JP5114843B2 - 定着装置に用いられるエンドレスベルト、エンドレスベルトを用いる定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置に用いられるエンドレスベルト、エンドレスベルトを用いる定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体を加熱および加圧することにより、その表面に担持された未定着像を当該被記録媒体に定着させるための定着装置に用いられるエンドレスベルト、その定着装置、および画像形成装置に関するものである。
画像形成技術として、電子写真方式が広く普及している。電子写真装置は、印刷速度が速く、印刷版をその都度用意する必要が無く簡単であり、種々の画像情報から直接画像を得ることができ、装置も比較的小型であり、フルカラー化も容易であること等、数多くのメリットを有する。
かかる電子写真装置において、通常定着工程には、加熱ロールと加圧ロールとが当接してなる2ロール方式の定着装置が用いられ、両者が当接して形成されるニップ部に、未定着トナー画像が表面に形成された被記録媒体を挿通することで、熱および圧力によりトナーを溶融し前記被記録媒体表面に永久画像として定着せしめている。この加熱ロールおよび/または加圧ロールに代えて、エンドレスベルト状の加熱部材、加圧部材を用いることもある。
加熱ロールは、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する金属製のコアに、弾性層や離型層を設けてなるものであり、前記熱源により内部から加熱ロール表面を加熱するものである。定着装置においては、省エネルギーの観点や、画像形成装置の使用時にユーザーを待たせないようにする等の観点から、加熱ロール等の加熱部材を瞬時に加熱することができ、待ち時間(ウォームアップタイム)をできる限り少なくすることが望まれている。
従来の定着装置は、中空の定着体たる定着ロール(加熱ロール)と、付勢手段により前記定着ロールに押圧される加圧ロールと、加熱手段たるハロゲンヒータ(定着ヒータ)とを有しており、電源からの電力が前記ハロゲンヒータに供給されることで前記定着ロールが加熱されるようになっている。また、前記定着ロールの表面温度を検知するセンサの出力が温度コントロールに入力され、該温度コントロールによって前記出力に基づきハロゲンヒータがON/OFFされて、前記定着ロールは所定の表面温度に維持される。被記録媒体に載った状態の未定着トナーからなる未定着像は、定着ロールおよび加圧ロールのなす定着ニップ内で被記録媒体とともに加熱および加圧され永久定着されることとなる。
従来の中空の円筒形状をした定着ロールは、定着ニップ部の形状を自由な形状に加工することは難しいため、被記録媒体にしわやカールを生じさせたり、搬送性に影響を与えたり、定着性等を向上するための制約を生じさせたり等、多種類の被記録媒体全てに対してこれらを満足させることが困難であった。
例えば、封筒など、2層以上の多層構造となっている被記録媒体においては、定着ロールと加圧ロールとの間のニップ部の形状が平面でなく曲率を有していると、両者の回転速度が同じでも、表面の線速度に微妙な差異が生じてしまい、被記録媒体の上下面で搬送速度にずれが生じてしわが発生したり、定着性や搬送性に影響を与えてしまったりといった不具合を生じてしまう場合がある。特に、プロセススピードを速くしようとすると、上記不具合が生じやすい。
上記課題を解決するため、特許文献1に示される技術が開示されている。これは、内部に熱源を備えた中空パイプと、この中空パイプを加圧する加圧ロールと、前記中空パイプに巻掛けられる耐熱性のエンドレスシートを有し、このエンドレスシートと前記加圧ロールとの間に未定着トナーを担持した記録紙(被記録媒体)を通過させて、加熱加圧定着を行う定着装置であり、前記記録紙の前記未定着トナーを担持した面は、前記エンドレスシートと接し、前記エンドレスシートは、前記記録紙の搬送速度と同速度で回動しており、且つ、前記中空パイプの前記加圧ロールによる押圧位置は、略平面形状である定着装置である。
特開平7−287460号公報
しかしながら、かかる定着装置にあっては、中空パイプ全体を、ハロゲンヒータによって温めているため、定着に寄与しない、中空パイプのニップ部以外の部位をも加熱することになり、定着部材全体を所定の温度まで温度上昇させるのに時間がかかってしまい、ウォームアップの短縮に繋がらないという問題が発生する。
さらに、連続通紙を行った際、前記中空パイプのニップ部においては、熱が前記記録紙に奪われるため、温度低下が発生する。この中空パイプのニップ部温度を所定の温度に維持するためには、熱源から加熱を行う必要があるが、前記中空パイプにおける、前記熱源から見てニップ部とは反対側の部分は、熱を奪われることが無いためどんどん高温となってしまう。その結果、当該部分の温度が所定の温度以下となるようにすべく、プリント速度の低下やプリントの停止が必要となってしまう。
上記課題を解決するため、例えば、図8に示すような定着装置が考えられる。図8に示した定着装置90は、回転駆動し、弾力性ないし柔軟性を有する加圧ロール91と、これに当接して、被記録媒体Pが挿通されるニップ部Nを形成しつつ従動回転する耐熱性エンドレスベルト92と、平面部を有し、該平面部で耐熱性エンドレスベルト92を内部から押圧し、ニップ部Nを略平面状に形作る押圧支持体68と、耐熱性エンドレスベルト92の周内に配された熱源82と、を備えている。また、押圧支持体68は、平面部から耐熱性エンドレスベルト92の進行方向の前後に向けて、熱源82を取り囲むように延伸している。また、押圧支持体68は、熱源82を基点として、平面部の反対側の少なくとも一部が開口して成形されており、耐熱性エンドレスベルト92を、熱源82からの輻射熱により、直接加熱するとともに、押圧支持体68を介して熱伝導により加熱する。
