JP2001296764A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2001296764A
JP2001296764A JP2000113396A JP2000113396A JP2001296764A JP 2001296764 A JP2001296764 A JP 2001296764A JP 2000113396 A JP2000113396 A JP 2000113396A JP 2000113396 A JP2000113396 A JP 2000113396A JP 2001296764 A JP2001296764 A JP 2001296764A
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fixing device
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roller
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JP2000113396A
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English (en)
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Hiroshi Fuma
宏史 夫馬
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着ベルトの耐用寿命を向上させ、長期間に
わたって安定した定着性能を発揮し、かつ、加熱源の加
熱効率の向上による省電力化を達成する定着装置、及び
定着装置を備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 複数の支持ローラを巻回して回動可能な
定着ベルトを備えた定着装置において、少なくとも1本
の支持ローラ14を、回転軸142と、回転軸142の
両端部に固定した2個のフランジ部材143,144
と、該フランジ部材間に平行張架されて円筒形包絡面を
形成する複数本のワイヤ141と、から構成し、支持ロ
ーラのフランジ部材間に張架された複数本のワイヤがフ
ランジ部材から突出した回転軸方向の長さを、定着ベル
ト13の回転軸方向の長さより小さく設定した定着装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置、及び複合機能を有
する画像形成装置に用いられる定着装置及び該定着装置
を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真式画像形成装置に用いら
れている定着装置は、所定の温度に維持された加熱ロー
ラと、弾性層を有してその加熱ローラに圧接する加圧ロ
ーラとによって、未定着のトナー画像が形成された転写
材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が多用さ
れている。
【0003】しかしながら、この種の装置では、加熱ロ
ーラの熱容量が大きくなりウォーミングアップ時間が長
くなるとともに、弾性層内側の温度が高くなり、ローラ
の寿命を短くしていた。
【0004】また、カラー画像ではベタ面積が大きい画
像が多く、そのベタ画像も黒以外ののものが多くて光沢
むらなどが目立つ。上記の加熱及び加圧ローラにハード
ローラを用いる場合は、紙やトナー層の凹凸に応じた光
沢のむらが生じるため、画像品位が低下するという問題
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点を解決する
ために、ゴムローラやゴムベルトを用いた定着方式が提
案されている。
【0006】ゴムローラを用いると良好な画像品位を得
ることができるが、ウォーミングアップに時間がかか
り、ローラの寿命が短いなどの不具合があり、この不具
合は複写機やプリンタの高速化に伴って、ますます顕著
になってきている。
【0007】定着ベルトを用いた定着装置には以下の課
題がある。複数本の支持ローラの外周に巻回して回動す
る無端状の定着ベルトと、トナー像を担持する転写材と
を、重ねた状態で挟持搬送して加圧定着する2本の加圧
ローラを有する定着ベルト方式の定着装置においては、
定着ベルトを支持する従来の支持ローラは、定着ベルト
から余分な熱容量を奪い、ウォーミングアップ時間が長
くなるなど、熱効率を低下させるため、連続高速定着処
理ができなかった。
【0008】本発明の目的は、上記の各課題を解決し、
長期間にわたって安定した定着性能を発揮し、かつ、加
熱源の加熱効率の向上による省電力化を達成する定着装
置及び定着装置を備えた画像形成装置を提供することを
目的とする。
【0009】(第1の課題)定着ベルトを用いた定着装
置において、熱流出を抑えるためにワイヤを張架したロ
ーラにより支持する定着装置を提案している。定着ベル
トとワイヤの実効接触面積が小さいため、熱吸収層を塗
布した定着ベルト基体を用いると、ワイヤとの摩擦によ
り熱吸収層が端部より剥がれる不具合が発生する。
【0010】(第2の課題)短ウォーミングアップ時間
定着装置として、低張力で定着ベルトを支持した定着装
置を提案したが、低張力であるため定着ベルトの位置の
変動が大きく、用紙ガイドなど紙の位置を決める部材を
定着ベルトから離して設置しなければならず、用紙位置
の変動による紙しわの発生や画像の劣化が避けられなか
った。
【0011】(第3の課題)定着ベルトによって未定着
画像を加熱する定着装置において、転写材と接触しない
用紙間の定着ベルトを加熱することは、圧着時に加圧ロ
ーラを加熱することにより、熱効率を下げることにな
る。
【0012】(第4の課題)定着ベルトを用いた定着装
置において、定着ベルト面方向の温度分布を小さくする
ために、加圧ローラの一部を放熱部材として利用する定
着装置を提案したが、加圧ローラからの放熱量が大き
く、熱効率を落としていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の定着装置及び画像形成装置は、以下の手段により解
消される。
【0014】(第1の手段)前記第1の課題は、本発明
の請求項1〜9に記載の定着装置により解決される。本
発明は、支持ローラのフランジの一部で定着ベルト端部
を支持して、もしくはワイヤ部に定着ベルト保護部材を
巻き付けて、もしくは定着ベルト端部内側に保護層を設
けることにより、熱吸収層の剥がれを防止するものであ
る。
【0015】(第2の手段)前記第2の課題は、本発明
の請求項10〜15に記載の定着装置により解決され
る。本発明は、支持ローラに速度差を設けて、定着ニッ
