JP6303606B2 - 定着装置と画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式の画像形成装置における熱方式の定着装置、及びこの定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
定着装置として、従来、熱ローラ定着装置が知られている。熱ローラ定着装置では、少なくとも一方の内部に備えたハロゲンランプ等の熱源によって加熱され、且つ互いに押圧されて回転する2本のローラ(定着ローラ、加圧ローラ)の定着ニップ部に、現像剤像を載せた記録媒体(用紙、転写紙等とも称され、材質として紙に限定されない)を通過させ、現像剤像を溶融し、記録媒体上に定着させる。
一方、近年、装置の省エネ化や、ウェイトタイム短縮に対する要求の高まりから、熱ローラの替わりにベルトや薄膜フィルムを用いた加熱装置を採用することが増えている。このような加熱装置の採用で、定着装置の低熱容量化を実現し、また記録媒体への熱伝達効率の改善を図り、加熱に要する待ち時間(ウォームアップタイム)を大幅に短縮した所謂オンデマンドタイプの定着装置が普及してきている。
このようなタイプの定着装置の普及にかかわらず、定着装置では、複数枚の連続印刷の際に、記録媒体が通紙しない非通紙領域において、記録媒体への熱移動が起こらないため、加熱装置の温度が高くなってしまう現象がよく知られている。このような非通紙領域での温度上昇を改善するために、非通紙領域に設けられた温度検知センサによる検知温度が所定値に達した場合に、単位時間当たりの印刷枚数を制限して、定着装置全体の均熱化を行い、非通紙領域の温度上昇を抑制することが行われている。しかしながら、このような「単位時間当たりの印刷枚数を制限する方法」では、画像形成装置の利便性を著しく損ねてしまうという問題があった。
また、例えば特許文献1の第1実施例では、「ヒータ外方を覆い加熱ローラの長手方向に移動可能な遮蔽部材」を設けて、ヒータから加熱ローラ(定着ローラ)へ供給される熱を遮蔽して、加熱ローラの非通紙領域の温度上昇そのものを抑制している。特許文献1の第2実施例では、「熱の反射率が所定温度で変化する反射率可変部材」を配置することが開示されている。反射率可変部材の利用については、特許文献2にも開示がある。更に、特許文献1には、液晶ポリマー等から成る反射率可変部材(塗料)の代わりに、反射率の高い複数の形状記憶合金片を加熱ローラの非通紙部内面に取り付ける構成も開示されている。特許文献3にも、加熱ローラ内面に電磁波吸収部材若しくは電磁波反射部材と温度により変形する熱変形部材とを有し、加熱ローラ内面が所定温度以上となった場合に「熱変形部材の変形を利用し、内蔵された電磁波放射部材による電磁波の加熱ローラの吸収量を減らし」、加熱ローラの非通紙領域の温度上昇を抑制するという、同様の開示がある。
しかしながら、これらの構成は、いずれにせよ、非通紙領域における直接的なヒータ加熱を遮断するものである。このようなやり方では、非通紙領域がある場合には熱遮断されない領域のみで加熱ローラを加熱する必要があり、加熱ローラに対する加熱効率が低下する。そして、反射率可変部材を加熱ローラ内面に配置する構成では、非通紙領域がない場合に、その反射率可変部材が存在することで加熱効率が一部損なわれることになる。形状記憶合金片等を加熱ローラに配する構成でも、それらの部材によって加熱効率が一部損なわれることになる。また、熱源からの熱を熱源近傍に封じ込めることになるので、熱源やその周辺部材の温度が局所的に高くなり、部材の変形や破損、機能低下が起こるリスクもある。
特許文献4には、ヒータの外周面の一部を幅方向にわたって覆い、ヒータからの光を反射して定着部材に照射する第1反射板と、ヒータに対して第1反射板の外側に位置しヒータの幅方向中央部に向いた第2反射板とを有する定着装置が開示されている。第1反射板の幅方向端部を調光ミラーで形成し、第1反射板は、調光ミラーを透過した光を幅方向中央部へと反射するようになっている。用紙の紙幅に応じて調光ミラーの透過率を印加電圧の調整によって変化させ、かつ調光ミラーを透過した光を第2反射板によって幅方向中央部へと反射する。これによって、定着部材の非通紙領域への赤外光入射量を減らし、定着部材の非通紙領域の温度上昇を抑制する。しかしながら、効果を発揮するためには、第2反射板と調光ミラー、及び調光ミラーの透過率を可変にするための電圧調整回路と制御ロジックが必要となり、簡易な構成によって非通紙領域の温度上昇を抑制できていない。
