JP2011185981A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着液を用いた定着方式において定着液を構成している材料・物質の中の界面活性剤が介在して発生する電位低下により生じる画像濃度低下や画像ムラ(特にハーフトーン部が著しく目立つ)を解消することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー粒子に含有される樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、記録紙上の該樹脂を含有するトナー粒子に付与して、トナー粒子を記録紙に定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、帯電装置67と、静電潜像をトナーを含有する現像剤を用いて現像して未定着トナー像を形成する現像装置68と、中間転写ベルト51を介して記録紙に転写する転写装置59、71と、感光体ドラム66上の未転写トナーを除去するクリーニング装置69と、中間転写ベルト51上に付着している定着液の構成物質を除去するクリーニングユニット73を備えるようにした。
【選択図】図8
【解決手段】トナー粒子に含有される樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、記録紙上の該樹脂を含有するトナー粒子に付与して、トナー粒子を記録紙に定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、帯電装置67と、静電潜像をトナーを含有する現像剤を用いて現像して未定着トナー像を形成する現像装置68と、中間転写ベルト51を介して記録紙に転写する転写装置59、71と、感光体ドラム66上の未転写トナーを除去するクリーニング装置69と、中間転写ベルト51上に付着している定着液の構成物質を除去するクリーニングユニット73を備えるようにした。
【選択図】図8
Description
本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関わり、詳細には樹脂微粒子に含有される樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで前記樹脂を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の該樹脂を含有する微粒子に付与して、前記樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置を備えた画像形成装置の画像形成方法として好適なものである。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想である。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想である。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が、特許文献1に提案されている。
しかしながら、特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。
しかしながら、特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。
また、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、油性溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた油性の定着液が従来よりいくつか提案されている。
その一つとして例えば、特許文献2には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。
また、特許文献3には、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
しかし、上記特許文献1〜3も定着液を未定着トナー層に付与する構成であるが、図9(a)(b)に示すように、接触付与手段として、塗布ローラ81を用いて、記録媒体82上の未定着トナー層83へ定着液を塗布する構成において、定着液を記録媒体82に微量付与するために塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも薄い場合、塗布ローラ81が記録媒体82から分離する位置で、塗布ローラ81表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラ81の表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体82上の画像が大幅に乱れてしまう。
その一つとして例えば、特許文献2には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。
また、特許文献3には、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
しかし、上記特許文献1〜3も定着液を未定着トナー層に付与する構成であるが、図9(a)(b)に示すように、接触付与手段として、塗布ローラ81を用いて、記録媒体82上の未定着トナー層83へ定着液を塗布する構成において、定着液を記録媒体82に微量付与するために塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも薄い場合、塗布ローラ81が記録媒体82から分離する位置で、塗布ローラ81表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラ81の表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体82上の画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、図9に示すように、塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも十分厚い場合、塗布ローラ81が記録媒体28から分離する位置で、液量が多いため塗布ローラ81の表面の液膜による表面張力が直接トナー粒子に作用しにくくなり、ローラ側にトナーがオフセットしなくなるが、紙面に多量の定着液が塗布されるため、乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたる。さらに、定着画像(トナー)に粘着感(タック感)が生じてしまうため、何らかの媒体と重ねた場合、それに張り付いてしまう問題(ブロッキング)が生じる。さらに、張り付いた後、それを剥がそうとすると、トナーが張り付いた面から完全に剥がれず、定着画像は乱れてしまう。
また、特許文献4によれば、フォーム状の定着液を紙等の記録媒体上トナー等の樹脂を含有する微粒子に付与することにより比較的少量の付着量で、媒体上の微粒子層を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われるようになる。
また、特許文献4によれば、フォーム状の定着液を紙等の記録媒体上トナー等の樹脂を含有する微粒子に付与することにより比較的少量の付着量で、媒体上の微粒子層を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われるようになる。
ところで、それら定着液は軟化剤、可溶化剤、起泡剤、増泡剤、水溶性樹脂、希釈剤から構成されている。これらが作像プロセスの中で感光体や中間転写体などに付着することで不具合が生じる問題があった。それは感光体に付着して蓄積するとコロナチャージにより均一帯電を施してもムラに帯電したり、全体に電位低下を引き起こすために画像濃度(ID)が低下したり、ハーフトーン部のムラや白スジの原因となるなどの問題点があった。
本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、定着液を用いた定着方式において定着液を構成している材料・物質の中の界面活性剤が介在して発生する電位低下により生じる画像濃度低下や画像ムラ(特にハーフトーン部が著しく目立つ)を解消することができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、定着液を用いた定着方式において定着液を構成している材料・物質の中の界面活性剤が介在して発生する電位低下により生じる画像濃度低下や画像ムラ(特にハーフトーン部が著しく目立つ)を解消することができる画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の本発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の該樹脂を含有する微粒子に付与して、前記樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置を備えた画像形成装置の画像形成方法であって、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって樹脂微粒子像を形成する樹脂微粒子像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子像を中間転写体を介して媒体に転写する転写工程と、前記静電潜像担持体上の未転写樹脂微粒子を除去する樹脂微粒子除去工程と、前記中間転写体上に付着している前記定着液の構成物質を除去する定着液除去工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、前記定着液除去工程において、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いること特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、前記定着液除去工程において、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いる請求項2に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、前記定着液除去工程の後に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥工程を備えた請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、前記定着液除去工程は、アイドリング時に作動する請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、前記乾燥工程は、アイドリング時に作動する請求項4に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、前記定着液除去工程において、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いること特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、前記定着液除去工程において、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いる請求項2に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、前記定着液除去工程の後に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥工程を備えた請