JP4158266B2 - フォトマスク外観検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフォトマスク製造工程中の外観検査工程において、フォトマスクのパターンの外観を評価するための外観検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マスクパターンはフォトリソグラフィ技術を用いて、フォトマスク上のパターンをウェハなどの基板に露光転写するときの親パターン(マスタパターン)となる。転写されたパターンが正確に設計パターンを再現するかどうかがマスクの品質の善し悪しとなるが、そのマスクの外観を評価するための項目として、外観欠陥の有無の検査や疑似欠陥やクリティカルなパターンがウェハ上へ転写されたときに形成されるパターンの評価があげられる。
外観欠陥は形状欠陥とその他に大きく分類できる。形状欠陥とは、遮光パターンの形状と設計パターンの不一致部分であり、主な形状不良として断線、黒点、白点、突起、凹み、ショートなどがある。これらの形状欠陥は、転写されない程度のものであれば問題とならない。また、転写されても回路特性に実害が無いような大きさであれば欠陥には計数(カウント)せず、一定のサイズ以上のものを欠陥対象とする。一般的には設計パターンサイズの1/3〜1/4程度以上が欠陥として定義されるが、微細化が進むにつれて定義は厳しくなる傾向がある。
【0003】
フォトマスク上にある上記の欠陥を検出する工程が欠陥検査である。欠陥検査は1970年代の中頃迄は目視検査に頼っていたが、パターンの微細化で目視では不可能となり、1970年代の後半から自動外観検査装置が導入されるようになった。自動外観検査の方式は実際のマスクパターン同士を比較する方式であるdie−to−die比較法と、設計データと比較する方式であるdie−to−DB比較法に分類できる。
【0004】
die−to−die比較法の基本構成は2つの光学系をもち、それぞれからの比較するべきチップの拡大像をCCDなどのセンサ上に結像させ電気信号に変換し、適当なアルゴリズムを用いて比較論理回路で不一致部分を検出する。不一致部分を検出したときの座標を欠陥位置情報として記録する。die−to−die比較法は基本的には同じ信号の比較であるので、die−to−DB比較法に比べ検出感度は高く、検査速度も速く、装置の構成も簡単である。
【0005】
しかし、die−to−die比較法では1枚のレチクルに1つのパターンしか持たない場合には検査ができないという欠点がある。また、複数のパターンをもつレチクルにおいても、描画装置などの異常で再現性がある欠陥の場合には原理的に検出できない欠点がある。一方、die−to−DB比較法では設計データと比較するためそのようなことはなく、die−to−DB比較法の重要性が増している。
die−to−DB比較法は単眼のdie−to−die比較法に設計パターンを入力として比較パターンを発生する回路を追加した構造になっており、チップの拡大像と設計パターンとを比較し、不一致部分を検出する方法である。この方法は、パターンを発生させる時間が検査時間を決めるため、検査時間はdie−to−die比較法に比較して一般に長くなる。
【0006】
上記の外観検査方法では以下の問題に対応することが困難である。それは、フォトマスクの品質というのは既に述べたように転写されたパターンが正確に設計パターンを再現するかどうかであり、フォトマスク上のパターンと設計パターンの不一致部が、ウェハ上で問題となるような欠陥として露光転写されるかどうかは、実際に露光してみないと分からないという問題である。上記の外観検査方法は作成したフォトマスクの可視光による光学像を使って検査を行っており、パターンの不一致部を検出することで断線、黒点、白点、突起、凹み、ショートなどの欠陥を検出していた。しかし、フォトマスクのパターンをステッパを用いてシリコン上に露光する際にはg線(436nm)やi線(365nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)といった可視光より波長が短い光源が使用されるため、本来フォトマスクの外観検査を可視光で行うのでは、実際の欠陥転写性を正確に検出することはできない。そのため、従来の外観検査法で欠陥と判定されたパターンも実際に露光すると欠陥部分が消失してしまう場合や、また逆に欠陥でないと判定されたパターンでもウェハ上に露光してみたところ、欠陥となってしまう(黒ピン欠陥が結像してしまうなど)ことがあった。