しかしながら、この方式にて、高速化や弾性層を付けた高画質・カラー化を目指した場合に、耐熱性エンドレスベルトの基材(ここでいう基材とは、実質的にエンドレスベルトの剛性・強度を受け持っている層をいう)材料として耐熱性樹脂を用いると、その熱伝導性の悪さから、予熱時間の増加や、定着不良の問題が発生しやすくなる。そこで、その対策として、カーボンブラック等の熱伝導性粒子を増量したり、基材層を薄膜化したりする方法があるものの、いずれも、ベルトとしての強度の低下を招き、ベルトの破断・座屈といった問題が出てしまい、この両方の改善を両立する事が難しい。
そこで、エンドレスベルトの基材材料として、例えば、熱伝導性の高い、15〜80μm程度の薄膜金属を用いる事が考えられる。例えば、薄膜金属の材料としては、ステンレスやニッケル合金、アルミ合金等が挙げられる。
しかしながら、かかる定着装置にあっては、耐熱性エンドレスベルト92の内面と摺擦する押圧支持体68の、エンドレスベルト92との摺擦面は、平面であるため、接触面積が大きい。その為、エンドレスベルト92を回転させる際のエンドレスベルト92の内面と、押圧支持体68の表面との間の摺動トルクが大きくなり、連続通紙を行った際、摺動面からの大量の磨耗粉が発生するおそれがある。これにより、さらにエンドレスベルト92の内面と押圧支持体68の表面との摺動抵抗が増大し、駆動トルクが増大してベルトスリップ現象をまねくだけでなく、エンドレスベルト92の内面が損傷するおそれがある。さらに、磨耗によりエンドレスベルト92や押圧支持体68の耐久性が低下するという問題が発生し、定着性や搬送性に影響を与えるといった不具合が生じやすい。
また、エンドレスベルトとして、前述のような金属薄膜を用いた場合、これらの金属材料は、それ自身の熱伝導性は、放射率が0.05〜0.1と、前記の基材に用いた耐熱性樹脂材料に比べて非常に低い為、この方式の特徴である、熱源からの輻射熱の吸収が行われにくく、結果として、輻射熱によるベルトの加熱が遅くなってしまうというおそれがある。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ウォームアップ時間を増大させることなく、安定した定着性能を備える定着装置において特に好適に使用され、耐久性が高いエンドレスベルトを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、耐久性が高いエンドレスベルトを備え、ウォームアップ時間を増大させることなく、安定した定着性能を備える定着装置、および画像形成装置を提供することにある。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有するエンドレスベルトであって、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層を、前記第1の層の内周面側にさらに備えることを特徴とするエンドレスベルト。
(2)回転駆動する加圧ロールと、前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有し、前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱する定着装置で用いるエンドレスベルトにおいて、前記エンドレスベルトは、管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備えるエンドレスベルト。
(3)回転駆動する加圧ロールと、前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有する定着装置であって、前記エンドレスベルトは、管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備え、前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱する定着装置。
(4)像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を得る現像手段と、前記像担持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を少なくとも備える画像形成装置であって、前記定着手段は、回転駆動する加圧ロールと、前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有し、前記エンドレスベルトは、管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備え、前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱する画像形成装置。
本発明によれば、エンドレスベルトを回転させる際に生じうる、エンドレスベルト内面と支持体表面との間の摺動トルクの増大や、摺動面からの大量の磨耗粉の発生、ベルトスリップ現象やエンドレスベルト内面の損傷を防止または抑制することが出来る。また、エンドレスベルトや押圧支持体の耐久性が磨耗により低下するという問題の発生や、それによる定着性や搬送性に影響を与えるといった不具合も低減できる。
さらに、金属薄膜材料が低放射率であることによって、熱源からの輻射熱の吸収が行われにくくなりベルトの加熱速度が遅くなってしまうという不具合についても改善できる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明の具体的な構成の例を詳細に説明する。
図1は、本発明の定着装置の一例である第1の実施形態の定着装置を示す模式断面図であり、図2は、かかる定着装置を備える画像形成装置の概略構成図である。さらに、図7は、かかる定着装置を備えるカラー画像形成装置の概略構成図である。
図2に示されるように、この画像形成装置は、大きく画像形成部(画像形成手段)Xと定着部(定着手段)Yとの2つの構成に分かれている。
図2において示される画像形成部Xについて、以下に説明する。
