JP4009513B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーを溶解又は膨潤させる定着液をトナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着装置及びこれを備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録材上のトナーを加熱して融解し、これを加圧することでトナーを記録材上に定着させる熱定着方式を採用した画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、その消費電力の50%以上が定着部での加熱処理のために消費される。よって、定着部での電力消費を抑えることが画像形成装置全体の省エネ対策として有効である。従来、熱定着方式を採用しない定着方式も、種々提案されている。その中には、トナーを溶解又は膨潤させる定着液を用いて定着処理を行う湿式定着方式が知られている。この湿式定着方式は、トナーに定着液を付与してこれを溶解又は膨潤することで、トナーを記録材上に定着させるものである。この方式においては、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となるため、省エネ対策として優れた定着方式であると言える。また、熱定着方式のようなウォームアップ時間も不要であるため、クイックスタートが可能である。上記湿式定着方式を採用する画像形成装置としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特許第3290513号公報
【特許文献2】
特開平8−72386号公報
【特許文献3】
特開平9−78039号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の湿式定着方式では、トナーが付着した状態の記録材表面全域に定着液を付与するため、トナーが付着していない記録材表面部分にも定着液が付与されていた。そのため、記録材内部に多くの定着液が浸入し、記録材がカールしたり、記録材にシワが入ったりしやすいという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、省エネ対策のために湿式定着方式を採用しても、記録材のカールやシワの発生を抑制できる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを溶解又は膨潤させる定着液をトナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着装置において、トナー像担持体表面又は記録材表面に対向した複数の微細孔から上記定着液を噴出する噴出ヘッドと、該トナー像担持体表面又は該記録材表面に担持されたトナーにのみ該定着液が付着するように、トナー担持位置を示す位置情報に基づいて該噴出ヘッドの噴出制御を行う噴出制御手段とを有し、該噴出制御手段は、該トナー像担持体表面又は該記録材表面上に付着したトナーの量に応じて、該噴出ヘッドから噴出される定着液の量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記噴出制御手段は、上記トナー担持位置と同期して上記噴出制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1又は2の定着装置において、上記複数の微細孔が上記トナー像担持体表面又は上記記録材表面に対向した状態で、上記噴出ヘッドを移動させるヘッド移動手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1又は2の定着装置において、上記噴出ヘッドは、上記トナー像担持体又は上記記録材の表面移動方向に対して交差する方向におけるトナー像が存在し得る領域にわたって、上記複数の微細孔を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の定着装置において、上記複数の微細孔から噴出された定着液が上記トナー像担持体表面又は上記記録材表面に着弾したときの着弾ピッチが、該トナー像担持体表面又は該記録材表面に担持されるトナーによる画像のドットピッチよりも広くなるように、上記噴出ヘッドを構成したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1、2、3、4又の定着装置において、上記噴出ヘッドから噴出される定着液の温度を調節する温度調節手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の定着装置において、上記噴出ヘッドに供給される定着液を内部に貯留する定着液タンクを設け、上記温度調節手段は、該定着液貯留部材内の定着液の温度を調節することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の定着装置において、上記温度調節手段は、上記噴出ヘッド内の定着液の温度を調節することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、トナー像担持体と、該トナー像担持体上のトナーを記録材上に転写させる転写手段と、該記録材上に転写したトナー像を定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、上記定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7又の定着装置を用いたことを特徴とするものである。
【0007】
上記請求項1乃至の定着装置及び上記請求項の画像形成装置においては、トナー担持位置を示す位置情報に基づいて行われる噴出制御手段による噴出制御の下、噴出ヘッドは複数の微細孔から定着液を噴出する。この噴出制御は、トナー像担持体表面又は記録材表面に担持されたトナーにのみ定着液が付着するように行われる。トナー担持位置を示す位置情報に関しては、例えば、形成すべき画像の画像情報から把握することができる。そして、このようにして把握したトナー担持位置にだけ適量の定着液を噴出するので、定着液は、トナーが担持された部分にだけ供給され、トナーが担持されていない部分には供給されない。これにより、従来のように記録材全体に定着液を付与する場合に比べて、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくすることができる。
なお、トナー像担持体表面に担持されたトナーに対して定着液を供給する場合には、記録材に転写される前のトナーに定着液を付着させた状態でそのトナーを記録材上に転写する。よって、この場合には、トナー像が転写された記録材の搬送経路上に本定着装置を配置する必要がなくなり、装置の小型化を図ることが可能となる。一方、記録材表面に担持されたトナーに対して定着液を供給する場合には、トナー像をトナー像担持体表面に形成してからこれを記録材上に転写するまでの間に本定着装置を配置する必要がない。よって、トナー像をトナー像担持体表面に形成してからこれを記録材上に転写するまでの間の距離を短くすることが可能となり、装置の小型化を図ることが可能となる。なお、定着液をトナー像担持体表面上のトナーに対して供給するか、記録材表面上のトナーに対して供給するかは、装置レイアウトを考慮して適宜決定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のカラー複写機(以下、単に「複写機」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。なお、本実施形態の複写機は、トナー像担持体である中間転写ベルトを備えたいわゆるタンデム型のカラー画像形成装置である。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体100と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
