JP2011022430A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1回転体を介して受圧部材との間で定着ニップを形成する第2回転体とを備え、潤滑剤が加熱される程度を抑制できる定着装置を提供する。
【解決手段】第1回転体9aと、第1回転体9aを内側から加熱するヒータ920と、第1回転体9aの内周面に当接する受圧部材940と、受圧部材940との間で被転写材Tを挟持して定着ニップN9を形成する第2回転体9bとを備え、第1回転体9aの内周面と受圧部材940との間に潤滑剤Gが配され、受圧部材940よりも第1回転体9aの回転方向上流側に潤滑剤Gが溜まる潤滑剤溜まり部970が形成され、ヒータ920からの放射熱を放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害し且つ端部980Cが第1回転体9aの内周面における潤滑剤溜まり部970よりも第1回転体9aの回転方向上流側に当接し又は近接している第1熱遮蔽部材980を更に備える。
【選択図】図4
【解決手段】第1回転体9aと、第1回転体9aを内側から加熱するヒータ920と、第1回転体9aの内周面に当接する受圧部材940と、受圧部材940との間で被転写材Tを挟持して定着ニップN9を形成する第2回転体9bとを備え、第1回転体9aの内周面と受圧部材940との間に潤滑剤Gが配され、受圧部材940よりも第1回転体9aの回転方向上流側に潤滑剤Gが溜まる潤滑剤溜まり部970が形成され、ヒータ920からの放射熱を放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害し且つ端部980Cが第1回転体9aの内周面における潤滑剤溜まり部970よりも第1回転体9aの回転方向上流側に当接し又は近接している第1熱遮蔽部材980を更に備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置、及び画像形成装置に設けられ、トナー画像を構成するトナーを溶融して用紙などの被転写材に定着させる定着装置に関する。
従来より、用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。画像形成装置においては、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電工程、帯電した感光体ドラムにレーザ光を照射して感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像を行う現像工程、感光体ドラムの表面に付着したトナーから形成されるトナー画像を用紙へ転写する転写工程、及び用紙に転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着工程の各工程が順次行われることによって、用紙に画像が形成される。
上記の各工程のうち、定着工程では、用紙に転写されたトナー画像を構成するトナーを用紙に定着させるために、トナーに熱を与えてトナーを溶融させる必要がある。定着工程を行う定着装置として、従来から、加熱ローラと、加熱ローラとの間でトナー画像が転写された用紙を挟持して定着ニップを形成する加圧ローラと、加熱ローラの内側から定着ニップを加熱するヒータとを備える定着装置が使用されている。
一方、定着装置において、加熱ローラに代えて、無端ベルト状(無端フィルム状を含む)で周方向に回転可能な加熱回転ベルト(第1回転体)と、加熱回転ベルトを内側から加熱するヒータと、加熱回転ベルトの内部に配置され加熱回転ベルトの内周面に当接する受圧部材と、を備えた加熱ベルト機構を用い、回転駆動される加圧ローラの回転により加熱回転ベルトを従動回転させるように構成したものが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。加熱ベルト機構を用いた定着装置によれば、加熱回転ベルトの熱容量が小さく、定着装置のウォームアップに要する時間の短縮や待機温度の低温度化が可能となるため、定着工程における消費電力を極力抑制することができるという利点がある。
加熱ベルト機構を用いた定着装置においては、加熱回転ベルトの内周面と受圧部材とを当接させながら加熱回転ベルトを回転(摺動)させる必要があるため、加熱回転ベルトの回転が不安定になりやすいという欠点がある。この欠点を解決するために、通常、加熱回転ベルトの内周面と受圧部材との間にグリスなどの潤滑剤を介在させることにより、加熱回転ベルトの内周面と受圧部材との摺動性を確保している。
この潤滑剤が加熱され、蒸発すると、その粘性が高くなり、加熱回転ベルトの内周面と受圧部材との摺動性が低下する。特に、潤滑剤が加熱される要因としては、加熱回転ベルトの内部に配置されるヒータによる放射熱の影響が大きい。
