JP2008044179A - 導電性ベルトとその製造方法、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 - Google Patents

導電性ベルトとその製造方法、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性材料の分散性に優れ、均一な電気抵抗値を示し、かつ導電性材料の凝集塊が発生しないことに基づく優れた成形性と表面平滑性とを示し、連続駆動にも亀裂や破断が生じることのない優れた耐久性を有する導電性ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリブチレンナフタレート樹脂を50質量%以上100質量%以下の割合で含むベース樹脂に、DBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーが1〜3質量%の割合で含有されている導電性ベルトの製造方法であって、ポリブチレンナフタレート樹脂を含むマスターバッチ用樹脂に前記カーボンナノファイバーを混合して導電性マスターバッチを作製し、得られた導電性マスターバッチとポリブチレンナフタレート樹脂を含み前記カーボンナノファイバーを含まないブレンド用樹脂とを質量比で導電性マスターバッチの方が少なくなるように配合し、溶融させない状態で混合し、得られた混合物を押出し成形機で溶融成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ベルトの製造方法、該製造方法により得られる導電性ベルト、該導電性ベルトを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式または静電印刷方式にて画像形成を行う画像形成装置、例えば複写機、ファクシミリまたはプリンター等は、搬送ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像ベルトまたは感光体基体用ベルト等として導電性ベルトを具備する。
このような導電性ベルトには適度な安定した体積抵抗率を持たせる必要がある。当該導電性ベルトにおいて導電性を付与する方法としては、ポリマー材料に例えば金属酸化物やカーボンブラックなどの導電性材料を配合する方法がある。例えば、特開2002−132053号公報(特許文献1)の請求項8等には導電性材料としてカーボンブラックを用いた導電性エンドレスベルトが記載されている。
このようなカーボンブラックに代表される電子導電性材料を用いた場合、その材料粒子の分散状態によりベルトの面内や各製品間において電気抵抗値のばらつきが非常に大きくなるという問題がある。さらに、ポリマー材料への混練りの際または押出し成形機での溶融押出しの際などに電子導電性材料の凝集塊が発生すると、その部分に集中的に電流が流れるためベルトの抵抗値を制御することが困難となるうえに、ベルト表面にこの凝集塊による微小な突起が多数形成され、例えば中間転写ベルトとして用いた場合得られる画像が乱れる等の悪影響が出る。
また、カーボンブラックを用いて導電化しようすると、1.0×10〜1.0×1012Ω・cm程度の適当な電気抵抗に調整するためには10質量%以上のカーボンブラックを配合することが必要となる。このようにカーボンブラックの配合量が多くなると導電性ベルトが脆くなり、極端な場合、押出し成形ができなくなる。たとえベルト状に成形できたとしても、連続駆動時の耐久性に劣り、画像形成装置用のベルトとしては適さない。この傾向はポリマー材料の種類により多少の違いはみられるが、ポリマー材料としてポリブチレンナフタレート樹脂を用いた場合には顕著にみられる。
このような問題を解決するために、特開2006−152131号公報(特許文献2)においてDBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーを含有する樹脂組成物が開発されている。当該樹脂組成物においては、導電性材料であるカーボンナノファイバーの分散性が非常に優れており、凝集塊も発生せず、かつカーボンナノファイバーの配合量が少なくても均一で高い導電性が得られる。
しかし、樹脂としてポリブチレンナフタレート樹脂を用い、特許文献2の実施例に記載の製造方法に準じて導電性ベルトを成形したところ下記のような問題が生じた。
すなわち、特許文献2に記載の物性を有するカーボンナノファイバーをポリブチレンナフタレート樹脂に実施例に記載の割合で配合し、樹脂組成物のコンパウンドを予め作製した。特許文献2の実施例では溶融紡糸法によって紡糸しているが、これと同じ原理を用いた押出し成形により前記コンパウンドからベルト状成形物を作製した。しかし、得られたベルトは非常に脆く実用に適さないものであった。
特開2002−132053号公報 特開2006−152131号公報
本発明は、導電性材料の分散性に優れ、均一な電気抵抗値を示し、かつ導電性材料の凝集塊が発生しないことに基づく優れた成形性と表面平滑性とを有し、連続駆動にも亀裂や破断が生じることのない優れた耐久性を発揮できる導電性ベルトの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、ポリブチレンナフタレート樹脂を50質量%以上100質量%以下の割合で含むベース樹脂に、DBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーが1〜3質量%の割合で含有されている導電性ベルトの製造方法であって、
