JP2011203712A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Yuko Arisumi
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秀和 ▲柳▼沼
Hidekazu Yaginuma
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重雄 竹内
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Abstract

【課題】記録媒体上に形成した画像部のタッキネスによる裏写りや画像抜けを防止することができる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の樹脂微粒子に付与して樹脂微粒子を記録媒体Pに定着する定着液付与装置を有する定着装置であって、軟化剤を付与した樹脂微粒子表面に軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤154を付与する粘着防止剤付与装置150を備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置とそれを用いた画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、あるいはこれらのうちの複数の機能を有する複合機等の画像形成装置は、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に、画像情報に基づいて、文字や記号を含む画像を形成する装置であるが、特に電子写真方式の画像形成装置は普通紙に樹脂微粒子からなる高精細な画像を高速で形成することができるため広く使用されている。
ここで樹脂微粒子とは、成分の一つとして樹脂を含有する微粒子を指す。トナーとは電子写真方式の画像形成装置に使用される樹脂微粒子であり、樹脂微粒子中に帯電性能を発現させる電荷制御剤や色を発現させる色材、微粒子同士の固着を防止する材料など電子写真方式による画像形成を行なうために必要な機能を発現する材料が含まれている。
このような電子写真方式の画像形成装置においては、定着速度が速く、定着画像品質が高いため、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することにより、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。
しかしながら、このような熱定着方式を用いた電子写真方式の画像形成装置においては、消費電力の約半分以上がトナーを加熱することに消費されており、省エネルギー化を図り難いという課題を有している。
そこで、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置、即ち、加熱せずにトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法の定着装置が望まれている。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解または膨潤可能な有機溶媒を付着させることでトナーを軟化する湿式定着方法が開示されており、例えば特許文献1(特開2007−219105公報)には、定着液をフォーム状形態に生成し、生成したフォーム状の定着液の膜厚を制御して記録媒体上の樹脂微粒子に塗布して樹脂微粒子を記録媒体に定着する方法が開示されている。
このとき、トナーを軟化させる軟化剤としては特許文献2に記載されているような脂肪族エステルをはじめとし、多くのものが存在するが、揮発性有機化合物(VOC)の環境や人体に与える悪影響を考慮すると、不揮発性のものが望ましい。
なお、先行文献として、特許文献1には、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を媒体上の樹脂微粒子に塗布して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置であって、フォーム状の前記定着液を生成するフォーム状定着液生成手段と、生成されたフォーム状の前記定着液の膜厚を制御する膜厚制御手段と、膜厚が制御されたフォーム状の前記定着液を媒体上の樹脂微粒子に塗布する塗布手段とを具備する定着装置が開示されている。
また特許文献2には、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有する定着液を用い、前記樹脂と、前記定着液に反応して前記軟化剤による前記樹脂の軟化を制限する成分とを含有する樹脂微粒子に前記定着液を付与する定着方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている湿式定着方法において、特に不揮発性の軟化剤を用いると、トナーを記録媒体上に定着後も、トナー中の軟化剤は無くならずに存在し続けるため、トナーは軟らかいまま残る。そのため形成した画像にタッキネス(瞬間的な粘着力)が生じ、画像を形成した紙などの記録媒体を積み重ねた場合に、記録媒体への裏写りや、それによる画像抜けが生じる等の問題があった。
本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体上に形成した画像部のタッキネスによる裏写りや画像抜けを防止することができ、定着後の画像安定性および長期保存性を向上させることができる定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤と、水とを含有した定着液を、記録媒体上の樹脂微粒子に付与して該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着液付与手段を有する定着装置であって、前記軟化剤を付与した樹脂微粒子表面に前記軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤を付与する粘着防止剤付与手段を備えたことを特徴とする。
