JP6349969B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
熱ローラ定着方式の欠点である、ローラ自体の熱容量が大きいことが原因して温度の立ち上がりが悪いという欠点を改善する定着方式には、例えば、特許文献1にあるように、ローラに代えて熱良導体である定着ベルトを用いたベルト定着方式も知られている。
さらに、ベルト定着方式の異なる方式として、定着ベルトに代えて薄片状をなすフィルムとセラミックヒータを用いるフィルム定着方式、あるいはヒータに代えて、例えば、特許文献2にあるように、電磁誘導加熱を用いる電磁誘導加熱定着方式がある。
画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりの通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷を開始した直後に熱量が不足する、いわゆる温度落ち込みが問題となることがあり、高速化した場合の定着不良を起こす問題がある。
これに対し、セラミックヒータを用いたサーフ定着方式と称される定着方式では、ベルト定着方式の定着装置に比べて低熱容量化,小型化が可能となるため、所定温度への立ち上がりやファーストプリント時間の短縮が可能となる反面、次の問題がある。
金属熱伝導体200には、記録紙を挟持搬送可能なニップ部Nを形成するための加圧ローラ400が対向させて当接されている。
この構成では、加圧ローラ400の回転により無端ベルト101が連れ回り、このとき、金属熱伝導体200は無端ベルト101の移動をガイドする。また、金属熱伝導体200内の熱源300により金属熱伝導体200を介して無端ベルト101が加熱されることで、無端ベルト100全体を温めることを可能にしている。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
そこで、例えば、特許文献4にあるように、金属熱伝導体(図12において符号200で示す部材)を無端ベルトとして用い、間接的に加熱するのではなく、無端ベルトを(金属熱伝導体を介さずに)直接加熱する構成が提案されている。
図13に示されている定着装置は、無端ベルト110の内側から上記パイプ状の金属熱伝導体を取り除き、代わりに、加圧ローラ400と対向する位置に板状のニップ形成部材500が設けられている。
この構成では、ニップ形成部材500を配設した箇所以外で無端ベルト110を熱源300によって直接加熱することができるので、伝熱効率が大幅に向上し消費電力が低減する。
これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムをさらに短縮することが可能となる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも期待できる。さらに、この定着装置においては、ニップ形成部材500をステンレス鋼等の支持部材600により支持し、加圧ローラ400の加圧力に対するニップ形成部材500の強度を高めている。
このようなヒータは、記録紙の幅方向中央および端部の2箇所での定着ベルト表面温度検知に基づきヒータの熱量制御が行われる
以上のように特許文献5にあるような構造を備えたヒータや定着温度の制御により加熱待機時からファーストプリントタイムをさらに短縮することが期待できる。
この構成では、定着ベルトの内面と熱源との間に記録紙の幅方向に移動可能な遮蔽板を設け、記録紙のサイズに応じて遮蔽板を上記幅方向に移動させて熱源からの輻射熱の照射領域を制御することができる。
例えば、商用電源を挙げると、日本では100Vであり、米国では、110〜120V程度であり、欧州では220〜240Vである。
異なる電圧を対象として定着温度を一定化するには、電圧と電流の積で求められる電力の関係から、電流値に影響する要因である、ヒータに用いられるフィラメントの線径を変更することになる。ちなみに、定着温度に影響する電力はデューティ制御を用いたヒータのオン/オフタイミングを設定することで通電時間に応じて決定される。
例えば、電圧帯が220〜240Vを対象とする場合には、100Vを対象とするフィラメントの線径と比較してほぼ半分の線径が選択されることになる。
線径が異なるヒータ線を用いる場合には、次の問題が生じる虞がある。
