JP2516886B2 - 像加熱装置 - Google Patents
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- JP2516886B2 JP2516886B2 JP62147884A JP14788487A JP2516886B2 JP 2516886 B2 JP2516886 B2 JP 2516886B2 JP 62147884 A JP62147884 A JP 62147884A JP 14788487 A JP14788487 A JP 14788487A JP 2516886 B2 JP2516886 B2 JP 2516886B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、加熱溶融性のトナーを用いて転写材上に画
像を形成し、これを加熱定着処理する像加熱装置に関す
る。
像を形成し、これを加熱定着処理する像加熱装置に関す
る。
(従来の技術及び問題点) 従来、この種の装置に用いられている定着装置は、所
定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該
加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着の
トナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱す
るローラ定着方式が多用されている。しかしながら、こ
の種の装置では、加熱ローラにトナーが転移するいわゆ
るオフセット現象を防止するために、加熱ローラを最適
な温度に維持する必要があり、加熱ローラあるいは加熱
体の熱容量を大きくしなければならなかった。すなわ
ち、加熱ローラの熱容量が小さい場合には、発熱体によ
る供給熱量との関係により通紙あるいは他の外的要因で
加熱ローラ温度が低温側あるいは高温側に大きく変動し
易くなる。低温側に変動した場合には、トナーの軟化溶
融不足によって、定着不良や低温オフセットを生じ、高
温側に変動した場合には、トナーが完全に溶融してしま
いトナーの凝集力が低下するために、高温オフセットを
生ずる。
定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該
加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着の
トナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱す
るローラ定着方式が多用されている。しかしながら、こ
の種の装置では、加熱ローラにトナーが転移するいわゆ
るオフセット現象を防止するために、加熱ローラを最適
な温度に維持する必要があり、加熱ローラあるいは加熱
体の熱容量を大きくしなければならなかった。すなわ
ち、加熱ローラの熱容量が小さい場合には、発熱体によ
る供給熱量との関係により通紙あるいは他の外的要因で
加熱ローラ温度が低温側あるいは高温側に大きく変動し
易くなる。低温側に変動した場合には、トナーの軟化溶
融不足によって、定着不良や低温オフセットを生じ、高
温側に変動した場合には、トナーが完全に溶融してしま
いトナーの凝集力が低下するために、高温オフセットを
生ずる。
かかる問題を回避するために、加熱ローラの熱容量を
大きくすると、加熱ローラを所定の温度まで昇温するた
めの時間が長くなり、装置の使用の際に待機時間が大き
くなるという別の問題が生ずる。
大きくすると、加熱ローラを所定の温度まで昇温するた
めの時間が長くなり、装置の使用の際に待機時間が大き
くなるという別の問題が生ずる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生ずることなく加熱体の熱
容量を小さくすることを可能とし、その結果、待機時間
や消費電力、さらには機内昇温の小さい像加熱装置を提
供することを目的とする。
し、定着不良やオフセットを生ずることなく加熱体の熱
容量を小さくすることを可能とし、その結果、待機時間
