JP4742165B2 - 定着装置 - Google Patents

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本発明は、複写機・プリンタ等の画像形成装置に具備される、未定着トナー画像を記録材に熱定着させる定着装置(定着器)に関するものである。
定着装置は、ヒートローラ方式のものが一般的に用いられている。またフィルム加熱方式のものも実用に供されている。ヒートローラ方式の定着装置は、金属製のローラの外周に弾性層と離型層とを設けた構成の定着ローラと、定着ローラ内に配置された加熱部材であるヒータとで構成したヒートローラが設けられている。ヒートローラは、略長筒形状で装置本体に回転可能に配置されているとともに、ヒートローラ内のヒータで定着ローラを加熱して定着ローラの表面を定着に必要な定着温度に加熱し、ヒータで加熱された定着ローラによって記録材を加熱できるようになっている。また、ヒートローラに回転可能に配置された加圧ローラを圧接させて定着装置が構成されており、ヒートローラと加圧ローラとの圧接部分(定着ニップ部)に未定着トナー画像が形成された記録材を通過させる。これにより、記録材上の未定着トナー画像を加熱および加圧して記録材上に溶融定着させることができるようになっている。
ヒータは、画像形成装置に設けられた制御手段内の温度制御手段からの駆動信号によりオン/オフが行われてヒータの温度を所定温度に制御できるようになっている。また、ヒートローラの表面には、ヒートローラの温度を検知する温度検知手段としてサーミスタが配置されている。該サーミスタは、ヒートローラの温度変化により変化する抵抗値を検知信号として制御手段へ送信し、サーミスタからの検知信号により制御手段内の温度検知手段がヒータに対する電力供給を制御してヒータの温度を所定温度に制御する。これによりヒートローラを定着に必要な温度となるように制御できるようになっている。このヒートローラ方式の装置では、一般的にローラの熱容量が大きくヒータの加熱駆動からローラが所定温度になるまでに時間かかかるため、画像形成装置の電源投入直後にローラを所定温度に加熱しておく温調を行っている。
一方、フィルム加熱方式の装置は例えば特許文献1〜4等に開示されている。このフィルム加熱方式の装置は、固定支持された加熱部材であるヒータと、ヒータに対抗して配置される耐熱性で熱容量の小さいフィルムとからなるヒータユニットと、ヒータユニットのフィルムの表面に記録材を密着させる加圧部材としての加圧ローラとを備える。熱容量の小さいフィルムを介してヒータが記録材上のトナーを加熱することで、記録材の表面に形成されている未定着トナー画像を加熱定着させるものである。
このフィルム加熱方式の装置によれば、ヒートローラ方式の装置との対比において、待機時の省電力化、及び電源投入から画像出力までの時間短縮を実現することができる。即ち、熱容量の小さいフィルムを介してヒータが記録材を加熱するようになっている。そのため、瞬時に定着に必要な温度までヒータを上昇させることにより、印字開始の指令によってはじめてヒータに電力を供給しても定着に必要な加熱量を記録材に付与することができるようになっている。そのため、ヒートローラ方式の装置で行っている電源投入直後の温調の必要がなく、装置の省電力化等に有利なものとなっている。
また、サーミスタからの検知信号を利用して定着装置の有無やヒータあるいはサーミスタ自身の故障検出を行っている。この装置の有無やサーミスタ等の故障の検知は、ヒータに電力が供給された後に行われている。例えば、上記のフィルム加熱方式の装置では、印字開始の指令によりヒータに電力が供給された後、サーミスタから温度制御手段へ送信される検知信号により行われている。
フィルム加熱方式の定着装置を用いた画像形成装置では、定着部材を回転する前にフィルム内部とヒータ部の間に塗布されている潤滑剤に、一定時間または、所定温度までヒータに電力を与える。これにより、潤滑剤としての機能を持つ温度まで暖め、その後、定着部材を回転しながら定着装置の各部の温度を全体に馴染ませながら、装置を定着可能な所定温度まで上昇させ温調を行っている。
また、ヒータの駆動回路の故障等による過昇温の防止手段として、サーミスタからの温度検知信号により、ヒータへの通電を通電ラインに設けたリレーをオープンにする等の手段を具備させている。また、ヒータへの通電ラインに設けたサーモスイッチによる過昇温防止手段を具備させている。
特開昭63−313182号公報 特開平 2−157878号公報 特開平 4− 44075号公報 特開平 4−204980号公報
ところで、上記のような定着装置において温度制御等のために用いられるサーミスタ等の温度検知手段は発熱部であるヒータ(加熱部材)からの熱伝導および温度検知手段の熱応答(熱容量)がある。そのため、実際のヒータ温度(装置温度)と、温度検知手段からの検知信号による制御手段のヒータ検知温度では大なり小なり検知タイムラグ(遅延)が発生している。
その検知タイムラグは、定着装置の機械的動作部材としての定着部材を回転駆動させている状態時よりも、定着部材を回転駆動させていない状態時の方が大きい。即ち、定着部材を回転駆動させている状態時はヒータの熱が定着装置の各部共に伝わり、温度がゆっくり上昇している。そして、温度検知手段への熱伝導も十分伝わることで、実際のヒータ温度と、温度検知手段からの検知信号による制御手段のヒータ検知温度のタイムラグは比較的小さい。しかし、定着部材を回転駆動させていない状態時はヒータの熱の定着装置の各部への伝わりが遅くて、ヒータおよびヒータ近傍部分のみが急激に温度上昇する現象を生じる。その急激なヒータ温度上昇に、温度検知手段への熱伝導および温度検知手段の熱応答が追い付かず実際のヒータ温度と、温度検知手段からの検知信号による制御手段のヒータ検知温度のタイムラグは前者の場合よりも大きくなる。
