちで重要なまたは最も重要な区域だけを検査するように、ウェハ・インスペクタおよび/またはレチクル・インスペクタを構成することができる。
類似する形で、欠陥レビュー・システムは、DCAデータおよび/またはデザイナ・インテント・データを使用して、ウェハのうちで重要な区域(すなわち、非DCA区域)または最も重要な区域だけをレビューする。言い換えると、ウェハ欠陥レビューの1つまたは複数のパラメータを、ウェハの異なる区域に関連するクリティカルさに基づいて決定する。一実施形態では、この1つまたは複数のパラメータを、ウェハのクリティカルな部分に位置する欠陥だけがレビューされるように選択することもできる。このパラメータは、ウェハの異なるクリティカルな部分について異なるものとすることができる。さらに、欠陥レビュー・システムは、DCAデータまたはデザイナ・インテント・データを使用して、実際の欠陥とニューサンス欠陥を区別することができる。もう1つの例で、欠陥分析システムは、DCAデータおよび/またはデザイナ・インテント・データを使用して、ウェハのうちで重要な区域(すなわち、非DCA区域)または最も重要な区域だけを分析することができる。たとえば、ウェハ欠陥分析の1つまたは複数のパラメータを、ウェハの異なる区域に関連するクリティカルさに基づいて決定することができる。この1つまたは複数のパラメータを、ウェハのクリティカルな部分に位置する欠陥だけが分析されるように選択することができる。このパラメータは、ウェハの異なるクリティカルな部分について異なるものとすることができる。さらに、分析ステーションは、DCAデータまたはデザイナ・インテント・データを使用して、実際の欠陥とニューサンス欠陥を区別することができる。
異なる実施形態では、レチクル検査システムまたはウェハ検査システムによって生成されたデータを、DCAを生成するように構成されたプロセッサに送る。このプロセッサは、検査によって生成されたデータをDCAデータと組み合わせて使用して、DCA内で検出された欠陥をフィルタ・アウトすることによって、またはDCAに対応する検査データに対して欠陥検出を実行しないことによって、レチクルまたはウェハ上の実際の欠陥を識別する。
この方法に、ステップ32に示されているように、ウェハ上の実際の欠陥からウェハ上のニューサンス欠陥を分離することを含めることもできる。一実施形態では、ニューサンス欠陥を、単純にニューサンス欠陥に欠陥としてフラグを全く立てないか識別しないことによって、実際の欠陥から分離することができる。したがって、ウェハ検査中に生成されるデータに、ニューサンス欠陥を表すデータが含まれなくなる。他の実施形態では、ニューサンス欠陥と実際の欠陥に異なる指定を割り当て、両方のタイプの欠陥が記録され、異なる指定に基づいて分離できるようにする。さらに他の実施形態では、ニューサンス欠陥ファイルまたはニューサンス欠陥リストを、実際の欠陥ファイルまたは実際の欠陥リストと別に生成する。ニューサンス欠陥ファイルまたはニューサンス欠陥リストは、ユーザがアクセス可能としてもしなくてもよい。たとえば、いくつかの例で、ユーザが、実際の欠陥だけに関心を持ち、したがって、ニューサンス欠陥ファイルまたはニューサンス欠陥リストの必要がない場合がある。他の例で、ユーザが、ニューサンス欠陥の許容可能性の検証、半導体デバイス歩留まりに対するニューサンス欠陥の影響の判定、または他のデータとオーバーレイさせてのニューサンス欠陥の表示など、ニューサンス欠陥のさらなる処理または分析のためにこのリストにアクセスすることができる。他の実施形態では、ニューサンス欠陥データを、ツール対ツールの比較または較正に使用する。たとえば、ニューサンス欠陥データを使用して、異なる型とモデルの検査システムまたは同一の型とモデルの検査システムを較正するか比較することができる。異なる型および/またはモデルの検査システムを比較する場合に、ニューサンス欠陥を、KLARFFなどの共通データ構造を有するファイルとしてストアすることができる。
ステップ34に示されているように、この方法に、ニューサンス欠陥を表すデータではなく、実際の欠陥を表すデータを処理することが含めまれている。たとえば、ニューサンス欠陥を表すデータは、この欠陥が許容可能であると前に判定されているので、さらなる処理、分類、レビュー、または分析を行わない。ニューサンス欠陥データの処理を除去することによって、実際の欠陥データの処理が、より単純に、おそらくはより正確に、よりすばやくなる。実際の欠陥を表すデータの処理は、実際の欠陥の横寸法の判定、実際の欠陥の材料の判定、実際の欠陥の分類、実際の欠陥のレビュー、実際の欠陥の根本原因の分析を含むが、これに制限はされない。
いくつかの実施形態では、この方法に、ステップ36に示されているように、ウェハの2次元マップを生成することを含む。一実施形態では、ニューサンス欠陥を、ウェハ上で検出された他の欠陥と共にこのマップに示す。そのような実施形態では、ニューサンス欠陥を、1つまたは複数の異なる指定によって、マップ内の他の欠陥から区別する。他の実施形態では、ニューサンス欠陥を、このマップに示さない。したがって、そのマップは、ウェハ上で検出された実際の欠陥だけを示する。このようにすると、ニューサンス欠陥が除去されているので、マップを、ユーザまたはプロセッサがよりすばやく分析することができる。2次元マップは、ウェハ全体(すなわち、ウェハ・マップ)またはウェハの一部だけ(すなわち、1つまたは複数のダイ・マップ)を示す。一実施形態では、この方法に、ウェハのさまざまな部分を示す複数の2次元マップを生成することを含む。さらに、この方法に、ウェハのクリティカル部分を示す複数の2次元マップを生成することを含む。ウェハのさまざまな部分のタイプは、マップ内で、異なる色、フラグ、または他のしるしを使用して示してもよい。いくつかの実施形態では、2次元マップを、PROLITHデータ区域、欠陥区域、検査区域などの他のデータにオーバーレイさせることができる。
追加の実施形態では、この方法に、ステップ38に示されているように、ニューサンス欠陥がウェハ上で最終的に製造される半導体デバイスの歩留まりに影響するかどうかを判定することを含む。たとえば、歩留まりに対する許容可能なレチクル欠陥の実際の影響を適宜分析する。一実施形態では、許容可能なレチクル欠陥の実際の影響を、パターン形成されたウェハ上に形成された電気要素に対して実行される電気テストによって分析することができる。電気テストは、完全な半導体デバイスが電気要素から形成される前またはその後に実行することができる。他の実施形態では、許容可能なレチクル欠陥の実際の影響を、パターン形成されたウェハから形成される電気要素の電気的特性のシミュレーションによって分析する。シミュレーション・プログラムに、許容可能なレチクル欠陥から生じたウェハ欠陥に関する特定の情報を供給する。この特定の情報に、計測学、検査、または他の分析テストの結果を含む。
他の実施形態では、この方法に、ステップ40に示されているように、許容可能なレチクル欠陥が正しく分類されたかどうかを判定するためにニューサンス欠陥を分析することを含む。たとえば、ニューサンス欠陥が、ウェハ上で製造された半導体デバイスの歩留まりに対して有する影響(ステップ38で判定することができる)を使用して、レチクル欠陥が実際に許容可能であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、レチクル欠陥の許容可能性を判定するためにニューサンス欠陥を分析することに、さらに、高解像度イメージングなど、計測学技法または実験的技法を含む。他の実施形態では、レチクル欠陥の許容可能性を判定するためにニューサンス欠陥を分析することに、ニューサンス欠陥を表すデータの分析または処理を含む。たとえば、モデル化を使用して、ニューサンス欠陥がウェハ上に形成されるデバイスの電気的特性に対して有する影響を判定する。
許容可能なレチクル欠陥が正しく分類されなかった場合に、この方法に、ステップ42に示されているように、レチクルを分析し、リワークし、または廃棄しなければならないかどうかを判定することを含む。たとえば、レチクルを分析して、サイズ、材料、位相特性と伝送特性、レチクル上の他のフューチャへの近接など、不正に分類された欠陥に関する情報を生成する。さらに、レチクルのリワークに、不正に分類された欠陥の修理または不正に分類された欠陥のレチクルからの除去を含む。修理プロセスに、ケミカリ・アシステッド・レーザ・リムーバル(chemically assisted laser removal)、レーザ誘起衝撃波除去(laser induced shock wave removal)、またはパーティクル・ビーム・アシステッド・リペア(particle beam assisted repair)を含む。ケミカリ・アシステッド・レーザ・リムーバル・ツールの例が、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、イスラエル国のOramir Semiconductor Equipment Ltd.社のジェヌ(Genut)他、「Chemically Assisted Laser Removal of Photoresist and Particles from Semiconductor Wafers」、28th Annual Meeting of the Fine Particle Society、1998年4月1〜3日で提示に示されている。レーザ誘起衝撃波除去ツールの例が、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、ヴォート(Vaught)への米国特許第5023424号に示されている。パーティクル・ビーム・アシステッド・リペア・ツールの例を、当技術分野で既知の収束イオン・ビーム(FIB)技法を実行するように構成することができる。そのようなパーティクル・ビーム・アシステッド・リペア・ツールは、たとえば、米国マサチューセッツ州ピーボディのMicrion Corporation社から市販されている。その代わりに、レチクルのリワークに、エッチング・プロセスまたはストリッピング・プロセスなど、湿式または乾式の洗浄プロセスを使用してレチクルを洗浄することを含む。不正に分類された欠陥が修理可能でない場合には、レチクルを廃棄する。さらに、不正に分類された欠陥の個数が修理のコストを実質的に高める場合に、レチクルを廃棄する。図1に示された方法に、本明細書に記載のすべての方法の他のどのステップでも含めることができる。