【0009】
図3は、複写機本体100部分の構成を示す拡大図である。複写機本体100には、トナー像担持体としての中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持部材である支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの上方には、図2に示すように、露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる潜像担持体としての感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に表面移動部材としての転写部材である無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を記録材としての転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻き付いた中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラを用いた構成としてもよい。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
【0010】
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18BKを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。なお、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKは、少なくとも感光体ドラム20と、画像形成ユニットを構成する構成部品や構成装置の全部又は一部とを備えたプロセスカートリッジとして構成することができる。この場合、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKを複写機本体100に対して着脱自在に構成できるので、メンテナンス性が向上する。
【0011】
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18BKの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「BK」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63及び除電装置64が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
【0012】
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
【0013】
また、上記現像装置61は、一成分現像剤を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を使用している。本実施形態で使用する各色トナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、後述する定着液によって溶解又は膨潤可能なもので形成されている。この現像装置61は、攪拌部66と現像部67に大別できる。攪拌部66では、現像剤が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュ68が設けられており、2本のスクリュ68の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置内の現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。一方、現像部67では、現像スリーブ65に付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム20に転移される。この現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体ドラム20と対向する現像スリーブ65が設けられており、その現像スリーブ65内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ65に先端が接近するようにドクタブレード73が設けられている。
【0014】
この現像装置61では、現像剤を2本のスクリュ68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクタブレード73により適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。このようにして感光体ドラム20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム20上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻される。
このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
【0015】
また、上記1次転写装置62は、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20に押し当てるようにして設置されている。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。また、各1次転写装置62の間には、中間転写ベルト10の裏面すなわち内周面側に接触する導電性ローラ74が設けられている。この導電性ローラ74は、1次転写時に各1次転写装置62により印加するバイアスが、中間転写ベルト10の内周面側の層を通じて隣接する画像形成ユニットに流れ込むことを阻止するものである。
【0016】
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、後述するトナーリサイクル装置80を通じて現像装置61へと戻され、再利用する。
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
【0017】
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写装置62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
【0018】
次に、本実施形態における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにしいて原稿の画像情報を読み取る。