図2において、画像形成部Xは、一様帯電後に像様の光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成され、矢印Dの方向に回転する感光体ドラム(潜像担持体)1を備えており、この周囲に、回転方向、つまり矢印Dの方向に順に、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電ロール(帯電手段)2と、感光体ドラム1に像様の光を照射して表面に静電潜像を形成する像露光器(静電潜像形成手段)3と、感光体ドラム1表面に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像(未定着像)を形成する現像器(現像手段)4と、感光体ドラム1と対向し、記録紙(被記録媒体)Pを挟んで感光体ドラム1との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール(転写手段)5と、トナー像の転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを除去するクリーナ(クリーニング部材)6とが設けられて構成される。
感光体ドラム1は、金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。
帯電ロール2は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属製のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム1に当接し、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、帯電ロール2と感光体ドラム1との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電が生じ、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電するものである。
像露光器3は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム1の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成するものである。
現像器4は、トナーを収容しており、当該トナーを担持した現像ロールを感光体ドラム1と近接・対向させ、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像に対応してトナーを転移させて、可視化したトナー像(未定着像)を形成する(現像する)ものである。
転写ロール5は、導電性もしくは半導電性のロール状部材からなり、感光体ドラム1との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1表面のトナー像を紙やOHPシートなどの被記録媒体Pに転写するものである。
クリーナ6は、感光体ドラム1の表面に圧接されるブレード状の部材であり、感光体ドラム1表面に残留するトナーを掻き取るように除去するものである。なお、クリーニング部材としては、これに限らず、このようなブレード状のものに代えて、例えばロール状部材によってトナーを掻き取るものや、ブラシによってトナーを掃き出すものであってもよい。
また、感光体ドラム1と転写ロール5との対向部へ、その上流側(図2における右側)から矢印C方向に、被記録媒体Pが供給されるように、図示しない給紙機構が構成されている。前記対向部に搬送された被記録媒体Pの表面には、転写ロール5により前記トナー像が、感光体ドラム1から転写される。つまり、画像形成部Xにおいて、被記録媒体(被転写媒体)P表面にトナー像(未定着像)が形成される。
一方、被記録媒体Pの搬送方向(矢印C方向)における画像形成部Xの下流側に位置する定着部Yは、被記録媒体P表面に転写されたトナー像を加熱溶融し被記録媒体Pに圧着する定着装置7により構成されている。当該定着装置7が、図1に示される第1の実施形態の定着装置である。
続いて、図7のカラー画像形成装置について説明する。
図7に示すカラー画像形成装置(電子写真装置ともいう)220は中間転写方式のカラー画像形成装置であり、ハウジング420内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、電子写真装置220に搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体(例えば感光体ドラム1)である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング420内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング420内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには定着装置414に順次移送された後、ハウジング420の外部に排紙される。当該定着装置414が、図1に示される第1の実施形態の定着装置に相当する。
次に、定着部Yについて、図1に基づいて説明する。
図1に示される本発明の実施形態の定着装置7は、出力500W〜1000W程度のハロゲンランプ(熱源)74と、平面部Hを含み、これを取り囲むように配された押圧支持体72と、押圧支持体72の外周を取り巻くように掛けられる耐熱性の定着ベルト(エンドレスベルト)71と、押圧支持体72の平面部Hの位置で、定着ベルト71を介して加圧する加圧ロール73と、を有する。定着ベルト71と加圧ロール73との間にはニップ部Nが形成され、ここに未定着のトナー像を担持した被記録媒体Pを矢印C方向に挿通させることで、加熱加圧定着が行われる。
ハロゲンランプ74は、定着ベルト71の軸中心位置から、ニップ部Nに近い方向に所定の距離だけ偏移した位置に配されており、ニップ部Nを主に加熱するように構成されている。ハロゲンランプ74(より詳しくは、ハロゲンランプ74内のフィラメント)を基点として、押圧支持体72は、その周りを所定の中心角を有するように取り囲んだ状態で配置されている。
