JP5447948B2 - 定着部材、並びにこれを備えた定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下に記載する通りの定着部材、定着装置及び画像形成装置に係るものである。
(2)前記弾性層の表面に、前記空隙および炭素繊維が露出していないことを特徴とする(1)に記載の定着部材。
(3)前記弾性層の表面に、フロロシリコーンゴムを含む離型層を備えたことを特徴とする(1)又は(2)に記載の定着部材。
(4)前記弾性層は、フロロシリコーンゴム以外のゴム成分を含まないことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の定着部材。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
(6)(5)に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
図1は、本発明の実施形態1の定着部材の構成を示す断面図である。図1(a)は基材と弾性層のみを有する定着部材である。なお、実施形態1の定着部材は、ローラ状の形状をしているが、本発明における定着部材は、ローラ、ベルト、シート等どのような形状でもよい。図1(a)に示す定着部材1は、基材2の表面に、図示しないプライマー層を介して、炭素繊維と空隙を有する黒鉛を含むフロロシリコーンゴムで構成された弾性層3を備えている。ここで、弾性層3の厚さは、好ましくは0.1〜4mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである。厚さが0.1mm未満では十分な定着ニップ幅を形成できない場合があり、厚さが4mmを超えると熱伝導性の低下や、熱容量の増大を招き、画像形成装置の高速化や立ち上がりの迅速性に影響することがある。
ε={(ρ2−ρ1)/ρ2}×100
この膨張黒鉛を加熱してグラファイト層間に挿入した物質を気化させることにより黒鉛の層間が広がって空隙ができる。
膨張黒鉛単独で最大限に膨張させる場合は、200℃以上で加熱して膨張させることが好ましい。また、フロロシリコーンゴムに膨張黒鉛を配合した後に加熱して膨張黒鉛を膨張させて空隙を形成する場合は、ゴムの加硫条件との兼ね合いがあるので、例えば170〜190℃で10〜30分加熱すればよく、ゴムの加硫と同時に行っても良い。
また、炭素繊維は平均長さが150μm以下であることが好ましい。これ以上長い炭素繊維を添加すると、粘度が著しく上昇したり、成型品の表面性が損なわれたりするので、好ましくない。
本発明の実施形態2の定着部材を図3に示す。図3は、図1と同様に、本発明の定着部材である定着ローラの断面図である。図3(a)の定着部材1は、図示しないプライマー層を介して、炭素繊維と空隙を有する黒鉛含むフロロシリコーンゴムで構成された弾性層3の表層に、炭素繊維および空隙を有する黒鉛を含まないフロロシリコーンゴムで構成された離型層5を設けてある。ここで、離型層5の厚さは、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは10〜100μmである。厚さが1μm未満では離型層5の耐久性が劣り、また定着部材1表面を十分平滑にすることが難しくなる。一方、厚さが100μmを超えると伝熱抵抗が大きくなってしまうため好ましくない。
本発明の実施形態3は、本発明の定着部材を備えたローラ定着装置である。図5は、実施形態3の定着装置の概略図を表している。ローラ定着装置20は、本発明の定着部材である定着ローラ21の内部に、加熱手段であるハロゲンヒータ22を内蔵している。定着ローラ21には、温度センサー23が配置されている。加圧ローラ24は、定着ローラ21に圧接されており、記録媒体Pが通過してトナー像Tが定着されるニップ部を形成している。定着ローラ21は、基材である芯金25の表面に弾性層26が形成されており、実施形態1における定着部材と同じ構造である。加圧ローラ24は、芯金27の表面に耐熱性ゴムで形成された弾性層28と離型層29を順次設けてある。
本発明に係る画像形成装置を実施形態4として説明する。図6は、本発明に係る定着装置を組み込んだ本発明の実施形態4に係る画像形成装置の概略図である。図6において、画像形成装置30は、トナー像を形成して記録媒体に転写する画像形成部と、記録媒体に転写された画像を定着させる定着装置とを有している。画像形成部は、静電潜像が形成される像担持体31、像担持体31に接触して帯電処理を行う帯電ローラ32、レーザービーム等の露光装置33、像担持体31上に形成された静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ34、帯電ローラ32にDC電圧を印加するための電源35、像担持体31上のトナー像を記録媒体Pに転写処理する転写ローラ36、転写処理後の像担持体31をクリーニングするためのクリーニング装置37、像担持体31の表面電位を測定する表面電位計38等を備えている。定着装置39は、本発明に係る定着装置であり、加熱手段を含む定着ローラ40および加圧ローラ41から構成されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(定着ローラの作製)
上記一般式(1)で表される構造を主成分とする2液の付加硬化型フロロシリコーンゴム100重量部(以下、重量部を部と表記する。)に対して、ピッチ系炭素繊維XN−100−05M(日本グラファイトファイバー社製)を40部、GRAFGUARD(R)160−50N(巴工業社製)(平均粒径300μm)をあらかじめ200℃で60分間加熱して膨張させた既膨張黒鉛を3部配合したゴム組成物を調製した。次いで、アルミニウム製で内面に環状のリブを設けて補強した厚さ0.4mmの芯金(基材ローラ)の表面にシリコーンゴム用プライマーを厚さが0.5μmとなるように塗工した。プライマー処理した芯金をマンドレルに固定し、弾性層の厚さが2mmとなるように前記ゴム組成物を金型との間隙に注入した。その状態で130℃×5分間の1次加硫を行ない、芯金の表面に弾性層を形成した。その後、上記フロロシリコーンゴムのみを弾性層の表面に50μm塗布し、175℃×10分および200℃×4時間の加硫工程を経て定着ローラを得た。
