JP2006137937A - シームレスベルト用樹脂組成物及びシームレスベルト - Google Patents

シームレスベルト用樹脂組成物及びシームレスベルト Download PDF

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Abstract

【課題】 電子写真複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置において、感光体ベルト、帯電ベルト、転写ベルト、定着ベルト等に使用される、耐久性、耐熱性及び表面平滑性に優れ、安定した電気抵抗特性を有するシームレスベルト及びそのための樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上の耐熱性樹脂、及び平均繊維径が50〜130nmの気相法炭素繊維を前記耐熱性樹脂100質量部に対し1〜30質量部含有し、体積抵抗値が1×106〜1×1013Ωcmの範囲内にあるシームレスベルト用樹脂組成物及びその組成物を成形して得られるシームレスベルト。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シームレスベルト用樹脂組成物及びその組成物を成形して得られるシームレスベルトに関する。さらに詳しく言えば、電子写真複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置において、感光体、帯電ベルト、転写ベルト、定着ベルト等に使用される、耐久性、耐熱性及び表面平滑性に優れ、安定した電気抵抗特性を有するシームレスベルト用樹脂組成物及びその組成物を用いたシームレスベルトに関する。
電子写真用機器では、感光体、帯電体、転写体、定着体等に金属、プラスチック、ゴムなどからなる回転体が使用されている。回転体としては、ドラム状の他、樹脂製のベルト状のものが知られているが、ベルトは継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルト(シームレスベルト)とする必要がある。
回転体としてシームレスベルトを使用する場合には、引張強度等の機械特性に加え、耐熱性及びヒートサイクルに対する耐久性が求められる。
また、電子写真技術を利用したカラーレーザープリンターあるいはカラー複写機などにおいては、シアン、イエロー、マゼンダ、ブラックの基本色トナーを用い、転写等を繰り返して行うため、それに用いるシームレスベルトは熱膨張率が小さく、寸法安定性に優れていることが必要でなる。
そのため、シームレスベルト用の樹脂としては、熱硬化性ポリイミドや耐熱性フッ素系樹脂が使用されている。
一方、複写機、プリンター等の電子写真用の転写ベルト・中間転写ベルト・定着ベルト等は安定した電気抵抗特性を有することが重要である。トナーの転写、定着のためには電気抵抗を106〜1013Ω・cmに制御することが必要である。さらに、表面抵抗値と体積抵抗値の差が少ないこと、経時変化に対する表面抵抗値と体積抵抗値の経時的変動が少ないこと、表面抵抗値と体積抵抗値の環境変化依存性が低いこと等も要求される。
シームレスベルトに用いられる熱硬化性ポリイミドや耐熱性フッ素系樹脂は、絶縁性であるため、各種の導電性フィラーを添加して抵抗値を下げる試みがなされている。一般に使用される導電性フィラーとしては、カーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維、炭素繊維等のグラファイト構造を有する炭素材料、金属繊維、金属粉末、金属箔等の金属材料、および金属酸化物、金属をコーティングした無機フィラーなどが挙げられる(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。特に、少量の導電性フィラーの混合で高い導電性を得るためには、導電性フィラーの微細化、アスペクト比の増加、比表面積の増加などが有効であることが明らかになってきており、比表面積の非常に大きなカーボンブラックや繊維径の小さい中空炭素フィブリル(カーボンナノチューブ)が使用されている。
しかし、カーボンブラックやカーボンナノチューブは比表面積が大きく表面エネルギーが高いため、凝集体を生成しやすく、樹脂中の分散性が悪く、その結果、樹脂に配合したときに機械的強度の低下等に加えて、電気抵抗特性がばらつくという問題がある。
特開2000−248086号公報 特開2003−255640号公報 特開2003−246927号公報
本発明の課題は、安定した電気抵抗特性を示し、表面平滑性、耐久・耐熱性に優れたシームレスベルト用樹脂組成物及びその組成物を用いたシームレスベルトを提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、導電性フィラーとして特定の気相法炭素繊維を配合した樹脂組成物を用いることにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなるシームレスベルト用樹脂組成物、その製造方法及びその組成物を用いたシームレスベルトに関する。