従って、本発明は、無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、第1回転体を内側から加熱するヒータと、第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、第1回転体の内周面と受圧部材との間に配される潤滑剤と、第1回転体を介して受圧部材との間で被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体とを備える定着装置において、ヒータの放射熱により潤滑剤が加熱される程度を抑制することができる定着装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置に設けられた状態で、シート状の被転写材に転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融して前記被転写材に定着させる定着装置であって、無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体を内側から加熱するヒータと、前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、前記第1回転体を介して前記受圧部材との間で前記被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体と、を備え、前記第1回転体の内周面と前記受圧部材との間に、該第1回転体の内周面と該受圧部材との摩擦抵抗を減少させる潤滑剤が配され、前記第1回転体の内周面側で且つ前記受圧部材よりも該第1回転体の回転方向上流側に、前記第1回転体の内周面に付着した前記潤滑剤が溜まる潤滑剤溜まり部が形成され、前記第1回転体の内部に、前記ヒータからの放射熱を遮蔽して該放射熱が前記潤滑剤溜まり部へ直接放射されることを阻害する第1熱遮蔽部材であって、該第1熱遮蔽部材の端部が前記第1回転体の内周面における前記潤滑剤溜まり部よりも該第1回転体の回転方向上流側に当接し又は近接している第1熱遮蔽部材を更に備える定着装置に関する。
また、前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記潤滑剤溜まり部は、前記受圧部材における前記第1回転体の回転方向上流側の外面と前記第1回転体の内周面とにより凹状に形成される凹部から形成されることが好ましい。
また、前記第1熱遮蔽部材は、前記ヒータからの放射熱を反射することが好ましい。
また、前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記第1熱遮蔽部材は、その前記端部が該第1回転体の回転方向下流側へ延びるように、屈曲していることが好ましい。
また、前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持する支持部材と、断熱性を有する素材から形成され、前記第1熱遮蔽部材と前記支持部材とを連結させる第1断熱性連結部材と、を更に備えることが好ましい。
また、前記第1回転体の内部に配置され、前記ヒータからの放射熱が前記受圧部材よりも前記第1回転体の回転方向下流側の部位へ直接放射されることを遮蔽する第2熱遮蔽部材であって、該第2熱遮蔽部材の端部が前記第1回転体の内周面における前記受圧部材よりも該第1回転体の回転方向下流側に当接し又は近接している第2熱遮蔽部材を更に備えることが好ましい。
また、前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記第2熱遮蔽部材は、その前記端部が該第1回転体の回転方向下流側へ延びるように、屈曲していることが好ましい。
また、前記第2熱遮蔽部材の前記端部と前記第1回転体の内周面とに挟まれた状態で該第1回転体の内部に配置され、前記第1回転体の内周面に付着した状態で前記第1回転体の回転に伴って前記第1回転体の回転方向下流側へ移動する前記潤滑剤を堰き止める潤滑剤堰き止め部材を更に備えることが好ましい。
また、前記潤滑剤堰き止め部材は、前記潤滑剤を吸収する吸収性を有することが好ましい。
また、前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持する支持部材と、断熱性を有する素材から形成され、前記第2熱遮蔽部材と前記支持部材とを連結させる第2断熱性連結部材と、を更に備えることが好ましい。
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、請求項1から10のいずれかに記載の定着装置と、を備える画像形成装置に関する。
本発明によれば、無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、第1回転体を内側から加熱するヒータと、第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、第1回転体の内周面と受圧部材との間に配される潤滑剤と、第1回転体を介して受圧部材との間で被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体とを備える定着装置において、ヒータの放射熱により潤滑剤が加熱される程度を抑制することができる定着装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
