JP4463736B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置において、記録紙上の未定着トナー像を接触加熱定着する定着装置に関するものである。
従来、複写装置やプリンター、ファクシミリ装置等の、電子写真方式の画像形成装置(印刷装置)には、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置等が設けられている。
このような画像形成装置では、帯電装置によって帯電させた感光体ドラムの感光面(静電潜像面)に対して、露光装置による露光を行って静電潜像を形成する。そして、形成した静電潜像を現像装置においてトナー(現像剤)によって現像し、トナー像(可視像)を生成する。そして、このトナー像を、転写装置によって記録紙(記録材;普通紙やOHP記録紙等の印刷媒体)に転写した後、定着装置によって定着するように設定されている。
定着装置は、加熱や加圧によって記録紙などの記録媒体に対してトナーを定着させるものである。定着装置としては、一方が加熱された1対のローラ間(定着ローラと加圧ローラとの間)に形成された圧接領域に未定着トナー像を通過させることにより定着を行うローラ対方式の定着装置が一般的である。
定着ローラとしては、例えば、アルミニウムなどの、金属製の中空芯金の表面に、弾性層が形成され、芯金の内部に加熱源としてハロゲンランプが配置されており、定着ローラ表面に設けた温度センサの信号に基づいて図示しない温度制御回路がハロゲンランプをオン、オフ制御し、定着ローラ表面の温度を一定に保つように構成されたものが用いられる。
また、加圧ローラとしては、芯金上に被覆層としてシリコーンゴムなどの耐熱性弾性層を設けたものが用いられる。そして、加圧ローラと定着ローラとが圧接された時に、この弾性層が弾性変形することによって所定のニップ領域(ニップ部、押圧部)が形成される。そして、このニップ領域に未定着トナー像が形成された記録紙を通過させ、トナー像を熱溶融することによって定着が行われる。
ところで、ローラ対方式の定着装置では、トナー像を定着させるために記録紙に加えるべき熱はトナーの熱特性等によって決まる。言い換えれば、トナー像に所定の熱を与えなければ定着させることができない。このため、例えば、より高速に定着しようとする場合、定着速度に応じてニップ幅(ニップ領域の記録紙搬送方向の幅)を広くする必要がある。
ニップ幅を広くするためには、両ローラ間の荷重(押圧力)を大きくする、弾性体の厚みを厚くする、ローラ径を大きくする等の方法が有る。しかし、ローラ間の荷重を大きくすると、ローラの撓みが発生し、ニップ幅が軸方向(ローラの回転軸方向)に均一に形成されなくなり、搬送性や画質に影響が出る。また、弾性体を厚くしたり、ローラ径を大きくしたりするのは、画像品質上問題ないが、装置の大型化や熱容量の増大に伴ってウォームアップ時間が長くなるといった問題がある。
これらの問題点を解決し、より高速化に対応できるようにするため、例えば、特許文献1には、複数の加圧ローラを用いることで複数の定着ニップ部を形成した定着装置が提案されている。また、特許文献2、特許文献3等には、複数の加圧ローラとこれらに掛け渡された加圧ベルトとを用いることで複数かつ幅広の定着ニップ部を形成した定着装置が提案されている。さらに、特許文献4、特許文献5等には、複数のローラに懸架された定着ベルトを用いることで複数かつ幅広の定着ニップ部を形成した定着装置が提案されている。
これらの定着装置の場合、従来のローラ対方式からなる定着装置に比べ、複数形成された幅広の定着ニップ部によって、記録紙上の未定着トナー像に長時間熱を与えることにより、トナーを十分に溶融させ、高速化に対応している。
特開平3−267975号公報(公開日:1991年11月28日) 特開平5−158365号公報(公開日:1993年6月25日) 特開平10−307493号公報(公開日:1998年11月17日) 特開平9−138598号公報(公開日:1997年5月27日) 特開2003−76202号公報(公開日:2003年3月14日)
しかしながら、上記した従来の技術では、プロセス速度(定着処理の速度)を速くしていくと、画像欠陥が生じるという問題がある。
実際に、本願発明の発明者らが、上記したような複数の定着ニップ部を有する定着装置を用いて定着実験を行ったところ、いずれの定着装置においても、プロセス速度を速くしていくと、特にトナー像が100%印字されたソリッド画像部(所謂、ベタ画像部)において、ミクロな濃淡むらによる画像欠陥が発生した。
また、この画像欠陥を詳細に分析したところ、画像欠陥は、記録紙上で部分的に発生するトナー像の位置ずれ(画像ずれ)に起因していることがわかった。また、この位置ずれがひどい場合、トナー像がずれた部分では下地の記録紙が露出してしまうことから、濃度低下を生じてしまう場合もある(以降の説明では、これらの画像欠陥を画像ずれと記す)。
また、上記した従来の技術では、より高速に定着させるために複数の定着ニップ部同士の間隔を広くしており、この場合、高温オフセットによる画像欠陥(高温オフセットのような画像欠陥)が生じるという問題がある。すなわち、加熱部材と第1の押圧部材(加圧部材)とによって最も入紙側に形成される定着ニップ部(第1ニップ部)と、この第1ニップ部よりも用紙搬送方向の下流側に加熱部材と第2の押圧部材とによって形成される定着ニップ部(第2ニップ部)との間における、押圧部材が当接していない部分(仮想ニップ部)の用紙搬送方向の幅を広くしていくと、高温オフセットによる画像欠陥が生じてしまう。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の定着ニップ部を有する定着装置において、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥を生じることなく、高速化が可能な定着装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る定着装置は、上記課題を解決するために、定着部材と、該定着部材を加圧する第1の加圧部材および第2の加圧部材と、該第1の加圧部材および第2の加圧部材に張架され、記録材を搬送する無端状の搬送部材とを備え、上記第1の加圧部材および第2の加圧部材が搬送部材を介して定着部材を加圧することにより、上記第1の加圧部材と定着部材との間には第1ニップ部が形成され、かつ上記第2の加圧部材と定着部材との間には第2ニップ部が形成されており、上記第1ニップ部および第2ニップ部に記録材を搬送することにより、該記録材上の現像剤を定着させる定着装置であって、押圧面を有し、第1の加圧部材と第2の加圧部材との間において上記押圧面が上記搬送部材を介して定着部材を加圧する第3の加圧部材を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1の加圧部材および第2の加圧部材が搬送部材を介して定着部材を加圧することにより、第1ニップ部および第2ニップ部が形成される。この場合、これら各ニップ部の間には、ニップ部が形成されないかもしくは、見かけ上ニップ部が形成されていたとしても、ほとんど定着圧力がかかっていない状態のニップ部(仮想ニップ部)が形成されることになる。このため、記録材を第1ニップ部および第2ニップ部に搬送させる際に、これら各ニップ部の間の領域(仮想ニップ部)では定着部材と記録材との間に若干の隙間が生じることとなる。この場合、高温オフセットによる画像欠陥が生じてしまう。
これに対して、上記の構成によれば、第1の加圧部材と第2の加圧部材との間において搬送部材を介して定着部材を加圧する第3の加圧部材を備えている。また、この第3の加圧部材は、押圧面を有しており、この押圧面が上記搬送部材を介して定着部材を加圧するようになっている。このため、第3の加圧部材と定着部材との間にはニップ部が形成されることとなる。すなわち、第1ニップ部と第2ニップ部との間にさらなるニップ部を形成することができる。従って、いわゆる仮想ニップ部となる領域を小さくすることができ、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥を生じることのない定着装置を実現することが可能になる。
