JP4795379B2 - 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置に関し、詳細には樹脂を含有した微粒子を媒体に定着させる定着液、樹脂を含有した微粒子であるトナーの定着方法及び定着装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が、特許文献1に提案されている。
しかしながら、特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。また、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、油性溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた油性の定着液が従来よりいくつか提案されている。その一つとして例えば、特許文献2には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。また、特許文献3には、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
しかし、上記特許文献1〜3も定着液を未定着トナー層に付与する構成であるが、図9の(a),(b)に示すように、接触付与手段として、塗布ローラ81を用いて、記録媒体82上の未定着トナー層83へ定着液を塗布する構成において、定着液を記録媒体82に微量付与するために塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも薄い場合、塗布ローラ81が記録媒体82から分離する位置で、塗布ローラ81の表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラ81の表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体82上の画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、図9に示すように、塗布ローラ81上の定着液層84の厚みが未定着トナー層83よりも十分厚い場合、塗布ローラ81が記録媒体28から分離する位置で、液量が多いため塗布ローラ81の表面の液膜による表面張力が直接トナー粒子に作用しにくくなり、ローラ側にトナーがオフセットしなくなるが、紙面に多量の定着液が塗布されるため、トナー粒子が過剰な定着液により記録媒体2上で流され画質劣化を生じたり、乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じてしまう。また、紙に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。また、定着液が水を含有する場合、紙等のセルロースを含有する媒体への塗布量が多い場合、紙等の媒体が著しくカールし、画像形成装置などにおける装置内の紙等の媒体搬送時に紙ジャム発生の恐れがある。よって、このような定着液でローラ塗布を行う構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止ための紙上のトナー層への定着液微量塗布と定着ローラへのトナーオフセット防止を両立することが極めて難しい。接触塗布手段として、ダイコート手段やブレード塗布手段やワイヤーバー塗布手段を用いた場合も、定着液が微量になると接触塗布手段に表面張力でトナーが付着してしまい、画像劣化が生じる。
以上のように、接触塗布手段にて、従来の定着液処方では、定着応答性を向上するための紙上のトナー層への定着液微量塗布とトナー画像を乱さず均一塗布することを両立することが極めて難しい。また、記録媒体上のトナーに限ったことではなく、媒体上の樹脂含有微粒子層に液状の定着液を付与する構成ではどの場合も生じる問題点である。
そこで、これらの問題点を解決するために提案された特許文献4によれば、泡状の定着液を紙等の媒体上のトナー等の樹脂を含有する微粒子に付与することにより、媒体上の微粒子層を乱すことなく、かつ当該樹脂含有微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂含有微粒子の媒体への定着が行われるようになった。
特許第3,290,513号明細書 特開2004−109749号公報 特開昭59−119364号公報 特開2007−219105号公報 石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489
しかしながら、定着液に含有する軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しない。また、泡がすぐに破泡するため泡密度の低い泡状定着液を得ることができない。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、高濃度の軟化剤を含有した定着液を極めて低い密度になるように泡化し、紙等の媒体上のトナー等の樹脂を含有する微粒子を乱すことなく、かつ当該樹脂含有微粒子を付着した媒体に定着液を塗布後は素早く樹脂含有微粒子の媒体への定着が行われ、更に媒体に残液感が発生しない程度の微量塗布が可能な樹脂含有微粒子の定着液、その定着液を用いた定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明の定着液は、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤と、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ペンタデシル酸又はマルガリン酸のうち少なくとも一つの脂肪酸と、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム又は脂肪酸アミンのうち少なくとも一つの脂肪酸塩とを調合して作製した定着液であって、脂肪酸塩のモル数が脂肪酸のモル数と同じ又は大きくなる調合比で脂肪酸及び脂肪酸を調合したことに特徴がある。よって、定着液からの所望の泡密度となる起泡時間が極めて短く、かつ泡沫安定性に優れた泡状定着液を容易に作製することが可能となる。
また、多価のアルコール類を含有することにより、定着液中で軟化剤の可溶化として働き、軟化剤の含有濃度が高くても起泡性を維持可能となり、より微量の塗布を可能とする。