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、前記定着液除去工程は、アイドリング時に作動する請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、前記乾燥工程は、アイドリング時に作動する請求項4に記載の画像形成方法を特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の該樹脂を含有する微粒子に付与して、前記樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって樹脂微粒子像を形成する樹脂微粒子像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子像を中間転写体を介して媒体に転写する転写手段と、前記静電潜像担持体上の未転写樹脂微粒子を除去する樹脂微粒子除去手段と、前記中間転写体上に付着している前記定着液の構成物質を除去する定着液除去手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いる請求項7に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いる請求項8に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、前記定着液除去手段の下流側に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥手段を備えた請求項7乃至9の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、アイドリング時に作動する請求項7乃至10の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、前記乾燥手段は、アイドリング時に作動する請求項10に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いる請求項7に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いる請求項8に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、前記定着液除去手段の下流側に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥手段を備えた請求項7乃至9の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、前記定着液除去手段は、アイドリング時に作動する請求項7乃至10の何れか一項に記載の画像形成装置を特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、前記乾燥手段は、アイドリング時に作動する請求項10に記載の画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、静電潜像担持体上に付着している定着液の構成物質を除去する定着液除去工程を備えるようにしたことで、従来、両面コピーなどで定着液を構成している物質、特に界面活性剤が静電潜像担持体上に僅かに付着して少しずつ蓄積することに起因して発生していた電位低下を防止するようにしたことで、画像濃度低下や転写不良を引き起こし、ハーフトーン画像のムラや白スジ、白斑点などの異常画像の発生を防止することができる。
先ず、本発明の前提となる定着装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置に適用される定着装置の概略構成を示した図であり、(a)は全体構成図、(b)は塗布ローラの構成を示した図である。図2は、膜厚制御用ブレードによる膜厚制御の様子を示した概略図である。図3は、図1に示した定着装置におけるフォーム状定着液生成手段の構成を示した概略図である。図4は、図1に示した定着装置に設けられている加圧ローラの説明図である。図5は、図1に示した定着装置における定着液付与後の樹脂微粒子の定着の様子を示す概略断面図である。図6は、フォーム状定着液の構成を示す概略断面図である。
図1(a)に示す定着装置40は、後述するフォーム状定着液生成手段30と、このフォーム状定着液生成手段30によって生成された所望の微小な泡のフォーム状定着液を樹脂微粒子層(トナー粒子層)へ付与するための塗布ローラ41と、塗布ローラ面に所望の微小な泡のフォーム状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着トナー層の厚さに応じて制御し、フォーム状定着液の最適な膜厚の制御を行う膜厚制御用ブレード42と、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43とを具備している。
図1(b)に示すように、塗布ローラ41上にはフォーム状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じてフォーム状定着液の膜厚制御手段である膜厚制御用ブレード42を通して形成されており、この膜厚制御用ブレード42によってフォーム状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じたフォーム状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の膜厚となる。
所望の微小な泡のフォーム状定着液は、上記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されているフォーム状定着液生成手段30で生成され、液供給口より塗布ローラ41と膜厚制御用ブレード42との間に滴下される。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置に適用される定着装置の概略構成を示した図であり、(a)は全体構成図、(b)は塗布ローラの構成を示した図である。図2は、膜厚制御用ブレードによる膜厚制御の様子を示した概略図である。図3は、図1に示した定着装置におけるフォーム状定着液生成手段の構成を示した概略図である。図4は、図1に示した定着装置に設けられている加圧ローラの説明図である。図5は、図1に示した定着装置における定着液付与後の樹脂微粒子の定着の様子を示す概略断面図である。図6は、フォーム状定着液の構成を示す概略断面図である。
図1(a)に示す定着装置40は、後述するフォーム状定着液生成手段30と、このフォーム状定着液生成手段30によって生成された所望の微小な泡のフォーム状定着液を樹脂微粒子層(トナー粒子層)へ付与するための塗布ローラ41と、塗布ローラ面に所望の微小な泡のフォーム状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着トナー層の厚さに応じて制御し、フォーム状定着液の最適な膜厚の制御を行う膜厚制御用ブレード42と、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43とを具備している。
図1(b)に示すように、塗布ローラ41上にはフォーム状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じてフォーム状定着液の膜厚制御手段である膜厚制御用ブレード42を通して形成されており、この膜厚制御用ブレード42によってフォーム状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じたフォーム状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の膜厚となる。
所望の微小な泡のフォーム状定着液は、上記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されているフォーム状定着液生成手段30で生成され、液供給口より塗布ローラ41と膜厚制御用ブレード42との間に滴下される。
加圧ローラ43は、塗布ローラ41の押圧により撓む(塗布ローラ41に沿って変形する)材質であればよく、例えば、ゴム、合成樹脂等、特に限定されない。しかし、定着液中には樹脂軟化または膨潤剤が含有されており、加圧ローラに定着液が万が一付着した場合、その素材が軟化等の不具合が発生する恐れがあるため、加圧ローラの樹脂材は、軟化または膨潤剤に対し軟化や膨潤を示さない素材が望ましい。また、上記の形態に限らず、ローラ上にフォーム状定着液を保持するスペースを持ったフィルムを被せた構成であっても良い。加圧ローラが軟化または膨潤剤で劣化する素材であっても、軟化または膨潤剤により軟化や膨潤を示さないフィルムで覆うことで加圧ローラの劣化を防止することができる。加圧ローラとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの樹脂の多孔質体などが適する。また、加圧ローラを覆うフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、金属材料などが適する。
なお、フォーム状の定着液のかさ密度としては、0.01g/cm3〜0.1g/cm3程度の範囲が望ましい。更に、定着液付与時に媒体面に残液感を生じないようにするためには、泡の密度として、0.01g/cm3〜0.02g/cm3程度の範囲、特に0.02g/cm3以下が望ましい。なぜならば、図1の塗布ローラ41のように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間をフォーム状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μmから80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm2以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cm3から0.02g/cm3の範囲が必要で少なくとも0.02g/cm3以下の泡の密度が望まれる。
なお、フォーム状の定着液のかさ密度としては、0.01g/cm3〜0.1g/cm3程度の範囲が望ましい。更に、定着液付与時に媒体面に残液感を生じないようにするためには、泡の密度として、0.01g/cm3〜0.02g/cm3程度の範囲、特に0.02g/cm3以下が望ましい。なぜならば、図1の塗布ローラ41のように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間をフォーム状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μmから80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm2以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cm3から0.02g/cm3の範囲が必要で少なくとも0.02g/cm3以下の泡の密度が望まれる。
更に、定着液は、紙等の記録媒体上トナー等の樹脂微粒子層への塗布時にフォーム状となっていればよく、保存容器内でフォーム状である必要はない。保存容器中では気泡を含有しない液体で、容器から液を供給する時点や、樹脂微粒子層へ付与するまでの液搬送経路でフォーム状にする手段を設ける構成が望ましい。これは、保存容器では液体で、容器から液を取り出した後にフォーム状とする構成のほうが、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
