JP5553932B1 - 定着装置および電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着装置として必要な発熱量を、より少ない量のマイクロ波吸収物質で得ることができ、加熱部材の各層に要求される機能である柔軟性や離型性、耐久性などの特性を損なわずに、定着装置の定着可能温度までの立ち上がり時間(所謂、ウォームアップタイム)を短縮できる定着装置を提供する。
【解決手段】加熱部材と、加圧部材と、マイクロ波発生手段とを有し、加熱部材と加圧部材とで形成されるニップを通過させることにより記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、加熱部材は、マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、発熱層は、高分子化合物と、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する炭素繊維とを含有する。
【選択図】図1
【解決手段】加熱部材と、加圧部材と、マイクロ波発生手段とを有し、加熱部材と加圧部材とで形成されるニップを通過させることにより記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、加熱部材は、マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、発熱層は、高分子化合物と、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する炭素繊維とを含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真装置に用いる定着装置および電子写真画像形成装置に関する。
一般に、レーザープリンターや複写機等の電子写真方式に用いられる加熱定着装置では、一対の加熱されたローラとローラ、フィルムとローラ、ベルトとローラ、ベルトとベルト、といった回転体が圧接されている。
そして、未定着のトナーによる画像を保持した被記録材が、この回転体間に形成された圧接部位(定着ニップ)に導入されて加熱され、該トナーを溶融し、紙等の被記録材に当該画像を定着させる。
そして、未定着のトナーによる画像を保持した被記録材が、この回転体間に形成された圧接部位(定着ニップ)に導入されて加熱され、該トナーを溶融し、紙等の被記録材に当該画像を定着させる。
被記録材上に保持された未定着トナー像が接する回転体は加熱部材と称し、その形態に応じて定着ローラ、定着フィルム、定着ベルトと呼ばれる。
加熱部材の加熱方法としては、発熱体で発生させた熱を、接触乃至非接触で加熱部材に伝熱させることで加熱する方法と、加熱部材自体を発熱させる方法とがある。
発熱体で発生させた熱を加熱部材に伝熱させる方法としては、加熱部材の内部にハロゲンヒータを配置して、輻射熱で加熱部材を加熱する方法が一般的に用いられている。また、加熱部材の内面にセラミックヒータを当接させ、定着ニップ部のみで加熱する方法も用いられている。
発熱体で発生させた熱を加熱部材に伝熱させる方法としては、加熱部材の内部にハロゲンヒータを配置して、輻射熱で加熱部材を加熱する方法が一般的に用いられている。また、加熱部材の内面にセラミックヒータを当接させ、定着ニップ部のみで加熱する方法も用いられている。
加熱部材自体を発熱させる方法としては、加熱部材の基層として金属などの導体層を配置し、誘導加熱により渦電流を発生させ導体層自体を発熱させる方法が用いられている(特許文献1参照)。
また、定着装置にマイクロ波発生装置を備え、マイクロ波を発生させることで、加熱部材自体を発熱させる方法が知られている(特許文献2参照)。
また、定着装置にマイクロ波発生装置を備え、マイクロ波を発生させることで、加熱部材自体を発熱させる方法が知られている(特許文献2参照)。
一般的に、定着装置としては、より少ない電力でトナーを定着させることが要求されるため、熱抵抗となる部分を減らし、熱効率を高める工夫がなされている。そのため、より被記録材に近い部分を加熱することで不必要な部分は極力加熱せず、必要な部分にのみ熱供給を行うことが省エネルギー化の観点から重要であり、加熱部材自体を発熱させる方式はこの点において有利である。
さらに、近年は更なる起動時間の短縮化が求められており、定着装置としてはトナーの定着可能温度まで、加熱部材の表面を素早く昇温させること、即ちウォームアップタイムの短縮化が要求されている。
さらに、近年は更なる起動時間の短縮化が求められており、定着装置としてはトナーの定着可能温度まで、加熱部材の表面を素早く昇温させること、即ちウォームアップタイムの短縮化が要求されている。
マイクロ波による発熱方式では、マイクロ波を吸収することで自己発熱する層を加熱部材に形成する必要がある。基層や弾性層、表層などにマイクロ波を吸収し発熱する物質を添加することで自己発熱層とすることで、加熱部材に自己発熱する機能を持たせることができることが知られている。また、マイクロ波を吸収し発熱する物質としては、カーボンブラックや炭化ケイ素などがこれまでに用いられている。しかし、短時間で定着可能な状態にまで加熱部材の温度を昇温させるには、マイクロ波吸収物質を加熱部材に多量に添加する必要があり、本来の加熱部材の各層に要求される機能である、柔軟性や離型性、耐久性などの特性を損なう場合があった。
また、加熱部材の各層の機能を損なわないレベルで、マイクロ波吸収物質を微量添加した際には、発熱量が少なくなるため、実用的な電力範囲で昇温させるためには長時間が必要となる。その結果、定着装置の立ち上がり時間(ウォームアップタイム)が長くなってしまうため、実用化には課題があった。
そこで、本発明の目的は、より高品位な電子写真の形成に資する、マイクロ波を用いて加熱する方式の加熱部材を備えた定着装置及び電子写真画像形成装置の提供にある。
本発明の一態様によれば、加熱部材と、加圧部材と、マイクロ波発生手段とを有し、該加熱部材と該加圧部材とで形成されるニップを通過させることにより記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、
該加熱部材は、
該マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、
該発熱層は、高分子化合物と炭素繊維とを含有し、
該炭素繊維は、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する定着装置が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体ドラム、該電子写真感光体ドラムを帯電する帯電装置、及び被記録材上に転写されたトナー像を加熱して該トナー像を該被記録材上に定着させる定着装置を具備している電子写真画像形成装置であって、該定着装置が、上記の定着装置である電子写真画像形成装置が提供される。
該加熱部材は、
該マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、
該発熱層は、高分子化合物と炭素繊維とを含有し、
該炭素繊維は、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する定着装置が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、電子写真感光体ドラム、該電子写真感光体ドラムを帯電する帯電装置、及び被記録材上に転写されたトナー像を加熱して該トナー像を該被記録材上に定着させる定着装置を具備している電子写真画像形成装置であって、該定着装置が、上記の定着装置である電子写真画像形成装置が提供される。
本発明によれば、定着装置として必要な発熱量を、より少ない量のマイクロ波吸収物質で得ることが可能となる。そのため、加熱部材の各層に要求される機能である柔軟性や離型性、耐久性などの特性を損なわずに、定着装置の定着可能温度までの立ち上がり時間(所謂、ウォームアップタイム)を短縮できる定着装置を得られる。
また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を効率的に形成することのできる電子写真画像形成装置を得られる。
また、本発明によれば、高品位な電子写真画像を効率的に形成することのできる電子写真画像形成装置を得られる。
本発明者らは、マイクロ波を用いて加熱する方式の加熱部材について、より効率的に発熱させることができる構成について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の炭素繊維をマイクロ波吸収材料として含む発熱層を設けてなる加熱部材が、マイクロ波による優れた発熱性能を有することを見出した。本発明はこのような新たな知見に基づくものである。
本発明に係る定着装置は、加熱部材と、加圧部材と、マイクロ波発生手段とを有し、該加熱部材と該加圧部材とで形成されるニップを通過させることにより記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、該加熱部材は、該マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、該発熱層は、高分子化合物と炭素繊維とを含有し、該炭素繊維は、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する。
上記の特徴を有することで加熱部材が効率的にマイクロ波を吸収し、大きな発熱量を得られることが本発明者らの検討により明らかとなった。このような大きな発熱量を得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
即ち、炭素(カーボン)はそれ自体が適当な抵抗値を有しているため、マイクロ波を照射すると、特にその表面付近でマイクロ波を吸収し、内部に電流を発生させることで抵抗加熱を生じる。この際、前述した形状のような繊維形態の構造を有していることにより、その内部に電流が流れる空間が十分に確保される。また、少ない添加量でも炭素繊維同士が接触するため、この接触点を通じて大きな電流が流れることが可能となる。このため少ない添加量でも効率的な発熱が達成されると考えられる。
一方、炭素(カーボン)が粒子形状の場合には異なった挙動を示すものと推測される。比較的大粒径の炭素粒子であるグラファイトのような粒子を用いた場合には相対的に比表面積が小さくなるため、粒子表面でのマイクロ波の吸収自体が少なくなるため、発熱が起こりにくくなる。また、比較的小粒径であるカーボンブラックのような粒子を用いた場合には比表面積は確保できるものの、個々の粒子の体積が小さすぎるため、粒子内部には電流の流れる空間が確保できない。さらに粒子同士の接触も相対的に起こりづらいため、電流が流れにくく、その結果、十分な発熱が起こりにくくなるものと考えられる。
つまり、少量の添加時においてもマイクロ波による効率的な発熱を実現するには、大きな比表面積を持ちつつも個々の粒子としては十分な体積を有し、更に他の粒子との接触が確保できるような粒子形態を有していることが好ましい。その結果、上述した範囲の平均繊維径及び平均繊維長を有し、かつ、ラマン分光スペクトルにおいて、グラファイト構造に起因する吸収ピークを有する炭素繊維、具体的には、例えば、気相成長法炭素繊維が、発熱効率の向上に資するものと考えられる。
本発明にかかる定着装置について以下に具体的な構成に基づき説明する。
(1)定着装置
電子写真用加熱定着装置は、一対の加熱されたローラとローラ、フィルムとローラ、ベルトとローラ、ベルトとベルト、といった回転体が圧接されており、電子写真画像形成装置全体としてのプロセス速度、大きさ等の条件を勘案して適宜選択される。
電子写真用加熱定着装置は、一対の加熱されたローラとローラ、フィルムとローラ、ベルトとローラ、ベルトとベルト、といった回転体が圧接されており、電子写真画像形成装置全体としてのプロセス速度、大きさ等の条件を勘案して適宜選択される。
特許文献1には種々の定着装置の構成が例示されているが、以下には具体例としてローラ形状の加熱部材を用いた定着装置を説明する。尚、ここで示す定着装置の構成は本発明の一例であり、発明の効果を得るためには本発明の範囲を満足していればよく、この形態に何ら制約されるものではない。
図1は本発明に係る定着装置の模式的断面図である。
定着装置1は、記録材上の画像を定着ニップ部Nにて加熱する回転可能な加熱部材としての定着ローラ10(請求項1の「加熱部材」に対応する構成)と、加圧部材としての回転可能な加圧ローラ20(請求項1の「加圧部材」に対応する構成)とを備えている。
定着ローラ10と加圧ローラ20は、上下に略並行に配列され、且つ端部の加圧バネ(不図示)により圧接されている。これにより、両者間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部(圧接ニップ部)Nを形成させている。
定着ローラ10は、駆動手段(不図示)によって矢印の時計方向に規定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ20は定着ローラ10の回転に従動して回転する。なお、定着ローラ10と加圧ローラ20を別途、回転駆動しても良い。
定着装置1は、記録材上の画像を定着ニップ部Nにて加熱する回転可能な加熱部材としての定着ローラ10(請求項1の「加熱部材」に対応する構成)と、加圧部材としての回転可能な加圧ローラ20(請求項1の「加圧部材」に対応する構成)とを備えている。
定着ローラ10と加圧ローラ20は、上下に略並行に配列され、且つ端部の加圧バネ(不図示)により圧接されている。これにより、両者間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部(圧接ニップ部)Nを形成させている。
定着ローラ10は、駆動手段(不図示)によって矢印の時計方向に規定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ20は定着ローラ10の回転に従動して回転する。なお、定着ローラ10と加圧ローラ20を別途、回転駆動しても良い。