また請求項2に記載の本発明は、前記粘着防止剤がシリコーンオイルである請求項1に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項3に記載の本発明は、前記シリコーンオイルは、側鎖に少なくともポリエーテル基を有する請求項2に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項4に記載の本発明は、前記シリコーンオイルは、下記化学式(1)で表され、前記側鎖のポリエーテル基は、下記化学式(2)で表される請求項3に記載の定着装置を特徴とする。
Figure 2011203712
Figure 2011203712
また請求項5に記載の本発明は、前記側鎖にポリエーテル基を有するシリコーンオイルは、HLB値が7以下である請求項4に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項6に記載の本発明は、前記粘着防止剤がトリグリセリドである請求項1に記載の定着装置を特徴とする。
また請求項7に記載の本発明は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって形成された像を形成する像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子によって形成された像を記録媒体に転写する転写手段と、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を記録媒体上の樹脂微粒子に付与する定着液付与手段と、前記軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤を付与する粘着防止剤付与手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明では、粘着防止剤付与手段により軟化剤を付与した樹脂微粒子表面に軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤を付与することで、樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて形成した像の表面を粘着防止剤により覆うようにした。これにより、他の記録紙や物が定着された像に直接接することがなくなるため、タッキネスによる裏写りや画像抜けを防止することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。 図1及び図2に示す定着装置の定着液泡状化装置を図1の裏面側から見た拡大図である。 図1及び図2に示す定着装置のブレードとその動作を示した図である。 本発明の第3の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。 本発明の定着装置を搭載する画像形成装置の一例として、タンデム方式の画像形成装置の概略構成を示した図である。 図6に示す画像形成装置の画像形成ユニットの構成例を示した図である。 定着後のトナー像の表面に粘着防止剤が塗布された様子を示した図である。 定着後のトナー像の表面に粘着防止剤が塗布された様子を示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。
図示しない作像手段によって樹脂微粒子による画像(以下、「未定着のトナー像T」と記す)が形成された記録媒体は、本実施形態の定着装置100に搬送される。
本実施形態の定着装置100は、定着液Lを泡状化する定着液泡状化装置110と、定着液泡状化装置110によって泡状化された定着液L’を担持し、未定着のトナー像Tに塗布する塗布ローラ120と、塗布ローラ120の表面に担持される泡状化された定着液L’の膜厚を制御するブレード130と、塗布ローラ120と対向し、塗布ローラ120との間に搬送された記録媒体(例えば記録紙)Pを加圧する加圧ローラ140とからなる定着部105と、定着後の画像に粘着防止剤を付与する粘着防止剤付与装置150とからなる。
図1ではローラを使用した粘着防止剤付与装置150を示しており、粘着防止剤塗布ローラ151、液膜厚制御ブレード152、補助塗布ローラ153、粘着防止剤154、粘着防止剤タンク155から構成されている。
泡状化された定着液L’は、塗布ローラ120とブレード130との間に滴下される。このとき、泡状化された定着液L’は、嵩密度が小さいため、塗布ローラ120上の膜厚を大きくすることができる。泡状化された定着液L’の膜厚は、記録紙P上に形成された未定着のトナー像Tの厚さ、泡状化された定着液L’の泡の大きさ、粘度、未定着のトナー像Tに塗布する際の加圧力、環境温度に応じて、適宜選択される。その結果、未定着のトナー像Tに泡状化された定着液L’を十分に塗布することができ、未定着のトナー像Tを定着させることができる。さらに、定着されたトナー像T’が形成された記録紙Pに残液感が発生することを抑制できる。また、泡状化された定着液L’は、表面張力による影響を抑制することができるため、塗布ローラ120へのトナーのオフセットを抑制することができる。
さらに定着後のトナー像T’は、粘着防止剤付与装置150によって少なくとも定着されたトナー像T’表面に液体状の粘着防止剤が付与される。
図8に定着後のトナー像T’の表面に粘着防止剤154が塗布された様子を示す。
図8に示すように記録紙Pに定着されたトナー像T’の表面を粘着防止剤154が覆うことによって他の記録紙や物が定着されたトナー像T’に直接接することがなくなるため、タッキネスによる裏写りや画像抜けを防止することができる。
加熱ローラによるトナーの定着や型による樹脂の成型などでトナーや樹脂がローラや型に付着することを防止する方法として離型剤を利用するのはよく知られた方法である。しかし、これら従来知られているケースにおいては定着時もしくは成型時にローラや型に樹脂が粘着することを防止することが目的であるため、離型剤はローラ側や型側に塗布されている。
一方、本発明では記録紙P上に定着された定着後のトナー像T’の表面の粘着を防止することが目的であるため粘着防止剤154は、図8に示すように定着後のトナー像T’表面に塗布されていなければならない。
このとき粘着防止剤154は、定着液に含まれる軟化剤と相溶しない材料が選択される。粘着防止剤として軟化剤と相溶する材料を使用した場合には、軟化剤を含有する定着後のトナー像T’表面に粘着防止剤を塗布した場合、粘着防止剤と軟化剤とが溶け合ってしまい、図8に示したような定着後のトナー像T’表面を粘着防止剤154が被覆する構造をとることができないため、定着後のトナー像T’表面の粘着を防止することができない。軟化剤と相溶しない粘着防止剤を選択する場合には、定着後のトナー像T’表面を粘着防止剤で覆うことができるため定着後のトナー像T’のタッキネスを防止することができる。
