JP2006091678A - 転写ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリエステル樹脂及び芳香族ポリカーボネートを含有する樹脂組成物からなり、難燃性及び耐久性を兼ね備えた転写ベルトを提供する。
【解決手段】樹脂成分としてポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物からなる転写ベルトにおいて、樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物を好ましくは樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部配合する。
【解決手段】樹脂成分としてポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物からなる転写ベルトにおいて、樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物を好ましくは樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部配合する。
Description
本発明は、画像形成装置の中間転写ベルト、転写搬送ベルト等の転写に関するものである。
画像形成装置には、感光体上に形成されるトナー像をいったん転写した後、さらにこの転写像を転写材に転写するのに用いられる中間転写ベルトなどの転写ベルトが使用されている。
転写ベルトに使用される材料の一つとして、特許文献1に示すように、熱可塑性ポリアルキレンテレフタレートと熱可塑性芳香族ポリカーボネートとを含有する熱可塑性樹脂組成物が提案されている。
上記熱可塑性樹脂組成物からなる転写ベルトは、初期弾性率が比較的高く、また、優れた耐久性を備えている。すなわち、張力がかかった状態が持続しても初期弾性率の低下が小さく、伸びが少ないために色ズレや画像ボケを抑制することができ、また、クラックが発生しにくいという利点を有している。
特開平6−149083号公報
しかしながら、上記転写ベルトは難燃性を有しておらず、OA機器の難燃化(非ハロゲン難燃)が要求される近年の業界の流れに反するという問題が生じていた。上記問題を解決するために、前記熱可塑性樹脂組成物中に一般的な難燃剤であるリン酸エステルや水酸化マグネシウムなどを添加した場合には、十分な難燃効果は得られない上に、ベルトが脆くなってクラックが発生しやすくなり、耐久性が大幅に低下するという新たな問題が生じていた。
そこで、本発明においては、難燃性及び耐久性を兼ね備えた転写ベルトを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが種々検討した結果、難燃剤の中でも特定の構造を有するリン酸化合物を使用すれば、難燃性及び耐久性を兼ね備えた転写ベルトが得られることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明では、樹脂成分としてポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物からなる転写ベルトにおいて、樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物を配合したことを特徴とするものである。
上記構成によれば、実用レベルの耐久性を維持しつつ、十分な難燃性を備えた転写ベルトを得ることが可能となる。リン酸エステルアミド化合物の種類については特に制限はなく、例えば、ジアルキル クロロホスフェートと、アミン化合物とを反応させて得ることができる。アミン化合物としては、1級アミンや、2級アミンを使用することができる。
このようなリン酸エステルアミド化合物としては、具体的に、四国化成工業株式会社製SP−670やSP−703等を使用することができる。
本発明で使用されるポリエステル樹脂としては、具体的にポリアルキレンテレフタレートやポリアルキレンナフタレートを挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、併用することもできる。
樹脂成分におけるポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとの配合割合としては、重量比で90/10〜30/70の範囲内であるのが好ましい。また、転写ベルトとして要求される導電率をクリアーするためには、樹脂組成物中にカーボンブラック等の導電性フィラ−を配合すればよい。導電性フィラ−の添加量としては、樹脂成分100重量部に対して1〜50重量部とするのが好ましい。
難燃剤として用いられるリン酸エステルアミド化合物の配合量としては、樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部であるのが好ましい。配合量が1重量部未満になると、十分な難燃効果が得られず、30重量部よりも多くなるとリン酸エステルアミド化合物の種類によってはベルトが脆くなるおそれが生じる。
本発明では、樹脂成分としてポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物からなる転写ベルトにおいて、樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物を配合することにより、難燃性及び耐久性を兼ね備えた転写ベルトを得ることができる。
樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物をはじめとする種々の難燃剤を添加して中間転写ベルトを作製し、その特性を評価した。以下に詳細を記す。
[樹脂組成物の調製]
樹脂成分として、ポリエステル樹脂と芳香族ポリカーボネートとを併用し、その他成分としてカーボンブラック及び難燃剤を配合して表1に示すように8種類の樹脂組成物(実施例1〜3、比較例1〜5)を調製した。
樹脂成分として、ポリエステル樹脂と芳香族ポリカーボネートとを併用し、その他成分としてカーボンブラック及び難燃剤を配合して表1に示すように8種類の樹脂組成物(実施例1〜3、比較例1〜5)を調製した。
ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンナフタレート(帝人化成社製、商品名「TQB−0T」)とポリブチレンテレフタレート(大日本インキ化学工業社製、商品名「プラナックBT1500」)とを用いた。芳香族ポリカーボネートとしては、住友ダウ社製の商品名「SDポリカ875−20」を使用し、カーボンブラックとしては東海カーボン社製の商品名「シースト3」を使用した。
難燃剤は、リン酸エステルアミド化合物として四国化成工業社製の商品名「SP−703」を用い、その他の難燃剤として赤燐(日本化学工業社製)、水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名「キスマ5A」)、リン酸エステル化合物(大八化学工業社製、商品名「PX−200」)及びポリリン酸メラミン(三和ケミカル社製、商品名「MPP−A」)を用いた。
[転写ベルトの作製]
上記樹脂組成物を用いて転写ベルトを作製した。具体的には、樹脂組成物を混練して樹脂ペレットを作製し、このペレットをサーキュラーダイスを備えた押出成形機にて押出成形し、直径150mm、幅266mmの半導電性の樹脂製シームレス転写ベルトを作製した。