熱源としてのハロゲンランプ74は、図3に示されるように、例えば、ガラス製で円筒状の、ランプ管70の略軸心にフィラメント79が配されている。また、ランプ管70の周面の一部の領域Gには、例えば白色セラミックスが被覆されたコーティング部75を備える。この領域Gの範囲としては、本発明の実施の形態においては、フィラメント79を基点(中心)として、中心角180°〜270°の範囲となるようにすることが好ましい。この範囲に白色セラミックスのような熱半遮蔽部材を設けることで、ニップ部Nに対応する押圧支持体72の平面部Hを積極的に加熱することができ、定着ベルト71や、押圧支持体72の平面部H以外の箇所を過剰に加熱することを防止することができる。
押圧支持体72は、鉄、アルミなどの、耐久性や耐熱性の良好な、剛性の高い材料を用いることができるが、熱伝導性の観点からアルミ系の材料が好ましい。
押圧支持体72は、平面部Hとは反対側が開口した状態となっている。また、押圧支持体72の平面部Hは略平面状であり、加圧ロール73によって十分な加圧力が、定着ベルト71に加えられており、加圧ロール73が回転することにより、定着ベルト71および被記録媒体Pが共に搬送される。このとき、ニップ部Nも略平面状に形作られているため、両者の搬送速度(線速度)が略同一となり、しわやカールの発生を防止することができるが、一方、平面部である為にベルトとの接触面積が広く、通常のロール対によるニップ部の場合より、摺動抵抗が大きくなってしまう。その為、駆動トルクが大きくなり、ベルトがスムーズに回らずにスリップ現象が発生しやすい。
そこで、押圧支持体72は、公知のブラスト処理等により、平面部Hに粗面化処理を施すことも好適である。なお、この平面部Hの粗さとしては、Raで0.1μm〜3μmが好ましく、より好ましくは、0.5μm〜1.5μmが好ましい。0.1μm以下だと、目的とする摺動抵抗低減が不十分であり、3μm以上だと、ベルト内面にダメージを与えたり、定着画像に粗さによる定着ムラが発生したりしてしまう。なお、粗面化処理は、ブラスト処理に限らず、レーザー加工や研磨加工、切削加工、転造加工など公知の表面粗面化加工でも良い。
なお、ここでの表面粗さRaとは、粗さの尺度の一つである算術平均粗さであり、公知の触針式表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400A:東京精密社製)を使用して測定することができる。
本実施の形態の押圧支持体72における表面粗さRaの測定は、サーフコム1400Aを用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmからなる測定条件で実施されたものである。なお、これ以外の条件で測定することも可能であるが、上記した測定条件と相関が取れる条件で測定されることが好ましく、測定された値は、上記した測定条件で評価した値に換算することにより評価される。
一方、加圧ロール73は、金属製の芯金にシリコーンゴムやその発泡体等の弾性の高い耐熱性材料からなる弾性層を形成してなる、いわゆるソフトロールを用いている。加圧ロール73の表層がソフトロールであるため、ニップ部Nにおいて加圧ロール73が適切に凹み、ニップ部Nの形状が、押圧支持体72の平面部Hの影響を受けて、略平面状となる。
なお、加圧ロール73の表面性状としては、押圧支持体72の平面部Hとの当接により、略平面状となる程度の弾力性ないし柔軟性を有することが条件であり、目的に応じて各種材料を適宜選択することができる。
図4に、定着ベルト71の拡大断面図を示す。図4に示されるように、定着ベルト71は、離型層71A、金属薄膜層(金属性基材層ともいう)71B、摺動層71Cを含み構成されている。
離型層71Aは、厚さ5μm〜100μm、好ましくは1μm〜40μm程度の離型性かつ耐久性の良好な材料(例えば、シリコーン樹脂やフッ素樹脂など)からなる。トナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等が使用できる。この離型層71Aは、被記録媒体P表面に転写されたトナー像を加熱溶融し被記録媒体Pに圧着する際に、トナーが定着ベルト71に付着するのを防止する働きがあり、定着ベルト71の最外周面に通常用いられるものであるが、トナーの性状によっては必要としない場合もある。
また、金属薄膜層71Bの材料としては、厚さ15μm〜100μm、好ましくは30μm〜70μm程度のアルミ及びアルミ合金やステンレス鋼(SUS)、ニッケル合金等の熱伝導性の良い材料が用いられる。特に、3000系や5000系などのアルミ合金、SUS304、SUS316などのSUS基材、ハステロイなどのニッケル合金が加工が容易であり、かつ所望の剛性も確保できるため、好適である。
摺動層71Cに用いられる材料としては、定着制御温度下で溶融せず、熱放射率が0.9以上のものであれば特に制限はされないが、例えば、ポリイミド樹脂やフッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹脂が好ましく、これらの耐熱性樹脂からなる層の耐磨耗性や熱吸収性を更に向上させるために、更にフィラーを含有させたものも好ましい。摺動層71Cの厚さとしては、5μm以上50μm以下が好ましい。摺動層71Cの厚さが5μm未満であると、長時間使用時に摩滅してしまったり、金属薄膜層71Bの内面粗さをカバーできず部分的に金属薄膜層71Bが露出してしまったりといった不具合が生じるおそれがある。一方、摺動層71Cの厚さが50μmを超えると、金属薄膜のもつ高熱伝導性が十分発揮できず、またコストもUPしてしまう。
