JP5246556B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、及び、画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。詳しくは、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて記録媒体上に定着させる定着液を記録媒体上またトナー像担持体上のトナー像に付与する定着装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式の定着装置が広く用いられている。
トナーを溶融させて記録媒体に定着させる定着装置としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式の定着装置が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献6に記載の定着装置)。このような、湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がないため、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。
上記特許文献1〜特許文献5に記載の定着装置は、接触型の定着液付与部材である塗布ローラを用いて定着液を液状のまま記録媒体に塗布することで、定着液を記録媒体上の未定着トナー像に付与する構成である。一方、上記特許文献6に記載の定着装置は、塗布ローラに定着液を供給する供給ローラを備え、供給ローラ表面上の液状定着液を撹拌ローラで撹拌することにより、液中に気泡が分散した泡状定着液とする。そして、供給ローラ表面上の泡状定着液を塗布ローラを用いて記録媒体に塗布することで、定着液を記録媒体上の未定着トナー像に付与する構成である。
上記特許文献5には、塗布ローラに接触し、収容部内の定着液を汲み上げて塗布ローラに供給する供給ローラとして幅方向の長さが異なる複数の供給ローラを備えた定着装置が記載されている。この定着装置は、複数の供給ローラが同一円周上を移動可能な構造となっており、塗布ローラに定着液を供給する供給ローラを切り換え可能な構成となっている。特許文献6に記載の定着装置では、付与幅に対応した供給ローラを塗布ローラに接触させることにより、塗布ローラの表面に供給する定着液の幅方向の長さを付与幅に合わせて変更することができる。ここで、幅方向とは、塗布ローラの表面における表面移動方向表面移動方向に直交する方向であり、付与幅とは、各サイズの記録媒体に対して適した付与領域の幅方向の長さである。
しかしながら、特許文献5に記載の定着装置では、塗布ローラに定着液を供給する供給ローラを切り替えるために、複数の供給ローラを備えて供給ローラ同士の位置を入れ替え可能な構造となっているため、装置が大型になってしまう。
本出願人は、特願2009−013074(以下、先願と呼ぶ)において、吐出口から泡状定着液を吐出する吐出手段を用いて塗布ローラの表面に泡状定着液を供給する構成の定着装置を提案している。このような吐出手段によって塗布ローラの表面に定着液を供給する構成では、吐出手段の吐出口の幅方向の長さを変化させることができれば、塗布ローラの表面に供給する定着液の幅方向の長さを付与幅に合わせて変更することができる。
付与幅に合わせて吐出口の幅方向の長さを変更することができる吐出手段を備えた定着装置の構成例を図17及び図18を用いて説明する。
図17は、上記構成例の定着装置における定着液塗布部70の模式図である。また、図17に示す定着液塗布部70では、吐出手段であるダイコータヘッド500、塗布ローラ61、塗布ローラ61に対して塗布位置Jで加圧接触する加圧ローラ62とを備える。
ダイコータヘッド500は、ヘッド内搬送管512、充填部であるマニホールド510、及び、吐出口である吐出スリット511を備える。また、マニホールド510内には、シャッター部材520が配置されており、シャッター部材520はシャッタージョイント523を介して、シャッター制御部材522に連結されている。シャッター制御部材522は、不図示の駆動手段によって制御部材収容筒521内を図17中の矢印Gで示すように上下方向に移動可能となっている。そして、シャッター制御部材522の移動に連動して、シャッター部材520も図17中の上下方向に移動する。図17では、吐出スリット511を開放した状態であり、シャッター部材520が図17の状態から下方に移動することで、その楔状の下端部が吐出スリット511の上端を塞ぎ、吐出スリット511を閉鎖した状態となる。
図17に示す定着液塗布部70では、不図示の泡状定着液生成部から小径泡搬送管202を介して供給される泡状定着液Fがヘッド内搬送管512を通って充填部であるマニホールド510に充填される。泡状定着液Fを吐出するときには、泡状定着液Fがマニホールド510に充填された状態で、不図示のポンプ手段でマニホールド510内の圧力をダイコータヘッド500の外部の圧力よりも高い状態とする。この状態で、シャッター部材520の位置を図17に示すように吐出スリット511を開放する位置にする。マニホールド510内の圧力が高い状態で吐出スリット511を開放すると、マニホールド510内の泡状定着液Fは圧力差によってダイコータヘッド500の外部に向かって移動する。これにより、吐出スリット511から塗布ローラ61の表面に向かって泡状定着液Fが吐出され、塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fが供給される。
塗布ローラ61は、図17中の矢印C方向に表面移動することによってその表面が記録媒体である転写紙Pと対向する塗布位置Jまで泡状定着液Fを搬送する。そして、塗布位置Jにおける塗布ローラ61の表面移動方向と同方向(図17中矢印I方向)に搬送される転写紙Pのトナー層Tが形成された表面上に泡状定着液Fを塗布する。これにより、トナー層Tが形成された転写紙Pの表面に対する泡状定着液Fの付与がなされる。
図18は、図17に示すダイコータヘッド500を図17中の矢印H方向から見た斜視図である。また、図18では、図17で示すダイコータヘッド500のマニホールド510に対して左側のケーシングを透過させて破線で示しており、図18中の矢印W方向が幅方向を示す。
図18に示すダイコータヘッド500は、5つのマニホールド510(a〜e)を幅方向に並べて配置し、各マニホールド510(a〜e)における幅方向直交する平面での断面図が図17のようになっている。各マニホールド510(a〜e)には、それぞれ不図示のヘッド内搬送管512が接続されている。隣り合うマニホールド510、及び、隣り合う吐出スリット511は仕切り壁601(a〜d)によって仕切られており、ダイコータヘッド500内での定着液搬送路は各マニホールド510(a〜e)で独立している。各シャッター制御部材522(a〜e)は個別に移動可能となっており、各シャッター部材520(a〜e)による各吐出スリット511(a〜e)の開閉はそれぞれ個別に制御可能となっている。
図18に示すダイコータヘッド500を備えた定着装置では、付与幅が最大幅となる場合は、全ての吐出スリット511(a〜e)を開放して、塗布ローラ61の幅方向の全域に泡状定着液Fを供給する。付与幅が最小幅の場合は、第三吐出スリット511cのみを開放し他の吐出スリット511(a、b、d、e)を閉鎖して塗布ローラ61への泡状定着液Fの供給を行う。また、付与幅が最大幅と最小幅との間の幅となる場合は、第二〜第四吐出スリット511(b〜d)を開放し、第一及び第5吐出スリット511(a及びe)を閉鎖して塗布ローラ61への泡状定着液Fの供給を行う。このように、図18に示すダイコータヘッド500を備えた定着装置では、転写紙Pの付与幅に応じて開放する吐出スリット511(a〜e)を変えることによって、付与幅に合わせて泡状定着液Fの幅方向の長さを変更することができる。
しかし、このように、吐出スリット511を仕切り壁601によって幅方向に仕切った構成で、複数の吐出スリット511の開放して泡状定着液Fの供給を行うと、転写紙Pの搬送方向に沿った筋状の定着ムラが生じることがあった。
この定着ムラの発生の原因について図19を用いて説明する。
図19は、図18に示すダイコータヘッド500の第二〜第四吐出スリット511(b〜d)を開放して泡状定着液Fを塗布ローラ61に供給した状態を、図17中の矢印K方向から見た説明図である。
泡状定着液Fは塗布ローラ61の表面で延展し難く、図19で示すように、泡状定着液Fは塗布ローラ61の表面移動によって図19中の矢印Cで示す表面移動方向には広がるが、幅方向には広がりが少なかった。このため、幅方向分割された状態で吐出され、塗布ローラ61表面上に供給された泡状定着液Fにおいて、隣り合う吐出スリット511から供給された泡状定着液F同士が均等に繋がらなかった。このように、幅方向分割された泡状定着液Fが塗布ローラ61表面に供給後に均等に繋がらないと、塗布ローラ61の表面の仕切り壁601と対向する部分に泡状定着液Fの供給量が不足した部分が発生し、幅方向について泡状定着液Fの供給量のムラが生じる。そして、塗布ローラ61上に泡状定着液Fの供給量が不足した部分が存在した状態で転写紙P上のトナー像への泡状定着液Fの塗布を行うと、塗布ローラ61上で泡状定着液Fの供給量が不足した部分と他の部分とで定着状態が異なる。これにより、定着後の転写紙P上のトナー像に転写紙Pの搬送方向に沿った筋状の定着ムラが生じる。
このように、吐出口の幅方向に仕切りを設けて複数個の吐出口を備える構成では、複数個の吐出口を開放して泡状定着液の供給を行うと、表面移動する供給対象の表面で幅方向における泡状定着液の供給量のムラが生じる。そして、この供給量のムラが定着ムラとして画像品質低下の原因となる。
なお、図17〜図19を用いて説明した構成は、吐出手段によって泡状定着液を吐出する構成である。吐出手段によって定着液を吐出して供給する構成として液状定着液を吐出する場合、液状定着液は泡状定着液よりも延展し易いため、定着ムラの程度が軽くなることが考えられるが、同様の問題は生じ得る。
また、図17〜図19を用いて説明した構成は、吐出手段によって吐出された定着液は、供給対象である塗布ローラの表面に供給され、塗布ローラを介して定着液の付与対象であるトナー像を担持する記録媒体に付与するものである。吐出手段によって定着液を供給対象に向けて吐出して、最終的にトナー像を担持する記録媒体に付与する構成としては、トナー像を担持して表面移動する記録媒体の表面に定着液を吐出して、吐出手段から記録媒体に定着液を直接供給するものがある。このように、吐出手段による定着液の供給対象がトナー像を担持する記録媒体の表面である場合も、その表面の幅方向において定着液の供給量のムラが生じると、供給量のムラが定着ムラとして画像品質低下の原因となり、同様の問題が生じ得る。
また、図17〜図19を用いて説明した構成は、定着装置の定着液の付与対象がトナー像を担持する記録媒体表面である。定着液を用いてトナー像を記録媒体に定着させる定着装置としては、トナー像を担持する中間転写ベルト等のトナー像担持体に定着液を付与して、トナー像担持体上のトナー像を定着液とともに記録媒体に転写するものがある。このように、定着装置が定着液を付与する付与対象が記録媒体ではなく、トナー像担持体である場合も、同様の問題が生じ得る。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出手段から吐出されて供給対象に供給される定着液の幅方向の長さを付与幅に応じて変更可能で、定着ムラを防止できる定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、樹脂微粒子を担持する定着液付与対象の表面に付与する定着液付与手段を有し、定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、上記定着液付与手段は、表面移動する定着液供給対象の表面に対向する位置に定着液を吐出することによって該定着液供給対象の表面に定着液を供給する吐出手段を有し、該吐出手段は、該定着液供給対象の表面における表面移動方向と直交する方向である幅方向に長尺な空間からなる充填部、及び、該充填部の内部と該供給対象のある外部とを連通し、該幅方向に長尺な開口部からなる吐出口とを備え、定着液を該充填部に充填し、該充填部の内部の圧力を外部の圧力よりも高めることで該吐出口から定着液を吐出するものであり、該吐出手段は、底面が円または多角形の直柱体状で、且つ、該底面の中心を通り該幅方向に対して実質的に平行な仮想軸を回転軸として回転可能で、さらに、その直柱体の側面が該吐出口と対向し得る柱状回転部材と、該柱状回転部材の回転を制御する制御手段とを備え、該柱状回転部材は、直柱体の側面の一部を切り取った幅方向に長尺な切り欠き部、または、側面のある位置から他の位置まで貫通する幅方向に長尺な貫通孔からなり、該吐出口と対向することによって該吐出口と連通する吐出口連通部が設けられており、該吐出口及び該吐出口連通部には該幅方向における仕切りがなく、該制御手段が該柱状回転部材の回転を制御し、該吐出口と対向する該柱状回転部材の位置を変位させることによって、該吐出口と対向する該吐出口連通部の幅方向の長さを変更できるものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、定着液を表面に担持して表面移動し、上記定着液付与対象と対向する位置で表面上の定着液を該定着液付与対象に塗布する定着液塗布部材を備え、該定着液塗布部材が上記定着液供給対象であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の定着装置において、上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として幅方向の長さが異なる複数の貫通孔を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2の定着装置において、上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として幅方向の長さが異なる複数の切り欠き部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2または4の定着装置において、上記吐出口を挟んで対向する位置に2つの上記柱状回転部材を配置し、一方の該柱状回転部材に設けられた上記切り欠き部の少なくとも一つは、他方の該柱状回転部材に設けられた何れの該切り欠き部とも幅方向の長さが異なることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1または2の定着装置において、上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として、該柱状回転部材の側面における回転方向の位置によって幅方向の長さが連続的に異なる一つの切り欠き部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の定着装置において、上記吐出手段による定着液の吐出を行わない吐出待機時には、上記制御手段が上記柱状回転部材の上記切り欠き部の無い側面部が上記吐出口に対向するように該柱状回転部材の回転を制御するものであり、該柱状回転部材は該吐出待機時に該吐出口と対向する側面部に該吐出口該側面部との間の密閉性を高めるシール部材を備えることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置において、上記吐出手段における上記柱状回転部材を配置した位置よりも上記吐出口の出口側で、該吐出口の開放または閉鎖を制御する吐出口開閉制御手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の定着装置において、上記柱状回転部材を回転させるときには、上記吐出口開閉制御手段が上記吐出口を閉鎖し、上記充填部の内部の圧力を外部の圧力以下とすることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の定着装置において、吐出手段から定着液を吐出する前に、上記柱状回転部材を回転させて上記吐出口に上記吐出口連通部を対向させた後は、上記吐出口開閉制御手段によって該吐出口を閉鎖した状態で上記充填部の内部の圧力を外部の圧力よりも高くすることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置において、上記制御手段は、上記吐出手段による定着液の吐出を行わない吐出待機時には、上記柱状回転部材の回転位置が一定の初期位置となるように該柱状回転部材の回転を制御するものであり、該吐出手段は、該柱状回転部材の回転位置が初期位置であることを検出する初期位置検出手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の定着装置において、上記制御手段は、装置の電源投入時、装置の異常停止からの復帰時、及び、上記吐出手段による定着液の吐出の終了時に、上記柱状回転部材の回転位置が上記初期位置となるように制御することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11または12の定着装置において、上記柱状回転部材の回転位置が初期位置となる状態では、該柱状回転部材の上記吐出口連通部が設けらていない側面部が上記吐出口と対向し、該吐出口を閉鎖するものであることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置において、液状の定着液に対して液中に気泡を分散させて泡状定着液とする定着液泡化手段を有し、上記吐出手段は、該定着液泡化手段から供給される泡状定着液を上記定着液供給対象の表面に対して吐出するものであり、上記定着液付与手段は、上記定着液付与対象の表面に泡状定着液を付与するものであることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の定着装置において、上記樹脂微粒子に付与するため泡状定着液を上記吐出手段から吐出し始める前に、該該樹脂微粒子に付与しない泡状定着液を該吐出手段から吐出する制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面に定着液を付与し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、吐出手段から吐出される定着液は、吐出口と吐出口連通部とを通過して吐出される。吐出口の幅方向の長さは最大となる付与幅に対応させた長さで一定であるが、柱状回転部材を回転させることで吐出口と対向する吐出口連通部の幅方向の長さを変更することができる。このように、定着液を付与するときの付与幅に合わせて吐出口連通部の幅方向の長さを変更することにより、供給対象の表面に吐出される定着液の幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
