JP5744433B2 - 弾性ローラ - Google Patents

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本発明は、発泡層を有する弾性ローラに関する。
複写機、レーザープリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される現像ローラや、帯電ローラ等各種の弾性ローラには、均一な電気抵抗を有する導電性と、感光体等に当接するための適度な柔軟性と、低圧縮永久歪性が要求される。具体的には、帯電ローラは感光体を均一に帯電するために、電気抵抗のばらつきが少なく均一な導電性を有し、また、感光体との当接又は圧接に対し適度な硬度と低圧縮永久歪み性を備えていることが求められる。また、現像ローラは感光体上の静電潜像へのトナーの転移を均一に行うために、電気抵抗のばらつきが少なく、一方でトナーへのストレスを軽減し、感光体との安定した当接幅を確保し、トナー規制ブレードの圧接部分に生じる永久的変形を抑制する必要がある。この種の弾性ローラとして、カーボンブラックのDBP吸油量を40ml/100g〜200ml/100gに規定して、電気抵抗の均一性を図るもの(特許文献1)や、発泡ゴム層を有し、多量の可塑剤を配合するもの等が報告されている(特許文献2、3)。
発泡層は発泡剤を分散させたポリマーを用いて成形し、その後の加熱により、発泡剤を発泡させセルの形成と共に形成されているが、発泡セルを有する発泡層の形成に特許文献1記載のカーボンブラックを用いても、均一に分散させることは困難である。このため、カーボンブラックの密度が不均一になり、低密度の部分では、相互に接触せず導電パスが分断され、導電パスが形成されている部分との間に、電気抵抗のばらつきが生じる。この問題を解決するために、カーボンブラックをポリマーに多量に添加すると、発泡層の硬度上昇や圧縮永久歪の増大を引き起こす。また、特許文献2に記載の発泡ゴムは、化学発泡剤や高圧ガスを用いて弾性層中に発泡セルを形成するため、セルサイズが不均一となり、セル間に連通が生じ、独立したセル、いわゆる一定の大きさの単泡セルの形成が困難になる場合がある。この発泡ゴム層を、高速化、画質の高品位化、グローバル化による使用環境の多様化に対応可能な電子写真装置の弾性ローラに適用すると、セルサイズの不均一が硬度ムラや電流値ムラの原因の一つとなり得る。また、特許文献3に記載されるソリッドゴムに可塑剤を多量に配合して柔軟にした弾性ローラは、弾性ローラからブリードした可塑剤が感光体を汚染する問題や、成形用ゴム組成物の粘度が著しく低下し、成形が困難になる場合もある。発泡・硬化時においても、成形体の自重により発泡時の体積膨張が不均一になる場合もある。
特開2005−300644 特開2001−134071 特開2007−240742
本発明の課題は、凝集しやすいカーボンブラックや黒鉛を含有する発泡層を有するにも拘らず、電気抵抗のばらつきを低減させることができ、充分な当接幅を確保可能な硬度を有し、圧縮永久歪が抑制された弾性ローラやその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、黒鉛又はカーボンブラックを内包する発泡セルを形成することにより、これらが発泡セルの壁面に付着され、発泡セルの壁面を導電化させることができることを見出した。これにより、発泡層において、発泡セルの壁面に添って導電パスが形成されることにより電気抵抗のばらつきを抑制でき、発泡セルの存在によって導電パスが分断されるのを抑制できることの知見を得た。かかる知見に基き本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、導電性軸芯体と、
該導電性軸芯体上に形成されてなる、ゴムと、導電剤と、黒鉛が壁面に付着してなる発泡セルを有する発泡層と、
該発泡層上に形成される非発泡層とを有する現像ローラであって、
該発泡層は、導電剤と、黒鉛の炭素層間に揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物が分散された未架橋ゴムを、該化合物の揮発温度以上に加熱し、該未架橋ゴムを架橋させ、かつ、該化合物を気化させることによって形成されてなるものであることを特徴とする現像ローラに関する。
また、本発明は、導電性軸芯体と、
該導電性軸芯体上に形成されてなる、ゴムと、導電剤と、黒鉛が壁面に付着してなる発泡セルを有する発泡層と、
該発泡層上に形成される非発泡層とを有する帯電ローラであって、
該発泡層は、導電剤と、黒鉛の炭素層間に揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物が分散された未架橋ゴムを、該化合物の揮発温度以上に加熱し、該未架橋ゴムを架橋させ、かつ、該化合物を気化させることによって形成されてなるものであることを特徴とする帯電ローラに関する。
本発明の弾性ローラは、凝集しやすい黒鉛やカーボンブラックを含有する発泡層を有するにも拘らず、これらがセルの壁面に付着することにより壁面に添った導電パスを形成することができ、電気抵抗のばらつきを低減させることができる。発泡層内に効率よく導電パスが形成されるため、カーボンブラックや黒鉛の添加量を低減させることができ、硬度の上昇を抑制し、弾性ローラに充分な当接幅を確保可能な硬度を付与することができる。また、発泡セルの壁面に付着されるカーボンブラックや黒鉛により発泡セル壁の強度を増加させ、弾性ローラの耐圧縮永久歪を向上させることができる。特に、現像ローラに適用することにより、濃淡ムラや濃度低下が抑制され高品位な画像を得ることができる。
