JP2011186235A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布ニップ部先端の泡溜りを防止し、従来よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる定着装置を提供する。
【解決手段】この定着装置100は、定着装置前の記録紙搬送経路上に記録紙6の有無を検知する紙先端検知センサ(記録紙検知手段)5と、塗布ローラ41に接離可能に構成され、塗布ローラ41表面の泡状定着剤Buを除去するブレード(除去手段)1と、紙先端検知センサ5により検知した記録紙6の先端、又は/及び、後端を検知することによりブレード1に係る接離動作を制御する紙間ブレード制御回路(制御手段)16(図6参照)と、を備えて構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置及び、それを備えた画像形成装置に関し、さらに詳しくは、泡状定着剤によりトナーを定着する非加熱定着方式に係る定着装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、或いは、これら複数の機能を有する複合機等の画像形成装置は、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に、画像情報に基づいて、文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため広く使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、定着速度が速く、高い定着画像品質を実現するため、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することにより、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。
しかしながら、このような熱定着方式を用いた電子写真方式の画像形成装置においては、消費電力の約半分以上がトナーを加熱するために消費されており、省エネルギー化を図りにくいという課題を有している。そこで、近年における環境問題対策の観点から、低消費電力(省エネルギー)の定着装置、即ち、加熱せずにトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方式による定着装置が注目されている。
このような非加熱定着方式としては、例えば、特許文献1に、トナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から、噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方式について開示されている。
また、特許文献2には、定着液を液中に気泡が分散した泡状定着剤とし、この泡状定着剤を記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。このように、定着液を泡状とすることにより定着液の密度を下げることが出来るため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜厚を厚くすることができ、液体の表面張力の記録媒体上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液感を抑制することができ、泡状の定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、定着液によってトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。よって、特許文献2のように泡状定着剤を用いて定着を行うことにより、従来よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる。
しかしながら、泡状定着剤方式の定着装置では、泡塗布機構から紙の搬送タイミングに合わせて泡を出す事が難しい。その理由として、泡は空気と定着液の混合であり、その状態を長時間維持する事が難しい点にある。また、泡膜、泡密度など本来の定着可能な泡を紙のタイミングに合わせて作り出す事は制御も含めて困難である。即ち、泡の制御には少なくとも以下の制御が必要である。
1)1枚目の先頭位置に合わせること。
2)連続通紙の場合、紙間(紙の先端、後端部)に合わせること。
3)最終紙の紙後端部に合わせること。
しかし、泡の立ち上げ時間(安定化するまでの時間)、紙のレジストレーションのバラツキ等、精度よく1枚の紙への全面塗布を実施しようとすればするほど課題が出てくる。
そこで、泡の立ち上げ時間、紙間、最終紙通過後の精度に対して余裕のある方式として、泡を連続的に出しておく方法がある。しかし、それでは泡の消費量が多くなってしまうので、立ち上げ時間の軽減、最終紙通過後の早期停止等が挙げられる。しかし、紙間は通紙線速が早ければはやい程制御が大変となるので、泡を連続的に出すほうが制御や精度を保証することは容易となるが、その結果、記録紙への塗布ニップ部先端に泡溜りが発生してしまう不具合が生じる。
そこで、泡塗布ローラの泡を記録紙に押し込むには、加圧ローラによる加圧力で可能であるが、紙がニップ内に無い状態の時に、ニップを通過する泡はその圧力で押し出され、ニップ入口で泡溜りを作ってしまう。それは、塗布ローラ、加圧ローラとも泡を吸収する構成になっていないためである。
