JP2004191554A - 画像転写・定着用ベルト、これを用いた画像転写・定着装置及び電子写真装置 - Google Patents

画像転写・定着用ベルト、これを用いた画像転写・定着装置及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、耐磨耗性に優れ、かつ離型性(又は忌避性)にも優れた画像転写・定着用ベルトを提供し、該画像転写・定着用ベルトを有する転写・定着システムの耐久性を向上させることができるトナーを提供し、該システムを使用した画像転写・定着装置及びこの画像転写・定着装置を搭載した電子写真装置を提供する。
【解決手段】転写と同時に定着させる画像転写・複写装置における転写・定着用ベルトとして、表面に少なくとも一種以上の耐熱樹脂を有し、該耐熱樹脂の主鎖部分がポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造を有し、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する樹脂で形成されたことを特徴とする画像転写・定着用ベルト、それを用いた転写・定着装置、電子写真装置又はそれに使用されるトナー。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、プリンター、静電記録、ファクシミリ、静電印刷などに用いられる電子写真装置の画像転写・定着ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写定着領域に搬送する第1の中間転写体と、転写定着領域において第1の中間転写体と接触して中間転写体と同一方向に進み、循環移動しながら第1の中間転写体上のトナー像の転写を受けてそのトナー像を転写定着領域上流位置に搬送する第2の中間転写体と、転写定着領域下流位置における第1の中間転写体および第2の中間転写体の温度がトナーの軟化温度以下に冷却する冷却手段を設けた画像形成装置が記載されており、この第1の中間転写体としては、耐熱性、剛性に優れたポリイミド樹脂、アラミド樹脂などの表面にトナー離型性のよいフッ素樹脂、シリコンゴム、フッ素ゴムなどを積層して構成したものが用いられることが記載されている。
【0003】
本出願人は先に、第1の像担持体と第2の像担持体を有し、第1の像担持体から第2の像担持体へ一旦転写した顕像を第2の像担持体から記録媒体の一方の面に転写すると共に、前記第1の像担持体から顕像を記録媒体の他方の面に転写することにより記録媒体の両面に顕像を転写可能な画像形成装置に装着される耐熱転写ベルトであって、前記第2の像担持体としての耐熱転写ベルトにおいて、前記耐熱転写ベルトは150から300℃の熱に耐性を有し、該耐熱転写ベルトが基体と表層から成る2層構造であり、ベルト全体としての体積抵抗が10から1012Ω・cmである耐熱ベルトについて提案した(特許文献2参照)。そして、ベルト基体としてポリイミド系の耐熱性樹脂フィルムを用い、表層は、パーフルオロアルコキシ又は4フッ化エチレン等のコート層とすることを示した。
【0004】
電子写真を用いた画像形成装置の転写・定着においては、常温から非常に高い温度の高温度状態まで幅広い温度帯域での温度変化が繰り返され、さらには強い力で加圧・伸張され、ベルトにはこの過酷な状況に耐え得る耐熱性や機械的強度が要求される。従来の定着装置は加熱ローラや加熱用の無端ベルト等の加熱媒体を介して、記録媒体が加圧ニップされる。この状態で紙などの記録媒体が突入、摺擦することになり、記録媒体や上のトナーに熱を加えトナーを溶融加圧して定着可能とするが、同時に加熱媒体へのトナーの接着力も発生するので加熱ローラや加熱ベルト等の加熱媒体表面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの層を形成し離型性を持たせている。更に本システムのように画像転写・定着を同時に行う場合、中間転写体から記録媒体への転写後残留するトナーのクリーニングを行う。この場合もベルト表面の摩擦係数が低く離型性と摩耗に対しての耐久性が要求される。
また、両面を考えた場合には加熱媒体に対向した加圧ローラや加圧用無端ベルト等の加圧媒体表面にもPTFEやPFA、FEPなどフッ素樹脂の層を形成し離型性を持たせる必要がある。しかし、このようなフッ素系の樹脂は分子間で滑りが発生し、長期間の使用により少しずつ離型層が磨耗し、また、その磨耗速度が速く、離型層の寿命が短いという欠点があり、耐磨耗性の問題を解決できる方法が望まれていた。
【0005】
これに対して特許文献3、特許文献4、特許文献5等には、ローラ表面にポリベンゾイミダゾールを用いることにより、この耐磨耗性が改良されることが記載されている。実際、ポリベンゾイミダゾールは耐熱性や機械的強度は非常に高く、特に磨耗に関しては非常に優秀な性能を示す。しかし、表層をこのようにポリベンゾイミダゾールにした場合、確かに機械的強度の増加により磨耗は抑制されるが、本発明のシステムを用いた画像形成装置のトナー転写・定着用途においては、耐摩耗性だけでなく、溶融状態のトナーをローラ(orベルト)面に貼り付かせることなく、安定してトナーと共に記録媒体を離型する離型性も必要とされポリベンゾイミダゾールだけでは性能面で充分でなく、離型性を維持したまま磨耗性の改良ができる材料(方法)の開発が望まれている。
【0006】
従来の1パス両面システムでは記録媒体のベルトから定着への搬送あるいは定着への進入時が難しく、搬送途中で画像のどちらかの面が板金等の部材に接触し、あるいは定着への進入時にシワになったり、折れ曲がり更には剥離接触帯電等で画像が乱れる場合が有り課題になっていた。中間転写ベルトによる1パス両面転写・定着同時システムは上記システムの課題を解消する事を目的とし、第1の中間転写ベルトと第2の中間転写ベルトの接触部(転写ニップ部)で熱による転写・定着工程を行い更には感光体等への熱によるストレスを与えないために必要に応じてそれぞれのベルトを冷却している。