[1]ガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上の耐熱性樹脂、及び平均繊維径が50〜130nmの気相法炭素繊維を前記耐熱性樹脂100質量部に対し1〜30質量部含有し、体積抵抗値が1×106〜1×1013Ωcmの範囲内にあることを特徴とするシームレスベルト用樹脂組成物。
[2]耐熱性樹脂100質量部に対し、さらに1〜10質量部の導電性カーボンブラックを含有する前記1に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[3]耐熱性樹脂が、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1種である前記1または2に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[4]耐熱性樹脂が、フッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、及び芳香族ポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種である前記1または2に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[5]耐熱性樹脂が、フッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミドまたはポリエーテルエーテルケトンである前記4に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[6]気相法炭素繊維の比表面積が10〜50m2/g、平均アスペクト比が65〜500である前記1に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[7]気相法炭素繊維の比表面積が15〜40m2/g、平均アスペクト比が100〜200である前記6に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[8]気相法炭素繊維の長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下である前記1、6または7に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
[9]耐熱性樹脂に気相法炭素繊維を溶融混合する前記1〜8のいずれかに記載のシームレスベルト用樹脂組成物の製造方法であって、溶融混合時における前記気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑えることを特徴とするシームレスベルト用樹脂組成物の製造方法。
[10]前記1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなり、実質的に無延伸であることを特徴とするシームレスベルト。
[11]熱伝導率が0.8W/mK以上である前記10に記載のシームレスベルト。
[12]カットオフ波長2.5mmの測定における10点平均粗さ(Rz)が10μm以下である前記10に記載のシームレスベルト。
[13]表面抵抗値と体積抵抗値との差が2桁以内である前記10に記載のシームレスベルト。
[14]帯電印加電圧に対する表面抵抗値の変動が2桁以内である前記10に記載のシームレスベルト。
[15]常温常湿時の体積抵抗値Raと高温高湿時の体積抵抗値Rhの比(Ra/Rh)が0.03〜30の範囲内である前記10に記載のシームレスベルト。
[16]100V印加時の体積抵抗値R100Vと1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/R1000V)が0.03〜30の範囲内である前記10に記載のシームレスベルト。
[17]電子写真技術を利用した画像形成装置に使用される転写ベルト、中間転写ベルト、転写定着ベルト、中間転写定着用ベルトまたは定着ベルト用である前記10〜16のいずれかに記載のシームレスベルト。
本発明のシームレスベルトは、導電性フィラーとして特定の気相法炭素繊維を使用することにより、より安定した電気抵抗特性(表面抵抗値と体積抵抗値の差が少ないこと、経時変化に対する表面抵抗値と体積抵抗値の経時的変動が少ないこと、表面抵抗値と体積抵抗値の環境変化依存性が低いこと等)を示し、また、表面平滑性、屈曲性、耐久・耐熱性(すなわち、高温加圧下で長期間反復使用した場合のしわの発生および寸法変化が少ない)が良好であり、(カラー)レーザープリンタや(カラー)電子写真複写機等の画像形成装置の感光体ベルト、帯電ベルト、転写ベルトおよび定着ベルトなどに好ましく使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる耐熱性樹脂は、ガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上の耐熱性樹脂であり、この条件を満たすものであれば熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれもが使用可能である。具体的には、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、及び芳香族ポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの中でも、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)またはポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)が適している。
