JP5610894B2 - 像加熱装置、及びこの像加熱装置に用いられる加圧ローラ - Google Patents

像加熱装置、及びこの像加熱装置に用いられる加圧ローラ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置、及びこの像加熱装置に用いられる加圧ローラに関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する定着器として、セラミックス製の基板上に通電発熱体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものが知られている。特許文献1にはこのタイプの定着器が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材上に加熱定着される。この定着器は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットがある。従って、この定着器を搭載するプリンターは、プリント指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:first printout time)を短くできる。またこのタイプの定着器は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
定着フィルムを用いた定着器では、記録材搬送方向で所定幅のニップ部を形成するために、加圧ローラとして弾性層を有するものが用いられる。加圧ローラに用いられる弾性層は、内部に空隙部を有しているスポンジタイプと、内部に空隙部を有していない中実のソリッドタイプと、に大別することができる。特許文献2には、加圧ローラに用いられる弾性層として内部に空隙部を有しているスポンジタイプのものが開示されている。
特開昭63−313182号公報 特開2002−148988号公報
定着フィルムを用いた定着器では、通常、加圧ローラを駆動モーターで回転し、この加圧ローラの回転に追従して定着フィルムをヒータに対して回転させている。この定着器を搭載するプリンターにおいて、小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温することが知られている。
上記の非通紙部昇温はヒータ上のみならず、加圧ローラ上でも生じる。特に、加圧ローラに用いられている弾性層には耐熱性の高いシリコーンゴムが主に使用されるが、それでも、たとえば230〜240℃の温度で長時間使用されると弾性層の劣化が進む。この加圧ローラ上の非通紙部昇温は断熱性の高いスポンジタイプの弾性層ではより起こりやすく、温度が高くなりやすい。これはその断熱性により、加圧ローラの非通紙領域の熱が他の部分に拡散する時間が長くかかるためである。一方、内部に空隙を有さないソリッドタイプの弾性層では、スポンジタイプの弾性層よりも熱伝導率が高いため、非通紙部昇温には有利であった。しかし、ソリッドタイプの弾性層は熱による膨張が大きいという問題点がある。
加圧ローラは記録材がニップ部に入ってこない間に、ヒータからの熱を受け、加熱される。このヒータからの熱により加圧ローラの弾性層が熱膨張を起こす。スポンジタイプの弾性層は内部に空隙部を有するため、ソリッドタイプの弾性層と同じ体積で比較すると、弾性層の量が少ない。また、スポンジタイプの弾性層内部の空隙部がそれぞれ弾性層の壁で仕切られておらず、つながっている場合(連泡化されている状態)には弾性層内部から放熱が起こる。これらによって、スポンジタイプの弾性層は熱膨張がソリッドタイプの弾性層よりも小さい。
弾性層が熱膨張することによって加圧ローラの周長が大きくなってしまうが、特に加圧ローラが回転駆動力を受けて回転する場合、ニップ部での記録材搬送速度が所定の記録材基準搬送速度よりも遅くなってしまう。ニップ部において、加圧ローラの弾性層の熱膨張によって記録材搬送速度が記録材基準搬送速度よりも遅くなるということは、加圧ローラの暖まり具合で記録材搬送速度に変動が生じるということである。すなわち、加圧ローラが冷えている場合には記録材搬送速度は記録材基準搬送速度よりも速くなり、加圧ローラが暖まると記録材搬送速度は記録材基準搬送速度よりも遅くなる。
加圧ローラの周長の変化に応じて記録材搬送速度が変動すると、記録材に加熱定着される画像にも影響が現れる。たとえば、ニップ部での記録材搬送速度が記録材基準搬送速度よりも速くなり、ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に位置する各搬送部材(転写ローラやそれよりも上流の搬送ローラなど)に対して記録材を引っ張るようになってしまうことがある。この場合、各搬送部材を記録材が抜けたときの衝撃が大きくなり、画像上に横線となって現れる問題が生じてくる。この画像上に現れる横線をブレと呼んでいる。
このブレの発生を想定し、加圧ローラの弾性層が熱膨張した時の記録材搬送速度の変動を小さくするために、たとえば加圧ローラの外径を小さく設定する。すると、今度は逆に、加圧ローラが冷えている状態での記録材搬送速度が、ニップ部よりも記録材搬送方向上流側に位置する各搬送部材の記録材搬送速度に対して遅くなってしまう。この状態では、逆にニップ部から記録材が押し戻されるような状態になることがあり、ハーフトーンなどの画像濃度が濃くなってしまう問題が生じることがある。このハーフトーンなどの画像濃度が濃くなっていることを後端濃度濃いと呼んでいる。このようにニップ部での記録材搬送速度の変動により、上述したような問題が生じてしまう。
本発明の目的は、非通紙部昇温の抑制と、加圧ローラの外径変動の抑制と、高い回転安定性を有する加圧ローラを備える像加熱装置、及びこの像加熱装置に用いられる加圧ローラを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の構成は、加熱部材と、前記加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を搬送しつつ前記トナー画像を加熱する像加熱装置において、記加圧ローラは液状シリコーンゴム100重量部に対して樹脂マイクロバルーンを1〜10重量部及び熱伝導フィラーを1〜60重量部添加した液状シリコーンゴムを熱硬化して形成した熱硬化シリコーンゴム層であって、前記樹脂マイクロバルーンによって形成した空隙部と、前記空隙部を連結する孔道部と、を有する熱硬化シリコーンゴム層を有し、前記熱硬化シリコーンゴム層は、熱伝導率が0.15〜0.5W/mKであり、ゴム硬度がアスカーCで15〜50度であることを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る加圧ローラの構成は、像加熱装置に用いられる加圧ローラにおいて、前記加圧ローラは、液状シリコーンゴム100重量部に対して樹脂マイクロバルーンを1〜10重量部及び熱伝導フィラーを1〜60重量部添加した液状シリコーンゴムを熱硬化して形成した熱硬化シリコーンゴム層であって、前記樹脂マイクロバルーンによって形成した空隙部と、前記空隙部を連結する孔道部と、を有する熱硬化シリコーンゴム層を有し、前記熱硬化シリコーンゴム層は、熱伝導率が0.15〜0.5W/mKであり、ゴム硬度がアスカーCで15〜50度であることを特徴とする。