図4は、ウェハの検査によって生成されたデータをレチクルを表すデータと組み合わせて分析することによってウェハ上の欠陥を検出することを含むコンピュータで実施される方法を示す流れ図である。この方法は、ステップ44に示されているように、レチクルを表すデータを入手することを含む。レチクルを表すデータに、マクロ・レベル情報(SRAMなど)を含む。マクロ・レベル情報に、一緒にマクロ・レベルにすることができる中間レベル図(メモリ・ページなど)に集められた繰り返される小さい図(セルなど)を含む。レチクルを表すデータを、ロジック内の別個の微細フューチャとすることもできる。そのようなデータは、MEBESファイル、GDSIIファイル、またはレチクルの他の標準ファイル記述で記述される。このファイルに、異なるタイプのレチクルの部分、レチクルのフューチャ、またはレチクルのフューチャの部分を区別する指定など、上で説明したデザイナ・インテント・データを含む。
この方法には、ステップ46に示されているように、ウェハ検査のパラメータを決定することも含まれている。たとえば、ウェハ検査のパラメータの決定に、レチクルを表すデータに基づいて、異なるタイプのレチクルの部分、レチクル上のフューチャ、またはレチクル上のフューチャの部分に対応する異なるタイプのウェハの部分、フューチャ、またはウェハ上のフューチャの部分を識別することを含む。一実施形態では、この方法に、ステップ52に示されているように、ウェハの異なる部分を区別することを含めることもできる。ウェハの異なる部分は、レチクルを表すデータに基づいて判定する。具体的に言うと、ウェハの異なる部分は、本明細書に記載のようにウェハの異なる部分に相関するレチクルの部分の異なるタイプを識別する指定に基づいて判定する。たとえば、レチクルの異なる部分を、レチクルのこれらの異なる部分が印刷されるウェハ上の区域に相関させる。このようにして、ウェハの異なる部分を、クリティカルまたは非クリティカルとして識別することができる。
代替案では、ウェハのクリティカル部分を、ウェハの異なる区域に関連するクリティカルさに基づいて識別する。ウェハの異なる区域のクリティカルさは、上でさらに説明したように、デザイナ・インテント・データに反映させることができる。したがって、ウェハの異なる部分、フューチャ、またはウェハ上のフューチャの部分を、クリティカルまたは非クリティカルとして識別できる。
検査の異なるパラメータを、ウェハの異なる部分、フューチャまたはウェハ上のフューチャの部分に関連付ける。たとえば、異なるクリティカルさを有するクリティカル部分が異なるパラメータを用いて検査されるように、パラメータを選択する。変更できるパラメータに、感度とスループットを含むが、これに制限はされない。一例で、ウェハの部分が非クリティカルとして識別された場合に、ウェハのこの部分を、ウェハのクリティカル部分より低い感度と高いスループットで検査する。もう1つの例で、ウェハのフューチャがクリティカルとして識別された場合に、ウェハのこのフューチャを、ウェハの非クリティカルフューチャより高い感度と低いスループットで検査する。このようにして、ウェハ検査のパラメータをウェハ上で変更して、ウェハのクリティカル部分での検出の精度を下げずに、感度とスループットの間のトレードオフのバランスをとることができる。さらに、ウェハのクリティカル部分またはウェハの重要な部分だけが検査されるように、ウェハの検査のパラメータを選択することができる。したがって、クリティカル部分または重要な部分の検査の適度な感度を維持すると同時に、ウェハ検査の全体的なスループットを高めることができる。
検査の他のパラメータを、類似する形で変更することができる。変更できる追加パラメータに、明視野アレイ検査(bright field array inspection)に使用されるセル・サイズや、KLA−Tencor社から入手可能なAITシステムに含まれるものなどのアレイ検出器に使用される点像分布関数が含まれる。さらに、検査のパラメータを、ウェハごとに変更することができる。この方法に、ウェハ検査のパラメータをセットすることを含めることもできる。ウェハ検査のパラメータをセットすることに、ウェハ検査システムのハードウェアおよび/またはソフトウェアをセット・アップすることを含む。
ステップ48に示されているように、ウェハを、ステップ46で決定されたパラメータを使用して検査する。ウェハは、上で説明したように検査する。さらに、ウェハを、上で説明したウェハ検査システムのいずれかを使用して検査する。いくつかの実施形態では、ウェハ検査を、プロセス・モニタ検査として実行する。そのような検査は、プロセス中またはプロセスがウェハに対して実行された後に実行することができる。さらに、そのようなウェハ検査は、プロセス中またはプロセス後にウェハを自動的に検査するように適切に構成された検査システムによって自動的に実行することができる。プロセス・モニタ検査の結果は、本明細書に記載のように、プロセスを分析するのに使用することができ、プロセスの1つまたは複数のパラメータを変更するのに使用することもできる。ステップ50に示されているように、ウェハの検査はウェハの検査によって生成されたデータを作る。
さらに、ステップ54に示されているように、この方法に、ウェハ上の欠陥検出のパラメータを決定することを含む。欠陥検出のパラメータの決定は、ウェハの部分のタイプに基づいて行われる。変更できるパラメータに、たとえば、しきい値、アルゴリズムのタイプ、および/または検査方法(すなわち、アレイまたはランダム)を含む。いくつかの実施形態では、所定のしきい値を、ウェハの部分の異なるタイプに関連付ける。このようにして、所定のしきい値を、ウェハの部分のタイプに基づいて、ウェハのその部分で欠陥を検出するために選択することができる。一例で、ウェハの部分が、レチクル情報またはデザイナ・インテント・データに基づいてウェハのクリティカル部分であると判定された場合に、ウェハのこの部分に、ウェハの非クリティカル部分に使用されるしきい値より低いしきい値を使用する。このようにして、欠陥検出の感度または方法を、ウェハのクリティカル部分と非クリティカル部分で異なるものにすることができる。さらに、特定の欠陥を、検出された場合であっても無視できるように、検出のパラメータを選択することができる。たとえば、ニューサンス欠陥が検出された場合であってもこれらを無視するように、検出のパラメータをセットする。このようにして、この方法に、異なる領域(すなわち、複数しきい値に基づく領域)の欠陥を検出するための「差しきい値」について、プロセッサまたはイメージ・コンピュータでの検出に関するパラメータをセットすることを含む。したがって、ウェハ上のニューサンス欠陥が、ウェハ上の実際の欠陥として分類されず、検出されないようにすることができる。
さらに他の実施形態によれば、レチクル・データまたはデザイナ・インテント・データと設計のフォールトトレランスに関する情報を使用して、どの欠陥を破棄し、またはニューサンス欠陥として分類するかを判定する。たとえば、欠陥の検出に、ウェハのある部分の他のフューチャが所定のしきい値より大きい横寸法を有する場合に、ウェハのこの部分に関連する所定のしきい値より小さい横寸法を有するウェハのこの部分の欠陥または事象を破棄すること含める。そのような欠陥は、「キラー欠陥(killer defect)」でないことになるので、破棄することができる。異なる例で、ウェハのある部分または設計のセクション内の回路の要素が所定の量の冗長性を有し、ウェハのこの部分の欠陥が所定の密度しきい値を超えない場合に、ウェハのこの部分の欠陥を破棄する。そのような実施形態の1つでは、完成時に回路をテストして、欠陥のある冗長要素を識別する。さらに、この回路を再構成して、非欠陥冗長要素だけを残す。