フッ素系樹脂とは、一般に知られている熱可塑性の単独重合体または共重合体タイプのフッ素樹脂であり、この中からガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上のものを選んで使用するが、好ましいものはパーフルオロ系共重体(コポリマー)である。具体的にはテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの3元コポリマー等が挙げられる。これらポリマーの熱変形温度は約70〜110℃、耐熱性は約150〜260℃である。
ポリイミド樹脂とは、その構造中にイミド結合を有する樹脂全般を指し、熱可塑性または熱硬化性ポリイミドが挙げられる。
熱可塑性ポリイミドは、イミド基を有しながら熱可塑性を有している。従ってそれ自体、所定の温度以上で溶融または軟化するので、直接押出成形をすることができる。この特性は主鎖中にエーテル結合(2つ以上)、アルキレン結合(C3以上)、更にはカルボニル基等の分子間に柔軟性をもたらす官能基を有するポリイミドに見られる。具体的には、例えばピロメリット酸2無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン2無水物等の有機酸2無水物とビス{4−[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]フェニル}エーテル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、2,2’−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン等の有機ジアミンとの当量を有機極性溶媒中(N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等)で撹拌しつつ徐々に反応させる。この反応では、必要な分子量を有するポリマーへの重縮合と、重縮合後のイミド閉環が行われ、一挙にポリイミドにまで反応する。なお、フィルムへの押出温度は300〜400℃程度である。
熱硬化性ポリイミドは、ポリイミドの状態では溶融はしない。従って、シームレスベルトへの成形は、熱可塑性を有するその前駆体、すなわちポリアミド酸の段階で一次的に成形を行い、その後に、別途イミド化を行うという2段階で成形が行われる。このポリイミドは、例えばピロメリット酸2無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、ビス(2、3―ジカルボキシフェニル)メタン二無水物等の有機酸2無水物とp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル等の有機ジアミンの当量を有機溶媒(N−メチルピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド等)中で撹拌しながら徐々に反応させて製造することができる。この反応は所望する分子量を有するポリアミド酸を得るための重縮合反応であって、イミド化への閉環反応を伴ってはならない。そのためには低温を維持し徐々に反応させることが必要である。以上に例示したものはアミノ基を有しないポリイミドであるが、アミノ基を含むいわゆるポリアミドイミドも同様に使用できる。ポリアミドイミドは有機酸としてはトリカルボン酸1無水物が使用され、有機ジアミンは前記に例示するものを組み合わせて当量で有機溶媒中で重縮合反応によって得ることができる。なお、前記ポリイミド系樹脂の熱変形温度は200〜400℃、耐熱性は約250〜350℃である。
本発明で使用する気相法炭素繊維の平均繊維径は50〜130nmが好ましい。平均繊維径が50nmより小さくなると表面エネルギーが指数関数的に大きくなり、繊維同士の凝集力が急激に増大する。このような気相法炭素繊維を樹脂に単純に混練した場合、十分に分散されず、樹脂マトリックス中に凝集物が点在し、導電ネットワークを形成することができない。混練時に大きな剪断力を加えると、凝集物が破壊されてマトリックス中に分散させることができるが、凝集物が破壊するときに繊維の破断が進行し、所望の導電性を得ることができなくなる。また、平均繊維径が130nmを超えると、所望の導電性を得るためにより多くの炭素繊維を配合することが必要となり、機械的強度や屈曲特性など他の物性に悪影響を及ぼす。
本発明で使用する気相法炭素繊維のアスペクト比は、好ましくは65〜500であり、より好ましくは100〜200である。