本発明によれば、非通紙部昇温の抑制と、加圧ローラの外径変動の抑制と、高い回転安定性を有する加圧ローラを備える像加熱装置、及びこの像加熱装置に用いられる加圧ローラ提供を実現できる。
(A)は画像形成装置の一例の概略構成模式図である。(B)は実施例1に係る定着装置の横断側面の概略構成模式図である。 (A)は実施例1に係る定着装置の加圧ローラの横断面模式図である。(B)は実施例2に係る定着装置の加圧ローラの横断面模式図である。 (A)は実施例1に係る定着装置の加圧ローラの熱硬化シリコーンゴムからなるバルーンゴムの横断面部分拡大図である。(B)は(A)に示すバルーンゴム内の熱の流れを表した図である。
[実施例1]
画像形成装置例:図1の(A)は本発明に係る像加熱装置を定着装置(定着器)として搭載する画像形成装置の一例の概略構成模式図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザープリンターである。
本実施例に示す画像形成装置は、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)101を有している。感光ドラム101は、アルミニウムやニッケルなどの金属材料により筒状に形成された基盤の外周面に、OPC、アモルファスSe、アモルファスSiなどにより感光層を形成したものである。この感光ドラム101はホストコンピュータなどの外部装置(不図示)からのプリント指令に応じて矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)をもって回転される。帯電ローラ(帯電部材)102には所定の帯電バイアスが印加され、これによって感光ドラム101の外周面(表面)は所定の極性・電位に一様に帯電される。この感光ドラム101表面の帯電面に対して走査露光装置(露光手段)103は外部装置からの画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームLを走査露光する。これによって感光ドラム101表面の帯電面に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。現像装置(現像手段)104は感光ドラム101表面の潜像に所定の現像方法によりトナー(現像剤)を付着させトナー画像(現像像)として現像する。
感光ドラム101表面と転写ローラ(転写部材)105の外周面(表面)との間の転写部Tには所定のタイミングで記録紙やOHPシートなどの記録材Pが搬送される。そしてこの記録材Pを感光ドラム101表面と転写ローラ105表面とで挟持しその状態に搬送(挟持搬送)する。この記録材Pの搬送過程で転写ローラ105に所定の転写バイアスが印加され、これによってトナー画像は感光ドラム101表面から記録材Pに転写され記録材P上に担持される。
未定着のトナー画像を担持した記録材Pは定着装置(定着器)106の後述する定着ニップ部(ニップ部)Nを通過することにより、トナー画像が記録材Pの面上に加熱定着される。定着ニップ部Nを出た記録材Pは排出トレイ(不図示)上に排出される。トナー画像転写後の感光ドラム101表面はドラムクリーナー(クリーニング部材)107により除去され、これによって感光ドラム101は次の画像形成に供される。
定着装置全体の説明:図1の(B)は定着装置の横断側面の概略構成模式図である。この定着装置はフィルム加熱方式の定着装置である。フィルム加熱方式の加熱装置は、定着フィルムとしてエンドレスベルト状もしくは円筒状のものを用いる。そしてこの定着フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、定着フィルムを加圧ローラの回転駆動力で回転させるように構成した装置である。
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向をいう。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向をいう。長さとは長手方向の寸法をいう。幅とは短手方向の寸法をいう。記録材に関し、幅方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。長さとは幅方向の寸法である。
本実施例に示す定着装置106は、円筒状(筒状)の耐熱性の定着フィルム(加熱部材)2と、定着フィルム2を加熱するセラミックヒータ(発熱体)3と、有している。また、本実施例に示す定着装置106は、セラミックヒータ3を支持する略半円形樋型形状のヒータホルダ(発熱体支持部材)1と、加圧ローラ(加圧部材)4などを有している。これらの部材は何れも長手方向に長い部材である。定着フィルム2の内側にはヒータホルダ1が配設され、ヒータホルダ1に支持されているセラミックヒータ3で定着フィルム2を内周面(内面)側から加熱するようになっている。定着フィルム2の直径は18mmである。定着フィルム2の内周長はセラミックヒータ3を支持しているヒータホルダ1の外周長よりも3mm程度大きくしてあり、定着フィルム2を周長に余裕をもってヒータホルダ1に外嵌させている。
ヒータホルダ1は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施例では、液晶ポリマーを用いてヒータホルダ1を構成した。このヒータホルダ1は、ヒータホルダ1の長手方向両端部が定着装置106の装置フレーム(不図示)に長手方向移動規制用フランジ(不図示)を介して支持されている。
ヒータホルダ1の下面に設けられた溝部1aに支持されているセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)3は細長いセラミック製のヒータ基板3a(図1(b)参照)を有している。このヒータ基板3aの定着フィルム2側の基板面(表面)には、ヒータ基板3aの長手方向に沿って発熱ペーストを印刷した通電発熱層(以下、発熱層と記す)3bが形成されている。この発熱層3bにはヒータ基板3aの長手方向両端部内側に設けられた給電用電極(不図示)を通じて後述する通電制御部6より給電される。そしてこの発熱層3bの保護と定着フィルム2との絶縁性を確保するために、発熱層3bの表面には絶縁層3cとしてガラス層がコーティングされている。