摺動層71Cに用いられるフィラーは、その粒径が大きいと、仮に押圧支持体72との摺動によりフィラーが脱落した場合、その脱落したフィラーが押圧支持体72での加圧部に引っかかることにより金属薄膜層71Bに局所的に圧力がかかってしまい、金属薄膜層71Bの損傷につながるおそれがある。このため、摺動層71Cに用い得るフィラーの粒径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは、2μm以下である。またフィラーの粒径が10μm以下であっても摺動層71Cの膜厚の半分を超える粒径となると、摺動層の均一な形成が困難となるおそれがある。フィラーの材料としては、例えば、シリカやアルミナ、酸化鉄、酸化チタンなどの酸化物や、硫酸バリウムなどの炭酸塩系フィラーや、窒化ホウ素などの窒化物系フィラー、およびカーボンブラック、グラファイトなどの炭素系フィラー等が用いられる。
なお、摺動層71Cに用いられる材料としては、耐熱性樹脂材料以外にも、摺動に耐えうる耐磨耗性材料であって、熱放射性が高いもの、具体的には形成された摺動層71Cの熱放射率が0.9以上となるものであれば特に限定されず、例えばアルミ薄膜基材の場合は熱放射率の高いアルマイト、他の材料の場合はメッキ処理などで層を形成しても構わない。
このような構成により、定着ベルト71の加熱に関しては、押圧支持体72が開口しているニップ部Nの反対側で、ハロゲンランプ74からの輻射熱により、摺動層71Cを直接加熱することができるとともに、押圧支持体72を介した熱伝導により、間接的に加熱することもできる。すなわち、定着ベルト71を、熱が奪われるニップ部では押圧支持体72からの熱伝導により加熱することができるとともに、そこで熱を奪われた定着ベルト71はニップ部Nから離れた場所でハロゲンランプ74からの輻射熱により加熱することができ、全体として効率的に定着ベルト71に熱を与えることができる。
このように、本実施の形態においては、管状に延在する、金属製基材からなる金属薄膜層71Bを有し、押圧支持体72と摺擦する面上に、熱放射率が0.9以上である摺動層71Cをさらに備えるエンドレスベルトを定着ベルト71として使用することにより、定着ベルト71および押圧支持体72のニップ部Nにおける温度を、所定の温度に容易かつ適切にコントロールすることができる。さらに、定着ベルト71が効率的に加熱されることから、ウォームアップの短縮化を達成することができる。
なお、ここでの熱放射率とは、物体が熱を帯びているときに出す赤外線の強さを表す数値を、理想黒体を1.0(100%)としたときの比率で表したものであり、公知の熱放射率計(例えば、D&S AERD:京都電子工業株式会社製)を使用して測定することができる。
本実施の形態の摺動層71Cにおける熱放射率は、放射率計D&S AERDを用いて、測地波長領域3〜30μmにて、25℃環境下でウォームアップ10min間置いた後、検出器部を対象物に約15sec当てて測定実施されたものである。なお、これ以外の条件で測定することも可能であるが、上記した測定条件と相関が取れる条件で測定されることが好ましく、測定された値は、上記した測定条件で評価した値に換算することにより評価される。
なお、本発明の他の実施の形態として、定着ベルト71に替えて、図5に示す定着ベルト81を使用することも好適である。
図5に示されるように、定着ベルト81は、離型層81A、金属薄膜層81B、摺動層81Cを備え、離型層81Aと金属薄膜層81Bとの間に、さらに弾性層81Dを有している。つまり、定着ベルト81の全体としては、図4に示した定着ベルト71に、さらに弾性層を設けた構成となっている。
離型層81Aは、厚さ1μm〜50μm、好ましくは10μm〜40μm程度の離型性かつ耐久性の良好な材料(例えば、シリコーン樹脂やフッ素樹脂など)からなる。この離型層81Aは、前に説明した離型層71Aと同様のものを使用してよく、定着ベルト81の最外周面に通常用いられるものであるが、後に説明する弾性層81Dの性質や、定着させるトナーの性状によっては必ずしも要しない。
また、金属薄膜層81Bの材料としては、前に説明した金属薄膜層71Bと同様のものを使用してよく、厚さ30μm〜60μm程度のアルミ及びアルミ合金やステンレス鋼(SUS)、ニッケル合金等の熱伝導性の良い材料が用いられる。
摺動層81Cに用いられる材料としては、前に説明した摺動層71Cと同様のものを使用してよく、定着制御温度下で溶融せず、熱放射率が0.9以上のものであれば特に制限はされない。摺動層81Cの厚さとしては、5μm以上50μm以下が好ましい。摺動層81Cの厚さが5μm未満であると、長時間使用時に摩滅してしまったり、金属薄膜層81Bの内面粗さをカバーできず部分的に金属薄膜層81Bが露出してしまったりといった不具合が生じるおそれがある。一方、摺動層81Cの厚さが50μmを超えると、金属薄膜のもつ高熱伝導性が十分発揮できず、またコストもUPしてしまう。
なお、摺動層81Cに用いられる材料としては、耐熱性樹脂材料以外にも、摺動に耐えうる耐磨耗性材料であって、熱放射性が高いもの、具体的には形成された摺動層81Cの熱放射率が0.9以上のものであれば特に限定されず、例えばアルミ薄膜基材の場合は熱放射率の高いアルマイト、他の材料の場合はメッキ処理などで層を形成しても構わない。さらに、図4に示した定着ベルト71の、摺動層71Cに用い得るフィラーと同様のものを組み合わせて使用してもよい。
弾性層81Dに用いられる材料としては、シリコーンゴムや、フッ素ゴムなどの耐熱性を有する弾性材料が好適に使用される。弾性層81Dの厚さは、所望する要件により適宜調整してよいが、好ましくは50μm〜1000μmである。
また、金属薄膜層81Bと弾性層81Dとの密着性が不足する場合には、必要に応じて、金属薄膜層81Bの表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成しておく方法がある。プライマー層の材料としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびこれらの誘導体等が挙げられるがこれに限定されない。また、プライマー層の厚さとしては、0.5〜5μmの範囲が好ましい。
