JP2004062053A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オンデマンド化、高速化を可能にし、加熱部材を安定して駆動し長期にわたり良好な加熱性が得られ、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない良好なカラー画像出力を可能にした、安全な加熱装置を提供する。
【解決手段】輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材3と、加熱部材の内部に備えた輻射発熱源1と、加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材2と、保持部材の摺動面との間に加熱部材を挟んでニップ部Nを形成する加圧部材5とを具備し、ニップ部を形成する保持部材2の摺動面が加圧部材5の軸線に対しクラウン形状を有し、加圧部材5を回転駆動させることでニップ部において加熱部材を保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、ニップ部の加熱部材と加圧部材との間に被加熱材Pを挟持搬送しつつ加熱部材の熱で被加熱材を加熱する加熱装置。
【選択図】図2
【解決手段】輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材3と、加熱部材の内部に備えた輻射発熱源1と、加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材2と、保持部材の摺動面との間に加熱部材を挟んでニップ部Nを形成する加圧部材5とを具備し、ニップ部を形成する保持部材2の摺動面が加圧部材5の軸線に対しクラウン形状を有し、加圧部材5を回転駆動させることでニップ部において加熱部材を保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、ニップ部の加熱部材と加圧部材との間に被加熱材Pを挟持搬送しつつ加熱部材の熱で被加熱材を加熱する加熱装置。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の画像形成装置において、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いて、被記録材(紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム、エレクトロファックス紙、静電記録紙等)の面に転写方式もしくは直接方式で目的の画像情報に対応した未定着トナー画像を形成担持させ、該未定着トナー画像を、該画像を担持している被記録材面上に永久固着画像として加熱定着処理する定着装置として用いて好適な加熱装置、および該加熱装置を搭載した画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、本発明の加熱装置は、上記例の加熱定着装置に限られず、その他、未定着トナー画像を被記録材面上に仮定着する像加熱装置、画像を担持した被記録材を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、被記録材以外のシート状の被加熱材を通紙して、乾燥、加熱ラミネート、熱プレスしわ取り、熱プレスカール取り等をする加熱処理装置等としても使用できる。
【0003】
【従来の技術】
以下、加熱装置として画像形成装置の加熱定着装置を例にして説明する。
【0004】
複写機やプリンター、FAX等に用いられる電子写真方式等の画像形成装置において、近年重要性を増してきた課題として、所謂省エネに対する要請に対応することが挙げられる。上記に列挙した装置に用いられている従来のトナー像の加熱定着装置は、トナーを融解して被記録材としての用紙に固着させる方式であるために、電力を直接熱エネルギーとして消費しており、かかる電力は、装置本体全体で使用される電力消費の大きな部分を占めている。
【0005】
これに対し、定着装置の消費電力を低減するための一つの方向性として、オンデマンド化(通常はヒータに電流を流さず、例えば、画像形成の時のみにヒータを入れるリアルタイム化)が図られている。具体的には、加熱部材である定着部材を、薄肉ローラあるいは薄いベルト状若しくはフィルム状にすることで、従来の肉厚の加熱ローラに比べて格段に熱容量を小さくして、装置の立ち上がりを早くすると同時に、その間の消費電力を抑えるものである。
【0006】
オンデマンド化を図ることで、プリント信号を受け取ると、待ち時間が殆どない状態で直ぐにプリントが開始されるようになるため、従来の加熱ローラを定着部材として用いた場合のように、非プリント時においても定着部材をプリント温度近辺の高温に保温しておくといった必要がなくなり、常温かせいぜい適度な低温に保てばよくなる。定着装置の保温時における放熱は、環境温度と、定着部材の設定温度の温度差に比例して大きくなるが、かかる放熱によってプリントしていない状態でも常時電力が消費される。従って、間欠的にプリントを繰り返すような移動状況下においては、定着装置をオンデマンド化することによって非常に大きな節電効果がもたらされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定着部材にフィルムを用いた所謂サーフ方式においては、下記に述べるようにカラートナー像を良好な状態に定着することが難しく、薄層フィルムを使用するため、特に被記録材上のトナー量が多いカラー画像の形成においては均一な定着性を得ることが困難であるという問題があった。カラートナー像の定着においては、普通紙に画像を形成した場合に紙表面の凹凸に応じてトナー像の溶融具合が変化してしまい、定着画像表面に光沢むら所謂“す”が発生したり、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムを被記録材として用いた際においてはトナー像の凹凸に応じてOHPの透過性が変化しやすく、高品位な画像を得ることが難しかった。
【0008】
そこで定着画像の表面を滑らかにする目的で、定着フィルムに従来のローラ定着と同様の弾性層を最小限設ける事も可能である。一例として100〜300μm前後のシリコーンゴム等からなる弾性層を設けることが出来るが、これに対し従来のサーフ定着においては、せいぜい4〜6mm程度のニップ距離にて、定着フィルム背面のセラミックヒータ等の発熱源にフィルムを当接させて接触伝熱によりフィルム加熱を行うため、上記厚さの弾性層をフィルムに設けた場合には、フィルム熱応答性が遅くなってしまうという問題が生じた。
【0009】
これは異なる色のトナーが複数層重なりあって形成されているカラートナー像の固着には大量の熱流が必要であるため更に厳しく、フィルム上に上記弾性層を設けた際には紙等の被記録材がニップを通過する間に、ヒータからの熱流をフィルム表面まで十分に送り込むことが出来ず、トナー表層しか溶融できなくなり定着不良を生じやすい。
【0010】
これに対してシリコーンゴム等からなる弾性層の熱伝導を上げるために弾性層中にフィラーを添加することも考えられるが、ゴムの硬度が上がって弾性が低下し、フィルムに弾性層を設けたことによる効果が損なわれてしまう。
【0011】
そこで本発明の目的は、オンデマンド化、高速化を可能にし、しかも加熱部材を安定して駆動し長期にわたり良好な加熱性が得られ、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない良好なカラー画像出力を可能にした、安全な加熱装置を提供することにある。
【0012】
又、本発明の目的は、装置の小型化、ならびに放熱ロスがより低減された経済性に優れる加熱装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱装置及び画像形成装置である。
【0014】
(1)輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材と、
前記加熱部材の内部に備えた輻射発熱源と、
前記加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材と、
前記保持部材の前記摺動面との間に前記加熱部材を挟んでニップ部を形成する加圧部材と、
を具備しており、前記ニップ部を形成する前記保持部材の前記摺動面が前記加圧部材の軸線に対しクラウン形状を有し、前記加圧部材を回転駆動させることで前記ニップ部において前記加熱部材を前記保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、前記ニップ部の前記加熱部材と前記加圧部材との間に被加熱材を挟持搬送しつつ前記加熱部材の熱で被加熱材を加熱する事を特徴とする加熱装置。
【0015】
(2)前記加熱部材が輻射光に対して透過性を有する基層を前記発熱層の内側に具備する事を特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0016】
(3)前記加熱部材が前記輻射光に対して透過性を有する弾性層を、前記基層と前記発熱層の中間に具備する事を特徴とする(2)に記載の加熱装置。
【0017】
(4)前記加熱部材の前記基層が少なくともポリイミド樹脂を含む材料より形成される事を特徴とする(2)又は(3)に記載の加熱装置。
【0018】
(5)前記加熱部材における弾性層が少なくともシリコーン系のゴム層を含む事を特徴とする(3)又は(4)に記載の加熱装置。
【0019】
(6)前記加熱部材における前記発熱層が少なくとも導電性のカーボン粒子を含有する事を特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0020】
(7)前記加熱部材が表層にフッ素系樹脂からなる離型層を有する事を特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0021】
(8)前記保持部材が横断面コの字形状をした金属板より形成されることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の加熱装置。
【0022】
(9)前記保持部材が、少なくとも、第1の支持部分と、ニップ形成部となる第2の支持部分の2部材より構成され、第2の支持部分は第1の支持部分よりも熱伝導率の高い材質材で構成されている事を特徴とする(1)から(8)の何れかに記載の加熱装置。
【0023】
(10)前記保持部材の第1の支持部分と第2の支持部分が金属より形成される事を特徴とする(9)に記載の加熱装置。
【0024】
(11)前記保持部材が少なくとも透光性のセラミックスから構成される部分を有する事を特徴とする(1)から(10)の何れかに記載の加熱装置。
【0025】
(12)前記被加熱材が像を担持した被記録材である事を特徴とする(1)から(11)の何れかに記載の加熱装置。
【0026】
(13)被記録材上のトナー像を加熱溶融して定着する定着装置である事を特徴とする(1)から(12)の何れかに記載の加熱装置。
【0027】
(14)被記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、被記録材に形成担持させた未定着画像を定着させる定着手段を有し、前記定着手段が(1)から(13)の何れかに記載の加熱装置である事を特徴とする画像形成装置。
【0028】
〈作 用〉
1)加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用い、これに輻射発熱源の輻射光を与えて発熱させる、輻射を用いた加熱装置においては、フィルムもしくはベルト状部材である加熱部材による大幅な低熱容量化と、放射伝熱による表面加熱により、加熱装置のオンデマンド化と、加熱定着装置にあってはカラー画像における良好な定着性が両立できる。