また、本発明によれば、前記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部10と、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写ローラ8と、定着装置9とを備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、ドラムクリーニング部11によるクリーニング、及び定着装置9による定着が行われる。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、ドラムクリーニング部11によるクリーニング、及び定着装置9による定着が行われる。
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から出力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
現像器16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置可能な現像ローラ17、トナー攪拌用の攪拌ローラ18等を有して構成される。
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。トナー供給部6と現像器16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接したり離間したりする。具体的には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
定着装置9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着装置9は、ヒータにより加熱される加熱回転体(加熱回転ベルト)9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体(加圧ローラ)9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの前側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの前側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着装置9までの第2搬送路L2と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
以下、図面を参照して、本実施形態のプリンタ1における特徴部分に係る構成について説明する。図2は、本実施形態の定着装置9を示す斜視図である。図3は、本実施形態の定着装置9を示す縦断面図である。図4は、図3に示す定着装置9の部分拡大縦断面図である。
図2及び図3に示すように、本実施形態の定着装置9は、筐体910と、第1回転体としての加熱回転ベルト9aと、第2回転体としての加圧ローラ9bと、受圧部材940と、支持部材960と、2つのヒータ920と、グリス(潤滑剤)Gが溜まる潤滑剤溜まり部970と、第1熱遮蔽部材980と、第2熱遮蔽部材990と、非接触式の温度検出センサとしてのサーミスタ975と、を備える。
図2に示すように、筐体910は、加熱回転ベルト9a及び加圧ローラ9bの軸線方向(第2方向)D2と平行な方向に長く形成される。筐体910は、主として、矩形状の上面板911と上面板911の長手方向(第2方向D2)の端部に取り付けられた一対の側面板912,912との3つの部材から構成される。筐体910は、用紙Tの搬送方向D1から視て略コの字状に形成される。一対の側面板912,912それぞれには、長孔形状の貫通孔914が設けられている。
加熱回転ベルト9aは、ロール状(無端ベルト状)に形成されると共に耐熱性を有する。加熱回転ベルト9aは、用紙Tの搬送方向D1と直交する第2方向D2に延びる回転軸を中心に回転可能に構成される。例えば、加熱回転ベルト9aは、肉厚が30から50μm程度のSUS(ステンレス鋼)、Ni鋼等の金属ベルトの外周面に、厚さが200から500μm程度のシリコーンゴムの弾性層を設け、更に、この弾性層の外周面に、肉厚が30μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂製の耐熱性フィルムからなる離型層を設けることで構成される。
図2に示すように、加圧ローラ9bは、その外周面が、加熱回転ベルト9aの外周面に当接するように配置される。加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aよりも軸線方向(第2方向)D2に長く形成されている。加圧ローラ9bの軸線方向の中点と加熱回転ベルト9aの軸線方向の中点とは略一致している。
加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aの軸線と平行な回転軸(第2方向D2)を中心に回転可能に構成される。詳述すると、加圧ローラ9bは、直径が14mm程度のアルミニウムや鉄等の芯金の外周面に、肉厚が5.5mm程度でアスカーC硬度が15から60のシリコーンゴム等の弾性層を設け、更に、この弾性層の表面に厚み50μm程度のPFAやPTFE等のフッ素樹脂からなる離型層を設けることで構成される。
加圧ローラ9bは、加熱回転ベルト9aの軸線と平行な回転軸(第2方向D2)を中心に回転可能に構成される。詳述すると、加圧ローラ9bは、直径が14mm程度のアルミニウムや鉄等の芯金の外周面に、肉厚が5.5mm程度でアスカーC硬度が15から60のシリコーンゴム等の弾性層を設け、更に、この弾性層の表面に厚み50μm程度のPFAやPTFE等のフッ素樹脂からなる離型層を設けることで構成される。