もう1つの例で、ウェハのクリティカル部分と非クリティカル部分について、異なるアルゴリズムが使用される。したがって、欠陥検出のパラメータを、ウェハ上で変更することができる。さらに、欠陥検出のパラメータを、ウェハごとに変更することもできる。検出の他のパラメータを、類似する形で変更することができる。たとえば、検出された欠陥に、欠陥が突き止められたウェハの部分またはウェハの部分のタイプを示す指定を用いて自動的にタグを付けるように、検出のパラメータを選択する。そのような指定を使用して、クリティカル・ディメンション(CD)測定、走査型電子顕微鏡分析、プロファイル分析、または材料分析などの欠陥の適切な分析を判定する。類似する形で、欠陥に、個々の欠陥に対して実行すべき分析のタイプを直接に示す指示を自動的に割り当てる。
一実施形態では、レチクルの異なる部分をウェハの異なる部分に相関させることに、ステップ56に示されているように、レチクルの座標をウェハの座標に変換することを含む。さらに、この方法に、レチクル上で検出された欠陥の位置の座標をウェハ上の1つまたは複数の欠陥の位置の座標に変換することを含む。レチクルの座標のウェハの座標への変換は、上で説明したように実行する。
この方法に、ステップ58に示されているように、ウェハ上の欠陥を検出することを含む。ウェハ上の欠陥の検出は、ウェハの検査によって生成されたデータをレチクルを表すデータと組み合わせて使用することによって実行する。たとえば、欠陥検出は、ウェハの検査によって生成されたデータを、レチクルを表すデータに基づいて決定された検出のパラメータと組み合わせて使用することによって実行する。
この方法は、ステップ60に示されているように、ウェハ上の層を表すデータを入手することをも含む。この層は、検査されるウェハのレベルの上または下である。一実施形態では、ウェハの検査によって生成されたデータを、レチクルを表すデータとウェハの1つのレベルの上または下のウェハの少なくとも1つの層を表すデータと組み合わせて分析することによって、欠陥検出を実行する。データのこの組合せは、欠陥の上または下のデバイスのフューチャが、いくつかの場合に欠陥のクリティカルさを変更する場合があるので、クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥の区別に使用することもできる。たとえば、欠陥が突き止められたレベルに関してクリティカルでない欠陥が、そのウェハの別のレベルの、その欠陥の上または下に位置するフューチャに関してクリティカルである場合がある。
1つの例で、検査される層が、ICのM3層の形成に使用される場合に、そのICのM2層および/またはM4層に関する情報を入手し、欠陥検出に使用する。このようにして、この方法に、現在処理されまたは検査されている層の上および/または下の1つまたは複数の層を含むIC設計の複数の層の設計情報を使用して、クリティカル欠陥を識別し、非クリティカル欠陥をフィルタ・アウトすることを含む。たとえば、ICの層の「ドント・ケア区域」を、図3a〜3dに関して上で説明したように、ICの別の層のデータに基づいて判定することができる。さらに、「ドント・ケア区域」内で検出された欠陥を、破棄することができる。したがって、ウェハ上の欠陥のクリティカルさは、その欠陥が突き止められた部分のクリティカルさと、その欠陥が突き止められたウェハのレベルの上または下のウェハの少なくとも1つの層を表すデータとに基づいて識別することができる。さらに、「ドント・ケア区域」内で生成された検査データを、欠陥検出中に分析しないようにすることができる。その代わりに、「ドント・ケア区域」を全く検査しないようにすることもできる。
いくつかの実施形態では、本方法は、ウェハの1つのレベルで検出された欠陥の3次元表現を生成することを含む。そのような実施形態の1つで、3次元表現に、ウェハのその1つのレベルのおよび/またはこの1つのレベルの上または下のウェハの少なくとも1つの層の他のフューチャの3次元表現を含む。このようにして、この方法に、設計層の3次元合成物を生成し、レビューされている欠陥のイメージのとなりに表示することを含む。一実施形態では、欠陥が突き止められた層を強調表示することができ、この層の関連する設計構造を、ある種の指定を用いて識別することができる。
一実施形態によれば、レチクル設計情報またはデザイナ・インテント・データを、欠陥の後続分析を決定する要因として使用する。たとえば、この方法は、さらに、ステップ62に示されているように、欠陥が突き止められた部分のクリティカルさに基づいて欠陥の処理を決定することを含む。この処理に、クリティカル・ディメンション(CD)測定、走査型電子顕微鏡分析、または当技術分野で既知の他の計測学、レビュー、もしくは分析などの欠陥の追加の分析テストを含む。一実施形態では、適切な処理を、上で説明したように検出中に欠陥に割り当てられた指定に基づいて決定することができる。たとえば、光学ウェハ検査システムを使用して検出された欠陥を、設計情報によって示されるウェハのクリティカル区域内で突き止めることができる。この場合に、その欠陥を、電子ビーム・レビュー・ツールを使用してレビューする。その代わりに、欠陥が、設計情報から明白なウェハのクリティカル区域に含まれないと思われる場合に、その欠陥のそれ以上のレビューを実行しないようにすることができる。このようにして、クリティカル欠陥として識別された欠陥を、非クリティカル欠陥と別々に処理することができる。
いくつかの実施形態では、欠陥の処理に、ウェハ上の欠陥を修理することを含む。ウェハ上の欠陥の修理は、たとえば、洗浄プロセス、エッチング・プロセス、またはCMPプロセスを使用してウェハ上の複数の欠陥を同時に修理することを含む。その代わりに、ウェハ上の欠陥の修理は、たとえばFIB技法を使用して一時に1つずつ欠陥を修理することを含む。異なるタイプの欠陥を、異なる修理プロセスにかけることができる。たとえば、クリティカル欠陥を、非クリティカル欠陥より正確な修理プロセスにかけることができる。すなわち、クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥を別々に修理する。さらに、ウェハ上で検出されたすべての欠陥のうちの一部だけを修理してもよい。たとえば、クリティカル欠陥を修理し、非クリティカル欠陥を修理しないようにすることができる。
いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ64に示されているように、レチクル上で検出された欠陥の印刷性を分析することを含む。たとえば、レチクル上の欠陥を、ウェハの座標に変換されたレチクルの座標に基づいてウェハ上の欠陥または位置に相関させる。さらに、レチクル欠陥に対応するウェハ上の欠陥または位置を識別し、分析して、そのレチクル欠陥がパターン形成されたウェハにどのように影響するかを判定する。許容可能なレチクル欠陥の印刷性を判定して、これらの欠陥の許容可能性を確認し、または否定する。さらに、許容可能として識別されなかったレチクル欠陥の印刷性も、このようにして分析する。
本方法は、ステップ66に示されているように、ウェハ上で検出された欠陥をクリティカル欠陥または非クリティカル欠陥として分類することをも含む。一実施形態では、欠陥を、その欠陥が突き止められたウェハ上の部分に基づいて、クリティカル欠陥または非クリティカル欠陥として分類する。異なる実施形態では、欠陥を、ウェハ上のクリティカルなまたは非クリティカルなフューチャまたはフューチャの部分への欠陥の近さに基づいて、クリティカル欠陥または非クリティカル欠陥として分類する。たとえば、クリティカルフューチャから約100nm以内にある欠陥を、クリティカルとして識別し、クリティカルフューチャから少なくとも約1000nmにある欠陥を、クリティカルでないものとして識別する。これらの距離は、単に例示的であり、たとえば、フューチャのタイプ(すなわち、ゲート構造またはコンタクト構造)や欠陥のサイズに大きく依存する。追加の実施形態では、レチクル上の許容可能な欠陥に相関するウェハ上の欠陥を、非クリティカル欠陥またはニューサンス欠陥として識別する。さらに他の実施形態では、欠陥を、位相、透過、横寸法など、欠陥の特性に基づいて、クリティカル欠陥または非クリティカル欠陥として分類する。分類のパラメータは、欠陥が突き止められたウェハの部分または欠陥が突き止められたウェハの部分のクリティカルさに基づいて判定される。この場合、欠陥が突き止められたウェハの部分は、欠陥に分類を割り当てる際の要因である。欠陥の分類は、イメージ・コンピュータによってまたは検出後ソフトウェアによって実行される。欠陥の分類に、他の「タイプ」を欠陥に割り当てることをも含めてもよい。たとえば、欠陥の分類に、欠陥をスクラッチ、粒子、またはピットとして識別することを含む。いくつかの実施形態では、欠陥の分類に、当技術分野で既知のDSA(defect source analysis)アルゴリズムまたは当技術分野で既知の他のアルゴリズムもしくは欠陥分類法を使用することを含む。
本方法は、ステップ68に示されているように、上で説明したように検出中に指定が割り当てられていない場合に、欠陥に指定を割り当てることを含む。この指定は、欠陥が突き止められたウェハの異なる部分に関連付ける。さらに、欠陥に割り当てられる指定は、欠陥が突き止められたウェハの部分のクリティカルさに基づいて行われる。この指定に、フラグ、英数字文字、または異なるタイプの欠陥を区別するのに使用できる他の目印を含む。欠陥を表すデータと欠陥に割り当てられた指定は、単一のファイルにストアされる。その代わりに、欠陥を表すデータをあるファイルにストアし、欠陥に割り当てられた指定を異なるファイルにストアすることができる。