さらに、吐出口及び吐出口連通部には幅方向における仕切りがないため、吐出口及び吐出口連通部を通過して吐出手段から吐出して、供給対象の表面に供給される定着液は幅方向に分割されず、一体の状態で供給される。このため、供給対象の表面上の定着液が供給される幅内の幅方向の一部で定着液の供給量が不足することを防止でき、供給対象の表面における幅方向の定着液の供給量のムラが生じることを防止できる。よって、供給対象の表面における幅方向の定着液の供給量のムラに起因して定着後のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できる。
本発明によれば、吐出手段から吐出されて供給対象の表面に供給される定着液の幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができ、定着後のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できるという優れた効果がある。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同複写機における四つの作像ユニットのうちの一つを示す部分拡大図。 定着装置の模式図。 定着装置の定着液塗布部の拡大説明図。 実施例1の定着装置が備えるダイコータヘッドの斜視図。 定着装置が備える制御回路を説明するブロック図。 実施例2の定着装置が備えるダイコータヘッドの説明図。 実施例2のダイコータヘッドが備える3つの円柱状の回転部材の斜視説明図。 実施例2の各部材の幅方向の長さの関係の説明図。 実施例2の定着装置が備える制御回路を説明するブロック図。 実施例3の定着装置が備えるダイコータヘッドの説明図。 実施例3のダイコータヘッドが備える供給幅調節ローラの斜視説明図。 実施例4の定着装置が備えるダイコータヘッドの説明図。 実施例4のダイコータヘッドが備える供給幅調節ローラの斜視説明図。 実施例5のダイコータヘッドが備える供給幅調節ローラの斜視説明図。 吐出口の幅方向の長さを変更する構成例の定着装置における定着液塗布部の模式図。 図17の構成例のダイコータヘッドの斜視図。 図17の構成例の不具合の説明図。
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では本発明の特徴部を備える画像形成装置が複写機である構成について説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置であるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置であるADF51とを有している。
給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙Pを送り出す送出ローラ43を有する。さらに、給紙カセット42から送り出された転写紙Pの一番上にある一枚を他の転写紙Pから分離して給紙路44に供給する分離ローラ45を有する。また、プリンタ部1の紙搬送路37に転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ47等も有している。そして、給紙カセット42内の転写紙Pをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙する。
プリンタ部1の上方に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、固定読取部151では光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されている。この移動読取部152は、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させる。その後、原稿からの反射光を複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、移動読取部152では光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で画像情報を取得する。そして、得られた画像情報に基づいて、光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2、K,Y,M,Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。そして、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、潜像担持体である感光体4(K,Y,M,C)の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。
作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ、潜像担持体である感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、感光体4Kの他、この感光体4Kの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の一次転写ニップを通過した後の感光体4K表面に付着している転写残トナーをクリーニングする感光体クリーニング装置15Kなども有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)のうちの一つの作像ユニット3の拡大図である。なお、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。図3に示すように、作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置の帯電ローラ5、現像装置6、感光体クリーニング装置15、除電装置の除電ランプ22等を有している。
複写機100では、感光体4として、アルミニウム等の素管に感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を現像剤担持体である現像ローラ12に担持する。そして、現像ローラ12と感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像を可視像化させる。また、現像装置6は、現像ローラ12の表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部6bを備え、現像剤収容部6bには収容する二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材である撹拌スクリュ6aが設けられている。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。この複数の磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。このような複数の磁極それぞれの磁力の作用により、現像剤収容部6b内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱する。現像スリーブ表面から離脱した二成分現像剤は、現像剤収容部6b内に戻される。現像剤収容部6b内には、トナー濃度センサ6sが配置されている。このトナー濃度センサ6sによる検知結果に基づいて、現像剤収容器6b内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
プリンタ部1では図2に示すように、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の感光体4(K,Y,M,C)には、これまで説明してきた作像プロセスによってK,Y,M,Cトナー像が形成される。
図2に示すように四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラ(92、93、94)によって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備える。さらに、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラ92に対向する位置には、ベルトクリーニング装置32が配置されている。ベルトクリーニング装置32は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。
転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図2中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧している。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体である中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には四色重ね合わせトナー像(以下、四色トナー像という)が形成される。
複写機100の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
図3において、一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3の感光体クリーニング装置15により、感光体4の表面から除去される。
感光体クリーニング装置15は、感光体4に当接しているポリウレタンゴム製の感光体クリーニングブレード16を備え、転写残トナーを一次転写ニップ通過後の感光体4表面から掻き取って除去する。感光体クリーニングブレード16は、作像ユニット3のケーシングに固定された金属製の支持部材に接着(ホットメルト)されており、感光体4に対してカウンタ方向に当接するようになっている。カウンタ方向とは、支持部材によって片持ち支持される感光体クリーニングブレード16の先端側を、後端側(自由端側)よりも感光体4の表面移動方向の上流側に位置させるようなブレードの向きである。
ここで、感光体クリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュ及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
複写機100の作像ユニット3が備える除電装置は、除電ランプ22を備えた構成であり、光を照射して感光体4の表面電位を初期化する。除電ランプ22によって除電された感光体4の表面は、帯電バイアスの印加によって感光体4との間に放電を発生させる帯電ローラ5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。また、複写機100の作像ユニット3が備える帯電装置は、帯電ローラ5を採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置は帯電ローラ5を感光体4の表面に接触させて、帯電ローラ5に電圧を印加することにより感光体4の表面を一様に帯電する。なお、感光体4を一様に帯電させる帯電装置としては、帯電ローラ方式のものに代えてスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
図2に示すように、プリンタ部1における転写ユニット90の図中下方には、二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28が設けられている。この紙搬送ユニット28は、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、二次転写ベルトである無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる構成である。
複写機100では紙搬送ユニット28の二次転写ローラ31と、転写ユニット90の下部張架ローラ94との間に、中間転写ベルト91及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト91の表面と、紙搬送ベルト29の表面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット90の下部張架ローラ94は接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
この二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対33が配設されている。レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト91上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の四色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された転写紙Pは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ベルト29の表面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置60へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト91に当接するベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置60に搬送された転写紙Pは、詳細は後述するが定着装置60内で定着液が塗布されることによってフルカラー画像が定着された後、定着装置60から送り出される。
なお、図1に示すように複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方には、スイッチバック装置36が配設されている。これにより、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pが、切換爪で転写紙Pの進路を転写紙P反転装置側に切り換えられ、そこで反転されて再び二次転写ニップに進入する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された後、排紙トレイ10上に排紙される。
〔実施例1〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について図面を用いて説明する。
図4は実施例1の定着装置60を模式的示した説明図であり、図5は定着装置60の定着液塗布部70の拡大図である。また、図6は、実施例1の定着装置60が備えるダイコータヘッド500を図5中の矢印H方向から見た斜視図である。また、図6では、図5で示すダイコータヘッド500のマニホールド510に対して左側のケーシングを透過させて破線で示しており、図5中の紙面手前‐奥方向、及び、図6中の矢印W方向が幅方向を示す。
図4に示すように定着装置60は、泡状の定着液を生成する泡状定着液生成部400と定着液塗布部70とを備える。定着液塗布部70は、泡状定着液生成部400で生成された泡状定着液Fを未定着のトナー層Tからなる未定着画像を担持する転写紙Pに塗布する構成である。
泡状定着液生成部400は、液状定着液210を保管収納する定着液ボトル200と、定着液ボトル200内に空気を送り込み液状定着液210を粗く発泡させて、粗い泡からなる泡状定着液Fを生成する空気ポンプ300とを有する。また、定着液ボトル200内で粗く発泡させた状態の泡状定着液Fの泡を細かい泡にする泡攪拌器310を有する。
定着液塗布部70は、ダイコータヘッド500、塗布ローラ61、及び、加圧ローラ62を有する。塗布ローラ61は、泡状定着液生成部400で生成された泡状定着液Fを未定着のトナー層Tが形成された転写紙Pの表面に塗布位置Jで塗布する部材である。ダイコータヘッド500は、泡攪拌器310で泡が細かくなった泡状定着液Fを塗布ローラ61の表面に向けて吐出して供給する吐出手段である。また、加圧ローラ62は、泡状定着液Fが塗布された後の未定着のトナー層T内に泡状定着液Fを浸透させるように塗布位置Jで圧力をかける部材である。なお、塗布ローラ61表面に供給された泡状定着液Fが薄層状態となるようにダイコータヘッド500からの泡状定着液Fの供給がなされることが望ましい。
泡状定着液生成部400が備える泡攪拌器310の内部には2本のスクリュ部材が平行に、且つ、近接して配置されており、2本のスクリュ部材には駆動を伝達するギヤを介して、駆動源としての泡攪拌用モータM3が接続されている。泡攪拌用モータM3を駆動させることによって2本のスクリュが回転する。定着液ボトル200内で作成された粗い泡からなる泡状定着液Fを回転する2本のスクリュの間を通過させ、攪拌し、せん断力を加えることによって泡状定着液Fの大きな泡は微小な泡へと変化する。