更に、軟化剤が、脂肪酸アルコキシアルキルであることにより、脂肪酸と脂肪酸塩による起泡に対し、起泡阻害を起こさない。
また、軟化剤が、炭酸エステルであることにより、高濃度になっても脂肪酸と脂肪酸塩による起泡に対し、起泡阻害を起こさない。
更に、別の発明としての定着方法によれば、上記定着液を泡状化し、泡状定着液を接触付与面に所望の膜厚で形成し、所望の膜厚の泡状定着液を媒体上の樹脂含有微粒子に付与して該樹脂含有微粒子を媒体に定着させることに特徴がある。よって、定着装置の立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
また、別の発明としての定着装置は、上記定着液を泡状化し、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、泡状定着液を媒体上の樹脂含有微粒子層に付与し、曲面部を少なくとも一部に有する泡状定着液付与手段と、該泡状定着液付与手段の面上の泡状定着液の膜厚を制御する膜厚制御手段とを有することに特徴がある。よって、定着装置の立ち上がり時間を短くでき、また安定して微量の塗布量で定着が可能となる。
更に、別の発明としての画像形成方法によれば、樹脂と色剤を含有する樹脂含有微粒子を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成し、上記の定着方法によって未定着トナー画像を媒体に定着させる。よって、立ち上がり時間を短くでき、安定して微量の塗布量で定着が可能となると共に、紙等の媒体に定着不良のない画像形成が可能となる。
また、別の発明としての画像形成装置は、樹脂と色剤を含有する樹脂含有微粒子を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、上記定着装置とを具備することに特徴がある。よって、定着不良やタック感を帯びた定着を起こすことがなく、定着信頼性が高くなると共に、余分な定着液の付与が低減するため、定着液の消費が削減でき、かつ非加熱にて従来に比べ極めて低電力定着を可能とする。
本発明の定着液によれば、樹脂含有微粒子層への付与時の泡状定着液付与手段への樹脂含有微粒子オフセット防止や、微量付与化を安定して実現でき、かつ非加熱にて従来に比べ極めて低電力定着を可能とする。更に、定着液中に起泡剤として脂肪酸塩に加えて脂肪酸を含有することで、極めて短時間で所望の泡密度の泡状定着液を作製可能となり、定着装置の立ち上げ時間を短縮し、かつ泡沫安定性が極めて向上し、微量塗布における信頼性が飛躍的に向上する。
はじめに、上記特許文献4に記載され、かつ本発明における泡状定着液について概説すると、図1に示すように、後述する泡状定着液生成手段によって定着液を泡で構成された泡状定着液14とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に塗布ローラ11上の定着液層を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、塗布ローラ11への樹脂含有微粒子のオフセットを防止できることがわかった。更に、樹脂含有微粒子の大きさが5μm〜10μm程度の場合、記録媒体12上の樹脂含有微粒子層13を乱すことなく泡状定着液14を樹脂含有微粒子層13に付与するには、泡状定着液14の泡径範囲が、5μm〜50μm程度が必要であることがわかった。なお、図2に示すように、気泡22で構成された泡状定着液20は、気泡22のそれぞれを区切る液膜境界(以下、プラトー境界と称す)21から構成される。
ところで、起泡剤としてアニオン系界面活性剤は、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができ、起泡剤として優れている。アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。一方、軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しなくなり、泡が直ぐに破泡するため泡密度の低い泡状定着液を得ることができなくなる。
そこで、この定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、上記非特許文献1にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。上記非特許文献1には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
ところが、後述するように、本発明によれば、起泡剤として炭素数12から18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12から18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できることを見出したのである。ここで、本発明の泡状定着液を詳細に説明すると、軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16、)、ステアリン酸塩(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。一方、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。そこで、定着液中で、単独の脂肪酸塩でも良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合する方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
ところで、定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。軟化剤の濃度として、10wt%未満では、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10wt%以上、特に軟化剤の濃度が30wt%以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤濃度30wt%において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、後述する具体例からわかるように、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、又は大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、密度の極めて低い泡化を可能とする。
