JPH0710434A - トラクションシーブエレベータ - Google Patents

トラクションシーブエレベータ

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JPH0710434A
JPH0710434A JP6164874A JP16487494A JPH0710434A JP H0710434 A JPH0710434 A JP H0710434A JP 6164874 A JP6164874 A JP 6164874A JP 16487494 A JP16487494 A JP 16487494A JP H0710434 A JPH0710434 A JP H0710434A
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ムスタラウチ ヨルマ
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ハカラ ハリ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済的かつ空間利用の点で有利であり、建物
内の空間条件が巻上げ高に関係なくエレベータカーおよ
びそのカウンタウエイトの安全距離を含む通路に必要な
空間と巻上げロープに必要な空間とに実質的に限定され
る新しい形式の信頼性のあるトラクションシーブエレベ
ータを実現。 【構成】 トラクションシーブエレベータは、エレベー
タ案内レール(10)に沿って可動のエレベータカー(1)
と、カウンタウエイト案内レール(11)に沿って可動のカ
ウンタウエイト(2) と、エレベータカーおよびカウンタ
ウエイトを懸架している１組の巻上げロープ(3) と、駆
動機械により駆動され巻上げロープ(3)を係合するトラ
クションシーブ(7) を有する駆動機装置(6) とを含む。
エレベータの駆動機装置(6) は、エレベータシャフトの
頂上部においてエレベータカーがその通路に必要とする
シャフト空間および（または）その上部の延長部とエレ
ベータシャフトとの間の空間に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータ案内レール
に沿って可動のエレベータカーと、カウンタウエイト案
内レールに沿って可動のカウンタウエイトと、エレベー
タカーおよびカウンタウエイトを懸架している１組の巻
上げロープと、駆動機により駆動され巻上げロープを係
合するトラクションシーブを有する駆動機装置とを含む
トラクションシーブエレベータに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】エレベータの開発作業における目的の１
つは、建物空間の効率的、経済的利用である。従来のト
ラクションシーブ駆動エレベータでは、駆動機械用に確
保されるエレベータ機械室やその他の空間はエレベータ
に必要な建物空間のかなりの部分を占めている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】問題は、駆動機械に必
要な空間の容積ばかりでなく、建物の中のその位置にも
ある。機械室の配置に関しては多くの方式があるが、そ
れらは概して、建物の設計を少なくとも空間の利用また
は外観に関して大きく制約している。例えば、建物の屋
上に配置した機械室は外観上の欠点となると思われる。
特別に空間を設ける場合、その機械室は概して建物のコ
ストを上昇させることになる。
【０００４】従来技術において、油圧エレベータは空間
利用の点では比較的有利であり、しばしば駆動機械全体
をエレベータシャフト内に配置できる。しかし、油圧エ
レベータは上昇高度が１階分あるいは最大でも数階分の
場合にしか適用することができない。実際に、油圧式エ
レベータは超高層用には建設することができない。
【０００５】信頼性のあるエレベータ、すなわち、経済
的かつ空間利用の点で有利であり、建物内の空間条件が
巻上げ高に関係なくエレベータカーおよびそのカウンタ
ウエイトの安全距離を含む通路に必要とされる空間と巻
上げロープに必要な空間とに実質的に限定され、かつ上
述の欠点が解消できるエレベータを実現するという要求
を満たすために、本発明として新しい形式のトラクショ
ンシーブエレベータを提供する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によるトラクショ
ンシーブエレベータでは、エレベータの駆動機装置は、
エレベータシャフトの頂上部においてエレベータカーが
その通路上に必要とするシャフト空間および（または）