ポリブチレンナフタレート樹脂を含むマスターバッチ用樹脂に前記カーボンナノファイバーを混合して導電性マスターバッチを作製し、
得られた導電性マスターバッチとポリブチレンナフタレート樹脂を含み前記カーボンナノファイバーを含まないブレンド用樹脂とを質量比で導電性マスターバッチの方が少なくなるように配合して、溶融させない状態で混合し、
得られた混合物を押出し成形機で溶融成形することを特徴とする導電性ベルトの製造方法を提供する。
本発明者は、上述した従来の製造方法について検討した結果、ベルトの脆化はポリブチレンナフタレート樹脂に2度以上の熱履歴を与えたことが原因と考えられた。そこで、ポリブチレンナフタレート樹脂に与える熱履歴ができるだけ少なくなるような製造方法について試行錯誤の検討を加えた。その結果、カーボンナノファイバーを混合する工程と押出成形の工程においてポリブチレンナフタレート樹脂が高熱にさらされることは避けられないが、導電性ベルトに含まれるポリブチレンナフタレート樹脂を2つに分け、一方はやむを得ず前記2つの工程において熱履歴を受けるが、他方は押出成形の工程のみにおいて高熱が加えられるだけとし、しかも後者の質量割合を多くすれば、前記目的が達成できることを知見した。さらに、具体的な手法を検討して、上記本発明の製造方法に至った。
本発明の導電性ベルトの製造方法においては、導電性材料としてDBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーを用いることを特徴とする。
本発明のカーボンナノファイバーは炭素からなるナノサイズの極微細炭素繊維である。
カーボンナノファイバーは、その直径が0.5〜500nmであることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましい。なお、カーボンナノファイバーとして多層ナノチューブを用いる場合、その直径は最も外側のカーボンナノチューブの直径をいう。
カーボンナノファイバーの直径が上記特定範囲よりも小さいと凝集しやすくなるためベース樹脂中に均一に分散させにくくなる。一方、直径が上記特定範囲よりも大きいと、少量の添加で高い導電性が得られ難くなる。
また、本発明において用いるカーボンナノファイバーはアスペクト比10以上であるものが好ましい。この程度の大きさのものであれば、ベース樹脂中に均一に分散しやすく、かつ互いに接触しやすいので、均一な導電性を得やすい。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、所謂、カーボンナノチューブなどが例示できる。
カーボンナノチューブは、蜂の巣状に結合した炭素原子が平面状に広がってなるグラフェンシート1層が筒状になった単層カーボンナノチューブ、2層以上が同心円状に筒状になった多層カーボンナノチューブおよびこれらがコイル状になったものが挙げられる。本発明においては、カーボンナノチューブにおいて単層構造と多層構造が混在していてもよい。
また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。さらに、両側に穴があいたカーボンナノチューブはもちろん、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーン、その頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質なども用いることができる。
本発明で用いるカーボンナノファイバーとしては、上記カーボンナノチューブに限らず、内部が充填された構造のものでもよい。また、炭素層が螺旋構造を有する場合、炭素層が繊維の軸長方向に伸びた構造を有する場合、炭素層が径方向に伸びた構造を有する場合でもよい。
DBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)は、カーボンナノファイバー100gにおけるジブチルフタレートの吸油可能な量であり、一般にカーボンブラック(炭素粉末)などのストラクチャーを示す指標として用いられている。DBP吸油量はASTM D−2414に従って測定することができる。
DBP吸油量を150ml/100g以上としているのは、DBP吸油量が大きいほどカーボンは数珠状に連なった連鎖(カーボンストラクチャー)を形成しやすいため、凝集塊が発生しにくく、かつ少ない添加量で導電性を発現させやすいという利点があることに因る。DBP吸油量が150ml/100gより少ないと、嵩高くて分散性が悪いうえに、カーボン連鎖を形成しにくいため導電性を発現させるためのカーボンナノファイバー添加量が多くなりすぎ、材料の加工性、とくに耐屈曲性を損なう問題点がある。
DBP吸油量の上限値は特に限定されないが、600ml/100g以下であることが好ましい。DBP吸油量が大きくなりすぎると、材料混練から成形加工の過程において加えられる様々な剪断力によりカーボン連鎖が壊れて電気抵抗値がバラツキやすく安定しないといった問題点が生じてくるおそれがあることに因る。
本発明の導電性ベルトには、カーボンナノファイバーを1〜3質量%の割合で含有させている。これは、カーボンナノファイバーの含有量が1質量%未満であると、導電性ベルトの体積抵抗率を1.0×10〜1.0×1012Ω・cm程度の適当な値に調整することが難しい。一方、カーボンナノファイバーの含有量が3質量%を越えると、ベルトが脆くなり耐久性に劣ることになるばかりか、極端な場合押出し成形さえできなくなることによる。