【0007】
熱ストレスを低減し、画像転写・定着用ベルトの剥離性を含めた全体システムの耐久性を向上させるために、画像の低温度定着を実現する事が望ましく、その為にトナーの軟化点あるいは融点を下げる必要がある、一般に有機高分子物質は、融点が下がると溶融粘度の低下が避けられない。これは樹脂の融点が分子量に依存していることにあり、当然分子量が低ければ分子鎖のからみ合いが緩くなり、相互作用が弱くなることにより溶融粘度は下がる。従って超低融点トナーを使って定着を行った場合、融点以降急激な粘度の低下が起こる。
また、このような低融点トナー特有の課題として、トナー自体が柔らかく、表面に粘着性を持ちやすいために、トナー搬送、補給ボトル内部でトナー同士がブロッキングしたり、感光体へのトナー固着などの問題を起こしやすい。また粉砕工程でも時間がかかり、また粉砕室壁面などに付着したりして収率・生産性の低下という問題を起こす。
【0008】
特許文献6には、低温定着用トナーとして低溶融粘度の樹脂表面中に熱的に安定な層、及びガラス転移温度(Tg)が65℃以上の熱可塑性樹脂からなり、厚さが0.1〜1.0μmの被覆を順次積層することにより、トナー表面のみを熱的に安定化させてオフセットを防止しながら低温定着を行うことが示されている。
しかし、この場合、トナー粒子に皮膜を形成するためには当然通常の混練、粉砕、分級の工程ではなし得ず、水溶液中で重合し、マイクロカプセル化する必要がある。これはトナー製造工程の複雑化を招き、低コスト化、安定供給の面で解決すべき課題が多い。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−250272号公報
【特許文献2】
特開2002−123098号公報
【特許文献3】
特許第2984409号公報
【特許文献4】
特許第2984404号公報
【特許文献5】
特許第3261166号公報
【特許文献6】
特開平9−258480号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、耐磨耗性に優れ、かつ離型性にも優れた画像転写・定着用ベルトを提供し、該画像転写・定着用ベルトを有する画像転写・定着装置の耐久性を向上させることができるトナーを提供し、該画像転写・定着用ベルトを使用した画像転写・定着装置及びこの画像転写・定着装置を搭載した電子写真装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、着色トナーで第1の像担持体表面に第1の顕像を形成させ、それらの顕像を第2の像担持体上に第1の転写手段で転写した後記録媒体の一面に第2の加熱転写手段と第3の加熱転写手段で押圧され形成されるニップ部において転写と同時に定着させる画像転写・定着装置、又は、第2の像担持体上の第1の顕像を第3の像担持体に第2の加熱転写手段により一度に転写させ、次ぎに第2の顕像を前記第1の像担持体で形成し、第2の像担持体に転写し、第2の顕像と前記第1の顕像とを記録媒体の両面に、前記第2の加熱転写手段と第3の加熱転写手段で押圧され形成されるニップ部において転写と同時に定着させる画像転写・定着装置における転写・定着用ベルトが、少なくとも一種以上の耐熱樹脂からなり、該耐熱樹脂の主鎖部分がポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造を有し、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する樹脂で形成されたことを特徴とする画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第2は、請求項1記載のポリベンゾイミダゾール構造が、ベンゾイミダゾール環を構成する2級アミン性の窒素原子に結合する水素原子の50%以上がアルキル基で置換されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第3は、請求項1記載のポリベンゾイミダゾール構造が、ポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンゾイミダゾールであることを特徴とする請求項1に記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第4は、請求項1記載のポリシロキサン構造の側鎖部分が、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン又はジフェニルポリシロキサン構造の側鎖部分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第5は、請求項1〜4記載の耐熱樹脂が、1種類以上の他の樹脂との混合物又は架橋されたものとして用いられ、該他の樹脂もポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造の主鎖部分を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第6は、請求項1〜5記載の耐熱樹脂中に、シリコン系樹脂粒子、フッ素系樹脂粒子又は含窒素耐熱樹脂系樹脂粒子が一種以上分散混合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第7は、前記耐熱樹脂中に電子導電性物質が一種以上分散混合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルトに関する。