マイクロ波発生装置2(請求項1の「マイクロ波発生手段」に対応する構成)からは定着ローラ10に向けてマイクロ波を発生し、その外側から加熱する。マイクロ波発生装置2は、その内部に備えられたマグネトロンなどのマイクロ波発生源から、300〜1500W、周波数300MHz〜30GHzのマイクロ波を発生させる。尚、出力するマイクロ波の使用可能な周波数範囲は限定されるものではないが、国際電気通信連合により産業医療科学用バンド(所謂ISMバンド)として実用範囲が規定されているため、マイクロ波加熱装置においては2450MHzが広く用いられる。
マイクロ波発生装置2と定着ローラ10は、定着ローラ上に付着した異物やトナーが転移することのないよう、1mm以上の距離を離し、非接触状態で配置される。
定着装置1を構成するマイクロ波発生装置2および定着ローラ10の周囲には、アルミなどの金属からなるマイクロ波反射部材3が設けられる。これにより、マイクロ波発生装置2から発生したマイクロ波が定着装置以外へ漏れるのを防ぎ、また、反射して定着ローラ10の表面へ伝えることができる。マイクロ波反射部材3はマイクロ波を反射できればメッシュ構造をとっても良い。
マイクロ波発生装置2内部には、不図示のマイクロ波拡散用反射部材が備えられ、定着ローラ10の長さ方向全域に(図面に垂直な方向)、均等にマイクロ波が照射できる。
定着ローラ10と加圧ローラ20のローラ部の長さ寸法(図面に垂直な方向)は、定着装置の最大通紙幅よりも大きい。
回転する定着ローラ10は、マイクロ波発生装置2によって加熱されて、定着ニップ部Nにて被記録材P上の未定着トナー画像Tを定着するのに必要、十分な熱量が与えられる。
被記録材P上には、不図示の画像形成部にて未定着トナー画像Tが形成された後、被記録材Pは、定着装置1へ送られ、定着ローラ10と加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部Nへ導入されて挟持搬送される。被記録材Pは、この定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において、定着ローラ10で、ローラ1回転あたりtの時間だけ加熱され、またニップ部圧を受けて、未定着トナー画像Tが被記録材Pに永久固着画像として熱圧定着される。
(2)加熱部材の構成概略
図2A〜図2Cは、本発明に係る定着装置に用いられる、電子写真用加熱部材の一態様を示す概略断面模式図である。図2Aにおいて、10はローラ形状の加熱部材(定着ローラ)である。また、図2Bにおいて、11はベルト形状を有する加熱部材(定着ベルト)である。一般に基材自体が大きく変形することにより、定着ニップを形成して用いられる場合に定着ベルトと呼ばれ、基材自体はほとんど変形せず、弾性層の弾性変形で定着ニップ部を形成する場合に定着ローラと呼ばれる。
図2A及び図2Bにおいて、12は基材、14は弾性層、15は離型層である。離型層15は、弾性層14の周面に接着層(不図示)により固定されている場合がある。
図2A〜図2Cは、本発明に係る定着装置に用いられる、電子写真用加熱部材の一態様を示す概略断面模式図である。図2Aにおいて、10はローラ形状の加熱部材(定着ローラ)である。また、図2Bにおいて、11はベルト形状を有する加熱部材(定着ベルト)である。一般に基材自体が大きく変形することにより、定着ニップを形成して用いられる場合に定着ベルトと呼ばれ、基材自体はほとんど変形せず、弾性層の弾性変形で定着ニップ部を形成する場合に定着ローラと呼ばれる。
図2A及び図2Bにおいて、12は基材、14は弾性層、15は離型層である。離型層15は、弾性層14の周面に接着層(不図示)により固定されている場合がある。
また、図2Cは、本発明の他の態様に係るローラ形状の加熱部材(定着ローラ)10を示し、図2Cにおいて、13は断熱層である。
本発明に係る加熱部材の具体的な構成として、基材、弾性層及び離型層をこの順に有し、該弾性層及び該離型層の少なくとも一方が、高分子化合物と、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有する炭素繊維(以下、単に「炭素繊維」と称することがある)とを有する、マイクロ波によって発熱する発熱層である加熱部材が挙げられる。
図3は、一例として弾性層にマイクロ波吸収物質を配することで発熱層とした、加熱部材の表面付近の層構成を拡大し、断面を模式的に表した図である。図3において14は発熱層としての弾性層であり、14aはベース材としてのシリコーンゴム、14bは無機フィラー、14cはマイクロ波吸収物質としての炭素繊維を示している。これらについては後に詳述する。
以下、加熱部材における各層について説明し、その利用方法について述べる。
(2−1)基材
基材12としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどの金属や合金、セラミックやガラスなどの無機物、ポリイミドやポリアミドイミドなどの耐熱性の高分子化合物が用いられる。
基材12としては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、ニッケルなどの金属や合金、セラミックやガラスなどの無機物、ポリイミドやポリアミドイミドなどの耐熱性の高分子化合物が用いられる。
加熱部材が定着ローラ10のようなローラ形状である場合、基材12には、芯材が用いられる。芯材の材質としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属や合金、セラミックやガラスなどの無機物が挙げられるが、定着ローラの発熱層にマイクロ波を集中させるため、マイクロ波を吸収せず反射率の高い金属が望ましい。このとき芯金の内部が中空状であっても定着装置での加圧に耐える強度を有していれば良い。また、中空状の場合には芯金の内部に補助的な熱源を設けることも可能となる。
加熱部材が、定着ベルト11のようなベルト形状を有する場合には、基材12としては、例えば電鋳ニッケルスリーブやステンレススリーブのような金属や合金、またはポリイミドやポリアミドイミドなどの高分子化合物からなる耐熱樹脂ベルト等が挙げられる。高分子化合物を用いた際には、炭素繊維を分散させて成形することで、基材自体を、マイクロ波によって発熱し得る発熱層として機能させることも可能である。
定着ベルトの内面には耐磨耗性や断熱性などの機能を付与するための層(不図示)が更に設けられることがある。また外面には弾性層との接着性等の機能を付与するための層(不図示)が更に設けられることがある。
(2−2)弾性層、断熱層、およびその製造方法
弾性層14は、定着時にトナーを押しつぶさず、紙の繊維の凹凸に追従する弾性を加熱部材に担持させる層としての機能が期待される。また、弾性層14自体が高い断熱性を有することは、発熱層としての弾性層において発生した熱が基材12に浸透するのを抑制する役割を有する。
弾性層14は、定着時にトナーを押しつぶさず、紙の繊維の凹凸に追従する弾性を加熱部材に担持させる層としての機能が期待される。また、弾性層14自体が高い断熱性を有することは、発熱層としての弾性層において発生した熱が基材12に浸透するのを抑制する役割を有する。
かかる機能を発現させる上で、弾性層14には、耐熱性の高分子化合物が用いられ、特にベース材としてシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムを用いることが好ましい。中でも付加硬化型シリコーンゴムを硬化させたものとすることが好ましい。
(2−2−1)付加硬化型シリコーンゴム
図3において、14aを構成するのが付加硬化型シリコーンゴムである。
一般に、付加硬化型シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、および架橋触媒として白金化合物が含まれている。
図3において、14aを構成するのが付加硬化型シリコーンゴムである。
一般に、付加硬化型シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン、および架橋触媒として白金化合物が含まれている。
不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンの例は以下のものを含む。
・分子両末端が(R1)2R2SiO1/2で表され、中間単位が(R1)2SiOおよびR1R2SiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン;
・中間単位にR1SiO3/2乃至SiO4/2が含まれる分岐状オルガノポリシロキサン。
・分子両末端が(R1)2R2SiO1/2で表され、中間単位が(R1)2SiOおよびR1R2SiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン;
・中間単位にR1SiO3/2乃至SiO4/2が含まれる分岐状オルガノポリシロキサン。
ここでR1はケイ素原子に結合した、脂肪族不飽和基を含まない1価の非置換または置換炭化水素基を表す。具体例は、以下のものを含む。
・アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等);
・アリール基(フェニル基等);
・置換炭化水素基(例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−シアノプロピル基、3−メトキシプロピル基等)。
・アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等);
・アリール基(フェニル基等);
・置換炭化水素基(例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−シアノプロピル基、3−メトキシプロピル基等)。
特に、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、R1の50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのR1がメチル基であることが特に好ましい。
また、R2はケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表しており、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示され、合成や取扱いが容易で、架橋反応も容易に行われることから、ビニル基が好ましい。
また、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる架橋剤である。
ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子の数は、1分子中に平均3個を越える数である。
ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ範囲である非置換または置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成および取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。
ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基としては、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン成分のR1と同じ範囲である非置換または置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成および取扱いが容易なことから、メチル基が好ましい。
ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
また、当該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、好ましくは10mm2/s以上100,000mm2/s以下、さらに好ましくは15mm2/s以上1,000mm2/s以下の範囲である。オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が上記範囲であると、保存中に揮発して所望の架橋度や成形品の物性が得られないということがなく、また合成や取扱いが容易で、系に容易に均一に分散させることができるからである。
シロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでも差支えなく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易なことから、直鎖状のものが好ましい。Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、(R1)2HSiO1/2単位のような分子末端のシロキサン単位に存在することが好ましい。
付加硬化型シリコーンゴムとしては、不飽和脂肪族基の量が、ケイ素原子1モルに対して0.1モル%以上、2.0モル%以下であるものが好ましい。特には、0.2モル%以上、1.0モル%以下である。
(2−2−2)炭素繊維
弾性層14は、加熱部材の発熱性能を付与するために炭素繊維を含む。
弾性層14は、加熱部材の発熱性能を付与するために炭素繊維を含む。
図3において14cが、ここで述べる炭素繊維である。炭素繊維にはPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長法炭素繊維などが一般に知られているが、発熱効率の観点からは、気相成長法炭素繊維を用いることが好ましい。気相成長法炭素繊維は炭化水素と水素を原料とし、加熱炉内において気相で熱分解反応させ、触媒微粒子を核に繊維状に成長させたものである。繊維径、繊維長は原料および触媒の種類・大きさ・組成、反応温度・気圧および時間などによって制御され、反応後、熱処理によって黒鉛構造を更に発達させた炭素繊維が知られている。繊維の径方向は複層構造になっており、グラファイト構造が筒状に積層された形状を有している。
