JP5305145B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような非加熱定着方式としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4に記載の定着装置で用いる定着方式)。このように、湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がないため、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。
従来の熱定着方式の定着装置を備えた画像形成装置では、例えば、加熱ローラと加圧ローラとからなる加熱部がトナーを軟化させる部材を構成し、この加熱部をユニット化して画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することにより、トナーを軟化させる部材が交換可能な構成を実現できる。
一方、湿式定着方式の定着装置を備えた画像形成装置では、例えば、塗布ローラと加圧ローラとからなる定着液付与部がトナーを軟化させる部材を構成する。ここで、湿式定着方式の定着装置は定着液付与部で付与する定着液を収容する定着液収容手段を備えているため、定着液付与部のみをユニット化して画像形成装置に対して着脱可能に構成した場合、定着液収容手段から定着液付与部までの定着液の搬送経路の途中に切り離し可能な構成を設ける必要がある。このように、定着液の搬送経路の途中に切り離し可能な構成を設けると、ユニット化した定着液付与部を着脱するときに、搬送経路の切り離した箇所から定着液が漏れて、定着装置以外の画像形成装置の部材に定着液が付着するおそれがある。定着液はトナー樹脂を軟化させる軟化剤を含有するため、このような定着液が定着装置以外の画像形成装置の部材に付着すると、定着液が付着した部材に軟化や強度変化が発生するおそれがある。
このような問題は、定着液付与部を構成する部材が塗布ローラである場合に限らず、定着液をトナー像に吹き付けて定着液を付与する構成など、定着液収容手段から定着液付与部まで定着液を搬送する構成であれば生じ得る問題である。さらに、定着液を塗布するトナー層を担持するものは記録媒体に限るものではなく、中間転写ベルトのように表面にトナー層を担持し、転写位置でトナー層を記録媒体に転写するトナー像担持体であっても良い。このような場合は、トナー像担持体上で定着液を付与されて軟化した状態のトナー層を転写位置で記録媒体に転写することで記録媒体にトナー層を定着する。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記定着液の液中に気泡を発生させて、該定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液発泡手段を有し、上記定着液付与手段は、該泡状定着液を上記記録媒体の表面または上記トナー像担持体の表面に付与することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記定着液発泡手段は上記定着ユニット内に配置され、該定着ユニットを構成する他の部材とともに画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記定着ユニットは、上記トナー像形成手段の少なくとも一部を構成する作像側ユニットと一体的に画像形成装置に対して着脱できることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記定着ユニットは、上記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を表面に担持する上記記録媒体に上記定着液を付与する構成であり、上記作像側ユニットは、トナー像担持体上に形成されたトナー像を該記録媒体に転写する記録媒体転写部を備え、該作像側ユニット内でトナー像を転写された該記録媒体は、上記定着ユニット内を通過するときに上記定着液付与手段によって定着液が付与される構成であり、該定着ユニットと該作像側ユニットとの境目の該記録媒体が通過する部分には、該記録媒体が通過しないときには該記録媒体が通過する部分を遮蔽し、該記録媒体が通過するときのみ解放する記録媒体通過部遮蔽部材を有し、該記録媒体通過部遮蔽部材を定着液による軟化や強度変化を起こさない部材で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の画像形成装置において、上記定着ユニットと上記作像側ユニットとを分離可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記定着ユニットを上記画像形成装置本体に対して装着したときの該定着ユニットの状態に対して、該定着ユニットが傾いた状態となることを防止する傾き防止手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、4、5、6または7の画像形成装置において、上記定着ユニットは、上記定着液搬送経路を構成する部材間の継ぎ手に液漏れ防止シールを備えることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、4、5、6、7または8の画像形成装置において、上記定着ユニットは、一体的に支持する部材の全体をユニット外装ケース内に配置し、該ユニット外装ケースは定着液による軟化や強度変化を起こさない部材で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記定着ユニットを上記画像形成装置本体に対して着脱するときの該定着ユニットの移動方向に対して、該定着ユニットを平行に引き出すことを容易にする把手部を該定着ユニットが備えることを特徴とするものである。
〔参考構成例1〕
まず、実施形態に係る複写機100と同様の基本的な構成を備えた参考構成例1の複写機500について説明する。図1は、参考構成例1に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