や消費電力、さらには機内昇温の小さい像加熱装置を提
供することを目的とする。
本発明によれば、上記目的は、 線状発熱面を有する発熱体と、該発熱体と摺動するシ
ートと、線状発熱面へパルス通電する通電手段とを有
し、上記発熱体によりシートを介して画像を加熱し、そ
の後冷却工程を経て画像を担持する記録材をシートから
分離する、 ことにより達成される。
ートと、線状発熱面へパルス通電する通電手段とを有
し、上記発熱体によりシートを介して画像を加熱し、そ
の後冷却工程を経て画像を担持する記録材をシートから
分離する、 ことにより達成される。
(実施例) 先ず、本実施例装置の像加熱装置を採用した画像形成
装置の概略構造を第1図に基づいて説明すると、1はガ
ラス等の透明部材よりなる原稿載置台で、矢印a方向に
往復動して原稿を走査する。原稿載置台の直下には短焦
点小径結像素子アレイ2が配されていて、原稿載置台1
上に置かれた原稿像Gは照明ランプ7によって照射さ
れ、その反射光像は上記アレイ2によって感光ドラム3
上にスリット露光される。なおこの感光ドラム3は矢印
b方向に回転する。また4は帯電器であり、例えば酸化
亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層3a等を被覆された
感光ドラム3上に一様に帯電を行なう。この帯電器4に
より一様に帯電されたドラム3は、素子アレイ2によっ
て画像露光が行なわれた静電画像が形成される。この静
電潜像は、現像器5により加熱で軟化溶融する樹脂等よ
り成るトナーを用いて顕像化される。一方、カセットS
内に収納されているシートPは、給送ローラ6と感光ド
ラム3上の画像と同期するようタイミングをとって上下
方向で圧接して回転される対の搬送ローラ9によって、
ドラム3上に送り込まれる。そして、転写放電器8によ
って、感光ドラム3上に形成されているトナー像は、シ
ートP上に転写される。その後、公知の分離手段によっ
てドラム3から分離されたシートPは、搬送ガイド10に
よって像加熱装置としての定着装置20に導かれ加熱定着
処理された後にトレイ11上に排出される。なお、トナー
像を転写後、ドラム3上の残留トナーはクリーナ12によ
って除去される。
装置の概略構造を第1図に基づいて説明すると、1はガ
ラス等の透明部材よりなる原稿載置台で、矢印a方向に
往復動して原稿を走査する。原稿載置台の直下には短焦
点小径結像素子アレイ2が配されていて、原稿載置台1
上に置かれた原稿像Gは照明ランプ7によって照射さ
れ、その反射光像は上記アレイ2によって感光ドラム3
上にスリット露光される。なおこの感光ドラム3は矢印
b方向に回転する。また4は帯電器であり、例えば酸化
亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層3a等を被覆された
感光ドラム3上に一様に帯電を行なう。この帯電器4に
より一様に帯電されたドラム3は、素子アレイ2によっ
て画像露光が行なわれた静電画像が形成される。この静
電潜像は、現像器5により加熱で軟化溶融する樹脂等よ
り成るトナーを用いて顕像化される。一方、カセットS
内に収納されているシートPは、給送ローラ6と感光ド
ラム3上の画像と同期するようタイミングをとって上下
方向で圧接して回転される対の搬送ローラ9によって、
ドラム3上に送り込まれる。そして、転写放電器8によ
って、感光ドラム3上に形成されているトナー像は、シ
ートP上に転写される。その後、公知の分離手段によっ
てドラム3から分離されたシートPは、搬送ガイド10に
よって像加熱装置としての定着装置20に導かれ加熱定着
処理された後にトレイ11上に排出される。なお、トナー
像を転写後、ドラム3上の残留トナーはクリーナ12によ
って除去される。
第2図は本実施例の上記定着装置20の拡大図である。
同図において、21は発熱体で、アルミナ等の耐熱性でか
つ電気絶縁性の基材またはそれを含む複合部材より成る
基材の下面に、幅160μm、長さ(紙面に直角な方向の
長さ)216mmで例えばTa2N等より成る線状もしくは帯状