グラファイト構造はラマン分光スペクトルを測定した際に、1570〜1580cm−1付近に非常にシャープな吸収ピークを示すことから、その存在が確認できる。このグラファイト構造は自由電子を有しているため導電性を示し、マイクロ波を吸収した際に電流が流れて発熱することが可能となる。炭素繊維の平均繊維径は80〜150nm程度、平均繊維長は6〜10μm程度のものが好ましい。
ここで、弾性層中に含有される炭素繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、以下の方法により求められるものである。
すなわち、弾性層からカミソリ等を用いて所定量(例えば、10g程度)のサンプルを切り出す。これを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気下、600℃で1時間程度加熱して、弾性層中の樹脂、ゴム等の有機物成分を灰化させて除去する。窒素雰囲気下での焼成では、炭素繊維は分解されず、るつぼ中に残渣成分として残っている。
この残渣成分中の炭素繊維を無作為に1000本選択し、走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−5910V、日本電子株式会社製)を用いて3万倍の倍率で観察し、デジタル画像解析ソフト(商品名:Quick Grain Standard(クイック グレイン スタンダード)、イノテック社製)を用いて、それらの繊維長及び繊維端部における繊維径を測定した。そして、各々の炭素繊維の繊維長及び繊維径の算術平均値を平均繊維長及び平均繊維径とする。
グラファイト構造はラマン分光スペクトルを測定した際に、1570〜1580cm−1付近に非常にシャープな吸収ピークを示すことから、その存在が確認できる。このグラファイト構造は自由電子を有しているため導電性を示し、マイクロ波を吸収した際に電流が流れて発熱することが可能となる。炭素繊維の平均繊維径は80〜150nm程度、平均繊維長は6〜10μm程度のものが好ましい。
ここで、弾性層中に含有される炭素繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、以下の方法により求められるものである。
すなわち、弾性層からカミソリ等を用いて所定量(例えば、10g程度)のサンプルを切り出す。これを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気下、600℃で1時間程度加熱して、弾性層中の樹脂、ゴム等の有機物成分を灰化させて除去する。窒素雰囲気下での焼成では、炭素繊維は分解されず、るつぼ中に残渣成分として残っている。
この残渣成分中の炭素繊維を無作為に1000本選択し、走査型電子顕微鏡(商品名:JSM−5910V、日本電子株式会社製)を用いて3万倍の倍率で観察し、デジタル画像解析ソフト(商品名:Quick Grain Standard(クイック グレイン スタンダード)、イノテック社製)を用いて、それらの繊維長及び繊維端部における繊維径を測定した。そして、各々の炭素繊維の繊維長及び繊維径の算術平均値を平均繊維長及び平均繊維径とする。
気相成長法炭素繊維は繊維長方向に約1200W/(m・K)程度と非常に高い熱伝導率を有し、約1.0×10−4Ω・cm程度の導電性を有するため、弾性層中に熱流路や導電路を形成できる。この効果により、弾性層全体の熱伝導性・導電性を飛躍的に向上させることが可能となる。
弾性層に含まれる炭素繊維の含有量としては、発熱性の観点から、弾性層に対して0.1体積%以上が好ましく、さらには0.5体積%以上が好ましい。一方、多量に含有させると発熱性能は向上するが、炭素繊維の分散性が悪化し均一に発熱させることが困難になるため、その含有量としては弾性層に対して20体積%以下が好ましく、更には10体積%以下が好ましい。炭素繊維の含有量をこのような範囲とすることで均一且つ十分な発熱量を得ることが可能となる。
(2−2−3)無機フィラー
弾性層14には、更に炭素繊維以外の充填剤として無機フィラーが含有されていても良い。一般に加熱部材の伝熱性能の向上、および補強性、耐熱性、加工性、導電性等の機能を付与するために各種の材料が選定可能である。伝熱性能を向上させる目的では具体的には、無機物、特に金属、金属化合物等を挙げることができる。
弾性層14には、更に炭素繊維以外の充填剤として無機フィラーが含有されていても良い。一般に加熱部材の伝熱性能の向上、および補強性、耐熱性、加工性、導電性等の機能を付与するために各種の材料が選定可能である。伝熱性能を向上させる目的では具体的には、無機物、特に金属、金属化合物等を挙げることができる。
伝熱特性を向上させる目的で用いられる無機フィラーの具体例は、以下の例を含む。
炭化ケイ素;窒化ケイ素;窒化ホウ素;窒化アルミニウム;アルミナ;酸化亜鉛;酸化マグネシウム;シリカ;銅;アルミニウム;銀;鉄;ニッケル;金属ケイ素等。
炭化ケイ素;窒化ケイ素;窒化ホウ素;窒化アルミニウム;アルミナ;酸化亜鉛;酸化マグネシウム;シリカ;銅;アルミニウム;銀;鉄;ニッケル;金属ケイ素等。
図3において14bが、無機フィラーである。
これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることもできる。平均粒径は取扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。
ここで、弾性層中の無機フィラーの平均粒径は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000;シスメックス株式会社製)で求めるものとする。
具体的には、弾性層から切り出したサンプルを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気中で1000℃に加熱し、ゴム成分を分解させ除去する。この段階で、るつぼ中には、サンプル中に含まれていた無機充填剤及び気相成長法炭素繊維が存在している。次いで、このるつぼを空気雰囲気下で1000℃に加熱し、気相成長法炭素繊維を燃焼させる。その結果、るつぼ中には、サンプルに含まれていた無機フィラーのみが残る。るつぼ中の無機フィラーを乳鉢と乳棒を用いて1次粒子となるように解砕したのち、これを水に分散させて、試料液を調製する。この試料液を、上記粒子像分析装置に投入し、装置内で撮像セル内に導入し通過させ、無機充填剤を静止画像として撮影する。
平面に投影された無機充填剤の粒子像(以下、「粒子投影像」ともいう)と等しい面積を有する円(以下、「等面積円」ともいう)の直径を、当該粒子像にかかる無機充填剤の直径とする。そして、1000個の無機充填剤の等面積円を求め、それらの算術平均値を、無機充填剤の平均粒径とする。
これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることもできる。平均粒径は取扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。
ここで、弾性層中の無機フィラーの平均粒径は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−3000;シスメックス株式会社製)で求めるものとする。
具体的には、弾性層から切り出したサンプルを磁器製のるつぼに入れ、窒素雰囲気中で1000℃に加熱し、ゴム成分を分解させ除去する。この段階で、るつぼ中には、サンプル中に含まれていた無機充填剤及び気相成長法炭素繊維が存在している。次いで、このるつぼを空気雰囲気下で1000℃に加熱し、気相成長法炭素繊維を燃焼させる。その結果、るつぼ中には、サンプルに含まれていた無機フィラーのみが残る。るつぼ中の無機フィラーを乳鉢と乳棒を用いて1次粒子となるように解砕したのち、これを水に分散させて、試料液を調製する。この試料液を、上記粒子像分析装置に投入し、装置内で撮像セル内に導入し通過させ、無機充填剤を静止画像として撮影する。
平面に投影された無機充填剤の粒子像(以下、「粒子投影像」ともいう)と等しい面積を有する円(以下、「等面積円」ともいう)の直径を、当該粒子像にかかる無機充填剤の直径とする。そして、1000個の無機充填剤の等面積円を求め、それらの算術平均値を、無機充填剤の平均粒径とする。
断熱層13は、ローラ形状の加熱部材の場合に、基材12と弾性層14との間に層として設けてもよい、任意の層である。断熱層は、発熱層としての弾性層において発生した熱が、基材に伝わることを抑制し、弾性層で生じた熱を被記録材及び未定着トナーの加熱により有効に利用させ得る効果を奏する。断熱層には、耐熱性の高分子化合物が用いられ、特にベース材としてシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムを用いることが好ましい。中でも付加硬化型シリコーンゴムを硬化させたものとすることが好ましい。
また、断熱層13を形成するにあたっては、熱伝導率を低減させる目的で先に述べたシリコーンゴムなどのベース材の中に、ガラスや樹脂で形成された中空状のマイクロバルーンをフィラーとして配合して成形することで、ベース材単独で用いた際に比べて低熱伝導率の弾性層を形成することが可能である。また、吸水性ポリマーが含有されたシリコーンゴム層、シリコーンゴムを水素発泡させたスポンジゴム層を用いても同様の効果が期待できる。断熱層は熱伝導性が低ければソリッドゴム層でもその目的は達成可能である。
また、断熱層13を形成するにあたっては、熱伝導率を低減させる目的で先に述べたシリコーンゴムなどのベース材の中に、ガラスや樹脂で形成された中空状のマイクロバルーンをフィラーとして配合して成形することで、ベース材単独で用いた際に比べて低熱伝導率の弾性層を形成することが可能である。また、吸水性ポリマーが含有されたシリコーンゴム層、シリコーンゴムを水素発泡させたスポンジゴム層を用いても同様の効果が期待できる。断熱層は熱伝導性が低ければソリッドゴム層でもその目的は達成可能である。
(2−2−4)弾性層の製造方法
弾性層は金型成型法や、ブレードコート法、ノズルコート法、リングコート法等の加工法が、特開2001−62380号公報や特開2002−213432号公報等において広く知られている。これらの方法により基材または断熱層の上に担持された混和物を加熱・架橋することで弾性層を形成することができる。
弾性層は金型成型法や、ブレードコート法、ノズルコート法、リングコート法等の加工法が、特開2001−62380号公報や特開2002−213432号公報等において広く知られている。これらの方法により基材または断熱層の上に担持された混和物を加熱・架橋することで弾性層を形成することができる。
図4は基材12または断熱層13上に弾性層14を形成する工程の一例であり、所謂リングコート法を用いる方法を説明するための模式図である。
未架橋状態のベース材(本例では付加硬化型シリコーンゴム)中にフィラーをそれぞれ計量配合し、遊星式万能混合機等を用いて、十分に混合・脱泡された弾性層の原料混和物を、シリンダポンプ16に充填し、圧送することで塗布液供給ノズル17を経て塗工ヘッド18から基材12または断熱層13の周面に塗布する。
塗布と同時に基材12を図面右方向に所定の速度で移動させることで、原料混和物の塗膜(未架橋弾性層塗膜)19を基材12または断熱層13の周面に形成することができる。
塗布と同時に基材12を図面右方向に所定の速度で移動させることで、原料混和物の塗膜(未架橋弾性層塗膜)19を基材12または断熱層13の周面に形成することができる。
該塗膜の厚みは、塗工ヘッド18と基材12または断熱層13とのクリアランス、原料混和物の供給速度、基材12の移動速度、などによって制御することができる。
基材12または断熱層13上に形成された原料混和物の塗膜19は、電気炉などの加熱手段によって一定時間加熱して、架橋反応を進行させることにより、弾性層14とすることができる。
(2−3)離型層
離型層15としては、耐熱性の高分子化合物として、主にフッ素樹脂、例えば、以下に例示列挙する樹脂が用いられる。
・テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等。
上記例示列挙した材料中、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好ましい。
離型層15としては、耐熱性の高分子化合物として、主にフッ素樹脂、例えば、以下に例示列挙する樹脂が用いられる。
・テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等。
上記例示列挙した材料中、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好ましい。
形成手段としては、特に限定されないが、チューブ状に成形したものを被覆する方法や、フッ素樹脂の微粒子を直接、乃至は、溶媒中に分散塗料化されたものを弾性層表面にコーティング後、乾燥・溶融し焼き付ける方法などが知られている。
フッ素樹脂離型層の厚みは、10μm以上50μm以下、更には30μm以下とするのが好ましく、弾性層の10%以下の厚みに設計することが好ましい。積層した際に弾性層の柔軟性を維持し、加熱部材としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できるからである。
離型層の成型時に樹脂材料中に先に述べた炭素繊維を含有させることによっても、弾性層の場合と同様のマイクロ波による発熱効果を得ることが可能である。
(2−4)
本発明に係る定着部材の他の実施態様として、基材、弾性層及び離型層をこの順に有し、該離型層が、本発明に係る発熱層である構成について説明する。
本発明に係る定着部材の他の実施態様として、基材、弾性層及び離型層をこの順に有し、該離型層が、本発明に係る発熱層である構成について説明する。
本態様において、基材については、上記(2−1)の記載を援用する。
また、本実施態様において、弾性層を、離型層とともに発熱層としてもよく、発熱層としての弾性層の構成、材料及び製造方法については、上記(2−2−1)〜(2−2−4)に記載した通りである。
一方、発熱層でない弾性層の具体例としては、上記(2−2−1)に記載の付加硬化型シリコーンゴムの硬化物を含み、上記(2−2−2)に記載の炭素繊維を含まない層が挙げられる。