定着フィルム2は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルムを使用できる。或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。本実施例では、定着フィルム2として、円筒状の基層と、基層の外周面上に設けられたプライマー層と、プライマー層の外周面上に設けられた表層と、からなる3層構造の複合層フィルムを用いている。定着フィルム2において、基層は厚さが約60μmのポリイミドであり、表層には約10μmのPFAコートを用い、基層と表層の間に数μm程度のプライマー層を有する構成とした。
加圧ローラ4は、中軸の芯金(支持体)7と、芯金7の外周面上に設けられた弾性層8と、弾性層8の外周面上に設けられた離型層(最外層)9などを有している。そして芯金7の長手方向両端部を軸受(不図示)を介して装置フレームに回転可能にかつ上下動可能に支持させている。そしてこの軸受を加圧ローラ4の径方向で定着フィルム2に向けて加圧バネ(不図示)により所定の加圧力をもって付勢している。これにより加圧ローラ4は、加圧ローラ4の外周面(表面)が定着フィルム2の外周面(表面)と接触しその状態にヒータ3に加圧される。これによって加圧ローラ4の弾性層8を弾性変形させ定着フィルム2表面と加圧ローラ4表面との間に所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。この定着ニップ部Nの全域には、加圧ローラ4の弾性層8が弾性変形前の元の形態に戻ろうとする復元力がニップ圧として略均等に作用している。本実施例の加圧ローラ4では、芯金7として鉄芯金を、弾性層8としてシリコーンゴムを、離型層9として厚さ約50μmのPFAのチューブを、それぞれ、用いた。加圧ローラ4の外径は20mm、弾性層8の厚さは約3mmとした。加圧バネによる加圧ローラ4の定着フィルム2への加圧力は147N(15kgf)である。定着ニップ部Nの幅は7mmである。
本実施例の定着装置106は、プリント指令に応じて定着モーター(駆動源)Mが回転駆動される。この定着モーターMの出力軸の回転は所定のギア列(駆動伝達機構)を介して加圧ローラ4の芯金7に伝達され、これによって加圧ローラ4が矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転する。加圧ローラ4の回転は定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ4表面と定着フィルム2表面との摩擦力によって定着フィルム2に伝達され、これにより定着フィルム2は基層がヒータ3の絶縁層3cと接触しながら加圧ローラ2の回転に追従して矢印方向へ回転する。またプリント指令に応じて通電制御部6がヒータ3の給電用電極を介して発熱層3bに通電し、これによって発熱層3bが発熱しヒータ3は急速に昇温して定着フィルム2を加熱する。ヒータ3の温度はヒータ基板3aの発熱層3bと反対側の基板面(裏面)に設けられたサーミスタなどの温度検知素子(温度検知部材)5により検知される。通電制御部6は、温度検知素子5から出力される温度検知信号(出力信号)を取り込み、この温度検知信号に基づいてヒータ3を所定の定着温度(目標温度)に維持するように発熱層3aへの通電を制御する。定着モーターMを回転駆動し、且つヒータ3の発熱層3aへの通電を制御している状態において、未定着のトナー画像tを担持した記録材Pがトナー画像担持面を上向きにして定着ニップ部Nに導入される。記録材Pは定着ニップ部Nで定着フィルム2表面と加圧ローラ4表面とにより挟持されその状態に搬送(挟持搬送)される。この搬送過程においてトナー画像tは、定着フィルム2を介してヒータ3により加熱されて溶融すると共にニップ圧が印加されることによって、記録材Pの面上に加熱定着される。
加圧ローラの弾性層の説明:図2(A)に本実施例の定着装置の加圧ローラの横断面模式図を示す。弾性層8は、樹脂マイクロバルーンと、金属珪素・アルミナ・酸化亜鉛・シリカ・酸化マグネシウム・炭化珪素・グラファイトの7種類の高熱伝導フィラーのうち少なくとも1つから選ばれる高熱伝導フィラーと、を含むスポンジ状のゴム組成物である。この弾性層8は、熱伝導率が0.15W/mK〜0.5W/mKの範囲に調整され、かつ、ゴム硬度がアスカーC硬度計で15度〜50度の範囲に調整されるものであれば、材料は特に限定されない。本実施例に示す弾性層8は樹脂マイクロバルーンによって達成されたスポンジ状のゴム組成物であるため、このスポンジ状のゴム組成物である弾性層8をバルーンゴムと表現することにする。
本実施例におけるバルーンゴムについてさらに詳しく説明する。本実施例で用いた樹脂マイクロバルーンは、松本油脂製薬株式会社の“マツモトマイクロスフェアーF”シリーズであり、平均粒子径20〜30μmを有する、低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻で包み込んだマイクロカプセルである。以下、低沸点炭化水素を炭化水素と記す。熱可塑性高分子殻をシェルと記す。この樹脂マイクロバルーンにおいて、シェル内部の炭化水素は40℃以下の環境では上記のように20〜30μmという小さい平均粒子径を有している。この樹脂マイクロバルーンが加熱されることによってシェル内部の炭化水素が膨張し、シェルが内圧によって引き伸ばされることにより、炭化水素は80〜500μmの粒子径を有する形状となる。本実施例では、90℃オーブン内で1時間加熱乾燥し、冷却した後に、さらに140℃に設定したオーブン内に50分放置することで、シェル内部の炭化水素の平均粒子径が150μmの膨張樹脂マイクロバルーンを得た。
この樹脂マイクロバルーンを冷却した後、冷却後の樹脂マイクロバルーンを液状シリコーンゴム材料に混合/混錬分散した。液状シリコーンゴム材料は常温にて液状を呈し、熱を加えることにより硬化してゴム状弾性を有するシリコーンゴム材料即ち熱硬化シリコーンゴムとなるものであればよく、その種類等は特に限定されない。本実施例では、液状シリコーンゴム材料として、東レ・ダウコーニング社製の、商品名:DY35−561A/B(粘度130Pa・s、比重1.17)を用い、樹脂マイクロバルーンの混合/混錬分散を行なうことによってバルーンゴム材料を得た。