なお、上記記録材としては、現像剤像が形成されるシート状の印刷媒体であればよく、例えば、紙やOHP用シートなどを用いることができる。
本発明に係る定着装置では、上記第3の加圧部材の押圧面が、第1の加圧部材側に延伸した形状となっていることが好ましい。上記の構成によれば、第1ニップ部および第2ニップ部の間の仮想ニップ部の領域を小さくすることができる。また、第3の加圧部材と定着部材との間に形成されるニップ部を第3ニップ部とすると、上記構成では、押圧面が第1の加圧部材側に延伸した形状となっているので、第1ニップ部と第3ニップ部との間に生じる仮想ニップ部の領域をより小さくすることができる。このため、第1ニップ部および第3ニップ部を実質的に1つのニップ部として作用させることができ、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥の発生を抑制することができる。
本発明に係る定着装置では、上記第3の加圧部材は定着部材に向かう方向および定着部材から離れる方向に移動可能であり、第3の加圧部材を定着部材の方向に移動させる駆動部材をさらに備えていることが好ましい。上記の構成によれば、第3の加圧部材は、定着部材に向かう方向および定着部材から離れる方向に移動可能であり、駆動部材によって定着部材の方向に移動することができるようになっている。これにより、第3の加圧部材の定着部材への加圧力を調整することが可能となり、常に適切な力で加圧することができる。その結果、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥の発生を抑制することができる。
本発明に係る定着装置では、上記駆動部材は、弾性力によって第3の加圧部材を、搬送部材を介して定着部材に押圧させる弾性部材を含むことが好ましい。上記の構成によれば、第3の加圧部材を移動させるための駆動部材が弾性部材を含んでいるため、第3の加圧部材を容易に移動させることが可能になる。
本発明に係る定着装置では、上記駆動部材は、第3の加圧部材を保持し、支点部を中心に回動可能であり、第3の加圧部材を上記押圧面による押圧動作を行う方向とその押圧動作を解除する方向とに移動させることが好ましい。第3の加圧部材が定着部材に対して押圧動作を行う方向とは異なる方向に移動する場合には、第3の加圧部材と定着部材との間に隙間が発生して記録材への加圧力が不足してしまうことがある。この場合、記録材の先端部分にて画像抜け(部分的に現像剤が細かく抜けてしまう現象;先端画像抜け)が発生してしまうことがある。
これに対して、上記の構成によれば、駆動部材によって、第3の加圧部材を常に一定の方向(押圧動作を行う方向および押圧動作を解除する方向)に移動させることが可能である。このため、先端画像抜けが生じることを抑制することができる。
本発明に係る定着装置では、上記第3の加圧部材は、上記定着部材を加圧する部分が、該定着部材の加圧される面に沿った形状となっていることが好ましい。また、本発明に係る定着装置では、上記定着部材が定着ローラであり、上記第3の加圧部材における定着ローラを加圧する部分が、定着ローラの加圧される面の形状に応じて湾曲していることが好ましい。また、本発明に係る定着装置では、上記定着部材が定着ローラであり、上記第3の加圧部材における定着ローラを加圧する部分の曲率半径が、上記定着ローラの半径および搬送部材の厚さを合わせた長さと略同じであることが好ましい。
上記の構成によれば、第3の加圧部材における定着部材(定着ローラ)を加圧する部分が、定着部材(定着ローラ)の加圧される面と略同じ形状となるため、より広い面で定着部材(定着ローラ)を加圧することが可能になる。その結果、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥の発生を効率的に抑制することができる。
本発明に係る定着装置では、上記第1の加圧部材がローラであり、このローラにおける回転軸方向中央部の外径が端部の外径よりも大きいことが好ましい。例えば、ローラの外径が、回転軸方向端部から中央部にかけて一定である場合には、定着部材に付与する加圧力がローラの全領域で一定にならない場合がある。この場合、ニップ部の面圧が全領域で一定とならず、画像ずれが発生してしまう恐れがある。
これに対して、上記の構成によれば、第1の加圧部材はローラであり、このローラにおける回転軸方向中央部の外径が端部の外径よりも大きい、いわゆるクラウン形状を有している。この構成とすることにより、第1ニップ部の面圧分布を均一に保つことが可能となり、ローラの回転軸方向でのトナー溶融状態に均一性を付与することができる。その結果、第1ニップ部全面で適切な加圧力を付与することができ、画像ずれが生じることを抑制することができる。
本発明に係る定着装置は、上記課題を解決するために、定着ローラと、該定着ローラを加圧する第1加圧ローラおよび第2加圧ローラと、少なくとも第1加圧ローラおよび第2加圧ローラを含む複数のローラに張架され、記録材を搬送する無端状のベルトとを備え、上記第1加圧ローラおよび第2加圧ローラがベルトを介して定着ローラを加圧することにより、上記第1加圧ローラと定着ローラとの間には第1ニップ部が形成され、かつ第2加圧ローラと定着ローラとの間には第2ニップ部が形成されており、上記第1ニップ部および第2ニップ部に記録材を通過させることにより、該記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、押圧面を有し、第1加圧ローラと第2加圧ローラとの間において上記押圧面が上記ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧パッドを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1加圧ローラおよび第2加圧ローラがベルトを介して定着ローラを加圧することにより、第1ニップ部および第2ニップ部が形成される。この場合、これら各ニップ部の間には、ニップ部が形成されないかもしくは、見かけ上ニップ部が形成されていたとしても、ほとんど定着圧力がかかっていない状態のニップ部(仮想ニップ部)が形成されることになる。このため、記録材を第1ニップ部および第2ニップ部に搬送させる際に、これら各ニップ部の間の領域(仮想ニップ部)では定着ローラと記録材との間に若干の隙間が生じることとなる。この場合、高温オフセットによる画像欠陥が生じてしまう。
これに対して、上記の構成によれば、第1加圧ローラと第2加圧ローラとの間においてベルトを介して定着ローラを加圧する加圧パッドを備えている。また、この加圧パッドは、押圧面を有しており、この押圧面が上記ベルトを介して定着ローラを加圧するようになっている。このため、加圧パッドと定着ローラとの間にはニップ部が形成されることとなる。すなわち、第1ニップ部と第2ニップ部との間にさらなるニップ部を形成することができる。従って、いわゆる仮想ニップ部となる領域を小さくすることができ、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥を生じることのない定着装置を実現することが可能になる。
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の定着装置を備えていることを特徴としている。上記の構成によれば、画像ずれの発生を抑制することができるため、高画質の画像を形成する画像形成装置を実現することができる。
本発明に係る定着装置は、以上のように、押圧面を有し、第1の加圧部材と第2の加圧部材との間において上記押圧面が上記搬送部材を介して定着部材を加圧する第3の加圧部材を備えているので、画像ずれや高温オフセットによる画像欠陥を生じることのない定着装置を実現することが可能になるという効果を奏する。また、本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記定着装置を備えているので、画像ずれの発生を抑制することができ、高画質の画像を形成する画像形成装置を実現することができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1ないし図4に基づいて説明する。
(画像形成装置)