【0019】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18BKの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK及び2次転写装置22の2次転写ベルト24も回転駆動する。このとき、中間転写ベルト10の裏面に設けられた検知マーク99がマークセンサ98に検出されることで、各画像形成ユニット間の同期がとられる。なお、これら中間転写ベルト10、感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK及び2次転写ベルト24は、これらの間で一定の相対速度が維持されるように制御がなされている。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づき、露光装置21から、各画像形成ユニットの感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BKには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61Y,61C,61M,61BKにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写装置62Y,62C,62M,62BKにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
【0020】
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、分離ローラ52で1枚に分離した後、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
【0021】
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ49は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。その印加バイアスには、DC電圧が用いられるが、転写紙をより均一に帯電させるためにDCオフセット成分をもったAC電圧を用いてもよい。なお、このようにバイアスが印加されたレジストローラ49を通過した後の転写紙表面は、若干ながら負極性に帯電する。よって、この場合、中間転写ベルト10から転写紙への2次転写時にはレジストローラ49にバイアスが印加されなかった転写紙とは転写条件が変わるため、適宜転写条件を変更する必要が生じる。
【0022】
レジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に形成される2次転写ニップに送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。ここで、本実施形態では、この2次転写前に、後述するように、中間転写ベルト10上の合成トナー像に定着液を付与する。そして、定着液が付与された合成トナー像が2次転写ニップにおいて転写紙に押しつけられることで、その合成トナー像は、転写紙に2次転写されると同時に、転写紙上に定着される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で排紙ローラ56まで搬送され、排紙トレイ57に排出されスタックされる。
【0023】
次に、本発明の特徴部分である定着工程について説明する。
図1は、本実施形態1に係る複写機の定着手段としての定着装置を含む部分の概略構成図である。
本実施形態1の複写機は、中間転写ベルト10の表面移動方向において2次転写部の上流側に定着装置90が配置されている。この定着装置90は、噴出ヘッド91を備えている。この噴出ヘッド91は、中間転写ベルト10の表面と微小間隔を開けて対向するように配置される。また、定着装置90の定着液タンク93の内部には定着液92が収容されており、この定着液92は定着液供給管94を通って噴出ヘッド91に供給される。
図5は、噴出ヘッド91を中間転写ベルト10側から見た下面図である。噴出ヘッド91には、中間転写ベルト10の幅方向にわたって配列された多数の微細孔91aを有しており、これらの微細孔91aから中間転写ベルト10上のトナーに向けて定着液92が打ち出される。
【0024】
本実施形態1では、中間転写ベルト10の幅方向にわたって延びる噴出ヘッド91を採用しているが、これよりも幅の狭い図6に示すような噴出ヘッド191を中間転写ベルト10の軸方向にわたって往復移動させるような構成であってもよい。この場合、例えば、噴出ヘッド191をヘッド移動手段としての図示しないヘッド走査装置に取り付け、これを中間転写ベルト10に対向配置する。そして、図7(a)乃至図7(c)に示すように、噴出ヘッド191でトナーが付着し得る画像領域をラスタースキャンすることにより、全画像領域の所望の位置(トナーが付着している位置)に定着液92を供給することができる。
なお、噴出ヘッド91は、各微細孔から打ち出された定着液が着弾する地点周辺に位置するトナーを転写紙Pに定着させるために必要な微少量の定着液を打ち出せるものであればよい。よって、例えば、公知のインクジェット方式の画像形成装置で採用されているインクヘッドと同様の構成を採用することができる。
【0025】
図8は、本実施形態1において定着液92が中間転写ベルト10上のトナーに着弾したときの様子を示す説明図である。図中一点鎖線で示した各丸部分は、それぞれトナーによって形成されるドットDを示している。また、図中実線で示した各丸部分は、噴出ヘッド91の各微細孔91aからそれぞれ打ち出された定着液92を示している。ここで、1つのドットDに対して1つの微細孔91aを対向させれば、理想的には最小量の定着液でトナーの定着を行うことが可能である。しかし、この場合には、後述する噴出ヘッド91の定着液供給制御が複雑化し、また、微細孔91aの数が多くなるために高価な噴出ヘッド91が必要となる。そこで、本実施形態では、中間転写ベルト10の幅方向に配列される微細孔91の数を、その幅方向に存在し得るドットD数よりも少なくなっている。具体的には、図8に示すように、各微細孔91aからそれぞれ打ち出される定着液92の着弾ピッチGLが、トナーからなるドットDのピッチGDの約3倍になるように設定されている。これにより、定着液92を1回打ち出せば、3つのドットDに定着液を供給することができる。したがって、噴出ヘッド91の定着液供給制御を簡略化することが可能となり、また、微細孔91aの数を少ないため安価な噴出ヘッド91を利用することが可能となる。なお、本実施形態では、画像のドットピッチGDと定着液92の着弾ピッチGLとの比を3:1としたが、画像のドットピッチGDが定着液92の着弾ピッチGLよりも広いものであればよい。また、画像のドットピッチGDに対する定着液92の着弾ピッチGLの関係は、整数分の1とするのが好ましい。これにより、噴出ヘッド91の定着液供給制御を簡単化することができる。
【0026】
図9は、本実施形態1における定着工程を実行する主要な構成を示すブロック図である。
噴出ヘッド91は、噴出制御手段としてのヘッドコントローラ95による制御の下、中間転写ベルト10の表面に担持されたトナーに向けて定着液92を打ち出す。ヘッドコントローラ95は、本複写機全体を制御する制御部800に接続されており、その制御部800の命令に従って噴出ヘッド91による定着液92の打ち出しを制御する。
【0027】
次に、本実施形態1における定着工程の流れについて説明する。
ユーザーがスタートスイッチを押すと、コンタクトガラス32上の原稿の画像情報がスキャナ300の読取センサ36によって読み取られる。この画像情報がスキャナ300から制御部800に送られると、制御部800は、その画像情報に基づいて各部を制御し、画像形成動作が実行される。このとき、制御部800は、その画像情報から、形成すべき画像を構成するドット位置を各色ごとに把握し、そのドット情報を露光装置21に送ることで、露光装置21により、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK上にそれぞれの色に対応したドット状の静電潜像が形成される。制御部800は、露光装置21に出力するドット情報を、定着装置90のヘッドコントローラ95にも出力する。これにより、ヘッドコントローラ95は、中間転写ベルト10の表面にドット状に付着するトナーの位置を把握することができる。そして、トナーが付着した中間転写ベルト10の表面が噴出ヘッド91の対向位置に到達すると、ヘッドコントローラ95によって制御される噴出ヘッド91から、中間転写ベルト10上のトナーにのみ定着液92が打ち出される。すなわち、噴出ヘッド91から打ち出される定着液92は、中間転写ベルト10上のトナーの部分にのみ付着し、トナーが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分には付着しない。