このような、ニップ入口で発生する泡溜りは、記録紙のニップへの侵入を防止し、ジャムの原因となったり進入した紙の両面に付着したりする。また、表面は泡の塗布量が場所によって異なる状況となったりもする。その結果、定着条件が変わってしまい、塗布量が先端部ほど多くなるため分離不良になりやすいといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、泡状定着剤方式の定着装置において、記録紙の有無を検知する記録紙検知手段と、塗布ローラに接離可能に構成され、塗布ローラ表面の泡状定着剤を除去する除去手段と、記録紙検知手段により検知した記録紙の先端、又は/及び、後端を検知することにより除去手段に係る接離動作を制御する制御手段と、を備えることにより、記録紙が存在する場所のみに泡状定着剤を供給することが可能となり、塗布ニップ部先端の泡溜りを防止し、従来よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる定着装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を泡状の定着剤として生成する泡状定着剤生成手段と、該泡状定着剤生成手段により生成された泡状定着剤を保持して記録紙に搬送する塗布ローラと、該塗布ローラに塗布された泡状定着剤により前記記録紙に形成されたトナー像を加圧しながら定着する加圧ローラと、前記塗布ローラ上に残留した残留部材を除去するクリーニング装置と、を備えた定着装置において、前記定着装置の記録紙搬送方向上流側に配置され記録紙の有無を検知する記録紙検知手段と、前記塗布ローラに接離可能に構成され、該塗布ローラ表面の前記泡状定着剤を除去する除去手段と、前記記録紙検知手段により検知した記録紙の先端、又は/及び、後端を検知することにより前記除去手段の接離動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2は、前記記録紙検知手段により検知した記録紙の先端位置から前記塗布ローラと前記加圧ローラにより形成されるニップ位置までの距離と、該ニップ位置から前記除去手段が前記塗布ローラに当接する位置までの周上距離とを等しく設定したことを特徴とする。
請求項3は、前記除去手段は、前記塗布ローラに当接するブレードと、該ブレードにより除去した泡状定着剤を貯留する貯留部と、該貯留部を加熱して前記泡状定着剤を液化する加熱手段と、を備えていることを特徴とする。
請求項4は、前記貯留部に貯留した液化定着剤を前記泡状定着剤生成手段に循環させる定着剤循環手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項5は、前記加熱手段は前記ブレードを加熱するヒータにより構成されていることを特徴とする。
請求項6は、前記除去手段は、前記記録紙検知手段により記録紙の先端が検知されてから該先端が前記ニップ位置に到達するまでの間、前記ブレードを前記塗布ローラに当接することを特徴とする。
請求項7は、前記除去手段は、前記記録紙検知手段により記録紙の後端が検知されてから次の記録紙の先端が検知されるまでの間、前記ブレードを前記塗布ローラに当接することを特徴とする。
請求項8は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置を備えた画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、定着装置前の記録紙搬送経路上に該記録紙の有無を検知する記録紙検知手段と、塗布ローラに接離可能に構成され、該塗布ローラ表面の泡状定着剤を除去する除去手段と、記録紙検知手段により検知した記録紙の先端、又は/及び、後端を検知することにより除去手段に係る接離動作を制御する制御手段と、を備え、記録紙以外の部分では塗布ローラ上の泡状定着剤を除去するので、泡溜りが解消し、良好な紙搬送性能を確保することができる。
塗布ローラと塗布部材クリーニング装置の部分を拡大した図である。 プリンタの要部を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る定着装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る定着装置の構成を示す図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る定着装置の構成を示す図、(b)はブレードの拡大図である。 本発明の定着装置に備えられたブレードの接離動作を説明する構成図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、塗布ローラと塗布部材クリーニング装置の部分を拡大した図である。
定着装置30(図2参照)の泡状定着剤塗布部140は、記録紙Pに泡状定着剤Buを塗布する塗布位置としての塗布ニップCを通過した後、泡状定着剤供給部130(図4参照)による泡状定着剤Buの供給位置に進入する前の塗布ローラ41表面に対して、PET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルム部材からなるウェブ72を当接させる塗布部材クリーニング装置70を備える。