本発明に係る弾性ローラの発泡層を示す模式図である。 本発明に係る弾性ローラを示す側面図である。 本発明に係る弾性ローラを適用した電子写真画像形成装置を示す構成図である。 本発明に係る弾性ローラを適用した電子写真プロセスカートリッジを示す構成図である。 弾性ローラの電気抵抗の測定方法を示す説明図である。
本発明の現像ローラ又は帯電ローラは、導電性軸芯体と、
該導電性軸芯体上に形成されてなる、ゴムと、導電剤と、黒鉛が壁面に付着してなる発泡セルを有する発泡層と、
該発泡層上に形成される非発泡層とを有し、
該発泡層は、導電剤と、黒鉛の炭素層間に揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物が分散された未架橋ゴムを、該化合物の揮発温度以上に加熱し、該未架橋ゴムを架橋させ、かつ、該化合物を気化させることによって形成されてなるものであることを特徴とする。
[導電性軸芯体]
導電性軸芯体としては、その材料は充分な強度を有し、且つ導電性を有すれば特に限定されない。
[発泡層]
電性軸芯体上に形成される発泡層は、黒鉛を含み、カーボンブラックを含有してもよく、これらを内包する発泡セルを有するものである。現像ローラ又は帯電ローラの発泡層を形成する基質としては、ゴム弾性を有するものが好ましく、具体的には、以下のものを挙げることができる。エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴムゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム。ノルボルネンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記発泡層に含有される黒鉛又はカーボンブラックは発泡層に導電性を付与するものである。黒鉛は、炭素層の積層状態が異なるα黒鉛、β黒鉛のいずれであってもよく、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛や熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の人工黒鉛等を用いることができ、これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。これらのうち鱗片状のものが、結晶化が高く好ましく、そのアスペクト比(厚さに対する面方向の長さ)が5以上ものもが好ましい。黒鉛粒子の鱗片状の面方向の平均粒子径が1μm以上20μm以下であることが好ましい。黒鉛粒子の粒子径は、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用い、画像上で長径と短径を測定し、その平均値を粒子径とし、100個の黒鉛粒子の粒子径の50%値をもって粒子径とすることができる。黒鉛は、黒鉛の炭素層間に、120℃以上、200℃以下で揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物(グラファイトインターカレーションコンパウンド:graphite intercalation compound)を用いることが好ましい。このような黒鉛層間化合物を用いることにより、黒鉛の炭素層間に侵入した化合物の揮発温度以上で加熱することにより、炭素層間に侵入した化合物が気化し、発泡層中に均一な大きさで、黒鉛を内包する発泡セルを容易に形成することができる。更に、黒鉛を発泡セルの壁面に付着させることができる。黒鉛層間化合物として炭素層間に侵入した化合物の揮発温度が120℃以上であれば、成形時の黒鉛と基質ゴムとの混練を、製造効率の上昇のために加熱条件下で行うことができる。また、黒鉛層間化合物として炭素層間に侵入した化合物の揮発温度が200℃以下であれば、基質のゴムの架橋反応の進行によりセルの形成が阻害されるのを抑制することができ、加熱による基質の劣化を抑制し、圧縮永久歪に対する抵抗力の低下を抑制できる。黒鉛層間化合物における炭素層間に侵入させる化合物としては、120〜200℃で揮発する酸と強酸化剤との混合物を挙げることができる。かかる酸として、具体的には、有機酸、無機酸いずれであってもよく、無機酸としては硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、燐酸等を挙げることができ、有機酸としては酢酸等を挙げることができ、これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。強酸化剤としては、発煙硝酸、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、塩素酸塩、クロム酸、クロム酸塩、重クロム酸塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸塩、過酸化水素等を挙げることができ、これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記黒鉛層間化合物は、黒鉛と、酸及び強酸化剤の混合物とを混合した後、水洗、乾燥することにより製造することができる。