【0029】
即ち、加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用いて加熱装置のオンデマンド化、クイックスタートが容易になると共に、加圧(定着)領域を拡大するため加熱部材の小型化・小熱容量化も出来る。主にニップ部以外において加熱部材を直接加熱し、ニップ部においては加熱された加熱部材の熱容量により被加熱材を加熱すると共に、保持部材が確実に加圧し効果的に加熱する。また加熱部材として薄肉フィルムを用い加熱装置を低熱容量化した際でも、フィルムに適正な張力を与える事でフィルムやしわや折れを発生することなく長期にわたり安定したフィルム駆動を達成できる。
【0030】
2)加熱部材として、輻射透過性及び輻射吸収性を有する多層構成フィルム若しくはベルトを用いることにより、内部輻射源を用いているにもかかわらず、直接に加熱部材の表面を加熱することが可能になり、この結果通常の内面加熱に対して表面加熱を行うことで加熱部材表面の熱応答性を向上させることができた。
【0031】
3)また加熱部材の内部側に輻射源を配置することで、安全かつ放熱によるロスも少なくしつつ、加熱部材表面を加熱する事ができるようになり、加熱定着装置にあっては熱応答性の良好な高速かつ高品位カラー画像が安定して定着されることが可能となった。
【0032】
即ち、本発明によれば、加熱部材の熱勾配が通常ローラ加熱の内面加熱と異なり、表面温度が高く、内面にいくにつれて低くなっていることから、サーミスタが同一温度の熱設定の場合であっても、加熱部材の内面付近の温度はより低い状態にあり、熱の利用効率が高いので、上記の優れた加熱装置が提供される。
【0033】
4)又、本発明によれば、温調におけるリップルを低減して、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない定着性の安定した画像を得られる。
【0034】
5)更に、本発明によれば、外部熱源を用いた表面加熱に比べて小型化がはかれ、低熱容量化が可能である上、熱源を加熱部材の内部に蔵しているために外部への放熱ロスをより低減できる、優れた加熱装置が提供される。
【0035】
6)また、本発明によれば、加熱部材としての、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を内部から保持する保持部材の形状を加圧部材軸方向に対してクラウン形状としたため、加熱部材表面に張力を発生して薄肉の加熱部材においてもしわを生じることなく、安定した加熱部材駆動が可能となった。
【0036】
7)また保持部材を金属薄板より形成することで、加熱部材へ照射された輻射光を加熱部材側に反射せしめ、より高速に加熱部材表面を加熱できるようになった。さらに保持部材をクラウン形状とすることで輻射光を加熱部材回転軸方向に関して中央側に反射することができ、端部からの漏れ光を低減し、より放熱ロスの少ない高効率な加熱装置を提供できるようになった。
【0037】
8)加熱部材が輻射光に対して透過性を有する基層を発熱層の内側に具備する構成により、輻射光が加熱部材基層を透過することで表面の発熱層を直接加熱する事が出来るため、加熱部材の厚みが増加した際に熱伝導による加熱特性の劣化もなく、加熱部材強度を増大し、長期にわたり加熱部材シワ、折れの発生しにくい安定した加熱装置を提供する。
【0038】
9)また加熱部材が基層と発熱層間に介在し、発熱体からの赤外線を透過する弾性層を具備する構成により、輻射光が弾性層を透過することで表面の発熱層を直接加熱するため、熱伝導による加熱特性の劣化もなく、加熱定着装置にあっては加熱部材が被記録材上のトナー表面の凹凸に対応して柔軟に接触加熱することが出来るようになり、とりわけカラー画像におけるグロス均一性と、OHP画像における色再現性を有する高品位な画像出力が可能となった。
【0039】
10)保持部材が横断面コの字形状をした金属板より形成される構成により、加圧方向および摺擦方向に対して優れた機械強度を少ない熱容量で達成する。したがって立ち上がりの早いオンデマンドな加熱装置を実現する。さらに被加熱材加熱領域において圧接する金属製の保持部材は優れた熱伝導特性により加熱部材長手方向に発生する温度むらを低減し、長期にわたり安定した加熱装置を提供する。
【0040】
11)加熱部材が少なくともポリイミド樹脂を含む材料より形成される構成により、ポリイミド樹脂は良好な可撓性を有すると共に輻射光源から放出された赤外線を透過するため、輻射光により直接加熱部材の外側に存在する弾性層もしくは離型層を加熱することで、加熱過程における熱抵抗をさらに低減し、加熱定着装置にあっては高速なカラー画像形成を可能とする。
【0041】
12)弾性層として酸化鉄を分散したシリコーン系のゴム層を含む構成により、シリコーンゴムは優れた耐熱性と柔軟性を有すると共に、輻射光源の発生した赤外線に対して高い透過性を持ち、加熱部材外側に存在する離型層を効率的に加熱する事が可能となる。
【0042】
また加熱定着装置にあってはカラー画像等におけるトナー像表面の凹凸が顕著な際にも、トナー像を均一に加圧しより一層の定着性とグロスの均一性を備えた高画質化が達成される。
【0043】
13)加熱部材に吸収層としてシリコーン系のゴム層ともしくはフッ素系樹脂からなる離型層中にカーボンブラックを分散する構成により、カーボンブラックはシリコーンゴム、フッ素樹脂の双方において良好な分散性と、赤外線吸収性を有するため、効果的に加熱部材の外側に存在する弾性層もしくは離型層を発熱することが可能となり、連続プリント時に熱を奪われた加熱部材の表層近傍を急速に加熱することが可能となる。かつ加熱定着装置にあっては表面の離型層は被記録材上のトナーが加熱部材に付着するとともに、導電性により静電オフセットも防止し、被記録材上の画像を乱す事なく定着する事が可能となる。
【0044】
14)加熱部材が表層にフッ素系樹脂からなる離型層を有する構成により、加熱定着装置にあっては優れた離型性により被記録材上のトナーを乱すことなく定着する。
【0045】
15)保持部材が、少なくとも、第1の支持部分と、ニップ形成部となる第2の支持部分の2部材より構成され、第2の支持部分は第1の支持部分よりも熱伝導率の高い材質材で構成されている構成により、熱伝導の低い第1の支持部はニップ部からの熱量流入を防ぎ、ニップ部を高速に立ち上げることを可能にする。また熱伝導が低い第1の支持部分は機械的強度を上げることが比較的容易であり、加圧方向に平行な側板を支持部とすることで撓み量を抑えて均一な加圧を実現する。またニップ部においては第2の支持部分による良好な熱伝導性によりニップ部での温度ムラを抑制する。
【0046】
16)保持部材が少なくとも透光性のセラミックスから構成される部分を有する構成により、保持部材を透光性とすることでニップ部内においても輻射加熱を行い、加熱装置の熱応答性を向上する。
【0047】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う加熱装置を定着装置として搭載している画像形成装置の一例の構成模式図である。
【0048】
本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のフルカラーレーザープリンタ(カラー画像形成装置)である。
【0049】
図1において、8は感光ドラムであり、アルミシリンダの外周面に有機感光体(OPC)又はアモルファスシリコン等の光導電体を塗布して構成することが可能である。
【0050】
感光ドラム8は不図示の駆動手段によって図示矢印の時計方向に所定速度(例:50〜300mm/sec)で駆動され、帯電器9にて表面を暗部電位(例:−700V)に帯電される。
【0051】
次に露光装置(レーザースキャナ)10により感光ドラム8上はマゼンタの画像模様に従い露光され、画像部のみ表面電位を明部電位(例:−150V)に低下せしめて静電潜像が形成される。
【0052】
回転支持体12に支持された現像装置11a、11b、11c、11dはそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック各色の現像材を含む。ここで各色現像材は懸濁重合法により合成され、球形で高い現像・転写効率を有する重量平均径6μmのネガ帯電性トナーである。
【0053】
該静電潜像はまずマゼンタの現像器11aが感光ドラム8と対向するように300μmの間隙を以って配備され、一例としてDC−500VにAC2kVppを重畳した現像バイアスによって現像されマゼンタトナー像として顕像化される。
【0054】
顕像化された感光ドラム8上のマゼンタトナー像は106〜109Ωに導電処理されたPVdF等の中抵抗部材からなる中間転写ドラム13に図示されていない転写電源から供給されるの転写バイアス(+0.5〜2kV)を以って転写される。
【0055】
中間転写ドラム13上にA4サイズ1ページ分のマゼンタ画像を転写すると回転支持体12が回転し、以上の工程をシアン、イエロー、ブラック各色について逐次行い、中間転写ドラム13上に複数色のトナー像を形成する。
【0056】
一方、ピックアップローラ14はブラックトナー像と同期して転写紙カセット15から被記録材としての転写紙Pを給紙する。転写ローラ19に2次転写バイアス(+1〜2kV)を印加することにより、転写紙Pには中間転写ドラム13上に重畳形成された、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの合成カラートナー像が転写され、定着装置16に搬入される。
【0057】
合成カラートナー画像を転写された転写材Pは、搬送手段により定着装置16に搬送されて定着され、カラー印刷物として機外に排出されて排紙トレイ20上に積載される。
【0058】
なお、中間転写ドラム13上の転写残トナーは帯電器18によりポジ極性に帯電された後、感光ドラム8上に回収され、感光ドラム8上の転写残トナーと同様にクリーニング装置17によって清掃される。
【0059】
(2)定着装置16
1)装置の全体的概略構成
図2は定着装置16の概略構成を示す模式図である。この定着装置16は、加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用い、これに輻射発熱源の輻射光を与えて発熱させる、輻射を用いた加熱装置であり、フィルムもしくはベルト状部材である加熱部材による大幅な低熱容量化と、放射伝熱による表面加熱により、加熱装置のオンデマンド化と、加熱定着装置にあってはカラー画像における良好な定着性が両立できる。
【0060】
3は加熱部材としての輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する円筒状(エンドレスベルト状)の可撓性のあるフィルムもしくはベルト状部材である。以下、これを加熱フィルムと記す。
【0061】
2は上記の円筒状の加熱フィルム3の内部に挿通した保持部材であり、横断面コの字形状をした金属板より形成される剛性チャンネル部材である。以下支持ステイと記す。加熱フィルム3はこの支持ステイ2によって回転自在に支持される。
【0062】
1は同じく円筒状の加熱フィルム3の内部に挿通した輻射発熱源としての出力500〜1000Wのハロゲンランプ(ハロゲンヒータ)であり、円筒状の加熱フィルム3の内部のほぼ中央に位置させてある。
【0063】
5は加圧部材としての弾性加圧ローラである。この加圧ローラ5と上記の支持ステイ2は、横断面コの字形状の支持ステイ2の下面を加熱フィルム内面摺動面としてこの摺動面と加圧ローラ5との間に加熱フィルム3を挟ませて、加圧ローラ5の弾性に抗して総圧9.8〜588N(1〜50kgf)加圧して所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成させた状態にして配設してある。