本発明でいうところの相溶とは軟化剤と粘着防止剤とが目視でその境界を確認することができず一体になっている状態をいう。この場合、定着後のトナー像T’表面に粘着防止剤を塗布したとき定着剤と粘着防止剤とは一体となってしまうため図8に示すような定着後のトナー像T’表面を粘着防止剤が被覆する構造をとることができないため粘着をタッキネスを防止することができない。
相溶性の評価方法としては、軟化剤および粘着防止剤をひとつの瓶に入れ、振とう器や超音波ホモジナイザーなどで攪拌して静置した後の変化で評価することができる。静置後に二層に分離する場合には互いに相溶しないと判断する。静置後の液が軟化剤と粘着防止剤の境界が目視できず完全に一体となっている場合には相溶したと判断する。軟化剤または粘着防止剤のどちらか一方もしくは双方が白濁する場合もある。これは白濁した液に相手の液の微小滴が分散している状態である。この場合は軟化剤と粘着防止剤とが分子レベルまたはクラスターレベルで相溶しているわけではないが、混合している状態であるため定着後のトナー像T’表面の粘着を防止する効果が低減してしまうため好ましくない。
粘着防止剤としてはオイル状物質が好ましいが、軟化剤と相溶しない材料を選択する必要がある。後述するように軟化剤は脂肪酸エステル、クエン酸エステルや、炭酸エチレン、炭酸エステルといった炭酸エステルなどであり、これらに相溶しない粘着防止剤としてはシリコーンオイルや、トリグリセリドを用いることができる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、変性シリコーンなど一般的なシリコーンオイルが挙げられるが、親水性の高いポリエーテル変性シリコーンオイルが好適であり、特に親水親油バランス(HLB値)が7以下のポリエーテル変性シリコーンオイルが好適に用いられる。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの構造としては、主骨格が、下記化学式(1)の構造で、側鎖の有機基の部位に下記化学式(2)に示すポリエーテル基である構造や、化学式(1)の側鎖の有機基の部位が化学式(2)に示すポリエーテル基、下記化学式(3)に示す長鎖アルキル基、下記化学式(4)に示すアラルキル基である構造を挙げることができる。
Figure 2011203712
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ジメチルシリコーンは定着液に含まれる水分に対してはじく傾向があるため定着後のトナー像に塗布した場合に図9に示すように粘着防止剤154の厚さが薄くなる部分が発生する場合がある。この場合、初期のタックを防止することはできるが、長時間経過した場合に粘着防止剤154の厚さの薄い部分がさらに薄くなって長期安定性に難がある。一方、ポリエーテル変性シリコーンオイルを粘着防止剤として使用する場合には定着液に対する濡れ性が向上するため、定着後のトナー画像T‘表面へ塗布した場合の粘着防止剤層の膜厚安定性が向上し、長期にわたってタックを効果的に防止することができる。ポリエーテル変性シリコーンの水に対するなじみやすさはHLB値で表すことができる。HLB値は0から20までの値をとり、数値が大きいほど親水性を示す。水を含有する定着液に対するなじみやすさでいえばHLB値が大きいほうが良いが、一方でHLB値が大きくなると軟化剤との相溶性も高くなる傾向にあり、軟化剤との相溶が起きないHLB値の範囲としては7以下が望ましい。
トリグリセリドは、脂肪酸部位の構造によってさまざまな材料があるが例えば、トリドコサヘキサヘノイン、トリエイコサペンタエノイン、1−パルミトイル−2,3−オレオイルグリセロール、1,3−オレオイル−2−パルミトイルグリセロール、1−パルミトオレオイル−2−ステアロイル−3−リノレオイルグリセロール、1−リノレオイル−2−パルミトオレオイル−3−ステアロイルグリセロールなどを挙げることができる。
また、トリグリセリドが主成分である食用油、例えば、菜種油、キャノーラ油、コーン油、大豆油、ごま油、サラダ油なども好適に用いることができる。一方で、オイル状物質であってもオレイン酸、リノール酸といった脂肪酸は脂肪酸エステル、クエン酸エステルや、炭酸エチレン、炭酸プロピレンといった炭酸エステルなどの軟化剤に対して相溶する場合があるため、脂肪酸単体の材料は軟化剤との組み合わせによっては粘着防止剤として使用することはできない場合がある。
また、粘着防止剤は軟化剤を含有した定着後のトナー像T’表面を覆うことでタッキネスを防止するため、蒸発しにくい材料であることが必要である。
図1に示す粘着防止剤付与装置150は、記録媒体上に定着された定着後のトナー像T’に液体状の粘着防止剤154を均一に塗布する装置である。粘着防止剤154の塗布量が多すぎると記録媒体Pの質感が変わってしまい、逆に塗布量が少なすぎるとタッキネスを防止できなくなるため、一定量を均一に塗布できる装置でなければならない。
図1ではローラを用いた粘着防止剤付与装置を示している。粘着防止剤タンク155内の粘着防止剤154は、補助ローラ153によって汲み上げられ液膜厚制御ブレード152により液量を制御した後、粘着防止剤塗布ローラ151に塗布される。粘着防止剤塗布ローラ151を定着後のトナー像T’が形成されている記録媒体に押し当てることで定着後のトナー像T’上に粘着防止剤が塗布される。粘着防止剤塗布ローラ151および補助ローラ153の表面の材質は粘着防止剤によって変質せず、表面に粘着防止剤を保持できる材料であればよく、金属、ゴム、樹脂などを挙げることができる。
特に、粘着防止剤塗布ローラ151表面の材質がゴムの場合は記録媒体に押し当てたときに表面が記録媒体に沿って変形するため塗布均一性を損ない難い。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。
この図2に示す定着装置100では、粘着防止剤付与装置150がスプレー方式となっている。図示されない粘着防止剤タンクより供給された粘着防止剤をスプレーヘッド156によりミスト状にして記録媒体上の定着後のトナー像T’に塗布する。
定着液の液処方について説明する。