【0007】
また、実際のLSI製造工程ではリソグラフィ工程を各層に対して行うため、基板上に前回のリソグラフィで生じたパターンの段差が残り、その上にまた積層して露光を行う。その際、基板上にパターン段差があるため均一なフォーカスで露光されず、デフォーカス(焦点外れ)状態となる部分が存在する。しかし、上記の外観検査方法ではフォトマスクパターンそのものを検査対象とするため、本来目的とするウェハ上に露光されたパターンが前記デフォーカス部分で正確に転写されるかどうかを判定することは原理的に不可能である。つまり、デフォーカス部分に対して生じるフォトマスクの露光パターンの変化が、実際にウェハ上に露光されたパターンの変化と一致するのかという問題や、フォトマスク上の欠陥がこの部分にどのような影響を与えるのかということは調べることができない。
【0008】
このような問題に対処するために、検査対象となるレチクルのレクチルパターンと設計パターンの各々に対して、実際にステッパの縮小光学系を通して得られる光強度分布をシュミレーションによって求め、両者の光強度分布を比較することでレクチルの外観検査を行うことが提案されている(特開平9−297109号)。
【0009】
ところで、近年LSIの微細化が進むにつれて、最小寸法の設計ルールが露光波長以下となっており、パターン同士が非常に接近していたり、光近接効果補正を施したパターン(以後、光近接効果補正パターン又はOPCパターンと略称する)などの微細パターンは、所望のパターンとウェハ上のレジストのパターンが一致するか否かは、ウェハ処理のプロセス条件に大きく左右される。このように、ウェハ上のレジストのパターンの生成が、ウェハ処理のプロセス条件に大きく依存するほど微細なパターンを、一般にクリティカルなパターンと呼ぶ。
【0010】
このような、クリティカルなパターンに対して、所望のレジストパターンを得るためには、特開平9−297109号の発明によるフォトマスクの外観検査だけでは不十分であり、更に進んで、マスクパターンをウェハ上に露光、現像した際に高精度なレジストパターンとして得られるかを解析することが重要であり、実際のマスクパターンに合わせた最適なウェハ処理プロセス条件を設定することが有効であるが、そのような装置はまだない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る従来技術の問題点を鑑みなされたもので、フォトマスクの外観検査を、実際にステッパでウェハ上に露光するときと同じ条件で、行えるだけでなく、クリティカルなパターンに対して、ウェハ処理における最適なプロセス条件を求めることができる装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記の課題を達成するために、まず請求項1の発明では、フォトマスクを画像入力処理したフォトマスクパターンの光強度シミュレーション結果とCADパターンの光強度シミュレーション結果を比較評価することにより、露光波長での欠陥判定やデフォーカス時の欠陥特性の評価を行った後、フォトマスク上のクリティカルなパターンの位置を抽出し、そのクリティカルなパターンの位置におけるウェハ処理プロセス条件を考慮した露光・現像計算結果とCADデータを照合することにより、ウェハ処理でのプロセス条件の評価及び最適値の探索をするフォトマスク外観検査装置であって、
評価するフォトマスクの画像を入力する画像入力手段と、
フォトマスクの画像をシミュレーション用のマスクパターンデータに変換する画像データ変換手段と、
CADパターンをシミュレーション用のマスクパターンデータに変換するCADデータ変換手段と、
前記画像データ変換手段によって得られたマスクパターンデータから露光波長やデフォーカスなどの光学条件を設定して光強度分布を計算する光強度シミュレーション手段と、
前記CADデータ変換手段によって得られたマスクパターンデータから露光波長やデフォーカスなどの光学条件を設定して光強度分布を計算する光強度シミュレーション手段と、
前記光強度シミュレーション手段によって得られたマスクパターンの光強度分布とCADパターンの光強度分布を比較することで、欠陥判定や欠陥の影響の解析を行う光強度分布比較評価手段と、
フォトマスク上のクリティカルなパターンの位置を抽出し、その位置でのフォトマスクのマスクパターンデータを取り出すパターンデータ抽出手段と