なお、図示しないプライマー層および弾性層81Dを形成する際には、管状に延在する、金属薄膜層81Bを含むエンドレスベルトを用意した後に、かかるエンドレスベルトの外周面にプライマー層および弾性層81Dを塗布または公知の弾性層材料として適当な樹脂チューブを被覆する方法を採ることも可能である。プライマー層はまた、必要に応じて、図4および図5に示した定着ベルト71,81のいずれの層間において使用してもよい。
このような構成により、定着ベルト81の加熱に関しては、押圧支持体72が開口しているニップ部Nの反対側で、ハロゲンランプ74からの輻射熱により、摺動層81Cを直接加熱することができるとともに、押圧支持体72を介した熱伝導により、間接的に加熱することもできる。すなわち、定着ベルト81を、熱が奪われるニップ部では押圧支持体72からの熱伝導により加熱することができるとともに、そこで熱を奪われた定着ベルト81はニップ部Nから離れた場所でハロゲンランプ74からの輻射熱により加熱することができ、全体として効率的に定着ベルト81に熱を与えることができる。
このように、本実施の形態においては、定着ベルト71に替えて、管状に延在する、金属製基材からなる金属薄膜層81Bを有し、押圧支持体72と摺擦する面上に、熱放射率が0.9以上である摺動層81Cを備え、またさらに弾性層81Dを備えるエンドレスベルトを定着ベルト81として使用することにより、定着ベルト71を使用することによる効果に加え、トナーの凹凸や被記録媒体Pの凹凸に対する追従性が良好となる。このため、白黒用定着装置に限らず、より細密な再現性が要求される、例えばカラー用の定着装置として用いても顕著な効果を発揮することが可能となる。
さらに、本発明の他の実施の形態として、図1に示した定着装置に替えて、図6に示す定着装置7もまた、好適に使用することが可能である。図6において、潤滑剤供給部材80を備えたことを除いて、あとは図1に示す定着装置とほぼ同様の構成である。この部材80は、例えばシリコーンオイルなどの耐熱性を有する潤滑剤を含浸させた耐熱性繊維で出来ており、定着ベルト71(または81)の、摺動層71C(または81C)と、押圧支持体72と摺擦する面に、潤滑剤が供給される。所定の量の潤滑剤が摺擦面に供給されることにより、押圧支持体72や定着ベルトの摺動層の摩耗や摺動トルクの上昇を防止することが可能となるため、特に、高速運転の可能な画像形成装置において好適に使用することができる。
参考例1]
図2に例示した画像形成装置において、定着部Yとして図1に例示した定着装置7を使用した。
離型層71Aの材料として、厚さ30μmのPFAを、また、金属薄膜層71Bの材料として、35μmのSUS基材(SUS304)をそれぞれ用いた。
摺動層71Cは、平均粒径0.2μmのカーボンブラックを2質量%混合したポリイミド樹脂を、20μm塗布した。この摺動層71Cの熱放射率は0.95であった。
押圧支持体72として、アルミ合金(A3004系)を用い、公知のブラスト処理により、平面部HにRa=0.8μmの粗面化を施した。
加圧ロール73は、直径16mmの、SUS製の芯金の外周面上に、シリコーンゴムを、加圧ロール73全体としての外径が28mm、製品表面硬度が JIS A/50S(JIS K6253に規定されている−タイプAデュロメータ型さ試験機にて測定)となるように形成したものを使用した。
ハロゲンランプ74は、定着ベルト71の軸中心位置から、ニップ部Nに近い方向に8mmだけ偏移した位置に配されており、ニップ部Nを主に加熱するように構成されている。ハロゲンランプ74(より詳しくは、ハロゲンランプ74内のフィラメント)を基点として、押圧支持体72は、その周りを中心角270°となるように取り囲んだ状態で配置した。
このような構成の定着装置において、支持体平面部Hを5mm、定着ベルト外径をφ30mmとし、押圧支持体72と加圧ロール73との間の荷重を5kgf(約49N)にし、500Wのハロゲンランプ74を用いた。
用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて160℃の定着温度に達するまでの時間を、WARM−UP時間として計測すると、12秒であり、50mm/secの速度で前述の画像形成部で、黒色トナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
また、この定着装置にて、1万枚前記用紙を通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、押圧支持体表面やベルト内面の磨耗もほとんど見られなかった。ベルト内面の摺動層71Cの残存量を計測したところ、15μm残存していた。
[実施例
金属薄膜層71BとしてA3004系アルミ基材60μm、その内周表面に高放射率のアルマイト処理を15μm施し、摺動層71Cとしたものを使用したことを除いて、あとは参考例1と同様の定着ベルト71を用いた。この摺動層71Cの熱放射率は、0.94であった。
このような構成の定着装置において、支持体平面部Hを5mm、定着ベルト外径をφ30mmとし、押圧支持体72と加圧ロール73との間の荷重を5kgf(約49N)にして、500Wのハロゲンランプ74を用いた。なお、特に断りがない限り、参考例1と同様の装置および部材を使用した。
用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて160℃の定着温度に達するまでの時間を、WARM−UP時間として計測すると、12秒であり、50mm/secの速度で前述の画像形成部で、黒色トナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
また、この定着装置にて、1万枚前記用紙を通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、押圧支持体表面や定着ベルト内面の磨耗も殆ど見られなかった。定着ベルト内面の摺動層71Cの残存量を計測した所、12μm残存していた。
参考