【0064】
加圧ローラ5は厚さ1〜10mmのシリコーンゴム層を芯金上に設ける事で形成されており、表層にはトナー汚染防止用のフッ素樹脂層を有している。加圧ローラ5は図示されていない駆動装置によって所定速度(50〜300mm/sec)で矢印の反時計方向に回転駆動される。
【0065】
この加圧ローラ5の回転駆動により、定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ5と加熱フィルム3の外面との摩擦力で加熱フィルム3に回転トルクが作用し、加熱フィルム3の内周面が、定着ニップ部Nにおいて支持ステイ2の摺動面に密着してこの摺動面を摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ5の回転周速度にほぼ等しい周速度にて従動回転状態になる(加圧回転体駆動方式)。加熱フィルムの摺動性向上と摩耗防止のため耐熱グリスを加熱フィルム3の内面に塗布してもよい。
【0066】
また、輻射発熱源としてのハロゲンランプ1に通電がなされることで、発生輻射光を加熱フィルム3の発熱層が吸収して発熱する。即ち加熱フィルム3は加熱される。加熱フィルム3の表面温度が温度検知手段であるサーミスタ4により検出され、その検出温度情報が不図示の温調回路にフィードバックされる。温調回路はサーミスタ4からの検出温度情報が所定の定着温度に維持されるようにハロゲンランプ1に対する電力供給を制御する。
【0067】
サーミスタ4としては接触式だけでなく、非接触式のサーモパイル等を用いてもよく、オフセットトナーが蓄積してサーミスタが誤動作したり、蓄積したトナーが転写紙に落下して画像汚染することも防止できる。
【0068】
所定の制御タイミングにて、加圧ローラ5の回転駆動が開始され、これに伴い加熱フィルム3が従動回転状態になり、またハロゲンランプ1に対する電力供給がなされて、加熱フィルム3が所定の定着温度に加熱温調された状態において、定着ニップ部Nの加熱フィルム3と加圧ローラ5との間に未定着トナー像Tを担持した被記録材としての転写紙Pが導入される。加熱フィルム3が転写紙Pの未定着トナー像担持面に接する。定着ニップ部Nに導入された転写紙Pはこの定着ニップ部Nを挟持搬送されて加熱フィルム3の熱とニップ圧により転写紙P面に永久固着画像として加熱・加圧定着される。定着ニップ部Nを出た転写紙Pは加熱フィルム3面から曲率分離されて排出搬送される。
【0069】
2)輻射発熱源1
輻射発熱源1としては、赤外線を効率よく、且つ高速に輻射すれば種類は問わず、ハロゲンヒータ以外にもキセノンランプ等を使うことも可能であるが、本実施例におけるハロゲンランプ1は波長0.8μm以上の赤外線を投入電力の85%以上の高効率で放射することが可能であり、また熱容量の小さなタングステンフィラメントを加熱することで輻射するため、高速な立上げと応答性を得る事を可能とする。
【0070】
本実施例ではハロゲンランプ1の発熱体のコイルをほぼ均等に巻くことで、セグメント化することなく画像域全域にわたり設置している。したがって発熱体をセグメント化した際のコイル間に生じる非コイル部での輻射光量低下を防ぎ、定着画像における長手方向での発熱体コイル跡(グロスむら、定着性むら)の発生を防止している。ハロゲンランプ1には前述したように加熱フィルム3の表面温度を検出するサーミスタ4の検出温度情報に従い電力が供給され、投入電力の約90%が赤外領域の波長である出力光として輻射される。
【0071】
3)加熱フィルム3
図3の(a)は加熱フィルム3の層構成を示す模式図である。加熱フィルム3は、耐熱・摺動性に優れた厚さ20〜200μmの耐熱基層3a上に、厚さ50〜1000μmの弾性層3b、そして更に、輻射光を吸収して発熱する発熱層としての、厚さ5〜50μmの赤外線吸収層3c、を設けた3層構成のシームレスフィルムである。本実施例において発熱層3cは離型層中に赤外線吸収物質を分散させた吸収離型層である。耐熱基層3a側が加熱フィルム3の内面側で支持ステイ2の摺動面に接する。赤外線吸収層(吸収離型層)3c側が加熱フィルム3の外面側であり、転写材Pの未定着トナー像担持面に接する。
【0072】
▲1▼.フィルム基層3aとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド等の耐熱性樹脂を用いることが出来、特にポリイミドフィルムは優れた機械強度と耐熱性を有すると共に、ハロゲンランプ1の放射する波長3μm以下の赤外光を80%以上透過するため、本発明における表面加熱の効果をより効果的に得ることが出来る。
【0073】
▲2▼.弾性層3bとしては、LTV、HTV、RTV等各種シリコーンゴム、もしくはフッ素ゴム等の耐熱性が高いゴム或いはスポンジが形成されており、柔らかく且つ永久歪の小さいものが用いられる。
【0074】
ここで、トナー表面の凹凸に対応するだけの柔軟性を得るために、弾性層3bの硬度としては、アスカーC硬度で60°以下の物が好ましい。またシリコーンゴムによる弾性層も波長3μm以下の赤外光を80%以上透過し、効率的に表面加熱することが可能となる。
【0075】
本実施例では加熱フィルム3の耐熱基層としてのポリイミド基層3a上に設けられた弾性層としてのシリコーンゴム層3bは厚さ50〜1000μmで形成されており、カラー画像における厚いトナー層に対しても均一な加圧がなされるように設定される。
【0076】
ハードローラ/フィルムにおけるカラー画像においては、定着画像中に多色トナー層と単色トナー層が近傍に存在すると単色トナー層部分への加圧が十分になされずに定着不良やOHPにおける透過性不良が生じ易くなるのに対して、本実施例における弾性層3bを設けた加熱フィルム3ではトナー層の凹凸に対応するため多色トナー層と単色トナー層の双方への加圧が可能となり、したがってカラー定着画像においても均一な定着性とOHPにおける高い透過性が得られた。
【0077】
さらに弾性層3b中には機械強度、電気抵抗や熱伝導率を調整するために微粒子を適宜分散しても良く、シリカ、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の微粒子を分散することでゴムの圧縮永久歪を軽減する事が出来る。輻射光量を減衰させないためには輻射光の散乱を抑える必要があり、透明微粒子の粒径を透過する赤外線の波長以下とする事が好ましく、さらに好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
【0078】
また本実施例においては弾性層3b中を熱伝導ではなく主に輻射により熱伝達を行うため、加熱部材表面に赤外線の吸収層3cを設けて加熱フィルム表面を発熱させている。
【0079】
▲3▼.吸収層3cとしては、従来のPFA、PTFE等フッ素樹脂からなる離型層中に赤外線吸収物質であるところのカーボンブラック、グラファイト、または酸化鉄等の各種金属酸化物粒子を分散することで赤外光を良好に吸収する事が出来る。
【0080】
また赤外線吸収物質としてカーボンブラック等の導電体を用いることで表面の電気抵抗を低抵抗化することも出来、106〜1014Ω/cm程度に制御することで、摺動に伴い発生したフィルム上の摩擦電荷を例えばフィルム端部に設けた不図示の導電ブラシ等より逃がし、紙上のトナーが静電気によりフィルム付着するいわゆる静電オフセットを防止することも可能である。
【0081】
▲4▼.ここで加熱フィルム3中の輻射光量と温度分布について図3の(b)を用いて説明する。
【0082】
縦軸はフィルム断面における厚さ方向の位置y、横軸は輻射光量(実線)と温度T(破線)を表している。加熱フィルム内部にあるハロゲンランプ1が照射した輻射光は、基層3a、弾性層3b中ではあまり減衰せず、加熱フィルム表面にある離型層3cにおいてその70%以上を吸収されている。したがってフィルム表面側が高速に加熱されることになる(破線A)。
【0083】
一方、従来の定着ニップにおいて熱伝導により同様のフィルムを加熱すると、破線Aと同等の温度をフィルム表面にて得るためには破線Bに示したようにフィルム内面を表面温度より相当高く(20〜50℃)設定する必要があった。
【0084】
したがって本構成をとることにより加熱フィルム内面温度を低下することが可能となり、熱伝導を用いた従来の定着装置よりも加熱フィルム表面を定着温度まで加熱するのに必要な熱量が低下し省エネが達成されると共に、加熱フィルム3とりわけ弾性層3bの長寿命化も図られる。
【0085】
さらに本実施例に拠れば加熱フィルム3と加圧ローラ5の定着ニップ部N以外の領域でフィルム自体を加熱するため定着ニップ部Nへの輻射光量は減少するが、加熱フィルム3中の弾性層3bは熱伝導性が悪く断熱効果をもたらす。したがって定着ニップ部Nを構成する支持ステイ2の温度は加熱フィルム内面からは積極的に上昇させる必要がなく、加熱されたフィルム3を定着ニップ部Nに搬入する事でフィルム表面に蓄えられた熱量によって転写材Pを十分に加熱し、連続プリント時にも良好な定着性が実現される。
【0086】
すなわち本実施例における定着装置に寄れば、加熱部材としての加熱フィルム3における保持部材としての支持ステイ2を金属部材により形成し、加圧ローラ5と圧接する事で定着ニップ部Nを形成したため、簡易な構成で介在する加熱フィルム3を加圧ローラ5に対して従動駆動とすることが出来、定着装置の小熱容量化と高速な立上げ(オンデマンド化)が達成できる。
【0087】
4)支持ステイ2
保持部材としての支持ステイ2は、定着ニップ部Nを形成するための加熱フィルム内面摺動面を構成する底面部aと、加圧ローラ5による加圧に対して強度を持たせ撓みを抑えるため側板部b・bより形成された横断面コの字形状とされており、該支持ステイ2の端部は図示されていない定着装置筐体に固定されている。
【0088】
ここで、支持ステイ2の加熱フィルム内面摺動面を構成する底面部aは、図4に示したように、加圧ローラ5の軸方向に対して凸型を形成するクラウン形状とされる。これは可撓性を有する薄肉の加熱フィルム3は高速に回転するとしわを生じやすく、フィルムに生じたしわは定着不良を発生するおそれがあり、長期的にはフィルムが折れて破断してしまうこともある。
【0089】
支持ステイ2をストレート形状(クラウン量0)とした場合は、空回転1時間(フィルム170℃、速度100mm/s、加圧量98N(10kg))でフィルムが破断したのに対し、本実施例ではクラウン量を0.5mm設けたところ、空回転を10時間してもフィルムに以上は見られなかった。したがって本実施例では支持ステイ2をクラウン形状とする事でフィルム表面に中央から端部に向かう張力を発生しフィルムしわの発生を抑える事が出来た
ここでクラウン量としては十分な張力を得るために0.1mm以上設ける事が好ましく、またクラウン量が大きすぎると定着ニップ部Nに搬入された転写材Pを均等に加圧できなくなり、光沢ムラや定着不良を生じるため、2mm以下が好ましい。
【0090】
また支持ステイ2を金属部材で構成する事でハロゲンランプ1からの輻射光を反射し、支持ステイ2の昇温を防ぐと共に加熱フィルム3へより多くの赤外線を照射し、加熱部材としての加熱フィルム表面を高速に加熱する事も可能となるが、ここで支持ステイ2にクラウン形状を持たせることで更に加熱効率を高めることが出来る。これは図3の破線で示したように、ハロゲンランプ1から発生された輻射光のうち本実施例では約30%が支持ステイ2に向けて輻射されていたが、支持ステイ2により加熱フィルム3側に反射する際に、支持ステイ端部においてはやや中央側に向けて反射する事が可能となるためである。端部からの光の漏れを低下できるため、結果として、加熱部材としての加熱フィルム3からの放熱を数%改善できた。