かかる弾性層に対しては、上記(2−2−3)に記載の無機フィラーを含有させることができる。また、かかる弾性層は、熱伝導率を低減させる目的で先に述べたシリコーンゴムなどのベース材の中に、ガラスや樹脂で形成された中空状のマイクロバルーンをフィラーとして配合して成形することで、ベース材単独で用いた際に比べて低熱伝導率の弾性層を形成することが可能である。また、吸水性ポリマーが含有されたシリコーンゴム層、シリコーンゴムを水素発泡させたスポンジゴム層を用いても同様の効果が期待できる。また、熱伝導性が低ければソリッドゴム層であってもよい。
かかる弾性層の製造方法としては、上記(2−2−4)に記載した方法によって製造することができる。
また、本実施態様において、弾性層を、離型層とともに発熱層としてもよく、発熱層としての弾性層の構成、材料及び製造方法については、上記(2−2−1)〜(2−2−4)に記載した通りである。
一方、発熱層でない弾性層の具体例としては、上記(2−2−1)に記載の付加硬化型シリコーンゴムの硬化物を含み、上記(2−2−2)に記載の炭素繊維を含まない層が挙げられる。
かかる弾性層に対しては、上記(2−2−3)に記載の無機フィラーを含有させることができる。また、かかる弾性層は、熱伝導率を低減させる目的で先に述べたシリコーンゴムなどのベース材の中に、ガラスや樹脂で形成された中空状のマイクロバルーンをフィラーとして配合して成形することで、ベース材単独で用いた際に比べて低熱伝導率の弾性層を形成することが可能である。また、吸水性ポリマーが含有されたシリコーンゴム層、シリコーンゴムを水素発泡させたスポンジゴム層を用いても同様の効果が期待できる。また、熱伝導性が低ければソリッドゴム層であってもよい。
かかる弾性層の製造方法としては、上記(2−2−4)に記載した方法によって製造することができる。
(2−4−1)
図5において、14は弾性層、15が発熱層としての離型層である。図5中、15aは耐熱性の高分子化合物、例えば、フッ素樹脂であり、15bが炭素繊維である。
図5において、14は弾性層、15が発熱層としての離型層である。図5中、15aは耐熱性の高分子化合物、例えば、フッ素樹脂であり、15bが炭素繊維である。
フッ素樹脂の具体例としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。
炭素繊維15bの説明は、上記(2−2−2)の記載を援用する。
離型層に含まれる炭素繊維の含有量としては、発熱性の観点から、離型層に対して0.5体積%以上が好ましく、さらには1.0体積%以上が好ましい。一方、多量に含有させると発熱性能は向上するが、フッ素樹脂の割合が減り、トナー離型性が低下するため、その含有量としては離型層に対して30体積%以下が好ましく、更には20体積%以下が好ましい。炭素繊維の含有量をこのような範囲とすることでトナー離型性を維持しつつ、且つ十分な発熱量を得ることが可能となる。
離型層に含まれる炭素繊維の含有量としては、発熱性の観点から、離型層に対して0.5体積%以上が好ましく、さらには1.0体積%以上が好ましい。一方、多量に含有させると発熱性能は向上するが、フッ素樹脂の割合が減り、トナー離型性が低下するため、その含有量としては離型層に対して30体積%以下が好ましく、更には20体積%以下が好ましい。炭素繊維の含有量をこのような範囲とすることでトナー離型性を維持しつつ、且つ十分な発熱量を得ることが可能となる。
(2−4−2)発熱層としての離型層の製造方法
発熱層としての離型層の製造方法としては、下記i)〜iii)が挙げられる
i)炭素繊維を含有するフッ素樹脂をチューブ状に成形したもので弾性層を被覆する方法、ii)炭素繊維を含有するフッ素樹脂の微粒子を直接弾性層の表面に付着させ、溶融させて薄膜化する方法、
iii)炭素繊維を含有するフッ素樹脂を分散及び/又は溶解させ、かつ、炭素繊維を分散させてなる塗料の塗膜を弾性層の表面に形成し、該塗膜を乾燥させ、フッ素樹脂を溶融させる方法。
発熱層としての離型層の製造方法としては、下記i)〜iii)が挙げられる
i)炭素繊維を含有するフッ素樹脂をチューブ状に成形したもので弾性層を被覆する方法、ii)炭素繊維を含有するフッ素樹脂の微粒子を直接弾性層の表面に付着させ、溶融させて薄膜化する方法、
iii)炭素繊維を含有するフッ素樹脂を分散及び/又は溶解させ、かつ、炭素繊維を分散させてなる塗料の塗膜を弾性層の表面に形成し、該塗膜を乾燥させ、フッ素樹脂を溶融させる方法。
フッ素樹脂離型層の厚みは、10μm以上100μm以下、更には70μm以下とすることが好ましい。フッ素樹脂離型層の厚みが上記範囲であると、加熱部材としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できる。
(2−5)
本発明に係る定着部材の更に他の実施態様として、基材、弾性層、中間層及び離型層をこの順に有し、該中間層が、本発明に係る発熱層である構成について説明する。
図7は、本実施態様に係る定着装置の模式的断面図である。図1と同一の部材に対しては同一の図番を付す。
図7において、定着装置1は、記録材上の画像を定着ニップ部Nにて加熱する回転可能な加熱部材としての定着ベルトFと、加圧部材としての回転可能な加圧ローラ20とを備えている。
定着ベルトFと加圧ローラ20は、上下に略並行に配列され、且つ端部の加圧バネ(不図示)により圧接されている。これにより、両者間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部(圧接ニップ部)Nを形成させている。
定着ベルトFは、駆動手段(不図示)によって矢印の時計方向に規定の周速度で回転駆動される。定着ベルトFは加圧ローラ20の回転に従動して回転する。なお、定着ベルトFと加圧ローラ20を別途、回転駆動しても良い。
本発明に係る定着部材の更に他の実施態様として、基材、弾性層、中間層及び離型層をこの順に有し、該中間層が、本発明に係る発熱層である構成について説明する。
図7は、本実施態様に係る定着装置の模式的断面図である。図1と同一の部材に対しては同一の図番を付す。
図7において、定着装置1は、記録材上の画像を定着ニップ部Nにて加熱する回転可能な加熱部材としての定着ベルトFと、加圧部材としての回転可能な加圧ローラ20とを備えている。
定着ベルトFと加圧ローラ20は、上下に略並行に配列され、且つ端部の加圧バネ(不図示)により圧接されている。これにより、両者間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部(圧接ニップ部)Nを形成させている。
定着ベルトFは、駆動手段(不図示)によって矢印の時計方向に規定の周速度で回転駆動される。定着ベルトFは加圧ローラ20の回転に従動して回転する。なお、定着ベルトFと加圧ローラ20を別途、回転駆動しても良い。
マイクロ波発生装置2(請求項1の「マイクロ波発生手段」に対応する構成)からは定着ベルトFに向けてマイクロ波を発生し、その外側から加熱する。マイクロ波発生装置2は、その内部に備えられたマグネトロンなどのマイクロ波発生源から、300〜1500W、周波数300MHz〜30GHzのマイクロ波を発生させる。尚、出力するマイクロ波の使用可能な周波数範囲は限定されるものではないが、国際電気通信連合により産業医療科学用バンド(所謂ISMバンド)として実用範囲が規定されているため、マイクロ波加熱装置においては2450MHzが広く用いられる。
マイクロ波発生装置2と定着ベルトFは、定着ベルト上に付着した異物やトナーが転移することのないよう、1mm以上の距離を離し、非接触状態で配置される。
定着装置1を構成するマイクロ波発生装置2および定着ベルトFの周囲には、アルミなどの金属からなるマイクロ波反射部材3が設けられる。これにより、マイクロ波発生装置2から発生したマイクロ波が定着装置以外へ漏れるのを防ぎ、また、反射して定着ベルトFの表面へ伝えることができる。マイクロ波反射部材3はマイクロ波を反射できればメッシュ構造をとっても良い。
マイクロ波発生装置2の内部には、不図示のマイクロ波拡散用反射部材が備えられ、定着ベルトFの長さ方向全域に(図面に垂直な方向)、均等にマイクロ波が照射できる。
定着ベルトFと加圧ローラ20の長さ寸法(図面に垂直な方向)は、定着装置の最大通紙幅よりも大きい。
回転する定着ベルトFは、マイクロ波発生装置2によって、外側から加熱されて、定着ニップ部Nにて被記録材P上の未定着トナー画像Tを定着するのに必要、十分な熱量が与えられる。
被記録材P上には、不図示の画像形成部にて未定着トナー画像Tが形成された後、被記録材Pは、定着装置1へ送られ、定着ベルトFと加圧ローラ20とで形成される定着ニップ部Nへ導入されて挟持搬送される。被記録材Pは、この定着ニップ部Nを挟持搬送されていく過程において、定着ベルトFで、ベルト1回転あたりtの時間だけ加熱され、またニップ部圧を受けて、未定着トナー画像Tが被記録材Pに永久固着画像として熱圧定着される。
(2−5−1)加熱部材の概略の構成;
図10A及び図10Bは、本実施態様に係る定着装置に用いられる、電子写真用加熱部材の一態様を示す概略断面模式図である。図10Aにおいて、Fはベルト形状を有する加熱部材(定着ベルト)を示している。また、図10Bにおいて、Frは、定着ローラを示している。
図10A及び図10Bにおいて、Fbは基材、Fcはプライマー層、Fdは断熱層、Feは弾性層、Fgは接着層(請求項6の「中間層」に対応する構成)、Fjは離型層である。ここで、本実施例ではマイクロ波の照射により発熱する中間層が、弾性層と離型層とを接着させる接着層を兼ねている。しかし、本発明の範囲はこの形態のみに限定されるものではなく、中間層が接着層としての機能を有していなくても、マイクロ波照射により発熱する発熱層としての機能を有していれば本発明に含まれる。
図11は、中間層としての接着層にマイクロ波吸収物質(請求項1の「炭素繊維」に対応する構成)を配することで発熱層とした、加熱部材の表面付近の層構成を拡大し、断面を模式的に表した図である。図11においてFgは発熱層としての接着層、Fhはベース材としての付加硬化型シリコーンゴム接着剤、Fiはマイクロ波吸収物質としての炭素繊維を示している。断熱層Fdは、発熱層としての中間層(接着層)Fgで生じた熱が、基材Fbに伝わることを抑制し、当該熱を被記録材及び未定着トナーに効率的に伝わるようにするために、基材Fbと弾性層Feとの間に設けてもよい任意の層である。
図10A及び図10Bは、本実施態様に係る定着装置に用いられる、電子写真用加熱部材の一態様を示す概略断面模式図である。図10Aにおいて、Fはベルト形状を有する加熱部材(定着ベルト)を示している。また、図10Bにおいて、Frは、定着ローラを示している。
図10A及び図10Bにおいて、Fbは基材、Fcはプライマー層、Fdは断熱層、Feは弾性層、Fgは接着層(請求項6の「中間層」に対応する構成)、Fjは離型層である。ここで、本実施例ではマイクロ波の照射により発熱する中間層が、弾性層と離型層とを接着させる接着層を兼ねている。しかし、本発明の範囲はこの形態のみに限定されるものではなく、中間層が接着層としての機能を有していなくても、マイクロ波照射により発熱する発熱層としての機能を有していれば本発明に含まれる。
図11は、中間層としての接着層にマイクロ波吸収物質(請求項1の「炭素繊維」に対応する構成)を配することで発熱層とした、加熱部材の表面付近の層構成を拡大し、断面を模式的に表した図である。図11においてFgは発熱層としての接着層、Fhはベース材としての付加硬化型シリコーンゴム接着剤、Fiはマイクロ波吸収物質としての炭素繊維を示している。断熱層Fdは、発熱層としての中間層(接着層)Fgで生じた熱が、基材Fbに伝わることを抑制し、当該熱を被記録材及び未定着トナーに効率的に伝わるようにするために、基材Fbと弾性層Feとの間に設けてもよい任意の層である。
(2−5−2)基材
定着部材が、本実施態様に係る定着ベルトFのようなベルト形状を有する場合には、基材Fbとしては、例えば電鋳ニッケルスリーブやステンレススリーブのような金属や合金、またはポリイミドやポリアミドイミドなどの高分子化合物からなる耐熱樹脂ベルト等が挙げられる。高分子化合物を用いた際には、炭素繊維を分散させて成形することで、基材自体をマイクロ波によって発熱させることも可能となる。
また、定着ベルトの内面には耐磨耗性や断熱性などの機能を付与するために、内面コート層Faを更に設けてもよい。
定着部材が、本実施態様に係る定着ベルトFのようなベルト形状を有する場合には、基材Fbとしては、例えば電鋳ニッケルスリーブやステンレススリーブのような金属や合金、またはポリイミドやポリアミドイミドなどの高分子化合物からなる耐熱樹脂ベルト等が挙げられる。高分子化合物を用いた際には、炭素繊維を分散させて成形することで、基材自体をマイクロ波によって発熱させることも可能となる。
また、定着ベルトの内面には耐磨耗性や断熱性などの機能を付与するために、内面コート層Faを更に設けてもよい。
(2−5−3)弾性層及びその製造方法
弾性層Feは、定着時にトナーを押しつぶさず、紙の繊維の凹凸に追従する弾性を加熱部材に担持させる層としての機能が期待される。また、ローラ形状の加熱部材の構成の場合には断熱層Fdを設けることがあり、弾性層Feで発生した熱が基材Fbに浸透するのを抑制する機能を有する。
かかる機能を発現させる上で、弾性層Feおよび断熱層Fdには、耐熱性の高分子化合物が用いられ、特に弾性層Feのベース材としてシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムを用いることが好ましい。中でも付加硬化型シリコーンゴムを硬化させたものとすることが好ましい。付加硬化型シリコーンゴムについては、上記(2−2−1)の記載を援用する。また、基材Fbまたは基材Fb上に形成した断熱層Fdの周面に、このような弾性層を形成する方法については、上記(2−2−4)の記載を援用する。
弾性層Feは、定着時にトナーを押しつぶさず、紙の繊維の凹凸に追従する弾性を加熱部材に担持させる層としての機能が期待される。また、ローラ形状の加熱部材の構成の場合には断熱層Fdを設けることがあり、弾性層Feで発生した熱が基材Fbに浸透するのを抑制する機能を有する。