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12から18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。但し、最も組み合わせとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
ところで、定着液中の軟化剤濃度が高くなると希釈溶媒である水に軟化剤が溶解しにくくなる。そこで、検討した結果、多価のアルコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリンなどを定着液中に含有させることで、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性が向上することがわかった。また、多価のアルコール類の含有量は、1wt%から30wt%の範囲が適当である。30wt%より多い含有量では、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
次に、上述した本発明の定着液を泡状化する媒体面全体に対し樹脂含有微粒子層の厚みに応じて、後述するように定着液付与手段の面における泡状定着液層厚みを制御している。しかし、例えば樹脂含有微粒子がトナーであり、媒体上にカラー画像や白黒文字が混在する場合、媒体面全体を同じ厚みの泡状定着液層で付与するとカラー写真画像のごとく厚いトナー層では定着不良や画像抜けが生じたり、白黒文字部に粘着感が生じて印刷物同士がくっついたいりする部分不具合が生じる場合がある。以下に、その不具合原因について詳細に説明する。
一方、一般的に0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒以下の時間(0.1秒もかからない)で生成することができる。そこで、この所望の泡径よりも大きな泡であって、目視で観察できる程度の大きさの泡の生成が容易で、かつすばやく得ることができる点に着目し、大きな泡から素早く5μm〜50μm程度の微小な泡を生成する方法を鋭意検討した結果、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上記のような液状態から微小な泡を起泡させる方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な泡が生成できる。
そして、大きな泡を生成した後大きな泡を分泡し微小な処方の泡を生成する泡状定着液生成手段30における大きな泡生成部としては、図3に示すように、定着液容器31内の上述した本発明の液状定着液92を搬送ポンプ33及び液搬送パイプ34等の液輸送手段を用いて気体・液体混合部35へ供給する。気体・液体混合部35には、空気口36が設けられ、液の流れとともに、空気口36に負圧が発生し、空気口36から気体が気体・液体混合部35に導入され、液体と気体が混合し、更に微小孔シート37を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。孔径は、30μm〜100μm程度が望ましい。図3の微小孔シート37に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30μm〜100μm程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液と空気口からの空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も望ましい。
次に、大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、図3に示すような泡状定着液生成手段30における微小な泡生成部38として、閉じた二重円筒で、内側円筒が回転可能な構成とし、外部円筒の一部より、大きな泡状定着液を供給し、内部の回転する円筒と外部円筒の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、回転円筒によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。また、内側円筒にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送能力を高くしてもよい。
このように、液状定着液を大きな泡径を有する液へと変化させる大きな泡生成部と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小な泡生成部を組み合わせることで、液状定着液を極めて短時間に5μm〜50μm程度の微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
次に、定着装置における定着液付与手段について説明する。
図4は本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。ここで、樹脂含有微粒子はトナー粒子である。同図の(a)に示す本発明の定着装置40は、上述した泡状定着液生成手段30によって生成された所望の微小な泡の泡状定着液を樹脂含有微粒子層(トナー粒子層)へ付与するための塗布ローラ41と、塗布ローラ面に所望の微小な泡の泡状定着液の膜厚を、記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて制御し、泡状定着液の最適な膜厚の制御を行う泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43とを具備している。同図の(b)に示すように、塗布ローラ41上には泡状定着液の層が記録媒体上の未定着のトナー層の厚さに応じて泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42を通して形成されており、この泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42によって泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間に対して最適化した定着液層の膜厚となる。所望の微小な泡の泡状定着液は、上記のように、大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段30で生成され、液供給口より塗布ローラ41と泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42との間に滴下される。