前記パターンデータ抽出手段によって得られたクリティカルなマスクパターンについてウェハ処理プロセス条件を入力することによってレジストの表面形状を計算する露光・現像計算手段と
前記露光・現像計算手段によって得られたレジストの表面形状とCADデータを照合することによりウェハ処理でのプロセス条件の評価及び最適値の検索を行う照合・探索手段と、
を具備することを特徴とするフォトマスク外観検査装置としたものである。
【0013】
従って、請求項1の発明は、このような手段により、CADパターンとマスクパターンの両者の光強度分布を比較することによって、フォトマスクの外観検査において単に可視光波長でのパターン検査だけでなく、露光波長でウェハ上に転写された状態を模倣した欠陥判定を行い、露光装置を用いた露光転写実験を行うことなく迅速に、デフォーカスなどの光学条件を変化させた場合のパターンの評価及び欠陥の影響の解析を精度良く行うことができ、続いて抽出したクリティカルなマスクパターンのウェハ処理プロセス条件による露光・現像計算結果を解析することによりウェハプロセスでの最適なリソグラフィ条件を設定することができる。
【0014】
また請求項2の発明では、CADパターンの光強度シミュレーション結果のデータベースを具備し、そのデータベース用いて、前記光強度分布比較評価手段が効率良く比較評価することを特徴とする請求項1記載のフォトマスク外観検査装置としたものである。
【0015】
従って、請求項2の発明は、また、CADパターンの光強度シミュレーション結果のデータベースを予め作成しておき、これを利用することで光強度シミュレーションの時間を短縮し、外観検査の効率化を図ることができる。
【0016】
また請求項3の発明は、前記画像データ変換手段と、前記CADデータ変換手段と、前記光強度シミュレーション手段とが、通常の遮光型フォトマスク及び、光近接効果補正(OPC)型フォトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク等の種々の構造を有するマスクパターンに対応していることを特徴とする請求項1又は2記載のフォトマスク外観検査装置としたものである。
【0017】
従って、請求項3の発明は、通常の遮光型フォトマスク及び、光近接効果補正(OPC)型フォトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク等のマスクパターンに対しても同様な外観検査を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜4を用いて解説する。図1は本発明のフォトマスク外観評価装置の構成図である。この図において、コントロールプロセッサ1は、本実施形態におけるフォトマスク外観検査装置(以下、本装置と略す)の各部をバスBを介して制御する。2はROMであり、本装置の起動プログラム及び基本動作プログラム等を記憶している。3はRAMであり、本装置にインストールされた本実施形態におけるパターンデータ変換処理プログラムと、光強度シミュレーションプログラムと、光強度分布比較評価プログラムと、パターンデータ抽出プログラムと、露光・現像計算プログラムと、照合・探索プログラム(以下、6つのプログラムを総称して外観検査プログラムと呼ぶ)とが格納される。また、外観検査プログラムを実行する過程において発生したデータを一時的に記憶する。4はハードディスクドライブ(以下、HDDと略す)であり、本実施形態における外観検査プログラムや外観検査プログラムの結果、CADパターンの光強度分布のデータベース等のデータが記憶される。
【0019】
5は画像入力装置であり、フォトマスクの画像をコンピュータに取り込むものである。6はフロッピーディスク、CD−ROM、MOディスク、半導体メモリ等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、本実施形態におけるCADパターンが記憶されている。7はデータ読取装置であり、記録媒体6に記録されたCADパターンの読み込みを行う。8は処理プロセッサ群であり、フォトマスクパターンやCADパターンのデータ変換を行うパターンデータ変換処理プロセッサc1と、光強度シミュレーションや光強度分布比較評価時の演算処理、パターンデータ抽出処理、露光・現像計算の演算処理、照合・探索処理を行うデータ処理プロセッサc2が、互いにローカルバスLBによって接続されている。
【0020】