次に、このバルーンゴム材料に添加する高熱伝導フィラーについて説明を行なう。本実施例に用いる高熱伝導フィラーとしては、シリコーンゴムの熱伝導率を高めるために一般的に用いられている材質のものであれば任意のものを使用可能である。特に、高熱伝導フィラーとして、金属珪素・アルミナ・酸化亜鉛・シリカ・酸化マグネシウム・炭化珪素・グラファイトから選ばれるフィラーが好適である。これらのフィラーは熱伝導率が20〜350W/mKの範囲の値を有するフィラーであり、シリコーンゴムの熱伝導率を向上させるために十分な熱伝導率を有している。また、おおよそ2.0〜4.0の範囲に含まれる比重を有しており、液状シリコーンゴムへ添加した際の比重差による沈殿が起こりにくく、分散させやすい。
また、高熱伝導フィラーの形状としては、球形や、リンペン形など、特に限定されない。ただし、針状の形状を有するフィラーは低添加量で高い熱伝導率を得ることができるが、所望の熱伝導率範囲に収めるための配合コントロールが比較的難しいため、注意が必要である。
高熱伝導フィラーの平均粒子径は2〜50μmの範囲であることが望ましい。平均粒子径が2μm未満であると、熱伝達のためのパスを、フィラー同士の接触によって形成することが困難になり、添加量を増加させる必要がでてくる。一方、平均粒子径が50μmを越えると、樹脂マイクロバルーンによる空隙部を形成するシリコーンゴム壁の内部に納めることが難しくなる。これによって、空隙部を形成すべきシリコーンゴム自体がフィラーによって分断されてしまうような状態となり、強度を損なうなどの問題が生じる。さらに本実施例の好ましい加圧ローラ4のバルーンゴムの熱伝導率範囲(0.15W/mK〜0.5W/mK)を達成するためには平均粒子径10μm〜30μmの範囲のフィラーを使用することが好ましい。
次に、樹脂マイクロバルーンと高熱伝導フィラーとを組み合わせることによって得る加圧ローラの諸特性について説明する。
バルーンゴムの熱伝導率が0.15W/mK未満であれば加圧ローラ表面の昇温スピードが速くなり、より迅速に定着器を所定の定着温度まで立ち上げることができるようになる。このことは、特に待機時に定着フィルムと加圧ローラの予熱を行なわない画像形成装置において、迅速なプリントアウト(これを今後、オンデマンド定着と呼ぶ)を実現するために重要である。しかし、弾性層8の熱伝導率が0.15W/mK未満のような低い熱伝導率では、定着ニップ部に通紙可能(導入可能)な大サイズの記録材よりも小さい小サイズの記録材を定着ニップ部に通紙(導入)したときに非通紙部昇温が大きくなる。このため、加圧ローラについてより耐熱性が求められることになる。また、バルーンゴムの熱伝導率が0.5W/mKを超えると、加圧ローラの昇温が遅くなり、定着器の立ち上がり速度が損なわれてしまう。
また、バルーンゴムのゴム硬度がアスカーC硬度計で50度を超えると、所望のニップ幅を有する定着ニップ部を形成することが困難となる。このため、バルーンゴムのゴム硬度は50度以下が好ましいが、より好ましくは40度以下がよい。また、アスカーC硬度計でバルーンゴムのゴム硬度が15度未満になると、使用に伴うシリーコーンゴムの劣化が大きく、製品の寿命範囲内でシリーコーンゴムが破損する恐れがある。このため、バルーンゴムのゴム硬度は15度以上が好ましいが、より好ましくは20度以上がよい。バルーンゴムのゴム硬度の測定はシリーコーンゴムのテストピースを用いて行なう。テストピースの形状は厚み以外は特に限定されない。テストピースは測定に十分な、たとえば50mm×50mm程度のサイズがあれば十分である。厚みは6mmの厚みを有するシート状のテストピースを2枚重ねた状態で測定を行なった。測定の荷重は9.8N(1000g重)とした。
定着ニップ部において必要なニップ幅は、ニップ幅内にヒータの発熱層を納める必要があったり、プロセススピードによってニップ幅が異なったりして、各々のプリンタ毎に最適なニップ幅の値が異なるものである。しかしながら一般的にニップ幅が狭くなるとトナーの記録材(記録紙)への定着強度が劣る傾向があること、および設計の自由度という観点から、なるべく広いニップ幅が得られるほうが好ましい。
バルーンゴムのゴム硬度が50度を超える加圧ローラを用いて所望のニップ幅を得るためには、より高い圧力によって加圧ローラと定着フィルムを接触させることが必要になってくる。これによって定着フィルムの回転走行性が不安定になり、定着フィルムの破れに至ったり、加圧ローラの軸受け部分にかかる圧力が増大することによる軸受け削れなどの不具合が生じる可能性が高くなる。従って、バルーンゴムのゴム硬度はアスカーCで15度〜50度が好ましい。
次に、樹脂マイクロバルーンによってバルーンゴムに形成される多数の空隙部は、空隙部がそれぞれ独立しているのではなく、それぞれ連結されていることが好ましい。バルーンゴムにおいて空隙部を連結させるには、樹脂マイクロバルーンによって形成された多数の空隙部と、この空隙部間を相互に連結する、シリコーンゴムに配合された気化成分の気化により形成された孔道部と、をバルーンゴムに具備させることによって得る。
気化されることによって樹脂マイクロバルーン空隙部を連結させる気化成分としては下記のものがよい。即ち、既膨張の樹脂マイクロバルーンと馴染みがよく、且つ、シリコーンゴムとの馴染みが悪いものであって樹脂マイクロバルーンの樹脂の軟化、もしくは溶融する温度以上で気化するものが好ましい。気化成分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびグリセリンからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることが望ましい。
本実施例では、気化成分としてはエチレングリコールを選択し、樹脂マイクロバルーンおよび金属珪素混錬の際に添加した。また、加熱硬化後に200℃以上の温度で加熱処理を行い、樹脂マイクロバルーンのマイクロバルーン形状を破壊し、空隙部を連結する孔道部の形成を完全なものとする工程を加えた。
樹脂マイクロバルーンおよび高熱伝導フィラーの配合量は、バルーンゴムの所望の熱伝導率および硬度に応じて変更される。液状シリコーンゴム100重量部に対し、樹脂マイクロバルーンは1〜10重量部、高熱伝導フィラーは1〜60重量部添加されることが好ましい。樹脂マイクロバルーン1重量部未満では、バルーンゴムがソリッドゴムに近い状態となり、十分な断熱性を得ることができず、マイクロバルーン同士の連結も困難になる。樹脂マイクロバルーン10重量部を超える場合は、液状シリコーンゴム材粘度が上がり、混合攪拌が困難になる。高熱伝導フィラー1重量部未満では、シリコーンゴムの熱伝導率を十分に上昇させることができない。高熱伝導フィラー60重量部を超えると、シリコーンゴムの硬度が高くなり、所望のゴム硬度を得ることが難しくなる。また、マイクロバルーンによる空隙部を形成するシリコーンゴム壁の強度が下がり、シリコーンゴムの耐久性を下げることになる。
