JP4544679B2 - マシーンルームレスエレベータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗りかごが昇降する昇降路内に、この乗りかごを昇降させる巻上機を設置したマシーンルームレスエレベータ装置に係り、特にエレベータ装置を制御するためのエレベータ制御装置などを大型化することなく、高速化を実現したマシーンルームレスエレベータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なロープ式エレベータ装置は、乗りかごやつり合いおもりの昇降路に連なるように、建物の屋上に機械室を設け、この機械室内に巻上機やエレベータ制御装置を設置し、巻上機に巻装したロープの一端に固定した乗りかごと、他端に固定したつり合いおもりとを、巻上機を駆動することによって相対的に上昇または下降させるようになっている。
【0003】
ところで、マンション等の集合住宅では、日影規制などの建築条件の関係から、建物の屋上部に充分な大きさの機械室が確保できない場合がある。そのため近時、小形化・薄型化した巻上機を、昇降路の最上部や最下部(ピットと称する)の空きスペースに設置するとともに、一部階床の乗り場のドア収納部の奥行きを他階床より大きく形成した戸袋部に、エレベータ制御装置を収納するようにした、機械室を設けないいわゆるマシーンルームレスエレベータ装置が注目されるようになってきた。
【0004】
そこで先ず、従来のマシーンルームレスエレベータ装置の概略的な構成について、図9ないし図14を参照して説明する。
【0005】
なお、図9は、昇降路1内を乗りかご2の側面側から見た縦断面図、図10は、乗りかご2の正面側から昇降路1内を見た縦断面図、図11は、乗りかご2の上面側から昇降路1内を見た横断面図である。
【0006】
これら図9ないし図11に示されているように、昇降路1内には、乗りかご2の昇降を案内する一対のかごガイドレール3a、3bが、ピットから立設されている。同様に、つり合いおもり4の昇降を案内する一対のおもりガイドレール5a、5bも、ピットから立設されている。ただし、対向するかごガイドレール3a、3bが形成する面に対して、対向するおもりガイドレール5a、5bの形成する面は直交する向きにあり、つり合いおもり4は、乗りかご2と昇降路1の壁面との間に位置している。なお、乗りかご2の底部には2個のシーブ6が設けられており、つり合いおもり4の上部には1個のシーブ7が設けられている。
【0007】
そして、巻上機8はモータと一体化して形成されており、かごガイドレール3aの上部に取り付けられた巻上機取付台9に固定されている。巻上機8にはロープ10が巻装されており、ロープ10の一方端は、乗りかご2の底部に設けられている2個のシーブ6を介して、かごガイドレール3bの上部に固定されているかごロープヒッチ11に止着されている。一方、ロープ10の他方端は、つり合いおもり4の上部に設けられているシーブ7を介して、おもりガイドレール5bの上部に固定されているおもりロープヒッチ12に止着されている。
【0008】
従って、巻上機8を正転させると、ロープ10の動きに応じてシーブ6により乗りかご2が持ち上げられて上昇し、このとき、シーブ7に吊されているつり合いおもり4は下降する。逆に、巻上機8を逆転させると、シーブ7によってつり合いおもり4が引上げられて上昇し、このとき、シーブ6に支えられて乗りかご2は下降する。なお、乗りかご2とつり合いおもり4は、それぞれかごガイドレール3a、3bと、おもりガイドレール5a、5bに案内されて昇降するが、乗りかご2とつり合いおもり4との荷重は、昇降路1の壁面などに加わらず、かごガイドレール3bおよびおもりガイドレール5bを経由して、垂直方向に昇降路1の最下部(ピット)で受けることになり、建物自体には荷重が印加されることがない。
【0009】
一方、乗りかご2には、乗客が乗り降りするためのかごドア13が設けられており、乗りかご2が所定階床に着床したときに、かごドア13の開閉に連動して開閉される乗り場ドア14がエレベータ乗り場に設けられている。そして、エレベータ装置の運転を制御するためのエレベータ制御装置15が、例えば最上階の乗り場ドア14付近に設置されている。
【0010】