転写ユニット90では中間転写ベルト91感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図2中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧している。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体たる中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
参考構成例1の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
ここで、ドラムクリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
図4は、定着ユニット60の外観斜視図であり、図5は、定着ユニット60を構成する部材を模式的示した図である。また、図6は、定着ユニット60の概略断面図である。
図5に示すように定着ユニット60は、泡状の定着液を生成する泡状定着液生成部500と、泡状定着液生成部500で生成された泡状定着液Fを未定着のトナー層Tからなる未定着画像を担持する転写紙Pに塗布する泡状定着液塗布部70とを備える。泡状定着液生成部500は、液状定着液210を保管収納する為の定着液ボトル200と、液状定着液210を定着液ボトル200内で粗く発泡させて、粗い泡からなる泡状定着液Fを生成するためのる空気ポンプ300とを有する。また、定着液ボトル200内で粗く発泡させた状態の泡状定着液Fの泡を細かい泡にするための泡攪拌器310や、泡攪拌器310で泡が細かくなった泡状定着液Fを泡状定着液塗布部70の塗布ローラ61の表面上に均一な薄膜状に塗布するためのダイコータヘッド501を有する。また、定着液ボトル200と泡攪拌器310とを接続する大径泡搬送管201内の泡状定着液Fの有無を検知する定着泡検知手段である第一泡センサS1が配置されている。さらに、小径泡搬送管202を介して泡攪拌器310に接続されているダイコータヘッド501には、ダイコータヘッド501内を通過する液状定着液の速度を検知する泡流速検知手段である泡速度センサS2やダイコータヘッド501内の泡状定着液Fの有無を検知する第二泡センサS3が配置されている。さらに、ダイコータヘッド501内の定着液が通過する搬送路には大気開放弁507が接続されており、ダイコータヘッド501の先端部には不図示のダイコータヘッド先端シャッタが配置されている。定着ユニット60を駆動しているときには、ダイコータヘッド501から液状定着液を排出するためダイコータヘッド501内及び定着液の搬送経路内の気圧は大気圧よりも高くなっているため、空気ポンプ300や泡攪拌器310を停止しても、ダイコータヘッド501内及び搬送経路内の定着液が排出されるおそれがある。参考構成例1の定着ユニット60では、定着ユニット60の定着装置としての機能停止している時に大気開放弁507を解放し、ダイコータヘッド501内及び定着液の搬送経路内の気圧を大気圧と同じにし、さらに、ダイコータヘッド先端シャッタを閉じることによって、定着装置停止時に定着液が排出されることを防止する。
また、定着ユニット60は、泡攪拌器310の駆動源である泡攪拌用モータM3を備える。
また、外装カバー600は上部に天地反転禁止凸部601が形成されており、さらに、定着ユニットの使用上の注意が記載された注意ラベル602が貼り付けられている。
また、塗布ローラ61の駆動源としての塗布ローラ用モータM1、及び、加圧ローラ62の駆動源としての加圧ローラ用モータM2を備える。
さらに、詳細は後述するがこれらの部品を制御するための制御回路を備える。
なお、定着給紙ローラ対67の上下二つのローラのうち、上側のローラは、転写紙P上の未定着トナー像を乱さないように、転写紙Pの幅方向(搬送方向に直交する方向)両端部の余白部のみに接触する構成となっている。
定着装置を構成する各部材を定着ユニット60として複写機100本体に着脱可能としたワンカートリッジ方式にすることで定着ユニット60をオペレータ交換ユニット(ユーザーが交換できるユニット)にすることが可能となる。これにより、サービスマンへの負担を低減でき、さらに、定着ユニット60は熱定着方式の定着装置ではないため、交換時に冷却待ち時間が不要で、交換時の火傷などの心配がない安全で容易な定着ユニット交換を実現することができる。
また、定着ユニット60をワンカートリッジ方式にすることで現在、回収してリサイクルに回される他の作像側のユニット(感光体ユニット、現像ユニット、排トナーボトル、トナーボトルなど)と同様回収及びリサイクルが可能となる。
また、ワンカートリッジ方式とした定着ユニット60が湿式の定着装置であるため、複写機100のレイアウト設計上、定着ユニット60からの輻射熱の影響などを考慮する必要がなく、断熱材や植毛などの部品を設けなくても定着時の熱の影響を考慮する必要がなくなる。これにより、定着ユニット60の近傍まで他の部品配置が可能となることから電子写真装置である複写機100全体の小型化が可能となる。
図6及び図7に示すように、外装カバー600には、転写紙Pが定着ユニット60を通過できるように、給紙側開閉扉604及び排紙側開閉扉607を備えている。
給紙側開閉扉604は、給紙側扉回転軸604aによって外装カバー600に対して回転可能に支持されており、給紙側扉回転軸604aは給紙側開閉モータM4によって駆動が伝達される構成となっている。さらに、給紙側開閉扉604は不図示のスプリング等の付勢部材によって図7中の矢印C方向に付勢される。給紙側開閉モータM4が停止している状態では、給紙側開閉扉604は付勢部材の付勢力によって図7中の実線で示すように、外装カバー600の給紙側の開口部を閉鎖する。一方、給紙側開閉モータM4を駆動すると、給紙側開閉モータM4が給紙側扉回転軸604aに対して図7中の反時計回り方向(図中の矢印Cとは逆方向)に回転する駆動を伝達し、給紙側扉回転軸604aの回転によって給紙側開閉扉604が図7中の破線で示す位置まで回転し、外装カバー600の給紙側の開口部を解放する。