そのために、定着部材を回転駆動させていない状態時にヒータに熱暴走が発生した場合におけるヒータシャットオフ動作に上記の大きなタイムラグに対応した遅れが生じる。そして、ヒータシャットオフ動作が実行されるまでの間で定着装置の熱ダメージが大きくなる事態を生じることが考えられる。
即ち、従来は、定着装置の制御手段に設定される異常検知温度レベル(ヒータシャットオフ動作温度)は、定着部材を回転駆動させている状態時において、定着部材等が全体的に熱を受け取り、ヒータだけが局部的に温度が上昇してしまうことは無い。そして、温度検知手段までの熱伝導及び温度検知手段の熱応答を考慮して、問題なくヒータ熱暴走判断を早期に行うことができる過昇温検知レベル値に設定されている。
しかし、ヒータの熱暴走が、例えばフィルム加熱方式の定着装置において定着部材を回転駆動させないでヒータに通電してヒータの外面と定着フィルムの内面との間に塗布されている潤滑剤を暖める行程時において発生すると問題を生じる。即ち、ヒータの熱の定着装置の各部への伝わりが遅いので、ヒータおよびヒータ近傍部分のみが急激に温度上昇する現象を生じる。その急激なヒータ温度上昇に、温度検知手段への熱伝導および温度検知手段の熱応答が追い付かず、実際のヒータ温度と、温度検知手段からの検知信号による制御手段のヒータ検知温度のタイムラグを生じる。そのために、温度検知手段から制御手段に入力したヒータ検知温度が異常検知温度レベルでそれに基づいて制御手段がヒータシャットオフ動作を実行させた時点では、ヒータの実際の温度は既に異常検知温度レベルよりも大幅に高温に過昇温している状態となる。そのため定着装置が熱ダメージを受けてしまう事態を生じ得る。
そこで本発明は、フィルム加熱方式の定着装置において、機械的動作部材としての定着部材等を駆動させない状態時にヒータ(加熱部材)に熱暴走が発生した場合におけるヒータシャットオフ動作の遅れによる熱ダメージを軽減させることを目的とする。
本発明は下記の手段構成を特徴とする定着装置である。
(1)エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記ヒータの温度を検知する温度検知素子と、前記ヒータへ電力供給する給電回路中に設けられているリレーと、を有し、前記温度検知素子の検知温度が所定のヒータシャットオフ温度を越えると前記リレーが作動して前記ヒータへの電力供給を遮断する定着装置において、
前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラが回転している時の前記ヒータシャットオフ温度が定着処理中の前記ヒータの制御目標温度より高く、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラが回転停止している時の前記ヒータシャットオフ温度が回転している時の前記ヒータシャットオフ温度より低く設定されていることを特徴とする定着装置。
(2)前記温度検知素子の検知温度と前記ヒータシャットオフ温度を比較する判断部と、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラを回転させるためのモータを駆動する駆動制御回路へ駆動信号を出力すると共に前記判断部に設定される前記ヒータシャットオフ温度を切り替える温度制御部と、を有し、前記判断部が前記リレーを作動させることを特徴とする(1)に記載の定着装置。
(3)前記温度検知素子の検知温度に対応する電圧と前記ヒータシャットオフ温度に対応する基準電圧を比較するコンパレータと、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラを回転させるためのモータを駆動する駆動制御回路へ出力されるON/OFF信号に応じて前記基準電圧を切り替えるトランジスタと、を有し、前記コンパレータの出力に応じて前記リレーが作動することを特徴とする(1)に記載の定着装置。
本発明によれば、フィルム加熱方式の定着装置において、機械的動作部材としての定着部材等を駆動させない状態時にヒータ(加熱部材)に熱暴走が発生した場合におけるヒータシャットオフ動作の遅れによる熱ダメージを軽減させることができる。
実施例1における画像形成装置の概略構成模型図である。 定着装置の拡大横断面模型図である。 加熱部材としてのセラミックヒータの一例の構成説明図である。 定着装置の動作制御系のブロック図である。 故障検出のフローチャートである。 実施例1における故障検出および保護動作に関わる概略回路図である。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。1はレーザープリンタ本体(以下、プリンタ本体と記す)であり、これに接続された不図示のコンピュータ等のホスト装置から画像データが送られ、記録動作開始の命令により印字動作する。即ち、2は表面に静電潜像を形成する静電潜像担持体としての電子写真感光ドラム(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。その回転過程において、感光ドラム2は、帯電装置3により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、その一様帯電面に露光装置(画像データ変換部)としてのレーザービームスキャナ4による、画像情報パターンに対応したレーザービーム走査露光Lを受ける。これにより回転する感光ドラム2の外周面に走査露光した画像情報パターンに対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像スリーブ5aを有する現像装置5によりトナー像として現像される。