定着装置60では、気体供給手段である空気ポンプ300が定着液供給手段である定着液ボトル200内に空気を送り込む。これにより、定着液ボトル200内の液状定着液210と空気とを混合して、液状定着液210を発泡させて、粗い泡からなる泡状定着液Fを生成する。さらに、泡攪拌器310内の2つのスクリュを回転させ、粗い泡からなる泡状定着液Fにせん断力を加えることによって、細かい泡からなる泡状定着液Fを生成する。このように、定着装置60では、空気ポンプ300、定着液ボトル200、及び、泡攪拌器310等によって定着液発泡手段を構成する。そして、泡状定着液Fを用いて定着を行うことにより、従来の液状の定着液を用いる構成よりも少量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着することができる。
定着液塗布部70が備える加圧ローラ62は、表面が弾性変形するスポンジローラである。また、定着液塗布部70は、塗布位置Jに対して塗布ローラ61の表面移動方向下流側に、塗布ローラクリーニングブレード63を備える。塗布ローラクリーニングブレード63は、塗布位置Jを通過した塗布ローラ61の表面上に残った泡状定着液Fを回収するためのクリーニング機構を構成する。さらに、塗布位置Jに対して加圧ローラ62の表面移動方向下流側には、塗布位置Jを通過した加圧ローラ62の表面上に付着した泡状定着液Fなどの異物をクリーニングするための加圧ローラクリーニングブレード64を備える。塗布ローラクリーニングブレード63でクリーニングされた泡状定着液Fは塗布側定着液回収タンク63aに収容される。また、加圧ローラクリーニングブレード64でクリーニングされた泡状定着液Fは加圧側定着液回収タンク64aに収容される。塗布ローラ61の表面上における、ダイコータヘッド500と対向する位置に対して表面移動方向下流側、且つ、塗布位置Jに対して表面移動方向上流側の位置にはローラ表面泡センサS6が配置されている。ローラ表面泡センサS6は、塗布ローラ61上の泡状定着液Fの有無を検知する光学センサである。
ローラ表面泡センサS6としては反射型の光学センサを用い、塗布ローラ61としては、表面の色が黒や茶等の光が反射しにくい色のものを用いる。このようなローラ表面泡センサS6では、塗布ローラ61の表面上に定着液が存在しない場合及び定着液が存在しても液状の場合は、泡状定着液Fが存在する場合よりも、受光素子に入射する光量が少なくなる。塗布ローラ61上に定着液が存在しない場合及び定着液が存在しても液状の場合は、発光素子から発した光は塗布ローラ61表面まで到達し、ほとんど吸収されるため、受光素子に入射する光量は少ない。一方、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fが存在する場合は、液状の状態よりも表面が白くなり入射した光が反射するため、泡状定着液Fが存在しない場合に比べて反射型の光学センサの受光素子に入射する光量が多くなる。このように、ローラ表面泡センサS6が備える受光素子で受光される光量の違いよって、センサを配置した塗布ローラ61表面に泡状定着液Fが存在するか否かを検出することができる。更に泡状定着液Fの厚みの違いにより、反射光から受光素子への戻り光量が異なることを確認する事で塗布ローラ61上の泡状定着液Fの厚みを検知し、空気ポンプ300の回転数を可変する事でヘッド圧をコントロールし、塗布厚を制御することも可能となる。
定着装置60は、塗布位置Jに対して転写紙Pの搬送方向下流側には、転写紙Pの塗布ローラ61からの分離を促す分離爪65を備える。一方、塗布位置Jに対して転写紙Pの搬送方向上流側には、未定着のトナー像からなるトナー層Tを担持した転写紙Pの先端を検知する紙先端検知センサS4を備える。紙先端検知センサS4を設けた位置に対して転写紙Pの搬送方向上流側には、定着給紙ローラ対67を備える。定着給紙ローラ対67には駆動源としての定着給紙モータM5が接続されており、定着給紙モータM5から定着給紙ローラ対67に対する駆動の伝達を制御する定着給紙タイミング合せクラッチ68を備える。
定着液塗布部70では、ダイコータヘッド500が泡状定着液Fを表面移動する塗布ローラ61の表面に吐出することによって、塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fが供給される。塗布ローラ61は、図5中の矢印C方向に表面移動することによってその表面が転写紙Pと対向する塗布位置Jまで泡状定着液Fを搬送する。そして、塗布位置Jにおける塗布ローラ61の表面移動方向と同方向(図5中矢印I方向)に搬送される転写紙Pのトナー層Tが形成された表面上に泡状定着液Fを塗布する。これにより、トナー層Tが形成された転写紙Pの表面に対して泡状定着液Fの付与がなされる。
また、定着装置60は、塗布ローラ61の駆動源としての塗布ローラ用モータM1、及び、加圧ローラ62の駆動源としての加圧ローラ用モータM2を備える。さらに、定着装置60は、詳細は後述するがこれらの部品を制御するための定着制御手段である定着CPU700を備える。
なお、定着給紙ローラ対67の上下二つのローラのうち、上側のローラは、転写紙P上の未定着トナー像を乱さないように、転写紙Pの幅方向(搬送方向に直交する方向)両端部の余白部のみに接触する構成となっている。
次に、実施例1の定着装置60が備えるダイコータヘッド500について説明する。
ダイコータヘッド500は、ヘッド内搬送管512、充填部であるマニホールド510、及び、吐出口である吐出スリット511を備える。マニホールド510には大気開放弁507が接続されており、マニホールド510内の圧力を検知する圧力センサS5を備える。また、吐出スリット511のスリット上流部511aとスリット下流部511bとの間には、円柱状の柱状回転部材である供給幅調節ローラ550が配置されている。
大気開放弁507は、ソレノイドのON/OFF制御によって弁の閉鎖または開放を制御するものである。弁を閉鎖することでマニホールド510内の気圧が外気の気圧の影響を受けない状態とし、弁を開放することでマニホールド510内の気圧を外気の気圧と同じ値とすることができる。
なお、図示は省略しているが、ヘッド内搬送管512は途中で三又に分かれており、図6に示すように、3個所の搬送管排出口512aでマニホールド510と接続している。
また、マニホールド510は、ヘッド内搬送管512や吐出スリット511の断面に対して十分に広い空間となっているため、ヘッド内搬送管512や吐出スリット511に比して圧力抵抗が小さい。このため、ヘッド内搬送管512からマニホールド510に供給された泡状定着液Fはマニホールド510内全体に広がり、マニホールド510内では泡状定着液Fを均等に広げることができる。また、マニホールド510は吐出スリット511に比して圧力抵抗が小さい。よって、泡状定着液Fはマニホールド510から吐出スリット511へ移動し難く、マニホールド510内の気圧が外部の気圧よりも高くしたときの圧力差によって吐出を行うことができる。
大気開放弁507に繋がる管のマニホールド510との接続位置には、接続部からの空気漏れや定着液漏れを防止する大気開放管シール部材507sが配置されている。また、供給幅調節ローラ550の回転軸である供給幅調節ローラ回転軸551の根元にも回転軸シール部材552が配置されている。この回転軸シール部材552は、供給幅調節ローラ回転軸551とダイコータヘッド500のケーシングとの間の隙間からの空気漏れや定着液漏れを防止する。さらに、吐出スリット511近傍のダイコータヘッド500のケーシングには、吐出口シール部材511sが配置されている。この吐出口シール部材511sは、供給幅調節ローラ550の側面とダイコータヘッド500のケーシングとの間に定着液が流入することを防止する。
供給幅調節ローラ550は、幅方向の長さが異なる2つの貫通スリット570が設けられている。図5及び図6に示すダイコータヘッド500は、2つの貫通スリット570のうち幅方向の長さが長い第一貫通スリット570aが吐出スリット511と対向した状態である。第一貫通スリット570a及び第二貫通スリット570bは、共に円柱状の供給幅調節ローラ550を直径方向に貫通するように設けられた貫通孔である。この2つの貫通スリット570は供給幅調節ローラ550の中心軸で交差して繋がっている。
供給幅調節ローラ回転軸551には駆動源としての供給幅調節回転モータM4が接続されており、供給幅調節回転モータM4からの駆動を伝達することによって円柱状の供給幅調節ローラ550が回転する構成である。
ダイコータヘッド500では、供給幅調節ローラ550における貫通スリット570が設けられた位置以外の領域であるローラ側面部571が吐出スリット511と対向している状態では、吐出スリット511は閉鎖された状態となる。この状態では、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給が停止される。吐出スリット511が閉鎖された状態から供給幅調節回転モータM4を駆動して、供給幅調節ローラ550を回転させると、図4〜図6に示すように、2つの貫通スリット570の一方が吐出スリット511と対向する状態となる。この状態では、マニホールド510が吐出スリット511及び貫通スリット570を介して外部と連通し、マニホールド510内の泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
吐出スリット511及び二つの貫通スリット570は、幅方向における仕切りがない開口部である。また、吐出スリット511と第一貫通スリット570aとの幅方向の長さは最大となる付与幅に対応させた長さである。一方、第二貫通スリット570bの幅方向の長さは吐出スリット511や第一貫通スリット570aよりも短く、例えば、使用頻度が高い転写紙Pの付与幅に対応させた長さである。
実施例1の定着装置60では、吐出手段であるダイコータヘッド500から吐出される泡状定着液Fは、吐出口である吐出スリット511と吐出口連通部である貫通スリット570とを通過して吐出される。吐出スリット511の幅方向の長さは最大となる付与幅に対応させた長さで一定である。一方、泡状定着液Fが通過する貫通スリット570の幅方向の長さは、柱状回転部材である供給幅調節ローラ550を回転させて、吐出スリット511と対向する貫通スリット570を切り替えることで変更することができる。
また、泡状定着液Fは、幅方向の長さが吐出スリット511よりも短い第二貫通スリット570bを泡状定着液Fが通過した後に吐出スリット511のスリット下流部511bを通過する。このような場合でも、泡状定着液Fは延展し難いため、泡状定着液Fの幅方向の長さは第二貫通スリット570bの幅方向の長さからほとんど変化しない。このため、吐出スリット511と対向する貫通スリット570を変更することにより、供給対象である塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
実施例1の定着装置60では、複写機100で画像形成可能な最大幅の転写紙Pに画像形成を行う場合は、第一貫通スリット570aを吐出スリット511と対向させた状態で泡状定着液Fの塗布ローラ61への供給を行う。また、狭い転写紙Pに画像形成を行う場合は、第二貫通スリット570bを吐出スリット511と対向させた状態で泡状定着液Fの塗布ローラ61への供給を行う。
さらに、吐出スリット511及び2つの貫通スリット570には幅方向における仕切りがない。このため、吐出スリット511及び貫通スリット570を通過してダイコータヘッド500から吐出して、塗布ローラ61の表面に供給される泡状定着液Fは幅方向に分割されず、一体の状態で供給される。このため、塗布ローラ61の表面上の泡状定着液Fが供給される幅内の幅方向の一部で泡状定着液Fの供給量が不足することを防止でき、塗布ローラ61の表面における幅方向の泡状定着液Fの供給量のムラが生じることを防止できる。よって、塗布ローラ61の表面における幅方向の泡状定着液Fの供給量のムラに起因して定着後の転写紙P上のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できる。
なお、2つの貫通スリット570は供給幅調節ローラ550の中心軸で交差して繋がっている。このため、一方の貫通スリット570が吐出スリット511と対向し、泡状定着液Fが通過する場合、交差する部分で泡状定着液Fが他方の貫通スリット570に流れることがある。図4〜図6に示す例では、吐出スリット511のスリット上流部511aを通過して第一貫通スリット570a内に入った泡状定着液Fが2つの貫通スリット570が交差する部分で第二貫通スリット570bに進入することがある。このため、第二貫通スリット570bに進入した定着液がダイコータヘッド500のケーシングと供給幅調節ローラ550の側面との隙間に進入することを防止する貫通スリットシール部材550sを備える。貫通スリットシール部材550sは、ダイコータヘッド500のケーシングに固定されている。実施例1の貫通スリットシール部材550sはスポンジ状の弾性部材であり、供給幅調節ローラ550のローラ側面部571が対向するときにはローラ側面部571に接触する。供給幅調節ローラ550が回転するときには、ローラ側面部571を摺擦する。そして、第一貫通スリット570aまたは第二貫通スリット570bが対向するときには、貫通スリット570の縁を形成するローラ側面部571に密着して、貫通スリット570の開口を密閉する。
このように、実施例1のダイコータヘッド500では、貫通スリット570とローラ側面部571とのいずれを吐出スリット511に対向させるかによって吐出スリット511の開閉を制御することができる。これにより、吐出のON/OFFの制御を行うことができる。さらに、吐出スリット511を開放するときは、第一貫通スリット570aと第二貫通スリット570bとのいずれを吐出スリット511に対向させるかによって供給する泡状定着液Fの幅方向の長さを制御できる。
なお、定着装置60を駆動しているときには、ダイコータヘッド500から泡状定着液Fを排出するためマニホールド510内及び定着液の搬送経路内の気圧は大気圧よりも高くなっている。このため、空気ポンプ300や泡攪拌器310を停止しても、マニホールド510内及び搬送経路内の圧力が高まった状態となるため、泡状定着液Fが吐出されるおそれがある。このため、定着装置60では、ダイコータヘッド500からの泡状定着液Fの吐出を行わない吐出待機時には、大気開放弁507を解放し、マニホールド510内及び定着液の搬送経路内の気圧を大気圧と同じにする。さらに、吐出スリット511にローラ側面部571が対向するように供給幅調節ローラ550の回転位置を制御する。これにより、吐出待機時に定着液が吐出されることを防止する。
次に、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御する構成について説明する。
図6に示すように、ダイコータヘッド500は、供給幅調節回転モータM4によって駆動が伝達される側とは反対側の供給幅調節ローラ回転軸551に円板553を備える。円板553は、その縁部に複数種の切り欠きが設けられ、供給幅調節ローラ550と連動して回転する。さらに、発光素子S8aから円板553の縁部に光を照射し、反射光を受光素子S8bで受光することによって、その読取位置における円板553の切り欠きパターンを読み取る光学センサからなる回転位置センサS8を備える。円板553には切り欠きが1〜3本の3種の切り欠きパターンがあり、切り欠きパターンを回転位置センサS8で読み取ることによって、供給幅調節ローラ550の回転位置を検出することができる。
図6に示すように、回転位置センサS8の読取位置の切り欠きパターンが2本のときは第一貫通スリット570aを吐出スリット511に対向させた状態である。同様に、切り欠きパターンが3本のときは第二貫通スリット570bを吐出スリット511に対向させた状態であり、切り欠きパターンが1本のときはローラ側面部571で吐出スリット511を閉鎖した状態となる。このため、回転位置センサS8で検出した情報に基づいて定着CPU700が供給幅調節回転モータM4の駆動を制御することによって、供給幅調節ローラ550の回転位置の制御を行うことができる。
図6の構成では、円板553において、2本の切り欠きパターンが二箇所、3本の切り欠きパターンが二箇所、及び、1本の切り欠きパターンが4箇所ある。ダイコータヘッド500による泡状定着液Fの吐出を行わない吐出待機時に、定着CPU700が供給幅調節ローラ550の回転位置が初期位置となるように制御する構成の場合は、各切り欠きパターンを一箇所ずつとしてもよい。そして、供給幅調節ローラ550の回転位置がローラ側面部571で吐出スリット511を閉鎖した状態となる、1本の切り欠きパターンが回転位置センサS8の読取位置にある状態を初期位置であるホームポジションとする。
このようなホームポジションの状態では、供給幅調節ローラ550がローラ側面部571で吐出スリット511を閉鎖した状態となるため、ダイコータヘッド500からの泡状定着液Fの吐出が停止される。これにより、吐出待機時に吐出スリット511から定着液が漏れることを防止できる。
このように実施例1の定着装置60は、円板553、回転位置センサS8、及び、定着CPU700を備える構成が、供給幅調節ローラ550の回転位置が初期位置であることを検出する初期位置検出手段として機能する。
