JP5019515B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は定着装置、定着液、及び画像形成装置に関し、詳細には色材を含有した樹脂微粒子(トナー)を記録媒体に定着させる定着装置、この定着装置に用いる定着液、及びこの定着装置を使用する画像形成装置に関する。
プリンター、ファクシミリ、及び複写機のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からみれば、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が、低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えば、トナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が、特許第3,290,513号公報(「トナーの湿式定着方法」、特許文献1)に提案されている。
しかしながら、上記特許文献1の湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(被定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。
また、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、トナーを溶解又は膨潤させる材料を油性溶媒に溶解させた油性の定着液が、従来よりいくつか提案されている。その一つとして、特開2004−109749号公報(「画像形成装置」、特許文献2)には、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分とする脂肪族二塩基酸エステル等を、希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が提案されている。また、特開昭59−119364号公報(「未定着トナー画像の定着用溶液および定着方法」、特許文献3)には、静電気的方法で形成された未定着画像を乱すことなく、鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量部に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が提案されている。このような油性の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
また、特開2006−323196号公報(「定着液塗布装置および画像形成装置」、特許文献4)において、定着液を記録媒体または中間転写体上の乾式トナーに接触付与する構成において、記録媒体のサイズを検知し、その検知結果に応じて定着液塗布領域を変更することが提案されている。定着液の接触付与手段において、記録媒体、例えば、普通紙の幅以外に定着液が付与されると、定着装置内を定着液で汚染させる恐れがあり、記録媒体のサイズに応じて、普通紙のところだけ定着液を付与するように塗布領域を変更させる機構を設けることは重要な課題である。
しかし、この従来技術では、具体的な定着液塗布領域の変更手段として、長手方向の長さの異なる複数の塗布ローラを用いるか、または、塗布ローラへ定着液を供給する離接可能な長手方向の長さの異なる複数の供給ローラを用いる構成である。これらの技術では、記録媒体のサイズ分の複数のローラが必要となり、定着部の小型化が容易ではなくなり、また、記録媒体内においても、余白部への付与による定着液の無駄は防止できない。
また、特開2006−163083号公報(「画像形成装置」、特許文献5)において、画像部よりも非画像部の方が定着液の単位面積当りの付着量を少なくすることが提案されている。この目的は、紙等の記録媒体の非画像部である余白部への定着液の付与量を抑えて、紙等の記録媒体のカールやシワを防止すること、定着液の使用量を低減することである。
しかし、カラー画像のごとく、画像により記録媒体上のトナー層の厚みが単色画像よりも厚くなる場合、単に、非画像部の定着液付与量を下げる構成では、トナー層全てを定着液で濡らすほどの付与量が確保できるとは限らず、定着不良を発生する恐れがある。逆に、画像部への定着液付与量を最も厚いトナー層の厚みに最適となるように合わせてしまうと、単色画像やハーフトーン画像のごとく、トナー層が薄い領域において、トナー量に対し過剰な定着液が付与されてしまい、トナー層にタック感が強くなり、印刷後の紙どうしのブロッキング(印刷紙を重ねたときの紙どうしの張り付き不具合)や画像のにじみを発生する可能性がある。
特許第3,290,513号明細書 特開2004−109749号公報 特開昭59−119364号公報 特開2006−323196号公報 特開2006−163083号公報
本発明は、回転可能な塗布ローラを用いて、フォーム状定着液を記録媒体上の未定着トナーに付与する際に、カラー写真画像等の記録媒体上でトナー層の厚みが異なる画像に対し、定着不良やタック感の発生がなく、良好な定着を行うことができるように定着装置を工夫することをその技術課題とし、高性能な定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するための手段(請求項1に対応)は、記録媒体上に形成された色材を含有する樹脂微粒子層を、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで該樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する定着液により、該記録媒体に定着させる定着装置を前提として、
上記定着液をフォーム化するフォーム状定着液発生手段と、上記フォーム状定着液を上記記録媒体上の樹脂微粒子層に付与する塗布ローラと、上記塗布ローラに上記フォーム状定着液を供給するフォーム状定着液供給手段と、上記塗布ローラとの間にギャップを有して設けられ、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変するブレードとを有し、上記記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを上記ブレードにより可変して、該樹脂微粒子層の厚みが大きい程、上記ギャップを広くして該フォーム状定着液層の厚みを大きくすることである。
このように構成することにより、記録媒体上に形成された色材を含有する樹脂微粒子層の厚みに応じて、フォーム状定着液の塗布量を制御することができるため、厚い樹脂微粒子層や薄い樹脂微粒子層に適する定着液の付与が可能となり、定着不良やタック感の発生を抑制することができ、良好な定着を行うことが可能となる。
(2) また、上記定着装置において、ブレードは、塗布ローラの長手方向に複数個に分割して配置され、記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、分割されたブレードごとに上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変することができる。(請求項2に対応)
このような構成によれば、記録媒体の搬送方向に直角な方向にフォーム状定着液の付与量を細かく制御することが可能となり、定着の信頼性が向上する。