一方、所定の制御タイミングにて給紙部の給紙ローラ10が駆動される。これにより、給紙カセット9内に積載収納の記録材Sが給送され、分離ローラ対11で1枚分離され、シートパスaを通ってレジストローラ12に搬送される。そして、その記録材Sは、感光ドラム2上のトナー像が所定の位置にあることが確認されると、レジストローラ12から、感光ドラム2と転写部材としての転写ローラ6との当接部である転写ニップ部に給紙される。記録材Sは転写ニップ部を挟持搬送されていく間に、転写ローラ6に印加される転写バイアスによって感光ドラム2上のトナー像の静電転写を順次に受ける。
転写ニップ部を出た記録材Sはシートパスbを通って定着装置13へと搬送される。この定着装置13により記録材S上の未定着トナー像が固着像として加熱定着される。本実施例における定着装置13はフィルム加熱方式・加圧ローラ駆動タイプの装置である。この定着装置13については次の(2)項で詳述する。定着装置13を出た記録材Sはシートパスcを通って排出ローラ対14から装置本体1の上面の排紙トレイ15上に排紙される。7は感光ドラム2のクリーニング装置であり、転写材分離後の感光ドラム2の面から転写残トナー等の残留汚染物を除去して感光ドラム面を清掃し、感光ドラム2の繰り返し使用を可能にする。8は装置本体1に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジであり、本例の画像形成装置においては、感光ドラム2、帯電装置3、現像装置5、クリーニング装置7の4つのプロセス機器を包含させてある。40は制御装置(制御基板、制御回路)であり、プリンタ本体1の各作像機器を所定にシーケンス制御する。
(2)定着装置13
図2は定着装置13の拡大横断面模型図である。本例の定着装置13は、特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示の、円筒状(エンドレスベルト状)の定着フィルムを用いた、フィルム加熱方式−加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の加熱装置である。
1)装置の全体的な概略構成
20は定着部材としてのヒータユニット、30は加圧部材としての加圧ローラであり、両者20・30の圧接により通紙方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。ヒータユニット20は図面に垂直方向(通紙方向に交差する方向)を長手とする部材である。ユニット20は、耐熱性・断熱性・剛性を有するフィルムガイド21と、このフィルムガイド21の下面に、該ガイドの長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設した、通電により発熱する加熱部材としてのヒータ22を有する。また、該ヒータ22を取り付けたフィルムガイド21にルーズに外嵌した、回転部材としての円筒状の耐熱性で薄肉の定着フィルム23(エンドレスベルト)を有する。
加圧ローラ30は、芯金31と、該芯金上に同心一体に形成具備させたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコーンゴムを発泡して形成された弾性層32とから成る回転体である。弾性層32上にはPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂などから成る耐熱離型性層33を形成してあってもよい。加圧ローラ30は芯金31の両端部を定着装置シャーシー(不図示)の手前側と奥側の側板間に軸受部材を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。ヒータユニット20は、この加圧ローラ30の上側に、ヒータ22側を下向きにして加圧ローラ30に並行に配置し、フィルムガイド21の両端部を不図示のバネ等の加圧手段にて加圧ローラ30の軸線方向に付勢する。これにより、ヒータ22の下向き面を、定着フィルム23を介して加圧ローラ30の弾性層32に該弾性層の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。ヒータ22は定着フィルム23の内面に接触する。加圧ローラ30は定着フィルム23を介してヒータと共に定着ニップ部を形成する。加圧ローラ30側を加圧手段にてヒータユニット20の下面に押し上げ附勢して所定幅の定着ニップ部Nを形成する装置構成にすることもできる。
加圧ローラ30は駆動源であるモータMの回転力を不図示の駆動伝達系を介して受けて矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による該加圧ローラ30の外面と定着フィルム23との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム23に回転力が作用する。これにより、該定着フィルム23がその内面側がヒータ22の下向き面に密着して摺動しながらフィルムガイド21の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。上記において、該定着フィルム23と加圧ローラ30が機械的動作部材である。41はモータMの駆動制御回路であり、制御装置(制御手段)40でコントロールされる。