本発明の第8は、請求項1〜7に記載の画像転写・定着用ベルトを用いた画像転写・定着装置において、樹脂をワックスに溶融混合する事で樹脂の融点以下で溶解し、軟化点又は融点が60〜140℃、軟化点又は融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率を有し、樹脂量に対して1重量%以上30重量%以下の着色剤が混入された(黒を含む)カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明の第9は、請求項1〜7記載のベルトを用いた請求項1記載の、記録体の両面に画像を転写・定着させる装置を用いて画像を形成するにあたり、請求項8記載のカラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明の第10は、請求項1〜7のいずれかに記載された転写・定着用ベルトを用いたことを特徴とする画像転写・定着装置に関する。
本発明の第11は、請求項10記載の画像転写・定着装置を装着した電子写真装置に関する。
【0012】
本発明の耐熱樹脂の主鎖部分がポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造を有し、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する樹脂自体は、例えばPIX(日立化成)、KJR(信越化学)、高温処理型BE(Beregston&Associates)として知られている。しかし、これら耐熱性ポリイミドシリコーン樹脂は、半導体製造分野における基板ウエハ上のSiO膜の高湿時における接着性向上のため(1990年8月31日、日刊工業新聞社「シリコーンハンドブック」第501〜503頁)に用いられるものであって、電子写真の転写・定着装置における耐摩耗性の改善を考慮はしていない。
【0013】
本発明は、鋭意検討を重ねた結果、画像転写・定着用ベルトとして、含窒素耐熱性の主鎖部分と、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する耐熱性樹脂から形成したベルトを用い、更に、樹脂をワックスに溶融混合することにより樹脂の融点以下で溶解し、軟化点又は融点が60〜140℃、軟化点又は融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率(粘弾性率は、パラレルプレートに試料をはさみ圧縮しながら回転歪みを与えて測定した動的粘弾性率を示す。)を有するトナーを併用することにより耐熱性、耐磨耗性に優れた画像転写・定着装置及びこれを用いた電子写真装置を提供できることが見い出された。
【0014】
以下、図面に基づいて本発明を説明するが、本発明は、これにより何ら限定されるものではない。
図1は、記録媒体の両面にほぼ同時に画像を形成することのできる画像形成装置の中央断面図である。
回転可能に支持され、矢印方向に回転する第1の像担持体(感光体)1の外周部には除電装置L、クリーニング装置2、帯電装置3、現像装置5が配備されている。帯電装置3と現像装置5の間には、露光装置4から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。第1の像担持体(感光体)1は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置5が扱うトナーの色がそれぞれ異なる。
第1の像担持体1は直径が30から100mm程度のアルミニュム円筒表面に、光導電性物質の層を設けた感光体である。感光体1の一部が、第2の像担持体(中間転写ベルト)10に接している。
【0015】
第2の像担持体10は矢印方向に移動可能に、回転するローラ11、12、13間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1の転写手段20が第1の像担持体1の近傍に配備されている。上記ローラの1本、或いは別に設けるローラに、ベルトに張力を与えるためのテンション手段を適宜設ける。この例では第1の転写手段20は、高電圧を印加するローラのタイプであるが、電極から放電するチャージャを採用することもできる。上記ローラ11、12、13はアースされている。ローラ11は発熱体を内臓するローラである。
ベルトループの外側に、第2の像担持体用クリーニング装置25が配備されている。第2の像担持体10の表面に残留する不要のトナーを拭い去る。この例では、クリーニングローラ25Aに一旦移し、ブレード25Bでかきとり、回収手段25Cで図示せぬ収納部に搬送する。ベルトを屈曲させるように配備されたローラ14はヒートパイプ等の冷却手段で感光体周辺が高温にならないようベルトを冷却する。
【0016】
露光装置4は公知のレーザ方式で、カラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に潜像として照射する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
第2の像担持体(中間転写体)10は、主鎖部分がポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造を有し、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する耐熱性樹脂からなり、基体の厚みが20μm〜600μmの耐熱性のベルトで、第1の像担持体からトナーを静電的に転写可能とする抵抗値を備える。
図の右方にはベルト状の第3の像担持体100が配備されている。耐熱性の第3の像担持体100は矢印方向に移動可能に、回転ローラ110、111、112、113間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、加熱手段30が配備されている。
ベルトループの外側に、第3の像担持体用クリーニング装置250などが配備されている。クリーニング装置250は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。ベルトを支持するローラ112はヒートパイプ等の冷却手段を備えており、第3の像担持体100を冷却する。