この構成では、定着CPU700は、回転位置センサS8の検出結果に基づいて吐出待機時に供給幅調節ローラ550の回転位置を確認する。そして、その回転位置がホームポジションにない場合は、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなるように制御する。このような制御を行う構成では、次の泡状定着液Fの吐出で用いるサイズの貫通スリット570が吐出スリット511と対向する回転位置となるように、ホームポジションからの供給幅調節ローラ550の回転角度を制御する。この構成では、2つの貫通スリット570のそれぞれが吐出スリット511と対向する状態となる回転位置のホームポジションからの回転角度の情報が定着CPU700の記憶手段に予め入力されている。そして、このホームポジションからの回転角度の情報に基づいて、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御する。図6に示す例では、ホームポジションの状態から供給幅調節ローラ550を図6中の矢印E方向に45[°]回転させると、第一貫通スリット570aが吐出スリット511と対向する。また、ホームポジションの状態から供給幅調節ローラ550を図6中の矢印E方向とは逆方向に45[°]回転させると、第二貫通スリット570bが吐出スリット511と対向する。これにより、吐出を開始するときの吐出スリット511と対向する貫通スリット570の切り換えの制御、言い換えると、所定サイズの付与幅の頭だしを容易に行うことができる。
なお、実施例1の定着装置60では、上述したように、吐出スリット511と対向する貫通スリット570によってホームポジションからの回転方向が異なっている。これは以下の理由による。
実施例1の定着装置60が備えるダイコータヘッド500は、吐出スリット511に対してローラ側面部571が対向するか、貫通スリット570が対向するかによって、吐出スリット511の開閉を制御するものである。すなわち、供給幅調節ローラ550以外に吐出スリット511の開閉を制御する吐出口開閉制御部材を備えていない。このため、所定の貫通スリット570が吐出スリット511と対向するまで供給幅調節ローラ550を一定方向に回転させると、所定の貫通スリット570が対向する前に、他方の貫通スリット570が吐出スリット511と対向することがある。この場合、他方の貫通スリット570が吐出スリット511と対向したときに泡状定着液Fが吐出され、所定の吐出のタイミングの前の泡状定着液Fが塗布ローラ61上に供給されてしまう。
これに対して、実施例1の定着装置60では、使用する貫通スリット570によってホームポジションからの回転方向を逆方向としている。これにより、ホームポジションの状態から他方の貫通スリット570が吐出スリット511と対向することなく、所定の貫通スリット570を吐出スリット511に対向させることができる。
また、後述する実施例2のように、供給幅調節ローラ550とは別に吐出スリット511の開閉を制御する吐出口開閉制御部材を備える構成もある。このような構成では、吐出口開閉制御部材によって吐出スリット511を閉鎖した状態で、所定の貫通スリット570が吐出スリット511と対向するまで供給幅調節ローラ550を一定方向に回転させることで供給幅調節ローラ550の回転位置を制御してもよい。
また、本実施形態の定着装置60は定着ユニットとして複写機100本体に対して着脱可能となっている。定着ユニットが複写機100本体に装着されると、定着ユニット検知部731が接続された状態となり、複写機本体CPU750の定着ユニット検知端子が定着ユニット側のアースに接続される。このため、定着ユニットが複写機100本体に装着されると複写機本体CPU750に入力される定着ユニット検知信号はローレベルとなる。一方、定着ユニットが複写機100本体から取り外されていると、複写機本体CPU750の定着ユニット検知端子は抵抗Rを挟んでアースに接続されるため、複写機本体CPU750に入力される定着ユニット検知信号はハイレベルとなる。
なお、ホームポジション検知する構成で、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなるように制御するタイミングとしては、複写機100の電源投入時がある。他のタイミングとしては、異常が発生したときに複写機を停止した後の復帰時、及び、画像形成終了後などダイコータヘッド500による泡状定着液Fの吐出の終了時がある。このような各タイミングで、供給幅調節ローラ550の回転位置をホームポジションとすることにより、定着CPU700で供給幅調節ローラ550の回転位置を常に把握することができる。
次に、本実施形態の定着装置60内の一連の動きについて制御回路のブロック図を用いて説明する。なお、以下に説明する定着装置60の一連の動きの流れは、上述した実施例1の定着装置60に限らず、後述する他の実施例の定着装置60にも適用可能である。
図7は実施例1の定着装置60が備える制御回路を説明するブロック図である。図7に示すように、定着装置60の制御回路はA/D、D/A端子とROM、RAMなどの記憶手段を有した定着CPU700と、外付けのタイマー710とから構成される。定着CPU700は、各センサ(S4及びS6〜S8)からの入力信号に応じてローラ類や泡攪拌器310の各駆動モータ(M1〜M4)、定着液ボトル200に接続された空気ポンプ300の制御を行う。また、空気ポンプ300はDC/DCコンバータ720によって電圧がコントロールされる構成である。定着CPU700からDC/DCコンバータ720へ空気ポンプ300の電圧コントロール信号としてのDC/DCコンバータ出力電圧可変信号が送信される構成である。
また、定着装置60内に設けられた定着CPU700と、複写機100本体に設けられた複写機本体CPU750とは、I/F(インターフェイス)通信接続部730によって接続されている。定着CPU700では、このI/F通信接続部730を介して複写機100本体の電源のON/OFF信号、プリント開始信号、及び、非常停止信号等の信号が割り込み端子より入力される。
まず、複写機100に定着ユニットが装着された状態で複写機100本体の電源が投入されると複写機本体CPU750は、定着ユニット検知信号がローレベルにあることを検知することで定着ユニットが装着されていることを認識する。次に、定着CPU700と複写機本体CPU750とがI/F通信接続部730によって互いにコマンドとステータスの通信を行い、互いに通信可能となったことを確認し、更にこの時、定着CPU700は複写機本体CPU750との通信により複写機100本体の電源が投入されたことを認識する。
なお、 I/F通信接続部730としては、パラレルインターフェイスやシリアルインターフェイス、更にはローカルインターフェイス等の双方向通信の形態を有した方式であれば実現可能である。
また、電源投入時には、定着CPU700は、回転位置センサS8の検知結果に基づいて供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなるように供給幅調節回転モータM4の駆動を制御する。そして、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションであることが確認されると、供給幅調節回転モータM4の駆動を停止する。
次に、定着装置60のイニシャライズ動作について説明する。
複写機100本体の電源が投入されたことを認識すると、定着装置60内の定着CPU700は空気ポンプ300を稼動させ定着液ボトル200内に空気を送り込む。ここで、空気を送り込まれた定着液ボトル200内では液状定着液210と空気とを混合し、液状定着液210内に大きな泡を発泡させて、泡状定着液Fを生成する。次に、定着液ボトル200内の泡状定着液Fは、空気ポンプ300からの圧力によって大径泡搬送管201を抜けて泡攪拌器310に送られる。
泡攪拌器310に注入された泡状定着液Fは泡攪拌器310により、極きめ細かな泡を含有する泡状定着液Fに整形され、極きめ細かな泡からなる泡状定着液Fがダイコータヘッド500へと送られ、マニホールド510内に充填される。
この時、充填された泡状定着液Fが滲み出るのを防ぐため、マニホールド510に接続された大気開放弁507はOFF(開放状態)とする。また、吐出スリット511を閉鎖した状態とするように、回転位置センサS8の検知結果に基づいて供給幅調節回転モータM4の駆動を制御して、供給幅調節ローラ550の回転位置をホームポジションとする。
次に定着CPU700は大気開放弁507をON(閉じた状態)にし、マニホールド510内に設けられた圧力センサS5の検知結果とタイマー710のタイマー機能とを利用し、単位時間当たりの泡圧力の変化を把握する。そして、圧力変化に応じて空気ポンプ300の電圧を調節して、空気ポンプ300の回転数を制御し、常に泡の圧力をほぼ一定に保つように制御する。このような制御より、塗布ローラ61上に膜状に塗布された泡状定着液Fの膜厚を常に一定になるように制御することができる。
次に、プリント動作前の捨て打ち動作について説明する。
プリント動作を行うときには、スキャナ部150に原稿MSが配置されて複写機100のスタートボタンが押されたり、PC等の外部機器からプリント信号が送信されたりする。このとき、複写機100の複写機本体CPU750は、プリント信号を受信したことを定着装置60内に設けられた定着CPU700にI/F信号群によって通知する。
ダイコータヘッド500や泡攪拌器310内の泡状定着液Fは長時間放置されると、破泡等により泡の密度が変化するなど、泡の劣化が生じる。泡が劣化すると定着性が変化するため、プリント信号を受信したことを認識した定着CPU700は、プリント動作前の捨て打ち動作を開始する。
捨て打ち動作の具体的動作としては、空気ポンプ300や泡攪拌器310の泡攪拌用モータM3をONすると同時にダイコータヘッド500のマニホールド510に接続された大気開放弁507をON(閉じた状態)にする。これにより、マニホールド510内の圧力を高める。
次に、塗布ローラ用モータM1及び加圧ローラ用モータM2をONにすることで塗布ローラ61及び加圧ローラ62を駆動させる。また、各ローラ(61、62)のモータ(M1、M2)が回転を開始し、マニホールド510内の圧力が高まると、定着CPU700は、吐出スリット511を開放するように供給幅調節回転モータM4を制御する。そして、予め、定着CPU700内のROMデータ内に設定された値とタイマー710のカウント値を比較して、塗布ローラ61への泡状定着液Fの供給を所定時間行う。
その後、定着CPU700はローラ表面泡センサS6の検知結果を確認することにより、塗布ローラ61上に実際に泡状定着液Fが塗布されているか否かの確認動作を行う。
さらにに、ローラ表面泡センサS6の検知結果を段階的(アナログ信号レベルを幾つかに分けて取り込む)に取り込むことで、ローラ表面泡センサS6の検知結果に応じて空気ポンプ300の電圧を可変し、ダイコータヘッド500から塗布ローラ61への泡塗布量を可変としてもよい。このように、ローラ表面泡センサS6の検知結果を段階的に取り込み、塗布ローラ61への泡塗布量を可変とすることで、環境変動などに応じて塗布量を変化させる際に有効となる。
捨て打ち動作によって、塗布ローラ61や加圧ローラ62上に供給された泡状定着液Fは、各クリーニング機構の回収タンク(63a、64a)に集められ最終的には破棄される。
このような、一連の捨て打ち動作が終了すると空気ポンプ300と泡攪拌器310の泡攪拌用モータM3との駆動を停止し、次にダイコータヘッド500の吐出スリット511を閉鎖し、大気開放弁507を開放する。
その後、塗布ローラ61及び加圧ローラ62に残った泡状定着液を全て回収できる時間としての「所定時間」だけ、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させる。その後、塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2とを停止し、一連の捨て打ち動作は終了となる。なお、上記所定時間だけ、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させる制御は、定着CPU700内のROMデータ内に設定された値とタイマー710のカウント値を比較しながら実行する。
一連の捨て打ち動作は終了した定着装置60は定着待機状態となる。
なお、上述した記載中に「所定時間」とあるが、ここで言う所定時間とはダイコータヘッド500内や泡攪拌器310内に蓄えられた泡状定着液Fを吐き出すまでに要する時間を意味している。
本捨て打ち動作はプリント動作前に常に実施されるのでは無い。例えば、泡状定着液Fの劣化が許容される程度の時間以内に次のプリント要求が来た場合や連続プリント動作時など、泡状定着液Fの劣化が殆ど無いものと判断された場合は実施されない。また、複写機100が長時間放置されたときなど泡状定着液Fの付与機能を確認するため、本捨て打ち動作を実行してもよい。
上記定着待機状態では、定着装置60を制御している定着CPU700が、泡状定着液Fの泡の劣化を極力抑えるために大気開放弁507をOFF(開放状態)として、マニホールド510内の圧力を下げる。さらに、消費電力や内圧をかけた状態にすることによる泡劣化を極力抑えるために空気ポンプ300や泡攪拌用モータM3を停止させる。次に、大気開放弁507をON(閉じた状態)にした状態で、圧力センサS5からの信号に応じて圧力が泡劣化を招かない程度の圧力になるまで定着CPU700からアナログ信号を入れることで出力電圧を可変できるDC/DCコンバータ720を制御し空気ポンプ300や泡攪拌用モータM3に印加する電圧を制御し、次の塗布開始の塗布立ちあがり時間の短縮に備える為に回転数を空気ポンプ300や泡攪拌用モータM3を低下させ、弱い圧力をかけておく。このような制御を行うことにより、ダイコータヘッド500の内部空気圧を下げることが可能となる。
なお、定着待機状態では、空気ポンプ300を停止させた後であってもダイコータヘッド500内の残圧により吐出スリット511やシール部から定着液が滲み出るおそれがある。
また、実施例1では、吐出スリット511に対して供給幅調節ローラ550の貫通スリット570が対向するか、貫通スリット570が設けられた位置以外の領域であるローラ側面部571が対向するか、によって吐出スリット511の開閉が制御される。すなわち、供給幅調節ローラ550が吐出スリット511の開閉を制御するシャッター部材としての機能を備える。このような構成で、空気ポンプ300を稼動させることで、ダイコータヘッド500内の圧力が高まり、このように圧力が高い状態でシャッター部材によって吐出スリット511を閉鎖させた状態で長時間放置するとシャッター部材としての供給幅調節ローラ550に変形が生じる可能性がある。
これらの問題に対して、上述のように、ダイコータヘッド500の内部空気圧を下げる制御を行うことで、定着液が滲み出ることやシャッター部材の変形を防止できる。なお、定着液が滲み出ることを防止することで、定着液の無駄な消費を防止することができる。
定着待機状態で定着液が滲み出ることやシャッター部材の変形を防止する制御としては次のような制御を行うことができる。
大気開放弁507をON(閉じた状態)で、空気ポンプ300を一旦停止させ、空気ポンプ300に印加する電圧の極性を反転させて空気ポンプ300を逆回転させる。そして、圧力センサS5でダイコータヘッド500内の圧力を監視しながら、適正値(ダイコータヘッド500のシール部からの圧力抜けが発生しない程度の圧力)になるまでダイコータヘッド500内の空気を抜く。
このような制御を行うことにより、ダイコータヘッド500内の圧力を低下させ、シール部から滲み出る泡をダイコータヘッド500内に吸い込むことができ、吐出スリット511やシール部から定着液が染み出ることを防止することができる。また、ダイコータヘッド500内の圧力を下げることでシャッター部材に対して圧力がかかりつづけることを回避することでシャッター部材の変形を防止することができる。
次に、プリント動作について説明する。
上述した捨て打ち動作の後、定着待機状態の定着装置60の定着CPU700が備える割り込み端子に対して、複写機本体CPU750からプリント開始信号が入力されると、定着装置60はプリント動作を開始する。
定着装置60内の定着CPU700は再び空気ポンプ300を稼動させ定着液ボトル200内に空気を送り込む。空気を送りこまれた定着液ボトル200内では液状定着液210と空気とを混合し、液状定着液210内に大きな泡を発泡させて、泡状定着液Fを生成する。次に、定着液ボトル200内の泡状定着液Fは、空気ポンプ300からの圧力によって大径泡搬送管201を抜けて泡攪拌器310に送られる。泡攪拌器310に注入された泡状定着液Fは泡攪拌器310により、極きめ細かな泡を含有する泡状定着液Fに整形され、極きめ細かな泡からなる泡状定着液Fはダイコータヘッド500へと送られ、マニホールド510内に充填される。
この時、ダイコータヘッド500の吐出スリット511を閉鎖した状態とするために、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなるように供給幅調節回転モータM4を制御する。また、吐出開始前は、充填された泡状定着液Fが滲み出ることを防ぎ、且つ、ダイコータヘッド500内の泡状定着液Fよりも先端側の空気を抜くことが求められる。このため、空気ポンプ300や泡攪拌器310の駆動開始時には、マニホールド510に接続された大気開放弁507はOFF(開放状態)とする。そして、吐出スリット511近傍に設けられた不図示の泡センサで泡の存在を検知すると、ダイコータヘッド500内の空気が抜けた状態として、大気開放弁507をON(閉じた状態)にして、マニホールド510内の圧力を高める。
なお、マニホールド510内の圧力を高める構成において、未定着トナー像に塗布する際に徐々に圧力を高めた場合、塗布ローラ61上に形成される膜厚は徐々に狙いの膜厚と成る為に初期時には泡状定着液Fの供給量が不足する。塗布ローラ61へ泡状定着液Fの供給量が不足すると転写紙Pへの塗布ムラや像剥がれ(オフセット)(未定着トナー像の内部まで定着液が浸透せずにトナー像が剥がれたりする)の原因となる。このため、未定着トナー像に泡状定着液Fを塗布する際には、塗布し始めに若干厚めに塗る為に空気ポンプ300の電圧を高めに設定し、泡量を増し、マニホールド510内の圧力を高め、初期の塗布量が多めになるように制御する。なお、初期の塗布量が多いことで像流れが生じ易くなるが、定着装置60では像流れが生じ無い程度に多めになるように空気ポンプ300の圧力を制御する。