ヒータ22に通電がなされ、該ヒータ22が昇温して所定の温度に立ち上がり温調され、また加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム23が従動回転して安定回転状態になる。定着ニップ部Nの定着フィルム23と加圧ローラ30との間に未定着トナー像Tを担持した被加熱材としての記録材Sが導入される。そして、定着ニップ部Nにおいて記録材Sのトナー像担持面側が定着フィルム23の外面に密着して定着フィルム23と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ22の熱が定着フィルム23を介して記録材Sに付与され、記録材S上の未定着トナー像Tが記録材S上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Sは定着フィルム23から曲率分離される。
2)フィルムガイド21
フィルムガイド21は、ヒータ22を保持し、定着ニップ部Nと反対方向への放熱を防ための耐熱性・断熱性・剛性を有する部材であり、例えば、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性プラスチック材により形成されている。
3)定着フィルム23
定着フィルム23は、例えば20μm〜100μmの厚みで、耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等の熱容量の小さなフィルムである。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPFA、PTFE、FEP等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものである。また、定着フィルム23は内部のヒータ22およびフィルムガイド21に摺擦しながら回転するため、ヒータ22およびフィルムガイド21と定着フィルム23の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このためヒータ22およびフィルムガイド21の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させてある。これにより定着フィルム23はスムーズに回転することが可能となる。
4)ヒータ22
図3は本実施例におけるヒータ22の構成説明図であり、(a)はヒータ背面側の平面模型図、(b)はヒータ表面側の一部切り欠き平面模型図と通電制御系統のブロック図、(c)はヒータの拡大横断面模型図である。このヒータ22は、基本的には、高熱伝導性であるAl又はAlN基板22a上に銀パラジウム等からなる通電発熱抵抗層22bを形成し、更にその上から薄肉ガラス保護層22cで覆ってなる、全体に低熱容量の表面加熱型のセラミックヒータである。
より具体的には
i:定着ニップ部Nにおける通紙方向に交差(直交)する方向を長手とする、例えば幅6mm×長さ270mm×厚さ1mmの、Al又はAlNのヒータ基板22a、
ii:このヒータ基板22aの表面側にヒータ基板長手に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料を厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷等によりパターン塗工し焼成して形成具備させた、並行2条の通電発熱抵抗層22b、
iii:上記の並行2条の通電発熱抵抗層22bの一端部側のヒータ基板面にそれぞれ通電発熱抵抗層22bに電気的に導通させて形成具備させた第1と第2の通電用電極パターン22d・22e、
iv:上記の並行2条の通電発熱抵抗層22bの他端部側を電気的に直列に導通させてヒータ基板面に形成具備させた導電性パターン22f、
v:上記の導電性パターン22f側において、ヒータ基板面に形成具備させた第1と第2の温度制御部出力用電極パターン22g・22h、
vi:ヒータ基板22aの表面側において、通電発熱抵抗層22bと導電性パターン22fとを覆わせて設けた、厚さ10μm程度の薄肉ガラス保護層22c、
vii:ヒータ基板22aの背面(裏面)側において、ヒータ基板長手中央部に当接させて具備させたヒータ温度を監視する温度検知素子としてのサーミスタ24、
viii:上記の温度検知素子24と電気的に導通させてヒータ基板22aの背面に形成具備させた、第1と第2の導電性パターン22i・22j、
ix:上記の第1と第2の導電性パターン22i・22jの各端部をそれぞれヒータ基板表面側の前記第1と第2の温度制御部出力用電極パターン22g・22hに電気的に導通させた導電性スルーホール22k・22l
等からなる。
そして、このヒータ22をヒータ表面側(通電発熱抵抗層22b・ガラス保護層22cを形成具備させたヒータ基板面側)を定着フィルム密着摺動面にする。そして、フィルムガイド21の下面中央部にフィルムガイド長手に沿って形成具備させたヒータ嵌め込み溝内にヒータ表面側を外側に露呈させて嵌め入れて固定保持させてある。
25は給電用コネクタであり、フィルムガイド21に固定保持させたヒータ22の第1と第2の通電用電極パターン22d・22e側に嵌着される。該通電用電極パターン22d・22eにそれぞれ給電用コネクタ25側の電気接点が接触状態になり、AC電源42・トライアック43・給電回路緊急遮断用リレー44を含む給電回路と、ヒータ22の通電発熱抵抗層22bとが電気的に接続化される。