また、フォーム状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御は、図2に示すように、塗布ローラ41とギャップを設けた液膜厚制御用ブレード42を用いることで、膜厚を薄くするときは図2(a)に示すようにギャップを狭くし、膜厚を厚くするときは図2(b)に示すようにギャップを広くする。
ギャップの制御は、液膜厚制御用ブレード42の端部に駆動を有する回転軸を用い、トナー層の厚さや環境温度等、更にはフォーム状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じたフォーム状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調整するための最適な膜厚を制御する。
また、フォーム状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御は、図2に示すように、塗布ローラ41とギャップを設けた液膜厚制御用ブレード42を用いることで、膜厚を薄くするときは図2(a)に示すようにギャップを狭くし、膜厚を厚くするときは図2(b)に示すようにギャップを広くする。
ギャップの制御は、液膜厚制御用ブレード42の端部に駆動を有する回転軸を用い、トナー層の厚さや環境温度等、更にはフォーム状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じたフォーム状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調整するための最適な膜厚を制御する。
図3に示すフォーム状定着液生成手段30は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤液32aを収容する定着液容器31aと、起泡剤液32bを収容する定着液容器31bと、定着液容器31aの軟化剤液32aを搬送する搬送ポンプ33aと、定着液容器31bの起泡剤液32bを搬送する搬送ポンプ33bと備えている。
定着液容器31aの軟化剤液32a、及び定着液容器31bの起泡剤液32bは、それぞれ搬送ポンプ33a、33b及び液搬送パイプ34a、34b等の液輸送手段により液混合部35に供給され、液混合部35において混合された後、気体・液体混合部36へ供給される。
気体・液体混合部36には、空気口37が設けられ、液の流れとともに、空気口37に負圧が発生し、空気口37から気体が気体・液体混合部36に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シートにより構成される泡生成部38を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μm程度が望ましい。なお、泡生成部38は、微小孔シートに限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30μm〜100μm程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。
定着液容器31aの軟化剤液32a、及び定着液容器31bの起泡剤液32bは、それぞれ搬送ポンプ33a、33b及び液搬送パイプ34a、34b等の液輸送手段により液混合部35に供給され、液混合部35において混合された後、気体・液体混合部36へ供給される。
気体・液体混合部36には、空気口37が設けられ、液の流れとともに、空気口37に負圧が発生し、空気口37から気体が気体・液体混合部36に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シートにより構成される泡生成部38を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μm程度が望ましい。なお、泡生成部38は、微小孔シートに限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30μm〜100μm程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。
また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成等も考えられる。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図3に示すようなフォーム状定着液生成手段30における微小な泡生成部38として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回転可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きなフォーム状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有するフォーム状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図3に示すようなフォーム状定着液生成手段30における微小な泡生成部38として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回転可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きなフォーム状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有するフォーム状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部38と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5μm〜50μm程度の微小な泡径を有するフォーム状定着液を生成させることができる。
なお、定着液容器31から液状定着液を泡化する機構に搬送する手段としては、図3では搬送ポンプ33を用いている。搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが望ましい。ギヤポンプ等ごとく定着液中で振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡して、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させる恐れがある。一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
なお、定着液容器31から液状定着液を泡化する機構に搬送する手段としては、図3では搬送ポンプ33を用いている。搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが望ましい。ギヤポンプ等ごとく定着液中で振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡して、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させる恐れがある。一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
また、図2に示した膜厚制御用ブレードのほかに、ワイヤーバーによって塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚みを制御し、フォーム状定着液は、上記のごとく、大きな泡を生成する大きな泡生成部とその大きな泡をせん断力で分泡する微小な泡生成部を有するフォーム状定着液生成手段によって生成され、液供給口より、膜制御ワイヤーバーと塗布ローラの間に滴下する。ワイヤーバーを膜制御手段として用いることで、ブレードに比べ、塗布ローラ面の軸方向のフォーム状定着液膜均一性が向上する。
また、本実施形態の定着装置40においては、加圧ローラ43を弾性層としてスポンジ素材を用いて構成した。ここで、フォーム状定着液がトナー等の樹脂微粒子層を浸透して紙等の媒体まで到達した後に塗布ローラ41と樹脂微粒子層が剥離するようにニップ時間のタイミングを取る必要がある。このため、ニップ時間として50mmsecから300mmsecの範囲を確保するため、本実施形態の定着装置40では、図4に示すように、加圧ローラ43を弱い加圧力で大きく変形可能なスポンジ部材を用いた。
なお、ニップ時間は、ニップ時間=ニップ幅/紙の搬送速度により算出される。紙の搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データにより求めることができる。ニップ幅は、塗布ローラ全面に乾燥しない着色塗料を薄くつけて、記録媒体を塗布ローラ41及び対峙する加圧ローラ43に挟んで加圧(ローラは回転させない状態で)し、記録媒体に着色塗料を付着させ、着色部(通常長方形の形に着色)における紙搬送方向の長さをニップ幅として測定することで求めることができる。記録媒体の搬送速度に応じて、ニップ幅を調整することでニップ時間をフォーム状定着液のトナー層浸透時間と同じかそれ以上にする必要がある。図4に示すように、記録媒体の搬送速度に応じて、塗布ローラ41と加圧ローラ43の軸間距離を変更しニップ幅を変えることが容易となる。
また、本実施形態の定着装置40においては、加圧ローラ43を弾性層としてスポンジ素材を用いて構成した。ここで、フォーム状定着液がトナー等の樹脂微粒子層を浸透して紙等の媒体まで到達した後に塗布ローラ41と樹脂微粒子層が剥離するようにニップ時間のタイミングを取る必要がある。このため、ニップ時間として50mmsecから300mmsecの範囲を確保するため、本実施形態の定着装置40では、図4に示すように、加圧ローラ43を弱い加圧力で大きく変形可能なスポンジ部材を用いた。
なお、ニップ時間は、ニップ時間=ニップ幅/紙の搬送速度により算出される。紙の搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データにより求めることができる。ニップ幅は、塗布ローラ全面に乾燥しない着色塗料を薄くつけて、記録媒体を塗布ローラ41及び対峙する加圧ローラ43に挟んで加圧(ローラは回転させない状態で)し、記録媒体に着色塗料を付着させ、着色部(通常長方形の形に着色)における紙搬送方向の長さをニップ幅として測定することで求めることができる。記録媒体の搬送速度に応じて、ニップ幅を調整することでニップ時間をフォーム状定着液のトナー層浸透時間と同じかそれ以上にする必要がある。図4に示すように、記録媒体の搬送速度に応じて、塗布ローラ41と加圧ローラ43の軸間距離を変更しニップ幅を変えることが容易となる。
また、図4において、待機時は塗布ローラ41と加圧ローラ43はそれぞれ離れており、図示していない駆動機構により、塗布時のみ、記録媒体の先端検知手段に応じて塗布ローラ41と加圧ローラ43を接触させる構成も望ましい。
図5に示すように、フォーム状定着液生成手段30によって定着液を泡で構成されたフォーム状定着液14とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に塗布ローラ41上の定着液層を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ41への樹脂微粒子のオフセットを防止できることがわかった。
更に、樹脂微粒子の大きさが5μm〜10μm程度の場合、記録媒体12上の樹脂微粒子層(未定着トナー)13を乱すことなくフォーム状定着液14を樹脂微粒子層13に付与するには、フォーム状定着液14の泡径範囲が、5μm〜50μm程度が必要であることがわかった。