塗布部材クリーニング装置70は、塗布ローラ41表面に接触し、塗布ローラ41の表面移動方向に対して逆方向に表面移動するように、巻き取り可能に張架した帯状のウェブ72と、ウェブ72と塗布ローラ41の表面とが接触する当接位置Eでウェブ72を挟んで塗布ローラ41の表面に当接するクリーニングブレードとしてフィルム当接ブレード71とを備える。
この塗布部材クリーニング装置70は、回転可能な繰り出し軸73の周面に帯状のウェブ72を何重にも巻き付けている。帯状のウェブ72の表面移動方向下流側は、回転可能な巻き取り軸74に巻き付けられている。巻き取り軸74が図中時計回り方向に回転駆動することで、巻き取り軸74がウェブ72を巻き取るとともに、その分だけ繰り出し軸73からウェブ72が矢印Aで示すように送り出される。
帯状のウェブ72における繰り出し軸73と巻き取り軸74との間の箇所は、所定のテンションで張架されながら、フィルム当接ブレード71によって塗布ローラ41の表面に押圧されている。この押圧により、ウェブ72が塗布ニップCを通過後の塗布ローラ41表面に圧接して当接位置Eに対して、塗布ローラ41の表面移動方向上流側のくさび状の空間(以下、当接位置入口部と呼ぶ)で残留泡状定着剤Baやオフセットしたトナー粒子Taを堰き止める。
当接位置Eに対してウェブ72の表面移動方向(矢印A方向)の上流側には第一ガイドローラ75を備え、当接位置Eに対してウェブ72の表面移動方向の下流側には第二ガイドローラ76を備える。塗布部材クリーニング装置70は、第一ガイドローラ75と第二ガイドローラ76とによって、当接位置Eにおける塗布ローラ41の接線に対して平行に張られたウェブ72の背面からフィルム当接ブレード71によって塗布ローラ41に押し付けて塗布ローラ41の表面をクリーニングする構成である。
フィルム当接ブレード71は不図示の接離機構により、その先端を塗布ローラ41に対して接離可能となっているが、フィルム当接ブレード71の当接が解除されれば、ウェブ72も塗布ローラ41から離間する。
また、塗布部材クリーニング装置70では、第一ガイドローラ75と第二ガイドローラ76とによって、ウェブ72の蛇行やシワの発生を押さえ込むようにしている。蛇行防止の為に第一ガイドローラ75及び第二ガイドローラ76は軸方向の両端部に対して中央部の径が僅かに大きい太鼓状またはつづみ状の形状を有している。
ウェブ72は、フィルム当接ブレード71の先端部の線圧を受け、塗布ローラ41上に付着したで残留泡状定着剤Baやオフセットしたトナー粒子Taを当接位置入口部で堰き止めて、定着液供給部130による泡状定着剤Buの供給位置への進入を防止している。
当接位置入口部に滞留した残留泡状定着剤Baやオフセットしたトナー粒子Taは、巻き取り軸74を任意のタイミングで巻き上げることで常時、ウェブ72の新しい表面が現れ、当接位置入口部に滞留した残留泡状定着剤Baやオフセットしたトナー粒子Taはウェブ72の表面に付着して巻き取られていく。
定着液に含まれる軟化剤に対して、ウェブ72が耐溶剤性を有していればフィルム当接ブレード71はウェブ72の裏面から加圧しているため、定着液に直接接触することはない。その結果、フィルム当接ブレード71の材質は耐溶剤性を有していなくても良い。
クリーニングブレードとして用いられる材質としては、ウレタンゴムが一般的である。しかし、定着液を塗布する塗布部材のクリーニングブレードとして、ウレタンゴムブレードを用いると、定着液に含まれる軟化液に対して膨潤してしまう。このため、塗布部材にクリーニングブレードが直接接触する構成では、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、シリコン、フッ素ゴム等の別の材料を用いる必要がある。しかし、これらの材料からなるクリーニングブレードはウレタンゴムよりも耐久性に課題があるため、部品交換サイクルが短くなり、ほかの交換パーツと寿命が異なって交換コストが高くなる不具合がある。
一方、本実施形態の塗布部材クリーニング装置70のように、フィルム当接ブレード71はウェブ72の裏面から加圧する構成であれば、軟化剤に対して膨潤するウレタンゴムブレードであってもクリーニングブレードとして使用することができる。
なお、この条件を満たすためには、ウェブ72の表面移動方向に対して直交する幅方向について、ウェブ72の幅がフィルム当接ブレード71の幅よりも広い構成が前提である。
なお、塗布ニップCにおける記録紙Pに対する泡状定着剤Buの塗布は、記録紙Pのサイズに合わせて同様な面積を塗布できれば無駄が無い。しかし、記録紙Pの表面に対して全面塗布が前提であるので記録紙Pのスキュー等の余裕度、レジストの誤差等の位置精度の余裕度、紙間の泡の切れ具合など、いくつかの余裕度を見ておく必要の要因があり、これらに起因して加圧ローラ43の表面にも泡状定着剤Buが付着してしまうことになる。
加圧ローラ43に付着した泡状定着剤Buは、クリーニングしないと記録紙Pの裏面に付着してしまう。記録紙Pの裏面は、定着後の紙搬送経路を構成するガイド板、ローラ等に接触する。さらには両面モードでは中間転写ベルトや感光体等のトナー像担持体に接触するので、機内の構成部品に与える影響は大きい。そのため、加圧ローラ43に対しても十分なクリーニングが行われることが望ましい。
図2は、プリンタの要部を示す概略構成図である。同図において、プリンタ100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3Y、M、C、K、転写ユニット20、紙搬送ユニット28、レジストローラ対15、定着装置30、図示しない光書込装置などを備えている。