その上部の延長部とエレベータシャフトの壁との間の空
間に配置されていることを特徴とする。本発明の他の実
施例は、他の請求項に記載の特徴を有する。
【０００７】
【作用】本発明によれば、トラクションシーブエレベー
タは、エレベータカーがエレベータ案内レールに沿って
動き、カウンタウエイトがカウンタウエイト案内レール
に沿って動く。１組の巻上げロープは、エレベータカー
およびカウンタウエイトを懸架している。駆動機装置は
トラクションシーブ(7) を有し、これは、駆動機械によ
り駆動され、巻上げロープ(3) を係合している。エレベ
ータの駆動機装置は、エレベータシャフトの頂上部にお
いてエレベータカーがその通路に必要とするシャフト空
間および（または）その上部の延長部とエレベータシャ
フトとの間の空間に配置されている。
【０００８】
【実施例】次に添付図面を参照して、例として提示され
るいくつかの実施例を挙げて、本発明を詳細に説明す
る。
【０００９】本発明によるトラクションシーブエレベー
タを概略的に図１に示す。エレベータカー１およびカウ
ンタウエイト２はエレベータの巻上げロープ３に懸架さ
れている。巻上げロープ３は好ましくは、エレベータカ
ー１の重心を通る垂直線に対して実質的に中心に、ある
いは対称にエレベータカー１を支持している。同様に、
カウンタウエイト２の懸架は、好ましくはカウンタウエ
イトの重心のを通る垂直線に対して実質的に中心にある
か、あるいは対称である。図１では、エレベータカー１
は巻上げロープ３により、ロープ溝の設けられた転向プ
ーリ４、５を使って支持され、カウンタウエイト２は溝
付き転向プーリ９により支持されている。転向プーリ４
および５は好ましくは、実質的に同一面内で回転する。
巻上げロープ３は通常、並んで配置された数本のロー
プ、通常は少なくとも３本のロープからなる。巻上げロ
ープ３が係合されたトラクションシーブ７を有するエレ
ベータの駆動機装置６は、エレベータシャフトの頂上部
に配置されている。
【００１０】エレベータカー１およびカウンタウエイト
２は、エレベータシャフト内をエレベータおよびカウン
タウエイトをそれぞれ案内するエレベータ案内レール10
およびカウンタウエイト案内レール11に沿って走行す
る。エレベータガイドおよびカウンタウエイトガイドは
図示しない。
【００１１】図１において、巻上げロープ３は次のよう
に走っている。すなわち、巻上げロープの一端は、シャ
フトの頂上部でカウンタウエイト２の通路の上方の固定
部材13に固定されている。固定部材13からのロープは、
カウンタウエイト２に回転可能に装着されている転向プ
ーリ９に出合うまで、下方へ走っている。転向プーリ９
を周回した後、ロープ３は、駆動機械６のトラクション
シーブ７へ、ロープ溝に沿ってそれを通過して再び上昇
する。トラクションシーブ７からのロープは、エレベー
タカーへ下降し、その下を通り、エレベータカー１をロ
ープで支持している転向プーリ４、５を経由して、さら
に続いてシャフトの頂上部の固定部材14まで上昇する。
シャフトの頂上部には、ロープの他端が固定されてい
る。シャフトの頂上部におけるロープ固定点13、トラク
ションシーブ７、およびカウンタウエイトをロープで支
持している転向プーリ９の位置は、好ましくは、固定点
13とカウンタウエイト２との間のロープ部分、およびカ
ウンタウエイト２とトラクションシーブ７との間のロー
プ部分が実質的にカウンタウエイト２の通路の方向に走
るように、互いに対して整列している。他の有利な方式
は、シャフトの頂上部における固定部材14、トラクショ
ンシーブ７、およびエレベータカーを支持する転向プー
リ４、５の互いに対する位置を、固定部材14からエレベ
ータカー１へ走るロープ部分とエレベータカー１からト
ラクションシーブ７へ走るロープ部分が両方ともエレベ
ータカー１の通路に実質的に平行な方向に走るようにす
るものである。この場合、ロープの通路をシャフト内に
向けるのに、余分な転向プーリは必要ない。このロープ
懸架方法のエレベータカー１に対する影響は、ローププ
ーリ４がエレベータカー１の重心を通る垂直線に対して
実質的に対称であれば、実質的に中心的になる。
【００１２】カウンタウエイト２の通路の上方に配置さ
れている機械装置６は、その幅に比べると平たい構造の
ものであり、トラクションシーブ７を駆動するモータお
よび必要なエレベータ制御機器への給電に必要な機器も
含む。これらの機器８は、両方とも機械装置６に付加さ
れ、それと一体化することもある。機械装置６とその関
連機器８のすべての主要部分は、エレベータカーに必要
なシャフト空間および（または）その上部延長部とシャ