図12は、エレベータ乗り場の概略を示したもので、(a)は正面図であり(b)は(a)のA−A線に沿う概略的な断面図である。この図に示されているように、乗り場ドア14およびこの乗り場ドア14を収納する戸袋部16は、三方枠17によって保持されている。そして、戸袋部16内にエレベータ制御装置15が収納されており、エレベータ制御装置15の背面側に乗り場ドア14が収納されるようになっている。また、戸袋部16の表面にはエレベータ制御装置15を保守・点検する際に開閉される扉18が設けられている。この扉18は、保守・点検員など特定の者しか開くことができないように、通常は鍵19によって施錠されており、その開閉状況を検知するための開閉検知器20が設けられている。なお、エレベータの利用者が乗りかご2を呼ぶための乗り場操作盤21が、戸袋部16の反対側の位置に設けられている。
【0011】
次に、上記のようなマシーンルームレスエレベータ装置を制御するエレベータ制御装置15について説明する。
【0012】
図13は、エレベータ制御装置15の主要構成を、乗りかご2や巻上機8などと共に示した系統図であり、大きく分けると電源部30、主回路部40と制御回路部50の3ブロックで構成されている。
【0013】
電源部30は、建物からの動力線(受電電線31)を介して電力を受取り、乗りかご2などを昇降させるために、主回路部40を経由して巻上機8へ電力を供給するもので、電磁ブレーカ32等を有している。そして、主回路部40は、後述するCPUの制御のもとで乗りかご2を滑らかに昇降させるための速度制御部41と、巻上機8をIPM、IGBTなどの素子を介して駆動制御する主回路駆動部42で構成されている。
【0014】
さらに制御回路部50は、16ビットや32ビットのマイクロコンピュータによるCPU51が制御の中枢を司っており、CPU51にはバス52を介してアドレスやデータを管理する様々な装置が付加されている。すなわち、CPU51を駆動するためのプログラムを格納している256KB程度のプログラム記憶装置53、変化するデータを格納するための一時データ格納エリアや制御レジスタにRAM等を用いた128KB程度のデータ記憶装置54、建物関連のデータや速度、停止階床などのデータを格納する電気的消去可能な記憶装置(E2−ROM)を用いた仕様データ記憶装置55、外部信号を入力しCPU51が読み取れる信号レベルに変換する信号入力バッファ56、CPU51が扱う信号を外部に出力する信号出力バッファ57などがバス52に接続されている。
【0015】
そして、巻上機8にはパルスジェネレータ22が設けられており、パルスジェネレータ22によって巻上機8の駆動状況が検出され、回転数をパルス数に変換して出力している。このパルスジェネレータ22からの情報は位置検出装置58に供給されて、乗りかご2の位置や速度などが検出され、その情報に基づきCPU51は主回路部40へ信号を送り、巻上機8の駆動を制御する。
【0016】
一方、エレベータ制御装置15を収納している戸袋部16の扉18に設けられている開閉検知器20による信号は、信号入力バッファ56に入力される。この信号は通常DC24V程度の信号であるが、信号入力バッファ56内でフォトカプラなどにより電圧変換された後、CPU51が読み取れる信号(DC5V程度)となり開閉検知信号としてデータ記憶部54内のレジスタに保存される。
【0017】
また、信号入力バッファ56と信号出力バッファ57はスイッチ等だけではなく、電線数削減のため高速の直列伝送を用いており、直列伝送ケーブル23を介して各階床の乗り場操作盤21と信号交換を行っており、乗りかご2内に設けられているかご操作盤(図示しない)とは、テールコード24を介して信号交換を行っている。なお、このテールコード38には、乗りかご2内に設けられているインターホン25の通信ケーブルも入っている。よって、非常時などに乗りかご2内の乗客は、かご操作盤上にある呼び出しボタンを押してインターホン25を起動し、建物管理者やエレベータ保守会社の担当者と通話することができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のマシーンルームレスエレベータ装置は、機器の構成上、低速度(60m/分以下)・小容量(15人乗り以下)の領域を対象としたものであった。これは速度が速くなると、エレベータを駆動するのに必要な電源容量が増加して機器が大型化するために、格納スペースを確保するのが困難になるためである。ところが10階を越える建物では、中速度(60m/分を越え105m/分程度)のエレベータの要求が強まっており、この要求に応えるためには動力電源の電圧を上げて巻上機8の回転数を上げる必要がある。