26は温度制御用コネクタであり、フィルムガイド21に固定保持させたヒータ22の第1と第2の温度制御部出力用電極パターン22g・22h側に嵌着される。該温度制御部出力用電極パターン22g・22hにそれぞれ温度制御用コネクタ26側の電気接点が接触状態になり、制御装置40と、ヒータ22のサーミスタ24とが電気的に接続化される。
(3)定着装置13の動作制御
図4は定着装置13の動作制御系のブロック図である。制御装置40内において、40Aは温度制御部(温度制御手段)、40Bは判断部(判断手段)、40Cは故障検出部(故障検出手段)である。
1)制御装置40は、プリンタに対する電源投入後、プリンタに対する印字開始指令が入力するまでは、定着装置13を、ヒータ22に対する通電−オフ、加圧ローラ30の回転駆動−オフの状態で待機させている。
サーミスタ24は、ヒータ22の温度変化により変化する抵抗値を温度検知信号として制御装置40の温度制御部40Aと判断部40Bとに、プリンタの電源がオンされてからオフされるまでの間継続して常時入力している。
2)温度制御部40Aは、プリンタに対する印字開始指令に基づいて所定の制御タイミングでトライアック43を制御してAC電源42からヒータ22の通電発熱抵抗層22bに対する電力供給を開始する。この時点では加圧ローラ30の回転駆動はまだ行われない。なお、給電回路緊急遮断用リレー44は常時は給電回路を閉路状態に保持している。
上記におけるヒータ22に対する電力供給は、所定のフルパワー時よりも低い温度上昇勾配(単位時間当たりの昇温速度)となるようにでなされるように制御される。
3)ヒータ22は上記2)の電力供給の開始により昇温していく。このヒータ22の昇温温度(装置温度)がサーミスタ24により検知されて温度制御部40Aと判断部40Bとに入力する。このヒータ22の昇温により、ヒータ22の外面と定着フィルム23の内面との間に塗布されている潤滑剤が暖められて低粘化し潤滑剤としての機能を持つ状態になる。
4)温度制御部40Aは、ヒータ22に対する電力供給を開始してから、潤滑剤が暖められて低粘化し潤滑剤としての機能を持つ温度t1になる所要時間経過後、モータ駆動制御回路41を制御して加圧ローラ30の回転駆動を開始させる。上記の温度t1は一例として110℃程度である。また、上記の所要時間はヒータ22へ電力を供給する前に検出されたヒータ温度状態によって演算されて長短決定される。または、温度制御部40Aは、ヒータ22に対する電力供給を開始してから、ヒータ22の温度が潤滑剤機能温度t1以上に昇温したことがサーミスタ24で検知されると、モータ駆動制御回路41を制御して加圧ローラ30の回転駆動を開始させる。温度制御部40Aは、ヒータ22に対する電力供給開始時点でサーミスタ24で検知されるヒータ22の温度が潤滑剤機能温度t1以上の状態であるときはモータ駆動制御回路41を制御して加圧ローラ30の回転駆動を直ちに開始させる。この加圧ローラ30の回転駆動に伴って定着フィルム23がフィルムガイド21の外回りを従動回転状態になる。
5)温度制御部40Aは、ヒータ22に対する電力供給、および加圧ローラ30・定着フィルム23の回転を続行させて、ヒータ熱で定着装置各部の温度を全体に馴染ませながら、ヒータ22(定着装置)の温度を上昇させる。上記におけるヒータ22に対する電力供給は、所定のフルパワー時よりも低い温度上昇勾配となるようにでなされるように制御される。
6)温度制御部40Aは、ヒータ22の温度が所定の定着温度(制御目標温度)t2(t2>t1、一例として190〜200℃程度)まで上昇したことがサーミスタ24で検知されたら、次のように制御する。サーミスタ24で検知されるヒータ温度(検知温度)がその所定の定着温度t2に維持されるようにトライアック43をコントロールする。即ち、AC電源42からヒータ22の通電発熱抵抗層22bに通電する電力を位相、波数制御等により制御し、ヒータ22の温度を所定の定着温度t2に温調制御する。
7)ヒータ22の温度が上記のように所定の定着温度t2に立ち上って温調制御された状態において定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した被加熱材としての記録材Sが導入されて該定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ22の熱が定着フィルム23を介して記録材Sに付与され、記録材S上の未定着トナー像Tが記録材S上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Sは定着フィルム23から曲率分離される。
8)温度制御部40Aは、モノプリントモード時の1枚のみの記録材S、あるいはマルチプリントモード時(連続複数枚通紙時)の最後の記録材Sが定着ニップ部Nを通過したら、ヒータ22に対する通電をオフにする。これによりヒータ22の温度は降下していく。また、サーミスタ24が所定のヒータ降温温度tx(t2>tx>t1)以下を検知したらモータ駆動制御回路41を制御して加圧ローラ30の回転駆動を停止させる。即ち、温度制御部40Aは、定着装置13を、上記のように、ヒータ22に対する通電−オフ、加圧ローラ30の回転駆動−オフの状態にして、次の印字開始指令がプリンタに入力されるまで待機に保持する。
9)また、制御装置40は、上記2)項のヒータ22に対する電力供給開始制御後に、サーミスタ24からのヒータ温度検知信号を利用してプリンタに対する定着装置13の装着の有無やヒータ22あるいはサーミスタ24自身の故障検出を行っている。即ち、判断部40Bは温度制御部40Aがヒータ22に対する電力供給開始を実行させたにもかかわらず、所定の時間内においてヒータ22の温度上昇が検知されない場合には、プリンタに対して定着装置13が装着されていないと判断する。あるいは、ヒータ22あるいはサーミスタ24自身の故障と判断する。そして、故障検知部40Cにより、定着装置を含むプリンタ動作を緊急停止させ、表示装置45にその旨のエラー表示を行わせる。ユーザはそのエラー表示に基づいて対処処置をする。