かかる機能を発現させる上で、弾性層Feおよび断熱層Fdには、耐熱性の高分子化合物が用いられ、特に弾性層Feのベース材としてシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムを用いることが好ましい。中でも付加硬化型シリコーンゴムを硬化させたものとすることが好ましい。付加硬化型シリコーンゴムについては、上記(2−2−1)の記載を援用する。また、基材Fbまたは基材Fb上に形成した断熱層Fdの周面に、このような弾性層を形成する方法については、上記(2−2−4)の記載を援用する。
(2−5−4)中間層(接着層)
弾性層Feであるところの硬化シリコーンゴム弾性層上にフッ素チューブを固定する接着層(中間層)Fgは、弾性層Feの表面に、好ましくは15μm以下の厚みで均一に塗布した付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物からなっている。そして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。
弾性層Feであるところの硬化シリコーンゴム弾性層上にフッ素チューブを固定する接着層(中間層)Fgは、弾性層Feの表面に、好ましくは15μm以下の厚みで均一に塗布した付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物からなっている。そして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。
具体的には、付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、ビニル基に代表される不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンと、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび架橋触媒としての白金化合物を含有する。そして、付加反応により硬化する。このような接着剤としては、既知のものを使用することができる。例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:DOW CORNING(R) SE 1819 CV A/B、東レ・ダウコーニング社製)を使用することができる。
そして、接着層Fgは、発熱層としての機能を発現するために、炭素繊維を含有する。
図11において、Fiが、ここで述べる炭素繊維である。炭素繊維については、上記(2−2−2)の記載を援用する。
接着層に含まれる炭素繊維の含有量としては、発熱性の観点から、接着層に対して1.0体積%以上が好ましく、さらには5.0体積%以上が好ましい。炭素繊維の含有量をこのような範囲とすることで均一且つ十分な発熱量を得ることが可能となる。
図11において、Fiが、ここで述べる炭素繊維である。炭素繊維については、上記(2−2−2)の記載を援用する。
接着層に含まれる炭素繊維の含有量としては、発熱性の観点から、接着層に対して1.0体積%以上が好ましく、さらには5.0体積%以上が好ましい。炭素繊維の含有量をこのような範囲とすることで均一且つ十分な発熱量を得ることが可能となる。
(2−5−5)離型層およびその製造方法
離型層Fjとしては、成形性やトナー離型性の観点から押し出し成形によるフッ素樹脂チューブが使用される。フッ素樹脂チューブの原材料としてのフッ素樹脂としては、例えば、以下に例示列挙する樹脂が用いられる。
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等。これらの中でも、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好適に用いられる。
離型層Fjとしては、成形性やトナー離型性の観点から押し出し成形によるフッ素樹脂チューブが使用される。フッ素樹脂チューブの原材料としてのフッ素樹脂としては、例えば、以下に例示列挙する樹脂が用いられる。
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等。これらの中でも、成形性やトナー離型性の観点からPFAが好適に用いられる。
フッ素樹脂チューブの厚みは、50μm以下とするのが好ましい。フッ素樹脂チューブの厚みが上記範囲であると、積層した際に下層のシリコーンゴム弾性層の弾性を維持し、定着部材としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できる。フッ素樹脂チューブの内面は、予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理などを施すことで、接着性を向上させることができる。
フッ素樹脂チューブを弾性層上に固定する方法として、フッ素樹脂チューブを外側から拡張し、被覆する方法(拡張被覆法)がある。
図12は、拡張被覆法でフッ素樹脂チューブをシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材に被覆するときの工程概略図である。中子(不図示)にシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材をセットし、チューブ拡張型K内面に配置したフッ素樹脂チューブを被覆する。
拡張被覆法の流れについて図12を用いて説明する。弾性層Feとしてシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbの外径より大きな内径を有する金属製チューブ拡張型Kにフッ素樹脂チューブFjを配置、フッ素樹脂チューブFjの両端を保持部材Kuと保持部材Kiを用いて保持する。次に、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面の隙間部分を真空状態(大気圧に対して負圧)にする。真空(5kPa)になったことでフッ素樹脂チューブFjが拡張し、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面を密着させる。ここに、シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbを挿入する。シリコーンゴム弾性層表面には予め、付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgが均一に塗布されている。
ここで接着剤塗布についてはリングコート法(不図示)などを用いることができる。金属製チューブ拡張型Kの内径はこの円筒状基材Fbの挿入がスムーズに行われる範囲であれば特に限定するものではない。シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbが拡張したフッ素樹脂チューブFj内に配置後、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面の隙間部分の真空状態(大気圧に対して負圧)を破壊(大気圧に対して負圧を解除)する。真空が破壊されることで、フッ素樹脂チューブFjは、シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbの外径と同じ大きさまで拡径が解かれ、フッ素樹脂チューブFjとシリコーンゴム弾性層表面は密着された状態にする。次に、フッ素樹脂チューブFjを所定の伸張率まで伸張する。フッ素樹脂チューブFjが伸張される際、フッ素樹脂チューブFjとシリコーンゴム弾性層Feの間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgが潤滑剤の役目を果たし、スムーズに伸張することができる。
図12は、拡張被覆法でフッ素樹脂チューブをシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材に被覆するときの工程概略図である。中子(不図示)にシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材をセットし、チューブ拡張型K内面に配置したフッ素樹脂チューブを被覆する。
拡張被覆法の流れについて図12を用いて説明する。弾性層Feとしてシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbの外径より大きな内径を有する金属製チューブ拡張型Kにフッ素樹脂チューブFjを配置、フッ素樹脂チューブFjの両端を保持部材Kuと保持部材Kiを用いて保持する。次に、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面の隙間部分を真空状態(大気圧に対して負圧)にする。真空(5kPa)になったことでフッ素樹脂チューブFjが拡張し、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面を密着させる。ここに、シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbを挿入する。シリコーンゴム弾性層表面には予め、付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgが均一に塗布されている。
ここで接着剤塗布についてはリングコート法(不図示)などを用いることができる。金属製チューブ拡張型Kの内径はこの円筒状基材Fbの挿入がスムーズに行われる範囲であれば特に限定するものではない。シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbが拡張したフッ素樹脂チューブFj内に配置後、フッ素樹脂チューブFj外表面と拡張型K内面の隙間部分の真空状態(大気圧に対して負圧)を破壊(大気圧に対して負圧を解除)する。真空が破壊されることで、フッ素樹脂チューブFjは、シリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbの外径と同じ大きさまで拡径が解かれ、フッ素樹脂チューブFjとシリコーンゴム弾性層表面は密着された状態にする。次に、フッ素樹脂チューブFjを所定の伸張率まで伸張する。フッ素樹脂チューブFjが伸張される際、フッ素樹脂チューブFjとシリコーンゴム弾性層Feの間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgが潤滑剤の役目を果たし、スムーズに伸張することができる。
フッ素樹脂チューブFjは長手方向に、例えば、8%程度伸張させてシリコーンゴム弾性層の積層された円筒状基材Fbに被覆しているため、フッ素樹脂チューブFjには元の長さに戻ろうとする力が働いている。そこで、フッ素樹脂チューブFjの伸張を維持するため、弾性層Feとフッ素樹脂チューブFjの両端部を接着させるためにフッ素樹脂チューブの外側からヒーターを内蔵した金属塊Mなどで弾性層Feおよびフッ素樹脂チューブFjを押圧加熱する。押圧加熱時の金属塊Mの温度は200℃、押圧加熱時間は20秒とした。接着させる両端部は、弾性層Feにフッ素樹脂チューブFjが被覆されている両側の端から中心部に向かって約50mm以内であり後工程によって切断される部分である。
弾性層Feとフッ素樹脂チューブFjの間には、接着に寄与しない余剰な付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgと、被覆時にフッ素樹脂チューブFj内面側に巻き込んでしまった空気が存在する。そのため、この余剰な接着剤と空気を扱き出すための扱き工程が必要である。フッ素樹脂チューブFjが被覆されている円筒状基材Fbの外径より僅かに大きい内径をもつエアー噴出リングRで、フッ素樹脂チューブFjが被覆されている円筒状基材Fbの上端部よりフッ素樹脂チューブFj表面へエアー(エアー圧0.5MPa)をフッ素樹脂チューブFjの周方向と垂直の方向に噴出させながらフッ素樹脂チューブFjの長手方向へ移動させる。これにより、弾性層Feとフッ素樹脂チューブFjの間にある接着に寄与しない余剰な付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgと、被覆時に巻き込んでしまった空気を扱き出す。
扱き方法としては、エアー圧を利用した方法の他にも、液体や半固体を噴出させた方法でもよい。また、フッ素樹脂チューブFjが被覆されている円筒状基材Fbの外径より小さな径をもつ伸縮するリングを用いて扱いてもよい。
扱き工程後、加熱処理(電気炉で200℃、30分加熱)を行うことで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgを硬化させ、フッ素樹脂チューブFjと弾性層Feを全域にわたって固定させる。そして、加熱処理後、自然冷却をしたのち、両側を所定の長さで切断してから研磨し、定着ベルトFを完成させる。
扱き方法としては、エアー圧を利用した方法の他にも、液体や半固体を噴出させた方法でもよい。また、フッ素樹脂チューブFjが被覆されている円筒状基材Fbの外径より小さな径をもつ伸縮するリングを用いて扱いてもよい。
扱き工程後、加熱処理(電気炉で200℃、30分加熱)を行うことで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤Fgを硬化させ、フッ素樹脂チューブFjと弾性層Feを全域にわたって固定させる。そして、加熱処理後、自然冷却をしたのち、両側を所定の長さで切断してから研磨し、定着ベルトFを完成させる。
(3)加圧ローラ
図1に示すように、加圧ローラ20は、アルミや鉄製、SUM材等よりなる芯材21の外側に、弾性層22、および、最表層に離型層23を形成したものである。
加圧ローラ20は、定着ローラ10との接触加圧により定着ニップ部Nを形成する。
図1に示すように、加圧ローラ20は、アルミや鉄製、SUM材等よりなる芯材21の外側に、弾性層22、および、最表層に離型層23を形成したものである。
加圧ローラ20は、定着ローラ10との接触加圧により定着ニップ部Nを形成する。
弾性層22は、定着ローラ10の弾性層14や断熱層13と同様に、シリコーンゴムなどに、マイクロバルーンなどの中空フィラーなどを配合したバルーンゴム層が望ましい。または、吸水性ポリマーが含有されたシリコーンゴム層、シリコーンゴムを水素発泡させたスポンジゴム層が望ましい。熱伝導性が低ければソリッドゴム層でも良い。