の発熱面28を有し、さらにその表面に摺動保護層として
例えば、Ta2O5が形成されている。発熱体21の下面は平
滑でありかつ前後端部は丸味を帯びていて耐熱シート23
との摺動を可能にしている。該耐熱シート23は、ポリエ
ステルを基材とし、耐熱処理を施した例えば約9μm厚
に形成され、矢印C方向へ送り出し可能にシート送り出
し軸24に巻回されている。上記耐熱シート23は発熱体21
の表面に当接し、曲率の大きな分離ローラ26を介してシ
ート巻取り軸27に巻き取られる。
同図において、21は発熱体で、アルミナ等の耐熱性でか
つ電気絶縁性の基材またはそれを含む複合部材より成る
基材の下面に、幅160μm、長さ(紙面に直角な方向の
長さ)216mmで例えばTa2N等より成る線状もしくは帯状
の発熱面28を有し、さらにその表面に摺動保護層として
例えば、Ta2O5が形成されている。発熱体21の下面は平
滑でありかつ前後端部は丸味を帯びていて耐熱シート23
との摺動を可能にしている。該耐熱シート23は、ポリエ
ステルを基材とし、耐熱処理を施した例えば約9μm厚
に形成され、矢印C方向へ送り出し可能にシート送り出
し軸24に巻回されている。上記耐熱シート23は発熱体21
の表面に当接し、曲率の大きな分離ローラ26を介してシ
ート巻取り軸27に巻き取られる。
上記発熱体の発熱面28は熱容量が小さく、図示せぬ通
電手段によりパルス状に通電されて、その都度瞬時に、
260℃前後まで昇温する。転写紙Pの先端、後端を転写
紙検知レバー25及び転写紙検知センサー29で検出するこ
とにより、発熱面28はタイミングを取って必要時に通電
を受ける。その際、画像形成装置の給紙センサーなどに
よる転写紙の位置検知等を用いて、発熱体への通電を制
御しても良い。
電手段によりパルス状に通電されて、その都度瞬時に、
260℃前後まで昇温する。転写紙Pの先端、後端を転写
紙検知レバー25及び転写紙検知センサー29で検出するこ
とにより、発熱面28はタイミングを取って必要時に通電
を受ける。その際、画像形成装置の給紙センサーなどに
よる転写紙の位置検知等を用いて、発熱体への通電を制
御しても良い。
一方、加圧ローラ22は、金属等より成る芯材上にシリ
コンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動源
(図示せず)により駆動されて、搬送ガイド10によって
導かれた未定着トナー画像Tを有する転写材Pを、該転
写材Pと同一の速度で移動する耐熱シート23を介して発
熱体に密着させている。ここで、加圧ローラ22の搬送速
度は、画像形成時の搬送速度とほぼ同一であることが好
ましく、耐熱シート23の移動速度は、それに準ずる値で
設定される。
コンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動源
(図示せず)により駆動されて、搬送ガイド10によって
導かれた未定着トナー画像Tを有する転写材Pを、該転
写材Pと同一の速度で移動する耐熱シート23を介して発
熱体に密着させている。ここで、加圧ローラ22の搬送速
度は、画像形成時の搬送速度とほぼ同一であることが好
ましく、耐熱シート23の移動速度は、それに準ずる値で
設定される。
かかる構成の本実施例装置にあっては、転写紙P上の
加熱溶融性のトナーより成るトナー画像は先ず、耐熱シ
ート23を介して、発熱体21によって加熱され、少なくと
もその表層部は完全に軟化溶融する。しかる後、発熱体
21から離れ、分離ローラ26に達する間に、トナー像は自
然放熱して再び冷却固化し、曲率の大きな分離ローラ対
26を通過した後に耐熱シート23は転写紙Pから離れる。
上述のように、トナーTは一旦完全に軟化溶融した後、
再び固化するので、トナーの凝集力は非常に大きくなっ
ていて、一団となって挙動することになる。また、加熱
されて軟化溶融された際に加圧ローラ22によって加圧さ
れるため、トナー像Tは転写材表層に浸透してそのまま
冷却固化しているので、耐熱シート23にオフセットする