9はマウス、キーボードからなる入力装置であり、本実施形態における光強度シミュレーション実行時の光学条件の入力を行う。10はモニタであり、フォトマスクパターンやCADパターン、シミュレーションの結果等を表示する。11はプリンタであり、光強度分布比較評価の結果や露光・現像計算結果等をプリントアウトする。
【0021】
次に本実施形態の処理例を図2のフローチャートに基づいて説明する。まず、検査したいフォトマスクS1のパターンの外観画像データをコンピュータに取り込む(画像入力処理S2)。これには、光学顕微鏡によるパターンの拡大画像をCCDカメラで撮影して光学アナログ画像データを得た後、これを画像処理ボード上のA/D変換装置によってディジタル画像データに変換してRGBデータとしてメモリに展開し、ビットマップなどのデータとしてコンピュータに取り込む方法や、パターンの拡大写真をスキャナなどで読み込む方法などがある。なお、コンピュータに取り込んだ画像はモニタ10に表示され、そのデータはHDD4に記憶される。なお、ここでフォトマスクが通常の遮光型マスクでない場合も同様に画像データとして処理できる。例えばハーフトーン型位相シフトマスクの場合は、遮光部分が半透明の位相シフトパターンとなっているが、上記画像データの取り込みの際に位相シフトパターン部分の光学透過率及び位相シフト量の値をパラメータとして入力しておけば良い。
【0022】
次にコンピュータに取り込んだパターン画像を、多値のラスタデータであるマスクパターンデータS4に変換する(画像データ変換処理S3)。これは本来光強度シミュレーションは、複素透過率値のマスクパターンデータに対して行われるが、本発明のにおいてはメモリの節約のため、マスクパターンデータを多値のラスタデータで記憶しておき、実際に光強度シミュレーションを行う際に複素透過率値への変換を行なうようにしているためである。画像データ変換処理S3の内容を図3のフローチャートに示す。パターン画像データは各ドット毎にRGBの3つの数値から構成されているので、まずこれを濃淡データに変換するため濃度変換処理SA1を行う。変換は濃度をIとしてI=(R+G+B)/3で行うことができる。これにより、各ドットは濃淡データで表される。次にパターン画像データに含まれるノイズを除去するために、フィルタを利用した平滑化処理SA2を行う。利用するフィルタはメディアンフィルタというもので、対象ドットの近傍を調べてそれらの中の中間値と対象ドットの値とを交換する。そして次に、平滑化した濃淡データを適当な階調の多値データに変換する多値化処理SA3を行う。変換は階調毎のしきい値を設定し、それと各ドットの値を比較してその大小関係によって多値データに置き換えることで行う。この画像データ変換処理S3は、通常の遮光型フォトマスク及び、光近接効果補正(OPC)型フォトマスクにそのまま適用できる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクについては、各ドットの値によって置き換える多値データの設定を透過部、ハーフトーン部の2種類とし、ハーフトーン部の透過率及び位相情報を付け加えることで対応することが可能である。
【0023】
フォトマスクを作成する際、もともとのパターンはCADによって作成されており、CADパターンS5としてコンピュータに記憶されている。本発明ではこのCADパターンS5に対して光強度シミュレーションを行った結果との比較を行うため、CADパターンS5を光強度シミュレーションが行えるようなマスクパターンデータS7に変換する必要がある(CADデータ変換処理S6)。この変換は図4に示すように、(a)のCADパターンを(b)のように2次元のメッシュ状に分割し、(c)のようにパターンの閉図形の内部を1それ以外を0とすることで行うことができる。このCADデータ変換処理S6は、通常の遮光型フォトマスクには、そのまま適用できる。光近接効果補正(OPC)型フォトマスクについては、光近接効果の補正をしたCADパターンに、そのまま適用できる。また、ハーフトーン型位相シフトマスクについては、ハーフトーン部の透過率及び位相情報を付け加えることで対応することが可能である。
【0024】
画像データ変換処理S3によって得られたフォトマスクのマスクパターンデータと、CADデータ変換処理S6によって得られたCADパターンを変換したマスクパターンデータの両者を、それぞれ光強度シミュレーションS8して光強度分布を求める。CADパターンの光強度分布S10は理想のマスクパターンを露光したときに得られるものと仮定できる。光強度シミュレーションS8を行う際、フォトマスクの検査の目的に応じて露光波長や焦点外れ値(デフォーカス)といった光学条件パラメータを入力装置9から入力する(光学条件入力S9)。