なお、泡状の定着液のかさ密度としては、0.01g/cm〜0.1g/cm程度の範囲が望ましい。更に、定着液付与時に媒体面に残液感を生じないようにするためには、泡の密度として、0.01g/cm〜0.02g/cm程度の範囲、特に0.02g/cm以下が望ましい。なぜならば、図4の塗布ローラ41のように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μmから80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cmから0.02g/cmの範囲が必要で少なくとも0.02g/cm以下の泡の密度が望まれる。
更に、定着液は、紙等の記録媒体上のトナー等の樹脂含有微粒子層への塗布時に泡状となっていればよく、保存容器内で泡状である必要はない。保存容器中では気泡を含有しない液体で、容器から液を供給する時点や、樹脂含有微粒子層へ付与するまでの液搬送経路で泡状にする手段を設ける構成が望ましい。これは、保存容器では液体で、容器から液を取り出した後に泡状とする構成のほうが、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
また、泡状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御は、図5に示すように、塗布ローラ41とギャップを設けた液膜厚制御用ブレード42を用い、図5の(a)に示すように膜厚を薄くするときはギャップを狭くし、図5の(b)に示すように膜厚を厚くするときはギャップを広くする。ギャップの制御は液膜厚制御用ブレード42の端部に駆動を有する回転軸を用い、トナー層の厚さや環境温度等、更には泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚に応じた泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調整するための最適な膜厚を制御する。
次に、定着液容器から液状定着液を泡化する機構に搬送する手段としては、図3では搬送ポンプを用いている。搬送ポンプとしては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等があるが、チューブポンプが望ましい。ギヤポンプ等ごとく定着液中で振動機構や回転機構があると、ポンプ内で液が起泡し、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下する恐れがある。また、上記の機構部品等が定着液を汚染したり、逆に機構部品を劣化させる恐れがある。一方、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、定着液と接する部材はチューブだけであり、定着液に対し耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染やポンプ系部品の劣化がない。また、チューブを変形させるだけなので、液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
また、図5の膜厚制御用ブレードのほかに、ワイヤーバーによって塗布ローラ上の泡状の定着液の厚みを制御し、泡状定着液は、上記のごとく、大きな泡を生成する大きな泡生成部とその大きな泡をせん断力で分泡する微小な泡生成部を有する泡状定着液生成手段によって生成され、液供給口より、膜制御ワイヤーバーと塗布ローラの間に滴下する。ワイヤーバーを膜制御手段として用いることで、ブレードに比べ、塗布ローラ面の軸方向の泡状定着液膜均一性が向上する。
図6は本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の定着装置40によれば、加圧ローラ43は弾性層としてスポンジ素材を用いて構成した。ここで、泡状定着液がトナー等の樹脂含有微粒子層を浸透して紙等の媒体まで到達した後に塗布ローラと樹脂含有微粒子層が剥離するようにニップ時間のタイミングを取る必要がある。このため、ニップ時間として50ミリ秒から300ミリ秒の範囲を確保するため、弱い加圧力で大きく変形可能なスポンジ部材を用いた。
なお、ニップ時間は、ニップ時間=ニップ幅/紙の搬送速度により算出される。紙の搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データにより求めることができる。ニップ幅は、塗布ローラ全面に乾燥しない着色塗料を薄くつけて、記録媒体を塗布ローラ41及び対峙する加圧ローラ43に挟んで加圧(ローラは回転させない状態で)し、記録媒体に着色塗料を付着させ、着色部(通常長方形の形に着色)における紙搬送方向の長さをニップ幅として測定することで求めることができる。
記録媒体の搬送速度に応じて、ニップ幅を調整することでニップ時間を泡状定着液のトナー層浸透時間と同じかそれ以上にする必要がある。図6に示す例では、加圧ローラ43を弾性層として弾性多孔質体(以下スポンジと称す)とすることで、記録媒体の搬送速度に応じて、塗布ローラ41と加圧ローラ43の軸間距離を変更しニップ幅を変えることが容易となる。加圧ローラ43をスポンジの代わりに弾性ゴムも適するが、スポンジは弾性ゴムよりも弱い力で変形させることが可能であり、塗布ローラ41の加圧力を過剰に高くすることなく長いニップ幅を確保することができる。
なお、定着液中には樹脂軟化または膨潤剤が含有されており、スポンジ素材で形成された加圧ローラに定着液が万が一付着した場合、スポンジ素材が軟化等の不具合が発生する恐れがあるため、スポンジ素材の樹脂材は、軟化または膨潤剤に対し軟化や膨潤を示さない素材が望ましい。また、スポンジ素材を用いた加圧ローラは、可とう性フィルムで覆った構成であってもよい。スポンジ素材が軟化または膨潤剤で劣化する素材であっても、軟化または膨潤剤により軟化や膨潤を示さない可とう性フィルムで覆うことでスポンジローラの劣化を防止することができる。スポンジ素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの樹脂の多孔質体などが適する。また、スポンジを覆う可とう性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが適する。