【0017】
転写、定着について、
熱転写の利点は高画質が得られる点にある。電子写真方式では一般的には静電転写方式が用いられている。この場合、転写は転写紙と感光体が密着しているところで転写する場合は良いが、転写領域で密着していない部分で、接触時、剥離時の放電や電界の影響でチリやニジミが発生し画像劣化となる。そこで、本発明のように電界を印加せずに直接感光体上に転写紙をずれないように搬送し、重ね、熱により感光体上のトナーを、転写ベルトや転写紙に転移することにより、転写による画像の劣化を防止できる。
【0018】
トナー熱転写のメカニズムは、
トナーのガラス転移温度(Tg)から軟化温度の間の温度と一定の圧力とを転写紙とトナーに同時に加える。トナーは塑性変形して転写ベルトの凹凸部に食い込む。そのとき上記特性でトナーの接触角で表されるベルトの離型性とベルトの表面粗さ等により離型性が低く、粗さが大きい方にトナーは転移する。転写紙に対しての転写定着も同じように、トナーは溶けて転写紙表面の繊維の隙間に入り込みアンカー効果で付着する。離型性の良いベルトには付着しない。なお記録用紙の表面粗さRzは30〜50μm程度である。
【0019】
本転写方式を採用するときの、第2、第3の像担持体に求められる特性について、
ベルト状の第2の像担持体に求められる特性
伸縮しないこと、抵抗値(表面、体積抵抗)が適切で感光体からトナーを静電的に転写し、担持できること。
水とベルトとの接触角110度、表面粗さ(Rz)1〜4μmであること。
ベルト状の第3の像担持体に求められる特性
伸縮しないこと、加熱により第2の像担持体から画像を転写し担持出来ること。
水とベルトとの接触角90度、表面粗さ(Rz)5〜10μmであること。
なお、水とベルトとの接触角は、純水をベルト表面に1滴静かに垂らし水滴とベルトのなす角度を示し、又、表面粗さはJISに準拠した接触式の表面粗さ計で測定した。
【0020】
記録媒体(用紙)の両面に画像を得る場合、
露光装置4により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置3で一様に帯電された第1の像担持体(感光体)1のaと記した感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。
第1の像担持体1上の潜像は現像装置5で現像され、トナーによる顕像が第1の像担持体1の表面に形成・保持される。このトナー像は、第1の転写手段20により、第1の像担持体と同期して移動する第2の像担持体10の表面に転写される。
第1の像担持体1に残存するトナーはクリーニング、除電をされて次の作像サイクルに備える。
第2の像担持体10は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。bと記された第1の像担持体(感光体)1に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第2の像担持体に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。
このとき同期して第3の像担持体100は矢印方向に移動していて、第3の像担持体100の表面に第2の像担持体表面に作られた画像が熱転写される。このときの転写は、記録媒体が介在しないので、ローラ11、30、113の加熱は、トナーが溶融しベルト間で移動する条件とする。転写後はクリーニング装置25で表面の残留トナーが除去される。
第2の像担持体10が、所定のところまで移動すると、記録媒体(用紙)の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度第1の像担持体1により作像されるとともに、給紙が開始される。
レジストローラ対28を経て、送られて来た記録媒体(用紙)の片側の面に、第2の像担持体10のトナー像が、同時に第3の像担持体100のトナー像が、記録媒体のもう一方の面に熱転写される。
【0021】
このときの転写は、記録媒体が介在するので、ローラ11、30、113の加熱は、先の条件より熱を多く与えるよう制御する。記録媒体(用紙)は画像の位置が表裏同一となるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された記録媒体は、上方に送られ機外に排出される。
第2の像担持体10から記録媒体に転写される画像は、第1の像担持体表面で正像にし、第3の像担持体100から記録媒体に転写されるトナー像は、第1の像担持体(感光体)表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順は画像データをメモリーに貯蔵する公知の技術で、また正・逆像(鏡像)に切り換える露光も公知の画像処理技術により実現できる。
転写後の第2、第3の像担持体は、クリーニング装置25、250により表面に残留する不要のトナーを除去する。
【0022】
記録媒体(用紙)の片面に画像を得る場合
片面の場合、二通りの方法が実行可能であるが、第3の像担持体100にトナーを転写する工程は省き、第2の像担持体から記録媒体に転写する場合を説明する。第1の像担持体1の表面に形成されたトナー像を第2の像担持体に転写しつつ記録媒体(用紙)に転写する。
図1において、第2の像担持体10上に形成されたトナー像との位置合わせのため同期をとって、記録媒体は第2の像担持体10と第3の像担持体100の間に送られ、ローラ11の加熱により記録媒体にトナーが第2の像担持体10から転写され、同時にトナーが定着される。
記録媒体は第3の像担持体100とともに移動し、その後記録媒体は第3の像担持体100から分離し画像面が下になった状態(フェースダウン)で排紙スタック部に排紙される。
このような構成にすると数頁にわたる原稿を1頁から順に処理しても、排紙スタック部から取り出したときプリント物は頁順になっている。