ステップ70に示されているように、本方法は、クリティカル欠陥を非クリティカル欠陥から分離することを含む。クリティカル欠陥を非クリティカル欠陥から分離することは、上で説明したように実行する。いくつかの実施形態では、本方法は、許容可能なレチクル欠陥の位置に対応するウェハ上の座標でのウェハの検査によって生成されたデータを、そのウェハ検査によって生成されたデータから除去することを含む。さらに、本方法は、ステップ72に示されているように、クリティカル欠陥を表すデータと非クリティカル欠陥を表すデータを別々に処理することを含む。クリティカル欠陥を表すデータと非クリティカル欠陥を表すデータを別々に処理することは、上で説明したように実行する。
ステップ74に示されているように、本方法は、さらに、クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥に関する情報に基づいて、ウェハに対して実行される処理を分析することを含む。デザイナ・インテント・データを使用することによって、上で説明したように、検査とレビューのためのクリティカル欠陥の識別と非クリティカル欠陥のフィルタ・アウトが可能になる。しかし、一実施形態では、製造プロセスに関する問題の分析と解決に、クリティカル欠陥情報と非クリティカル欠陥情報の両方が使用される。異なる実施形態では、非クリティカル欠陥データを、プロセス分析とトラブルシューティングに選択的に使用することができる。たとえば、本方法は、レチクルを用いてウェハにパターン形成するのに使用されたリソグラフィ・プロセスを分析することを含む。さらに、クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥に関する情報を使用して、リソグラフィ・プロセスの1つまたは複数のパラメータを変更する。たとえば、本方法は、フィードバック制御技法を使用してリソグラフィ・プロセスの1つまたは複数のパラメータを変更することを含む。リソグラフィ・プロセスの1つまたは複数のパラメータを変更して、そのレチクルを使用して処理される追加のウェハで作られるクリティカル欠陥の数を減らすことができる。図4に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
図5は、製造プロセスの分析に欠陥情報を選択的に使用するコンピュータで実施される方法の一実施形態を示す流れ図である。現在の実践では、ファウンドリ(foundry)またはIC製造施設が、特有の欠陥分布を入手するために、さまざまなIC製造ステージを通じてウェハ上で発生する欠陥を検査し、レビューしている。この欠陥分布は、その後、歩留まりの予測、プロセス限度の識別、対処を含むさまざまな目的に使用される。この手法の限度は、欠陥分布が、それぞれの完成したICデバイスの動作に悪影響を有しない欠陥を無視できないことである。本明細書に記載のコンピュータで実施される方法は、製造プロセスの分析に関係する欠陥のより正確な優先順位付けを実現するために欠陥分布を洗練することによってこの制限に対処する。
一実施形態によれば、製造プロセスのプロパティを判定するコンピュータで実施される方法に、その製造プロセス中の異なる時に実行されたウェハ検査によって生成された欠陥情報を入手することを含む。各検査によって生成された欠陥情報はストアされる。たとえば、欠陥情報を、メモリ媒体、データベース、またはファブ・データベースにストアすることができる。図5に示されているように、本方法は、ステップ76に示されているように、製造プロセスを使用して処理されたウェハ上の不良ダイを識別することを含むこともできる。ウェハ上の不良ダイを識別することに、製造プロセスの終りにダイに対して機能テストを実行することを含む。その代わりに、ウェハ上の不良ダイを識別することは、製造プロセス中にある点でダイに対して電気テストを実行することを含んでもよい。不良ダイには、所定の範囲の外の機能性を有する1つまたは複数の電気要素が含まれる。
さらに、本方法は、ステップ78に示されているように、ウェハ上の欠陥の異なる部分を識別することが含まれる。一実施形態では、ウェハ上の欠陥の異なる部分は、ウェハの検査よって生成されたデータと、不良ダイ内の1つまたは複数の電気要素の設計を表す情報との組合せに基づいて識別される。検査データは、ウェハの複数の検査(すなわち、製造プロセス中の異なる時に実行された検査)によって生成されたデータを含む。欠陥の1つの部分が、1つまたは複数の電気要素によって形成されるデバイスの特性を変更し、その特性が所定の限度の外になる場合がある。たとえば、不良ダイの欠陥情報を効率的に正確に分析して、非クリティカル欠陥を選択的に無視しながらクリティカル欠陥を識別するために設計情報が使用される。クリティカル欠陥は、本明細書に記載のように非クリティカル欠陥から区別することができる。もう1つの例で、設計情報を使用して、ウェハ検査中またはレビュー中に識別された、最終的なICデバイスに影響を有する、存在しないかあるしきい値未満の欠陥をフィルタ・アウトすることができる。結果の欠陥分布は、製造プロセスに関係する欠陥の個数とタイプのより正確な測定値をもたらす。
本方法は、さらに、ステップ80に示されているように、欠陥の1つの部分に基づいて製造プロセスのプロパティを決定することが含まれる。たとえば、製造プロセスのプロパティが、非クリティカル欠陥ではなくクリティカル欠陥に基づいて決定される。一実施形態では、製造プロセスのプロパティが、欠陥の部分のキル・レシオ(kill ratio)である。さらに他の実施形態では、製造プロセスのプロパティは製造プロセスの歩留まりである。ある非クリティカル欠陥を検討から除去することによって、このコンピュータで実施される方法の一実施形態は、製造プロセスの「キル・レシオ」特性のより正確な判定を容易にし、これによって、固有の歩留まりのより正確な推定が可能になる。
本方法は、ステップ82に示されているように、製造プロセスのプロパティに基づいて製造プロセスの1つまたは複数のパラメータを変更することを含む。製造プロセスの1つまたは複数のパラメータは、フィードバック制御技法を使用して変更される。製造プロセスのキル・レシオまたは歩留まりのより正確な判定に基づいてパラメータを決定できるので、変更されたパラメータを使用する製造プロセスの実行を、大きく改善することができる。この製造プロセスを、そのような形で複数回分析し、変更して、この製造プロセスのキル・レシオを減らし、歩留まりをさらに高めることができる。図5に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
図6は、製造プロセス中に実行されたウェハの検査によって生成されたデータに基づいてICの設計を変更することを含むコンピュータで実施される方法を示す流れ図である。一実施形態によれば、この方法は、ICデバイスの製造プロセス中に得られた欠陥情報に基づいてICデバイスの設計プロセスの質を高めるのに使用することができる。欠陥情報は設計情報に関して分析される。この方法は、ICデバイスの設計フェーズと製造フェーズが設計情報に基づいて漸進的に最適化されるフィードバック方法を提供する。
現在、ICデバイスの製造フェーズ中の欠陥検査とレビューは、製造プロセスごとに大量の欠陥関連データを作る。ファウンドリは、一般に、この欠陥データの使用を、ICデバイスの後続バッチの欠陥をなくすという目的を有するプロセス問題の即座のトラブルシューティングに制限している。しかし、製造されるICデバイスの特性によっておよび製造フェーズ中に使用されるプロセスによって課されるさまざまに制約する制限に依存して、プロセスのさらなる改善が、ある点で困難かつ高価になり、欠陥削減に対する影響が減る場合がある。たとえば、マイクロプロセッサの製造フェーズ中に実行される1つまたは複数のプロセスが、クリティカル・ディメンション要件を信頼できる形で満足できない場合がある。
このコンピュータで実施される方法に、ステップ84に示されているように、ICを設計することが含まれる。ICは、当技術分野で既知の任意の方法を使用して設計される。この方法には、ステップ86に示されているように、製造プロセスを使用してウェハを処理することも含まれる。製造プロセスに、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学的機械的平坦化、めっき、イオン注入、洗浄、エピタキシなどの複数の個々のプロセスを含む。さらに、製造プロセスに、個々のプロセスのいくつかを複数回実行することを含む。ステップ88に示されているように、本方法は、製造プロセス中にウェハを検査することが含まれる。ウェハを、製造プロセス中に複数回検査する。たとえば、ウェハを、リソグラフィ・プロセスの後、エッチング・プロセスの後、化学的機械的平坦化プロセスの後、および/または洗浄プロセスの後に検査する。いくつかの場合に、ウェハを、1つまたは複数の個々のプロセス中に検査する。
クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥を、ウェハの検査中にウェハ上で検出することができる。ステップ90に示されているように、本方法は、IC設計に基づいてウェハ上のクリティカル欠陥と非クリティカル欠陥を区別することを含む。たとえば、IC設計に、設計の異なる部分を示す指定を含む。この指定を、さらに、上で説明したように構成することができる。一実施形態では、欠陥のクリティカルさを、その欠陥が突き止められた設計の部分に基づいて判定することができる。さらに他の実施形態では、クリティカル欠陥は、ICの1つまたは複数の特性を変更することになる欠陥を含む。対照的に、非クリティカル欠陥は、ICの1つまたは複数の特性を実質的に変えない欠陥である。
いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ92に示されているように、クリティカル欠陥を非クリティカル欠陥から分離することを含む。このようにして、クリティカル欠陥を、非クリティカル欠陥と別々に簡単に処理することができる。クリティカル欠陥と非クリティカル欠陥は、上で説明したように分離される。さらに、本方法は、ステップ94に示されているように、その実質的な部分にクリティカル欠陥を含むウェハ上で検出された欠陥に基づいて、ICの設計を変更することが含まれる。このように設計情報を使用することによって、この方法は、完成したICデバイスの機能性にクリティカルでない欠陥を選択的に無視し、これによって、現在使用されている方法の制限を減らすか除去する。図6に示されているように、ICの設計の変更は、フィードバック制御技法を使用して実行される。
一実施形態では、製造プロセス中に形成されるクリティカル欠陥の個数を減らすように、ICの設計を変更する。さらに他の実施形態では、本方法は、ステップ96に示されているように、クリティカル欠陥に基づいて製造プロセスの歩留まりを判定することを含む。そのような実施形態では、製造プロセスの歩留まりを高めるようにICの設計を変更する。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ98に示されているように、ウェハ上に形成されたクリティカル欠陥の少なくとも一部をもたらした製造プロセスの1つまたは複数の個々のプロセスを識別することを含む。したがって、設計情報を使用することによって、この方法は、製造フェーズ中の真に制限的なプロセスをより正確に識別することができる。
一実施形態によれば、改善された信頼の度合でこれらの制限的プロセスを識別したならば、制限的プロセスの失敗を誘導する傾向がある設計の特定の特性に関する情報を使用して、ICデバイスの設計を洗練する。このようにして、ICの設計を、ウェハ上のクリティカル欠陥を作る個々のプロセスに応答して変更する。そのような実施形態の1つで、本方法は、ステップ100に示されているように、ICの設計がクリティカル欠陥の形成に寄与しているかどうかを判定することを含む。さらに、ICの設計を変更して、個々のプロセス中に形成されるクリティカル欠陥の個数を減らすことができる。
製造フェーズ中のクリティカル欠陥を減らす質を高められた設計は、後続の検査とレビュー中に高い感度とスループットをもたらすことができる。IC設計フェーズの質を高めるこのフィードバック方法を複数回実行して、製造フェーズの歩留まりを漸進的に改善することができる。追加の実施形態では、製造プロセスを、ウェハ上で検出された欠陥に関する情報に基づいて変更することができる。図6に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
図7は、記憶媒体102を示す概略図である。一実施形態では、この記憶媒体をデータベースとすることができる。さらに他の実施形態では、この記憶媒体が、当技術分野で既知のデータのストアに適するすべての媒体を含む。この記憶媒体102は、IC設計を表すデータ104を含む。この記憶媒体102は、IC製造プロセスを表すデータ106も含む。さらに、この記憶媒体102は、IC製造プロセス中にウェハ上で検出された欠陥を表す欠陥データ108を含む。この欠陥データは、欠陥の実質的な部分に、ICの1つまたは複数の特性を変更するクリティカル欠陥が含まれるようにフィルタリングされる。具体的に言うと、欠陥情報を、設計情報を使用してフィルタリングして、完成したICデバイスの機能性に影響しないか、あるいは限られた影響だけを有する非クリティカル欠陥を除外することができる。
いくつかの実施形態では、この記憶媒体は、クリティカル欠陥とIC設計の間の関係を表すデータ110も含む。具体的に言うと、この関係は、IC設計特性と、さまざまな製造プロセスに関する製造フェーズ中に発生することになる欠陥との間の関係である。一実施形態では、この記憶媒体を使用して、IC設計を表すデータ104、IC製造プロセスを表すデータ106、欠陥データ108に基づいてIC設計を変更することができる。いくつかの実施形態では、この記憶媒体を使用して、IC設計特性と欠陥の間の関係を使用してIC設計を変更する。したがって、この記憶媒体を、設計フェーズ中に使用して、製造可能性に関する設計の適応度を高めることができる。さらに、図7に示された記憶媒体は、図6に示された方法を実行するのに使用することができる。
図8は、製造プロセス中のウェハの検査によって生成された欠陥データに基づいてICの1つまたは複数の特性をシミュレートすることを含むコンピュータで実施される方法の実施形態を示す流れ図である。欠陥の実質的な部分は、ICの1つまたは複数の特性を変更することのできるクリティカル欠陥を含む。いくつかの実施形態では、この方法を使用して、完全なICデバイスの機能性に対する欠陥の影響をシミュレートする。対照的に、現在のIC設計ツールは、製造プロセス情報を使用せずにIC設計の性能をシミュレートしている。その代わりに、そのようなシミュレーションは、一般に、設計ルールとタイミングの間の関係など、非プロセス関連の関係に焦点を合わせている。さらに、完全に製造されたICデバイスに対する欠陥の影響をシミュレートするツールは、現在、欠陥に関する限られた情報だけを考慮に入れている。その結果、IC設計に対する欠陥の影響を予測する能力は、比較的不正確であり、信頼できない。対照的に、本明細書に記載の方法は、製造プロセス情報を考慮に入れることによって、IC設計の性能のシミュレーションの質を高められた方法をもたらす。さらに、本明細書に記載の方法は、最終的な完成したICデバイスの機能性に対する欠陥の影響をシミュレートしながら総合的な欠陥情報を利用することによって、他のシミュレーション方法の制限に対処する。製造プロセス情報と総合的な欠陥情報は、IC設計情報を使用することによって入手することができる。
ステップ112に示されているように、本方法は、ウェハを検査することによってデータを生成することを含む。ウェハは、製造プロセス中のいつでも検査する。代替実施形態では、本方法は、上で説明したようにウェハの検査によって生成されたデータを入手することを含む。一実施形態では、データを、ICデバイスの製造プロセスのさまざまなステージ中に実行される検査とレビューによって生成することができる。いくつかの実施形態では、欠陥に関する情報はウェハ上の欠陥位置の座標と3次元欠陥プロファイルを含む。しかし、欠陥に関する情報は、検査中またはレビュー中に生成できる欠陥に関する他のすべての情報をも含む。
本方法は、ステップ114に示されているように、クリティカル欠陥を非クリティカル欠陥から分離することも含む。クリティカル欠陥は、本明細書に記載のようにデザイナ・インテント・データを使用することによって非クリティカル欠陥から分離することができる。たとえば、本方法は、ICの設計に基づいて検査中に検出されたクリティカル欠陥と非クリティカル欠陥を区別することを含む。非クリティカル欠陥は、ICの1つまたは複数の特性を実質的に変えない欠陥(すなわち、ICデバイスの性能にクリティカルでない欠陥)として識別することができる。このようにして、設計情報に基づいて完成したICデバイスの性能にクリティカルでないと判定された欠陥を選択的に無視することによって、製造フェーズ中に使用されるさまざまなプロセスの歩留まりと性能に関する情報を得ることができる。
本方法は、ステップ116に示されているように、欠陥データに基づいてICの1つまたは複数の特性をシミュレートすることを含む。いくつかの実施形態では、上で入手されたさまざまな製造プロセスに関する情報を、ICの1つまたは複数の特性のシミュレーションに使用することもできる。上で入手されたさまざまな製造プロセスに関する情報を使用して、ICデバイスの設計の性能をより正確にシミュレートすることができる。さらに、欠陥情報のそのような前処理は、シミュレーションをより効率的に、高速に、より少ない計算リソースを使用して実行できることを保証する。特定の実施形態では、シミュレーションに使用される欠陥データに、欠陥座標と3次元欠陥プロファイルが含まれる。ICの1つまたは複数の特性に、電圧低下、タイミング低速化、部分的デバイス障害、全体的デバイス障害を含むが、これに制限はされない。図8に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