泡状の定着液は、上述したように、軟化剤を含有した液体中に気泡を含有した構成である。軟化剤を含有した液体は、気泡を安定に含有し、なるべく均一な気泡の大きさからなる気泡層を構成する泡状とするため、起泡剤及び増泡剤を有することが望ましい。また、ある程度粘度が高いほうが、気泡が安定して液体中に分散するため、増粘剤を含有することが望ましい。
また、起泡剤としては、陰イオン界面活性剤、特に、脂肪酸塩が望ましい。脂肪酸塩は界面活性を有するため、水を含有する定着液の表面張力を下げ、定着液を発泡しやすくするとともに、泡表面で脂肪酸塩が層状ラメラ構造をとるため泡壁(プラトー境界)が他の界面活性剤よりも強くなり、泡沫安定性が極めて高くなるまた、脂肪酸塩の起泡性を効果的にするため、定着液には水を含有することが望ましい。脂肪酸としては、大気中での長期安定性の観点から酸化に強い飽和脂肪酸が望ましい。但し、飽和脂肪酸塩を含有する定着液に若干の不飽和脂肪酸塩を含有することで脂肪酸塩の水に対する溶解・分散性を助け、5℃〜15℃までの低気温において、優れた起泡性を有することができ、広い環境温度範囲において定着の安定を可能とし、また、定着液長期放置中の脂肪酸塩の定着液中分離を防止することができる。
更に、飽和脂肪酸塩に用いる脂肪酸としては、炭素数12、14、16及び18の飽和脂肪酸、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が適する。炭素数が11以下の飽和脂肪酸塩は臭気が大きくなり、当該定着液を用いるオフィス・家庭で用いる画像形成機器に適さない。また、炭素数19以上の飽和脂肪酸塩は、水に対する溶解性が低下し、定着液の放置安定性を著しく低下させてしまう。これらの飽和脂肪酸による飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。
また、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1から3の不飽和脂肪酸が望ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。これらの不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上記飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いても構わない。
更に、上記飽和脂肪酸塩又は不飽和脂肪酸塩において、当該定着液の起泡剤として用いる場合、ナトリウム塩、カリウム塩もしくはアミン塩であることが望ましい。定着装置に電源を投入後、素早く定着可能な状態にすることは定着装置の商品価値として重要な要素である。定着装置において定着可能な状態とするためには、定着液が適切な泡状となっていることが必須であるが、上記の脂肪酸塩は素早く起泡することで、電源投入後定着可能な状態を短時間でつくることができる。特に、アミン塩とすることで、定着液にせん断力を加えたときに最も短時間で起泡し、泡状定着液を容易に作製することが可能であり、定着装置への電源投入後の定着可能な状態を最も短時間でつくることができる。
樹脂を溶解又は膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れている。
また、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きい、更に好ましくは5g/kgであることが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
更に、記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。
また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルの一般式は、R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについては、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の、軟化剤の添加によって、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれる、軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
更に、本発明における定着液において、好ましくは上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの一般式は、R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、クエン酸エステルや、炭酸エチレン、炭酸プロピレンといった炭酸エステルも軟化剤として適する。
ところで、泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。
また、記録媒体は、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、媒体は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が望ましい。記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙のごとき媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
上記の樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本発明の定着液との組合せにおいて最も定着への効果が高い。トナーは、色剤と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。媒体のうち、記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における油性とは、室温(20℃)における水に対する溶解度が、0.1重量%以下である性質を意味する。
また、泡状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状となった定着液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30mN/mとすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、単価もしくは多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、泡状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