フトの壁との間に配置されている。
【００１３】図２は、本発明によるエレベータをエレベ
ータシャフト15に配置した図である。機械装置６、なら
びにおそらくはモータへの給電用およびエレベータ制御
用に必要な機器を含む制御盤８も、エレベータシャフト
の壁または天井に固定されている。機械装置６および制
御盤８は、工場において単体の一体化装置装着すること
ができ、その後、エレベータシャフトに設置される。エ
レベータシャフト15には各階ごとに乗降ドア17が設けら
れ、エレベータカー１は、その乗降ドアに面した側にカ
ードア18を有する。巻上げロープ３がエレベータカー１
の下を通っているため、機械装置６は、エレベータカー
１の最上部がその通路の最上端に到達する高さより下に
配置することができる。提示した解決方法により実現さ
れるエレベータでは、機械装置６および制御盤８での通
常の保守作業は、エレベータカー１の最上部の上に立ち
ながら行なわれる。図２は、機械装置６、トラクション
シーブ７、エレベータカー１、カウンタウエイト２、な
らびにカーおよびカウンタウエイト用の案内レール10お
よび11のエレベータシャフト15の断面における配置を平
面図で示す。同図はまた、エレベータカー１およびカウ
ンタウエイト２を巻上げロープに懸架するために用いる
転向プーリ４、５、９も示している。巻上げロープは、
ローププーリ４、５、９およびトラクションシーブ７の
溝内にその断面で示されている。
【００１４】好ましい駆動機械は電気モータを備えたギ
アレス機械からなり、その回転子および固定子は、一方
がトラクションシーブ７に対して、他方は駆動機装置６
のフレームに対して不動に装着されている。
【００１５】本発明による他のトラクションシーブエレ
ベータを概略図で図３に示す。エレベータカー１および
カウンタウエイト２はエレベータの巻上げロープ３に懸
架されている。巻上げロープ３は、好ましくはエレベー
タカー１をエレベータカー１の重心を通る垂直線に対し
て実質的に中心に、あるいは対称に支持している。同様
に、カウンタウエイト２の懸架は、好ましくはカウンタ
ウエイトの重心を通る垂直線に対して実質的に中心にあ
るか、あるいは対称である。図３において、エレベータ
カー１は、巻上げロープ３によりロープ溝の設けられた
転向プーリ４、５を介して支持され、カウンタウエイト
２は溝付き転向プーリ９により支持されている。転向プ
ーリ４および５は、好ましくは実質的に同じ面内で回転
する。巻上げロープ３は通常、並列された数本のロー
プ、通常、少なくとも３本のロープからなる。エレベー
タの駆動機装置６は、トラクションシーブ７で巻上げロ
ープ３に作用し、エレベータシャフトの頂上部に配置さ
れている。
【００１６】エレベータカー１およびカウンタウエイト
２は、エレベータシャフト内をエレベータ案内レール10
およびカウンタウエイト案内レール11に沿って走行し、
これらのレールは、エレベータおよびカウンタウエイト
を案内し、シャフト内でエレベータカーに対して同じ側
に配置されている。エレベータカーは、案内レールにリ
ュックサック懸架と称する方法で懸架され、これは、エ
レベータカー１とその支持構体のほとんど全部がエレベ
ータ案内レール10の間の面の片側にあることを意味す
る。エレベータ案内レール10およびカウンタウエイト案
内レール11は、一体化したレール装置12として実現さ
れ、これは、エレベータカー１およびカウンタウエイト
２を案内するための案内面を備えている。このようなレ
ール装置は個別の案内トラックよりも迅速に設置するこ
とができる。エレベータガイドおよびカウンタウエイト
ガイドは図示しない。
【００１７】図３において、巻上げロープ３は次のよう
に走っている。すなわち、巻上げロープの一端はシャフ
トの頂上部でカウンタウエイト２の通路の上方の固定部
材13に固定されている。この固定部材13からのロープ
は、カウンタウエイト２に回転可能に装着されている転
向プーリ９に出合うまで下方へ走っている。転向プーリ
９に巻回された後、ロープ３は、駆動機械６のトラクシ
ョンシーブ７へ、ロープ溝に沿ってそれを通過して上昇
する。トラクションシーブ７からのロープは、エレベー
タカー１へ下降し、その下を通って、エレベータカー１
をロープで支持している転向プーリ４、５を経由して、
続いてシャフトの頂上部の固定部材14まで上昇する。シ
ャフトの頂上部には、ロープの他端が固定されている。
シャフトの頂上部のロープ固定点13、トラクションシー
ブ７、およびカウンタウエイトをロープで支持している
転向プーリ９の位置は、好ましくは、固定点13とカウン
タウエイト２との間のロープ部分、およびカウンタウエ