以上の例では、複数色のトナーを使った、カラー画像の作像に関して述べたが、単色画像の作成にも本発明が適用できる。
【0023】
本発明の画像転写・定着ベルトに用いられる耐熱樹脂の主鎖部分として少なくともポリイミド(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドを含む)、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド(ポリアラミドを含む)などの耐熱樹脂の少なくとも一種以上が用いられるが、特にポリイミド、ポリベンゾイミダゾール系のものであることが好ましい。そして、ポリベンゾイミダゾール系のものを用いた場合、ベンゾイミダゾール環を構成する2級アミン性の窒素原子に結合する水素原子の50%以上がアルキル基で置換された耐熱樹脂を用いることにより、吸水性が減少し、抵抗値、伸び等に対し、温湿度の影響が受けにくくなり、第2の像担持体においては第1の像担持体からの転写性が安定する。また、加熱・冷却する第2、第3の像担持体間の転写では伸びによる像ずれが少なくなり特に好ましい。
また、同様にポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンゾイミダゾールを用いると好ましい。
また、上記加熱媒体の耐熱樹脂の主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分は、ジメチルポリシロキサンあるいはジフェニルポリシロキサンあるいはメチルフェニルポリシロキサンなどのポリシロキサン構造部分であってよく、これらはストレート型、非ストレート型(例えば分枝型や部分ネット型)のいずれであってもよい。
【0024】
本発明に利用できる耐熱樹脂は、定着の設定温度やオーバーシュート〔定着の温度制御時(特に立ち上げ時)に設定温度以上に上昇すること〕、端部温度上昇の関係で最低でもガラス転移温度(Tg)が180℃以上必要である。ガラス転移温度(Tg)は樹脂分子のC−C結合間で自由回転が起こる温度であり、樹脂自体が軟化や溶融していないにも関わらずこの温度以上で樹脂の強度は極端に低下する。したがって、短時間であればガラス転移温度(Tg)より高い温度でもベルトの素材は応力に対して堪えることは可能であるが、ガラス転移温度(Tg)以上の温度で画像転写・定着装置を長時間使用した場合、ベルトの基体が変形し異常画像の発生や記録媒体のシワ等の問題が発生してしまう。したがって、ガラス転移温度(Tg)は高ければ高い程良く、好ましくは200℃以上、より好ましく250℃以上である。
また、本装置の稼働時は常温から非常に高い温度の高温度状態まで幅広い温度帯域での温度変化が繰り返され、さらには強い力で加圧ニップされ、この状態で紙などの記録媒体が突入することになり、ベルトにはこの過酷な状況に耐え得る耐熱性や機械的強度が要求される。本発明に利用される耐熱樹脂はこのような要求に全て対応できるもので、このような耐熱性や機械的強度が発現する理由は、樹脂分子の構造と窒素固有の性質によるものと考えられる。
即ち、本発明に用いられる耐熱樹脂は一般の耐熱線状高分子とは異なり、窒素原子によるイミド環の形成やベンゼン環によりはしご型(ラダー型)の分子構造をとる。したがって、表1に示すように分子開裂のエネルギーが分子結合部へかかった場合でも簡単に分子鎖が全て切れる確率は非常に低い。また開裂した末端は非常に活性が高い状態を維持しているために直ちに再結合することができる。
【0025】
【表1】
Figure 2004191554
【0026】
更に一般の芳香族耐熱樹脂に比べ、本発明の耐熱性樹脂は構造中に窒素原子があるために、アミドやイミダゾールのように窒素原子に水素原子が残っている場合や、また、アミドやイミドのようにアシル基部分の酸素原子により、これを基点とした分子間での水素結合を起こし3次元の網目構造の形成が起こり更に樹脂の機械的強度が増すことになると考えられ、このように分子間の架橋が起こると分子が固定され、部分的結合の開裂が発生しても直ちに再結合し分子の分解は抑制される。また、本発明に示すようにこれら樹脂固有の架橋以外に積極的に架橋点を追加して3次元網目構造を強化することにより更に耐熱性や機械的強度を増加させることも可能である。
また、加熱用無端ベルトとしては、少なくともポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドなどの含窒素耐熱樹脂を少なくとも一種以上使用できるが、更に、画質向上のため下層にシリコンゴムなどの耐熱弾性層を設けたものであっても良い。
【0027】
本発明による耐熱樹脂は耐熱性の主鎖部分と、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する形態の樹脂であり、ベルトを構成する耐熱性主鎖部分自体の凝集力や耐摩擦性がフッ素系の樹脂に比べ圧倒的に高く、長期間の使用にも表面が削れ劣化する心配が殆どない。また、ポリシロキサン側鎖部分を有する樹脂は表面エネルギーの違いから他の樹脂に対して排他的であり、製膜時に幹となる耐熱性の主鎖部分は強固に自己凝集し、ポリシロキサン構造の側鎖部分ははじき出され界面に並ぶという分子配向現象が起こる。
このようにして表面に並んだポリシロキサン構造の側鎖セグメントによってベルト表面の離型性が増大することになると考えられる。しかも、枝となったポリシロキサン構造の側鎖セグメントは強固に自己凝集した耐熱性樹脂の主鎖部分に強固に化学結合しており、表面を形成しているポリシロキサンの側鎖セグメントの脱落が発生することはない。更に、耐熱性樹脂の主鎖部分の構成中、ポリシロキサン構造の側鎖部分が結合していない部分の割合が多いので自己凝集したベルトの強度は更に増大する。
なお、耐熱性樹脂の主鎖部分と、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する形態の樹脂を少なくとも一種以上混合した場合も同様の原理で同様の効果が得られる。
