JP6269030B2 - 定着部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナー像への熱伝導が遅くなると、定着部材表面をトナー像の定着温度まで加熱するのに多くの時間が必要となり、高速機の場合には、熱の供給が間に合わなくなる。また、画像形成装置の立ち上がり速度が遅くなってしまうこともある。なお、定着装置の定着部材の温度上昇に対する立ち上がり速度が、電源投入時における画像形成装置全体の立ち上がりの律速になっていることが多い。
<1>トナーの定着に用いられる定着部材であって、前記定着部材が、基材と、該基材の外周に設けられた第1の弾性層と、該第1の弾性層の外周に設けられた第2の弾性層と、該第2の弾性層の外周に設けられた離型層とを備えており、該第1の弾性層は熱伝導性フィラーとマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、且つ、該第2の弾性層は熱伝導性フィラーとマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、且つ、前記第1と第2の弾性層中のシリコーンゴムに対する熱伝導性フィラーの各々の含有量が、第1の弾性層よりも第2の弾性層の方が多く、前記第1の弾性層における熱伝導性フィラーは針状熱伝導性フィラーであり、前記第2の弾性層における熱伝導性フィラーは針状熱伝導性フィラー及び球状熱伝導性フィラーからなるものであることを特徴とする定着部材。
<2>前記第2の弾性層の厚さが、前記第1の弾性層の厚さの半分以下であることを特徴とする前記<1>に記載の定着部材。
<3>前記針状熱伝導性フィラーが炭素繊維であり、前記球状熱伝導性フィラーが球状黒鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素から選択される1種以上であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の定着部材。
<4>前記<1>乃至<3>のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
<5>前記<4>に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
図1は、本発明の実施形態の1つの定着部材の構成を示す断面図である。なお、図1の定着部材は、ローラ、ベルト、シート等、どのような形状でもよい。図1に示す定着部材1は、基材2と、基材2の外周に設けられた第1の弾性層3と、第1の弾性層3の外周に設けられた第2の弾性層4と、第2の弾性層4の外周に設けられた離型層5とを備えている。定着部材の各層の間には必要に応じてプライマー層を設けてもよい。
シリコーンゴム6としては、オルガノシロキサン構造を有するゴムであれば特に限定されずに用いることができる。シリコーンゴムとしては、例えば、KE−1950−30(信越化学工業)、DY35−2083(東レ・ダウコーニング)等が挙げられる。シリコーンゴムの中でも付加型液状シリコーンゴムは90〜140℃程度の温度で硬化し、加工性に優れるため好ましい。
熱伝導性フィラーとしては、シリコーンゴム6よりも高い熱伝導率を示すフィラーであれば特に限定されずに用いることができる。フィラー形状は球状、粒状、多面体、アスペクト比(長さ/直径)2.5以上の針状が好ましい。
針状熱伝導性フィラー7としては、例えば、炭素繊維、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ等が挙げられる。なお、針状とはアスペクト比2.5以上の細長い形状を指す。
針状熱伝導性フィラーの中でも炭素繊維は軽量で、熱伝導性に優れるため好ましい。炭素繊維としては、プリカーサー(炭素繊維の原料を繊維化したもの)を炭素化して得られるものを用いることができる。
炭素繊維には製造条件によってピッチ系炭素繊維とPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維とがある。ピッチ系炭素繊維としては、例えば、GRANOC(R)XN−100−05M、XN−100−15M(日本グラファイトファイバー)、ダイアリード(R)K223QM、K6361M、K223HM(三菱樹脂)、ドナカーボ・ミドルS−2404、S−249、S−241、SG−249(大阪ガスケミカル)等が挙げられる。 PAN系炭素繊維としては、例えば、トレカ(R)ミルドファイバーMLD−30、MLD−300、MLD−1000(東レ)、パイロフィル(R)チョップドファイバー(三菱レイヨン)などが挙げられる。ピッチ系炭素繊維はPAN系炭素繊維よりも熱伝導性に優れるため好ましい。
また、炭素繊維としては、繊維径500nm以下のカーボンナノファイバーやアスペクト比の大きいカーボンナノチューブを用いることもできる。
本発明における弾性層中に含ませた針状熱伝導性フィラーは、低熱容量化のためのマイクロバルーン周囲の弾性層中で相互接触部分が熱伝導のパスとなる。
このような針状熱伝導性フィラーは、平均繊維長1μm〜500μmのものが好ましい。異常に短繊維であると熱伝導向上に寄与しないことがある。また、長すぎると柔軟性や表面平滑性の低下を招くことがある。
前記球状熱伝導性フィラー9としては、例えば、球状黒鉛、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、金属珪素等が挙げられる。なお、球状とはアスペクト比1.0〜1.5の丸い形状を指す。
球状熱伝導性フィラーの中でも球状黒鉛は軽量で、熱伝導性に優れるため好ましい。球状黒鉛としては、例えば、WF−15C(中越黒鉛工業所)、SG−BH8(伊藤黒鉛工業)、SG−BH(伊藤黒鉛工業)、SG−BL30(伊藤黒鉛工業)、SG−BL40(伊藤黒鉛工業)等が挙げられる。
また、窒化アルミニウムや窒化ホウ素も熱伝導性に優れるため好ましい。窒化アルミニウムとしては、例えば、フィラー用窒化アルミニウム粉末(トクヤマ)、FAN−f30、FAN−f50(古河電子)、JCG(東洋アルミニウム)等が挙げられる。窒化ホウ素としては、例えば、ショウビーエヌ(R)UHP−EX(昭和電工)が挙げられる。
このような球状熱伝導性フィラーは、平均粒径が0.1μm〜50μmのものが好ましい。粒径が小さすぎると熱伝導向上に寄与しないことがある。また、大きすぎると柔軟性や表面平滑性の低下を招くことがある。
針状熱伝導性フィラーと球状熱伝導性フィラーとを併用する場合の混合比は、針状熱伝導性フィラー:球状熱伝導性フィラーが10:1〜10:10であることが好ましく、10:1〜10:6であることがより好ましい。
マイクロバルーン8としては、直径5〜300μmの中空体であれば特に限定されずに用いることができる。マイクロバルーンには外殻成分によってプラスチックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーンなどがある。マイクロバルーンとしては、例えば、マツモトマイクロスフェアー(R)F−30、F−36、F−50、F−55、F−80SDE、FN−80SDE、F−65DE、F−80DE(松本油脂製薬)、エクスパンセル(R)053−40、031−40、551DE40d42、920DE40d30、EMC40(B)(日本フィライト)等が挙げられる。マイクロバルーンの中でもプラスチックバルーンは弾性が高く、軽量であるため好ましい。プラスチックバルーンは熱膨張性であり、弾性層を加熱成型する際に膨張して空孔部を形成することができる。