(3) また、上記定着装置において、ブレードによる塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みの可変は、記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、フォーム状定着液供給手段からの供給量の可変により行うことができる。
このような構成によれば、機械的に複雑な機構を設けることなく、フォーム状定着液の付与量を制御することが可能となり、定着装置の小型化が容易となる。
(4) また、上記定着装置において、フォーム状定着液供給手段が、記録媒体の搬送方向に対して直角な方向に複数個配列され、塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みの可変は、記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、各フォーム状定着液供給手段の個別のON/OFFにより行うことができる。
このような構成によれば、各フォーム状定着液供給手段を個別にON/OFFすることにより、分割して制御することができるので、小型化が容易であり、かつ、信頼性の高い定着を行うことが可能となる。
(5) また、上記定着装置において、塗布ローラは長手方向に仕切り板でブロックごとに区切られ、各ブロックごとにフォーム状定着液の供給量が可変されることが好ましい。
請求項3に対応)
このような構成によれば、仕切り板を設けることにより、塗布ローラの長手方向の他のブロックへフォーム状定着液が漏れなくなり、塗布ローラ上におけるフォーム状定着液層の厚み制御の信頼性が更に向上する。
(6) また、上記定着装置において、ブレードは、塗布ローラの長手方向に複数個に分割して配置され、記録媒体の幅、又は該記録媒体上の樹脂微粒子層による画像幅に応じて、個別に可変して上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを変化させることができる。(請求項4に対応)
このような構成によれば、複数個に分割して配置されたブレードにより、複数の制御を個別に、かつ同時に行うことができるので、フォーム状定着液の正確な膜厚制御が可能となる。
(7) また、上記定着装置において、塗布ローラの長手方向に複数個に分割されたブロックごとに、最大の樹脂微粒子層の厚みに合わせて、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変することができる。(請求項5に対応)
このような構成によれば、複数個に分割された各制御ブロックごとに、記録媒体上の樹脂微粒子層を確実に定着することができる。
(8) 本発明に係る定着装置に使用する定着液は、水と脂肪酸塩と軟化剤とを含有するものである。
このような構成によれば、極めて安定したフォーム状定着液を生成することが可能であり、フォーム状定着液層の厚み制御を容易に行うことができる。
(9) また、上記定着液において、脂肪酸塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、もしくはアミン塩であることが好ましい。
このような構成によれば、定着液のフォーム化に必要な優れた起泡性が得られ、本発明の定着装置におけるフォーム状定着液層の厚みを可変するブレードに最も適する定着液となる。
(10) また、上記定着液において、軟化剤は、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下のアルキル基であることが好ましい。
このような構成により、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
(11) また、上記定着液において、軟化剤は、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下のアルキル基であることが好ましい。
このような構成により、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
(12) また、上記定着液において、軟化剤は、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることが好ましい。
このような構成により、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
(13) 本発明による画像形成装置は、樹脂微粒子が色材を含有したトナーで静電記録プロセスにより記録媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、上記の定着装置により、未定着トナー画像を記録媒体に定着させるものである。
本発明の定着装置は、フォーム状定着液発生手段とフォーム状定着液層の厚みを可変するブレード塗布ローラとを備えており、このフォーム状定着液発生手段はフォーム状定着液を生成し、該ブレードは生成されたフォーム状定着液の塗布ローラ上での膜厚を可変し、また、該塗布ローラは、厚みが可変されたフォーム状定着液を記録媒体上の樹脂微粒子層(トナー層)に塗布する。
その結果、本発明は、接触塗布において塗布部材へのオフセットを防止することにより、記録媒体上の樹脂微粒子を乱すことがなく微量塗布を達成することができるので、紙等の記録媒体がカールし難く、且つ、定着応答性に優れる定着が可能となる。更に、記録媒体上の色材を含有する樹脂微粒子層の厚みに応じてフォーム状定着液の付与量を可変することが可能となり、定着不良やタック感の発生がなく、良好な定着を行うことが可能となる。
はじめに、本発明の原理について、図1及び図2を参照しながら説明する。
本発明は、気泡を大量に含有したフォーム状(泡状)の液体は極めてかさ密度が低いこと、及び大量の気泡を含有することで流体としての性質である液面の表面張力や液体内部の流動性の影響が極めて小さくなること、に着目した発明である。
代表的な塗布ローラ7による定着装置の定着液接触付与手段を図1(a)に示す。また、図1(a)に示された塗布ローラ7と紙等の記録媒体2との接触面において、トナー層3のトナー粒子3aに働く力を示した概念図を図1(b)に示す。この図1(b)に示すように、定着液5が液体の形態である場合、塗布ローラ7上の定着液5の液面には、該塗布ローラ面に沿って強い表面張力が働いている(表面張力の働く方向をAとして示す)。更に、塗布ローラ7上の定着液層内部には、塗布ローラ7の移動方向に内部流Bが生じている。
このため、塗布ローラ7上の定着液層の厚みがトナー層3と同等かそれ以下の薄い層である場合には、未定着のトナー粒子3aを塗布ローラ7の表面に引っ張り込むように表面張力が強く働き、また、上記内部流Bも塗布ローラ面に沿ってトナー粒子3aを運ぶように働くため、塗布ローラ7に未定着のトナー粒子3aが固着して、トナーオフセット4が生じてしまう。塗布ローラ7上の定着液層がトナー層3よりも2倍以上に厚くなるに従って、この液体の表面張力や内部流Bの影響はトナー層3へ及び難くなるため、塗布ローラ7上の定着液層が厚い場合は、トナーオフセット4が低減する。逆に、樹脂微粒子のオフセットが生じない均一塗布には、塗布ローラ7の表面に定着液層をある程度厚くする必要があることを意味している。