上述した塗布ムラや像剥がれ(オフセット)といった問題点の解決策として、塗布ローラ61上に形成される泡状定着液Fの膜厚が安定した膜厚となるまで待って、未定着トナー像を進入させて塗布を開始する構成も考えられる。しかし、このような構成では、安定した膜厚となるまでに供給される定着液の無駄な消費という不具合が生じる。さらに、このような構成では、泡状定着液Fが塗布ローラ61上で安定した膜厚となった位置が転写紙Pの先端とトナー像の先端との間に塗布されるように制御すると、次のような問題が生じる。すなわち、泡状定着液Fが塗布ローラ61上で安定した膜厚となる前の位置が転写紙Pの先端に塗布されるため、転写紙Pの先端が定着液で濡れてしまう。そして、転写紙Pの先端が定着液で濡れることで塗布ローラ61や加圧ローラ62への転写紙Pの巻き付きの原因になる可能性が高くなる。このことから未定着トナー像を担持した転写紙Pの先端と画像領域の先端との間で塗布し始めるように、マニホールド510内の圧力を高め、初期の塗布量が多めになるように制御することが好ましい。
また、徐々に狙いの膜厚と成るように制御した場合、塗布ローラ61の表面移動方向に直交する幅方向の塗布領域の長さである塗布幅(付与幅)も、徐々に所定の幅となるように塗布される。これに対して、塗布開始時から安定した膜厚となるように、マニホールド510内の圧力を高めておいて、ある程度内圧が高まった状態で閉鎖していた吐出スリット511を開放する。これにより、塗布開始時から所望の塗布幅の塗布を行うことができる。
一方、複写機100のプリンタ部1でトナー像が形成された転写紙Pは、紙搬送ベルト29に搬送されて、定着装置60内に進入する。そして、定着装置60内の塗布位置Jよりも転写紙Pの搬送方向上流側端部に設けられた紙先端検知センサS4の検知位置に到達する。複写機100で画像形成動作が開始され、複写機100内での転写紙Pの搬送動作が開始すると、定着CPU700は、紙先端検知センサS4の検知位置での転写紙Pの有無の判断を開始する。
定着CPU700は紙先端検知センサS4における検知結果に基づいて、転写紙Pの先端が検知位置に到達したことを確認すると、定着給紙タイミング合せクラッチ68をOFFにして、転写紙Pを定着給紙ローラ対67で停止させる。そして、転写紙Pが定着装置60内に入ったとして、塗布ローラ用モータM1及び加圧ローラ用モータM2をONにし、塗布ローラ61及び加圧ローラ62を回転駆動させる。これにより、定着CPU700は定着給紙ローラ対67の定着給紙モータM5を駆動するとともに、吐出スリット511を開放する制御を行って、塗布ローラ61への泡状定着液Fの付与を開始する。
なお、定着CPU700は紙先端検知センサS4における検知結果に基づいて、転写紙Pの先端が検知位置に到達したことを確認されない場合は、塗布位置Jの上流側まで転写紙Pが到達していないと判断する。この場合は、吐出スリット511を閉鎖した状態を維持する。吐出スリット511を閉鎖した状態を維持することで、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給がなされず、定着動作が実施されない。
その後、転写紙Pの先端からの塗布領域で泡状定着液Fが塗布できるように、定着CPU700はタイミングを計って定着給紙タイミング合せクラッチ68を制御して、転写紙Pへの泡状定着液Fの塗布を開始し、塗布ローラ61の表面上に泡状定着液Fの薄膜を形成する。
このとき、転写紙Pに対する塗布開始位置が、転写紙Pの先端とトナー画像の画像領域の先端との間となるように、吐出スリット511を開放のタイミングと、定着給紙タイミング合せクラッチ68のタイミングとを制御する。
なお、実施例1の定着装置60では、供給幅調節ローラ550の2つの貫通スリット570のうちの一方が吐出スリット511と対向すると、吐出スリット511を開放した状態となる。このため、上述した吐出スリット511を開放するタイミングでは、所定の塗布幅に対応した幅方向の長さの貫通スリット570が吐出スリット511に対向するように制御する。
本実施形態の複写機100では、複写機本体CPU750からプリント開始信号とともに印刷用紙サイズ信号が定着CPU700に送信される。実施例1の定着装置60では、上述した吐出スリット511を開放するタイミングで、印刷を行う転写紙Pの塗布幅に対応した貫通スリット570が吐出スリット511と対向するように制御がなされる。
なお、供給幅調節ローラ550とは別に吐出スリット511の開閉を制御する吐出口開閉制御部材を備える構成であれば、その吐出口開閉制御部材で吐出スリット511を閉鎖した状態で、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御する。そして、印刷を行う転写紙Pの塗布幅に対応した吐出口連通部が吐出スリット511と対向する回転位置となったことを回転位置センサS8で確認した後に、吐出口開閉制御部材を制御して、吐出スリット511を開放する。
その後、定着CPU700内のROMに予め登録された印刷用紙サイズ毎の塗布時間値とタイマーカウント値を比較し、値が一致した時点で塗布が終了する。
このような泡状定着液Fの塗布時に定着CPU700はダイコータヘッド500内に設けられた圧力センサS5の検知結果とタイマー710のタイマー機能とを利用し、単位時間当たりの泡圧力の変化を把握する。そして、圧力変化に応じて空気ポンプ300の電圧を調整して、空気ポンプ300の回転数を制御し、常に泡の圧力をほぼ一定に保つように制御する。これにより、塗布ローラ61上に膜状に塗布された泡状定着液Fの膜厚が常に一定になるように制御される。
転写紙P上の未定着トナー像は泡状定着液Fを付与されることで定着液に含まれる軟化剤の効果で、トナーに含まれる樹脂成分が軟化する。さらに、塗布位置Jで塗布ローラ61と加圧ローラ62とに挟まれる圧力により、転写紙P上の繊維と軟化した樹脂成分が軟化したトナーとが結び付く。その後、軟化した樹脂成分が経時とともに硬化して、転写紙P上のトナー像が定着画像となる。そして、泡状定着液Fの塗布が終了し、トナー像が定着された転写紙Pは画像が定着された印刷物として複写機100の外の排紙トレイ10上に排紙される。
複写機本体CPU750は、排紙トレイ10上に転写紙Pが排紙されたことを複写機100本体側に設けた不図示の排紙センサで確認する。この確認がなされると、複写機本体CPU750は定着装置60内に設けられた定着CPU700にI/F通信接続部730によって転写紙Pが排紙されたことを知らせる。転写紙Pの排紙を確認すると定着CPU700は、空気ポンプ300、泡攪拌器310の泡攪拌用モータM3の駆動を停止し、次にダイコータヘッド500の吐出スリット511を閉鎖し、大気開放弁507を開放する。
その後、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面上に残った泡状定着液F(塗布残泡)を全て回収できる時間だけ、塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2とを駆動させる。その後、これらのモータを停止し、プリント動作は終了となる。
なお、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面上に残った泡状定着液F(塗布残泡)は、各クリーニング機構によって回収され回収タンク(63a、64a)に集められ最終的には破棄される。
上述したイニシャライズ動作後から、または、前回のプリント動作の後から、次のプリント信号がくるまで複写機100が長時間放置されると、ダイコータヘッド500や泡攪拌器310内の泡状定着液Fは破泡などにより泡状定着液Fの密度が急激に高くなるなど、泡の密度が変化して泡の劣化が生じる。そして、密度が高くなった泡状定着液Fを転写紙Pに塗布することで定着液の塗布量の増大につながる。定着液の塗布量が増大すると、転写紙Pの先端がよれて波打つ状態になったり、転写紙Pの画像が形成された面の裏側の面に定着液がにじんだりする不具合が生じるおそれがある。さらに、転写紙Pの先端が定着液で濡れることでジャムの原因となるローラへの巻き付きが発生する危険性が高まり、定着画像の乾燥に要する時間が長くなるという不具合が生じる。また、連続して画像形成を行い排紙トレイ10上に重ねて排紙する場合、定着画像の乾燥に要する時間が長くなると、重ねて排紙された転写紙P同士の張り付きの原因となる可能性がある。
このため、定着待機状態で一定時間以上経過した場合は、ダイコータヘッド500や泡攪拌器310内の泡状定着液Fを排出する空打ち動作を行う。空打ち動作の具体的な動作としては、上述した捨て打ち動作と同様の動作を行う。空打ち動作では、ダイコータヘッド500や泡攪拌器310内で劣化して密度が高まった泡状定着液Fを排出できる程度の時間行う。この空打ち動作によって塗布ローラ61や加圧ローラ62上に供給された泡状定着液Fは、各クリーニング機構の回収タンク(63a、64a)に集められ最終的には破棄される。
空打ち動作終了後は空気ポンプ300をOFFにし、大気開放弁507はOFF(大気開放状態)にして、シャッター部材である供給幅調節ローラ550を回転させて、吐出スリット511にローラ側面部571が対向する状態として、ダイコータヘッド500から塗布ローラ61への泡状定着液Fの供給を停止させ、定着待機状態にする。
なお、連続プリント動作時など、泡状定着液Fに圧力がかかった状態で一定時間以上放置されていなければ泡密度に変化は無いと判断され空打ち動作は実施されない。
〔実施例2〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について図面を用いて説明する。
図8は実施例2の定着装置60が備えるダイコータヘッド500の説明図である。実施例2の定着装置60は、スリット上流部511aとスリット下流部511bとの間に配置された円柱状の回転部材の構成が実施例1の定着装置60と相違する。他の構成は共通するため、相違点についてのみ説明する。
図8に示すように、実施例2のダイコータヘッド500は、吐出スリット511のスリット上流部511aとスリット下流部511bとの間に、3つの円柱状の回転部材が配置されている。図9は、実施例2のダイコータヘッド500が備える3つの円柱状の回転部材の斜視説明図である。なお、図8及び図9中の矢印Dは泡状定着液Fの吐出方向を示す。
ダイコータヘッド500が備える3つの円柱状の回転部材のうちの泡状定着液の吐出方向上流側の二つは、柱状回転部材としての第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540である。第一供給幅調節ローラ530には、幅方向の長さがはがき横幅に対応したはがき幅スリット531a、幅方向の長さがA4横幅に対応した第一A4横幅スリット531bが設けられている。第二供給幅調節ローラ540には、幅方向の長さがA4縦幅に対応したA4縦幅スリット541a、幅方向の長さがA4横幅に対応した第二A4横幅スリット541bが設けられている。
このように、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540には、それぞれ幅方向の長さが異なる2つの貫通スリットが設けられている。そして、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540にそれぞれ設けられた2つの貫通スリットは供給幅調節ローラの中心軸で交差して繋がっている。
第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転軸には、駆動源としての第一供給幅調節回転モータM41及び第二供給幅調節回転モータM42が接続されている。また、第一供給幅調節回転モータM41及び第二供給幅調節回転モータM42によって駆動が伝達される側とは反対側の回転軸に第一円板533及び第二円板543を備える。第一円板533及び第二円板543は、その縁部に複数種の切り欠きが設けられ、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540とそれぞれ連動して回転する。
また、ダイコータヘッド500は、第一発光素子S81aと第一受光素子S81bとからなる第一回転位置センサS81、及び、第二発光素子S82aと第二受光素子S82bとからなる第二回転位置センサS82を備える。そして、実施例1の供給幅調節ローラ550と同様に、2つの円板(533、543)の切り欠きパターンを2つの回転位置センサ(S81、S82)でそれぞれ読み取る。これにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540のそれぞれの回転位置を検出することができる。
ダイコータヘッド500では、第一回転位置センサS81の検出結果に基づいて第一供給幅調節回転モータM41を制御することによって、第一供給幅調節ローラ530の回転位置を制御することができる。これにより、第一供給幅調節ローラ530を通過可能な泡状定着液Fの幅方向の長さをはがき幅またはA4横幅のいずれかの転写紙Pの塗布幅に対応した長さに制御することができる。また、第一供給幅調節ローラ530における2つの貫通スリットが設けられた位置以外の領域である第一ローラ側面部532が吐出スリット511と対向している状態では、泡状定着液Fが第一供給幅調節ローラ530を通過不能となる。
また、ダイコータヘッド500では、第二回転位置センサS82の検出結果に基づいて第二供給幅調節回転モータM42を制御することによって、第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御することができる。これにより、第二供給幅調節ローラ540を通過可能な泡状定着液Fの幅方向の長さをA4縦またはA4横幅のいずれかの転写紙Pの塗布幅に対応した長さに制御することができる。また、第二供給幅調節ローラ540における2つの貫通スリットが設けられた位置以外の領域である第二ローラ側面部542が吐出スリット511と対向している状態では、泡状定着液Fが第二供給幅調節ローラ540を通過不能となる。
また、ダイコータヘッド500が備える3つの円柱状の回転部材のうちの泡状定着液の吐出方向の最下流の回転部材は、幅方向の長さがA4横幅に対応したシャッタースリット591のみが設けられたシャッターローラ590である。シャッターローラ590は、円柱状の側面であるシャッター側面部592が吐出スリット511と対向する状態では、吐出スリット511を遮蔽した状態となる。この状態では、2つの供給幅調節ローラの貫通スリットが吐出スリット511と対抗する状態であっても、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給が停止される。一方、2つの供給幅調節ローラの貫通スリットが吐出スリット511と対抗する状態で、シャッタースリット591が吐出スリット511と対向する状態となると、マニホールド510が外部と連通する。これにより、マニホールド510内の泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
シャッターローラ590の回転軸には、駆動源としてのシャッター回転モータM6が接続されており、シャッター回転モータM6によって駆動が伝達される側とは反対側の回転軸にシャッター円板593を備える。シャッター円板593は、その縁部に複数種の切り欠きが設けられ、シャッターローラ590と連動して回転する。
また、ダイコータヘッド500は、第三発光素子S83aと第三受光素子S83bとからなる第三回転位置センサS83を備える。そして、実施例1の供給幅調節ローラ550と同様に、シャッター円板593の切り欠きパターンを第三回転位置センサS83で読み取る。これにより、シャッターローラ590の回転位置を検出することができる。
ダイコータヘッド500では、第三回転位置センサS83の検出結果に基づいて、シャッター回転モータM6を制御することによって、シャッターローラ590の回転位置を制御し、吐出スリット511の開閉を制御することができる。
転写紙Pの塗布幅と3つの円柱状の回転部材の吐出スリット511に対向する箇所との関係を表1に示す。
Figure 0005246556
表1に示すように、実施例2のダイコータヘッド500では、各回転部材の吐出スリット511との対向する箇所を変更することによって、はがきサイズ、A4縦サイズ、及び、A4横サイズの三種の塗布幅に対応することができる。
また、実施例2では、幅方向の長さが異なる複数の貫通スリットを備えた柱状回転部材を泡状定着液Fの吐出方向に2つ配置した構成である。泡状定着液Fの吐出方向に配置する柱状回転部材の数を増やすことにより、対応可能な塗布幅の数を増やすことができる。
図10は、転写紙Pの塗布幅と3つの円柱状の回転部材のそれぞれの幅方向の長さが最短の貫通スリットを吐出スリット511に対向させた状態の各貫通スリット、転写紙P、及び、塗布ローラ61の幅方向の長さの関係の説明図である。
図10において、W1は、はがき幅スリット531aの幅方向の長さ、W2は、A4縦幅スリット541aの幅方向の長さ、W3は、シャッタースリット591の幅方向の長さを示す。また、図10中の転写紙Pは、A4用紙の横方向が幅方向となる状態を示しており、図10中のW4は、塗布幅を表1中のA4横サイズとしたときの画像保証幅である。
実施例2のように、幅方向の長さが異なる複数の貫通スリットを備えた柱状回転部材を吐出方向に複数配置した構成では、図10に示すように、吐出方向上流側ほど幅方向の長さが短い貫通スリットを備えた柱状回転部材を配置する。
図11は、実施例2の定着装置60が備える制御回路を説明するブロック図である。