ことなく転写材P上に定着される。
加熱溶融性のトナーより成るトナー画像は先ず、耐熱シ
ート23を介して、発熱体21によって加熱され、少なくと
もその表層部は完全に軟化溶融する。しかる後、発熱体
21から離れ、分離ローラ26に達する間に、トナー像は自
然放熱して再び冷却固化し、曲率の大きな分離ローラ対
26を通過した後に耐熱シート23は転写紙Pから離れる。
上述のように、トナーTは一旦完全に軟化溶融した後、
再び固化するので、トナーの凝集力は非常に大きくなっ
ていて、一団となって挙動することになる。また、加熱
されて軟化溶融された際に加圧ローラ22によって加圧さ
れるため、トナー像Tは転写材表層に浸透してそのまま
冷却固化しているので、耐熱シート23にオフセットする
ことなく転写材P上に定着される。
本発明の発熱体(加熱体)は本実施例でも明らかなよ
うに小型もので十分でありそのため熱容量が小さくな
り、予め加熱体を昇温させる必要がないので、非画像形
成時の消費電力も小さくすることができ、また機内昇温
も防止できることとなる。
うに小型もので十分でありそのため熱容量が小さくな
り、予め加熱体を昇温させる必要がないので、非画像形
成時の消費電力も小さくすることができ、また機内昇温
も防止できることとなる。
また、かかる本実施例では、耐熱シート23として薄く
て安価なポリエステルシートを基に耐熱処理を施したも
のを用いることが可能なので、第2図のごとく耐熱シー
ト23は巻取り方式で使用後に交換する形態を採ることが
できる。すなわち、所定長さのシートを巻いたロールを
シート送り出し軸24にセットし、発熱体と加圧ローラ及
び分離ローラ対の間を通して巻取り軸27にシートの先端
を固着する。かかる方式を採った場合は、耐熱シートセ
ンサーアーム30とセンサー(図示せず)で耐熱シートの
残量を検出してシートが終端近くなった場合に使用者に
警告表示ないしは警告音で耐熱シートの交換を促すよう
にするのがよい。そして、耐熱シート23の交換の際に
は、発熱体と加圧ローラ、分離ローラ対とをそれぞれ離
間させるように、回転軸31を中心に第3図のごとく開閉
可能にすることが望まれる。本実施例では、耐熱シート
23を上記のごとく巻取り交換方式で、耐熱シートの耐久
性に関係なく、薄膜化することが可能となり、低電力化
することができる。また、本実施例では前述の如く耐熱
シートへのオフセットが生じないので、耐熱シートの熱
変形や劣化が小さければ、巻取った耐熱シートを再び使
用することが可能であり、自動的に巻戻す。あるいは、
巻取側と送出側とを交換するなどして複数回使用しても
良い。
て安価なポリエステルシートを基に耐熱処理を施したも
のを用いることが可能なので、第2図のごとく耐熱シー
ト23は巻取り方式で使用後に交換する形態を採ることが
できる。すなわち、所定長さのシートを巻いたロールを
シート送り出し軸24にセットし、発熱体と加圧ローラ及
び分離ローラ対の間を通して巻取り軸27にシートの先端
を固着する。かかる方式を採った場合は、耐熱シートセ
ンサーアーム30とセンサー(図示せず)で耐熱シートの
残量を検出してシートが終端近くなった場合に使用者に
警告表示ないしは警告音で耐熱シートの交換を促すよう
にするのがよい。そして、耐熱シート23の交換の際に
は、発熱体と加圧ローラ、分離ローラ対とをそれぞれ離
間させるように、回転軸31を中心に第3図のごとく開閉
可能にすることが望まれる。本実施例では、耐熱シート
23を上記のごとく巻取り交換方式で、耐熱シートの耐久
性に関係なく、薄膜化することが可能となり、低電力化
することができる。また、本実施例では前述の如く耐熱
シートへのオフセットが生じないので、耐熱シートの熱
変形や劣化が小さければ、巻取った耐熱シートを再び使
用することが可能であり、自動的に巻戻す。あるいは、
巻取側と送出側とを交換するなどして複数回使用しても
良い。
また、本実施例では分離ローラ26を設けることによ
り、該分離ローラまでの間加圧状態でのトナー像Tの冷
却時間を十分確保し、しかも上記分離ローラ26の曲率を
大きくすることによって耐熱シート23と転写材Pとの分