カーボンナノファイバーを分散させるベース樹脂にはポリブチレンナフタレート樹脂が50質量%以上100質量%以下の割合で含まれている。
本発明で用いるポリブチレンナフタレート樹脂には、2,6−ナフタレンジカルボン酸と1,4−ブタンジオールとを重縮合させた樹脂のみならず、ポリブチレンナフタレートをハードセグメントとし、当該ハードセグメントとソフトセグメントとから構成される共重合体も含まれる。前記ソフトセグメントとしては、下記に詳述するポリエーテルからなるソフトセグメントまたはポリエステルからなるソフトセグメントが挙げられる。
本発明において、ベース樹脂にポリブチレンナフタレート樹脂以外の他のポリマーを組み合わせて用いてもよい。
他のポリマーとしては本発明の目的に反しない限り公知のポリマーを用いてもよいが、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
前記他のポリマーとして、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが好適な例として挙げられる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは本発明の導電性ベルトに対して要求される特性に応じて、硬度、弾性率、成形性など適当なグレードのものを使用することができるが、例えばポリエステルポリエーテル系熱可塑性エラストマーまたはポリエステルポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、複数種を混合して用いても良い。
なかでも、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香環を有するポリエステルからなるハードセグメントとポリエーテルおよび/またはポリエステルからなるソフトセグメントとから構成される共重合体が好ましい。
芳香環を有するポリエステルからなるハードセグメントの構成成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそのエステルと炭素数が1〜25のグリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを用いることができる。
前記酸性成分としてはテレフタル酸を用いることが好ましい。このテレフタル酸を単独で用いることがより好ましいが、その他の酸成分と必要に応じて組み合わせることもできる。テレフタル酸とその他の酸成分を組み合わせて用いる場合、テレフタル酸が全酸成分の70モル%以上、好ましくは75モル%以上占めることが好適である。
前記炭素数が1〜25のグリコールとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
前記ポリエーテルからなるソフトセグメントとしては、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコールが挙げられる。アルキレン部分の炭素数は、前記例示化合物における2および4に限らず、2〜20であれば好ましく、2〜10であればより好ましい。
ポリエステルポリエーテル系熱可塑性エラストマーにおいて、ポリエーテルからなるソフトセグメントは全質量の15質量%〜75質量%を占めることが好ましい。
前記ポリエステルからなるソフトセグメントとしてはラクトン類を用いることが好ましい。ラクトン類のなかでもカプロラクトンが最も好ましいが、その他としてエナンラクトンまたはカプリロラクトン等も使用することができ、これらのラクトン類の2種以上を併用することもできる。
ポリエステルポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいて、芳香族ポリエステルとラクトン類との共重合割合は用途に応じて選定され得るが、標準的な比率としては質量比で芳香族ポリエステル/ラクトン類が97/3〜5/95、より一般的には95/5〜30/70の範囲である。
ベース樹脂として、ポリブチレンナフタレート樹脂と上記例示したような他のポリマーとを組み合わせて用いる場合でもポリブチレンナフタレート樹脂の配合量は50質量%以上としており、75質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
本発明の導電性ベルトの製造方法について以下に述べる。
まず、ポリブチレンナフタレート樹脂を含むマスターバッチ用樹脂に前記カーボンナノファイバーを混合して導電性マスターバッチを作製する。
マスターバッチ用樹脂は、ベース樹脂の組成と同一であっても異なっていてもよい。ただし、マスターバッチ用樹脂と後述するブレンド用樹脂とをたすとベース樹脂になるので、ベース樹脂に含まれてない成分はマスターバッチ用樹脂にも含まれていない。
マスターバッチ用樹脂は、ポリブチレンナフタレート樹脂のみからなっていてもよいし、ポリブチレンナフタレート樹脂と上記例示したような他のポリマーとの組み合わせからなっていてもよい。ポリブチレンナフタレート樹脂と他のポリマーとを組み合わせて用いる場合、ポリブチレンナフタレート樹脂の配合量が50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
導電性マスターバッチにおけるカーボンナノファイバーの含有量は、最終製品である導電性ベルトにおけるカーボンナノファイバーの含有量よりも必ず多い。次工程においてブレンド用樹脂で薄めて最終的なカーボンナノファイバーの含有量に調整するからである。