【0025】
マスクパターンによる光強度分布11とCADパターンによる光強度分布10を比較し、その差異を検出することでフォトマスクの欠陥検査を行う(データ比較評価処理S12)。光強度シミュレーション処理S8によって得られた、マスクパターンとCADパターンの光強度分布の差分を算出するデータ比較評価処理S12を行い、その比較評価結果S13をモニタ10に表示するとともに、プリンタ11からプリントアウトする。
【0026】
ここでは光強度分布同士の比較を行うことで、理想なパターンであるCADパターンと実際のフォトマスクのマスクパターンの、露光転写状態同士での比較評価ができるため、パターンコーナー部の丸みや線幅の太り、細りなどを相殺した検査を行うことができる。そして比較結果をもとにフォトマスクの欠陥の有無を判定し、欠陥の位置情報等を得る。また、デフォーカス時の露光パターンの評価や、欠陥がパターンに与える影響などを調べることができる。なお、検査結果の欠陥情報は次のフォトマスクの修正工程で利用される。
【0027】
ここで、データの比較評価処理S12を行う際、予めCADデータに対する光強度分布のシュミレーション結果をデータベースS14を作成しHDD4に記録しておけば、それを利用することにより検査時のCADパターンの光強度シミュレーションを省略できるため、欠陥検査の効率化を図る事ができる。
【0028】
次に、フォトマスクのマスクパターンデータからクリティカルなパターンを抽出するためのパターンデータ抽出処理S15を行う。この抽出は、隣接するパターンの距離が規定値以下である、パターンが密集している、光近接効果補正(OPC)パターン等による微細なパターンが存在している、などの項目についての基準を理論的或いは経験的に定め、その各項目の基準を満たすか否かで行う。
【0029】
パターンデータ抽出処理S15によって得られたクリティカルなパターンとウェハ処理プロセス条件S17を入力として露光・現像計算S16を行う。前記の光強度シミュレーション処理S8によってマスクパターンの光強度分布データS11を得たが、実際のウェハ上のレジスト表面形状を得るためにはレジストのエネルギー吸収量の計算である露光計算と、不要なレジストを除去する現像計算が必要となる。露光計算はレジスト内のインヒビタ濃度の時間変化とレジスト内の光強度を連立して解きインヒビタ濃度を計算するもので、A、B、Cパラメータと呼ばれるレジストの材質のパラメータを入力する。また、現像計算は現像液によるレジストの可溶部分の削除により形成されるレジストのプロファイルを求めるもので、これによってウェハ上の2次元のレジスト形状を得ることができる。現像速度の具体的な計算式は実測に基づいた実験式が用いられる。これらのA、B、Cパラメータや実験式などは,露光時間や現像時間、現像液の濃度といったウェハ処理プロセス条件S17から設定する。
【0030】
次にプロセス条件毎の露光・現像計算結果のレジスト形状と、もとのCADパターンが表現する所望のパターンの2つのデータを使用して照合・探索処理S18を行うことにより、クリティカルなパターンに対して精度の良いレジストパターンを得るための最適なウェハ処理プロセス条件の設定S19を行うことが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明のように、この発明によればフォトマスクの外観検査工程においてフォトマスクの画像を取り込み、そのマスクパターンとCADパターンに対して光強度シミュレーションを行った結果を比較することによって、従来の検査装置では困難であった実際の露光条件を反映したマスクパターンの欠陥検査やデフォーカス時のパターンの評価や欠陥が与える影響なども調べることができ、続いてフォトマスク上のクリティカルなパターンに対して露光・現像計算をすることで最適なウェハ処理プロセスでのリソグラフィ条件を探索することができるため、フォトマスクのウェハ処理工程まで含めた外観評価を行うことができるという効果がある。
【0032】
また、光強度分布のデータベースを利用することにより、欠陥検査の効率化を図ることができるという効果がある。
【0033】