プの位置で定着ベルトに比較的大きな張力をかけて弛み
を小さくし、定着ベルトの位置変動を抑えるものであ
る。
【0016】(第3の手段)前記第3の課題は、本発明
の請求項16〜20に記載の定着装置により解決され
る。本発明は、定着ベルトの支持ローラにヒータを内蔵
し、定着ニップにおいて転写材紙間に相当する部分の定
着ベルトを加熱しないよう遮蔽板を設け、定着ベルトの
走行にあわせて回転させ、熱流出を抑制するものであ
る。
【0017】(第4の手段)前記第4の課題は、本発明
の請求項21〜27に記載の画像形成装置により解決さ
れる。本発明は、定着位置において転写材間がほぼ0と
なるように、転写材のサイズによって定着線速度を変え
ることで、転写材間での熱流出を小さくする。また、定
着線速度の変更時に定着設定温度を変えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の現像装置の実施の形態の
説明に先立って、本発明の現像装置を複数組搭載した画
像形成装置の一例であるカラープリンタの構成を説明す
る。図1は該カラープリンタの構成を示す構成図であ
る。
【0019】この画像形成装置は、タンデム型カラー画
像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成ユニ
ット9Y、9M、9C、9Kと、ベルト状の中間転写体
6と給紙搬送手段及び定着装置10とから構成されてい
る。
【0020】イエロー色の画像を形成する画像形成ユニ
ット9Yは、像担持体(以下、感光体と称す)1Yの周
囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像装置
4Y、転写手段7Y、クリーニング手段8Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット9Mは、
感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像装置4
M、転写手段7M、クリーニング手段8Mを有する。シ
アン色の画像を形成する画像形成ユニット9Cは、感光
体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像装置4C、
転写手段7C、クリーニング手段8Cを有する。黒色画
像を形成する画像形成ユニット9Kは、感光体1K、帯
電手段2K、露光手段3K、現像装置4K、転写手段7
K、クリーニング手段8Kを有する。
【0021】中間転写体6は、複数のローラ6A、6
B、6Cにより巻回され、回動可能に支持されている。
【0022】画像形成ユニット9Y、9M、9C、9K
より形成された各色の画像は、回動する中間転写体6上
に転写手段7Y、7M、7C、7Kにより逐次転写され
て(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。
給紙カセット20内に収容された転写材Pは、給紙手段
21により給紙され、レジストローラ22を経て、転写
手段7Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が転写さ
れる(2次転写)。カラー画像が転写された転写材P
は、定着装置10により定着処理され、搬送ローラ2
3,24、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレ
イ26上に載置される。
【0023】一方、転写手段7Aにより転写材Pにカラ
ー画像を転写した後、分離手段7Bにより転写材Pを分
離した中間転写体6は、クリーニング手段8Aにより残
留トナーが除去される。
【0024】(第1の実施の形態)図2は、本発明の定
着装置の実施の形態を示す断面図、図3は定着装置の平
面図である。
【0025】これらの図において、11,12は相対的
に接離可能な一対の加圧ローラ、13は無端ベルト状の
定着ベルトである。支持ローラ14,15は定着ベルト
13を架設、支持する一対の支持ローラである。16は
加熱源であるハロゲンヒータ、17は反射板、18は定
着ベルト13の温度を検知する温度センサである。
【0026】一対の加圧ローラ11,12は、その少な
くとも一方は回転軸位置が可動になっている。非定着時
には、図2(a)に示すように、加圧ローラ12は圧接
力に抗して矢印方向に移動し、加圧ローラ11から離間
して間隙を形成する。定着時には、図2(b)に示すよ
うに、定着ベルト13と転写材Pとを挟持圧着して搬送
する。
【0027】定着ベルト13は、中央の金属基体、外周
面側の外側層、内周面側の内側層等から構成されてい
る。定着ベルト13の金属基体は、例えば、電鋳加工に
より形成されたエンドレスベルト状のニッケル金属層
や、溶接や圧延によって形成されたステンレス金属層か
ら成る。
【0028】金属基体の外周面上には、シリコーンゴム
が塗布された外側層が形成されている。外側層は、加圧
ローラ11,12のニップ位置において、トナー像tを
担持した転写材Pと重ねた状態で移動して加熱、加圧さ
れるから、耐熱性とトナー離型性を両立させている。
【0029】転写材P上のトナー像tには、定着ベルト
13のシリコーンゴムから成る外側層が当接するが、シ
リコーンゴムの弾性により転写材Pやトナー像tの凹凸
に追随して、均一に接触し、ハロゲンヒータ16によっ
て加熱された定着ベルト13の熱と、加圧ローラ11,
12による加圧とにより、光沢むらなどのない均一な定
着が行われる。
【0030】定着ベルト13の金属基体の内周面には、
内側層が形成されている。内側層は、カーボンを分散さ
せたシリコーン樹脂を、金属基体の内周面上に塗布して
形成したもので、ハロゲンヒータ16の照射光を高効率
で吸収し、機器周辺に漏出する照射光を最小限に抑えて
いる。即ち、定着ベルト13の内側層は、赤外線吸収材
料であるカーボンを分散させたシリコーン樹脂によりコ
ーティングされていて、照射光の吸収率が高く、ハロゲ
ンヒータ16による加熱により、短時間で所定温度(例
えば190℃)まで温度上昇する。
【0031】内側層を形成するシリコーン樹脂は充分に
薄く(200μm以下)、定着ベルト13の回動時の屈
曲により剥離することはない。また、柔軟性を有するシ
リコーンゴム、フッ素ゴム等も好適である。
【0032】定着ベルト13は、支持ローラ14と支持
ローラ15との間に0.5kg/cm以下、更に好まし
くは0.2kg/cm以下のごく弱い張力で張架されて
いる。或いは張力ゼロの緩みをもった状態でも良い。
【0033】定着ベルト13は、定着処理時以外の時に
は、支持ローラの回転により回動される。定着処理時の
定着ベルト13は、加圧ローラ11,12の圧接駆動に
より挟持されて回動される。定着ベルト13の回動速度