図1に示す定着装置に替えて、図6に示す定着装置7を使用したことを除いて、定着ベルト71の構成をはじめ、あとは参考例1と同様の装置を使用した。なお、潤滑剤供給部材80として耐熱性繊維であるアラミド系耐熱性フェルトを、押圧支持体72の用紙入り口側で平面部より上流側に配置し、潤滑剤供給部材80に含浸させる耐熱性潤滑剤として、シリコーンオイル(KF8009A:信越化学工業株式会社製、動粘度300mm/s)を使用した。
また、押圧支持体72の表面をRa=0.5μmの粗面加工を施したものを用い、そのブラスト面を定着ベルト71と摺擦する側になるよう配置した。
このような構成の定着装置において、支持体平面部Hを12mm、定着ベルト外径をφ30mmとし、押圧支持体72と加圧ロール73との間の荷重を20kgf(約196N)にして、700Wのハロゲンランプ74を用いた。
用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて165℃の定着温度に達するまでの時間を、WARM−UP時間として計測すると、13秒であり、200mm/secの速度で前述の画像形成部で黒色トナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
また、この定着装置にて、10万枚前記用紙を通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、押圧支持体表面やベルト内面の磨耗も殆ど見られなかった。ベルト内面の摺動層71Cの残存量を計測した所、12μm残存していた。
参考
図4に示す定着ベルト71に替えて図5に示す定着ベルト81を使用したことを除いて、あとは参考と同様の定着装置を用いた。なお、本参考例においては、図7と同様の形式のカラー画像形成装置 DocuCentreColor400(富士ゼロックス(株)製)を使用した。
図5に示す定着ベルト81として、ここでは、ベルト内面の摺動層81Cと金属薄膜層81Bは参考例1における摺動層71C、金属薄膜層71Bとそれぞれ同様とし、その金属薄膜層81Bの外側に200μmのシリコーンゴム層71Dを、図示しないプライマー層(DY39-051:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を介して被覆し、その外側に離型層81Aとして30μmのPFA−TUBE(グンゼ(株)社製)を被覆した。
このような構成の定着装置において、支持体平面部Hを12mm、定着ベルト81の外径をφ30mmとし、押圧支持体72と加圧ロール73との間の荷重を20kgf(約196N)にして、700Wのハロゲンランプ74を用いた。
用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて165℃の定着温度に達するまでの時間を、WARM−UP時間として計測すると、17秒であり、200mm/secの速度で前述の画像形成部で4色カラートナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
また、この定着装置にて、10万枚前記用紙を通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、押圧支持体表面やベルト内面の磨耗も殆ど見られなかった。ベルト内面の摺動層81Cの残存量を計測した所、13μm残存していた。
このように、本参考例の定着装置においては、WARM−UP時間の大幅な増加を招くことなく、またニップ部Nにおける定着ベルト81と加圧ロール73との間の線速度に差異が生じない。そのため、被記録媒体Pに、例えば通常の用紙以外に封筒のような多層構造の被記録媒体を適用した場合にも、しわやカールを生じさせることがなく、搬送性や定着性が良好となることと、より高いインスタントスタート性が実現できること、更に高速適性にも優れているという特徴を生かしつつ、摺動抵抗の増大によるモータへの過負荷やベルトスリップ現象による定着不具合(画像ズレやムラなど)を防止する事が出来る。
[比較例1]
図4に示した定着ベルト71において、内面に摺動層71Cを付与しない以外は、参考例1と同様の装置を用いたところ、WARAM−UP時間は25秒となり、50mm/secの速度で前述の画像形成部で黒色トナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象が発生し、印字した画像もズレが発生していた。
また、2000枚通紙したあたりから、駆動トルクが上昇し、押圧支持体72の表面に、金属薄膜層71Bの構成成分を主とする多くの磨耗粉が発生してしまった。さらに連続して通紙を行なったところ、その磨耗粉がニップ部Nにかみこむことにより、金属薄膜層71Bが塑性変形し凹凸のダメージが発生してしまった。
[比較例2]
図4に示した定着ベルト71において、内面に摺動層71Cを付与しない以外は、参考と同様の構成・条件とした。
その結果、200mm/secの速度で前述の画像形成部で黒色トナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象が発生し、定着画像ズレが発生してしまった。また、5000枚通紙したあたりから、駆動トルクが上昇し、押圧支持体72の表面に、金属薄膜層71Bの構成成分を主とする多くの磨耗粉が発生してしまった。
[比較例3]
図5に示した定着ベルト81において、内面に摺動層81Cを付与しない以外は、参考と同様の構成・条件とした。
その結果、200mm/secの速度で前述の画像形成部で4色カラートナーにより印字した用紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象が発生し、定着画像ズレが発生してしまった。また、5000枚通紙したあたりから、駆動トルクが上昇し、押圧支持体72の表面に、金属薄膜層71Bの構成成分を主とする多くの磨耗粉が発生してしまった。