上記発泡層に含有されるカーボンブラックとしては、以下のものを用いることができる。ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト。カーボンブラックは黒鉛粒子表面に付着させて用いることができる。カーボンブラックの平均粒子径としては、10nm以上100nm以下であることが好ましい。カーボンブラックの一次粒子径測定には、電子顕微鏡を用い、撮影倍率を6万倍又は30万倍にした画像上で一次粒子の長径と短径を測定し、その平均値を粒子径とし、100個の一次粒子の粒子径の50%値をもって一次粒子径とすることができる。このような平均粒子径を有することにより、黒鉛粒子表面にカーボンブラックを付着させ、黒鉛と共にカーボンブラックを内包する発泡セルを容易に形成し、更に、カーボンブラックを発泡セルの壁面に付着させることができる。
これらの黒鉛又はカーボンブラックを内包する発泡セルは、発泡層の表面に開口を有するセルであってもよいが、図1の模式図に示すように、発泡層の基質6の表面に開口を有しない閉じたセルであることが好ましく、いわゆる単泡セル4であることが好ましい。単泡セルは、化合物の気化により生じた個々の気泡がそのままセルを形成したものをいう。単泡セルであれば、個々の気泡同士が連結して形成される連結セルと比較して、セルの大きさを一定にすることができ、発泡層の電気抵抗の均一化を向上させることができる。このような発泡セルは内包する黒鉛5又はカーボンブラック7を壁面に付着させることができる。黒鉛又はカーボンブラックを壁面に付着させた発泡セルにおいては、これらが付着した壁面が導電化され、発泡セルを有する発泡層であっても、導電パスを発泡層内に均一に形成することができ、発泡層の電気抵抗の均一化を図ることができる。更に、発泡セルの壁面が黒鉛又はカーボンブラックの付着により補強され、弾性ローラの圧縮永久歪に対する抵抗力を向上させることができる。特に、黒鉛層間化合物を用いて形成した場合、単泡セルが均一に形成されることから、発泡倍率を高くすることができ、柔軟な弾性ローラが得られる。発泡セルの平均直径としては、10μm以上300μm以下であれば、内包する黒鉛又はカーボンブラックを壁面に容易に付着させ均一な電気抵抗を有する発泡層を形成し得ることから好ましい。平均セル径は、発泡層の断面の光学顕微鏡画像において真円相当径に換算して得られるセル径の算術平均値を採用することができる。また、発泡セル倍率は1.5倍以上5倍以下とすることが、弾性ローラとして圧縮永久変形に対する充分な抵抗力を有することから、好ましい。発泡倍率は以下の式によって算出することができる。
発泡倍率=架橋発泡前の比重/架橋発泡後の比重
上記発泡層は、導電剤を含む。また、必要に応じて、充填剤、増量剤、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、老化防止剤又は加工助剤等の各種添加剤を含有していてもよい。導電剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の導電性を有する金属化合物粉。適当な粒子の表面を酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムを、電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させた粉体。充填剤及び増量剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。乾式シリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末。硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらの充填剤の表面を有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサン等で疎水化処理を行ったもの。
架橋剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、N,N′−ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物や硫黄。有機過酸化物系の架橋剤。これら架橋剤、架橋助剤の総使用量としては、架橋前のゴム基質100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下を挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤を挙げることができる。また、老化防止剤としては、例えば、フェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属塩類を挙げることができる。加工助剤としては、例えば、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸、あるいは脂肪酸の金属塩やエステル等を挙げることができる。
上記発泡層の電気抵抗は103Ω・cm以上、1010Ω・cm以下が好ましい。発泡層の電気抵抗値が103Ω・cm以上であれば、感光体に欠損があった場合でも、リークの発生を抑制することができ、1010Ω・cm以下であれば、良好な画像が得られる。具体的には、例えば、現像ローラならば、105Ω・cm以上1010Ω・cm以下、帯電ローラならば、103Ω・cm以上108Ω・cm以下とすることができる。電気抵抗値は、後述する測定方法により測定した測定値を採用することができる。
