JP5347435B2 - 定着液、定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

定着液、定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、トナー等の樹脂微粒子を媒体に定着させる定着液、定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置に関する
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解乃至膨潤可能で、水に不溶又は難溶な有機合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧又は滴下してトナーを溶解乃至膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、前記特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙等の記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。
また、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、油性溶媒にトナーを溶解乃至膨潤させる材料を溶解させた油性の定着液がいくつか提案されている。
例えば、特許文献2には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。
また、特許文献3には、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることができる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量部に対し、シリコーンオイル8容量部〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解乃至膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
しかし、前記特許文献1〜3においても定着液を未定着トナー層に付与する構成であるが、図1A及び図1Bに示すように、接触付与手段として、塗布ローラ81を用いて、記録媒体82上の未定着トナー層83へ定着液を塗布する構成において、定着液を記録媒体82に微量付与するために塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも薄い場合、塗布ローラ81が記録媒体82から分離する位置で、塗布ローラ81の表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラ81の表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体82上の画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、図1A及び図1Bに示すように、塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも十分厚い場合、塗布ローラ81が記録媒体28から分離する位置で、液量が多いため塗布ローラ81の表面の液膜による表面張力が直接トナー粒子に作用しにくくなり、ローラ側にトナーがオフセットしなくなるが、紙面に多量の定着液が塗布されるため、トナー粒子が過剰な定着液により記録媒体2上で流され画質劣化を生じたり、乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じてしまう。また、紙に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有する場合、紙等のセルロースを含有する媒体への塗布量が多い場合、紙等の媒体が著しくカールし、画像形成装置などにおける装置内の紙等の媒体搬送時に紙ジャム発生の恐れがある。
よって、このような定着液でローラ塗布を行う構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止ための紙上のトナー層への定着液微量塗布と定着ローラへのトナーオフセット防止を両立することが極めて難しい。なお、接触塗布手段として、ダイコート手段、ブレード塗布手段、ワイヤーバー塗布手段を用いた場合も、定着液が微量になると接触塗布手段に表面張力でトナーが付着してしまい、画像劣化が生じる。
以上のように、接触塗布手段による、従来の定着液処方では、定着応答性を向上するための紙上のトナー層への定着液微量塗布とトナー画像を乱さず均一塗布することを両立することが極めて難しい。また、記録媒体上のトナーに限ったことではなく、媒体上の樹脂微粒子層に液状の定着液を付与する構成ではどの場合も生じる問題点である。
そこで、これらの問題点を解決するため、泡状の定着液を紙等の媒体上のトナー等の樹脂を含有する微粒子に付与することにより、媒体上の樹脂微粒子層を乱すことなく、かつ該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残液感が発生しない程度の微量塗布が可能になった(特許文献4及び5参照)
しかし、前記特許文献4の定着液で用いられている軟化剤としての脂肪酸エステルは、同じく定着液中に含まれる水と反応して徐々に分解してしまうため、定着性能が徐々に低下し、定着不良が発生するという問題がある。また、軟化剤の分解物は、定着液の起泡性、泡沫安定性を低下させることがあるため、泡状定着液の泡密度が徐々に高くなり、定着液の塗布量が増え、残液感やカールが発生するという問題がある。
また、前記特許文献5の定着液で用いられている軟化剤としての脂肪酸エステルは、同じく定着液中に含まれる脂肪酸アミン塩の存在により水との反応が加速され、定着性能の経時的な低下、起泡性、泡沫安定性の経時的な低下が著しいという問題がある。
また、エステル化合物が水により徐々に加水分解されることは、既に公知であり、医薬品、化粧品分野においては、エステル化合物を含有する水組成物のエステルの加水分解を抑制する試みがなされている。例えば、特許文献6には、エステル結合を有するカチオン界面活性剤及び水を含むカチオン界面活性剤組成物(柔軟剤組成物)において、水溶性アルカリ金属塩及び水溶性アルカリ土類金属塩の少なくとも1種を加えることで、エステル結合を有するカチオン界面活性剤の加水分解を抑制する方法が提案されている。
また、特許文献7では、多価アルコール脂肪酸エステルを配合した水性洗浄剤組成物において、アルキルポリグルコシドを添加することにより、多価アルコール脂肪酸エステルの加水分解を抑制する方法が提案されている。
また、特許文献8では、エステル系非イオン界面活性剤、グリチルリチン酸又はその塩類を配合した点眼剤において、シクロデキストリン又はその誘導体を配合することにより、グリチルリチン酸又はその塩類によるエステル系非イオン界面活性剤の加水分解を抑制する方法が提案されている。
しかし、前記特許文献6〜8に記載されているエステル化合物の加水分解抑制剤を、前記特許文献4及び特許文献5の定着液に添加しても、軟化剤の分解抑制と定着液の起泡性、泡沫安定性は達成できないことは明らかである。
したがって軟化剤の分解進行を抑制した定着液を極めて低い密度になるように泡化し、紙等の媒体上のトナー等の樹脂微粒子を乱すことなく、かつ該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残液感が発生しない程度の微量塗布が可能であり、定着性が良好な樹脂微粒子の定着液、該定着液を用いた定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置の提供が望まれているのが現状である。
特許第3290513号公報 特開2004−109749号公報 特開昭59−119364号公報 特開2007−219105号公報 特開2008−058550号公報 特開平10−251972号公報 特開平7−173490号公報 特許第3597239号公報 石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、軟化剤の分解進行を抑制した定着液を極めて低い密度になるように泡化し、紙等の媒体上のトナー等の樹脂微粒子を乱すことなく、かつ該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残液感が発生しない程度の微量塗布が可能であり、定着性が良好な樹脂微粒子の定着液、該定着液を用いた定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 樹脂の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤と、アニオン系界面活性剤と、アスコルビン酸化合物と、溶媒とを含有することを特徴とする定着液である。
該<1>に記載の定着液においては、アスコルビン酸化合物を定着液中に含有させることで、軟化剤の分解が抑制され、定着液の保存安定性が高まる。また、アスコルビン酸化合物を定着液中に含有させても、アニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない。また、生成した泡の泡沫安定性を低下させない。よって、液から所望の泡密度となる起泡時間が極めて短く、かつ泡沫安定性に優れた泡状定着液を容易に作製することが可能となる。
<2> 軟化剤が、エステル化合物である前記<1>に記載の定着液である。
該<2>に記載の定着液においては、軟化剤としてのエステル化合物は、樹脂微粒子の軟化能力が高いため、樹脂微粒子を媒体へ素早く定着できる。
<3> エステル化合物が、脂肪族エステルである前記<2>に記載の定着液である。