つまり、幅方向中央および幅方向両端部をそれぞれ個別に加熱するヒータの場合、記録紙の幅方向両端を対象とする発熱部を用いる場合に記録紙幅方向中央での発熱を抑えることが必要となる。この部分での発熱を抑えるには、端部を対象とする発熱部同士を接続するヒータ線、つまり幅方向中央で延長されているヒータ線に対して発熱抑止部材を設ける場合がある。
発熱抑止部材を設けるには、幅方向中央で延長されているヒータ線の強度が要求される。
このため、発熱を望まない幅方向中央で発熱が起こることになり、周辺部への異常な温度上昇を招く原因となる。
定着ベルトの周回径を小さくすることにより、反射部材とヒータとの距離が狭くなり、反射部材の温度も上昇しやすくなる。反射部材全体での温度上昇が生じると、反射部材の反射面の温度も上昇することとなり、この温度上昇によって反射面が曇るという現象が発生する。この現象は、反射面に蒸着されている材料が熱により酸化してしまうことが原因となって発生する。
定着ベルトでの通紙範囲に応じて発熱領域を異ならせるヒータを個別に設けたヒータを用いる場合であっても、発熱部を構成するフィラメント同士が電気的接続されていることから、その接続部でも発熱することによって通紙領域以外でも温度上昇を来す。
通紙領域以外での温度上昇も反射面での温度上昇を促進することとなり、結果として、上述した反射面の曇りが発生しやすくなる。
反射面の曇りが発生すると、反射面での反射効率の低下による温度上昇が緩慢となり、加熱待機時からのファーストプリントタイムの短縮が期待できなくなる。
また、反射部材の温度上昇はこれを支持している部材への伝熱を生じ、支持部材によって支持されている周辺部材への熱的悪影響も生じる。
このため、遮蔽部材により輻射熱を遮蔽されない周辺部での温度が異常昇温することがある。
例えば、特許文献6に開示されている遮蔽板と、特許文献7に開示されている反射部材とを組み合わせることもできる。
この構成では、熱源からの輻射熱を反射させて定着ベルトに伝播させるために設けられている反射部材の一部に遮蔽板が移動できない位置を遮蔽する遮蔽部を設けることが考えられる。
この構成では、遮蔽部が反射部材の本体と違って支持部材に直接接触していないことになる。
このため、遮蔽部材が移動を制約されて僅かながらでも隙間が生じていると、その隙間から照射される熱が遮蔽部に達すると、遮蔽部の温度が上昇し、反射部材全体での温度上昇に加えて支持部材の温度も上昇することになる。
反射部材全体での温度上昇が生じると、反射部材の反射面の温度も上昇することとなり、上述したように、温度上昇によって反射面が曇るという現象が発生する。
通紙領域以外での温度上昇は、遮蔽部にも影響し、遮蔽部の反射面での温度上昇を促進することとなり、結果として、上述した反射面の曇りが発生しやすくなる。
加えて、反射部材での温度上昇は、これを支持している部材への伝熱を生じ、支持部材によって支持されている周辺部材への熱的悪影響も生じる。支持部材での温度上昇は、支持部材の支持状態が変化する虞があり、反射部材の反射位置決めに関する精度が狂うことや定着ニップの維持が困難となることにも繋がる。
前記加熱源は、前記記録媒体の幅方向中央を対象として輻射熱を用いて加熱する第1のヒータおよび前記幅方向端部を対象として輻射熱を用いて加熱する第2のヒータであり、前記第1のヒータおよび前記第2のヒータの発熱部への給電電路には、該給電電路での発熱を抑制する発熱抑制部材が配置され、当該加熱源と対向して前記定着ベルトの通紙領域外への加熱を遮断する位置に移動可能な遮光部材が設けられ、前記反射部材は、前記支持部材に支持され、前記反射部材は、前記第1のヒータの前記発熱抑制部材が配置された箇所に対向して配置された遮蔽部を有し、前記遮光部材が、前記第1のヒータに最も接近したときに、前記遮光部材の先端と、前記遮蔽部とは非接触且つ前記定着ベルトの断面方向において重複しない。
図1は、本発明の形態に係る定着装置の一例が適用される画像形成装置の一つであるカラープリンタを示している。なお、本発明は、画像形成装置としてプリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機さらにはこれら各機能を複合させた装置を含むものである。
