JP4307549B2 - 脂肪分解活性を有する修飾された酵素 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、脂肪分解活性を有する修飾された酵素、前記修飾された酵素をコードするDNA配列、前記DNA配列を含んで成るベクター、前記DNA配列又は前記ベクターを有する宿主細胞、及び脂肪分解活性を有する前記修飾された酵素を製造するための方法に関する。
さらに、本発明は、脂肪分解活性を有する親酵素へのペプチド付加を適用するための方法、本発明の脂肪分解活性を有する修飾された酵素を含んで成る組成物、洗剤組成物への本発明の修飾された酵素の有利な使用、及び洗剤組成物の洗浄性能を改良するための方法にも関する。
発明の背景
洗剤酵素は20年以上もの間、市販されており、そして全世界で粉末及び液体洗剤において通常の洗剤成分として今日、十分に確立されている。
洗剤組成物は多くの異なった酵素を含んで成り、それらの酵素のうち、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、クチナーゼが今日、最とも重要なものである。
脂肪分解酵素
脂肪分解酵素(すなわち、the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(IUBMB)の推薦(1992)に従って酵素分類番号E.C.3.1.1(カルボン酸エステルヒドロラーゼ)として分類される酵素)は、布及び他の織物から脂質又は脂肪の染色を除去するために使用され得る酵素である。
種々の微生物リパーゼが洗剤酵素として提案されている。そのようなリパーゼの例は、ヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載されるヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)リパーゼ、ヨーロッパ特許第238023号に記載されるようなリゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、アブシジア sp.(Absidia sp.)脂肪分解酵素(WO96/13578)、ヨーロッパ特許第214761号に記載されるカンジダ(Candida)リパーゼ、たとえばC.アンタルクチカ(C.antarctica)リパーゼ、たとえばC.アンタルクチカ リパーゼA又はB、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、たとえばヨーロッパ特許第218272号に記載されるようなP.アルカリゲネス(P.alcaligenes)及びP.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)リパーゼ、ヨーロッパ特許第331376号に記載されるようなP.セパシア(P.cepacia)リパーゼ、WO95/14783に開示されるようなシュードモナス sp.リパーゼ、バシラス(Bacillus)リパーゼ、たとえばB.サブチリス(B.subtilis)リパーゼ(Dartoisなど.,(1993)Biochemica et Biophysica acta 1131,253-260)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)リパーゼ(日本特許64/744992)及びB.プミラス(P.pumilus)リパーゼ(WO91/16422)を包含する。
さらに、次のような多くのクローン化されたリパーゼが記載されている:ペニシリアム・カメムベルチ(Penicillium camembertii)リパーゼ(Yamaguchiなど.,(1991),Gene 103,61-67)、ゼオチカム・カンジダム(Geotricum candidum)リパーゼ(Schimada,Y.など.,(1989),J.Biochem.,106,383-388)、及び種々のリゾパス(Rhizopus)リパーゼ、たとえばR.デレマル(R.delemar)リパーゼ(Hass,M.J.など.,(1991),Gene 109,113-117),R.ニベウム(R.niveus)リパーゼ(Kugimiyaなど.,(1992),Biosci.Biotech.Biochem.56,716-719)及びR.オリザエ(R.oryzae)リパーゼ。
洗剤酵素として示唆されている他のタイプの脂肪分解酵素は、たとえばWO88/09367に記載されるようなシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)に由来するクチナーゼ、又はフサリウム ソラニ・ピシ(Fusarium solani pisi)に由来するクチナーゼ(WO90/09446に記載される)を包含する。
最近、修飾された脂肪分解酵素、たとえば洗浄目的のための改良された性質を有する変異体(Variant)及び突然変異体(mutant)を製造する試みが行なわれて来た。
ほとんどの場合、改良された洗浄性能を有する脂肪分解酵素が、成熟酵素の二次又は三次構造におけるそれらのタイプ又はそれらの位置のいづれかに基づいて選択された特定のアミノ酸残基の置換に起因する特定部位の突然変異誘発により構成されて来た。
タンパク質及び酵素を修飾するための他の一般的なアプローチは、たとえばアメリカ特許第4,894,331号、WO93/01285及びWO95/22615に記載されるようなランダム突然変異誘発に基いている。
従来技術に対するコメント
脂肪分解酵素の改良された性能、特に洗浄性能を得るために特定部位の突然変異誘発により脂肪分解酵素を修飾することは従来技術から知られている。一般的に使用される概念は、問題の親脂肪分解酵素のアミノ酸鎖の構造部分内のアミノ酸を挿入し、欠失し、又は置換することであった。有意に改良された洗浄性能を有する脂肪分解酵素はこの手段で達成されて来た。
しかしながら、それらの従来技術の方法により調製された脂肪分解酵素よりも一層さらなる改良された性能、たとえば洗浄性能及び/又はさらに改良された皿洗い特性を有する脂肪分解酵素を改良するための必要性が存在する。
発明の要約
従って、本発明の目的は、脂肪分解活性を有する酵素の性質を改良することであり、特に、そのような酵素の洗浄性能を改良することである。
驚くべきことには、脂肪分解酵素のN−及び/又はC−末端にペプチド付加を適用することによってその脂肪分解酵素の洗浄性能を有意に高めることが可能であることが見出された。
従って、第1の観点においては、本発明は、親酵素に比較して、そのC−末端及び/又はN−末端に1又は複数のペプチド付加を有する、脂肪分解活性を有する修飾された酵素に関する。
本発明において、用語“ペプチド付加”とは、一連の1又は複数の連続するアミノ酸残基が、親酵素のN−及び/又はC−末端のいづれか又は両者に付加されているか、又は親酵素のN−及び/又はC−末端の非構造部分(non-structural part)内に挿入されていることを示すことを意図する。
用語“非構造部分”とは、折りたたまれた成熟酵素の最初又は最後の構造要素、たとえばα−ヘリックス又はβ−シート構造の外部である、それぞれN−及びC−末端の部分を意味する。その非構造部分は、問題の酵素の三次元構造又はモデルにおいて容易に同定され得る。典型的には、その非構造部分は、酵素を構成するアミノ酸配列の最初又は最後の約1〜20個のアミノ酸残基を含んで成る。
用語“成熟酵素”は、その従来の意味において用いられる。すなわち、注目の生産生物(producer organism)による発現及び翻訳後プロセッシング(プロ及び/又はプレ−配列を除去するために)の後に得られる酵素の活性形を示すために使用される。酵素が分泌された酵素である場合、成熟酵素は通常、分泌の後に得られる酵素の形であろう。より特定には、これは、存在するなら、プレ−及びプロ−ペプチド配列が始めに翻訳された酵素、すなわちプロセッシングされていない酵素から除去されていることを意味する。
用語“親”酵素とは、本発明に従って修飾されるべき酵素を示すことを意図する。親酵素は、天然に存在する(又は野生型)酵素であり、又はいづれか適切な手段により調製されるその変異体でもあり得る。たとえば、親酵素は、1又は複数のアミノ酸残基の置換、欠失又は末端除去(truncation)により、あるいは天然に存在する酵素、典型的にはその酵素の構造部分におけるアミノ酸配列への1又は複数のアミノ酸残基の付加又は挿入により修飾された、天然に存在する酵素の変異体でありうる。
他の観点において、本発明は、上記で定義された修飾された脂肪分解酵素をコードするDNA配列、本発明のDNA配列を含んで成る組換えベクター又は形質転換ビークル、本発明のDNA配列又は本発明のベクターを有する宿主細胞、及び前記宿主細胞の培養による修飾された脂肪分解酵素の製造方法に関する。
本発明の修飾された脂肪分解酵素は、便利には、洗剤酵素として使用され得、そして従って、最終的観点においては、本発明は、本発明の修飾された脂肪分解酵素を含んで成る洗剤添加物又は洗剤組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、酵母発現ベクターpJSO37に存在するようなヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)リパーゼ遺伝子のコード領域のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を示す。シグナル配列(アミノ酸1〜17)は、ヒュミコラ・ラヌギノサからのシグナル配列である。SPIRRペプチド付加は、アミノ酸18〜22に位置する。アミノ酸残基23(E)は、アスペルギラス・オリザエに発現される親リパーゼの最初のアミノ酸残基である。
図2は、E.コリ発現ベクターpJSO215に存在するようなヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ遺伝子のコード領域のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を示す。シグナル配列(アミノ酸1〜20)は、A.ライチカス(A.lyticus)プロテアーゼI シグナル(WO96/17943)である。SPIRRペプチドは、アミノ酸残基20の後に付加される。アミノ酸残基26(E)は、アスペルギラス・オリザエに発現される親リパーゼの最初のアミノ酸残基である。
図3は、E.コリ発現ベクターpSX581に存在するようなヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ遺伝子のコード領域のヌクレオチド及びアミノ酸配列を示す。シグナル配列(アミノ酸1〜20)は、A.ライチカス プロテアーゼI シグナル配列(WO96/17943)である。アミノ酸残基21(E)は、親リパーゼの最初のアミノ酸残基である。
図4は、pSX164の作製を示し;
図5は、pSX578の作製を示し;
図6は、pSX581の作製を示し;
図7は、プラスミドpSX581を示し;
図8は、プラスミドpJSO37を示し;
図9は、アスペルギラスのベクターpCaHj485の作製を示す。
発明の詳細な記載
ペプチド付加
上記で言及されたように、驚くべきことには、適切なペプチド付加物がその成熟形酵素の非構造部分に又は成熟酵素のC−末端及び/又はN−末端で適用される場合に、脂肪分解酵素の有意に改良された洗浄性能が達成され得ることが見出された。
用語“改良された洗浄性能”とは、本発明の修飾された酵素が、洗浄のような条件下で試験される場合、修飾されていない親酵素よりも良好な脂肪土壌除去能力を有することを意味する。改良はしばしば、“改良係数”(fimprove)により示される(さらに、下記の材料及び方法のセクションを参照のこと)。ペプチド付加及び成熟酵素に依存して、1〜5の範囲、又はさらに、10までの範囲(たとえば1〜10の範囲)の改良係数(fimprove)が得られる。さらに高い改良因子、たとえば20までの、30までの、又はさらに50までの、たとえば30〜50、又はそれよりも高い改良因子が本発明に従って達成され得ると思われる。
用語“適切なペプチド付加”とは、使用されるペプチド付加が改良された洗浄性能をもたらすことができる付加であることを示すために用いられる。そのペプチドの付加の“適切さ”は、ペプチド付加が適用されている修飾された酵素及びその対応する親酵素のそれぞれの洗浄性能の比較分析により調べられ得る。洗浄性能は、たとえば、いづれか適切な技法、たとえば本明細書に記載される洗浄性能アッセイのいづれかにより決定され得る。
ペプチド付加によりもたらされる改良された洗浄性能は、その脂肪基質に対する修飾された脂肪分解酵素の高められた親和性に少なくとも部分的に依存すると思われる(但し、これは唯一の理由ではない)。
本発明は、親脂肪分解酵素の洗浄性能を改良することに限定されない。親脂肪分解酵素の他の性能もまた、本発明に従って、すなわち、親酵素のC−末端及び/又はN−末端の非構造部分での又はその部分内への適切なペプチド付加の適用により改良され得る。さらに、特定には、紙及びパルプ産業におけるピッチの除去に、皮産業における獣皮の脂肪に、有機合成における触媒としての作用等における親脂肪分解酵素の活性は、脂肪分解酵素のN−末端又はC−末端での又はその内部への適切なペプチド付加、すなわち所望する機能を示すことができるペプチド付加の適用により有意に改良され得る。また、それらに関して、改良された活性は、問題の基質に対する改良された親和性に少なくとも部分的に依存すると思われる。
改良された活性の結果として、修飾されていない親酵素の必要とされる用量に比較して、一定の目的のために必要とされる酵素の用量を相当に減じることが可能である。
本発明において、用語“修飾された酵素”とは、親酵素に比較して、C−末端及び/又はN−末端で(親酵素の最初の及び/又は最後のアミノ酸残基に融合される)及び/又は親酵素のC−及び/又はN−末端の非構造部分内にペプチド付加を含んで成る、親酵素の誘導体又は変異体を意味する。従って、たとえば、修飾された酵素は、親脂肪分解酵素のN−末端もしくはC−末端のいづれかで、又はN−及びC−末端の両者においてペプチド付加を含んで成る。
所望する効果(たとえば、改良された洗浄性能、獣の皮の脱脂における改良された性能、等)を提供するペプチド付加の能力は、たとえば修飾される親酵素の独自性、ペプチド付加物の構造(長さを包含する)、完全な脂肪分解酵素の構造に対するペプチド付加の衝撃、ペプチド付加物のアミノ酸残基の性質又は官能性、等に依存すると現在、思われている。もちろん、所望する効果を提供することができるペプチド付加のための先行必要条件は、ペプチド付加を含む修飾された酵素が適切な宿主生物において発現できることである。次の一般的な考慮は、適切なペプチド付加の企画のために適切なものである:
ペプチド付加物の長さ:種々の数のアミノ酸残基を含むペプチド付加物が所望する効果を提供できることが見出されており、本発明に従って使用されるペプチド付加物に存在するアミノ酸残基の正確な数を特定することは不可能である。アミノ酸残基の数の上限は、その得られる修飾された酵素の発現、構造及び/又は活性に対するペプチド付加の衝撃に基づいて決定されると思われる。ペプチド付加物は、実質的な数のアミノ酸残基を含んで成るが、しかしながら、それらのアミノ酸残基のすべてが所望する効果に寄与する必要はないと思われる(ペプチド付加物が実質的な数のアミノ酸残基を含んでいるとしても、それらの少数のみが、所望する機能を提供するために必要であり、この少数がペプチド付加物の機能的部分と呼ばれる。ペプチド付加物のアミノ酸残基の数の下限に関する主な考慮は通常、その数が所望する効果を提供するのに十分であるべきであることであろう。
従って、ペプチド付加物は、単一のアミノ酸残基、又は2〜500個のアミノ酸、たとえば1〜200個又は2〜100個、好ましくは2〜50個、たとえば3〜50個、さらにより好ましくは7〜45個及びさらに一層好ましいことには1〜15個、たとえば1〜10個又は1〜7個、特に4〜10個、たとえば4〜7個のアミノ酸のアミノ酸鎖を含んで成る。
安定性:ペプチド付加は好ましくは、許容できる安定性(たとえば構造安定性及び/又は発現安定性)を有する修飾された脂肪分解酵素を供給するために、又は親酵素の構造安定性を有意に減じないよう選択されるべきである。多くのペプチド付加は得られる修飾された酵素に対していづれの実質的な構造不安定性も付与するとは思われないが、ある場合、及びある親酵素に関しては、修飾された脂肪分解酵素に構造安定性を本質的に付与することができるペプチド付加物を選択することが適切である。たとえば、構造要素、たとえばα−ヘリックス又はβ−シートを実質的に形成するペプチド付加物は、その得られる修飾された酵素を安定化し、そして従って、本発明に使用され得る。そのような構造を形成することができるペプチド配列は当業界において知られている。他方、改良された構造安定性は、本発明の修飾された脂肪分解酵素にシステイン架橋の導入により提供され得る。たとえば、ペプチド付加物と酵素の成熟部分との間のシステイン架橋は、ペプチド付加物のアミノ酸残基の少なくとも1つが酵素の成熟部分におけるシステイン残基に対して共有結合を形成することができるよう配置されるシステイン残基である場合に確立され得る。システイン架橋を導入する陽性効果は例19に示される。適切なシステインが成熟酵素に存在しない場合、システインが、前記親酵素の適切な位置で、便利には、活性のためには重要でないと思われる親酵素のアミノ酸を置換することによって挿入され得る。
さらに、ペプチド付加物のアミノ酸残基の少なくとも1つが、修飾された脂肪分解酵素を発現するために使用される宿主のタンパク質分解酵素によるタンパク質分解変性に対して低い感受性にペプチド付加物をするために選択されることが所望される。たとえば、ペプチド付加物は、1〜5個、たとえば1〜4個又は1〜3個又は2個又は1個のプロリン残基を含んで成る。プロリン残基は好ましくは、タンパク質分解切断部位又はそれに隣接する部位に配置される。他方、ペプチド付加は、たとえばヨーロッパ特許第407225号又はWO93/11254に記載されるよう、修飾されたリパーゼに対してプロテアーゼ安定性ループを付与するものであり得る。
ペプチド付加物のアミノ酸残基の性質:上記で言及されたように、及びいづれの理論にも制限されないが、改良された性能は、ペプチド付加により供給される基質に対する修飾された脂肪分解酵素の高められた親和性に少なくとも部分的に依存すると思われる。特に、洗浄性能に関しては、好ましい静電相互作用が、負に荷電された脂質表面と修飾された酵素に存在する正に荷電された及び/又は疎水性アミノ酸残基との間で得られると思われる。従って、本発明の修飾された酵素は少なくとも1つの正の電荷、たとえば少なくとも2,3,4又はそれ以上の正の電荷を有するペプチド付加物、又はペプチド付加物の実質的な数のアミノ酸残基が正に荷電され、そして/又は疎水性である異なって発現されたペプチド付加物を含んで成ることが特に好ましい。
同様に、及び親酵素の非構造端における負の電荷を減じるためには、選択された親酵素の非構造N−末端又はC−末端部分から、特に1〜5個、たとえば1〜4個、又は1〜3個、もしくは1〜2個の最初又は最後のN−末端又はC−末端アミノ酸残基から構成される親リパーゼの部分から、少なくとも1つ、たとえば2又はそれ以上の負に荷電されたアミノ酸残基を除去することが好ましい。負に荷電されたアミノ酸残基は、除去され得、あるいは中性の、正に荷電された又は疎水性のアミノ酸残基により置換され得る。たとえば、除去されるべき負に荷電されたアミノ酸残基は、正の荷電されたアミノ酸残基R,KもしくはH、中性のアミノ酸残基S,T,GもしくはQ、又は疎水性アミノ酸残基A,I,W,FもしくはLのいづれかにより置換され得るE又はDであり得る。同様に、親酵素の非構造N−末端又はC−末端部分の中性アミノ酸残基は、上記で定義されたように正の荷電された又は疎水性のアミノ酸残基により置換され得る。
従って、N−末端及び/又はC−末端延長の他に、あるいはその代替としての本発明の修飾された脂肪分解酵素は、親酵素の非構造C−末端及び/又はN−末端における突然変異を含んで成り、ここで前記突然変異は前記非構造部分の負に荷電されたアミノ酸残基の欠失、あるいは正の荷電されたもしくは中性のアミノ酸残基、又は疎水性アミノ酸残基による置換を包含している。
ペプチド付加が親酵素のN−及びC−末端の両者に存在する場合、個々の末端での又はその末端内でのペプチド付加物は同じか又は異なったアミノ酸配列を有することができる。
ペプチド付加物の安定性の試験:たとえば上記原理に基づいて企画された、与えられたペプチド付加物を用いる効果は、ペプチド付加物を含む修飾された脂肪分解酵素を構成し、そして所望の酵素の用途、たとえば洗浄、ピッチ除去、皮の脱脂、等について得られる酵素の性質を、十分な規模の試験で、又は問題の酵素用途と十分に相互関係を有するアッセイにおいて試験することによって、試験され得る。
ペプチド付加は次の手段で一般化され得る:
最初の残基(外側の残基から計数される)は“a”と命名され、第2の残基は“b”と命名され、第3の残基は“c”と命名される。従って、N−末端付加の場合、最初のアミノ酸残基は“a”と命名され、C−末端付加の場合、最後のアミノ酸残基は“a”と命名される。
本発明の重要な態様において、ペプチド付加物は1〜7個のアミノ酸から成る。親酵素のN−及び/又はC−末端の両者に適用され得るそのようなペプチド付加は、下記のように言及され得る:
a(1つのアミノ酸ペプチド付加)
a-b(2個のアミノ酸ペプチド付加)
a-b-c(3個のアミノ酸ペプチド付加)
a-b-c-d(4個のアミノ酸ペプチド付加)
a-b-c-d-e(5個のアミノ酸ペプチド付加)
a-b-c-d-e-f(6個のアミノ酸ペプチド付加)
a-b-c-d-e-f-g(7個のアミノ酸ペプチド付加)
個々の文字は次のようなアミノ酸残基を定義する:
a,b,c,d,e,f及びgは、独立して、次のアミノ酸のいづれかであり得る:アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、グリシン(G)、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、チロシン(Y)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、リシン(K)、アルギニン(R)及びヒスチジン(H)。
特定の態様においては、a,b,c,d,e,f及びgは独立して、次のアミノ酸の1つである:
Figure 0004307549
好ましい態様において、a,b,c,d,e,f又はgのうち少なくとも1個、たとえば1,2,3又は4個が正に荷電されたアミノ酸、すなわちArg(R)、又はLys(K)、又は疎水性アミノ酸、すなわちLeu,Ile,Val,Trp又はPheである。
上記で言及されたように、及び選択される宿主細胞に依存して、ペプチド付加物は、選択される宿主細胞による酵素のプロセッシングの間、タンパク質分解性の分解に対して修飾された脂肪分解酵素を保護するために少なくとも1つのプロリン残基を含むことが重要であると一般的に思われる。プロリン残基は、ペプチド付加の位置2(すなわち、b)及び/又は3(すなわち、c)、又は所望する切断点(すなわち、注目の宿主細胞によるプロセッシングが生じると思われる点)に隣接する位置を占有することが所望される。従って、1つの態様においては、ペプチド付加物のb、及び任意には、cはProである。
本発明の他の態様においては、a−bはSP(Ser-Pro),A−P又はQ−Pである。ペプチド付加物が複数のアミノ酸残基、たとえば4〜7個のアミノ酸を含む場合、そのペプチド付加物は一般式SPcd,SPcde,SPcdef,SPcdefg又はAPcd,APcde,APcdef,APcdefg、又はQPcd,QPcde,QPcdef又はQPcdefgを有する。それらの個々の式において、c,d,e,f及びgはいづれかのアミノ酸であり得る。しかしながら、上記アミノ酸のグループが好ましい。
他の態様においては、a−bは、少なくとも1つの正のアミノ酸(すなわちArg及びLys)、又は疎水性アミノ酸残基(すなわち、Leu,Ile,Val,Trp及びPhe)を含んで成る。
特に、親脂肪分解酵素に適用されるペプチド付加は、好都合には、次のアミノ酸残基又はペプチドの1つであり得る:
Figure 0004307549
Figure 0004307549
Figure 0004307549
また本発明によれば、7個以上のアミノ酸、たとえば8〜15個のアミノ酸を含んで成る付加物も企画される。
そのようなペプチドは次のように一般化され得る。
a-b-c-d-e-f-g-h(8個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i(9個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j(10個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j-k(11個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j-k-l(12個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j-k-l-m(13個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j-k-l-m-n(14個のアミノ酸ペプチド)
a-b-c-d-e-f-g-h-i-j-k-l-m-n-o(15個のアミノ酸ペプチド)
a〜oは、前記20個のアミノ酸のいづれかであり得る。
a〜gストレッチは、1〜7個のアミノ酸残基を含んで成るペプチド付加物に関して上記で定義された通りであり得る。
h,i,j,k,l,m,n,oは、上記のいづれかのアミノ酸であり得、好ましくは、次のアミノ酸のいづれかであり得る:Arg,Lys,Ala,Val,Trp,Ile,Phe,Ser又はPro。
そのような付加物の特定の例は、下記に列挙される:
Figure 0004307549
Figure 0004307549
位置“a”がSer,Ala,Arg,Lys又はProである上記特定されたペプチド付加物(1〜7個又は1〜15個のアミノ酸残基を含んで成る)のいづれかにおいては、SerはAla,Arg,Lys又はProにより、AlaはSer,Arg,Lys又はProにより、そしてArg,Lys又はProはAla又はSerにより置換され得る。
上記ペプチド付加は、N−末端及び/又はC−末端のいづれかで存在できることが強調されるべきである。N−及びC−末端ペプチド付加の両者を有する修飾された脂肪分解酵素の例は、上記で特定されたペプチド付加のすべての組合せを包含する。そのような2つの特定の例は、N−末端付加物SPIRPRP、及びC−末端付加物RRP又はRRである。
ペプチド付加物が親酵素の非構造部分中に挿入される場合、それは前記非構造部分の1又は複数のアミノ酸残基を置換することができる。たとえば、ペプチド付加は、最初の、たとえばN−末端の1〜5個のアミノ酸残基、及び/又は最後の、たとえば酵素の1〜5個のアミノ酸(すなわち、C−末端の1〜5個のアミノ酸)を占有する1又は複数のアミノ酸残基を置換することができる。たとえば、ペプチド付加は、親酵素のいづれかの端から、アミノ酸残基1、及び/又は2、及び/又は3、及び/又は4、及び/又は5、等を置換することができる。親酵素がH.ラヌギノサ リパーゼである場合、親残基1(1E)の欠失と、上記ペプチド付加(N−末端に適用される)のいづれかとを組合すことが特に興味の対象であった。
本発明によれば、修飾された酵素に、その修飾された酵素の効果的な精製を可能にする1又は複数の荷電されたアミノ酸を適用することがまた、企画される。これを行なうための技法は、分子生物学の分野における当業者に良く知られている。
親脂肪分解酵素へのペプチド付加の適用の方法
本発明の修飾された酵素は、合成的に生成されたペプチド付加物を注目の親脂肪分解酵素中に添加(融合又は挿入)することによって得られるが、本発明の修飾された酵素は、i)親酵素のN−及び/又はC−末端に適用される所望のペプチド付加をコードするよう、親酵素をコードするヌクレオチド配列、好ましくはDNA配列を修飾し(たとえば、親酵素をコードする核酸(好ましくはDNA)配列における適切な位置で、ペプチド付加物をコードする核酸(好ましくはDNA)配列を挿入することによって)、ii)得られる修飾された核酸(好ましくはDNA)配列を適切な発現系において発現し、そしてiii)その得られる修飾された酵素を回収することによって調製される。
本発明において、用語“適用される”とは、付加物が成熟酵素のN−及び/又はC−末端(たとえば最初又は最後のアミノ酸残基に)融合されるか又は成熟酵素のN−末端及び/又はC−末端の非構造部分中に挿入されることを示すことを意図する。
多くの酵素は、“プレプロ−酵素”として、すなわち成熟酵素、分泌シグナルペプチド(すなわちプレペプチド)及びプロ−ペプチドから成る酵素として発現される。プレプロ−酵素は発酵培地中に分泌されるよう細胞内でプロセスされ、これから成熟酵素が単離され、そして/又は精製され得る。親酵素へのペプチドの付加は、所望するペプチド付加物をコードする核酸配列を、親酵素をコードするDNA配列の上流(N−末端ペプチド付加のためには)及び/又は下流(C−末端ペプチド付加のためには)に適用することによって実施され得る。
前記挿入は、所望の修飾された酵素(すなわち、所望するペプチド付加物を有する)が、その酵素の転写、翻訳及びプロセッシングの後、発現されそして分泌されるような態様で実施されるべきである。用語“プロセッシング”とは、プレ−及びプロ−ペプチドの除去を意味する(但し、もちろん、プロ−ペプチドが所望するペプチド付加物と同一である場合は除く)。これは下記にさらに示されるであろう。
下流の配列(C−末端付加物をコードする)は、親酵素をコードするDNA配列と停止コドンとの間に挿入され得る。しかしながら、プロセッシングされていないDNA配列がC−末端でプロ−ペプチドをコードするDNAを含んで成る場合、ペプチド付加物をコードするDNA配列の挿入/付加はまた、それぞれ、プロ−ペプチドをコードするDNA配列と成熟酵素をコードするDNAとの間で生じ得る。
ほとんどの場合、ペプチドをコードするDNA配列を、プロ−ペプチド又はプレ−ペプチド(プロ配列が存在しない場合)をコードするDNA配列と、成熟酵素をコードするDNA配列との間に挿入することによって、親酵素を上流に延長することが可能である。
ペプチド付加をコードするDNA配列の挿入/付加は、分子生物学の分野における当業者により知られているいづれかの標準的技法により実施され得る(たとえば、Sambrookなど.,1989を参照のこと)。これは、たとえばアメリカ特許第4,683,202号又はR.K.Saikiなど.,(1988),Science,239,487-491に記載される、特定のプライマーを用いてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を包含する。隣接するDNA配列の発現及び分泌をいかにして提供するかは、下記に記載されるであろう。
本発明に関して、いくつかの宿主細胞は、ペプチド付加物の一部又はすべてが宿主細胞により行なわれる翻訳後プロセッシング又は他のプロセッシングの間に切断され得ることにおいて、所望する修飾された酵素の生成のためにほとんど適切でないことが見出された。従って、用語“適切な発現系”とは、損なわれていない所望の修飾された酵素の少なくとも一部の生成を可能にする発現系(宿主細胞及び任意には、発現ベクター)、すなわち選択された宿主細胞による翻訳後プロセッシング又は他のプロセッシングの一部として、ペプチド付加物の一部又はすべてを除去しない(そして、それにより、所望するペプチド付加物なしでは酵素を生成しない)発現系を示すことを意図する。典型的には、使用される発現系は、所望しない翻訳後プロセッシングを発揮する1又は複数のタンパク質分解活性を欠いている。発現系及び従って、宿主細胞の選択は、下記で詳細に論ぜられるように、生成される脂肪分解酵素に依存するであろう。
本発明の修飾された酵素を生成するために適切な発現系を選択することに注意が払われるべきであるが(特に、修飾されたDNA配列がその生成のために使用される場合)、本発明の修飾された脂肪分解酵素(改良された洗浄性能を有する)は、通常の態様で、翻訳されたポリペプチドをプロセッシングすることができず、そしてそれにより、そのプロセッシングの前、完全なポリペプチドの一部又は成熟タンパク質に関連する類似するペプチド配列を含んで成る酵素の生成をもたらす発現系において、注目の親脂肪分解酵素をコードするDNA配列を発現することによって得られる。この場合、プロペプチド又は類似するペプチド配列が、ペプチド付加物を構成する。そのプロ−ペプチド又は類似するペプチド配列は、親酵素に対して非相同(heterologous)又は相同(homologous)であり、そして親酵素のN−及びC−末端の両者に存在することができる。この後者の技法を用いての本発明の修飾された脂肪分解酵素の生成がさらに下記に記載される。
従って、アミノ酸の適切な延長が親酵素のプレプロ形においてすでにコードされ、そしてこのアミノ酸の延長が与えられた発現系による酵素のプロセッシングにおいて切断される場合、ペプチド付加物は、前記アミノ酸の延長部の前記プロセッシングが生じないシステムに発現宿主システムを変えることによって適用され得る。そのような場合、分泌シグナルプレ−ペプチドが分泌の間又はその後に切断され、プロ−ペプチドもしくはその一部、又はその対応するDNA配列によりコードされる類似するペプチド配列を含んで成る、親酵素から成る修飾された酵素、すなわちそのN−末端又はC−末端のいづれかで延長された脂肪分解酵素をもたらす。
換言すれば、さらなる観点において、本発明は、親酵素の洗浄性能又は他の活性を高めるための方法に関し、ここで前記方法は、
a)親脂肪分解酵素をコードするDNA配列を発現ベクター中に導入し、
b)前記DNA配列又は発現ベクターを、成熟酵素へのその発現されたプロ−酵素のプロセッシングができないか又は非効率的/である宿主細胞中に導入し、
c)前記宿主細胞を、完全なプロ(プレ)−配列の一部を含んで成る酵素の生成のために適切な条件下で培養し、そして
d)得られる修飾された酵素を回収し、そして場合によっては、精製することを含んで成る。酵母細胞は、親菌類脂肪分解酵素、特にH.ラヌギノサ リパーゼ酵素にペプチド付加(プロペプチド又はその一部の形での)を適用するために特に使用されて来た。
他の及び非常に好ましい態様においては、ペプチド付加は、次の原理に従ってランダム突然変異誘発により企画され、そして適用される:
a)ペプチド付加物を有する親脂肪分解酵素をコードするDNA配列を、そのペプチド付加物における又は親酵素のC−末端もしくはN−末端の非構造部分における局在化されたランダム突然変異誘発にゆだね、
b)段階a)で得られた、変異誘発されたDNA配列を宿主細胞において発現し、そして
c)親脂肪分解酵素に比較して、改良された性能を有する変異誘発された脂肪分解酵素を発現する宿主細胞についてスクリーンすることを含んで成る。
このアプローチによれば、多くの非常に好都合なペプチド付加物が創造された。局在化されたランダム突然変異誘発は、WO95/22615に実質的に記載されるようにして行なわれ得る。より特定には、突然変異誘発は、1又は複数の上記領域のみが突然変異誘発にゆだねられる条件下で実施される。特に、大きなペプチド付加を突然変異誘発するためには、突然変異誘発されるべき領域を端に有する1又は複数の適切なオリゴヌクレオチドプローブが使用される、PCR生成の突然変異誘発(たとえば、Deshler 1992又はLeungなど.,1989により記載されるような)を用いることが適切である。短いペプチド付加の突然変異誘発のためには、ドープ処理された又はスパイクされたオリゴヌクレオチドの使用によりその局在化されたランダム突然変異誘発を行なうことが最とも好ましい。前記ドーピング又はスパイキングは、たとえば所望しないアミノ酸残基のためのコドンを回避するために、又は特定タイプのアミノ酸残基、たとえば正に荷電された又は疎水性のアミノ酸残基が所望する位置で導入される見込みを高めるために使用される。
突然変異誘発に続いて、その突然変異誘発されたDNAは、そのDNA配列を担持する適切な宿主細胞を、発現の発生を可能にする条件下で培養することによって発現される。この目的のために使用される宿主細胞は、任意には、ベクター上に存在する突然変異誘発されたDNA配列により形質転換されたもの、又は突然変異誘発処理の間、親酵素をコードするDNA配列を担持するものであり得る。適切な宿主細胞の例は下記に与えられており、そして好ましくは、突然変異誘発された酵素を分泌できる(容易なスクリーニングを可能にする)宿主細胞である。酵母細胞、たとえばS.セレビシアエの細胞は、適切な宿主細胞であることが見出された。
段階c)のスクリーニング基準は、修飾された脂肪分解酵素の所望する性質に依存して選択されるべきであろう。改良された洗浄性能を有する修飾された脂肪分解酵素を構成することが所望される場合、スクリーニングは便利には、カルシウムに対する減じられた依存性及び/又は洗剤又は洗剤成分に対する改良された耐性のために行なわれる。前記洗剤又は洗剤成分は、下記の洗剤組成物セクションに言及される特定の成分のいづれかであり得る。好ましい洗剤成分は、非イオン性又はアニオン性界面活性剤、たとえばアルコールエトキシレート又はLASであり、好ましい洗剤は、下記の材料及び方法に記載される洗剤PCSである。非イオン性界面活性剤は、H.ラヌギノサタイプのリパーゼ(たとえば菌類リパーゼ)のスクリーニングのために特に興味あるものであり、そしてアニオン性界面活性剤は、シュードモナスタイプのリパーゼのスクリーニングのために興味あるものである。