図示しない光書込装置は、レーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、プロセスユニット3Y、M、C、Kにおけるドラム状の感光体4Y、M、C、Kに向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、感光体4Y、M、C、Kの表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像になる。なお、符号の後に付されたY、M、C、Kという添字は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3Y、M、C、Kはそれぞれ、潜像担持体たる感光体4と、その周囲に配設される各種機器とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ本体に対して着脱可能になっている。黒用のプロセスユニット3Kを例にすると、感光体4Kの他、現像装置6K、帯電装置7K、除電ランプ8K、ドラムクリーニング装置9K等を備えている。
感光体4Kとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6Kは、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて静電潜像を現像してKトナー像を得る二成分現象方式のものである。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。感光体4Kの表面上で現像されたKトナー像は、後述する一次転写ニップで中間転写ベルト25に一次転写される。
一次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置9Kによって感光体4K表面から除去される。同図では、ドラムクリーニング装置9Kとして、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードによって転写残トナーを掻き取る方式のものを示しているが、他の方式によって転写残トナーを除去するものを用いてもよい。
除電ランプ8Kは、光照射によって感光体4Kを除電する。除電された感光体4Kの表面は、帯電装置7Kによって一様に帯電せしめられることで、初期化する。帯電装置7Kとしては、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4Kに当接させながら回転させるものを示したが、感光体4Kに対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を用いてもよい。
4つのプロセスユニット3Y、M、C、Kの感光体4Y、M、C、Kには、これまで説明してきたプロセスによってY、M、C、Kトナー像が形成される。4つのプロセスユニット3Y、M、C、Kの下方には、転写ユニット20が配設されている。この転写ユニット20は、複数の張架ローラ(21、22、23)によって張架している中間転写ベルト25を、感光体4Y、M、C、Kに当接させてY、M、C、K用の一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト25を駆動ローラ21の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。
Y、M、C、K用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26Y、M、C、Kによって中間転写ベルト25を感光体4Y、M、C、Kに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26Y、M、C、Kには、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、Y、M、C、K用の一次転写ニップには、感光体4Y、M、C、K上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってY、M、C、K用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップで各色トナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
転写ユニット20の図中下方には、駆動ローラ29bと二次転写ローラ29aとの間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる紙搬送ユニット28が設けられている。この紙搬送ユニット28は、自らの二次転写ローラ29aと、転写ユニット20の中間転写ベルト25との間に、紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。