同様に、排紙側開閉扉607は、排紙側扉回転軸607aによって外装カバー600に対して回転可能に支持されており、排紙側扉回転軸607aは排紙側開閉モータM5によって駆動が伝達される構成となっている。さらに、排紙側開閉扉607は不図示のスプリング等の付勢部材によって図7中の矢印D方向に付勢される。排紙側開閉モータM5が停止している状態では、排紙側開閉扉607は付勢部材の付勢力によって図7中の実線で示すように、外装カバー600の排紙側の開口部を閉鎖する。一方、排紙側開閉モータM5を駆動すると、排紙側開閉モータM5が排紙側扉回転軸607aに対して図7中の反時計回り方向(図中の矢印Dとは逆方向)に回転する駆動を伝達し、排紙側扉回転軸607aの回転によって排紙側開閉扉607が図7中の破線で示す位置まで回転し、外装カバー600の排紙側の開口部を解放する。
また、外装カバー600の内側には、定着液による軟化や強度変化を起こさない材料からなるコーティング層608を備えている。これにより、定着液ボトル200からダイコータヘッド501までの定着液の搬送経路で定着液の液漏れが生じたとしても、その液漏れによって外装カバー600が軟化や強度変化することを防止することができる。
また、従来の熱定着方式では定着装置の熱源としてハロゲンランプやIH定着などを使用していたために高熱を発しており熱源近傍には溶融や軟化のおそれがあったことから樹脂部品や現像装置6に供給するトナーを収容したトナー容器などを配置することは不可能であった。一方、複写機100では、転写紙Pへのトナーを定着させるために熱を必要としない非加熱定着方式の定着装置を使用することで、熱源が不要であるために樹脂部品やトナー容器などを定着ユニット60の近傍に配置することが可能となる。これにより、複写機100のレイアウトの自由度が拡がり、複写機100の小型化が可能となる。
また、従来の熱定着方式の定着装置では、定着装置内部でトラブルが発生した場合、例えば定着装置内部にジャム紙などがジャム処理時に残ってしまった場合、使用者が高温となった定着装置に直接触れることを防止するため、使用者が定着装置内のジャム紙を直接取り出すことを不可とした構成があり、この場合、サービスマンによるメンテナンスなどを有していた。
一方、参考構成例1の複写機100のように非加熱定着方式の定着装置を用いることで、使用者が定着ユニット60に直接触れることが可能になり、定着ユニット60内に転写紙Pが詰まった場合のジャム処理時などの安全性が向上する。更にサービスマンがメンテナンスのために定着装置に触れる場合、テストプリントの後など、定着装置を動かした後は、定着装置の冷却時間を要していたが、非加熱定着方式の定着装置を用いることで定着ユニット60の冷却待ち時間が不要となる。
このように、塗布ローラを用いて定着液を塗布する構成では、定着液の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題が生じる。一方、これらの問題を防止するために定着液を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。
よって、塗布ローラで定着液を塗布する構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために記録媒体上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラへのトナーオフセットを防止することとを両立することが極めて難しい。
図8は定着ユニット60が備える制御回路を説明するブロック図である。図8に示すように、定着ユニット60の制御回路はA/D、D/A端子とROM、RAMなどの記憶手段を有した定着ユニットCPU700と、外付けのタイマー710から構成され、各センサ(S1〜S5)からの入力信号に応じてローラ類や泡攪拌器310の各駆動モータ(M1〜M5)、定着液ボトル200に接続された空気ポンプ300、ダイコータヘッド501などの制御を行う。また、空気ポンプ300はDC/DCコンバータ720によって電圧がコントロールされる構成であり、定着ユニットCPU700からDC/DCコンバータ720へ空気ポンプ300の電圧コントロール信号としてのDC/DCコンバータ出力電圧可変信号が送信される構成である。
まず、複写機100本体の電源が投入されると定着ユニット60内に設けられた定着ユニットCPU700と、複写機100本体に設けられた複写機本体CPU750とがI/F(インターフェイス)信号群によって通信を行い、定着ユニットCPU700で複写機100本体の電源が投入されたことを認識する。
上記認識後、定着ユニット60内の定着ユニットCPU700は空気ポンプ300を稼動させ定着液ボトル200内に空気を送り込む。ここで、空気を送り込まれた定着液ボトル200内では液状定着液210と空気とを混合し、液状定着液210内に大きな泡を発泡させて、泡状定着液Fを生成する。次に、定着液ボトル200内の泡状定着液Fは、空気ポンプ300からの圧力によって大径泡搬送管201を抜けて泡攪拌器310に送られる。
泡攪拌器310に注入された泡状定着液Fは泡攪拌器310により、極きめ細かな泡を含有する泡状定着液Fに整形され、そのままダイコータヘッド501へと送られ、ダイコータヘッド501内に充填される。
この時、充填された泡状定着液Fが滲みでたりするのを防ぐ為にダイコータヘッド501に設けられた大気開放弁507はOFF(開放状態)とし、ダイコータヘッド501に対しても不図示のダイコータヘッド先端シャッタを閉じた状態とするようなシャッタ開閉信号を送信する。
また、一連の動作中に、泡状定着液Fの搬送経路の途中に設けられた定着泡検知手段としての各泡センサ(S1、S3)で泡状定着液Fの通過を監視しており、泡状定着液Fの搬送経路において凍結や異物の混入、泡攪拌用モータM3や空気ポンプ300の停止、などの異常発生で泡状定着液Fの流れがさえぎられたりしていないことを確認している。