段階c)のスクリーニングは便利には、次の原理に基づいてフィルターアッセイの使用により行なわれる:
興味ある修飾された脂肪分解酵素を発現することができる微生物が、適切な培地上で及び分泌される酵素のための適切な条件下でインキュベートされ、ここで前記培地は、第1のタンパク質結合フィルター及びその上部に、低いタンパク質能力を示す第2フィルターを含んで成る二重フィルターを有する。微生物は第2フィルター上に位置する。インキュベーションに続いて、微生物から分泌される酵素を含んで成る第1フィルターが、微生物を含んで成る第2フィルターから分離される。前記フィルターが所望の酵素活性についてのスクリーニングにゆだねられ、そして第2フィルター上に存在するその対応する微生物コロニーが同定される。
酵素活性を結合するために使用されるフィルターは、いづれかのタンパク質結合フィルター、たとえばナイロン又はニトロセルロースであり得る。発現生物のコロニーを担持する上部フィルターは、タンパク質結合のための親和性を有さないか又は低い親和性を有するいづれかのフィルター、たとえば酢酸セルロース又はDuraporeTMであり得る。前記フィルターは、スクリーニングのために使用されるいづれかの条件により予備処理され得、又は酵素活性の検出の間、処理され得る。
酵素活性は、色素、螢光、沈殿、pHインジケーター、IR−吸光度、又は酵素活性の検出のためのいづれか他の既知の技法により検出され得る。
検出化合物は、いづれかの固定化剤、たとえばアガロース、寒天、ゼラチン、ポリアクリルアミド、スターチ、フィルター紙、布、又は固定化剤のいづれかの組合せにより固定され得る。
リパーゼ活性は、脂質、たとえばオリーブ油又はラーゼと組合して、ブリリアントグリーン、ローダミンB又はスダンブラックにより検出され得る。改良された洗浄性能を有する修飾された脂肪分解酵素を同定するためのスクリーニング基準は、酵素活性の上記検出器の1つと組合せて、たとえばEGTA,EDTA、非イオン性又はアニオン性テンシド、アルカリ性pH又はいづれかの洗剤組成物であり得る。
本発明のフィルターアッセイに使用されるスクリーニング基準は、スクリーニングされるべき酵素の所望する性質又は用途に応ずるよう選択され得ることが理解されるであろう。たとえば、紙及びパルプ産業における特定の用途の脂肪分解酵素についてのスクリーニングのためには、高められた温度安定性を有する酸性酵素についてスクリーンすることが適切である。これは、酸性pH(たとえばpH4)の緩衝液を用い、そして/又はアッセイの前、又はアッセイ下でより高い温度下でインキュベートすることによって行なわれ得る。
他方、スクリーニングは、段階b)に起因する突然変異誘発された脂肪分解酵素を単離し、そしてその洗浄性能(又はいづれか他の相当の性質)を試験することによって実施され得る。また、後者の“インビボ”試験は、スクリーニングアッセイにおいて選択される突然変異誘発された脂肪分解酵素の最良のものを同定するためにスクリーニングアッセイに加えて使用され得る。最終的に、得られる修飾された脂肪分解酵素のアミノ酸配列決定が、ペプチド付加物のアミノ酸配列を確かめるために使用され得る。
性質の改良方法
上記親脂肪分解酵素の性質を改良し、特に洗浄性能を改良することもまた本発明の目的である。本発明の方法により得られる改良された性質は、脂質基質に対して高められた親和性の結果であると思われる。
本発明の方法は、その成熟形の親酵素のN−末端又はC−末端にペプチド付加を適用することを含んで成る。本発明の態様において、これは、親脂肪分解酵素のプレ、プロ又はプレプロ−形をコードするDNA配列を含んで成る宿主細胞を培養することによって親酵素にペプチド付加を適用することにより行なわれる。任意には、前記DNA配列は、ベクター上に存在する。得られる修飾された脂肪分解酵素の回収、宿主細胞、培養条件及び/又は回収条件は、少なくとも5%、たとえば少なくとも10%、たとえば少なくとも15%、たとえば少なくとも20%、たとえば少なくとも25%、たとえば少なくとも50%、たとえば少なくとも75%の生成された修飾酵素分子が所望するペプチド付加、たとえば完全なプロ−配列又はその実質的な部分を含んで成ることをもたらす、親酵素のプレ、プロ又はプレプロ−形の部分的プロセッシングが生じるように選択される。
宿主細胞は、親酵素以外の異なった起源のもの、たとえば親酵素が由来する属以外の他の属のものであり得、又は親酵素の源よりも他の翻訳後プロセッシング機構を有することができる。
親脂肪分解酵素は好ましくは、糸状菌、たとえばヒュミコラ sp.の株、特に、H.ラヌギノサ、又は細菌、たとえばシュードモナス sp.の株に由来し、そして宿主細胞は酵母細胞、たとえばサッカロミセス sp.の株、特にサッカロミセス・セレビシアエ、又はハンセヌラ sp.(Hansenula sp.)の株である。
本発明の態様において、親脂肪分解酵素にペプチド付加を適用するために使用される宿主細胞の固有のタンパク質分解酵素生成能力は、その宿主細胞により1又は複数のタンパク質分解酵素の生成を破壊することによって減じられて来た。
本発明の方法は、
a)ペプチド付加を有する親脂肪分解酵素をコードするDNA配列、たとえば本発明のDNA配列を、前記ペプチド付加をコードするDNA配列の部分又は親酵素のC−末端又はN−末端の非構造部分における局在化されたランダム突然変異誘発にゆだね、
b)段階a)で得られた、変異誘発されたDNA配列を宿主細胞において発現し、そして
c)親脂肪分解酵素に比較して、改良された性能を有する変異誘発された脂肪分解酵素を発現する宿主細胞についてスクリーンする、
ことを含んで成る。
1つの態様において、前記DNA配列は、そのプロ又はプレプロ−形で親酵素をコードする遺伝子又はcDNA配列である。
非構造部分の負に荷電されたアミノ酸残基を欠失するか、あるいは中性もしくは正に荷電されたアミノ酸残基、又は疎水性アミノ酸残基により置換するか、又は中性アミノ酸残基を正に荷電されたアミノ酸残基により置換することによって、その成熟形で親酵素のC−末端又はN−末端の非構造部分に突然変異を導入することもまた、本発明に従って企画される。
親脂肪分解酵素
本発明の修飾された脂肪分解酵素は、微生物起源、好ましくは細菌又は菌類(すなわち、糸状菌又は酵母)起源のいづれかの親脂肪分解酵素から作製され得る。
本発明によれば、本発明の酵素は、脂肪分解酵素、たとえばリパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ及びクチナーゼ(従来の用語法によれば)であり得る。
プロ−及び/又はプレ−ペプチドをそれらのプロセッシングされていない状態で通常含んで成る脂肪分解酵素、及びそれらを含まない酵素が本発明の修飾のための親酵素として作用するよう企画されることが理解されるべきである。
適切な親脂肪分解酵素の例は、次の微生物に由来する酵素を包含する:
ヒュミコラ、たとえばH.ブレビスポラ(H.brevispora)、H.ラヌギノサ、H.ブレビス var.サーモイデア(H.brevis var.thermoidea)及びH.インソレンス(H.insolens)(アメリカ特許第4,810,414号又はWO96/13580);
シュードモナス、たとえばPs.フラギ(Ps.fragi)、Ps.スチュテゼリ(Ps.stutzeri)、Ps.セパシア(Ps.cepacia)及びPs.フルオレスセンス(Ps.fluorescens)(WO89/04361)、又はPs.プランタリ(Ps.plantarii)又はPs.グラジオリ(Ps.gladioli)(アメリカ特許第4,950,417号(Solvay酵素))、又はPs.アルカリゲネス及びPs.シュードアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号又はWO94/25578)、又はPs.メンドシナ(Ps.mendocina)(WO88/09367及びアメリカ特許第5,389,536号);
フサリウム、たとえばF.オキシスポラム(F.oxysporum)(ヨーロッパ特許第130,064号)又はF.ソラニ ピシ(WO90/09446);
ムコール(Mucor)(また、リゾムコル(Rhizomuror)とも呼ばれる)、たとえばM.ミエヘイ(M.miehei)(ヨーロッパ特許第238023号);
アビシジア sp.(Absidia sp.)(WO96/13578);
クロモバクテリウム(Chromobacterium)(特にC.ビスコサム(C.viscosum));
アスペルギラス(特に、A.ニガー);
カンジダ、たとえばC.シリンドラセア(C.cylindracea)(また、C.ルゴサ(C.rugosa)とも呼ばれる)、又はC.アンタルクチカ(WO88/02775)、又はC.アンタルクチカ リパーゼA又はB(WO94/01541及びWO89/02916);
ゼオトリカム(Geotricum)、たとえばG.カンジダム(G.candidum)(Schimadaなど.,(1989),J.Biochem.,106,383-388);
ペニシリウム、たとえばP.カメムベルチ(P.camlmbertii)(Yamaguchiなど.,(1991),Gene 103,61-67);
リゾプス(Rhizopus)、たとえばR.デレマー(R.delemer)(Hassなど.,(1991),Gene 109,107-113)、又はR.ニベウス(R.niveus)(Kugimiyaなど.,(1992)Biosci.Biotech.Biochem 56,716-719)、又はR.オリザエ;及び
バシラス、たとえばB.サブチリス(Dartoisなど.,(1993)Biochemica et Biophysica acta 1131,253-260)、又はB.ステアロサーモフィラス(B.stearothemophirus)(JP64/7744992)又はB.プミラス(B.pumilus)(WO91/16422)。
一般的な名称サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)は、1つの種、サーモマイセス・ラヌギノサスについてTsiklinskyにより1899年に紹介された。この種は、形態学的及び生理学的に非常に特徴的であり、そしてTsiklinskyのサーモマイセス・ラヌギノサスはのちの研究者(たとえば、Bunce(1961)及びCooney & Emerson(1964)により単離され、そして記載されるヒュミコラ・ラヌギノサと同じであることは疑う余地がない。
The International Code of Botanical Nomenclatureによれば、正しい名称は、最初の正当な名称である。従って、サーモマイセス・ラヌギノサスは正しい名称であるべきである。しかしながら、この種についてのTsiklinskyの不完全な説明のために、この合法性は多くの菌学者により問題化されて来た。従って、分類学的な混乱についての主な理由は、Tsiklinskyの説明が根拠の確実な出版のための必要条件を満たすかどうかについての異なった観点に関係する。
しかしながら、名称ヒュミコラ・ラヌギノサは、たぶん、そのヒュミコラ・ラヌギノサの名称の使用を推薦する、Cooney & Emerson(1964)“The Thermophilic Fungi”の本の人気のために、まだ文献に見られる。
サーモマイセス・ラヌギノサスからの18Sリボソーム遺伝子の一部をコードするDNAの配列決定を行なった。18S配列がGen Bankのデータベースにおける他の18S配列と比較され、そして極度の倹約を用いての系統発生分析(PAUP,Version 3.1.1,Smithsonian Institution,1993)もまた行なわれた。これは、サーモマイセス・ラヌギノサスをプレクトマイセテス(Plectomycetes)の種類、たぶんユーロチアレス(Eurotiales)図に明確に割り当てる。NCBI(National Center for Biotechnology Information)でのEntrez Browserによれば、これはサーモマイセス・ラヌギノサスを、エレマスカセアエ(Eremascaceae)、モノアスカセアエ(Monoascaceae)、シュードエウロチアセアエ(Pseudoeurotiaceae)及びトリココマセアエ(Trichocomaceae)のような科に関連づけており、ここで後者は、エメリセラ(Emericella)、アスペルギラス(Aspergillus)、ペニシリアム(Penicillium)、ユーペニシリアム(Eupenicillium)、パエシロマイセス(Paecilomyces)、タラロマイセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)及びスクレロクレイスタ(Sclerocleista)のような属を包含する。
本発明に関しては、名称ヒュミコラ・ラヌギノサが使用されるであろう。
シュードモナス sp.リパーゼに関しては、次の生物からのリパーゼが同じ科のリパーゼと高い程度の相同性を有し、そして従って、それらの科に属するように企画される:Ps.ATCC 21808、Ps.アエルギノサEF2、Ps.アエルギノサ PAC1R、Ps.アエルギノサPA01、Ps.アエルギノサ TE3285、Ps.sp.109、Ps.シュードアルカリゲネスM1、Ps.グルマエ(Ps.glumae)、Ps.セパシア DSM3959、Ps.セパシアM−12−33、Ps.sp.KWI-56、Ps.プチダ IFO3458、Ps.プチダ IFO12049(Gilbert,E.J.,(1993),Pseudomonas lipases:Biochemical properties and molecular cloning.Enzyme Microb.Technol.,15,634-645)。
本発明に従って修飾され得る容易に入手できる市販のリパーゼの特定の例は、Lipolase▲R▼及びLipolase▲R▼Ultra(Novo Nardisk A/Sから入手できる)である。
本発明に従って特別に企画される他の脂肪分解酵素の例は、Lumafast▲R▼(Genencor Int.Inc.からのPs.メンドシナ リパーゼ);Lipomax▲R▼(Genencor Int.Inc.からのPs.シュードアルカリゲネス リパーゼ);Unileverからのフサリウム・ソラニ リパーゼ(クチナーゼ);Solvay酵素からのバシラス sp.リパーゼ;及びLiposam▲R▼(Showa DenkoからのPs.メンドシナ リパーゼ)、並びに配列決定されており、そして配列番号93に示されるアミノ酸配列を有することが見出されている、WO95/06720に記載されるシュードモナス sp.リパーゼである。
本発明の修飾された酵素が構成される親脂肪分解酵素は、上記脂肪分解酵素、及びそのいづれかの変異体、修飾体及び末端切除体を包含することが強調されるべきである。
特別に企画されるそのような親酵素の例は、WO92/05249,WO94/01541,WO94/14951,WO94/25577,WO95/22615に記載されるような酵素及びヨーロッパ特許第407,225号に記載されるようなタンパク質工学的に処理されたリパーゼ変異体;アメリカ特許第5,352,594号に記載されるようなタンパク質工学的に処理されたPs.メンドシナ(Ps.mendocina)リパーゼ;WO94/14964に記載されるようなクチナーゼ(cutinase)変異体;ヨーロッパ特許第167,309号に記載されるようなアスペルギラス脂肪分解酵素の変異体;及びWO95/06720に記載されるシュードモナス sp.リパーゼを包含する。
最とも好ましい態様においては、親酵素は、ヒュミコラ sp.又はシュードモナス sp.の株、又はシュードモナス科に属すると思われる属に由来する。
本発明の特定の態様においては、脂肪分解活性を有する親酵素(本発明の修飾された酵素にプロセッシングされる)をコードするDNA配列は、ヨーロッパ特許第305216号に記載される糸状菌ヒュミコラ・ラヌギノサに由来する、脂肪分解活性を有する酵素をコードするDNA配列である。この場合、親酵素のアミノ酸配列は、分泌された成熟酵素の配列である。
本発明の修飾された酵素の洗浄性能及び/又は熱安定性は、酵素がグリコシル化される場合、さらに改良されことが現在予期されている。従って、本発明の態様において、修飾された酵素がグリコシル化され得る。そのアミノ酸配列は、いづれかの程度のグリコシル化を有することができる。
本発明のDNA配列
もう1つの観点において、本発明は、本発明の脂肪分解活性を有する前記修飾された酵素をコードするDNA配列に関する。
本発明の修飾された酵素をコードするDNA配列は通常、当業界において知られているいづれか適切な方法による(たとえば、上記に言及されたようなPCRの使用による)、問題の親脂肪分解酵素をコードするDNA配列の修飾により調製されるが、しかしまた、確立された標準の方法、たとえばBeaucage and Caruthers,(1981),Tetrahedron Letters 22,1859-1869により記載されるホスホアミジット法、又はMatthesなど.,(1984),EMBO Joarnal 3,801-805により記載される方法により合成的に調製され得る。ホスホアミジット法によれば、オリゴヌクレオチドが、たとえば自動DNA合成機において合成され、精製され、アニールされ、連結され、そして適切なベクターにクローン化される。
選択された親脂肪分解酵素をコードするDNA配列は、従来の技法の使用により得られる。たとえば、そのDNA配列は相当する生物から調製されたゲノム又はDNAライブラリーから単離され得、又はたとえばWO93/11249に記載されるようにして発現クローニングにより得られ、又は合成的に生成され得る。
現在好ましい態様においては、本発明の修飾された脂肪分解酵素をコードするDNA配列は、ヨーロッパ特許第305216号に記載される、ヒュミコラ・ラヌギノサに由来する脂肪分解酵素をコードするDNA配列から調製される。もう1つの好ましい態様においては、DNA配列は、シュードモナス sp.の株、特にPs.アルカリゲネス又はPs.シュードアルカリゲネスの株に由来する。
本発明の修飾された脂肪分解酵素をコードする、単離された核酸配列は、酵素の発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望され、又は必要とされる。クローニング法を用いての核酸配列の修飾技法は、当業界において良く知られている。
用語“制御配列”とは、核酸配列のコード配列の発現のために必要であるか又は好都合であるすべての成分を包含するよう、本明細書においては、定義される。個々の制御配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列に対して生来のものであるか又は外来性のものであり得る。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナル配列及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列のコード領域を有する制御配列の連結を促進する特定の制限部位を導入するためのリンカーを供給され得る。
制御配列は、適切なプロモーター配列であり得、この核酸配列はその核酸配列の発現のために宿主細胞により認識される。プロモーター配列は、修飾された脂肪分解酵素の発現を仲介する転写及び翻訳制御配列を含む。プロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示すいづれかの核酸配列であり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は非相同である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。特に、細菌宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリ lacオペロン、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、B.サズチリス レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)又はアルカリプロテアーゼ遺伝子、B.リケニホルミス α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、B.ステアロサーモフィラス マルトジェニック アミラーゼ遺伝子(amyM)、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、B.リケニホルミス(B.licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、B.サブチリス xy1A及びxy1B遺伝子、B.ピュミラス(P.pumilus)キシロシダーゼ遺伝子、及び原核性β−ラクタマーゼ又はトリプトファン遺伝子(Villa-Kamaroffなど.,1978,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:3727-3731)、並びにtac遺伝子(DeBoerなど.,1983,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80:21-25)から得られるプロモーターである。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria”in Scientific American,1980,242:74-94;及びSambrookなど.,1989、前記に記載される。糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を指図するための適切なプロモーターの例は、A.オリザエ TAKA アミラーゼ、A.オリザエ トリオース ホスフェート イソメラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロティナーゼ、A.ニガー中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸安定性α−アミラーゼ、A.ニガー又はA.アワモリ(A.awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイ リパーゼ、A.オリザエ アルカリ プロテアーゼ、A.オリザエ トリオース フォスフェート イソメラーゼ、A.ニドランス(A.nidulans)アセトアミダーゼ、フサリウム・オキシスポラム トリプシン様プロテアーゼ(アメリカ特許第4,288,627号に記載されるような;これは引用により本明細書に組込まれる)、又はADH−3プロモーター(McKnightなど.,(1985),The EMBO J.4,2093−3099)、及びそれらのハイブリッドをコードする遺伝子から得られたプロモーターである。糸状菌宿主細胞に使用するための特に好ましいプロモーターは、TAKAアミラーゼ及びglaAプロモーターである。酵母宿主においては、酵母解糖遺伝子(Hitzemanなど.,(1980),J.Biol.Chem.255,12073-12080;Alber and Kawasaki,(1982),J.Mol.Appl.Gen.1,419-434)、又はアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子(Youngなど.,Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals(Hollaenderなど.,eds.),Plenum Press,New York,1982)からのプロモーター、又はTPI1(アメリカ特許第4,599,311号)又はADH2−4c(Russellなど.,(1983),Nature 304,652-654)プロモーターが好ましい。有用なプロモーターは、S.セレビシアエ エノラーゼ(ENO−1)遺伝子、S.セレビシアエ ガラクトキナーゼ遺伝子(GAL1)、S.セレビシアエ アルコール デヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)及びS.セレビシアエ 3−ホスホグリセレート キナーゼ遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romanosなど.,1992,Yeast 8:423-488により記載される。
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を停止するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の3’末端に操作可能的に連結される。ターミネーター配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列に対して生来のものであり、又は外来性源から得られる。選択の宿主細胞において機能的であるいづれかのターミネーターが本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、A.オリザエ TAKA アミラーゼ、A.ニガー グルコアミラーゼ、A.ニジランス アントラニレート シンターゼ、A.ニガー α−グルコシダーゼ、及びフサリウム・オキシスホラム トリプシン様プロテアーゼをコードする遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、S.セレビシアエ エノラーゼ、S.セレビシアエ チトクロームC(CYC1)、又はS.セレビシアエ グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど.,1992、前記により記載される。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。そのリーダー配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の5’末端に操作可能的に連結される。リーダー配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列に対して生来のものであり得、又は外来性源から得られる。選択の宿主細胞において機能的であるいづれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、A.オリザエ TAKA アミラーゼ及びA.オリザエ トリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、S.セレビシアエ エノラーゼ(ENO−1)遺伝子、S.セレビシアエ 3−ホスホグリセレート キナーゼ遺伝子、S.セレビシアエ α−因子、S.セレビシアエ アルコール デヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)から得られる。
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわち、核酸配列の3’端に操作可能的に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためのシグナルとして宿主細胞により認識される配列である。ポリアデニル化配列は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列に対して生来のものであり得、又は外来性源から得られる。選択の宿主細胞において機能的であるいづれかのポリアデニル化配列が、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、A.オリザエ TAKA アミラーゼ、A.ニガーグルコアミラーゼ、A.ニジュランス アントラニレート シンターゼ、及びA.ニガーα−グルコシダーゼをコードする遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman,1995,Molecular Cellular Biology 15:5983-5990により記載される。ポリアデニル化配列は、哺乳類宿主細胞のためには当業界において良く知られている。
制御配列はまた、細胞の分泌路中に発現された、修飾された脂肪分解酵素を向けることができる、修飾された脂肪分解酵素のアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードするシグナルペプチドコード領域でもあり得る。そのシグナルペプチドコード領域は、本発明の修飾された脂肪分解酵素に対して生来のものであり、又は外来性源から得られる。核酸配列のコード配列の5’端は本来、分泌され、修飾された脂肪分解酵素をコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方、前記コード配列の5’端は、分泌され、修飾された脂肪分解酵素をコードするコード配列のその部分に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。シグナルペプチドコード領域を通常、含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方、前記外来性シグナルペプチドコード領域は、そのコード配列に通常、関連する天然のシグナルペプチドコード領域に関して酵素の増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。シグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス種からのグルコアミラーゼ又はアミラーゼ遺伝子、リゾムコル種からのリパーゼ又はプロティナーゼ遺伝子、サッカロミセス セレビシアエからのα−因子のための遺伝子、バシラス種からのアミラーゼ又はプロテアーゼ遺伝子、又はウシ プレプロキモシン遺伝子から得られる。細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バシラスNCIB 11837からのマルトジエン性アミラーゼ遺伝子、B.ステアロサーモフィラス α−アミラーゼ遺伝子、B.リケニホルミス スブチリシン遺伝子、B.リケニホルミス β−ラクタマーゼ遺伝子、B.ステアロサーモフィラス中性プロテアーゼ遺伝子(nprT,nprS,nprM)、及びB.サブチリス PrsA遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、Simonen and Palva,1993,Microbiology Reviews 57:109-137により記載されている。糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、A.オリザエ TAKA アミラーゼ遺伝子、A.ニガー中性アミラーゼ遺伝子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸 プロティナーゼ遺伝子、H.ラヌギノサ セルラーゼ遺伝子、又はリゾムコル・ミエヘイ リパーゼ遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、S.セレビシアエ α−因子及びS.セレビシアエ インバーターゼのための遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanosなど.,1992、前記により記載される。しかしながら、選択の宿主細胞の分泌路中に発現された酵素を方向づけることができるいづれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
本発明の核酸構造体はまた、修飾された脂肪分解酵素の発現において好都合である1又は複数の因子、たとえば活性化因子(たとえばトランス−作用因子)、シャペローン及びプロセッシングプロテアーゼをコードする1又は複数の核酸配列を含んで成る。1又は複数のそれらの因子をコードする核酸は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列と組をなす必要はない。活性化因子は、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の転写を活性化するタンパク質である(Kudlaなど.,1990,EMBO Journal 9:1355-1364;Jarai and Buxton,1994,Current Genetics 26:2238-244;Verdier,1990,Yeast 6:271-297)。活性化因子をコードする核酸配列は、B.ステアロサーモフィラス NprA(nprA)、S.セレビシアエ ヘム活性化因子タンパク質1(hap1)、S.セレビシアエ ガラクトース代謝タンパク質4(gal4)、及びA.ニジュランス アンモニア調節タンパク質(areA)をコードする遺伝子から得られる。さらなる例のためには、Verdier,1990、前記及びMackenzieなど.,1993,Journal of General Microbiology 139:2295-2307を参照のこと。シャペローンは、もう1つのポリペプチドの折りたたみを適切に助けるタンパク質である(Hartlなど.,1994,TIBS 19:20-25;Bergeronなど.,1994,TIBS 19:124-128;Demolderなど.,1994,Journal of Biotechnology 32:179-189;Craig,1993,Science 260:1902-1903;Gething and Sambrook,1992,Nature 355:33-45;Puig and Gilbert,1994,Journal of Biological Chemistry 269:7764-7771;Wang and Tsou,1993,The FASEB Journal 7:1515-11157;Robinsonなど.,1994 Bio/Technology l:381-384)。シャペローンをコードする核酸配列は、B.サブチリス GroE タンパク質、A.オリザエ タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、S.セレビシアエ カルネキシン、S.セレビシアエ Bip/GRP78及びS.セレビシアエ Hsp70をコードする遺伝子から得られる。さらなる例のためには、Gething and Sambrook,1992、前記及びHartlなど.,1994、前記を参照のこと。選択の宿主細胞において機能するいづれかの因子が、本発明において使用され得る。
宿主細胞の増殖に関して修飾された脂肪分解酵素の発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応じて遺伝子の発現のターン−オン又はターン−オフを引き起こすものである。原核システムにおける調節システムは、lac,tac及びtrpオペレーターシステムを包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、A.ニガー グルコアミラーゼ プロモーター及びA.オリザエ グルコアミラーゼ プロモーターが、調節刺激として使用され得る。調節配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にするものである。真核システムにおいては、それらは、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属により増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列は、調節配列と組をなして配置されるであろう。
発現ベクター
本発明はまた、本発明の核酸配列、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、一緒に連結され、1又は複数の便利な制限部位で修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の挿入又は置換を可能にするためにそのような部位を含むことができる組換え発現ベクターが生成される。他方、本発明の核酸配列は、発現のための適切なベクター中に、前記核酸配列又はその配列を含んで成る核酸構造体を挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、コード配列は、そのコード配列が発現及びたぶん分泌のための適切な制御配列により操作可能的に連結されるようベクターに配置される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そして核酸配列の発現をもたらすことができるいづれかのベクターであり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞と前記ベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉じられた環状プラスミドであり得る。ベクターは、自主的に複製するベクター、すなわち染色体外実在物(この複製は染色体複製とは無関係である)、たとえばプラスミド、染色体外要素、ミニ染色体、又は人工染色体として存在するベクターであり得る。ベクターは、自己複製を確かにするためのいづれかの手段を含むことができる。他方、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、ゲノム中に組込まれ、そしてそれが組込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。ベクターシステムは、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA、又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドであり得る。