図1において、画像形成装置1は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム120Y、120C、120M、120BKを並設したタンデム構造が採用されている。
その後、重畳転写画像が、記録シートなどが用いられる転写紙Sに対して2次転写行程を実行することで一括転写されるようになっている。
感光体ドラム120BKの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30BK,現像装置40BK、1次転写ローラ12BKおよびクリーニング装置50BKが配置されている。帯電後に行われる書き込みは、後述するように、光走査装置8が用いられる。
各感光体ドラム感光体ドラム120Y、120C、120M、120BKは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
光走査装置8は、各感光体ドラム120Y,120C,120M,120BKに対して色毎に対応した書き込み光Lb(図1では、便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である)を出射する。これにより、感光体ドラム120Y,120C,120M,120BKに静電潜像が形成される。
2次転写において重畳転写された画像を一括転写される記録紙Pを給送するシート給送装置61と、シート給送装置61から繰り出された記録紙Pのレジストタイミングを設定して2次転写位置に繰り出すレジストローラ対4である。さらに加えて、記録紙Pの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサが設けられている。
回転可能な無端状の定着部材としての可撓性定着ベルト(以下、便宜上、定着ベルト21という)と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた対向回転体である加圧ローラ22と、ニップ部N以外の箇所で定着ベルト21の加熱源であるヒータ23である。
図3においてヒータ23は、記録紙Pの移動方向と直交する幅方向において第1のヒータである中央加熱ヒータ23aと、これとは別の第2のヒータである端部加熱ヒータ23bを備えている。
第1のヒータである中央加熱ヒータ23aは、用紙Pの幅方向中央を対象として輻射熱を用いて加熱する部分ヒータである。
図3(A)において、第2のヒータである端部加熱ヒータ23bは、第1のヒータである中央加熱ヒータ23aとは別に設けられて輻射熱を用いた加熱が可能な部分ヒータである。
特に、幅方向中央を対象として加熱する部分ヒータである第1のヒータ23aは、幅方向中央での配光分布(配熱分布)が端部よりも高くなるようにされている。
各ヒータ部を構成するフィラメント部には、給電電路としての線材が接続されている。
このような構成のヒータを対象とした場合、図3(A)に示すように、各ヒータ23a、23bでは、用紙の幅方向中央部での捲き回し部および幅方向両端部での捲き回し部が殆どなく、この部分での発光が殆どない中央加熱ヒータ23aおよび端部加熱ヒータ23bとして用いられている。
上述したように、ヒータ線径が太い場合には、比較的強度もある。
そこで、発光させたくない部分であるヒータの発熱部への給電電路に、発熱抑止部材としてのタングステンロッドTRが装填されている。このように線材によりタングステンロッドTRを支持させることで発熱を抑え、通紙領域外での発熱損失を防ぐようになっている。
タングステンロッドTRは、中央加熱ヒータ23aを対象とする場合、発熱部に繋がれる両側に位置する給電電路に装填され、端部加熱ヒータ23bを対象とする場合、端部の発熱部同士を繋ぐ位置の給電電路に装填されている。
図3(B)において、第1のヒータである中央加熱ヒータ23aは、用紙Pの幅方向中央を対象として輻射熱を用いて加熱する部分ヒータである。
図3(B)において、第2のヒータである端部加熱ヒータ23bは、第1のヒータである中央加熱ヒータ23aとは別に設けられて輻射熱を用いた加熱が可能な部分ヒータである。
幅方向中央と幅方向両端を対象とする場合には、発熱してほしくない部分との間で配光率や配熱分布を異ならせる。特に、幅方向中央を対象として加熱する部分ヒータである第1のヒータに用いられる中央加熱ヒータ23aは、幅方向中央での配光分布(配熱分布)が端部よりも高められている。