紙搬送ユニット28の二次転写ローラには図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット20の中間転写ベルト25のループ内で、中間転写ベルト25が掛け回されている転写バックアップローラ23は、接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対15が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙Pに一括二次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って図示しない定着装置30へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25の表面には、二次転写ニップで記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置24によって掻き取り除去される。
図3は本発明の第1の実施形態に係る定着装置の構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この定着装置100は、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を泡状の定着剤Buとして生成する泡状定着剤供給部130(泡状定着剤生成手段)と、泡状定着剤供給部130により生成された泡状定着剤Buを保持して記録紙6に搬送する塗布ローラ41と、塗布ローラ41に塗布された泡状定着剤Buにより記録紙6に形成されたトナー像を加圧しながら定着する加圧ローラ43と、塗布ローラ41上に残留した残留部材を除去するクリーニング装置70と、を備えた定着装置100において、定着装置前の記録紙搬送経路上に記録紙6の有無を検知する紙先端検知センサ(記録紙検知手段)5と、塗布ローラ41に接離可能に構成され、塗布ローラ41表面の泡状定着剤Buを除去するブレード(除去手段)1と、紙先端検知センサ5により検知した記録紙6の先端、又は/及び、後端を検知することによりブレード1に係る接離動作を制御する紙間ブレード制御回路(制御手段)16(図6参照)と、を備えて構成されている。
具体的な回収機構としては、塗布ローラ41表面に接離可能に構成されたブレード1、ブレード1により回収された泡状定着剤Buを一時貯蔵するオイルパン(貯留部)2、オイルパン2の外部を加熱するヒータ(加熱手段)3により液化して、ドレインホース等のパイプ手段により回収容器9に回収される。また、ブレード1の接離タイミングは、ブレード先端位置→ニップ位置Cの塗布ローラ41上の泡移動距離よりも遠い位置に設置された紙の先端、後端部を検出する紙先端検知センサ5により制御される。ブレードの接離手段としては、ソレノイドとバネの組み合わせ(図示せず)が一般的である。
また、オイルパン2に設置されたヒータ3は泡状定着剤Buが接触する部分で40℃〜50℃程度の温度を有していれば、十分な消泡効果が期待できる。消泡し液化した定着液は、塗布ローラ41の定着ニップC通過後のクリーニング装置70、加圧ローラ表面のクリーニング装置71aそれぞれから回収された液は、一つの回収容器9に集められる。回収容器9には満タン検知センサ8が構成されており、サービスマン、ユーザー等により処理される事で機外にあふれる事は無い。
図4は本発明の第2の実施形態に係る定着装置の構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この定着装置110は、オイルパン2に貯留した液化定着剤を泡状定着剤供給部130に循環させる定着剤循環手段を更に備えた。即ち、オイルパン2から回収された定着液は未使用なので、再利用が可能である。一旦、回収容器12に回収され一定時間おかれ、常温に熱が低下した後、ポンプ13等の手段により再利用の為、定着液密閉容器14に供給される。定着密閉容器14への補給には空気の混入は補給条件が変わる為、混入を防止しなければならない。そこで、回収容器12には満タン検知センサ10、補給エンド検知センサ11を設け補給量を制御している。実際の補給口よりも高い位置に補給エンド検知センサ11があれば空気が混入する事は無い。
図5(a)は本発明の第3の実施形態に係る定着装置の構成を示す図、図5(b)はブレードの拡大図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この定着装置120は、泡の回収→消泡のなかで消泡をブレード近傍で実施する事で連続回収の泡状定着剤Buの消泡に対応しやすくする事と、オイルパン2に比べ効率的な熱の使い方を実施している。即ち、オイルパン2の加熱はオイルパン全体を暖める必要があり、放熱が大きく効率よく泡状定着剤Buを加熱することができない。本実施形態では、ブレードによる泡状定着剤Buの流れのなかで、線ヒータ(耐定着液を有するシリコン皮膜等のヒータ)を這いまわす事で達成している(図5(b)参照)。
図6は本発明の定着装置に備えられたブレードの接離動作を説明する構成図である。ブレード1を接離する事で、塗布ローラ41上には泡状定着剤Buが存在する部分(ブレードを離間させていた範囲)と存在しない部分(ブレードを接触させていた範囲)を作り出す事が出来る。従って、塗布ローラ41が記録紙先端に接する所から記録紙後端に接する所だけに泡を存在させればよい。
仮に記録紙の先端、後端部を検出する紙先端検知センサ5が出力する信号の遅れ時間と、ソレノイド17を駆動してブレード1が動作する遅れ時間が無ければ、塗布ローラ41へブレード1が接する位置から塗布ローラ41へ記録紙が接する位置までの距離(L2)と、紙の先端、後端部を検出する紙先端検知センサ5から塗布ローラ41へ記録紙が接する位置までの距離(L1)を等しく構成しておけば、例えば図6のような回路構成で、搬送されてくる記録紙を紙先端検知センサ5が検出すると、紙先端検知センサ5の出力はHighになり、増幅器18の出力もHighになり、ドライバ19がONしてソレノイド17を吸引し、ブレード1を塗布ローラ41から離間する。