図6において、塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43が常時接触している構成の場合、記録媒体が搬送されていない時に塗布ローラ41上の泡状定着液が加圧ローラ43に付着し汚す恐れがあり、その防止のため、紙先端検知手段(図示せず)を塗布ローラ41へ記録媒体が搬送される手前に設け、先端検知信号に応じて、記録媒体の先端から後方にのみ泡状定着液が塗布されるようなタイミングで塗布ローラ41に泡状定着液を形成することが望ましい。
また、図6において、待機時は塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43はそれぞれ離れており、図示していない駆動機構により、塗布時のみ、記録媒体の先端検知手段に応じて塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43を接触させる構成も望ましい。更に、記録媒体の後端検知も行い、記録媒体の後端検知信号に応じて塗布ローラ41とスポンジ素材を用いた加圧ローラ43を離すことが望ましい。
図7は本発明の一実施の形態に係る定着装置の別の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の定着装置40は、図6の加圧ローラ43の代わりに加圧ベルト44を用いたものである。大きな泡を生成する大きな泡生成部と大きな泡をせん断力で分泡して微小な泡を生成する微小な泡生成部とを含んで構成されている泡状定着液生成手段30で生成し、液供給口より所望の泡径を有する泡状定着液を泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42の供給口へチューブ等を用いて供給する。そして、泡状定着液膜厚制御手段の膜厚制御用ブレード42と塗布ローラ41のギャップを調整して塗布ローラ41上の泡状の定着液の層膜厚を制御し、泡状定着液の最適膜厚の制御を行っている。なお、加圧ベルト44としては、例えばシームレスニッケルベルトやシームレスPETファイルなどの基体にPFAのような離型性フッ素樹脂をコートした部材を用いる。
このように、ベルトを用いる構成では、ニップ幅を容易に広くすることが可能となる。従って、ベルトを用いる構成は図7に限らず、塗布ローラはベルトで、加圧手段をベルトではなく、ローラとする構成も望ましい。また、塗布側又は加圧側の少なくとも一方をベルトとする構成とすることで容易にニップ幅を広くすることが可能となり、紙にしわが発生するような無理な力をかけることもなく、ニップ時間が同じだとすると紙の搬送速度を速くすることが可能となり、高速定着が可能となる。
なお、定着液中で、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1から3の不飽和脂肪酸が望ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。これらの不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上記飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いても構わない。
また、樹脂を溶解又は膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れている。
更に、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きい、更に好ましくは5g/kgであることが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
また、記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルの一般式は、
R1COOR2
で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについて、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、
R3(COOR4)
で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
更に、本発明における定着液において、好ましくは上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの一般式は、
R5(COOR6−O−R7)
で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、クエン酸エステルや炭酸エチレンや炭酸プロピレンも軟化もしくは膨潤剤として適する。
ところで、泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。例えば、導電性部材を含有した樹脂含有微粒子でもよい。また、記録媒体は、記録紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、媒体は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が望ましい。記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。例えば、紙のごとき媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
上記の樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本発明の定着液との組合せにおいて最も定着への効果が高い。トナーは、色剤と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。媒体のうち、記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における油性とは、室温(20℃)における水に対する溶解度が、0.1重量%以下である性質を意味する。