離を容易にするとともに、前述の効果に相乗して分離部
におけるオフセットを防止することができる。ただし、
発熱層28及び耐熱シートの熱容量が十分小さく、かつ定
着処理速度が小さい場合には、分離ローラ26のごとき特
別な手段を設けずとも、転写材Pが発熱層を通過後の短
い範囲でトナー像Tは冷却するので、本実施例で示した
分離ローラ26を省略しても、オフセットのない定着処理
が可能となる。すなわち、トナー像を一旦加熱し軟化溶
融させた後再び放熱固化した後に耐熱シートと転写材と
を分離できればよい。
り、該分離ローラまでの間加圧状態でのトナー像Tの冷
却時間を十分確保し、しかも上記分離ローラ26の曲率を
大きくすることによって耐熱シート23と転写材Pとの分
離を容易にするとともに、前述の効果に相乗して分離部
におけるオフセットを防止することができる。ただし、
発熱層28及び耐熱シートの熱容量が十分小さく、かつ定
着処理速度が小さい場合には、分離ローラ26のごとき特
別な手段を設けずとも、転写材Pが発熱層を通過後の短
い範囲でトナー像Tは冷却するので、本実施例で示した
分離ローラ26を省略しても、オフセットのない定着処理
が可能となる。すなわち、トナー像を一旦加熱し軟化溶
融させた後再び放熱固化した後に耐熱シートと転写材と
を分離できればよい。
次に、本実施例装置による実施結果を具体的数値をも
って示す。キヤノン株式会社製PPC PC-30(商品名)用
のワックス系トナーを用いて、トナー画像Tを形成し、
定着処理速度約15mm/sでA4サイズ紙1枚当たり約2000W
・Sの発熱量となるように、10ms毎に2msの割合でパル
ス状加熱して定着テストを行なったところ、実用上全く
問題のない画像が得られた。この通電によって発熱層は
約260℃前後まで昇温し、熱容量が小さいので8msの通電
休止により降温する。このことから加熱体を加温するた
めの待時間は不要となる。また、本実施例では、パルス
状加熱することにより、定着に必要な熱エネルギをその
都度与えているので、熱容量が小さく立ち上りが非常に
早い発熱層を周期的にほぼ同等の温度を示すようにする
ことが比較的容易にできる。さらに、連続的に定着処理
を行う場合には、発熱のパルス巾を順次小さくしてゆく
などして、発熱層の異常な高温側へのシフトを防止する
こともたやすい。上記の場合、トナー層Tの温度は、従
来高温オフセットを生ずると言われている温度を瞬間的
であっても超えているが、前述のごとく、再度十分に冷
却固定化した後に耐熱シート23と転写材Pとが離れるの
でオフセットとはならない。加熱された際に本実施例で
使用されたトナーの主成分であるワックスは約80℃の融
点であり、また、溶融時の粘度も低いために260℃前後
の発熱体により加熱されると、従来の加熱定着装置で
は、転写材に溶融したトナーが浸透しすぎて画像の滲
み、または裏写りといった不都合を生ずることとなって
しまいトナーの低融点化を妨げとなっていたが、本実施
例では、発熱層28の熱容量が小さくかつ、加熱時間が短
いので、転写紙の表層のみを短時間しか加熱しないの
で、トナーの過浸透によって生ずる上記の弊害はない。
って示す。キヤノン株式会社製PPC PC-30(商品名)用
のワックス系トナーを用いて、トナー画像Tを形成し、
定着処理速度約15mm/sでA4サイズ紙1枚当たり約2000W
・Sの発熱量となるように、10ms毎に2msの割合でパル
ス状加熱して定着テストを行なったところ、実用上全く
問題のない画像が得られた。この通電によって発熱層は
約260℃前後まで昇温し、熱容量が小さいので8msの通電
休止により降温する。このことから加熱体を加温するた
めの待時間は不要となる。また、本実施例では、パルス
状加熱することにより、定着に必要な熱エネルギをその
都度与えているので、熱容量が小さく立ち上りが非常に
早い発熱層を周期的にほぼ同等の温度を示すようにする
ことが比較的容易にできる。さらに、連続的に定着処理
を行う場合には、発熱のパルス巾を順次小さくしてゆく
などして、発熱層の異常な高温側へのシフトを防止する