イト２とトラクションシーブ７との間のロープ部分が実
質的にカウンタウエイト２の通路の方向に走るように、
互いに対して整列されている。他の有利な方式は、シャ
フト頂上部の固定部材14、トラクションシーブ７、およ
びエレベータカーを支持する転向プーリ４、５の互いに
対する位置を、固定部材14からエレベータカー１へ走る
ロープ部分、およびエレベータカー１からトラクション
シーブ７へ走るロープ部分が両方ともエレベータカー１
の通路に対して実質的に平行な方向に走るようにするも
のである。この場合、ロープの通路をシャフト内に向け
るのに、余分な転向プーリは必要ない。このロープ懸架
方法のエレベータカー１に対する影響は、ローププーリ
４、５がエレベータカー１の垂直中心線に対して実質的
に対称に配置されていれば、実質的に中心的になる。ロ
ープがカーの床下を対角線に走る懸架配置は、エレベー
タのレイアウトに関して利点がある。なぜならば、ロー
プの垂直部分がカーの隅に近くなり、そのため、例えば
カー１の側部の一つにドアを配置するのに障害にならな
いからである。
【００１８】カウンタウエイト２の通路の上方に配置さ
れた駆動機装置６は、カウンタウエイトの幅に比して平
たい構造のものであり、その厚さは、好ましく最大でも
カウンタウエイトのそれに等しく、この場合、トラクシ
ョンシーブ７を駆動するモータ、および必要なエレベー
タ制御機器への給電に必要なことがある機器も含んだも
のであり、これらの機器８は両方とも、機械装置６に隣
設され、あるいはそれと一体化されることもある。関連
装置８を有する機械装置６の主要部分はすべて、シャフ
ト空間の上方でカウンタウエイト２に必要で安全距離を
含むシャフト空間延長部内にある。この延長部の外側に
はわずかに、本発明に必須でないいくつかの部品、例え
ばエレベータシャフトの天井に本機械装置を固定した
り、シャフトの頂上部に他の構造物を固定したりするの
に必要なラグ（図示しない）、またはブレーキハンドル
が行くにすぎない。エレベータの規則では、通常、可動
要素から25mmの安全距離が必要とされるが、国によって
固有のエレベータ規則または他の理由からさらに長い安
全距離が適用されることがある。
【００１９】図４は、エレベータシャフト15内における
本発明によるエレベータの配列を一方の側面から見た図
である。エレベータカー１およびカウンタウエイト２
は、図３に示す方法で案内レール装置12および巻上げロ
ープ３（ここでは破線で示す）に懸架されている。エレ
ベータシャフト15の頂上付近には装着ビーム16があり、
これには、モータへの給電とエレベータ制御に必要な機
器を含む制御盤８が固定されている。装着ビーム16は、
これに機械装置６および制御盤８を工場で固定すること
によって製造でき、あるいはこの装着ビームは、本機械
のフレーム構体の一部として実現することができ、した
がって機械装置６をシャフト15の壁または天井に固定す
るための「ラグ」を形成している。ビーム16にはまた、
巻上げロープ３の少なくとも一端用の固定部材13が設け
られている。この巻上げロープの他端はしばしば、装着
ビーム16上以外の他の場所に配置された固定部材14に固
定されている。エレベータシャフト15には、各階ごとに
乗降ドアが設けられ、エレベータカー１は、これらの乗
降ドアに面した側にカードア18を有している。最上階に
は、シャフト空間へ開口した保守用ハッチ19があり、こ
れは、保守員が、乗降階からでない場合は、少なくとも
乗降階の上方である高さに配置された作業台からこのハ
ッチを通して制御盤８および機械６に到達できるように
配置されている。保守用ハッチ19の位置および寸法は、
エレベータ規則により定められている非常操作をハッチ
から十分容易に行なえるようにしてある。機械６および
制御盤８での通常の保守作業は、エレベータカーの最上
部に立ちながら行なわれる。図５は、図３のエレベータ
を上から見た図であるが、案内レール装置12、カウンタ
ウエイト２およびエレベータカー１のエレベータシャフ
ト15の断面における配置の様子を示す。同図はまた、エ
レベータカー１およびカウンタウエイト２を巻上げロー
プ３で懸架するのに使用する転向プーリ４、５、９も示
す。図５において、エレベータカーおよびカウンタウエ
イトの案内レール線10、11は、実質的にはエレベータカ
ーとカウンタウエイトとの間の同一面内にあり、レール
の背がこの面の方向に置かれている。
【００２０】好ましい駆動機械は、電気モータを有する
ギアレス機械からなり、その回転子および固定子は、一
方がトラクションシーブ７に対して、また他方は駆動機
装置６のフレームに対して不動となるように装着されて