【0028】
図10(a)及び図10(b)は、ヘッドコントローラ95による噴出制御である定着液供給制御によって、定着液92が中間転写ベルト10上のトナーに着弾したときの様子をそれぞれ示す模式図である。なお、ここでは、1つの微細孔91aから打ち出される定着液92が9個(3個×3個)のドットDに対応する場合について説明する。
本実施形態1では、ヘッドコントローラ95は、制御部800からのドット情報に基づいて、噴出ヘッド91の各微細孔91aについて定着液92の打ち出しをON/OFF制御する。図10(a)は、中間転写ベルト10上のトナー像を構成する全ドットDについて定着液92をもれなく供給する例を示している。この場合には、中間転写ベルト10上の全トナーに対してもれなく定着液92を供給できるため、定着の確実性を高めることができるが、トナーとともに転写紙P上に転移する定着液の量が必要以上に多くなるため、転写紙Pのカールやシワが発生するおそれもある。これに対し、図10(b)は、中間転写ベルト10上の一部のトナーに対しては定着液92の供給を省略する例を示している。具体的には、図中符号Cで示す部分に着弾する定着液92の供給を省略している。このように定着液92の供給直後においてはトナー全体に定着液92が行き渡っていない場合でも、その後、供給された定着液92はトナー粒子間に徐々に浸透していく。また、そのトナー像を転写紙P上に2次転写する際には、2次転写ニップに加わる圧力によって中間転写ベルト10上の定着液92が押しつぶされて広げられる。これらの結果から、定着液92が供給されていないトナーについても定着液92が付着することになる。したがって、中間転写ベルト10上の一部のトナーに対しては定着液92の供給を省略するような定着液供給制御を行っても、トナー全体に必要十分な定着液92を供給することができる。この場合、図10(a)に示した場合に比べて、転写紙Pのカールやシワが発生しにくい。
【0029】
また、図10(a)及び図10(b)では、トナーによって構成される画像が文字のような線画の例であるが、図11(a)乃至図11(c)は、写真のようなベタ画像の例を示すものである。この場合も、図11(b)又は図11(c)に示すように、中間転写ベルト10上の一部のトナーに対して定着液92の供給を省略しても、トナー全体に必要十分な定着液92を供給することができ、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制できる。
【0030】
また、図10や図11で示した例では、噴出ヘッド91の各微細孔91aから打ち出される定着液の量が一定であるが、この量を可変とすることもできる。
図12は、定着液の供給量を可変とする定着液供給制御を用いたときの、定着液92が中間転写ベルト10上のトナーに着弾したときの様子をそれぞれ示す模式図である。なお、ここでは、図10に示したようにトナーによって構成される画像が文字のような線画の例であるが、図11に示したように写真のようなベタ画像も同様である。この定着液供給制御では、ヘッドコントローラ95がドット情報に基づいて噴出ヘッド91から打ち出す定着液の量を各微細孔91aごとに制御する。具体的には、ドット情報から得られる中間転写ベルト10上に付着したトナーの分布、隣接する微細孔91aから打ち出される定着液の量などから、各微細孔91aから打ち出す定着液の適切な量を決定する。
【0031】
また、本実施形態では、噴出ヘッド91から打ち出した定着液92を、表面移動している中間転写ベルト10上のトナーに対して正確に着弾させる必要があるので、中間転写ベルト10の表面移動位置と同期して定着液供給制御を行う。具体的には、図1に示すように、中間転写ベルト10の裏面設けられた検知マーク99を同期検知手段としてのマークセンサ98によって検出する。この検出結果は、図9に示したように制御部800に出力される。これにより、制御部800は、中間転写ベルト10上のトナー像の先端位置を把握することができる。よって、制御部800は、中間転写ベルト10上のトナー像の先端位置が噴出ヘッド91の対向位置に到達するタイミングを把握することができる。
【0032】
図13は、中間転写ベルト10との同期制御の流れを示すフローチャートである。
ユーザーによりスタートスイッチが押されると(S1)、中間転写ベルト10、感光体ドラム20Y,20C,20M,20BK及び2次転写ベルト24が回転駆動する。そして、中間転写ベルト10の裏面に設けられた検知マーク99がマークセンサ98によって検出されると(S2)、制御部800が実行する同期制御プログラム内部のカウンタがカウントを開始する(S3)。このカウント値が目標値になると(S4)、噴出ヘッド91によるドット情報に基づく定着液の供給動作が開始される(S5)。なお、この目標値は、マークセンサ98の検出時における中間転写ベルト10上のトナー像先端位置が噴出ヘッド91の対向位置に到達するまでの期間に相当するものである。その後、中間転写ベルト10上のトナー像の後端が噴出ヘッド91の対向位置を通過するまでの間、ヘッドコントローラ95によって噴出ヘッド91からドット情報に基づく定着液の供給がなされる(S6)。
【0033】
本実施形態で使用する定着液92は、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料(以下、「溶解・膨潤成分」という。)と水とからなる液である。この溶解・膨潤成分は水との親和性をもつ材料であるのが望ましい。この溶解・膨潤成分の具体例としては、高級グリコールエーテル、エチレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル、エチレングリコール、モノメチルエーテル=2−メトキシエタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ブチルセロソルブエチルカルビトール、脂肪族二塩基酸エステル、DBE(二塩基酸エステル)、エステル系高沸点混合剤、直鎖二塩基酸エステル(マレイン酸エステル)、イタコン酸エステル、トリメリットエステル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
また、上記溶解・膨潤成分を水に分散させるために界面活性剤を用いてもよい。この界面活性剤の具体例としては、脂肪酸誘導体硫酸エステル、スルホン酸型、リン酸エステルなどの陰イオン(アニオン)界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体などの陽イオン(カチオン)界面活性剤やアミノ酸エステル、アミノ酸、スルホベタインなどの両性イオン(ノニオン)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
本実施形態では、上記溶解・膨潤成分と上記界面活性剤を水に対し20%以下の濃度で混合した液を定着液92として用いている。
【0034】