加圧ローラ20は、芯金21が低熱容量であれば、中空の芯金21の外側に直接、離型層23を形成して成る剛体の円筒部材でも良い。定着ローラ10に弾性層14があるため、加圧ローラ20は弾性体でなくても定着ニップ部Nを形成することができる。
(4)駆動説明
以上の構成で、定着ローラ10が回転駆動され、また加圧ローラ20が従動回転した状態で、マイクロ波発生装置2へ通電を開始する。
以上の構成で、定着ローラ10が回転駆動され、また加圧ローラ20が従動回転した状態で、マイクロ波発生装置2へ通電を開始する。
図6に、マイクロ波発生装置2と通信制御手段30を示す。
マイクロ波発生装置2から出力されたマイクロ波は、直接、または、マイクロ波反射部材3に反射して、定着ローラ10表面に照射され、マイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に吸収されて熱に変わり発熱する。吸収しきれなかったマイクロ波は、内部に向かって透過し、定着ローラの基材12で反射し、再びマイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に当たって吸収発熱される。マイクロ波のエネルギーを、定着ローラ10表面近傍のみに設けられたマイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に吸収させ、発熱させることにより、余分な内部の温度上昇にエネルギーを使わずにすみ、定着ローラ10の表面温度を急速に上昇させることができる。
マイクロ波発生装置2から出力されたマイクロ波は、直接、または、マイクロ波反射部材3に反射して、定着ローラ10表面に照射され、マイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に吸収されて熱に変わり発熱する。吸収しきれなかったマイクロ波は、内部に向かって透過し、定着ローラの基材12で反射し、再びマイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に当たって吸収発熱される。マイクロ波のエネルギーを、定着ローラ10表面近傍のみに設けられたマイクロ波吸収層である弾性層14乃至離型層15に吸収させ、発熱させることにより、余分な内部の温度上昇にエネルギーを使わずにすみ、定着ローラ10の表面温度を急速に上昇させることができる。
マイクロ波は、マイクロ波発生装置2内の不図示のマグネトロンによって発生し直接、またはマイクロ波発生装置2内に設けられた不図示のマイクロ波反射板によって反射して、定着ローラ10の長手方向に均等に照射される。
定着ローラ10の表面温度を被記録材P上の未定着トナー画像Tの加熱定着に必要な温度まで立ち上げる。加熱定着に必要な温度は、未定着トナー画像Tの材質や載り量、被記録材Pの材質や厚み、加熱部材の駆動速度および加圧力、定着ニップ幅Wなどによって適宜設定される。一般的には100℃から250℃、好ましくは150℃から200℃程度に設定される。電力を投入してから加熱部材の表面が、この設定温度にまで達する時間、即ち定着可能となるまでの時間をウォームアップタイムと呼び、本発明の構成とすることでウォームアップタイムの短縮が可能となる。
マイクロ波発生装置2の電力は、電源7から定着ローラ近傍に配置されたサーモスイッチなどの安全素子4を介して制御装置(制御回路)6から供給される。マイクロ波発生装置2の出力は、制御回路6によってON/OFF制御、乃至電力量の制御がなされる。
安全素子4は、マイクロ波を遮断する保護管などによってマイクロ波からはシールドされ、定着ローラ表面近傍に非接触で配置されている。そして、定着ローラ表面が異常に高温になった場合に作動して、制御回路6およびマイクロ波発生装置2への電力を遮断する。
定着ローラ表面の温度は、温度検知素子5によって検知する。温度検知素子は接触、乃至非接触の方法で表面の温度を制御回路6にフィードバックする。
制御回路6は、温度検知素子5の検知温度に応じてマイクロ波出力を制御する。定着ローラ10温度が目標温度に到達したら、制御装置6にて、マイクロ波の出力をしぼり、また目標温度より所定の温度低くなったら、再びマイクロ波の出力を上げることで、定着ローラ10表面を所定の温度となるよう制御する。
定着ローラ10表面を所定温度に保った状態で、定着ニップ部Nに未定着トナー画像Tが形成された被記録材Pを通過させることにより、被記録材P上の未定着トナー画像Tを加熱定着して固着画像とする。
(5)電子写真画像形成装置
電子写真画像形成装置の全体構成について概略説明する。図8は本実施の形態に係るカラーレーザープリンタの概略断面図である。
図8に示したカラーレーザープリンタ(以下「プリンタ」と称す)60は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)が色ごとに設けられ、一定速度で回転する、電子写真感光体ドラム(以下「感光体ドラム」と称す)を具備する画像形成部を有する。また、画像形成部で現像され多重転写されたカラー画像を保持し、給送部から給送された被記録材Pにさらに転写する中間転写体58を有する。
電子写真画像形成装置の全体構成について概略説明する。図8は本実施の形態に係るカラーレーザープリンタの概略断面図である。
図8に示したカラーレーザープリンタ(以下「プリンタ」と称す)60は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)が色ごとに設けられ、一定速度で回転する、電子写真感光体ドラム(以下「感光体ドラム」と称す)を具備する画像形成部を有する。また、画像形成部で現像され多重転写されたカラー画像を保持し、給送部から給送された被記録材Pにさらに転写する中間転写体58を有する。
感光体ドラム59(59Y,59M,59C,59K)は、駆動手段(不図示)によって、図8に示すように反時計回りに回転駆動される。
感光体ドラム59の周囲には、その回転方向にしたがって順に、感光体ドラム59表面を均一に帯電する帯電装置41(41Y,41M,41C,41K)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム59上に静電潜像を形成するスキャナユニット42(42Y,42M,42C,42K)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像ユニット43(43Y,43M,43C,43K)、感光体ドラム59上のトナー像を一次転写部T1で中間転写体58に転写させる一次転写ローラ44(44Y,44M,44C,44K)、転写後の感光体ドラム59表面に残った転写残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニングユニット45(45Y,45M,45C,45K)が配置されている。
感光体ドラム59の周囲には、その回転方向にしたがって順に、感光体ドラム59表面を均一に帯電する帯電装置41(41Y,41M,41C,41K)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し、感光体ドラム59上に静電潜像を形成するスキャナユニット42(42Y,42M,42C,42K)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像ユニット43(43Y,43M,43C,43K)、感光体ドラム59上のトナー像を一次転写部T1で中間転写体58に転写させる一次転写ローラ44(44Y,44M,44C,44K)、転写後の感光体ドラム59表面に残った転写残トナーを除去するクリーニングブレードを有するクリーニングユニット45(45Y,45M,45C,45K)が配置されている。
画像形成に際しては、中間転写体張架ローラ46、47、48に張架されたベルト状の中間転写体58が回転するとともに各感光体ドラムに形成された各色トナー像が前記中間転写体58に重畳して一次転写されることでカラー画像が形成される。
前記中間転写体58への一次転写と同期するように搬送手段によって被記録材Pが二次転写部へ搬送される。搬送手段は複数枚の被記録材Pを収納した給送カセット49、給送ローラ50、分離パッド51、レジストローラ対52を有する。画像形成時には給送ローラ50が画像形成動作に応じて駆動回転し、給送カセット49内の被記録材Pを一枚ずつ分離し、該レジストローラ対52によって画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写部へ搬送する。
二次転写部T2には移動可能な二次転写ローラ53が配置されている。二次転写ローラ53は、略上下方向に移動可能である。そして、像転写に際しては被記録材Pを介して中間転写体58に所定の圧で押しつけられる。このとき、同時に二次転写ローラ53にはバイアスが印加され、中間転写体58上のトナー像は被記録材Pに転写される。
中間転写体58と二次転写ローラ53とはそれぞれ駆動されているため、両者に挟まれた状態の被記録材Pは、図8に示す左矢印方向に所定の搬送速度Vで搬送され、更に搬送ベルト54により次工程である定着部55に搬送される。定着部55では先に述べたように、熱および圧力が印加されて転写トナー像が被記録材上に定着される。その被記録材Pは排出ローラ対56によって装置上面の排出トレイ57上へ排出される。
そして、図1に例示した、本発明にかかる定着装置を、図8に示した電子写真画像形成装置の定着部55に適用することにより、ウォームアップタイムを短縮しつつ、高品位な電子写真画像を提供可能な電子写真画像形成装置を得ることができるものである。
以下に、実施例を用いてより具体的に本発明を説明する。
(実施例A−1)
基材として直径22.8mm、長さ340mm(駆動・軸受部含まず)の鉄製芯金を用意し、その上に厚さ3.3mm、熱伝導率0.15W/(m・K)のスポンジ状シリコーンゴムからなる断熱層を設けた断熱ゴム層付きローラを準備した。
基材として直径22.8mm、長さ340mm(駆動・軸受部含まず)の鉄製芯金を用意し、その上に厚さ3.3mm、熱伝導率0.15W/(m・K)のスポンジ状シリコーンゴムからなる断熱層を設けた断熱ゴム層付きローラを準備した。
別途、市販の付加硬化型シリコーンゴム原液(商品名:SE1886;東レ・ダウコーニング株式会社製の「A液」および「B液」を任意の割合で混合)に対し、炭素繊維として気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)を体積充填率で2%となるように加えて混練し、シリコーンゴム混和物を得た。
先に準備した、断熱ゴム層付きローラの断熱層外周面に、リングコート法で上記シリコーンゴム混和物を厚さ300μmに塗布した。得られたローラを200℃に設定した電気炉中で4時間加熱して、シリコーンゴムを硬化させることで、発熱性の弾性層を形成した。
先に準備した、断熱ゴム層付きローラの断熱層外周面に、リングコート法で上記シリコーンゴム混和物を厚さ300μmに塗布した。得られたローラを200℃に設定した電気炉中で4時間加熱して、シリコーンゴムを硬化させることで、発熱性の弾性層を形成した。
該ローラの、弾性層の表面に、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)を厚さがおよそ20μm程度になるように略均一に塗布した。
次いで、内径29mm、厚み40μmのフッ素樹脂チューブ(商品名:KURANFLON−LT;倉敷紡績株式会社製)を拡径しながら積層した。その後、フッ素樹脂チューブの上からローラ表面を均一に扱くことにより、過剰の接着剤を弾性層とフッ素樹脂チューブの間から十分に薄くなるように扱き出した。
そして、当該ローラを200℃に設定した電気炉にて1時間加熱することで接着剤を硬化させて当該フッ素樹脂チューブを弾性層上に固定した後、端部の形状を整えることで定着ローラを得た。
次いで、内径29mm、厚み40μmのフッ素樹脂チューブ(商品名:KURANFLON−LT;倉敷紡績株式会社製)を拡径しながら積層した。その後、フッ素樹脂チューブの上からローラ表面を均一に扱くことにより、過剰の接着剤を弾性層とフッ素樹脂チューブの間から十分に薄くなるように扱き出した。
そして、当該ローラを200℃に設定した電気炉にて1時間加熱することで接着剤を硬化させて当該フッ素樹脂チューブを弾性層上に固定した後、端部の形状を整えることで定着ローラを得た。
一方、同様の断熱ゴム層付きローラ上に発熱性の弾性層を設けず、直接フッ素樹脂チューブを接着することで加圧ローラを得た。
得られた定着ローラと加圧ローラを図1または図9に示すように配置し、ローラ軸の両端部に合計30Kgfの荷重をかけてセットした。定着ローラと加圧ローラを表面速度で150mm/secとなるように軸部を駆動させた状態で、マイクロ波発生装置に700Wの電力を供給した。電力供給を開始した時点から、温度検知素子の温度が170℃となるまでの時間、即ちウォームアップタイムを測定した。室温23℃、湿度50%の環境にて加熱試験を行った。
この結果、表A−1に示すように、実施例A−1のウォームアップタイムは28秒となった。
この結果、表A−1に示すように、実施例A−1のウォームアップタイムは28秒となった。
次に、この定着装置をカラーレーザープリンタ(商品名:Satera LBP5910;キヤノン株式会社製)に搭載し、未定着のトナー画像がウォームアップ直後に定着ニップ部に導入されるように作像タイミングを調整して電子写真画像を形成した。被記録材としての紙は、A4サイズの再生紙(商品名:リサイクルペーパー GF―R100;キヤノン株式会社製、厚さ92μm、坪量66g/m2、古紙配合率70%、ベック平滑度23秒(JIS P8119準拠した方法で計測))を用いた。
このようにして得られた電子写真画像の溶融ムラについて以下のような評価方法を用いて画質評価を行った。
このようにして得られた電子写真画像の溶融ムラについて以下のような評価方法を用いて画質評価を行った。
(溶融ムラの評価方法)
紙上に形成されたトナー像を定着させた後の、トナーの溶融状態を観察することで加熱部材の紙凹凸への追従性の指標とすることができる。