いる。しばしばこのモータの主要部分は、トラクション
シーブのリムの好ましくは内側にある。エレベータの作
動ブレーキの動作は、このトラクションシーブに加えら
れる。この場合、作動ブレーキは好ましくはモータと一
体化されている。実際の適用例では、この機械装置に関
する本発明の方式は、最大厚さが小型エレベータでは20
cm、また巻上げ能力の高い大型エレベータでは30〜40cm
以上であることを意味する。
【００２１】このモータとともに本発明により用いられ
る巻き上げ機械装置６は、非常に平たい構造のものであ
る。例えば、荷重能力800kg のエレベータでは、本発明
によるモータの回転子は直径800mm であり、巻上げ機械
装置全体の最小厚さは約160mmでしかない。したがっ
て、本発明に用いられる巻上げ機械装置は、カウンタウ
エイト通路の延長部による空間に簡単に収容することが
できる。モータの直径を大きくすれば、ギア装置を必ず
しも必要としない利点がある。
【００２２】図６は、巻上げ機械装置６の断面図であ
り、エレベータモータ126 を上から見て示す。モータ12
6 は、巻上げ機械装置６に適した構造として実現される
が、この構造は、モータ126 をエンドシールドと呼ばれ
る部品と、固定子を支持すると同時に巻上げ機械装置の
側板を形成している要素111 とから構成することによ
る。側板111 はしたがって、モータの負荷と同時に巻上
げ機械装置の負荷を伝達するフレーム部を構成してい
る。この装置は２つの支持要素、すなわち側板111 およ
び112 を有し、これらは軸113 により接続されている。
側板111 には、固定子巻線115 がその上に巻き付けられ
た固定子が取り付けられている。または、側板111 とこ
の固定子を単体構造に一体化することができる。回転子
117 は軸113 に軸受け116 により取り付けられている。
回転子117 の外面上にあるトラクションシーブ７には、
５本のロープ溝119 が設けられている。５本のロープ10
2 のそれぞれはトラクションシーブを約１周している。
トラクションシーブ７は、回転子117 の周囲に配置され
た別個の円筒体にすることができ、あるいはトラクショ
ンシーブ７のロープ溝は、図６に示すように、回転子の
外面上に直接に作ることができる。回転子巻線120 は回
転子の内面に配置されている。固定子114 と回転子117
との間にはブレーキ121 があり、これは、固定子に取り
付けられたブレーキ板122 および123 と、回転子ととも
に回転するブレーキディスク124 からなる。軸113 は固
定子に固定されている。または、それを回転子に固定す
ることができるが、その場合、軸受けは、回転子117 と
側板111 、または両側板111 と112 の間にあることにな
る。側板112 は、モータ／巻上げ機械装置用の別の補強
部材および剛体部材として機能する。水平軸113 は２枚
の側板111 および112 に両側で固定されている。接続部
品125 とともに、これらの側板は、箱形構造を形成して
いる。
【００２３】図７は、本発明の適用されている他の巻上
げ機械の断面図である。機械装置６およびモータ326 は
側面図で示す。機械装置６およびモータ326 は一体化構
造をなしている。モータ326 は実質的に機械装置６の内
側に配置されている。モータの固定子314 および軸313
は機械装置の側板311 および312 に取り付けられてい
る。このため、本機械装置の側板311 および312 もまた
モータのエンドシールを形成し、同時にモータおよび機
械装置の負荷を伝達するフレーム部分として機能する。
【００２４】側板311 と312 の間には、サステーナ325
が固定され、これらはまた機械装置の剛体部材としても
機能する。
【００２５】回転子317 は軸受け316 で軸313 に回転可
能に装着されている。この回転子は円板状構造のもので
あり、軸方向に実質的に軸313 の中央に配置されてい
る。回転子の両側には、その巻線と軸の間にトラクショ
ンシーブ318 の２つの円形半体318aおよび318bが配置さ
れ、両方とも同じ径を有している。このトラクションシ
ーブのそれぞれの半体は同本数のロープ302 を担持して
いる。
【００２６】トラクションシーブの径は固定子または回
転子のそれよりも小さい。トラクションシーブは回転子
に取り付けられ、様々な径のトラクションシーブを同じ
径の回転子に用いることができる。このように変えるこ
とにより、ギア装置を用いた場合と同じ利点が得られ、
これが本発明においてこの種のモータを適用することに
よって達成できる他の利点となっている。トラクション