図5に示すように、フォーム状定着液生成手段30によって定着液を泡で構成されたフォーム状定着液14とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に塗布ローラ41上の定着液層を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ41への樹脂微粒子のオフセットを防止できることがわかった。
更に、樹脂微粒子の大きさが5μm〜10μm程度の場合、記録媒体12上の樹脂微粒子層(未定着トナー)13を乱すことなくフォーム状定着液14を樹脂微粒子層13に付与するには、フォーム状定着液14の泡径範囲が、5μm〜50μm程度が必要であることがわかった。
図6は、フォーム状定着液の構成を示す概略断面図である。
この図6に示すように、気泡22で構成されたフォーム状定着液14は、気泡22のそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称す)21から構成される。
ところで、フォーム状定着液の起泡剤としては、界面活性剤の中でもアニオン系界面活性剤が、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができる。特にアニオン系界面活性剤の中でも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。
一方、軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しなくなり、泡が直ぐに破泡するため泡密度の低いフォーム状定着液を得ることができなくなる。
この図6に示すように、気泡22で構成されたフォーム状定着液14は、気泡22のそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称す)21から構成される。
ところで、フォーム状定着液の起泡剤としては、界面活性剤の中でもアニオン系界面活性剤が、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができる。特にアニオン系界面活性剤の中でも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。
一方、軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しなくなり、泡が直ぐに破泡するため泡密度の低いフォーム状定着液を得ることができなくなる。
そこで、この定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、非特許文献1にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。上記非特許文献1には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
ところが、後述するように、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤は、水と反応して加水分解してしまう傾向を持つため、水を含む起泡剤と別々に保管し、使用時に混合して使用することが望ましい。
ここで、本実施形態のフォーム状定着液を詳細に説明すると、軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較してアニオン系界面活性剤、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。一方、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。そこで、定着液中で、単独の脂肪酸塩でも良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合する方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
ここで、本実施形態のフォーム状定着液を詳細に説明すると、軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較してアニオン系界面活性剤、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。一方、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。そこで、定着液中で、単独の脂肪酸塩でも良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合する方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
ところで、定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。軟化剤の濃度として、10wt%未満では、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10wt%以上、特に軟化剤の濃度が30wt%以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤濃度30wt%において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、又は大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、密度の極めて低い泡化を可能とする。
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、又は大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、密度の極めて低い泡化を可能とする。
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12から18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。但し、最も組み合わせとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
一般的に0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。
そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目し、大きな泡から素早く5μm〜50μm程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できる。
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
一般的に0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。
そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目し、大きな泡から素早く5μm〜50μm程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できる。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置に適用される他の定着装置の概略構成を示した図である。なお、図4と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示す定着装置40は、図4に示した加圧ローラ43の代わりに加圧ベルト44を用いたものである。大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されているフォーム状定着液生成手段30で生成し、液供給口より所望の泡径を有するフォーム状定着液をフォーム状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42の供給口へチューブ等を用いて供給する。そして、フォーム状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と塗布ローラ41のギャップを調整して塗布ローラ41上のフォーム状定着液の層膜厚を制御し、フォーム状定着液の最適膜厚の制御を行っている。
このように、ベルトを用いる構成では、ニップ幅を容易に広くすることが可能となる。従って、ベルトを用いる構成は、図7に限らず、塗布ローラはベルトで、加圧手段をベルトではなく、ローラとする構成も望ましい。
図7に示す定着装置40は、図4に示した加圧ローラ43の代わりに加圧ベルト44を用いたものである。大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されているフォーム状定着液生成手段30で生成し、液供給口より所望の泡径を有するフォーム状定着液をフォーム状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42の供給口へチューブ等を用いて供給する。そして、フォーム状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と塗布ローラ41のギャップを調整して塗布ローラ41上のフォーム状定着液の層膜厚を制御し、フォーム状定着液の最適膜厚の制御を行っている。
このように、ベルトを用いる構成では、ニップ幅を容易に広くすることが可能となる。従って、ベルトを用いる構成は、図7に限らず、塗布ローラはベルトで、加圧手段をベルトではなく、ローラとする構成も望ましい。
また、塗布側又は加圧側の少なくとも一方をベルトとする構成とすることで容易にニップ幅を広くすることが可能となり、紙にしわが発生するような無理な力をかけることもなく、ニップ時間が同じだとすると紙の搬送速度を速くすることが可能となり、高速定着が可能となる。
なお、定着液中で、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1から3の不飽和脂肪酸が望ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。これらの不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上記飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いても構わない。
また、樹脂を溶解又は膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れている。
更に、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きい、更に好ましくは5g/kgであることが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
なお、定着液中で、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1から3の不飽和脂肪酸が望ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。これらの不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上記飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いても構わない。
また、樹脂を溶解又は膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れている。