このような発泡層の製造方法としては、発泡層の基質となる未架橋のゴムと、黒鉛又はカーボンブラックと、添加剤等を混練し、得られた混合物を成形して、加熱により発泡セルを形成すると共に未架橋ゴムの架橋を形成することにより製造することができる。特に、120℃以上、200℃以下で揮発する化合物を含有する黒鉛層間化合物を用いることが好ましい。未架橋ゴムと黒鉛又はカーボンブラックと必要に応じて添加される添加物の混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、2軸押出し機、2本ロール等を用いることができる。混練時は、黒鉛層間化合物に含有される化合物の揮発する温度未満の温度で加熱し、混練に要する時間を短縮することもできる。混練により、未架橋ゴム中に黒鉛やカーボンブラックが均一に分散された混合物を得る。得られた混合物の成形方法は、押出成形、射出成形等によることができる。導電性軸芯体の上に混合物を直接成形してもよく、また、チューブ状又はフィルム状に成形後、導電性軸芯体を挿入又はその上を被覆して成形することもできる。その後、黒鉛層間化合物の炭素層間にインターカレーションされた化合物の揮発温度以上に加熱することによりこの化合物が気化し、その内圧により黒鉛の層間隔が拡大され、黒鉛を内包した発泡セルが形成される。そして発泡セル壁面に黒鉛が付着し、少なくとも発泡セル壁面の一部が導電化される。発泡セル壁面の一部とは、黒鉛が発泡セル壁面に付着した部分である。また、この黒鉛層間化合物の表面にカーボンブラックを付着させて使用することにより、発泡セルに黒鉛と共にカーボンブラックを内包させることができ、発泡セル壁面に黒鉛と共にカーボンブラックを付着させることができる。黒鉛層間化合物を用いることにより形成される発泡セルはポリマー中に均一に分散し、気泡同士が接触することなく独立したセルである単泡セルが主として形成される。このとき、未架橋ゴムに架橋が形成され、発泡層を形成することができる。得られた発泡層に対し、表面を研磨して形状を整えてもよい。
[非発泡層]
上記発泡層上に形成される非発泡層は発泡セルを含まない層であり、硬度や弾性の調整やトナーを均一にローラ表面に担持する機能や感光体と均一に当接する等の機能を有する。非発泡層の基質としては、具体的には、発泡層と同様のゴム基質を挙げることができ、必要に応じて、上記例示の添加剤を含有させることもできる。非発泡層の電気抵抗は特に制限されるものではないが、発泡層と同様の電気抵抗とすることができる。また、非発泡層の厚さは、その機能に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm〜1mmとすることができる。非発泡層の製造方法としては、射出成形や押出成形等を使用することができ、二層押出機を用いて発泡層と同時に成形することもできる。また、チューブ状又はフィルム状に成形後、発泡層を被覆して成形することもできる。得られた非発泡層に対し、表面を研磨して形状を整えてもよい。
上記弾性ローラは非発泡層上に、表層を有するものであってもよい。表層は表面の保護の他、弾性ローラからの添加物等のブリードを抑制する機能を有するものが好ましい。非発泡層との密着性を向上させ、非発泡層間の剥離を抑制するため、非発泡層の表面をコロナ処理、フレーム処理、エキシマUV処理等の表面処理によって改質してもよい。表層を構成する材料としては、以下の樹脂を用いることができる。ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂。エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化性樹脂。表層の厚さは、表層に用いる材質の種類や形成方法により適宜選択され、樹脂系の場合には3μm以上、100μm以下であることが好ましい。表層の厚さが3μm以上であれば均一な層厚に形成することができ、100μm以下であれば、電気抵抗ムラを抑制することができる。表層の形成方法としては、ディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗工方法や、チューブ状に成形する方法、プラズマCVD法等を使用することができる。
また、表層にはシリカ膜や炭素膜を適用することもできる。シリカ膜としてはO−Si−Oを主骨格とし、全元素におけるSiとOの占める割合が60%以上であり、SiにはH、O、Cの少なくとも1つが結合されたSiOxを挙げることができる。炭素膜としては高硬度、電気絶縁性、赤外線透過性を持つカーボン薄膜のダイヤモンドライクカーボン(DLC)を挙げることができる。DLCはCを主骨格とし、かつ若干のHを含有し、ダイヤモンド結合(SP3結合)とグラファイト結合(SP2結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造を有するものである。これらの表層の厚さは0.01μm以上3μm以下が好ましい。これらの表層の厚さが0.01μm以上であれば、非発泡層を被覆する強度を備え、非発泡層の削れ、磨耗を抑制することができ、3μm以下であれば、非発泡層の割れを抑制することができる。これらシリカ膜や炭素膜は、ゾル・ゲル法によるディップコート、スプレーコート、ロールコート等の塗工方法、蒸着、プラズマCVD法等により作製することができる。
本発明の弾性ローラの一例として、図2に示すように、導電性軸芯体1上に、発泡層2及び非発泡層3が順次積層されたものを挙げることができる。
[電子写真画像形成装置]