該<3>に記載の定着液においては、エステル化合物が脂肪族エステルであることにより、アニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない。
<4> エステル化合物が、炭酸エステルである前記<2>に記載の定着液である。
該<4>に記載の定着液においては、エステル化合物が炭酸エステルであることにより、高濃度になってもアニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない。
<5> アニオン系界面活性剤が、炭素数12〜18の脂肪酸塩である前記<1>から<4>のいずれかに記載の定着液である。
該<5>に記載の定着液においては、アニオン系界面活性剤としての炭素数12〜18の脂肪酸塩は、起泡性に優れるため、極めて短時間で所望の泡密度の泡状定着液を作製可能である。
<6> 脂肪酸塩が、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、及び脂肪酸アミン塩のいずれかである前記<5>に記載の定着液である。
該<6>に記載の定着液においては、脂肪酸塩が脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩又は脂肪酸アミン塩であることにより、泡沫安定性に優れ、安定した微量塗布量による定着が可能となる。
<7> アスコルビン酸化合物が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム、及びアスコルビン酸2−グルコシドから選択されるいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載の定着液である。
該<7>に記載の定着液においては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム、及びアスコルビン酸2−グルコシドから選択されるいずれかが、軟化剤の分解抑制効果が高いため、定着液の長期安定性が飛躍的に高まる。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、
泡状定着液付与手段の接触面上に付与された泡状定着液膜の膜厚を所望の厚みに制御する膜厚制御工程と、
該所望の厚みに制御された泡状定着液膜を媒体上の樹脂微粒子層に付与する泡状定着液付与工程と
を含むことを特徴とする定着方法である。
該<8>に記載の定着方法においては、本発明の前記定着液を泡状化し、泡状定着液を接触付与面に所望の膜厚で形成し、所望の膜厚の泡状定着液膜を媒体上の樹脂微粒子に付与して該樹脂微粒子を媒体に定着させることによって、定着装置の立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
<9> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に付与する、曲面部を少なくとも一部に有する泡状定着液付与手段と、
該泡状定着液付与手段の接触面上に付与された泡状定着液膜の膜厚を制御する膜厚制御手段と、を有することを特徴とする定着装置である。
該<9>に記載の定着装置においては、前記該泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段により泡状定着液を生成する。前記泡状定着液付与手段により泡状定着液膜を媒体上の樹脂微粒子層に付与する。前記膜厚制御手段により泡状定着液付与手段の接触面上の泡状定着液膜の膜厚を制御する。その結果、立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
<10> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を含む画像形成方法であって、
前記定着工程が、前記<8>に記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法である。
該<10>に記載の画像形成方法においては、本発明の前記定着方法を定着工程としているので、立ち上がり時間を短くでき、安定して微量の塗布量で定着が可能となると共に、紙等の媒体に定着不良のない画像形成が可能となる。
<11> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、
前記定着手段として、前記<9>に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置である。
該<11>に記載の画像形成装置においては、本発明の前記定着装置を定着手段として用いているので、定着不良やタック感を帯びた定着を起こすことがなく、定着信頼性が高くなると共に、余分な定着液の付与が低減するため、定着液の消費が削減でき、かつ非加熱にて従来に比べ極めて低電力定着を可能とする。
本発明の定着液によると、軟化剤の分解進行を抑制した定着液を極めて低い密度になるように泡化し、紙等の媒体上のトナー等の樹脂微粒子を乱すことなく、かつ該樹脂微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残液感が発生しない程度の微量塗布が可能となる。
本発明の定着方法によると、本発明の前記定着液を泡状化して用いているので、定着装置の立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
本発明の定着装置によると、本発明の前記定着液を泡状化して用いることにより、定着装置の立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
本発明の画像形成方法によると、本発明の前記定着方法を含むので、立ち上がり時間を短くでき、安定して微量の塗布量で定着が可能となると共に、紙等の媒体に定着不良のない画像形成が可能となる。
本発明の画像形成装置によると、本発明の前記定着装置を用いることにより、定着不良やタック感を帯びた定着を起こすことがなく、定着信頼性が高くなると共に、余分な定着液の付与が低減するため、定着液の消費が削減でき、かつ非加熱にて従来に比べ極めて低電力定着が可能となる。
(定着液)
本発明の定着液は、軟化剤と、アニオン系界面活性剤と、アスコルビン酸化合物と、溶媒とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明においては、図2に示すように、後述する泡状定着液生成手段によって定着液を泡で構成された泡状定着液14とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に塗布ローラ11上の定着液層を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ11への樹脂微粒子のオフセットを防止できる。
更に、樹脂微粒子の平均粒径が5μm〜10μm程度の場合、記録媒体12上の樹脂微粒子層13を乱すことなく泡状定着液14を樹脂微粒子層13に付与するには、泡状定着液14の泡径範囲が、5μm〜50μmが好ましい。なお、図3に示すように、気泡22で構成された泡状定着液20は、気泡22のそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称することがある)21から構成される。
−軟化剤−
前記軟化剤は、樹脂の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を含有する微粒子を軟化させる機能を有する。
前記軟化剤としては、エステル化合物であることが好ましい。該エステル化合物は、トナー等の樹脂微粒子に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させる溶解性乃至膨潤性に優れている。前記エステル化合物の中でも、脂肪族エステル、炭酸エステルが、樹脂の軟化能力が優れている点で特に好ましい。また、後述する起泡剤としてのアニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない点からも好ましい。
前記軟化剤は、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きいことが好ましく、5g/kg以上であることがより好ましい。前記脂肪酸エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高いものである。
また、記録媒体に対する樹脂微粒子としてのトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。即ち、前記軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。前記脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数〔10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率)〕を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