また、泡状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状となった定着液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30mN/mとすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、泡状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで紙等の媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
また、トナーの定着装置は、本発明における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって溶解又は膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解又は膨潤したトナーを加圧することによって、溶解又は膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
上述した本発明による画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する。よって、この別の発明の一実施の形態例の画像形成装置によれば、それぞれ、上述したように、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
図8は別の発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。同図に示す画像形成装置は複写機又はプリンタであってもよい。図8の(a)はカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置全体の概略図であり、図8の(b)は図8の(a)の画像形成装置の1つの画像形成ユニットの構成を示す図である。図8の(a),(b)に示す画像形成装置50はトナー像担持体として中間転写ベルト51を有する。この中間転写ベルト51は、3つの支持ローラ52〜54に張架されており、図中の矢印Aの方向に回転する。この中間転写ベルト51に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット55〜58が配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示していない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための各露光L1〜L4が露光装置により照射される。中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ54に対向する位置には、二次転写装置59が設けられている。二次転写装置59は、2つの支持ローラ60,61の間に張架された二次転写ベルト62で構成されている。なお、二次転写装置59としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト51を挟んで中間転写ベルト51の支持ローラ52に対向する位置には、ベルトクリーニング装置63が配置されている。ベルトクリーニング装置63は、中間転写ベルト51上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体としての記録紙64は、一対の給紙ローラ65で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙64に転写する際に、二次転写ベルト62を中間転写ベルト51に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。トナー像が転写された記録紙64は、二次転写ベルト62によって搬送され、記録紙64に転写された未定着のトナー像は、図示していない露光装置からの画像情報に基づいて泡状の定着液の膜厚を制御する本発明の定着装置によって定着される。すなわち、記録紙64に転写された未定着のトナー像には、図示していない露光装置からの画像情報、例えばカラー画像又は黒ベタ画像に基づいて泡状の定着液層の膜厚が制御されたトナーの定着装置から供給される本発明における泡状の定着液が付与され、泡状の定着液に含まれる、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって、未定着のトナー像を、記録紙64に定着させる。
次に、画像形成ユニットについて説明する。図8の(b)に示すように、画像形成ユニット55〜58には、感光体ドラム66の周辺に、帯電装置67、現像装置68、クリーニング装置69及び除電装置70が配置されている。また、中間転写ベルト51を介して、感光体ドラム66に対向する位置に、一次転写装置71が設けられている。また、帯電装置67は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置67は、帯電ローラを感光体ドラム66に接触させて、感光体ドラム66に電圧を印加することにより、感光体ドラム66の表面を一様に帯電する。この帯電装置67としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。また、現像装置68は、現像剤中のトナーを感光体ドラム66上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明における定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置68は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。更に、一次転写装置71は、感光体ドラム66上で可視化されたトナーを中間転写ベルト51に転写する。ここでは、一次転写装置71としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト51を挟んで感光体ドラム66に押し当てている。一次転写装置71としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。また、クリーニング装置69は、感光体ドラム66上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置69としては、感光体ドラム66に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置69によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置68に回収され、再利用される。更に、除電装置70は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム66の表面電位を初期化する。