本発明の課題は、定着ベルトや定着ローラのような加熱回転体への加熱効率を損なうことなく、加熱回転体の温度上昇の抑制を簡易な構成により実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、加熱回転体と、前記加熱回転体と対向して定着ニップを形成する加圧回転体と、前記加熱回転体の内部に配置された加熱手段と、前記加熱回転体の内部に配置され前記加熱手段の熱を反射する反射部材とを有する定着装置において、前記加熱回転体の内周側は伝熱部材により摺接され、
温度に応じて形状変化する形状変化部が前記反射部材の反射面の所定位置に配置され、前記加熱回転体に摺接する前記伝熱部材の摺接部と形状変化する前記形状変化部の先端部とは金属材料の介在部を介して熱伝導し、前記形状変化部の形状変化によって前記加熱手段の熱の方向を変えるようにする。
温度に応じて形状変化する形状変化部材が反射部材の反射面の所定位置に配置され、その形状変化によって加熱手段の熱の反射方向を変えるので、加熱回転体への加熱効率を損なうことなく、加熱回転体の温度上昇の抑制を達成することができる。
実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。 基本的な定着装置の主要構成部の概念図である。 基本的な定着装置の定着ベルト側の幅方向における概念断面図である。 定着ベルト表面の通紙領域と非通紙領域における印刷枚数に対する温度変化を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係る定着装置の主要構成部の図2に対応する概念図である。 図5の定着装置の図3に対応する概念断面図である。 形状変化部材が高温になった場合の形状変化を説明する図である。 本発明の別の実施の形態に係る定着装置の主要構成部の図6に対応する概念断面図である。 通紙領域が狭まった場合で形状変化部材が高温になった場合の形状変化を説明する概念断面図である。 通紙領域が更に狭まった場合で、形状変化部材が高温になった場合の形状変化を説明する概念断面図である。 本発明の更に別の実施の形態に係る定着装置におけるヒータ、反射部材、2種類の形状変化部材の関係を示す概略的な部分斜視図である。
図1のタンデム方式のカラー画像形成装置において、モノクロ用のブラック、カラー3色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン)の各プロセスカートリッジ102a〜dは、装置本体100に着脱自在に装着されている。また装置本体100内には、露光手段103、転写ローラ101a〜d(特に必要がなければ、以下では単に転写ローラ101と言う)、給紙トレイ104、定着装置200等が配設されている。
プロセスカートリッジ102a〜dが装置本体100の所定位置にセットされ、感光体108a〜d(特に必要がなければ、以下では単に感光体108と言う)は、円筒形の感光体ドラムであり、所定の線速で回転している。感光体108の表面には帯電手段であるローラ状の帯電器110が圧接し、感光体108の回転により従動回転しており、不図示の高圧電源によりDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加され、感光体108は一様にほぼ均一な表面電位に帯電される。
続いて感光体108は潜像形成手段である露光手段103により画像情報が露光され、静電潜像がその表面に形成される。この露光工程はレーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLED等で行われる。初期的にトナーが収納された現像手段111は、不図示の高圧電源から供給される所定の現像バイアスによって、感光体108の静電潜像をトナー像として顕像化する。プロセスカートリッジ102a〜dは並列に4個配設され、フルカラー画像形成時はブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順で可視像を形成される。
感光体108に接する転写ベルト120は、駆動ローラ122、転写ローラ101、テンションローラ121にて張架され、不図示の駆動モータにより駆動ローラ122を介して回転駆動されるようになっている。感光体108に対向配置される各転写ローラ101の位置で1次転写部が形成され、不図示の単独の高圧電源から供給される転写バイアス+400〜+2500Vを印加させ、転写電界を形成する。各感光体108上のトナー像は、1次転写部で転写ベルト120に順次転移され、フルカラー像が形成される。なお、テンションローラ121の両端にて、不図示のばねによりベルト張力が与えられている。またトナーマークセンサ(TMセンサ)124は、正反射型や拡散型センサによって転写ベルト120上のトナー像濃度、各色位置測定を行い、画像濃度や色合わせを調整する。