また、図2に示すように、加圧ローラ9bの軸線方向(第2方向D2)の両端部から、回転軸となるローラ軸931が突出している。このローラ軸931は、プリンタ1における装置本体Mのケースやその他の部材により回転可能に支持される。
加圧ローラ9bのローラ軸931には、加圧ローラ9bを回転駆動させる第2回転体駆動部としての電動モータ等の加圧ローラ駆動部(図示せず)が直結される。この加圧ローラ駆動部により、加圧ローラ9bが所定速度で回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転に従動して、加圧ローラ9bの外周面に当接する加熱回転ベルト9aが回転される。これにより、加圧ローラ9bと加熱回転ベルト9aとの間で、トナー画像が転写された用紙Tを挟持する定着ニップN9が形成される。
加圧ローラ9bのローラ軸931には、加圧ローラ9bを回転駆動させる第2回転体駆動部としての電動モータ等の加圧ローラ駆動部(図示せず)が直結される。この加圧ローラ駆動部により、加圧ローラ9bが所定速度で回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転に従動して、加圧ローラ9bの外周面に当接する加熱回転ベルト9aが回転される。これにより、加圧ローラ9bと加熱回転ベルト9aとの間で、トナー画像が転写された用紙Tを挟持する定着ニップN9が形成される。
図3に示すように、2つのヒータ920(920A,920B)は、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの当接部である定着ニップN9を加熱する。このヒータ920は、例えば、ハロゲンヒータやセラミックヒータから構成される。2つのヒータ920は、加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)及び上流側(図3において右側)それぞれに設置される。そして、ヒータ920は、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されて搬送される用紙Tに加熱回転ベルト9aを介して熱を付与する。これにより、トナー画像が転写された用紙Tを定着ニップN9に搬送し、通過させることで、用紙T上のトナーTNが溶融して用紙Tに定着される。
図2に示すように、受圧部材940は、加熱回転ベルト9aの内部において、加熱回転ベルト9aの軸線方向(第2方向D2)に長く延びて形成される。受圧部材940は、その長手方向の両端それぞれにおいて、固定部材950,950により固定される。詳細には、固定部材950,950は、筐体910の長手方向の両端に位置する側面板912,912の内側と外側とに跨るようにして、貫通孔914,914の下部に配置される。固定部材950,950は、加熱回転ベルト9aの軸線方向(第2方向D2)からみて凸型の形状を有し、筐体910に固定される。
受圧部材940は、加熱回転ベルト9aを介して加圧ローラ9bとの間に定着ニップN9を形成する部材である。受圧部材940には、加圧ローラ9bから加熱回転ベルト9aが受ける圧力を受け止めるために、一定以上の強度が必要である。また、受圧部材940は、加熱回転ベルト9aの内周面と接しているため、熱容量、耐熱性、耐摩耗性などにも優れていることが必要である。これらの必要条件を備えるため、受圧部材940は、例えば、SUS(ステンレス鋼)から構成される。なお、前記の条件を備えるのであれば、受圧部材940は、樹脂から構成することも可能である。
受圧部材940の具体的な構成について説明する。受圧部材940は、図3及び図4に示すように、加熱回転ベルト9aの内周面に摺動しながら接触する摺接平板部941と、摺接平板部941に対して垂直に延びる2つの側面板部942,942と、これら2つの側面板部942,942と摺接平板部941とを繋ぐ2つの傾斜板部943,943と、を有する。受圧部材940は、加熱回転ベルト9aの回転軸方向(第2方向)D2の断面において、加熱回転ベルト9aの径方向中心に向けて開放したC字形状を有する。受圧部材940は、例えば、厚みが0.2mm程度のSUS(ステンレス鋼)から構成される。受圧部材940が摺接平板部941の両側に2つの傾斜板部943,943を有することで、受圧部材940に対する加熱回転ベルト9aの摺動が滑らかになる。
図3及び図4に示すように、支持部材960は、受圧部材940が加圧ローラ9bから受ける圧力を受け止めて支持するために、すなわち、受圧部材940を補強するために、加熱回転ベルト9aの内部に配置される。支持部材960は、加熱回転ベルト9aの回転軸方向(第2方向)D2の断面において、略T字形状を有する。具体的には、支持部材960は、断熱部材962を挟んで、受圧部材940の摺接平板部941に突き当てられる下端板部960Aと、加熱回転ベルト9aの径方向中心に向かって延びる立上げ板部960Bとを有する。立上げ板部960Bは、その自由端が加熱回転ベルト9aの内周面に近接する高さを有する。
図2及び図3に示すように、支持部材960は、下端板部960Aの長手方向の両端部を固定部材950,950の溝部951に差し込むことで固定される。