本発明において、泡状化された定着液は、嵩密度が0.01〜0.1g/cm3であることが好ましいが、0.01〜0.05g/cm3がさらに好ましく、0.025〜0.05g/cm3が特に好適である。嵩密度が0.01g/cm3未満であると、定着液の付与が不十分となることがあり、0.1g/cm3を超えると、定着液を付与した時に記録媒体に残液感が生じることがある。
また、泡状化された定着液は、泡径が5〜50μmであることが好ましい。これにより、媒体上に形成された粒径が5〜10μmの樹脂微粒子を乱さずに、泡状化された定着液を樹脂微粒子に付与することができる。
泡状化された定着液L’の膜厚は、記録紙P上に形成された未定着のトナー像Tの厚さ、泡状化された定着液L’の泡の大きさ、粘度、未定着のトナー像Tに塗布する際の加圧力、環境温度に応じて、適宜選択される。
図3は、図1および図2に示す定着装置100の定着液泡状化装置110を、図1とは逆方向(裏面側)から見た拡大図である。
定着液泡状化装置110は、図3に示すように、定着液Lを入れる容器111と、容器111から定着液Lを搬送するポンプ112と、搬送された定着液Lに泡径が0.5〜1mmの粗大泡を生成させる粗大泡生成部113と、粗大泡が生成した定着液Lにせん断力を印加することにより粗大泡を分割して微小泡を生成させる微小泡生成部114とを有する。これにより、極めて短時間で、定着液Lに泡径が5〜50μmの微小泡を生成させることができ、泡状化された定着液L’が得られる。
ポンプ112としては、特に限定されず、ギヤポンプ、ベローズポンプ等が挙げられるが、チューブポンプが好ましい。チューブポンプは、チューブを変形させながら、チューブ内の定着液Lを押し出すため、定着液Lと接蝕する部材は、チューブのみである。このため、定着液Lに対して耐液性を有するチューブを用いることにより、定着液Lの汚染やポンプの部品の劣化を抑制することができる。また、チューブを変形させるだけなので、定着液Lの起泡を抑制することができ、搬送能力の低下を抑制することができる。
粗大泡生成部113には、空気口113aと、孔径が30〜100μmの微小孔シート113bとが設けられている。このとき、定着液Lが搬送されると共に、空気口113aに負圧が発生し、空気口113aから導入された空気が定着液Lと混合する。さらに、空気と混合した定着液Lが微小孔シート113bを通過することにより、泡径の揃った粗大泡が生成する。
なお、微小孔シート113bの代わりに、孔径が30〜100μmの連泡構造の多孔質部材を用いてもよい。このような多孔質部材としては、特に限定されないが、焼結セラミックス板、不織布、発泡樹脂シート等が挙げられる。
また、粗大泡生成部113に空気口113aと微小孔シート113bとを設ける代わりに、羽根状攪拌子を用いて、定着液Lを攪拌することにより、定着液Lに気泡を巻き込みながら粗大泡を生成させてもよいし、空気供給ポンプ等を用いて、定着液Lをバブリングすることにより、粗大泡を生成させてもよい。
微小泡生成部114は、回転可能な内側の円筒114aと外側の円筒114bからなる閉じた二重円筒である。このとき、外側の円筒114bの一部から、粗大泡が生成した定着液Lが供給され、回転している内側の円筒114aと外側の円筒114bの隙間を通過することにより、せん断力が印加される。これにより、粗大泡が分割されて微小泡が生成し、外側の円筒114bの一部から、泡状化された定着液L’が排出される。このとき、内側の円筒114aにらせん状の溝を設けて、微小泡生成部114内での粗大泡が生成した定着液Lの搬送能力を向上させてもよい。
図4は、図1および図2に示す定着装置100のブレード130とその動作を示す図である。
ブレード130は、図4に示すように、端部に設けられた回転軸131により、塗布ローラ120に対して、10〜100μmのギャップで隔てられている。このとき、泡状化された定着液L’の膜厚を薄くする場合は、ギャップを小さくし(図4(a)参照)、泡状化された定着液L’の膜厚を厚くする場合は、ギャップを大きくする(図4(b)参照)。
なお、ブレード130の代わりに、ワイヤーバーを用いてもよい。これにより、塗布ローラ120の軸方向の泡状化された定着液L’の膜厚の均一性を向上させることができる。
加圧ローラ140は、弾性層として、弱い加圧力で大きく変形することが可能なスポンジ(弾性多孔質体)を用いて構成されている。これにより、50〜300ミリ秒のニップ時間を確保することができる。このとき、泡状化された定着液L’が未定着のトナー像Tに浸透して記録紙Pまで到達した後に、塗布ローラ120と記録紙Pが剥離するようにニップ時間を調整する必要がある。
なお、ニップ時間とは、記録紙Pの搬送速度に対するニップ幅の比である。このとき、記録紙Pの搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データから求めることができる。また、ニップ幅は、塗布ローラ120の全面に着色塗料を薄く塗布した後、記録紙Pを塗布ローラ120及び対向する加圧ローラ140に挟んで加圧して、記録紙Pに着色塗料を付着させ、記録紙Pに付着した着色塗料の紙搬送方向の長さを測定することにより、求めることができる。
このため、記録紙Pの搬送速度に応じて、ニップ幅を調整する必要があるが、塗布ローラ120と加圧ローラ140の軸間距離を変更することにより、ニップ幅を調整することができる。
加圧ローラ140を構成するスポンジは、軟化剤に溶解又は膨潤しない材料であることが好ましい。また、スポンジの表面が軟化剤に溶解又は膨潤しない可撓性フィルムで覆われていてもよい。スポンジの材料としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等が挙げられる。また、可撓性フィルムとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。
なお、加圧ローラ140のスポンジの代わりに、弾性ゴムを用いてもよい。