10)熱暴走対策
ヒータ22の熱暴走、即ち温度制御部40Aやトライアック43等の給電制御系統(ヒータ駆動回路)等の故障によりヒータ22に対する通電が無制御状態になることでヒータ22が温調温度である所定の定着温度t2を許容以上に超えて過昇温する事態である。この熱暴走に対処するために、判断部40Bは、サーミスタ24から入力するヒータ22の検知温度が、予め設定した異常検知温度レベル(ヒータシャットオフ温度)teより高いか否かを判断する。高いと判断した場合に、ヒータ22の過昇温を防止するために故障検出部40Cを作動させて、ヒータ22に対する給電回路中の緊急遮断用リレー44をオープンとしてヒータ22への通電を断つ。これとともに、プリンタ動作を緊急停止させ、表示装置45にその旨を表示する。ユーザはその表示に基づいて対処処置をする。
判断部40Cに設定される上記の異常検知温度レベルteは、定着装置13の温調温度である前記の定着温度t2以上の温度であり、ヒータ駆動回路故障時に確実に故障検出を行うようにするために、定着温度t2よりもマージンをとって高めに設定される。
本実施例では、異常検知温度レベルteとして、
・機械的動作部材駆動時用の第1の異常検知温度レベルte1
・機械的動作部材非駆動時用の第2の異常検知温度レベルte2
の2つの異常検知温度レベルを設定し、機械的動作部材駆動時と非駆動時とで異常検知温度レベルを切り替える。機械的動作部材は本実施例においては定着フィルム23と加圧ローラ30である。
機械的動作部材非駆動時用の第2の異常検知温度レベルte2は、機械的動作部材駆動時用の第1の異常検知温度レベルte1よりも低い温度レベルの設定にしてある。
上記において、第1の異常検知温度レベルte1と第2の異常検知温度レベルte2は一例としてそれぞれte1=230℃、te2=190℃である。te1、te2共に定着フィルム及び定着ローラへはダメージを与えないレベルに設定する。ウォームアップ終了温度を定着温度以上とすることでte2を定着温度t2以上とすることは可能であるが、本実施例では異常検知温度te2は定着温度t2以下と考えている。
図5に示す故障検出のフローチャートにより過昇温防止の異常温度監視を説明する。このフローチャートはプリンタ本体1への電源投入直後からスタートされる。制御装置40の判断部40Bに設定の異常検知温度レベルteは第2の異常検知温度レベルte2に切り替えられた状態にある。
〔ステップS1・S10・S11〕
プリンタ本体1への電源投入時において、温度制御部40Aやトライアック43等の給電制御系統(ヒータ駆動回路)等の故障によりヒータ22に対する通電が無制御に開始された状態になってヒータ熱暴走が発生することも考えられる。
そこで、本実施例では、制御装置40の判断部40Bにより、プリンタ本体1への電源投入時点以降にサーミスタ24から入力するヒータ温度検知信号による温度tが第2の異常検知温度レベルte2より高いか否かを判断させる(S1)。高いと判断した場合(=ヒータ熱暴走時)は、ヒータ22及びヒータ駆動回路40A・43に異常があると判断する。そして、故障検出部40Cを作動させてヒータ22に対する給電回路中の緊急遮断用リレー44をオープンとしてヒータ22への通電を断つ。これとともに、プリンタ動作を緊急停止させ、表示装置45にその旨のエラー警告を表示する(S10・S11)。ユーザはその表示に基づいて対処処置をする。ここで、第2の異常検知温度レベルte2は定着温度t2以下の設定である。
〔ステップS2〕
ステップS1でヒータ温度が第2の異常検知温度レベルte2より低いと判断された場合(=正常時)は、その後、プリンタ本体の他の故障検知などを行って、プリンタに対する印字開始指令の入力を待つ。
〔ステップS3・S4・S10・S11〕
温度制御部40Aは、プリンタに対する印字開始指令に基づいて所定の制御タイミングでトライアック43を制御してAC電源42からヒータ22の通電発熱抵抗層22bに対する電力供給を開始する(S3)。この時点では加圧ローラ30の回転駆動はまだ行われない。まず、ヒータ22を所定時間点灯(電力供給)し、ヒータ22と定着フィルム23の間に塗布された潤滑剤が機能する温度t1まで暖める。ここでの所定時間は、ヒータ22へ電力を供給する前に検出された温度によって決められる。上記におけるヒータ22に対する電力供給は、所定のフルパワー時よりも低い温度上昇勾配となるようにでなされるように制御される。
一方、このステップ3のヒータ駆動開始時点で、温度制御部40Aやトライアック43等の給電制御系統(ヒータ駆動回路)に故障がある場合には電力供給制御が無制御となり、ヒータ22にフルパワーの電力が供給される。そのためにヒータ22の温度上昇勾配は急峻となり、ヒータ22は急速昇温していく。判断部40Bは上記の所定時間内にサーミスタ24から入力するヒータ温度検知信号による温度tが第2の異常検知温度レベルte2を越えれば(S4)、ヒータ熱暴走と判断する。そして、故障検出部40Cを作動させてヒータ22に対する給電回路中の緊急遮断用リレー44をオープンとしてヒータ22への電力供給を停止し、プリンタ動作を緊急停止させ、表示装置45にその旨のエラー警告を表示する(S10・S11)。ユーザはその表示に基づいて対処処置をする。駆動時及び非駆動時共に暴走状態は温度の上昇率と温度から判断する。初期状態(ヒータ非駆動状態)においてt1以上でte2以下であれば潤滑剤は溶けている状態と判断してモータ駆動を行い、ヒータ制御を行う。