【0028】
本発明における該耐熱樹脂は耐熱性の主鎖部分と、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する耐熱樹脂は、幹となる耐熱性の主鎖部分にこれらポリシロキサン構造の側鎖部分の個数が一主鎖部分に少なくとも1個以上垂下されていればよく、逆に垂下されたポリシロキサン構造の側鎖部分の個数が多すぎると一主鎖部分の周りがポリシロキサン構造の側鎖部分のみとなってしまい、幹の耐熱性樹脂の性質が失われてしまう。したがって、垂下された一主鎖部分での側鎖の好ましい値は可能な側鎖数の半数以下が良い。
なお、本発明による耐熱性の主鎖部分と、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する耐熱樹脂は[化1]として示すような構造を呈していれば良く、その生成方法はどのような方法をとってもよい。
【0029】
【化1】
Figure 2004191554
【0030】
本発明においては、本発明の耐熱樹脂に、更に、粒子径が20μm以下のシリコン系やフッ素系あるいは含窒素耐熱樹脂系の樹脂粒子を一種以上分散して使用することもできる。これら樹脂微粒子をかかる耐熱樹脂層へ分散することで、表面に微粒子が飛び出し、真空状態の密着を防ぐことができ、密着によるマシンジターや微妙な周速の違いによるねじれによるしわ等を防止できる。但し、粒子径はあまりに細かすぎると効果がなくなるので、0.2〜10μmの粒子が望ましい。
また、本発明においては、107Ω以下の導電物質を併用することができる。具体的には、カーボンブラック、ポリアセチレン、テトラシアノキノダイメタン(TCNQ)、イオン系の界面活性剤、三酸化アンチモン、酸化スズ、酸化鉄等の導電物質を一種以上分散して使用することもできる。これら導電物質をかかる樹脂層へ分散することで、摩擦による異常帯電を防ぐことができ、スパークによる電子写真素子の誤動作や、転写・定着デバイスの帯電によるトナーのチリ等による異常画像を防止できる。この導電物質の粒子径について、好ましくは1μm以下が良い。
本発明の無端ベルトは、型を使ってディッピングするか、吹き付け、ノズルによる塗布など所謂コーティングによって作ることができ、更には中空の型を回転させることによる遠心法によっても作ることができる。
【0031】
トナーについては、その軟化点あるいは融点が50〜160℃であり、粘度が軟化点あるいは融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率を有するものが好ましい。これは本発明の画像転写・定着装置ではベルトを通した熱の伝達を行っており、しかも、転写・定着後はベルトの冷却を行う必要が有るため、トナーの融点は低く、更に、加熱時のトナーの粘度低下が低いものは加熱体側へオフセットしづらく、加熱圧力でトナーが適度に変形するため転写紙に対して接着性が良く定着温度領域が広くなるので好ましい。
更に、樹脂をワックスに溶融混合し、樹脂の融点以下で溶解しうるような構成のトナーとすることで低温での定着を達成するようにしている。これは軟化点あるいは融点が60〜140℃であり、粘度が軟化点あるいは融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率であるようなトナーを作製する。
メイン樹脂として低融点のものを使用すると柔らかくなり、樹脂に粘着性が生じトナー同士でブロッキングしたり、また樹脂が柔らかいため粉砕工程で微粉に粉砕することが難しい等の問題が出やすい。
【0032】
しかし、ワックスと融点の高い樹脂を混合して相溶させたトナーを用いるとトナー樹脂を軟化させることなく低温で定着可能にすることができる。これはワックスと相溶性の高い樹脂をメインレジンとして、ワックスの融点での溶解現象を利用して定着するため、ワックスの溶解温度以下ではトナーが柔らかくなることはない。
よって、トナー同士のブロッキングなどの問題がなくなり、微粉砕も容易になる。そしてこのようなトナーを用いる事で100℃近辺での安定した定着性と耐オフセット性をかねそなえ、画像も良好なものを得ることが可能になった。
又、着色剤の混入されたカラートナー(黒含む)では着色剤量は樹脂量に対して1重量%以上30重量%以下であるようにしている。例えば、黒系着色剤としてカーボンが混入されると一定量以下の混入量では樹脂の粘度が低下する場合がある。この理由は確かではないがカーボン混練り工程において樹脂の結晶構造中にカーボン粒子がはいりこんで構造がゆるくなるためではないかと推測される。そして通常のトナーであればわずかな粘度低下は問題でないが、軟化点あるいは融点が50〜160℃であり、粘度が軟化点あるいは融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率であるようなトナーを作製する場合には、わずかな粘度低下でも定着でのオフセット余裕度がなくなり好ましくない。本発明者の実験によれば着色剤含有量が樹脂に対して1重量%以上であることが粘度低下を起こさないために必要であった。また画像濃度を充分に得るためにも1重量%以上の着色剤の添加が必要であった。また30重量%を超えて混入させると逆に粘度が上がりすぎて低温定着時に紙に対する接着性が低下して、コールドオフセットを起こしやすくなった。このため着色剤量としては1重量%以上30重量%以下であることが画像濃度と定着性を両立するために良好な範囲であることがわかった。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0034】
Figure 2004191554
を用いて調整した液を中空型で遠心成型し、170℃にて8時間乾燥させた。
その後、300℃にて2時間焼きつけ処理を施した。このとき製膜された樹脂のガラス転移温度(Tg)は220℃以上であった。