定着装置100は、記録紙Pの搬送方向に対して、塗布ローラ120の上流側に、記録紙Pの先端を検知する手段を有し、検知信号に応じて、記録紙P上にのみ泡状化された定着液L’が塗布されるように、塗布ローラ120上に泡状化された定着液L’を形成することが好ましい。これにより、塗布ローラ120と加圧ローラ140が常時接触している構成であっても、記録紙Pが搬送されていない待機時に、塗布ローラ120上の泡状化された定着液L’が加圧ローラ140に付着することを抑制することができる。
また、定着装置100は、記録紙Pが搬送されていない待機時に、塗布ローラ120と加圧ローラ140を隔離させ、駆動機構により、記録紙P上に泡状化された定着液L’を塗布する時のみ、塗布ローラ120と加圧ローラ140を接触させる構成であってもよい。このとき、記録紙Pの先端を検知する手段を併用し、検知信号に応じて、塗布ローラ120と加圧ローラ140を接触させることが好ましい。さらに、記録紙Pの後端を検知する手段を設け、検知信号に応じて、塗布ローラ120と加圧ローラ140を隔離させることが好ましい。
さらに、定着装置100は、定着されたトナー像T’が形成された記録紙Pを加圧する一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。これにより、定着されたトナー像T’の表面が平滑化され、光沢を付与することができる。さらには、定着されたトナー像T’の記録紙Pに対する定着性を向上させることができる。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る定着装置の概略構成を示した図である。
この定着装置100’は、塗布ローラ120と対向し、塗布ローラ120との間に搬送された記録紙Pを加圧する加圧部材として、加圧ローラ140の代わりに、加圧ベルト140’を用いたものであり、それ以外は、図1の定着装置100と同一の構成である。これにより、加圧部のニップ幅を容易に大きくすることができる。
加圧ベルト140’としては、特に限定されないが、シームレスニッケルベルト、シームレスPET等の基体にPFA等の離型性フッ素樹脂がコートされているベルトが挙げられる。なお、図5で、塗布ローラ120の代わりに塗布ベルトを用いる構成や、塗布ローラ120の代わりに塗布ベルトを用いると共に、加圧ベルト140’の代わりに加圧ローラ140を用いる構成(図1で、塗布ローラ120の代わりに、塗布ベルトを用いる構成)であってもよい。
図6に、本発明の定着装置を搭載する画像形成装置の一例として、タンデム方式の画像形成装置の概略構成を示した図である。
なお、画像形成装置は、複写機又はプリンタ、あるいはこれらの機能とファクシミリの機能等を備えた複合機であってもよい。
図6に示す画像形成装置200は、未定着のトナー像Tを担持する中間転写ベルト201を有する。中間転写ベルト201は、3つの支持ローラ202、203及び204に張架されており、矢印Aの方向に回転する。中間転写ベルト201に対しては、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各画像形成ユニット205K、205Y、205M、及び205Cが配列されている。これらの画像形成ユニットの上方には、露光装置(不図示)が配置されている。
例えば、画像形成装置200が複写機である場合には、スキャナ(不図示)で原稿の画像情報を読み込み、読み込まれた画像情報に応じて、静電潜像を書き込むための露光光Lが露光装置(不図示)から照射される。中間転写ベルト201を挟んで中間転写ベルト201の支持ローラ204に対向する位置には、二次転写ベルト206が設けられている。二次転写ベルト206は、2つの支持ローラ207及び208の間に張架されている。なお、二次転写ベルト206の代わりに、転写ローラを用いてもよい。
中間転写ベルト201を挟んで中間転写ベルト201の支持ローラ202に対向する位置には、中間転写ベルト201上に残留したトナーを除去するベルトクリーニング装置209が配置されている。
一方、記録紙Pは、給紙部(不図示)から給紙、搬送され、一対の給紙ローラ(レジストローラとも言う)210を用いて給紙され、二次転写ベルト206を中間転写ベルト201に押し当てることにより、未定着のトナー像Tが記録紙Pに転写される。未定着のトナー像Tが転写された記録紙Pは二次転写ベルト206により搬送され、未定着のトナー像Tは、図1または図2に示した構成の定着装置100(図6には不図示)により定着される。このとき、記録紙Pに転写された未定着のトナー像Tには、露光装置(不図示)からの画像情報、例えば、カラー画像又は黒ベタ画像に基づいて、前述したように、膜厚が制御された泡状化された定着液L’が塗布される。そして、前述のように定着後のトナー像T’を担持した記録紙Pには、粘着防止剤付与装置150により粘着防止剤が塗布される。
図7は、図6に示す画像形成装置200の画像形成ユニットの構成例を示しており、各色の画像形成ユニットの構成は同じであり、現像に使用するトナーの色が異なっている。
図7に示すように、画像形成ユニット205は、静電潜像担持体である感光体ドラム205aの周囲に、帯電ローラ205b、現像装置205c、一次転写ローラ205d、クリーニング装置205e及び除電ランプ205fが配置されている。なお、この画像形成ユニット205では、感光体ドラム205aと、帯電ローラ205b、現像装置205c、クリーニング装置205e、除電ランプ205fのうちの少なくとも一つを、カートリッジに一体に収納したプロセスカートリッジを用いることもできる。
帯電ローラ205bは、接触帯電方式の帯電装置であり、帯電ローラ205bを感光体ドラム205aに接触させて、感光体ドラム205aに電圧を印加することにより、感光体ドラム205aの表面を一様に帯電する。
なお、帯電ローラ205aの代わりに、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を用いてもよい。
現像装置205cは、露光装置(不図示)から照射された露光光Lにより感光体ドラム205a上に書き込まれた静電潜像に、現像剤中のトナーを付着させて現像し、未定着のトナー像Tを形成する。なお、現像装置205cは、攪拌部(不図示)及び現像部(不図示)を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が一定になるように制御されている。