図2は、本実施形態にかかる定着装置が備えられる画像形成装置の内部概略構造を示す断面図である。この画像形成装置は、乾式電子写真方式のカラー画像形成装置であり、例えばネットワークを介して接続される端末装置から送信された画像データ等に基づいて、所定の記録紙に対して多色または単色の画像を形成するようになっている。
図2に示すように、この画像形成装置は、可視像形成ユニット10、記録紙搬送手段30、定着装置40、供給トレイ20を備えている。
可視像形成ユニット10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色に対応して、4つの可視像形成ユニット10Y・10M・10C・10Bが並設されている。つまり、可視像形成ユニット10は4つの可視像形成ユニット10Y・10M・10C・10Bからなり、可視像形成ユニット10Yはイエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Mはマゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Cはシアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Bはブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。具体的な配置としては、記録紙(記録材)Pを給紙する供給トレイ20と定着装置40とを繋ぐ記録紙Pの搬送路に沿って、4組の可視像形成ユニット10Y・10M・10C・10Bを配設した、所謂、タンデム式である。
可視像形成ユニット10Y・10M・10C・10Bは、それぞれ実質的に同一の構成を有する。すなわち、それぞれに、感光体ドラム11、帯電器12、レーザ光照射手段13、現像器14、転写ローラ15、クリーナユニット16が設けられており、搬送される記録紙Pに各色のトナーを多重転写する。
帯電器12は、感光体ドラム11の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。レーザ光照射手段13は、画像形成装置に入力された画像データに応じて、帯電器12によって帯電した感光体ドラム11の表面を露光し、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成するものである。現像器14は、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を、各色のトナーによって顕像化するものである。転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体ドラム11に形成されたトナー像を、記録紙搬送手段30により搬送された記録紙Pに転写させる。クリーナユニット16は、現像器14での現像処理、および、転写ローラ15による転写処理の後に、感光体ドラム11の表面に残留したトナーを、除去・回収する。感光体ドラム11は、帯電器12によって表面を帯電され、帯電された表面にレーザ光照射手段13によって静電潜像を形成され、形成された静電潜像を現像器14によって現像され、現像されたトナー像を転写ローラ15によって記録紙Pに転写され、転写後に表面に残ったトナー像をクリーナユニット16によって除去回収される。
そして、このような、記録紙Pに対するトナー像の転写は、各色の可視像形成ユニットにおいて行われる。すなわち、上記4色について記録紙Pに対するトナー像の転写が行われるので、同様の処理が4回繰り返されることになる。
記録紙搬送手段30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32、搬送ベルト33からなり、記録紙Pに可視像形成ユニット10にてトナー像が形成されるように、記録紙Pを搬送するものである。駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、無端状の搬送ベルト33を架張するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度に制御されて回転することで、無端状の搬送ベルト33を回転させている。搬送ベルト33は、外側表面に静電気を発生させており、記録紙Pを静電吸着させながら、記録紙Pを搬送する。
記録紙Pは、このようにして、搬送ベルト33に搬送されながらトナー像(未定着トナー像)を転写されたあと、駆動ローラ31の曲率により搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。定着装置40は、記録紙Pに適度な熱と圧力とを与えて、記録紙P上に転写されたトナーを溶解して記録紙Pに固定することで、記録紙P上に堅牢な画像を形成する。
(定着装置)
次に、定着装置40について、図1、図3および図4を用いて説明する。図1は、定着装置40の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、定着装置40は、定着ローラ(定着部材)41と、加圧ローラ(第1の加圧部材)42と、加圧パッド(第3の加圧部材)45と、剥離ローラ(第2の加圧部材)43と、ベルト(搬送部材)44とを備えている。
加圧ローラ42、加圧パッド45、剥離ローラ43は、記録紙の搬送方向にこの順で配置されている。また、加圧ローラ42および剥離ローラ43は、図示しない弾性部材(バネ等)により、ベルト44を介して定着ローラ41に圧接されている。また、加圧パッド45も弾性部材46(バネ等)を備えた加圧パッド駆動部(駆動部材)47により、ベルト44を介して定着ローラ41に圧接されている。これにより、加圧ローラ42、加圧パッド45および剥離ローラ43と定着ローラ41とがベルト44を介して当接する部分には定着ニップ部が形成されている。
図3は、定着ニップ部の概略構成を示す断面図である。図3に示すように、定着ローラ41と加圧ローラ42との当接(圧接)によって形成される定着ニップ部を第1ニップ部とする。また、定着ローラ41と剥離ローラ43との当接(圧接)によって形成される定着ニップ部を第2ニップ部とし、定着ローラ41と加圧パッド45との当接(圧接)によって形成される定着ニップ部を第3ニップ部とする。
さらに、第1ニップ部と第3ニップ部との間の特に圧接手段(加圧手段)が備えられていない領域を第1仮想ニップ部とし、第2ニップ部と第3ニップ部との間の特に圧接手段(加圧手段)が備えられていない領域を第2仮想ニップ部とする。なお、第1ニップ部の先端から第2ニップ部の後端までの領域をトータルニップ部とする。また、第1ニップ部は、入紙側から最初に形成される定着ニップ部であり、第3ニップ部は第1ニップ部よりも排紙側に形成される定着ニップ部であり、第2ニップ部は第3ニップ部よりも排紙側に形成される定着ニップ部である。
また、図1に示すように、定着ローラ41は、芯金41a上に弾性層41b、離型層41cがこの順で形成されており、また、芯金41aの内部には、加熱源(加熱手段)としてハロゲンランプ(図示せず)が設置されている。
芯金41aは、外径47mmの中空のアルミニウムからなる。ただし、芯金41aの素材は、これに限るものでもなく、例えば鉄製の金属からなるものでもよい。また、芯金41aのサイズについても特に限定されるものではない。
弾性層41bは、厚さ1.5mmの耐熱性を有するシリコーンゴムからなる。離型層41cは、厚さ約30μmのPFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブからなる。離型層41cの材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れるものであればよく、PFAに限らず、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の他のフッ素系材料を使用してもよい。なお、本実施形態にかかる定着ローラ41は、外径約50mm、表面硬度75°(アスカーC硬度)である。
加圧ローラ42は、芯金42aに弾性層(図示せず)を積層したものである。
また、加圧ローラ42は、図示していない弾性部材(バネ等)によって、ベルト44に定着ローラ41方向への加圧力(押圧力)を加えることにより、ベルト44を定着ローラ(加熱ローラ)41に圧接させて、定着ローラ41との間にベルト44を介して定着ニップ部(第1ニップ部)を形成している。これにより、第1ニップ部に記録紙が通紙された場合に、記録紙を定着ローラ41に押し付け、記録紙上のトナーに良好に熱が伝わるようにするという役割を果たしている。