【0019】
そのため、一般には、エレベータ制御装置15の内外に電圧変換部33を設置し、電源部30に導入される電源電圧を上昇させることとなる。図14に、このような場合を示してある。特に、図14は、昇降路1のピット内にエレベータ制御装置15を設置した場合を想定して示したもので、エレベータ制御装置15の上部に電圧変換部33を設置して、ここに受電電線31を導入して電源電圧を上昇させた後、電線34を介して上昇させた電圧を電源部30に供給する。なお、電圧変換部33は巻線トランスで構成され、大きさ200×400×500mm程度、重量約50kgで、15KVA程度の電源供給能力があり、これを付加することで中速のエレベータ装置として実現が可能となる。
【0020】
しかしながら、この電圧変換部33を設置するための充分なスペースが確保できないという問題があった。すなわち、昇降路1内は必ずしも垂直平面になっているのではなく、建物の梁などが多く凹凸状態になっているためである。従って建物の各階の高さが2500mm程度とすると2000mm程度しか平面になっていないため、ここにエレベータ制御装置15の高さ分を越える他の装置を設置することが困難であった。
【0021】
また、昇降路1のピット内にエレベータ制御装置15を設置する場合には、冠水などを避けるため通常、最下階より高い位置にエレベータ制御装置15を固定することになる。この場合、保守・点検時に保守員は、最下階よりも1500mm程度低い位置にあるピットで作業することになるので、操作しやすい高さ位置まで、エレベータ制御装置15を移動させる(下降させる)ようにしている。
【0022】
そのため、何等かの形で電圧変換部33を昇降路1内に設置したとしても、電圧変換部33とエレベータ制御装置15の間を接続している電線34を伸縮させなければならず、電線34の接続用の端子がゆるんだり、伸縮による電線34自体の絶縁劣化等が起こり、故障の原因になりやすいという問題があった。
【0023】
さらに、乗り場ドア14を収納する戸袋部16内にエレベータ制御装置15を設置する場合には、戸袋部16の大きさには限りがあり、電圧変換部33を収納するスペースが確保できないので、エレベータ制御装置15とは別に電圧変換部33を設置する場所を確保しなければならない。例えば昇降路1内に電圧変換部33を設置したとしても、エレベータ制御装置15と高電圧の電線34を引き回すことになり、保守作業などでの安全上の問題もあり、単純には設置しにくいものであった。
【0024】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、乗りかごおよびつり合いおもりが昇降する昇降路内に、この乗りかごおよびつり合いおもりを昇降させる巻上機を設置したマシーンルームレスエレベータ装置において、前記昇降路内にエレベータ制御装置と前記巻上機に電源を供給する電圧変換部とを設置し、前記電圧変換部は、円筒状に巻回した2次導体と、その中空部を通るように巻回して配置した1次導体とから成る電源の相毎に形成した巻線構造体から構成されており、前記1次導体は、前記昇降路内に固定され、前記2次導体は前記エレベータ制御装置に固定されていることを特徴とするものである。
【0026】
これにより、昇降路内に設置したエレベータ制御装置の近傍に、小型の電圧変換部を配置することができ、受電電圧を昇圧して高速化を図ったマシーンルームレスエレベータ装置が提供される。
また、エレベータ制御装置を保守・点検時に上下に移動させるような場合、2次導体はエレベータ制御装置と共に移動することになるので、2次導体とエレベータ制御装置とを結ぶ電線の劣化や、接続端子の緩みなどによる事故を防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマシーンルームレスエレベータ装置の種々の実施の形態について、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。なお、これらの図において、図9ないし図14と同一部分には同一符号を付して示してある。
【0038】
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示したものであり、図1は、本発明で使用される電圧変換部61の回路図、図2は、エレベータ制御装置15と組み合わせた電圧変換部61の平面図、図3は、昇降路1内に設けられているエレベータ制御装置15と電圧変換部61との側面図、図4は、昇降路1内に設けられているエレベータ制御装置15と電圧変換部61を背面側から見た図である。