【0091】
保持部材としての支持ステイ2としてはステンレス、鉄、アルミニウム、銅、マグネシウムといった金属材料もしくはその合金を用いることが出来、加圧ローラ5の加圧に耐え得る機械強度と、定着ニップ部Nにおける温度分布を均一化するための熱伝導性を提供する。
【0092】
さらに支持ステイ底面を研磨やメッキ、コートによって鏡面状に仕上げたり、或いは反射膜をコートすることで支持ステイ2の反射効率を高め本実施例における効果を高めることも可能である。
【0093】
また支持ステイ2は金属または合金の板材から形成され、外形抜き、穴あけ、曲げといったプレス加工を用いることで低コストにて大量生産することが可能である。
【0094】
さらに支持ステイ2としては定着ニップ部Nを形成する底板部aと、加圧方向に平行な側板部b・bとを分離してツーピース構造とすることもできる。その際に底板部aにはニップ温度分布を均一化するため、アルミニウム・銅といった高熱伝導性の材料、また側板部b・bにはより高圧力を印加できるようにステンレス等の高強度材を用いると効果的である。
【0095】
また定着ニップ部Nに高熱伝導部材を配することで、加熱フィルム長手方向の温度分布を均一化することができる為、小サイズ紙等を連続通紙した際にも加熱フィルム上に温度むらが発生することなく、信頼性が高いオンデマンドな定着装置が実現された。
【0096】
なお、本実施例では加熱フィルム3として、基層3a、弾性層3b、発熱層3cからなる3層構成としたが、その中間に例えば導電プライマ−層や接着層を入れて4層以上の構成としても本実施例における効果を得る事ができる。
【0097】
〈実施例2〉
本実施例は加熱フィルムを保持する支持ステイを2本設けてフィルムの安定性を向上すると共に、支持ステイを透光性部材により形成し輻射発熱源からの輻射光を無駄なくフィルムに照射し加熱効率を高めたものである。
【0098】
以下図5により説明する。(a)は加熱フィルム端部側面から見た概略断面模型図、(b)は概略縦断面模型図であり、簡略のため実施例1と同様の部品には同一の記号をつけてある。
【0099】
加熱フィルム24内には保持部材として第1と第2の2つの支持ステイ2aと2bが存在し、加熱フィルム24と軽接触して回動可能に張架しフィルム形状を規定している。加熱フィルム24は実施例1と同様にハロゲンランプ1を内包し、第1の支持ステイ2aによって加圧ローラ5と圧接され定着ニップ部Nを形成している。
【0100】
また第1および第2の支持ステイ2a、2bは非回転とされ定着装置に固定されるため、定着ニップ部Nにおいて回転する加熱フィルム24の内面と摺擦される。したがってシリコーングリース等の潤滑剤を塗布する事が好ましく、加熱フィルム24および支持ステイの磨耗を防止し、かつ定着装置の駆動トルクも低減出来る。
【0101】
前記実施例1では加熱フィルム3において発熱層3cは離型層中に赤外線吸収物質を分散させて発熱層と離型層を兼用させた吸収離型層であるが、本実施例の加熱フィルム24では赤外線吸収層と離型層を別途に設けている。以下図6により加熱フィルム24について説明する。
【0102】
加熱フィルム24は、実施例1と同様のポリイミド等の基層24a、シリコーンゴムによる弾性層24bを有し、さらに弾性層24b上に赤外線吸収層としてシリコーンゴム中に酸化鉄を分散した赤外吸収層24cと、離型層24dであるパーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、PTFE、FEP等のフッ素系樹脂を離型層と最外層として設けた。
【0103】
前述の実施例1と異なり、赤外吸収層24cを別途設けることで、離型層24d中にカーボンブラック等の赤外吸収剤を分散する必要がなくなる。したがって最表層におけるテフロン(登録商標)、PFA、FEP等のフッ素樹脂の比率を上げることができ、長期使用時にも良好な離型性を維持することで定着装置の寿命を延ばすことが可能となった。
【0104】
また本実施例では定着ニップ部N内においても加熱フィルム24を加熱および加圧するために、第1の支持ステイ2aを側板部21a、底面部22a、そしてクラウン部23aの3部品から形成している。
【0105】
ここで側板部21aとしては実施例1と同様の金属薄板を使用することができ、第1の支持ステイ2aを両端部から加圧(9.8〜490N(1〜50kgf))した際の、撓み、ねじれに対する十分な強度を持たせる。本実施例では側板部22aとして厚さ1tのステンレスを用いた。
【0106】
つぎに底面部22aとしては十分な耐熱性と機械強度を持つと共に、ハロゲンヒータから放射される赤外光を効率よく透過する材料が好ましく、耐熱ガラス、石英、アルミナ等のセラミックスや、ポリイミド、ポリアミドといった耐熱樹脂を用いることが出来る。本実施例では底面部22aとして厚さ1tの耐熱ガラス(パイレックス(登録商標))を用いた。
【0107】
次にクラウン部23aとしては底面部同様に耐熱性、機械強度、透光性を有すると共に、定着ニップ部N内における圧力分布を均等にするため弾性・柔軟性を有するゴムもしくはスポンジ材料を用いている。本実施例ではシリカ粒子を分散したLTVを弾性層として1mmのクラウンを支持ステイ底面に設けた(図5の(b))。
【0108】
またクラウン部23aの屈折率を空気よりも大きくする事でレンズ効果により端部の輻射光は軸方向中央側に曲げられるため、実施例1と同様に加熱フィルム端部からの光の逃げを低減し、効率を向上することができる。
【0109】
また薄肉の加熱フィルム24は加熱時に高速回転すると圧や温度に分布が生じやすく、フィルム上に周速差が生じてフィルムの蛇行やシワを発生しやすく、時として破壊に至ることがあったが、本実施例では第1の支持ステイ2a(21a、22a、23a)と同等の第2の支持ステイ2b(21b、22b、23b)を加熱フィルムの端部に設けることで、フィルムを張架している。
【0110】
ここで第2の支持ステイ2b(21b、22b、23b)は本実施例では加圧ローラ5と圧接されていないため、定着ニップ部Nを形成する第1の支持ステイ2a(21a、22a、23a)とは構成を変更することが好ましく、第1の支持ステイ2aのクラウン部23aは平面形状とすることで定着ニップ部Nをより広く形成し、定着性能を向上しているのに対し、第2の支持ステイ2bのクラウン部23bは同様のシリコーンゴムで形成されているものの曲面形状とされ、フィルム回転時における摩擦・摩耗を低減し、定着装置の低トルク化と長寿命化を図っている。すなわち本実施例においては第1と第2の2個の支持ステイ2a・2bと不図示の端部突き当て部材により加熱フィルム24の直進性を高め、加熱フィルム24を高速に駆動した際の安定性を向上した。
【0111】
なお、本実施例では支持ステイを2本用いたが、支持ステイを実施例1同様に1本としても実施可能であり、加熱フィルムの高速安定性には劣るものの、前述の定着ニップ部内を輻射し且つ加熱フィルム端部からの光のロスを低減する効果は得ることができる。
【0112】
また、本実施例では第1の支持ステイ2aの底面部22aとクラウン部23aを別の部材で設け、機械強度と弾性を両立したが底面部22aの材料を例えば研磨等によりクラウン形状とすることで一体成型することも可能であり、画像の均一性は若干劣るものの本発明における効果により高速な画像形成が可能である。
【0113】
〈実施例3〉
本実施例は加熱フィルムにクラウン形状を設け、さらに良好な加熱効率とフィルムの回転安定性を向上したものである。以下図7により本実施例における定着装置を説明する。
【0114】
加熱フィルム25は実施例1と同様にハロゲンランプ1を内包し、クラウン形状とされた支持ステイ2によって加圧ローラ5と圧接され定着ニップ部を形成している。
【0115】
加熱フィルム25は基本的に実施例1と同様の基層、弾性層、吸収離型層の3層構成であるが、本実施例では基層である直径30mm・厚さ100μmのポリイミドを成型時に中央における直径を400μm太くすることでクラウン形状としている。また本実施例ではポリイミドの基層上に弾性層としてシリコーンゴムを500μm、吸収離型層として粒径0.1μmの酸化鉄を分散したFEPを厚さ50μmでコートした。
【0116】
図7の破線に示したように、ハロゲンランプ1から放射された輻射光が加熱フィルム25の内面に照射したさいには数%の光量がフィルムに入射されず、反射されているが、本実施例に拠れば加熱フィルム25にクラウン形状を設けフィルム中央側に反射する事で、その後支持ステイ2等で2次反射された際にも端部から漏れ光としてロスする確率を低減し、定着装置としての加熱効率を改善できる。
【0117】
また加熱フィルム25は加熱時に圧や温度に分布が生じると周速差が生じ蛇行してシワを発生したり、端部つき当て部材との衝突により割れたりして、時として破壊に至ることがあったが、本実施例では加熱フィルム25にクラウン形状を設け、支持ステイ2のクラウン形状に沿わせることでフィルムの直進性をさらに高め、加熱フィルム25を高速に駆動した際の安定性を向上した。
【0118】
ここで加熱フィルム25のクラウン量としては支持ステイ2のクラウン量よりも小さい事が好ましく、支持ステイ2よりも大きなクラウン量とすると加熱フィルム25の中央にしわが生じやすくなった。
【0119】
すなわち本発明における第3の実施例に拠れば、内部に輻射光源を具備した薄肉の加熱フィルム25を加圧部材5により圧接し、駆動する構成において、加熱フィルム25をクラウン形状とした。本構成をとることで加熱フィルム内面にて輻射光が反射される際にも加熱フィルム端部から中央側に反射されるため、端部からの光の漏れを低減し、定着装置の加熱効率を改善できた。また支持ステイ2にもクラウン形状を設ける事で加熱フィルムが斜行した際のフィルム張力を高め、薄肉の加熱フィルム25でも蛇行や割れを生ずることなく安定して回転することが可能となり、したがって高速かつ安定したオンデマンド定着装置が供給できるようになった。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オンデマンド化、高速化を可能にし、しかも加熱部材を安定して駆動し長期にわたり良好な加熱性が得られ、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない良好なカラー画像出力を可能にした、安全な加熱装置を提供することができる。
【0121】
又、装置の小型化、ならびに放熱ロスがより低減された経済性に優れる加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略構成模型図である。
【図2】実施例1における定着装置の概略構成模型図である。
【図3】実施例1における加熱フィルムの層構成模型図と、加熱フィルム断面方向の温度分布図である。
【図4】実施例1の加熱フィルムにおける輻射光の作用説明図である。
【図5】実施例2における定着装置の概略構成模型図である。
【図6】実施例2における加熱フィルムの層構成模型図である。
【図7】実施例3における定着装置の概略構成模型図である
【符号の説明】