一方、定着液5を塗布した後での記録媒体2上におけるトナー層3上の定着液量は、少ない方が定着応答性や残液感やカール防止に優れている。これは、定着液の重量の少ないことが望ましいことを意味している。塗布する際は、定着液層の厚みが厚くて体積が大きく、かつ塗布後において、記録媒体2上の定着液5の重量が少ないという条件を満たすためには、定着液5の密度が低ければよい。これにより、塗布時に体積が大きくても、実質的な塗布重量を小さくすることができる。
図2に示すごとく、定着液5をフォーム状とし、空気を十分に取り入れることで、かさ密度(定着液の重量をその体積で割った値)の低い定着液5fを使用すれば、塗布時は塗布ローラ7上の定着液層の厚みが厚くて体積が大きくても、かさ密度が低いために、紙等の記録媒体2に付着する定着液の実質の質量を小さくすることができ、トナーオフセット4が生じることなく記録媒体2に定着液を微量塗布することができ、本発明の目的を達成することが可能である。
図3は、本発明における塗布時での、フォーム状の定着液5fの層構成例を示す概略図である。同図に示される定着液5fは軟化剤と水と起泡剤として脂肪酸塩を含有し、液体中に気泡5bを含有したフォーム状の構成である。このように、気泡5bを大量に含有することで、定着液5fのかさ密度を極めて低くすることができる。なお、符号5pはプラトー境界(液体)を示す。
このような構成とすることで、図4(a)に示すように、定着液5fの塗布時には体積が大きい状態で塗布しても、かさ密度が低く塗布重量が小さいため、その後に気泡が破泡してしまえば、図4(b)に示すように、実質的な塗布量を極めて少なくすることができる。なお、本発明における「フォーム状」とは、液体中に気泡が大量に分散し、液体が圧縮性を帯びた状態を意味する。
フォーム状の定着液5fにおける気泡含有量は、かさ密度や塗布層の厚みに応じて異なるが、概ね、かさ密度としては、0.01g/cm〜0.1g/cm程度の範囲が望ましい。また、気泡層からなるフォーム状の定着液とは、単層または複数の気泡層からなるフォーム状の定着液の意味であり、必ずしも明確な層面がなくとも構わない。
更に、フォーム状の定着液5fは、記録媒体上の樹脂微粒子層への塗布時にフォーム状となっていればよく、保存容器内でフォーム状である必要はない。保存容器中では気泡を含有しない液体で、容器から液体を供給する時点や、樹脂微粒子層へ塗布するまでの液体の供給経路でフォーム状にする手段を設ける構成が望ましい。これは、保存容器内では液体であって、容器から液体を取り出した後にフォーム状とする構成の方が、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
〔定着装置〕
次に、本発明の定着装置について、図5を参照しながら説明する。図5は定着装置の概略図であり、フォーム状定着液を接触付与手段の塗布ローラにて付与する様子を示す。
この定着装置は、図5に示されているように、撹拌等により定着液を起泡させてフォーム化を行うフォーム状定着液発生手段11と、フォーム化された定着液を供給するチューブ等の供給手段12と、塗布ローラ17上でフォーム状定着液を均一にするための撹拌ローラ15と、塗布ローラ17との間に微小ギャップが形成され、フォーム状定着液層の膜厚を制御する膜厚制御ブレード16と、塗布ローラ17と加圧ローラ18から成る接触付与手段20を備えている。
上記フォーム状定着液発生手段11においてフォーム化された定着液は、供給手段12の供給口13に送られ塗布ローラ17上に供給され、この塗布ローラ17上で撹拌ローラ15により均一にされる。塗布ローラ17上のフォーム状定着液は、該塗布ローラ17と膜厚制御ブレード16との間の微小ギャップを通過することで一定の膜厚となる。そして、膜厚を均一で一定とされたフォーム状定着液は、塗布ローラ17によって記録媒体2上の未定着の樹脂微粒子層(トナー層)3に付与され、樹脂微粒子(トナー)を記録媒体2に定着させる。
上記塗布ローラ17上にはフォーム状の定着液の層が形成されて、記録媒体2上に画像を形成する樹脂微粒子(トナー粒子)は塗布ローラ17上にはオフセットされない。仮に、フォーム状の定着液が、樹脂微粒子の層や記録媒体に厚く塗布されたとしても、フォーム状の定着液のかさ密度が極めて低いため、所定の泡沫時間経過後に含有している気泡が破泡することで、軟化剤を含有した液体を樹脂微粒子の層へ微量塗布することができる。
なお、塗布ローラ17に代わりに、塗布ベルトを用いてもよい。
〔カラー画像の定着〕
さて、形成される画像がカラーである場合、図6に示すごとく、紙等の記録媒体2上の未定着トナー層の厚みは、単色トナー層21に比べ、2色重ねトナー層22、多色重ねトナー層23の順に厚くなり、およそ、シャドー系多色トナー層の厚みは単色トナー層21の厚みの2倍程度となる。従って、塗布ローラ17上のフォーム状定着液の膜厚を、単色トナー層21のトナー粒子を全て定着液で濡らすのに必要な量に調整した場合、多色重ねトナー層23の部分では、このトナー層の半分程度のトナー粒子しか濡らすことができず、多色重ねトナー層23の部分は定着不良となる。
逆に、多色重ねトナー層23の全てのトナー粒子を濡らす程度に、塗布ローラ17上のフォーム状定着液の膜厚を調整して定着液を付与した場合、単色トナー層21のトナー粒子は過剰に定着液に濡れてしまい、トナー中の樹脂が軟化しすぎてトナー層にタック感が発生してしまう不具合がある。
本発明者らは、この問題を解決するために鋭意検討した結果、トナー層の厚みに応じて、塗布ローラ17上のフォーム状定着液の膜厚を制御することにより、大きな効果があることが分かった。図7は、塗布ローラ17上でのフォーム状定着液の厚み制御について、具体例を示す。図7(a)は、記録媒体2上のトナー画像例を示している。文章のごとく単色トナー層の領域21a〜21cと、多色重ねトナー層からなるフルカラー写真の領域23a,23bや多色グラフなどの領域23cからなる場合、図7(b)に示すごとく、記録媒体2の搬送方向に直角な方向に対して、単色部分の領域24は定着液の付与量を少量とし、カラー画像部分の領域25は定着液の付与量を多くする。このようにすることで、多色部分のトナーは良好に定着され、単色部分にはタック感が発生しない。
なお、液状定着液では塗布ローラ17の表面に滴下した場合、滴下部分から面内に広がり易いが、フォーム状定着液では、通常の液体とは異なり、表面張力や流動性が抑制されているため、塗布ローラ17の表面上に部分的にフォーム状定着液を付着させた場合、その付着幅が維持され、極めて面内に広がり難く、本発明のごとく、分割ブロック毎に塗布ローラ17への定着液の膜厚を変えることが、液状定着液の場合よりも極めて容易であるという、大きな特徴を有する。
また、図8(a)に示すごとく、塗布ローラ17上でのフォーム状定着液の膜厚制御を記録媒体2の搬送方向に直角な方向で、細かなブロック毎で制御可能とすることにより、記録媒体2上の単色トナー領域26、トナーのない領域27、第1多色重ねトナー領域28、又は第2多色重ねトナー領域29毎に、定着液の付与量が細かく制御可能となるので、定着液の消費量を低減できると共に、トナー層の厚みに合わせて最適な定着液の付与量を制御することが可能となる。