加圧ローラ42の芯金42aは、ここでは鉄製で外径が15mmのものを用いているが、材料や大きさはこれに限られるものではなく、例えば、ステンレスやアルミニウム等からなるものであってもよい。
加圧ローラ42は、その外径が17.0mmであり、クラウン量が0.2の正クラウンローラである。すなわち、加圧ローラ42は、その長手方向(回転軸方向)中央部と端部との外径差が0.2mmとなるように形成されたローラであり、ローラ中央部の外径が17.0mmであるのに対してローラ端部の外径が16.8mmとなっているローラである。ただし、クラウン量はこれに限定されるものではなく、使用する定着ローラの撓み量(撓み量は、定着ローラにかかる荷重、芯金・弾性層・離型層の厚さ、芯金のヤング率、外径等によって決まる)に応じて適宜設定すればよい。
なお、加圧ローラ42の弾性層は、記録紙を均等に加圧し、定着ローラ41の熱を記録紙に十分に伝達させて記録紙上のトナーを溶融させるためのものである。弾性層としては、例えば、厚さ8.5mmの耐熱性のシリコーンゴムを用いることができる。しかし、弾性層としては、このような機能を果たすものであればよく、材料や厚さは特に限定されるものではない。
また、加圧ローラ42には、定着ローラ41の離型層41cと同様にトナーの付着を防止する目的で、離型層を設けてもよい。離型層としては、例えばPFAやPTFEなどからなるものを用いることができる。
また、加圧ローラ42を、ベルト44を介して定着ローラ41に圧接させることにより形成される第1ニップ部のニップ幅(記録紙の搬送方向の長さ)は、弾性部材の荷重を変化させることで調整することができる。本実施の形態においては、加圧ローラに対して15kgfの荷重がかけられている。ただし、これに限定されるものではない。
加圧パッド45は、第1ニップ部で加熱昇温された記録紙上のトナー像を再度加圧パッドに圧接させることによってトナー像をさらに加熱昇温し、十分な定着強度を確保するためのものである。加圧パッド45は、弾性部材46によって定着ローラ41に圧接されており、ベルト44を介して定着ローラ41との間に定着ニップ部(第3ニップ部)を形成している。また、加圧パッド45は、定着ローラに向かう方向および定着ローラから離れる方向に移動可能になっており、自身が回転しない非回転部材である。
図1に示すように、加圧パッド45は、定着ローラ41の中心に向かう方向に延伸した形状を有しており、定着ローラ41側には、ベルト44を介して定着ローラ41と当接する面(当接面45a;押圧面)有している。この加圧パッド45の当接面45aは、定着ローラ41の加圧される面に沿った形状をしている。特に、当接面45aの曲率半径が、定着ローラ41の半径とベルト44の厚さとを合わせた長さと略同じであることが好ましい。
また、加圧パッド45は、定着ローラ41との当接面45aにおける加圧ローラ42側の端部が、加圧ローラ42に向かって鋭角状に突出した形状を有している。すなわち、当接面45aが加圧ローラ側に延伸した形状となっている。このため、第3ニップ部の領域を大きくすることができると共に、第1ニップ部側に近接した領域とすることができる。
加圧パッド45としては、アルミニウム製の基材上の当接面45a(ベルト44を介して定着ローラ41と当接する面)がPTFEでコーティングされたものを用いることができる。なお、加圧パッド45はこれに限定されるものではなく、例えば、定着ローラ41との当接面45aの密着性を高めるために、アルミニウム基材上に弾性層を設け、その上にPTFE等のフッ素コーティングしたものを用いてもよい。
また、加圧パッド45は、加圧ローラ42よりも記録紙搬送方向の下流側に、加圧ローラ42と近接して配置されている。これにより、加圧ローラ42によって形成される第1ニップ部と、加圧パッド45によって形成される第3ニップ部とが非常に近接した状態となる。このため、第1ニップ部と第3ニップ部との間の第1仮想ニップ部の領域を非常に小さくすることが可能になり、第1ニップ部と第3ニップ部とが実質的に連続した一体のニップ部として作用する。
このように、第1ニップ部および第3ニップ部は、それぞれが繋がった状態で連続しているかもしくは非常に近接していることが好ましい。すなわち、上記第3ニップ部は、第1仮想ニップ部の領域をより小さくするよう形成されていることが好ましい。このように形成すれば、これら各ニップ部を実質的に1つのニップ部として作用させることができる。
また、加圧パッド45の定着ローラ41との当接面45aが、定着ローラ41の加圧される面に沿った形状となっているので、第3ニップ部のニップ幅を広く確保することが可能になり、画像ずれを効果的に防止することができる。これは、特に当接面45aの曲率半径を、定着ローラ41の半径とベルト44の厚さとを合わせた長さと略同じにした場合により顕著なものとなる。
加圧パッド45は、加圧パッド駆動部47に保持されている。加圧パッド駆動部47は、加圧パッド45を保持すると共に、加圧パッド45を移動させて定着ローラ41にベルト44を介して当接させるための駆動部材である。
加圧パッド駆動部46は、バネ46と側板48とを備えている。バネ46は、加圧パッド45の当接面45aとは反対側に接続されている。加圧パッド45は、バネ46の伸縮によって定着ローラ41の中心方向に向かって往復運動(往復移動)するようになっている。また、側板48は、加圧パッド45およびバネ46の周囲を取り囲むようにして設けられた保護部材であると共に、一方の端部がバネ46に接続されたバネ保持部材である。
従って、より詳細には、加圧パッド45は、バネ46によって保持されており、このバネ46は側板48によって保持された状態になっている。また、バネ46は側板48に囲まれた領域を定着ローラ41の中心方向に向かって伸縮運動し、加圧パッド45はこれに従って側板48に囲まれた領域を往復運動するようになっている。それゆえ、バネ46の伸縮程度を調整することで加圧パッド45が定着ローラ41を加圧する強度を調整することが可能になる。なお、本実施形態ではバネ46を用いて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、加圧パッド45を往復運動させることが可能な弾性体や駆動部材であればよい。
なお、図4は、加圧パッド45周辺の概略構成を示す拡大断面図である。図4に示すように、上記側板48と加圧パッド45およびバネ46との間には微少なギャップ(間隔)49a・49bが存在する。このギャップ49a・49bは、バネ46の伸縮運動と加圧パッド45の往復運動をスムーズに行うために設けられているものである。もし、ギャップ49a・49bがない場合には、側板48と加圧パッド45とが接触するため、これらの熱膨張差により摩擦が大きくなり、加圧パッド45がスムーズに移動しなくなってしまう恐れがある。しかしながら、ギャップ49a・49bを設けることによりこれを回避している。
上述のように、加圧パッド45は、バネ46によってベルト44を介して定着ローラ41の表面を加圧する。これにより、加圧パッド45と定着ローラ41との間には第3ニップ部が形成される。ここで、加圧パッド45の定着ローラ41との当接面45aにおける記録紙搬送方向の長さは、第1ニップ部のニップ幅よりも長いことが好ましい。この場合、加圧パッド45(加圧パッド45によって加圧力を付与されたベルト44)と定着ローラ41との間に形成されるニップ幅は、加圧ローラ45(加圧ローラ45によって加圧力を付与されたベルト44)と定着ローラ41との間に形成されるニップ幅よりも広くなる。すなわち、第3ニップ部の領域が第1ニップ部の領域よりも大きくなる。
このように、第3ニップ部を形成する手段(加圧部材)として、加圧パッド45を用いることにより、低荷重でしかも狭いスペースで広いニップ幅を確保することができるので、装置の小型化が可能になる。