さらに、通常の遮光型フォトマスク及び、光近接効果補正(OPC)型フォトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク等のマスクパターンに対しても対応が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるフォトマスク外観検査装置の構成図である。
【図2】上記フォトマスク外観検査装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】画像データ変換処理のフローチャート図である。
【図4】CADデータ変換処理によるデータ変換の模式図である。
【符号の説明】
1…コントロールプロセッサ
2…ROM
3…RAM
4…HDD
5…画像入力装置
6…記録媒体
7…データ読取装置
8…処理プロセッサ群
9…入力装置
10…モニタ
11…プリンタ
B…バス
LB…ローカルバス
c1…パターンデータ変換処理プロセッサ
c2…データ処理プロセッサ
S1…フォトマスク
S2…画像入力処理
S3…画像データ変換処理
S4…マスクパターンデータ(フォトマスク)
S5…CADパターン
S6…CADデータ変換処理
S7…マスクパターンデータ(CADデータ)
S8…光強度シミュレーション処理
S9…光学条件入力
S10…光強度分布データ(CADデータ)
S11…光強度分布データ(フォトマスク)
S12…データ比較評価処理
S13…データ比較評価結果
S14…データベース
S15…パターンデータ抽出処理
S16…露光・現像計算処理
S17…ウェハ処理プロセス条件
S18…照合・探索処理
S19…最適なウェハプロセス条件の設定
SA1…濃度変換処理
SA2…平滑化処理
SA3…多値化処理
Claims (3)
- フォトマスクを画像入力処理したフォトマスクパターンの光強度シミュレーション結果とCADパターンの光強度シミュレーション結果を比較評価することにより、露光波長での欠陥判定やデフォーカス時の欠陥特性の評価を行った後、フォトマスク上のクリティカルなパターンの位置を抽出し、そのクリティカルなパターンの位置におけるウェハ処理プロセス条件を考慮した露光・現像計算結果とCADデータを照合することにより、ウェハ処理でのプロセス条件の評価及び最適値の探索をするフォトマスク外観検査装置であって、
評価するフォトマスクの画像を入力する画像入力手段と、
フォトマスクの画像をシミュレーション用のマスクパターンデータに変換する画像データ変換手段と、
CADパターンをシミュレーション用のマスクパターンデータに変換するCADデータ変換手段と、
前記画像データ変換手段によって得られたマスクパターンデータから露光波長やデフォーカスなどの光学条件を設定して光強度分布を計算する光強度シミュレーション手段と、
前記CADデータ変換手段によって得られたマスクパターンデータから露光波長やデフォーカスなどの光学条件を設定して光強度分布を計算する光強度シミュレーション手段と、
前記光強度シミュレーション手段によって得られたマスクパターンの光強度分布とCADパターンの光強度分布を比較することで、欠陥判定や欠陥の影響の解析を行う光強度分布比較評価手段と、
フォトマスク上のクリティカルなパターンの位置を抽出し、その位置でのフォトマスクのマスクパターンデータを取り出すパターンデータ抽出手段と
前記パターンデータ抽出手段によって得られたクリティカルなマスクパターンについてウェハ処理プロセス条件を入力することによってレジストの表面形状を計算する露光・現像計算手段と
前記露光・現像計算手段によって得られたレジストの表面形状とCADデータを照合することによりウェハ処理でのプロセス条件の評価及び最適値の検索を行う照合・探索手段と、
を具備することを特徴とするフォトマスク外観検査装置。 - CADパターンの光強度シミュレーション結果のデータベースを具備し、そのデータベース用いて、前記光強度分布比較評価手段が効率良く比較評価することを特徴とする請求項1記載のフォトマスク外観検査装置。
- 前記画像データ変換手段と、前記CADデータ変換手段と、前記光強度シミュレーション手段とが、通常の遮光型フォトマスク及び、光近接効果補正(OPC)型フォトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク等の種々の構造を有するマスクパターンに対応していることを特徴とする請求項1又は2記載のフォトマスク外観検査装置。
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