前述の定着装置を搭載したカラーレーザープリンタを、温度10℃湿度50%の環境、入力電圧100Vにて、溶融ムラ評価画像を定着した。溶融ムラ評価画像とは、シアントナーおよびマゼンタトナーの100%濃度で形成された10mm×10mmのパッチ画像を、紙面中央部付近に配置した画像である。
紙上に形成されたトナー像を定着させた後の、トナーの溶融状態を観察することで加熱部材の紙凹凸への追従性の指標とすることができる。
前述の定着装置を搭載したカラーレーザープリンタを、温度10℃湿度50%の環境、入力電圧100Vにて、溶融ムラ評価画像を定着した。溶融ムラ評価画像とは、シアントナーおよびマゼンタトナーの100%濃度で形成された10mm×10mmのパッチ画像を、紙面中央部付近に配置した画像である。
溶融ムラの目安としては、2色で形成された画像部に十分に熱と圧力が加わることでトナーが溶融し混色する。特に紙凹凸の凹部において、熱が加わっていても圧力が加わっていない場合には、トナーの粒界が定着後に残存するため、十分に混色しない状態で溶融ムラを生ずる。加熱部材が凹凸に十分追従できない場合には、凸部は圧力が加わり混色するものの、凹部においては混色が不十分となる。
そのため本評価の判定は画像形成域の溶融状態を観察することで確認した。
そのため本評価の判定は画像形成域の溶融状態を観察することで確認した。
印字後、画像形成部を光学顕微鏡で観察し溶融ムラを評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:紙繊維の凹部においてもトナー粒界がほぼ見えず、凹部凸部共に混色している
B:紙繊維の凹部において一部トナー粒界が観察されるものの、凹部凸部共におおむね混色している
C:紙繊維の凸部のみが混色され、凹部ではトナー粒界が多く観察される
A:紙繊維の凹部においてもトナー粒界がほぼ見えず、凹部凸部共に混色している
B:紙繊維の凹部において一部トナー粒界が観察されるものの、凹部凸部共におおむね混色している
C:紙繊維の凸部のみが混色され、凹部ではトナー粒界が多く観察される
(実施例A−2)〜(実施例A−9)および(比較例A−1)〜(比較例A−8)
シリコーンゴム混和物中の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類を表A−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例A−1と同様にして定着ローラを調製し、実施例A−1で作製した加圧ローラと共に、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと溶融ムラについて評価を行った。
尚、実施例A−1乃至A−9および比較例A−1乃至A−8においては、各々下記の炭素繊維および無機フィラーを用いた。
シリコーンゴム混和物中の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類を表A−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例A−1と同様にして定着ローラを調製し、実施例A−1で作製した加圧ローラと共に、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと溶融ムラについて評価を行った。
尚、実施例A−1乃至A−9および比較例A−1乃至A−8においては、各々下記の炭素繊維および無機フィラーを用いた。
・実施例A−1乃至A−3、A−6乃至A−9:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)
・実施例A−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGNF;昭和電工株式会社製、平均繊維径80nm、平均繊維長10μm)
・実施例A−5:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF−H;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長6μm)
・実施例A−6乃至A−7、比較例A−6:アルミナ(商品名:アルナビーズCB−A20S;昭和電工株式会社製、平均粒径21μm)
・実施例A−8、比較例A−7:アルミ粉(商品名:高純度球状アルミニウム粉末;東洋アルミニウム株式会社製、平均粒径20μm)
・実施例A−9、比較例A−8:銅粉(商品名:Cu−HWQ;福田金属箔粉工業株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例A−1:グラファイト(商品名:UF−10G;昭和電工株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例A−2、A−3:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例A−4、A−5:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
・実施例A−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGNF;昭和電工株式会社製、平均繊維径80nm、平均繊維長10μm)
・実施例A−5:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF−H;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長6μm)
・実施例A−6乃至A−7、比較例A−6:アルミナ(商品名:アルナビーズCB−A20S;昭和電工株式会社製、平均粒径21μm)
・実施例A−8、比較例A−7:アルミ粉(商品名:高純度球状アルミニウム粉末;東洋アルミニウム株式会社製、平均粒径20μm)
・実施例A−9、比較例A−8:銅粉(商品名:Cu−HWQ;福田金属箔粉工業株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例A−1:グラファイト(商品名:UF−10G;昭和電工株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例A−2、A−3:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例A−4、A−5:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
比較例A−1で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムの測定の結果、最大120秒のマイクロ波照射時間を経ても温度検知素子の検知温度は170℃に到達せず、定着装置として起動ができなかった。また、比較例A−2で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムの測定の結果、108秒という結果となった。
一方、比較例A−3で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムは33秒となったものの、弾性層に充填剤を多量に添加した結果、弾性層の硬度上昇を招来し、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した。
その他の実施例、比較例の評価結果も含め、表A−1に示す。なお、ウォームアップタイムに関して、比較例A−1のように定着装置として起動できなかった場合においては、表中では「起動不可」と表記した。
一方、比較例A−3で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムは33秒となったものの、弾性層に充填剤を多量に添加した結果、弾性層の硬度上昇を招来し、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した。
その他の実施例、比較例の評価結果も含め、表A−1に示す。なお、ウォームアップタイムに関して、比較例A−1のように定着装置として起動できなかった場合においては、表中では「起動不可」と表記した。
(実施例B−1)
基材として直径22.8mm、長さ340mm(駆動・軸受部含まず)の鉄製芯金を用意し、その上に厚さ3.6mm、熱伝導率0.1W/(m・K)のスポンジ状シリコーンゴムからなる弾性層付きローラを準備した。
先に準備した、弾性層付きローラの弾性層外周面に、フッ素樹脂の微粒子と炭素繊維として気相成長法炭素繊維を混ぜ合わせ分散塗料化されたものをコーティング後、乾燥・溶融し焼き付けをした。具体的には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂ディスパージョン(ダイキン工業製AD_2CRE)に対し、炭素繊維として気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)を体積充填率で9%となるように加えてスプレー塗布、乾燥させ、電気オーブンにて320℃で15分間加熱して離型層を形成した。 離型層の表層面を研磨フィルム(商品名:Lapika#3000;KOVAX製)で30秒間研磨して平滑(表面粗さRa約0.2)にした。離型層の厚みは40μmであった。そして、端部の形状を整えることで定着ローラを得た。
基材として直径22.8mm、長さ340mm(駆動・軸受部含まず)の鉄製芯金を用意し、その上に厚さ3.6mm、熱伝導率0.1W/(m・K)のスポンジ状シリコーンゴムからなる弾性層付きローラを準備した。
先に準備した、弾性層付きローラの弾性層外周面に、フッ素樹脂の微粒子と炭素繊維として気相成長法炭素繊維を混ぜ合わせ分散塗料化されたものをコーティング後、乾燥・溶融し焼き付けをした。具体的には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂ディスパージョン(ダイキン工業製AD_2CRE)に対し、炭素繊維として気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)を体積充填率で9%となるように加えてスプレー塗布、乾燥させ、電気オーブンにて320℃で15分間加熱して離型層を形成した。 離型層の表層面を研磨フィルム(商品名:Lapika#3000;KOVAX製)で30秒間研磨して平滑(表面粗さRa約0.2)にした。離型層の厚みは40μmであった。そして、端部の形状を整えることで定着ローラを得た。
一方、同様のスポンジ状シリコーンゴムからなる弾性層付きローラ上に、厚み30μmの離型層を形成するため、PFA樹脂ディスパージョンをスプレー塗布し、乾燥させ、電気オーブンにて320℃で15分間加熱した。これを加圧ローラとした。
このように得られた定着ローラと加圧ローラを図1または図9に示すように配置し、ローラ軸の両端部に合計30Kgfの荷重をかけてセットした。定着ローラと加圧ローラを表面速度で150mm/secとなるように軸部を駆動させた状態で、マイクロ波発生装置に700Wの電力を供給した。電力供給を開始した時点から、温度検知素子の温度が170℃となるまでの時間、即ちウォームアップタイムを測定した。室温23℃、湿度50%の環境にて加熱試験を行った。
この結果、表B−1に示すように、実施例B−1のウォームアップタイムは25秒となった。
この結果、表B−1に示すように、実施例B−1のウォームアップタイムは25秒となった。
(離型性の評価方法)
次に、離型性を確認するため、この定着装置をカラーレーザープリンタ(商品名:Satera LBP5910;キヤノン製)に搭載し、未定着のトナー画像がウォームアップ直後に定着ニップ部に導入されるように作像タイミングを調整して電子写真画像を形成した。被記録材としての紙と未定着トナー画像は、再生紙67g/m2(キヤノン製)A4紙を、高湿環境として30℃/80%の環境下で、48時間放置して含水率が9.0%を越えた紙に、全面ベタ画像を用いた。
離型性の評価は、以下の基準に基づき行った。
評価ランクA:被記録材が定着ローラから良好に分離した。
評価ランクB:被記録材は定着ローラから分離したものの、電子写真画像に、定着ローラからのスムーズな分離が行われなかったことに起因する光沢ムラが認められた。
評価ランクC:被記録材が定着ローラに巻きつき紙詰まりを生じた。
次に、離型性を確認するため、この定着装置をカラーレーザープリンタ(商品名:Satera LBP5910;キヤノン製)に搭載し、未定着のトナー画像がウォームアップ直後に定着ニップ部に導入されるように作像タイミングを調整して電子写真画像を形成した。被記録材としての紙と未定着トナー画像は、再生紙67g/m2(キヤノン製)A4紙を、高湿環境として30℃/80%の環境下で、48時間放置して含水率が9.0%を越えた紙に、全面ベタ画像を用いた。
離型性の評価は、以下の基準に基づき行った。
評価ランクA:被記録材が定着ローラから良好に分離した。
評価ランクB:被記録材は定着ローラから分離したものの、電子写真画像に、定着ローラからのスムーズな分離が行われなかったことに起因する光沢ムラが認められた。
評価ランクC:被記録材が定着ローラに巻きつき紙詰まりを生じた。
本実施例の定着ローラは良好に分離したので、離型性をAとした。
(実施例B−2)乃至(実施例B−4)および(比較例B−1)乃至(比較例B−3)
離型層の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類を表B−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例B−1と同様にして定着ローラを調製し、実施例B−1で作製した加圧ローラと共に、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと離型性について評価を行った。
尚、実施例B−1乃至B−4および比較例B−1乃至B−3においては、各々下記の炭素繊維および無機フィラーを用いた。
・実施例B−1乃至B−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)
・比較例B−1、B−2:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例B−3:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