その結果、60μmのポリイミドとシリコン樹脂グラフトポリイミドの混合皮膜が形成された。このようにして得られたベルトを図1に示された装置にセットし、定着温度を185℃に設定して耐久性試験を行なった。
その結果、目標500000枚のところ700000枚の通紙テストでベルトへの巻き付きやオフセットなどの異常画像及び剥離不良等の問題は発生せず、初期の画像と殆ど変わらないことがわかった。また、700000枚の通紙テストで試験後ベルト表面の観察を行なったが殆ど磨耗しておらず、特に分離用のツメの当たっている部分についても表面の艶も殆ど変化していなかった。なお700000枚を越えるとツメ部分に多少の磨耗が見られるようになり、ローラ表面の艶が多少変わっており、画像上良く観察するとツメが当たっている部分に対応して多少艶に違いが観られたが問題になるレベルではなかった。
【0035】
Figure 2004191554
を用いて調整した液を中空型で遠心成型し、170℃にて8時間乾燥させた。
その後300℃で2時間焼きつけ処理を行なった。このとき製膜された樹脂のガラス転移温度(Tg)は430℃以上であった。
その結果、40μmのポリベンゾイミダゾールとシリコン樹脂グラフトポリイミドの混合皮膜が形成された。このようにして得られた画像転写・定着用無端ベルトを図1に示された装置に装填し、定着温度を185℃に設定して耐久性試験を行なった。
その結果、目標500000枚のところ800000枚の通紙テストでローラへの巻き付きやオフセットなどの異常画像の問題は発生せず、画像上ツメ跡などの見た目で直ぐわかるような問題もなく、初期の画像と殆ど変わらないことがわかった。また、800000枚の通紙テストで試験後ローラ表面の観察を行なったが殆ど磨耗していなかった。
【0036】
Figure 2004191554
を用いて調整した液を中空型で遠心成型し、170℃にて8時間乾燥させた。
その後300℃で2時間焼きつけ処理を行なった。このとき製膜された樹脂のガラス転移温度(Tg)は430℃以上であった。
その結果、50μmのポリベンゾイミダゾールとシリコン樹脂グラフトポリイミドの混合皮膜が形成された。このようにして得られた画像転写・定着用無端ベルトを図1に示された装置に装填し、定着温度を185℃に設定して耐久性試験を行なった。
その結果、目標500000枚のところ800000枚の通紙テストでローラへの巻き付きやオフセットなどの異常画像の問題は発生せず、画像上ツメ跡などの見た目で直ぐわかるような問題もなく、初期の画像と殆ど変わらないことがわかった。また、800000枚の通紙テストで試験後ローラ表面の観察を行なったが殆ど磨耗しておらず、特にツメの当たっている部分についても表面の艶も殆ど変化していなかった。
【0037】
Figure 2004191554
を用いて調整した液を中空型で遠心成型170℃にて8時間乾燥させた。
その後300℃で2時間焼きつけ処理を行なった。このとき製膜された樹脂のガラス転移温度(Tg)は430℃以上であった。
その結果、40μmのポリベンゾイミダゾールとシリコン樹脂グラフトポリイミドの混合皮膜が形成された。このようにして得られた無端ベルトを図1に示された装置に装填し、定着温度を185℃に設定して耐久性試験を行なった。
その結果、目標500000枚のところ800000枚の通紙テストでローラへの巻き付きやオフセットなどの異常画像の問題は発生せず、画像上ツメ跡などの見た目で直ぐわかるような問題もなく、初期の画像と殆ど変わらないことがわかった。また、800000枚の通紙テストで試験後ローラ表面の観察を行なったが殆ど磨耗しておらず、特にツメの当たっている部分についても表面の艶も殆ど変化していなかった。
また、他の実施例では時々シワの発生が観られたが、本実施例では殆どシワの発生がなかった。
【0038】
Figure 2004191554
を用いて調整した液を中空型で遠心成型170℃にて8時間乾燥させた。
その後300℃で2時間焼きつけ処理を行なった。このとき製膜された樹脂のガラス転移温度(Tg)は430℃以上であった。
その結果、40μmのポリベンゾイミダゾールとシリコン樹脂グラフトポリイミドの混合皮膜が形成された。このようにして得られたベルトを図1に示された装置に装填し、定着温度を185℃に設定して耐久性試験を行なった。
その結果、目標500000枚のところ800000枚の通紙テストでローラへの巻き付きやオフセットなどの異常画像の問題は発生せず、画像上ツメ跡などの見た目で直ぐわかるような問題もなく、初期の画像と殆ど変わらないことがわかった。また、800000枚の通紙テストで試験後ローラ表面の観察を行なったが殆ど磨耗しておらず、特にツメの当たっている部分についても表面の艶も殆ど変化していなかった。
また、他の実施例では低温低湿時にスパークによる誤動作やトナーのチリ等の異常画像が観られたが、本実施例においては全くこのような問題の発生はなかった。
【0039】
比較例1
なお、ポリイミドにPFAをコートしたベルトでは、400000枚で磨耗してしまい、特にローラ表面のツメ部分は表層が削れイミド面が露出し、その部分にトナーが付着してしまった。またツメ跡部分以外にも表層剥がれが見られた。また微量オフセットがたまってトナーの塊となったものが黒斑点として画像上に現れた
【0040】
実施例6
トナーとして次の樹脂構成のものを試作した。
環化イソプレン 75重量%
カルナウバワックス 25重量%
母体樹脂に対して着色剤としてカーボンブラックを10重量部添加した。
このトナーの軟化点は82℃であり、定着下限温度は86℃であった。また110℃での粘弾性率は1×104〔pa〕であった。