前述のような支持部材960の存在により、定着ニップN9における圧力(定着圧)が安定し、定着ニップN9を通過する用紙Tに強い圧力を加えることが可能となり、定着不良を防止できる。
前述のような支持部材960の存在により、定着ニップN9における圧力(定着圧)が安定し、定着ニップN9を通過する用紙Tに強い圧力を加えることが可能となり、定着不良を防止できる。
支持部材960は、厚みが3mm程度のSUS(ステンレス鋼)から構成される。断熱部材962は、厚みが2mm程度の耐熱性シリコンスポンジ、シリコン繊維加工布、ガラスウールなどから構成されており、受圧部材940からの伝熱を抑制する。また、支持部材960の下端板部960Aの表面及び立上げ板部960Bの両面の全域は、反射部材963により覆われている。反射部材963は、厚みが0.5mm程度のアルミニウムや金膜などで構成され、ヒータ920の輻射熱が光熱変換しないように輻射熱を反射する。
図4に示すように、潤滑剤溜まり部970は、加熱回転ベルト9aの回転軸方向(第2方向D2)に視た場合において、受圧部材940よりも加熱回転ベルト9aの回転方向上流側に凹状に形成される凹部から形成される。詳細には、潤滑剤溜まり部970は、加熱回転ベルト9aの内周面と受圧部材940の一方(加熱回転ベルト9aの回転方向上流側)の側面板部942の外面とにより囲まれて形成される。
潤滑剤溜まり部970には、潤滑剤Gが溜められる。潤滑剤Gは、加熱回転ベルト9aの内周面と受圧部材940の摺接平板部941及び傾斜板部943との接触時の摩擦抵抗を減少させるために、加熱回転ベルト9aの内周面に塗布(付着)されている。
潤滑剤Gとしては、耐熱グリスなどの耐熱性に優れた潤滑剤が使用される。この耐熱性に優れた潤滑剤Gは、高温の熱が加わると、潤滑剤の組成物であるオイル成分が蒸発して劣化しやすく、その結果、加熱回転ベルト9aの内周面と受圧部材940の摺接平板部941及び傾斜板部943との間の摺動性が低下することになる。
そこで、潤滑剤Gへの伝熱を抑制し、潤滑剤G中のオイル成分の蒸発を抑制するために、本実施形態の定着装置9は、第1熱遮蔽部材980、第2熱遮蔽部材990等を備えている。
潤滑剤Gとしては、耐熱グリスなどの耐熱性に優れた潤滑剤が使用される。この耐熱性に優れた潤滑剤Gは、高温の熱が加わると、潤滑剤の組成物であるオイル成分が蒸発して劣化しやすく、その結果、加熱回転ベルト9aの内周面と受圧部材940の摺接平板部941及び傾斜板部943との間の摺動性が低下することになる。
そこで、潤滑剤Gへの伝熱を抑制し、潤滑剤G中のオイル成分の蒸発を抑制するために、本実施形態の定着装置9は、第1熱遮蔽部材980、第2熱遮蔽部材990等を備えている。
第1熱遮蔽部材980について説明する。
図4に示すように、第1熱遮蔽部材980は、2つのヒータ920のうち加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の上流側(図3において右側)に設置されるヒータ920Aからの放射熱を遮蔽して、放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害する部材である。
第1熱遮蔽部材980は、その一端部980A側に、平板状の平板部980Dを有する。第1熱遮蔽部材980は、平板部980Dにおいて第1断熱性連結部材982を介して支持部材960の立上げ板部960Bに連結されて固定されている。
図4に示すように、第1熱遮蔽部材980は、2つのヒータ920のうち加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の上流側(図3において右側)に設置されるヒータ920Aからの放射熱を遮蔽して、放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害する部材である。
第1熱遮蔽部材980は、その一端部980A側に、平板状の平板部980Dを有する。第1熱遮蔽部材980は、平板部980Dにおいて第1断熱性連結部材982を介して支持部材960の立上げ板部960Bに連結されて固定されている。
第1断熱性連結部材982は、断熱性を有する素材、例えば発泡ウレタン樹脂などから形成される。第1熱遮蔽部材980が第1断熱性連結部材982を介して支持部材960に連結されているため、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽することに伴って温度上昇する第1熱遮蔽部材980の熱は、支持部材960に伝わりにくく、また、支持部材960の温度は上昇しにくい。
また、第1熱遮蔽部材980における平板部980Dと他端部980Cとの間には、屈曲部980Bが形成される。屈曲部980Bは、ヒータ920Aの外周部に沿って下向きに凸の略円弧状に屈曲されている。また、第1熱遮蔽部材980は、その他端部980Cが加熱回転ベルト9aの回転方向下流側に向けて延びるように、上向きに凸に屈曲している。他端部980Cは、潤滑剤溜まり部970よりも上流側において加熱回転ベルト9aの内周面に当接又は近接されている。