前記脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。前記脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、前記飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解乃至膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解乃至膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、本発明の定着液において、好ましくは、前記飽和脂肪族エステルの一般式は、RCOORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、Rは、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R及びRの炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、前記飽和脂肪族エステルが、一般式RCOORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、Rは、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる。また、前記一般式RCOORで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、該化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えばラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、などが挙げられる。これらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、前記脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについて、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
前記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含むことが好ましい。前記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解乃至膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが好ましい。前記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶解乃至膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、本発明の定着液において、好ましくは、前記脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、R(COORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R及びRの炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、前記脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R(COORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、前記一般式R(COORで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、該化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えばコハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
更に、本発明の定着液において、好ましくは、前記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。前記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本発明の定着液において、好ましくは、前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの一般式は、R(COOR−O−Rで表される化合物を含み、Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。R、R及びRの炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R(COOR−O−Rで表される化合物を含み、Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる。また、前記一般式R(COOR−O−Rで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、該化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えばコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジカルビトール、アジピン酸ジメトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒で用いる場合、必要に応じてグリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
前記炭酸エステルとしては、例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、グリセロール1,2−カルボナート、4−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
また、前記以外のエステル化合物としては、例えばクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート等のグリコールをエステル化した化合物;モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン等のグリセリンをエステル化した化合物などが挙げられる。
前記軟化剤の含有量は、0.5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、トナーに含まれる樹脂を溶解乃至膨潤させる効果が不十分になることがあり、50質量%を超えると、長時間に亘りトナーに含まれる樹脂の流動性を低下させることができず、定着トナー層が粘着性を有する可能性がある。
−溶解助剤−
前記定着液中の軟化剤濃度が高くなると希釈溶媒である水に軟化剤が溶解しにくくなる場合がある。そこで、溶解助剤として、多価のアルコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどを定着液中に含有させることで、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性が向上することがわかった。また、前記多価のアルコール類の含有量は、1質量%〜30質量%の範囲が好ましい。前記含有量が、30質量%を超えると、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
−アスコルビン酸化合物−
本発明の定着液には、軟化剤の分解を抑制するために、アスコルビン酸化合物(アスコルビン酸又はその誘導体)が含有されている。軟化剤はエステル基を有しているため、水と徐々に反応して加水分解されるが、定着液中に起泡剤である脂肪酸アミン塩が存在すると、脂肪酸アミン塩が触媒的に作用し、軟化剤と水との反応が加速されてしまう。一方、アスコルビン酸又はその誘導体は、C=C二重結合とカルボニル基の間で電子を非局在化して安定化できる分子構造を有しているため、定着液中で脂肪酸アミン塩と電気的に分子間作用し、脂肪酸アミン塩による加水分解反応の触媒的な作用を阻害する。それにより、軟化剤の加水分解を抑制することができる。また、アスコルビン酸又はその誘導体と脂肪酸アミン塩とが電気的に安定な構造をとるため、定着液の起泡性、泡沫安定性は低下しない。
前記軟化剤の分解を抑制するアスコルビン酸又はその誘導体としては、例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム、アスコルビン酸2−硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸2−グルコシド、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸二パルミチン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム、アスコルビン酸2−グルコシドは、軟化剤の分解抑制効果が高く、定着液の起泡性、泡沫安定性を低下させないため、特に好ましい。
前記アスコルビン酸化合物の含有量は、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.05質量%〜5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、軟化剤の分解を十分に抑制することができないことがあり、10質量%を超えると、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
−アニオン系界面活性剤−
前記アニオン系界面活性剤が優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができ、起泡剤として用いられる。
前記アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。一方、軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しなくなり、泡が直ぐに破泡するため泡密度の低い泡状定着液を得ることができなくなる。