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択可能マーカーを含む。選択マーカーは、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、原栄養性〜栄養要求性、及び同様のものを提供する生成物の遺伝子である。細菌選択可能マーカーの例は、B.サブチリス又はB.リケニホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質耐性、たとえばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。ときおり使用される哺乳類マーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子である。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2,HIS3,LEU2,LYS2,MET3,TRP1及びURA3である。糸状菌宿主細胞への使用のための選択可能マーカーは、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシン アセチルトランスフェラーゼ)、hygB(ヒグロマイシン ホスホトランスフェラーゼ)、niaD(ニトレート レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(スルフェートアデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニレート シンターゼ)及びグルホシネート耐性マーカー、並びに他の種からの同等物を包含する群から選択され得るが、但しこれらだけには、限定されない。アスペルギラス細胞への使用のためには、A.ニジュランス又はA.オリザエのamdS及びpyrGマーカー、及びストレプトマイセス ヒグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)のbarマーカーが好ましい。さらに、選択は、たとえばWO91/17243に記載されるように、選択マーカーが別のベクター上に存在する、同時形質転換により達成され得る。
本発明のベクターは、宿主細胞ゲノム中へのそのベクターの安定した組込み、又は細胞のゲノムに無関係な細胞におけるベクターの自主的な複製を可能にする要素を含む。
本発明のベクターは、宿主細胞中に導入される場合、宿主細胞ゲノム中に組込まれ得る。組込みのためには、ベクターは、修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列、又は相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定した組込みのためのベクターのいづれか他の要素に依存する。他方、ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組込みを指図するために追加の核酸配列を含むことができる。その追加の核酸配列は、染色体における正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組込みを可能にする。正確な位置での組込みの見込みを高めるためには、組込み要素は好ましくは、相同組換えの確率を増強するためにその対応する標的配列に対して高い相同性である、十分な数の核酸、たとえば100〜1,500個の塩基対、好ましくは400〜1,500個の塩基対、及び最とも好ましくは、800〜1,500個の塩基対を含むべきである。その組込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配列に対して相同であるいづれかの配列であり得る。さらに、その組込み要素は、非コード、又はコードの核酸配列であり得る。他方、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組込まれ得る。それらの核酸配列は、宿主細胞のゲノムにおける標的配列と相同であるいづれかの配列であり得、又はさらに、非コード又はコードの配列であり得る。
自主複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてベクターの自主的複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、プラスミドpBR322,pUC19,pACYC177,pACYC184,pUB110,pE194,pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、CEN6及びARS4の組合せ、及びCEN3及びARS1の組合せである。複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有するものであり得る(たとえば、Ehrlich,1978,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433を参照のこと)。
本発明の修飾された脂肪分解酵素をコードする核酸配列の1つ以上のコピーが、核酸配列の発現を増幅するために宿主細胞中に挿入され得る。核酸配列の安定した増幅は、当業界において良く知られた方法を用いて、宿主細胞ゲノム中に前記配列の少なくとも1つの追加のコピーを組込み、そして形質転換体について選択することによって得られる。
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(たとえば、Sambrookなど.,1989、前記を参照のこと)。
宿主細胞
本発明はまた、修飾された脂肪分解酵素の組換え生成に都合良く使用される、本発明の核酸配列を含んで成る組換え宿主細胞にも関する。細胞は好ましくは、本発明の核酸配列を含んで成るベクターにより形質転換され、続いて宿主染色体中へのそのベクターの組込みを包含する。“形質転換”とは、宿主細胞中への本発明の核酸配列を含んで成るベクターの導入を意味し、その結果、前記ベクターは染色体組込み体として又は自己複製する染色体外ベクターとして維持される。組込みは一般的に、核酸配列が細胞に安定して維持される場合、好都合であると思われる。宿主染色体中へのベクターの組込みは、上記のような相同又は非相同組換えにより生じることができる。
宿主細胞の選択は、修飾された脂肪分解酵素をコードする遺伝子及びその源にひじょうに依存するであろう。さらに、宿主細胞の選択は、しばしば、宿主細胞のタンパク質分解酵素系、及び本発明の修飾された脂肪分解酵素の生成に対するその影響に依存するであろう。従って、1又は複数のタンパク質分解酵素又は他の酵素プロセッシング手段を欠失している宿主細胞を用いることが所望される。プロテアーゼ欠失の細菌及び菌類(糸状菌及び酵母)宿主細胞は、当業界において良く知られている。
宿主細胞は単細胞微生物、又は非単細胞微生物であり得る。有用な単細胞は、細菌細胞、たとえばグラム陽性細菌、たとえばバシラス細胞、たとえばB.サブチリス、B.リケニホルミス、B.レンタス、B.ブレビス、B.ステアロサーモフィラス、B.アルカロフィラス、B.アミロリクエファシエンス、B.コアグランス、B.サーキュランス、B.ラウタス、B.メガテリウム、及びB.トリンギエンシス、又はストレプトマイセス細胞、たとえばS.リビダンス又はS.ムリナス、又はグラム陰性細菌、たとえばE.コリ及びシュードモナス sp.(特に、細菌性脂肪分解酵素、たとえばシュードモナス sp.酵素が生成される予定である場合)であるが、但しそれらだけには限定されない。細菌宿主の形質転換は、たとえばプロトプラスト形質転換(たとえば、Chang and Cohen,1979,Molecular General Genetics 168:111-115)により、コンピテント細胞の使用(たとえば、Young and Spizizin,1961,Journal of Bacteriology 81:823-829、又はDubnar and Davidoff-Abelson,1971,Journal of Molecular Biology 56:209-221)により、エレクトロポレーション(たとえば、Shigekawa and Dower,1988,Biotechniques 6:742-751)により、又は接合(たとえば、Koehler and Thorne,1987,Journal of Bacteriology 169:5771-5278)によりもたらされ得る。
宿主細胞は、真核生物であり、そして好ましくは菌類、すなわち特に真核起源の修飾された脂肪分解酵素の生成のためには、酵母細胞又は糸状菌細胞であり得る。
“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子ノウ胞子性酵母(エンドマイセタール(Endomycetales))、担子胞子性酵母、及び不完全菌類(ブラストマイセテス(Blastomycetes))に属する酵母を包含する。子ノウ胞子性酵母は、2種のスペルモプソラセアエ(Spermophthoraceae)及びサッカロミセタセアエ(Saccharomycetaceae)科に分割される。後者は、4種の亜科、すなわちシゾサッカロミコイデアエ(Schizosaccharomycoideae)(たとえば、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属)、ナドソニオイデアエ(Nadsonioideae)、リポマイコイデアエ(Lipomycoideae)及びサッカロマイコイデアエ(Saccharomycoideae)(たとえばピチア(Pichia)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)及びサッカロミセス(Saccharomyces)属)から成る。担子胞子性酵母は、ロイコスポリジム(Leucosporidim)、ロードスポリジアム(Rhodosporidium)、スポリジオボラス(Sporidiobolus)、フィロバシジアム(Filobasidium)及びフィロバシジエラ(Filobasidiella)属を包含する。不完全菌類に属する酵母は、2種の科、すなわちスポロボロマイセタセアエ(Sporobolomycetaceae)(たとえばソロボロマイセス(Sorobolomyces)及びブレラ(Bullera)属)及びクリプトコカセアエ(Cryptococcaceae)(たとえばカンジダ(Candida)属)に分割される。酵母の分類は未来においては変化するので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast(Skinner,F.A.,Passmore,S.M.,and Davenport,R.R.,eds,Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1989)に記載されるように定義されるであろう。酵母の生物学及び酵母遺伝学の操作は当業界において良く知られている(たとえば、Biochemistry and Genetics of Yeast,Bacil,M.,Horecker,B.J.,and Stopani,A.O.M.,editors,2nd edition,1987;The Yeasts,Rose,A.H.,and Harrison,J.S.,editors,2nd editoon,1987;及びThe Moleaular Biology of the Yeast Saccharomyces,Strathernなど.,editors,1981を参照のこと)。本発明に関して、もう1つのタンパク質分解酵素プロセッシング系、たとえば細菌及び糸状菌を典型的には有する酵母細胞の使用は、問題の親脂肪分解酵素の天然のプロ配列の一部又はすべてを、ペプチド付加物として含んで成る修飾された脂肪分解酵素を調製するために特に好都合である。菌類宿主細胞が酵母細胞(たとえば、親酵素のプロ配列の一部又は完全な形でペプチド付加物を適用することに使用されるべき)である場合、その酵母細胞は、カンジダ、クルイベロミセス、サッカロミセス、シゾサッカロミセス、ピチア、又はヤロウィア(Yarrowia)の種の細胞、たとえばS.セレビシアエ細胞、S.スカルスベルゲンシス(S.scarlsbergensis)細胞、S.ジアスタチカス(S.diastaticus)細胞、S.ドウグラシ(S.douglasii)細胞、S.クルイビリ(S.Kluyveri)細胞)、S.ノルベンシス(S.norbensis)細胞、又はS.オビホルミス(S.oviformis)細胞であり得る。
本明細書において使用されるような“菌類”(Fungi)とは、アスコマイコタ(Ascomycota)、バシジオマイコタ(Basidiomycota)、キトリジオマイコタ(Chytridiomycota)、及びズイゴマイコタ(Zygomycota)(Hawksworthなど.,In,Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UKにより定義されるような)、並びにオーマイコタ(Oomycota)(Hawksworthなど.,1995、前記、171pに引用されるような)、及びすべての栄養胞子菌類(Hawksworthなど.,1995、前記)を包含する。アスコマイコタの代表的なグループは、たとえばニューロスポラ(Neurospora)、ユーペニシリアム(Eupenicillium)(= ペニシリアム)、エメリセラ(Emericella)(= アスペルギラス)、ユーロチアム(Eurotium)(= アスペルギラス)、及び上記に列挙される真の酵母を包含する。バシジオマイコタの例は、マッシュルーム、サビ菌及び黒穂菌を包含する。キトリジオマイコタの代表的なグループは、たとえばアロマイセス(Allomyces)、ブラストクラジエラ(Blastocladiella)、コエロモマイセス(Coelomomyces)及び水性菌を包含する。オーマイコタの代表的なグループは、たとえばサブロレグニオマイセトアス(Saprolegniomycetous)水性菌(水カビ)、たとえばアキリヤ(Achlya)を包含する。栄養胞子菌の例は、アスペルギラス、ペニシリアム、カンジダ及びアルテルナリアを包含する。ズイゴマイコタの代表的なグループは、たとえばリゾパス及びムコルを包含する。
“糸状菌”(Filamentous fungi)は、ユーマイコタ(Eumycota)及びオーマイコタのすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど.,1995、前記により定義されるような)。糸状菌は、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複雑な多糖類から構成される活性菌糸体により特徴づけられる。栄養増殖(vegetutive growth)は、菌糸の伸長によってであり、そして炭素異化は通性好気性である。対照的に、酵母、たとえばサッカロミセス・セレビシアエによる栄養増殖は、単細胞性葉状体(unicellular thallus)の出芽によってであり、そして炭素異化は発酵的であり得る。
好ましい態様において、菌類宿主細胞は、糸状菌細胞である。より好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニアム、アスペルギラス、フサリウム、ヒュミコラ、マイセリオプソラ、ムコル、ニューロスポラ、ペニシリアム、チエラビア、トリポクラジアム及びトリコダーマの種の細胞であるが、但し、これらだけには限定されない。さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞はアスペルギラス細胞である。さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞はフサリウム細胞である。最とも好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、A.オリザエ細胞、A.ニガー細胞、A.フォエチダス(A.foetidus)細胞又はA.ジャポニカス(A.japonicus)細胞である。さらに最とも好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム オキシスポラム細胞又はF.グラミネアラム(F.graminearum)細胞である。
菌類細胞は、プロトプラスト形成、前記プロトプラストの形質転換、及び細胞壁の再生を包含する方法により形質転換され得る。アスペルギラス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど.,1984,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81:1470-1474に記載されている。フサリウム種を形質転換する適切な方法は、Malardierなど.,1989,Gene 78:147-156又はWO96/00787により記載されている。酵母は、Becker and Guarente,In Abelson,J.N.and Simon,M.I.,editors,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Methods in Enzymology,Volume 194,pp 182-187,Academic Press,Inc.,New York;Itoなど.,1983,Journal of Bacteriology 153:163;及びHinnenなど.,1978,Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。哺乳類細胞は、Graham and Van der Eb(1978,Virology 52:546)のリン酸カルシウム沈殿法を用いての直接的な取込みにより形質転換され得る。
本発明に従って使用される宿主細胞は好都合には、プロテアーゼ欠失又はプロテアーゼ陰性株(又は同様のもの)、たとえばプロテアーゼを欠いている株、特にペプチド付加物(ある場合、プロペプチドである)に隣接する部位で修飾された脂肪分解酵素を切断することができるエキソプロテアーゼであり得る。特に適切な宿主細胞は、トリペプチジル−アミノペプチダーゼ(TPAP)を欠いている(たとえば、Novo Nordisk A/SからのWO96/14404を参照のこと)、ジペプチジル−アミノペプチダーゼ(DPAP)を欠いている宿主細胞、又はKex2プロテアーゼ又はKex2−様プロテアーゼを欠いており、そして従って、二塩基部位、たとえばArg-Arg(RR)で切断することができない宿主細胞である。
宿主細胞の他の例は、ヨーロッパ特許第429490(Genencor Inc.からの)に記載されるアスパラギン酸プロティナーゼ欠失宿主細胞、タンパク質分解酵素を欠いている宿主細胞、たとえばWO93/00925(Amgen),WO92/17595(Salk Inst Biotech)、ヨーロッパ特許第341215号、ヨーロッパ特許第574347号及びPCT/DK96/00111(Novo Nordisk A/S)に記載される宿主細胞を包含する。
下記例においては、欠失されたアルカリプロテアーゼ遺伝子を有するアスペルギラス オリザエ宿主細胞が使用された。
製造方法
本発明はまた、(a)本発明の修飾された脂肪分解酵素の発現の助けとなる条件下で前記酵素をコードするDNA配列により形質転換された宿主細胞を培養し、そして(b)前記修飾された脂肪分解酵素を回収することを含んで成る、本発明の修飾された脂肪分解酵素を製造するための方法にも関する。
宿主細胞は、当業界において知られている方法を用いて修飾された脂肪分解酵素の生成のために適切な栄養培地において培養され得る。たとえば、前記細胞は、修飾された脂肪分解酵素の発現及び/又は単離を可能にする条件下で及び適切な培地において実施される実験室用又は産業用発酵器における振盪フラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチ、又は固体状態発酵を包含する)により培養され得る。培養は、当業界において知られている方法を用いて、炭素及び窒素源、及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において行なわれる(たとえば、細菌及び酵母についての文献;Bennett,J.W.and La Sure,L.,editors,More Gene Manipulations in Fungi,Academic Press,CA,1991を参照のこと)。適切な培地は商業的な供給者から入手でき、又は公開された組成に従って調製され得る(たとえば、American Type Culture Collectionのカタログにおける)。修飾された脂肪分解酵素が栄養培地中に分泌される場合、その修飾された脂肪分解酵素は培地から直接的に回収され得る。修飾された脂肪分解酵素が分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収される。
得られる修飾された脂肪分解酵素は当業界により知られている方法により回収され得る。たとえば、修飾された脂肪分解酵素は、従来の方法、たとえば遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発又は沈殿(但し、これらだけには限定されない)により栄養培地から回収され得る。次に、回収された、修飾された脂肪分解酵素は、種々のクロマトグラフィー方法、たとえばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー又は同様のものにより、さらに精製され得る。
本発明の修飾された脂肪分解酵素は、当業界において知られている種々の方法、たとえばクロマトグラフィー(たとえば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動法(たとえば分離用等電点電気泳動(IEF)、示差溶解性(たとえば、硫酸アンモニウム沈殿)、又は抽出(但し、これらだけには限定されない)により精製される(たとえば、Protein Purification,J.-C.Janson and Lars Ryden,editors,VCH Publishers,New York,1989を参照のこと)。
本発明の好ましい態様において、ペプチド付加物は、親脂肪分解酵素のプレ、プロ又はプレプロ−形をコードする、任意にはベクター上に存在するDNA配列を含んで成る宿主細胞を培養し、そして得られる修飾された脂肪分解酵素を回収することによって、親酵素に適用される。宿主細胞、培養条件、及び/又は回収条件が選択され、その結果、親酵素のプレ、プロ又はプレプロ−形の部分的プロセッシングが生ぜしめられ、その結果、生成された、修飾された酵素分子の少なくとも5%、たとえば少なくとも10%、たとえば少なくとも15%、たとえば少なくとも20%、たとえば少なくとも25%、たとえば少なくとも50%又は少なくとも75%が、所望の、たとえば完全なプレ配列又はその実質的な部分を含んで成る。
本発明の酵素組成物
さらなる観点において、本発明は、本発明の脂肪分解活性を有する酵素を含んで成る酵素組成物に関する。
本明細書で定義される場合、“実質的に純粋な”酵素は、SDS−PAGEにより決定される場合、他の相同汚染物(修飾された脂肪分解酵素と同じ源に起因する)を実質的に有さない、たとえば少なくとも約20%の純度、好ましくは少なくとも約40%の純度、より好ましくは約60%の純度、さらにより好ましくは約80%の純度、最とも好ましくは約90%の純度、及びさらに最とも好ましくは約95%の純度を有する酵素である。
ある場合、宿主細胞は、同じ切断部位でその宿主により発現される修飾された脂肪分解酵素分子のすべてを処理するとは限らず、十分な長さのペプチド付加物を有する部分、及びペプチド付加物の一部のみを有する1又は複数の他の部分から成る修飾された酵素生成物をもたらす。発明者は、これが洗浄性能に有意に影響を及ぼさないことを見出した。従って、本発明の酵素組成物中の脂肪分解酵素のすべてが十分な長さのペプチド付加物を保持するとは限らない場合でさえ、その酵素組成物は所望する効果、たとえば改良された洗浄性能を発揮することができる。実際、与えられた目的のために使用されるべき本発明の修飾された脂肪分解酵素の合計量の少なくとも約5%が上記のように損なわれていないペプチド付加物を有する限り、これが所望する効果を付与するために十分であることが見出された。次に、修飾された脂肪分解酵素分子の残る部分は、意図されるものよりも短いペプチド付加物(たとえば、1又は複数のアミノ酸が宿主生物による酵素のプロセッシングの間、切断されている結果として)を有することができるか、又はペプチド付加物をまったく有することができない。従って、本発明の酵素組成物は、その十分な長さの付加物を有する修飾された脂肪分解酵素の少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%、たとえば少なくとも約25%、良好には少なくとも約50%、特に少なくとも約75%を含むことを単に必要とする。
前記酵素組成物はさらに、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ及び/又はリパーゼの群から選択された酵素、及び洗浄のために意図される場合、洗剤組成物に通常使用される成分を含んで成ることができる。
本発明の修飾された脂肪分解酵素は、洗剤組成物、たとえば次のセクションにおいて詳細に記載されるであろう洗浄粉末又は皿洗い組成物における成分として特に興味あるものであることが見出された。さらに、それらの改良された性質により、本発明の修飾された脂肪分解酵素は、たとえばベーキング産業において、有機合成(たとえばエステル化、エステル交換又はエステル加水分解反応)における触媒として、及び皮、毛及び関連する産業において(たとえば、動物の皮、羊の皮又は毛の脱脂のための)、並びに脱脂/脱脂肪を包含する他の用途のために有用である。
洗剤の開示
界面活性剤系
本発明の洗剤組成物は、非イオン性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性及び/又は両性イオン性及び/又は半極性界面活性剤から選択され得る界面活性剤系を含んで成る。
界面活性剤は典型的には、0.1〜60重量%のレベルで存在する。
界面活性剤は、好ましくは、組成物に存在する酵素成分と適合できるように配合される。液体又はゲル組成物において、界面活性剤は最とも好ましくは、それがそれらの組成物におけるいづれかの酵素の安定性を促進し、又は少なくとも分解しないように配合される。
本発明に従って使用されるべき好ましい界面活性剤系は、本明細書に記載される1又は複数の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤を界面活性剤として含んで成る。
非イオン性洗剤界面活性剤は通常、たとえばアルキル基が約6〜約12個の炭素原子を含むアルキルフェノール、個々のアルキル基が6〜12個の炭素原子を含むジアルキルフェノール、好ましくは8〜20個の炭素原子を有する第一、第二又は第三脂肪族アルコール(又はそのアルキル−キャップド誘導体)、アルキル基に10〜約24個の炭素原子を有するモノカルボン酸、及びポリプロキシレンに由来する有機疎水性グループと化学的組合しての水可溶性ポリアルコキシレン又はモノ−又はジアルカノールアミドグループから成る。脂肪酸基のアルキル基が10〜約20個の炭素原子を含み、そしてアルキロイル基が1〜3個の炭素原子を有する脂肪酸モノ−及びジアルカノールアミドもまた通常である。任意には、モノ−及びジアルカノールアミド誘導体のいづれかにおいて、後者のグループ及び分子の疎水性部分を連結するポリオキシアルキレン成分が存在することができる。すべてのポリアルコキシレン含有界面活性剤においては、ポリアルコキシレン成分は好ましくは、2〜20個のグループの酸化エチレン、又は酸化エチレン及び酸化プロピレングループから成る。
アルキルフェノールの酸化ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレン縮合物は、本発明の界面活性剤系の非イオン性界面活性剤としての使用のために適切であり、そして酸化ポリエチレン縮合物が好ましい。それらの化合物は、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約8〜約14個の炭素原子を含むアルキル基を直鎖又は枝分れ鎖の形状で有するアルキルフェノールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物を包含する。好ましい態様においては、酸化エチレンは、アルキルフェノール1モル当たり、約2〜約25モル、より好ましくは約3〜約15モルの酸化エチレンに等しい量で存在する。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤は、GAF Corporationから市販されているIgepalTM CO-630;及びRohm & Haas Companyから市販されている、TritonTM X−45,X−114,X−100及びX−102を包含する。それらの界面活性剤は、通常、アルキルフェノールアルコキシレート(たとえば、アルキルフェノールエトキシレート)として言及される。
第一及び第二脂肪族アルコールと約1〜約25モルの酸化エチレンとの縮合生成物は、本発明の非イオン性界面活性剤系の非イオン性界面活性剤としての使用のために適切である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は枝分れ鎖、一次又は二次のいづれかであり得、そして一般的には、約8〜約22個の炭素原子を含む。約8〜約20個の炭素原子、より好ましくは約10〜約18個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当たり約2〜約10モルの酸化エチレンとの縮合生成物が好ましい。アルコール1モル当たり約2〜約7モルの酸化エチレン及び最とも好ましくは、2〜5モルの酸化エチレンが、前記縮合生成物に存在する。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例は、TergitolTM 15−S−9(C11−C15の線状アルコールと9モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、TergitolTM 24−L−6 NMW(C12−C14の一次アルコールと狭い分子量分布を有する6モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、両者ともUnion Carbide Corporationにより市販されている;NeodolTM 45−9(C14−C15の線状アルコールと9モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、NeodolTM 23−3(C12−C13の線状アルコールと3モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、NeodolTM 45−7(C14−C15の線状アルコールと7モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、NeodolTM 45−5(C14−C15の線状アルコールと5モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、これらはShell Chemical Companyにより市販されている;KyroTM EOB(C13−C15のアルコールと9モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、The Procter & Gamble Companyにより市販されている;及びGenapol LA 050(C12−C14のアルコールと5モルの酸化エチレンとの縮合生成物)、Hoechstにより市販されている;を包含する。それらの生成物におけるHLBの好ましい範囲は、8〜11であり、そして最とも好ましくは、8〜10である。
本発明の洗剤組成物は、少なくとも25個の酸化アルキレン基、好ましくは少なくとも50個の酸化アルキレン基、及びより好ましくは少なくとも80個の酸化アルキレン基を含むアルコキシル化された脂肪族アルコールである非イオン性材料を含んで成る。約6〜約30個の炭素原子、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を含む疎水性基、及び多糖類、たとえば約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最とも好ましくは約1.3〜約2.7のサッカリド単位を含むポリグリコシド親水性基を有する、アメリカ特許第4,565,647号に開示されるアルキルポリサッカリドである。5又は6個の炭素原子を含むいづれかの還元サッカリドが使用され得、たとえばグルコース、ガラクトース及びガラクトシル成分がグルコシル成分により置換され得る(任意には、疎水性基が2−,3−,4−、等の位置で結合され、従って、グルコシド又はガラクトシドとは対照的にグルコース又はガラクトースを付与する)。サッカリド間結合は、たとえば、追加のサッカリド単位の1つの位置と前方のサッカリド単位上の2−,3−,4−及び/又は6−位置との間で存在することができる。
もう1つの有用な非イオン性界面活性剤は、WO95/10524に記載されるように、6〜24個の炭素原子の直鎖又は枝分れ鎖の飽和又は不飽和脂肪族鎖を有し、任意には芳香族、脂環式、混合された芳香族−脂肪族又はポリアルキルオキシアルキル基を含む、ウロン酸、ウロン酸塩、又はウロン酸ラクトン又はポリウロン酸のグリコシドである。
好ましいアルキルポリグリコシドは、下記式:
R2O(CnH2nO)t(グリコシル)x
〔式中、R2はアルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びそれらの混合物から選択され、ここで前記アルキル基は約10〜約18個、好ましくは約12〜約14個の炭素原子を含み;nは2又は3、好ましくは2であり;tは0〜約10、好ましくは0であり;そしてxは約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最とも好ましくは約1.3〜約2.7である〕を有する。グリコシルは好ましくは、グルコースから誘導される。それらの化合物を調製するためには、アルコール又はアルキルポリエトキシアルコールがまず形成され、そして次に、グルコース、又はグルコースの源と反応せしめられ、グルコシド(1−位置での結合)が形成される。次に、追加のグリコシル単位は、それらの1−位置と前方のグリコシル単位2−,3−,4−及び/又は6−位置、好ましくは優先的には2−位置との間に結合され得る。
酸化プロピレンとプロピレングリコールとの縮合により形成される疎水性基材と酸化エチレンとの縮合生成物はまた、本発明の追加の非イオン性界面活性剤系としての使用のために適切である。それらの化合物の疎水性部分は好ましくは、約1500〜約1800の分子量を有し、そして水不溶性を示すであろう。この疎水性部分へのポリオキシエチレン成分の付加は、分子の水溶解性を全体として高める傾向があり、そして生成物の流体特徴は、ポリオキシエチレン含有率が縮合生成物の合計重量の約50%である点まで(これは、約40モルまでの酸化エチレンとの縮合に対応する)保持される。このタイプの化合物の例は、BASFにより市販されているPluronicTM界面活性剤を包含する。
酸化プロピレンとエチレンジアミンとの反応に起因する生成物と酸化エチレンとの縮合生成物もまた、本発明の非イオン性界面活性剤系中の非イオン性界面活性剤としての使用のために適切である。それらの生成物の疎水性成分は、エチレンジアミン及び過剰の酸化プロピレンの反応生成物から成り、そして一般的には、約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性成分は、その縮合生成物が約40〜約80重量%のポリオキシエチレンを含み、そして約5,000〜約11,000の分子量を有する程度まで酸化エチレンにより縮合される。このタイプの非イオン性界面活性剤の例は、BASFにより市販されているTetronicTM化合物を包含する。
アルキルフェノールの酸化ポリエチレン縮合物、第一及び第二脂肪族アルコールと約1〜約25モルの酸化エチレンとの縮合生成物、アルキルポリサッカリド、及びそれらの混合物は、本発明の界面活性剤系の非イオン性界面活性剤としての使用のために適切である。3〜15個のエトキシ基を有するC8−C14のアルキルフェノールエトキシレート、及び2〜10個のエトキシ基を有するC8−C18のアルコールエトキシレート(好ましくは平均10個の炭素原子)、及びそれらの混合物が最とも好ましい。ひじょうに好ましい非イオン性界面活性剤は、下記一般式:
Figure 0004307549
〔式中、R1はHであり、又はR1はC1-4ヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル又はそれらの混合物であり、R2はC5-31ヒドロカルビルであり、Zは線状ヒドロカルビル鎖に直接的に結合される少なくとも3個のヒドロキシルを有する前記鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化された誘導体である〕で表わされるポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤である。好ましくは、R1はメチルであり、R2は直鎖のC11-15アルキル又はC16-18アルキル又はアルケニル鎖、たとえばココナッツアルキル、又はそれらの混合物であり、そしてZは還元性アミノ化反応において還元糖、たとえばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトースから誘導される。