各ヒータ部を構成するフィラメント部には、給電電路としての線材が接続されている。
定着ベルト21には、次に挙げる材料により基材およびこれの外周側に離型層が構成されている。
基材には、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料が用いられている。離型層には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。
温度センサ27は、図11に示すように、ヒータ23における用紙幅方向中央および端部の一方を対象として定着ベルト21の表面温度を検知する。
反射部材26は、反射面として表面にアルミニウムやステンレス(SUS)などが用いられてステー25とハロゲンヒータ23との間に配置されている。図2に示す構成では、反射部材26がニップ形成部材24を支持しているステー25に固定されている。
また、反射部材26は、ヒータ23によって直接加熱されるため、高融点の金属材料等で形成されることが望ましい。このように反射部材26を配設していることにより、ヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。なお、反射部材26は、材料そのものの表面特性を用いる代わりに表面に上述したアルミニウムなどを蒸着処理して反射面とすることも可能である。
図5において、この構成における特徴は、反射部材26の遮蔽部26aに対するヒータ23側での発熱抑制機能にある。
反射部材26は、図6に示すように、ヒータ23の長手方向において記録紙幅方向の中央側で少なくとも最小通紙サイズと同等か若しくは最小通紙サイズより外側に至る範囲を遮蔽する遮蔽部26aが設けられている。
遮蔽部26aは、図5において符号Gで示すヒータ23からの照射領域に対して符号G1で示す遮蔽領域を設定する部材であり、装置の小型化によりヒータ23を所定位置で覆うことができない時に発生するヒータ23からの熱の照射を遮る機能を持つ。
ヒータ23では、中央加熱ヒータ23aおよび端部加熱ヒータ23bにおいて発熱部以外の線材の位置に発熱抑制部材のタングステンロッドTR(図3参照)が配置されているので、タングステンロッドTRが配置されている箇所での発熱が抑制されることになる。
これにより、ヒータ23における発熱部以外に位置する箇所での温度上昇が抑えられ、発熱部以外の箇所に位置する遮蔽部26aでの異常昇温が抑制されることになる。しかも、タングステンロッドTRが配置されている箇所であっても発熱が抑制できない範囲は遮蔽部26aにて異常昇温が抑制できる。
この結果、遮蔽部26aでの昇温が原因する反射面での酸化を防止して反射率が低下するのを防止することが可能となる。しかも、加熱が必要でない部分への過昇温も防止することが可能となる。このように反射率の低下が抑えられると共に通紙領域では発熱部からの熱が有効に与えられることにより、定着ベルト21に対する反射効率が維持されて加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができる。
図7に示す定着装置20は、定着ベルト21における移動方向と直角な方向に相当する幅方向において通紙領域外でヒータ23からステー25に向けて光が照射される位置に、加熱を遮断する位置に移動可能な遮光部材100が設けられている。
この遮光部材100は、加熱源近傍に相当するヒータ23の近傍の裏面に対応させて配置されている。
遮光部材100は、図8の展開図に示すように、通紙される用紙の幅に対応する開口面積を有する段付き形状とされている。
図8に示す遮光部材100に用いられる開口面積は、日本で多用されるハガキサイズ、B4サイズ、A3サイズ及びこれら各開口面積を超えたSRA3サイズに対応させてある。
この場合にいうハガキサイズは、遮光部材100により通紙領域外への加熱を遮蔽される際の最小サイズの対象となっている。
図9は、遮光部材100の使用状態を示しており、図9(A)では、A3サイズの用紙を対象とする場合が、そして図9(B)では、ハガキサイズの用紙を対象とする場合が示されている。なお、図9において矢印は、遮光部材100の移動方向を示している。