図11に示す実施例2のブロック図は図7に示す実施例1のブロック図と比較して、回転位置センサの数と、その検知結果に基づいて制御されるモータの数が相違し、他の点は共有するため、相違点についてのみ説明する。
電源投入時には、実施例2の定着CPU700は、3つの回転位置センサ(S81〜S83)の検知結果に基づいて3つの円柱状の回転部材の回転位置がそれぞれホームポジションとなるように3つのモータ(M41、M42、M6)の駆動を制御する。なお、各回転部材のホームポジションは、第一ローラ側面部532、第二ローラ側面部542、及び、シャッター側面部592が吐出スリット511と対向する状態である。そして、3つの円柱状の回転部材の回転位置がホームポジションであることが確認されると、モータ(M41、M42、M6)の駆動を停止する。
また、イニシャライズ動作でマニホールド510に泡状定着液Fを充填する際は、大気開放弁507はOFF(開放状態)とするともに、シャッターローラ590の回転位置をホームポジションとする。なお、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置をホームポジションとすることにより、より確実に吐出スリット511を閉鎖し、充填された泡状定着液Fが滲み出ることを防止できる。
つぎに、プリント動作前の捨て打ち動作を行うときの実施例1との相違点を説明する。
マニホールド510内の圧力を高める動作を行う前に、第一A4横幅スリット531b及び第二A4横幅スリット541bが吐出スリット511と対向するように第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御する。これにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転時の圧力抵抗を抑制することができる。その後、実施例1と同様に、マニホールド510内の圧力を高める動作を実行し、吐出スリット511を開放するようにシャッター回転モータM6を制御する。そして、実施例1と同様の捨て打ち動作を実行する。
一連の捨て打ち動作が終了すると、実施例2の定着装置60では、3つの円柱状の回転部材の回転位置がそれぞれホームポジションとなるように制御して定着待機状態となる。
次に、プリント動作について説明する。
捨て打ち動作の後、定着待機状態の定着装置60の定着CPU700が備える割り込み端子に対して、複写機本体CPU750からプリント開始信号が入力されると、定着装置60はプリント動作を開始する。複写機本体CPU750からプリント開始信号とともに印刷用紙サイズ信号が定着CPU700に送信される。
プリント動作において、実施例2の定着CPU700は、まず、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御する。すなわち、印刷用紙サイズ信号に基づいて、ROM内に収められた塗布幅のサイズのうち、印刷を行う転写紙Pの塗布幅に対応したサイズを選択する。そして、選択した塗布幅のサイズに対応した貫通スリットが吐出スリット511と対向するように(表1参照)、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御する。このとき、シャッターローラ590の回転位置はホームポジションのままであり、吐出スリット511を閉鎖した状態である。
第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御した後に実施例1と同様のプリント動作を実行し、マニホールド510内に泡状定着液Fを充填させる。
その後、実施例1と同様の吐出スリット511を開放するタイミングで、シャッタースリット591が吐出スリット511と対向するように、シャッターローラ590の回転位置を制御する。これにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置の制御によって、予め設定された塗布幅のサイズに対応した幅方向の長さの泡状定着液Fを、塗布ローラ61上に供給することができる。
実施例2のように、プリント動作の前に、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御することで、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転時の圧力抵抗を抑制することができる。回転時の圧力抵抗を抑制することにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540が回転しやすくなり、第一供給幅調節回転モータM41及び第二供給幅調節回転モータM42の駆動負荷を低減できる。
なお、ダイコータヘッド500内の圧力を下げることにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転時の圧力抵抗を抑制することができる。
ダイコータヘッド500内の圧力を下げる制御方法としては、大気開放弁507をONにした状態(閉じた状態)で、空気ポンプ300を一旦停止させ、空気ポンプ300に印加する電圧の極性を反転させて、空気ポンプ300を逆回転させる。そして、圧力センサS5でダイコータヘッド500内の圧力を監視しながら、空気ポンプ300の逆回転によってダイコータヘッド500内の空気を抜くことでダイコータヘッド500内の圧力を低下させることができる。
また、他の制御方法としては、大気開放弁507をOFF(開放状態)にして、圧力センサS5でダイコータヘッド500内の圧力の抜けを確認しながら、一度、ダイコータヘッド500内の圧力を低下させる。その後、再び大気開放弁507をON(閉じた状態)にし、圧力センサS5でダイコータヘッド500内の圧力を監視しながら空気ポンプ300の回転数を低回転で回転させ、ダイコータヘッド500内の圧力が適正な圧力になるまで回転させる。これにより、ダイコータヘッド500内の圧力を低下させることができる。
さらに、他の制御方法としては、大気開放弁507をOFF(開放状態)の状態ほど開放せず、少しだけ開放し、ダイコータヘッド500内の圧力を抜きながら圧力センサS5でダイコータヘッド500内の圧力を監視し、空気ポンプ300の回転数を低回転で回転させて、適正な圧力となるまで回転させるこれにより、ダイコータヘッド500内の圧力を低下させることができる。
〔実施例3〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について図面を用いて説明する。
図12は実施例3の定着装置60が備えるダイコータヘッド500の説明図である。また、図13は、実施例3の定着装置60のダイコータヘッド500が備える供給幅調節ローラ550を図12中の矢印N方向から見た斜視図である。
実施例3の定着装置60は、スリット上流部511aとスリット下流部511bとの間に配置された供給幅調節ローラ550の構成が実施例1の定着装置60と相違する。他の構成は共通するため、相違点についてのみ説明する。
図12及び図13に示すように、実施例3の供給幅調節ローラ550は、貫通するスリットの代わりに、柱状の側面の一部を切り取った幅方向に長尺な3つの切り欠き部580(a〜b)を備える。3つの切り欠き部580(a〜b)の幅方向の長さはそれぞれ異なる。例えば、第一切り欠き部580aの幅方向の長さははがき横幅に対応した長さ、第二切り欠き部580bの幅方向の長さはA4縦幅に対応した長さ、そして、第三切り欠き部580cの幅方向の長さはA4横幅に対応した長さとなっている。第三切り欠き部580cは第一切り欠き部580aの裏側の側面に設けられており、第二切り欠き部580bは第一切り欠き部580aを設けた位置との中心角が90[°]となる位置の設けている。
さらに、第二切り欠き部580bの裏側のローラ側面部571には吐出口閉鎖シール581が配置されている。
実施例3のダイコータヘッド500では、供給幅調節ローラ550における切り欠き部580が設けられた位置以外の領域であるローラ側面部571が吐出スリット511と対向している状態では、吐出スリット511は閉鎖された状態となる。特に、図12に示すように、吐出口閉鎖シール581が吐出スリット511と対向する状態では、密閉した状態で吐出スリット511を閉鎖することができる。実施例3では、吐出口閉鎖シール581が吐出スリット511と対向する状態を供給幅調節ローラ550の回転位置のホームポジションとする。
また、実施例1の定着装置60と同様に、供給幅調節ローラ550の回転軸には、供給幅調節回転モータM4と円板553とを備え、さらに、切り欠きパターンを読み取る回転位置センサS8を備える。そして、回転位置センサS8の検出結果に基づいて、定着CPU700が供給幅調節回転モータM4の駆動を制御することにより、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御することができる。
供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなる状態では、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給が停止される。吐出スリット511が閉鎖された状態から供給幅調節回転モータM4を駆動して、供給幅調節ローラ550を回転させて、3つの切り欠き部580(a〜c)のいずれかが吐出スリット511と対向する状態とする。この状態では、マニホールド510が吐出スリット511及び切り欠き部580を介して外部と連通し、マニホールド510内の泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
ここで、転写紙Pの塗布幅と供給幅調節ローラ550の吐出スリット511に対向する箇所との関係を表2に示す。
Figure 0005246556
実施例3のダイコータヘッド500では、吐出スリット511と対向する切り欠き部580を変更することにより、供給対象である塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
なお、ダイコータヘッド500が備える供給幅調節ローラ550は幅方向の長さが最大幅となる塗布幅よりも長いにも係わらず、幅方向の量端部のみで支持しているため、撓みが生じるおそれがある。このため、供給幅調節ローラ550と対向する位置の吐出スリット511の側面とローラ側面部571との間では幅方向の中央部付近で撓みに起因する隙間が生じて、吐出スリット511を密閉できなくなるおそれがある。このため、実施例3の供給幅調節ローラ550では吐出口閉鎖シール581を設けている。そして、吐出口閉鎖シール581が吐出スリット511と対向する状態を供給幅調節ローラ550の回転位置のホームポジションとすることで、定着待機時の吐出スリット511の密閉度を高め、定着待機時にダイコータヘッド500から定着液が漏れ出ることを防止している。
〔実施例4〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の四つ目の実施例(以下、実施例4と呼ぶ)について図面を用いて説明する。
図14は実施例4の定着装置60が備えるダイコータヘッド500の説明図である。また、図15は、実施例4の定着装置60のダイコータヘッド500が備える供給幅調節ローラ550を図14中の矢印N方向から見た斜視図である。
実施例4の定着装置60は、実施例3の供給幅調節ローラ550と同様に切り欠き部580を備えた柱状回転部材としての第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540を備える。そして、第一供給幅調節ローラ530に設けられた3つの切り欠き部580(a〜c)及び第二供給幅調節ローラ540に設けられた3つの切り欠き部580(d〜f)の計6つの切り欠き部580は幅方向の長さが全て異なる。
このように、実施例4の定着装置60は、スリット上流部511aとスリット下流部511bとの間に配置された供給幅調節ローラの構成が実施例3の定着装置60と相違する。他の構成は共通するため、相違点についてのみ説明する。
実施例4のダイコータヘッド500では、第一供給幅調節ローラ530の第一ローラ側面部532と第二供給幅調節ローラ540の第二ローラ側面部542とが吐出スリット511と対向する状態で、吐出スリット511が閉鎖された状態となる。特に、第二供給幅調節ローラ540の第二ローラ側面部542のうち、吐出口閉鎖シール581が配置された箇所が第一ローラ側面部532と対向することによって、密閉した状態で吐出スリット511を閉鎖することができる。
実施例4では、第一ローラ側面部532が吐出スリット511と対向する状態が第一供給幅調節ローラ530の回転位置のホームポジションとする。また、吐出口閉鎖シール581が吐出スリット511と対向する状態が第二供給幅調節ローラ540の回転位置のホームポジションとする。
なお、図14及び図15に示す状態では、第一供給幅調節ローラ530はホームポジションとなる回転位置であり、第二供給幅調節ローラ540は第五切り欠き部580eが吐出スリット511と対向する回転位置となっている。
また、実施例4の定着装置60は、実施例2の定着装置60と同様に、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転軸には、第一供給幅調節回転モータM41及び第二供給幅調節回転モータM42が接続されている。また、第一供給幅調節回転モータM41及び第二供給幅調節回転モータM42によって駆動が伝達される側とは反対側の回転軸に第一円板533及び第二円板543を備える。第一円板533及び第二円板543は、その縁部に複数種の切り欠きが設けられ、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540とそれぞれ連動して回転する。
また、ダイコータヘッド500は、第一発光素子S81aと第一受光素子S81bとからなる第一回転位置センサS81、及び、第二発光素子S82aと第二受光素子S82bとからなる第二回転位置センサS82を備える。そして、実施例3の供給幅調節ローラ550と同様に、2つの円板(533、543)の切り欠きパターンを2つの回転位置センサ(S81、S82)でそれぞれ読み取る。これにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540のそれぞれの回転位置を検出することができる。
ダイコータヘッド500では、第一回転位置センサS81の検出結果に基づいて、定着CPU700が第一供給幅調節回転モータM41を制御することによって、第一供給幅調節ローラ530の回転位置を制御することができる。また、第二回転位置センサS82の検出結果に基づいて、定着CPU700が第二供給幅調節回転モータM42を制御することによって、第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御することができる。
第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転位置の共にホームポジションとなる状態では、吐出スリット511が閉鎖され、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給が停止される。吐出スリット511が閉鎖された状態から第二供給幅調節回転モータM42を駆動して、第二供給幅調節ローラ540を回転させて、3つの切り欠き部580(a〜c)のいずれかが吐出スリット511と対向する状態とする。この状態では、マニホールド510が吐出スリット511及び切り欠き部580を介して外部と連通し、マニホールド510内の泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
なお、第一供給幅調節ローラ530の切り欠き部580を吐出スリット511と対向させて泡状定着液Fを吐出する場合は、第二供給幅調節ローラ540の回転位置もホームポジションから移動させる。このとき、吐出口閉鎖シール581が設けられていない箇所の第二ローラ側面部542が吐出スリット511と対向するように第二供給幅調節ローラ540の回転位置を制御する。これは次の理由による。すなわち、第一供給幅調節ローラ530の切り欠き部580と吐出口閉鎖シール581とが対向することで、切り欠き部580よって形成される開口部が吐出口閉鎖シール581によって狭められたり、閉鎖されたりすることを防止するためである。
ここで、転写紙Pの塗布幅と第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の吐出スリット511に対向する箇所の組み合わせとの関係を表3に示す。
Figure 0005246556
実施例4のダイコータヘッド500では、吐出スリット511と対向する切り欠き部580の組み合わせを変更することにより、供給対象である塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。また、実施例4のように、2つの供給幅調節ローラのそれぞれに異なるサイズの切り欠き部580を設けることで、様々なサイズの転写紙Pの塗布幅に対応することが可能となる。
なお、実施例3及び実施例4の定着装置60では、供給幅調節ローラによって吐出スリット511の開閉を制御するものである。このため、ホームポジションの状態から、供給幅調節ローラを180[°]回転させようとすると、90[°]回転したときに所望の長さの切り欠き部580とは異なる切り欠き部580が吐出スリット511と対向する。切り欠き部580が吐出スリット511と対向したときに、マニホールド510内の圧力が外部の圧力よりも高くなっていると、泡状定着液Fが吐出される。よって、実施例3及び実施例4の定着装置60では、捨て打ち動作が終了するときに、次のプリント動作で画像形成を行う転写紙Pの塗布幅に対応した切り欠き部580に隣接するローラ側面が吐出スリット511と対向する状態で定着待機状態とする。これにより、プリント動作時に塗布幅に対応した切り欠き部580が吐出スリット511と対向する前に他の切り欠き部580が吐出スリット511と対向して、所望のタイミングとは異なるタイミングで泡状定着液Fが吐出することを防止できる。