1:ハロゲンランプ、2:保持部材、3:加熱フィルム、3a:基層、3b:弾性層、3c:吸収離型層、4:サーミスタ、5:加圧ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等の画像形成装置において、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いて、被記録材(紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム、エレクトロファックス紙、静電記録紙等)の面に転写方式もしくは直接方式で目的の画像情報に対応した未定着トナー画像を形成担持させ、該未定着トナー画像を、該画像を担持している被記録材面上に永久固着画像として加熱定着処理する定着装置として用いて好適な加熱装置、および該加熱装置を搭載した画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、本発明の加熱装置は、上記例の加熱定着装置に限られず、その他、未定着トナー画像を被記録材面上に仮定着する像加熱装置、画像を担持した被記録材を再加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、被記録材以外のシート状の被加熱材を通紙して、乾燥、加熱ラミネート、熱プレスしわ取り、熱プレスカール取り等をする加熱処理装置等としても使用できる。
【0003】
【従来の技術】
以下、加熱装置として画像形成装置の加熱定着装置を例にして説明する。
【0004】
複写機やプリンター、FAX等に用いられる電子写真方式等の画像形成装置において、近年重要性を増してきた課題として、所謂省エネに対する要請に対応することが挙げられる。上記に列挙した装置に用いられている従来のトナー像の加熱定着装置は、トナーを融解して被記録材としての用紙に固着させる方式であるために、電力を直接熱エネルギーとして消費しており、かかる電力は、装置本体全体で使用される電力消費の大きな部分を占めている。
【0005】
これに対し、定着装置の消費電力を低減するための一つの方向性として、オンデマンド化(通常はヒータに電流を流さず、例えば、画像形成の時のみにヒータを入れるリアルタイム化)が図られている。具体的には、加熱部材である定着部材を、薄肉ローラあるいは薄いベルト状若しくはフィルム状にすることで、従来の肉厚の加熱ローラに比べて格段に熱容量を小さくして、装置の立ち上がりを早くすると同時に、その間の消費電力を抑えるものである。
【0006】
オンデマンド化を図ることで、プリント信号を受け取ると、待ち時間が殆どない状態で直ぐにプリントが開始されるようになるため、従来の加熱ローラを定着部材として用いた場合のように、非プリント時においても定着部材をプリント温度近辺の高温に保温しておくといった必要がなくなり、常温かせいぜい適度な低温に保てばよくなる。定着装置の保温時における放熱は、環境温度と、定着部材の設定温度の温度差に比例して大きくなるが、かかる放熱によってプリントしていない状態でも常時電力が消費される。従って、間欠的にプリントを繰り返すような移動状況下においては、定着装置をオンデマンド化することによって非常に大きな節電効果がもたらされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定着部材にフィルムを用いた所謂サーフ方式においては、下記に述べるようにカラートナー像を良好な状態に定着することが難しく、薄層フィルムを使用するため、特に被記録材上のトナー量が多いカラー画像の形成においては均一な定着性を得ることが困難であるという問題があった。カラートナー像の定着においては、普通紙に画像を形成した場合に紙表面の凹凸に応じてトナー像の溶融具合が変化してしまい、定着画像表面に光沢むら所謂“す”が発生したり、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムを被記録材として用いた際においてはトナー像の凹凸に応じてOHPの透過性が変化しやすく、高品位な画像を得ることが難しかった。
【0008】
そこで定着画像の表面を滑らかにする目的で、定着フィルムに従来のローラ定着と同様の弾性層を最小限設ける事も可能である。一例として100〜300μm前後のシリコーンゴム等からなる弾性層を設けることが出来るが、これに対し従来のサーフ定着においては、せいぜい4〜6mm程度のニップ距離にて、定着フィルム背面のセラミックヒータ等の発熱源にフィルムを当接させて接触伝熱によりフィルム加熱を行うため、上記厚さの弾性層をフィルムに設けた場合には、フィルム熱応答性が遅くなってしまうという問題が生じた。
【0009】
これは異なる色のトナーが複数層重なりあって形成されているカラートナー像の固着には大量の熱流が必要であるため更に厳しく、フィルム上に上記弾性層を設けた際には紙等の被記録材がニップを通過する間に、ヒータからの熱流をフィルム表面まで十分に送り込むことが出来ず、トナー表層しか溶融できなくなり定着不良を生じやすい。
【0010】
これに対してシリコーンゴム等からなる弾性層の熱伝導を上げるために弾性層中にフィラーを添加することも考えられるが、ゴムの硬度が上がって弾性が低下し、フィルムに弾性層を設けたことによる効果が損なわれてしまう。
【0011】
そこで本発明の目的は、オンデマンド化、高速化を可能にし、しかも加熱部材を安定して駆動し長期にわたり良好な加熱性が得られ、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない良好なカラー画像出力を可能にした、安全な加熱装置を提供することにある。
【0012】
又、本発明の目的は、装置の小型化、ならびに放熱ロスがより低減された経済性に優れる加熱装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする加熱装置及び画像形成装置である。
【0014】
(1)輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材と、
前記加熱部材の内部に備えた輻射発熱源と、
前記加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材と、
前記保持部材の前記摺動面との間に前記加熱部材を挟んでニップ部を形成する加圧部材と、
を具備しており、前記ニップ部を形成する前記保持部材の前記摺動面が前記加圧部材の軸線に対しクラウン形状を有し、前記加圧部材を回転駆動させることで前記ニップ部において前記加熱部材を前記保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、前記ニップ部の前記加熱部材と前記加圧部材との間に被加熱材を挟持搬送しつつ前記加熱部材の熱で被加熱材を加熱する事を特徴とする加熱装置。
【0015】
(2)前記加熱部材が輻射光に対して透過性を有する基層を前記発熱層の内側に具備する事を特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0016】
(3)前記加熱部材が前記輻射光に対して透過性を有する弾性層を、前記基層と前記発熱層の中間に具備する事を特徴とする(2)に記載の加熱装置。
【0017】
(4)前記加熱部材の前記基層が少なくともポリイミド樹脂を含む材料より形成される事を特徴とする(2)又は(3)に記載の加熱装置。
【0018】
(5)前記加熱部材における弾性層が少なくともシリコーン系のゴム層を含む事を特徴とする(3)又は(4)に記載の加熱装置。
【0019】
(6)前記加熱部材における前記発熱層が少なくとも導電性のカーボン粒子を含有する事を特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0020】
(7)前記加熱部材が表層にフッ素系樹脂からなる離型層を有する事を特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0021】
(8)前記保持部材が横断面コの字形状をした金属板より形成されることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の加熱装置。
【0022】
(9)前記保持部材が、少なくとも、第1の支持部分と、ニップ形成部となる第2の支持部分の2部材より構成され、第2の支持部分は第1の支持部分よりも熱伝導率の高い材質材で構成されている事を特徴とする(1)から(8)の何れかに記載の加熱装置。
【0023】
(10)前記保持部材の第1の支持部分と第2の支持部分が金属より形成される事を特徴とする(9)に記載の加熱装置。
【0024】
(11)前記保持部材が少なくとも透光性のセラミックスから構成される部分を有する事を特徴とする(1)から(10)の何れかに記載の加熱装置。
【0025】
(12)前記被加熱材が像を担持した被記録材である事を特徴とする(1)から(11)の何れかに記載の加熱装置。
【0026】
(13)被記録材上のトナー像を加熱溶融して定着する定着装置である事を特徴とする(1)から(12)の何れかに記載の加熱装置。
【0027】
(14)被記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、被記録材に形成担持させた未定着画像を定着させる定着手段を有し、前記定着手段が(1)から(13)の何れかに記載の加熱装置である事を特徴とする画像形成装置。
【0028】
〈作 用〉
1)加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用い、これに輻射発熱源の輻射光を与えて発熱させる、輻射を用いた加熱装置においては、フィルムもしくはベルト状部材である加熱部材による大幅な低熱容量化と、放射伝熱による表面加熱により、加熱装置のオンデマンド化と、加熱定着装置にあってはカラー画像における良好な定着性が両立できる。
【0029】
即ち、加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用いて加熱装置のオンデマンド化、クイックスタートが容易になると共に、加圧(定着)領域を拡大するため加熱部材の小型化・小熱容量化も出来る。主にニップ部以外において加熱部材を直接加熱し、ニップ部においては加熱された加熱部材の熱容量により被加熱材を加熱すると共に、保持部材が確実に加圧し効果的に加熱する。また加熱部材として薄肉フィルムを用い加熱装置を低熱容量化した際でも、フィルムに適正な張力を与える事でフィルムやしわや折れを発生することなく長期にわたり安定したフィルム駆動を達成できる。
【0030】
2)加熱部材として、輻射透過性及び輻射吸収性を有する多層構成フィルム若しくはベルトを用いることにより、内部輻射源を用いているにもかかわらず、直接に加熱部材の表面を加熱することが可能になり、この結果通常の内面加熱に対して表面加熱を行うことで加熱部材表面の熱応答性を向上させることができた。
【0031】
3)また加熱部材の内部側に輻射源を配置することで、安全かつ放熱によるロスも少なくしつつ、加熱部材表面を加熱する事ができるようになり、加熱定着装置にあっては熱応答性の良好な高速かつ高品位カラー画像が安定して定着されることが可能となった。
【0032】
即ち、本発明によれば、加熱部材の熱勾配が通常ローラ加熱の内面加熱と異なり、表面温度が高く、内面にいくにつれて低くなっていることから、サーミスタが同一温度の熱設定の場合であっても、加熱部材の内面付近の温度はより低い状態にあり、熱の利用効率が高いので、上記の優れた加熱装置が提供される。
【0033】
4)又、本発明によれば、温調におけるリップルを低減して、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない定着性の安定した画像を得られる。
【0034】
5)更に、本発明によれば、外部熱源を用いた表面加熱に比べて小型化がはかれ、低熱容量化が可能である上、熱源を加熱部材の内部に蔵しているために外部への放熱ロスをより低減できる、優れた加熱装置が提供される。
【0035】
6)また、本発明によれば、加熱部材としての、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を内部から保持する保持部材の形状を加圧部材軸方向に対してクラウン形状としたため、加熱部材表面に張力を発生して薄肉の加熱部材においてもしわを生じることなく、安定した加熱部材駆動が可能となった。