は、転写材Pの搬送速度と同一である。
【0034】支持ローラ14は、駆動源により駆動回転
される回転軸142、回転軸142の両端部付近に対向
配置されて固定されたフランジ部材143,144、フ
ランジ部材143,144間に架設されたワイヤ14
1、回転軸142の一方の軸端に固定され駆動源に接続
する歯車145、から構成されている。
【0035】支持ローラ15は支持ローラ14と同形状
をなし、ワイヤ151、回転軸152、フランジ部材1
53,154、歯車155等から構成されている。以
下、支持ローラ14,15のうち、支持ローラ14を代
表として説明する。
【0036】図4(a)は支持ローラ14の断面図、図
4(b)は支持ローラ14のA−A断面図、図4(c)
は支持ローラ14のB−B断面図である。図5は支持ロ
ーラ14の斜視図である。
【0037】ワイヤ141は1本の連続するワイヤから
成り、前記2個のフランジ部材143,144間を平行
した往復状に架設されてかご型形状に形成され、両端部
が前記フランジ部材143,144の何れかに固定され
ている。
【0038】例えば、ワイヤ141の一端はフランジ部
材143の一部に係止、固定されている。ワイヤ141
はフランジ部材143,144間を平行に往復状に複数
回架設された後、ワイヤ141の他端は回転軸142の
外周にきつく巻き付けられた後、ネジ部材148により
係止、固定される。
【0039】回転軸142の両端に対向配置されたフラ
ンジ部材143,144間に、複数本のワイヤを張り渡
して支持ローラ14を構成することにより、支持ローラ
14と定着ベルト13との接触面積を僅少にするととも
に、支持ローラ自体の熱容量も極めて小さくすることが
できる。
【0040】ワイヤ141は、鋼線等の金属ワイヤで
も、本発明の効果は得られるが、高強度、高耐熱性、低
熱伝導率、低比熱、低伸張度の樹脂繊維材を使用すれ
ば、更に高い効果が得られる。これに好適な樹脂繊維材
としては、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ
イミド、ポリアリレート等の高分子繊維が好ましく、例
えば、芳香族ポリアミド繊維のケブラー(商品名、米国
デュポン社製)や、ポリアリレート繊維のベクトラン
(商品名、クラレ社製)等があげられる。
【0041】これら高機能性繊維は、多種開発されてお
り、また、これからも新規に登場することが予想される
から、本発明のワイヤ141は、これらに限定されるも
のではない。
【0042】ワイヤ141の架設本数は、熱的には少な
い方が良いが、定着ベルト13の駆動精度を高くするた
めには、多い方が良い。ワイヤ141の太さは、熱的に
は細い方が良いが、機械的強度からは太い方が良い。ワ
イヤ141の張力は、機械的精度を得るためには、大き
い方が良いが、大きすぎるとワイヤ141を支持するフ
ランジ部材143の強度を高めなければならず、質量、
駆動トルク、製造コスト等が上昇する問題がある。
【0043】これらの数値は、ワイヤ141の線径、定
着ベルト13の張力、支持ローラ14の直径、製造コス
ト等により適宜選択する。
【0044】ワイヤ141の架設本数は8〜30本、ワ
イヤ141の太さは100〜1000デニール、ワイヤ
141の張力は10〜50N(ニュートン)が適当であ
る。
【0045】また、1本のワイヤ141を必要回数往復
させて、張り回しても良いし、複数本のワイヤ141を
個別にフランジ部材143,144間にそれぞれ張って
も良い。
【0046】ワイヤ141の一実施例を以下に示す。周
長314mm、幅320mm、張力30N以下の定着ベ
ルト13に対して、400デニールの芳香族ポリアミド
繊維を用い、架設本数24本のワイヤ141にそれぞれ
2〜3Nの張力をかけて固定し、直径30mm相当の支
持ローラ14を構成した。
【0047】支持ローラ14は画像形成装置本体の動力
装置によって矢示した時計方向に駆動回転される。支持
ローラ14の駆動回転に伴い、定着ベルト13及び支持
ローラ15は時計方向に従動回転される。定着ベルト1
3の駆動速度の設計値は転写材Pの搬送速度と同一であ
る。加圧ローラ11,12の周速度は定着ベルト13の
駆動速度と同一になるよう駆動される。
【0048】加圧ローラ11と、定着ベルト13の搬送
方向上流側の支持ローラ14との間の定着ベルト13の
内側には、棒状のハロゲンヒータ16が配置されてい
る。ハロゲンヒータ16は加圧ローラ11の上流側の定
着ベルト13の閉ループの内側を照射して所定の温度ま
で加熱する。
【0049】定着ベルト13の閉ループの内側であっ
て、駆動側の支持ローラ14の近傍に、反射板17を配
置した。反射板17は、ハロゲンヒータ16の照射光の
うち、支持ローラ14に至る照射光を反射して遮断す
る。
【0050】反射板17により反射された照射反射光
は、定着ベルト13の内面を照射して定着ベルト13を
無駄なく効率的に加熱する。また、反射板17は、ワイ
ヤ141がハロゲンヒータ16の照射光により、過剰に
加熱されることも防止する。
【0051】トナー像tを担持した転写材Pが用紙ガイ
ド101を経て定着領域に搬送されてくるのに合わせて
又はこれに先立って、定着ベルト13の外側に配置され
た加圧ローラ12が上昇して、転写材Pと定着ベルト1
3を挟んで加圧する。定着ベルト13の熱による加熱と
加圧ローラ11,12による挟持と加圧とによって転写
材P上のトナー像tは転写材Pに定着される。
【0052】加圧ローラ12の両端の支持軸には、図示
しないバネ部材によって挟持時には加圧ローラ11に向
かって所定の荷重が作用し、加圧ローラ11,12の圧
着部に一定の圧力が作用するようになっている。
【0053】加圧ローラ11,12の何れか一方又は両
方は、駆動手段に接続して駆動回転するから、転写材P
の搬送及び加圧ローラ11,12の駆動は、定着ベルト
13の駆動力を必要とせず、定着ベルト13と転写材P
とを挟持搬送することによる負荷は生じない。
【0054】即ち、加圧ローラ11もしくは加圧ローラ
12は、その周速度が定着ベルト13の移動速度と同一
の速度で駆動されるので、定着ベルト13や転写材Pに
は無理な力が加わらないようになっている。また、定着
後は加圧ローラ11,12の圧着を解除し、定着ベルト
13と加圧ローラ11,12の微小な速度差による歪や
片寄りを解消すると共に、定着ベルト13から加圧ロー
ラ11,12への熱の流出を防止する。
【0055】定着された転写材Pは、定着ベルト13を
支持する支持ローラ15の曲率によって分離される。定
着された転写材Pは、定着ベルト13の加圧ローラ1
1,12によるニップ部から出ると外気により冷却され
るため、分離時のオフセットや分離不良が回避される。
確実な分離性能を得るために、支持ローラ15の直径を