記録媒体である用紙は、給紙トレイ104に保持され、給紙ローラ105によって、レジストローラ対107まで搬送される。しかる後、感光体108上のトナー像先端部が駆動ローラ122と2次転写ローラ123で成る2次転写部に到達するタイミングに合わせて給紙され、2次転写部に入っていく。転写ベルト120上に形成されたフルカラー像を2次転写された用紙は、その後、定着装置200によって熱と圧力により定着処理を施され、排紙ローラ対109によって装置外へ排紙される。また、転写後に感光体108や転写ベルト120上に残留した転写残トナーは不図示のクリーニング手段によって回収され破棄される。なお、感光体108にクリーニング手段を付設せず、現像手段111で転写残トナーを回収するクリーナレス方式もあり、本画像形成装置では種々公知のクリーニング手段を採用可能である。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
本発明に係る定着装置の前提となる基本的な定着装置は、図2に示すように、加圧ローラ201、定着ベルト202、ヒータ204、伝熱部材203、ニップ形成部材205、補強部材206(支持部材)を備えて構成される。更に、温度センサ207、加圧ローラ201を定着ベルト202、ニップ形成部材205に圧接するための圧接機構208、209、不図示の第1ステー、第2ステー、シート状部材(シール部材)等を有する。
加圧回転体としての加圧ローラ201は、直径が20〜40mm程度であって、中空構造の芯金上に弾性層を形成したものである。加圧ローラ201の弾性層は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。 なお、弾性層の表面にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ201は、ニップ形成部材205に内周面側から支えられた定着ベルト202に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。加圧ローラ201の端部には不図示の駆動ギヤが設置されていて、加圧ローラ201は図2の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ201の内部にハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
加熱回転体としての定着ベルト202は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2の矢印方向(反時計方向)に回転走行する。定着ベルト202は、内周面(ニップ形成部材205との摺接面である)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層され、その全体の厚さが500μm以下に設定されている。定着ベルト202の基材層は、層厚が30〜100μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。定着ベルト202の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、定着ニップ部における定着ベルト202表面の微小な凹凸が形成されなくなり、用紙上のトナー像に均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。定着ベルト202の離型層は、層厚が5〜50μmであって、PFA、PTFE、PI、PAI、PEI、PES、PEEK等の材料で形成されている。また、定着ベルト202の直径は15〜120mmになるように設定され、本実施形態では30mm程度の直径に設定されている。
定着ベルト202の内部(内周側)には、伝熱部材203、加熱手段(熱源)としてのヒータ204、ニップ形成部材205、補強部材206、不図示の第1ステー、第2ステー、シート状部材等が固設されている。ヒータ204には、ハロゲンヒータやカーボンヒータを用いることができる。また、ニップ形成部材205は、定着ベルト202の内周面に摺接するように固設(固定)され、定着ベルト202を介して加圧ローラ201と圧接することで、用紙を定着搬送するニップ部を形成する。また、伝熱部材203と定着ベルト202とが摺接しても定着ベルト202の磨耗が軽減されるよう、双方の部材の間にはフッ素グリス、シリコーンオイル等の潤滑剤が塗布される場合もある。不図示のシート状部材の摺動性が高い場合は潤滑剤を用いない構成でもよい。