次に、本発明における定着液及び定着の具体例について説明する。
[具体例1]
<定着液の処方>
◇脂肪酸塩の調合
ミリスチン酸カリウム(和光純薬試薬) 2.0g
パルミチン酸カリウム(関東化学試薬) 1.5g
ステアリン酸カリウム(関東化学試薬) 0.5g
◇脂肪酸の調合
下記の表1のごとく、脂肪酸の割合に応じて、各炭素数ごとにモル比に応じて脂肪酸を調合する。
Figure 0004795379
希釈溶媒:イオン交換水 残量g
軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社 クローダDES)
10g
炭酸プロピレン(旭硝子 アサヒネート) 30g
可溶化剤:プロピレングリコール 10g
増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂 マーポンMM) 0.5g
上記成分比にて、まずは、イオン交換水を液温80℃に加熱し、調合した割合の脂肪酸塩を順次加え、次に、調合した割合の脂肪酸を順次加える。スターラーにて100rpmで30分攪拌後、プロピレングリコールを加えて室温まで自然冷却する。冷却後、軟化剤を順次加え、最後に増泡剤を加え、スターラーで300rpmにて5分攪拌する。その後、超音波ホモジナイザーにて10分間攪拌し、軟化剤を完全に溶解しした定着液(フォーム化する前の原液)を作製した。
◇大きな泡生成部
図3を基に作製した。
上記の液状定着液保存容器:PET樹脂からなるボトル
液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)
搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ
大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)
◇微小な泡生成部
図3を基に作製した。
2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モータにより回転する。2重円筒の材質は、PET樹脂とした。外側円筒内径:10mm・長さ120mm、内側円筒外形:8mm・長さ100mmとした。回転数は、300rpmとした。回転時間は10秒間とした。
各定着液における泡作製結果を下記の表2に示す。
Figure 0004795379
なお、泡の状態で、×は1分放置で消泡し泡沫安定性が悪い場合である。
塗布ローラのように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μmから80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cmから0.02g/cmの範囲が必要で少なくとも0.02g/cm以下の泡の密度が望まれる。
上記表2のごとく、所望の泡の密度0.02g/cm以下となるのは、脂肪酸と脂肪酸カリウムのモル比が、5:5から1:9の範囲であった。また、起泡時間(回転時間)を5秒としても、上記の範囲で、密度が0.02g/cm以下となるのは、脂肪酸と脂肪酸カリウムのモル比が、5:5から1:9の範囲で、起泡時間も優れることがわかった。更に、泡沫安定性も極めて優れている。また、例えば脂肪酸と脂肪酸カリウムのモル比が1:9〜3:7〜5:5の場合、脂肪酸カリウムを100モルとした場合脂肪酸は約11〜約43モル〜100モル含有されることになる。一方、上記非特許文献1に記載のスーパーファットによる脂肪酸の添加量についての記載内容であるpH変化が起こる程度の極少量とは脂肪酸カリウムを100モルとした場合で脂肪酸は多くても数モルであり、これに比して本発明の定着液に含有される脂肪酸のモル数はかなり多い。これは上述したような脂肪酸と軟化剤との作用が要因であると考えられる。
また、上記定着液処方で、可溶化剤であるプロピレングリコールを除外した場合、脂肪酸と脂肪酸塩のモル比が、5:5から1:9の範囲での泡の密度が、それぞれ30%程度上昇してしまい、プロピレングリコール添加により起泡性向上に効果があることもわかった。
[具体例2]
<定着液の処方>
脂肪酸をトリエタノールアミンでケン化反応させて、ケン化率99%として、精製せずに、脂肪酸とトリエタノールアミンのモル比に応じて脂肪酸アミンと未ケン化の脂肪酸を作製し、脂肪酸塩(脂肪酸アミン)と脂肪酸の混合した定着液を作製した。
ここで、脂肪酸とトリエタノールアミンの混合比を下記の表3に示す。
なお、表3中の脂肪酸の内容物は、以下の調合とする。
ミリスチン酸 2.0g
パルミチン酸 1.5g
ステアリン酸 0.5g
Figure 0004795379
希釈溶媒:イオン交換水 残量g
軟化剤:炭酸プロピレン(旭硝子 アサヒネート) 40g
可溶化剤:プロピレングリコール 10g
増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂 マーポンMM) 0.5g
上記成分比にて、先ずは、イオン交換水を液温80℃に加熱し、調合した割合の脂肪酸塩を順次加え、次に、調合した割合の脂肪酸を順次加える。スターラーにて100rpmで30分攪拌後、プロピレングリコールを加えて室温まで自然冷却する。冷却後、軟化剤を順次加え、最後に増泡剤を加え、スターラーで300rpmにて5分攪拌する。その後、超音波ホモジナイザーにて10分間攪拌し、軟化剤を完全に溶解しした定着液(フォーム化する前の原液)を作製した。完成した定着液を具体例1と同じ泡状定着液生成手段にて作製し、各泡状定着液の密度を測定した結果を下記の表4に示す。
Figure 0004795379
なお、泡の状態で×は1分放置で消泡し、泡沫安定性が悪い場合である。
塗布ローラのように、接触付与手段面の定着液の泡膜は、媒体上の微粒子層の厚み以上であることが必須条件で(微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、泡膜厚みは、50μmから80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)がないためには、定着液付着量として、0.1mg/cm以下が望まれる。このことから、泡の密度としては、0.0125g/cmから0.02g/cmの範囲が必要で少なくとも0.02g/cm以下の泡の密度が望まれる。