なお、実施例3及び実施例4の定着装置60の供給幅調節ローラを配置した位置よりも吐出スリット511の出口側で吐出スリット511の開放また閉鎖を制御する、実施例2のシャッターローラ590のような吐出開閉制御手段を配置していもよい。これにより、予め塗布幅に対応した切り欠き部580が吐出スリット511と対向した状態で、定着待機状態とすることができ、吐出開閉制御手段を制御して吐出スリット511を開放することで、所望のタイミングで泡状定着液Fの吐出を開始することができる。
〔実施例5〕
次に、複写機100に適用可能な本発明の特徴部を備えた定着装置60の五つ目の実施例(以下、実施例5と呼ぶ)について図面を用いて説明する。
実施例5の定着装置60が備えるダイコータヘッド500の側面図は図12と同様である。また、図16は、実施例5の定着装置60のダイコータヘッド500が備える供給幅調節ローラ550を図12中の矢印N方向から見た斜視図である。実施例5の定着装置60は、供給幅調節ローラ550に設けられた切り欠き部580の形状が実施例3の定着装置60と相違する。他の構成は共通するため、相違点についてのみ説明する。
図16に示すように、実施例5のダイコータヘッド500が備える供給幅調節ローラ550は、側面における回転方向の位置によって幅方向の長さがことなる一つの切り欠き部580が設けられている。そして、切り欠き部580の幅方向の長さが最大となる最大幅Waは、複写機100で画像形成を行うときに最大となる塗布幅に対応した幅方向の長さである。また、切り欠き部580の最小幅Wbは、複写機100で画像形成を行うときに最大となる塗布幅に対応した幅方向の長さである。
なお、図16中の供給幅調節ローラ550の裏側は切り欠き部580が設けられていない領域であるローラ側面部571があり、ローラ側面部571には不図示の吐出口閉鎖シール581が配置されている。実施例5では、吐出口閉鎖シール581が吐出スリット511と対向する状態を供給幅調節ローラ550の回転位置のホームポジションとする。
また、実施例3の定着装置60と同様に、供給幅調節ローラ550の回転軸には、供給幅調節回転モータM4と円板553とを備え、さらに、切り欠きパターンを読み取る回転位置センサS8を備える。そして、回転位置センサS8の検出結果に基づいて、定着CPU700が供給幅調節回転モータM4の駆動を制御することにより、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御することができる。
供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなる状態では、塗布ローラ61の表面上への泡状定着液Fの供給が停止される。吐出スリット511が閉鎖された状態から供給幅調節回転モータM4を駆動して、供給幅調節ローラ550を回転させて、切り欠き部580が吐出スリット511と対向する状態とする。この状態では、マニホールド510が吐出スリット511及び切り欠き部580を介して外部と連通し、マニホールド510内の泡状定着液Fが塗布ローラ61の表面上に向けて吐出される。
なお、実施例5の供給幅調節ローラ550に設けられた切り欠き部580は、幅方向の長さが連続的に変化する1つの切り欠き部である。このため、ホームポジションから供給幅調節ローラ550を回転させて、切り欠き部580が最初に吐出スリット511と対向する状態となるのは、最大幅Waとなる位置または最小幅Wbとなる位置のいずれかである。
切り欠き部580の幅方向の長さが転写紙Pの塗布幅に対応した長さよりも長いと必要量以上の泡状定着液Fが塗布ローラ61に供給される。しかし、切り欠き部580の幅方向の長さが転写紙Pの塗布幅に対応した長さよりも短いと、トナー像の幅方向外側に定着液が付与されない領域が生じ、画像不良となる。このため、実施例6のダイコータヘッド500では、吐出スリット511を開放するタイミングでは、切り欠き部580の最大幅Waとなる位置が吐出スリット511と対向する。その後、泡状定着液Fを吐出しながら供給幅調節ローラ550を更に回転させて、切り欠き部580の幅方向の長さが転写紙Pの塗布幅に対応した長さとなる位置が吐出スリット511と対向する状態で回転を停止する。
このように、幅方向の長さが連続的に変化する切り欠き部580が設けられた供給幅調節ローラ550を備えたダイコータヘッド500では、最大幅Waから最小幅Wbまでの範囲でアナログ的に吐出する泡状定着液Fの幅を変化させることが可能となる。実施例1〜実施例4のダイコータヘッド500では、貫通スリットまたは切り欠き部580の数で吐出する泡状定着液Fの幅の種類は制限される。一方、実施例5のダイコータヘッド500では、吐出スリット511と対向する切り欠き部580の幅方向の長さをアナログ的に変化可能であるため、吐出する泡状定着液Fの幅の種類に制限がない。このため、実施例5の定着装置60では、最大幅Waから最小幅Wbまでの範囲内であれば、どのようなサイズであっても塗布幅に対応した泡状定着液Fの塗布を行うことができる。
なお、実施例5の供給幅調節ローラ550の切り欠き部580は、供給幅調節ローラ550の円柱状の側面に沿って連続的に形成されている。このため、吐出スリット511と対向する位置から切り欠き部580に沿って定着液がダイコータヘッド500のケーシングと供給幅調節ローラ550との間に侵入する恐れがある。このため、実施例5のダイコータヘッド500では、吐出スリット511近傍のダイコータヘッド500のケーシングに配置される吐出口シール部材511sとして、スポンジ状のシール部材を配置する。切り欠き部580の深さは100〜200[μm]程度となっており、スポンジ状のシール部材でシール可能である。
なお、実施例5の定着装置60においても、供給幅調節ローラ550を配置した位置よりも吐出スリット511の出口側で吐出スリット511の開放また閉鎖を制御する、実施例2のシャッターローラ590のような吐出開閉制御手段を配置していもよい。これにより、切り欠き部580の幅方向の長さが塗布幅に対応した長さとなる位置が吐出スリット511と対向した状態で、定着待機状態とすることができ、吐出開閉制御手段を制御して吐出スリット511を開放することで、所望のタイミングで泡状定着液Fの吐出を開始することができる。
本実施形態の定着装置60では、吐出スリット511と対向する吐出口連通部(貫通スリット570または切り欠き部580)の幅方向長さを変更することにより、供給対象である塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更する。ここで、マニホールド510内の圧力を吐出口連通部の幅方向の長さの変更に応じて、変化させることが望ましい。吐出口連通部の幅方向の長さが短い状態で、吐出口連通部の幅方向の長さが長い状態と同じ圧力であると、泡状定着液Fが吐出する速度が幅方向の長さが短い状態ほど速くなる。吐出口連通部の幅方向の長さが短い状態で泡状定着液Fが吐出する速度が速くなると、必要量以上の泡状定着液Fが塗布ローラ61に供給されて、定着液の無駄な消費に繋がる。
よって、定着装置60では、吐出口連通部の幅方向の長さが短い状態ほど空気ポンプ300に供給する電圧を低くするように制御する。供給される電圧が低くなることによって、空気ポンプ300の出力が低下し、マニホールド510内の圧力を低くでき、泡状定着液Fが吐出する速度が速まることを防止できる。
また、本実施形態の定着装置60では、回転位置が変化することで、吐出口連通部の幅方向の長さを変化させる柱状回転部材として、円柱状の供給幅調節ローラを用いている。柱状回転部材としては、円柱状に限らず、多角柱でもよい。多角柱の柱状回転部材を用いる場合、底面の形状がより円に近い形状(角の数がより多い多角形)であることが望ましい。
また、本実施形態の定着装置60が備えるダイコータヘッド500は、吐出方向が下方となっているが、吐出方向は下方に限らず、上方や側方に吐出するダイコータヘッド500であってもよい。
また、実施例1や実施例2のように、給幅調節ローラに貫通スリット570を設けた構成としては、貫通スリットが中心軸を通らないものであってもよい。例えば、中心軸に平行で、且つ、互いに平行な幅方向の長さが異なる2本の貫通スリットをローラ側面に設けたものでもよい。
また、本実施形態の定着装置60は、ダイコータヘッド500は供給対象である塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fを吐出して、塗布ローラ61に供給された泡状定着液Fを記録媒体である転写紙Pに付与する構成である。吐出手段であるダイコータヘッド500によって泡状定着液Fを供給対象に向けて吐出して、最終的にトナー像を担持する転写紙Pに付与する構成としては、トナー像を担持して表面移動す転写紙Pの表面に泡状定着液Fを吐出して、ダイコータヘッド500から転写紙Pに泡状定着液Fを直接供給するものであっても適用可能である。
さらに、本実施形態の定着装置60は、泡状定着液Fの付与対象がトナー像を担持する記録媒体である転写紙Pの表面である。泡状定着液Fを用いてトナー像を転写紙Pに定着させる定着装置60としては、トナー像を担持する中間転写ベルト等のトナー像担持体に泡状定着液Fを付与して、トナー像担持体上のトナー像を泡状定着液Fとともに転写紙Pに転写するものであっても適用可能である。
また、本実施形態の定着装置60は、ダイコータヘッド500が吐出する定着液は泡状となっているが、液状の定着液を吐出する構成であっても適用可能である。
以上、本実施形態の定着装置60は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子からなるトナーを軟化させる軟化剤を含有した泡状定着液Fを、トナー像を担持する定着液付与対象である転写紙Pの表面に付与する定着液付与手段であるダイコータヘッド500及び塗布ローラ61を備え、泡状定着液Fを付与することで軟化したトナーを記録媒体である転写紙Pに定着する定着装置である。ダイコータヘッド500は、表面移動する定着液供給対象である塗布ローラ61の表面に対向する位置に泡状定着液Fを吐出することによって塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fを供給する吐出手段である。また、ダイコータヘッド500は、塗布ローラ61の表面における表面移動方向と直交する方向である幅方向に長尺な空間からなる充填部であるマニホールド510、及び、マニホールド510の内部と塗布ローラ61のある外部とを連通し、幅方向に長尺な開口部からなる吐出口である吐出スリット511とを備え、泡状定着液Fをマニホールド510に充填し、マニホールド510の内部の圧力を外部の圧力よりも高めることで吐出スリット511から泡状定着液Fを吐出するものである。また、実施例1のダイコータヘッド500は、底面が円形の直柱体状で、且つ、底面の中心を通り幅方向に対して実質的に平行な仮想軸を回転軸として回転可能で、さらに、その直柱体の側面であるローラ側面部571が吐出スリット511と対向し得る柱状回転部材として供給幅調節ローラ550を備える。また、供給幅調節ローラ550の回転を制御する制御手段である定着CPU700を備える。供給幅調節ローラ550は直柱体の側面のある位置から他の位置まで貫通する幅方向に長尺な貫通孔であり、吐出スリット511と対向することによって吐出スリット511と連通する吐出口連通部としての貫通スリット570が設けられている。吐出スリット511及び貫通スリット570には幅方向における仕切りがなく、定着CPU700が供給幅調節ローラ550の回転を制御し、吐出スリット511と対向する供給幅調節ローラ550の位置を変位させることによって、吐出スリット511と対向する貫通スリット570の幅方向の長さを変更できるものである。
実施例1の定着装置60では、ダイコータヘッド500から吐出される泡状定着液Fは、吐出スリット511と貫通スリット570とを通過して吐出される。吐出スリット511の幅方向の長さは最大となるA4横の付与幅に対応させた長さで一定である。一方、供給幅調節ローラ550を回転させることで吐出スリット511と対向する貫通スリット570の幅方向の長さを変更することができる。このように、泡状定着液Fを付与するときの付与幅に合わせて貫通スリット570の幅方向の長さを変更することにより、供給対象である塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
さらに、吐出スリット511及び貫通スリット570には幅方向における仕切りがないため、吐出スリット511及び貫通スリット570を通過してダイコータヘッド500から吐出して、塗布ローラ61の表面に供給される泡状定着液Fは幅方向に分割されず、一体の状態で供給される。このため、塗布ローラ61の表面上の泡状定着液Fが供給される幅内の幅方向の一部で泡状定着液Fの供給量が不足することを防止でき、塗布ローラ61の表面における幅方向の泡状定着液Fの供給量のムラが生じることを防止できる。よって、塗布ローラ61の表面における幅方向の泡状定着液Fの供給量のムラに起因して定着後のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できる。このように、本実施形態の定着装置60では、ダイコータヘッド500から吐出されて塗布ローラ61の表面に供給される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができ、定着後のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できるという優れた効果がある。
また、本実施形態の定着装置60は、泡状定着液Fを表面に担持して表面移動し、定着液付与対象である転写紙Pと対向する位置である塗布位置Jで表面上の泡状定着液Fを転写紙Pに塗布する定着液塗布部材である塗布ローラ61を備え、この塗布ローラ61がダイコータヘッド500の定着液供給対象である。ダイコータヘッド500から未定着のトナー像を担持する転写紙Pに泡状定着液Fを吐出して直接供給する構成に比べて、転写紙Pに付与する泡状定着液Fを薄層化し易くなる。
また、実施例1のまたは実施例2の定着装置60では柱状回転部材の吐出口連通部として幅方向の長さが異なる複数の貫通孔である貫通スリット570を設けている。幅方向の長さが異なる複数の貫通スリット570を設けられた供給幅調節ローラ550(実施例2では、530及び540)の回転位置を制御して、吐出スリット511と対向する貫通スリット570を切り替えることにより、吐出スリット511と対向する貫通スリット570の幅方向の長さを変更でき、塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
また、実施例3及び実施例4の定着装置60は、柱状回転部材の上記吐出口連通部として直柱体の側面の一部を切り取った幅方向に長尺な切り欠き部580を備え、切り欠き部580として幅方向の長さが異なるもの一つの供給幅調節ローラ550(実施例4では、530及び540)に複数設けている。幅方向の長さが異なる複数の切り欠き部580を設けられた供給幅調節ローラ550(実施例4では、530及び540)の回転位置を制御して、吐出スリット511と対向する切り欠き部580を切り替えることにより、吐出スリット511と対向する切り欠き部580の幅方向の長さを変更でき、塗布ローラ61の表面に吐出される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができる。
また、実施例4の定着装置60は、吐出スリット511を挟んで対向する位置に2つの柱状回転部材として第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540配置し、一方の柱状回転部材である第一供給幅調節ローラ530に設けられた切り欠き部580の一つは、他方の該柱状回転部材である第二供給幅調節ローラ540に設けられた何れの切り欠き部580とも幅方向の長さが異なる。吐出スリット511と対向する位置における2つの供給幅調節ローラのローラ側面部と切り欠き部580との組み合わせによって、様々なサイズの転写紙Pの塗布幅に対応することが可能となる。
また、実施例5の定着装置60では、柱状回転部材の吐出口連通部として、供給幅調節ローラ550の側面における回転方向の位置によって幅方向の長さが連続的に異なる一つの切り欠き部580を設けている。このため、切り欠き部580の最大幅Waから最小幅Wbまでの範囲内であれば、どのようなサイズであっても塗布幅に対応した泡状定着液Fの塗布を行うことができる。
また、実施例3〜5の定着装置60は、ダイコータヘッド500による泡状定着液Fの吐出を行わない吐出待機時には、定着CPU700が供給幅調節ローラ550(実施例4では、530及び540)の切り欠き部580の無いローラ側面部571(実施例4では、532及び542)が吐出スリット511に対向するように供給幅調節ローラ550(実施例4では、530及び540)の回転位置を制御するものであり、供給幅調節ローラ550(実施例4では、540)は吐出待機時に吐出スリット511と対向するローラ側面部571(実施例4では、542)に吐出スリット511の側面部との間の密閉性を高めるシール部材である吐出口閉鎖シール581を備える。これにより、定着待機時の吐出スリット511の密閉度を高め、定着待機時にダイコータヘッド500から定着液が漏れ出ることを防止できる。