こともたやすい。上記の場合、トナー層Tの温度は、従
来高温オフセットを生ずると言われている温度を瞬間的
であっても超えているが、前述のごとく、再度十分に冷
却固定化した後に耐熱シート23と転写材Pとが離れるの
でオフセットとはならない。加熱された際に本実施例で
使用されたトナーの主成分であるワックスは約80℃の融
点であり、また、溶融時の粘度も低いために260℃前後
の発熱体により加熱されると、従来の加熱定着装置で
は、転写材に溶融したトナーが浸透しすぎて画像の滲
み、または裏写りといった不都合を生ずることとなって
しまいトナーの低融点化を妨げとなっていたが、本実施
例では、発熱層28の熱容量が小さくかつ、加熱時間が短
いので、転写紙の表層のみを短時間しか加熱しないの
で、トナーの過浸透によって生ずる上記の弊害はない。
第4図は、本発明の他の実施例の像加熱装置としての
加熱定着装置の断面図である。なお、前実施例と共通部
分には同一符号を付し、その説明は省略する。
加熱定着装置の断面図である。なお、前実施例と共通部
分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施例では、耐熱シート23の代わりに耐熱性のエン
ドレスベルトを採用しており、耐熱性ベルト40は何度も
加熱され、かつトナー層Tとの接触も繰り返される。こ
のため、離型性に優れ耐熱性の高いPFA樹脂で30μm厚
のベルトを形成してある。上記耐熱ベルト40は、ベルト
駆動軸41によって転写材の搬送速度と同一の周速度とな
るように駆動され、耐熱ベルト40に張力を与えるように
付勢されたアイドラー42とによって緊張されつつ回転駆
動される。
ドレスベルトを採用しており、耐熱性ベルト40は何度も
加熱され、かつトナー層Tとの接触も繰り返される。こ
のため、離型性に優れ耐熱性の高いPFA樹脂で30μm厚
のベルトを形成してある。上記耐熱ベルト40は、ベルト
駆動軸41によって転写材の搬送速度と同一の周速度とな
るように駆動され、耐熱ベルト40に張力を与えるように
付勢されたアイドラー42とによって緊張されつつ回転駆
動される。
発熱体21はその基材の温度を検出するための温度検知
素子43が設けられてあり、さらには、安全装置44として
温度ヒューズあるいはサーモスタットが配設されてお
り、過昇温が防止されている。また、本実施例における
発熱体21への通電のタイミングは、画像形成手段におい
て発生する信号を基にして制御されている。本実施例の
定着処理速度(画像形成時も同一)を50mm/sとして、前
実施例に較べて高速化しているので、発熱層28の幅(加
熱幅)を300μmと大きくし、かつ発熱層への通電の時
間を変えて5ms毎に1.25msの割合で、A4サイズ紙1枚当
たり約2400W・Sの発熱を行なった。ここで発熱層の最
大温度は約300℃を超える程度であり、また発熱層28の
電力密度が前実施例よりも大きくなっていること、さら
には上述の熱量が短時間に与えられること等から、発熱
体21自身の昇温(蓄熱)が前実施例の場合に比して大き
くなるので、本実施例では発熱体21の支持材に設けた前
述の温度検出素子43の検出値に応じて、通電パルスの幅
を調整している。すなわち、発熱体21の基材温度が高い
場合には、通電パルスの幅を小さくして、発熱体自身の
異常昇温を防止している。さらには、前述の安全装置44
が所定の温度以上になった場合には、発熱層28への通電
を遮断している。
素子43が設けられてあり、さらには、安全装置44として
温度ヒューズあるいはサーモスタットが配設されてお
り、過昇温が防止されている。また、本実施例における
発熱体21への通電のタイミングは、画像形成手段におい
て発生する信号を基にして制御されている。本実施例の
定着処理速度(画像形成時も同一)を50mm/sとして、前
実施例に較べて高速化しているので、発熱層28の幅(加
熱幅)を300μmと大きくし、かつ発熱層への通電の時
間を変えて5ms毎に1.25msの割合で、A4サイズ紙1枚当
たり約2400W・Sの発熱を行なった。ここで発熱層の最