離型層の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類を表B−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例B−1と同様にして定着ローラを調製し、実施例B−1で作製した加圧ローラと共に、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと離型性について評価を行った。
尚、実施例B−1乃至B−4および比較例B−1乃至B−3においては、各々下記の炭素繊維および無機フィラーを用いた。
・実施例B−1乃至B−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)
・比較例B−1、B−2:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例B−3:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
比較例B−3で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムの測定の結果、最大120秒のマイクロ波照射時間を経ても温度検知素子の検知温度は170℃に到達せず、定着装置として起動ができなかった。また、比較例B−1で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムの測定の結果、63秒という結果となった。
一方、比較例B−2で作製した定着ローラは、ウォームアップタイムは16秒となったものの、離型層に充填剤を多量に添加した結果、フッ素樹脂の割合が減り、離型性が低下した結果、離型性の評価がCとなった。
その他の実施例、比較例の評価結果も含め、表B−1に示す。
(実施例C−1)
基材として、ニッケル−鉄合金からなる内径φ30mm、厚み40μm、長さ343mmの円筒状基材を用意し、その内面にポリイミド前駆体『宇部興産株式会社製;U−ワニスS』を厚み15μmで塗工し200℃で20分間焼成することで、イミド化させ、内面摺動層を形成した。その後、円筒状基材上にヒドロシリル系のシリコーンプライマーを5.0μmで塗工し、200℃にて5分間焼成した。
基材として、ニッケル−鉄合金からなる内径φ30mm、厚み40μm、長さ343mmの円筒状基材を用意し、その内面にポリイミド前駆体『宇部興産株式会社製;U−ワニスS』を厚み15μmで塗工し200℃で20分間焼成することで、イミド化させ、内面摺動層を形成した。その後、円筒状基材上にヒドロシリル系のシリコーンプライマーを5.0μmで塗工し、200℃にて5分間焼成した。
その外に、300μm厚の、中空状マイクロバルーンを含む、液状の付加硬化型シリコーンゴム混合物を塗工し、200℃にて30分間焼成した。この時、付加硬化型シリコーンゴムの原液は、下記の材料(a)および(b)を、Si−H基に対するビニル基の個数の割合(H/Vi)が、0.45となるように配合し、断熱性を高めるために中空状のマイクロバルーンと、触媒として白金化合物を加えて、付加硬化型シリコーンゴム原液を得た。
(a)1分子中にビニル基を少なくとも2個以上有する、ビニル化ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100000(ポリスチレン換算));
(b)1分子中にSi−H結合を少なくとも2個以上有する、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン(重量平均分子量1500(ポリスチレン換算))。
(a)1分子中にビニル基を少なくとも2個以上有する、ビニル化ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100000(ポリスチレン換算));
(b)1分子中にSi−H結合を少なくとも2個以上有する、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン(重量平均分子量1500(ポリスチレン換算))。
次いで、更にその外側に離型層として、厚さ15μmの接着層を介して、厚さ40μmのPFAチューブ(グンゼ社製)を被覆し、200℃にて2分間焼成し、定着ベルトを作製した。
ここで、接着層としては、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV A/B、東レ・ダウコーニング株式会社製)に対して、炭素繊維として気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)を体積充填率で2%となるように加えて混練したものを使用した。
そして、先に準備したゴム層付きの円筒状基材の外周面に、リングコート法で上記シリコーンゴム混和物をリングコート法で塗布し、真空拡張被覆法を用いてPFAチューブの被覆を行った。
そして、先に準備したゴム層付きの円筒状基材の外周面に、リングコート法で上記シリコーンゴム混和物をリングコート法で塗布し、真空拡張被覆法を用いてPFAチューブの被覆を行った。
このように得られた定着ベルトをカラーレーザープリンタ(商品名:Satera LBP5910;キヤノン株式会社製)に搭載し、未定着のトナー画像がウォームアップ直後に定着ニップ部に導入されるように作像タイミングを調整して電子写真画像を形成した。被記録材としての紙は、A4サイズの再生紙(商品名:リサイクルペーパー GF―R100;キヤノン株式会社製、厚さ92μm、坪量66g/m2、古紙配合率70%、ベック平滑度23秒(JIS P8119準拠した方法で計測))を用いた。
定着ベルトと加圧ローラを表面速度で150mm/secとなるように軸部を駆動させた状態で、マイクロ波発生装置に700Wの電力を供給した。電力供給を開始した時点から、温度検知素子の温度が170℃となるまでの時間、即ちウォームアップタイムを測定した。室温23℃、湿度50%の環境にて加熱試験を行った。この結果、表C−1に示すように、実施例C−1のウォームアップタイムは25秒となった。
このようにして得られた電子写真画像の溶融ムラについて、上記(溶融ムラの評価方法)に記載の方法を用いて評価した。その結果を表C−1に示す。
(実施例C−2)〜(実施例C−5)および(比較例C−1)〜(比較例C−6)
接着層中の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類、もしくは接着層厚みを表C−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例C−1と同様にして定着ベルトを調製し、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと溶融ムラについて評価を行った。
接着層中の、炭素繊維および無機フィラーの体積充填率および種類、もしくは接着層厚みを表C−1に記載したように変更した。それ以外は、実施例C−1と同様にして定着ベルトを調製し、定着装置および電子写真画像形成装置に搭載することでウォームアップタイムと溶融ムラについて評価を行った。
尚、実施例C−1〜C−5および比較例C−1〜C−6においては、各々下記の炭素繊維および無機フィラーを用いた。
・実施例C−1〜C−3および比較例C−5、C−6:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)
・実施例C−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGNF;昭和電工株式会社製、平均繊維径80nm、平均繊維長10μm)
・実施例C−5:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF−H;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長6μm)
・比較例C−1:グラファイト(商品名:UF−10G;昭和電工株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例C−2、C−3:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例C−4:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
・実施例C−1〜C−3および比較例C−5、C−6:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長8μm)
・実施例C−4:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGNF;昭和電工株式会社製、平均繊維径80nm、平均繊維長10μm)
・実施例C−5:気相成長法炭素繊維(商品名:カーボンナノファイバー・VGCF−H;昭和電工株式会社製、平均繊維径150nm、平均繊維長6μm)
・比較例C−1:グラファイト(商品名:UF−10G;昭和電工株式会社製、平均粒径5μm)
・比較例C−2、C−3:カーボンブラック(商品名:デンカブラック;電気化学工株式会社製、平均一次粒径、10nm)
・比較例C−4:炭化ケイ素(商品名:OY−7;屋久島電工株式会社製、平均粒径2μm)
比較例C−1及び比較例C−4で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムの測定の結果、最大120秒のマイクロ波照射時間を経ても温度検知素子の検知温度は170℃に到達せず、定着装置として起動ができなかった。
また、比較例C−2で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムの測定の結果、96秒という結果となった。
一方、比較例C−3で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムは61秒と多少縮まったものの、接着層に充填剤を多量に添加した結果、接着層の硬度上昇を招来し、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した結果、溶融ムラの評価がCとなった。
また、比較例C−5、比較例C−6で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムは20秒(比較例C−5)、7秒(比較例C−6)と良好ではあるものの、接着層厚みが増加した結果、定着ベルトのマイクロ硬度上昇を招来して、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した。
また、比較例C−2で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムの測定の結果、96秒という結果となった。
一方、比較例C−3で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムは61秒と多少縮まったものの、接着層に充填剤を多量に添加した結果、接着層の硬度上昇を招来し、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した結果、溶融ムラの評価がCとなった。
また、比較例C−5、比較例C−6で作製した定着ベルトは、ウォームアップタイムは20秒(比較例C−5)、7秒(比較例C−6)と良好ではあるものの、接着層厚みが増加した結果、定着ベルトのマイクロ硬度上昇を招来して、被記録材の繊維の凹凸に対する追従性が低下した。
各実施例及び比較例の評価結果を表C−1に示す。
Claims (8)
- 加熱部材と、加圧部材と、マイクロ波発生手段とを有し、該加熱部材と該加圧部材とで形成されるニップを通過させることにより記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、
該加熱部材は、
該マイクロ波発生手段から発生されるマイクロ波によって発熱する発熱層を有し、
該発熱層は、高分子化合物と炭素繊維とを含有し、
該炭素繊維は、平均繊維径が80nm以上150nm以下、平均繊維長が6μm以上10μm以下であり、かつ、ラマン分光スペクトルにおいてグラファイト構造に起因する吸収ピークを有することを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材が、基材、弾性層及び離型層をこの順に有し、
該弾性層及び該離型層の少なくとも一方が、前記発熱層である請求項1に記載の定着装置。 - 前記弾性層が、前記発熱層であり、
前記弾性層が、シリコーンゴムと前記炭素繊維とを含み、該炭素繊維の含有量が、該弾性層に対して0.1体積%以上、20体積%以下である請求項2に記載の定着装置。 - 前記弾性層が、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル及び金属ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1つの無機フィラーを更に含む請求項2または3に記載の定着装置。
- 前記加熱部材が、基材、弾性層及び離型層をこの順に有し、
該離型層が、前記発熱層である請求項1に記載の定着装置。 - 前記加熱部材が、基材、弾性層、厚さが15μm以下の中間層及び離型層をこの順に有し、
該中間層が、前記発熱層である請求項1に記載の定着装置。 - 前記加熱部材が、定着ベルトである請求項6に記載の定着装置。
- 電子写真感光体ドラム、該電子写真感光体ドラムを帯電する帯電装置、及び被記録材上に転写されたトナー像を加熱して該トナー像を該被記録材上に定着させる定着装置を具備している電子写真画像形成装置であって、該定着装置が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着装置であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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