なお、参考構成例1では、泡状定着液を検知する泡センサ(S1、S3)としては、図9に示すような、発光素子205と受光素子206とを備え、受光素子206から泡検知信号Fsを発する光学センサを用い、光の透過率を利用した検知方式で搬送経路207内の泡状定着液Fの通過の監視を行っている。
なお、この参考構成例1の定着ユニット60では、定着液消費量の低減の観点から、イニシャライズ動作のときには、塗布ローラ61上への泡状定着液Fの付与を行っていない。
スキャナ部150に原稿MSが配置されて複写機100のスタートボタンが押されたり、PC等の外部機器からプリント信号が送信されると、複写機100の複写機本体CPU750は、プリント信号を受信したことを定着ユニット60内に設けられた定着ユニットCPU700にI/F信号群によって通知する。
イニシャライズ動作後や前のプリント動作の後から次のプリント信号がくるまで長時間放置されると、ダイコータヘッド501や泡攪拌器310内の泡状定着液Fの密度が変化したり、泡の劣化の可能性があるため、プリント信号を受信したことを認識した定着ユニット60内に設けられた定着ユニットCPU700は、プリント動作前の捨て打ち動作を開始する。
次に、塗布ローラ用モータM1や加圧ローラ用モータM2をONにすることで塗布ローラ61や加圧ローラ62を駆動させる。また、各ローラ(61、62)のモータ(M1、M2)が回転を開始し、ダイコータヘッド501内の圧力が高まると、定着ユニットCPU700のダイコータヘッド501に設けられたダイコータヘッド先端シャッタを開き、予め、定着ユニットCPU700内のROMデータ内に設定された値とタイマー710のカウント値を比較して、塗布ローラ61への泡状定着液Fの供給を所定時間行う。
捨て打ち動作によって、塗布ローラ61や加圧ローラ62上に供給された泡状定着液Fは、各クリーニングブレード(63、64)を備えるクリーニング装置によって回収され不図示の排タンクに集められ最終的には破棄される。
その後、塗布ローラ61及び加圧ローラ62に残った泡状定着液を全て回収できる時間(定着ユニットCPU700内のROMデータ内に設定された値とタイマー710のカウント値を比較しながら実行する)としての所定時間だけ、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転させた後、塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2とを停止し、一連の捨て打ち動作は終了となる。
なお、上述した記載中に「所定時間」とあるが、ここで言う所定時間とはダイコータヘッド501や泡攪拌器310内に蓄えられた泡状定着液Fを吐き出すまでの時間を意味している。
本捨て打ち動作はプリント動作前に常に実施されるのでは無く、泡状定着液Fの劣化が許容される程度の時間以内に次のプリント要求が来た場合や連続プリント動作時など、泡状定着液Fの劣化が殆ど無いものと判断された場合は実施されない。
上述した捨て打ち動作の後、定着ユニット60内の定着ユニットCPU700は再び空気ポンプ300を稼動させ定着液ボトル200内に空気を送り込む。空気を送りこまれた定着液ボトル200内では液状定着液210と空気とを混合し、液状定着液210内に大きな泡を発泡させて、泡状定着液Fを生成する。次に、定着液ボトル200内の泡状定着液Fは、空気ポンプ300からの圧力によって大径泡搬送管201を抜けて泡攪拌器310に送られる。泡攪拌器310に注入された泡状定着液Fは泡攪拌器310により、極きめ細かな泡を含有する泡状定着液Fに整形され、そのままダイコータヘッド501へと送られ、ダイコータヘッド501内に充填される。
この時、充填された泡状定着液Fが滲みでたりするのを防ぐ為にダイコータヘッド501に設けられた大気開放弁507はOFF(開放状態)とし、ダイコータヘッド501に対しても不図示のダイコータヘッド先端シャッタを閉じた状態とするようなシャッタ開閉信号を送信して、ダイコータヘッド501内の圧力を高める。
また、一連の動作中に、泡状定着液Fの搬送経路の途中に設けられた定着泡検知手段としての各泡センサ(S1、S3)や泡速度センサS2で泡状定着液Fの通過を監視しており、泡状定着液Fの搬送経路において凍結や異物の混入、泡攪拌用モータM3や空気ポンプ300の停止、などの異常発生で泡状定着液Fの流れがさえぎられたりしていないことを常に確認している。
次に、定着ユニットCPU700は紙先端検知センサS4で転写紙Pの先端を検知し、転写紙Pが定着ユニット60内に入ったことを確認すると、塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2塗布ローラとをONにし、塗布ローラ61と加圧ローラ62とを回転駆動させる。
塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2とをONにして、塗布ローラ61と加圧ローラ62とが回転を開始すると、定着ユニットCPU700は定着給紙ローラ対67の定着給紙モータM6を駆動するとともに、ダイコータヘッド先端シャッタを開き、塗布ローラ61への泡状定着液Fの付与を開始する。
その後、定着ユニットCPU700内のROMに予め登録された印刷用紙サイズ毎の塗布時間値とタイマーカウント値を比較し、値が一致した時点で塗布が終了する。塗布が終了すると転写紙P上の未定着トナー像は泡状定着液Fを付与されることで定着画像となり、画像が定着された転写紙Pは複写機100の外の排紙トレイ10上に排紙される。
排紙トレイ10上に転写紙Pが排紙されたことを複写機100本体側に設けた不図示の排紙センサで確認すると、複写機本体CPU750は定着ユニット60内に設けられた定着ユニットCPU700にI/F信号群によって転写紙Pが排紙されたことを知らせる。転写紙Pの排紙を確認すると定着ユニットCPU700は、給紙側開閉モータM4及び排紙側開閉モータM5の駆動を停止する。これにより、給紙側開閉扉604と排紙側開閉扉607は付勢部材の付勢力によって定着ユニット60の外装カバー600の入り口と出口とを閉じる。さらに、定着ユニットCPU700は空気ポンプ300、泡攪拌器310の泡攪拌用モータM3の駆動を停止し、次にダイコータヘッド501に設けられたダイコータヘッド先端シャッタを閉じ、大気開放弁507を開放する。