アスペクト比が大きくなる(すなわち、繊維長が長くなる)と繊維同士が絡まりあい、容易にほぐすことができなくなり、十分な分散が得られなくなる。一方、アスペクト比が65より小さくなると、導電性の連結骨格構造を形成するために10質量%以上のフィラーを添加しなければならず、樹脂の流動性や引張強度の低下が顕著になるので好ましくない。
本発明で使用する気相法炭素繊維の分岐度は0.3個/μm以下が好ましい。より好ましくは0.2個/μm以下、さらに好ましくは0.1個/μm以下である。分岐度が0.3個/μmを超えると、炭素繊維が強固な凝集体を形成してしまい、少量で効率的な導電性付与が困難になる。
本発明で使用する気相法炭素繊維のX線回折法による平均面間隔d002は、好ましくは0.345nm以下、より好ましくは0.343nm以下、さらに好ましくは0.340nm以下である。平均面間隔d002が0.345nmを超えるものは、グラファイト結晶が十分発達していないため、炭素繊維単身の抵抗率は、結晶化したものに比べて10倍以上に増大する。さらに、樹脂などに混合した場合、炭素繊維/樹脂/炭素繊維間の電子の移動が困難になる。具体的には、グラファイト結晶が発達した炭素繊維に比べ、2倍以上のフィラー量を添加しなければ同程度の導電性を得ることができない。
本発明で使用する気相法炭素繊維のBET比表面積は、10〜50m2/gが好ましく、より好ましくは15〜40m2/gである。BET比表面積が大きくなると炭素繊維の表面エネルギーが大きくなり、付着・凝集力が強くなるため分散が困難になる。さらに、マトリックスと炭素繊維の界面積が大きくなり、マトリックスが十分に繊維を被覆することができなくなったり、炭素繊維のマトリックスからの剥離確率が増大する原因となる。その結果、樹脂との複合体を作製した場合、電気伝導性のみならず機械的強度の劣化を招くので好ましくない。
本発明で使用する気相法炭素繊維のラマン散乱スペクトルの1341〜1349cm-1のバンドのピーク高さ(Id)と1570〜1578cm-1のバンドのピーク高さ(Ig)の比(Id/Ig)は、0.1〜1.4が好ましい。より好ましくは0.15〜1.3、さらに好ましくは0.2〜1.2である。
本発明で使用する上記の特性を有する気相法炭素繊維は、有機遷移金属化合物の存在下、炭素源(有機化合物)を熱分解することにより製造することができる。
炭素繊維の原料となる炭素源(有機化合物)は、トルエン、ベンゼン、ナフタレン、エチレン、アセチレン、エタン、天然ガス、一酸化炭素等のガス及びそれらの混合物も可能である。中でもトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金属を含む。遷移金属は、周期律表第4〜10の元素である。好ましい有機遷移金属化合物としてはフェロセン、ニッケロセン等が挙げられる。
熱分解反応雰囲気下で、遷移金属触媒粒子表面に吸着した水素などのガスを効率的に除去し、触媒活性を高めるための助触媒として、硫黄、チオフェンなどの硫黄化合物を用いることができる。
水素などの還元性ガスをキャリアガスに用い、上記有機化合物と有機遷移金属化合物、及び硫黄化合物を800〜1300℃に加熱した反応炉へ供給し、熱分解反応させて炭素繊維を得る。
原料の形態としては、芳香族炭化水素に有機遷移金属化合物および硫黄化合物を溶解させたものや、500℃以下で気化させたものを用いることができる。しかし、液体原料の場合、反応管壁において原料の気化・分解が起き、反応管内に局所的に原料濃度分布が生じるため、生成した炭素繊維同士が凝集する傾向を示す。したがって、原料の形態としては、反応管中における原料濃度を一定化した気化原料が好ましい。
遷移金属触媒と硫黄化合物助触媒比(遷移金属/(遷移金属+硫黄))としては15〜35質量%が好ましい。15質量%以下の場合、触媒活性が高まり、繊維の分岐数が増大したり、放射状に繊維が生成したりする等、繊維同士の相互作用が増加して強固な凝集体を形成するため好ましくない。また、35質量%以上の場合、触媒に吸着した水素を十分除去できないため、触媒への炭素源供給が阻害され炭素繊維以外の炭素粒子が発生するため好ましくない。
炭素繊維の分岐数および凝集体のほぐれ具合は、合成時の原料濃度により決定される。すなわち、気相中の原料濃度が高いと、生成した炭素繊維表面に触媒粒子の不均一な核が発生し、炭素繊維表面からさらに炭素繊維が生成し、樹氷状の炭素繊維が形成される。また、高濃度で生成した炭素繊維同士が絡み合い、容易にほぐすことができない。したがって、反応管中の原料供給量とキャリアガス流量の比は、1g/リットル以下が好ましく、0.5g/リットルがより好ましく、0.2g/リットルがさらに好ましい。
炭素繊維表面に付着したタールなどの有機物を除去するために不活性雰囲気中で900〜1300℃で熱処理することが好ましい。炭素繊維の導電率を向上させるためには、さらに不活性雰囲気下で2000〜3500℃で熱処理を行い、結晶を発達させることが好ましい。
結晶を発達させるために使用する熱処理炉は、2000℃以上、好ましくは2300℃以上の所望する温度に保持できる炉であればよく、通常の、アチソン炉、抵抗炉、高周波炉他の何れの装置でもよい。また、場合によっては、粉体または成形体に直接通電して加熱する方法も使用できる。