〔ステップS5〕
温度制御部40Aは、上記の所定時間内にサーミスタ24から入力するヒータ温度検知信号による温度tが第2の異常検知温度レベルte2以下且つ所定の定着温度t2以下であれば、次のように制御する。即ち、モータ駆動制御回路41を制御してモータMで加圧ローラ30の回転駆動を開始させる。この加圧ローラ30の回転駆動に伴って定着フィルム23がフィルムガイド21の外回りを従動回転状態になる。またこのモータMの駆動開始とともに、温度制御部40Aは判断部40Bに設定の異常検知温度レベルteを第2の異常検知温度レベルte2から第1の異常検知温度レベルte1に切り替える。
〔ステップS6・S10・S11〕
温度制御部40Aは引き続きヒータ22に対する電力供給をして、ヒータ22の温度が所定の定着温度t2まで上昇したことがサーミスタ24で検知されたら、次のように制御する。即ち、サーミスタ24で検知されるヒータ温度tがその所定の定着温度t2に維持されるようにトライアック43をコントロールしてAC電源42からヒータ22への電力供給をオン/オフ制御し、ヒータ22の温度を所定の定着温度t2に温調制御する。この温調制御状態において、定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した被加熱材としての記録材Sが導入されて該定着ニップ部Nを挟持搬送されて記録材S上の未定着トナー像Tが記録材S上に加熱・加圧されて溶融定着される。
判断部40Bは、上記のヒータ22の温度を所定の定着温度t2に温調制御する間、サーミスタ24から入力するヒータ温度検知信号による温度tが第1の異常検知温度レベルte1を越えていないことを常に監視する。判断部40Bは、上記のヒータ22の温度を所定の定着温度t2に温調制御する間に、サーミスタ24から入力するヒータ温度検知信号による温度tが第1の異常検知温度レベルte1より高いと判断した場合(=ヒータ熱暴走)は、次のように制御する。即ち、ヒータ22及びヒータ駆動回路40A・43に異常があると判断し、故障検出部40Cを作動させてヒータ22に対する給電回路中の緊急遮断用リレー44をオープンとしてヒータ22への通電を断つ。これとともに、プリンタ動作を緊急停止させ、表示装置45にその旨のエラー警告を表示する(S10・S11)。ユーザはその表示に基づいて対処処置をする。上記においてヒータシャットオフ動作の時は異常検知温度te1以上でもダメージは受けない。これはヒータシャットオフ動作時からエネルギー供給が無くなり更なる温度上昇がないからである。
〔ステップS7・S8・S9〕
温度制御部40Aは、ステップ6においてヒータ熱暴走が検知されることなく印字動作が終了したら、ヒータ22への電力供給を終了する(S7)。これによりヒータ22の温度は降下していく。加圧ローラ30の回転駆動は続行させる(定着装置の後回転工程)。
温度制御部40Aは、ヒータ22に対する電力供給をオフにしてからヒータ22の温度が第2の異常検知温度レベルte2以下になった後、モータMの回転駆動を停止する。これとともに、判断部40Bに設定の異常検知温度レベルteを第1の異常検知温度レベルte1から第2の異常検知温度レベルte2に切り替える(S9)。そして、再びステップ1に戻り、プリンタ本体の電源がOFFされるまで上記の異常温度監視フローが継続される。
上記において、モータMの回転駆動停止を、ヒータ22に対する電力供給をオフにしてからヒータ22の温度が第2の異常検知温度レベルte2以下になった後に行うのは、次の理由による。即ち、モータ停止後直ぐに、モータの回転を行なおうとした際に、モータ非駆動状態で第2の異常検知温度レベルte2を越えてしまいエラー状態になってしまうのを防止するためである。
上記制御を行うことにより、定着部材を回転させずにヒータに電力を投入すると局部的に温度が上昇し、過昇温検知レベルの温度を制御装置が検知した際には、装置がダメージを受けてしまうことを防止することが可能となる。
即ち、モータMを駆動している時のヒータシャットオフ温度te1が定着処理中の制御目標温度t2より高く、モータMを駆動停止している時のヒータシャットオフ温度te2が駆動時のヒータシャットオフ温度te2より低く設定されていることを特徴とする。このような熱暴走対処構成により、ヒータ22の熱暴走の早期判断が可能となり、ヒータ22から温度検知素子24までの熱伝導及び温度検知手段の熱応答によるタイムラグを軽減し、定着装置への熱ダメージを軽減することが可能となる。
本実施例では、第1の異常検知温度te1を第2の異常検知温度te2より高い温度に設定するのではなく、非駆動時の第2の異常検知温度te2を低く設定している。これは非駆動時は発熱が篭り限定される。従って、定着ローラ及び定着フィルム駆動時と非駆動時では発熱部の温度上昇速度が異なる。サーミスタの応答速度も起因し、発熱部とサーミスタ検出温度は差が生じる。このため、非駆動時はサーミスタの検知温度で低い温度で異常を判断する必要がある。
[実施例2]
図6は本実施例における定着装置動作制御系の具体的な概略回路例である。実施例1とは、サーミスタ24で検知されるヒータ温度が第1の異常検知温度レベルte1または第2の異常検知温度レベルte2を越えた場合(=ヒータ熱暴走時)に、制御装置40の判断部40Bが制御処理を行っている。これに対して、本実施例2はサーミスタ24で検知されるヒータ温度が第1の異常検知温度レベルte1または第2の異常検知温度レベルte2を越えた場合(=ヒータ熱暴走時)に、直ちにヒータ22への電力供給を停止するように構成したものである。