シーブはそれ自体の既知の方法、例えばネジによって回
転子ディスクに固定されている。もちろん、このように
せず、トラクションシーブ318 の２つの半体を回転子に
一体化して単体を形成することができる。
【００２７】４本のロープ302 のそれぞれは、トラクシ
ョンシーブをそれぞれ自身の溝に沿って走る。明確にす
るため、ロープはトラクションシーブ上に断面でのみ示
す。
【００２８】固定子巻線315 を有する固定子314 は、回
転子の外縁にわたってＵ型の開口側をロープの方へ向け
たつかみ手に似たＵ型セクタ、あるいは分割セクタを形
成している。この構体で可能な最大のセクタ幅は、固定
子314 の径とトラクションシーブ318 の径との関係によ
って決まる。実際の方法では、これらの径の有利な大き
さ関係は、 240°のセクタ径を越えないようにすること
である。しかし、機械に転向プーリを設けることによっ
て巻上げロープ302 を機械の軸313 を通る垂直線に近づ
けるならば、この配列によって、モータの下部の転向プ
ーリの位置に応じて240 〜300 °のセクタを使用するこ
とが簡単にできる。同時に、トラクションシーブ上での
ロープの接触角が増し、トラクションシーブの摩擦によ
るグリップが改善される。固定子314 と回転子317 の間
には、モータの軸313 に実質的に垂直な２つの空隙irが
ある。
【００２９】必要に応じて、巻き上げ機械装置にブレー
キを設けることもでき、これは、例えば側板311 、312
と回転子317 との間でトラクションシーブの内側に配置
される。
【００３０】当業者に明らかなように、本発明の様々の
実施例は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の
範囲内にて改変することができる。例えば、巻上げロー
プがエレベータシャフトの頂上とカウンタウエイトまた
はエレベータカーとの間を通る回数は、本発明の基本的
利点に関して非常に決定的なものではないが、多重ロー
プストレッチを使用することによってさらにいくつかの
利点を得ることができる。一般にロープは、カウンタウ
エイトへ行くのと最大でも同じ回数だけエレベータカー
へ行くように適用例を設計すべきである。また明らかな
ことは、巻上げロープは必ずしもカーの下を通す必要が
ないことである。
【００３１】カウンタウエイトの通路がカーのそれより
も短い懸架装置では、カーとカウンタウエイトの通路が
同じ長さを有する懸架装置におけるよりもシャフトの必
要な長さを幾分短めにすることは、機械をカウンタウエ
イトの通路の上方に配置することにより達成される。や
はり明らかなことは、巻上げロープは必ずしもカーの下
を通す必要がないことである。
【００３２】さらに、当業者に明らかなように、重荷重
用に設計されたエレベータに必要な大きい機械寸法にす
ることは、電気モータの径を増すことによって、機械の
厚さの実質的な増加なしに達成することができる。
【００３３】また、当業者に明らかなように、エレベー
タカー、カウンタウエイトおよび機械装置は、エレベー
タシャフトの断面内について上述の例とは異なる方法で
配置することができる。可能な他の配置は、機械および
カウンタウエイトをシャフトドアから見てカーの裏側に
置き、ロープをカーの底に対して対角線にカーの下を通
すものである。ロープをカー底部の形状に対して対角線
に、またはさもなければ斜めに通過させることは、他の
タイプの懸架配置でも同様に使用して、カーをロープで
エレベータ全体の中心に対して確実に対称に懸架するこ
とができる有利な方式である。
【００３４】またさらに、当業者に明らかなように、モ
ータへの給電に必要な機器およびエレベータの制御に必
要な機器を、機械装置に関連する以外の他の場所、例え
ば別の制御盤に配置することができる。同様に、本発明
により実現されるエレベータは、提示した例とは異なる
方法で装備することができることは、明らかである。例
えば、自動ドア方式ではなく、エレベータに回転ドアを
装備することができる。
【００３５】
【発明の効果】本発明を適用することによって次の利点
が達成される。 − 本発明のトラクションシーブエレベータは、別個の
機械室を必要としないため、顕著に建物空間を節約する
ことができる。 − エレベータシャフトの断面積の有効利用。 − 本システムは個別部品が従来のエレベータに比べて
少ないため、製造と設置に有利。 − 本発明を用いて実現されるエレベータでは、ロープ
はトラクションシーブおよび転向プーリに転向プーリの
ロープ溝と平行な方向から出合うため、ロープの摩擦が