その後、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面上に残った泡状定着液F(塗布残泡)を全て回収できる時間だけ、塗布ローラ用モータM1と加圧ローラ用モータM2とを駆動させた後、これらのモータを停止し、プリント動作は終了となる。
なお、塗布ローラ61及び加圧ローラ62の表面上に残った泡状定着液F(塗布残泡)は、各クリーニングブレード(63、64)を備えるクリーニング装置によって回収され不図示の排タンクに集められ最終的には破棄される。
さらに、外装カバー600を構成する樹脂部材そのものの材料を定着液で膨潤変形や劣化を起こさない材料で構成してもよい。このような材料としては、例えば、シリコン系部材、金属系部材、セラミック部材、PET、POM、PP、テフロン(登録商標)などを挙げることができる。このような外装カバー600とすることにより、もし、定着ユニット60内部で液漏れが生じても定着ユニット60外部に漏れ出すことを防止することができ、定着ユニット60外の複写機100を構成する部材に対して定着液が付着することによる不具合を防止することができる。
更には定着ユニット60を抜き出した後、定着ユニット60を逆さまにしたり、立てたりした状態で放置した場合、定着液の液漏れが生じるおそれがある。このように、定着ユニット60を逆さまにしたり、立てたりした状態で放置することを防止するために、定着ユニット60の側面には横置禁止凸部としての役割を有する凸状の着脱ガイド606を設け、定着ユニット60の上面には天地反転禁止凸部601を設けている。このように、定着ユニット60の上面や側面に凸部を設け、垂直に立てたり、逆さ放置したりすることができないようにすることにより、定着ユニット60を複写機100本体に装着したときの定着ユニット60の状態(向き)と常に同じ状態となるように放置されるようにする。
上述した参考構成例1の複写機100では、定着ユニット60は、定着液ボトル200も一体的に複写機100に対して着脱自在な構成となっている。
しかしながら定着ユニット60を複写機100本体に対して着脱するときに定着液ボトル200が定着ユニット60に挿入された状態で定着ユニット60の交換を行うと、使用者の手によって大きく傾いたり、大きく振動したりする出来事が生じた場合、液漏れの危険性が増す。
そこで、実施例として、定着ユニット60を複写機100本体に装着した状態であれば、定着液ボトル200が定着ユニット60の定着液収容手段設置部であるボトル設置部に対して着脱自在である構成について説明する。
なお、実施例の複写機100は、定着ユニット60を複写機100本体に装着した状態でなければ、定着液ボトル200を定着ユニット60に対して装着できない構成である点で、上述した参考構成例1の複写機100と相異し、他の点については共通する。よって、上述の参考構成例1の複写機100と共通する構成で、既に説明した構成については説明を省略する。
図10に示すように、本実施例のボトル設置部620には、定着ボトル嵌合部320と、ボトルストッパー621と、ボトルストッパーソレノイド625と、ボトルストッパスプリング622とを備えている。なお、定着ボトル嵌合部320の構成は、上述の参考構成例1の複写機100も備える構成である。
定着ボトル嵌合部320には、ユニット側空気注入接続部320aとユニット側定着液排出接続部320bとを備える。ユニット側空気注入接続部320aが定着液ボトル200のボトル側空気注入接続部200aと接続することにより、空気ポンプ300と定着液ボトル200とが連通し、空気ポンプ300を駆動することで定着液ボトル200内に空気を送り込むことが可能になる。また、ユニット側定着液排出接続部320bが定着液ボトル200のボトル側定着液排出接続部200bと接続することにより、定着液ボトル200が大径泡搬送管201を介して泡攪拌器310と連通し、定着液ボトル200内の泡状定着液Fを泡攪拌器310に搬送することが可能になる。
図12に示すように、コネクタ凸部630とコネクタ凹部130とが嵌合するコネクタ部は、I/F(インターフェイス)通信接続部730、制御系電源接続部731、駆動系電源接続部732、及び、プルアップ接地接続部733を備える。I/F通信接続部730は、複写機本体CPU750と定着ユニットCPU700との間でI/F信号群により情報のやり取りを行う回路の接続部である。
また、複写機100本体は、定着ユニット60の定着ユニットCPU700を含む定着制御部631及び定着ユニット60の定着駆動系632の電源として定着制御系電源531及び定着駆動系電源532を備える。そして、コネクタ部の制御系電源接続部731は、定着制御系電源531と定着制御部631との接続部であり、駆動系電源接続部732は、定着駆動系電源532と定着駆動系632との接続部である。なお、本実施例では、定着制御系電源531の電圧は5Vであり、定着駆動系電源532の電圧は24Vである。
プルアップ接地接続部733と複写機本体CPU750とを接続する信号線131には、抵抗Rを介して電源Vccにプルアップされたプルアップ回路760が設けられている。また、プルアップ接地接続部733の定着ユニット60側はグランドレベルに接地されたアース線132と接続されている。