伝熱部材203は、その断面で見て円形の一部を切り落としたような形状であり、ニップ部以外の箇所で定着ベルト202に近接若しくは接触するように形成され、ニップ部の位置では、内方に凹状に開口部が形成された凹部となっている。図示の例では、温度センサ207からニップ部、及びニップ部のベルト移動方向下流側(図2における定着ニップの上部)にある伝熱部材203のエッジ部によって、ベルトの張架が実現している。常温時における定着ベルト202と伝熱部材203とのギャップ(定着ニップ部を除く部分のギャップ)は、0mmより大きく2mm以下とすることが好ましい。これにより、伝熱部材203と定着ベルト202とが摺接する面積が大きくなって、定着ベルト202の磨耗が促進する不具合を抑止でき、伝熱部材203と定着ベルト202とが離れ過ぎて定着ベルト202の加熱効率が低下する不具合も抑止できる。更に、伝熱部材203を定着ベルト202に近設することで、可撓性を有する定着ベルト202の円形姿勢が或る程度維持され、定着ベルト202の変形による劣化・破損を軽減することができる。また、伝熱部材203と定着ベルト202との摺動抵抗を低下させるために、伝熱部材203の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、定着ベルト202の内周面にフッ素を含む材料からなる表面層を形成したりすることもできる。また、加熱源からの熱を定着ベルト202に均一に伝達し、且つ駆動時の定着ベルト202の走行安定性を確保する手段が別途用意されている場合には、伝熱部材203を有さず、定着ベルト202を直接加熱する方式の定着器を構成することも可能である。その場合は、定着器全体としての熱容量のうち、伝熱部材203の熱容量が排除され、より昇温性能や省エネ性能に優れた定着器を構成できる利点がある。
伝熱部材203は、装置本体の不図示の電源部により出力制御されたヒータ204の輻射熱によって加熱される。輻射熱は反射部材210によって、伝熱部材203の一部(図2の下側)のみを加熱し、その部分に接触若しくは近接する定着ベルト202を間接的に加熱する。伝熱部材203の材料は、アルミニウム、鉄、ステンレス等の熱伝導性に優れた金属である。伝熱部材203の肉厚を0.2mm以下に設定することで、定着ベルト202の加熱効率を向上することができる。
なお、ヒータ204の出力制御は、定着ベルト202表面に対向するサーミスタ等の温度センサ207による定着ベルト表面温度の検知結果に基いて行われる。このようなヒータ204の出力制御によって、定着ベルト202の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
以下、上述のように構成された定着装置の、通常時の動作について簡単に説明する。装置本体の電源スイッチ(図示せず)が投入されると、ヒータ204に電力が供給されるとともに、加圧ローラ201の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ201との摩擦力によって、定着ベルト202も従動回転する。
その後、給紙トレイ104から用紙が給送されて、2次転写ローラ123の位置で、用紙上に未定着のカラー画像が担持(2次転写)される。未定着画像(トナー像)を担持した用紙が、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印方向に搬送されて、定着ニップ部に送入される。
そして、伝熱部材203を介してヒータ204によって加熱された定着ベルト202による加熱と、補強部材206によって支持されたニップ形成部材205と加圧ローラ201との押圧挟持とによって、用紙表面にトナー像が定着される。こうして、定着装置における、一連の定着プロセスが完了し、その後、ニップ部から送出された用紙は、図2における定着ニップ上方へ搬送される。
図3は、定着装置の定着ベルト側の幅方向における断面を示している。図4は、通紙領域と通紙領域の外側(非通紙領域)での定着ベルト表面の、印刷枚数に対する温度変化を示している。通紙領域は、印刷に使用する用紙の幅に対応するもので、定着装置の最大通紙幅から最小通紙幅まで複数存在し得る。通紙領域の定着ベルト表面温度は設定された温度付近で制御される。一方、ヒータが複数の用紙幅に対応して配置設定されていない限り、非通紙領域の定着ベルト表面温度は、用紙による脱熱がないため印刷枚数が増えるほど上昇し、ヒータ204の加熱量と定着ベルト表面の放熱量が釣り合った温度で飽和する。しかし、定着ベルト表面温度が飽和するまでの間に、定着ベルトを含め、定着ベルトの内側に配置されている各部材の耐熱温度を上回った場合、定着装置の破損、発煙、もしくは寿命低下が発生する。