小さくするか、支持ローラ15とは別に小径の分離ロー
ラを定着ベルト13の内側に配置してもよい。
【0056】図3及び図4において、支持ローラ14の
フランジ部材143,144間に張架された複数本のワ
イヤ141が、フランジ部材143,144から突出し
た回転軸142の軸方向の長さW1を、定着ベルト13
の回転軸142方向の長さW2より小さく設定した。同
様にして、支持ローラ15のフランジ部材153,15
間に張架された複数本のワイヤ151が、フランジ部材
153,154から突出した回転軸152の軸方向の長
さW1も、定着ベルト13の回転軸152方向の長さW
2より小さく設定した。
【0057】また、フランジ部材143,144から突
出したワイヤ141の回転軸142の軸方向の長さW1
が、定着装置10の回転軸方向の最大定着画像幅W3よ
り大きくなるように設定した。同様にして、フランジ部
材153,154から突出したワイヤ151の回転軸1
52の軸方向の長さW1が、最大定着画像幅W3より大
きくなるように設定した。従って、W3<W1<W2と
なる。
【0058】また、フランジ部材143,144の少な
くとも一部の外周面が、フランジ部材143,144間
に平行架設されて円筒形包絡面を形成する複数本のワイ
ヤ141の外径に相当する外径を有する。同様に、フラ
ンジ部材153,154の少なくとも一部の外周面が、
フランジ部材153,154間に平行架設されて円筒形
包絡面を形成する複数本のワイヤ151の外径に相当す
る外径を有する。
【0059】また、定着ベルト13が回動中に回転軸1
42方向に移動する移動範囲の何れの位置においても、
フランジ部材143,144の複数本のワイヤ141を
支持する外周面が、定着ベルト13の回転軸方向端部に
当接するように設定した。同様に、定着ベルト13が回
動中に回転軸152方向に移動する移動範囲の何れの位
置においても、フランジ部材153,154の複数本の
ワイヤ151を支持する外周面が、定着ベルト13の回
転軸方向端部に当接するように設定した。
【0060】この設定条件は、定着ベルト13の移動可
能範囲をW4とするとき、樫木で表される。
【0061】(W4−W1)/2>(W4−W2) (第2の実施の形態)定着ベルト13は、支持ローラ1
4に張設されたワイヤ141、及び支持ローラ15に張
設されたワイヤ151間に張力をかけることなく弛みを
持って、もしくはごく弱い張力で張架されている。定着
ベルト13はこの支持ローラ14,15の回転により駆
動されている。
【0062】定着ベルト13を挟んで上下に配置された
加圧ローラ11,12の回転速度は、常に定着ベルト1
3と線速度が等しくなるよう駆動機構で連結、もしくは
制御されている。
【0063】支持ローラ14,15は、回転軸両端に取
り付けたフランジ部材間に、径0.6mmの耐熱樹脂製
のワイヤ(例えばアラミド繊維:商品名例ケブラー)1
41,151を24本張架して、直径φ30mmの円筒
状に構成したものである。
【0064】支持ローラ15は支持ローラ14と同形状
の構成をなすから、以下、支持ローラ14,15のう
ち、支持ローラ14を代表として説明する。
【0065】図6(a),(b),(c)は、フランジ
部材143,144とワイヤ141,151及び定着ベ
ルト13の接触部の各種構成を示す断面図である。
【0066】(a) フランジ部材143の円筒面部1
43A、フランジ部材144の円筒面部144Aは、何
れも外径φ30mmの円筒状を成す。ワイヤ141が作
る多角形は、円筒面部143A,144Aの断面に内接
することになる。
【0067】定着ベルト13の両端部分は、常にこのフ
ランジ部材143,144の円筒面部143A,144
Aによって支えられており、定着ベルト13の端部がワ
イヤ141に接触して大きな摺擦力を受けて摩耗剥離す
ることを抑制する。
【0068】なお、ワイヤ141を固定するフランジ部
材143,144は、定着ベルト13より多量の熱を奪
うので、画像定着領域とは重複しないようにする。
【0069】(b) 又は、支持ローラ14のワイヤ1
41が作る多角形のうち、定着ベルト13の端部が接触
する部分に、耐熱性の樹脂テープ(例えばポリイミド:
商品名例カプトン)や耐熱性の織布・不織布などの保護
部材146bを巻き付けて、定着ベルト13との実効接
触面積を大きくし、定着ベルト13の内周面への摺擦力
を抑制する。
【0070】(c) 或いは、定着ベルト13の端部近
傍の熱吸収層に保護部材146cを貼り付けるか塗布す
ることにより保護層を形成し、定着ベルト13の端部か
らの熱吸収層の摩耗剥離を防止する。保護部材146c
は、耐熱樹脂やシリコーンゴムなど耐摩耗性と耐熱性を
併せ持てばよい。
【0071】(第3の実施の形態)定着ベルト13の駆
動速度は、転写材Pが定着装置10に送られてくる間隔
距離(以後、紙間距離と称する)dと、転写材Pの進行
方向の長さLとによって決められる。即ち、転写位置で
の転写材Pの線速度をVt、定着線速度(定着ベルト駆
動速度)をVfとすると、Vf≧Vt×L/(L+d)
である。
【0072】上式の等号両辺が等しくなったとき、定着
位置での紙間距離dは0になる。転写材Pの重なり合い
を防ぐために、転写材Pの送り出しなどの精度が不十分
な場合には、左辺を多少大きくしても、本発明の効果は
充分得られる。
【0073】また、転写位置と定着位置の距離よりも転
写材Pの進行方向の長さLが大きい転写材Pでは、定着
線速度Vfより大きな速度で定着装置10に転写材Pを
押し込むことになり、大きなループが生じる。このルー
プ形成により搬送経路周辺の部材に未定着画像が接触し
て画像欠陥を生じるおそれがあるので、紙間距離dによ
らず定着線速度Vfと転写終了までの線速度は同じに設
定する。このときは、転写材Pの進行方向の長さLに対
する紙間距離dの割合が小さいので、熱効率の低下は小
サイズの転写材Pに比べると小さい。
【0074】また、転写位置と定着位置との距離が、長
さLよりも数mm小さい程度であれば、形成されるルー
プは小さく、搬送経路周辺の空間で吸収できるので、本
発明を適用する事ができる。
【0075】定着ベルト13の内側には、ハロゲンヒー
タ16が設置してあり、定着ベルト13はこのハロゲン
ヒータ16により所定の温度まで加熱される。この温度
は、画像形成装置制御部が有する転写材Pのサイズの情
報により、定着線速度Vfが設定されるのにあわせて変
更される。即ち、定着線速度Vfが小さいときには、定
着ベルト13の温度は低く設定される。
【0076】トナー像tを保持した転写材Pが用紙ガイ
ド101等により、定着領域に搬送されてくるのに合わ
せて、定着ベルト13の外側に配置された加圧ローラ1
2が上昇して、転写材Pと定着ベルト13を挟んで加圧