本発明の弾性ローラを、帯電ローラ及び現像ローラに適用した電子写真画像形成装置の一例を図3に、電子写真プロセスカートリッジの一例を図4に示す。図3に示す電子写真画像形成装置は、矢印方向に回転する感光体13と、この周囲に設けられる感光体を帯電する帯電ローラ20、一様に帯電された感光体に静電潜像を書き込むレーザー光19を感光体に照射する露光手段が設けられる。更に、トナー供給ローラ15によって現像剤容器18に収納されるトナー16が供給され、ブレード17により一定厚に形成されたトナーを静電潜像に搬送する現像ローラ14が設けられ、搬送されたトナーは静電潜像上に移動し、トナー像として可視化する。現像は露光部にトナー像を形成するいわゆる反転現像を行う。一方、ローラ24、27、29に懸架され矢印方向に移動される搬送ベルト28が設けられ、給紙ローラ31から供給される転写紙30が感光体と転写ローラ25間へ搬送されるようになっている。転写ローラ25は搬送ベルトによって搬送される転写紙を介して感光体に対向するように配置され、電源26によって印加される転写バイアス電圧によって感光体上のトナー像が転写紙上に転写されるようになっている。各トナー、例えば、マゼンダ、シアン、イエロー、ブラック毎に形成されたトナー像が搬送ベルトによって順に搬送される転写紙上に重畳して転写され、得られたカラートナー像を転写紙上に定着させる定着装置23が設けられる。画像が形成された転写紙が装置外へ排出されるようになっている。一方、感光体上に転写されずに残存するトナーを感光体表面から除去するクリーニングブレード22、掻き取られたトナーを収納する廃トナー容器21が設けられ、クリーニングされた感光体は、次の画像形成を待機するようになっている。
[電子写真プロセスカートリッジ]
図4に示す電子写真プロセスカートリッジは、上記感光体13、帯電ローラ20、現像ローラ14、トナー供給ローラ15、ブレード17、トナーを収納する現像容器18、クリーニングブレード22、及び廃トナー容器21を有するものである。電子写真プロセスカートリッジは、これらを一体的に保持し、電子写真画像形成装置に着脱可能として使用される。
以下、本発明の現像剤担持体及び現像装置を具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
[黒鉛層間化合物の調製]
黒鉛層間化合物Aの調製
98%濃硫酸300質量部をビーカーにとり、20℃で、60%過酸化水素3質量部及び過塩素酸ナトリウム10質量部を混合した。この混合液を攪拌しながら、鱗片状黒鉛100質量部を加え、30分間反応させた。反応物を800質量部の水中に徐々に加え、これをブフナー漏斗にて吸引濾過して反応で生成した黒鉛を回収した。この黒鉛に1200質量部の水を加え洗浄し、ブフナー漏斗にて吸引濾過をした。水で洗浄した黒鉛を希アンモニア水で洗浄して残留する硫酸を中和した後、更に少量の水で洗浄し、ブフナー漏斗にて吸引濾過し、100℃で乾燥し、黒鉛層間化合物Aを得た。得られた黒鉛層間化合物Aを、120℃に設定された電気炉で加熱した。この黒鉛層間化合物の加熱前後の容積を測定したところ7.1倍に膨張した。
黒鉛層間化合物Bの調製
黒鉛層間化合物Aの調製において、過塩素酸ナトリウム10質量部に替えて、ペルオキソ二硫酸アンモニウム15質量部を用いたこと以外は、同様の方法にて黒鉛層間化合物Bを得た。得られた黒鉛層間化合物Bを、120℃及び150℃に設定された電気炉でそれぞれ加熱した。この黒鉛層間化合物の加熱前後の容積を測定したところ120℃の場合1.2倍に膨張し、150℃の場合6.7倍に膨張した。
黒鉛層間化合物Cの調製
黒鉛層間化合物Bの調製において、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの添加量を5質量部に変更したこと以外は、同様の方法にて黒鉛層間化合物Cを得た。得られた黒鉛層間化合物Cを、150℃及び180℃に設定された電気炉でそれぞれ加熱した。この黒鉛層間化合物の加熱前後の容積を測定したところ150℃の場合1.2倍に膨張し、180℃の場合7倍に膨張した。
黒鉛層間化合物Dの調製
黒鉛層間化合物Aの調製において、60%過酸化水素の添加量を7質量部に変更したこと以外は、同様の方法にて黒鉛層間化合物Dを得た。得られた黒鉛層間化合物Dを、180℃及び200℃に設定された電気炉でそれぞれ加熱した。この黒鉛層間化合物の加熱前後の容積を測定したところ180℃の場合1.1倍に膨張し、200℃の場合7.3倍に膨張した。
[発泡層未架橋ゴム組成物の調製]
以下のものを6Lニーダー(TD6−15MDX:トーシン社製)にて混練した。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニポールDN401:日本ゼオン社製)
(アクリロニトリル18質量%) 100質量部
ステアリン酸亜鉛 2質量部
酸化亜鉛 5質量部
MTカーボンブラック(サーマックスフローフォームN990:CANCAB社製)
40質量部
その後、架橋剤として硫黄1質量部、架橋助剤としてメルカプトベンゾチアゾール(MBT)1質量部、黒鉛層間化合物Aを9質量部をオープンロールにて混合し、発泡層未架橋ゴム組成物を得た。
[非発泡層未架橋ゴム組成物の調製]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において黒鉛層間化合物Aを用いなかったこと以外は、同様の配合及び方法にて非発泡層未架橋ゴム組成物を調製した。
[弾性ローラの調製]