これにより、加熱回転ベルト9aの内周面と第1熱遮蔽部材980の他端部980Cとの接触により加熱回転ベルト9aの回転が阻害されにくく、加熱回転ベルト9aはスムーズに回転しやすい。また、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽することにより温度が上昇する第1熱遮蔽部材980の熱は、屈曲部980B、他端部980Cを経て加熱回転ベルト9aの内周面に部分的に伝わり、加熱回転ベルト9aの温度の上昇を補助することができる。
これにより、加熱回転ベルト9aの内周面と第1熱遮蔽部材980の他端部980Cとの接触により加熱回転ベルト9aの回転が阻害されにくく、加熱回転ベルト9aはスムーズに回転しやすい。また、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽することにより温度が上昇する第1熱遮蔽部材980の熱は、屈曲部980B、他端部980Cを経て加熱回転ベルト9aの内周面に部分的に伝わり、加熱回転ベルト9aの温度の上昇を補助することができる。
第2熱遮蔽部材990について説明する。
図4に示すように、第2熱遮蔽部材990は、2つのヒータ920のうち加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)に設置されるヒータ920Bからの放射熱を遮蔽して、放射熱が受圧部材940及び支持部材960を含めて加熱回転ベルト9aの回転方向下流側の部位へ直接放射されることを阻害する部材である。
第2熱遮蔽部材990は、その一端部990A側に、平板状の平板部990Dを有する。第2熱遮蔽部材990は、平板部990Dにおいて第2断熱性連結部材992を介して支持部材960の立上げ板部960Bに連結されて固定されている。第2断熱性連結部材992は、第1断熱性連結部材982と同様の素材から形成され、同様の作用を奏する。
図4に示すように、第2熱遮蔽部材990は、2つのヒータ920のうち加熱回転ベルト9aの内部における支持部材960よりも搬送方向D1の下流側(図3において左側)に設置されるヒータ920Bからの放射熱を遮蔽して、放射熱が受圧部材940及び支持部材960を含めて加熱回転ベルト9aの回転方向下流側の部位へ直接放射されることを阻害する部材である。
第2熱遮蔽部材990は、その一端部990A側に、平板状の平板部990Dを有する。第2熱遮蔽部材990は、平板部990Dにおいて第2断熱性連結部材992を介して支持部材960の立上げ板部960Bに連結されて固定されている。第2断熱性連結部材992は、第1断熱性連結部材982と同様の素材から形成され、同様の作用を奏する。
また、第2熱遮蔽部材990における平板部990Dと他端部990Cとの間には、屈曲部990Bが形成される。第2熱遮蔽部材990は、他端部990Cが加熱回転ベルト9aの回転方向下流側に向けて延びるように、ヒータ920Bの外周部に沿って下向きに凸の略円弧状に屈曲している。他端部990Cは、受圧部材940よりも加熱回転ベルト9aの回転方向下流側において加熱回転ベルト9aの内周面に当接又は近接されている。詳細には、第2熱遮蔽部材990の他端部990Cは、潤滑剤堰き止め部材993を介して加熱回転ベルト9aの内周面に当接している。
図4に示すように、潤滑剤堰き止め部材993は、加熱回転ベルト9aの内部に、第2熱遮蔽部材990の他端部990Cと加熱回転ベルト9aの内周面とに挟まれる状態で配置されている。潤滑剤堰き止め部材993は、例えば高分子材料から形成され、堰き止めた潤滑剤Gを吸収して保持する吸収保持性を有する。これにより、加熱回転ベルト9aの内周面に付着した潤滑剤Gは、堰き止め部材993により堰き止められると共に、堰き止め部材993に吸収されて保持される。そのため、潤滑剤Gが第2熱遮蔽部材990の他端部990Cよりも回転方向下流側に不必要に移送されることが抑制される。
第1熱遮蔽部材980及び第2熱遮蔽部材990は、ヒータ920A及び920Bからの放射熱を反射する熱反射材料、例えばSUSやアルミニウム等の軽金属から形成される。また、第1熱遮蔽部材980の屈曲部980B及び第2熱遮蔽部材990の屈曲部990Bは、その表面に熱反射膜(例えば金膜)を備える。これによって、ヒータ920A,920Bからの放射熱が第1熱遮蔽部材980,第2熱遮蔽部材990により反射され、それらの反射熱により加熱回転ベルト9aを部分的に加熱して、加熱回転ベルト9aの温度を効率よく上昇させることができる。
図4に示すように、非接触式の温度検出センサとしてのサーミスタ975は、通紙領域内に配置されており、加熱回転ベルト9aの外周面に接触せずに加熱回転ベルト9aの外周面の温度を検出する。「通紙領域」とは、加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとに挟持されて定着ニップN9を搬送される用紙Tの幅方向の内側の領域のことである。
サーミスタ975には、サーモスタット976が電気的に接続されている。サーモスタット976は、サーミスタ975による加熱回転ベルト9aの外周面の検出温度の変化に連れて電気抵抗値を変化させて、加熱回転ベルト9aが定着に必要な所定温度に保持されるように、ヒータ920A,920Bの発熱量を自動的に調節する。