更に、図8(b)に示すごとく、記録媒体2の搬送方向に平行な方向の領域31〜35に対しても、定着液供給口13のON/OFF制御や膜厚制御ブレード16のギャップ制御を行うことにより、トナー層の厚みに応じてさらに細かく、塗布ローラ17上のフォーム状定着液の厚みを制御することができる。
なお、記録媒体2の搬送方向に平行な方向に対して制御することは、搬送速度が速いほど困難であるが、液状定着液に比べて、フォーム状定着液は表面張力や流動性が抑制されているため、定着液の制御応答性に優れ、搬送速度が速くても十分制御に追随することが可能である。
次に、記録媒体の搬送方向に対し、記録媒体上における色材を含有する樹脂微粒子層(トナー層)の厚みに応じて、フォーム状定着液の付与量を制御する構成について、具体的に説明する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1による定着装置(請求項1、2に対応)は、図9に示されているように、フォーム状定着液発生手段11から塗布ローラ17への供給口13が、長手方向に延びる一つの開口部をもつ供給手段12から成り、フォーム状定着液の膜厚を制御する膜厚制御ブレードが、分割形制御ブレード16aとして構成されるものである。この分割形制御ブレード16aの個々のブレードと塗布ローラ17との間には、それぞれギャップが設けられており、個々のブレードはアクチュエータ(図示を省略)にそれぞれ連結され、塗布ローラ17面に対して個別に移動され、該塗布ローラ17と分割形制御ブレード16aの個々のブレードとの間のギャップを変更できるように構成されている。
記録媒体の搬送方向に対して直角な方向、又は平行な方向に(図7(b)、図8を参照)、フォーム状定着液の付与量を変化させる場合、付与量を多くしたい領域では、分割形制御ブレード16aと塗布ローラ17とのギャップを広くして、塗布ローラ17上のフォーム状定着液層の膜厚を厚くし、付与量を少なくしたい領域ではギャップを狭くして、塗布ローラ17上のフォーム状定着液層の膜厚を薄くすることにより、該記録媒体上のトナー層の厚みに応じた付与が可能となる。
上記分割形制御ブレード16aの個々のブレードを個別に駆動するアクチュエータとしては、ボールネジを用いたマイクロモータ、圧電素子、又はソレノイド等を用いることができる。分割形制御ブレード16aと塗布ローラ17のギャップの可変量は、フォーム状定着液のかさ密度により決定する必要があるが、概ね、かさ密度が0.03g/cm〜0.1g/cmの範囲であれば、30μm〜80μmが望ましく、ハーフトーン画像領域で30μm、単色画像領域で50μm、多色画像領域で80μmを目安にギャップを制御する。
上記分割形制御ブレード16aの分割幅は、細かいほど精緻な定着液付与量の制御が可能となるが、定着装置の製造コストが高くなる恐れがあり、中小規模のオフィスなどの普及帯への画像形成装置に本発明の定着装置を組み込む場合、コストを抑制するため分割個数は、A4版縦に対して4〜6個の分割が望ましい。なお、分割形制御ブレード16aと塗布ローラ17とのギャップ制御は、画像形成装置へ入力される画像信号に応じて設定される。
参考例
本発明の参考例による定着装置は、図10に示されているように、膜厚制御ブレード16が一体であり、塗布ローラ17へのフォーム状定着液の供給手段12が、複数個の供給口から成る個別供給口13aを備えるものである。この個別供給口13aは、弁(図示を省略)によりフォーム状定着液の供給を個別にON/OFFすることができる構成である。記録媒体の搬送方向に対して直角な方向、又は平行な方向に(図7(b)、図8を参照)、該記録媒体上のトナー層の厚みに応じて、個別供給口13aからのフォーム状定着液の供給をON/OFF制御する。
本発明に用いる定着液はフォーム化しているため、通常の流動性を有する液体とは異なる挙動を示す。即ち、フォーム内の泡同士の結合が強いため、極めて流動性が抑制され、塗布ローラ17上にフォーム状定着液を滴下しても、塗布ローラ17の長手方向に拡散し難く、膜厚制御ブレード16が一体であっても、滴下した領域近傍のみの塗布ローラ17上にフォーム状定着液層が形成される。これは、通常の液状定着液では起こり得ない挙動である。
この参考例の定着装置を画像形成装置に組み込んで、この画像形成装置を用いて1枚だけ印刷した後、長時間使用しない場合は、フォーム状定着液が塗布ローラ17上に残留していると残留定着液が徐々に破泡し、最適なフォーム状態でなくなり、その後、再度画像形成装置にて印刷する場合に定着不良を起こす恐れがある。
そこで、フォーム状定着液の供給量を制御する場合、画像形成装置にて1枚の印刷に必要なフォーム状定着液量を、塗布ローラ17に1枚印刷する毎に供給することが望ましい。このようにすることにより、印刷終了時に塗布ローラ17上への残留定着液が抑制される。なお、上記個別供給口13aから供給されるフォーム状定着液をON/OFFするための弁としては、電磁弁などを適用することができる。
実施例2
本発明の実施例2による定着装置(請求項3に対応)は、図11に示されているように、上記参考例の定着装置(図10を参照)において、塗布ローラ17の外周面に仕切り板19を設けた構成である。
上記参考例の定着装置では、塗布ローラ17上において、フォーム状定着液層は個別供給口13aの近傍しか形成されないのであるが、この定着装置を組み込んだ画像形成装置にて多数枚の印刷を連続して行った場合、一つの供給口にて形成されるフォーム状定着液層は、塗布ローラ17の長手方向に徐々に広がる恐れがある。これを防止するため、個別供給口13aの各供給口のピッチに沿って、塗布ローラ17の外周面に仕切り板19を設ける。フォーム状定着液は流動性が極めて小さいため、仕切り板19は必ずしも塗布ローラ17に密着する必要はなく、空隙があっても構わない。
実施例3
本発明の実施例3による定着装置(請求項4に対応)は、図12に示されているように、上記参考例の定着装置(図10を参照)において、一体であった膜厚制御ブレード16を、上記実施例1の定着装置(図9を参照)のごとく分割形制御ブレード16aとしたものである。
このようにすることで、個別供給口13aのON/OFF制御と、分割形制御ブレード16aのギャップ制御とを組み合わせることができるので、塗布ローラ17上でのフォーム状定着液層のより細かな膜厚制御が可能となる。更に、記録媒体の搬送速度が高速化しても、フォーム状定着液の付与量制御を二重に行っているため、応答性が向上して高速化に追随することが可能となる。
実施例4
本発明の実施例4による定着装置は、図13に示されているように、上記実施例3の定着装置(図12を参照)において、更に、仕切り板19を設けた構成である。仕切り板19を設けたことで、塗布ローラ17上でのフォーム状定着液の長手方向への拡散が抑制され、より精緻なフォーム状定着液層の膜厚制御が可能となる。
実施例5
本発明の実施例5による定着装置は、図14及び図15に示されているように、定着液のフォーム化手段として、高圧密閉容器に封入した定着液を噴射する手段を用いるものである。
上記実施例1〜4では、全て、定着液のフォーム化手段が攪拌等の手段であるが、この実施例5の定着装置は、図14及び図15に示すように、定着液を液化ガスとともに高圧密閉容器36に封入し、噴射によりフォーム化させる手段(ノズル等)37を用いるものである。これは、複数個の高圧密閉容器36,36…を用いて、記録媒体の搬送方向に対して該記録媒体上のトナー層の厚みに応じて、これらの高圧密閉容器36,36…のアクチュエータ38,38…を個別に駆動することにより、付与量を制御することができる。