次に、加圧ローラ4の形成方法について述べる。シリコーンゴム材を芯金7の外周面上に、樹脂マイクロバルーンの加熱膨張温度以下の温度で加熱硬化形成する。加熱硬化しローラを形成する手段・方法は限定しないが、所定の内径を有するパイプ状金型に金属製芯金を装着し、シリコーンゴム材を注入し、金型を加熱することによってローラを形成する方法が簡便であり、好適である。
以上のように形成された熱硬化シリコーンゴムからなるバルーンゴムの横断面部分拡大図を図3の(A)に示す。図3(A)に示すように、バルーンゴムの母体である熱硬化シリコーンゴム8Aにはおおむね100〜150μm程度の空隙部10が多数含まれている。これらの空隙部10は樹脂マイクロバルーンによって形成されたものである。そして空隙部10の壁の一部が破壊されることによって、隣接する空隙部10と空隙部10とが孔道部11を通じて連結している。一方、バルーンゴムの母体である熱硬化シリコーンゴム8Aの内部には、10〜30μm程度の大きさの熱伝導フィラー12が含有されている。本実施例では、熱伝導フィラー12として金属珪素を添加している。
図3の(B)は図3(A)に示すバルーンゴム内の熱の流れを表した図である。図3(B)において、矢印13は主な熱硬化シリコーンゴム8A内の熱流の動きを示している。バルーンゴムに与えられた熱は、バルーンゴムの母体である熱硬化シリコーンゴム8Aに沿って伝熱することができる。この伝熱速度は添加された熱伝導フィラー12としての金属珪素によって高められており、より速く伝熱が行なえることで、非通紙部昇温を抑制することができる。
矢印14は空隙部10内部の空気の流れを示している。熱硬化シリコーンゴム8A内部に形成された隣接する空隙部10と空隙部10は孔道部11を通じて連結され、熱硬化シリコーンゴム8A外部へとつながっている。そして空隙部10内の空気は熱硬化シリコーンゴム8A内壁からの熱によって加熱されて膨張し、空隙部10内部の圧力が高まる。この圧力によって、連結された空隙部10から熱硬化シリコーンゴム8A外部へと空気が押し出され、空気が有する熱も一緒に熱硬化シリコーンゴム8A外部へと排出される。
このような空隙部10の内部の空気の対流と、そもそも熱硬化シリコーンゴム8Aの量が空隙部10によって少なくなっていることにより、バルーンゴムの熱膨張が抑制されるのである。
以上の構成の加圧ローラを用い、従来の加圧ローラを対象に比較実験を行なったので説明する。
まず、本実施例の加圧ローラの構成として、熱伝導フィラーとして金属珪素が添加されたバルーンゴム層を有する加圧ローラを作成した。樹脂マイクロバルーンとしては、平均粒子径150μmの既膨張の樹脂マイクロバルーンを5重量部、高熱伝導フィラーとしては平均粒子径20μmの金属珪素フィラーを20重量部、さらにエチレングリコール4重量部を液状シリコーンゴム100重量部に混ぜた。そして金型内130℃にて加熱硬化成型を行なった。樹脂マイクロバルーンとして、商品名:F80−ZD、松本油脂製薬株式会社製を用いた。液状シリコーンゴムとして、東レ・ダウコーニング社製、商品名:DY35−561A/Bを用いた。続いてこの加圧ローラを230℃に維持されたオーブン内に2時間加熱処理をすることによって、樹脂マイクロバルーンの破壊と、空隙部を連結するための孔道部の形成を行なった。
この結果、高熱伝導フィラーを約0.3W/mKの熱伝導率を有するバルーンゴム加圧ローラを得た。熱伝導率は表面熱伝導率計(商品名:QTM−500、京都電子株式会社製)により測定した。加圧ローラの表面に加圧ローラの軸方向(長手方向)と平行に表面熱伝導率計のセンサプローブ(型式:PD−11、京都電子株式会社製)を接触させて、バルーンゴム層の熱伝導率を測定した。上記の加圧ローラを以下、実施例1−1として表現する。
さらに実施例1−2〜1−5として、樹脂マイクロバルーンと高熱伝導フィラーの配合量を種々変化させた加圧ローラを作成し、熱伝導率を測定した。
実施例1−2では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン4.3重量部と、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を3重量部添加した。その結果、0.15W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
実施例1−3では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン4.5重量部と、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を9重量部添加した。その結果、0.20W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
実施例1−4では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン5.4重量部と、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を30重量部添加した。その結果、0.40W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
実施例1−5では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン6重量部と、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を42重量部添加した。その結果、0.50W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
次に、比較のため、比較例1および2として、樹脂マイクロバルーンと高熱伝導フィラーの配合量を種々変化させた加圧ローラを作成し、熱伝導率を測定した。
比較例1では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン4重量部を添加した。高熱伝導フィラーとしての金属珪素は添加しなかった。その結果、0.12W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
比較例2では液状シリコーンゴム100重量部に対して、樹脂マイクロバルーン6.4重量部と、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を53重量部添加した。その結果、0.60W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。