前記の含有量の上限値は10質量%である。これを越えるとマスターバッチ用樹脂にカーボンナノファイバーを均一に分散させることが困難になるからである。
より具体的に、導電性マスターバッチにおけるカーボンナノファイバーの含有量は3〜10質量%であることが好ましい。
マスターバッチ用樹脂にカーボンナノファイバーを混合する方法としては、例えば1軸押出機、2軸押出機、密閉式混練機、オープンロールまたはニーダー等を使用するなど公知の方法を用いることができる。
次に、得られた導電性マスターバッチとブレンド用樹脂とを溶融させない状態で混合する。即ち、ポリブチレンナフタレート樹脂、およびマスターバッチ用樹脂または後述するブレンド用樹脂に含まれるポリブチレンナフタレート樹脂以外の他のポリマーすべての融点よりも低い温度で混合する。
このような工程を経ることにより、ポリブチレンナフタレート樹脂に対する熱履歴を最小限に抑えることができる。すなわち、従来の製造方法ではカーボンナノファイバーの混合工程と押出し成形工程の2度にわたってポリブチレンナフタレート樹脂に熱が加えられるが、本工程を挟むことによりブレンド用樹脂に含まれるポリブチレンナフタレート樹脂には押出し成形工程における1回の熱履歴が与えられるのみで済み、しかも後述するようにブレンド用樹脂の方が多く配合されることから全体の半分以上のポリブチレンナフタレート樹脂が1回の加熱を経験するだけで済む。その結果、本発明の導電性ベルトの脆化を防ぎ、連続駆動に対しても優れた耐久性が発揮できる。
本工程においては、導電性マスターバッチとブレンド用樹脂とを、熱をかけないだけでなく溶媒をも加えずに単に物理的に混合するだけのドライブレンドすることが好ましい。例えば、導電性マスターバッチのペレットとブレンド用樹脂のペレットをドライブレンドする手法が挙げられる。
ブレンド用樹脂は、ベース樹脂の組成と同一であっても異なっていてもよい。ただし、上述したようにマスターバッチ用樹脂と後述するブレンド用樹脂とをたすとベース樹脂になるので、ベース樹脂に含まれてない成分はブレンド用樹脂にも含まれていない。
ブレンド用樹脂は、ポリブチレンナフタレート樹脂のみからなっていてもよいし、ポリブチレンナフタレート樹脂と上記例示したような他のポリマーとの組み合わせからなっていてもよい。ポリブチレンナフタレート樹脂と他のポリマーとを組み合わせて用いる場合、ポリブチレンナフタレート樹脂の配合量が50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましい。
ブレンド用樹脂にはカーボンナノファイバーは含まれていない。カーボンナノファイバーを混合する際に必然的にかかってしまう熱履歴を避けるためである。
本工程において導電性マスターバッチとブレンド用樹脂との配合割合は、質量比で導電性マスターバッチの方が少なくなるようにする。上述したようにブレンド用樹脂に含まれるポリブチレンナフタレート樹脂においては与えられる熱履歴が1回で済むため、ブレンド用樹脂の配合割合を多くすることにより加熱による劣化が少ないポリブチレンナフタレート樹脂の割合が増すためである。
具体的に、導電性マスターバッチとブレンド用樹脂との配合割合が質量比で5:5〜2:8であることが好ましい。導電性マスターバッチの配合量がブレンド用樹脂の配合量を超えると熱履歴を受けた樹脂の割合が多くなり、最終押出品が脆くなる。一方、導電性マスターバッチ/ブレンド用樹脂(質量比)が2/8よりも小さくなると低抵抗化が困難となり、所望の電気抵抗値への調整が困難になる。
得られた混合物を押出し成形機で溶融成形することにより、本発明の導電性ベルトを得ることができる。
より具体的には、得られた混合物を押出し成形機の材料投入口から導入し、押出機内で溶融混合されたものを溶融状態まま成形用ダイスに導き、クロスヘッドダイにより溶融物を環状に展開し、環状のダイリップより鉛直方向下向きに押し出し、押し出された溶融状押出し物を溶融状態のままダイリップ下流に設けたサイジング用型であるインサイジングの外壁面に接触冷却させ、固化したものが連続チューブ状の押出し物となる。この押出し物をさらに下流に設けられたカット装置で所定の長さに切り分けることで、本発明の導電性ベルトを得ることができる。
ダイリップから出てくる溶融物は鉛直方向下向きに押し出されることで重力による影響を受けず、残留ひずみも低減され、円筒状態を維持したままサイジング用型へ導かれ、寸法精度を高めることができる。
上記押出成形の条件は、ベース樹脂の組成またはカーボンナノファイバーの含有量などにより適宜調整すればよい。例えば、押出機内の温度はベース樹脂を構成するポリマー成分のうち融点が最も高いポリマーの融点よりも10℃以上高くすることが好ましい。上限値は特に限定されないが、ベース樹脂の劣化を引き起さない温度であることが好ましく、具体的には350℃以下、好ましくは320℃以下である。
本発明においては導電性ベルトの外周面にコーティング層を設けてもよい。例えば、ウレタン、アクリル、ゴムラテックス等を主ポリマーとし、フッ素系樹脂を分散させたような公知のコーティング材料を目的に応じて選択し、当該材料を静電塗装、吹き付け塗装、ディッピングまたは刷毛塗り塗装等公知の方法によってコーティング処理することによりコーティング層を形成させることができる。
コーティング層を設けることにより、例えば画像形成装置の中間転写ベルトとして使用した際に、転写時に残ったトナーをかき取りやすくでき、トナーの着脱性を変化させることができ、表面エネルギーをコントロールすることができる。