ヒータ22はトライアック43と直列に接続され、制御装置40からの信号FSRDによりON/OFFされる。ヒータ22とさらに直列にリレー44が接続されていて、信号RLDによりON/OFFされる。サーミスタ24の電圧は制御装置40に入力されると同時にコンパレータ206の“+”端子に接続されている。また、抵抗201、202、203により分圧された所定電圧がコンパレータ206の“−”端子に入力され、サーミスタ24の電圧THSが所定電圧を越えた電圧になった際にトランジスタ207がONとなり、リレー44をオフする。
コンパレータ206に入力されている所定の基準電圧は、モータMを駆動するモータ駆動制御回路41へ制御回路40から出力されるON/OFF信号FMDと接続されたトランジスタ204により切り替えられる。
モータMは駆動信号FMDが“L”のモータ駆動制御回路41により駆動する。このときトランジスタ204はOFFとなり、コンパレータ206へ入力される電圧は抵抗201と202、203により分圧された電圧となる。この電圧はサーミスタ24からの出力電圧と比較される第1の異常検知温度レベルte1として設定される。モータMは非駆動時は信号FMDが“H”であり、トランジスタ204はONとなる。このときコンパレータ206へ入力される電圧は抵抗201と202出分圧された電圧であり、第2の異常検知温度レベルte2と対応した電圧となるように設定される。
前述のように構成することにより、ヒータ熱暴走時に判断部40B(図4)が制御処理を行うことなく、ヒータ22への電力供給を停止し、過昇温を防止する。
上記により、定着部材を回転させずに、ヒータに電力を投入すると局部的に温度が上昇し、過昇温検知レベルの温度を制御装置が検知した際には、定着器がダメージを受けてしまうことを防止することが可能となる。
[その他]
1)異常検知温度レベルは3つ以上の設定にして、想定されるヒータ熱暴走の形態に対応させて適切な異常検知温度レベルに切り替え制御することができる。
2)加熱部材としてのセラミックスヒータ22は図3に例示の構成のものに限られるものではないことは勿論である。通電発熱抵抗層22bをヒータ基板22aのフィルム摺動面とは反対側の面に設けた所謂背面加熱型のセラミックスヒータであってもよい。PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ、ニクロム線等を用いた加熱部材等でもよい。また、電磁誘導発熱性部材を加熱部材にすることもできる。
3)実施例では、レーザープリンタの定着装置の有無および故障検出について説明したが、レーザープリンタに限るものではない。LEDプリンタ、液晶シャッタプリンタ等の電子写真プリンタや複写機、FAX等についても故障検出等を行うようにすることができる。
以上、本発明の様々な実施例と変形態様例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
1‥‥レーザープリンタ本体
13‥‥定着装置(加熱装置)
20‥‥ヒータユニット
22‥‥ヒータ(加熱部材)
23‥‥定着フィルム
24‥‥サーミスタ(温度検出手段)
30‥‥加圧ローラ(回転部材)
40‥‥制御装置(制御手段)
40A‥‥温度制御部(温度制御手段)
40B‥‥判断部(判断手段)
40C‥‥故障検出部(故障検出手段)

Claims (3)

  1. エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記ヒータの温度を検知する温度検知素子と、前記ヒータへ電力供給する給電回路中に設けられているリレーと、を有し、前記温度検知素子の検知温度が所定のヒータシャットオフ温度を越えると前記リレーが作動して前記ヒータへの電力供給を遮断する定着装置において、
    前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラが回転している時の前記ヒータシャットオフ温度が定着処理中の前記ヒータの制御目標温度より高く、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラが回転停止している時の前記ヒータシャットオフ温度が回転している時の前記ヒータシャットオフ温度より低く設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 記温度検知素子の検知温度と前記ヒータシャットオフ温度を比較する判断部と、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラを回転させるためのモータを駆動する駆動制御回路へ駆動信号を出力すると共に前記判断部に設定される前記ヒータシャットオフ温度を切り替える温度制御部と、を有し、前記判断部が前記リレーを作動させることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記温度検知素子の検知温度に対応する電圧と前記ヒータシャットオフ温度に対応する基準電圧を比較するコンパレータと、前記エンドレスベルト及び前記加圧ローラを回転させるためのモータを駆動する駆動制御回路へ出力されるON/OFF信号に応じて前記基準電圧を切り替えるトランジスタと、を有し、前記コンパレータの出力に応じて前記リレーが作動することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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