熱処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気、好ましくはアルゴン、ヘリウム、ネオン等の1種もしくは2種以上の希ガス雰囲気がよい。熱処理の時間は、生産性の面からは出来るだけ、短い方が好ましい。長時間加熱を続けると、焼結し固まってくるので、製品収率も悪化する。従って、成形体等の中心部の温度が目標温度に達した後、その温度に10分〜1時間保持すれば十分である。
炭素繊維の結晶をさらに発達させ、導電性を向上させるために、不活性雰囲気下で2000〜3500℃で加熱する黒鉛化処理を行う際に、炭化ホウ素(B4C)、酸化ホウ素(B23)、元素状ホウ素、ホウ酸(H3BO3)、ホウ酸塩等のホウ素化合物を混合してもよい。
ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するため一概に規定できないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合には、炭素繊維に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
ホウ素化合物との熱処理により、炭素繊維の炭素の結晶性が向上し、導電性が向上する。炭素繊維の結晶内あるいは結晶表面に含まれるホウ素量としては0.01〜5質量%がよい。炭素繊維の導電性や樹脂との親和性を改善するには、より好ましくは0.1質量%以上のホウ素が必要である。また、グラフェンシートに置換し得るホウ素量は3質量%程度であり、それ以上特に5質量%以上のホウ素はホウ素炭化物やホウ素酸化物として存在し、導電性の低下の要因となりうるので好ましくない。
また、炭素繊維と樹脂との親和性を向上させるために炭素繊維を酸化処理して繊維表面にフェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン基、ラクトン基を導入することもできる。さらに、シラン系あるいはチタネート系、アルミニウム系、リン酸エステル系のカップリング剤等により、表面処理を施してもよい。
本発明では、導電性フィラーとしてさらにカーボンブラックを添加することもできる。気相法炭素繊維とカーボンブラックとを併用し、カーボンブラックを均一分散すると、導電性のバラツキが少なくなる現象がみられる。
使用できるカーボンブラックとしては、一般に平均粒径が1〜500μmで、体積抵抗値が約101〜104Ω・cmのものである。例えばアセチレンブラック、ケッチンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等が挙げられる。
本発明のシームレスベルト用樹脂組成物は、上記の耐熱性樹脂、気相法炭素繊維及び任意にカーボンブラックを含む。
気相法炭素繊維の配合量は、耐熱性樹脂100質量部に対し1〜30質量部であり、3〜15質量部が好ましい。気相法炭素繊維の配合量が1質量部未満だと、導電性ネットワークの形成が困難であり、所望の導電性が得られない。一方、30質量%を超えると、シームレスベルトに必要な屈曲性が得られない。
カーボンブラックを配合する場合、その配合量は、耐熱性樹脂100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2〜5質量部である。カーボンブラックの配合量が10質量部を超えると、シームレスベルトに必要な屈曲性が得られず、表面の平滑性が低下する等の多くの問題が生じる。
以上の各成分を混合・混練する際には、気相法炭素繊維の破断を極力抑えることが好ましい。具体的には、気相法炭素繊維の破断率を20%以下に抑えることが好ましく、15%以下が更に好ましく、10%以下が特に好ましい。破断率は、混合・混練の前後での炭素繊維のアスペクト比(例えば電子顕微鏡(SEM)写真像により測定)を比較することにより評価できる。
気相法炭素繊維の破断を極力抑えた混合・混練を行うには、例えば、以下のような手法を用いることができる。
一般に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に無機フィラーを溶融混練する場合、凝集した無機フィラーに高せん断力を加え、無機フィラーを破壊し、微細化して、溶融樹脂中へ無機フィラーを均一に分散させる。高せん断力を発生させる混練機としては、石臼機構を利用したものや、同方向2軸押出機でスクリューエレメント中に高せん断力のかかるニーディングディスクを導入したものが数多く使用されている。しかし、このような混練機を使用すると、混練工程中に気相法炭素繊維が破断してしまう。また、せん断力の弱い単軸押出機の場合は、繊維の破断は抑えられるが、繊維の分散が均一にならない。したがって、繊維の破断を抑えながら、均一な分散を図るためには、ニーディングディスクを使用しない同方向2軸押出機でせん断力を低減したり、加圧ニーダーのような、高せん断力がかからなくて、時間を掛けて分散が達成できるものや、単軸押出機において特殊なミキシングエレメントを使用することが望ましい。