【0039】
これらの図に示されているように、本発明では、中速(60m/分を越え105m/分程度)のマシーンルームレスエレベータ装置を実現するために、エレベータ制御装置15の電源入力前段に円筒状の電圧変換部61を設置する。この電圧変換部61は、例えば断面積が1平方ミリメートル程度の電線をコイル状に巻いて、円筒状の1次導体62と2次導体63を形成し、2次導体63の中空部を通り接触しないように1次導体62を配置したものである。そして、建物から供給される動力電源は通常3相なので、1次導体62と2次導体63は各相毎に構成される。
【0040】
また、3本の1次導体62と2次導体63は、それぞれスター形に接続されて巻線トランス形状とされて、1組の電圧変換部61が構成されることになり、それぞれ1次導体62と2次導体63は中性点接続される。そして、2次導体63は1次導体62に対して2倍程度の巻数となるように、二重に巻かれている。これらの構造は、リニアモータを使用した公知のエレベータ装置などに明示されているので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、電源の相毎に形成された2次導体63は、各々絶縁支持部64によって固定されるとともに、絶縁支持部64はエレベータ制御装置15に固定される。そしてエレベータ制御装置15が所定位置に在るとき、1次導体62と2次導体63は電圧変換部61として機能する。
【0041】
このような電圧変換部61の大きさは、厚さが50mm程度、長さが1200mm程度である。これをエレベータ制御装置15に固定すれば、エレベータ制御装置15の厚みは100mm程度なので、昇降路1内に150mmの厚みの設置スペースが確保できればよいことになる。
【0042】
また、1次導体62には、受電電線31が接続されて、建物からの例えば200Vの電力が供給され、2次導体63によって例えば2倍の電圧に昇圧されて、電線34を介してエレベータ制御装置15の電源部30に供給される。よって、エレベータ制御装置15の主回路部40には3相400Vの電圧が印加され、これにより巻上機8が駆動される。
【0043】
従って、従来に比べて約2倍の速度でのエレベータ装置の運転が可能となる。
従来のマシーンルームレスエレベータ装置は、60m/分までであったが、巻上機8を変更することなく同一電流値で120m/分まで速度を上げることができるようになり、要求の高い、15人乗り、速度105m/分の領域の中速度のマシーンルームレスエレベータ装置が実現できることになる。
【0044】
なお、エレベータ制御装置15は、制御装置ガイドシュー65を介して、ピットに立設された制御装置ガイドレール66に沿って上下に移動可能に設置されている。また、1次導体62の中性点は、ピット下部の壁面に設けられた中性点結合部67に固定される。これによって1次導体62は昇降路1に固定されるので、エレベータ制御装置15が上下に移動しても、1次導体62には影響はない。
【0045】
一方、2次導体63の中性点は2次導体63内部に存在するが、1次導体62とは絶縁された(接触していない)状態にあるため、エレベータ制御装置15の上下動と共に、2次導体63は絶縁支持部64を介して同様に移動する。ここで2次導体63は、中性点結合部67に触れない所まで移動可能であるが、エレベータ制御装置15の移動範囲は、正規の設置位置から下方へ600mm程度であるため支障はない。
【0046】
なお、昇降路1のピット内にエレベータ制御装置15を設置した場合には、保守・点検時に、エレベータ制御装置15を下方へ移動させ、保守・点検が終了したら元の位置へ戻して固定する必要がある。この駆動機構である制御装置ガイドシュー65は、本実施の形態では図2に示されているように、エレベータ制御装置15の厚さ(100mm程度)と同程度に形成した。これは電圧変換部61を含んだエレベータ制御装置15が転倒しないように、強度的に余裕をもたせた構造としたためである。
【0047】
しかし、エレベータ制御装置15には、主回路部40を除いて或る程度寸法の余裕があるので、電圧変換部61の取り込みが可能である。そのため、エレベータ制御装置15を制御装置ガイドレール66に沿って上下に移動させる駆動機構としての制御装置ガイドシュー65を、図5に示すように、電圧変換部61の2次導体63をエレベータ制御装置15に取り付ける絶縁支持部64に設けるようにすれば、エレベータ制御装置15を薄形構造とすることができる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。