一次転写ローラ205dは、中間転写ベルト201を介して、感光体ドラム205aに対向する位置に設けられている。このとき、中間転写ベルト201を挟んで、一次転写ローラ205fを感光体ドラム205aに押し当て、転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム205a上に形成された未定着のトナー像Tが中間転写ベルト201上に転写される。
なお、一次転写ローラ205fの代わりに、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等の転写装置を用いてもよい。
クリーニング装置205eは、感光体ドラム205a上に残留したトナーを除去する。クリーニング装置205eは、感光体ドラム205aに押し当てられる先端を備えたブレードやブラシ、あるいは回転するブラシローラ等を有する。ここで、クリーニング装置205eにより回収されたトナーは、回収スクリュー(不図示)及びトナーリサイクル装置(不図示)により、現像装置205cに回収され、再利用される。
また、除電ランプ205fは、光を照射して感光体ドラム205aの表面電位を初期化する。
次に本発明の実施例を示す。
<定着液1>
ミリスチン酸(関東化学試薬)、パルミチン酸(関東化学試薬)、ステアリン酸(関東化学試薬)を重量比で4:3:1とした脂肪酸と、トリエタノールアミンを脂肪酸に対してモル比で0.7となる量をイオン交換水に投入し、80℃で30分攪拌後自然冷却して脂肪酸ジエタノールアミン塩溶液(溶液A)を調製した。次に上記溶液A中の脂肪酸濃度が4wt%、軟化剤であるプロピレンカーボネート(関東化学株式会社製)が40wt%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)が0.5wt%となるようにそれぞれをイオン交換水に混合し、超音波ホモジナイザーにて攪拌することで定着液1を調製した。
<定着液2>
定着液1と同じ溶液Aを使い、溶液A中の脂肪酸濃度が4wt%、軟化剤であるコハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製)が30wt%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)が0.5wt%、となるようにそれぞれをイオン交換水に混合し、超音波ホモジナイザーにて攪拌することで定着液2を調製した。
<定着液3>
定着液1と同じ溶液Aを使い、溶液A中の脂肪酸濃度が4wt%、軟化剤であるコハク酸ジエトキシエチル(クローダ社,クローダDES)が10wt%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)が0.5wt%、となるようにそれぞれをイオン交換水に混合し、超音波ホモジナイザーにて攪拌することで定着液3を調製した。
[画像形成方法]
画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(IpsioColorCX8800(リコー社製))を用いて、未定着のトナー像(カラー画像)を記録紙PであるPPC用紙T−6200(リコー社製)に形成した。次に、図1の構成の定着装置100を用いて、未定着のトナー像を定着した。
定着評価を以下のように行なった。
用意した定着液を図3の泡状化装置110を用いて定着液を泡状化する。容器111は、PET樹脂製のボトルであり、ポンプ112は、チューブの材質がシリコーンゴム、内径が2mmであるチューブポンプであり、定着液Lを搬送する流路は、内径が2mmのシリコーンゴムチューブである。また、粗大泡生成部113の微小孔シート113bは、開口部が約40μmのステンレス製の400メッシュシートである。さらに、内側の円筒114a及び外側の円筒114bは、PET製であり、内側の円筒114aは、外径が8mm、長さが100mmであり、外側の円筒114bは、内径が10mm、長さが120mmである。このとき、微小泡生成部114の内側の円筒114aは、回転軸に固定され、回転駆動モータ(不図示)により、300rpmで10秒間回転させることにより、泡状定着液を作成した。得られた泡状定着液を塗布ローラ120に供給する構成とした。なお、塗布ローラ120としては、PFA樹脂を焼付け塗装した直径が30mmのSUS製ローラを用い、加圧ローラ140としては、直径10mmのアルミ合金製ローラ(芯金)に、外径が50mmとなるように、ポリウレタンフォーム材カラーフォームEMO(イノアック社製)を形成したものを用いた。また、ブレード130としては、アルミ合金製の支持板に厚さが1mmの並板ガラスを接着し、ガラス面を塗布ローラ120の側に向け、塗布ローラ120とのギャップを40μm又は100μmとして塗布ローラ120上の泡状化された定着液L’の厚さを約70μm又は約150μmに調節した。なお、記録紙Pの搬送速度を300mm/秒とした。このとき、未定着のトナー像Tの厚さを30〜40μmとした。
粘着防止剤としてはトリグリセリドとしてキャノーラ油(日清キャノーラ油、日清オイリオ製)、ごま油(太白ごま油、武本油脂製)、トリドコサヘキサエノイン(生化学バイオビジネス製)を用いた。またシリコーンオイルとしてはジメチルシリコーンオイルSH−200(製品番号、粘度100cSt、東レダウコーニング製)およびメチルフェニルシリコーンKF−50(製品番号、粘度100cSt、信越シリコーン製)、ポリエーテル変性シリコーンX22−2516(製品番号、粘度70cSt、HLB値1、上記化学式(1)の骨格に対して側鎖に上記化学式(2)、上記化学式(3)、上記化学式(4)を有した構造、信越シリコーン製)を用いた。また、比較例として示す相溶する材料としてはオレイン酸(東京化成工業製)およびリノール酸(関東化学製)を用いた。
各定着液と粘着防止剤を使って定着した結果、およびそれぞれの場合の相溶性評価の結果を表1に示す。
相溶性の評価は定着液中の軟化剤と粘着防止剤とを一つの瓶に入れ超音波ホモジナイザーで攪拌する。静置後に軟化剤と粘着防止剤が二層に分離した場合を非相溶、分離しない場合を相溶とした。また、二層に分離するが、各層に相手の液体の微粒子が分散して白濁した状態になる場合を分散とした。