得られた発泡層未架橋ゴム組成物と非発泡層未架橋ゴム組成物を、二層押出機を用いて、導電性軸芯体と共に押出し、導電性軸芯体と一体となった積層体を成形した。得られた導電性軸芯体と一体の積層体を金型内に挿入し、160℃にて加熱し、架橋、発泡を行い、発泡層と非発泡層を同時に形成し弾性ローラを得た。弾性ローラより発泡層を切り出し、顕微鏡で観察したところ、セル内に黒鉛が存在した。また、発泡層の電気抵抗値を測定し、均一性に対する評価を行った。
[発泡層の電気抵抗値]
得られた弾性ローラを研磨し、発泡層のみのローラとした。このローラについて、図5に示す測定装置を用いて電気抵抗値を測定した。図5に示す電気抵抗測定装置は、試料のローラ面が接触するように配置される外径30mmのアルミドラム10、ローラSの軸芯体両端にそれぞれ負荷する荷重8、ローラSに電圧を印加する電源12、アルミドラムに接続されたマルチメーター9を有する。この電気抵抗測定装置に、発泡層を露出させたローラSをセットし、両端の導電性軸芯体に総圧1kgの荷重がかかるように荷重8を設定し、ローラSをアルミドラムに圧着させる。軸芯体とアルミドラムに50Vの電圧を印加して、ローラ一周分を測定計測し、一周分の抵抗の平均を電気抵抗値とした。この電気抵抗の最大値/最小値を計算し、その値から以下の基準により評価を行った。弾性ローラ電気抵抗値と電気抵抗値のばらつきの結果をそれぞれ表1に示す。
A:抵抗の最大値/最小値が2倍以下
B:抵抗の最大値/最小値が2倍以上5倍以下
C:抵抗の最大値/最小値が5倍以上10倍未満
D:抵抗の最大値/最小値が10倍以上
[現像ローラの調製]
表層の材料として、ポリオール(ニッポラン5033:日本ポリウレタン社製)と、硬化剤としてイソシアネート(コロネートL:日本ポリウレタン社製)とを、モル比[NCO]/[OH]が1.2となるように秤量し、合わせて100質量部とした。更に、カーボンブラック(MA100、三菱化学社製)を30質量部添加し混合液を得た。この混合液に有機溶剤を加え、表層の膜厚が20μmとなるように固形分20質量%以上30質量%以下の範囲で調整した。これに平均粒径が16μmのウレタン樹脂粒子(CFB−101−40、大日本インキ化学工業社製)を5質量部加え、均一分散、混合して表層の原料液とした。この原料液中に、得られた弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥し、160℃にて20分間加熱処理し、約20μmの表層を有する現像ローラを調製した。得られた現像ローラについて、圧縮永久歪及び画像評価を行った。
[現像ローラの圧縮永久歪]
得られた現像ローラをカラーレーザープリンター(LBP5400:キヤノン社製)用の電子写真プロセスカートリッジへ組み込み、温度40℃の恒温槽中に1ヶ月静置した。そして常温常湿で1日静置した後、現像ローラを取り出し新しい電子写真プロセスカートリッジに組み込み、LBP5400本体に取り付けた。その後常温常湿で印字率100%濃度のベタ及び印字率50%濃度のハーフトーンの画像を出力し以下の基準により画像評価を行った。結果を表1に示す。
A:圧接跡が画像上にみられない
B:ベタ画像上に圧接跡が薄くみられるが、ハーフトーン画像上には圧接跡がみられない
C:ベタ画像上に圧接跡が明確にみられ、ハーフトーン画像に圧接跡が薄くみられる
D:ベタ及びハーフトーン画像上に圧接跡が明確にみられる。
[現像ローラの画像形成性]
得られた現像ローラをカラーレーザープリンター(LBP5400:キヤノン社製)用の電子写真プロセスカートリッジへ組み込み、温度23℃、相対湿度50%の環境下で印字率100%濃度のベタ及び印字率50%濃度のハーフトーンの画像を出力した。得られた画像について以下の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
A:ムラが見られない
B:ハーフトーン画像上にムラが軽微にみられるが、ベタ画像上ではみられない
C:ハーフトーン画像上にムラが明確にみられ、ベタ画像上にムラが軽微にみられる
D:ハーフトーン及びベタ画像上にムラが明確にみられる。
[帯電ローラの調製]
表層の材料として、ラクトン変性アクリルポリオール(プラクセルDC2009、ダイセル化学工業社製)をMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、10質量%濃度の溶液とした。このアクリルポリオール溶液100質量部に対して導電性酸化スズ粉体(SN−102P、石原産業社製)12質量部、シリコーンオイル(SH−28PA、東レ・ダウコーニング社製)0.01質量部配合し分散液を得た。この分散液にHDI(デュラネート24A−100、旭化成工業社製)を3質量部加え攪拌し、最後に500メッシュの網で溶液を濾過して表面層原料液とした。この表面層原料液中に、得られた弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、150℃にて60分間加熱処理し、冷却した。その後、ローラの塗工時の軸方向を反転して、2回目の塗工を行い150℃にて60分間加熱処理し、冷却し、15μmの被覆層を弾性層の外周に設けた帯電ローラを得た。
[帯電ローラの圧縮永久歪]
得られた帯電ローラをカラーレーザープリンター(LBP5400、キヤノン社製)用の電子写真プロセスカートリッジへ組み込み、温度40℃の恒温槽中に1ヶ月静置した。そして1日静置した後、帯電ローラを取り出し、新しい電子写真プロセスカートリッジに組み込み、LBP5400本体に取り付け、印字率100%濃度のベタ及び印字率50%濃度のハーフトーンの画像を出力し、以下の基準により画像評価を行った。結果を表1に示す。