剥離ローラ43は、第3ニップ部で加熱昇温された記録紙上のトナー像を、ベルト44を介して再度定着ローラ41に加圧させることで、トナー像を更に加熱昇温して、十分な定着強度を確保すると同時に、記録紙を定着ローラ41の表面から剥離させるためのものである。この剥離ローラ43は、ステンレス製の芯金に離型層を被覆したものである。なお、離型層は、必ずしも備えられなくてもよい。また、剥離ローラ43は加圧ローラ42と同様、図示しない弾性部材(バネ)によってベルト44に定着ローラ41方向への加圧力を加えることで、ベルト44を定着ローラ41に圧接させ、定着ローラ41とベルト44との間に定着ニップ部(第2ニップ部)を形成している。
本実施形態では、剥離ローラ43として外径15mmのものを用いている。また、芯金と離型層のあいだに弾性層を設けてもよい。なお、剥離ローラ43の表面硬度は、定着ローラ41の弾性層41bの表面硬度より高い方がよい。なぜなら、剥離ローラ43を、ベルト44を介して定着ローラ41に圧接させて形成した第2ニップ部におけるニップ形状を下向きにさせることができる。このため、カラー画像を定着する際に、自己剥離(剥離爪などの強制剥離補助手段を必要とせず紙のこしで剥離)がしやすくなり、剥離爪などに極力頼らず剥離することができるからである。一方、定着ローラ41の弾性層41bの表面硬度より、剥離ローラ43の表面硬度が低いと、第2ニップ部のニップ形状が上向きになるため、第2ニップ部から排出された紙は、定着ローラ41表面に沿って排出される。このため、十分な自己剥離性能が得られない。
ベルト44は、ベルト基材と離型層とからなり(ともに図示せず)、加圧ローラ42、加圧パッド45、剥離ローラ43、および2つのテンションローラ50a・50bに懸架(張架)されている。ベルト44の離型層は、定着ローラ41の離型層41cと同様、トナーの付着を防止する目的で設けられるものであり、例えばPFAやPTFEなどからなる。また、ベルト基材の材質は特に限定されるものではないが、例えばPI(ポリイミド)などからなる。なお、ベルト44の表面硬度は、剥離ローラ43と同様、定着ローラ41の弾性層41bの表面硬度より高い方がよい。また、テンションローラ50a・50bは、ベルトのテンションを保持する目的で用いられるローラである。
なお、本実施形態にかかる定着装置40では、加圧ローラ42およびベルト44と定着ローラ41とで形成される第1ニップ部のニップ幅が4mm、加圧パッド45およびベルト44と定着ローラ41とで形成される第3ニップ部のニップ幅が14mm、第1ニップ部と第3ニップ部との間に形成される第1仮想ニップ部のニップ幅が3mmとなっている。また、剥離ローラ43およびベルト44と定着ローラ41とで形成される第2ニップ部のニップ幅が3mm、第2ニップ部と第3ニップ部との間に形成される第2仮想ニップ部のニップ幅が5mmとなっている。したがって、トータルニップ幅は、29mmである。
また、第1仮想ニップ部および第2仮想ニップ部では、定着ローラ41とベルト44とが接触している。このため、記録紙の搬送不良を防止することができる。また、第1仮想ニップ部および第2仮想ニップ部には加圧部材がないものの、定着ローラ41とベルト44とが接触していることにより、定着ローラ41の熱を記録紙に適度に伝熱することができるので、定着性を向上させることができる。
定着装置40では、上記各定着ニップ部、すなわち、図示しない加熱手段によって一定温度に加熱された定着ローラ41と加圧部材(加圧ローラ42、加圧パッド45および剥離ローラ43)とによって挟まれる領域に、表面に未定着のトナーが付着した記録紙(被加熱材)Pを通紙することで、トナーを溶融させて記録紙に押し付け、記録紙に画像を定着させる。なお、定着後には、記録紙にトナーが溶着された状態となり、光沢が出る。
上記のように、複数の加圧部材(加圧ローラ42、剥離ローラ43)を用いた定着装置において、加圧ローラ42と剥離ローラ43との間に加圧パッド45を設けたことによって、第1ニップ部と第2ニップ部との間の仮想ニップ部(ベルト44の撓み部分)に第3定着ニップ部が形成される。これにより、定着性を向上させることが可能となり、画像ずれを防止することができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について図5および図6に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に記載した各部材と同様の機能を有する部材については、実施形態1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施形態は、実施形態1と比較して加圧パッド駆動部が異なるのみで他の構成は実施形態1と同様である。このため、本実施形態では、加圧パッド駆動部の構成と加圧パッドを移動させる方法とを主として説明する。
図5は、本実施形態における加圧パッド駆動部(駆動部材)51の概略構成を示す断面図である。図5に示すように、加圧パッド駆動部51は、バネ46と駆動ローラ52とを備えている。バネ46は、加圧パッド45の当接面45aとは反対側に接続されている。加圧パッド45は、バネ46の伸縮によって定着ローラ41の中心方向に向かって往復運動するようになっている。なお、本実施形態においてもバネ46を用いて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、加圧パッド45を往復運動させることが可能な弾性体や駆動部材であればよい。
駆動ローラ52は、加圧パッド45の側部に接するように複数設けられている。これら複数の駆動ローラ52は、加圧パッド45が移動方向以外の方向にぐらつくことがないように加圧パッド45を挟みこむ位置に配置されていると共に、加圧パッド45の往復運動をスムーズに行うために移動方向に沿って配置されている。
すなわち、加圧パッド45はバネ46によって保持されており、バネ46の伸縮運動に伴って定着ローラ41の中心方向(移動方向)に向かって往復運動するようになっている。また、加圧パッド45の周囲には複数の駆動ローラ52が配置されており、これら駆動ローラ52は加圧パッド45の移動方向への移動に従動して回転する。それゆえ、加圧パッド45は移動方向に対してスムーズな往復運動を行うことが可能になる。また、バネ46の伸縮程度を調整することで加圧パッド45が定着ローラ41を加圧する強度を調整することが可能になる。
なお、上記実施形態1の加圧パッド駆動部47では、加圧パッド45のスムーズな移動のために、加圧パッド45と側板48との間に微少なギャップ49a・49bを設けていた。しかしながら、このように微少なギャップ49a・49bが存在する場合には、加圧パッド45は、厳密には移動方向の往復運動の他に移動方向とは異なる方向にも移動する可能性がある。
すなわち、加圧パッド45は、移動方向とは異なる方向に若干ぐらつく場合がある。この場合、加圧パッド45の先端部分(当接面45a;定着ローラ41と当接する部分)は、記録紙搬送方向に対してぐらつく状態になっている。このため、図6に示すように、加圧パッド45の先端部分が下に動き、先端部分が浮いた状態になってしまう場合がある。定着ローラ41と加圧パッド45との間に記録紙Pが搬送されてきた際に、このような状態になっていると、記録紙の先端に加圧パッド45からの十分な圧力が加えられず、画像先端には、部分的にトナーが細かく抜けてしまう現象(先端画像抜け)が発生してしまうことがある。
これに対して、本実施形態では、加圧パッド45に接して配置された駆動ローラ52を備えた加圧パッド駆動部51を用いているため、加圧パッド45の移動方向に対するスムーズな往復運動を可能にすると共に、加圧パッド45のぐらつきを回避することが可能になっている。従って、本実施形態の加圧パッド駆動部51を用いることにより、画像ずれを防止できることに加えて、先端画像抜けをも防止することができ、より高画質な画像を形成することができる。
なお、上記駆動ローラ52は、加圧パッド45の移動に従動して回転して、加圧パッド45の往復運動をスムーズにすると共に、加圧パッド45のぐらつきを回避できるものであればよく、その材質、大きさ、配置位置等は適宜設定すればよい。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について図7に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に記載した各部材と同様の機能を有する部材については、実施形態1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施形態は、実施形態1と比較して加圧パッド駆動部が異なるのみで他の構成は実施形態1と同様である。このため、本実施形態では、加圧パッド駆動部の構成と加圧パッドを移動させる方法とを主として説明する。