本発明は、白黒画像用定着装置に限らず、定着ベルトとして使用するエンドレスベルトに弾性層を含めることで、カラー画像用の定着装置のような高画像密度の画像形成装置において利用することが可能である。また、例えば図6に示したような構成を適用することにより、高速運転が要求される画像形成装置においても利用することが可能である。
本発明の定着装置の一例である第1の実施形態の定着装置を示す模式断面図である。 図1の定着装置を備える画像形成装置の概略構成図である。 図1の定着装置におけるハロゲンランプ(熱源)74の正面図である。 本発明の定着装置の一例である第1、第2、第3の実施の形態の定着装置における定着ベルトの模式拡大断面図である。 本発明の定着装置の一例である第4の実施形態の定着ベルトを示す模式拡大断面図である。 本発明の定着装置の一例である第3の実施形態の定着装置を示す模式断面図である。 図1の定着装置を備えるカラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 従来の定着装置の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1 感光体ドラム(潜像担持体)、2 帯電ロール(帯電手段)、3 像露光器(静電潜像形成手段)、4 現像器(現像手段)、5 転写ロール(転写手段)、6 クリーナ(クリーニング部材)、7 定着装置、68 押圧支持体、70 ランプ管、71,81 定着ベルト(エンドレスベルト)、71A,81A 離型層、71B,81B 金属薄膜層(金属基板層)、71C,81C 摺動層、72 押圧支持体、73 加圧ロール、74 ハロゲンランプ(熱源)、75 コーティング部、79 フィラメント、80 潤滑剤供給部材、81D 弾性層、82 熱源、90 定着装置、91 加圧ロール、92 耐熱性エンドレスベルト、220 カラー画像形成装置、401a,401b,401c,401d 電子写真感光体、402a,402b,402c,402d 帯電ロール、403 レーザー光源(露光装置)、404a,404b,404c,404d 現像装置、405a,405b,405c,405d トナーカートリッジ、406 駆動ロール、407 テンションロール、408 バックアップロール、409 中間転写ベルト、410a,410b,410c,410d 1次転写ロール、411 トレイ(被転写媒体トレイ)、412 移送ロール、413 2次転写ロール、414 定着装置、415a,415b,415c,415d,416 クリーニングブレード、420 ハウジング、500 被転写媒体。

Claims (4)

  1. 管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有するエンドレスベルトであって、
    ルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層を、前記第1の層の内周面側にさらに備えることを特徴とするエンドレスベルト。
  2. 回転駆動する加圧ロールと、
    前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、
    前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有し、
    前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱する定着装置で用いるエンドレスベルトにおいて、
    前記エンドレスベルトは、
    管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、
    前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備えることを特徴とするエンドレスベルト。
  3. 回転駆動する加圧ロールと、
    前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、
    前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有する定着装置であって、
    前記エンドレスベルトは、
    管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、
    前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備え、
    前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱することを特徴とする定着装置。
  4. 像担持体表面を帯電する帯電手段と、
    帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記像担持体表面に形成された前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を得る現像手段と、
    前記像担持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を少なくとも備える画像形成装置であって、
    前記定着手段は、
    回転駆動する加圧ロールと、
    前記加圧ロールに当接して従動回転するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトを内部から押圧する押圧支持体と、
    前記エンドレスベルトの周内に配された熱源と、を有し、
    前記エンドレスベルトは、
    管状に延在する、金属製基材からなる第1の層を有し、
    前記押圧支持体と摺擦する面上に、アルマイトを含み、熱放射率が0.9以上である第2の層をさらに備え、
    前記エンドレスベルトを、前記熱源からの輻射熱と、前記押圧支持体を介する熱伝導とにより加熱することを特徴とする画像形成装置。
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