そこで、この定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、『石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489』にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。前記『石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489』には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
ところが、後述するように、起泡剤として炭素数12〜18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12〜18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できる。
ここで、軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12〜18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16)、ステアリン酸塩(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。一方、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12〜18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。そこで、定着液中で、単独の脂肪酸塩でもよいが、炭素数12〜18の脂肪酸塩を混合する方が更に優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが好ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の質量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
前記アニオン系界面活性剤の含有量は、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、起泡性が不十分になることがあり、20質量%を超えると、定着液の粘度が高くなり、起泡性が低下する可能性がある。
定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。前記軟化剤の濃度として、10質量%未満であると、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10質量%以上、特に軟化剤の濃度が30質量%以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤の含有量が30質量%において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
ただし、前記脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、後述する具体例からわかるように、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、又は大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5〜1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12〜18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12〜18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、密度の極めて低い泡化を可能とする。
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12〜18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度の増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。ただし、最も組み合わせとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
更に、前記脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、脂肪酸アミン塩が適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5〜1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミン塩を混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
なお、定着液中で、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1〜3の不飽和脂肪酸が好ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。これらの不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上記飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いても構わない。
泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が好適である。
−媒体−
前記媒体としては、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等の何れでもよい。ただし、媒体は定着液に対し浸透性を有することが好ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が好ましい。
前記媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙等の媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
前記媒体のうち、記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒としては、水、水にアルコール類等を添加した水性溶媒、などが好ましい。
水としては、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水性溶媒を用いる場合には、界面活性剤を添加することで、表面張力を20mN/m〜30mN/mとすることが好ましい。前記アルコール類としては、泡状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点から、例えばセタノール等の単価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も好ましい。その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが好ましい。
なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
−樹脂微粒子−
定着の対象となる樹脂を含有する樹脂微粒子としては、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよく、導電性部材を含有した樹脂微粒子でもよい。
前記樹脂微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本発明の定着液との組合せにおいて最も定着に対する効果が高い。
<トナー>
前記トナーは、着色剤と、帯電制御剤と、結着樹脂と、離型剤とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。
また、泡状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナー粒子に対して、十分な親和性を有することが好ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。即ち、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20mN/m〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状となった定着液の表面張力は、20mN/m〜30mN/mであることが好ましい。
(定着方法及び定着装置)
本発明の定着方法は、泡状定着液生成工程と、膜厚制御工程と、泡状定着液付与工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の定着装置は、泡状定着液生成手段と、泡状定着液付与手段と、膜厚制御手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の定着方法は、本発明の定着装置により好適に実施することができ、前記泡状定着液生成工程は前記泡状定着液生成手段により行うことができ、前記膜厚制御工程は前記膜厚制御手段により行うことができ、前記泡状定着液付与工程は前記泡状定着液付与手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−泡状定着液生成工程及び泡状定着液生成手段−
前記泡状定着液生成工程は、本発明の前記定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する工程であり、泡状定着液生成手段により実施される。