大温度は約300℃を超える程度であり、また発熱層28の
電力密度が前実施例よりも大きくなっていること、さら
には上述の熱量が短時間に与えられること等から、発熱
体21自身の昇温(蓄熱)が前実施例の場合に比して大き
くなるので、本実施例では発熱体21の支持材に設けた前
述の温度検出素子43の検出値に応じて、通電パルスの幅
を調整している。すなわち、発熱体21の基材温度が高い
場合には、通電パルスの幅を小さくして、発熱体自身の
異常昇温を防止している。さらには、前述の安全装置44
が所定の温度以上になった場合には、発熱層28への通電
を遮断している。
ここで、転写材及びトナー像Tの降温も前実施例に比
して不利になっている。すなわち、定着処理速度を大き
くしたことによって、発熱層の温度を高くし、かつ1枚
当たりの発熱量も大きくなり、さらには加熱後分離する
までの時間も小さくなる等の不利を解消するために、ベ
ルトの離間までの間に冷却固化させる冷却手段が必要と
なる。例えば、耐熱ベルト40に当接させたアルミニウム
製の放熱板45であり、発熱体21と分離ローラ26との間に
設けられている。冷却手段はこの他に送風機等を用いて
も良い。また、分離部には分離爪46を配し、転写材の巻
き付きを防止し、また耐熱ベルト40上に付着した紙粉等
の異物を除去するためにフェルトからなるクリーニグパ
ッド47を当接させている。また、フェルトパッドに若干
の離型剤、例えばシリコーンオイルを含浸させて、耐熱
ベルト40の離型性を向上させても良い。さらに、本実施
例では絶縁性のPFA樹脂を用いているので、トナー画像
を撹乱する静電気が耐熱シートに発生し易いので、これ
に対処するために接地した除電ブラシ48で除電してい
る。ここで接地せずにブラシにバイアス電圧を印加して
トナー画像を撹乱しない範囲で、耐熱ベルトを帯電させ
ても良い。さらにPFA樹脂に導電性の粉体繊維、例えば
カーボンブラック等を添加して、上述の静電気による画
像乱れを防止するのも一策である。また、加圧ローラの
除帯電及び導電化に関しても同様の手段により行なうこ
とができる。また、帯電防止剤等の塗布や、添加を行な
っても良い。
して不利になっている。すなわち、定着処理速度を大き
くしたことによって、発熱層の温度を高くし、かつ1枚
当たりの発熱量も大きくなり、さらには加熱後分離する
までの時間も小さくなる等の不利を解消するために、ベ
ルトの離間までの間に冷却固化させる冷却手段が必要と
なる。例えば、耐熱ベルト40に当接させたアルミニウム
製の放熱板45であり、発熱体21と分離ローラ26との間に
設けられている。冷却手段はこの他に送風機等を用いて
も良い。また、分離部には分離爪46を配し、転写材の巻
き付きを防止し、また耐熱ベルト40上に付着した紙粉等
の異物を除去するためにフェルトからなるクリーニグパ
ッド47を当接させている。また、フェルトパッドに若干
の離型剤、例えばシリコーンオイルを含浸させて、耐熱
ベルト40の離型性を向上させても良い。さらに、本実施
例では絶縁性のPFA樹脂を用いているので、トナー画像
を撹乱する静電気が耐熱シートに発生し易いので、これ
に対処するために接地した除電ブラシ48で除電してい
る。ここで接地せずにブラシにバイアス電圧を印加して
トナー画像を撹乱しない範囲で、耐熱ベルトを帯電させ
ても良い。さらにPFA樹脂に導電性の粉体繊維、例えば
カーボンブラック等を添加して、上述の静電気による画
像乱れを防止するのも一策である。また、加圧ローラの
除帯電及び導電化に関しても同様の手段により行なうこ
とができる。また、帯電防止剤等の塗布や、添加を行な
っても良い。
ここで、加圧ローラ22と発熱層28との圧接部は発熱体
21と加圧ローラ22との圧接巾の内でも搬送方向の入口側
に寄っており、加熱直後の耐熱ベルト40と転写材Pとの
離間を防止している。
21と加圧ローラ22との圧接巾の内でも搬送方向の入口側
に寄っており、加熱直後の耐熱ベルト40と転写材Pとの
離間を防止している。
本実施例では、高速化により最大消費電力が約1600W