このトナーを用いて本発明の装置にて画像形成を行った。プロセス線速200mm/secで、定着温度は105℃にして、実施例5のベルトを装着して画像形成を行ったところ、転写・定着時のオフセットはなく、ベタ画像濃度は十分で、細線の解像性が高くチリが少ないすっきりした良好な画像になった。この状態で500000枚プリントを行ったが初期の画像品質が維持され、現像器内でのトナーブロッキング等の問題もなく、オフセット発生もない耐久性にすぐれたトナーであることがわかった。(カラー着色剤でも同様の結果を得ている。)
【0041】
【発明の効果】
本発明により、耐熱性、耐磨耗性に優れ、かつ離型性(又は忌避性)にも優れた画像転写・定着用ベルトを提供し、該画像転写・定着用ベルトを有する転写・定着システムの耐久性を向上させることができるトナーを提供し、該システムを使用した画像転写・定着装置及びこの画像転写・定着装置を搭載した電子写真装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録媒体の両面にほぼ同時に画像を形成することのできる画像形成装置の中央断面図である。
【符号の説明】
A 排紙方向
B 開閉フレーム回動方向
BU ベルトユニット
L 除電ランプ
1 第1の像担持体(感光体)
2 第1の像担持体(感光体)用クリーニング装置
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
10 第2の像担持体(中間転写ベルト)
11 ローラ(第2の像担持体の支軸)
12 ローラ(第2の像担持体の支軸)
13 ローラ(第2の像担持体の支軸)
14 ローラ(第2の像担持体の支軸及びベルト冷却)
20 第1の転写手段
25 クリーニング装置(第2の像担持体用)
25A クリーニングローラ
25B ブレード
25C 回収手段
28 レジストローラ対
30 加熱装置
100 第3の像担持体(中間転写ベルト)
110 ローラ(第3の像担持体の支軸)
111 ローラ(第3の像担持体の支軸)
112 ローラ(第3の像担持体の支軸及びベルト冷却)
113 ローラ(第3の像担持体の支軸)
250 クリーニング装置(第3の像担持体用)
250A クリーニングローラ
250B ブレード
250C 回収手段

Claims (11)

  1. 着色トナーで第1の像担持体表面に第1の顕像を形成させ、それらの顕像を第2の像担持体上に第1の転写手段で転写した後記録媒体の一面に第2の加熱転写手段と第3の加熱転写手段で押圧され形成されるニップ部において転写と同時に定着させる画像転写・定着装置、又は、第2の像担持体上の第1の顕像を第3の像担持体に第2の加熱転写手段により一度に転写させ、次ぎに第2の顕像を前記第1の像担持体で形成し、第2の像担持体に転写し、第2の顕像と前記第1の顕像とを記録媒体の両面に、前記第2の加熱転写手段と第3の加熱転写手段で押圧され形成されるニップ部において転写と同時に定着させる画像転写・定着装置における転写・定着用ベルトが、少なくとも一種以上の耐熱樹脂からなり、該耐熱樹脂の主鎖部分がポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造を有し、該主鎖部分から垂下したポリシロキサン構造の側鎖部分を有する樹脂で形成されたことを特徴とする画像転写・定着用ベルト。
  2. 請求項1記載のポリベンゾイミダゾール構造が、ベンゾイミダゾール環を構成する2級アミン性の窒素原子に結合する水素原子の50%以上がアルキル基で置換されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像転写・定着用ベルト。
  3. 請求項1記載のポリベンゾイミダゾール構造が、ポリ−2,2′−(m−フェニレン)−5,5′−ビベンゾイミダゾールであることを特徴とする請求項1に記載の画像転写・定着用ベルト。
  4. 請求項1記載のポリシロキサン構造の側鎖部分が、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン又はジフェニルポリシロキサン構造の側鎖部分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルト。
  5. 請求項1〜4記載の耐熱樹脂が、1種類以上の他の樹脂との混合物又は架橋されたものとして用いられ、該他の樹脂もポリイミド構造、ポリベンゾイミダゾール構造、又はポリアミド構造の主鎖部分を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルト。
  6. 請求項1〜5記載の耐熱樹脂中に、シリコン系樹脂粒子、フッ素系樹脂粒子又は含窒素耐熱樹脂系樹脂粒子が一種以上分散混合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルト。
  7. 前記耐熱樹脂中に電子導電性物質が一種以上分散混合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像転写・定着用ベルト。
  8. 請求項1〜7に記載の画像転写・定着用ベルトを用いた画像転写・定着装置において、樹脂をワックスに溶融混合する事で樹脂の融点以下で溶解し、軟化点又は融点が60〜140℃、軟化点又は融点以上の温度で10〜106〔pa〕の粘弾性率を有し、樹脂量に対して1重量%以上30重量%以下の着色剤が混入された(黒を含む)カラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1〜7記載のベルトを用いた請求項1記載の、記録体の両面に画像を転写・定着させる装置を用いて画像を形成するにあたり、請求項8記載のカラートナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載された画像転写・定着用ベルトを用いたことを特徴とする画像転写・定着装置。
  11. 請求項10記載の画像転写・定着装置を装着した電子写真装置。
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