する。定着ベルト13が有する熱と加圧ローラ12によ
る圧力によって、トナー像tは転写材Pに定着される。
トナー像tにはシリコーンゴムが当接されるため、シリ
コーンゴムが変形して転写材Pやトナー像tの凹凸に追
従して、均一に接触し、光沢むらなどのない均一な定着
が行われる。
【0077】加圧ローラ11は鉄製で、その外径よりも
僅かに大きな内径をもつシリコーンゴム製のチューブ1
1Aが被覆してある。加圧ローラ11の解除時には、チ
ューブ11Aが加圧ローラ11にぶら下がる状態とな
り、加圧ローラ11とチューブ11Aはその上部のわず
かな領域で接触している。加圧ローラ11の圧着時は、
下部の僅かな領域で接触する。何れの場合も接触面積は
ごく小さく、チューブ11Aから加圧ローラ11への熱
抵抗は大きく保たれる。
【0078】加圧ローラ12は、非定着時には定着ベル
ト13から解除されているため、低温のままであり、定
着時においては転写材Pのない部分、即ち、紙間および
両端部の定着ベルト13から熱を奪い、定着ベルト13
内に極端な温度分布が生じるのを防止している。しか
し、加圧ローラ12に移動した熱はそのまま損失となる
ので、定着装置10としての熱効率を低下させる。本発
明では、定着線速度Vfを転写位置までの紙間と転写材
Pのサイズによって制御し、定着位置において紙間距離
dが無くなる、もしくはごく小さくなるので、紙間距離
dにおける熱流出が大幅に減少し、熱効率が向上してい
る。
【0079】定着ベルトの内側の加圧ローラ11、定着
ベルトの外側の加圧ローラ12の何れか一方、もしくは
両方が駆動されているため、転写材Pおよび加圧ローラ
11,12の駆動は定着ベルト13の駆動力を必要とせ
ず、定着ベルト13には転写材Pを挟持、搬送すること
による負荷は生じない。また、定着ベルト13の外側の
加圧ローラ12はシリコーンゴム層を設け、ニップ幅を
確保している。
【0080】定着された転写材Pは、定着ベルト13を
支持する支持ローラ15の曲率によって分離される。定
着された転写材Pは加圧ローラ11,12によるニップ
位置から出ると外気によって冷却されるため、分離時の
オフセットや分離不良が回避される。さらに確実な分離
性能を得るために、支持ローラ15の径を小さくする
か、小径の支持ローラを別途に付加しても良い。
【0081】転写材Pが通過すると加圧ローラ11,1
2の圧着は解除される。圧着時に生じた定着ベルト13
のしわや寄り、速度差による伸び縮み等は、加圧ローラ
11,12の圧着が解除されることによって解消され
る。定着ベルト13は、弛みを持って、もしくはごく小
さな張力で支持搬送されているため、定着ベルト13自
身に大きな負荷をかけることなく、リブにより片寄りや
しわが抑制されている。
【0082】本発明では、定着ベルト13を使用した構
成について説明したが、これに限定されるものではな
く、定着ローラを用いた定着装置においても、効果は小
さいものの熱効率向上効果が得られる。また定着ローラ
を用いた定着装置でも、圧着解除等により加圧ローラの
温度を低くして使用する定着装置では、大きな効果が得
られる。
【0083】本発明のような構成をとることによって、
定着ベルトもしくは定着ローラの温度分布を抑えなが
ら、熱効率の向上が実現される。
【0084】(第4の実施の形態)図7(a)は従来の
定着装置の構成図を示す。7(b)は本発明の定着装置
の実施の形態を示す構成図である。
【0085】図7(a)に示す従来の定着装置では、定
着ベルト13が用紙ガイド101などに接触するおそれ
がある。従来の定着装置では、転写材Pを導く用紙ガイ
ド101は、弛んだ状態の定着ベルト13に接触しない
ように、定着ベルト13から余裕をもって離れた位置に
設置していた。
【0086】図7(b)に示す本発明の定着装置の実施
の形態では、定着ニップ位置の上流側にある支持ローラ
15の直径D2に比べて、下流側の支持ローラ15の直
径D1をわずかに大きくし、支持ローラ15の周速度V
1を、支持ローラ14の周速度V2より大きく設定して
ある。このため、定着ニップ位置付近では比較的大きな
張力がかかり、定着ベルト13の弛みによる垂れ下がり
が抑えられ、用紙ガイド101などを定着ニップ位置の
ごく近傍に配置することができる。支持ローラ14,1
5に周速度差を与えるには、支持ローラ14,15の径
が同じであっても、支持ローラ14,15を駆動するギ
ヤやタイミングベルトなどの歯数、プーリ径などを変え
ても良く、本発明の効果がこれらの手段に限定されるも
のではない。
【0087】・第4の実施の形態の諸元 支持ローラの構成:24本のワイヤ13を張架した支持
ローラ14,15 支持ローラの直径:支持ローラ15の直径D1=30m
m 支持ローラ14の直径D2=29.5mm 定着ベルトの層構成:40μmNi+150μmシリコ
ーンゴム 定着ベルトの周長:314mm 加圧ローラ12および支持ロー15の周速度:200m
m/sec 支持ローラ14の駆動角速度:支持ローラ15と同じ 支持ローラ軸間距離:110mm また、定着ニップ上流側の支持ローラ14に制動装置
(ブレーキ)を設置することで、支持ローラ14,15
の駆動速度に差を与えるのと同様の効果を得ることがで
きる。例えば、支持ローラ14にブレーキを設置する
と、定着ベルト13は支持ローラ15に引っ張られる形
となり、定着ベルト13の垂れ下がりを抑えることがで
きる。ブレーキは、支持ローラ14の回転軸142やフ
ランジ部材143,144などに摩擦部材を当接した
り、発電機を接続して電気的にブレーキをかける方法が
ある。
【0088】加圧ローラ12は定着ベルト13の内側の
もの、外側のもの何れか一方、もしくは両方が駆動され
ているため、加圧ローラ12の圧着時には駆動されてい
る加圧ローラ12の駆動速度によって、転写材Pおよび
定着ベルト13の速度が決められている。
【0089】本発明のような構成をとることによって、
用紙ガイド101などを定着ニップ位置のごく近傍に配
置することが可能になり、常に安定して転写材Pを定着
ニップ位置に送り込み、定着時の紙しわ発生などを防止
する事ができる。
【0090】第4の実施の形態においては、何れの場合
も、加圧ローラの駆動線速度を支持ローラ15の駆動線
速度とほぼ同じとし、加圧ローラ11,12の圧着時
に、支持ローラ14と定着ニップ位置との間で、定着ベ
ルト13の弛みが生じないようにしている。
【0091】(第5の実施の形態)図8(a)は本発明
の第5の実施の形態を示す構成図である。
【0092】定着装置はシリコーンゴムもしくは金属な
どの基体とシリコーンゴムを積層した定着ベルト13
と、これを支持搬送する支持ローラ14,15、および
転写材Pと定着ベルト13を間に挟んで加圧する一対の
加圧ローラ11,12、定着ベルト13を内部より加熱