上記樹脂組成物を用いて転写ベルトを作製した。具体的には、樹脂組成物を混練して樹脂ペレットを作製し、このペレットをサーキュラーダイスを備えた押出成形機にて押出成形し、直径150mm、幅266mmの半導電性の樹脂製シームレス転写ベルトを作製した。
[特性試験]
上記のようにして得られた転写ベルトの特性評価試験を行なった。試験としては、体積抵抗率、難燃性、耐屈曲性の3項目について実施した。以下に各試験内容を記す。
(1)体積抵抗率
転写ベルトの体積抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定した。
(2)難燃性
難燃性試験は、米国アンダーライターズラボラトリーズ社規格UL−94の規定に準拠して実施し、VTM−2相当の難燃性レベルを有するものを○、VTM−2相当の難燃性レベルに達しないものを×として評価した。
(3)耐屈曲性
転写ベルトの耐屈曲性試験は、MIT試験機を使用し、JIS P8115に準拠して行ない、ベルトの破断時の屈曲回数を測定した。本試験の測定値が大きいほどクラックが発生しにくくなり、耐久性に優れた転写ベルトを得ることができる。
上記のようにして得られた転写ベルトの特性評価試験を行なった。試験としては、体積抵抗率、難燃性、耐屈曲性の3項目について実施した。以下に各試験内容を記す。
(1)体積抵抗率
転写ベルトの体積抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定した。
(2)難燃性
難燃性試験は、米国アンダーライターズラボラトリーズ社規格UL−94の規定に準拠して実施し、VTM−2相当の難燃性レベルを有するものを○、VTM−2相当の難燃性レベルに達しないものを×として評価した。
(3)耐屈曲性
転写ベルトの耐屈曲性試験は、MIT試験機を使用し、JIS P8115に準拠して行ない、ベルトの破断時の屈曲回数を測定した。本試験の測定値が大きいほどクラックが発生しにくくなり、耐久性に優れた転写ベルトを得ることができる。
[評価結果]
表1に上記特性試験の結果を示す。これによれば、難燃剤を配合しない比較例1は耐屈曲性が4500回と優れた耐久性を示しているものの、難燃性を備えていない。
表1に上記特性試験の結果を示す。これによれば、難燃剤を配合しない比較例1は耐屈曲性が4500回と優れた耐久性を示しているものの、難燃性を備えていない。
これに対して、難燃剤としてリン酸エステルアミド化合物を配合した実施例1〜3は、いずれもVTM−2相当の難燃性を備えているのが判る。耐屈曲性については、実施例1〜3とも、比較例1に比べると低下しているものの、比較例1の60%以上の性能は維持しており、実用レベルであることが確認された。
一方、難燃剤として赤燐、水酸化Mg、リン酸エステルあるいはポリリン酸メラミンを用いた比較例2〜5については、いずれもVTM−2相当の難燃性を達成することはできず、しかも、耐屈曲性は実施例よりも低下しているのが判る。
特に、実施例と同じリン酸系難燃剤を使用した比較例4及び5については、実施例と同量の難燃剤を配合しているにもかかわらず、VTM−2は達成できなかった。したがって、VTM−2を達成するのに必要な量の難燃剤を配合した場合には、さらに耐屈曲性が低下するため、結局、実施例1〜3と同レベルの難燃性及び耐屈曲性を維持するのは困難であることが明らかとなった。
実施例1〜3で得られた転写ベルトを市販のカラープリンターLP−3000C(エプソン社製)に装着し、画像形成テストを行なった。得られた画像は、拡大レンズを用いて観察し、トナーの位置ズレ、画質の評価を行なった。その結果、上記3試料ともに位置ズレ、画質に問題がないことが確認された。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施例では、中間転写ベルトを例示したが、これに限らず、中間転写ベルトのトナー像を用紙に転写させるための転写ベルトにも適用できる。さらには、画像形成用の感光体ベルトにおいて本発明を適用してもよいことは勿論である。
Claims (3)
- 樹脂成分としてポリエステル樹脂と、芳香族ポリカーボネートとを含有する樹脂組成物からなる転写ベルトにおいて、前記樹脂組成物中にリン酸エステルアミド化合物を配合したことを特徴とする転写ベルト。
- 前記ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート及び/又はポリアルキレンナフタレートであることを特徴とする請求項1記載の転写ベルト。
- 前記リン酸エステルアミド化合物の配合量が、前記樹脂成分100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の転写ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004279504A JP2006091678A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 転写ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004279504A JP2006091678A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 転写ベルト |
Publications (1)
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JP2006091678A true JP2006091678A (ja) | 2006-04-06 |
Family
ID=36232706
Family Applications (1)
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JP2004279504A Withdrawn JP2006091678A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 転写ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006091678A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008044179A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 導電性ベルトとその製造方法、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 |
-
2004
- 2004-09-27 JP JP2004279504A patent/JP2006091678A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008044179A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 導電性ベルトとその製造方法、該導電性ベルトを備えた画像形成装置 |
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