少なくとも6の平均アルコキシル化程度を有するアルコキシル化された非イオン性界面活性剤及びANR1R2(ここで、Aはアルドビオン酸である糖成分であるが、但し、それはアルドン酸上のカルボニル基から通常延長するOH基を含まない)の構造のアルドビオンアミドを含んで成る非イオン性界面活性剤系は本発明において適切である。NR1R2は、アルドビオン酸上のヒドロキシル基が通常見出される場所に結合される。R1R2は、同じであっても又は異なっていても良く、水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族基、脂環式基、アミノ酸エステル、又はエーテルアミンである。R1及びR2は、WO95/2770に記載されるように両者とも水素原子ではあり得ない。
他のいわゆる非イオン性洗剤化合物は、長鎖の第三アミンオキシド、長鎖の第三オスフィンオキシド及びジアルキルスルホキシドを包含する。
非常に好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化されたスルフェート界面活性剤を包含し、式RO(A)m SO3M(ここでRは置換されていないC10−C24アルキル、又はC10−C24アルキル成分、好ましくはC12−C20アルキル又はヒドロキシアルキル、より好ましくはC12−C18アルキル又はヒドロキシルアルキルを有するヒドロキシアルキル基であり、Aはエトキシ又はプロポキシ単位であり、mはゼロよりも大きく、典型的には約0.5〜約6、より好ましくは約0.5〜約3であり、そしてMはH又はカチオン、たとえば金属カチオン(たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、等)、アンモニウム又は置換されたアンモニウムカチオンである)で表わされる水可溶性塩又は酸である。アルキルエトキシル化されたスルフェート及びアルキルプロポキシル化されたスルフェートが本明細書において企画される。置換されたアンモニウムカチオンの特定の例は、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウムカチオン及び第四アンモニウムカチオン、たとえばテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペルジニウムカチオン、及びアルキルアミンから誘導されたもの、たとえばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、それらの混合物、及び同様のものを包含する。代表的な界面活性剤は、C12−C18アルキルポリエトキシレート(1.0)スルフェート(C12−C18E(1.0)M)、C12−C18アルキルポリエトキシレート(2.25)スルフェート(C12−C18(2.25)M)、及びC12−C18アルキルポリエトキシレート(3.0)スルフェート(C12−C18E(3.0)M)、並びにC12−C18アルキルポリエトキシレート(4.0)スルフェート(C12−C18E(4.0)M)(ここで、Mは便利には、ナトリウム及びカリウムから選択される)である。使用される適切なアニオン性界面活性剤は、アルキルエステルスルホネート界面活性剤、たとえば“The Journal of the American Oil Chemists Society”,52(1975),pp.323-329に従って、気体SO3によりスルホン化されるC8−C20カルボン酸(すなわち、脂肪酸)の線状エステルである。適切な開始材料は、牛脂、ヤシ油、等に由来する天然の脂肪物質を包含する。
特に洗濯用途のための好ましいアルキルエステルスルホネート界面活性剤は、下記構造式:
Figure 0004307549
〔式中、R3はC8−C20ヒドロカルビル、好ましくはアルキル、又はそれらの組合せであり、R4はC1−C6ヒドロカルビル、好ましくはアルキル、又はそれらの組合せであり、そしてMはアルキルエステルスルホネートと水溶性塩を形成するカチオンである〕で表わされるアルキルエステルスルホネート界面活性剤を含んで成る。適切な塩形成カチオンは、金属、たとえばナトリウム、カリウム、及びリチウム、及び置換された又は置換されていないアンモニウムカチオン、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンを包含する。好ましくは、R3はC10−C16アルキルであり、そしてR4はメチル、エチル又はイソプロピルである。R3がC10−C16アルキルであるメチルエステルスルホネートが特に好ましい。
他の適切なアニオン性界面活性剤は、式ROSO3M(式中、Rは好ましくは、C10−C24ヒドロカルビル、好ましくはアルキル又はC10−C20アルキル成分を有するヒドロキシアルキル、より好ましくはC12−C18アルキル又はヒドロキシアルキルであり、そしてMはH又はカチオン、たとえばアルカリ金属カチオン(たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム又は置換されたアンモニウム(たとえば、メチル−、ジメチル−及びトリメチルアンモニウムカチオン及び第四アンモニウムカチオン、たとえばテトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、及びアルキルアミン、たとえばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びそれらの混合物に由来する第四アンモニウムカチオン、及び同様のもの)である)で表わされる水溶性塩又は酸であるアルキルスルフェート界面活性剤を包含する。典型的には、C12−C16のアルキル鎖が低い洗浄温度(たとえば約50℃以下)のために好ましく、そしてC16−C18のアルキル鎖が高い洗浄温度(たとえば約50℃以上)のために好ましい。
洗浄目的のために有用な他のアニオン性界面活性剤はまた、本発明の洗濯洗剤組成物に含まれ得る。それらは、石鹸の塩(たとえば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及び置換されたアンモニウム塩、たとえばモノ−、ジ−、及びトリエタノールアミン塩)、C8−C22第一又は第二アルカンスルホネート、C8−C24オレフィンスルホネート、イギリス特許第1,082,179に記載されるようにしてアルカリ土類金属シトレートの熱分解された生成物のスルホン化により調製されたスルホン化されたポリカルボン酸、C8−C24アルキルポリグリコールエーテルスルフェート(10モルまでの酸化エチレンを含む);アルキルグリセロールスルホネート、脂肪アシルグリセロールスルホネート、脂肪オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、イセチオネート、たとえばアシルイセチオネート、アルコキシカルボン酸のイセチオネートエステル(WO95/14661に記載されるような)、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメート及びスルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に飽和及び不飽和C12−C18モノエステル)及びスルホスクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C6−C12ジエステル)、アシルサルコシネート、オレオイルサルコシネート、アルキルポリサッカリドのスルフェート、たとえばアルキルポリグルコシドのスルフェート(その非イオン性非スルホネート化合物は下記に記載される)、枝分れした第一アルキルスルフェート、及びアルキルポリエトキシカルボキシレート、たとえば式RO(CH2CH2O)k−CH2COO-M+(式中、RはC8−C22アルキルであり、kは1〜10の整数であり、そしてMは可溶性塩形成カチオンである)で表わされるものを包含することができる。樹脂酸及び水素化された樹脂酸、たとえばロジン、水素化されたロジン、及びタル油に存在するか又はタル油から誘導された樹脂酸及び水素化された樹脂酸もまた適切である。アルキルベンゼンスルホネート、特に線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)(ここで、アルキル基は10〜18個の炭素原子を含む)がひじょうに好ましい。
さらなる例は、“Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz,Perry and Berch)に記載されている。種々のそのような界面活性剤はまた一般的にアメリカ特許第3,929,678号(第23欄第58行〜第29欄第23行)に開示される。
本明細書に包含される場合、本発明の洗濯洗剤組成物は典型的には、約1〜約40重量%、好ましくは約3〜約20重量%のそのようなアニオン性界面活性剤を含んで成る。
本発明の洗濯洗剤組成物はまた、カチオン性、両性、両性イオン、及び半極性界面活性剤、及び本明細書にすでに記載された以外の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤を含むことができる。
本発明の洗濯洗剤組成物への使用のために適切なカチオン性洗浄界面活性剤は、1つの長鎖のヒドロカルビル基を有するものである。そのようなカチオン性界面活性剤の例は、アンモニウム界面活性剤、たとえばアルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド、及び下記式:
〔R2(OR3y〕〔R4(OR3y2R5N+X-
〔式中、R2はアルキル鎖に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル又はアルキルベンジル基であり、個々のR3は、−CH2CH2−,CH2CH(CH3)−,−CH2CH(CH2OH)−,−CH2CH2CH2−及びそれらの混合物から成る群から選択され;個々のR4はC1−C4アルキル、C1−C4ヒドロキシアルキル、2つのR4基を連結することにより形成されるベンジル環構造体、
−CH2CHOHCHO HCOR6CHOHCH2OH(ここでR6はいづれかのヘキソース又は1000以下の分子量を有するヘキソースポリマーである)、及びyが0でない場合、水素から成る群から選択され;R5はR4と同じであるか、又はアルキル鎖(ここで炭素原子の合計数又はR2+R5が約18個よりも多くない)であり;個々のyは0〜約10であり、そしてy値の合計は0〜約15であり;そしてXはいづれかの適合性アニオンである〕で表わされるそれらの界面活性剤を包含する。
ひじょうに好ましいカチオン性界面活性剤は、下記式:
R1R2R3R4N+X- (i)
〔式中、R1はC8−C16アルキルであり、R2,R3及びR4の個々は独立して、C1−C4アルキル、C1−C4ヒドロキシアルキル、ベンジル及び−(C2H40xH(ここで、xは2〜5の値である)であり、そしてXはアニオンである〕を有する、本発明の組成物において有用な水溶性第四アンモニウム化合物である。1つよりも多くのR2,R3又はR4はベンジルであるべきではない。
1のための好ましいアルキル鎖長はC12−C15であり、特にこの場合、アルキル基はヤシ又はヤシの仁の脂肪に由来する鎖長の混合物であり、又はオレフィン構成又はOXOアルコール合成により合成的に誘導される。
2,R3及びR4についての好ましい基は、メチル及びヒドロキシエチル基であり、アニオン性基のXは、ハリド、メトスルフェート、アセテート及びホスフェートイオンから選択され得る。本発明において使用するための式(i)の適切な第四アンモニウム化合物の例は、下記のものである:
ヤシトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ヤシメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
デシルトリエチルアンモニウムクロリド;
デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
12-15 ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ヤシジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート;
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロリド又はブロミド;
コリンエステル(式(i)の化合物、式中、R1
Figure 0004307549
アルキルであり、そしてR2R3R4はメチルである);
ジアルキルイミダゾリン〔式(i)の化合物〕。
本発明において有用な他のカチオン性界面活性剤はまた、アメリカ特許第4,228,044号及びヨーロッパ特許第000224号にも記載される。
本発明に包含される場合、本発明の洗濯洗剤組成物は典型的には、0.2〜約25重量%、好ましくは約1〜約8重量%のそのようなカチオン性界面活性剤を含んで成る。
両性界面活性剤はまた、本発明の洗濯洗剤組成物への使用のために適切である。それらの界面活性剤は、第二又は第三アミンの脂肪族誘導体、又は複素環式第二及び第三アミンの脂肪族誘導体(ここで、脂肪族基は直鎖又は枝分れ鎖である)として広く記載され得る。脂肪族置換基の1つは、少なくとも8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個の炭素原子を含み、そしてその少なくとも1つは、アニオン性水溶性基、たとえばカルボキシ、スルホネート、スルフェートを含む。両性界面活性剤の例については、アメリカ特許第3,929,678号(第19欄第18〜35行)を参照のこと。
本発明に包含される場合、本発明の洗濯洗剤組成物は典型的には、0.2〜約15重量%、好ましくは約1〜約10重量%のそのような両性界面活性剤を含んで成る。
両性イオン界面活性剤はまた、洗濯洗剤組成物への使用のために適切である。それらの界面活性剤は、第二及び第三アミンの誘導体、複素環式第二又は第三アミンの誘導体、又は第四アンモニウム、第四ホスホニウム又は第四スルホニウム化合物の誘導体として広く記載され得る。両性イオン界面活性剤の例については、アメリカ特許第3,929,678号(第19欄第38行〜第22欄第48行)を参照のこと。
本発明に包含される場合、本発明の洗濯洗剤組成物は典型的には、0.2〜約15重量%、好ましくは約1〜約10重量%のそのような両性イオン界面活性剤を含んで成る。
半極性非イオン性界面活性剤は、特定のカテゴリーの非イオン性界面活性剤であり、次のものを包含する:約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル成分、及びアルキル基及び約1〜約3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から成る群から選択された2種の成分を含む水溶性アミンオキシド;約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル成分、及びアルキル基及び約1〜約3個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から成る群から選択された2種の成分を含む水溶性ホスフィンオキシド;及び約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル成分、及びアルキル基、及び約1〜約3個の炭素原子のヒドロキシアルキル基から成る群から選択された成分を含む水溶性スルホキシド。
半極性非イオン性洗剤界面活性剤は、下記式:
Figure 0004307549
〔式中、R3は約8〜約22個の炭素原子を含む、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアルキルフェニル基、又はそれらの混合物であり;R4は約2〜約3個の炭素原子を含むアルキレン又はヒドロキシアルキレン基又はそれらの混合物であり;xは0〜約3であり;そしてR5は約1〜約3個の炭素原子を含むアルキル又はヒドロキシアルキル基、又は約1〜約3個の酸化エチレン基を含むポリ酸化エチレンである〕で表わされる酸化アミン界面活性剤を包含する。前記R5基はたとえば環構造体を形成するために、酸素又は窒素原子を通してお互い結合され得る。
それらの酸化アミン界面活性剤は、C10−C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC8−C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを包含する。
本発明に包含される場合、本発明の洗濯洗剤組成物は、典型的には、0.2〜約15重量%、好ましくは約1〜約10重量%のそのような半極性非イオン性界面活性剤を含んで成る。
ビルダー系
本発明の組成物は、さらにビルダー系を含むことができる。いづれかの従来のビルダー系、たとえばアミノシリケート材料、シリケート、ポリカルボキシレート及び脂肪酸、エチレンジアミン四酢酸のような材料、金属イオン封鎖剤、たとえばアミノポリホスホネート、特にエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸は、本発明への使用のために適切である。ホスフェートビルダー、たとえばピロホスフェート、オルトホスフェート又はポリホスフェートがまた、本発明において使用され得る。
適切なビルダーは、無機イオン交換材料、通常、無機の水和化されたアルミノシリケート材料、より特定には、水和化された合成ゼオライト、たとえば水和化されたゼオライトA,X,B,HS又はMAPである。他の適切な無機ビルダー材料は、積層されたシリケート、たとえばSKS−6(Hoechst)である。SKS−6は、珪酸ナトリウム(Na2Si2O5)から成る結晶性の積層されたシリケートである。
1つのカルボキシ基を含む適切なポリカルボキシレートは、BE831,368,BE821,369及びBE821,370に開示されるような乳酸、グリコール酸及びそれらのエーテル誘導体を包含する。2つのカルボキシ基を含むポリカルボキシレートは、琥珀酸、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸及びフマル酸の水溶性塩、及びデンマーク特許第2,446,686号、デンマーク特許第2,446,487号、アメリカ特許第3,935,257号に記載されるエーテルカルボキシレート、並びにBE840,623に記載されるスルフィニルカルボキシレートを包含する。3個のカルボキシ基を含むポリカルボキシレートは、特に水溶性シトレート、アコニトレート及びシトラコネート、並びにそれらのスクシネート誘導体、たとえばイギリス特許第1,379,241号に記載されるカルボキシメチルオキシスクシネート、ニュージーランド特許出願第7205873号に記載されるラクトキシスクシネート、及びオキシポリカルボキシレート材料、たとえばイギリス特許第1,387,447号に記載される2−オキサ−1,1,3−プロパントリカルボキシレートを包含する。
4個のカルボキシ基を含むポリカルボキシレートは、イギリス特許第1,261,829号に開示されるオキシジスクシネート、1,1,2,2−エタンテトラカルボキシレート及び1,1,3,3−プロパンテトラカルボキシレートを包含する。スルホ置換基を含むポリカルボキシレートは、イギリス特許第1,398,421号及び第1,398,422号、及びアメリカ特許第3,936,448号に開示されるスルホスクシネート誘導体、及びイギリス特許第1,082,179号に記載されるスルホン化された熱分解シトレートを包含し、そしてホスホン置換基を含むポリカルボキシレートは、イギリス特許第1,439,000号に開示される。
脂環式及び複素環式ポリカルボキシレートは、シクロペンタン−シス、シス、シス−テトラカルボキシレート、シクロペンタジエニド ペンタカルボキシレート、2,3,4,5−テトラヒドロ−フラン−シス、シス、シス−テトラカルボキシレート、2,5−テトラヒドロ−フラン−シス、ジカルボキシレート、2,2,5,5−テトラヒドロフラン−テトラカルボキシレート、1,2,3,4,5,6−ヘキサン−ヘキサカルボキシレート、及び多価アルコール、たとえばソルビトール、マンニトール及びキシリトールのカルボキシメチル誘導体を包含する。
芳香族ポリカルボキシレートは、イギリス特許第1,425,343号に開示されるメリット酸、ピロメリット酸及びフタル酸誘導体を包含する。上記のうち、好ましいポリカルボキシレートは、分子当たり3個までのカルボキシ基を含むヒドロキシカルボキシレート、より好ましくはシトレートである。
本発明に使用するための好ましいビルダー系は、水不溶性アルミノシリケートビルダー、たとえばゼオライトA、積層されたシリケート(SKS−6)、及び水溶性カルボキシレートキレート化剤、たとえばクエン酸の混合物を包含する。
本発明の洗剤組成物への包含のための適切なキレート化剤は、エチレンジアミン−N,N’−二琥珀酸(EDDS)、又はそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は置換アンモニウム塩、又はそれらの混合物である。好ましいEDDS化合物は、遊離酸形、及びそのナトリウム又はマグネシウム塩である。EDDSのそのような好ましいナトリウム塩の例は、Na2EDDS及びNa4EDDSを包含する。EDDSのそのような好ましいマグネシウム塩の例は、MgEDDS及びMg2EDDSを包含する。前記マグネシウム塩は、本発明の組成物への包含のために最とも好ましいものである。
好ましいビルダー系は、水不溶性アルミノシリケートビルダー、たとえばゼオライトA、及び水溶性カルボキシレートキレート化剤、たとえばクエン酸の混合物を包含する。
粒状組成物への使用のためのビルダー系の一部を形成できる他のビルダー材料は、無機材料、たとえばアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、及び有機材料、たとえば有機ホスホネート、アミノポリアルキレンホスホネート及びアミノポリカルボキシレートを包含する。
他の適切な水溶性有機塩は、ホモ−又はコ−ポリマー酸又はそれらの塩であり、ここでポリカルボン酸は、2つよりも多くない炭素原子によりお互い分離される少なくとも2つのカルボキシル基を含んで成る。
このタイプのポリマーはイギリス特許出願第1,596,756号に開示されている。そのような塩の例は、MW 2000〜5000のポリアクリレート、及び無水マレイン酸とのそれらのコポリマー、たとえば20,000〜70,000、特に約40,000の分子量を有するコポリマーである。
洗剤ビルダー塩は通常、組成物において5〜80重量%の量で含まれる。液体洗剤のためのビルダーの好ましいレベルは、5〜30重量%である。
酵 素
好ましい洗剤組成物は、本発明の酵素の他に、洗浄性能及び/又は布用保護利点を提供する他の酵素を含んで成る。そのような酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ(たとえばラッカーゼ)を包含する。
プロテアーゼ:アルカリ性溶液における使用のために適切ないづれかのプロテアーゼが使用され得る。適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のものを包含する。微生物起源が好ましい。化学的に又は遺伝子的に修飾された突然変異体が包含される。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼであり得る。アルカリプロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバシラスに由来するもの、たとえばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO89/06279に記載される)。トリプシン様プロテアーゼの例は、トリプシン(たとえば、ブタ又はウシ起源のもの)、及びWO89/06270に記載されるフサリウムプロテアーゼである。好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、Alcalase,Savinase,Primase,Durazym及びEsperaseとしてNovo Nordisk A/S(Denmark)により市販されているもの、Maxatase,Maxacal,Maxapem及びProperaseとしてGist-Bracades/Genencorにより市販されているもの、及びOpticlean及びOptimaseとしてSolvay Enzymesにより市販されているものを包含する。プロテアーゼ酵素は、組成物の酵素タンパク質の0.0001〜2重量%のレベルで、特に組成物の酵素タンパク質の0.001〜0.1重量%のレベルで本発明の組成物中に導入され得る。
リパーゼ:アルカリ溶液における使用のために適切ないづれかのリパーゼが使用され得る。適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のもの及び化学的に又は遺伝子的に修飾されたリパーゼ突然変異体を包含する。
有用なリパーゼの例は、ヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載されるようなヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ、及びWO92/05249,WO94/25577及びWO95/22615に記載されるようなそれらの変異体、ヨーロッパ特許第238023号に記載されるようなリゾムコル・ミエヘイ リパーゼ、カンジダ リパーゼ、たとえばC.アンタルクチカ リパーゼ、たとえばヨーロッパ特許第214761号に記載されるC.アンタルクチカ リパーゼA又はB、シュードモナス リパーゼ、たとえばヨーロッパ特許第218272号に記載されるようなP.アルカリゲネス及びP.シュードアルカリゲネス リパーゼ、又は前記シュードモナス リパーゼのいづれかの変異体、ヨーロッパ特許第331376号に記載されるようなP.セパシア リパーゼ、BP第1,372,034号に開示されるようなP.スチュテゼリ リパーゼ、P.フルオレスセンス リパーゼ、バシラス リパーゼ、たとえばB.スブチリス リパーゼ(Dartoisなど.,(1993),Biochemica et Biophysica acta 1131,253-260)、B.ステアロサーモフィラス リパーゼ(日本特許64/744992)及びB.プミラス リパーゼ(WO91/16422)を包含する。さらに、多くのクローン化されたリパーゼ、たとえばYamaguchiなど.,(1991),Gene 103,61-67に記載されるようなペニシリアム カメムベルチ リパーゼ、ゼオトリカム カンジダム リパーゼ(Schimada,Y.など.,(1989),J.Biochem.,106,383-388)、及び種々のリゾパス リパーゼ、たとえばR.デルマル リパーゼ(Hass,M.J.など.,(1991),Gene 109,117-113)、R.ニベウス リパーゼ(Kugimiyaなど.,(1992),Biosci.Biotech.Biochem.56,716-719)及びR.オリザエ リパーゼはまた、有用である。
他のタイプの脂肪分解酵素、たとえばクチナーゼ、たとえばWO88/09367に記載されるようなシュードモナス・メンドシナに由来するクチナーゼ、又はフサリウム ソラニ ピシに由来するクチナーゼ(たとえば、WO90/09446に記載される)もまた有用である。特に適切なリパーゼは、Ml LipaseTM,Luma fastTM及びLipomaxTM(Gist-Brocades/Genencor),LipolaseTM及びLipolase UltraTM(Novo Nordisk A/S)、及びLipase P“Amano”(Amano Pharmaceutical Co.Ltd)のようなリパーゼである。
リパーゼは通常は、洗剤組成物の酵素タンパク質の0.0001〜2重量%のレベルで、特に組成物の酵素タンパク質の0.001〜0.1重量%のレベルで洗剤組成物に導入される。
アミラーゼ:アルカリ溶液における使用のために適切ないづれかのアミラーゼ(α及び/又はβ)が使用され得る。適切なアミラーゼは、細菌又は菌類起源のものを包含する。化学的に又は遺伝子的に修飾された突然変異体も包含される。アミラーゼは、たとえばイギリス特許第1,296,839号に、より詳細に記載される、B.リケニホルミスの特定株から得られるα−アミラーゼを包含する。市販のアミラーゼは、DuramylTM,TermamylTM,FungamylTM及びBANTM(Novo Nordisk A/Sから入手できる)、及びRapidaseTM及びMaxamyl PTM(Gist-Brocades/Genencorから入手できる)である。
アミラーゼは通常、洗剤組成物の酵素タンパク質の0.0001〜2重量%のレベルで、特に組成物の酵素タンパク質の0.001〜0.1重量%のレベルで洗剤組成物に導入される。
セルラーゼ:アルカリ溶液における使用のために適切ないづれかのアミラーゼが使用され得る。適切なアミラーゼは、細菌又は菌類起源のものを包含する。化学的に又は遺伝子的に修飾された突然変異体が包含される。適切なセルラーゼは、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)から生成される菌類セルラーゼを開示するアメリカ特許第4,435,307号に開示される。特に適切なセルラーゼは、色彩保護利点を有するセルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、公開されたヨーロッパ特許出願第0495257号に記載されるセルラーゼである。市販のセルラーゼは、ヒュミコラ・インソレンスの株により生成されるCelluzymeTM(Novo Nordisk A/S)及びKAC-500(B)TM(Kao Corporation)である。
前記セルラーゼは通常、洗剤組成物の酵素タンパク質の0.0001〜2重量%のレベルで、特に組成物の酵素タンパク質の0.001〜0.1重量%のレベルで洗剤組成物に導入される。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼは、過酸化水素又は酸素源、たとえばペルカーボネート、ペルボレート、ペルスルフェート、等と一緒に使用される。それらは“溶液漂白”のために、すなわち染色された布がWO94/12621及びWO95/01426に記載されるように、洗液において一緒に、好ましくは増強剤と一緒に洗浄される場合、前記布から他の布への織物用染料の移行を妨げるために使用される。適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のものを包含する。化学的に又は遺伝子的に修飾された突然変異体が包含される。
前記ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素は通常、洗剤組成物の酵素タンパク質の0.0001〜2重量%のレベルで、特に組成物の酵素タンパク質の0.001〜0.1重量%のレベルで洗剤組成物に導入される。
上記酵素の混合物、特にプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ及び/又はセルラーゼの混合物が本発明において包含される。
任意の洗剤成分
漂白剤:本発明の洗剤組成物に含まれ得る追加の任意の洗剤成分は、漂白剤、たとえばPB1,PB4及び400〜800ミクロンの粒子サイズを有するペルカーボネートを包含する。それらの漂白剤成分は、1又は複数の酸素漂白剤、及び選択される漂白剤に依存して、1又は複数の漂白活性化剤を含むことができる。存在する場合、酸素漂白化合物は典型的には、約1〜約25%のレベルで存在するであろう。
本発明に使用するための漂白剤成分は、洗剤組成物のために有用な漂白剤、たとえば酸素漂白剤及び当業界において知られている他のもののいづれかであり得る。
本発明のために適切な漂白剤は、活性化された又は活性化されていない漂白剤であり得る。
使用され得る酵素漂白剤の1つのカテゴリーは、ペルカルボン酸漂白剤、及びその塩を包含する。このクラスの剤の適切な例は、マグネシウムモノペルオキシフタレート六水和物、メタ−クロロ過安息香酸のマグネシウム塩、4−ノニルアミノ−4−オキソペルオキシ酪酸及びジペルオキシドデカンジオン酸を包含する。そのような漂白剤は、アメリカ特許第4,483,781号、アメリカ特許第740,446号、ヨーロッパ特許第0133354号及びアメリカ特許第4,412,934号に開示される。ひじょうに好ましい漂白剤はまた、アメリカ特許第4,634,551号に開示されるような6−ノニルアミノ−6−オキソペルオキシカプロン酸を包含する。
使用される漂白剤のもう1つのカテゴリーは、ハロゲン漂白剤を包含する。ヒポハライト漂白剤の例は、トリクロロイソシアヌル酸、及びナトリウム及びカリウムジクロロイソシアヌレート、及びN−クロロ及びN−ブロモアルカンスルホンアミドを包含する。そのような材料は通常、最終生成物の0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%で添加される。
過酸化水素開放剤は、漂白活性化剤、たとえばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ノナノイルオキシベンゼンイルホネート(NOBS、アメリカ特許第4,412,934号に記載される)、3,5−トリメチルヘキサノールオキシベンゼンスルホネート(ISONOBS、ヨーロッパ特許第120591号に記載される)又はペンタアセチルグルコース(PAG)(それらは、過加水分解され、活性標的種としての過酸が形成され、改良された漂白効果が導びかれる)と組合して使用され得る。さらに、漂白活性化剤C8(6−オクタンアミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホネート、C9(6−ノナンアミド カプロイル)オキシベンゼンスルホネート、及びC10(6−デカンアミド カプロイル)オキシベンゼンスルホネート、又はそれらの混合物がひじょうに適切である。また適切な活性化剤は、ヨーロッパ特許出願第91870207.7号に開示されるようなアシル化されたクエン酸エステルである。
有用な漂白剤、たとえば本発明の洗浄組成物への使用のための漂白活性化剤及び過酸素漂白化合物を含んで成るペルオキシ酸及び漂白システムは、USSN08/136,626号に記載される。
第四イミン塩は、WO95/13352に記載されるように過酸素化合物と一緒に漂白触媒として使用され得る。
過酸化水素はまた、洗浄及び/又はすすぎ工程の開始で又はその工程の間、過酸化水素を発生せしめることができる酵素システム(すなわち、酵素及びそのための基質)を添加することによっても存在することができる。そのような酵素システムは、公開されたヨーロッパ特許出願第0537381号に開示される。
過酸素漂白源からの過酸の開放は、本発明のリパーゼの使用により活性化され得る。酵素加水分解システムのための必要な成分は次の過酸前駆体基質である:過酸化ジアシルR1−CO-O−O−CO−R(ここで、R及びR1は飽和又は不飽和アルキル、アリール基又はアルカリールであり得る)。リパーゼは、前記基質と反応し、そして洗浄において過酸を開放する。
非水性液体洗剤組成物は、ペルオキシ酸材料、たとえばN,N’−ジ(4−ペルカルボキシベンゾイル)エチレンジアミン(PCBED)、N,N’−テレフタロイル−ジ(6−アミノペルカルボキシカプロン酸)(TPCAP)、N,N’−ジ(4−ペルカルボキシベンゾイル)ピペラジン(PCBPIP)、N,N’−ジ(4−ペルカルボキシベンゾイル)−1,4−ジアミノシクロヘキサン(PCBHEX)、N,N’−ジ(4−ペルカルボキシベンゾイル)−1,4−ブタンジアミン(PCBBD)、N,N’−ジ(4−ペルカルボキシアニリン)−テレフタレート(DPCAT)、N,N,N’,N’−1,2,4,5−テトラ−カルボキシベンゾイル−ジ(6−アミノペルカルボキシカプロン酸)(Di PAP)、N,N’−ジ(ペルカルボキシアジポリ)フェニレンジアミン(DPAPD)、N,N’−スクシノイル−ジ(4−ペルカルボキシ)アニリン(SDPCA)、WO95/06104に記載されるようなN,N’−テレフタロイル−ジ−(8−アミノペルオキシオクタン酸)(TPOCT)のC3類似体から成るペルオキシ酸を含んで成る。
酸素漂白剤以外の漂白剤はまた当業界において良く知られており、そして本発明において利用され得る。特に興味ある非酸素漂白剤の1つの型は、光活性化された漂白剤、たとえばスルホン化された亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニンを包含する。それらの材料は、洗浄工程の間、支持体上に付着され得る。酵素の存在下での光による照射に基づいて、たとえば布を日光下に干すことによって、スルホン化された亜鉛フタロシアニンが活性化され、そして従って、支持体が漂白される。好ましい亜鉛フタロシアニン及び光活性化された漂白剤工程は、アメリカ特許第4,033,718号に記載される。典型的には、洗剤組成物は、約0.025〜約1.25重量%のスルホン化された亜鉛フタロシアニンを含むであろう。
漂白剤はまた、マンガン触媒を含むことができる。そのマンガン触媒は、たとえば“Efficient manganese catalysts for low-temperature bleachnig”,Nature 369,1994,pp.637-639に記載される化合物の1つであり得る。