更に、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きい、更に好ましくは5g/kgであることが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
また、記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。
この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。
この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルの一般式は、R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
よって、本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルの一般式は、R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについて、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
上記の飽和脂肪族エステルを使用する際、その加水分解を抑制するには、R1COOR2の加水分解物であるR1COOHとR2OHの少なくとも1種類を定着液に含有させることで、軟化剤の分解を抑制できる。上記の加水分解物としては、例えば、ラウリン酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。含有量については、特に限定しないが、カルボン酸化合物については、定着液のpHが7以下にならないような含有量、アルコール化合物については1wt%から30wt%の含有量の範囲が適当である。これらの含有量を超える場合は、定着液の起泡性が劣化するため適さない。
上記の飽和脂肪族エステルを使用する際、その加水分解を抑制するには、R1COOR2の加水分解物であるR1COOHとR2OHの少なくとも1種類を定着液に含有させることで、軟化剤の分解を抑制できる。上記の加水分解物としては、例えば、ラウリン酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。含有量については、特に限定しないが、カルボン酸化合物については、定着液のpHが7以下にならないような含有量、アルコール化合物については1wt%から30wt%の含有量の範囲が適当である。これらの含有量を超える場合は、定着液の起泡性が劣化するため適さない。
また、本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルも含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
よって、本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
更に、本実施形態における定着液において、好ましくは上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
更に、本実施形態における定着液において、好ましくは上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本実施形態における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの一般式は、R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、炭酸エステルである炭酸エチレンや炭酸プロピレンや炭酸ブチレンも軟化もしくは膨潤剤として適する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、炭酸エステルである炭酸エチレンや炭酸プロピレンや炭酸ブチレンも軟化もしくは膨潤剤として適する。
ところで、フォーム状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層にフォーム状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本実施形態における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。例えば、導電性部材を含有した樹脂微粒子でもよい。また、記録媒体は、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、媒体は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が望ましい。記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙のごとき媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、適用できる。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。例えば、導電性部材を含有した樹脂微粒子でもよい。また、記録媒体は、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、媒体は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が望ましい。記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙のごとき媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、適用できる。
上記の樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本実施形態の定着液との組合せにおいて最も定着への効果が高い。トナーは、色剤と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。媒体のうち、記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本実施形態における油性とは、室温(20℃)における水に対する溶解度が、0.1重量%以下である性質を意味する。
また、フォーム状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、フォーム状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、フォーム状となった定着液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30mN/mとすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、フォーム状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1、3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30mN/mとすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、フォーム状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1、3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
また、トナーの定着装置は、本実施形態における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって溶解又は膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解又は膨潤したトナーを加圧することによって、溶解又は膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
また、トナーの定着装置は、本実施形態における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって溶解又は膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解又は膨潤したトナーを加圧することによって、溶解又は膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
以下、これまでの説明を踏まえて本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
上述した本発明による画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する。よって、この別の発明の一実施形態例の画像形成装置によれば、それぞれ、上述したように、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する説明図であり、図8(a)は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示した図であり、図8(b)は従来の画像形成装置の概略構成を示した図である。また、図8(c)は、図8(a)(b)に示す画像形成装置の1つの画像形成ユニットの概略構成を示した図である。なお、図8においては、カラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置を例に挙げて説明するが、画像形成装置は、複写機又はプリンタであってもよい。
上述した本発明による画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する。よって、この別の発明の一実施形態例の画像形成装置によれば、それぞれ、上述したように、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する説明図であり、図8(a)は本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示した図であり、図8(b)は従来の画像形成装置の概略構成を示した図である。また、図8(c)は、図8(a)(b)に示す画像形成装置の1つの画像形成ユニットの概略構成を示した図である。なお、図8においては、カラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置を例に挙げて説明するが、画像形成装置は、複写機又はプリンタであってもよい。
図8(a)に示す本実施形態の画像形成装置50は、トナー像担持体として中間転写体である中間転写ベルト51を有する。この中間転写ベルト51は、3つの支持ローラ52〜54に張架されており、図中の矢印Aの方向に回転する。この中間転写ベルト51に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット55〜58が配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示していない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための各露光L1〜L4が露光装置により照射される。中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ54に対向する位置には、二次転写装置59が設けられている。二次転写装置59は、2つの支持ローラ60、61の間に張架された二次転写ベルト62で構成されている。なお、二次転写装置59としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。