コーティング層の厚みは1〜20μmが好ましい。なお、コーティング層は複層としても良く、ベルト内周面側にコーティング層を設けても良い。
前記製造方法で製造される本発明の導電性ベルトは、その体積抵抗率が1.0×10〜1.0×1012Ω・cmであることが好ましい。
前記範囲より体積抵抗率が小さいと、電流が流れやすくなるため、電荷の保持が困難となる等、導電性部材として機能しなくなることがある。特に、本発明の導電性ベルトを中間転写ベルトとして用いる場合は、トナーの静電画像を保持するために体積抵抗率を1.0×10Ω・cm以上とする必要がある。一方、前記範囲より体積抵抗率が大きいと、転写や帯電、トナー供給等のプロセスに高電圧が必要となったり、転写効率が低下したりすることがある。
本発明の導電性ベルトの肉厚は50〜500μmとすることが好ましい。押出成形する際にダイリップの間隙を調整すること、または、樹脂の吐出量とベルトの引取速度を調整することで厚みを変えることができる。肉厚が50μmより薄いと、伸びやすくなり、例えばカラーの画像形成装置で多色トナーを重ねて作像する際にズレが生じるなどの問題が生じる。反対に肉厚が500μmより厚いと、ベルトの曲げ剛性が高くなり、ベルトを駆動軸に懸架できなくなるなどの問題が生じる。
本発明の導電性ベルトは導電性が要求される用途であればいずれの用途にも幅広く用いることができる。なかでも、例えば複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いることが好ましい。すなわち、本発明は、上記本発明の製造方法により製造された導電性ベルトを備えていることを特徴とする画像形成装置を提供する。
上記画像形成装置は、本発明の導電性ベルトを備えることにより、均一な画像を得られると共に長期間にわたって安定した品質を発揮できる。
本発明の製造方法によれば、導電性ベルトに含まれる樹脂のうちブレンド用樹脂が経験する熱履歴は押出し成形時の1回のみで済む。導電性ベルトに含まれる樹脂全体がカーボンナノファイバーを混合する工程と押出成形の工程の少なくとも2回にわたって高熱にさらされる従来の製造方法とは異なり、本発明の製造方法では樹脂に与えられる熱履歴が少なくなる。その結果、導電性ベルトの脆化を防ぐことができ、連続駆動にも亀裂や破断が生じることのない優れた耐久性を有する導電性ベルトが得られる。
本発明の導電性ベルトは、導電性材料であるカーボンナノファイバーの分散性に優れ、均一な電気抵抗値を示す。
さらに、分散性に優れているがゆえに、カーボンナノファイバーの配合量が少なくても高い導電性を発揮させることができる。カーボンナノファイバーは高価であるため、導電性を維持したままカーボンナノファイバーの配合量を減らせることは製造コストの低廉化につながる。
また、本発明の導電性ベルトでは、カーボンナノファイバーの分散性が良く、加えて配合量も少ないために、凝集塊が発生しくにい。その結果、ベルト状への成形が容易であり、かつ表面には多数の微小突起が発生することなく滑らかな表面の導電性ベルトが得られる。これにより、本発明の導電性ベルトを画像形成装置に用いた場合は良好な画像が見られる。
次に、図面を参照して、本発明の導電性ベルトの製造方法および当該製造方法で製造された導電性ベルトを備えた画像形成装置の実施形態を説明する。
本実施形態で用いるカーボンナノファイバーは、DBP吸油量が150〜400ml/100gである。
さらに、本発明において用いるカーボンナノファイバーは、圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であるものが好ましい。これ以上圧密体の体積抵抗値が大きいものであると、ベース樹脂に分散した状態で十分な導電性が得られない可能性がある。下限値は特に限定されないが、1.0×10−4Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×10−3Ω・cm以上であることがより好ましい。
本発明において用いるカーボンナノファイバーは、直径が5〜100nmであることが好ましい。また、本発明において用いるカーボンナノファイバーはアスペクト比10以上であるものが好ましい。この程度の大きさのものであれば、ベース樹脂中に均一に分散しやすく、かつ互いに接触しやすいので、均一な導電性を得やすい。
本発明において用いるカーボンナノファイバーはBET比表面積400m/g以下であるものが好ましい。BET比表面積がこれより大きいと樹脂との接触面積が過大になり、ベース樹脂の物性が損なわれ、樹脂自体が本来有する強度や混練時ないし成形時の粘度が高くなり、流動性が失われる可能性がある。
前記カーボンナノファイバーは、本発明の導電性ベルト全体に対し1〜3質量%の割合で含有されている。カーボンナノファイバーの含有量は1.5〜2.5質量%であることがより好ましく、1.5〜2.0質量%であることがさらに好ましい。
本発明に用いられるカーボンナノファイバーは、市場で入手可能なものを用いても、当該分野で公知の任意の方法によって製造したものを用いてもよい。
カーボンナノファイバーの製造方法としては、アーク放電法、レーザー蒸発法、気相成長法、二酸化炭素の接触水素還元法、CVD法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法などが挙げられる。なかでも、気相成長法により製造することが好ましい。