泡抑制剤:他の任意の成分は、シリコーン、及びシリカ−シリコーン混合物により例示される泡抑制剤である。シリコーンは一般的に、アルキル化されたポリシロキサン材料により示され得、そしてシリカは通常、種々の型のシリカエーロゲル及びキセロゲル、及び疎水性シリカにより例示される細かく分類された形で使用される。それらの材料は、泡抑制剤が好都合には、水溶性又は水分散性で実質的に非界面活性洗剤不透過性のキャリヤーに開放的に組込まれる粒状物として組込まれ得る。他方では、泡抑制剤は、液体キャリヤーに溶解され、又は分散され、そして1又は複数の他の成分上に噴霧することによって適用される。
好ましいシリコーン泡調節剤は、アメリカ特許第3,933,672号に開示されている。他の特に有用な泡抑制剤は、デンマーク特許第2,646,126号に記載される自己乳化シリコーン泡抑制剤である。そのような化合物の例は、シロキサン−グリコールのコポリマーである、Dow Corningから市販されているDC−544である。特に好ましい泡調節剤は、シリコーン油及び2−アルキル−アルカノールの混合物を含んで成る泡抑制剤システムである。適切な2−アルキル−アルカノールは、商標名Isofol 12Rとして市販されている2−ブチル−オクタノールである。
そのような泡抑制剤システムは、公開されたヨーロッパ特許出願第0593841号に記載されている。
特に好ましいシリコーン泡調節剤は、公開されたヨーロッパ特許出願第0573699号に記載される。前記組成物は、非多孔性のヒュームドシリカ、たとえばAerosilRと組合してシリコーン/シリカ混合物を含んで成る。
上記泡抑制剤は通常、組成物中、0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%のレベルで使用される。
他の成分:洗剤組成物に使用される他の成分、土壌−懸濁剤、土壌−開放剤、螢光増白剤、研磨剤、殺菌剤、曇りインヒビター、着色剤及び封入された又は封入されていない香料が使用され得る。
特に適切な封入材料は、イギリス特許第1,464,616号に記載されるような、ポリサッカリド及びポリヒドロキシ化合物のマトリックスから成る水溶性カプセルである。
他の適切な水溶性封入材料は、アメリカ特許第3,455,838号に記載されるような、置換されたジカルボン酸のゲル化されていないスターチ酸エステルに由来するデキストリンを含んで成る。それらの酸−エステルデキストリンは、好ましくは、ロウ状トウモロコシ、ロン状サトウモロコシ、サゴ、タピオカ及びジャガイモのようなスターチから調製される。前記封入材料の適切な例は、National Starchにより製造されるN−Lokを包含する。そのN−Lok封入材料は、修飾されたトウモロコシスターチ及びグルコースから成る。スターチは、一官能置換基、たとえばオクテニル無水琥珀酸を添加することによって修飾される。
本発明において適切な抗再沈着剤及び土壌懸濁剤は、セルロース誘導体、たとえばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース及びホモ−又はコ−ポリマー性ポリカルボン酸又はそれらの塩を包含する。このタイプのポリマーは、ポリアクリレート及び無水マレイン酸−アクリル酸のコポリマー、たとえば前でビルダーとして言及されたSokalan CP5、及び無水マレイン酸とエチレン、メチルビニルエーテル又はメタクリル酸とのコポリマー(前記無水マレイン酸は前記コポリマー中において少なくとも20モル%を構成する)を包含する。それらの材料は、組成物において、0.5〜10重量%、より好ましくは0.75〜8重量%、最とも好ましくは1〜6重量%のレベルで使用される。
好ましい螢光増白剤は特徴的にはアニオン性であり、その例としては、二ナトリウム4,4’−ビス(2−ジエタノールアミノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−モルホリノ−4−アニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2,4−ジアニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’ジスルホネート一ナトリウム4’,4’’−ビス−(2,4−ジアニリノ−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2−スルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−アニリノ−4−(N−メチル−N−2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(4−フェニル−2,1,3−トリアゾール−2−イル)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−アニリノ−4−(1−メチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、ナトリウム−2(スチルビル−4’’−(ナフト−1’,2’:4,5)−1,2,3−トリアゾール−2’’−スルホネート、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルを挙げることができる。
他の有用なポリマー材料は、ポリエチレングリコール、特に分子量1000〜10000、より好ましくは2000〜8000及び最とも好ましくは約4000のものである。それらは、0.20〜5重量%、より好ましくは0.25〜2.5重量%のレベルで使用される。それらのポリマー及び前で言及されたホモ−又はコ−ポリマー性ポリカルボキシレート塩は、白色度の維持、布への灰の付着、及び粘土、タンパク質性及び酸化可能な土壌に対する洗浄性能を遷移金属不純物の存在下で改良するために価値あるものである。
WO95/22593に記載されるようなグラフトポリマーもまた使用され得る。
本発明の組成物において有用な土壌開放剤は、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位との種々の配置でのコポリマー又はターポリマーである。そのようなポリマーの例は、アメリカ特許第4,116,885号、アメリカ特許第4,711,730号及びヨーロッパ特許第0272033号に開示される。ヨーロッパ特許第0272033号の特に好ましいポリマーは、下記式:
(CH3(PEG)430.75(POH)0.25[(T-PO)2.8(T-PEG)0.4]T(POH)0.25((PEG)43CH30.75
〔式中、PEGは−(OC2H4)O−であり、POは(OC3H6O)であり、そしてTは(pcOC6H4CO)である〕を有する。
ジメチルテレフタレート、ジメチルスルホイソフタレート、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールのランダムコポリマーのような修飾されたポリエステルもまた、ひじょうに有用であり、ここで前記末端基は第1に、スルホベンゾエート及び第2に、エチレングリコール及び/又はプロパン−ジオールのモノエステルから成る。その標的は、本発明においてはスルホベンゾエート基によりその両端でキャップされたポリマーを得ることであり、“第1に”本明細書においては、前記コポリマーのほとんどはスルホベンゾエート基により末端キャップされるであろう。しかしながら、いくつかのコポリマーは十分にキャップされておらず、そして従って、それらの末端基はエチレングリコール及び/又はプロパン1,2−ジオールのモノエステルから成り、それゆえ、“第2には”、そのような種から成る。
本発明における選択されたポリエステルは、約46重量%のジメチルテレフタル酸、約16重量%のプロパン−1,2ジオール、約10重量%のエチレングリコール、約13重量%のジメチルスルホ安息香酸及び約15重量%のスルホイソフタル酸を含み、そして約3,000の分子量を有する。ポリエステル及びそれらの調製方法は、ヨーロッパ特許第311342号に詳細に記載される。
軟化剤:布用軟化剤はまた、本発明の洗濯洗剤組成物中に組込まれ得る。それらの剤は、無機又は有機タイプのものであり得る。無機軟化剤は、イギリス特許出願第1400898号及びアメリカ特許第5,019,292号に開示されるスメクチルクレーにより例示される。布用有機軟化剤は、イギリス特許出願第1514276号及びヨーロッパ特許第0011340号に開示されるような水不溶性第三アミンを含み、そしてモノC12−C14第四アンモニウム塩とのそれらの組合せがヨーロッパ特許第026528号に開示され、そして二長鎖アミドがヨーロッパ特許第0242919号に開示される。布用軟化システムの他の有用な有機成分は、ヨーロッパ特許第0299575号及び第0313146号に開示されるような高分量ポリ酸化エチレン材料を包含する。
スメクチルクレーのレベルは通常、5〜15重量%、より好ましくは8〜12重量%であり、そしてその材料は配合物の残りに乾燥混合された成分として添加される。布用有機軟化剤、たとえば水不溶性第三アミン又は二長鎖アミド材料は、0.5〜5重量%、通常1〜3重量%のレベルで組込まれ、そして高分子量ポリ酸化エチレン材料及び水可溶性カチオン性材料は0.1〜2重量%、通常0.15〜1.5重量%のレベルで添加される。それらの材料は通常、組成物の噴霧乾燥された部分に添加されるが、但し、多くの場合、乾燥混合された粒状物としてそれらを添加し、又は組成物の他の固形成分上に溶融された液体としてそれらを添加することがより便利である。
ポリマー性染料移行阻害剤:本発明の洗剤組成物はまた、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.05〜1重量%のポリマー性染料移行阻害剤を含むことができる。前記ポリマー性染料移行阻害剤は通常、着色された布からの染料の、それらにより洗浄された布上への移行を阻害するために洗剤組成物中に組込まれる。それらのポリマーは、染料が洗浄において他の製品に結合するようになる機会を有する前、染色された布から洗浄されるあせやすい染料を複合体化し又は吸着する能力を有する。
特に適切なポリマー性染料移行阻害剤は、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はそれらの混合物である。そのようなポリマーの付加はまた、本発明の酵素の性能を高める。
本発明の洗剤組成物は、液体、ペースト、ゲル、棒又は粒質形で存在することができる。非ダスチング粒質物は、たとえばアメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号(両者ともNovo Industri A/Sのもの)に開示されるようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。ロウ質被覆材料の例は、1000〜20000の平均分子量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50個の酸化エチレン単位を有するエトキシル化されたノニルフェノール;アルコールが12〜20個の炭素原子を含み、そして15〜80個の酸化エチレン単位を有するエトキシル化された脂肪アルコール;脂肪アルコール;脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−及びジ−、並びにトリグリセリドである。流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられる。
本発明の粒質組成物はまた“圧縮形”でも存在することができ、すなわち、それらは従来の粒質洗剤よりも比較的高い密度を有することができ、すなわち、550〜950g/lを形成することができ;そのような場合、本発明の粒質洗剤組成物は、従来の顆質洗剤に比較して、少量の“無機充填剤塩”を含み;典型的な充填剤塩はスルフェート及びクロリドのアルカリ土類金属塩、典型的には硫酸ナトリウムであり;“圧縮”洗剤は典型的には10%よりも多くない充填剤塩を含んで成る。本発明の液体組成物はまた、“濃縮された形”で存在することができ、そのような場合、本発明の液体洗剤組成物は、従来の液体洗剤に比較して、少量の水を含むであろう。典型的には、濃縮された液体洗剤の水の含有率は、洗剤組成物30重量%以下、より好ましくは20重量%以下、最とも好ましくは10重量%以下である。
本発明の組成物は、手動及び機械用洗濯洗剤組成物、たとえば洗濯添加剤組成物、及び染色された布の予備処理への使用のために適切な組成物、すすぎのために添加される布用軟化剤組成物、及び一般的な家庭用ハードウェア表面洗浄操作及び皿洗い操作への使用のための組成物として配合され得る。
本発明内の洗濯洗剤組成物の特定の形は次のものを包含する:
1)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
2)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
3)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
4)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
5)下記成分を含んで成る水性液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
6)下記成分を含んで成る構造体化された水性液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
7)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
8)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
9)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
10)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
11)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
12)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
13)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
14)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
15)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
16)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
17)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
18)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
19)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
20)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
21)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
22)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
23)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
24)下記成分を含んで成る水性液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
25)下記成分を含んで成る水性液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
26)濃縮された液体として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
27)濃縮された液体として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
28)下記成分を含んで成る、少なくとも600g/lの嵩密度を有する粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
29)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
30)下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
次の特定の組成が本発明のための組成物を例示するために使用されるが、しかし必ずしも限定するものではなく、又は本発明の範囲内に定義される。
洗剤組成物においては、短縮された成分は次の意味を有する:
LAS:ナトリウム線状C12アルキルベンゼンスルホネート、
TAS:ナトリウム牛脂アルキルスルフェート
XYAS:ナトリウムC1X−C1Yアルキルスルフェート
SS:2−ブチルオクタン酸の第2の石鹸界面活性剤
25EY:平均Yモルの酸化エチレンにより縮合されるC12-15の主な線状第一アルコール
45EY:平均Yモルの酸化エチレンにより縮合されるC14−C15の主な線状第一アルコール
XYEZS:モル当たり平均Zモルの酸化エチレンにより縮合されるC1X−C1Yのナトリウムアルキルスルフェート
非イオン性物質:BASF GmbHにより商品名Plurafax LF404として市販されている、平均3.8のエトキシル化の程度及び平均4.5のプロポキシル化の程度を有するC13−C15の混合されたエトキシル化された/プロポキシル化された脂肪アルコール
CFAA:C12−C14アルキルN−メチルグルカミド
TFAA:C16−C18アルキルN−メチルグルカミド
珪酸塩:非晶性珪酸ナトリウム(SiO2:Na2Oの比=2.0)
NaSKS−6:式d−Na2Si2O5の結晶性積層シリケート
炭酸塩:非晶性炭酸ナトリウム
リン酸塩:トリポリリン酸ナトリウム
MA/AA:約80,000の平均分子量を有する、1:4の比でのマレイン酸/アクリル酸のコポリマー
ポリアクリレート:BASF GmbHにより商品名PA30として市販されている、8,000の平均分子量を有するポリアクリレートホモポリマー
ゼオライトA:1〜10μの範囲の一次粒子サイズを有する、式Na12(AlO2SiO212・27H2Oの水和化されたナトリウムアルミノシリケート
クエン酸塩:クエン酸三ナトリウム二水和物
クエン酸:クエン酸
過硼酸塩:実験式NaBO2・H2O2を有する非晶性過硼酸ナトリウム一水和物漂白剤
PB4:非晶性過硼酸ナトリウム四水和物
過炭酸塩:実験式2Na2CO3・3H2O2を有する非晶性過炭酸ナトリウム漂白剤
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
CMC:ナトリウムカルボキシメチルセルロース
DETPMP:商品名Dequest 2060としてMonsantoにより市販されているジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)
PVP:ポリビニルピロリドンポリマー
EDDS:ナトリウム塩の形でのエチレンジアミン−N,N’−二琥珀酸、〔S,S〕異性体
泡抑制剤:25%パラフィンワックス(Mpt 50℃)、17%疎水性シリカ、58%パラフィン油
粒状泡:粒状形での12%シリコーン/シリカ、18%ステアリルアルコール、70%スターチ
硫酸塩:非晶性硫酸ナトリウム
HMWPEO:高分子量ポリ酸化エチレン
TAE25:牛脂アルコールエトキシレート(25)
組成物1
本発明の粒状布用洗浄組成物を、次の通りに調製することができる:
ナトリウム線状C12アルキルベンゼンスルホネート 6.5
硫酸ナトリウム 15.0
ゼオライトA 26.0
ナトリウムニトリロトリアセテート 5.0
本発明の酵素 0.1
PVP 0.5
TAED 3.0
硼酸 4.0
過硼酸塩 18.0
フェノールスルホネート 0.1
微成分 100%まで
組成物2
本発明の圧縮粒状布用洗浄組成物(密度800/l)を、次の通りに調製することができる:
45AS 8.0
25E3S 2.0
25E5 3.0
25E3 3.0
TFAA 2.5
ゼオライトA 17.0
NaSKS−6 12.0
クエン酸 3.0
炭酸塩 7.0
MA/AA 5.0
CMC 0.4
本発明の酵素 0.1
TAED 6.0
過硼酸塩 22.0
EDDS 0.3
粒状泡抑制剤 3.5
水/微成分 100%まで
組成物3
着色された布の洗濯に特に有用である本発明の粒状布用洗浄組成物を次の通りに調製した:
Figure 0004307549
組成物4
“洗浄を通しての軟化”能力を提供する本発明の粒状布用洗浄組成物を次の通りに調製することができる:
45AS − 10.0
LAS 7.6 −
68AS 1.3 −
45E7 4.0 −
25E3 − 5.0
Coco−アルキル−ジメチルヒドロキシ− 1.4 1.0
エチルアンモニウムクロリド
クエン酸塩 5.0 3.0
Na−SKS−6 − 11.0
ゼオライトA 15.0 15.0
MA/AA 4.0 4.0
DETPMP 0.4 0.4
過硼酸塩 15.0 −
過炭酸塩 − 15.0
TAED 5.0 5.0
スメクチッククレー 10.0 10.0
HMWPEO − 0.1
本発明の酵素 0.10 0.05
珪酸塩 3.0 5.0
炭酸塩 10.0 10.0
粒状泡抑制剤 1.0 4.0
CMC 0.2 0.1
水/微成分 100%まで
組成物5
本発明の強力液体布用洗浄組成物を次の通りに調製することができる:
Figure 0004307549
組成物6
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物7
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される漂白剤含有洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物8
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される非漂白剤含有洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物9
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物10
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物11
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物12
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物13
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物14
下記成分を含んで成る、粒質物として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物15
下記成分を含んで成る粉末化された組成物:
Figure 0004307549
組成物16
下記成分を含んで成る水性液体洗浄剤:
Figure 0004307549
組成物17
下記成分を含んで成る液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物18
下記成分を含んで成る、非水性液体洗剤として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物19
下記成分を含んで成る、非水性液体洗剤として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物20
下記成分を含んで成る、水性液体洗剤として配合される洗剤組成物:
Figure 0004307549
組成物21
下記成分を含んで成る液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
Figure 0004307549
組成物22
下記成分を含んで成る水性液体洗剤組成物:
Figure 0004307549
皿洗い組成物
皿洗い洗剤組成物は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性またはそれらのタイプの混合物であり得る界面活性剤を含んで成る。前記洗剤は、0〜90%の非イオン性界面活性剤、たとえば低い〜非発泡性のエトキシル化されたプロポキシル化直鎖アルコールを含むであろう。
洗剤組成物は、無機及び/又は有機タイプの洗剤ビルダー塩を含むことができる。洗剤ビルダーは、リン含有及び非リン含有タイプに細分され得る。洗剤組成物は通常、1〜90%の洗剤ビルダーを含む。
リン含有無機アルカリ洗剤ビルダーの例は、存在するなら、水溶性塩、特にアルカリ金属のピロリン酸塩、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩及びホスホン酸塩を包含する。非リン含有無機ビルダーの例は、存在するなら、水溶性アルカリ金属炭酸塩、硼酸塩及び珪酸塩、並びに種々のタイプの水不溶性結晶性又は非晶性アルミノ珪酸塩(このゼオライトは最良の知られている保存剤である)を包含する。
適切な有機ビルダーの例は、アルカリ金属、アンモニウム及び置換されたアンモニウムのクエン酸塩、琥珀酸塩、マロン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、カルボキシメトキシ琥珀酸塩、アンモニウムポリ酢酸塩、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、アミノポリカルボン酸塩、ポリアセチルカルボン酸塩及びポリヒドロキシスルホン酸塩を包含する。
他の適切な有機ビルダーは、ビルダー性質を有することが知られている高分子量ポリマー及びコポリマー、たとえば適切なポリアクリル酸、ポリマレイン酸及びポリアクリル酸/ポリマレイン酸のコポリマー及びそれらの塩を包含する。
皿洗い洗剤組成物は、塩素/臭素型又は酵素型の漂白剤を含むことができる。無機塩素/臭素型漂白剤の例は、ナトリウム又はカルシウム次亜鉛素酸塩、及び塩素化されたリン酸三ナトリウムである。有機塩素/臭素タイプの漂白剤の例は、複素環式N−ブロモ及びN−クロロイミド、たとえばトリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸及びジクロロイソシアヌル酸、及び水溶性カチオン、たとえばカリウム及びナトリウムとのそれらの塩である。ヒダントイン化合物もまた適切である。
酵素漂白剤は、たとえば無機過酸塩の形で、好ましくは漂白剤前駆体と共に又はペルオキシ酸化合物として好ましい。適切なペルオキシ漂白化合物の典型的な例は、アルカリ金属の過硼酸塩(4及び1水和物)、アルカリ金属の過炭酸塩、過珪酸塩及び過リン酸塩である。好ましい活性剤材料は、TAED及びグリセロールトリアセテートである。
本発明の皿洗い洗剤組成物は、酵素のための従来の安定剤、たとえばポリオール、たとえばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸、又は硼酸誘導体、たとえば芳香族硼酸エステルを用いて安定化され得る。
皿洗い洗剤組成物はまた、他の酵素、特にアミラーゼ、プロテアーゼ及び/又はセルラーゼも含むことができる。
本発明の皿洗い洗剤組成物はまた、他の従来の洗剤成分、解凝集材料、充填剤材料、泡抑制剤、耐腐蝕剤、土壌−懸濁剤、金属イオン封鎖剤、抗−土壌再付着剤、脱水剤、染色、殺菌剤、螢光剤、増粘剤、及び香料を含むことができる。
本発明の最初の洗浄脂肪分解酵素は、洗剤において従来使用される濃度で導入され得る。本発明の洗剤組成物においては、脂肪分解酵素は、洗浄液体1l当たり脂肪分解酵素0.00001〜1mg(純粋な酵素タンパク質として計算される)に対応する量で添加され得る。
下記に特に好ましい皿洗い組成物が例示される:
1)粉末自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
2)粉末自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
3)粉末自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
4)粉末自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
5)粉末自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
6)洗浄界面活性剤系を含む粉末及び液体皿洗い組成物:
Figure 0004307549
7)非水性液体自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
8)非水性液体皿洗い組成物:
Figure 0004307549
9)チキソトープ液体自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
10)液体自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
11)保護された漂白剤粒子を含む液体自動皿洗い組成物:
Figure 0004307549
11)1),2),3),4),6)及び10)に記載されるような自動皿洗い組成物(ここで、過硼酸塩が過炭酸塩により置換されている)。
12)1)〜6)に記載されるような自動皿洗い組成物(ここで、さらにマンガン触媒が含まれる)。前記マンガン触媒は、“Efficient manganese Catalysts for low-temperatare bleaching”,Natune 369,1994,pp.637-639に記載される化合物の1つであり得る。
さらに、本発明の第1の洗浄脂肪分解酵素は、軟化組成物に使用され得る。
本発明の脂肪分解酵素は、Surfactant and Consumer Products,Ed,by J.Falbe,1987,pp.295-296;Tenside Surfactants Detergents,30(1993),6,pp.394-399;JAOCS,Vol.61(1984),2,pp.367-376;ヨーロッパ特許第517762号;ヨーロッパ特許第123400号;WO92/19714;WO93/19147;アメリカ特許第5,082,578号;ヨーロッパ特許第494769号;ヨーロッパ特許第544493号;ヨーロッパ特許第543562号;アメリカ特許第5,235,082号;ヨーロッパ特許第568297号;ヨーロッパ特許第570237号に記載されるように、布用軟化剤に使用され得る。
最終的に、本発明は、本発明の組成物を用いての異なった対象の物質を洗浄し、又は清浄するための方法に関する。前記組成物を用いることによって、前記対象の物質、たとえば布、織物又は皿から液体付着物をより効果的に除去することが可能である。
親脂肪分解酵素を含んで成る洗剤組成物と同じ洗浄性能を得るために洗剤組成物に存在すべきである脂肪分解酵素の量を減じることがまた可能である。
本発明の1つの態様においては、本発明は、
a)水性媒体に対象物質をソーキングし、
b)段階a)の前、その間又はその後、水性媒体に溶解された、本発明の脂肪分解活性を有する修飾された酵素を含んで成る洗剤組成物に対象物質を一定時間、接触せしめ、
c)前記対象物質をすすぎ、
d)前記対象物質から前記すすぎ水を除去することを含んで成る。
材料及び方法
材料
プラスミド
pYES 2.0(Invitrogen Corp.,UK)
p960 A.オリザエ発現プラスミド(Novo Nordisk AISからのヨーロッパ特許第305216号に記載される)
pSX581(E.コリ発現プラスミド)(図7を参照のこと)
pJSO37(S.セレビシアエ発現プラスミド)(Okkels J.S.,Annals of the New York Academy of Sciences(in press 1995)(また図8を参照のこと)
pSX167(図4を参照のこと)
pSX92(WO89/06279)
pUC19(Yanish-Perron et al.(1985)Gene 33,103-119)
pHD414(アスペルギラス発現ベクターは、ヨーロッパ特許第238023号に記載されるプラスミドp775の誘導体である。pHD414の構成はさらに、WO93/11249に記載されている。)
PJVi245(図9を参照のこと)
pCaHj383(図9を参照のこと)
pCaHj385(図9を参照のこと)
Figure 0004307549
微生物
サッカロミセス セレビシアエ YNG318:MATa Dpep4[cir+]ura3-52,leu2-D2,his 4-539
アスペルギラスオリザエIFO4177
A.オリザエJaL125:A.オリザエpyrG遺伝子をマーカーとして用いて、1段階遺伝子置換法(G.May“Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi”(1992),p.1-25,Eds.J.R.Kinghorn and G.Turner;Blackie Academic and Professionalにより記載される)により欠失された“alp”(Murakami Kなど.,(1991),Agric.Biol.Chem.55,p.2807-2811により記載される)と称するアルカリプロテアーゼ遺伝子を有する。Institute for Fermentation,Osaka;17-25 Juso Hammachi 2-Chome Yodogawa-ku,Osaka,Japanから入手できるアスペルギラスオリザエIFO4177。
E.コリW3110 lacIq(E.コリW3110は、K−12株(Bachman,(1972),Bacteriol.Rev.36)のための祖先ストックトとして使用される初期単離物である)。そのW3110株は、placからの発現をより完全に止めるLacリプレッサーを過剰生成するためにlacIqを製造されている。
Figure 0004307549
α−アセトラクテートデカルボキシラーゼ(バシラス ブレビス(Bacillus brevis)からの細胞外酵素)をコードするaldBのクローニング,J.Bacteriol.,172,p.4315-4321。
SJ1503株は、プラスミドpAHE2を含むE.コリJA221である:
Figure 0004307549
ドナー生物
ヒュミコラ ラヌギノサDSM4109(ヨーロッパ特許第305,216号)
ヒュミコラ インソレンスDSM1800(WO96/13580)
シュードモナス セパシアSB10,DSM3959は、WO89/01032に記載される。
酸素
ウシトリプシン(Boehringef Mannheim)
次のリパーゼは、本発明において親酵素として使用されるか、又は本発明の修飾された酵素を構成するヒュミコラ ラヌギノサDSM4109リパーゼ(ヨーロッパ特許第305216号)の変異体である。
Figure 0004307549
Figure 0004307549
次のリパーゼは、N−末端付加が本発明に従って適用されているB.セパシア(以前は、シュードモナス セパシアである)リパーゼの変異体である。
Figure 0004307549
次のリパーゼは、ヒュミコラ インソレンス DSM1800脂肪分解酵素の変異体である。
Figure 0004307549
酵素インヒビター
ダイズ トリプシンインヒビター(Boehringer Mannheim)
培地
YPD:10gの酵母抽出物、20gのペプトン、810mlまでの水をオートクレーブし、20%グルコース90ml(フィルター殺菌された)を添加した。
LB−培地:10gのBacto−トリプシン、5gのBacto酵母抽出物、10gのNaCl及び1lの水。
FG4培地:3%のダイズミール、3%のマルトデキストリン、1%のペプトン、4MのNaOHによるpH7への調節。
Litex Agarose HSB 2000(カタログ番号:F90472)
BG−試薬:水に溶解された4mg/mlのブリリアントグリーン(BG)
基質1:
10mlのオリーブ油(Sigmaカタログ番号0−1500)
20mlの2%ポリビニルアルコール(PVA)
前記基質は15〜20分間、均質化される。
PCS洗剤
10g/l:
SDS 0.52g
Dobanol 25−3 0.60g
Dobanol 25−7 0.58g
NaBO3H2O 1.50g
1lの0.1Mトリス−緩衝液(pH9)を添加し、そしてPCSプレート上で所望する濃度の2倍の濃度にトリス緩衝液によりさらに希釈する。
PCS−プレート
PCS−プレートを製造するための溶液
ブリリアントグリーン(BG−試薬) 10ml
基質1 24ml
PCS洗剤 500ml
2%アガロース(トリス緩衝液(pH9)において) 500ml
リパーゼ基質(Sigmaカタログ番号800−1)
ブリリアントグリーン(Merck、物品番号1.01310)
見本の布ぎれ
ラード/スーダンレッドにより染色された3.5×3.5cm及び9×9cmの綿の布ぎれ(Test Fabrics,Inc.(New Jersey)からのスタイル#400)。
ラード
ラード1g当たり0.75mgのスーダンヒッドにより着色されたラード。
洗剤I
1.17g/lのLAS(Nansa 1169/p,30% a.m.)