また、本実施形態の中間転写ベルト10の表面は、撥液処理としてフッ素処理等が施されており、これにより撥水性が付与されている。この処理は、水に対する接触角が60°以上になるようにするのが好ましい。このような撥水処理を施せば、トナーが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分に定着液92が付着しても、その定着液はその周囲にあるトナーに引き寄せられて集まり、その部分の定着液はなくなる。したがって、噴出ヘッド91による定着液の着弾精度が多少悪くても、トナーが担持されていない中間転写ベルト表面部分に定着液を付着させずに済む。この場合、噴出ヘッド91として比較的着弾精度の悪い安価なものを利用することができる。
【0035】
図14(a)〜図14(c)は、中間転写ベルト10の表面に担持されたトナーT及びこれに付与された定着液92の経時的な状態変化を示す説明図である。噴出ヘッド91から打ち出された定着液92は、図14(a)に示すように、中間転写ベルト10上のトナー部分にのみ付着する。このようにしてトナーTに定着液92が付与されると、トナーTの樹脂成分は定着液92の溶解・膨潤成分と反応する。これにより、トナーTは、図14(b)に示すように、膨潤、溶解することになる。その後、トナーTは、粘着性を持った状態となり、図14(c)に示すように、膨潤時に内部に含侵した定着液92の余剰分を表面に吐き出してフィルム状に変化する。このようにフィルム状に変化したトナーTは、中間転写ベルト10の表面移動に伴い、これと2次転写装置22の2次転写ベルト24とによりニップが形成された2次転写部に搬送される。そして、この2次転写部において、中間転写ベルト10上のトナーTは、転写紙Pの表面に押しつけられることで、その粘着性により転写紙P上に転写されるとともに定着される。
【0036】
以上、本実施形態1によれば、中間転写ベルト10の表面上の定着液92はトナーの部分にだけ存在することになる。したがって、従来のように転写紙全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。
また、本実施形態1によれば、従来に比べて、転写紙1枚当たりに消費する定着液92の量も少なくなるため、定着液92の無駄な消費を抑えることができるという利点もある。
更に、転写紙P上における定着液92の付着量が減る結果、本実施形態1のように、その定着液92を強制的に乾燥させる機構を設けない構成を実現することが可能となる。したがって、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略でき、省エネ化を図ることができる。
【0037】
〔構成例1〕
次に、上記実施形態1の定着装置の一構成例(以下、「構成例1」という。)について説明する。
中間転写ベルト10上において、定着液92が付与されたトナーTは、図14(b)に示したように膨潤した後、図14(c)に示したように内部に含侵した定着液92の余剰分を表面に吐き出してフィルム状に変化する。フィルム状に変化した後に残る定着液92は、もはや定着には寄与しない不要物である。このまま放置してその定着液92が転写紙Pに付着しても、その付着量は従来に比べて少量であるため、転写紙Pがカールしたりシワになったりする度合いは小さい。しかし、転写紙Pのカールやシワをより抑制するためには、この不要となった定着液92を積極的に除去する方が望ましい。
また、画像面積率が高い画像を転写紙P上に形成する場合には、転写紙P上におけるトナーTの占有率も高くなり、これに比例して転写紙Pに付着する定着液92の量も多くなる。この場合、上記定着装置90による中間転写ベルト10への定着液92の供給量が多すぎると、転写紙Pがカールしたりシワになったりする度合いが実用的な範囲を超えるおそれがある。したがって、この点からも、不要となった定着液92を積極的に除去するのが望ましいといえる。
そこで、本構成例1では、これを除去する機構を付加した具体例について説明する。
【0038】
図15は、本構成例1の定着装置190を示す概略構成図である。この定着装置190の本体部分は、図1に示した上記実施形態1の定着装置90と同じ構成となっている。しかし、この定着装置190には、上記実施形態1とは異なり、余剰液除去手段としての余剰液回収ローラ196aが設けられている。この余剰液回収ローラ196aは、噴出ヘッド91によって定着液92が供給される液供給位置と上記2次転写部との間で、中間転写ベルト10の表面に接触するように配置されている。この余剰液回収ローラ196aは、その接触位置において中間転写ベルト10の表面と同じ線速でかつ同方向に回転駆動するように構成されている。この余剰液回収ローラ196aとしては、アルマイト処理などがなされた金属ローラが好ましい。また、ゴムなどで形成されたローラであってもよいが、この場合には、粘着性を持ったトナーTが容易に付着しないように、シリコンゴムなどの撥油性材料で表面が形成されたものであるのが望ましい。
【0039】
本構成例1においては、定着液92とトナーTを担持した中間転写ベルト10の表面部分が余剰液回収ローラ196aとの接触位置に到達すると、中間転写ベルト10と余剰液回収ローラ196aとの間に不要となった定着液92が挟み込まれる。そして、その中間転写ベルト10の表面部分が上記接触位置を通過するとき、中間転写ベルト10上の定着液92は余剰液回収ローラ196aの表面側に付着する。これにより、不要となった定着液92は、余剰液回収ローラ196aによって回収され、中間転写ベルト10の表面から除去される。なお、余剰液回収ローラ196aによって回収された定着液92は、クリーニングブレード196bによって掻き取られる。
【0040】
以上、本構成例1によれば、中間転写ベルト10上のトナーTが転写紙P上に2次転写される前に、既に定着には不要となった定着液92を除去することができる。これにより、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量が更に少なくなり、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
また、中間転写ベルト10の表面は上述のように撥水処理がなされているが、その撥水作用が経時的に衰える場合がある。この場合、トナーが担持されていない中間転写ベルト10の表面部分に、僅かながら定着液92が水滴状に付着してしまうおそれがある。しかし、本構成例1によれば、このような水滴状の定着液92も、余剰液回収ローラ196aによって同様にして回収することができる。よって、本構成例1によれば、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワも効果的に抑制することができる。
【0041】
なお、本構成例1では、余剰液回収ローラ196aを中間転写ベルト10の表面に接触させて不要な定着液92を回収しているが、この余剰液回収ローラ196aを用いた他の構成を採用することもできる。例えば、余剰液回収ローラ196aを中間転写ベルト10の表面に微小間隔を開けて配置し、その対向位置において余剰液回収ローラ196aの表面が中間転写ベルト10の表面に対してカウンター方向に移動するように回転駆動させる。このような構成とすれば、余剰液回収ローラ196aをいわゆるスクイズローラとして機能させることができる。これにより、その微小間隙を中間転写ベルト10上の定着液92が通過する際、その定着液92は、余剰液回収ローラ196aの表面にスクイズされ、回収される。この構成によれば、上述した余剰液回収ローラ196aを接触させて定着液を除去する場合に比べ、定着液の除去の際にトナーTに加わる外力を少なくできる。よって、定着液92を除去する際に、中間転写ベルト10上に担持されたトナーTによるトナー像が乱れるのを抑制することができる。