【0036】
7)また保持部材を金属薄板より形成することで、加熱部材へ照射された輻射光を加熱部材側に反射せしめ、より高速に加熱部材表面を加熱できるようになった。さらに保持部材をクラウン形状とすることで輻射光を加熱部材回転軸方向に関して中央側に反射することができ、端部からの漏れ光を低減し、より放熱ロスの少ない高効率な加熱装置を提供できるようになった。
【0037】
8)加熱部材が輻射光に対して透過性を有する基層を発熱層の内側に具備する構成により、輻射光が加熱部材基層を透過することで表面の発熱層を直接加熱する事が出来るため、加熱部材の厚みが増加した際に熱伝導による加熱特性の劣化もなく、加熱部材強度を増大し、長期にわたり加熱部材シワ、折れの発生しにくい安定した加熱装置を提供する。
【0038】
9)また加熱部材が基層と発熱層間に介在し、発熱体からの赤外線を透過する弾性層を具備する構成により、輻射光が弾性層を透過することで表面の発熱層を直接加熱するため、熱伝導による加熱特性の劣化もなく、加熱定着装置にあっては加熱部材が被記録材上のトナー表面の凹凸に対応して柔軟に接触加熱することが出来るようになり、とりわけカラー画像におけるグロス均一性と、OHP画像における色再現性を有する高品位な画像出力が可能となった。
【0039】
10)保持部材が横断面コの字形状をした金属板より形成される構成により、加圧方向および摺擦方向に対して優れた機械強度を少ない熱容量で達成する。したがって立ち上がりの早いオンデマンドな加熱装置を実現する。さらに被加熱材加熱領域において圧接する金属製の保持部材は優れた熱伝導特性により加熱部材長手方向に発生する温度むらを低減し、長期にわたり安定した加熱装置を提供する。
【0040】
11)加熱部材が少なくともポリイミド樹脂を含む材料より形成される構成により、ポリイミド樹脂は良好な可撓性を有すると共に輻射光源から放出された赤外線を透過するため、輻射光により直接加熱部材の外側に存在する弾性層もしくは離型層を加熱することで、加熱過程における熱抵抗をさらに低減し、加熱定着装置にあっては高速なカラー画像形成を可能とする。
【0041】
12)弾性層として酸化鉄を分散したシリコーン系のゴム層を含む構成により、シリコーンゴムは優れた耐熱性と柔軟性を有すると共に、輻射光源の発生した赤外線に対して高い透過性を持ち、加熱部材外側に存在する離型層を効率的に加熱する事が可能となる。
【0042】
また加熱定着装置にあってはカラー画像等におけるトナー像表面の凹凸が顕著な際にも、トナー像を均一に加圧しより一層の定着性とグロスの均一性を備えた高画質化が達成される。
【0043】
13)加熱部材に吸収層としてシリコーン系のゴム層ともしくはフッ素系樹脂からなる離型層中にカーボンブラックを分散する構成により、カーボンブラックはシリコーンゴム、フッ素樹脂の双方において良好な分散性と、赤外線吸収性を有するため、効果的に加熱部材の外側に存在する弾性層もしくは離型層を発熱することが可能となり、連続プリント時に熱を奪われた加熱部材の表層近傍を急速に加熱することが可能となる。かつ加熱定着装置にあっては表面の離型層は被記録材上のトナーが加熱部材に付着するとともに、導電性により静電オフセットも防止し、被記録材上の画像を乱す事なく定着する事が可能となる。
【0044】
14)加熱部材が表層にフッ素系樹脂からなる離型層を有する構成により、加熱定着装置にあっては優れた離型性により被記録材上のトナーを乱すことなく定着する。
【0045】
15)保持部材が、少なくとも、第1の支持部分と、ニップ形成部となる第2の支持部分の2部材より構成され、第2の支持部分は第1の支持部分よりも熱伝導率の高い材質材で構成されている構成により、熱伝導の低い第1の支持部はニップ部からの熱量流入を防ぎ、ニップ部を高速に立ち上げることを可能にする。また熱伝導が低い第1の支持部分は機械的強度を上げることが比較的容易であり、加圧方向に平行な側板を支持部とすることで撓み量を抑えて均一な加圧を実現する。またニップ部においては第2の支持部分による良好な熱伝導性によりニップ部での温度ムラを抑制する。
【0046】
16)保持部材が少なくとも透光性のセラミックスから構成される部分を有する構成により、保持部材を透光性とすることでニップ部内においても輻射加熱を行い、加熱装置の熱応答性を向上する。
【0047】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う加熱装置を定着装置として搭載している画像形成装置の一例の構成模式図である。
【0048】
本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のフルカラーレーザープリンタ(カラー画像形成装置)である。
【0049】
図1において、8は感光ドラムであり、アルミシリンダの外周面に有機感光体(OPC)又はアモルファスシリコン等の光導電体を塗布して構成することが可能である。
【0050】
感光ドラム8は不図示の駆動手段によって図示矢印の時計方向に所定速度(例:50〜300mm/sec)で駆動され、帯電器9にて表面を暗部電位(例:−700V)に帯電される。
【0051】
次に露光装置(レーザースキャナ)10により感光ドラム8上はマゼンタの画像模様に従い露光され、画像部のみ表面電位を明部電位(例:−150V)に低下せしめて静電潜像が形成される。
【0052】
回転支持体12に支持された現像装置11a、11b、11c、11dはそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック各色の現像材を含む。ここで各色現像材は懸濁重合法により合成され、球形で高い現像・転写効率を有する重量平均径6μmのネガ帯電性トナーである。
【0053】
該静電潜像はまずマゼンタの現像器11aが感光ドラム8と対向するように300μmの間隙を以って配備され、一例としてDC−500VにAC2kVppを重畳した現像バイアスによって現像されマゼンタトナー像として顕像化される。
【0054】
顕像化された感光ドラム8上のマゼンタトナー像は106〜109Ωに導電処理されたPVdF等の中抵抗部材からなる中間転写ドラム13に図示されていない転写電源から供給されるの転写バイアス(+0.5〜2kV)を以って転写される。
【0055】
中間転写ドラム13上にA4サイズ1ページ分のマゼンタ画像を転写すると回転支持体12が回転し、以上の工程をシアン、イエロー、ブラック各色について逐次行い、中間転写ドラム13上に複数色のトナー像を形成する。
【0056】
一方、ピックアップローラ14はブラックトナー像と同期して転写紙カセット15から被記録材としての転写紙Pを給紙する。転写ローラ19に2次転写バイアス(+1〜2kV)を印加することにより、転写紙Pには中間転写ドラム13上に重畳形成された、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの合成カラートナー像が転写され、定着装置16に搬入される。
【0057】
合成カラートナー画像を転写された転写材Pは、搬送手段により定着装置16に搬送されて定着され、カラー印刷物として機外に排出されて排紙トレイ20上に積載される。
【0058】
なお、中間転写ドラム13上の転写残トナーは帯電器18によりポジ極性に帯電された後、感光ドラム8上に回収され、感光ドラム8上の転写残トナーと同様にクリーニング装置17によって清掃される。
【0059】
(2)定着装置16
1)装置の全体的概略構成
図2は定着装置16の概略構成を示す模式図である。この定着装置16は、加熱部材として、輻射光を吸収して発熱する発熱層を有するフィルムもしくはベルト状部材を用い、これに輻射発熱源の輻射光を与えて発熱させる、輻射を用いた加熱装置であり、フィルムもしくはベルト状部材である加熱部材による大幅な低熱容量化と、放射伝熱による表面加熱により、加熱装置のオンデマンド化と、加熱定着装置にあってはカラー画像における良好な定着性が両立できる。
【0060】
3は加熱部材としての輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する円筒状(エンドレスベルト状)の可撓性のあるフィルムもしくはベルト状部材である。以下、これを加熱フィルムと記す。
【0061】
2は上記の円筒状の加熱フィルム3の内部に挿通した保持部材であり、横断面コの字形状をした金属板より形成される剛性チャンネル部材である。以下支持ステイと記す。加熱フィルム3はこの支持ステイ2によって回転自在に支持される。
【0062】
1は同じく円筒状の加熱フィルム3の内部に挿通した輻射発熱源としての出力500〜1000Wのハロゲンランプ(ハロゲンヒータ)であり、円筒状の加熱フィルム3の内部のほぼ中央に位置させてある。
【0063】
5は加圧部材としての弾性加圧ローラである。この加圧ローラ5と上記の支持ステイ2は、横断面コの字形状の支持ステイ2の下面を加熱フィルム内面摺動面としてこの摺動面と加圧ローラ5との間に加熱フィルム3を挟ませて、加圧ローラ5の弾性に抗して総圧9.8〜588N(1〜50kgf)加圧して所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成させた状態にして配設してある。
【0064】
加圧ローラ5は厚さ1〜10mmのシリコーンゴム層を芯金上に設ける事で形成されており、表層にはトナー汚染防止用のフッ素樹脂層を有している。加圧ローラ5は図示されていない駆動装置によって所定速度(50〜300mm/sec)で矢印の反時計方向に回転駆動される。
【0065】
この加圧ローラ5の回転駆動により、定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ5と加熱フィルム3の外面との摩擦力で加熱フィルム3に回転トルクが作用し、加熱フィルム3の内周面が、定着ニップ部Nにおいて支持ステイ2の摺動面に密着してこの摺動面を摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ5の回転周速度にほぼ等しい周速度にて従動回転状態になる(加圧回転体駆動方式)。加熱フィルムの摺動性向上と摩耗防止のため耐熱グリスを加熱フィルム3の内面に塗布してもよい。
【0066】
また、輻射発熱源としてのハロゲンランプ1に通電がなされることで、発生輻射光を加熱フィルム3の発熱層が吸収して発熱する。即ち加熱フィルム3は加熱される。加熱フィルム3の表面温度が温度検知手段であるサーミスタ4により検出され、その検出温度情報が不図示の温調回路にフィードバックされる。温調回路はサーミスタ4からの検出温度情報が所定の定着温度に維持されるようにハロゲンランプ1に対する電力供給を制御する。
【0067】
サーミスタ4としては接触式だけでなく、非接触式のサーモパイル等を用いてもよく、オフセットトナーが蓄積してサーミスタが誤動作したり、蓄積したトナーが転写紙に落下して画像汚染することも防止できる。
【0068】
所定の制御タイミングにて、加圧ローラ5の回転駆動が開始され、これに伴い加熱フィルム3が従動回転状態になり、またハロゲンランプ1に対する電力供給がなされて、加熱フィルム3が所定の定着温度に加熱温調された状態において、定着ニップ部Nの加熱フィルム3と加圧ローラ5との間に未定着トナー像Tを担持した被記録材としての転写紙Pが導入される。加熱フィルム3が転写紙Pの未定着トナー像担持面に接する。定着ニップ部Nに導入された転写紙Pはこの定着ニップ部Nを挟持搬送されて加熱フィルム3の熱とニップ圧により転写紙P面に永久固着画像として加熱・加圧定着される。定着ニップ部Nを出た転写紙Pは加熱フィルム3面から曲率分離されて排出搬送される。
【0069】
2)輻射発熱源1