また、無機フィラーを樹脂中に充填するためには、溶融樹脂に対する無機フィラーの濡れ性が重要であり、無機フィラーを溶融樹脂中に導入する場合、溶融樹脂と無機フィラーの界面に相当する面積を増すことが不可欠である。濡れ性を向上させる方法としては、例えば、気相法炭素繊維の表面を酸化処理する方法がある。
本発明で使用する気相法炭素繊維が、嵩比重として0.01〜0.1g/cm3程度のふわふわした状態のものの場合には、空気を巻き込みやすいため、通常の単軸押出機や同方向2軸押出機では脱気が難しく、充填に困難を伴う。このような場合には、充填性が良好で、繊維の破断を極力抑える混練機として、バッチ式の加圧ニーダーが好ましい。バッチ式加圧ニーダーで混練したものは、固化する前に単軸押出機に投入して、ペレット化することができる。
本発明のシームレスベルト用樹脂組成物は、気相法炭素繊維の物性及びその配合量を調整することにより、その体積固有抵抗値を1×106〜1×1013Ωcm、好ましくは1×107〜1×1010Ωcm、より好ましくは1×108〜1×109Ωcmとすることができる。
前記各成分を混合分散させた組成物とした後、これをシームレスベルトに成形する。成形方法としては、乾式成形法または湿式成形法が好ましく利用できる。
乾式成形法は、マトリックス樹脂を実質的に有機溶剤の存在しない状態で環状ダイスから直接溶融押出成形する方法である。湿式成形法は、有機溶剤存在下で可塑化状態または溶液状態で一次的に成形をし、次いで溶媒等を除去して目的とするシームレスベルト形状に成形する方法である。一次的成形では、可塑化状態の組成物を、金属ドラムの外周に向かってキャスティングしつつ管状に成形するか、環状ダイスから直接押出成形することにより行うことができる。溶液状態で金属ドラムに内に注入し、これを回転しつつ成形する遠心注型法が好ましい。
前記湿式成形法において使用される有機溶媒は、前記耐熱性樹脂(熱硬化性ポリイミドの場合はポリアミド酸)を膨潤または溶解させるものから選ばれるが、遠心注型法では完全に溶解する有機溶剤を用いその量を調整する必要がある。
耐熱性樹脂として熱硬化性ポリイミドを用い、遠心注型法によりシームレスベルトを成形する方法例について説明する。
まず、出発原料を前記有機溶媒中で重縮合反応し、ポリアミド酸溶液を得る。これに導電性フィラーを上述のように混合し分散する。次に所望する大きさ(径と幅)のシームレスベルトに相当する金属ドラム内に所定量のポリアミド酸溶液を注入し、ドラムを外側から加熱しかつ回転をスタートする。所定温度(一般に有機溶媒の沸点より若干高く、イミド化する温度より低い温度)で、所定時間遠心回転すると内面全体に均一に流延されつつ、溶媒は徐々に蒸発除去されてポリアミド酸が固形状で無端ベルトとして成形される。そして得られた無端ベルトをドラムから剥離し、円筒状の金型に嵌着し、全体を加熱オーブンに投入し、最初は徐々に250℃まで昇温し、次に400℃まで徐々に昇温する(二次成形)。この間に徐々にイミド化反応が行われ熱硬化性ポリイミドをマトリックスとするシームレスベルトが得られる。なお、前記二次成形において使用する円筒状の金型は、主として形状を維持しつつ二次処理するためのものであり、必須ではない。また熱硬化性ポリイミド以外の耐熱性樹脂に対して、遠心注型法による成形を行う場合も、ポリイミドの場合の手順に順じて行うことができる。
乾式成形法及び湿式成形法のいずれにおいても、その他の成形条件には、特に制限はなく、選択した組成物に対応して適正な条件を選べばよい。ただし、乾式成形法においては環状ダイスからの溶融成形は室温中に押し出し、実質的に無延伸下で引き取ることが好ましい。
以上により得られる本発明のシームレスベルトは、表面平滑性に優れており、カットオフ波長2.5mmの測定における10点平均粗さ(Rz)で10μm以下、好ましくは8μm以下を示す。
本発明のシームレスベルトは、熱伝導率を0.8W/mK以上とすることができる。熱伝導率が0.8W/mK以上となれば、シームレスベルトの温度の均一化がはかられ、シワなどの発生が抑制される。また、放熱性も良好で、連続使用時の最高到達温度を下げることが可能になり、耐久性を増すことができる。
また、本発明のシームレスベルトは、安定した電気抵抗特性を有する。具体的には、
(1)表面抵抗値と体積抵抗値との差が2桁以内;
(2)帯電印加電圧に対する表面抵抗値の変動が2桁以内;
(3)100V印加時の体積抵抗値R100Vと1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/R1000V)が0.03〜30の範囲内;及び/または
(4)常温常湿時の体積抵抗値Raと高温高湿時の体積抵抗値Rhの比(Ra/Rh)が0.03〜30の範囲内とすることができる。
上記(1)について:従来の導電性フィラーを含む樹脂複合材料成形体においては、表面抵抗値と体積抵抗値との間に大きな差があり、(表面抵抗値/体積抵抗値)で示した場合、102以上の差となることが多いが、本発明の気相法炭素繊維を用いたシームレスベルトでは炭素繊維の分散が良好に行われるため、その値を102以下(差が2桁以内)とすることができ、材料全体として安定した電気抵抗特性を示す。