また、上記実施例1〜4では、膜厚制御ブレード16の面を塗布ローラ17にギャップを設けて配置していたが、図14に示すように、膜厚制御ブレード16を塗布ローラ17の面にカウンター状に配置しても構わない。この場合にも、膜厚制御ブレード16の先端と塗布ローラ17の面との間にはギャップを設けている。
そして、上記全ての実施例では、接触付与手段として塗布ローラ17を備えているが、図15に示すように、塗布ローラに替えてベルト状部材の塗布ベルト39を備えるものであってもよい。塗布ベルト39としては、例えば、シームレスニッケルベルトやシームレスPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの基体に、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)のような離型性フッ素樹脂をコートした部材を用いることができる。
〔定着液の処方〕
次に、定着液の処方について説明する。フォーム状の定着液は、上述したように、軟化剤を含有した液体中に気泡を含有した構成である。軟化剤を含有した液体は、気泡を安定して含有するが、なるべく均一な大きさの気泡からなる気泡層を構成するフォーム状とするため、起泡剤及び増泡剤を有することが望ましい。また、粘度はある程度高い方が、気泡が安定して液体中に分散するため、増粘剤を含有することが望ましい。
起泡剤としては、脂肪酸塩が望ましい。脂肪酸塩は界面活性を有するため、水を含有する定着液の表面張力を下げ、定着液を発泡し易くするとともに、泡表面で脂肪酸塩が層状ラメラ構造をとるため、泡壁(プラトー境界)が他の界面活性剤よりも強くなり、泡沫安定性が極めて高くなる。また、脂肪酸塩の起泡性を効果的にするため、定着液には水を含有することが望ましい。脂肪酸としては、大気中での長期安定性の観点から酸化に強い飽和脂肪酸が望ましい。但し、飽和脂肪酸塩を含有する定着液に若干の不飽和脂肪酸塩を含有することで、脂肪酸塩の水に対する溶解・分散性を助け、5℃〜15℃までの低い気温において、優れた起泡性を有することができ、広い環境温度範囲において定着を安定させることが可能となる。また、定着液を長期間放置した場合でも、定着液中の脂肪酸塩の分離を防止することができる。
飽和脂肪酸塩に用いる脂肪酸としては、炭素数12、14、16及び18の飽和脂肪酸、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が適する。炭素数が11以下の飽和脂肪酸塩は臭気が強いため、当該定着液を用いる画像形成機器はオフィスや家庭での使用に適さない。また、炭素数19以上の飽和脂肪酸塩は、水に対する溶解性が低下し、定着液の放置安定性を著しく低下させてしまう。これらの飽和脂肪酸による飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。
また、オフセット防止のためには、塗布部でのフォーム状定着液層の厚みは、樹脂微粒子層の厚みより厚いことが望ましい。また、気泡が樹脂微粒子へ付着し易くするためには、樹脂微粒子よりも大きいことが望ましい。樹脂微粒子がトナー粒子の場合、乾式電子写真方式でのトナー粒子は4〜10μm程度の大きさであり、紙媒体上の未定着トナー層は10〜30μm程度であることから、軟化剤を含有する液体に含有する気泡の大きさは、5μm〜30μm程度が望ましい。
また、高圧密封容器に定着液を保管する構成では、大気圧の下で気体となるガスや大気成分ガスが、軟化剤を含有する液体に溶解又は分散する構成が望ましい。大気圧の下で気体となるガスとしては、脂肪族炭化水素類、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジメチルエーテルなどが適する。大気成分ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが適する。当該構成では、高圧ガスを用いているため、フォーム状となった定着液を塗布部材に供給する手段を簡素化できるか、もしくは必要としなくなる。また、機械的に定着液にせん断力を加える手段や、フォーム状となった定着液を塗布部材に供給する手段を簡素化できるため、定着装置の小型化が容易となる。
樹脂を溶解又は膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れている。
また、軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きいこと、更に好ましくは5g/kgであることが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
更に、記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に形成されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解又は膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルの一般式は、
R1COOR2
で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。
上記の飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物は、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有していない。
上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについては、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤の添加によって、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルの一般式は、
R3(COOR4)2
で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。
上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物は、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有していない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
更に、本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本発明における定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの一般式は、
R5(COOR6−O−R7)2
で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。