また、中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ52に対向する位置には、ベルトクリーニング装置63が配置されている。ベルトクリーニング装置63は、中間転写ベルト51上に残留するトナーを除去するために配置されている。
また、中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ52に対向する位置には、ベルトクリーニング装置63が配置されている。ベルトクリーニング装置63は、中間転写ベルト51上に残留するトナーを除去するために配置されている。
そのうえで、本実施形態の画像形成装置50は、界面活性剤を洗浄するクリーニングユニット(定着液除去手段)73を設けることで、従来、両面コピーなどで面面の画像部に僅かに残存している定着液を構成している物質、特に界面活性剤が中間転写体ベルト51上に僅かに付着して少しずつ蓄積することで、中間転写ベルト51を介して感光体にも少しずつ付着することによって電位が低下し、その結果、発生していた画像濃度低下や転写不良によって引き起こされていたハーフトーン画像のムラや白スジ、白斑点などの異常画像を防止するようにした点に特徴がある。
このため、本実施形態の画像形成装置50のクリーニングユニット73は、支持ローラ72に対抗した位置に配置され中間転写ベルト51の表面をクリーニングフォームローラ74がカウンター方向に回転してクリーニングするクリーニングブレード75を設け、洗浄液(水)がノズル76からクリーニングフォームローラ74に供給されクリーニングユニット73に戻り回収される。
なお、次に作像ユニット55の直前の中間転写ベルト51上にはファン(シロッコファン)77を配置することで残存水分を完全除去するようになっている。場合によっては熱風でも良い)。
なお、図8(b)に示す従来の画像形成装置100の概略構成は、図8(a)に示した洗浄ユニット74を備えていない点以外は、図8(a)に示す本実施形態の画像形成装置と同一構成であるので詳細な説明は省略する。
このため、本実施形態の画像形成装置50のクリーニングユニット73は、支持ローラ72に対抗した位置に配置され中間転写ベルト51の表面をクリーニングフォームローラ74がカウンター方向に回転してクリーニングするクリーニングブレード75を設け、洗浄液(水)がノズル76からクリーニングフォームローラ74に供給されクリーニングユニット73に戻り回収される。
なお、次に作像ユニット55の直前の中間転写ベルト51上にはファン(シロッコファン)77を配置することで残存水分を完全除去するようになっている。場合によっては熱風でも良い)。
なお、図8(b)に示す従来の画像形成装置100の概略構成は、図8(a)に示した洗浄ユニット74を備えていない点以外は、図8(a)に示す本実施形態の画像形成装置と同一構成であるので詳細な説明は省略する。
上記のように構成される本実施形態の画像形成装置50においては、記録媒体としての記録紙64が一対の給紙ローラ65で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙64に転写する際に、二次転写ベルト62を中間転写ベルト51に押し当てることによってトナー像の転写を行う。トナー像が転写された記録紙64は、二次転写ベルト62によって搬送され、記録紙64に転写された未定着のトナー像は、図示していない露光装置からの画像情報に基づいてフォーム状の定着液の膜厚を制御する定着装置によって定着される。即ち、記録紙64に転写された未定着のトナー像には、図示していない露光装置からの画像情報、例えばカラー画像又は黒ベタ画像に基づいてフォーム状の定着液層の膜厚が制御されたトナーの定着装置から供給されるフォーム状の定着液が付与され、フォーム状の定着液に含まれる、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって、未定着のトナー像を、記録紙64に定着させる。
次に、図8(a)(b)に示す画像形成装置の画像形成ユニットについて説明する。
図8(c)に示すように、画像形成ユニット55〜58には、感光体ドラム66の周辺に、帯電装置67、現像装置68、クリーニング装置69、及び除電装置70が配置されている。
また、中間転写ベルト51を介して、感光体ドラム66に対向する位置に、一次転写装置71が設けられている。また、帯電装置67は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置67は、帯電ローラを感光体ドラム66に接触させて、感光体ドラム66に電圧を印加することにより、感光体ドラム66の表面を一様に帯電する。この帯電装置67としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。また、現像装置68は、現像剤中のトナーを感光体ドラム66上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。
ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明における定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置68は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。更に、一次転写装置71は、感光体ドラム66上で可視化されたトナーを中間転写ベルト51に転写する。ここでは、一次転写装置71としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト51を挟んで感光体ドラム66に押し当てている。一次転写装置71としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。また、クリーニング装置69は、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置69としては、感光体ドラム66に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置69によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置68に回収され、再利用される。更に、除電装置70は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム66の表面電位を初期化する。
このように本実施形態の画像形成装置50では、中間転写ベルト51上に付着している定着液の構成物質を除去するクリーニングユニット73を備えるように構成した。
図8(c)に示すように、画像形成ユニット55〜58には、感光体ドラム66の周辺に、帯電装置67、現像装置68、クリーニング装置69、及び除電装置70が配置されている。
また、中間転写ベルト51を介して、感光体ドラム66に対向する位置に、一次転写装置71が設けられている。また、帯電装置67は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置67は、帯電ローラを感光体ドラム66に接触させて、感光体ドラム66に電圧を印加することにより、感光体ドラム66の表面を一様に帯電する。この帯電装置67としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。また、現像装置68は、現像剤中のトナーを感光体ドラム66上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。
ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明における定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置68は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。更に、一次転写装置71は、感光体ドラム66上で可視化されたトナーを中間転写ベルト51に転写する。ここでは、一次転写装置71としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト51を挟んで感光体ドラム66に押し当てている。一次転写装置71としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。また、クリーニング装置69は、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置69としては、感光体ドラム66に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置69によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置68に回収され、再利用される。更に、除電装置70は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム66の表面電位を初期化する。
このように本実施形態の画像形成装置50では、中間転写ベルト51上に付着している定着液の構成物質を除去するクリーニングユニット73を備えるように構成した。
従来、両面コピーなどで定着液を構成している物質、特に界面活性剤は、中間転写ベルト51上に僅かに付着して少しずつ蓄積していく。そして、それら物質は中間転写ベルト51を介して感光体にも少しずつ付着して電位低下の原因となっていた。その結果、画像濃度低下や転写不良を引き起こし、ハーフトーン画像のムラや白スジ、白斑点などの異常画像が発生するという問題点があった。
この問題点と定着液を構成している物質・材料との関連を調べたところ起泡剤である界面活性剤が原因であると判明した。つまり、それら、界面活性剤が水分と吸着して、それらは低抵抗物質であるために電荷がリークすることで電位低下、およびムラの原因となっていることを見出した。
しかしながら、これら物質は単にブレードだけでは除去することは不可能でブレードだけではむしろ、それら物質を引き伸ばすことに過ぎないことも見出した。しかもこれら物質は少しずつ蓄積して両面コピーを通紙することで確実に問題が生じることも判明した。一方、これら界面活性剤は水を含んだ布で拭くと簡単に、そして完全に除去することが確認された。
なお、複写プロセスの行程、特に感光体を水拭きするアイディアは、特許文献5等において開示されているが、現状の複写プロセス行程、特に感光体廻りに水拭きユニット、乾燥ユニット(加熱・送風)等を付設するスペースは無く、近年、益々小型するプリンタでは導入は不可能と言って良い。
この問題点と定着液を構成している物質・材料との関連を調べたところ起泡剤である界面活性剤が原因であると判明した。つまり、それら、界面活性剤が水分と吸着して、それらは低抵抗物質であるために電荷がリークすることで電位低下、およびムラの原因となっていることを見出した。
しかしながら、これら物質は単にブレードだけでは除去することは不可能でブレードだけではむしろ、それら物質を引き伸ばすことに過ぎないことも見出した。しかもこれら物質は少しずつ蓄積して両面コピーを通紙することで確実に問題が生じることも判明した。一方、これら界面活性剤は水を含んだ布で拭くと簡単に、そして完全に除去することが確認された。
なお、複写プロセスの行程、特に感光体を水拭きするアイディアは、特許文献5等において開示されているが、現状の複写プロセス行程、特に感光体廻りに水拭きユニット、乾燥ユニット(加熱・送風)等を付設するスペースは無く、近年、益々小型するプリンタでは導入は不可能と言って良い。