図9は、欠陥データに基づいて試料上のパターンの配置を決定することを含むコンピュータで実施される方法の実施形態を示す流れ図である。一実施形態では、本方法は、設計情報を使用して、設計パターンと欠陥を示す空白媒体とを選択的に突き合わせることが含まれる。一実施形態では、試料は空白レチクル基板である。代替実施形態では、試料はウェハである。ウェハは、空白ウェハまたはパターン形成された層を形成される前のウェハとすることができる。しかし、ウェハは、前に形成された他のパターン形成された層を有していても良い。そのような前にパターン形成された層は、パターン形成されようとしている層の下に形成されている。しかし、本明細書に記載のコンピュータで実施される方法は、半導体産業以外の技術分野で既知の試料を含む、欠陥を示すことになる媒体または試料にパターンがインプリントまたは他の形でインプリントされるほとんどの場合に適用することができる。
ステップ118に示されているように、本方法は、試料を検査することによってデータを生成することを含む。異なる実施形態では、本方法は、上で説明したように試料の検査によって生成されたデータを入手することを含む。本方法は、ステップ120に示されているように、パターンのクリティカル部分を識別することを含む。いくつかの実施形態では、パターンのクリティカル部分の識別を、本明細書に記載のように設計情報に基づいて行われる。代替実施形態では、本方法は、そのような設計情報なしでパターンのクリティカル部分を識別することを含む。たとえば、空白レチクル基板に関するパターンのアラインメントを、設計情報を使用せずに実行することができる。
さらに、本方法は、ステップ122に示されているように、試料上のパターンの配置を決定することを含む。パターンの配置の決定に、パターンを横に平行移動させること、パターンを回転させること、パターンをスケーリングすること、またはこれらの任意の組合せを含む。パターンを横に平行移動させることに、x方向および/またはy方向でパターンを横に平行移動させることを含む。一実施形態では、パターンの配置の決定に、試料上の欠陥の実質的な部分がパターンとオーバーラップしないようにパターンの配置を選択することを含む。いくつかの実施形態では、パターンの配置の決定に、試料上の欠陥の位置に関するパターンのクリティカル部分の配置を決定することを含む。たとえば、パターンの配置の決定に、試料上の欠陥の実質的な部分がパターンのクリティカル部分とオーバーラップしないようにパターンの配置を選択することを含む。特定の一例で、空白レチクル基板の検査によって、基板上の複数の欠陥を識別する。そのレチクル基板に印刷される設計パターンを、空白レチクル基板上の欠陥が設計パターンのどのクリティカル区域ともオーバーラップしないように、レチクル基板にアラインし、印刷することができる。追加の実施形態では、パターンの配置の決定に、試料上の欠陥とパターンのクリティカル部分の間のオーバーラップの量が所定のしきい値未満になるようにパターンの配置を選択することを含む。このようにして、試料上の欠陥と試料上のクリティカル区域の間のオーバーラップのある度合を許容することができ、設計パターンを、オーバーラップの度合があるしきい値未満になるように印刷することができる。
いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ124に示されているように、試料上の欠陥とパターンのクリティカル部分の間のオーバーラップを決定することをも含む。さらに他の実施形態では、試料が空白レチクル基盤である場合に、本方法は、レチクル上の欠陥とパターンのクリティカル部分の間のオーバーラップの量を決定することを含む。空白レチクル上の欠陥と設計パターンのクリティカル区域の間のオーバーラップの度合は、パターン形成されたレチクルをウェハの露光に使用することによって作られるクリティカル欠陥の期待される個数のインジケータとすることができる。したがって、そのような実施形態に、ステップ126に示されているように、そのレチクルを使用することによってウェハ上で作られることになるクリティカル欠陥の個数を推定することを含めることもできる。さらに他の実施形態では、ステップ128に示されているように、試料が空白のレチクル基板である場合に、本方法は、座標系に関するパターンの配置に基づいて、露光ツールおよび/またはウェハに関するレチクルのアラインメントを決定することを含む。たとえば、公称座標に関する設計パターンの変位に関する情報を、ストアすることができ、後にこれを使用して、レチクルをステッパおよび/またはウェハに正しくアラインさせることができる。類似する形で、レチクルを、ウェハ・パターン形成中に、欠陥を示すウェハに選択的にアラインさせることができる。
図9に示されたコンピュータで実施される方法は、空白のレチクル基板とウェハ上の欠陥を許容する能力、空白のレチクル基板、ウェハを交換または修理する必要を減らし、さらにはなくすことによるコスト節約や、欠陥がある空白のレチクル基板とウェハの拒絶および交換に関連する処理の遅れを減らし、さらにはなくすことによる時間の節約を含むがこれに制限されない複数の利益をもたらす。図9に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
図10は、欠陥の重要性を判定するコンピュータで実施される方法の実施形態を示す流れ図である。レチクルは、半導体デバイスの製造でマスタ・パターンとして使用される。レチクルの自動化検査は、これらの半導体デバイスの生産の標準的なステップである。検査は、欠陥廃棄判断基準に基づいて拒絶され、修理され、洗浄され、または合格することになるレチクルの欠陥を検出するのに使用される。レチクル上の重要な欠陥が、1つであっても、そのレチクルを用いて製造されるすべての半導体デバイスの故障または何らかの形のきずを引き起こすことになるので、検査はクリティカルである。より複雑な半導体設計が開発された時に、その設計が、より複雑なレチクルやより複雑なリソグラフィ技法をもたらす。より小さい設計サイズが、高まる複雑さと組み合わされて、レチクル欠陥の検出と正確な処理の高まる難しさをもたらした。たとえば、レチクルにあるもの(設計または欠陥)とどの結果のパターンがウェハに生成されるかの間に実質的に非線形の関係がある。
欠陥の印刷性を判定する方法が開発されてきた。たとえば、レチクル欠陥印刷性を判定するシステムと方法は、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、バッカ(Vacca)他の米国特許第6076465号、バッカ(Vacca)他の米国特許第6381358号、およびバッカ(Vacca)他の2002年2月11日出願の米国特許出願第10/074857号、名称「System and Method for Determining Reticle Defect Printability」に示されている。デザイナ・インテント・データの例と、レチクル検査の使用の方法の例が、本明細書に全体を示されたかのように参照によって組み込まれている、グラッサ(Glasser)他の米国特許第6529621号およびグラッサ(Glasser)他のPCT出願第WO 00/36525号に示されている。
本明細書に記載のコンピュータで実施される方法は、レチクル上の欠陥の重要性または潜在的な重要性を判定する方法を提供する。この方法は、レチクル・パターン生成システムまたはレチクル検査システムを利用することができる。ステップ130に示されているように、本方法は、レチクル上の異なる領域の設計重要性を判定することが含まれる。いくつかの実施形態では、レチクル上のより高いまたはより低い設計重要性を有する領域を、レチクルに関する情報とレチクル設計全体のコンテキストを用いて自動コンピュータ・プログラムによって判定することができる。レチクル上の異なる領域の設計重要性の判定は、検査の前に実行される前処理ステップ中に実行しても、しなくてもよい。その代わりに、異なる領域の設計重要性の判定を、検査中に、または検査後に実行される後処理ステップ中に実行することができる。
本方法は、ステップ132に示されているように、レチクル上で検出された欠陥の設計重要性を判定することを含めることもできる。設計重要性は、欠陥がレチクルの設計にどのように影響するかの尺度である。欠陥の設計重要性は、欠陥が突き止められたレチクル上の領域の設計重要性に基づいて判定することができる。その代わりに、欠陥の設計重要性は、欠陥を表すデータをしきい値と比較し、データがしきい値を超える場合にその欠陥が設計重要性を有すると判定することによって判定される。いくつかの実施形態では、欠陥を表すデータに、欠陥の位相および/または透過、欠陥の横寸法、あるいは欠陥とレチクル上の他のフューチャの間の距離を含む。一実施形態では、しきい値を、レチクル上の欠陥の位置に応じて変更することができる。したがって、レチクル上の各欠陥または各位置は、それを超えると欠陥が設計重要性を有すると判定できるしきい値を有する。たとえば、このしきい値は、より高い設計重要性を有するレチクルの領域内で、より低い設計重要性を有するレチクルの領域内のしきい値の値より小さい値を有する。