するヒータより成る。
【0093】定着ベルト13は支持ローラ14,15に
張力をかけることなく弛みを持って、もしくはごく弱い
張力で張架されている。定着ベルト13はこの支持ロー
ラ14,15の回転により駆動されている。駆動速度の
設計値は転写材Pの搬送速度と同一である。
【0094】支持ローラ14は、加熱源のハロゲンヒー
タ161を内蔵し、定着ベルト13はこのハロゲンヒー
タ161により所定の温度まで加熱される。支持ローラ
14は、ハロゲンヒータ161の光を透過させるため、
前述のワイヤなどをごく粗く張り渡してローラ状となし
たものを用いる。耐熱ガラスパイプも支持ローラ材料と
して好適である。
【0095】支持ローラ14は、ハロゲンヒータ161
等から照射する電磁波を遮蔽する遮蔽部材19を内蔵し
ている。この遮蔽部材19はステンレス鋼製であり、必
要に応じて、ハロゲンヒータ161に面した側を鏡面加
工しても良い。耐熱樹脂・耐熱ガラス表面に金属薄膜な
どの鏡面を形成しても良い。また、ハロゲンヒータ16
1の管体表面に、金属やセラミックのコーティングを施
して遮蔽部材19とすれば、遮蔽部材19の設置のため
の支持ローラ14内の空間が不要になり、熱容量の増大
も最小限に抑えることができる。
【0096】遮蔽部材19の形状は、図示したような平
面に限定されるものではなく、反射光を任意に分配した
い場合などで、任意の曲面を選択しても良い。
【0097】図8(b)は、遮蔽部材191が、加熱源
のハロゲンヒータ161の射出面の一部に設けられた薄
膜である定着装置の構成図である。遮蔽部材191は、
ハロゲンヒータ161の管体に固定された反射部材、又
はコーティング処理された反射部材により形成されてい
る。
【0098】遮蔽部材19、又は遮蔽部材191が形成
されたハロゲンヒータ161は、図示しない支持・回転
機構により回転可能に支持され、位置・大きさは、定着
ベルト13が支持ローラ14に接触している領域におい
て(図8では支持ローラ14の右半円部分の領域)、連
続定着時の転写材間隔に概ね等しい影をつくるように設
定される。
【0099】トナー像tを保持した転写材Pが用紙ガイ
ド101等により、定着領域に搬送されてくるのに合わ
せて、定着ベルト13の外側に配置された加圧ローラ1
2が上昇して、転写材Pと定着ベルト13とを挟持して
加圧する。定着ベルト13が有する熱と加圧ローラ12
による圧力によって、トナー像tは転写材Pに定着され
る。
【0100】定着ニップ位置において転写材Pとの間
で、直接、下方の加圧ローラ12と接触する定着ベルト
13の部分が、加熱領域を通過するときにハロゲンヒー
タ161の照射を受けないように、遮蔽部材19を同期
させて回転させる。遮蔽部材19がハロゲンヒータ16
1に固定、ないしコーティングされている場合には、ハ
ロゲンヒータ161を回転させる。
【0101】遮蔽部材19もしくはハロゲンヒータ16
1の回転軸位置は、支持ローラ14の回転軸と同一でも
良いし、構成上の都合や、より望ましい配光を得るため
などにより、必要に応じて、回転軸からずらせた位置に
配置してもよい。
【0102】遮蔽部材19が形成する陰影は図の左側の
上下において広がるため、転写材Pと接触する領域にま
で広がるが、その領域ではハロゲンヒータ161からの
見込み角が小さいため影響は小さい。設定定着温度に余
裕が無い場合などは、さらに影響を小さくするため遮蔽
部材19を小さめにするとよい。この場合、本発明の目
的とする熱流出抑制効果は多少減じることになる。
【0103】遮蔽部材19によって反射されたハロゲン
光、もしくは遮蔽部材19によって吸収される熱に変わ
り更に空気へ射輻射熱として伝えられたハロゲン光は、
定着ベルト13や加圧ローラ11に照射、或いは導伝熱
により、加熱に利用される。
【0104】加圧ローラ11の芯金は鉄もしくはアルミ
製で、その外径よりも大きな内径をもつシリコーンゴム
製のチューブ11Aが被覆してある。加圧ローラ11の
解除時には、チューブ11Aが加圧ローラ11の上に乗
っている状態となり、加圧ローラ11の芯金とが接触す
る力はごく小さい。実効接触面積は小さく、チューブ1
1Aから加圧ローラ11の芯金への熱抵抗は非常に大き
く、熱流出は最小限に抑えられる。圧着時の芯金とチュ
ーブ11Aの接触は定着ニップ位置のみに限られ、やは
り大きな熱抵抗が保たれる。
【0105】定着ベルト13の内側のもの、外側のもの
何れか一方、もしくは両方の加圧ローラ11,12が駆
動されているため、転写材Pおよび加圧ローラ11,1
2の駆動は定着ベルト13の駆動力を必要とせず、定着
ベルト13と転写材Pを挟持搬送することによる負荷は
生じない。定着ベルト13の外側の加圧ローラ12は厚
いゴム層を設け、大きなニップ幅を確保している。
【0106】定着ベルト13の予熱時には、定着ベルト
13の内側の加圧ローラ11を予熱するために、ハロゲ
ン光が加圧ローラ11を照射するような位置に置いても
よい。
【0107】本実施例では、遮蔽部材19に高い反射率
を持たせたが、遮蔽部材19にハロゲン光を吸収させて
もよい。この場合は遮蔽部材19に吸収された熱が支持
部材に逃げないように断熱支持しないと、熱効率低下の
原因になる。また遮蔽部材19の熱容量が大きいと予熱
時に時間がかかるので、低比熱、低密度の材料を用い、
薄くすることが望ましい。
【0108】本発明では、ハロゲン光を透過する支持ロ
ーラ14と、予熱時などには解除される加圧ローラ1
1,12を用いた例で説明したが、薄肉金属ローラなど
面方向での熱伝導が小さな支持ローラを用いた定着ベル
ト方式ならば、同様に有効である。
【0109】本発明のような構成をとることによって、
定着ベルト13のうち定着に必要のない部分からの熱流
出を抑制し、熱効率の高い定着を可能にする。
【0110】
【発明の効果】本発明によるときは、以上説明した構成
により、以下の効果が奏せられる。
【0111】(1)定着ベルト内周面の熱吸収層が保護
され、長期間にわたって安定した定着動作が可能にな
る。
【0112】(2)定着ベルトもしくは定着ローラの温
度分布を抑えながら、熱効率の向上が実現される。
【0113】(3)用紙ガイドなどを定着ニップのごく
近傍に配置することが可能になり、常に安定して用紙を
定着ニップに送り込み、定着時の紙しわなどが防止され
る。
【0114】(4)定着ベルトのうち定着に必要のない
部分からの熱流出を抑制し、熱効率の高い定着を可能に
する。
【0115】(5)本発明の加圧ローラ、支持ローラ、
定着ベルト、加熱源から成る定着装置を備えた画像形成
装置により、高効率の熱供給が実現され、熱効率向上に
よる省電力化と、ウォーミングアップ時間の短縮と、高
速定着及び高画質の定着、安定化と、耐用寿命の長いメ