例えば、気相成長法によってカーボンナノファイバーを製造する方法としては、一酸化炭素または二酸化炭素と水素の混合ガスを原料として用い、触媒の組合せを調整して反応条件を整えることによってカーボンナノファイバーを製造するという方法が挙げられる。
より具体的には、例えばファイバーの成長核としてFe、Ni、Co、Mn、Cuの酸化物から選ばれた1種または2種以上と、Mg、Ca、Al、Siの酸化物の1種または2種以上からなる触媒粒子を用い、触媒の組合せを調整し、一定温度範囲で一酸化炭素と水素の混合ガスまたは二酸化炭素と水素の混合ガスを触媒粒子に一定時間供給する方法によってカーボンナノファイバーを製造することができる。さらに好ましくは、反応後に連続して反応温度と同一温度下で水素ガスで10分間以上処理すると良い。この方法によって、グラフェンシートの微小単位の集合体(非晶質多結晶構造体)からなり、親油性を有し、従ってDBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーを得ることができる。
カーボンナノファイバーにおいては、本発明においてマスターバッチ用樹脂と混練される前に、あらかじめ例えばイオン注入処理、スパッタエッチング処理またはプラズマ処理などの表面処理を行うことができる。
本発明においてベース樹脂はポリブチレンナフタレート樹脂のみから構成される。
ポリブチレンナフタレート樹脂としては、ポリブチレンナフタレートからなるハードセグメントとソフトセグメントとから構成される共重合体が好ましい。前記ソフトセグメントとしては、ポリエーテルからなるソフトセグメントが好ましい。
本発明において、ベース樹脂に上記カーボンナノファイバー以外にも本発明の目的に反しない限り他の成分を配合してもよい。
前記他の成分としては、充填剤、軟化剤、老化防止剤等が挙げられる。充填剤は、機械的強度を向上させるために配合し、具体的には炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、硫酸バリウム、ケイ藻土などが挙げられる。さらに、軟化剤はベルトの硬度や柔軟性を適度に調整するために配合し、具体的にはステアリン酸もしくはラウリン酸などの脂肪酸、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどが挙げられる。軟化剤の配合量は特にベルト表面からの遊離、ブリード、ブルーミングや感光体汚染性などの接触物への移行などを起こさず、かつ導電性に悪影響を及ぼさない範囲で調整する。老化防止剤としては、イミダゾール類、アミン類、フェノール類などが挙げられる。
本発明の導電性ベルトの製造方法について以下に説明する。
まず、マスターバッチ用樹脂に前記カーボンナノファイバーを混合して導電性マスターバッチを作製する。
マスターバッチ用樹脂は、ベース樹脂の組成と同一であってポリブチレンナフタレート樹脂のみから構成される。なお、樹脂成分以外の添加剤は含まれていてもよい。
導電性マスターバッチにおけるカーボンナノファイバーの含有量は最終製品である導電性ベルトにおけるカーボンナノファイバーの含有量よりも必ず多い。具体的に、導電性マスターバッチにおけるカーボンナノファイバーの含有量は3〜8質量%であることがより好ましい。
マスターバッチ用樹脂にカーボンナノファイバーを混合する際には公知の方法を用いればよい。混練時の温度は特に限定されないが、ポリブチレンナフタレート樹脂の融点+10〜30℃であることが好ましい。ポリブチレンナフタレート樹脂の熱による劣化を極力抑えるためである。
次に、得られた導電性マスターバッチのペレットとブレンド用樹脂のペレットをドライブレンドする。
ここで、ブレンド用樹脂は、ベース樹脂の組成と同一であってポリブチレンナフタレート樹脂のみから構成される。なお、樹脂成分以外の添加剤は含まれていてもよい。
導電性マスターバッチとブレンド用樹脂との配合は、質量比で導電性マスターバッチの方が少なくなるようにする。具体的に、導電性マスターバッチとブレンド用樹脂との配合割合が質量比で4:6〜3:7であることが好ましい。
得られた混合物を押出し成形機で溶融成形して導電性ベルトを製造している。
図1に押出し成形機10を示す。押出し成形機10は、材料投入口であるホッパー11と、投入された材料を溶融押出する押出機12と、押出機12の中心軸とダイの中心軸が直角になり環状ダイス構成としたクロスヘッドダイ13と、押出機12とクロスヘッドダイ13の間に配置され押出量を調整するギヤポンプ14と、押し出された環状物Bを内周面側から成形するサイジング用型であるインサイドサイジング15と、成形された環状物Bを鉛直方向下向きに引き取る引取機16と、連続的に成形される環状物Bを所定長さにカットする自動カット機17とを備えている。クロスヘッドダイ13は、環状ダイスのダイリップ13aから溶融物を鉛直方向下向きに押し出す構成としている。
上記の工程で得られた混合物をホッパー11から投入し、押出機12内で200〜350℃、好ましくは250〜300℃で溶融混合し、溶融物をギヤポンプ14で押出量を調整しながらクロスヘッドダイ13へ送り込む。溶融物は、クロスヘッドダイ13の環状ダイスのダイリップ13aから環状に鉛直方向下向きに押し出す。このときダイス温度は200〜350℃、好ましくは230〜300℃で、より好ましくは260〜280℃である。ダイリップ13aから押し出された環状物Bは、インサイドサイジング15に沿わさせて70〜150℃で冷却してベルト状に成形し、引取機16により引取り速度0.5〜3m/分で鉛直方向下向きへ引き取られ、自動カット機17により所定の長さにカットされ、本発明の導電性ベルトとなる。