上記表4のごとく、所望の泡の密度0.02g/cm以下となるのは、脂肪酸と脂肪酸アミンのモル比が、5:5から1:9の範囲であった。また、起泡時間(回転時間)を5秒としても、上記の範囲で、密度が0.02g/cm以下となるのは、脂肪酸と脂肪酸塩のモル比が、5:5から1:9の範囲で、起泡時間も優れることがわかった。更に泡沫安定性も極めて優れる。
[具体例3]
◇定着液の処方及び泡状定着液の作製
具体例2と同じ。
◇定着液付与手段
図4を基に作製した。泡状の定着液を作成しブレードに供給する構成とした。ブレードと塗布ローラとのギャップは40μmとした。
加圧ローラ:アルミ合金製ローラ(φ10mm)を芯金とし、外径Φ50mmのポリウレタンフォーム材(イノアック社商品名「カラーフォームEMO」)を形成したスポンジローラ
塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(φ30mm)
膜厚制御ブレード:アルミ合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着した。ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μmから100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした。
紙搬送速度:150mm/s
<結果>
電子写真方式のプリンタ(リコー社製 IpsioColorCX8800)を用い、未定着トナーのカラー画像が形成されたPPC用紙(リコーT−6200)を定着装置に挿入した。トナー層の厚みは30〜40μmであった。 塗布ローラ上の泡状定着液の厚みは約70μmであった。
定着評価結果を下記の表5に示す。
Figure 0004795379
表5からわかるように、脂肪酸と脂肪酸アミンのいずれの比率でも定着そのものはなされるが、具体例1の密度に応じて、0:10及び4:6の比率では紙への定着液塗布量が極端に多くなり、定着直後の紙に湿り気がありカールが発生。過剰な定着液が付与されるため、トナー画像の軟化が著しくなり粘着性を帯びて、印刷紙どうしを重ねた場合、紙どうしが張り付く問題が発生。一方、比率、1:9、3:7、5:5では、紙にまったく湿り気感がなく、カールせず、画像に粘着感なく良好な定着がなされた。
なお、本発明は上記各実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明の原理における定着液付与後の樹脂含有微粒子の定着の様子を示す概略断面図である。 泡状定着液の構成を示す概略断面図である。 本発明の定着装置における泡状定着液生成手段の構成を示す概略図である。 本発明の定着装置における定着液付与手段の一例を示す概略構成図である。 液膜厚制御用ブレードを用いた泡状定着液の塗布ローラ上での膜厚制御の様子を示す概略図である。 本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る定着装置の別の構成を示す概略構成図である。 別の発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。 従来の定着装置において生じたオフセットの様子を示す概略断面図である。
符号の説明
11;塗布ローラ、12;記録媒体、13;樹脂含有微粒子層、
14;泡状定着液、30;泡状定着液生成手段、
40;定着装置、50;画像形成装置。

Claims (8)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤と、
    ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ペンタデシル酸又はマルガリン酸のうち少なくとも一つの脂肪酸と、
    脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム又は脂肪酸アミンのうち少なくとも一つの脂肪酸塩とを調合して作製した定着液であって
    前記脂肪酸塩のモル数が前記脂肪酸のモル数と同じ又は大きくなる調合比で前記脂肪酸及び前記脂肪酸を調合したことを特徴とする定着液。
  2. 多価のアルコール類を含有することを特徴とする請求項1記載の定着液。
  3. 前記軟化剤が、脂肪酸アルコキシアルキルであることを特徴とする請求項1記載の定着液。
  4. 前記軟化剤が、炭酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の定着液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着液を泡状化し、泡状定着液を接触付与面に所望の膜厚で形成し、所望の膜厚の泡状定着液を媒体上の樹脂含有微粒子に付与して該樹脂含有微粒子を前記媒体に定着させることを特徴とする定着方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着液を泡状化し、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
    前記泡状定着液を媒体上の樹脂含有微粒子層に付与し、曲面部を少なくとも一部に有する泡状定着液付与手段と、
    該泡状定着液付与手段の面上の泡状定着液の膜厚を制御する膜厚制御手段と
    を有することを特徴とする定着装置。
  7. 樹脂と色剤を含有する樹脂含有微粒子を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成工程と、
    請求項5に記載の定着方法によって前記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着工程と
    を有することを特徴とする画像形成方法。
  8. 樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤で静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、
    請求項6記載の定着装置により前記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
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