少ない状態である。 − 本発明を用いて実現されエレベータでは、エレベー
タカーおよびカウンタウエイトの中心懸架を行なうのは
困難ではない。したがって、案内レールに加わる支持力
が実質的に減少する。これにより、軽量の案内レールだ
けでなく軽量のエレベータガイドおよびカウンタウエイ
トガイドの使用が可能になる。 − このエレベータの設計ではリュックサック型懸架以
外を用いてエレベータを実現できるため、本エレベータ
方式の適用範囲を大荷重および高速のものをカバーする
ように簡単に拡大することができる。 − エレベータカーおよび安全装置フレームは、機械室
を備えた従来のエレベータに適用されている方式を用い
て問題なく設計することができ、リュックサック型のエ
レベータに使用されているものより軽量で単純である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるトラクションシーブエレベータを
示す概略図である。
【図２】エレベータシャフト内における本発明によるエ
レベータの配置を示す正面図である。
【図３】本発明による他のトラクションシーブエレベー
タを示す概略図である。
【図４】エレベータシャフト内における本発明によるエ
レベータの配置を示す側面図である。
【図５】図３のエレベータを示す上面図である。
【図６】本発明を適用した巻上げ機械装置の断面図であ
る。
【図７】本発明を適用した他の巻上げ機械装置の断面図
である。
【符号の説明】
１ エレベータカー ２ カウンタウエイト ３ 巻上げロープ ４，５，９ 転向プーリ ６ 巻上げ機械装置 ７ トラクションシーブ ８ 制御盤 10,11 案内レール 13,14 固定部材 15 エレベータシャフト 16 装着ビーム 17 乗降階ドア 18 カードア 19 保守用ハッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハリ ハカラ フィンランド共和国 05830 ヒビンカア、 パイバランカトゥ 15 エイ ２

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エレベータ案内レールに沿って可動のエ
    レベータカーと、カウンタウエイト案内レールに沿って
    可動のカウンタウエイトと、該エレベータカーおよび該
    カウンタウエイトを懸架している１組の巻上げロープ
    と、駆動機により駆動され該巻上げロープを係合するト
    ラクションシーブを有する駆動機装置とを含むトラクシ
    ョンシーブエレベータにおいて、エレベータの前記駆動
    機装置は、エレベータシャフトの頂上部において前記エ
    レベータカーがその通路上に必要とするシャフト空間お
    よび（または）その上部の延長部と該エレベータシャフ
    トの壁との間の空間に配置されていることを特徴とする
    トラクションシーブエレベータ。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載のトラクションシーブエ
    レベータにおいて、該エレベータカーがその通路の最高
    位置にある時、その頂上部は、少なくとも前記駆動機装
    置の底部エッジの高さに達していることを特徴とするト
    ラクションシーブエレベータ。
  3. 【請求項３】 請求項１または２に記載のトラクション
    シーブエレベータにおいて、前記駆動機装置およびカウ
    ンタウエイトは、エレベータカーがその通路上に必要な
    シャフト空間および（または）その上部の延長部に対し
    て同じ側に配置されていることを特徴とするトラクショ
    ンシーブエレベータ。
  4. 【請求項４】 請求項１に記載のトラクションシーブエ
    レベータにおいて、前記エレベータの駆動機装置は、前
    記カウンタウエイトの通路の上方に配置され、該カウン
    タウエイトの厚さの方向において、前記駆動機装置は、
    該カウンタウエイトが必要とし安全距離を含んだ前記上
    部のシャフト空間延長部の実質的に内側に配置されてい
    ることを特徴とするトラクションシーブエレベータ。
  5. 【請求項５】 請求項４に記載のトラクションシーブエ
    レベータにおいて、前記駆動機装置は、前記カウンタウ
    エイトがその通路上に必要とし安全距離を含んだ前記シ
    ャフト空間延長部の完全に内側にあり、該駆動機装置に
    は、該トラクションシーブを駆動するモータへの給電に
    必要な機器を含む制御盤が隣接され、該制御盤は、好ま
    しくは該駆動機装置と一体化されていることを特徴とす