上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物は、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有していない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、色材及び樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。
上記の樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本発明の定着液との組合せにおいて最も定着効果が高い。トナーは、色材と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。
また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における油性とは、室温(20℃)における水に対する溶解度が、0.1重量%以下である性質を意味する。
また、フォーム状となった定着液は、好ましくは、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、フォーム状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が、疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、フォーム状となった定着液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30mN/mとすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、単価もしくは多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、フォーム状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えば、セタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価又は多価のアルコール類を含有することで、紙等の記録媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性の改善や紙等の記録媒体のカール防止のために、油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましい。その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
なお、定着中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるための方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
また、トナーの定着装置は、本発明における定着液をトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)によって、溶解又は膨潤されたトナーを加圧するために、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。この一対の平滑化ローラによって溶解又は膨潤したトナーを加圧することにより、溶解又は膨潤したトナー層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。更に、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
別の発明の一実施の形態例に係る画像形成装置において、上述した本発明による画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成すれば、これによって、この別の発明の一実施の形態例の画像形成装置においても、それぞれ、上述したように、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
〔膜厚制御の具体的な方法〕
次に、塗布ローラ上のフォーム状定着液の膜厚を制御する具体的な方法について、図16を参照しながら説明する。図16は具体的な動作フローを示す。
画像形成装置のスキャナー画像データやPCからの入力画像データに基づき(ステップS1,S2)、画像形成装置内の画像処理プロセッサーを用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色情報に分解し、2値データへと展開する(ステップS3)。その2値データに基づき、各色ごとの記録媒体上に必要なトナー層の厚みを算出する(ステップS3)。その算出データをもとに、各分割ブロック内のトナー層の厚みを算出し(ステップS4)、トナー厚みと定着に必要な定着液付与量を換算テーブルに基づき算出する(ステップS5)。
上記換算テーブルからの算出データをもとに、供給口からのフォーム状定着液を制御する場合は、供給量(付与量)と塗布ローラ上の定着液膜厚換算テーブルにより供給量制御値を算出する(ステップS6)。また、膜厚制御ブレードにより塗布ローラ上のフォーム状定着液の膜厚を制御する場合は、膜厚制御ブレードと塗布ローラとのギャップと塗布ローラ上の定着液膜厚換算テーブルに基づき、膜厚制御ブレードと塗布ローラとのギャップ制御値を算出する(ステップS7)。これらの算出値に基づき、供給口ON/OFF駆動回路、又はブレード駆動制御回路に信号を送り、供給口のON/OFFや膜厚制御ブレードの駆動を行う(ステップS8、S9)。このような動作フローにより、記録媒体上のトナー層の厚みに応じて、塗布ローラ上のフォーム状定着液の厚みを制御する。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の定着装置が適用される画像形成装置について、図17を参照しながら説明する。図17(a)はカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置全体の概略図であり、図17(b)はこの画像形成装置の1つの画像形成ユニットの概略図である。
画像形成装置は、例えば複写機やプリンター等であって、図17(a)に示されているように、トナー像担持体として中間転写ベルト41を有する。この中間転写ベルト41は、3つの支持ローラ42〜44に張架されており、図中の矢印Cの方向に回転する。この中間転写ベルト41に対しては、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各画像形成ユニット45〜48が配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、露光装置(図示を省略)が配置されている。例えば、画像形成装置が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための各露光L1〜L4が露光装置により照射される。中間転写ベルト41を挟んで、該中間転写ベルト41の支持ローラ44に対向する位置には、二次転写装置49が設けられている。この二次転写装置49は、2つの支持ローラ50,51の間に張架された二次転写ベルト52で構成されている。なお、二次転写装置49としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト41を挟んで、該中間転写ベルト41の支持ローラ42に対向する位置には、ベルトクリーニング装置53が配置されている。このベルトクリーニング装置53は、中間転写ベルト41上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体としての記録紙54は、一対の給紙ローラ55で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙54に転写する際に、二次転写ベルト52を中間転写ベルト41に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。トナー像が転写された記録紙54は、二次転写ベルト52によって搬送され、記録紙54に転写された未定着のトナー像は、露光装置(図示を省略)からの画像情報に基づいてフォーム状定着液の膜厚を制御する本発明のトナーの定着装置によって、定着される。