図9(A)においては、ヒータ23に対する開口面積が大きい段部が対向するように遮光部材100が定着ベルト21の周回方向とは逆の方向に移動する。また図9(B)においては、ヒータ23に対する開口面積が小さい段部が対向するように遮光部材100が定着ベルト21の周回方向に沿って移動する。
図9に示す状態では、反射部材26において反射する光がその開口面積に応じて通紙領域での照射領域とされる。
反射部材26と遮光部材100との構成上の関係は、次の通りである。
反射部材26の遮蔽部26aは、図10(A)に示されている、ハガキサイズ〜A3サイズに対応する開口面積を有した段付き形状部を備えた遮光部材100の長さS1に対し、図6において符号Sで示すように、その長さS1を覆うことができる長さを持たせてある。なお、遮光部材100の開口数は、使用される用紙サイズの種類に合わせることができる。例えば、図10(B)の場合には、図10(A)に示した開口のうちでハガキサイズを対象としない数の開口を持つ段部が形成されている場合が示されている。
反射部材26の遮蔽部26aが遮光部材100の長さS1を覆う長さSを持つことにより、図11に示すように、定着ベルト21の端部など、加熱が必要ない範囲に輻射熱が漏れて過昇温となるのを防止できる。
同図に示した遮光部材100は、段付き形状部のうちでA3サイズの開口面積を有する段部をヒータ23に対向させるように、図9で説明したと同様に周回移動する。
この場合にいう、遮光部材100の移動位置が限定されることの意味は次の通りである。
遮光部材100は、図9(B)に示すように、ハガキサイズを対象としたときが最も周回方向での移動量が多くなる。このとき、周回方向での移動方向先端が所定位置に達していないと、ヒータ23からの熱が所定位置との間の隙間から定着ベルト21に向け照射されるが、遮蔽部26aは、この隙間から照射される熱の漏出を遮蔽する。
周回方向での移動方向先端が所定位置に達しない原因の一つに、装置の小型化による周回移動路と周辺部材の取り付け位置との干渉などがある。このような現象に対し、図6に示す構成では、遮蔽部26aが遮光部材100の周回方向での移動方向先端に生じる隙間を遮蔽する部分として用いられる。これにより、発熱部以外での定着ベルト21の異常な温度上昇を防止して定着ベルト21の温度分布が一様とならなくなるのを抑制または防止できる。
ヒータ23では、中央加熱ヒータ23aおよび端部加熱ヒータ23bにおいて発熱部以外の線材の位置にタングステンロッドTR(図3参照)が配置されているので、タングステンロッドTRが配置されている箇所での発熱が抑制されることになる。
これにより、周回移動可能な遮光部材100の周回方向先端が所定位置に規定されていない場合でも、その位置ずれにより生じる隙間を遮蔽部26aによって遮蔽することができるので、隙間から定着ベルト21に向けて漏洩しようとする熱を遮断できる。
また、最小サイズとして用いられるハガキサイズを対象とした場合には、遮光部材100による熱の遮断に加えて、中央加熱ヒータ23aのみによる加熱が行われる。このとき、ヒータ23a内での発熱抑止部材の配置により、殆ど中央部のみの発熱が可能となる。これにより、ハガキのような特殊な厚さの用紙を対象とした場合に、定着温度をA3サイズの場合よりも下げて定着時間を長くした場合でも、必要な箇所のみへの加熱により定着効率を低下させることがない。
図9には、最大長さとして用いられるA3サイズを対象として定着する場合が示されている。
同図において、遮光部材100は、段付き形状部のうちでSRA3サイズの開口面積を有する形状部をヒータ23に対向させるように周回移動する(周回移動方向は図9中の矢印で示す方向)。
このとき、ヒータ23では、中央加熱ヒータ23aおよび端部加熱ヒータ23bの両方が発熱を開始する。定着ベルト21での加熱領域および遮光領域での温度は、温度センサ27により監視される。
これにより、ヒータ23における発熱部以外に位置する箇所での温度上昇が抑えられることにより、発熱部以外の箇所に位置する遮蔽部26aでの異常昇温が抑制されることになる。
また、最小サイズとして用いられるハガキサイズを対象とした場合には、遮光部材100による熱の遮断に加えて、中央加熱ヒータ23aのみによる加熱が行われる。このとき、ヒータ23a内での発熱抑止部材であるタングステンロッドTRの配置により、殆ど中央部のみの発熱が可能となる。これにより、ハガキのような特殊な厚さの用紙を対象とした場合に、定着温度をA4版サイズの場合よりも下げて定着時間を長くした場合でも、必要な箇所のみへの加熱により定着効率を低下させることがない。