ここで、本発明の定着液を泡状化する媒体面全体に対し樹脂微粒子層の厚みに応じて、後述するように定着液付与手段の面における泡状定着液膜の膜厚を制御している。しかし、例えば樹脂微粒子がトナーであり、媒体上にカラー画像や白黒文字が混在する場合、媒体面全体を同じ厚みの泡状定着液層で付与するとカラー写真画像のごとく厚いトナー層では定着不良や画像抜けが生じたり、白黒文字部に粘着感が生じて印刷物同士がくっついたりする部分不具合が生じる場合がある。以下に、その不具合の原因について詳細に説明する。
一般的に0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡の生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目し、大きな泡から素早く5μm〜50μm程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できる。
そして、大きな泡を生成した後大きな泡を分泡し微小な処方の泡を生成する泡状定着液生成手段30における大きな泡生成部としては、図4に示すように、定着液容器31内の上述した本発明の液状定着液92を搬送ポンプ33及び液搬送パイプ34等の液輸送手段を用いて気体・液体混合部35へ供給する。
気体・液体混合部35には、空気口36が設けられ、液の流れとともに、空気口36に負圧が発生し、空気口36から気体が気体・液体混合部35に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シート37を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μmが好ましい。図4の微小孔シート37に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径が30μm〜100μmである焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も好ましい。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図4に示すような泡状定着液生成手段30における微小な泡生成部38として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きな泡状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5μm〜50μmの微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
−膜厚制御工程及び膜厚制御手段−
前記膜厚制御工程は、泡状定着液付与手段の接触面上に付与された泡状定着液膜の膜厚を所望の厚みに制御する工程であり、膜厚制御手段により実施される。
前記膜厚制御手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば膜厚制御用ブレード、ブレードと塗布ローラとの組み合わせ、などが挙げられる。
−泡状定着液付与工程及び泡状定着液付与手段−
前記泡状定着液付与工程は、所望の厚みに制御された泡状定着液膜を媒体上の樹脂微粒子層に付与する工程であり、前記泡状定着液付与手段により実施される。
ここで、図5A及び図5Bは、本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。ここで、樹脂微粒子はトナー粒子である。図5Aに示す本発明の定着装置40は、上述した泡状定着液生成手段30によって生成された所望の微小な泡の泡状定着液を樹脂微粒子層(トナー粒子層)へ付与するための塗布ローラ41と、塗布ローラ面に所望の微小な泡の泡状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて制御し、泡状定着液の最適な膜厚の制御を行う泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43とを具備している。図5Bに示すように、塗布ローラ41上には泡状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42を通して形成されており、この泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42によって泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の膜厚となる。所望の微小な泡の泡状定着液は、上記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段30で生成され、液供給口より塗布ローラ41と泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42との間に滴下される。
なお、泡状の定着液のかさ密度としては、0.01g/cm〜0.1g/cm程度の範囲が好ましい。更に、定着液付与時に媒体面に残液感を生じないようにするためには、泡の密度として、0.01g/cm〜0.02g/cmが好ましく、0.02g/cm以下がより好ましい。なぜならば、図5A及び図5Bの塗布ローラ41のように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の樹脂微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μm〜80μmが好ましい。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm以下が好ましい。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cm〜0.02g/cmの範囲が好ましく、0.02g/cm以下の泡の密度がより好ましい。
更に、定着液は、紙等の記録媒体上にトナー等の樹脂微粒子層を塗布時に泡状となっていればよく、保存容器内で泡状である必要はない。保存容器中では気泡を含有しない液体で、容器から液を供給する時点や、樹脂微粒子層へ付与するまでの液搬送経路で泡状にする手段を設ける構成が好ましい。これは、保存容器では液体で、容器から液を取り出した後に泡状とする構成のほうが、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
また、泡状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御は、図6A及び図6Bに示すように、塗布ローラ41とギャップを設けた液膜厚制御用ブレード42を用い、図6Aに示すように膜厚を薄くするときはギャップを狭くし、図6Bに示すように膜厚を厚くするときはギャップを広くする。ギャップの制御は液膜厚制御用ブレード42の端部に駆動を有する回転軸を用い、トナー層の厚さや環境温度等、更には泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調製するための最適な膜厚を制御する。
次に、定着液容器から液状定着液を泡化する機構に搬送する手段としては、図4では搬送ポンプを用いている。搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが好ましい。ギヤポンプ等ごとく定着液中で振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡し、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させる恐れがある。一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
また、図6A及び図6Bの膜厚制御用ブレードのほかに、ワイヤーバーによって塗布ローラ上の泡状の定着液の厚みを制御し、泡状定着液は、上記のごとく、大きな泡を生成する大きな泡生成部とその大きな泡をせん断力で分泡する微小な泡生成部を有する泡状定着液生成手段によって生成され、液供給口より、膜制御ワイヤーバーと塗布ローラの間に滴下する。ワイヤーバーを膜制御手段として用いることで、ブレードに比べ、塗布ローラ面の軸方向の泡状定着液膜均一性が向上する。
図7は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。図7に示す実施の形態の定着装置40によれば、加圧ローラ43は弾性層としてスポンジ素材を用いて構成した。ここで、泡状定着液がトナー等の樹脂微粒子層を浸透して紙等の媒体まで到達した後に塗布ローラと樹脂微粒子層が剥離するようにニップ時間のタイミングを取る必要がある。このため、ニップ時間として50ミリ秒〜300ミリ秒の範囲を確保するため、弱い加圧力で大きく変形可能なスポンジ部材を用いた。
なお、ニップ時間は、ニップ時間=ニップ幅/紙の搬送速度により算出される。紙の搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データにより求めることができる。ニップ幅は、塗布ローラ全面に乾燥しない着色塗料を薄くつけて、記録媒体を塗布ローラ41及び対峙する加圧ローラ43に挟んで加圧(ローラは回転させない状態で)し、記録媒体に着色塗料を付着させ、着色部(通常長方形の形に着色)における紙搬送方向の長さをニップ幅として測定することで求めることができる。
記録媒体の搬送速度に応じて、ニップ幅を調製することでニップ時間を泡状定着液のトナー層浸透時間と同じかそれ以上にする必要がある。図7に示す例では、加圧ローラ43を弾性層として弾性多孔質体(以下、スポンジと称することがある)とすることで、記録媒体の搬送速度に応じて、塗布ローラ41と加圧ローラ43の軸間距離を変更しニップ幅を変えることが容易となる。加圧ローラ43をスポンジの代わりに弾性ゴムも適するが、スポンジは弾性ゴムよりも弱い力で変形させることが可能であり、塗布ローラ41の加圧力を過剰に高くすることなく長いニップ幅を確保することができる。