上記のようにして得られた本発明の導電性ベルトは、その体積抵抗率が1.0×10〜1.0×1012Ω・cmである。体積抵抗率のより好適な範囲は用途により異なるので一概には言えない。例えば、本発明の導電性ベルトを中間転写体として用いる場合は、その体積抵抗率は1.0×10〜1.0×1010Ω・cmであることがより好ましく、1.0×10〜1.0×10Ω・cmであることがさらに好ましい。
本発明の導電性ベルトの肉厚は50〜200μmとすることが好ましい。
さらに、本発明の導電性ベルトは優れた耐久性を示す。その指標として導電性ベルトを径20mmのシャフト間に架け渡し、温度23℃、相対湿度55%の環境下、ベルト速度200mm/秒で1万回転させ、その後のベルトの状態を目視で確認したときに割れ目や裂け目が生じない。
本発明の導電性ベルトは画像形成装置に用いる。図面を参照して、本発明の導電性ベルトを備えた画像形成装置の実施形態を説明する。
図2は、本発明の導電性ベルトを中間転写ベルト2として備えたタンデム方式カラープリンタの主要構造の一例である。タンデム方式は、BMCYの各色ごとに独立した現像ユニット1a〜1dを有し、4色分の印刷をほぼ同時に行えるため、4サイクル方式に比べて高速の印字が可能である。
このカラープリンタは、現像ユニット1a〜1dの他に、一次転写ロール3a〜3d、中間転写ベルト2、中間転写ベルトを駆動する駆動ロール4a、4b、二次転写ロール5、および定着ユニット7を備えている。現像ユニット1a〜1d内には、それぞれ感光体8a〜8dおよび帯電ロール9a〜9dが組み込まれている。感光体8a〜8dは、中間転写ベルト2を介して、それぞれ一次転写ロール3a〜3dと対向している。
各現像ユニット1内では、感光体8の帯電、露光、静電潜像の形成、トナーによる現像までが行われる。感光体8上のトナー像は、駆動軸4a、4bにより張架された中間転写ベルト2上に1次転写ロール3に印加された転写電圧により写し取られる。
中間転写ベルト2は、駆動軸4a、4bにより矢印方向に駆動され、所定の位置に各色のトナーを重ねて、その上にカラー画像を形成する。中間転写ベルト2に形成されたカラー画像は、2次転写ロール5に印加された二次転写電圧により、紙などの記録媒体6へと転写される。記録媒体6上のトナー像は、定着ユニット7で記録媒体6に溶融定着される。
図3は、本発明の導電性ベルトを中間転写ベルト33として備えた1ドラム方式カラープリンタの主要構造の一例である。
1ドラム方式では、CMYKの4色が一体となった印刷ユニットを利用し、印刷ユニットを回転させてカラー印刷が行われる。
このカラープリンタは、転写ローラ30a、30b、帯電ローラ31、感光体32、中間転写ベルト33、定着ローラ34、4色のトナー35(35a、35b、35c、35d)、鏡36を備えている。
画像形成の際、まず、感光体32が図中の矢印の方向に回転し、帯電ローラ31によって感光体32が帯電される。その後、鏡36を介してレーザー37が感光体32の非画像部を露光して除電され、画線部に相当する部分が帯電した状態になる。次に、トナー35aが感光体32上に供給されて、帯電画線部にトナー35aが付着し、1色目の画像が形成される。このトナー画像は、一次転写ローラ30aに電界が印加されることにより、中間転写ベルト33上へ転写される。
同様にして、感光体32上に形成されたトナー35b〜35dの各色の画像が中間転写ベルト33上に転写され、中間転写ベルト33上に4色のトナー35(35a〜35d)からなるフルカラー画像が一旦形成される。このフルカラー画像は、二次転写ローラ30bに電界が印加されることにより、紙などの被転写体38上へ転写され、所定の温度に加熱されている定着ローラ34を通過することで、被転写体38の表面へ定着される。
なお、両面印刷を行う場合には、定着ローラ34を通過した被転写体38が、プリンター内部で反転され、上記画像形成工程を繰り返し、再度裏面に画像が形成される。
以下、本発明の導電性ベルトの実施例および比較例について詳述する。
(実施例1)
ポリブチレンナフタレート樹脂(東洋紡績(株)製「ペルプレンP560」)に下記物性を有するカーボンナノファイバーをその濃度が5質量%となるように溶融混練し、導電性マスターバッチAを作製した。
カーボンナノファイバーの物性
・DBP吸油量 ;250ml/100g
・圧満体の体積抵抗値;4×10−2Ω・cm
・BET比表面積 ;280m/g
得られた導電性マスターバッチAと、ポリブチレンナフタレート樹脂(東洋紡績(株)製「ペルプレンP560」)のペレットとを質量比30/70となるように計量し、これらをドライブレンドした。得られた混合物を図1に示す押出し成形機10のホッパー11へ投入し、押出機温度(シリンダー温度)250〜290℃、ギヤポンプ温度270℃、ダイス温度260〜280℃、ギヤポンプ回転数7回転の条件でクロスヘッドダイ13の環状ダイスのダイリップ13aから溶融物を鉛直方向下向きへ押し出した。その後、インサイドサイジング15に沿わせることで冷却し固化成形し、引取機16により引取り速度1m/分で鉛直方向下向きに引っ張り、自動カット機17で400mm幅にカットすることで連続的に本発明の導電性ベルトを得た。得られたベルトは、カーボンナノファイバー含有量=1.5質量%、ベルト内径=200mm、平均肉厚=150μmであった。
(実施例2)