【0049】
図6は、昇降路1内に設けられているエレベータ制御装置15と電圧変換部61を背面側から見た図4とほぼ同様の図である。
【0050】
電圧変換部61は、1次導体62と2次導体63とをスター形に接続した3相の巻線トランス構成となるため、1次導体62と2次導体63それぞれに中性点があるが、1次導体62と2次導体63とは絶縁された構造となっているため、第1の実施の形態では、各中性点は別々に取られていた。しかし、エレベータ制御装置15の主回路駆動部42は、10KHz程度のスイッチング周波数でのインバータ制御となるので、アース電位が変動すると電源ノイズが混入して動作が不安定になることがある。そのため、この実施の形態では、この1次と2次の中性点を結合し、かつ建物のアース線68に結合することにより、電源を安定化させたものである。なお、各中性点および建物のアース線68は、ピット下部の壁面に設けられた中性点結合部67に固定するものとする。
【0051】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図7を参照して説明する。
【0052】
図7は、昇降路1内を側面側から見た縦断面図である。
【0053】
この実施の形態は、昇降路1内において、つり合いおもり4が昇降するスペースに電圧変換部61を設置したものである。すなわち、1次導体62と2次導体63とから成り絶縁支持部64などに固定された電圧変換部61を、つり合いおもり4の背面側と昇降路1の壁面との間に位置するように、つり合いおもり4の昇降を案内するつり合いおもりガイドレール5a、5bに固定する。そして、エレベータ制御装置15をつり合いおもり4が昇降する面と同じ面に、ピットに立設された制御装置ガイドレール66に沿って上下に移動可能に設置し、エレベータ制御装置15と電圧変換部61との間を、水平方向に延ばした電線34によって接続したものである。
【0054】
この実施の形態では、水平方向に延ばした電線34が、昇降路1の壁面に沿って長くなるので、電圧変換部61が上下に移動しても、従来のような接続端子のゆるみや電線の絶縁劣化などの問題は極めて軽減される。また、つり合いおもり4が昇降するスペースは、つり合いおもり4の走行路であり、通常は他の用途に使用しない領域となっているが、本発明により電圧変換部61が薄形に構成できたこと、かつ電圧変換部61は保守作業がほとんど不要であることから、適用が可能となり、新たな設備を導入せずに実現が可能である。
【0055】
ただし、このような構成にすると、乗りかご2の位置によっては、電圧変換部61とつり合いおもり4とが重なることがある。この時の保守作業時の安全対策としては、エレベータ制御装置15が乗り場ドア14の戸袋部16に収納されている場合に、扉18に設けた開閉検知器20と同様に、保守員が作業をしていることを検出するセンサを、つり合いおもりガイドレール5a、5bなどに設置し、そのセンサの検出信号を信号入力バッファ35に入力して、CPU31にて巻上機8の動作を禁止するようにすればよい。
【0056】
なお、巻上機8に永久磁石を用いた同期電動機が使われている場合には、電源オン時に電動機を低速で動作させて磁極の位置を確認するいわゆる、磁極検出運転の動作を含めて、一切の運転を停止させるのがよい。また、上記のセンサとしては、つり合いおもり4の走行路に人が接近したことを検知する温度分布形のもので充分である。
【0057】
さらに、本発明の第4の実施の形態について、図8を参照して説明する。
【0058】
図8は、エレベータ乗り場の概略を示した正面図であり、三方枠17の上部カバーを除いて示したものである。
【0059】
この実施の形態は、三方枠17に保持されている戸袋部16内に、エレベータ制御装置15を収納したものにおいて、乗り場ドア14の上部に形成されている三方枠17の空間部に電圧変換部61を横方向に格納したものである。通常このスペースは、三方枠17を一体化するための補強を兼ねて設けられているが、エレベータ制御装置15の配線等には使用されていない。そのため、この空間部に電圧変換部61を収納すると、電圧変換部61を固定する絶縁支持部64などを、三方枠17の強度を向上させる支持構造物としても活用できることになる。