図7は、本実施形態における定着装置58の概略構成を示す断面図である。図7に示すように、加圧パッド駆動部(駆動部材)53は、加圧パッド保持部54、固定部55、および回動部56を備えている。
加圧パッド保持部54は、加圧パッド45を保持・固定するものである。また、加圧パッド保持部54は、固定部55と回動部56との接続点(支点部)57を支点として回動可能になっている。従って、加圧パッド45は、加圧パッド保持部54の回動に伴って一定の方向に回動するようになっている。
固定部55は、回動部56や加圧パッド保持部54を回動可能に固定・保持するものである。固定部55は、接続点57にて回動部56を回動可能に固定しており、回動部56は接続点57を支点として回動するようになっている。また、加圧パッド保持部54は、回動部56の回動に従動して回動し、これによって加圧パッド45が回動するようになっている。
上述のように、加圧パッド45は加圧パッド保持部54に保持されており、加圧パッド保持部54は回動部56に固定されている。また、回動部56は固定部55に回動可能な状態で(接続点57で)固定されている。この接続点57を回動支点として回動部56を回動させることによって、加圧パッド45を回動させることができ、加圧パッド45を、ベルト44を介して定着ローラ41に加圧させることができる。これにより、加圧パッド45と定着ローラ41との間にはニップ部が形成される。
また、本実施形態の構成では、加圧パッド45は、加圧パッド保持部54に保持されているため、加圧パッド45がベルト44を介して定着ローラ41と当接する面(当接面45a;押圧面)は、接続点57を中心とした回動方向にのみ移動することなる。
このため、加圧パッド45の先端部分が動いてしまう(ぐらついてしまう)といったことはなく、本実施形態の加圧パッド駆動部54を用いた場合においても、画像ずれを防止できることに加えて、先端画像抜けをも防止することができ、より高画質な画像を形成することができる。
なお、加圧パッド45の回動半径は、加圧パッド45の押圧面45aを定着ローラ41にほぼ均一に押し当てることができると共に、定着装置の大型化に繋がらない程度の長さであることが好ましい。例えば、加圧パッド45の回動半径が極端に小さい場合には、加圧パッド45を定着ローラ41に当接・加圧する際に加圧パッド45が傾く可能性がある。一方、加圧パッド45の回動半径が極端に大きい場合には、定着装置および画像形成装置が大型化し無駄なスペースが増えてしまう。従って、加圧パッド45の回動半径は、上記好ましい範囲となるように、使用目的に応じて適宜設定すればよい。
好ましい回動半径として、例えば60mm(接続点57から回動部56と加圧パッド保持部54との接続部分までの距離が60mm)とすることができる。この場合、加圧パッド45の押圧面45aを定着ローラ41にほぼ均一に押し当てることができ、装置の大型化に繋がるような不要なスペースを要さない範囲とすることができる。
また、回動部56に回動力を発生させるための部材としては、例えば「バネ」を用いることができる。ただしこれに限定されるものではなく、他の弾性部材等の回動力を発生させることができるものであればよい。
なお、本実施形態では、回動部56が加圧パッド保持部54および加圧パッド45を回動可能に保持している構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、回動部56は、加圧パッド45、加圧パッド保持部54、加圧ローラ42、剥離ローラ43、テンションローラ50a・50b、ベルト44も含めて全体を回動可能に保持する構成であってもよい。
次に、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
上記の定着装置58を用いて、未定着画像を載せた記録紙(未定着画像サンプル)を通紙し、定着後のサンプルの画像ずれ、先端画像抜けを評価する実験を行った。
なお、上記定着装置58では、第1ニップ部のニップ幅が4mm、第1仮想ニップ部(定着ローラ41と加圧ローラ42とで形成された第1ニップ部の後端部から定着ローラ41と加圧パッド45とで形成された第3ニップ部の先端部までのニップ部)のニップ幅が3mm、第3ニップ部のニップ幅が14mm、第2仮想ニップ部(第3ニップ部の後端部から定着ローラ41と剥離ローラ43とで形成された第2ニップ部の先端部までのニップ部)のニップ幅が5mm、第2ニップ部のニップ幅が3mmであり、トータルニップ部のニップ幅は29mmである。
未定着画像サンプルとして、ワックスを内包したカラー用オイルレストナー(ポリエステル樹脂)を用いて記録紙上に形成した未定着画像を使用した。トナーの粒径(体積平均粒径)は、6.5μmであり、このトナーの記録紙に対する単位面積毎の付着量は0.5mg/cmである。記録紙としては、65gの普通紙を使用した。また、プロセス速度は350mm/sとし、定着ローラ41の表面温度(定着温度)は170℃とした。
画像ずれの評価は、未定着画像サンプルを定着装置58に通紙して定着させた後のサンプルの濃度測定、および主観による画質評価によって行った。主観による画質評価とは、従来から用いられているローラ対方式の定着装置で定着したサンプルを比較例(標準サンプル)として用意し、この標準サンプルに対する相対評価である。画像ずれの評価結果については、画像濃度、画質共に問題なければ「○」、画像濃度は問題ないが、トナーが抜けたような微少な濃淡むらが所々に存在し、画質として問題があるものを「△」、画像濃度が低下し、かつ、画質が劣るレベルのもの(比較例に対して画像ずれが明らかに目立つもの)を[×]とした。
また、先端画像抜けの評価は、定着後のサンプルの記録紙の先端部分に画像ずれが起きているか否かの評価によって行った。先端画像抜けの評価結果については、画像先端が特に問題なければ「○」、画像先端が抜けている(画像先端にトナーが抜けたような微少な濃淡ムラが存在する)場合には「×」とした。画像ずれおよび先端画像抜けの評価結果を表1に示す。また、各ニップ幅を表2に示す。
Figure 0004463736
Figure 0004463736
(実施例2)
上記実施例1の定着装置58において、第1仮想ニップ部のニップ幅を2mmに変更し、第2仮想ニップ部のニップ幅を6mmに変更した。なお、第1ニップ部のニップ幅(4mm)、第3ニップ部のニップ幅(14mm)、および第2ニップ部のニップ幅(3mm)は変更せず、トータルニップ部のニップ幅は29mmと一定にした。このような定着装置を用いて、実施例1と同様の定着条件にて画像ずれおよび先端画像抜けを評価する実験を行った。この評価結果を表1に示す。また、各ニップ幅を表2に示す。
(実施例3)
上記の定着装置40を用いて、実施例1と同様の定着条件にて画像ずれおよび先端画像抜けを評価する実験を行った。なお、定着装置40における各ローラ41・42・43、加圧パッド45、ベルト44等の材料、各ニップ幅の条件は全て実施例1の定着装置58と同等な条件とした。すなわち、本実施例の定着装置40は、実施例1の定着装置58と比較して加圧パッド45の当接方法が異なるのみであり、他は全て同一の構成である。この評価結果を表1に示す。また、各ニップ幅を表2に示す。
(比較例1)
上記実施例1の定着装置58において、第1仮想ニップ部のニップ幅を4mmに変更し、第2仮想ニップ部のニップ幅を4mmに変更した。なお、第1ニップ部のニップ幅(4mm)、第3ニップ部のニップ幅(14mm)、および第2ニップ部のニップ幅(3mm)は変更せず、トータルニップ部のニップ幅は29mmと一定にした。このような定着装置を用いて、実施例1と同様の定着条件にて画像ずれおよび先端画像抜けを評価する実験を行った。この評価結果を表1に示す。また、各ニップ幅を表2に示す。
(比較例2)
上記実施例1の定着装置58において、第1仮想ニップ部のニップ幅を5mmに変更し、第2仮想ニップ部のニップ幅を3mmに変更した。なお、第1ニップ部のニップ幅(4mm)、第3ニップ部のニップ幅(14mm)、および第2ニップ部のニップ幅(3mm)は変更せず、トータルニップ部のニップ幅は29mmと一定にした。このような定着装置を用いて、実施例1と同様の定着条件にて画像ずれおよび先端画像抜けを評価する実験を行った。この評価結果を表1に示す。また、各ニップ幅を表2に示す。