ンテナンス性に優れた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置を備えた画像形成装置である
カラープリンタを示す構成図。
【図2】本発明の定着装置の断面図。
【図3】上記定着装置の平面図。
【図4】支持ローラの断面図、A−A断面図、B−B断
面図。
【図5】支持ローラの斜視図。
【図6】フランジ部材とワイヤ及び定着ベルトの接触部
の各種構成を示す断面図。
【図7】従来の定着装置の構成図、及び本発明の定着装
置の実施の形態を示す構成図。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す構成図。
【符号の説明】
10 定着装置 101 用紙ガイド 11,12 加圧ローラ 11A チューブ 13 定着ベルト 14,15 支持ローラ 141,151 ワイヤ 142,152 回転軸 143,144,153,154 フランジ部材 143A,144A 円筒面部 146a,146b,146c 保護部材 16,161 ハロゲンヒータ(加熱源) 17 反射板 18 温度センサ 19,191 遮蔽部材 P 転写材 t トナー像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 Z G03G 21/14 G03G 21/00 372 Fターム(参考) 2H027 DA38 DC10 DC19 EA12 EC20 ED16 ED17 ED25 EE02 EE07 EF09 2H033 BA11 BA12 BA25 BA30 CA07 CA17 CA30 CA36 CA39 CA40 3J103 AA02 AA13 AA21 AA41 AA74 AA77 AA90 BA03 BA23 EA08 FA01 GA02 GA57 GA58 GA60 HA03 HA11 HA13 HA41 HA46 9A001 BB06 JJ35 KK42

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の支持ローラを巻回して回動可能な
    定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成さ
    れたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記支
    持ローラのうち、少なくとも1本の支持ローラを、回転
    軸と、該回転軸の両端部に固定した2個のフランジ部材
    と、該フランジ部材間に平行張架されて円筒形包絡面を
    形成する複数本のワイヤと、から構成し、前記支持ロー
    ラのフランジ部材の少なくとも一部の外周面が、前記フ
    ランジ部材間に平行架設されて円筒形包絡面を形成する
    複数本のワイヤの外径に相当する外径を有することを特
    徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記支持ローラの複数本のワイヤの外径
    に相当する外径を有する前記フランジ部材から突出した
    前記回転軸方向の長さを、前記定着ベルトの前記回転軸
    方向の長さより小さく設定されたことを特徴とする請求
    項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記フランジ部材から突出した前記ワイ
    ヤの前記回転軸方向の長さが、定着装置の前記回転軸方
    向の最大定着画像幅より大きいことを特徴とする請求項
    1に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記定着ベルトが回動中に前記回転軸方
    向に移動する移動範囲の何れの位置においても、前記フ
    ランジ部材の前記複数本のワイヤによって構成される外
    周面が、前記定着ベルトの回転軸方向端部に当接するよ
    うに設定されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか
    1項に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤが、少なくともその一部に芳
    香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ
    アリレートから選ばれる高分子繊維材を含むことを特徴
    とする請求項1に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記定着ベルトの基体は、金属層を有す
    ることを特徴とする請求項1又は4に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 複数の支持ローラを巻回して回動可能な
    定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成さ
    れたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記支
    持ローラのうち、少なくとも1本の支持ローラを、回転
    軸と、該回転軸の両端部に固定した2個のフランジ部材
    と、該フランジ部材間に平行架設されて円筒形包絡面を
    形成する複数本のワイヤと、から構成し、前記支持ロー
    ラの前記複数本のワイヤが形成する円筒形包絡面の外側
    に、保護部材を巻回、固定したことを特徴とする定着装
    置。
  8. 【請求項8】 前記保護部材が前記支持ローラのフラン
    ジ部材両端に設けられ、前記保護部材の幅は、前記定着
    ベルトの前記支持ローラ軸方向移動範囲の何れの位置に
    おいても、前記定着ベルト端部が前記保護部材に当接す
    るよう設定されたことを特徴とする請求項7に記載の定
    着装置。
  9. 【請求項9】 複数の支持ローラを巻回して回動可能な
    定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成さ
    れたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記支
    持ローラのうち、少なくとも1本の支持ローラを、回転
    軸と、該回転軸の両端部に固定した2個のフランジ部材
    と、該フランジ部材間に平行架設されて円筒形包絡面を
    形成する複数本のワイヤと、から構成し、前記定着ベル
    トの端部内側に保護層を設けたことを特徴とする定着装
    置。
  10. 【請求項10】 複数の支持ローラを巻回して回動可能