また、未膨張のプラスチックバルーンを膨張させて既膨張プラスチックバルーンとした後に配合することもできる。既膨張プラスチックバルーンは膨張が完了しているので成型工程で体積や形状が変化しにくく、寸法精度に優れるため好ましい。
弾性層の組成物は、シリコーンゴムに炭素繊維とマイクロバルーンとを混合/混錬分散して調製することができる。なお、弾性層には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じて、公知の架橋剤、充填剤、導電剤、ゴム及びプラスチック材料用劣化防止剤、耐熱剤等の添加剤を任意に添加することができる。
弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、弾性層の組成物をブレード塗装、ダイ塗装、ディップ塗装などで塗布し、その後、熱や電子線などで硬化する方法が挙げられる。
第2の弾性層の厚さは第1の弾性層の厚さの半分以下であることが好ましい。これにより、定着部材の高熱拡散と柔軟性の両立を可能にすることができる。
基材2としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂等の樹脂、これらの樹脂に磁性導電性粒子を分散したもの、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅等の金属、これら金属の合金などを用いることができる。
例えば、基材の材料を金型成型する方法が挙げられる。
基材の厚さは、好ましくは20〜500μm、更に好ましくは40〜150μmの範囲である。厚さが20μm未満の場合には強度低下を招くことがある。また、厚さが500μmを超える場合には熱容量の増大を招き、画像形成装置の高速化や立ち上がりの迅速性に影響することがある。
離型層5としては、フッ素樹脂を用いることができる。フッ素樹脂としては、例えば、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフロオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアアルキアルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。PTFEとしては、例えば、ルブロンL−5、L−2(ダイキン工業)、MP1100、MP1200、MP1300、TLP10F−1(三井・デュポンフロロケミカル)等が挙げられる。FEPとしては、例えば、532−8000(デュポン)が挙げられる。PFAとしては、例えば、AC−5600、AC−5539(ダイキン工業)、MP−102、MP−103、MP−300、350−J、451HP−J、950HP−Plus(三井・デュポンフロロケミカル)等が挙げられる。PFA・FEPとしては、例えば、SMT(グンゼ)が挙げられる。フッ素樹脂は比較的融点の低いもの(好ましくは250〜300℃)が加工性に優れるため好ましい。
また、離型層としては、フロロシリコーンゴムを用いることもできる。
例えば、離型層の材料をチューブ状にしたものを弾性層に被せる方法、湿式スプレー塗装や粉体塗装した後に焼き付ける方法などが挙げられる。
離型層の厚さは、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。厚さが0.5μm未満の場合には離型層の耐久性が劣り、また定着部材表面を十分平滑にすることが難しくなる。一方、厚さが50μmを超える場合には画像追従性の低下や伝熱抵抗の増大を招くことがあり好ましくない。
図3は、本発明の実施形態の1つの定着装置(ベルト方式)例の構成を示す概略図である。同図において、ベルト方式定着装置20は、本発明の定着部材である定着ベルト21、加圧ローラ22から構成されている。定着ベルト21には、加熱手段であるハロゲンランプ等のヒータ23、反射板24、加圧用のパッド25、温度センサー26が配置されている。加圧ローラ22は、定着ベルト21に圧接されており、記録媒体Pが通過してトナー像Tが定着されるニップ部を形成している。定着ベルト21は、基材である芯金の表面に弾性層と離型層を順次設けてあり、図1、図2における定着部材と同じ構造である。加圧ローラ22は、基材である芯金の表面に耐熱性ゴムで形成された弾性層と離型層を順次設けてある。
図4は、本発明の実施形態の1つの画像形成装置例の構成を示す概略図である。同図において、画像形成装置30は、トナー像を形成して記録媒体に転写する画像形成部と、記録媒体に転写された画像を定着させる定着装置とを有している。
画像形成部は、静電潜像が形成される像担持体31、像担持体31に接触して帯電処理を行う帯電ローラ32、レーザービーム等の露光装置33、像担持体31上に形成された静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ34、帯電ローラ32にDC電圧を印加するための電源35、像担持体31上のトナー像を記録媒体Pに転写処理する転写ローラ36、転写処理後の像担持体31をクリーニングするためのクリーニング装置37、像担持体31の表面電位を測定する表面電位計38等を備えている。定着装置39は、本発明に係る定着装置であり、定着ベルト40および加圧ローラ41から構成されている。
[定着部材の作製]
A−1工程:円筒状のステンレス基材(直径30mm、厚み40μm)上にシリコーン用プライマーを塗布して乾燥させた。
B−1工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE40d30)1.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物1−1を調製した。次に、A−1工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物1−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み150μmの第1の弾性層を形成した。
C−1工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、球状黒鉛(中越黒鉛工業所製、WF−15C)10重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE40d30)1.5重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物1−2を調製した。次に、B−1工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物1−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−1工程:C−1工程で形成した第2の弾性層上にシリコーン用プライマーを塗布して、フッ素樹脂チューブ(三井・デュポンフロロケミカル製、350−J)をかぶせ、300℃で10分間加熱して、厚み15μmの離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