実施例1−1〜1−5、比較例1および比較例2の合計7種類の加圧ローラを用いて、非通紙部昇温および定着器の立ち上がり速度の比較実験を行なった。
定着器においてヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が昇温する非通紙部昇温の評価は以下のように行なった。本実験は用紙搬送速度(記録材搬送速度)が約202mm/secの画像形成装置に、本実施例の定着装置(以下、定着器ともいう)を組み込んで行なった。
坪量128gのA4サイズ紙を給紙口にセットし、連続で500枚通紙を行なう。加圧ローラ端部の表面に熱電対を接触させ、加圧ローラ表面の温度をモニターする。本実験は用紙搬送速度が約202mm/secの画像形成装置に、本実施例の定着装置を組み込んで行なった。
熱電対を接触させる位置は、A4紙(記録材)の幅方向の端部が通過する位置と、ヒータの長手方向の加熱領域の端部位置とのちょうど中間の位置である。この中間の位置が非通紙部昇温が一番激しくなるポイントである。
本実施例では発熱体の長さが220mmであるヒータを使用した。このヒータはA4紙の幅方向の中心位置が通過する位置と発熱体の中心位置とが一致するように配置してあるため、ヒータの中心位置から長手方向一端部までの長さと長手方向他端部までの長さはそれぞれ110mmずつとなっている。A4紙の幅方向の長さは210mmであるため、A4紙はA4紙の中心位置から幅方向一端部までの長さと幅方向一端部までの長さはそれぞれ105mmずつとなっている。従って、発熱体はA4紙の幅方向端部から外側にそれぞれ5mmずつはみ出している状態になっている。この発熱体がはみ出ている5mmの領域の中心位置即ち発熱体の長手方向においてA4紙の幅方向端部から2.5mmに相当する加圧ローラ表面上のポイントに、熱電対を接触させるように設置した。
また、定着器の立ち上がり速度(ヒータの発熱体に通電を開始してからヒータが所定温度に達するまでの時間)の評価は、ヒータ基板の裏面に設置した温度検知素子の昇温速度をモニタすることで行なった。具体的には、画像形成装置を120Vの商用電源に接続し、ヒータに電力を供給した。ヒータの抵抗を調整し、120Vの電圧によって約800Wの電力を消費するように設定した。25℃に設定された実験室内にて、室温と同じ温度であることを確認した後にヒータに通電を行うとともに定着モーターを回転駆動して、加圧ローラと定着フィルムを回転状態にした。温度検知素子が25℃から200℃に達するまでの時間をモニターし、立ち上がり速度の評価を行なった。表1に非通紙部昇温および立ち上がり速度の評価結果をまとめる。
実施例1−1においては非通紙部昇温が220℃であった。熱硬化シリコーンゴムの耐熱温度はおよそ230℃程度であり、この温度にて長期間加圧ローラを使用すると、熱硬化シリコーンゴムが劣化する恐れがある。実施例1−1では非通紙部昇温が220℃であり、問題の無い範囲であった。また、200℃到達に要した時間は5.0秒であった。5.0秒程度であれば、プリント開始と同時に定着器への通電を行なっても、未定着トナー画像を担持したA4紙が定着器の定着ニップ部に達する前に定着可能な温度になる。このため、プリントアウトのためにユーザーを待たせることがなく、オンデマンド定着を実現するのに問題ない立ち上がり時間である。
比較例1においては、非通紙部昇温が239℃に達した。今回の実験では熱硬化シリコーンゴムの破壊には至らなかったが、熱硬化シリコーンゴムの劣化が生じうる温度であり、加圧ローラの好ましい特性を有しているとはいえない。また、比較例2においては、非通紙部昇温が200℃と良好であるものの、200℃に達する時間が11秒を要した。定着器の立ち上がり時に加圧ローラの熱伝導率が高いことで、加圧ローラに熱が奪われてしまい、ヒータの温度上昇が遅くなってしまうのである。そのためプリントアウトまでに要する時間が長くなってしまうのである。プリントアウトのための待ち時間は遅くとも10秒以下であることがユーザーメリットを高めると考えられ、この観点では比較例2は適していない。これに対し、実施例1−2、1−3、1−4、1−5は実施例1−1と同様に非通紙部昇温と定着器の立ち上がり、ともに実用範囲内であった。
以上の実験より、加圧ローラの弾性層8について0.15〜0.50W/mKの範囲内の熱伝導率を達成することで、非通紙部昇温の防止と定着器の高速立ち上がりの両立を実現する定着器を形成することが可能であることがわかった。
次に、加圧ローラの膨張率を比較する実験について説明する。
加圧ローラの膨張率は、搬送される記録紙(記録材)の速度を測定する方法で評価した。画像形成装置の排紙口付近にレーザードップラー速度計(型式:LV−20Z(センサー部:S−100Z、信号処理ユニット:P−20Z)、キヤノン株式会社製)を配置し、排紙される記録紙の搬送速度を直接測定した。記録紙には坪量75g/mのLTRサイズの普通紙(型番:R4200、ゼロックス社製)を用いた。そして定着器が室温と同じ温度である状態(これをコールド状態と呼ぶ)から、1枚プリント後に次のプリント開始までに4秒間動作を停止する、間欠プリントモードにて、250枚プリント行なった(このときの定着器の状態をホット状態と呼ぶ)。間欠プリントモードでは、記録紙が1枚プリントされるたびに加圧ローラと定着フィルムはプリントの前の前回転とプリントの後の後回転が行なわれるため、加圧ローラがヒータによって熱せられやすいプリントモードとなっている。従って、プリント枚数が進むにつれて加圧ローラが熱せられ、膨張率が増していくことになる。
この実験において、プリント1枚目、すなわちコールド状態の加圧ローラによる記録紙の搬送速度と、プリント250枚目、すなわちホット状態の加圧ローラによる記録紙の搬送速度を測定し、比較を行なった。ホット状態の加圧ローラによる記録紙の搬送速度のコールド状態の加圧ローラによる記録紙の搬送速度に対する増加量をパーセンテージで表した値を、加圧ローラの膨張率として定義した。
加圧ローラの膨張率を比較する実験においても、比較例として次のような構成の加圧ローラを作成した。
比較例3として、エチレングリコールの添加を行わない加圧ローラを作成した。すなわち、樹脂マイクロバルーンとしては平均粒子径150μmの既膨張のマイクロバルーンを5重量部、高熱伝導フィラーとしては平均粒子径20μmの金属珪素フィラーを20重量部を液状シリコーンゴム100重量部に混ぜた。そして金型内130℃にて加熱硬化成型を行なった。既膨張のマイクロバルーンとして、商品名:F80−ZD、松本油脂製薬株式会社製を用いた。液状シリコーンゴムとして、東レ・ダウコーニング社製、商品名:DY35−561A/Bを用いた。続いてこの加圧ローラを230℃に維持されたオーブン内に2時間加熱処理をすることによって、樹脂マイクロバルーンの破壊を行なった。