    な定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成
    されたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記
    複数の支持ローラのうち、少なくとも2本の支持ローラ
    を異なる外径に設定し、前記少なくとも2本の支持ロー
    ラを等しい角速度により駆動回転させ、前記支持ローラ
    の周速度に差異を設けたことを特徴とする定着装置。
  11. 【請求項11】 複数の支持ローラを巻回して回動可能
    な定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成
    されたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記
    複数の支持ローラのうち、少なくとも2本の支持ローラ
    を等しい外径に設定し、前記少なくとも2本の支持ロー
    ラを異なる角速度により駆動回転させ、前記支持ローラ
    の周速度に差異を設けたことを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】 前記2本の支持ローラの間に、前記定
    着ベルトを挟持して定着荷重を付与する加圧ローラによ
    る定着ニップ部を設け、前記定着ニップ部の前記定着ベ
    ルト移動方向上流側の支持ローラの周速度に対して、前
    記定着ニップ部の下流側の前記支持ローラの周速度を高
    速になるように構成したことを特徴とする請求項10又
    は請求項11に記載の定着装置。
  13. 【請求項13】 前記支持ローラのうち周速度の大きな
    支持ローラの周速度が、前記加圧ローラの周速度とほぼ
    等しく構成したことを特徴とする請求項12に記載の定
    着装置。
  14. 【請求項14】 複数の支持ローラを巻回して回動可能
    な定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成
    されたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記
    支持ローラのうち少なくとも1本の支持ローラに制動機
    構を設置したことを特徴とする定着装置。
  15. 【請求項15】 前記制動機構を設置した支持ローラ
    は、前記定着ベルトを挟持して定着荷重を付与する加圧
    ローラによる定着ニップ部の前記定着ベルト移動方向上
    流側に位置することを特徴とする請求項14に記載の定
    着装置。
  16. 【請求項16】 複数の支持ローラを巻回して回動可能
    な定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成
    されたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記
    支持ローラの内部に、定着用の加熱源と、前記加熱源か
    ら放射される電磁波の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部
    材と、を配置したことを特徴とする定着装置。
  17. 【請求項17】 前記遮蔽部材が、前記支持ローラ内に
    回転可能に支持されていることを特徴とする請求項16
    に記載の定着装置。
  18. 【請求項18】 前記支持ローラに前記定着ベルトが接
    触している領域において、前記遮蔽部材が前記定着ベル
    トに投影する前記加熱源から放射する電磁波の影が、転
    写材の連続給送時の紙間隔とほぼ等しく、前記遮蔽部材
    が前記支持ローラとほぼ同じ角回転速度で回転すること
    を特徴とする請求項17に記載の定着装置。
  19. 【請求項19】 複数の支持ローラを巻回して回動可能
    な定着ベルトを備えた定着装置により、転写材上に形成
    されたトナー像を加熱定着する定着装置において、前記
    支持ローラの内部に、定着用の加熱源を配置し、前記加
    熱源から放射される電磁波の一部を遮蔽する遮蔽部材を
    前記加熱源の射出面の一部に設けたことを特徴とする定
    着装置。
  20. 【請求項20】 前記遮蔽部材が、前記加熱源の射出面
    の一部に設けられた薄膜であることを特徴とする請求項
    19に記載の定着装置。
  21. 【請求項21】 前記請求項1〜20の何れか1項に記
    載の支持ローラ、定着ベルトから成る定着装置と、像担
    持体、帯電手段、現像装置、転写手段を備えて成ること
    を特徴とする画像形成装置。
  22. 【請求項22】 画像形成処理されて定着装置の定着位
    置に搬入される各種転写材の搬送方向長さに対応して、
    前記定着装置の定着線速度を可変に制御することを特徴
    とする画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記定着装置に転写材を連続して搬入
    するとき、前記定着位置において、先行する転写材の後
    端部と、後続の転写材の先端部との間隔をほぼゼロにな
    るように、前記定着線速度を設定することを特徴とする
    請求項22に記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記定着装置の定着位置と、トナー像
    が転写材に転写される転写位置との距離よりも、搬送方
    向の長さが大きい転写材に対しては、前記転写位置にお
    ける転写材の線速度と、前記定着線速度が概ね等しく設
    定されることを特徴とする請求項23に記載の画像形成
    装置。
  25. 【請求項25】 前記定着装置を構成する少なくとも加
    熱部材の一部に定着ベルトを用いたことを特徴とする請
    求項23又は請求項24に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記定着装置を構成する少なくとも加
    圧部材の一部が、加圧解除可能に構成されていることを
    特徴とする請求項23〜25の何れか1項に記載の画像
    形成装置。
  27. 【請求項27】 前記定着装置の定着線速度によって、
    前記加熱部材の少なくとも一部の設定温度を可変に制御
    することを特徴とする請求項22〜25の何れか1項に
    記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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