以上の様にして製作した定着部材を画像形成装置(リコー製、imagio MP C5002)の定着装置に装着し、電源をONにしてからコピー開始可能になるまでの立ち上がり時間を測定した。続いて、ベタ画像500枚をA4縦で両面通紙し、光沢ムラを目視によりランク付けして判定した。試験紙としてはリコー製、フルカラーPPC用紙 タイプ6000<90W>を使用した。
[定着部材の作製]
A−2工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−2工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE80d30)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物2−1を調製した。次に、A−2工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物2−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−2工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)45重量部、球状黒鉛(中越黒鉛工業所製、WF−15C)15重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)551DE40d42)1.2重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物2−2を調製した。次に、B−2工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物2−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−2工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−2工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−3工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−3工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−65DE)1.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物3−1を調製した。次に、A−3工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物3−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−3工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、球状黒鉛(伊藤黒鉛工業製、SG−BH8)20重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE)1.2重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物3−2を調製した。次に、B−3工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物3−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み50μmの第2の弾性層を形成した。
D−3工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−3工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−4工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−4工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)40重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−80DE)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物4−1を調製した。次に、A−4工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物4−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−4工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)40重量部、球状黒鉛(伊藤黒鉛工業製、SG−BL30)10重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE)1.0重量部、ドデカン5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物4−2を調製した。次に、B−4工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物4−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−4工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−4工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−5工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−5工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)40重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−65DE)1.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物5−1を調製した。次に、A−5工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物5−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−5工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(三菱樹脂製、ダイアリード(R)K223HM、平均繊維長50μm)40重量部、窒化アルミニウム(古河電子製、FAN−f30、球状)5重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE)1.5重量部、ドデカン5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物5−2を調製した。次に、B−5工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物5−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み50μmの第2の弾性層を形成した。