また、例えば100mm幅の用紙を100枚程度通紙して、非通紙領域の温度が過度に高温の状態となった後に、続けて210mm幅の用紙を通紙することを想定する。この場合、100mm幅用紙通紙時の非通紙領域温度が高すぎ、210mm幅用紙の左右端部で過度にトナーを溶融させてしまい、ホットオフセット等の画質異常を発生する。
図5、図6に、本発明の一実施の形態に係る定着装置の主要構成部を示す。その構成は、図2、図3に示した従来の定着装置と比べ、形状変化部材301が反射部材210の反射面における所定位置たる幅方向両端部に配置され、その形状変化部材301が、介在部材300を介して、伝熱部材203と物理的に接触している点で相違する。他の点は同じであるので、それらの構成については、図2、図3に関する説明に譲り、ここでは、形状変化部材301や介在部材300について、説明する。
介在部材300は熱伝導性の良い金属(アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等)を材料としており、その形状は、板状、フィルム状、ブラシ状等、適宜に設定することができる。このような熱伝導性の良い介在部材300によって、伝熱部材203と形状変化部材301の温度は平衡状態に保たれる。
一方、反射部材210の幅方向両端部で、定着装置の幅方向中心から対称的な位置に夫々配置された形状変化部材301は、バイメタルや形状記憶合金等、部材の温度に応じて形状が可逆的に変化する材料を板状に形成したものである。形状変化部材301の表面はアルミニウム蒸着等で鏡面加工され、反射部材210と同程度の反射率(その差異は例えば±5%以内)が確保されている。これによって、非通紙領域の温度上昇が発生していない場合の幅方向での反射ムラをなくし、加熱効率が損なわれないようになっている。形状変化部材301の一辺は、介在部材300と共に、耐熱性の接着剤によって、反射部材210に固定されており、形状変化部材301の形状変化は反射部材210との接着部を支点として、形状変化する。反射部材210上への形状変化部材301や介在部材300の固定は、接着剤に限られず、カシメ部材やネジ締結等、適宜の手段を用いて行うことが可能である。
ヒータ204は伝熱部材203と反射部材210の間に配置されており、ヒータ204から放射される輻射熱は無指向性であるため、ヒータ204の幅方向/長手方向を中心軸として全周に放射される。反射部材210や形状変化部材301の配置されている方向に放射された輻射熱は、反射部材210と形状変化部材301によって、ヒータ204を挟んで対向する伝熱部材203の方に反射される。ヒータ204から伝熱部材203に直接放射された輻射熱と、反射部材210および形状変化部材301での反射を経て伝熱部材203に伝わる輻射熱とによって、伝熱部材203が加熱される。加熱された伝熱部材203から定着ベルト202へ伝熱し、用紙表面のトナーを適切に溶融・定着させる。
用紙が連続して通紙された場合、定着ベルト202の非通紙領域の表面温度は、図4に示すように上昇していく。定着ベルト202の非通紙領域の表面温度が高温の場合、その内側に接触している伝熱部材203の温度も同じく高温状態にあり、伝熱部材203から介在部材300を介して熱平衡状態である形状変化部材301も高温状態となる。非通紙領域の形状変化部材301の温度が所定温度に達すると、図7に示すように形状が変化し、ヒータ204から形状変化部材301に放射された輻射熱は幅方向外方に反射され、即ち、反射方向を変え、伝熱部材203の非通紙領域へ伝えられる熱量が減少する。したがって、連続通紙時の伝熱部材203の温度上昇が抑制され、定着ベルト202の表面温度も抑制される。形状変化部材301によって幅方向外側へ反射された輻射熱は、定着装置の両端部方向へ向けられる。定着装置の両端部は、外部へ開放されており、ヒータ204により加熱されにくいため、形状変化部材301によって反射された輻射熱が照射されても、過度に温度上昇することはなく、非通紙領域への輻射熱を安全に拡散させることができる。形状変化部材301が高温になった場合、図7とは逆に、通紙領域側へ熱を伝えるように、形状変化させることも考えられる。通紙領域の温度制御は温度センサ207によって実行され、通紙領域が過度に温度上昇することもなく、加熱効率の点でも有効である。