記録媒体上トナーのタッキネスをタッキネステスタ(株式会社レスカ製)を用いて評価した。定着後の画像部(記録媒体上のトナー)に円柱形ステンレスプローブ(直径φ8.0mm)を圧縮荷重100gfで20sec押付けた後、120mm/minの速度で引抜き、引抜き時にかかる応力を測定し、応力が0.0kPa以上4.0kPa以下を○(非画像部と同等、又はタッキネスほぼ無し)、4.0kPaを超えて10.0kPa以下を△(タッキネス小)、10.0kPaを超えるものを×を(タッキネス大)とした。引き抜き時の応力が4.0kPaを超える場合はタッキネスがあると評価した。
Figure 2011203712
Figure 2011203712
[実施例14]
上記実施例において、定着後のトナー画像表面に塗布された粘着防止剤の膜の状態を評価した結果を表2に示す。テストNo.1、2、3、4、5においては粘着防止剤の膜は厚さにムラがあり、図9に示す構造であったのに対し、テストNo.6、13では粘着防止剤の膜の厚さは均一性が高く図8の状態であった。表2に示したテストNo.のサンプルはいずれも初期のタッキネス防止効果は良好であった。長期保存テストとして80℃環境に10日間置くことで加速試験したところ、No.1、2、3,4、5のサンプルではタッキネスが発生して裏移りが生じたが、No.6、13のサンプルでは加速試験後もタッキネス防止効果を維持していた。
[実施例15]
Figure 2011203712
定着液2による定着後にHLB値の違う粘着防止剤を用いて本発明を実施した結果と、定着液2の軟化剤であるコハク酸ジカルビトールに対する相溶性とを表3に示す。粘着防止剤のHLB値が7以上とすれば軟化剤と粘着防止剤とが相溶しなくなり、粘着を防止できた。
表1から定着液に相溶しない材料を使用した場合には粘着を防止する効果があり、定着液に相溶する材料を使用した場合には粘着防止効果が得られず、粘着防止剤として使用できないことが示された。また、比較例3のように軟化剤と粘着防止剤が分散する場合には、粘着防止剤を使用しない場合よりはタッキネスが低下するものの充分ではないことが示された。
なお、本出願人は、先行技術として定着液に含まれる軟化剤によって軟化されないアンチブロッキング剤(AB剤)をタッキネスが生じている画像表面に付与することで画像表面をAB剤で覆い、タックを防止する技術を提案している。しかし、この先行技術で用いられるAB剤は、炭酸ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、フッ素樹脂、シリコーンゴム、PET樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、酸化鉄、酸化クロム、コバルトなど固体状の材料であるため、提案している先行技術では、画像表面がこれらの材料で覆われるために画像の色調や触ったときの質感が変わってしまい、画像品質や印刷品質が低下するため、本発明のほうがより好適である。
100…定着装置、105…定着部、110…定着液泡状化装置、111…容器、112…ポンプ、113…粗大泡生成部、113a…空気口、113b…微小孔シート、114…微小泡生成部、114a、114b…円筒、120…塗布ローラ、130…ブレード、131…回転軸、140…加圧ローラ、140’…加圧ベルト、150…粘着防止剤付与装置、151…粘着防止剤塗布ローラ、152…液膜厚制御ブレード、153…補助塗布ローラ、154…粘着防止剤、155…粘着防止剤タンク、156…スプレーヘッド、200…画像形成装置、201…中間転写ベルト、202、203、203、204…支持ローラ、205K、205Y、205M、205C…画像形成ユニット、206…二次転写ベルト、207、208…支持ローラ、209…ベルトクリーニング装置、210…給紙ローラ、205a…感光体ドラム、205b…帯電ローラ、205c…現像装置、205d…一次転写ローラ、205e…クリーニング装置、205f…除電ランプ
特開2007−219105公報 特開2008−102300公報

Claims (7)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤と、水とを含有した定着液を、記録媒体上の樹脂微粒子に付与して該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着液付与手段を有する定着装置であって、
    前記軟化剤を付与した樹脂微粒子表面に前記軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤を付与する粘着防止剤付与手段を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記粘着防止剤がシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記シリコーンオイルは、側鎖に少なくともポリエーテル基を有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記シリコーンオイルは、下記化学式(1)で表され、前記側鎖のポリエーテル基は、下記化学式(2)で表されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
    Figure 2011203712

    Figure 2011203712
  5. 前記側鎖にポリエーテル基を有するシリコーンオイルは、HLB値が7以下であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記粘着防止剤がトリグリセリドであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  7. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって形成された像を形成する像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子によって形成された像を記録媒体に転写する転写手段と、
    樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を記録媒体上の樹脂微粒子に付与する定着液付与手段と、
    前記軟化剤と相溶しない液体状の粘着防止剤を付与する粘着防止剤付与手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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