D−5工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−5工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−6工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−6工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)35重量部、カーボンナノファイバー(昭和電工製、VGCF(R)−H)5重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−65DE)1.0重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物6−1を調製した。次に、A−6工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物6−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−6工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)35重量部、カーボンナノファイバー(昭和電工製、VGCF(R)−H)5重量部、窒化アルミニウム(東洋アルミニウム製、JCG)5重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE)1.0重量部、ドデカン15重量部を分散し、シリコーンゴム組成物6−2を調製した。次に、B−6工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物6−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−6工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−6工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−7工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−7工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)35重量部、カーボンナノファイバー(昭和電工製、VGCF(R)−H)5重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)F−65DE)1.0重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物7−1を調製した。次に、A−7工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物7−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−7工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)35重量部、カーボンナノファイバー(昭和電工製、VGCF(R)−H)5重量部、窒化ホウ素(昭和電工製、ショウビーエヌ(R)UHP−EX)5重量部、マイクロバルーン(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスフェアー(R)FN−80SDE)1.0重量部、ドデカン15重量部を分散し、シリコーンゴム組成物7−2を調製した。次に、B−7工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物7−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−7工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−7工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、本発明の定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−6工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−6工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE40d30)1.5重量部を分散し、シリコーンゴム組成物6−1を調製した。次に、A−6工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物6−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み250μmの第1の弾性層を形成した。
D−6工程:実施例1のD−1工程と同様にして、B−6工程で形成した第1の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、弾性層が1層である定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−7工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−7工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE80d30)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物7−1を調製した。次に、A−7工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物7−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−7工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)60重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)551DE40d42)1.2重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物7−2を調製した。次に、B−7工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物7−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−7工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−7工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、第2の弾性層中に球状熱伝導性フィラーが添加されていない定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−8工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−8工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)60重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE80d30)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物8−1を調製した。