定着ユニット60が複写機100本体に装着されていない状態では、プルアップ回路760の電源Vccは抵抗Rを介して複写機本体CPU750とのみ接続されているため、複写機本体CPU750の信号線131が接続されたINポートには電源Vccからの電流が流れ込み、H(ハイ)レベルの入力がある状態となる。一方、定着ユニット60が複写機100本体に装着されると、コネクタ凸部630とコネクタ凹部130とが嵌合し、プルアップ接地接続部733を介して、プルアップ回路760がアース線132に接続され、プルアップ回路760とグランドレベルとが無抵抗で直結する回路が形成されることになる。一方、複写機本体CPU750の信号線131が接続されたINポートには不図示の抵抗器が設けられているため、電源Vccからの電流はプルアップ接地接続部733を介してグランドレベルに流れ込み、信号線131から複写機本体CPU750のINポートに入力される信号はグランドレベル(0V)の信号となり、L(ロー)レベルの入力がある状態となる。
このような構成により、複写機本体CPU750は、信号線131が接続されたINポートからの入力信号がHレベルであるときは定着ユニット60が装着されていないと認識し、この信号がLレベルになることにより、定着ユニット60が装着されたことを認識する。
このような複写機本体CPU750に接続されたプルアップ回路760とプルアップ接地接続部733を介してプルアップ回路760に接続されるアース線132とを備えた構成により、定着ユニット検知部S5としての機能を達成する。
なお、コネクタ部(コネクタ凸部630及びコネクタ凹部130)の接続による定着ユニット60の装着の検知、及び、定着ユニット60を装着した後に複写機100本体から定着ユニット60に電力を供給する構成は本実施例に限るものではなく、上述の参考構成例1の複写機100も備える構成である。
次に、定着ユニット60が複写機100本体に設置されることで信号線131から複写機本体CPU750に入力される信号が変化し、定着ユニット60に電力が供給されることにより、定着ユニットCPU700は定着ユニット60が複写機100にセットされたことを確認する。そして、定着ユニット60が複写機100にセットされたことを確認すると、定着ユニットCPU700は、定着液ボトル200の挿入を防止していたボトルストッパー621を解除するように、ボトルストッパーソレノイド625の動作を制御する。
本実施例では、定着ユニット60を複写機100本体から取り外した状態ではボトル設置部620に定着液ボトル200を装着することができないようにする定着液ボトル挿入禁止機構は、ボトルストッパー621、ボトルストッパーソレノイド625及びボトルストッパスプリング622から構成される。そして、定着ユニット60が複写機100本体に装着されていない状態では、ボトルストッパスプリング622の付勢力によってボトルストッパー621が定着ボトル嵌合部320内に押し上げられ、ボトル設置部620内への定着液ボトル200の挿入を阻止する。一方、定着ユニット60が複写機100本体に設置されることで定着ユニット60に電力が供給され、定着ユニット60を複写機100本体に装着したことを定着ユニットCPU700が確認すると、ボトルストッパスプリング622の付勢力によって押し上げられていたボトルストッパー621が下降するように、定着ユニットCPU700がボトルストッパーソレノイド625を制御し、定着液ボトル挿入禁止機構を解除する。これにより、定着液ボトル200が定着ユニット60のボトル設置部620に挿入できるようになる。
このような構成により、定着ユニット60が複写機100本体に設置されるまでは、定着ユニット60に定着液ボトル200が設置できないようになり、使用者が定着ユニット60を交換する作業中の液漏れの危険を更に回避することができる。
しかし、トナー樹脂の少なくとも一部を軟化させるための軟化剤を含有した定着液を使用し、転写紙P上のトナー層Tに付与してトナーを軟化させ定着させる定着ユニット60を電子写真装置である複写機100内で長期にわたって使用した場合、シール部や他の樹脂部材(ローラ類やクリーニング部材など)も定着液の影響により、若干ではあるが劣化や膨潤による変形を起こす可能性が有る。これにより、定着液の漏れなどが発生し、複写機100内の定着ユニット60外の部材に定着液が付着し、複写機100内の樹脂の劣化や膨潤による変形を起こし、装置故障の原因となる可能性がある。
具体例を参考構成例2及び参考構成例3として、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、参考構成例2の説明図であり、感光体4上のトナー像を転写紙Pに直接転写する方式のモノクロ電子写真装置101として、感光体ユニット400と定着ユニット60とを一体化させた構成の模式図である。
図13中の各部材のうち、図1〜図7の部材と符号が一致する部材は、上述した参考構成例1の複写機100の各部材と同じ役割を果たす部材である。図13に示すモノクロ電子写真装置101は、感光体4の表面を一様帯電する帯電部材として帯電チャージャ5aを備え、現像装置6はトナー収容部6aと一体として現像ユニット69を形成している。また、感光体4上のトナー像を転写紙P上に転写する転写部材として転写チャージャ99を備え、ドラムクリーニング装置15としては、クリーニング部材だけでなく、回収した転写残トナーを収容する排トナーボトルとしての機能も備えている。なお、図13中の符号「T1」は、転写紙P上に定着されたトナー層を示す。そして、モノクロ電子写真装置101は、感光体4、帯電チャージャ5a、ドラムクリーニング装置15、及び、除電ランプ22を一体的に支持して、感光体ユニット400を構成している。さらに、定着ユニット60と感光体ユニット400とを一体的にモノクロ電子写真装置101本体に対して着脱自在な作像定着ユニット800を構成している。
図14は、本発明の参考構成例3の説明図であり、Y,M,C,K用の現像装置を備えたリボルバ現像ユニット79と感光体4とを備え、一つの感光体4を繰り返し使用して各色トナー像を形成するリボルバ型カラー電子写真装置102として、感光体4上のトナー像を一次転写する中間転写ベルト91を備える中間転写ユニット450と定着ユニット60とを一体化させた構成の模式図である。