即ち、記録紙54に転写された未定着のトナー像には、露光装置からの画像情報(例えば、カラー画像又は黒ベタ画像情報)に基づいて、フォーム状定着液層の膜厚を制御する本発明の定着装置から、フォーム状定着液が付与される。このフォーム状定着液には、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる部剤(軟化剤)が含まれており、記録紙54上に転写された未定着のトナー像を該記録紙に定着させる。
〔画像形成ユニット〕
次に、画像形成装置の画像形成ユニットについて、図17(b)を参照しながら説明する。
画像形成ユニット45〜48には、感光体ドラム56の周辺に、帯電装置57、露光装置(図示を省略)、現像装置58、クリーニング装置59、及び除電装置60が配置されている。また、中間転写ベルト41を介して、感光体ドラム56に対向する位置に、一次転写装置61が設けられている。
上記帯電装置57は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置57は、帯電ローラを感光体ドラム56に接触させて、感光体ドラム56に電圧を印加することにより、感光体ドラム56の表面を一様に帯電する。該帯電装置57としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
上記露光装置(図示を省略)は、画像情報に応じて感光体ドラム上に静電潜像を書き込むための露光Lを照射するものである。
また、上記現像装置58は、現像剤中のトナーを感光体ドラム56上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は本発明における定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置58は、攪拌部及び現像部(図示を省略)を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度はトナー濃度センサによって検出され、トナーの濃度が一定であるように制御されている。
更に、上記一次転写装置61は、感光体ドラム56上で可視化されたトナーを中間転写ベルト41に転写する。ここでは、一次転写装置61として転写ローラを採用しており、転写ローラを中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム56に押し当てている。一次転写装置61としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
また、上記クリーニング装置59は、感光体ドラム56上の不要なトナーを除去する。このクリーニング装置59としては、感光体ドラム56に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置59によって回収されたトナーは、回収スクリュー及びトナーリサイクル装置(図示を省略)によって、現像装置58に回収され再利用される。
更に、除電装置60はランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム56の表面電位を初期化する。
なお、本発明における「タック感が少ない」とは、市販タックメータを用い、加重10g重における色材含有樹脂微粒子層の定着面の引張り力を測定し、引っ張り力がおおよそ0.01N以下であることを意味する。
また、本発明における「定着性良好である」とは、色材含有樹脂微粒子層の定着面を白色のウエスにより一定加重で一定回数擦り、ウエス面の汚れが光学濃度0.3以下であることを意味する。
〔具体例〕
次に、本発明における定着液及び定着の具体例について説明する。
[定着液の処方]
〈軟化剤を含有する液体〉
希釈溶媒:イオン交換水 65wt%
軟化剤:コハク酸ジエトキシエチル(クローダ社 クローダDES) 10wt%
増粘剤:プロピレングリコール 10wt%
増泡剤:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(コミカドDEA) 2wt%
起泡剤:パルミチン酸カリウム 5wt%
ミリスチン酸カリウム 3wt%
ステアリン酸カリウム 2wt%
分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン 2wt%
(花王 レオドールTW−S120V)
ポリエチレングリコールモノステアレート 1wt%
(花王 エマノーン3199)
なお、分散剤は、軟化剤の希釈溶媒への溶解性を助長するために用いた。
上記成分比にて、先ずは、液温90℃にて軟化剤を除いて混合攪拌し溶液を作製した。次に、軟化剤を混合し、軟化剤が溶解した定着液(フォーム化する前の原液)を作製した。
[定着液のフォーム化手段]
大きな泡生成手段と、その泡を基に微細な泡を生成する手段を組み合わせた。
〈大きな泡生成手段〉
液が空気を巻き込みながら微細孔シートを通過する構成とした。
液状定着液の保存容器:PET樹脂からなるボトル
液供給ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)
供給流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ
大きな泡を作るための微細孔シート:#400のステンレス製メッシュシート(開口部約40μm)
〈大きな泡から微細な泡を生成する手段〉
内側円筒が回転する2重円筒内に大きな泡を搬送し、2重円筒の内側円筒は回転軸に固定され、回転駆動モーターにより回転する。この2重円筒の材質はPET樹脂とし、外側円筒の内径を10mm、長さを120mmとし、内側円の筒外形を8mm、長さを100mmとした。
回転数は、1000〜2000rpmの範囲で可変とした。
[塗布装置]
図13に示された上記実施例4の定着装置の構成を基にした。
フォーム状定着液発生手段11から個別供給口13aまでは、ポリプロピレン製チューブを用いた1つのチューブポンプで供給し、この個別供給口13aに電磁弁を設けた。塗布ローラ17は表面をフッ素樹脂コートした直径30mm、長さ240mmのアルミ製ローラとした。