【0042】
〔構成例2〕
次に、上記実施形態1の定着装置の他の構成例(以下、「構成例2」という。)について説明する。
図16は、本構成例2の定着装置290を示す概略構成図である。この定着装置290も、上記構成例1と同様に、本体部分が図1に示した上記実施形態1の定着装置90と同じ構成であり、余剰液除去手段を備えている。しかし、本構成例2は、余剰液除去手段がエアーナイフ296である点で上記構成例1と相違する。
【0043】
本構成例2の定着装置290は、上記構成例1の余剰液回収ローラ196aと同じ位置にエアーナイフ296が配置されている。このエアーナイフ296は、中間転写ベルト10の幅方向にわたって開口するスリット状のエアー吹出口296aを備えている。また、エアーナイフ296は、吸気ファン296bを備えており、その吸気ファン296bで吸引したエアーがエアー吹出口296aから噴出するように構成されている。エアー吹出口296aは、中間転写ベルト10の表面移動方向に対してカウンター方向に、エアーを中間転写ベルト10の表面に吹き付けるように配置されている。中間転写ベルト10上の定着液92は、エアー吹出口296aからのエアーによって、中間転写ベルト10の表面移動方向とは逆方向に戻され、最終的には重力によって下方に滴下し、エアーナイフ296の回収ケース296c内に回収される。
【0044】
以上、本構成例2によれば、上記構成例1と同様に、中間転写ベルト10上のトナーTが転写紙P上に2次転写される前に、既に定着には不要となった定着液92を除去することができる。よって、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができ、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。また、上記構成例1と同様に、中間転写ベルト10の撥水性の経時劣化によって発生し得る転写紙Pのカールやシワも効果的に抑制することができる。
特に、本構成例2では、エアーによって不要な定着液92を除去するので、上記構成例1のように余剰液回収ローラ196aを接触させる場合に比べて、トナーTに加わる外力が少ない。したがって、不要な定着液92を除去する処理により、中間転写ベルト10上に担持されたトナーTによるトナー像が乱れるのを抑制することができる。
【0045】
〔構成例3〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の構成例(以下、「構成例3」という。)について説明する。
中間転写ベルト10上において定着液92が付与されたトナーTは、その定着液92と反応することで、図14(c)に示したようにフィルム状に変化し、粘着性をもつようになる。そして、この反応は、熱を与えることによって促進されることが知られている。そこで、本構成例3では、中間転写ベルト10上のトナーに付着した定着液92を加熱するための機構を付加した具体例について説明する。
【0046】
図17は、本構成例3の定着装置390を示す概略構成図である。この定着装置390の本体部分は、図1に示した上記実施形態1の定着装置90と同じ構成となっているが、この定着装置390には、加熱手段としてのヒータ397が設けられている。このヒータ397は、上記液供給位置と上記2次転写部との間で、中間転写ベルト10の表面に対向するように配置されている。
【0047】
本構成例3によれば、トナーTに付着した定着液92をヒータ397によって加熱することで、トナーTの樹脂成分の溶解反応が促進され、トナーTの定着性の向上を図ることができる。また、このように溶解反応を促進することで、上記液供給位置と上記2次転写部との間における中間転写ベルト10の部分の長さを短くできるため、装置の小型化を図ることもできる。更に、本構成例3のようにヒータ397によって加熱することで、トナーTに付着した余分な定着液の水分を蒸発させることもできるので、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。よって、転写紙Pのカールやシワの発生を更に抑制することができる。
【0048】
なお、本構成例3のヒータ397を、上記構成例1や上記構成例2の定着装置190,290に付加してもよい。この場合、ヒータ397は、余剰液回収ローラ196a又はエアーナイフ296等の余剰液除去手段よりも、中間転写ベルト10の表面移動方向下流側に配置するのが望ましい。この場合、余剰液除去手段によって十分に余剰液が除去された状態で熱を加えることができるので、定着液92及びトナーTに熱が伝わりやすくなる。その結果、トナーTの樹脂成分の溶解反応をより効率よく促進させることができ、また、転写紙Pに付着する定着液92の量を更に少量に抑えることができる。
また、本構成例3のヒータ397の代わりに、他の構成を採用することもできる。例えば、このヒータ397とともに、トナーT及び定着液92が付着した中間転写ベルト10の表面に温風を吹き付けるためのファンを備えた温風供給手段としての温風供給装置を用いることもできる。この場合、加熱手段がヒータ397のみの場合に比べて、より効率よく中間転写ベルト10上のトナーT及び定着液92を加熱することができる。特に、このようなヒータとファンを備えた構成であれば、上記構成例1や上記構成例2で例示した余剰液除去手段と上記加熱手段の両方の機能を併せ持つ手段を実現することができる。これにより、装置の省スペース化及び低コスト化を図ることが可能となる。
また、本構成例3のヒータ397の代わりに、図18に示すような加熱手段を採用することもできる。この加熱手段は、中間転写ベルト10の裏面に接触する加熱ローラ497である。この加熱ローラ497は、その内部にヒータ497aを備えており、中間転写ベルト10を裏面側から加熱するものである。中間転写ベルト10が加熱ローラ497によって加熱されることで、その表面に付着するトナーT及び定着液92が加熱される。この構成によれば、中間転写ベルト10の周囲に配置される部材数を減らすことができ、装置の小型化を図ることができる。
【0049】
〔構成例4〕
次に、上記実施形態1の定着装置の更に他の構成例(以下、「構成例4」という。)について説明する。
上記構成例3で説明したように、定着液92とトナーTとの反応は、熱を与えることによって促進される。そして、本構成例4では、中間転写ベルト10上のトナーに供給する前の定着液92を予め加熱しておく具体例について説明する。
【0050】
図19は、本構成例4における定着装置590を示す概略構成図である。この定着装置590の本体部分は、図1に示した上記実施形態1の定着装置90と同じ構成となっているが、この定着装置590には、定着液タンク93内の定着液92の温度を調節する温度調節手段としての温度制御部598が設けられている。また、定着液タンク93には、温度検知手段としての温度センサ598bが設置されており、その検知結果は温度制御部598に出力される。温度制御部598は、その検知結果に基づいて、定着液タンク93内に配置されたヒータ598aを制御し、定着液タンク93内の定着液92の温度を、上記反応に適した温度に保っている。これにより、中間転写ベルト10上のトナーには、加熱された定着液92が供給されることになり、トナーTの樹脂成分の溶解反応をより効率よく促進させることができる。
【0051】