実施例2の定着装置60は、吐出スリット511における第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540を配置した位置よりも吐出スリット511の出口側で、吐出スリット511の開放または閉鎖を制御する吐出口開閉制御手段であるシャッターローラ590を備える。シャッターローラ590を備えることにより、ダイコータヘッド500からの吐出開始と、吐出停止とを確実に制御することができ、定着液の無駄な消費を低減することができる。
実施例2の定着装置60では、第一供給幅調節ローラ530または第二供給幅調節ローラ540を回転させるときには、シャッターローラ590が吐出スリット511を閉鎖し、マニホールド510の内部の圧力を外部の圧力と同じとする。これにより、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540の回転時の圧力抵抗を抑制することができる。なお、空気ポンプ300の空気の搬送方向を逆方向とすることができれば、マニホールド510の内部の圧力を外部よりも低くしてもよい。
実施例2の定着装置60では、ダイコータヘッド500から泡状定着液Fを吐出する前に、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540を回転させて吐出スリット511に2つの供給幅調節ローラの貫通スリットを対向させた後は、シャッターローラ590によって吐出スリット511を閉鎖した状態でマニホールド510の内部の圧力を外部の圧力よりも高くするように制御する。これにより、シャッターローラ590の回転位置を制御して吐出スリット511を開放すると同時に吐出が開始されるため塗布開始時の立ち上がり時間を短縮できる。
また、本実施形態の定着装置60の制御手段である定着CPU700は、ダイコータヘッド500による泡状定着液Fの吐出を行わない吐出待機時には、供給幅調節ローラ550(実施例2及び実施例4では、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540)の回転位置が一定の初期位置であるホームポジションとなるように供給幅調節ローラ550の回転を制御する。さらに、ダイコータヘッド500は供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションであることを検出する初期位置検出手段として円板553、回転位置センサS8、及び、定着CPU700を備える。この構成では、定着CPU700は、回転位置センサS8の検出結果に基づいて吐出待機時に供給幅調節ローラ550の回転位置を確認する。そして、その回転位置がホームポジションにない場合は、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなるように制御する。さらに、情報が定着CPU700の記憶手段に予め入力されているホームポジションからの回転角度の情報に基づいて、供給幅調節ローラ550の回転位置を制御する。これにより、吐出を開始するときの吐出スリット511と対向する貫通スリット570の切り換えの制御、言い換えると、所定サイズの付与幅の頭だしを容易に行うことができる。
また、本実施形態の定着装置60の制御手段である定着CPU700は、複写機100の電源投入時、複写機100の異常停止からの復帰時、及び、ダイコータヘッド500による泡状定着液Fの吐出の終了時に、供給幅調節ローラ550(実施例2及び実施例4では、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540)の回転位置がホームポジションとなるように制御する。これにより、定着CPU700で供給幅調節ローラ550の回転位置を常に把握することができる。
また、本実施形態の定着装置60は、供給幅調節ローラ550(実施例2及び実施例4では、第一供給幅調節ローラ530及び第二供給幅調節ローラ540)の回転位置がホームポジションとなる状態では、供給幅調節ローラ550の吐出口連通部が設けらていないローラ側面部が吐出スリット511と対向し、吐出スリット511を閉鎖するものである。これにより、ホームポジションとなる状態で定着液が漏れることを防止することができる。
また、供給幅調節ローラ550の回転位置がホームポジションとなる状態で停止し、空気ポンプ300を停止させて、定着待機状態とすることで消費電力を下げることができる。さらに、空気ポンプ300を停止させて、大気開放弁507をOFF(開放状態)にして、定着待機状態にすることでダイコータヘッド500内の泡状定着液Fに圧力が係ることを抑制し、泡状定着液Fの劣化を抑制することができる。
本実施形態の定着装置60は、液状の定着液210に対して液中に気泡を分散させて泡状定着液Fとする定着液泡化手段(空気ポンプ300、定着液ボトル200、及び、泡攪拌器310等)を有し、吐出手段であるダイコータヘッド500は、定着液泡化手段から供給される泡状定着液Fを定着液供給対象である塗布ローラ61の表面に対して吐出するものであり、定着液付与手段を構成するダイコータヘッド500及び塗布ローラ61は、定着液付与対象である転写紙Pの表面に泡状定着液Fを付与するものである。定着液として泡状定着液を転写紙Pに塗布する構成であるため、液状の定着液を塗布する構成に比べて、オフセットの抑制と定着液の付与量の少量化との両立に有利である。
また、本実施形態の定着装置60では、トナー像に付与するための泡状定着液Fをダイコータヘッド500から吐出し始める前に、トナー像に付与しない泡状定着液Fをダイコータヘッド500から吐出する制御として、プリント動作前の捨て打ち動作を行う。捨て打ち動作を実行することにより、劣化した泡状定着液Fをトナー像に塗布することを防止できる。
本実施形態の複写機100は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体である転写紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段であるプリンタ部1と、トナー像を担持する転写紙Pの表面に泡状定着液Fを付与し、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、定着手段として、実施例1〜5の定着装置60を用いる。ダイコータヘッド500から吐出されて塗布ローラ61の表面に供給される泡状定着液Fの幅方向の長さを付与幅に応じて変更することができるため、定着液の無駄な消費を抑制することができる。これにより、供給用の定着液の収容部、及び、回収した定着液の収容部ともに小型化を図ることができ、複写機100全体の小型化を図ることができる。また、定着後のトナー像に幅方向の定着ムラが生じることを防止できるため、良好な画像形成を行うことができる。
1 プリンタ部
2 光書込装置
3 作像ユニット
4 感光体
5 帯電ローラ
6 現像装置
10 排紙トレイ
12 現像ローラ
15 感光体クリーニング装置
16 感光体クリーニングブレード
22 除電ランプ
28 紙搬送ユニット
29 紙搬送ベルト
30 駆動ローラ
31 二次転写ローラ
32 ベルトクリーニング装置
33 レジストローラ対
36 スイッチバック装置
37 紙搬送路
40 給紙装置
41 ペーパーバンク
42 給紙カセット
43 送出ローラ
44 給紙路
45 分離ローラ
47 搬送ローラ
50 原稿搬送読取ユニット
51 ADF
60 定着装置
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
63 塗布ローラクリーニングブレード
63a 塗布側定着液回収タンク
64 加圧ローラクリーニングブレード
64a 加圧側定着液回収タンク
65 分離爪
67 定着給紙ローラ対
68 定着給紙タイミング合せクラッチ
70 定着液塗布部
91 中間転写ベルト
92 第一張架ローラ
94 下部張架ローラ
95 一次転写ローラ
100 複写機
150 スキャナ部
151 固定読取部
152 移動読取部
153 画像読取センサ
200 定着液ボトル
201 大径泡搬送管
202 小径泡搬送管
300 空気ポンプ
310 泡攪拌器
400 泡状定着液生成部
500 ダイコータヘッド
507 大気開放弁
507s 大気開放管シール部材
510 マニホールド
511 吐出スリット
511a スリット上流部
511b スリット下流部
511s 吐出口シール部材
512 ヘッド内搬送管
512a 搬送管排出口
520 シャッター部材
521 制御部材収容筒
522 シャッター制御部材
530 第一供給幅調節ローラ
531a はがき幅スリット
531b 第一A4横幅スリット
532 第一ローラ側面部
533 第一円板
540 第二供給幅調節ローラ
541a A4縦幅スリット
541b 第二A4横幅スリット
542 第二ローラ側面部
543 第二円板
550 供給幅調節ローラ
550s 貫通スリットシール部材
551 供給幅調節ローラ回転軸
552 回転軸シール部材
553 円板
570 貫通スリット
570a 第一貫通スリット
570b 第二貫通スリット
571 ローラ側面部
580 切り欠き部
581 吐出口閉鎖シール
590 シャッターローラ
591 シャッタースリット
592 シャッター側面部
593 シャッター円板
601 仕切り壁
700 定着CPU
710 タイマー
720 DC/DCコンバータ
730 I/F通信接続部
731 定着ユニット検知部
750 複写機本体CPU
F 泡状定着液
M1 塗布ローラ用モータ
M2 加圧ローラ用モータ
M3 泡攪拌用モータ
M4 供給幅調節回転モータ
M5 定着給紙モータ
M6 シャッター回転モータ
M41 第一供給幅調節回転モータ
M42 第二供給幅調節回転モータ
P 転写紙
S4 紙先端検知センサ
S5 圧力センサ
S6 ローラ表面泡センサ
S8 回転位置センサ
S8a 発光素子
S8b 受光素子
S81 第一回転位置センサ
S81a 第一発光素子
S81b 第一受光素子
S82 第二回転位置センサ
S82a 第二発光素子
S82b 第二受光素子
S83 第三回転位置センサ
S83a 第三発光素子
S83b 第三受光素子
T トナー層
特許第3290513号 特開2004−109749号公報 特開昭59−119364号公報 特開2004−109747号公報 特許第4149459号 特開2007−219105号公報

Claims (16)

  1. 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を、樹脂微粒子を担持する定着液付与対象の表面に付与する定着液付与手段を有し、
    定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、
    上記定着液付与手段は、表面移動する定着液供給対象の表面に対向する位置に定着液を吐出することによって該定着液供給対象の表面に定着液を供給する吐出手段を有し、
    該吐出手段は、該定着液供給対象の表面における表面移動方向と直交する方向である幅方向に長尺な空間からなる充填部、及び、該充填部の内部と該供給対象のある外部とを連通し、該幅方向に長尺な開口部からなる吐出口とを備え、定着液を該充填部に充填し、該充填部の内部の圧力を外部の圧力よりも高めることで該吐出口から定着液を吐出するものであり、
    該吐出手段は、底面が円または多角形の直柱体状で、且つ、該底面の中心を通り該幅方向に対して実質的に平行な仮想軸を回転軸として回転可能で、さらに、その直柱体の側面が該吐出口と対向し得る柱状回転部材と、該柱状回転部材の回転を制御する制御手段とを備え、
    該柱状回転部材は、直柱体の側面の一部を切り取った幅方向に長尺な切り欠き部、または、側面のある位置から他の位置まで貫通する幅方向に長尺な貫通孔からなり、該吐出口と対向することによって該吐出口と連通する吐出口連通部が設けられており、
    該吐出口及び該吐出口連通部には該幅方向における仕切りがなく、
    該制御手段が該柱状回転部材の回転を制御し、該吐出口と対向する該柱状回転部材の位置を変位させることによって、該吐出口と対向する該吐出口連通部の幅方向の長さを変更できるものであることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1の定着装置において、
    定着液を表面に担持して表面移動し、上記定着液付与対象と対向する位置で表面上の定着液を該定着液付与対象に塗布する定着液塗布部材を備え、
    該定着液塗布部材が上記定着液供給対象であることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2の定着装置において、
    上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として幅方向の長さが異なる複数の貫通孔を設けたことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1または2の定着装置において、
    上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として幅方向の長さが異なる複数の切り欠き部を設けたことを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1、2または4の定着装置において、
    上記吐出口を挟んで対向する位置に2つの上記柱状回転部材を配置し、一方の該柱状回転部材に設けられた上記切り欠き部の少なくとも一つは、他方の該柱状回転部材に設けられた何れの該切り欠き部とも幅方向の長さが異なることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1または2の定着装置において、
    上記柱状回転部材の上記吐出口連通部として、該柱状回転部材の側面における回転方向の位置によって幅方向の長さが連続的に異なる一つの切り欠き部を設けたことを特徴とする定着装置。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記吐出手段による定着液の吐出を行わない吐出待機時には、上記制御手段が上記柱状回転部材の上記切り欠き部の無い側面部が上記吐出口に対向するように該柱状回転部材の回転を制御するものであり、
    該柱状回転部材は該吐出待機時に該吐出口と対向する側面部に該吐出口の側面部との間の密閉性を高めるシール部材を備えることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記吐出手段における上記柱状回転部材を配置した位置よりも上記吐出口の出口側で、該吐出口の開放または閉鎖を制御する吐出口開閉制御手段を備えることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8の定着装置において、
    上記柱状回転部材を回転させるときには、上記吐出口開閉制御手段が上記吐出口を閉鎖し、上記充填部の内部の圧力を外部の圧力以下とすることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項9の定着装置において、
    吐出手段から定着液を吐出する前に、上記柱状回転部材を回転させて上記吐出口に上記吐出口連通部を対向させた後は、上記吐出口開閉制御手段によって該吐出口を閉鎖した状態で上記充填部の内部の圧力を外部の圧力よりも高くすることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の定着装置において、
    上記制御手段は、上記吐出手段による定着液の吐出を行わない吐出待機時には、上記柱状回転部材の回転位置が一定の初期位置となるように該柱状回転部材の回転を制御するものであり、
    該吐出手段は、該柱状回転部材の回転位置が初期位置であることを検出する初期位置検出手段を備えることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項11の定着装置において、
    上記制御手段は、装置の電源投入時、装置の異常停止からの復帰時、及び、上記吐出手段による定着液の吐出の終了時に、上記柱状回転部材の回転位置が上記初期位置となるように制御することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項11または12の定着装置において、
    上記柱状回転部材の回転位置が初期位置となる状態では、該柱状回転部材の上記吐出口連通部が設けらていない側面部が上記吐出口と対向し、該吐出口を閉鎖するものであることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置において、
    液状の定着液に対して液中に気泡を分散させて泡状定着液とする定着液泡化手段を有し、
    上記吐出手段は、該定着液泡化手段から供給される泡状定着液を上記定着液供給対象の表面に対して吐出するものであり、
    上記定着液付与手段は、上記定着液付与対象の表面に泡状定着液を付与するものであることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項14の定着装置において、
    上記樹脂微粒子に付与するための泡状定着液を上記吐出手段から吐出し始める前に、
    該該樹脂微粒子に付与しない泡状定着液を該吐出手段から吐出する制御を行うことを特徴とする定着装置。
  16. 樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面に定着液を付与し、
    該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、
    該定着手段として、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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