0.15g/lのAEO(Dobanol 25−7)
1.25g/lの三リン酸ナトリウム
1.00g/lの硫酸ナトリウム
0.45g/lの炭酸ナトリウム
0.15g/lの珪酸ナトリウム
pHを10に調節する。
不活性化されたAriel Futar(Procter and Gamble)(市販のバッチ番号4279 B23:35):洗剤における酵素は熱により不活性化された(マイクロオーブンにおいて85℃で4分間)。
水:3.2mMのCa2++/Mg2++(5:1)
Chameleon二本鎖特定部突然変異誘発キット(カタログ番号200509)(Stratagene,Lajolle,CA)
装置
Figure 0004307549
方法
ハイブリダイゼーション条件
中ぐらいから高い緊縮性:
5×SSCにおいて予備ソーキングし、そして20%ホルムアミド、5×Denhardt’s溶液、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)及び50mgの修飾され、音波処理されたウシ胸腺DNAを含む溶液において約40℃で1時間、予備ハイブリダイズし、続いて、100mMのATPにより補充された前記同じ溶液において、約40℃で18時間、ハイブリダイズし、続いて、約45℃の温度で0.4×SSCにより洗浄する。
酵母発現ベクターの構成
発現プラスミドpJS037は、pYES2.0に由来する。pYES2.0の誘発できるGAL1−プロモーターを、サッカロミセス セレビシアエからの構造的に発現されたTPI(トリオース ホスフェート イソメラーゼ)−プロモーターにより置換し(Albert and Karwasaki,(1982),J.Mol.Appl.Genet.,1,419-434)、そしてURA3プロモーターを欠失した。pJSO37の制限地図は、図8に示される。
脂肪分解変異体を構成するための方法
本発明の修飾された脂肪分解酵素を構成するために親脂肪分解酵素の非構造N−末端及び/又はC−末端におけるペプチド付加及び/又は突然変異誘発を、特定部位突然変異誘発又はランダム突然変異誘発により行なった。
特定部位突然変異誘発
H.ラヌギノサ脂肪分解酵素の変異体の構成のためには、市販のキット、すなわちChameleon二本鎖特定部位突然変異誘発キットを、その製造業者の説明書に従って用いることができる。
問題の脂肪分解酵素をコードする遺伝子を、プラスミドpHD414中に挿入した。製造業者の説明書に従って、pHD414のアンピシリン遺伝子のScaI部位を、次のプライマーの使用によりMlu1部位に変更する:プライマー3:AGAAATCGGGTATCCTTTCAG(配列番号6)。
次に、問題の脂肪分解遺伝子を含んで成るpHD414ベクターを、DNAポリメラーゼ及びオリゴ7258及び7770のための鋳型として使用する。所望する突然変異誘発(たとえば、脂肪分解遺伝子のN−末端における)を、所望する突然変異を含んで成る適切なオリゴの付加により問題の脂肪分解遺伝子中に導入する。
PCR反応は、製造業者の推薦に従って行なわれる。
ランダム突然変異誘発
WO95/22615に記載されるようにして実質的に行なわれ得る。より特定には、短いDNA拡張、たとえばペプチド付加におけるランダム突然変異誘発を行なうためには、ランダム突然変異誘発を、ドーピングされた又はスパイクされたオリゴヌクレオチドプローブの使用により行なう。より大きなDNA拡張のためには、PCRに起因する突然変異誘発を用いることができる。
低カルシウムフィルターアッセイ
方法
1)第1のタンパク質結合フィルター(サイロン膜)及び第2の低いタンパク質結合フィルター(酢酸セルロース)を、SC Uraレプリカプレートの上部に供給する。
2)前記二重フィルター上に親リパーゼ遺伝子又は突然変異誘発されたリパーゼ遺伝子を含む酵母細胞を広げ、そして30℃で2又は3日間インキュベートする。
3)上部フィルターを新しいプレートに移すことによってその上部フィルター上にコロニーを維持する。
4)タンパク質結合フィルターを空のペトリ皿に移動する。
5)ブルーグリーンスポットの形で、リパーゼが活性を発現するコロニーを同定するために、オリーブ油エマルジョン(2%P.V.A.:オリーブ油=3:1)、ブリリアントグリーン(インジケーター、0.004%)、100mMのトリス緩衝液(pH9)及びEGTA(最終濃度5mM)を含んで成るアガロース溶液を底部フィルター上に注ぐ。
6)親リパーゼに比較して、カルシウムに対して減じられた依存性を有する、段階5)に見出されるコロニーを同定する。
Dobanol ▲R▼ 25-7フィルターアッセイ
洗剤成分に対しての改良された耐性についてのスクリーニングを、蒸気流アッセイに対応するフィルターアッセイの使用により行なう。但し、段階5)に定義される溶液は、さらに0.02% Dobanol▲R▼25-7を含み、そして任意には、いづれのEGTAを含まない。
他のスクリーニングアッセイは次の通りである
方法
1)タンパク質結合フィルター(酢酸セルロース)も、SC Ura-プレート(発現ベクターを担持する株を選択するために有用である)の上部に供給する。
2)前記フィルター上に親リパーゼ遺伝子又は突然変異誘発されたリパーゼ遺伝子を含む酵母細胞を広げ、そして30℃で3又は4日間インキュベートする。
3)その上部フィルターを新しいプレートに移すことによって、その上部フィルター上にコロニーを維持する。
4)下記成分を含むパトリ皿にタンパク質結合フィルターを移動する:オリーブ油エマルジョン(2% P.V.A.:オリーブ油=2:1)、ブリリアントグリーン(インジケーター、0.004%)、100mMのトリス緩衝液(pH10)及び洗剤又は洗浄成分、たとえばPCS−プレートを含んで成るアガロース溶液。
5)段階4)で見出されるブルーグリーンスポットの形でリパーゼ活性を発現するコロニーを同定する。
酵母における発酵
SC-ura培地10mlを、S.セレビシアエコロニーにより接種し、そして30℃で2日間、増殖せしめる。得られる培養物10mlを、30℃で3日間、増殖せしめられるSC-ura培地300mlを含む振盪フラスコを接種するために使用する。その300mlが、次のG−基質5lを接種するために使用される:
400g アミカーゼ
6.7g 酵母抽出物質(Difco)
12.5g L−ロイシン(Fluka)
6.7g (NH42SO4
10g MgSO4・7H2O
17g K2SO4
10ml 微量化合物
5ml ビタミン溶液
6.7ml H3PO4
25ml 20% Pluronic(消泡剤)
(5000mlの合計体積における)。
酵母細胞を30℃で5日間、発酵せしめる。それらは、開始用量の100mlの70%グルコースを与えられ、そして1日当たり70%グルコース400mlが添加される。5.0のpHを、10% NH3溶液の添加により維持する。撹拌を最初の22時間、300rpmで行ない、続いて発酵の残りの間、900rpmで行なう。空気は、最初の22時間、1lの空気/l/分で与えられ、続いて、発酵の残りの間、1.5lの空気/l/分で与えられる。
微量化合物:合計体積1lにおいて、6.8gのZnCl2,54.0gのFeCl2・6H2O,19.1gのMnCl2・4H2O,2.2gのCuSO4・5H2O,2.58gのCaCl2,0.62gのH3BO3,0.024gの(NH46Mo7O24・4H2O,0.2gのKI,100mlのHCl(濃)。
ビタミン溶液:合計体積1lにおいて、250mgのビオチン、3gのチアミン、10gのD−カルシウムパンテトネート、100gのMyo-イノシトール、50gのコリンクロリド、1.6gのピリドキシン、1.2gのナイアシンアミド、0.4gの葉酸、0.4gのリボフラビン。
アスペルギラスオリザエの形質転換(一般的な方法)
100mlのYPD(Shermanなど.,(1981),Methods in Yeast Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory)を、A.オリザエの胞子により接種し、そして振盪しながら約24時間インキュベートする。菌糸体をミラクロス(miracloth)を通しての濾過により収穫し、そして200mlの0.6MのMgSO4により洗浄する。菌糸体を、1.2MのMgSO4,10mMのNaH2PO4の溶液(pH5.8)15mlに懸濁する。その懸濁液を氷上で冷却し、そして120mgのNovozym 234(バッチ1687)を含む緩衝液1mlを添加する。5分後、12mg/mlのBSA(SigmaタイプH25)1mlを添加し、そして軽く撹拌しながら、インキュベーションを、多数のプロトプラストが顕微鏡下で観察されるサンプルに見えるようになるまで、37℃で1.5〜2.5時間、続ける。
懸濁液を、ミラクロスを通して濾過し、濾液を無菌の管に移し、そして0.6Mのソルビトール、100mMのトリス−HCl(pH7.0)の溶液5mlを被覆する。遠心分離を1000gで15分間、行ない、そしてプロトプラストをMgSO4クッションの上部から収集する。2体積のSTC(1.2Mのソルビトール、10mMのトリス−HCl,pH7.5,10mMのCaCl2)を、プロトプラスト懸濁液に添加し、そしてその混合物を1000gで5分間、遠心分離する。プロトプラストペレットを、STC 3mlに再懸濁し、そして再ペレット化する。これをくり返す。最後に、プロトプラストを、STC 0.2〜1mlに再懸濁する。
プロトプラスト懸濁液100μlを、STC 10μlにおいて、5〜25μgのP3SR2(Hynesなど.,Mol.and Cel.Biol.,Vol.3,No.8,1430-1439,Aug.1983に記載される、A.ニジュランス and S遺伝子担持のプラスミド)と共に混合する。その混合物を室温で25分間、放置し、60% PEG 4000(BDH29576),10mMのCaCl2及び10mMのトリス−HCl(pH7.5)の溶液0.2mlを添加し、そして注意して混合し(2度)、そして最後に、その同じ溶液0.85mlを添加し、そして注意して混合する。その混合物を室温で25分間、放置し、2,500gで15分間、回転せしめ、そしてペレットを1.2Mのソルビトール2mlに再懸濁する。さらにもう1回の沈降の後、プロトプラストを、1.0Mのスクロース、pH7.0、窒素源としての10mMのアセトアミド及び20mMのCsClを含む最少プレート(Cove,(1966),Biochem.Biophys.Acta 113,51-56)上に広げ、そしてバックグランド増殖を阻害する。37℃で4〜7日間のインキュベーションの後、胞子を取り、無菌水に懸濁し、そして単一コロニーについて広げる。この工程を返復し、そして2回目の再単離の後、単一コロニーの胞子を、定義される形質転換体として貯蔵する。
供給バッチ発酵
供給バッチ発酵を、炭酸源としてのマルトデキストラン、窒素源としての尿素及び酵母抽出物を含んで成る培地において実施する。供給バッチ発酵を、炭素源3.5%及び窒素源0.5%を含んで成る培地中に問題のA.オリザエ宿主細胞の振盪フラスコ培養物を接種することによって行なった。pH5.0及び34℃での24時間の培養の後、追加の炭素及び窒素源の連続した供給を開始する。炭素源を制限因子として保持し、そして酸素が過剰に存在することが確保される。この供給バッチ培養を4日間、続け、この後、酵素を、遠心分離、限外濾過、透明濾過及び菌類濾過により回収することができる。さらなる精製は、当業界において知られているアニオン交換クロマトグラフィーにより行なわれ得る。
リパーゼ活性(LU−リパーゼ単位)
リパーゼ活性を、基質としてグリセリントリブチレート及び乳化剤としてアラビアゴムを用いてアッセイする。1LU(リパーゼ単位)は、30℃、pH7.0で1分当たり1μモルの滴定可能な酪酸を生成する酵素の量である。リパーゼ活性は、Radiometer滴定機VTT90,Radiometer,Copenhagenを用いて、pH−安定装置によりアッセイされる。
布ぎれ上へのラードの適用
70℃に加熱された染色されたラード6mlを、個々の布ぎれの中央に適用する。この染料の適用の後、布ぎれを75℃で25分間、オーブンにおいて加熱し、そして最初の洗浄の前、室温で一晩、貯蔵する。
3−循環洗浄性能
本発明の修飾された脂肪分解酵素の3−循環洗浄性能を、親脂肪分解酵素に比較して、1l当たりのタンパク質(又はLU)のmgでの酵素用量に基づいて評価することができる。洗浄試験を、温度調節された水槽に配置された150mlのビーカーにおいて実施する。ビーカーを、三角磁気棒により撹拌する。
実験条件は次の通りである:
方法:個々の循環の間、一晩の乾燥を伴っての3回の循環
洗浄液体:ビーカー当たり100ml
布ぎれ:ビーカー当たり6枚の布ぎれ(ラード1g当たり0.75mgのスーダンレッドにより着色されたラードにより染色された3.5×3.5cm)
洗剤:10.2にpH調節された洗剤I
酵素濃度:1l当たり0.075,0.188,0.375,0.75及び2.5mgのリパーゼタンパク質
時間:20分
温度:30℃
すすぎ:水道水下で15分
乾燥:室温で一晩(20℃、30〜50%のRH)
評価:3回の洗浄の後、460nmでの反射率を測定した。
洗浄結果の評価
用量−反応曲線を、修飾された脂肪分解酵素及び親脂肪分解酵素について比較する。用量−反応曲線は、次の等式に測定されたデータを当てはめることによって計算される:
Figure 0004307549
式中、DRは反射率単位で表わされる効果であり、Cは酵素濃度(mg/l)であり、DRmaxは最大効果を表わす定数であり、Kは定数であり;K2は、最大効果の半分が得られる酵素濃度を表わす。
特徴的な定数DRmax及び個々の修飾された脂肪分解酵素及び親脂肪分解酵素について見出されたKに基づけば、改良因子が計算される。fimprove=Cparent/C(II)として定義される改良因子は、対照の親タンパク質(Cparent)0.25mg/lにより得られる効果と同じ効果を得るのに必要とされる修飾されたリパーゼタンパク質の量を表わす。
従って、改良因子を計算するための工程は次の通りである:
1)0.25mg/lでの親タンパク質の効果(Dparent)が等式(I)により計算され:
2)0.25mg/lで親酵素と同じ効果をもたらす修飾された脂肪分解酵素の濃度が次の等式により計算され:
Figure 0004307549
3)改良因子が等式(III)により計算された。
1循環洗浄性能
1循環洗浄試験を、温度調節されたTerg−O−to−Meter(TOM)により実施する。
方法:1循環洗浄、続くラインドライング(line drying)
洗浄液体:ビーカー当たり1000ml
布ぎれ:ラード1g当たり0.75mgのスーダンレッドにより着色されたラードにより染色された9×9cmの7枚の布ぎれ
水:3.2mMのCa2+/Mg2+(5:1)
洗剤:約10.3のpHを有する、5g/lの不活性化されたAriel FuturTX(バッチ番号4279 B23:35から入手できる)
リパーゼ濃度:0,1250,12500LU/l
時間:20分
温度:30℃
すすぎ:水道水下で15分間
乾燥:室温で一晩(20℃,30〜40%のRH)
評価:脂肪物質をリックスレー抽出法を用いて抽出し、そして脂肪物質の量を重量測定的に決定する。

例1酵母における野生型ヒュミコラ ラヌギノサ リパーゼの生成
酵母サッカロミセス セレビシアエ YNG318におけるヒュミコラ ラヌギノサ リパーゼの発現のために、酵母発現ベクターpJSO37(図8を参照のこと)を、上記材料及び方法のセクションに記載されるようにして構成した。pJSO37は、親リパーゼをコードするDNA配列を含んで成り、そしてシグナルペプチド及びプロペプチドをコードするDNA配列を含む(図1を参照のこと)。このプラスミドを用いて、標準の方法(たとえば、Sambrooksなど.,(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor)により酵母を形質転換した。酵母を、上記材料及び方法セクションに記載されるようにして培養した。
S.セレビシアエにおいて発現されるH.ラヌギノサ リパーゼの精製
酢酸アンモニウム(92g)を発酵ブイヨン(1400ml)に添加し、酢酸アンモニウムの0.8M溶液を得た。その溶液を、Toyopearl Butylカラム(XK16/10)上に添加した。カラムを0.8Mの酢酸アンモニウムにより洗浄し、そしてリパーゼを、5ml/分の流速で水に溶離する。10mlの画分を集め、そしてリパーゼ含有画分を、標準のリパーゼ滴定アッセイにおける活性に従って、プールした。そのリパーゼ含有プールを濾過し、そしてpHを、7.6に調節し、そしてQ−Sepharoseカラム(HPQ XK26/10)上に添加した。カラムを0.1Mのトリス−HCl(pH7.25)200mlにより洗浄し、そしてリパーゼを、5ml/分の流速で、0.1Mのトリス−HCl(pH7.25)400ml中、0〜0.3MのNaClの線状グラジエントに溶離した。10mlの画分を集め、そしてリパーゼ含有画分を、標準のリパーゼ滴定アッセイにおける活性に従ってプールした。リパーゼ含有プールを、水により希釈し、そして1ml/分の流速で1mlのMonoQカラム上に添加した。カラムを水30mlにより洗浄し、そしてリパーゼを、40ml中、0〜0.25MのNaCl線状グラジエントに溶離した。リパーゼを、280nmでの吸光度に従って、手動的に収集した。
酵母において発現されたH.ラヌギノサ リパーゼのN−末端アミノ酸配列決定
N−末端アミノ酸配列決定を、製造業者の説明書に従って、473A Protein Sequencerを用いて、S.セレビシアエ発現リパーゼに対して行なった。
S.セレビシアエ発現リパーゼのN−末端アミノ酸配列がA.オリザエにおいて発現された同じリパーゼのN−末端アミノ酸配列(ヨーロッパ特許第305216号に記載されるような)に比較される場合、S.セレビシアエ発現の酵素の主要部分がA.オリザエ発現のリパーゼについてのその対応する情報を含むN−末端(表E1を参照のこと)で5個の余分なアミノ酸残基(SPIRR−)を含むような差異が観察された。
Figure 0004307549
前記表に見られるように、S.セレビシアエにおいて発現された、分泌性リパーゼの主要部分は、5個のアミノ酸SPIRRにより拡張されている(プロ−ペプチドから)。余分なアミノ酸残基を含む酵素の相対量は、アミノ酸配列決定においてPTH−アミノ酸の収量から確立され得る。
例2.S.セレビシアエにおいて発現されるH.ラヌギノサ リパーゼのN−末端からのSPIRR−ペプチドの除去
S.セレビシアエにおいて発現された、上記精製された修飾(“SPIRR”含有)リパーゼ 4.5mg(0.05MのNH4HCO3 1.8mlにおける)に、50mgのウシトリプシン(配列決定品種)を添加し、そしてその混合物を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、トリプシン消化を、50mgよりも多くのダイズトリプシンインヒビターの添加により停止した。
N−末端SPIRR−ペプチド付加物の除去は、SPIRRを含む画分が75%から13%に減じられる場合、N−末端アミノ酸配列決定により観察された(表E2を参照のこと)。
Figure 0004307549
軽いトリプシン処理は、内部アミノ酸配列がアミノ酸配列決定により観察されないので、その修飾されたリパーゼにおける内部切断をもたらさなかった。また、トリプシン処理されたリパーゼの比活性は未処理のリパーゼの比活性に匹敵し、このことは、トリプシン処理が標準のアッセイにおいて酵素活性に影響を及ぼさないことを示す(表E3を参照のこと)。
Figure 0004307549
例3.アスペルギラス・オリザエにおける野生型H.ラヌギノサ リパーゼの製造
ヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼのクローニングは、ヨーロッパ特許第305,216号に記載されており、これはまた、発現プラスミドp960の使用によるアスペルギラス・オリザエにおけるリパーゼの発現及び特徴化を記載する。前記プラスミドは、ヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼをコードする遺伝子、及びSPIRRペプチド付加物(リパーゼ遺伝子の一部をコードするペプチドの一部である)をコードするDNA配列を含んで成る。A.オリザエ(株IFO4177)における野生型リパーゼの発現は、p960に比較して、わずかに修飾された発現ベクターを用いて、WO95/22615に記載されるようにして実質的に行なわれた(WO95/22615を参照のこと)。
A.オリザエにおいて発現された野生型H.ラヌギノサ リパーゼの精製
アスペルギラス・オリザエ IFO4177からの発酵上清液を遠心分離し、そして細胞残骸を捨てた。上清液を、0.45ミルの孔サイズのフィルターを通して濾過した。
次に、上清液を60%飽和硫酸アンモニウムにより沈殿せしめた。沈殿物を水に溶解し、そして固体酢酸アンモニウムを添加し、0.8Mの最終濃度にした。その溶液を、0.8Mの酢酸アンモニウムにより予備平衡化されたButyl Toyopearlカラム上に適用した。結合された酵素を、溶離剤として水及び50%エタノールを用いてのグラジエントにより溶離した。
次に、酵素活性を含む画分をプールし、そしてコンダクタンスを、それが5mSiよりも低くなるように調節し、そしてpHを7.5に調節する。
次に、活性を含む画分を、25mMのトリス−酢酸塩緩衝液(pH7.5)により予備平衡化されたアニオン交換カラム(たとえば、High performance Q Separose▲R▼)上に適用した。結合された活性を、同じ緩衝液及び0.5Mの塩化ナトリウムを用いての線状グラジエントにより溶離した。高いリパーゼ活性を含む画分をプールした。
例4.親ヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ発現ベクターの構成及びE.コリにおける発現
pSX92(図4を参照のこと)を、HindIIIにより切断し、クレノウポリメラーゼによりブラント末端化し、そして次に、ClaIにより切断した。大きなフラグメントを単離した(A)。pHLL(ヨーロッパ特許第305,216号、図3及び4を参照のこと)(親リパーゼをコードするDNA配列を含んで成る)を、BamHIにより切断し、ブラント末端化し、そしてXhoIIにより切断した。修飾されたリパーゼ遺伝子の成熟部分を含むフラグメントを単離した(B)。
A及びBを、成熟リパーゼの最初の4個のアミノ酸に融合される、スブチリシン309シグナルにおける最後の5個のアミノ酸をコードする合成リンカー(KFN 575/576)と共に連結した。上方の鎖における前記最後のヌクレオチド“A”は、成熟リパーゼ遺伝子におけるXhoII部位をBalII部位に変えた。
合成リンカー:
Figure 0004307549
得られるプラスミド(pSX167)は、成熟リパーゼをコードするDNA配列を含んでいる。pSX167をPmeI及びBamHIにより切断し、そしてスブチリシン309シグナル配列−リパーゼ融合体及び5Sターミネーターを含むフラグメントを単離した(1769bp)。このフラグメントを、HincII−BamHIにより切断されたpUC19中に連結し、pSX578を創造した。
BstXI(pSX167から、654bp)の方の下流の成熟リパーゼをコードするDNAを、PCR技法(“Splicing by Overlap Extension”,Hortonなど.,(1989),Gene)を用いて、SphIからのアクロモバクター リチカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼIシグナル配列(図3を参照のこと)に融合した。
プラスミド(pSX578)(図5を参照のこと)を、SphI及びBstXIにより切断し、そして上記PCR DNAを挿入した(図6)。得られるプラスミドpSX581(図7を参照のこと)を用いて、E.コリ W3110 lacIqを形質転換した。0.4%ラクトースを含むLB−培地を含む振盪フラスコにおいて30℃で72時間、増殖せしめられる場合、その得られる株は、正常なグリコシル化された親リパーゼ酵素と同じ比活性を有する、グリコシル化されていないリパーゼを生成する。
例5.E.コリにおける、ペプチド付加を有するH.ラヌギノサ リパーゼの作製
pSX581プラスミド(図7を参照のこと)を、BglII/HindIIIにより消化し、そしてベクターフラグメントを、標準の方法を用いてアガロースゲルから精製した。PCR反応を、鋳型としてpSX581を用いての次のプライマーにより行なった:
Figure 0004307549
得られる300bpのフラグメントをSpin 100カラム上で精製し、そしてBglII/HindIIIにより消化し、そして再び、Spin 100により精製した。このフラグメントを、上記ベクターフラグメントに連結した。この得られるプラスミドをpJSO215と命名し、そしてそれを用いて、E.コリW3110 lacIqを形質転換した。プラスミド調製物を形質転換体から製造し、そしてDNA配列決定し、SPIRRペプチド付加の導入を確証した。
例6.アスペルギラス・オリザエ JaL125における修飾されたH.ラヌギノサ脂肪分解酵素(HLv9s)の構成及び発現
N−末端ペプチド付加を、ヨーロッパ特許第305216号から明らかな、それぞれ、アミノ酸及びDNA配列を有する親H.ラヌギノサ(DSM4109)脂肪分解酵素に適用し、そしてさらに、前記DNA配列(ヨーロッパ特許第305216号)におけるその成熟部分(従来の特定部位突然変異誘発により挿入された)における次の突然変異、D57G,N94K,D96L,Q249Rを行なった。ペプチド付加物SPIRPRPを、次のようにして、親酵素のN−末端に適用した:
pIVI220の作製:
前記プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、StratageneからのChamelon二本鎖部位特異的突然変異誘発キットを用いて作製した。
pHL296を、プラスミド鋳型として使用した。前記プラスミドは、pHD464中にクローン化された上記突然変異(D57G,N94K,D96L,L97M,Q249R)と共に、H.ラヌギノサ脂肪分解酵素をコードする遺伝子を含む。
プライマー番号7258が、選択プライマーとして使用された。
7258:5’p gaa tga ctt ggt tga cgc gtc acc agt cac 3’(配列番号79)(従って、耐アンピシリン性遺伝子に見出され、そして切断のために使用されるScaI部位をMluI部位に変更する)。
プライマー番号7770が、選択プライマーとして使用された。
7770:5’p tct agc cca gaa tac tgg atc aaa tc 3’(配列番号80)(アミノ酸配列を変更しないで、H.ラヌギノサ リパーゼ遺伝子に見出されるScaI部位を変更する)。
プライマー番号8479が、突然変異誘発プライマーとして使用された。
8479:5’p gcg tgg acg gcc ttg gct agc cct att cgt cct cga ccg gtc tcg cag gat ctg 3(配列番号81)(親H.ラヌギノサ酵素のプロペプチド及びN−末端E1を置換する(SPIRPRPによりSPIRREを))。
pIVI245の作製:
前記プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、StratageneからのChameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キット(カタログ番号200509)を用いて作製した。
pIVI220をプラスミド鋳型として使用し、そしてプライマー番号7887を選択プライマーとして使用した(耐アンピシリン遺伝子に見出され、そして切断のために使用される、導入されたMluI部位をScaI部位に変更する)。
Figure 0004307549
プライマー番号8932を突然変異誘発プライマーとして使用した。
8932:5’p-g aac tgg ata gga aat ttg aag ttc ctg ttg aaa gaa ata aat gac 3’(配列番号78)(従って、野生型としてM97をL97に変更し、そして2つの突然変異N94K及びD96Lを保存する)。
2.A.オリザエ発現プラスミドpCaHj483の作製
pCaHj483は図9に示されている。それを、次のフラグメントから構築する:
a)EcoRI及びXbaIにより切断されたベクターpToC65(WO91/17243)。
b)amdS遺伝子を担持する、A.ニジランスからの2.7KbのXbaIフラグメント(C.M.Corrickなど.,(1987),Gene 53,p.63-71)。amdS遺伝子は、菌類の形質転換における選択マーカーとして使用される。amdS遺伝子が修飾され、その結果、その遺伝子に通常存在するBamHI部位が破壊された。これは、サイレント点突然変異を、プライマー3:AGAAATCGGGTATCCTTTCAG(配列番号6)を用いて導入することによって行なわれた。
c)A.ニジランスtpi遺伝子のmRNAの5’未翻訳端をコードする配列の60bp DNAフラグメントに融合されるA.ニガー NA2プロモーターを担持する0.6KbのEcoRI/BamHIフラグメント。NA2プロモーターを、プラスミドpNA2(ヨーロッパ特許第383779号)から単離し、そしてPCRにより60bpのtpi配列に融合した。60bpのtpi配列をコードするプライマー(プライマー4:配列番号14)は、次の配列を有した:5’-GCTCCTCATGGTGGATCCCCAGTTGTGTATATAGAGGATTGAGGAAGGAAGAGAAGTGTGGATAGAGGTAAATTGAGTTGGAAACTCCAAGCATGGCATCCTTGC-3’。
d)A.ニガー グルコアミラーゼ転写ターミネーターを担持する675bpのXbaIフラグメント。このフラグメントは、プラスミドpICAMG/Term(ヨーロッパ特許第238023号)から単離された。
フラグメントc)のBamHI部位を、pIC19Rリンカーを通して、フラグメントd)上の転写ターミネーターの前のXbaI部位に連結した(XbaIに対してBamHI)。
HLv9s発現プラスミドpCaHj485の作製
プラスミドpJVi245をBamHI及びSalIにより消化し、そしてHLv9s脂肪分解酵素をコードするその得られる904bpフラグメントを単離した。pCaHj483をBamHI及びSalIにより消化し、そして大きなベクターフラグメント(6757)を、そのHLv9sフラグメントに連結した。その連結混合物を用いて、E.コリ DH5α細胞を形質転換し、そして予測されるプラスミドを有する形質転換体を単離した。そのプラズミドを、pCaHj485として命名した。
3.JaL125中へのpCaHj485の形質転換
アスペルギラス・オリザエ JaL125は、アルカリプロテアーゼを欠いているアスペルギラス・オリザエ IFO4177であり、そしてこれを、ヨーロッパ特許第0531372号に記載されるようにして、アセトアミドに基づく選択を用いて、pCaHj485により形質転換した。形質転換体を2度、胞子再単離した。個々の形質転換体の2回目の再単離からの胞子を用いて、96ウェルマイクロタイター皿における200μlのYPM(1%の酵母抽出物、2%のペプトン、2%のマルトース)を接種した。YPM培養物を34℃で4日間、増殖せしめ、そして最高の生成体を、p−ニトロフェニルブチレートアッセイを用いて選択した:
原溶液:18μlのp−ニトロフェニルブチレートを、1mlのイソプロパノールに溶解した。
実施溶液:0.1mlの原溶液を、50mMのトリス/HCl,pH7.5,10mMのCaCl2の溶液10mlと共に混合した。
アッセイ:YPM上清液1μlを、96ウェルマイクロタイター皿において、実施溶液200μlと共に混合し、そして色彩の進行を、ELISA読取り機を用いて450nmで測定した。
1つの形質転換体を、タンク発酵のために選択した。
4.JaL125/pCaHj485のタンク形質転換
発酵を、34℃の一定の培地温度及び1.2lの開始体積を用いて供給−バッチ発酵として行なった。培地の初期pHを6.5に設定した。pHが7.0に上昇したらすぐに、この値を10% H3PO4の添加により維持した。培地における溶解された酸素のレベルを、撹拌速度を変え、そして1lの空気/培地1l/分の固定されたエアレーション速度を用いることによって調節した。供給物添加速度は、全供給−バッチ相の間、一定レベルで維持された。
バッチ培地は、炭素源としてマルトースシロップ、窒素源として尿素及び酵母抽出物、及び微量金属及び塩の混合物を含んだ。供給−バッチ相の間、連続して添加される供給物は、炭素源としてマルトースシロップを含み、そして酵母抽出物及び尿素は、窒素の十分な供給を確保するために添加された。
5.修飾された脂肪分解酵素の精製
1)発酵上清液を、フィルターカタログ番号AP2504700フィルタータイプAP25を通して濾過した。
2)発酵上清液を、Millipore膜タイプGS(0.22ミクロン)からの無菌フィルターを通してもう1度、濾過した。
3)次に、発酵上清液を、固体酢酸アンモニウムを添加することによって、0.8Mの酢酸アンモニウムに調整した。
4)TSKゲルButyl-Toyopearl 650に基づく疎水性クロマトグラフィー。50mlのカラムを、Butyl-Toyopearlマトリックスにより充填した。カラムを0.8Mの酢酸アンモニウムにより洗浄し、そして平衡化した。酢酸アンモニウムにより調節された1lの発酵上清液を、Butylカラム上に適用した。カラムを、すべての未結合材料が洗浄されるまで、0.8Mの酢酸アンモニウムにより洗浄した。次に、結合された材料を、水及び50%エタノールにより連続して溶離した。画分を集め、そして標準のLUアッセイを用いて、リパーゼ活性について分析した。リパーゼ活性を含む画分をプールし、そして希釈し、4mSi以下にプールの電導性を調節し、そしてpHを8.5に調節した。
5)High performance Q Separose(Pharmacia、コード番号17−1014−01)に基づくアニオン交換クロマトグラフィー。50mlのカラムを50mMの硼酸緩衝液(pH8.5)により充填し、そして洗浄した。次に、リパーゼ活性を含むプールを、High performance Q Sepharoseカラム上に適用した。未結合材料を、硼酸緩衝液(pH8.5)により洗浄した。結合された活性を、1Mの塩化ナトリウムを含む硼酸緩衝液(pH8.5)を用いて線状グラジエントにより溶離した。画分を集め、そしてリパーゼ活性についてアッセイした。A280及びA260で1.7以上のUV吸光度の割合を有するリパーゼ活性を含む画分をプールする。
例7.ペプチド付加物を有するH.ラヌギノサ リパーゼの3循環洗浄性能