そこで、本実施形態の画像形成装置では、中間転写ベルト51上に付着する定着液、なかんずく界面活性剤を感光体より上流で確実に除去するクリーニングユニット73を未転写トナー除去のクリーニング装置69の次工程に配置するようにした。そのうえで、クリーニングユニット73により定着液の構成物質を洗浄して除去することで、上述した異常画像の発生を防止することができる。
また本実施形態の画像形成装置50では、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去するクリーニング装置69の下流側にクリーニングユニット73を配置したことで、アイドリングのみではあるが二段クリーニングを行うことで、界面活性剤以外にも付着する異物を取り除くようにしているので、異常画像が発生し難い。その結果、安定な画像を提供し続けることができ、中間転写体や感光体の耐久性の向上を図ることできる。
また本実施形態の画像形成装置50では、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去するクリーニング装置69の下流側にクリーニングユニット73を配置したことで、アイドリングのみではあるが二段クリーニングを行うことで、界面活性剤以外にも付着する異物を取り除くようにしているので、異常画像が発生し難い。その結果、安定な画像を提供し続けることができ、中間転写体や感光体の耐久性の向上を図ることできる。
<脂肪酸トリエタノールアミン塩系定着液の調整>
次に、本実施形態で使用した定着液の調整方法について説明する。
脂肪酸であるミリスチン酸(関東化学試薬)を4.00g、パルミチン酸(関東化学試薬)を3.00g、ステアリン酸を1.00g(関東化学試薬)とし、中和剤であるトリエタノールアミンを3.41gになるようにそれぞれ計量し、それらを液温80℃のイオン交換水中で、30分間スターラー(100rpm)で撹拌したら、室温になるまで自然冷却する。それに、軟化剤や増泡剤などの残りの材料を添加して超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌して、それを定着液(フォーム化する前の原液)とした。細かい成分量については、後で詳細に記述する。
次に、本実施形態で使用した定着液の調整方法について説明する。
脂肪酸であるミリスチン酸(関東化学試薬)を4.00g、パルミチン酸(関東化学試薬)を3.00g、ステアリン酸を1.00g(関東化学試薬)とし、中和剤であるトリエタノールアミンを3.41gになるようにそれぞれ計量し、それらを液温80℃のイオン交換水中で、30分間スターラー(100rpm)で撹拌したら、室温になるまで自然冷却する。それに、軟化剤や増泡剤などの残りの材料を添加して超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌して、それを定着液(フォーム化する前の原液)とした。細かい成分量については、後で詳細に記述する。
<起泡剤液と軟化剤液の調整(1)>
起泡剤を含有する液(起泡剤液)は「脂肪酸トリエタノールアミン塩(脂肪酸TEA塩)を6.7g、増泡剤であるヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂、マーポンMM)を0.8g、イオン交換水92.5gをあらかじめ混合した液60.0g」、軟化剤を含有する液(軟化剤液)は「プロピレンカーボネート(関東化学試薬、PC)40.0g」とし、それぞれ、PET樹脂からなるボトル容器に入れた。
起泡剤を含有する液(起泡剤液)は「脂肪酸トリエタノールアミン塩(脂肪酸TEA塩)を6.7g、増泡剤であるヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂、マーポンMM)を0.8g、イオン交換水92.5gをあらかじめ混合した液60.0g」、軟化剤を含有する液(軟化剤液)は「プロピレンカーボネート(関東化学試薬、PC)40.0g」とし、それぞれ、PET樹脂からなるボトル容器に入れた。
<起泡剤液と軟化剤液の調整(2)>
起泡剤を含有する液(起泡剤液)は、「脂肪酸トリエタノールアミン塩(脂肪酸TEA塩)を4.5wt%、増泡剤であるヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂、マーポンMM)を0.6wt%、イオン交換水を94.9wt%をあらかじめ混合した希釈剤90.0wt%」、軟化剤を含有する液(軟化剤液)は「コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社、クローダDES)10wt%」とし、それぞれ、PET樹脂からなるボトル容器に入れた。
◇大きな泡生成部
図3を基に作製した。上記の液状定着液保存容器:PET樹脂からなるボトル2つ(「軟化剤」、「起泡剤」)、液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)、搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ、大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)という構成になっている。
◇微小な泡生成部
図3を基に作製した。2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モータにより回転する。2重円筒の材質は、PET樹脂とした。外側円筒内径:10mm、長さ120mm、内側円筒外形:8mm・長さ100mmとした。回転数は、300rpmとした。回転時間は10秒間とした。
◇定着液付与手段
図4を基に作製した。フォーム状の定着液を作成しブレードに供給する構成とした。ブレードと塗布ローラとのギャップは40μmとした。加圧ローラ:アルミ合金製ローラ(φ10mm)を芯金とし、外径Φ50mmのポリウレタンフォーム材(イノアック社商品名「カラーフォームEMO」)を形成したスポンジローラー、塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(φ30mm)、膜厚制御ブレード:アルミ合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着した、ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μmから100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした、紙搬送速度:150mm/sという構成になっている。
起泡剤を含有する液(起泡剤液)は、「脂肪酸トリエタノールアミン塩(脂肪酸TEA塩)を4.5wt%、増泡剤であるヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂、マーポンMM)を0.6wt%、イオン交換水を94.9wt%をあらかじめ混合した希釈剤90.0wt%」、軟化剤を含有する液(軟化剤液)は「コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社、クローダDES)10wt%」とし、それぞれ、PET樹脂からなるボトル容器に入れた。
◇大きな泡生成部
図3を基に作製した。上記の液状定着液保存容器:PET樹脂からなるボトル2つ(「軟化剤」、「起泡剤」)、液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)、搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ、大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)という構成になっている。
◇微小な泡生成部
図3を基に作製した。2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モータにより回転する。2重円筒の材質は、PET樹脂とした。外側円筒内径:10mm、長さ120mm、内側円筒外形:8mm・長さ100mmとした。回転数は、300rpmとした。回転時間は10秒間とした。
◇定着液付与手段
図4を基に作製した。フォーム状の定着液を作成しブレードに供給する構成とした。ブレードと塗布ローラとのギャップは40μmとした。加圧ローラ:アルミ合金製ローラ(φ10mm)を芯金とし、外径Φ50mmのポリウレタンフォーム材(イノアック社商品名「カラーフォームEMO」)を形成したスポンジローラー、塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(φ30mm)、膜厚制御ブレード:アルミ合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着した、ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μmから100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした、紙搬送速度:150mm/sという構成になっている。
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、上記の起泡剤と軟化剤液の調整(1)から、PC系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約70μmを塗布した。その様にして表面を塗布した後、さらに片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが付着し蓄積する。
この現象は数千枚の両面コピーをすることで発生する。そこで、図8(a)に示したごとく水による界面活性剤を除去するクリーニングユニット73を付設することで解消することができた。
この現象は数千枚の両面コピーをすることで発生する。そこで、図8(a)に示したごとく水による界面活性剤を除去するクリーニングユニット73を付設することで解消することができた。
より詳細に述べるとクリーニングユニット73はクリーニングフォームローラ74とクリーニングブレード75と水供給ノズル76からなり、ノズルから供給された水は図示されていないがクリーニングフォームローラ74全体に均一に行き渡るように拡散板により供給されて、供給された水はクリーニングブレード75で掻き取られて、使用していない時は、蒸発しない液体であって、水より比重が小さく、水に浮かぶシリコーンオイル等が混入しているクリーニングユニット73へと戻る。
これらの結果、感光体寿命(交換サイクル)、両面コピーで25K(片面で50K:5万枚)ランニングで感光体の電位低下は50V以下でスタートとほとんど変化しなかったことを確認した。また、中間転写体上(ベルト)のトナーが転写紙に転写する転写率はスタート時95%が両面コピーで25K時点では92%と、これもほとんど変化がなかった。なお、本実施例は1日2.5Kを10日間のランニングで実施した。そして、これら界面活性剤除去クリーニングユニット73は1日のランニングスタートのアイドリング時のみ作動した。
これらの結果、感光体寿命(交換サイクル)、両面コピーで25K(片面で50K:5万枚)ランニングで感光体の電位低下は50V以下でスタートとほとんど変化しなかったことを確認した。また、中間転写体上(ベルト)のトナーが転写紙に転写する転写率はスタート時95%が両面コピーで25K時点では92%と、これもほとんど変化がなかった。なお、本実施例は1日2.5Kを10日間のランニングで実施した。そして、これら界面活性剤除去クリーニングユニット73は1日のランニングスタートのアイドリング時のみ作動した。