導電性マスターバッチAとポリブチレンナフタレート樹脂の混合比を質量比で40/60となるようにした以外は、実施例と全く同様に本発明の導電性ベルトを作製した。得られたベルトは、カーボンナノファイバー含有量=2質量%、ベルト内径=200mm、平均肉厚=150μmであった。
(比較例1)
ポリブチレンナフタレート樹脂(東洋紡績(株)製「ペルプレンP560」)にカーボンブラック(電気化学工業(株)製「デンカブラック」)をその濃度が全体の15質量%となるように混練し、ストランドカッターによりペレット状の導電性マスターバッチBを作製した。
得られた導電性マスターバッチBを押出し成形機10のホッパー11へ投入し、実施例1と全く同じ条件で押出成形を試みた。
得られたベルトは脆いうえにカーボンブラックの凝集塊によるブツブツが多数見られ、画像形成装置用ベルトとして用いることができなかった。
(比較例2)
ポリブチレンナフタレート樹脂(東洋紡績(株)製「ペルプレンP560」)に実施例1で用いたカーボンナノファイバーをその濃度が2質量%となるように溶融混練し、導電性マスターバッチCを作製した。
得られた導電性マスターバッチCを押出成形機10のホッパー11へ投入し、実施例1と全く同じ条件で押出成形し、導電性ベルトを得た。得られたベルトは、カーボンナノファイバー含有量=2質量%、ベルト内径=200mm、平均肉厚=150μmであった。
(比較例3)
実施例1で用いた導電性マスターバッチAを押出し成形機10のホッパー11へ投入し、実施例1と全く同じ条件で押出成形を試みた。
しかし、インサイドサイジング15付近で固化した溶融物は非常に脆く、引取機16にかけることができず、ベルトを得ることができなかった。
実施例1,2および比較例2で得られた導電性ベルトについて下記試験を行った。
(体積抵抗率の測定)
各ベルトの面内30点の体積抵抗率(Ω・cm)を、(株)ダイアインスツルメンツ製のハイレスタUP
MCP−HT450型、URSプローブを用いて、電圧印加時間10秒、印加電圧250Vの条件で測定し、30点の測定値の平均をとった。測定環境は、温度23℃、相対湿度55%とした。
(連続駆動試験)
各ベルトを径20mmのシャフト間に架け渡し、温度23℃、相対湿度55%の環境下、ベルト速度200mm/秒で1万回転させ、その後のベルトの状態を目視で確認した。
各ベルトの体積抵抗率は次の通りであった。
実施例1;3.7×1011Ω・cm、
実施例2;6.8×10Ω・cm、
比較例2;2.7×10Ω・cm。
また、実施例1および実施例2で得られたベルトは連続駆動試験実施後も割れたり裂けたりすることなく、良好な耐久性を示すことが確認できた。これに対し、比較例2で得られたベルトは折り曲げるだけで割れてしまうほど脆いものであり、なんとかシャフト間に架け渡し連続回転させたところ容易に破断した。
導電性ベルトの製造装置の概略図である。 本発明の導電性ベルトを中間転写ベルトとして備えたタンデム方式カラープリンタの主要構造の一例である。 本発明の導電性ベルトを中間転写ベルトとして備えた1ドラム方式カラープリンタの主要構造の一例である。
符号の説明
1a〜1d 現像ユニット
2 中間転写ベルト
3a〜3d 一次転写ロール
4a、4b 駆動ロール
5 二次転写ロール
6 記録媒体
7 定着ユニット
8a〜8d 感光体
9a〜9d 帯電ロール
10 押出し成形機
11 ホッパー
12 押出機
13 クロスヘッドダイ
13a ダイリップ
14 ギヤポンプ
15 インサイドサイジング
16 引取機
17 自動カット機
30a〜b 転写ローラ
31 帯電ローラ
32 感光体
33 中間転写ベルト
34 定着ローラ
35a〜d トナー
36 鏡
37 レーザー
38 被転写体

Claims (6)

  1. ポリブチレンナフタレート樹脂を50質量%以上100質量%以下の割合で含むベース樹脂に、DBP吸油量が150ml/100g以上のカーボンナノファイバーが1〜3質量%の割合で含有されている導電性ベルトの製造方法であって、
    ポリブチレンナフタレート樹脂を含むマスターバッチ用樹脂に前記カーボンナノファイバーを混合して導電性マスターバッチを作製し、
    得られた導電性マスターバッチとポリブチレンナフタレート樹脂を含み前記カーボンナノファイバーを含まないブレンド用樹脂とを質量比で導電性マスターバッチの方が少なくなるように配合して、溶融させない状態で混合し、
    得られた混合物を押出し成形機で溶融成形することを特徴とする導電性ベルトの製造方法。
  2. 前記導電性マスターバッチにおけるカーボンナノファイバー含有量が、導電性ベルトにおけるカーボンナノファイバー含有量よりも多く、かつ10質量%よりも少ない請求項1に記載の導電性ベルトの製造方法。
  3. 押出し成形前に溶融させない状態で混合する前記導電性マスターバッチと前記ブレンド用樹脂との配合割合が質量比で5:5〜2:8である請求項1または請求項2に記載の導電性ベルトの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法で製造される導電性ベルトであって、体積抵抗率が1.0×10〜1.0×1012Ω・cmであることを特徴とする導電性ベルト。
  5. 請求項4に記載の導電性ベルトを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4に記載の導電性ベルトを中間転写ベルトまたは搬送ベルトとして用いている請求項5に記載の画像形成装置。
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