本方法は、ステップ134に示されているように、レチクル上の異なる領域のリソグラフィ的重要性を判定することも含まれる。たとえば、レチクルが使用されるリソグラフィ・プロセスに関する情報を入手することができる。一実施形態では、リソグラフィ・プロセスに関する情報を、ファブ・データベースから入手することができる。さらに他の実施形態では、リソグラフィ・プロセスに関する情報を、リソグラフィ・プロセスに関するプロセス・ウィンドウを判定するのに使用できるシミュレーション・ソフトウェアから入手することができる。異なる実施形態では、リソグラフィ・プロセスに関する情報を、PWC(process window characterization)レチクルを使用して得られた実験結果から入手することができる。レチクル上のより高いまたはより低いリソグラフィ的クリティカルさの領域を、いくつかの実施形態では、レチクルの設計とリソグラフィ・プロセスに関する情報を用いて自動コンピュータ・プログラムによって判定することができる。レチクル上の異なる領域のリソグラフィ的重要性の判定は、レチクル検査の前に実行される前処理ステップ中、レチクル検査中、および/またはレチクル検査の後に実行される後処理ステップ中に実行することができる。
この方法には、さらに、ステップ136に示されているように、レチクル上で検出された欠陥のリソグラフィ的重要性を判定することが含まれる。リソグラフィ的重要性は、欠陥がレチクルを使用するリソグラフィ・プロセスによってパターン形成されるウェハにどのように影響するかの尺度である。欠陥のリソグラフィ的重要性は、欠陥が突き止められたレチクル上の領域のリソグラフィ的重要性に基づいて判定する。その代わりに、欠陥のリソグラフィ的重要性を、欠陥を表すデータをしきい値と比較し、データがしきい値を超える場合にその欠陥がリソグラフィ的重要性を有すると判定することによって判定するようにしてもよい。欠陥を表すデータに、上で説明したデータのどれでも含めることができる。一実施形態では、しきい値を、レチクル上の欠陥の位置に応じて変えるようにすることもできる。このようにすれば、レチクル上の各欠陥または各位置が、それを超えると欠陥がリソグラフィ的重要性を有すると判定できるしきい値を有することになる。たとえば、このしきい値は、より高いリソグラフィ的重要性を有するレチクルの領域内では、より低いリソグラフィ的重要性を有するレチクルの領域内のしきい値の値より小さい値を有することができる。
ステップ138に示されているように、本方法は、レチクル上で検出された欠陥の総合重要性を判定することを含む。欠陥の総合重要性は、欠陥の設計重要性とリソグラフィ的重要性に基づいて判定する。したがって、この方法を使用して、レチクル上の特定の位置の欠陥の設計重要性をウェハ上の特定の位置の欠陥のリソグラフィ的重要性と組み合わせて判定することによって、欠陥の総合重要性を判定する。欠陥の総合重要性は、次の4つのカテゴリのうちの1つから選択することができる。リソグラフィ的重要性と設計重要性、リソグラフィ的重要性のみ、設計重要性のみ、重要性なし。各欠陥を、この4つのカテゴリのうちの1つに割り当てることができる。
図11に示されたチャートは、欠陥をこのカテゴリのそれぞれにどのように含めるかを示す概念図である。図11からわかるように、欠陥の重要性は、サイズの関数に対する振幅(または透過率)と位相として変化する。しかし、欠陥の重要性は、欠陥とレチクル上の他の特性の関数として変化することもある。たとえば、欠陥の重要性は、レチクルの欠陥と他のフューチャとの間の距離の関数として変化する。さらに図11に示されているように、レチクル上で検出された異なる欠陥が、設計重要性またはリソグラフィ的重要性を有する。ある種の重要性を有するすべての欠陥のうちで、これらの欠陥のうちの小さい部分であっても、設計重要性とリソグラフィ的重要性の両方を有する。重要性に関する両方の判断基準を欠陥に適用することによって、より重要でない領域または欠陥に関する情報を保存しながら(望まれる場合に)、レチクルに関する最も重要な領域または欠陥に基づいて半導体製造プロセスを分析し、または変更することが可能になる。
いくつかの実施形態では、本方法は、図10のステップ140に示されているように、レチクルの処理を決定することを含む。そのような実施形態の1つで、レチクルの処理を、レチクル上の個々の欠陥の設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性に基づいて決定することができる。レチクルの処理に、レチクルの拒絶、レチクルの修理、および/またはレチクルの洗浄を含むが、これに制限はされない。両方のタイプの重要性に関する情報を組み合わせることによって、あるレチクルを拒絶し、修理し、または洗浄する必要性を減らすかなくすことを可能にすることができる。
追加の実施形態では、本方法は、ステップ142に示されているように、レチクル上の欠陥を修理するのに使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。たとえば、欠陥を修理するのに使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータを、欠陥の設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性に基づいて決定することができる。このようにして、レチクル上の異なる欠陥を修理するのに使用される1つまたは複数のパラメータを、異なるものにすることができる。たとえば、より高い総合重要性を有する欠陥を、より低い総合重要性を有する欠陥の修理に使用されるプロセスより高い精度を有するプロセスを使用して修理するようにすることができる。修理プロセスに、本明細書に記載の修理プロセスおよび当技術分野で既知のすべての他の修理プロセスのどれであっても含めることができる。レチクルの処理またはレチクル上の欠陥の修理に使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータの決定は、自動化された形で実行することができ、これによって、欠陥の処理に関する判断を人間が行う必要を減らすか、なくすことができる。
一実施形態では、本方法は、ステップ144に示されているように、レチクル上で検出された欠陥の視覚的表現を生成することを含む。この視覚的表現に、欠陥の設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性を示す、欠陥に割り当てられた1つまたは複数の指定を含む。この視覚的表現に、欠陥の2次元視覚的表現、欠陥の3次元視覚的表現、欠陥が突き止められたレチクル上の領域の2次元マップ、または欠陥が突き止められたレチクルの2次元マップを含めることもできる。さらに、欠陥の視覚的表現を、欠陥、欠陥が突き止められたレチクルの領域、または欠陥が突き止められたレチクルを表す他のデータにオーバーレイさせることができる。たとえば、欠陥の視覚的表現に、欠陥に近接することになるレチクル上の他のフューチャの視覚的表現を含めることができ、いくつかの場合に、これらのフューチャの設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性を示しても示さなくてもよい、フューチャに割り当てられた指定を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ146に示されているように、レチクル上の個々の領域の視覚的表現を生成することを含む。そのような実施形態の1つで、視覚的表現に、個々の領域の設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性を示す、個々の領域に割り当てられた指定を含む。この視覚的表現を、さらに、上で説明したように構成することができる。このようにして、この方法を使用して、結果をユーザに提示する時に、より高いまたはより低い重要性を有する領域または欠陥を示すことができるようになる。さらに、クリティカル設計領域および/またはクリティカル・リソグラフィ領域や高いMEEF(mask error enhancement factor)を有する領域を示すことができる。
一実施形態では、本方法は、ステップ148に示されているように、レチクル上の異なる領域の総合重要性を判定することを含む。レチクル上の異なる領域の総合重要性は、レチクル上の異なる領域の設計重要性とリソグラフィ的重要性に基づいて判定することができる。いくつかの実施形態では、レチクル上の異なる領域の総合重要性を使用して、レチクル上の欠陥の総合重要性を判定することができる。たとえば、レチクル上の欠陥に、その欠陥が突き止められたレチクル上の領域と同一の総合重要性を割り当てることができる。そのような実施形態では、欠陥の設計重要性とリソグラフィ的重要性を、上で説明したように判定してもしなくてもよい。