この結果、遮蔽部26aでの昇温が原因する反射面での酸化を防止して反射率が低下するのを防止することが可能となる。このように反射率の低下が抑えられると共に通紙領域では発熱部からの熱が有効に与えられることにより、定着ベルト21に対する反射効率が維持されて加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
20 定着装置
21 定着部材
22 対向回転体
23 加熱源
23a 第1のヒータ
23b 第2のヒータ
24 ニップ形成部材
25 支持部材
26 反射部材
26a 遮蔽部
26b 幅方向中央
100 遮光部材
N ニップ部
P 記録媒体
Claims (9)
- 回転可能な無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトの内側に配置されるニップ形成部材と、
前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体と、
前記定着ベルトの軸方向中央部において、前記ニップ部以外の箇所で前記定着ベルトと直接対向する加熱源と、
前記ニップ形成部材を支持する支持部材と、
前記加熱源と前記ニップ形成部材との間で前記定着ベルトの移動方向と直角な方向に延長されて該加熱源の裏面に放射される熱を前記定着ベルトに向け反射させる反射部材と、を備え、前記ニップ部に、未定着画像を担持した記録媒体を搬送して、当該記録媒体に未定着画像を定着する定着装置であって、
前記加熱源は、前記記録媒体の幅方向中央を対象として輻射熱を用いて加熱する第1のヒータおよび前記幅方向端部を対象として輻射熱を用いて加熱する第2のヒータであり、
前記第1のヒータおよび前記第2のヒータの発熱部への給電電路には、該給電電路での発熱を抑制する発熱抑制部材が配置され、
当該加熱源と対向して前記定着ベルトの通紙領域外への加熱を遮断する位置に移動可能な遮光部材が設けられ、
前記反射部材は、前記支持部材に支持され、
前記反射部材は、前記第1のヒータの前記発熱抑制部材が配置された箇所に対向して配置された遮蔽部を有し、
前記遮光部材が、前記第1のヒータに最も接近したときに、
前記遮光部材の先端と、前記遮蔽部とは非接触且つ前記定着ベルトの断面方向において重複しないことを特徴とする定着装置。 - 前記第2のヒータは、前記記録媒体の幅方向全域を対象として発熱する部分を有する部分ヒータであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記発熱抑制部材には、前記給電電路内に装填されたタングステンロッドが用いられることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記発熱抑制部材は、前記第1のヒータにおいては発熱部に繋がれる両側に位置する給電電路内に、そして、前記第2のヒータにおいては端部に位置する発熱部同士を繋ぐ位置の給電電路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載の定着装置。
- 前記反射部材の反射面は、蒸着処理された反射面を備えていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記加熱源は、前記記録媒体のサイズおよび坪量に応じて各ヒータの出力を制御されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記遮光部材は、前記記録媒体の幅方向に沿って、前記記録媒体の幅のサイズに対応する開口面積を有する段付き形状部を有し、
前記反射部材の前記遮蔽部は、前記段付き形状部の最大長さを覆うように配置されることを特徴とする請求項1乃至5記載の定着装置。 - 前記遮光部材による通紙領域外への加熱を遮蔽される際の最小サイズがハガキを対象とすることを特徴とする請求項7記載の定着装置。
- 請求項1乃至8のうちのいずれか一つに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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