A:圧接跡が画像上にみられない
B:ハーフトーン画像上に圧接跡が薄くみられるが、ベタ画像上には圧接跡がみられない
C:ハーフトーン画像上に圧接跡が明確にみられ、ベタ画像に圧接跡が薄くみられる
D:ハーフトーン及びベタ画像上に圧接跡が明確にみられる。
[実施例2]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を30質量部に変更したこと以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を25質量部に変更したこと以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Bに変更したこと以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Bに変更したこと以外は実施例2と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Bに変更したこと以外は実施例3と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Cに変更し、架橋、発泡温度を180℃に変更したこと以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Cに変更し、架橋、発泡温度を180℃に変更したこと以外は実施例2と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Cに変更し、架橋、発泡温度を180℃に変更したこと以外は実施例3と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Dに変更し、架橋、発泡温度を200℃に変更したこと以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Dに変更し、架橋、発泡温度を200℃に変更したこと以外は実施例2と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを黒鉛層間化合物Dに変更し、架橋、発泡温度を200℃に変更したこと以外は実施例3と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例13]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Bを黒鉛層間化合物Bにカーボンブラックを付着させたものに変更したこと以外は実施例5と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例14]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、アクリロニトリル−ブタジエンゴムに替えてエチレン−プロピレン−ジエンゴム(エスプレン505:住友化学社製)を用いた。これ以外は実施例5と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例15]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、アクリロニトリル−ブタジエンゴムに替えてスチレン−ブジエンゴム(エポールNS116R:日本ゼオン社製)を用いたこと以外は実施例3と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例16]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、アクリロニトリル−ブタジエンゴムに替えてブジエンゴム(BR−150:宇部興産社製)を用いたこと以外は実施例10と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例17]
[発泡層未架橋ゴム組成物の調製]
以下のものをオープンで混練し、発泡層未架橋ゴム組成物を調製した。
ビニル基含有シリコーンゴム(KE151U:信越化学工業社製)100質量部
MTカーボンブラック(サーマックスフローフォームN990、CANCAB社製)
15質量部
付加反応架橋剤(C−19A:信越化学工業社製)1質量部
付加反応架橋剤(C−19B:信越化学工業社製)3質量部
黒鉛層間化合物A 9質量部
[非発泡層未架橋ゴム組成物の調製]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において黒鉛層間化合物Aを用いなかったこと以外は、同様の配合及び方法にて非発泡層未架橋ゴム組成物を調製した。
[弾性ローラの調製]
得られた発泡層未架橋ゴム組成物と非発泡層未架橋ゴム組成物を、二層押出機を用いて、導電性軸芯体と共に押出し、導電性軸芯体と一体となった積層体を成形した。発泡層と非発泡層の厚さは各押出機の回転数の比率を調整して制御した。得られた導電性軸芯体と一体の積層体を金型内に挿入し、240℃にて10分加熱し、一次架橋、発泡を行い、その後、200℃4時間加熱により二次架橋し、発泡層と非発泡層を同時に形成し弾性ローラを得た。弾性ローラより発泡層を切り出し、顕微鏡で観察したところ、セル内に黒鉛が存在した。また、発泡層の電気抵抗値を測定し、均一性に対する評価を実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