この結果、本実施例1と同じ0.3W/mKの熱伝導率を有するバルーンゴム加圧ローラを得た。顕微鏡にて200倍に拡大してバルーンゴム層の状態を観察したところ、樹脂マイクロバルーンによる空隙部が観察されたが、それらを連結する孔道部が形成されておらず、樹脂マイクロバルーンによる空隙部がそれぞれ独立で存在する状態となっていた。
比較例4として、マイクロバルーンの添加を行なわないソリッドゴムを弾性層として有する加圧ローラを作成した。すなわち、液状シリコーンゴム100重量部に対して、高熱伝導フィラーとしての金属珪素を2.5重量部添加した。その結果、0.3W/mKの熱伝導率を有する加圧ローラを得た。弾性層を顕微鏡観察したところ、空隙部が認められず、完全なソリッドゴムであることが確認された。
以上の比較例3、4に加えて前出の比較例1と、本実施例1−1〜1−5の比較実験の結果を表2にまとめた。
まず、実施例1−1における、熱伝導フィラーが添加されたバルーンゴムの加圧ローラの弾性層の膨張率は2.3%であった。また、実施例1−2、1−5における膨張率も2.3%であった。次に、比較例1としてのバルーンゴムを用いた加圧ローラの弾性層の膨張率は2.3%であった。また、比較例3としての、樹脂マイクロバルーンによる空隙部が連結されていないバルーンゴムを用いた加圧ローラの弾性層の膨張率は3.6%であり、比較例4のソリッドゴムを用いた加圧ローラの弾性層の熱膨張率は4.0%であった。
実施例1−1、1−2、1−5および比較例1においては、樹脂マイクロバルーンによって空隙部が弾性層に設けられた。これによって、たとえばソリッドゴムと比較してゴムの量を少なくできたこと、および連結された空隙部から熱硬化シリコーンゴム外部へと空気の対流が生じることによって、熱を熱硬化シリコーンゴム外部に排出できることにより、加圧ローラが膨張しにくい。
比較例3では弾性層に樹脂マイクロバルーンによって空隙部が形成されているものの、それぞれが独立に存在している。これによって、熱硬化シリコーンゴム内部の空気が熱硬化シリコーンゴム外部に移動することができず、熱を熱硬化シリコーンゴム外部に排出することができない。しかしながら、熱膨張率の大きいシリコーンゴム部分が、たとえばソリッドゴムなどと比較して少ないため、比較例4と比較して熱膨張率が低く抑えられた。
比較例4では空隙部の存在しないソリッドゴムを弾性層として使用しているため、本実験の中では一番熱膨張率が高くなる結果となった。
実施例1−2と実施例1−5の比較から、弾性層の熱伝導率が異なっていても、樹脂マイクロバルーンによる空隙部が存在し、それらが連結されている構造であれば、同等の膨張率になることから、熱伝導率の膨張率への影響はほとんど無いということがわかった。
弾性層の膨張率が2.3%程度であれば、加圧ローラによる記録紙搬送速度を調整することができる。つまり、加圧ローラの記録紙搬送速度が遅いことによる画像不具合(前述の後端濃度濃いなど)と、加圧ローラの記録紙搬送速度が速いことによる画像不具合(前述のブレなど)の両立が可能となるように、加圧ローラによる記録紙搬送速度を調整することができる。しかし、弾性層の膨張率が3.0%を超えると、上記2つの画像不具合を両立させることが難しくなる。すなわち、比較例3と比較例4では、コールド状態の加圧ローラによる記録紙搬送速度を、後端濃度濃いが生じない速度に設定すると、ホット状態で加圧ローラが膨張したときにブレが生じてしまう。逆に、ホット状態でブレが生じないように加圧ローラの記録紙搬送速度を調整するとコールド状態での後端濃度濃いを避けることができなくなってしまう。
以上の結果より、本実施例1−1の熱伝導フィラーを添加されたバルーンゴムを用いた加圧ローラと、比較例1のバルーンゴムを用いた加圧ローラと、は同等の膨張率であることがわかった。一方、ソリッドゴムを用いた加圧ローラの膨張率はバルーンゴムと比較して大きくなることがわかった。
以上の実験により、熱伝導率が0.15W/mK〜0.5W/mKのバルーンゴムを使用することによって、立ち上がり時間を損ねることがなく、非通紙部昇温の抑制にも優れた加圧ローラを形成できることがわかった。また、樹脂マイクロバルーンによる空隙部が孔道部により連結されたバルーンゴムを弾性層として使用することによって、加圧ローラの熱膨張を抑制でき、記録紙搬送速度の変動の少ない加圧ローラを形成することが可能であることがわかった。
以上、本実施例の加圧ローラ4を有する定着装置を用いることによって、非通紙部昇温と、定着ニップ部における記録材搬送速度の変動を、共に低減でき、より画像の加熱定着処理を高速化することが可能である。
[実施例2]
定着装置の他の例を説明する。本実施例に示す定着装置は、実施例1の加圧ローラと異なる加圧ローラを用いている点を除いて、実施例1の定着装置と同じ構成としてある。本実施例では、実施例1の定着装置と同じ部材・部分については同じ符号を付して再度の説明を省略し、本実施例の加圧ローラの特徴的な部分についての説明を行なう。
図2の(B)に本実施例の定着装置の加圧ローラの横断面模式図を示す。本実施例の加圧ローラ4では、芯金7として鉄芯金を、弾性層8としてシリコーンゴムを、離型層9として厚さ約50μmのPFAチューブを、それぞれ、用いた。本実施例の加圧ローラ4における弾性層8も、実施例1と同様、樹脂マイクロバルーンと、金属珪素・アルミナ・酸化亜鉛・シリカ・酸化マグネシウム・炭化珪素・グラファイトのうち少なくとも1つから選ばれるフィラーと、を含むスポンジ状のゴム組成物である。本実施例においても、実施例1と同様に、このスポンジ状のゴム組成物である弾性層8をバルーンゴムと表現することにする。
本実施例においては、弾性層8を芯金7側の下層(加圧ローラの径方向において中心側の弾性層部分)14と、離型層9側の上層(加圧ローラの径方向において表面側の弾性層部分)15と、の2層に分ける。下層14と上層15では樹脂マイクロバルーンと熱伝導フィラーの添加比率を変化させ、熱伝導率を異ならせるようにする。ただし、樹脂マイクロバルーンおよび熱伝導フィラーの添加量は、弾性層を2層に分けない場合と、2層に分ける場合とで、同じとなるようにする。すなわち、弾性層を2層に分ける場合の下層14は、分けない場合の弾性層に比べて、樹脂マイクロバルーンの添加量を多くし、弾性層を2層に分ける場合の上層15は、分けない場合の弾性層に比べて、樹脂マイクロバルーンの添加量を少なくする。熱伝導フィラーの添加量は逆に、弾性層を2層に分ける場合の下層14は、分けない場合の弾性層に比べて、熱伝導フィラーの添加量を少なくし、弾性層を2層に分ける場合の上層15は、分けない場合の弾性層に比べて、熱伝導フィラーの添加量を多くする。