得られた定着ローラを、下記の代表的な市販の画像形成装置の定着ユニットの定着ローラと交換して、定着ローラのトナーに対する離型性(耐オフセット性)と定着画質の評価を行った。
評価条件は以下の通りである。
トナー画像形成装置:RICOH imagio MP C4500((株)リコー製)
トナーの体積平均粒径:6.0μm
画像形成原稿:ベタ画像(ブラック、600dpi、100%)
記録媒体:再生紙、マイリサイクルペーパーGP、A4サイズ((株)リコー製)
定着装置:RICOH imagio MF4570の定着ユニット((株)リコー製)
定着枚数:10,000枚。
定着ローラの離型性の評価は、下記の基準で行った。定着装置における定着枚数が10,000枚に達した時点で、定着ローラの表面を目視で観察してトナーオフセットの有無を確認し、また、定着装置に白紙を通紙して、定着ローラ表面から白紙に転写されたトナーの有無を目視により確認した。
トナーオフセット、白紙上のトナー、ともになし : ◎
トナーオフセット、白紙上のトナー、いずれかに微量あり : ○
トナーオフセット、白紙上のトナー、ともにあり : ×
実施例1の定着ローラの評価結果は◎であった。
トナーに対する離型性と定着画像の画質の評価に用いたものと同じ定着ユニットに本発明の定着ユニットを装着し、定着ユニットの立ち上がり時間を測定した。定着ユニットの立ち上がり時間測定は、室温で一晩、電源OFFにしておいた定着ユニットに電源を投入して、定着ローラ表面が160℃に到達するまでの時間(秒)を測定した。なお、この定着ユニットの加熱源は、1,000Wのハロゲンヒータである。
実施例1の定着ローラの立ち上がり時間(温度上昇時間)は、23秒であった。
実施例1において、あらかじめ加熱して膨張させた膨張黒鉛の配合量を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、あらかじめ加熱して膨張させた膨張黒鉛の配合量を10部に変更した以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、あらかじめ加熱して膨張させた既膨張黒鉛の代わりに、あらかじめ加熱していない膨張黒鉛を5部配合した以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
尚、膨張黒鉛は、フロロシリコーンゴムの後加熱(175℃×10分)の際に膨張し、得られらた定着ローラの弾性層は空隙を有する黒鉛を含有していた。
実施例1における1次加硫を175℃×10分で行い、次いでフロロシリコーンゴムを塗布せずに200℃×4時間の2次加硫を実施した以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、あらかじめ加熱して膨張させた既膨張黒鉛の代わりに、炭酸カルシウムの粉体でコーティングした樹脂バルーンMFL−100CA(松本油脂製薬社製)を5部配合した以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、膨張黒鉛を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、炭素繊維を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
実施例1において、2液の付加硬化型フロロシリコーンゴムの代わりに、2液の付加硬化型ジメチルシリコーンゴムDY35−2083(東レ・ダウコーニング社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして定着ローラを作製した。その後、作製した定着ローラのトナーに対する離型性、および立ち上がり時間を評価した。
離型性については、フロロシリコーンゴムの離型層を有する実施例1〜4が特に優れている。フロロシリコーンゴムの離型層をもたない実施例5においては、微量のトナーオフセットが見られたが、実使用上は問題とならないレベルであった。しかし、ジメチルシリコーンゴムを用いた比較例4では、著しいトナーオフセットが発生した。これにより、フロロシリコーンゴムの離型性向上効果、特に炭素繊維や空隙が表面に露出していないフロロシリコーンゴムの離型層による離型性向上の効果が確認できた。
2 基材
3 弾性層
4 中間層
5 離型層
10、10' 定着部材
11、11' 弾性層
12 フロロシリコーンゴム
13 炭素繊維
14 空隙を有する黒鉛
15 熱の流れ
16 基材
20 ローラ定着装置
21 定着ローラ(定着部材)
22 ハロゲンヒータ(加熱手段)
23 温度センサー
24 加圧ローラ
25 芯金(基体)
26 弾性層
27 芯金(基体)
28 弾性層
29 離型層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電ローラ
33 露光装置
34 現像ローラ
35 電源
36 転写ローラ
37 クリーニング装置
39 定着装置
40 定着ローラ
41 加圧ローラ
Claims (6)
- 電子写真方式の画像形成装置における定着装置に備えられる定着部材であって、基材表面にフロロシリコーンゴムを含む弾性層を備えており、該弾性層が更に炭素繊維と空隙を有する黒鉛とを含有することを特徴とする定着部材。
- 前記弾性層の表面に、前記空隙および炭素繊維が露出していないことを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
- 前記弾性層の表面に、フロロシリコーンゴムを含む離型層を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着部材。
- 前記弾性層は、フロロシリコーンゴム以外のゴム成分を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着部材。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の定着部材を備えたことを特徴とする定着装置。
- 請求項5に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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