輻射発熱源1としては、赤外線を効率よく、且つ高速に輻射すれば種類は問わず、ハロゲンヒータ以外にもキセノンランプ等を使うことも可能であるが、本実施例におけるハロゲンランプ1は波長0.8μm以上の赤外線を投入電力の85%以上の高効率で放射することが可能であり、また熱容量の小さなタングステンフィラメントを加熱することで輻射するため、高速な立上げと応答性を得る事を可能とする。
【0070】
本実施例ではハロゲンランプ1の発熱体のコイルをほぼ均等に巻くことで、セグメント化することなく画像域全域にわたり設置している。したがって発熱体をセグメント化した際のコイル間に生じる非コイル部での輻射光量低下を防ぎ、定着画像における長手方向での発熱体コイル跡(グロスむら、定着性むら)の発生を防止している。ハロゲンランプ1には前述したように加熱フィルム3の表面温度を検出するサーミスタ4の検出温度情報に従い電力が供給され、投入電力の約90%が赤外領域の波長である出力光として輻射される。
【0071】
3)加熱フィルム3
図3の(a)は加熱フィルム3の層構成を示す模式図である。加熱フィルム3は、耐熱・摺動性に優れた厚さ20〜200μmの耐熱基層3a上に、厚さ50〜1000μmの弾性層3b、そして更に、輻射光を吸収して発熱する発熱層としての、厚さ5〜50μmの赤外線吸収層3c、を設けた3層構成のシームレスフィルムである。本実施例において発熱層3cは離型層中に赤外線吸収物質を分散させた吸収離型層である。耐熱基層3a側が加熱フィルム3の内面側で支持ステイ2の摺動面に接する。赤外線吸収層(吸収離型層)3c側が加熱フィルム3の外面側であり、転写材Pの未定着トナー像担持面に接する。
【0072】
▲1▼.フィルム基層3aとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、アラミド等の耐熱性樹脂を用いることが出来、特にポリイミドフィルムは優れた機械強度と耐熱性を有すると共に、ハロゲンランプ1の放射する波長3μm以下の赤外光を80%以上透過するため、本発明における表面加熱の効果をより効果的に得ることが出来る。
【0073】
▲2▼.弾性層3bとしては、LTV、HTV、RTV等各種シリコーンゴム、もしくはフッ素ゴム等の耐熱性が高いゴム或いはスポンジが形成されており、柔らかく且つ永久歪の小さいものが用いられる。
【0074】
ここで、トナー表面の凹凸に対応するだけの柔軟性を得るために、弾性層3bの硬度としては、アスカーC硬度で60°以下の物が好ましい。またシリコーンゴムによる弾性層も波長3μm以下の赤外光を80%以上透過し、効率的に表面加熱することが可能となる。
【0075】
本実施例では加熱フィルム3の耐熱基層としてのポリイミド基層3a上に設けられた弾性層としてのシリコーンゴム層3bは厚さ50〜1000μmで形成されており、カラー画像における厚いトナー層に対しても均一な加圧がなされるように設定される。
【0076】
ハードローラ/フィルムにおけるカラー画像においては、定着画像中に多色トナー層と単色トナー層が近傍に存在すると単色トナー層部分への加圧が十分になされずに定着不良やOHPにおける透過性不良が生じ易くなるのに対して、本実施例における弾性層3bを設けた加熱フィルム3ではトナー層の凹凸に対応するため多色トナー層と単色トナー層の双方への加圧が可能となり、したがってカラー定着画像においても均一な定着性とOHPにおける高い透過性が得られた。
【0077】
さらに弾性層3b中には機械強度、電気抵抗や熱伝導率を調整するために微粒子を適宜分散しても良く、シリカ、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛等の微粒子を分散することでゴムの圧縮永久歪を軽減する事が出来る。輻射光量を減衰させないためには輻射光の散乱を抑える必要があり、透明微粒子の粒径を透過する赤外線の波長以下とする事が好ましく、さらに好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
【0078】
また本実施例においては弾性層3b中を熱伝導ではなく主に輻射により熱伝達を行うため、加熱部材表面に赤外線の吸収層3cを設けて加熱フィルム表面を発熱させている。
【0079】
▲3▼.吸収層3cとしては、従来のPFA、PTFE等フッ素樹脂からなる離型層中に赤外線吸収物質であるところのカーボンブラック、グラファイト、または酸化鉄等の各種金属酸化物粒子を分散することで赤外光を良好に吸収する事が出来る。
【0080】
また赤外線吸収物質としてカーボンブラック等の導電体を用いることで表面の電気抵抗を低抵抗化することも出来、106〜1014Ω/cm程度に制御することで、摺動に伴い発生したフィルム上の摩擦電荷を例えばフィルム端部に設けた不図示の導電ブラシ等より逃がし、紙上のトナーが静電気によりフィルム付着するいわゆる静電オフセットを防止することも可能である。
【0081】
▲4▼.ここで加熱フィルム3中の輻射光量と温度分布について図3の(b)を用いて説明する。
【0082】
縦軸はフィルム断面における厚さ方向の位置y、横軸は輻射光量(実線)と温度T(破線)を表している。加熱フィルム内部にあるハロゲンランプ1が照射した輻射光は、基層3a、弾性層3b中ではあまり減衰せず、加熱フィルム表面にある離型層3cにおいてその70%以上を吸収されている。したがってフィルム表面側が高速に加熱されることになる(破線A)。
【0083】
一方、従来の定着ニップにおいて熱伝導により同様のフィルムを加熱すると、破線Aと同等の温度をフィルム表面にて得るためには破線Bに示したようにフィルム内面を表面温度より相当高く(20〜50℃)設定する必要があった。
【0084】
したがって本構成をとることにより加熱フィルム内面温度を低下することが可能となり、熱伝導を用いた従来の定着装置よりも加熱フィルム表面を定着温度まで加熱するのに必要な熱量が低下し省エネが達成されると共に、加熱フィルム3とりわけ弾性層3bの長寿命化も図られる。
【0085】
さらに本実施例に拠れば加熱フィルム3と加圧ローラ5の定着ニップ部N以外の領域でフィルム自体を加熱するため定着ニップ部Nへの輻射光量は減少するが、加熱フィルム3中の弾性層3bは熱伝導性が悪く断熱効果をもたらす。したがって定着ニップ部Nを構成する支持ステイ2の温度は加熱フィルム内面からは積極的に上昇させる必要がなく、加熱されたフィルム3を定着ニップ部Nに搬入する事でフィルム表面に蓄えられた熱量によって転写材Pを十分に加熱し、連続プリント時にも良好な定着性が実現される。
【0086】
すなわち本実施例における定着装置に寄れば、加熱部材としての加熱フィルム3における保持部材としての支持ステイ2を金属部材により形成し、加圧ローラ5と圧接する事で定着ニップ部Nを形成したため、簡易な構成で介在する加熱フィルム3を加圧ローラ5に対して従動駆動とすることが出来、定着装置の小熱容量化と高速な立上げ(オンデマンド化)が達成できる。
【0087】
4)支持ステイ2
保持部材としての支持ステイ2は、定着ニップ部Nを形成するための加熱フィルム内面摺動面を構成する底面部aと、加圧ローラ5による加圧に対して強度を持たせ撓みを抑えるため側板部b・bより形成された横断面コの字形状とされており、該支持ステイ2の端部は図示されていない定着装置筐体に固定されている。
【0088】
ここで、支持ステイ2の加熱フィルム内面摺動面を構成する底面部aは、図4に示したように、加圧ローラ5の軸方向に対して凸型を形成するクラウン形状とされる。これは可撓性を有する薄肉の加熱フィルム3は高速に回転するとしわを生じやすく、フィルムに生じたしわは定着不良を発生するおそれがあり、長期的にはフィルムが折れて破断してしまうこともある。
【0089】
支持ステイ2をストレート形状(クラウン量0)とした場合は、空回転1時間(フィルム170℃、速度100mm/s、加圧量98N(10kg))でフィルムが破断したのに対し、本実施例ではクラウン量を0.5mm設けたところ、空回転を10時間してもフィルムに以上は見られなかった。したがって本実施例では支持ステイ2をクラウン形状とする事でフィルム表面に中央から端部に向かう張力を発生しフィルムしわの発生を抑える事が出来た
ここでクラウン量としては十分な張力を得るために0.1mm以上設ける事が好ましく、またクラウン量が大きすぎると定着ニップ部Nに搬入された転写材Pを均等に加圧できなくなり、光沢ムラや定着不良を生じるため、2mm以下が好ましい。
【0090】
また支持ステイ2を金属部材で構成する事でハロゲンランプ1からの輻射光を反射し、支持ステイ2の昇温を防ぐと共に加熱フィルム3へより多くの赤外線を照射し、加熱部材としての加熱フィルム表面を高速に加熱する事も可能となるが、ここで支持ステイ2にクラウン形状を持たせることで更に加熱効率を高めることが出来る。これは図3の破線で示したように、ハロゲンランプ1から発生された輻射光のうち本実施例では約30%が支持ステイ2に向けて輻射されていたが、支持ステイ2により加熱フィルム3側に反射する際に、支持ステイ端部においてはやや中央側に向けて反射する事が可能となるためである。端部からの光の漏れを低下できるため、結果として、加熱部材としての加熱フィルム3からの放熱を数%改善できた。
【0091】
保持部材としての支持ステイ2としてはステンレス、鉄、アルミニウム、銅、マグネシウムといった金属材料もしくはその合金を用いることが出来、加圧ローラ5の加圧に耐え得る機械強度と、定着ニップ部Nにおける温度分布を均一化するための熱伝導性を提供する。
【0092】
さらに支持ステイ底面を研磨やメッキ、コートによって鏡面状に仕上げたり、或いは反射膜をコートすることで支持ステイ2の反射効率を高め本実施例における効果を高めることも可能である。
【0093】
また支持ステイ2は金属または合金の板材から形成され、外形抜き、穴あけ、曲げといったプレス加工を用いることで低コストにて大量生産することが可能である。
【0094】
さらに支持ステイ2としては定着ニップ部Nを形成する底板部aと、加圧方向に平行な側板部b・bとを分離してツーピース構造とすることもできる。その際に底板部aにはニップ温度分布を均一化するため、アルミニウム・銅といった高熱伝導性の材料、また側板部b・bにはより高圧力を印加できるようにステンレス等の高強度材を用いると効果的である。
【0095】
また定着ニップ部Nに高熱伝導部材を配することで、加熱フィルム長手方向の温度分布を均一化することができる為、小サイズ紙等を連続通紙した際にも加熱フィルム上に温度むらが発生することなく、信頼性が高いオンデマンドな定着装置が実現された。
【0096】
なお、本実施例では加熱フィルム3として、基層3a、弾性層3b、発熱層3cからなる3層構成としたが、その中間に例えば導電プライマ−層や接着層を入れて4層以上の構成としても本実施例における効果を得る事ができる。
【0097】
〈実施例2〉
本実施例は加熱フィルムを保持する支持ステイを2本設けてフィルムの安定性を向上すると共に、支持ステイを透光性部材により形成し輻射発熱源からの輻射光を無駄なくフィルムに照射し加熱効率を高めたものである。
【0098】
以下図5により説明する。(a)は加熱フィルム端部側面から見た概略断面模型図、(b)は概略縦断面模型図であり、簡略のため実施例1と同様の部品には同一の記号をつけてある。
【0099】
加熱フィルム24内には保持部材として第1と第2の2つの支持ステイ2aと2bが存在し、加熱フィルム24と軽接触して回動可能に張架しフィルム形状を規定している。加熱フィルム24は実施例1と同様にハロゲンランプ1を内包し、第1の支持ステイ2aによって加圧ローラ5と圧接され定着ニップ部Nを形成している。
【0100】