本実施例においては上記のとおり、樹脂マイクロバルーンと熱伝導フィラーの配合比率を変更した2種類のバルーンゴム材料を使用することで弾性層内の厚み方向の熱伝導率に変化をもたせる。芯金7に近いほうが樹脂マイクロバルーン量が多く、熱伝導フィラーが少ないため、より断熱性に優れ、熱伝導率が低い弾性層となる。一方、離型層9に近いほう、すなわち加圧ローラの表面に近いほうが樹脂マイクロバルーンの量が少なく、熱伝導フィラーが多いため、より熱伝導率が高い弾性層となる。
本実施例2のようにより加圧ローラ4の表面近傍の熱伝導率を高めることによって、非通紙部昇温が生じたときの加圧ローラ4の表面温度を低減することができる。その一方、上層15と下層14とを合わせた弾性層8全体のゴムの量は、添加する樹脂マイクロバルーンの量を、実施例1のような上層と下層に分けない場合と同じにすれば、加圧ローラ4が暖まることによる熱膨張もほぼ同じレベルに保つことができる。
以上のように、弾性層8を上層15と下層14にわけ、樹脂マイクロバルーンと熱伝導フィラーを上述のような配合に変更した加圧ローラ4を用い、非通紙部昇温と熱膨張率を測定した。測定の方法は実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施例の加圧ローラ4としては、厚み3mmの弾性層8をそれぞれ上層15を1.3mm、下層14を1.7mmに分けた。数値の根拠は、上層15と下層14のゴム体積をほぼ同等にするためである。上層と下層に分けない場合の樹脂マイクロバルーンおよび熱伝導フィラーの配合率を1とした場合、弾性層の上層には樹脂マイクロバルーンを0.8、熱伝導フィラーを1.2という割合で添加した。一方、弾性層8の下層14には樹脂マイクロバルーンを1.2、熱伝導フィラーを0.8という割合で添加した。
比較例には、弾性層を上層と下層に分けない加圧ローラを準備し、樹脂マイクロバルーンと熱伝導フィラーの配合率は1.0としたものを用いた。この加圧ローラを比較例5と呼ぶことにする。結果を表3にまとめる。
実施例2の加圧ローラでは非通紙部昇温が215℃であった。比較例5の加圧ローラでは220℃であることから、本実施例のように加圧ローラの表面近傍の熱伝導率を上げることで、非通紙部昇温を改善することができることがわかった。一方、熱膨張率は、本実施例2の加圧ローラで2.4%、比較例5の加圧ローラで2.3%であった。上層と下層に分け、それぞれの空隙の密度が変化したことで、2層の膨張ぐあいが変化することによって、加圧ローラの熱膨張率に変化が表れたと考えられる。しかし、熱膨張率が2.5%以下ならば、記録材搬送速度が速い場合の不具合と記録材搬送速度が遅い場合の不具合を両立させることは十分可能であり、問題が無い範囲の変化であり、ほぼ同等の熱膨張率であるといえる。
以上のように、弾性体の熱伝導率を厚み方向で変化させ、たとえば加圧ローラの表面近傍での熱伝導率を高く設定することで、加圧ローラ表面の非通紙部昇温を低く抑えることが可能であることがわかった。一方、加圧ローラの熱膨張率は、樹脂マイクロバルーンによる空隙率がほぼ同等であるならば、同等であり、加圧ローラの記録材搬送速度の変動も低く抑えることが可能であることもわかった。
以上、本実施例の加圧ローラ4を有する定着装置を用いることによって、本実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
2:定着フィルム、4:加圧ローラ、8:弾性層、8A:熱硬化シリコーンゴム、10:空隙部、11:孔道部、12:熱伝導フィラー、106:定着装置、N:定着ニップ部、P:記録材

Claims (8)

  1. 加熱部材と、前記加熱部材と接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部でトナー画像を担持する記録材を搬送しつつ前記トナー画像を加熱する像加熱装置において、
    記加圧ローラは液状シリコーンゴム100重量部に対して樹脂マイクロバルーンを1〜10重量部及び熱伝導フィラーを1〜60重量部添加した液状シリコーンゴムを熱硬化して形成した熱硬化シリコーンゴム層であって、前記樹脂マイクロバルーンによって形成した空隙部と、前記空隙部を連結する孔道部と、を有する熱硬化シリコーンゴム層を有し、前記熱硬化シリコーンゴム層は、熱伝導率が0.15〜0.5W/mKであり、ゴム硬度がアスカーCで15〜50度であることを特徴とする像加熱装置。
  2. 記熱伝導フィラーは、金属珪素、アルミナ、酸化亜鉛、シリカ、酸化マグネシウム、炭化珪素、グラファイトのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 記熱伝導フィラーの平均粒子径は2〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  4. 記空隙部の密度と、前記熱伝導フィラーの添加量が、前記加圧ローラの径方向における表面側の弾性層部分と中心側の弾性層部分とで異なっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の像加熱装置。
  5. 像加熱装置に用いられる加圧ローラにおいて、
    前記加圧ローラは、液状シリコーンゴム100重量部に対して樹脂マイクロバルーンを1〜10重量部及び熱伝導フィラーを1〜60重量部添加した液状シリコーンゴムを熱硬化して形成した熱硬化シリコーンゴム層であって、前記樹脂マイクロバルーンによって形成した空隙部と、前記空隙部を連結する孔道部と、を有する熱硬化シリコーンゴム層を有し、前記熱硬化シリコーンゴム層は、熱伝導率が0.15〜0.5W/mKであり、ゴム硬度がアスカーCで15〜50度であることを特徴とする加圧ローラ。
  6. 前記熱伝導フィラーは、金属珪素、アルミナ、酸化亜鉛、シリカ、酸化マグネシウム、炭化珪素、グラファイトのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項5に記載の加圧ローラ。
  7. 前記熱伝導フィラーの平均粒子径は2〜50μmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の加圧ローラ。
  8. 記空隙部の密度と、前記熱伝導フィラーの添加量が、前記加圧ローラの径方向における表面側の弾性層部分と中心側の弾性層部分とで異なっていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の加圧ローラ。
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