紙先端検知センサ5が転写紙を検出しなくなったら、紙先端検知センサ5の出力はLowになり、増幅器18の出力もLowになり、ドライバ19がOFFし、ソレノイド17は通電が断たれ、図示しないバネにより戻され、ブレード1を塗布ローラ41へ接触させるので、記録紙の先端から後端まで泡状定着剤Buを塗布でき、紙間ではニップ位置に泡状定着剤Buが来ないように出来る。
しかし、実際には紙の先端、後端部を検出する紙先端検知センサ5が出力する信号の遅れ時間は無視できる程短いが、ソレノイド17を駆動してブレード1が動作する遅れ時間の方は0.1秒程度あるので、線速300mm/Sで記録紙を搬送した場合には、0.1秒の間の移動距離は30mmになるので、記録紙の先端30mmは泡が塗布出来ない事になる。
従って、塗布ローラ41へブレード1が接する位置から塗布ローラ41へ記録紙が接する位置までの距離(L2)+30mmと、紙の先端、後端部を検出する紙先端検知センサ5から塗布ローラ41へ記録紙が接する位置までの距離(L1)を等しく構成しておけば、例えば図6のような回路構成で紙先端検知センサ5が搬送されてくる記録紙を検出すると、紙先端検知センサ5の出力はHighになり、増幅器18の出力もHighになり、その信号でドライバ19がONしてから、0.1秒遅れてソレノイド17を吸引し、ブレード1を塗布ローラ41から離間する。
紙先端検知センサ5が記録紙を検出しなくなったら、紙先端検知センサ5の出力はLowになり、増幅器18の出力もLowになり、その信号でドライバ19がOFFするので、ソレノイド17への通電が断たれてから0.1秒遅れて図示しないバネにより戻され、ブレード1を塗布ローラ41へ接触させるので、記録紙の先端から後端まで泡状転写材Buを塗布でき、紙間ではニップ位置に泡が来ないようにすることが出来る。
1 ブレード、2 オイルパン、3 ヒータ、4 ドレイン、5 紙先端検知センサ、6 記録紙、7 回収液皿、8 満タン検知センサ、9 回収容器、10 満タン検知センサ、11 補給エンド検知センサ、12 回収容器、13 ポンプ、14 定着液密封容器、15 ヒータ、100、110、120 定着装置
特許第3290513号 特開2007−219105公報

Claims (8)

  1. トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を泡状の定着剤として生成する泡状定着剤生成手段と、該泡状定着剤生成手段により生成された泡状定着剤を保持して記録紙に搬送する塗布ローラと、該塗布ローラに塗布された泡状定着剤により前記記録紙に形成されたトナー像を加圧しながら定着する加圧ローラと、前記塗布ローラ上に残留した残留部材を除去するクリーニング装置と、を備えた定着装置において、
    前記定着装置の記録紙搬送方向上流側に配置され記録紙の有無を検知する記録紙検知手段と、前記塗布ローラに接離可能に構成され、該塗布ローラ表面の前記泡状定着剤を除去する除去手段と、前記記録紙検知手段により検知した記録紙の先端、又は/及び、後端を検知することにより前記除去手段の接離動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記記録紙検知手段により検知した記録紙の先端位置から前記塗布ローラと前記加圧ローラにより形成されるニップ位置までの距離と、該ニップ位置から前記除去手段が前記塗布ローラに当接する位置までの周上距離とを等しく設定したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記除去手段は、前記塗布ローラに当接するブレードと、該ブレードにより除去した泡状定着剤を貯留する貯留部と、該貯留部を加熱して前記泡状定着剤を液化する加熱手段と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記貯留部に貯留した液化定着剤を前記泡状定着剤生成手段に循環させる定着剤循環手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着装置。
  5. 前記加熱手段は前記ブレードを加熱するヒータにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  6. 前記除去手段は、前記記録紙検知手段により記録紙の先端が検知されてから該先端が前記ニップ位置に到達するまでの間、前記ブレードを前記塗布ローラに当接することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の定着装置。
  7. 前記除去手段は、前記記録紙検知手段により記録紙の後端が検知されてから次の記録紙の先端が検知されるまでの間、前記ブレードを前記塗布ローラに当接することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の定着装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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