(評価結果の解析1)
表1に示すように、実施例1および実施例2では、画像ずれおよび先端画像抜けの発生が見られず画質上問題ないことが確認された。一方、比較例1および比較例2では、第1仮想ニップ部のニップ幅を3mm以上(比較例1では4mm、比較例2では5mm)に設定することで、全体に画像ずれが顕著に発生した。比較例1および比較例2では、画像ずれが発生しているレベルが画像全体に及ぼされており、先端画像抜けとの切り分けが困難であったものの、先端部分においても著しく画像が抜けていたため「×」とした。
画像ずれが発生する原因は、次のように説明できる。すなわち、本発明のように、定着ローラと複数の加圧部材(本発明では加圧ローラ、加圧パッドおよび剥離ローラ)とによって複数の定着ニップ部が形成される定着装置の場合、第1ニップ部と第3ニップ部との間には、定着ニップが形成されないか、もしくは、本実施の形態のようにベルトによって見かけ上定着ニップが形成されていても、ベルトの張力による圧力のみであることから、ほとんど定着圧力がかかっていない状態のニップ部(仮想ニップ部)が形成されることになる。
従って、記録紙が定着装置を通過する場合、第1ニップ部では加圧部材によって定着部材(定着ローラおよびベルト)、トナー、記録紙の各々が密着しているものの、第1ニップ部通過後、第3ニップ部に至るまでの第1仮想ニップ部では加圧部材が存在しないために、定着部材と記録紙との間に若干の隙間が生じることとなる。
このため、第1ニップ部でのトナーの溶融状態が不十分であると、トナー像の一部は低温オフセット現象により、定着部材側に付着することとなる。そして、第1仮想ニップ部で定着部材と記録紙との間で微妙な位置ずれが生じた場合には、第3ニップ部にて再度定着部材と記録紙とが密着した際に、定着部材に付着していたトナー像の位置がずれて画像ずれが生じてしまう。
つまり、本発明にて示されるような複数の定着ニップ部を有する定着装置において画像ずれを防止するためには、未定着トナー像を有する記録紙が第1ニップ部を通過した直後に低温オフセットが発生しない程度に、未定着トナー像が加熱溶融されるように第1ニップ部での定着条件を設定する必要がある。あるいは、第1ニップ部を形成する加圧ローラの下流側に近接して加圧パッドを配置し、第1ニップ部と第3ニップ部とが連続または非常に近接した状態にして、実質上、第1ニップ部に第3ニップ部を加えたニップ部を連続した一体のニップ部として作用させることによって、第1ニップ部通過直後に低温オフセットが発生しない程度に未定着トナー像を加熱溶融させる必要がある。
特に、画像形成の速度を高速化させる場合には、第1ニップ部のみで未定着トナー像を十分加熱溶融させるには限界がある(加圧ローラを大径化する必要がある)ので、加圧パッドを用いて第1ニップ部と第3ニップ部とを近接させ、実質上連続した一体のニップ部として作用させる方法が有効である。さらに、加圧パッドの当接面を定着ローラの外周面とベルトの厚みを合わせた曲率とほぼ同等の曲率の面に形成することで、第3ニップ部のニップ幅を広く確保することができ、画像ずれを効果的に防止することができる。
(評価結果の解析2)
表1に示すように、実施例3では、画像ずれについては改善されており、問題ないことが確認された。しかしながら、先端画像抜けが発生していた。
実施例3の定着装置40において先端画像抜けが発生する原因は、次のように説明できる。図1に示す定着装置40のように、加圧パッドを定着ローラの中心方向にバネ荷重をかけて当接させる定着装置の場合には、バネの上下移動をスムーズに行わせるために、図4に示すように加圧パッドとそれを支える側板との間に微少のギャップが存在している。これは、ギャップがないと側板と加圧パッドとの熱膨張差によって摩擦が大きくなり加圧パッドがスムーズに移動しなくなるためである。
従って、このギャップの影響で、加圧パッドは記録紙が搬送されて来る方向に対して先端がぐらつく状態になってしまう。記録紙が定着ローラと加圧パッドとの間に搬送された際に、図6に示すように加圧パッドの先端が下に動き、浮いた状態になる。このため、記録紙の先端は加圧パッドから十分な圧力がかかっておらず、本来なら第1仮想ニップ部のニップ幅が3mmで構成されているにも関わらず、加圧パッドの圧力のかかっていないニップ部も仮想ニップ部と同等の条件になり、結果として第1仮想ニップ部が3mm以上存在することと同等の条件になってしまう。この影響で、画像先端のみ微少な画像ずれの現象が発生し、全部ではないものの、微少のトナーがずれて、濃淡むらが発生してしまうものと考えられる。
(実施例4)
上記の定着装置58を用いて、加圧ローラのクラウン量だけを変化させて、実施例1と同様の定着条件で画像ずれを評価する実験を行った。
本実施例では、加圧ローラとして、クラウン量0.2の正クラウンローラ(ローラの軸方向(長手方向)中央部の外径が17mmで、軸方向端部の外径が16.8mmのローラ)を用いて行った。
なお、画像ずれの評価方法や使用する記号は実施例1と同様である。これら画像ずれの評価結果を表3に示す。また、本実施例における、第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を図8に示す。第1ニップ部の軸方向の長さは300mmであり、図8では軸方向の中央部を0mmとした。
Figure 0004463736
(比較例3)
上記実施例4の定着装置58において、クラウン量0(ローラの軸方向中央部の外径および端部の外径が17mm)のいわゆるストレート形状の加圧ローラを用いて、実施例4と同様の定着条件にて画像ずれを評価する実験を行った。この評価結果を表3に示す。また、本比較例における、第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を図9に示す。
(比較例4)
上記実施例4の定着装置58において、クラウン量0.4(ローラの軸方向中央部の外径が17mmで、軸方向端部の外径が16.6mm)の加圧ローラを用いて、実施例4と同様の定着条件にて画像ずれを評価する実験を行った。この評価結果を表3に示す。また、本比較例における、第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を図10に示す。
(評価結果の解析3)
表3に示すように、評価の結果、実施例4(クラウン量0.2)では、画像ずれの発生が見られず問題ないことが確認された。一方、比較例3(ストレート形状)では、軸方向中央部において微少な画像ずれが発生した。また、比較例4(クラウン量0.4)では、軸方向両端部に微少な画像ずれが発生した。
表3の結果と図8〜図10のニップ面圧分布を比較すると、ニップ面圧が低い部分において画像ずれが発生していることがわかる。これは、ニップ面圧が低い部分では、トナーに対して十分な圧力がかけられず、トナーを記録紙に十分溶融させて浸透させることができないために、仮想ニップ部において微少な画像ずれが発生してしまうことに起因する。
また、実施例4からわかるように、加圧ローラとしてクラウン量0.2のローラを用いることで、ニップ面圧分布を均一に保つことが可能であるが、例えば、加圧ローラの大径化や、加圧ローラにヤング率の高い材料を用いることによって加圧ローラ自身の撓みを抑制することが可能になるので、このような方法でニップ面圧を均一にさせてもよい。
上述のように、本発明の定着装置は、表面に弾性層が被覆された定着ローラと架橋されたベルトとを有し、ベルトの内面から加圧ローラ、加圧パッド、剥離ローラ等、複数の押圧部材で加圧されることにより、複数の定着ニップ部が形成されてなるベルト定着装置において、加圧パッドの当接手段として、ある支点からの回転により(回転稼動により)、加圧パッドを当接することで、画像ずれを防止することができるものである。