図14中の各部材のうち、図1〜図7の部材と符号が一致する部材は、上述した参考構成例1の複写機100の各部材と同じ役割を果たす部材であり、図13に示す部材と符号が一致する部材は、上述したモノクロ電子写真装置101の各部材と同じ役割を果たす部材である。図14に示すリボルバ型カラー電子写真装置102は、感光体4には、Y,M,C,K用の静電潜像が順次形成され、これらの静電潜像がリボルバ現像ユニット79の各現像装置によって順次Y,M,C,Kトナー像に現像される。現像されたY,M,C,Kトナー像は、中間転写ベルト91上に順次重ね合わせて転写される。この重ね合わせの転写によって中間転写ベルト91上に形成された4色トナー像は、二次転写チャージャ39と対向する位置で、転写紙Pに一括転写される。なお、中間転写ベルト91は、感光体4上のトナー像が順次重ね合わせて転写されるタイミングでは、破線で示す位置に有り、4色トナー像が形成され、転写紙Pに一括転写するタイミングでは実線で示し位置となる。
そして、リボルバ型カラー電子写真装置102は、中間転写ベルト91を備える中間転写ユニット450と定着ユニット60とを一体的にリボルバ型カラー電子写真装置102本体に対して着脱自在な中転定着ユニット850を構成している。
なお、図14に記載の部材と符号が一致する部材は、図14に示す参考構成例3のリボルバ型カラー電子写真装置102の各部材と同じ役割を果たす部材であり、図6に記載の部材と符号が一致する部材は、図6に示す参考構成例1の複写機100が備える定着ユニット60の各部材と同じ役割を果たす部材である。
図14に示すように、定着ユニット60と作像側ユニットである中間転写ユニット450とを一体化した場合、ジャム処理時やユニット交換時など何かの原因でユニットそのものを傾けたり、大きな加振を加えたりしたことにより、定着液の液搬送系や塗布部などに破損が生じることがある。この破損によって定着ユニット60側で定着液の液漏れが発生した場合、作像側ユニットである中間転写ユニット450側にも定着液が流れ込み中間転写ユニット450内の樹脂部材に対し劣化や膨潤による変形を起こす可能性が有り、ひいては画像形成装置全体の故障の原因となる可能性がある。
そこで、図15に示す構成では、定着ユニット60と中間転写ユニット450との間に開閉式の遮蔽機構を設け、転写紙P通過時のみ遮蔽部材である給紙側開閉扉604を開放する機構として給紙側開閉モータM4を設ける。このような構成により、定着ユニット60側で定着液の液漏れが発生した場合でも、中間転写ユニット450側に定着液が流れ込むことは無くなり、画像形成装置の故障被害は最小限に抑えることが可能となる。
図15に示す嵌合構造609には、不図示のロック機構が設けてあり、このロック機構が解除されない限り両ユニットは分離できない構造になっている。
更に、分離可能とする嵌合構造609が設けられていることで、ユニットの何れか一方の内部でジャムが発生した際にも、嵌合構造609で分離することにより、ユニット内部を確認しやすくなり、ジャム紙処理時にも有効である。
なお、このように定着ユニット60と一体的に画像形成装置本体に対して着脱可能で、且つ、定着ユニット60に対して分離可能な作像側ユニットとしては中間転写ユニット450に限るものではなく、参考構成例2の感光体ユニット400でもよいし、他の、作像側ユニットであってもよい。
さらに、加熱方式の定着装置では熱が影響する為に使用者では定着装置の交換が困難であったが、定着ユニット60は非加熱方式の定着装置であるため、使用者によって定着装置の交換を容易に行うことができる。また、定着装置が寿命に達したり、定着装置が故障してもサービスマンを呼ぶことなく、使用者によって定着装置を交換することができるので、メンテナンス性が向上する。また、定着装置を定着ユニット60としてワンカートリッジ方式にすることにより、現在、回収してリサイクルに回される他の作像側のユニット(感光体ユニット、現像ユニット、排トナーボトル、トナーボトルなど)と同様回収及びリサイクルが可能となる。また、定着ユニット60は非加熱方式の定着装置であるため、定着装置の周りの熱の影響に起因するレイアウトの制限がなくなり、レイアウトの自由度が広がるため、画像形成装置である複写機100の小型化を図ることができる。
2 光書込装置
3 作像ユニット
4 感光体
5 帯電ローラ
5a 帯電チャージャ
6 現像装置
6a トナー収容部
10 排紙トレイ
12 現像ローラ
15 ドラムクリーニング装置
16 クリーニングブレード
22 除電ランプ
28 紙搬送ユニット
29 紙搬送ベルト
30 駆動ローラ
31 二次転写ローラ
32 ベルトクリーニング装置
33 レジストローラ対
36 スイッチバック装置
37 紙搬送路
39 二次転写チャージャ
40 給紙装置
41 ペーパーバンク
42 給紙カセット
43 送出ローラ
44 給紙路
45 分離ローラ
47 搬送ローラ
50 原稿搬送読取ユニット
51 ADF
60 定着ユニット
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
63 塗布ローラクリーニングブレード
64 加圧ローラクリーニングブレード
65 分離爪
67 定着給紙ローラ対
68 定着給紙タイミング合せクラッチ
69 現像ユニット
70 泡状定着液塗布部
79 リボルバ現像ユニット
91 中間転写ベルト
92 第一張架ローラ
94 下部張架ローラ
95 一次転写ローラ
99 転写チャージャ
100 複写機
101 モノクロ電子写真装置
102 リボルバ型カラー電子写真装置
130 コネクタ凹部
131 信号線
132 アース線
150 スキャナ部
151 固定読取部
152 移動読取部
153 画像読取センサ
200 定着液ボトル
200a ボトル側空気注入接続部
200b ボトル側定着液排出接続部
201 大径泡搬送管
202 小径泡搬送管
205 発光素子
206 受光素子
207 搬送経路
240 ボトル挿入口
300 空気ポンプ
310 泡攪拌器
320 定着ボトル嵌合部
320a ユニット側空気注入接続部
320b ユニット側定着液排出接続部
400 感光体ユニット
450 中間転写ユニット
500 泡状定着液生成部
501 ダイコータヘッド