ヨーロッパ特許第305216号に記載されるヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ及びその変異体(すなわち、本発明の修飾された脂肪分解酵素)の洗浄性能を、30℃で、一定温で20分間のモデル洗浄システムにおいて、赤色に着色されたラードにより汚された綿の布ぎれに対しての3−循環洗浄性能試験(上記の材料及び方法に記載される)を用いて試験した。試験は、1l当たり0,0.075,0.188,0.375,0.750,2,500mgのリパーゼ濃度で実施された。
4.2g/lのヨーロッパタイプの粉末洗剤組成物(上記のような)を、この試験において使用した。洗剤は、本発明の修飾されたリパーゼの添加の前、いづれの酵素も含まなかった。洗剤を、約18°dH(German Hardess)の水に溶解した。洗浄液体のpHは約10であった。6枚の布ぎれを、100mlの洗浄液体において洗浄した。洗浄に続いて、布ぎれを15分間、水道水において流し、そして次に、室温で一晩、空気乾燥せしめた。
3洗浄循環を、個々の洗浄循環の間、一晩の乾燥を伴って実施した。
3回目の洗浄循環の後、アスペルギラス オリザエにおいて発現される、本発明の修飾されたリパーゼ及び親リパーゼの性能を評価した。これは、上記のようにして改良因子(f改良)を計算することによって行なわれた。
それらの試験の結果は、下記表E4に示される。
Figure 0004307549
親ヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼに適用されたペプチド付加(すなわち、SPIRR)が洗浄性を少なくとも2倍にすることが表E4から見出され得る。
例8.付加物を含む修飾されたH.ラヌギノサ リパーゼの一循環洗浄性能
一循環洗浄性能試験(上記の材料及び方法に記載される)を、5g/lの酵素不活性化されたArielTM Futur(Procter and Gamble)において、SPIRR−ペプチド付加を有し、及びその付加を有さない、表M1のヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼ変異体により行なった。試験は、0,1250,12500LU/lのリパーゼ単位で実施された。
洗剤は、約18°dH(German Hardness)水に溶解された。洗浄液体のpHは約10.3であった。
布から除去された、ソックスレー抽出された脂肪物質の量を、下記表に示す。ペプチド付加物を有し、及びそれを有さない対応するリパーゼ変異体が個々に列挙されている。
Figure 0004307549
上記結果は、ペプチド付加を有するリパーゼ変異体が、ペプチド付加物を有さないその対応するリパーゼ変異体に比較して有意に改良された一循環洗浄性能を有することを明白に示す。
例9.H.ラヌギノサ リパーゼのN−末端付加物の部位特異的突然変異誘発
SPIRR N−末端付加物を有するヒュミコラ・ラヌギノサ リパーゼにおける突然変異誘発を、上記の材料及び方法セクションに記載される方法を用いて行なった。
最初に、リパーゼをコードする遺伝子を、プラスミドpHD414中に挿入した。次に、pHD414のアンピシリン遺伝子のScaI部位を、Mlu1部位に変更した。次に、リパーゼ遺伝子に存在するユニークSca1部位を除去した。
所望の突然変異(すなわち、SPIRPRP)を、所望する突然変異を含んで成る次のオリゴの付加によりリパーゼ遺伝子のN−末端に導入した:オリゴ8479(配列番号5):
Figure 0004307549
これは、SPIRPRP N−末端ペプチド付加物を有するH.ラヌギノサ リパーゼ遺伝子をもたらした。
例10.ランダム突然変異誘発によるN−末端付加物の作製
成熟H.ラヌギノサ脂肪分解酵素(DSM4109から得られる)の初めのアミノ酸残基に付加されるN−末端付加SPIRPRPをコードし、そしてその成熟部分に次の追加の突然変異:D57G+N94K+D96L+L97M+Q249Rを含むDNA配列の部分のランダム突然変異誘発を行なった。親脂肪分解酵素の成熟部分の突然変異は、WO95/26215に記載される方法を用いて、適切なプライマー配列を用いてのPCR駆動された特定部位突然変異誘発により行なわれた。そのペプチド付加物SPIRPRPは例9に記載されるようにして適用された。
SPIRPRPコドンのヌクレオチドドーピングスケムは次の通りであった:
Figure 0004307549
数字は、使用される次のフラスコの番号を言及する。
フラスコ5:80% A;6.66% C;6.66% G og 6,66% T。
フラスコ6:80% C;6.66% A;6.66% G og 6,66% T。
フラスコ7:80% G;6.66% A;6.66% C og 6,66% T。
フラスコ8:80% T;6.66% A;6.66% C og 6,66% G。
2段階PCR反応プロトコールが使用された:5’プライマーとして上記プライマー及び3’プライマーとしてプライマー2056(5’gca cgt aat gtt tgt acc 3’)を有する第1段階は、プラスミド鋳型としてpHL296を用いて行なわれた。第1回目のPCRの生成物が、5’プライマー(BamHI部位及びコード配列の最初の部分を導入するための)として4699(5’ cgg tac ccg ggg atc cac 3’)及び3’プライマーとしてPCR生成物を有する新規のPCRに使用された。得られる生成物を、Spin 100(Clonetech Lab.,Inc.からの)上で精製し、そしてBamHI及びPvuIIにより切断した。得られるDNAフラグメントを、SpinX(Costar)によりアガロースゲルから精製し、そしてBamHI及びPvuIIにより切断されたBamHI−XbaIフラグメントとしてクローン化されたpHL296からのH.ラヌギノサ脂肪分解酵素遺伝子を含む酵母発現ベクターpJSO37中に連結した。その得られるDNAを用いて、従来の技法により、DH10/DH12 E.コリ細胞(Gibco/BRG Lifetechnologies)を電気形質転換した。
E.コリの形質転換及び増幅の後、プラスミドを精製し、そしてS.セレビシアエ YNG318を形質転換した。得られるS.セレビシアエ細胞を、洗剤(3g/lのPCS)を含む他のリパーゼフィルターアッセイにおける良好な実施体についてスクリーンした。陽性体を配列決定し、そして前記材料及び方法セクションにおける表1から明らかなペプチド付加物(HLv10s1−10として同定される)を含むことが見出された。
個々のHL10s1−6の一循環洗浄性能を、30℃の温度で及び5g/lの不活性化されたAriel Futureを洗剤として用いて、上記の材料及び方法セクション(一循環洗浄性能)に記載されるようにして試験した。個々の修飾された酵素により除去される脂肪材料の量が、下記に示される:
Figure 0004307549
良好な実施体がそのN−末端付加物により正に荷電されたアミノ酸を有する傾向が存在した。
同様に、H.ラヌギノサ リパーゼ変異体E1*,D57G,N94K,D96L,L97M,Q249R及び他の変異体に付加されるN−末端付加RPRPRPRPのランダム突然変異誘発を行なった。RPRPRPRPコドンのヌクレオチドドーピングスケムは、次の通りである。
Figure 0004307549
フラスコ5:80% A;6.66% C;6.66% G og 6,66% T。
フラスコ6:80% C;6.66% A;6.66% G og 6,66% T。
フラスコ7:80% G;6.66% A;6.66% C og 6,66% T。
フラスコ8:80% T;6.66% A;6.66% C og 6,66% G。
APPPを、N−末端付加物のタンパク質分解に対して保護するために、ランダム突然変異誘発されたRPRPRPRPのN−末端に及びシグナルペプチドの前に付加する。これは必要とされなくても良い。E1を、1つの負に荷電されたアミノ酸を除去するために欠失せしめた。成熟H.ラヌギノサ リパーゼ配列の位置2〜5におけるアミノ酸をまた、リパーゼのこの非構造部分における改良された変異体を見出すために、突然変異誘発した。他方、この方法は、SPIRPRPのランダム突然変異誘発について上記で言及された通りであった。次のN−末端ペプチド付加物を得た:
Ala-Pro-Pro-Pro-Arg-Pro-Arg-Leu-Leu-Pro-Ile-Ser(APPPR PRLLPIS)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造N−末端部分に追加の突然変異D5Eを担持する)。
Ala-Pro-Pro-Pro-Thr-Arg-Gln-Arg-Gln-Ser-Pro(APPPTRQRQSP)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造N−末端部分に追加の突然変異V2L,S3T及びD5Vを担持する)。
Ala-Pro-Pro-Pro-Arg-Thr-Ile-Pro-Arg-Ser-Ser-Pro(APPPRTIPRSSP)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造N−末端部分に追加の突然変異V2L,S3R及びD5Eを担持する)。
Ala-Pro-Pro-Pro-Arg-Pro-Arg-Pro-Arg-Pro-Arg-Pro(APPPRPRPRPRP)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造N−末端部分に追加の突然変異V2G及びD5Eを担持する)。
Ala-Pro-Pro-Pro-Arg-Thr-Arg-Pro-Arg-Pro-Arg-Ser(APPPRTRPRPRS)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造部分に追加の突然変異V2GL,S3T,Q4P及びD5Eを担持する)。
Ala-Pro-Pro-Pro-Lys-Ala-Ser-Pro-Arg-Gln-Arg-Pro(APPPKASPRQRP)(欠失されたE1残基の他に、この変異体は、成熟酵素のその非構造部分に追加の突然変異V2GL,D5Q及びL6Mを担持する)。
例11.ペプチド付加物を含んで成るPs.セパシア リパーゼ変異体の作製
ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)として最近、再分類された、WO89/01032(Novo Nordisk A/Sからの)に記載されるシュードモナス・セパシア SB10,DSM3959からのリパーゼ遺伝子をクローン化し、そしてE.コリにおけるリパーゼの温度−誘発性発現を、プラスミドpAHE2の使用により得た。SJ1503株は、pAHE2を含むE.コリJA221である。
N−末端延長を有する変異体リパーゼを発現するベクターを構成するために、pAHE2に存在する2つのユニーク制限部位、すなわちリパーゼシグナルペプチドコード配列の数9個のコドンの方におけるユニークBstXI部位、及びプロセッシング部位から約7個のコドンの下流における、すなわち成熟リパーゼのための配列の開始部分におけるユニークMluI部位が使用された。
PCRプライマーを、この領域を通しての増幅を可能にするよう企画し、そしてこのプライマーは、N−末端延長部をコードする配列を包含するMluI部位から上流を読み取る。すべてのプライマーは、それらの最5’端にEcoRI部位を組込んでいる。
次の配列が、N−末端延長部をコードするよう選択された:
Figure 0004307549
次のプライマーが使用された:
LWN9476(配列番号7)(BstXI部位から下流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9472(配列番号8)(SPIRPRPを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9473(配列番号9)(TAIRPRKを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9471(配列番号10)(STRRPRPを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9474(配列番号11)(GPIRPRPを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9475(配列番号12)(SPIRRを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
LWN9470(配列番号13)(RPRPRPRPを組込むよう企画された、MluIから上流を読み取る):
Figure 0004307549
PCR増幅のために、プライマーLWN9476を、プライマーLWN9470-LWN9475の個々及び鋳型としてのpAHE2と組合して使用した。アニーリング温度は70℃であり、そして反応は2%のDMSOの存在下で行なわれ;他方では、標準の条件及びTaqTMポリメラーゼを用いた。
増幅されたフラグメントを2%アガロースゲルから精製し、BstXI及びMluIにより消化し、pAHE2から得られた7.1kbのBstXI−MluIフラグメントに連結し、そしてその結合混合物を用いて、E.コリ SJ6をエレクトロポレーションにより耐アンピシリン性に形質転換した。形質転換体を、アンピシリン(200mg/ml)を含むLBプレート上に、30℃で配置した。
レプリカプレーティングにより、コロニーを、リパーゼスクリーニングプレート(寒天1l当たり、20mlのSigna Lipase Substrate(カタログ番号800−1)及び4mlの1% Brilliant Green(Merck、商品番号1.01310)溶液を含む)に移し、これを42℃でインキュベートした。最終的に、リパーゼ活性を示す緑色の輪が、個々の形質転換混合物からのいくつかのコロニーのまわりに進行した。
リパーゼ陽性コロニーを再分離し、プラスミドを抽出し、そしてBstXI−MluI領域のDNAを配列決定した。次の株が維持された:
SJ3606(SJ6/pSJ3606);これはSPIRPRPコード付加物を含み、そしてまた、アラニンからバリンに変更された生来の成熟酵素にその第2コドンを有する。
SJ3608(SJ6/pSJ3608);これはSPRPコード付加物(挿入体TCT CCG CGC CCGのDNA配列)を含む。STRRPRPコードの付加物を生成する試みにおいて、変異体として得られた。
SJ3708(SJ6/pSJ3708);これは、SPIRRコード付加物を含む。
SJ3717(SJ6/pSJ3717);これは、SPIRPRPコード付加物を含む。
SJ3718(SJ6/pSJ3718);これは、SPIRPRPコード付加物を含む。
SJ3719(SJ6/pSJ3719);これは、TAIRPRKコード付加物を含む。
SJ3720(SJ6/pSJ3720);これは、STRRPRPコード付加物を含む。
SJ3721(SJ6/pSJ3721);これは、GPIRPRPコード付加物を含む。
例12.Ps.セパシア リパーゼ変異体の振盪フラスコ発酵
例11において供給される培養物を、TY−アンピシリンプレート(pH7)上で増殖せしめ、そしてアンピシリン(100mg/ml)を含む、二倍に濃縮されたTY−培地(pH7)100mlを含む振盪フラスコを接種するために使用した。接種物を、リパーゼ生産性(材料及び方法セクションに記載されるようにして)について、インジケータープレート上をストリークすることによって調べ:すべての細胞はリパーゼ陽性であることが見出された(プレートを、30℃で2日間インキュベートし、次に40℃に1日間、移した)。
振盪フラスコを、その培養物が2.8〜5.3の光学密度(578nm)に達するまで、30℃で275rpmで6時間、振盪しながらインキュベートした。次に、培養物を40℃にさらに17時間、移した。
Ps.セパシア培養物におけるリパーゼ生成の調査
培養物を収穫し、遠心分離(9000rpmで20分間)、上清液を捨て、そしてペレットをNaCl(0.9% NaCl 0.5ml)に再懸濁し、そして音波処理した(氷上で、2分間、連続して)。その音波処理されたペレットを、pH7.0で基質としてトリブチレートを用いる滴定法を用いて、リパーゼ単位(LU)を測定するために使用した。
1つの株(SJ3720)を除く他のすべての8種の株は、下記表に示されるように、リパーゼ活性を示した。
Figure 0004307549
例13
Ps.セパシア リパーゼ変異体の特徴付け
例11に記載される株から生成されるリパーゼを、PCSプレートスクリーニングアッセイを用いて、洗剤の存在下での活性に関して特徴づけた。1組のサンプルを、上記のようにして増殖せしめられ、細胞収穫され、そしてリパーゼを生成するよう音波処理により溶解された、SJ1503,SJ3606及びSJ3608株から調製した。1ml当たり約230のLUを含むサンプル15mlを、洗剤を含まないか、又はそれぞれ1.5及び3.5g/lの洗剤を含む、スクリーニングプレートにおけるウェルに適用した。プレートを、37℃で一晩インキュベートし、そしてウェルのまわりに形成される緑色の領域の直径を測定した。次の結果が得られた:
Figure 0004307549
緑色の領域は、高い洗剤濃度では観察されなかった。
もう1組のサンプルを、酢酸セルロースフィルター上にSJ1503,SJ3708、及びSJ3717−SJ3721株をプレートすることによって調製し(個々のフィルターはすべての7種の株を含む)、これを37℃で一晩、アンピシリン(200mg/ml)を含むLBプレート上に配置し、次に、フィルターを有するそれらのプレートを42℃で5時間インキュベートし、この後、フィルターを、37℃で一晩インキュベートされたスクリーニングプレートに移した。
明白な緑色領域が、洗剤を含まないプレート上のすべてのコロニー下で進行し;SJ3720は、リパーゼの減じられた発現のために、残りの株よりも有意に小さな領域を生成した。
緑色の領域はまた、1.5g/lの洗剤を含むプレート上のすべてのコロニー下に観察された。しかしながら、生来の修飾されていないリパーゼを生成するSJ1503から生成される領域は、他の株から生成される領域に比較して、有意に減じられた。
3.5g/lの洗剤を含むプレート上において、緑の着色はSJ1503からは進行せず、ところが、緑色がかった株は、修飾されたB.セパシア リパーゼを発現するいくつかの株、特にSJ3717,SJ3718及びSJ3721からまだ識別できた。
従って、上記のように、生来の成熟リパーゼに対してN−末端付加物をコードするようB.セパシア リパーゼ遺伝子の修飾は、洗剤の存在下で、生来のリパーゼに比較して改良された活性を有するリパーゼの生成を可能にする。
例14.10lのタンクにおけるSJ1503及びSJ3717の発酵
振盪フラスコについて記載される方法を、10l規模での発酵のために使用した。使用される培地は、バクト トリプトン 400g、バクト酵母抽出物 200g、グルコース×2H2O 500g、アンピシリン1g,Pluronic 1mlを含んだ。pHは7.1で一定に維持され;温度は7時間30℃であり、次に40℃に調節された。細胞を16時間後、遠心分離により収穫し、そして細胞を高圧ホモジナイザー(800バール)を用いて開放した。
E.コリにおいて発現されたB.セパシアの精製
SJ1503及びSJ3717からの10lの発酵ブイヨンからのE.コリ細胞を、遠心分離し、そして上清液を捨てた。細胞を、800バールの圧力下で、rannieホモジナイザーを用いて開放した。均質化された細胞を、350×gで60分間、遠心分離した。細胞上清液をデカントした。
1.塩沈殿
活性を含む上清液を、室温で35%の飽和への固体硫酸アンモニウムの添加により沈殿せしめた。沈殿は室温で2時間を要し、そして350×gで1時間、遠心分離した。上清液をデカントし、そして捨てた。活性を含む沈殿物を、30%エタノールに溶解し、不溶性材料へのリパーゼ活性の疎水性結合を回避した。
30%エタノールに溶解された材料から不溶性材料を除去するために、前記溶液を遠心分離した。リパーゼ活性を上清液として回収しそして不溶性材料を捨てた。活性を含む上清液を濃縮し、そして10KDaのカットオフを有するAmicon膜を用いて限外濾過により、25mMのトリス−アセテート(pH8)に対して透析した。次に、濃縮されたサンプルを、5倍に希釈し、活性を含む上清液におけるいづれかの残留するエタノールを減じた。
2.疎水性クロマトグラフィー
活性を含む上記サンプルを、固体酢酸アンモニウムを添加することによって0.8Mの酢酸アンモニウムに調節した。50mlのToyopearl Butylカラム(Tosho Hass,Japan)を、0.8Mの酢酸アンモニウムにより充填し、そして平衡化した。次に、リパーゼ活性を含む上記段階からのサンプルを0.8Mの酢酸アンモニウムに調節し、そしてToyopearl Butylカラム上に適用した。すべての活性は、マトリックスに結合する。未結合材料を、その流出液のUV吸光度が280nmで0.05以下になるまで、0.8Mの酢酸アンモニウムにより洗浄した。結合された活性を、50%エタノールを含む25mMのトリス酢酸緩衝液により溶離した。リパーゼ活性を含む画分をプールし、そして25mMのトリス酢酸緩衝液(pH8.5)に対して透析した。
3.アニオン交換クロマトグラフィー
50mlのカラムを、アニオン交換体High performance Q−セファロース(Pharmacia)により充填した。カラムを、25mMのトリス酢酸緩衝液(pH8.5)により洗浄し、そして平衡化した。透析されたサンプルをカラム上に適用した。未結合活性をトリス緩衝液を用いることによって洗浄した。
結合された活性を、トリス緩衝液(pH8)中、0〜0.5MのNaClの線状塩グラジエントにより溶離した。流速は2ml/分であり、そして溶離のために使用される緩衝液の合計量は10カラム体積であった。リパーゼ活性を含む画分をプールし、そしてPCSプレートアッセイにおいて性能について試験した。
より特定には、回収された修飾リパーゼの個々の3LUを、PCSプレート(この後の例15を参照のこと)の穴中に添加し、そして37℃で一晩インキュベートした。18時間後、次の結果が得られた:
Figure 0004307549
従って、ペプチド付加物の存在が得られる有意に高い洗浄性能をもたらすことが見出され得る。
例15.N−末端ペプチド付加を有する修飾されたH.インソレンス脂肪分解酵素の作製
親脂肪分解酵素をコードする遺伝子を、WO96/13580に実質的に記載されるようにして、ヒュミコラ・インソレンス DSM1800から単離した。3種の異なったペプチド付加物を、プラスミド鋳型としてプラスミドpIVI303を用いて、成熟酵素のN−末端に適用した。
pIVI303の構成:アミノ酸配列の変化を伴わないで、ATGから304〜369塩基下流の領域に突然変異を含むH.インソレンス脂肪分解酵素変異体をコードし、そしてChameleon二本鎖キットの使用を妨げるかも知れない可能な第2DNA構造体を除去する。
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Chameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene;カタログ番号200509)を用いて構成した。
pIVI296をプラスミド鋳型として、及びプライマーNo.7258を選択プライマーとして使用した。
Figure 0004307549
(従って、耐アンピシリン性遺伝子に見出され、そして切断のために使用されるScaI部位をMluI部位に変更する)。
プライマー番号9349を突然変異誘発プライマーとして使用した:
Figure 0004307549
1.変異体:突然変異PPRRPR(生来のH.インソレンス プロペプチドにおけるPELVARの代わりに)を含むHILv4s
pIVI335の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Chameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene;カタログ番号200509)の使用により作製した。pIVI303を、プラスミド鋳型として使用した。
プライマーNo.7887を、選択プライマーとして使用した:
7887:5’p-gaa tga ctt ggt tga gta ctc acc agt cac 3’(耐アンピシリン性遺伝子に見出され、そして切断のために使用される導入されたMluI部位をScaI部位に変更する)。
プライマー番号19473を突然変異誘発プライマーとして使用した:
Figure 0004307549
2.変異体:突然変異SPPRRP(生来のH.インソレンス プロペプチドにおけるELVARQの代わりに)を含むHILv1s
pIVI359の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Stratagene(カタログ番号200509)からのChameleon二本鎖特定部位突然変異誘発キットの使用により作製した。pIVI303を、プラスミド鋳型として使用した。プライマー番号7887(上記を参照のこと)を、選択プライマーとして使用した。プライマー番号21992を、突然変異誘発プライマーとして使用した:
Figure 0004307549
3.変異体:突然変異SPPRP(生来のH.インソレンス プロペプチドにおけるELVARQの代わりに)を含むHILv2s
pIVI360の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Stratagene(カタログ番号200509)からのChameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キットを用いて作製した。pIVI303をプラスミド鋳型として使用し、そしてプライマー番号7887を選択プライマーとして使用した。次のプライマーを、選択プライマーとして使用した:
Figure 0004307549
4.変異体:突然変異SPIRK(生来のH.インソレンス プロペプチドにおけるELVARQの代わりに)を含むHILv3s
pIVI361の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Stratagene(カタログ番号200509)からのChameleon二本鎖特定部位突然変異誘発キットを用いて作製した。pIVI303をプラスミド鋳型として使用し、そしてプライマー番号7887を選択プライマーとして使用した。プライマー番号21994を突然変異誘発マライマーとして使用した:
Figure 0004307549
5.A.オリザエ発現ベクターの作製
pA2L79の作製は、WO96/13580の例2に記載される。そのプラスミドは、A.オリザエ発現プラスミドpD414中に挿入されるH.インソレンス脂肪分解酵素cDNA配列を含む。pA2L79を制限酵素HindIII及びXhoIにより切断した。cDNA配列をコードする脂肪分解酵素を含むフラグメント(1088bp)を、アガロースゲルから精製した。pHD414を制限酵素HindIII及びXhoIにより切断し、そしてベクターをアガロースゲルから精製した。その精製されたベクターフラグメント(pHD414)及びリパーゼ含有フラグメントを連結し、従ってpIVI296を創造した。
上記発現ベクターの個々を用いて、上記の材料及び方法セクションに開示される一般的な形質転換法の使用によりA.オリザエIFO4177を形質転換した。個々のタイプの1つの形質転換体を、それぞれ、HILv1−4sとして単離した。H.インソレンス形質転換体を、500mlのYPM培地(10g/lのバクト酵母抽出物、20g/lのバクトペプトン、20g/lのマルトースを含む)における振盪フラスコにおいて30℃で3日間、増殖せしめた。
発酵上清液を、修飾されたH.ラヌギノサ脂肪分解酵素について、記載されるようにして濾過した。
精製段階1:1lの発酵上清液をpH8に調節し、そして上清液の伝導性が4mSi以下になるように希釈した。
段階1:アニオン交換体DE-AE50に基づく発酵上清液のバッチ処理。PharmaciaからのDEAE−Sephadex A50を、適切な孔サイズを有する焼結ガラス漏斗を用いて、25mMのトリス酢酸緩衝液(pH8)により洗浄し、そして平衡化した。次に、発酵上清液を、焼結ガラス漏斗を用いて、DEAE Sephadex A50上に適用した。H.インソレンスからの脂肪分解活性はpH8でアニオン交換体に結合せず、そしてDEAE Sephadex A50から流出液として集められた。
段階2:DEAE Sephadexからの流出液のpHを、希酢酸を添加することによって4.5に調節した。伝導性をまた、水を添加することによって、4mSi以下に調節した。SP−Sepharoseに基づくカチオン交換クロマトグラフィー。50mlのカラムを、SP Sepharose Fast Flow Code番号17−0729−01(Pharmacia)により充填した。次に、カラムを、25mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)により洗浄し、そして平衡化した。pH4.5に調節され、そして4mSi以下の伝導性に調節された、脂肪分解活性を含むサンプルを、SP−Sepharoseカラム上に適用した。未結合材料を、25mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)を用いて洗浄した。次に、SP−Sepharoseに結合された脂肪分解活性を、1Mの塩化ナトリウムを含む25mMの酢酸緩衝液(pH4.5)における線状塩グラジエントにより溶離した。脂肪分解活性を含み、そして1.8よりも高いA280/A260でのUV吸光度の割合を有する画分をプールした。サンプルの純度を、SDS−PAGEに基づいて調べた。
N−末端ペプチド付加物の確認
HILv1s脂肪分解酵素のN−末端アミノ酸配列を決定した(すなわち、プロペプチドにおける最後の5つのアミノ酸残基及び成熟酵素における最初のアミノ酸残基(ELVARQ)がSPPRRPにより置換されている変異体における)。
見出されるN−末端アミノ酸配列は、置換された配列における最後の3個のアミノ酸残基及び置換に続く最初の4個のアミノ酸残基に対応するArg-Arg-Pro-Leu-Gly-Ala-Ile-であった。
HILv2s脂肪分解酵素のN−末端アミノ酸配列を決定した(すなわち、プロペプチドにおける最後の5つのアミノ酸残基及び成熟酵素における最初のアミノ酸残基(ELVARQ)がSPPRPにより置換されている変異体における)。
見出されるN−末端アミノ酸配列は、置換された配列における最後の2つのアミノ酸残基及び置換に続く最初の6個のアミノ酸残基に対応するArg-Pro-Leu-Gly-Ala-Ile-Glu-Asnであった。
例16.修飾されたヒュミコラ インソレンス脂肪分解酵素の特徴付け
それぞれ、HILv1s,HILv2s,HILv3s株により生成された、ペプチド付加物を含んで成る修飾された脂肪分解酵素(例21に記載される)及び野生型株HILを、0.5g/l,1.0g/l及び1.5g/lのPCS−洗剤を含むPCS−プレート上でのリパーゼ活性に関して特徴化した。
25μl(5LUに対応する)の精製された修飾HILvs1,HILvs2及びHILvs3、及び野生型HILリパーゼを、ピペット(4mm)によりPCS−プレートに製造された穴中に入れ、そしてそれぞれ、3及び6時間インキュベートした。
試験の結果は、下記表において示される:
Figure 0004307549
FY−洗剤を含むPCS−プレート上での3時間のインキュベーション。
Figure 0004307549
PCS−洗剤を含むPCS−プレート上での6時間のインキュベーション。
前記表から見出され得るように、修飾されたリパーゼ変異体(すなわち、HILv1s,HILv2s及びHILv3sにより生成された)は一般的に、野生型リパーゼよりもPCS−洗剤の存在下でより高いリパーゼ活性を有する。
例17.C−末端延長部を有する修飾されたH.ラヌギノサ脂肪分解酵素の作製
C−末端ペプチド付加物を、N−末端ペプチド付加物SPIRPRP及び内部突然変異D57G,N94K,D96L,Q249Rを含むH.ラヌギノサ脂肪分解酵素変異体HLv12sに付加した。
1.変異体HLv13s(C−末端ペプチド付加物:270R,271R,272P、停止コドンを有するHLv12s)
プラスミドpS14−1の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Stratagene(カタログ番号200509)からのChameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キットを用いて作製した。pIVI245をプラスミド鋳型として使用し(pIVI245の作製は、例6に記載される)、そしてプライマー番号7258を選択プライマーとして使用した。
7258:5’p gaa tga ctt ggt tga cgc gtc acc agt cac 3’(従って、耐アンピシリン性遺伝子に見出され、そして切断のために使用されるScaI部位をMluI部位に変更する)。
プライマー番号20694を、突然変異誘発プライマーとして使用した:
Figure 0004307549
2.変異体HLv14s(突然変異:270R,271R、停止コドンを有するHLv12s)
プラスミドpS20−2の作製:
プラスミドを、記載されるプロトコールに従って、Stratagene(カタログ番号200509)からのChameleon二本鎖部位特異的突然変異誘発キットを用いて作製した。pIVI245をプラスミド鋳型として使用し、そしてプライマー番号7258を選択プライマーとして使用した。
7258:5’p gaa tga ctt ggt tga cgc gtc acc agt cac 3’(従って、耐アンピシリン性遺伝子に見出され、そして切断のために使用されるScaI部位をMluI部位に変更する)。
プライマー番号20695を、突然変異誘発プライマーとして使用した。
Figure 0004307549
酵素変異体の生成
酵素を、同時形質転換段階のためにプラスミドpToC(202、及び宿主細胞としてA.オリザエJAL125を用いて、例6に記載される態様に類似する態様で生成した。
HLv12sにおけるC−末端拡張部の存在の確認
C−末端拡張部Arg-Arg-Pro(RRP)を含むHLv12sのサンプル1mgを、リシル特異的プロテアーゼによる分解の前、標準の方法を用いてS−カルボキシサミドメチル化した。得られるペプチドを逆相HPLCを用いて分離し、そして集められた画分を、マトリックス助力のレーザー脱着イオン化運航時間質量分析法(matrix assisted laser desorption ionization time-of-flight mass spectrometry)にゆだねた。3906.7Daの実験質量を有するペプチドを含む画分が見出された。この質量は、3906.4DaであるRRP拡張部を含むHLv12sのC−末端ペプチドの理論的質量に同一な実験誤差内にある。
この画分におけるペプチドのアミノ酸配列は、下記の通りであることが決定された:
Figure 0004307549
ここでこの配列は、HLv12sのC−末端ペプチドの正しいアミノ酸配列であり、そしてそれはC−末端拡張部Arg-Arg-Proを含む。
C−末端延長
洗浄結果:5g/lの不活性化されたAriel Future,20分、1循環 TOM,30℃,18°dH。酵素は、洗浄溶液1l当たりのmgの酵素タンパク質として適量に分けられた。
Figure 0004307549
例18.
HLv15s(これは、N−末端ペプチド付加物SPIRPR、及びH.ラヌギノサ脂肪分解酵素の成熟部分における次の突然変異:EP,D57G,N94K,D96L,L97M,Q249Rを含む)のN−末端拡張の部分を、クロストリパイン(clostripain)(EC3.4.22.8;Sigma番号C−0888)と共に長時間のインキュベーションにより切断した。
インキュベーション混合物は次のものを含んだ:2.5mMのDTT及び1mMの塩化カルシウムを含む25mMのリン酸ナトリウム溶液(pH7.4)において、HLv15s(1mg/ml)及びClostripain(20μg/ml)。
クロストリパインと共にインキュベーションする前、リパーゼの60%は損なわれていないプロペプチド(N−末端アミノ酸配列SPIRPRP)を担持するが、ところがその10%は最初のSer−残基を失ない(N−末端アミノ酸配列PIRPRPV)、そして30%はプロペプチドの最初の5個のアミノ酸残基を失なった(N−末端アミノ酸配列RPVSQDL)。
周囲温度での62時間のインキュベーションに続いて(HLv15s−Cをもたらす)、リパーゼの60%はプロペプチドの最初の4個のアミノ酸残基を失ない(次のペプチド拡張部PRPVSQをもたらす)、20%は5個のアミノ酸残基を有さず(従って、ペプチド拡張部RPVSQDを有する)、そして残りの20%は6個のアミノ酸残基を失なった(従って、ペプチド拡張部PVSQDLを有する)。
プロペプチドプロセッシングを、N−末端アミノ酸配列決定を用いて決定し、そして与えられる%はおおよその値であることが注目されるべきである。
Figure 0004307549
クロストリパインにより処理された、修飾された脂肪分解酵素による一循環洗浄性能
一循環洗浄性能試験(上記の材料及び方法セクションに記載されている)を、クロストリパインにより処理されたH.ラヌギノサリパーゼ変異体HLv15sにより行なった。洗浄試験は、クロストリパイン処理されたサンプル及び非クロストリパイン処理の変異体の両者により行なわれた。洗浄試験は、5g/lの酵素不活性化されたAriel Future(Procter and Gamble)において実施された。ラード染色された布ぎれを、30℃で20分間、洗浄した。この試験は、0,5000LU/l及び12500LU/lの濃度で行なわれた。
洗剤を約18°dH(German Hardness)水に溶解した。その洗浄液体のpHは約10.3であった。7枚の布ぎれを1000mlの洗浄溶液により洗浄した。洗浄に続いて、布ぎれを水道水に15分間、流し、そして次に、室温で一晩、空気乾燥せしめた。
評価:布ぎれの反射率を460nmで測定し、そしてリパーゼ性能()を次のようにして計算した:
=デルタ反射率=(Rリパーゼを含む洗剤により洗浄された布ぎれ−Rリパーゼを含まない洗剤により洗浄された布ぎれ)。
リパーゼの突然変異及び付加物は、上記に記載される。
は下記表に示されている。
Figure 0004307549
結果は、損なわれていないペプチド付加物の存在が最良の洗浄性能を導びくことを示す。減じられた(但し、完全に除去されたわけではない)ペプチド付加物は、特に、正に荷電されたアミノ酸残基がその付加物に存在する場合、改良された洗浄性能を付与する。
例19.システイン架橋を含む修飾されたH.ラヌギノサ脂肪分解酵素(HLv16s)
修飾されたH.ラヌギノサ脂肪分解酵素HLv16sは次の突然変異を含む:N94K,D96L,E239C及びQ249R、並びにペプチド付加物SCIRR。親酵素HLv16は次の突然変異を含む:N94K,D96L,Q249R。HLv16sは次の通りにして構成された:
1.野生型H.ラヌギノサ脂肪分解酵素におけるN94K,D96L突然変異の作製:
pIVI290の作製:
プラスミドを、プラスミド鋳型としてpAHL(WO92/05249の図6を参照のこと)及び選択プライマーとしてプライマー番号7258及び7770を用いて、記載されるプロトコールに従って、Chamelon二本鎖特定部位突然変異誘発キットを用いて構成した。7258:5’p gaa tga ctt ggt tga cgc gtc acc agt cac 3’(従って、耐アンピシリン遺伝子に見出されるScaI部位をMluI部位に変更する)(ScaIは切断のために使用された)。7770:Sequence 5’p tct agc cca gaa tac tgg atc aaa tc 3(野生型H.ラヌギノサリパーゼ遺伝子に見出されるScaI部位の変更)。プライマー番号8932が、突然変異誘発プライマーとして使用された。8932:5’pgaac tgg ata gga aat ttg aag ttc ctg ttg aaa gaa ata aat gac 3’(N94K,D96Lの導入)。
2.HLv16s(SCIRR,N94K,D96L,E239C,Q249R)の作製:
pIVI319の作製:
プラスミドを、プラスミド鋳型としてpIVI290及び選択プライマーとしてプライマー番号7887を用いて、記載されるプロトコールに従って、Chameleon二本鎖特定部位突然変異誘発キット(Stratagene;カタログ番号200509)を用いて作製した。7887:5’p-gaa tga ctt ggt tga gta ctc acc agt cac 3’(耐アンピシリン性遺伝子に見出される導入されたMlu1部位をScaI部位に変更する)(Mlu1部位は切断のために使用された)。プライマー番号8829,9639及び9646が突然変異誘発プライマーとして使用された。8829:5’p-ggc ggc aat aac cgg ccg aac att ccg gat atc cc 3’(Q249Rの導入);9639:5’p-at atc gtg aag ata tgc ggc att gat gcc acc 3’(E239Cの導入);9646:5’p-cg gcc ttg gct agc tgt att cgt cga gag gtc 3’(SPIRRからのプロペプチドをSCIRRに修飾する)。
酵素HLv16s及びHLv16の生成
酵素を、宿主細胞としてA.オリザエ JAL125を用いて、例6に記載される態様に類似する態様で生成した。続いて、酵素の一循環洗浄性能を試験した(洗剤として5g/lの不活性化されたAriel Future、及び0.25mgの酵素タンパク質/l及び1.0mgの酵素タンパク質/lの酵素用量を用いる)。
次の結果が得られた:
Figure 0004307549
有意に改良された洗浄性能が、ペプチド付加物と酵素の成熟部分との間にシステイン架橋を含むHLv16sに関して得られることが見出された。
配列表
(1)一般情報
(ii)発明の名称:脂肪分解活性を有する変性された酵素
(iii)配列の数:92
(2)配列番号1についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“合成DNA”
(xi)配列:配列番号1:
Figure 0004307549
(2)配列番号2についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:26個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“合成DNA”
(xi)配列:配列番号2:
Figure 0004307549
(2)配列番号3についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:55個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー1”
(xi)配列:配列番号3:
Figure 0004307549
(2)配列番号4についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー2”
(xi)配列:配列番号4:
Figure 0004307549
(2)配列番号5についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:54個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“オリゴ8479”
(xi)配列:配列番号5:
Figure 0004307549
(2)配列番号6についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー3”
(xi)配列:配列番号6:
Figure 0004307549
(2)配列番号7についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9476”
(xi)配列:配列番号7:
Figure 0004307549
(2)配列番号8についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:74個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9472”
(xi)配列:配列番号8:
Figure 0004307549
(2)配列番号9についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:74個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9473”
(xi)配列:配列番号9:
Figure 0004307549
(2)配列番号10についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:74個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9471”
(xi)配列:配列番号10:
Figure 0004307549
(2)配列番号11についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:74個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9474”
(xi)配列:配列番号11:
Figure 0004307549
(2)配列番号12についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:68個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9475”
(xi)配列:配列番号12:
Figure 0004307549
(2)配列番号13についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマーLWN9470”
(xi)配列:配列番号13:
Figure 0004307549
(2)配列番号14についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:105個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー4”
(xi)配列:配列番号14:
Figure 0004307549
(2)配列番号15についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:876個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:DNA(ゲノム)
(vi)起源:
(B)株名:ヒュミコラ ラヌジノサ DSM4109
(ix)特徴:
(A)名称/キー:CDS
(B)位置:1..876
(ix)特徴:
(A)名称/キー:Sig_ペプチド
(B)位置:1..66
(xi)配列:配列番号15:
Figure 0004307549
Figure 0004307549
(2)配列番号16についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:292個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:配列番号16:
Figure 0004307549
(2)配列番号17についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号17:
Figure 0004307549
(2)配列番号18についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号18:
Figure 0004307549
(2)配列番号19についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号19:
Figure 0004307549
(2)配列番号20についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号20:
Figure 0004307549
(2)配列番号21についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号21:
Figure 0004307549
(2)配列番号22についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号22:
Figure 0004307549
(2)配列番号23についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号23:
Figure 0004307549
(2)配列番号24についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号24:
Figure 0004307549
(2)配列番号25についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号25:
Figure 0004307549
(2)配列番号26についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号26:
Figure 0004307549
(2)配列番号27についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号27:
Figure 0004307549
(2)配列番号28についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:4個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号28:
Figure 0004307549
(2)配列番号29についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号29:
Figure 0004307549
(2)配列番号30についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:4個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号30:
Figure 0004307549
(2)配列番号31についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号31:
Figure 0004307549
(2)配列番号32についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号32:
Figure 0004307549
(2)配列番号33についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号33:
Figure 0004307549
(2)配列番号34についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号34:
Figure 0004307549
(2)配列番号35についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号35:
Figure 0004307549
(2)配列番号36についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号36:
Figure 0004307549
(2)配列番号37についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号37:
Figure 0004307549
(2)配列番号38についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号38:
Figure 0004307549
(2)配列番号39についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号39:
Figure 0004307549
(2)配列番号40についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号40:
Figure 0004307549
(2)配列番号41についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号41:
Figure 0004307549
(2)配列番号42についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号42:
Figure 0004307549
(2)配列番号43についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号43:
Figure 0004307549
(2)配列番号44についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号44:
Figure 0004307549
(2)配列番号45についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号45:
Figure 0004307549
(2)配列番号46についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号46:
Figure 0004307549
(2)配列番号47についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号47:
Figure 0004307549
(2)配列番号48についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号48:
Figure 0004307549
(2)配列番号49についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号49:
Figure 0004307549
(2)配列番号50についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号50:
Figure 0004307549
(2)配列番号51についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号51:
Figure 0004307549
(2)配列番号52についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号52:
Figure 0004307549
(2)配列番号53についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号53:
Figure 0004307549
(2)配列番号54についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:6個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号54:
Figure 0004307549
(2)配列番号55についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号55:
Figure 0004307549
(2)配列番号56についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:5個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号56:
Figure 0004307549
(2)配列番号57についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号57:
Figure 0004307549
(2)配列番号58についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:11個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号58:
Figure 0004307549
(2)配列番号59についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:11個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号59:
Figure 0004307549
(2)配列番号60についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:12個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号60:
Figure 0004307549
(2)配列番号61についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:12個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号61:
Figure 0004307549
(2)配列番号62についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号62:
Figure 0004307549
(2)配列番号63についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:9個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号63:
Figure 0004307549
(2)配列番号64についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号64:
Figure 0004307549
(2)配列番号65についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:10個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号65:
Figure 0004307549
(2)配列番号66についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:9個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号66:
Figure 0004307549
(2)配列番号67についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:12個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号67:
Figure 0004307549
(2)配列番号68についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:15個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号68:
Figure 0004307549
(2)配列番号69についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号69:
Figure 0004307549
(2)配列番号70についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号70:
Figure 0004307549
(2)配列番号71についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号71:
Figure 0004307549
(2)配列番号72についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号72:
Figure 0004307549
(2)配列番号73についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号73:
Figure 0004307549
(2)配列番号74についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号74:
Figure 0004307549
(2)配列番号75についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号75:
Figure 0004307549
(2)配列番号76についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:8個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号76:
Figure 0004307549
(2)配列番号77についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー7887”
(xi)配列:配列番号77:
Figure 0004307549
(2)配列番号78についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:46個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー8932”
(xi)配列:配列番号78:
Figure 0004307549
(2)配列番号79についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー7258”
(xi)配列:配列番号79:
Figure 0004307549
(2)配列番号80についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:26個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー7770”
(xi)配列:配列番号80:
Figure 0004307549
(2)配列番号81についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:54個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー8479”
(xi)配列:配列番号81:
Figure 0004307549
(2)配列番号82についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:57個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“オリゴ1”
(xi)配列:配列番号82:
Figure 0004307549
(2)配列番号83についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:93個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“オリゴ2”
(xi)配列:配列番号83:
Figure 0004307549
(2)配列番号84についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:30個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー7887”
(xi)配列:配列番号84:
Figure 0004307549
(2)配列番号85についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:47個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー 19473”
(xi)配列:配列番号85:
Figure 0004307549
(2)配列番号86についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:59個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー 21992”
(xi)配列:配列番号86:
Figure 0004307549
(2)配列番号87についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:21個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー 21994”
(xi)配列:配列番号87:
Figure 0004307549
(2)配列番号88についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:56個の塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:他の核酸
(A)説明:/desc=“プライマー9349”
(xi)配列:配列番号88:
Figure 0004307549
(2)配列番号89についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:7個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号89:
Figure 0004307549
(2)配列番号90についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:12個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号90:
Figure 0004307549
(2)配列番号91についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:11個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号91:
Figure 0004307549
(2)配列番号92についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:12個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:ペプチド付加物
(xi)配列:配列番号92:
Figure 0004307549
(2)配列番号93についての情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:288個のアミノ酸
(B)型:アミノ酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:タンパク質
(vi)起源:
(B)株名:プソイドモナス sp.
(xi)配列:配列番号93:
Figure 0004307549

Claims (8)

  1. フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)又はシュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)からの発現され且つ分泌される親リパーゼと、当該親リパーゼのC−末端又はN−末端に付加されたペプチドとを含んでなるリパーゼであって、当該付加されたペプチドが、下記のペプチド:
    Figure 0004307549
    のいずれかであることを特徴とするリパーゼ、但し、リパーゼがフミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)又はフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)に由来する場合、前記付加されたペプチドは、(a)Ser-Pro-Ile-Arg-Arg(SPIRR)ではない
  2. 前記付加されたペプチドがシステイン残基を有する場合、このシステイン残基と前記親リパーゼ中のシステイン残基とが一緒になってシスチン架橋を形成する、請求項1に記載のリパーゼ。
  3. 前記親リパーゼが、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)に由来し配列番号:16に示すアミノ酸配列を有し、又は配列番号:16において23位に対応するE1を除去することにより前記アミノ酸配列から誘導される、請求項1又は2に記載のリパーゼ。
  4. N−末端又はC−末端の配列が前記付加されたペプチド(b)〜(o)のいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載のリパーゼをコードするDNA。
  5. 請求項4に記載のDNAを含んで成り、更にリパーゼの発現を許容するDNAを含んで成る発現ベクター。
  6. 請求項4に記載のDNA又は請求項5に記載のベクターを含んで成る宿主細胞。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリパーゼの製造方法において、
    (a)前記リパーゼの生産を誘導する条件下で請求項6に記載の宿主細胞を培養し、そして
    (b)リパーゼを回収しそして所望により、得られたリパーゼを回収する、
    ことを含んで成る方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリパーゼを含む洗剤組成物。
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