【0060】
なお、乗り場ドア14の幅は800mm程度あり、戸袋部16を含めれば、1200mm程度の長さの電圧変換部61を格納することには何等問題はない。また、両開きドアの場合には両側に戸袋部が形成されるので、電圧変換部61を十分格納することができる。
【0061】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されることなく、要旨を逸脱することなく種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、電圧変換部61を相毎の巻線トランスで形成する場合について説明したが、主回路駆動部42が直流入力/交流出力のインバータなので、電圧変換部61はAC/DCコンバータであってもよい。また、エレベーター制御装置15に供給される電源は、3相200Vとして説明したが、個人住宅向けエレベータ等にあっては単相電源であっても良い。さらに、電圧変換部61は絶縁トランスとしても機能するので、建物電源の絶縁性能が弱い場合には有効である。
【0062】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、マシーンルームレスエレベータ装置の高速化を可能とし、低速用に限らず用途が拡大されるとともに、エレベータ制御装置や電圧変換部の設置場所を工夫したことにより、保守・点検作業などの安全性を向上することができる。
【0063】
特に、本発明によれば、エレベータ制御装置を保守・点検時に上下に移動させるような場合、2次導体はエレベータ制御装置と共に移動することになるので、2次導体とエレベータ制御装置とを結ぶ電線の劣化や、接続端子の緩みなどによる事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマシーンルームレスエレベータ装置に使用される電圧変換部の一実施の形態を示した回路図である。
【図2】エレベータ制御装置と組み合わせた電圧変換部の平面図である。
【図3】昇降路内に設けられているエレベータ制御装置と電圧変換部とを示した側面図である。
【図4】昇降路内に設けられているエレベータ制御装置と電圧変換部の背面図である。
【図5】エレベータ制御装置と電圧変換部を組み合わせた他の実施の形態の平面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示した、昇降路内に設けられているエレベータ制御装置と電圧変換部の背面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示した、昇降路内を側面側から見た縦断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を説明するために、エレベータ乗り場の三方枠の上部カバーを除いて示した概略的な正面図である。
【図9】従来のマシーンルームレスエレベータ装置を説明するために示した昇降路内を乗りかごの側面側から見た縦断面図である。
【図10】乗りかごの正面側から昇降路内を見た縦断面図である。
【図11】乗りかごの上面側から昇降路内を見た横断面図である。
【図12】エレベータ乗り場の概略を示した図である。
【図13】エレベータ制御装置の主要構成を、乗りかごや巻上機などと共に示した系統図である。
【図14】昇降路のピット内にエレベータ制御装置を設置した場合を想定した、マシーンルームレスエレベータ装置の説明図である。
【符号の説明】
1 昇降路
2 乗りかご
4 つり合いおもり
8 巻上機
15 エレベータ制御装置
61 電圧変換部
62 1次導体
63 2次導体
64 絶縁支持部
67 中性点結合部
Claims (1)
- 乗りかごおよびつり合いおもりが昇降する昇降路内に、この乗りかごおよびつり合いおもりを昇降させる巻上機を設置したマシーンルームレスエレベータ装置において、
前記昇降路内にエレベータ制御装置と前記巻上機に電源を供給する電圧変換部とを設置し、
前記電圧変換部は、円筒状に巻回した2次導体と、その中空部を通るように巻回して配置した1次導体とから成る電源の相毎に形成した巻線構造体から構成されており、前記1次導体は、前記昇降路内に固定され、前記2次導体は前記エレベータ制御装置に固定されていることを特徴とするマシーンルームレスエレベータ装置。
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