    るトラクションシーブエレベータ。
  6. 【請求項６】 請求項１ないし５のいずれかに記載のト
    ラクションシーブエレベータにおいて、前記駆動機装置
    はギアレスであり、前記カウンタウエイトの厚さを越え
    ない厚さを有することを特徴とするトラクションシーブ
    エレベータ。
  7. 【請求項７】 請求項１ないし６のいずれかに記載のト
    ラクションシーブエレベータにおいて、前記駆動機装置
    に含まれているトラクションシーブの回転面は、前記カ
    ウンタウエイト案内レール間の面に実質的に平行である
    ことを特徴とするトラクションシーブエレベータ。
  8. 【請求項８】 請求項１ないし７のいずれかに記載のト
    ラクションシーブエレベータにおいて、前記駆動機装置
    は、前記エレベータシャフトにおいて前記シャフトの壁
    に固定されていることを特徴とするトラクションシーブ
    エレベータ。
  9. 【請求項９】 請求項１ないし７のいずれかに記載のト
    ラクションシーブエレベータにおいて、前記駆動機装置
    は、前記エレベータシャフトにおいて該シャフトの天井
    に固定されていることを特徴とするトラクションシーブ
    エレベータ。
  10. 【請求項１０】 請求項１ないし９のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記カウンタ
    ウエイトは、該カウンタウエイト上に配置された転向プ
    ーリを用いて前記巻上げロープに懸架されていることを
    特徴とするトラクションシーブエレベータ。
  11. 【請求項１１】 請求項１ないし10のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記カウンタ
    ウエイトおよびエレベータカーは両方とも前記巻上げロ
    ープに転向プーリを用いて懸架されていることを特徴と
    するトラクションシーブエレベータ。
  12. 【請求項１２】 請求項１ないし11のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記エレベー
    タカーおよびカウンタウエイトの前記巻上げロープへの
    懸架は、該カウンタウエイトの通路が該エレベータの通
    路より短くなるように取り付けられていることを特徴と
    するトラクションシーブエレベータ。
  13. 【請求項１３】 請求項１ないし12のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記巻上げロ
    ープは、前記エレベータカーの下に２つの転向プーリを
    介して通され、好ましくはそれらは、該エレベータカー
    の床の下方を該エレベータカー重心の真下の点を経由し
    て通るようになされていることを特徴とするトラクショ
    ンシーブエレベータ。
  14. 【請求項１４】 請求項１ないし13のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記巻上げロ
    ープは、前記エレベータカーの下を２つの転向プーリを
    介して通され、好ましくは該エレベータカーの床の下方
    を対角線に通過することを特徴とするトラクションシー
    ブエレベータ。
  15. 【請求項１５】 請求項１ないし14のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記巻上げロ
    ープの前記エレベータカーを懸架している部分、および
    前記カウンタウエイトを懸架している部分は、実質的に
    該エレベータカーおよび該カウンタウエイトの通路の方
    向に走っていることを特徴とするトラクションシーブエ
    レベータ。
  16. 【請求項１６】 請求項１ないし15のいずれかに記載の
    トラクションシーブエレベータにおいて、前記エレベー
    タカーはリュックサック型懸架を用いて懸架され、前記
    カーおよび前記カウンタウエイトの案内レールは該カー
    と同じ側にあり、好ましくは、該カウンタウエイト案内
    レールおよびエレベータ案内レールが１つの案内レール
    装置に一体化され、該案内レール装置には、前記カウン
    タウエイトおよび前記カーの両方の案内面が設けられて
    いることを特徴とするトラクションシーブエレベータ。
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