なお、定着液中には軟化又は膨潤剤が含有されており、スポンジ素材で形成された加圧ローラに定着液が万が一付着した場合、スポンジ素材が軟化等の不具合が発生する恐れがあるため、スポンジ素材の樹脂材は、軟化又は膨潤剤に対し軟化や膨潤を示さない素材が好ましい。また、スポンジ素材を用いた加圧ローラは、可とう性フィルムで覆った構成であってもよい。スポンジ素材が軟化又は膨潤剤で劣化する素材であっても、軟化又は膨潤剤により軟化や膨潤を示さない可とう性フィルムで覆うことでスポンジローラの劣化を防止することができる。前記スポンジ素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの樹脂の多孔質体などが適する。また、スポンジを覆う可とう性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが適する。
図7において、塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43が常時接触している構成の場合、記録媒体が搬送されていない時に塗布ローラ41上の泡状定着液が加圧ローラ43に付着し汚す恐れがあり、その防止のため、紙先端検知手段(不図示)を塗布ローラ41へ記録媒体が搬送される手前に設け、先端検知信号に応じて、記録媒体の先端から後方にのみ泡状定着液が塗布されるようなタイミングで塗布ローラ41に泡状定着液を形成することが好ましい。
また、図7において、待機時は塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43はそれぞれ離れており、図示していない駆動機構により、塗布時のみ、記録媒体の先端検知手段に応じて塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43を接触させる構成も好ましい。更に、記録媒体の後端検知も行い、記録媒体の後端検知信号に応じて塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43を離すことが好ましい。
図8は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の別の構成を示す概略構成図である。図8に示す実施の形態の定着装置40は、図7の加圧ローラ43の代わりに加圧ベルト44を用いたものである。大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段30で生成し、液供給口より所望の泡径を有する泡状定着液を泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42の供給口へチューブ等を用いて供給する。そして、泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と塗布ローラ41のギャップを調整して塗布ローラ41上の泡状の定着液の層膜厚を制御し、泡状定着液の最適膜厚の制御を行っている。なお、加圧ベルト44としては、例えばシームレスニッケルベルト、シームレスPETファイルなどの基体にPFAのような離型性フッ素樹脂をコートした部材を用いる。
このように、ベルトを用いる構成では、ニップ幅を容易に広くすることが可能となる。従って、ベルトを用いる構成は図8に限らず、塗布ローラはベルトで、加圧手段をベルトではなく、ローラとする構成も好ましい。また、塗布側又は加圧側の少なくとも一方をベルトとする構成とすることで容易にニップ幅を広くすることが可能となり、紙にしわが発生するような無理な力をかけることもなく、ニップ時間が同じだとすると紙の搬送速度を速くすることが可能となり、高速定着が可能となる。
また、トナーの定着装置は、本発明における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる軟化剤によって溶解乃至膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解乃至膨潤したトナーを加圧することによって、溶解乃至膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解乃至膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記再帯電工程は前記再帯電手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された転写像を定着させる工程であり、本発明の前記定着方法により行われる。
前記定着手段は、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であり、本発明の前記定着装置を用いて行われる。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明による画像形成方法を用いて、樹脂微粒子からなるトナーの画像を記録媒体に形成する。よって、この本発明の一実施の形態例の画像形成装置によれば、それぞれ、上述したように、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
ここで、図9A及び図9Bは、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。図9A及び図9Bに示す画像形成装置は複写機又はプリンタであってもよい。図9Aはカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置全体の概略図であり、図9Bは図9Aの画像形成装置の1つの画像形成ユニットの構成を示す図である。
図9A及び図9Bに示す画像形成装置50はトナー像担持体として中間転写ベルト51を有する。この中間転写ベルト51は、3つの支持ローラ52〜54に張架されており、図中の矢印Aの方向に回転する。この中間転写ベルト51に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット55〜58が配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示していない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための各露光L1〜L4が露光装置により照射される。中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ54に対向する位置には、二次転写装置59が設けられている。二次転写装置59は、2つの支持ローラ60,61の間に張架された二次転写ベルト62で構成されている。なお、二次転写装置59としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ52に対向する位置には、ベルトクリーニング装置63が配置されている。ベルトクリーニング装置63は、中間転写ベルト51上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体としての記録紙64は、一対の給紙ローラ65で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙64に転写する際に、二次転写ベルト62を中間転写ベルト51に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。トナー像が転写された記録紙64は、二次転写ベルト62によって搬送され、記録紙64に転写された未定着のトナー像は、図示していない露光装置からの画像情報に基づいて泡状の定着液の膜厚を制御する本発明の定着装置によって定着される。即ち、記録紙64に転写された未定着のトナー像には、図示していない露光装置からの画像情報、例えばカラー画像又は黒ベタ画像に基づいて泡状の定着液層の膜厚が制御されたトナーの定着装置から供給される本発明における泡状の定着液が付与され、泡状の定着液に含まれる、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって、未定着のトナー像を、記録紙64に定着させる。
次に、画像形成ユニットについて説明する。図9Bに示すように、画像形成ユニット55〜58には、感光体ドラム66の周辺に、帯電装置67、現像装置68、クリーニング装置69及び除電装置70が配置されている。また、中間転写ベルト51を介して、感光体ドラム66に対向する位置に、一次転写装置71が設けられている。また、帯電装置67は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置67は、帯電ローラを感光体ドラム66に接触させて、感光体ドラム66に電圧を印加することにより、感光体ドラム66の表面を一様に帯電する。この帯電装置67としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。また、現像装置68は、現像剤中のトナーを感光体ドラム66上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。
ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂微粒子からなり、これらの樹脂微粒子は、本発明における定着液により溶解乃至膨潤する。なお、現像装置68は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。更に、一次転写装置71は、感光体ドラム66上で可視化されたトナーを中間転写ベルト51に転写する。ここでは、一次転写装置71としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト51を挟んで感光体ドラム66に押し当てている。一次転写装置71としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。また、クリーニング装置69は、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置69としては、感光体ドラム66に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置69によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置68に回収され、再利用される。更に、除電装置70は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム66の表面電位を初期化する。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、本発明の定着液、定着方法、及び定着装置を用いているので、定着性が良好で紙等の記録媒体がカールすることなく、高品質な画像が形成できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−起泡剤(アニオン系界面活性剤)1の調製−
ミリスチン酸(関東化学株式会社製、試薬)、パルミチン酸(関東化学株式会社製、試薬)、ステアリン酸(関東化学株式会社製、試薬)の質量比を4:3:1とした脂肪酸と、中和剤であるトリエタノールアミン(関東化学株式会社製、試薬)のモル比が1:0.7になるように計量し、それを液温80℃のイオン交換水中で、30分間撹拌し、室温になるまで放冷して、脂肪酸トリエタノールアミン塩を調製した。
(製造例2)
−起泡剤(アニオン系界面活性剤)2の調製−
製造例1において、中和剤をジエタノールアミン(関東化学株式会社製、試薬)にした以外は、製造例1と同様にして、脂肪酸ジエタノールアミン塩を調製した。
(製造例3)
−起泡剤(アニオン系界面活性剤)3の調製−
製造例1において、中和剤を水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)にした以外は、製造例1と同様にして、脂肪酸ナトリウム塩を調製した。
(製造例4)
−起泡剤(アニオン系界面活性剤)4の調製−
製造例1において、中和剤を水酸化カリウム(関東化学株式会社製、試薬)にした以外は、製造例1と同様にして、脂肪酸カリウム塩を調製した。
(実施例1)
−定着液1の作製−
軟化剤であるプロピレンカーボネート(関東化学株式会社製、試薬)40質量%、可溶化剤であるプロピレングリコール(関東化学株式製、試薬)10質量%、起泡剤である脂肪酸トリエタノールアミン塩(起泡剤1)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸(関東化学株式会社製、試薬)3.0質量%、希釈剤であるイオン交換水42.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)1を調製した。
(実施例2)
−定着液2の作製−
軟化剤であるプロピレンカーボネート(関東化学株式会社製、試薬)40質量%、可溶化剤であるジプロピレングリコール(関東化学株式会社製、試薬)10質量%、起泡剤である脂肪酸ナトリウム塩(起泡剤3)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)3.0質量%、希釈剤であるイオン交換水42.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)2を調製した。
(実施例3)
−定着液3の作製−
軟化剤であるアジピン酸ビス(2−メトキシエチル)(東京化成株式会社製、試薬)25質量%、可溶化剤であるジプロピレングリコール(関東化学株式会社製、試薬)14質量%、起泡剤である脂肪酸ジエタノールアミン塩(起泡剤2)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬)5.0質量%、希釈剤であるイオン交換水51.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)3を調製した。
(実施例4)
−定着液4の作製−
軟化剤であるコハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、試薬)30質量%、起泡剤である脂肪酸ジエタノールアミン塩(起泡剤2)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸2−グルコシド(林原生物化学研究所製、試薬)5.0質量%、希釈剤であるイオン交換水60.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)4を調製した。
(実施例5)
−定着液5の作製−
軟化剤であるコハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、試薬)30質量%、起泡剤である脂肪酸カリウム塩(起泡剤4)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸パルミチン酸エステル(和光純薬工業株式会社製、試薬)5.0質量%、希釈剤であるイオン交換水60.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)5を調製した。
(実施例6)
−定着液6の作製−
軟化剤であるトリエチレングリコールジアセタート(東京化成株式会社製、試薬)30質量%、起泡剤である脂肪酸ジエタノールアミン塩(起泡剤2)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸(関東化学株式会社製、試薬)3.0質量%、希釈剤であるイオン交換水62.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)6を調製した。
(実施例7)
−定着液7の作製−
軟化剤であるトリエチレングリコールジアセタート(東京化成株式会社製、試薬)30質量%、起泡剤であるn−ドデシル硫酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、軟化剤の分解抑制剤であるアスコルビン酸2−グルコシド(林原生物化学研究所製、試薬)5.0質量%、希釈剤であるイオン交換水60.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)7を調製した。
(比較例1)
−定着液8の作製−
軟化剤であるプロピレンカーボネート(関東化学株式会社製、試薬)40質量%、可溶化剤であるプロピレングリコール(関東化学株式会社製、試薬)10質量%、起泡剤である脂肪酸トリエタノールアミン塩(起泡剤1)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、希釈剤であるイオン交換水45.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)8を調製した。
(比較例2)
−定着液9の作製−
軟化剤であるアジピン酸ビス(2−メトキシエチル)(東京化成株式会社製、試薬)25質量%、可溶化剤であるジプロピレングリコール(関東化学株式会社製、試薬)14質量%、起泡剤である脂肪酸ジエタノールアミン塩(起泡剤2)4.0質量%、増泡剤であるヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)0.5質量%、希釈剤であるイオン交換水56.5質量%を超音波ホモジナイザーにて10分間撹拌し、定着液(フォーム化する前の原液)9を調製した。
次に、得られた定着液1〜9について、以下のようにして、軟化剤の残存率を測定した。結果を表1に示す。
<軟化剤の残存率の測定>
定着液中の軟化剤の残存率を測定するため、各定着液を蓋付きのポリプロピレン容器に入れ、40℃で1ヶ月間保存し、保存前後の定着液について、ガスクロマトグラフィー測定を実施した。ガスクロマトグラフィー測定条件について、装置はHEWLETT PACKARD 5890 SERIESII、使用したカラムはHEWLETT PACKARD HP−1(30m×0.25mm×0.25μm)、カラム温度は50℃〜250℃、インジェクション温度は200℃、ディテクター温度は200℃、試料量は1μLとした。なお、ガスクロマトグラフィー測定は、装置内でガス化するものしか検出しない。
保存前後の軟化剤のピークエリアから、下記数式により軟化剤の残存率を求めた。
軟化剤の残存率(%)=(保存後の軟化剤のピークエリア/保存前の軟化剤のピークエリア)×100
表1の結果から、アスコルビン酸化合物を含有した定着液(実施例1〜7)は、アスコルビン酸化合物を含有しない定着液(比較例1及び2)よりも、軟化剤の残存率が高かった。よって、アスコルビン酸化合物は、軟化剤の分解を抑制していることが示された。
(実施例8〜14及び比較例3〜4)
<泡状定着液の作製>
−大きな泡生成部−
図4に示す泡状定着液生成手段に基づいて、液状定着液から、大泡状態の定着液を作製した。図4の大きな泡生成部は、液状定着液の保存容器:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなるボトル、液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)、搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ、大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)という構成になっている。
−微小な泡生成部−