また、図20に示す定着装置690のように、噴出ヘッド91の内部にヒータ698aを配置し、これを温度制御部698によって制御するようにしてもよい。この場合、打ち出し直前の定着液の温度を制御できるため、トナーに供給される定着液92の温度を、より効率的かつ確実に上記反応に適した温度とすることができる。また、噴出ヘッド91の内部に収容可能な定着液の量は定着液タンク93内に比べて極めて少量であるため、図19に示した例に比べて、加熱に必要なエネルギー量が少なくて済む。
【0052】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に複写機に適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。なお、本実施形態の複写機の基本構成や画像形成動作は、上記実施形態1とほぼ同様であるので、以下、これらの実施形態とは異なる定着工程に関してのみ説明する。
【0053】
図21は、本実施形態2に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図である。本実施形態2で用いる定着装置790は、上記実施形態1で用いた定着装置90と同じ構成を有する。すなわち、本実施形態2の定着装置790も、制御部800からドット情報を受け取ることで、定着液タンク793内の定着液92を噴出ヘッド791からトナーTにだけ打ち出すものである。しかし、本実施形態2の定着装置790は、転写紙P上のトナーTに対して定着液92を打ち出す点で、中間転写ベルト10上のトナーTに対して定着液92を打ち出す上記実施形態1とは異なっている。すなわち、本実施形態2では、転写紙Pに2次転写される前のトナーTではなく、転写紙Pに2次転写された後のトナーTに対して定着液92を付与する。
【0054】
以上、本実施形態2によれば、転写紙P上のトナーTの部分にだけ定着液92を付与し、トナーTが付着していない転写紙Pの表面には定着液を付与しない。そのため、上記実施形態1と同様に、従来のように転写紙全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。また、本実施形態2によれば、上記実施形態1と同様に、従来に比べて、定着液92の無駄な消費を抑えることができるとともに、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略することが可能で省エネ化を図ることもできる。
また、本実施形態2によれば、上記実施形態1のように中間転写ベルト10の表面に撥水処理を施すなど、中間転写ベルト10に特殊な加工を施す必要がないため、中間転写ベルト10の表面材質が制限されることがないという利点もある。
【0055】
なお、本実施形態2に係る複写機に、上記構成例3で例示した加熱手段や上記構成例4で例示した温度調節手段を付加してもよい。その場合、これらの構成例について説明した効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態2のように、転写紙P上のトナーTに対して定着液92を供給する場合、ヘッドコントローラ95による定着液供給制御を、転写紙Pの表面移動位置と同期させるのが望ましい。この場合、制御部800は、画像形成動作において、転写紙Pと中間転写ベルト10との間で同期をとっているため、上記マークセンサ98の検知結果から転写紙Pの表面移動位置を把握することができる。よって、上記実施形態1の構成をそのまま利用することができる。もちろん、転写紙Pの搬送経路上に記録材検知手段としての転写紙検知センサを設け、その検知結果に基づいて同期させてもよい。なお、転写紙Pの搬送は、中間転写ベルト10の表面移動に比べて一般に精度が悪いこと、及び、2次転写ニップでは転写紙Pの滑りがほとんど発生しないことから、上記実施形態1の構成を利用した方が高い精度で同期をとることができる。
【0056】
以上、上記各実施形態の複写機が備える定着装置90,190,290,390,590,790は、トナーを溶解又は膨潤させる定着液92をトナーTに付与して、そのトナーTを記録材としての転写紙P上に定着させるものである。よって、熱定着方式のような大量の電力消費を伴う加熱処理が不要となり、大幅な省エネ化を図ることができる。また、これらの定着装置では、トナー像担持体である中間転写ベルト10の表面又は転写紙Pの表面に対向した複数の微細孔から定着液92を噴出する噴出ヘッド91,191,791を備えている。そして、トナーTにのみ定着液92が付着するように、トナー担持位置を示す位置情報としてのドット情報に基づき、噴出制御手段としてのヘッドコントローラ95によって噴出ヘッド91,791の噴出制御がなされる。よって、従来のように転写紙Pの全体に定着液を付与する場合に比べて、転写紙Pの内部に侵入する定着液92の量を少なくでき、転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。また、従来に比べて、転写紙Pの1枚当たりに消費する定着液92の量も少なくなるため、定着液92の無駄な消費を抑えることもできる。更に、転写紙P上における定着液92の付着量が減る結果、定着液92を強制的に乾燥させる機構を設けない構成を実現することが可能となる。したがって、従来強制的に乾燥させる機構で消費されていた電力消費を省略でき、更なる省エネ化を図ることができる。
また、上記実施形態1で説明したように、複数の微細孔が中間転写ベルト10の表面又は転写紙Pの表面に対向した状態で、噴出ヘッド191をヘッド移動手段としてのヘッド走査装置によって移動させてもよい。この場合、微細孔191aの数を少なくできるので安価な噴出ヘッドを利用することが可能となる。
また、上記各実施形態では、複数の微細孔91aから噴出された定着液92が中間転写ベルト10又は転写紙Pのに着弾したときの着弾ピッチGLが、トナーTによる画像のドットピッチGDよりも広くなるように、噴出ヘッド91が構成されている。これにより、噴出ヘッド91の定着液供給制御を簡略化することが可能となり、また、微細孔91aの数を少ないため安価な噴出ヘッド91を利用することが可能となる。
また、上記各実施形態では、ヘッドコントローラ95による定着液供給制御がトナー担持位置と同期して行われる。これにより、噴出ヘッド91から打ち出した定着液92のトナーに対する着弾精度を高めることができる。
また、上記各実施形態では、ヘッドコントローラ95によって、中間転写ベルト10の表面又は転写紙Pの表面に付着したトナーの量に応じて、噴出ヘッド91から噴出される定着液92の量を制御している。これにより、各微細孔91aから打ち出す定着液の量を、転写紙Pへのトナー定着に必要十分な量に制御することが可能となり、より効率よく転写紙Pのカールやシワの発生を抑制することができる。
また、上記構成例4では、噴出ヘッド91から噴出される定着液92の温度を調節する温度調節手段として、ヒータ598a,698a、温度センサ598b,698b及び温度制御部598,698を備えている。これにより、予め加熱しておいた定着液92をがトナーに供給することができ、トナーTの樹脂成分の溶解反応をより効率よく促進させることができる。しかも、上記構成例3で説明したような加熱手段を別途設けなくても上記反応を促進できる結果、省スペース化を図ることが可能となる。
特に、図19に示したように、噴出ヘッド91に供給される定着液92を内部に貯留する定着液タンク93内の定着液温度を調節する構成とすれば、温度調節手段の設置スペースの制限が少ないので、既存の安価な温度調節機構を利用することができる。
一方、図20に示したように、噴出ヘッド91内の定着液温度を調節する構成とすれば、噴出直前の定着液温度を制御できるため、トナーTに供給される定着液92の温度を、より効率的かつ確実に上記反応に適した温度とすることができる。更に、噴出ヘッド91の内部に収容可能な定着液の量は定着液タンク93内に比べて極めて少量であるため、図19に示した例に比べて、加熱に必要なエネルギー量が少なくて済む。