また、本発明の定着装置は、表面に弾性層が被覆された定着ローラと架橋されたベルトを有し、ベルトの内面から加圧ローラ、加圧パッド、剥離ローラで構成された複数の押圧部材で加圧されることにより、複数の定着ニップ部が形成され、未定着トナー像が形成された記録紙を、前記複数の定着ニップ部に通過させることで前記未定着トナー像の定着を行う定着装置において、加圧パッドを定着ローラの中心方向に向かう力でベルトを介して定着ローラに押しあて、ベルトを定着ローラに密着させる当接手段が備えられている構成と表現することもできる。
また、上記定着装置では、当接手段は予め定められる支点からの回転により(回転稼動により)、加圧パッドを定着ローラに当接させる構成としてもよい。さらに、上記定着装置は、加圧ローラとベルトおよび定着ローラにより構成される第1ニップ部と、加圧パッドとベルトおよび定着ローラにより構成される第2ニップ部が連続してニップを形成するように加圧ローラと加圧パッドが配置されている構成としてもよい。
また、上記定着装置では、加圧パッドは、ベルトを介して定着ローラに当接される当接面が定着ローラの外周面とベルトの厚みをあわせた曲率とほぼ同等の曲率面が形成されている構成としてもよい。さらに、上記定着装置は、加圧ローラがクラウン形状を有し、第1ニップ部の軸方向のニップ面圧を均等にした構成としてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数の定着ニップ部を有するあらゆる定着装置およびそれを備えた画像形成装置に適用できる。
本発明の実施の一形態を示すものであり、定着装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の一形態を示すものであり、定着装置が備えられる画像形成装置の内部概略構造を示す断面図である。 本発明の実施の一形態を示すものであり、定着ニップ部の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の一形態を示すものであり、加圧パッド周辺の概略構成を示す拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態を示すものであり、加圧パッド駆動部の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の一形態を示すものであり、加圧パッドの先端部分が浮いた状態を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態を示すものであり、定着装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施例に係る第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を示す図である。 本発明の比較例に係る第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を示す図である。 本発明の比較例に係る第1ニップ部における軸方向のニップ面圧(kgf/cm2)と、加圧ローラの軸方向の距離(ローラ軸長(mm))との関係を示す図である。
符号の説明
40・58 定着装置
41 定着ローラ(定着部材)
41a 芯金
41b 弾性層
41c 離型層
42 加圧ローラ(第1の加圧部材)
42a 芯金
43 剥離ローラ(第2の加圧部材)
44 ベルト(搬送部材)
45 加圧パッド(第3の加圧部材)
45a 当接面(押圧面)
46 バネ(弾性部材)
47・51・53 加圧パッド駆動部(駆動部材)
48 側板
49a・49b ギャップ
52 駆動ローラ
54 加圧パッド保持部
55 固定部
56 回動部
57 接続点(支点部)

Claims (10)

  1. 定着部材と、該定着部材を加圧する第1の加圧部材および第2の加圧部材と、該第1の加圧部材および第2の加圧部材に張架され、記録材を搬送する無端状の搬送部材とを備え、
    上記第1の加圧部材はローラ形状であり、
    上記第1の加圧部材および第2の加圧部材が上記搬送部材を介して定着部材を加圧することにより、上記第1の加圧部材と定着部材との間には第1ニップ部が形成され、かつ上記第2の加圧部材と定着部材との間には第2ニップ部が形成されており、
    上記第1ニップ部および第2ニップ部にこの順序にて上記記録材を搬送することにより、該記録材上の現像剤を定着させる定着装置であって、
    押圧面を有し、上記第1の加圧部材と第2の加圧部材との間において上記押圧面が上記搬送部材を介して定着部材を加圧する第3の加圧部材を備えており、
    上記第3の加圧部材の上記押圧面と定着部材との間には第3ニップ部が形成されており、
    上記第1ニップ部と上記第3ニップ部とが実質的に連続した一体のニップ部として作用するように、上記第3の加圧部材は上記第1の加圧部材に近接して配置されており、かつ、上記第3の加圧部材の上記押圧面を有する側の端部は、上記第1の加圧部材側に突出した形状を有し、上記押圧面が、上記第1の加圧部材側に延伸した形状となっていることを特徴とする定着装置。
  2. 上記第3の加圧部材は定着部材に向かう方向および定着部材から離れる方向に移動可能であり、第3の加圧部材を定着部材の方向に移動させる駆動部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記駆動部材は、弾性力によって第3の加圧部材を、搬送部材を介して定着部材に押圧させる弾性部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 上記駆動部材は、第3の加圧部材を保持し、支点部を中心に回動可能であり、第3の加圧部材を上記押圧面による押圧動作を行う方向とその押圧動作を解除する方向とに移動させることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 上記第3の加圧部材は、上記定着部材を加圧する部分が、該定着部材の加圧される面に沿った形状となっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 上記定着部材が定着ローラであり、
    上記第3の加圧部材における定着ローラを加圧する部分が、定着ローラの加圧される面の形状に応じて湾曲していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 上記定着部材が定着ローラであり、
    上記第3の加圧部材における定着ローラを加圧する部分の曲率半径が、上記定着ローラの半径および搬送部材の厚さを合わせた長さと略同じであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 上記第1の加圧部材が加圧ローラであり、該加圧ローラにおける回転軸方向中央部の外径が端部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 定着ローラと、該定着ローラを加圧する第1加圧ローラおよび第2加圧ローラと、少なくとも第1加圧ローラおよび第2加圧ローラを含む複数のローラに張架され、記録材を搬送する無端状のベルトとを備え、
    上記第1加圧ローラおよび第2加圧ローラが上記ベルトを介して定着ローラを加圧することにより、上記第1加圧ローラと定着ローラとの間には第1ニップ部が形成され、かつ上記第2加圧ローラと定着ローラとの間には第2ニップ部が形成されており、
    上記第1ニップ部および第2ニップ部にこの順序にて上記記録材を通過させることにより、該記録材上の未定着トナーを定着させる定着装置であって、
    押圧面を有し、上記第1加圧ローラと第2加圧ローラとの間において上記押圧面が上記ベルトを介して定着ローラを加圧する加圧パッドを備えており、
    上記加圧パッドの上記押圧面と定着ローラとの間には第3ニップ部が形成されており、
    上記第1ニップ部と上記第3ニップ部とが実質的に連続した一体のニップ部として作用するように、上記加圧パッドは上記第1加圧ローラに近接して配置されており、かつ、上記加圧パッドの上記押圧面を有する側の端部は、上記第1加圧ローラ側に突出した形状を有し、上記押圧面が、上記第1加圧ローラ側に延伸した形状となっていることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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