次に、A−8工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物8−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−8工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)30重量部、球状黒鉛(中越黒鉛工業所製、WF−15C)10重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)551DE40d42)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物8−2を調製した。次に、B−8工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物8−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−8工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−8工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、第2の弾性層中の熱伝導性フィラーの総含有量が、第1の弾性層中の熱伝導性フィラーの含有量よりも少ない定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
[定着部材の作製]
A−9工程:実施例1のA−1工程と同様にして、基材を形成した。
B−9工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、炭素繊維(日本グラファイトファイバー製、GRANOC(R)XN−100−05M)40重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)920DE80d30)1.2重量部を分散し、シリコーンゴム組成物9−1を調製した。次に、A−9工程で形成した基材上に、上記シリコーンゴム組成物9−1を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み200μmの第1の弾性層を形成した。
C−9工程:シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング製、DY35−2083)100重量部、球状黒鉛(中越黒鉛工業所製、WF−15C)50重量部、マイクロバルーン(日本フィライト製、エクスパンセル(R)551DE40d42)1.2重量部、ドデカン10重量部を分散し、シリコーンゴム組成物9−2を調製した。次に、B−9工程で形成した第1の弾性層上に、上記シリコーンゴム組成物9−2を塗布し、120℃で30分間加熱硬化させ、厚み100μmの第2の弾性層を形成した。
D−9工程:実施例1のD−1工程と同様にして、C−9工程で形成した第2の弾性層上に離型層を形成した。
以上の様にして、第2の弾性層中に針状熱伝導性フィラーが添加されていない定着部材を作製した。
実施例1と同様にして、定着部材を画像形成装置に装着し、立ち上がり時間と光沢ムラを評価した。
ランク1:立ち上がり時間が既製品よりも長い。判定×
ランク2:立ち上がり時間が既製品よりも短い(未満)。判定○
ランク1:ひどい光沢ムラがあり、異常画像である。判定×
ランク2:光沢ムラがあり、異常画像である。判定×
ランク3:光沢ムラが認められるが、許容レベルである(異常画像ではない)。判定○
ランク4:光沢ムラなし。判定○
一方、比較例1の定着部材は、高蓄熱の構造になっていないため、熱量不足に起因する光沢ムラが発生した。また、比較例2の定着部材は、第2の弾性層の柔軟性が低い構造であるため、追従性の低下に起因する光沢ムラが発生した。また、比較例3の定着部材は、第2の弾性層が熱拡散しにくい構造であるため、立ち上がり速度が遅く、熱量不足に起因する光沢ムラが発生した。また、比較例4の定着部材は、第2の弾性層が熱拡散しにくい構造であるため、立ち上がり速度が遅く、熱量不足に起因する光沢ムラが発生した。
このことから、本発明に係わる定着部材は高速立ち上げが可能であって、画像不良の発生を抑制できることが確認された。
2 基材
3 第1の弾性層
4 第2の弾性層
5 離型層
6a,b シリコーンゴム
7a,b 針状熱伝導性フィラー
8a,b マイクロバルーン
9 球状熱伝導性フィラー
20 ベルト方式定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ
23 ヒータ
24 反射板
25 加圧パッド
26 温度センサー
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電ローラ
33 露光装置
34 現像装置
35 電源
36 転写ローラ
37 クリーニング装置
38 表面電位計
39 定着装置
40 定着ベルト
41 加圧ローラ
Claims (5)
- トナーの定着に用いられる定着部材であって、
前記定着部材が、基材と、該基材の外周に設けられた第1の弾性層と、該第1の弾性層の外周に設けられた第2の弾性層と、該第2の弾性層の外周に設けられた離型層とを備えており、
該第1の弾性層は、針状熱伝導性フィラーとマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、
該第2の弾性層は、針状熱伝導性フィラーと球状熱伝導性フィラーとマイクロバルーンとを含有するシリコーンゴム組成物から成り、
前記第2の弾性層中の前記針状熱伝導性フィラー及び前記球状熱伝導性フィラーの総含有量が、前記第1の弾性層中の前記針状熱伝導性フィラーよりも多いことで、前記第2の弾性層は、前記第1の弾性層より熱拡散性及び蓄熱性が高く、
前記第2の弾性層は、前記球状熱伝導性フィラーを含むことで、前記第1の弾性層より柔軟性が高いことを特徴とする定着部材。 - 前記第2の弾性層の厚さが、前記第1の弾性層の厚さの半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
- 前記針状熱伝導性フィラーが炭素繊維であり、前記球状熱伝導性フィラーが球状黒鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着部材。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
- 請求項4に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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