上記(2)及び(3)について:シームレスベルトを転写ベルトや中間転写ベルト等に使用する場合には、画像の種類や環境に応じて電圧を制御する必要があり、電圧に応じて抵抗値に変動があっては前記の制御は難しくなるので、抵抗値の電圧依存性は小さい方が好ましい。本発明のシームレスベルトにおいては、帯電印加電圧に対する表面抵抗値の変動幅を2桁以内(102以内)、好ましくは1桁以内(101以内)とすることができ、100V印加時の体積抵抗値R100Vと1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/R1000V)を0.03〜30の範囲内、好ましくは0.1〜10の範囲内に調整することができる。
上記(4)について:転写ベルトや中間転写ベルト等に使用する抵抗値が制御されたシームレスベルトにおいては、環境による抵抗値の変動が小さいことが好ましく、本発明のシームレスベルトでは常温常湿時の体積抵抗値Raと高温高湿時の体積抵抗値Rhの比(Ra/Rh)が0.03〜30の範囲内、好ましくは0.1〜10の範囲内に調整することができる。ここで、常温常湿時とは、温度23℃・湿度55%Rhの環境、高温高湿時とは温度30℃・湿度80%Rhの環境をいう。
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜9
表1に実施例および比較例の配合条件を示す。表1の配合にしたがって、樹脂および導電性フィラーを溶融混練し、その混練物をフィルムに成形して体積固有抵抗測定用のフィルムを作成した。
使用した樹脂、導電性フィラー、導電性フィラーの凝集塊測定方法、混練条件、成形条件、成形フィルムの評価方法の詳細を以下に示す。また、各実施例および比較例の体積固有抵抗、凝集塊の有無評価、繊維の破断率をも表1に併せて示す。
[混練方法]
イ)熱可塑性樹脂
池貝製同方向2軸押出機(PCM30)を使用した。混練温度は280℃で行った。
ロ)熱硬化性樹脂
トーシン(株)製加圧ニーダー(混練容量10リットル)を使用し、温度は60℃に設定した。
[成形方法]
イ)熱可塑性樹脂
フッ素系樹脂として、テトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー(ETFE;旭硝子(株)製、アフロン・品種COP−55AXT,融点:260℃)を使用し、ラボプラストミル(東洋精機製)単軸押出機、円筒フィルム成形ダイス(直径10cm、厚み200μm)を使用した。成形は290℃で行った。
ロ)熱硬化性樹脂
芳香族ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを、芳香族テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物を用いて得られたポリアミド酸のDMF溶液(固形分濃度18.5%、溶液粘度3000poise)を使用した。それらに気相法炭素繊維を特定量添加し、分散液を混練した。次いで筒状SUSにキャストし、140℃/15分、200℃/20分、250℃/30分、300℃/30分、350℃/30分熱処理して厚み約50μmの黒色のポリイミド管状物を得た。
[気相法炭素繊維]
イ)VGCF(登録商標):昭和電工製気相法炭素繊維(平均繊維径:150nm、平均繊維長:10μm、比表面積:13m2/g、アスペクト比:67、I0=0.2)を使用した。また、平均繊維長5μm(アスペクト比:33)については、ジェットミル粉砕により調整した。
ロ)VGCF−S:昭和電工製気相法炭素繊維(平均繊維径:100nm、平均繊維長:11μm、比表面積:20m2/g、アスペクト比:110、I0=0.2)を使用した。また、平均繊維長5μm(アスペクト比:50)については、ジェットミル粉砕により調整した。
ハ)VGNF(登録商標):昭和電工製気相法炭素繊維(平均繊維径:80nm、平均繊維長:10μm、比表面積:25m2/g、アスペクト比:125、I0=0.2)を使用した。また、平均繊維長5μm(アスペクト比:63)については、ジェットミル粉砕により調整した。
ニ)カーボンナノチューブ(CNT:中空炭素フィブリル):ハイペリオンキャタリシス(株)製PEIマスターバッチ(RMB8515−00:CNT15質量%含有)を使用した。CNTの平均繊維径は10nm、平均繊維長は5μm、比表面積は250m2/g(カタログ値)、アスペクト比は500である。
[導電性カーボンブラック]
KB(ケッチェンブラック)EC600JD:ライオン(株)製を使用した。比表面積800m2/g。
[物性の測定評価方法]
上記で得た樹脂組成物を成型した管状物から切り出したフィルム状サンプルの物性を下記の方法で測定評価した。
イ)厚み方向の体積抵抗値、及び表面抵抗値:
サンプルから10cm×10cmを4枚切り取り、常温常湿(温度23℃・湿度55%Rh)の環境、高温高湿(温度30℃・湿度80%Rh)の環境に24時間放置し、該環境下にてアドバンテスト(株)製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340と三菱化学(株)製HRプローブを用い、100Vにおける体積抵抗値と表面抵抗値を測定した。