分割形制御ブレード16aは、厚み1mm、長さ20mm、高さ20mmのガラス製とし、それぞれマイクロモータによるアクチュエータに繋がったアルミ製支持体に接着し、塗布ローラ17の長手方向に隙間0.1mmで11個並べた。この塗布ローラ17とガラス製の分割形制御ブレード16aとのギャップは、30μm〜100μmの範囲で個別に制御可能とした。
さらに、厚み0.1mmのPETフィルムによる仕切り板19を20mm間隔で供給口ごとに並べた。
[実施結果]
プリンターとしてIpsioColorCX8800(リコー社製)を用い、紙の長手方向に対し、両側余白30mm、左半分モノクロ文書、右半分フルカラー写真画像であるテストチャート画像データを用いて、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(リコーT−6200 A4サイズ)に形成した。この未定着トナー画像が形成された用紙を上記定着装置に搬送し、予め画像データに基づいて、余白部、モノクロ文書部、フルカラー部のトナー層の厚みに応じて、供給口の開閉と分割形制御ブレードのギャップを制御した状態で定着を行った。比較のため、本発明による制御を行わない定着も実施した。その実施結果を表1に示す。


上記表1に示すように、紙の搬送方向に沿って、画像データに基づくトナー層の厚みに応じて、塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを変化させたことにより、良好な定着が可能となった。
は、本発明の原理に関する説明図であり、(a)は代表的な塗布ローラによる定着装置において、液体形態の定着液を使用した場合の定着液の接触付与手段の模式図、(b)は(a)における塗布ローラと記録媒体との接触面でのトナー層に働く力を示す概念図である。 は、図1(b)と同様の説明図であり、フォーム状定着液を使用した場合の概念図である。 は、フォーム状定着液を塗布したときの層構成例を示す概略図である。 は、記録媒体の未定着トナー層上に、フォーム状定着液を塗布したときの模式的な説明図であり、(a)は塗布している場合、(b)は塗布後に気泡が破泡した場合を示す。 は、フォーム状定着液を塗布ローラにて記録媒体上に付与する定着装置の概略図である。 は、未定着トナー層の厚みが異なるカラー画像の定着について説明する概略図である。 は、塗布ローラ上でのフォーム状定着液層の厚み制御に関する説明図であり、(a)は記録媒体上のトナー画像の具体例、(b)は記録媒体の搬送方向に直角な方向に対して、フォーム状定着液の付与量を制御する場合を示す。 は、塗布ローラ上でのフォーム状定着液の膜厚制御ブロックに関する説明図であり、(a)は記録媒体の搬送方向に直角な方向に対して、膜厚制御を細かなブロックで行う場合、(b)は記録媒体の搬送方向に平行な方向に対して、膜厚制御を行う場合である。 は、本発明の実施例1による定着装置の要部を説明する模式的な斜視図である。 は、本発明の参考例による定着装置の要部を説明する模式的な斜視図である。 は、本発明の実施例2による定着装置の要部を説明する模式的な斜視図である。 は、本発明の実施例3による定着装置の要部を説明する模式的な斜視図である。 は、本発明の実施例4による定着装置の要部を説明する模式的な斜視図である。 は、本発明の実施例5による定着装置の模式的な説明図であり、接触付与手段として塗布ローラを用いたものを示す。 は、本発明の実施例5による定着装置の模式的な説明図であり、接触付与手段として塗布ベルトを用いたものを示す。 は、塗布ローラ上のフォーム状定着液層の膜厚を制御する動作フロー図である。 は、画像形成装置の概略図であり、(a)はカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置全体の概略図、(b)は画像形成装置における1つの画像形成ユニットの概略図である。
符号の説明
2…記録媒体(紙、布等) 3…トナー層(樹脂微粒子層)
5…定着液 5f…フォーム状定着液
7…塗布ローラ 11…フォーム状定着液発生手段
12…供給手段 13…定着液供給口
13a…個別供給口 15…攪拌ローラ
16…膜厚制御ブレード 16a…分割形制御ブレード
17…塗布ローラ 18…加圧ローラ
19…仕切り板 20…接触付与手段
36…高圧密閉容器 37…フォーム化手段(ノズル等)
38…アクチュエータ 45〜48…画像形成ユニット
49…二次転写装置 61…一次転写装置

Claims (6)

  1. 記録媒体上に形成された色材を含有する樹脂微粒子層を、樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることで該樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する定着液により、該記録媒体に定着させる定着装置であって、
    上記定着液をフォーム化するフォーム状定着液発生手段と、
    上記フォーム状定着液を上記記録媒体上の樹脂微粒子層に付与する塗布ローラと、
    上記塗布ローラに上記フォーム状定着液を供給するフォーム状定着液供給手段と、
    上記塗布ローラとの間にギャップを有して設けられ、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変するブレードとを有し、
    上記記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを上記ブレードにより可変して、該樹脂微粒子層の厚みが大きい程、上記ギャップを広くして該フォーム状定着液層の厚みを大きくすることを特徴とする定着装置。
  2. 上記ブレードは、上記塗布ローラの長手方向に複数個に分割して配置され、上記記録媒体上の樹脂微粒子層の厚みに応じて、分割されたブレードごとに上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記塗布ローラは長手方向に仕切り板でブロックごとに区切られ、各ブロックごとにフォーム状定着液の供給量が可変されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置
  4. 上記ブレードは、上記塗布ローラの長手方向に複数個に分割して配置され、上記記録媒体の幅、又は該記録媒体上の樹脂微粒子層による画像幅に応じて、個別に可変して上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを変化させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置
  5. 上記塗布ローラの長手方向に複数個に分割されたブロックごとに、最大の樹脂微粒子層の厚みに合わせて、上記塗布ローラ上のフォーム状定着液層の厚みを可変することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置
  6. 樹脂微粒子が色材を含有したトナーで静電記録プロセスにより記録媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置により、上記未定着トナー画像を記録媒体に定着させることを特徴とする画像形成装置
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