【0057】
尚、上記各実施形態では、定着液として、トナーTを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料と水とからなる液を用いているが、これに限らず、公知であるすべての定着液を用いることができる。
また、上記各実施形態では、中間転写体を用いたカラー複写機を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、中間転写ベルト10の代わりにドラム状やローラ状の中間転写体を用いてもよい。また、単一の潜像担持体上に順次各色トナー像を形成してこれらを中間転写体上に順次転写してカラー画像を形成するいわゆる1ドラム型の画像形成装置であってもよい。
また、中間転写体を用いずに感光体ドラム等の潜像担持体から直接転写紙Pに転写を行うものであってもよい。この場合、上記実施形態1のような定着装置90を利用し、その潜像担持体上のトナーに対して定着液を供給する構成としてもよい。
もちろん、画像形成装置としては複写機に限らず、プリンタやファクシミリでもよいことは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、従来のように記録材全体に定着液を付与する場合に比べて、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくすることができるので、省エネ対策のために湿式定着方式を採用しても記録材のカールやシワの発生を抑制することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図。
【図2】同複写機全体の概略構成図。
【図3】同複写機の本体部分の構成を示す拡大図。
【図4】同複写機の隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。
【図5】同定着装置の噴出ヘッドを中間転写ベルト側から見た下面図。
【図6】同定着装置の噴出ヘッドの他の例を示す中間転写ベルト側から見た下面図。
【図7】(a)〜(c)は、同噴出ヘッドによる走査の例を示す説明図。
【図8】同定着装置によって定着液が中間転写ベルト上のトナーに着弾したときの様子を示す説明図。
【図9】同複写機の定着工程を実行する主要な構成を示すブロック図。
【図10】(a)及び(b)は、ヘッドコントローラによる定着液供給制御によって、定着液が中間転写ベルト上のトナーに着弾したときの様子をそれぞれ示す模式図。
【図11】(a)〜(c)は、写真のようなベタ画像の例につき、ヘッドコントローラによる定着液供給制御によって定着液が中間転写ベルト上のトナーに着弾したときの様子をそれぞれ示す模式図。
【図12】定着液の供給量を可変とする定着液供給制御を用いたときの、定着液が中間転写ベルト上のトナーに着弾したときの様子をそれぞれ示す模式図。
【図13】同定着装置における中間転写ベルトとの同期制御の流れを示すフローチャート。
【図14】(a)〜(c)は、中間転写ベルト表面に担持されたトナー及びこれに付与された定着液の経時的な状態変化を示す説明図。
【図15】構成例1の定着装置を示す概略構成図。
【図16】構成例2の定着装置を示す概略構成図。
【図17】構成例3の定着装置を示す概略構成図。
【図18】同定着装置の他の構成を示す概略構成図。
【図19】構成例4の定着装置を示す概略構成図
【図20】同定着装置の他の構成を示す概略構成図。
【図21】実施形態2に係る複写機の定着装置を含む部分の概略構成図。
【符号の説明】
10 中間転写ベルト
18Y,18C,18M,18BK 画像形成ユニット
20Y,20C,20M,20BK 感光体ドラム
21 露光装置
22 2次転写装置
90,190,290,390,590,790 定着装置
91,191,791 噴出ヘッド
92 定着液
93 定着液タンク
98 マークセンサ
99 検知マーク
110 中間転写ドラム
122 2次転写装置
196a 余剰液回収ローラ
300 スキャナ
296 エアーナイフ
397 ヒータ
497 加熱ローラ
598,698 温度制御部
598a,698a ヒータ
598b,698b 温度センサ
800 制御部
P 転写紙
T トナー

Claims (9)

  1. トナーを溶解又は膨潤させる定着液をトナーに付与して、該トナーを記録材上に定着させる定着装置において、
    トナー像担持体表面又は記録材表面に対向した複数の微細孔から上記定着液を噴出する噴出ヘッドと、
    該トナー像担持体表面又は該記録材表面に担持されたトナーにのみ該定着液が付着するように、トナー担持位置を示す位置情報に基づいて該噴出ヘッドの噴出制御を行う噴出制御手段とを有し、
    該噴出制御手段は、該トナー像担持体表面又は該記録材表面上に付着したトナーの量に応じて、該噴出ヘッドから噴出される定着液の量を制御することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    上記噴出制御手段は、上記トナー担持位置と同期して上記噴出制御を行うことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2の定着装置において、
    上記複数の微細孔が上記トナー像担持体表面又は上記記録材表面に対向した状態で、上記噴出ヘッドを移動させるヘッド移動手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1又は2の定着装置において、
    上記噴出ヘッドは、上記トナー像担持体又は上記記録材の表面移動方向に対して交差する方向におけるトナー像が存在し得る領域にわたって、上記複数の微細孔を有することを特徴とする定着装置。
  5. 請求項の定着装置において、
    上記複数の微細孔から噴出された定着液が上記トナー像担持体表面又は上記記録材表面に着弾したときの着弾ピッチが、該トナー像担持体表面又は該記録材表面に担持されるトナーによる画像のドットピッチよりも広くなるように、上記噴出ヘッドを構成したことを特徴とする定着装置
  6. 求項1、2、3、4又の定着装置において、
    上記噴出ヘッドから噴出される定着液の温度を調節する温度調節手段を設けたことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項の定着装置において、
    上記噴出ヘッドに供給される定着液を内部に貯留する定着液タンクを設け、
    上記温度調節手段は、該定着液貯留部材内の定着液の温度を調節することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項の定着装置において、
    上記温度調節手段は、上記噴出ヘッド内の定着液の温度を調節することを特徴とする定着装置。
  9. トナー像担持体と、
    該トナー像担持体上のトナーを記録材上に転写させる転写手段と、
    該記録材上に転写したトナー像を定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
    上記定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7又の定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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