また第1および第2の支持ステイ2a、2bは非回転とされ定着装置に固定されるため、定着ニップ部Nにおいて回転する加熱フィルム24の内面と摺擦される。したがってシリコーングリース等の潤滑剤を塗布する事が好ましく、加熱フィルム24および支持ステイの磨耗を防止し、かつ定着装置の駆動トルクも低減出来る。
【0101】
前記実施例1では加熱フィルム3において発熱層3cは離型層中に赤外線吸収物質を分散させて発熱層と離型層を兼用させた吸収離型層であるが、本実施例の加熱フィルム24では赤外線吸収層と離型層を別途に設けている。以下図6により加熱フィルム24について説明する。
【0102】
加熱フィルム24は、実施例1と同様のポリイミド等の基層24a、シリコーンゴムによる弾性層24bを有し、さらに弾性層24b上に赤外線吸収層としてシリコーンゴム中に酸化鉄を分散した赤外吸収層24cと、離型層24dであるパーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、PTFE、FEP等のフッ素系樹脂を離型層と最外層として設けた。
【0103】
前述の実施例1と異なり、赤外吸収層24cを別途設けることで、離型層24d中にカーボンブラック等の赤外吸収剤を分散する必要がなくなる。したがって最表層におけるテフロン(登録商標)、PFA、FEP等のフッ素樹脂の比率を上げることができ、長期使用時にも良好な離型性を維持することで定着装置の寿命を延ばすことが可能となった。
【0104】
また本実施例では定着ニップ部N内においても加熱フィルム24を加熱および加圧するために、第1の支持ステイ2aを側板部21a、底面部22a、そしてクラウン部23aの3部品から形成している。
【0105】
ここで側板部21aとしては実施例1と同様の金属薄板を使用することができ、第1の支持ステイ2aを両端部から加圧(9.8〜490N(1〜50kgf))した際の、撓み、ねじれに対する十分な強度を持たせる。本実施例では側板部22aとして厚さ1tのステンレスを用いた。
【0106】
つぎに底面部22aとしては十分な耐熱性と機械強度を持つと共に、ハロゲンヒータから放射される赤外光を効率よく透過する材料が好ましく、耐熱ガラス、石英、アルミナ等のセラミックスや、ポリイミド、ポリアミドといった耐熱樹脂を用いることが出来る。本実施例では底面部22aとして厚さ1tの耐熱ガラス(パイレックス(登録商標))を用いた。
【0107】
次にクラウン部23aとしては底面部同様に耐熱性、機械強度、透光性を有すると共に、定着ニップ部N内における圧力分布を均等にするため弾性・柔軟性を有するゴムもしくはスポンジ材料を用いている。本実施例ではシリカ粒子を分散したLTVを弾性層として1mmのクラウンを支持ステイ底面に設けた(図5の(b))。
【0108】
またクラウン部23aの屈折率を空気よりも大きくする事でレンズ効果により端部の輻射光は軸方向中央側に曲げられるため、実施例1と同様に加熱フィルム端部からの光の逃げを低減し、効率を向上することができる。
【0109】
また薄肉の加熱フィルム24は加熱時に高速回転すると圧や温度に分布が生じやすく、フィルム上に周速差が生じてフィルムの蛇行やシワを発生しやすく、時として破壊に至ることがあったが、本実施例では第1の支持ステイ2a(21a、22a、23a)と同等の第2の支持ステイ2b(21b、22b、23b)を加熱フィルムの端部に設けることで、フィルムを張架している。
【0110】
ここで第2の支持ステイ2b(21b、22b、23b)は本実施例では加圧ローラ5と圧接されていないため、定着ニップ部Nを形成する第1の支持ステイ2a(21a、22a、23a)とは構成を変更することが好ましく、第1の支持ステイ2aのクラウン部23aは平面形状とすることで定着ニップ部Nをより広く形成し、定着性能を向上しているのに対し、第2の支持ステイ2bのクラウン部23bは同様のシリコーンゴムで形成されているものの曲面形状とされ、フィルム回転時における摩擦・摩耗を低減し、定着装置の低トルク化と長寿命化を図っている。すなわち本実施例においては第1と第2の2個の支持ステイ2a・2bと不図示の端部突き当て部材により加熱フィルム24の直進性を高め、加熱フィルム24を高速に駆動した際の安定性を向上した。
【0111】
なお、本実施例では支持ステイを2本用いたが、支持ステイを実施例1同様に1本としても実施可能であり、加熱フィルムの高速安定性には劣るものの、前述の定着ニップ部内を輻射し且つ加熱フィルム端部からの光のロスを低減する効果は得ることができる。
【0112】
また、本実施例では第1の支持ステイ2aの底面部22aとクラウン部23aを別の部材で設け、機械強度と弾性を両立したが底面部22aの材料を例えば研磨等によりクラウン形状とすることで一体成型することも可能であり、画像の均一性は若干劣るものの本発明における効果により高速な画像形成が可能である。
【0113】
〈実施例3〉
本実施例は加熱フィルムにクラウン形状を設け、さらに良好な加熱効率とフィルムの回転安定性を向上したものである。以下図7により本実施例における定着装置を説明する。
【0114】
加熱フィルム25は実施例1と同様にハロゲンランプ1を内包し、クラウン形状とされた支持ステイ2によって加圧ローラ5と圧接され定着ニップ部を形成している。
【0115】
加熱フィルム25は基本的に実施例1と同様の基層、弾性層、吸収離型層の3層構成であるが、本実施例では基層である直径30mm・厚さ100μmのポリイミドを成型時に中央における直径を400μm太くすることでクラウン形状としている。また本実施例ではポリイミドの基層上に弾性層としてシリコーンゴムを500μm、吸収離型層として粒径0.1μmの酸化鉄を分散したFEPを厚さ50μmでコートした。
【0116】
図7の破線に示したように、ハロゲンランプ1から放射された輻射光が加熱フィルム25の内面に照射したさいには数%の光量がフィルムに入射されず、反射されているが、本実施例に拠れば加熱フィルム25にクラウン形状を設けフィルム中央側に反射する事で、その後支持ステイ2等で2次反射された際にも端部から漏れ光としてロスする確率を低減し、定着装置としての加熱効率を改善できる。
【0117】
また加熱フィルム25は加熱時に圧や温度に分布が生じると周速差が生じ蛇行してシワを発生したり、端部つき当て部材との衝突により割れたりして、時として破壊に至ることがあったが、本実施例では加熱フィルム25にクラウン形状を設け、支持ステイ2のクラウン形状に沿わせることでフィルムの直進性をさらに高め、加熱フィルム25を高速に駆動した際の安定性を向上した。
【0118】
ここで加熱フィルム25のクラウン量としては支持ステイ2のクラウン量よりも小さい事が好ましく、支持ステイ2よりも大きなクラウン量とすると加熱フィルム25の中央にしわが生じやすくなった。
【0119】
すなわち本発明における第3の実施例に拠れば、内部に輻射光源を具備した薄肉の加熱フィルム25を加圧部材5により圧接し、駆動する構成において、加熱フィルム25をクラウン形状とした。本構成をとることで加熱フィルム内面にて輻射光が反射される際にも加熱フィルム端部から中央側に反射されるため、端部からの光の漏れを低減し、定着装置の加熱効率を改善できた。また支持ステイ2にもクラウン形状を設ける事で加熱フィルムが斜行した際のフィルム張力を高め、薄肉の加熱フィルム25でも蛇行や割れを生ずることなく安定して回転することが可能となり、したがって高速かつ安定したオンデマンド定着装置が供給できるようになった。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オンデマンド化、高速化を可能にし、しかも加熱部材を安定して駆動し長期にわたり良好な加熱性が得られ、加熱定着装置にあっては光沢ムラのない良好なカラー画像出力を可能にした、安全な加熱装置を提供することができる。
【0121】
又、装置の小型化、ならびに放熱ロスがより低減された経済性に優れる加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略構成模型図である。
【図2】実施例1における定着装置の概略構成模型図である。
【図3】実施例1における加熱フィルムの層構成模型図と、加熱フィルム断面方向の温度分布図である。
【図4】実施例1の加熱フィルムにおける輻射光の作用説明図である。
【図5】実施例2における定着装置の概略構成模型図である。
【図6】実施例2における加熱フィルムの層構成模型図である。
【図7】実施例3における定着装置の概略構成模型図である
【符号の説明】
1:ハロゲンランプ、2:保持部材、3:加熱フィルム、3a:基層、3b:弾性層、3c:吸収離型層、4:サーミスタ、5:加圧ローラ
Claims (14)
- 輻射光を吸収して発熱する発熱層を有する、フィルムもしくはベルト状の、回動可能な加熱部材と、
前記加熱部材の内部に備えた輻射発熱源と、
前記加熱部材の内面と摺動する摺動面を有する保持部材と、
前記保持部材の前記摺動面との間に前記加熱部材を挟んでニップ部を形成する加圧部材と、
を具備しており、前記ニップ部を形成する前記保持部材の前記摺動面が前記加圧部材の軸線に対しクラウン形状を有し、前記加圧部材を回転駆動させることで前記ニップ部において前記加熱部材を前記保持部材の摺動面に内面を摺動させながら回転させ、前記ニップ部の前記加熱部材と前記加圧部材との間に被加熱材を挟持搬送しつつ前記加熱部材の熱で被加熱材を加熱する事を特徴とする加熱装置。 - 前記加熱部材が輻射光に対して透過性を有する基層を前記発熱層の内側に具備する事を特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
- 前記加熱部材が前記輻射光に対して透過性を有する弾性層を、前記基層と前記発熱層の中間に具備する事を特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
- 前記加熱部材の前記基層が少なくともポリイミド樹脂を含む材料より形成される事を特徴とする請求項2又は3に記載の加熱装置。
- 前記加熱部材における弾性層が少なくともシリコーン系のゴム層を含む事を特徴とする請求項3又は4に記載の加熱装置。
- 前記加熱部材における前記発熱層が少なくとも導電性のカーボン粒子を含有する事を特徴とする請求項1から5の何れかに記載の加熱装置。
- 前記加熱部材が表層にフッ素系樹脂からなる離型層を有する事を特徴とする請求項1から6の何れかに記載の加熱装置。
- 前記保持部材が横断面コの字形状をした金属板より形成されることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の加熱装置。
- 前記保持部材が、少なくとも、第1の支持部分と、ニップ形成部となる第2の支持部分の2部材より構成され、第2の支持部分は第1の支持部分よりも熱伝導率の高い材質材で構成されている事を特徴とする請求項1から8の何れかに記載の加熱装置。
- 前記保持部材の第1の支持部分と第2の支持部分が金属より形成される事を特徴とする請求項9に記載の加熱装置。
- 前記保持部材が少なくとも透光性のセラミックスから構成される部分を有する事を特徴とする請求項1から10の何れかに記載の加熱装置。
- 前記被加熱材が像を担持した被記録材である事を特徴とする請求項1から11の何れかに記載の加熱装置。
- 被記録材上のトナー像を加熱溶融して定着する定着装置である事を特徴とする請求項1から12の何れかに記載の加熱装置。
- 被記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、被記録材に形成担持させた未定着画像を定着させる定着手段を有し、前記定着手段が請求項1から13の何れかに記載の加熱装置である事を特徴とする画像形成装置。
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