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、上記の起泡剤と軟化剤液の調整(2)から、DCS系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約115μmを塗布した。その様にして表面を塗布した後、さらに片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが付着し蓄積する。
実施例2と同様、数千枚の両面コピーをすることで発生する。そこで、図8(a)に示したごとく水による界面活性剤を除去するクリーニングユニット73を付設することで解消することができた。より詳細に述べるとクリーニングユニット73はクリーニングフォームローラ74とクリーニングブレード75と水供給ノズル76からなり、ノズルから供給された水は図示されていないがクリーニングフォームローラ74全体に均一に行き渡るように拡散板により供給されて、供給された水はクリーニングブレード75で掻き取られて、使用していない時は、蒸発しない液体であって、水より比重が小さく水に浮かぶグリセリン等が混入しているクリーニングユニット73へと戻る。
これらの結果、感光体寿命(交換サイクル)、両面コピーで25K(片面で50K:5万枚)ランニングで感光体の電位低下は70V以下でスタートとほとんど変化しなかったことを確認した。また、中間転写体上(ベルト)のトナーが転写紙に転写する転写率はスタート時94%が両面コピーで25K時点では90%と、これもほとんど変化がなかった。なお、本実施例は1日2.5Kを10日間のランニングで実施した。そして、これら界面活性剤除去クリーニングユニット73は1日のランニングスタートのアイドリング時のみ作動した。
これらの結果、感光体寿命(交換サイクル)、両面コピーで25K(片面で50K:5万枚)ランニングで感光体の電位低下は70V以下でスタートとほとんど変化しなかったことを確認した。また、中間転写体上(ベルト)のトナーが転写紙に転写する転写率はスタート時94%が両面コピーで25K時点では90%と、これもほとんど変化がなかった。なお、本実施例は1日2.5Kを10日間のランニングで実施した。そして、これら界面活性剤除去クリーニングユニット73は1日のランニングスタートのアイドリング時のみ作動した。
[比較例1]
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、上記の起泡剤と軟化剤液の調整(1)から、PC系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約75μmを塗布した。その様にして表面を塗布しコピーした後、さらにもう片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが、定着液を構成している材料・物質、なかんずくアニオン界面活性剤が付着し蓄積する。図8(b)の作像プロセスにて両面コピーを実施したところ両面コピーで4K(片面コピー8K:8千枚)で白スジや白斑点などの異常画像が出始め、両面コピー8Kでは異常画像が許容を越えるほど目立った。なお、転写率はスタート時95%に対して25K時点で77%に低下した。
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、上記の起泡剤と軟化剤液の調整(1)から、PC系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約75μmを塗布した。その様にして表面を塗布しコピーした後、さらにもう片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが、定着液を構成している材料・物質、なかんずくアニオン界面活性剤が付着し蓄積する。図8(b)の作像プロセスにて両面コピーを実施したところ両面コピーで4K(片面コピー8K:8千枚)で白スジや白斑点などの異常画像が出始め、両面コピー8Kでは異常画像が許容を越えるほど目立った。なお、転写率はスタート時95%に対して25K時点で77%に低下した。
[比較例2]
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、起泡剤と軟化剤液の調整(2)から、DCS系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約100μmを塗布した。その様にして表面を塗布しコピーした後、さらにもう片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが、定着液を構成している材料・物質、なかんずくアニオン界面活性剤が付着し蓄積する。
図8(b)の作像プロセスにて両面コピーを実施したところ両面コピーで3K(片面コピー6K:6千枚)で白スジや白斑点などの異常画像が出始め、両面コピー5Kでは異常画像が許容を越えるほど目立った。なお、転写率はスタート時95%に対して25K時点で68%に低下した。
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200、A4紙)に形成させた。トナー層の厚みは30〜40μmであった。なお、起泡剤と軟化剤液の調整(2)から、DCS系定着液を作製した後、微小なフォーム状定着液生成手段で泡を作製し、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。未定着トナーが形成された紙に塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚み約100μmを塗布した。その様にして表面を塗布しコピーした後、さらにもう片面を同様にして作像して定着液を塗布して両面コピーした。その際、搬送路の二次転写体や片面の画像形成後もう片方の画像形成の際に中間転写体に未転写トナーとともに僅かではあるが、定着液を構成している材料・物質、なかんずくアニオン界面活性剤が付着し蓄積する。
図8(b)の作像プロセスにて両面コピーを実施したところ両面コピーで3K(片面コピー6K:6千枚)で白スジや白斑点などの異常画像が出始め、両面コピー5Kでは異常画像が許容を越えるほど目立った。なお、転写率はスタート時95%に対して25K時点で68%に低下した。
<白スジ ランクの内容>
・ランク5:白スジ全く無し
・ランク4:ハーフトーン部に僅かに確認できる
・ランク3:ハーフトーン部で確認されるが許容
・ランク2:ハーフトーン部で多く確認、許容できない
・ランク1:ベタ部でも確認される。
<白斑点 ランクの内容>
・ランク5:白斑点が全く無い
・ランク4:ハーフトーン部に僅かに確認できる
・ランク3:ハーフトーン部で確認されるが許容
・ランク2:ハーフトーン部で多く確認、許容できない
・ランク1:ベタ部でも確認される。
結果からも明らかな様に本発明のごとくアイドリングで中間転写体表面を水で洗浄して界面活性剤を除去することで画像濃度や白スジや白斑点などの異常画像は解消できることが明らかとなった。
・ランク5:白スジ全く無し
・ランク4:ハーフトーン部に僅かに確認できる
・ランク3:ハーフトーン部で確認されるが許容
・ランク2:ハーフトーン部で多く確認、許容できない
・ランク1:ベタ部でも確認される。
<白斑点 ランクの内容>
・ランク5:白斑点が全く無い
・ランク4:ハーフトーン部に僅かに確認できる
・ランク3:ハーフトーン部で確認されるが許容
・ランク2:ハーフトーン部で多く確認、許容できない
・ランク1:ベタ部でも確認される。
結果からも明らかな様に本発明のごとくアイドリングで中間転写体表面を水で洗浄して界面活性剤を除去することで画像濃度や白スジや白斑点などの異常画像は解消できることが明らかとなった。
11;塗布ローラ、12;記録媒体、13;樹脂微粒子層、14;フォーム状定着液、30;フォーム状定着液生成手段、40;定着装置、50;画像形成装置
石井淑夫著、「泡のエンジニアリング」初版、株式会社テクノシステム、2005年3月25日発行、P.489
Claims (12)
- 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の樹脂微粒子に付与して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置を備えた画像形成装置における画像形成方法であって、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって樹脂微粒子像を形成する樹脂微粒子像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子像を中間転写体を介して媒体に転写する転写工程と、
前記静電潜像担持体上の未転写樹脂微粒子を除去する樹脂微粒子除去工程と、
前記中間転写体上に付着している前記定着液の構成物質を除去する定着液除去工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着液除去工程において、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いること特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記定着液除去工程において、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記定着液除去工程の後に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥工程を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 前記定着液除去工程は、アイドリング時に作動することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 前記乾燥工程は、アイドリング時に作動することを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、媒体上の樹脂微粒子に付与して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記樹脂微粒子を含有する現像剤を用いて現像して樹脂微粒子によって樹脂微粒子像を形成する樹脂微粒子像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された樹脂微粒子像を中間転写体を介して媒体に転写する転写手段と、
前記静電潜像担持体上の未転写樹脂微粒子を除去する樹脂微粒子除去手段と、
前記中間転写体上に付着している前記定着液の構成物質を除去する定着液除去手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着液除去手段は、前記定着液の構成物質を洗浄する洗浄液として、水を用いること特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記定着液除去手段は、前記洗浄液として、前記水と前記水より比重が小さい液体を用いることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記定着液除去手段の下流側に、前記洗浄液を乾燥させる乾燥手段を備えたことを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記定着液除去手段は、アイドリング時に作動することを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記乾燥手段は、アイドリング時に作動することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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