507 大気開放弁
531 定着制御系電源
532 定着駆動系電源
600 外装カバー
601 天地反転禁止凸部
602 注意ラベル
603 ユニット上部把手部
604 給紙側開閉扉
604a 給紙側扉回転軸
605 ユニット引出し把手部
606 着脱ガイド
607 排紙側開閉扉
607a 排紙側扉回転軸
608 コーティング層
609 嵌合構造
620 ボトル設置部
621 ボトルストッパー
622 ボトルストッパスプリング
625 ボトルストッパーソレノイド
630 コネクタ凸部
631 定着制御部
632 定着駆動系
700 定着ユニットCPU
710 タイマー
720 DC/DCコンバータ
730 I/F通信接続部
731 制御系電源接続部
732 駆動系電源接続部
733 プルアップ接地接続部
750 複写機本体CPU
760 プルアップ回路
800 作像定着ユニット
850 中転定着ユニット
901 転写部給紙側開閉扉
F 泡状定着液
Fs 泡検知信号
M1 塗布ローラ用モータ
M2 加圧ローラ用モータ
M3 泡攪拌用モータ
M4 給紙側開閉モータ
M5 排紙側開閉モータ
M6 定着給紙モータ
P 転写紙
S1 第一泡センサ
S2 泡速度センサ
S3 第二泡センサ
S4 紙先端検知センサ
S5 定着ユニット検知部
T トナー層
Claims (10)
- 樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
該トナーの樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有した定着液を収容する定着液収容手段と、
表面にトナー像を担持する上記記録媒体またはトナー像担持体の表面に該定着液を付与する定着液付与手段とを有し、
該定着液を付与することでトナーが軟化したトナー像を該記録媒体に定着して画像形成を行う画像形成装置において、
上記定着液付与手段と、上記定着液収容手段から該定着液付与手段まで定着液が移動する定着液搬送経路を構成する部材とを一体的に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成される定着ユニットを有し、
上記定着ユニットは上記定着液収容手段を設置する定着液収容手段設置部を備え、
該定着液収容手段は、上記定着ユニットを上記画像形成装置本体に装着した状態で該定着液収容手段設置部に対して装着可能となり、
該定着ユニットを該画像形成装置本体から取り外した状態では、該定着液収容手段設置部に該定着液収容手段を装着することができないように構成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記定着液の液中に気泡を発生させて、該定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液発泡手段を有し、
上記定着液付与手段は、該泡状定着液を上記記録媒体の表面または上記トナー像担持体の表面に付与することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
上記定着液発泡手段は上記定着ユニット内に配置され、該定着ユニットを構成する他の部材とともに画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記定着ユニットは、上記トナー像形成手段の少なくとも一部を構成する作像側ユニットと一体的に画像形成装置に対して着脱できることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
上記定着ユニットは、上記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を表面に担持する上記記録媒体に上記定着液を付与する構成であり、
上記作像側ユニットは、トナー像担持体上に形成されたトナー像を該記録媒体に転写する記録媒体転写部を備え、
該作像側ユニット内でトナー像を転写された該記録媒体は、上記定着ユニット内を通過するときに上記定着液付与手段によって定着液が付与される構成であり、
該定着ユニットと該作像側ユニットとの境目の該記録媒体が通過する部分には、該記録媒体が通過しないときには該記録媒体が通過する部分を遮蔽し、該記録媒体が通過するときのみ解放する記録媒体通過部遮蔽部材を有し、
該記録媒体通過部遮蔽部材を定着液による軟化や強度変化を起こさない部材で構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4または5の画像形成装置において、
上記定着ユニットと上記作像側ユニットとを分離可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
上記定着ユニットを上記画像形成装置本体に対して装着したときの該定着ユニットの状態に対して、該定着ユニットが傾いた状態となることを防止する傾き防止手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、4、5、6または7の画像形成装置において、
上記定着ユニットは、上記定着液搬送経路を構成する部材間の継ぎ手に液漏れ防止シールを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、4、5、6、7または8の画像形成装置において、
上記定着ユニットは、一体的に支持する部材の全体をユニット外装ケース内に配置し、
該ユニット外装ケースは定着液による軟化や強度変化を起こさない部材で構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記定着ユニットを上記画像形成装置本体に対して着脱するときの該定着ユニットの移動方向に対して、該定着ユニットを平行に引き出すことを容易にする把手部を該定着ユニットが備えることを特徴とする画像形成装置。
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