ロ)炭素繊維の凝集塊:フィルム状サンプルの破断面を電子顕微鏡(SEM)により観察し(2000倍)、繊維の凝集した塊の有無について以下の基準により評価した。
凝集塊のサイズ(長径)
○:0.5μm未満、
△:0.5〜5μm未満、
×:5μm超。
ハ)炭素繊維の破断率(%):以下の式により求めた。
炭素繊維の破断率(%)={1−(組成物成形品の炭素繊維のアスペクト比/混合・混
練する前の炭素繊維のアスペクト比)}×100
ここで、アスペクト比は、電子顕微鏡SEM観察により測定、算出した。
ニ)ラマン散乱スペクトル:1580cm-1及び1360cm-1のピーク強度比(I0=I1360/I1580)で測定した。
ホ)十点平均粗さ(Rz):
粗さ曲線の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値の平均値との和より算出した。
ヘ)熱伝導率:京都電子工業(株)製迅速熱伝導率計を使用し、熱線法で測定した。試験サンプルはフィルムを重ねて100×100×2mm厚の形状として使用した。














































Figure 2006137937

Claims (17)

  1. ガラス転移温度が100℃以上および/または融点が200℃以上の耐熱性樹脂、及び平均繊維径が50〜130nmの気相法炭素繊維を前記耐熱性樹脂100質量部に対し1〜30質量部含有し、体積抵抗値が1×106〜1×1013Ωcmの範囲内にあることを特徴とするシームレスベルト用樹脂組成物。
  2. 耐熱性樹脂100質量部に対し、さらに1〜10質量部の導電性カーボンブラックを含有する請求項1に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  3. 耐熱性樹脂が、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1種である請求項1または2に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  4. 耐熱性樹脂が、フッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリベンズイミダゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、及び芳香族ポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  5. 耐熱性樹脂が、フッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミドまたはポリエーテルエーテルケトンである請求項4に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  6. 気相法炭素繊維の比表面積が10〜50m2/g、平均アスペクト比が65〜500である請求項1に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  7. 気相法炭素繊維の比表面積が15〜40m2/g、平均アスペクト比が100〜200である請求項6に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  8. 気相法炭素繊維の長さあたりの分岐数が0.3個/μm以下である請求項1、6または7に記載のシームレスベルト用樹脂組成物。
  9. 耐熱性樹脂に気相法炭素繊維を溶融混合する請求項1〜8のいずれかに記載のシームレスベルト用樹脂組成物の製造方法であって、溶融混合時における前記気相法炭素繊維の破断を20%以下に抑えることを特徴とするシームレスベルト用樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなり、実質的に無延伸であることを特徴とするシームレスベルト。
  11. 熱伝導率が0.8W/mK以上である請求項10に記載のシームレスベルト。
  12. カットオフ波長2.5mmの測定における10点平均粗さ(Rz)が10μm以下である請求項10に記載のシームレスベルト。
  13. 表面抵抗値と体積抵抗値との差が2桁以内である請求項10に記載のシームレスベルト。
  14. 帯電印加電圧に対する表面抵抗値の変動が2桁以内である請求項10に記載のシームレスベルト。
  15. 常温常湿時の体積抵抗値Raと高温高湿時の体積抵抗値Rhの比(Ra/Rh)が0.03〜30の範囲内である請求項10に記載のシームレスベルト。
  16. 100V印加時の体積抵抗値R100Vと1000V印加時の体積抵抗値R1000Vの比(R100V/R1000V)が0.03〜30の範囲内である請求項10に記載のシームレスベルト。
  17. 電子写真技術を利用した画像形成装置に使用される転写ベルト、中間転写ベルト、転写定着ベルト、中間転写定着用ベルトまたは定着ベルト用である請求項10〜16のいずれかに記載のシームレスベルト。
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