[実施例18]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを100℃で気化する化合物を含有する黒鉛層間化合物に変更したこと以外は実施例2と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例19]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、黒鉛層間化合物Aを240℃で気化する化合物を含有する黒鉛層間化合物に変更し、架橋、発泡温度を240℃に変更したこと以外は実施例17と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例20]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を45質量部に変更したこと以外は実施例5と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例21]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を20質量部に変更したこと以外は実施例5と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を60質量部に変更し、黒鉛層間化合物Aに替えて鱗片状黒鉛及び発泡剤(アゾジカルボンアミド(ADCA))10質量部を用いた。これら以外は実施例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を50質量部に変更したこと以外は比較例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例3]
発泡層未架橋ゴム組成物及び非発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、MTカーボンブラックの添加量を40質量部に変更したこと以外は比較例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例4]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、発泡剤をADCAに替えてマイクロカプセルのミクロパールF(松本油脂社製)を用いたこと以外は比較例1と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例5]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、発泡剤をADCAに替えてミクロパールF(松本油脂社製)を用いたこと以外は比較例2と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例6]
発泡層未架橋ゴム組成物の調製において、発泡剤をADCAに替えてミクロパールF(松本油脂社製)を用いたこと以外は比較例3と同様に弾性ローラを調製し評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005744433
Figure 0005744433
Figure 0005744433
結果から、発泡セル壁面は、黒鉛又はカーボンブラックが付着することにより、導電化され、セル壁に沿って導電パスが形成されるため電気抵抗のばらつきが抑制されることが分かる。更に、導電パスが効率よく形成されることにより、導電剤の添加量が低減され、導電剤添加による硬度上昇や圧縮永久歪を抑制することができることが分かる。この弾性ローラを現像ローラとして用いた場合、画像濃淡ムラや濃度低下が少なく、高品位の画像を得ることが可能となる。
1 導電性軸芯体
2 発泡層
3 非発泡層
4 単泡セル(発泡セル)
5 黒鉛
6 基質
7 カーボンブラック
14 現像ローラ(弾性ローラ)
20 帯電ローラ(弾性ローラ)

Claims (3)

  1. 導電性軸芯体と、
    該導電性軸芯体上に形成されてなる、ゴムと、導電剤と、黒鉛が壁面に付着してなる発泡セルを有する発泡層と、
    該発泡層上に形成される非発泡層とを有する現像ローラであって、
    該発泡層は、導電剤と黒鉛の炭素層間に揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物が分散された未架橋ゴムを、該化合物の揮発温度以上に加熱し、該未架橋ゴムを架橋させ、かつ、該化合物を気化させることによって形成されてなるものであることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記導電剤が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 導電性軸芯体と、
    該導電性軸芯体上に形成されてなる、ゴムと、導電剤と、黒鉛が壁面に付着してなる発泡セルを有する発泡層と、
    該発泡層上に形成される非発泡層とを有する帯電ローラであって、
    該発泡層は、導電剤と、黒鉛の炭素層間に揮発する化合物が侵入した黒鉛層間化合物が分散された未架橋ゴムを、該化合物の揮発温度以上に加熱し、該未架橋ゴムを架橋させ、かつ、該化合物を気化させることによって形成されてなるものであることを特徴とする帯電ローラ。
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