と大きくなるので、発熱層を長手方向で四分割して順次
通電することによって、最大消費電力を400Wと低減化し
てもよい。
と大きくなるので、発熱層を長手方向で四分割して順次
通電することによって、最大消費電力を400Wと低減化し
てもよい。
以上示した本実施例では、冷却手段や分離手段を付加
することによって、オフセットのない安定した画像を比
較的高速で得ることが可能となり、さらに耐熱性エンド
レスベルトを用いることによって、経済性の向上を図る
ことが可能となった。
することによって、オフセットのない安定した画像を比
較的高速で得ることが可能となり、さらに耐熱性エンド
レスベルトを用いることによって、経済性の向上を図る
ことが可能となった。
また、本発明の以上の実施例として、電子写真方式を
用いた複写装置について二例説明したが、本発明はこれ
に限定されるこのなく、レーザービームプリンタ等の加
熱により軟化溶融するトナーを用いた画像形成装置に適
用可能であり、特に待時間を必要とせずに加熱定着処理
することが可能であるので、ファクシミリの出力装置と
しても好適に用いられる。
用いた複写装置について二例説明したが、本発明はこれ
に限定されるこのなく、レーザービームプリンタ等の加
熱により軟化溶融するトナーを用いた画像形成装置に適
用可能であり、特に待時間を必要とせずに加熱定着処理
することが可能であるので、ファクシミリの出力装置と
しても好適に用いられる。
(発明の効果) 本発明は以上のごとく、走行する耐熱シートに未定着
トナー像が面するように転写材を同一速度で上記耐熱シ
ートに密着走行せしめ、該耐熱シートを介して必要時に
パルス状に発熱する発熱体によって上記転写材を加熱定
着することとしたので、定着不良やオフセットを発生す
ることなく、加熱体の熱容量を小さくすることが可能と
なり、その結果、装置使用時の待機時間や、消費電力、
さらには機内昇温の小さな画像形成装置を得るという効
果を奏する。
トナー像が面するように転写材を同一速度で上記耐熱シ
ートに密着走行せしめ、該耐熱シートを介して必要時に
パルス状に発熱する発熱体によって上記転写材を加熱定
着することとしたので、定着不良やオフセットを発生す
ることなく、加熱体の熱容量を小さくすることが可能と
なり、その結果、装置使用時の待機時間や、消費電力、
さらには機内昇温の小さな画像形成装置を得るという効
果を奏する。
第1図は本発明の一実施例装置を採用した画像形成装置
の概要構成を示す断面図、第2図は第1図の定着装置の
拡大断面図、第3図は第2図装置の耐熱シート交換時に
おける断面図、第4図は本発明の他の実施例装置として
の定着装置の断面図である。 3……画像形成手段(感光ドラム) 20……加熱定着手段 21……発熱体 23,40……耐熱シート D……転写材 T……トナー像
の概要構成を示す断面図、第2図は第1図の定着装置の
拡大断面図、第3図は第2図装置の耐熱シート交換時に
おける断面図、第4図は本発明の他の実施例装置として
の定着装置の断面図である。 3……画像形成手段(感光ドラム) 20……加熱定着手段 21……発熱体 23,40……耐熱シート D……転写材 T……トナー像
Claims (1)
- 【請求項1】線状発熱面を有する発熱体と、該発熱体と
摺動するシートと、線状発熱面へパルス通電する通電手
段とを有し、上記発熱体によりシートを介して画像を加
熱し、その後冷却工程を経て画像を担持する記録材をシ
ートから分離することを特徴とする像加熱装置。
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US07/989,538 US5300997A (en) | 1987-06-16 | 1992-12-11 | Image fixing apparatus |
US08/135,130 US5343280A (en) | 1987-06-16 | 1993-10-12 | Image fixing apparatus |
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