図4に示す泡状定着液生成手段に基づいて、大泡状態の定着液から、微小な泡状定着液を作製した。図4の2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モータにより回転する。2重円筒の材質はPET樹脂とした。外側円筒内径:10mm、長さ120mm、内側円筒外形:8mm、長さ100mmとした。回転数は300rpmとした。回転時間は10秒間とした。
<起泡性の評価>
定着液の起泡性を評価するために、上記の保存試験前後の定着液について、微小な泡状定着液を作製し、その泡密度を測定した。
ここで、塗布ローラのように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件であり(微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μm〜80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0200g/cm以下が好ましく、0.0125g/cm〜0.0200g/cmがより好ましい。
そこで、微小な泡状定着液の泡密度の値から、起泡性を下記基準で評価した。結果を表2に示す。なお、泡密度は容積が既知である容器に泡を隙間なく充填して重量を測定し、算出した。
〔評価基準〕
0.0125〜0.0200g/cm:○(起泡性良好)
0.0201〜0.0300g/cm:△
0.0301〜0.0500g/cm:×
0.0501g/cm以上 :××(起泡性不良)
<泡沫安定性の評価>
上記の微小な泡を1分間放置し、泡の状態を目視で観察して、下記基準で泡沫安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
1分間放置後も泡の状態が変化しない場合:○(泡沫安定性良好)
1分間放置後に泡が消泡した場合 :×(泡沫安定性不良)
表2の結果から、アスコルビン酸化合物を含有した定着液(実施例8〜14)は、調製直後から良好な起泡性と泡沫安定性を示した。また、40℃で1ヶ月間保存した後も、起泡性と泡沫安定性は良好なままであった。一方、アスコルビン酸化合物を含有しない定着液(比較例3及び4)は、40℃で1ヶ月間保存した所、起泡性と泡沫安定性が低下した。よって、アスコルビン酸化合物は、長期間に渡って、定着液の起泡性と泡沫安定性を低下させないことが示された。
(実施例15〜21及び比較例5〜6)
<泡状定着液の塗布>
−定着液付与手段−
図5A及び図5Bに基づき、泡状の定着液を作製し、ブレードに供給する構成とした。ブレードと塗布ローラとのギャップは40μmとした。
加圧ローラ:アルミニウム合金製ローラ(直径10mm)を芯金とし、外径50mmのポリウレタンフォーム材(イノアック社製、商品名「カラーフォームEMO」)を形成したスポンジローラ、塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(直径30mm)、線速300mm/s、膜厚制御ブレード:アルミニウム合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着した、ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μm〜100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした、紙搬送速度:300mm/s、という構成になっている。
<定着性の評価>
定着性を評価するために、上記微小な泡状定着液を、上述した方法で、未定着トナーが形成された紙の上に付与した。即ち、未定着トナーが形成された紙について、電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、imagioMPC2500)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(株式会社リコー製、T−6200)に形成した。この際、トナー層の厚みは30μm〜40μmであり、塗布ローラ上の泡状定着液の厚みは約70μmであった。
各定着液を蓋付きのポリプロピレン容器に入れ、40℃で1ヶ月間保存し、保存前後の定着液について、泡状定着液の塗布量を塗布前後の紙の重量から算出し、定着性を下記基準で評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
トナーが紙に定着しており、紙がカールしていない場合 :○(定着性良好)
トナーが紙に定着しているが、紙がカールしている場合 :△
トナーが紙に定着しておらず、紙がカールしていない場合:×
トナーが紙に定着しておらず、紙がカールしている場合 :××(定着性不良)
表3の結果から、アスコルビン酸化合物を含有した定着液(実施例15〜21)は、40℃で1ヶ月間保存した後も、塗布量は安定しており、定着性が良好であり、紙がカールしていなかった。一方、アスコルビン酸化合物を含有しない定着液(比較例5及び6)は、トナーが紙に定着していなかった。これは、定着液中の軟化剤が分解して、定着性能が低下したためであると考えられる。
本発明の定着液、定着方法、及び定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置は、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1Aは、従来の定着装置において生じたオフセットの様子を示す概略断面図である。 図1Bは、従来の定着装置において生じたオフセットの様子を示す概略断面図である。 図2は、本発明の原理における定着液付与後の樹脂微粒子の定着の様子を示す概略断面図である。 図3は、泡状定着液の構成を示す概略断面図である。 図4は、本発明の定着装置における泡状定着液生成手段の構成を示す概略図である。 図5Aは、本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。 図5Bは、本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。 図6Aは、液膜厚制御用ブレードを用いた泡状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御の様子を示す概略図である。 図6Bは、液膜厚制御用ブレードを用いた泡状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御の様子を示す概略図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の別の構成を示す概略構成図である。 図9Aは、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。 図9Bは、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
11 塗布ローラ
12 記録媒体
13 樹脂微粒子層
14 泡状定着液
30 泡状定着液生成手段
40 定着装置
50 画像形成装置

Claims (11)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させることで該樹脂を含有する樹脂微粒子を軟化させる軟化剤と、アニオン系界面活性剤と、アスコルビン酸化合物と、溶媒とを含有することを特徴とする定着液。
  2. 軟化剤が、エステル化合物である請求項1に記載の定着液。
  3. エステル化合物が、脂肪族エステルである請求項2に記載の定着液。
  4. エステル化合物が、炭酸エステルである請求項2に記載の定着液。
  5. アニオン系界面活性剤が、炭素数12〜18の脂肪酸塩である請求項1から4のいずれかに記載の定着液。
  6. 脂肪酸塩が、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、及び脂肪酸アミン塩のいずれかである請求項5に記載の定着液。
  7. アスコルビン酸化合物が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸2−リン酸エステル三ナトリウム、及びアスコルビン酸2−グルコシドから選択されるいずれかである請求項1から6のいずれかに記載の定着液。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、
    泡状定着液付与手段の接触面上に付与された泡状定着液膜の膜厚を所望の厚みに制御する膜厚制御工程と、
    該所望の厚みに制御された泡状定着液膜を媒体上の樹脂微粒子層に付与する泡状定着液付与工程と
    を含むことを特徴とする定着方法。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
    前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に付与する、曲面部を少なくとも一部に有する泡状定着液付与手段と、
    該泡状定着液付与手段の接触面上に付与された泡状定着液膜の膜厚を制御する膜厚制御手段と、を有することを特徴とする定着装置。
  10. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を含む画像形成方法であって、
    前記定着工程が、請求項8に記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法。
  11. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記定着手段として、請求項9に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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