両方のタイプの重要性に関する情報を組み合わせることによって、この方法を、レチクルに関する半導体製造プロセスの歩留まり、サイクル・タイム、効率、その他の態様を改善するのに使用することができる。具体的に言うと、レチクル上の特定の位置の重要性に基づいてシステム・パラメータを調整することによって、パターン生成プロセスを改善することが可能である。一実施形態では、本方法は、ステップ150に示されているように、レチクルの製造に使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。プロセスのパラメータは、レチクルの異なる領域の設計重要性、リソグラフィ的重要性、および/または総合重要性に基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、プロセスのパラメータを、レチクル上の異なる領域について独立に決定することができる。このようにすることで、プロセスの1つまたは複数のパラメータを、レチクル上の複数の領域について異なるものにすることができる。したがって、プロセスのパラメータを、レチクル上で独立に変更することができる。たとえば、レチクルの別の領域より高い総合重要性を有するレチクルの領域のレチクル製造プロセスのパラメータを、より高い総合重要性を有する領域が他の領域より高い書込忠実度で処理されるように選択することができる。変化する重要性を有する領域での製造プロセス・ツール・パラメータに関するルールは、ユーザが手動でセットすることができ、あるいは、図10に示された方法を実行するように構成されたプロセッサによって自動的にセットすることができる。レチクル製造プロセスの例に、パターン生成、エッチング、洗浄、その他当技術分野で既知のレチクル製造プロセスが含まれる。
さらに他の実施形態では、本方法は、ステップ152に示されているように、レチクルの検査に使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。変更できるパラメータは、レチクル検査を実行するように構成された検査ツールのパラメータである。検査プロセスのパラメータは、上で説明したように決定することができる。したがって、検査プロセスのパラメータを、レチクル上で領域ごとに独立に変えることができる。たとえば、検査プロセスのパラメータは、ある領域内で、レチクル上の他の領域の検査に使用される感度より高い感度を有するように選択する。具体的に言うと、レチクル検査の欠陥感度を、レチクルのリソグラフィ的重要性と設計重要性が最も高い領域で最高にする。レチクルのリソグラフィ的重要性と設計重要性が最も高い領域での高められた感度は、そのようなレチクルを使用して製造される半導体デバイスの歩留まりまたは性能を高めることになる。レチクルに関する検査プロセスは、レチクルを透過した光および/またはレチクルによって反射された光に基づく検査やエリアル・イメージングに基づく検査など、当技術分野で既知の任意の適切な検査プロセスである。
レチクル検査によって生成されたデータの処理に関して、複数のモードのいずれか(ダイ:ダイ検出、ダイ:データベース検出、または当技術分野で既知の他のモード)での欠陥検出を実行することができる。検査データ処理の1つまたは複数のパラメータを、レチクル上の特定の領域または欠陥の重要性に基づいて変更することができる。変更できるデータ処理の1つまたは複数のパラメータに、欠陥検出に使用されるしきい値の値またはアルゴリズムが含まれる。類似する形で、レチクル上の欠陥をレビューするのに使用されるプロセスのパラメータを、上で説明したように決定することができる。変化する重要性を有する領域の検査システム・パラメータおよび/またはレビュー・システム・パラメータに関するルールは、ユーザが手動でセットすることができ、あるいは、本明細書に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサによって自動的にセットすることができる。
さらに他の実施形態では、本方法は、ステップ154に示されているように、レチクルを修理するのに使用されるプロセスの1つまたは複数のパラメータを決定することを含む。修理プロセスのパラメータは、上で説明したように決定することができる。したがって、修理プロセスのパラメータを、レチクル上で領域ごとに独立に変更することができる。たとえば、修理プロセスのパラメータを、ある領域内で、レチクル上の他の領域の修理に使用される精度より高い精度を有するように選択する。変化する重要性を有する領域の修理ツール・パラメータに関するルールは、ユーザが手動でセットすることができ、あるいは、本明細書に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサによって自動的にセットすることができる。レチクルの修理プロセスは、上で詳細に説明した、ケミカリ・アシステッド・レーザ・リムーバル、レーザ誘起衝撃波除去、パーティクル・ビーム・アシステッド・リペア、または湿式または乾式の洗浄プロセスを使用するレチクルの洗浄など、当技術分野で既知の任意の適切な修理プロセスとすることができる。その際のレチクル洗浄にはエッチング・プロセスもしくはストリッピング・プロセスなどを含む。図10に示された方法に、本明細書に記載のすべての他の方法の他のどのステップでも含めることができる。
上で説明したものなどの方法を実施するプログラム命令を、担体媒体を介して送るか担体媒体にストアすることができる。このプログラム命令は、本明細書に記載のコンピュータで実施される方法のいずれかを実行するためにコンピュータ・システムで実行可能である。担体媒体は、ワイヤ、ケーブル、または無線伝送リンクなどの伝送媒体とするか、ワイヤ、ケーブル、またはリンクに沿って移動する信号とすることもできる。担体媒体は、読取専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、磁気ディスク、光ディスク、または磁気テープなどの記憶媒体とすることもできる。1つまたは複数のデータ構造および/またはルール・データベースを、同様に、そのような担体媒体を介して送るかストアすることができる。
本明細書に記載のコンピュータで実施される方法のいずれかを実行するように構成されたシステムに、プロセッサを含む。このプロセッサは、本明細書に記載のコンピュータで実施される方法の1つまたは複数を実行するためにプログラム命令を実行するように構成される。このプロセッサは、当技術分野で既知の任意の適切なプロセッサとすることができる。一例で、プロセッサを、イメージ・コンピュータとすることができる。もう1つの例で、プロセッサを、当技術分野で既知の任意の適切なマイクロプロセッサとすることができる。
このシステムとプロセッサを、さまざまな形で構成することができる。一実施形態では、このシステムを、独立システムとして構成することができる。その場合、このシステムは、伝送媒体によるものを除いて別のシステムまたはツールに結合されない。たとえば、このシステムのプロセッサを、伝送媒体によってレチクル検査システムおよび/またはウェハ検査システムのプロセッサに結合することができる。そのような構成の1つを、図2に示す。伝送媒体に、上で説明した伝送媒体のどれでも含めることができる。一実施形態では、このシステムを、検査システム、欠陥レビュー・システム、レチクル製造ツール、および/または修理ツールに結合された独立システムとすることができる。いくつかの実施形態では、このシステムを、複数のシステムおよび/または複数のツールに結合することができる。さらに他の実施形態では、このシステムを、ファブ・データベースに結合された独立システムとすることができる。追加の実施形態では、このシステムを、別のシステムおよび/またはツールに追加してファブ・データベースに結合することができる。
他の実施形態では、このシステムのプロセッサを、検査システム、欠陥レビュー・システム、レチクル製造ツール、または修理ツールに組み込むことができる。たとえば、検査システムのプロセッサを、そのようなプロセッサの他の標準的機能に加えて、上で説明したコンピュータで実施される方法の1つまたは複数を実行するように構成することができる。検査システムの場合に、そのような標準的機能の例では、検査システムの検出器によって生成された信号を受け取り、処理し、検査システムを較正することを含む。
上の実施形態のどれにおいても、プロセッサを、検査システム、欠陥レビュー・システム、レチクル製造ツール、および/または修理ツールの1つまたは複数のパラメータを制御するように構成することができる。たとえば、プロセッサを、上の実施形態のいずれかに従って、検査システム、欠陥レビュー・システム、レチクル製造ツール、および/または修理ツールの1つまたは複数のパラメータを変更するように構成することができる。さらに他の実施形態では、プロセッサを、検査システム、欠陥レビュー・システム、レチクル製造ツール、および/または修理ツールのプロセッサに、変更されたパラメータを送ったり、パラメータを変更するための命令を送るように構成することができる。
本発明のさまざまな態様のさらなる修正形態と代替実施形態は、この説明に鑑みて当業者に明白であろう。たとえば、デザイナ・インテント・データを使用するウェハとレチクルの検査の方法およびシステムが実現される。したがって、この説明は、例示のみと解釈されなければならず、本発明を実行する一般的な形を当業者に教示するためのものである。図示され、本明細書で説明された本発明の形が、現在好ましい実施形態と解釈されなければならないことを理解されたい。本発明のこの説明の利益を有した後に当業者に明白であるように、要素や材料を、図示され本明細書で説明されたものと置換することができ、処理を、逆転させることができ、本発明のあるフューチャを、独立に利用することができる。請求項に記載の本発明の趣旨と範囲から外れずに、本明細書に記載の要素で変更を行うことができる。