図8に、本発明の別の実施の形態に係る定着装置の主要構成部を示す。その構成は、図5〜7に示した定着装置と比べて、形状変化部材301が反射部材210の幅方向両端部で左右対称な位置に夫々2つ配置されている点で相違するだけで、他の点は同じである。このように形状変化部材の数を増やすことで、図9のように通紙領域Aに相当する通紙幅aの用紙を連続通紙した際は、通紙領域Aの外側に位置する形状変化部材のみが形状変化して、通紙幅aの場合の非通紙領域の温度上昇を抑制する。また、図10のように通紙幅aよりも狭い通紙領域Bに相当する通紙幅bの用紙を連続通紙した際は、通紙領域Bの外側にある全ての形状変化部材が形状変化し、通紙幅bの場合の非通紙領域の温度上昇を抑制できる。形状変化部材の大きさや、配置する形状変化部材の数及び夫々の形状変化部材の間の間隔を適程設定すれば、多様な用紙サイズに対して、連続通紙時の非通紙領域の温度上昇を抑制できる。
最後に、本発明の更に別の実施の形態を説明する。この実施の形態では、同じ加温状況下で異なる形状変化を示す2種類以上の形状変化部材を用いる。図11は、ヒータ204、反射部材210、第1の形状変化部材301及び第2の形状変化部材302の配置を示した概念的な部分斜視図である。ヒータ204の長手方向に直交する方向において、第1の形状変化部材301の外側に隣接するように、同じ加温状況下で第1の形状変化部材301よりも大きく形状変化する第2の形状変化部材302が追加されている。形状変化部材の温度が所定温度に達すると、形状変化部材301、302が形状変化し、ヒータ204の全周から放射される輻射熱のうち、角度にして180度以上の範囲で、形状変化部材301、302でカバーされるよう設定することが可能である。ヒータ204から不図示の伝熱部材203への輻射熱の照射量を、先の実施の形態に比べて更に減らすことができ、非通紙領域の温度上昇抑制効果を一段と高めることができる。
202 定着ベルト
203 伝熱部材
204 ヒータ
210 反射部材
300 介在部材
301 形状変化部材
特開平3−192287号公報 特開平8−152797号公報 特開2009−217039号公報 特許第5201357号公報

Claims (10)

  1. 加熱回転体と、前記加熱回転体と対向して定着ニップを形成する加圧回転体と、前記加熱回転体の内部に配置された加熱手段と、前記加熱回転体の内部に配置され前記加熱手段の熱を反射する反射部材とを有する定着装置において、
    前記加熱回転体の内周側は伝熱部材により摺接され、
    温度に応じて形状変化する形状変化部が前記反射部材の反射面の所定位置に配置され、
    前記加熱回転体に摺接する前記伝熱部材の摺接部と形状変化する前記形状変化部の先端部とは金属材料の介在部を介して熱伝導し、
    前記形状変化部の形状変化によって前記加熱手段の熱の方向を変えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記形状変化部の表面が鏡面加工されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記形状変化部は、加熱されると定着装置の幅方向外方へ前記加熱手段の熱を反射するように形状変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記形状変化部は、定着装置の幅方向中心から対称的な位置に夫々配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記形状変化部は、定着装置の幅方向で前記反射部材の両端部に夫々2つ以上配置されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 温度に応じて互いに異なる形状変化を示す第1の形状変化部と第2の形状変化部が備えられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 前記形状変化部は、バイメタル若しくは形状記憶合金から形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記形状変化部は、加熱されて形状変化すると前記加熱手段の全周の180度以上の範囲をカバーすることを特徴とする請求項6又は7に記載の定着装置。
  9. 前記形状変化部と前記反射部材の反射率の差異は±5%以内であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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