図4に示すように、加熱回転ベルト9aの内部におけるサーミスタ975に対応する箇所には、規制ローラ972が配置されている。規制ローラ972は、加熱回転ベルト9aの内周面に当接しながら従動回転する。規制ローラ972によって、サーミスタ975に対応する加熱回転ベルト9aの部分は、一定の回転軌跡に保持されやすくなる。これにより、サーミスタ975と加熱回転ベルト9aの外周面との距離が一定に保たれやすくなる。従って、サーミスタ975による加熱回転ベルト9aの温度の検出を精度よく行うことができ、そのため、ヒータ920A,920Bの発熱量の調節による加熱回転ベルト9aの温度制御を安定化することができる。
次に、図1を参照して、本実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tを片面印刷する場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tを片面印刷する場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。そして、用紙Tには、感光体ドラム2と転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9に導入される。そして、定着ニップN9においてトナーTNが溶融され、トナーTNが用紙Tに定着される。
その後、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップN9に導入される。そして、定着ニップN9においてトナーTNが溶融され、トナーTNが用紙Tに定着される。
次いで、用紙Tは、第1ローラ対54aにより第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、第3ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
手差しトレイ65に載置された用紙Tを片面印刷する場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷された用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷された用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷された用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷された用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
詳述すると、片面印刷された用紙Tが第3ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷された用紙Tが第3ローラ対53により保持されている状態において、第3ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように第3ローラ対53を逆方向に回転させると、第3ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、(第1ローラ対54aではなく、)第2ローラ対54bに導入される。そして、用紙Tは、戻し搬送路Lb及び第2合流部P2を介して、第2搬送路L2に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記スキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われ、第1搬送路L1を介して、感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、非印刷面が感光体ドラム2に対向するので、非印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態のプリンタ1の特徴部分である定着装置9の動作について説明する。
本実施形態のプリンタ1においては、プリンタ1の電源をONにすると、電源部から帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8、プリンタ制御部(図示せず)、定着装置9、及びヒータ920(920A,920B)それぞれへ電力が供給されると共に、プリンタ制御部からの制御信号により帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8、定着装置9及びヒータ920A,920Bがそれぞれ制御される。そして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程の各工程が順に行われる。
本実施形態のプリンタ1においては、プリンタ1の電源をONにすると、電源部から帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8、プリンタ制御部(図示せず)、定着装置9、及びヒータ920(920A,920B)それぞれへ電力が供給されると共に、プリンタ制御部からの制御信号により帯電部10、レーザスキャナユニット4、現像器16、転写ローラ8、定着装置9及びヒータ920A,920Bがそれぞれ制御される。そして、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程の各工程が順に行われる。
具体的には、本実施形態のプリンタ1において、レジストローラ対80から送り出された用紙Tは、第1搬送路L1を通って感光体ドラム2と転写ローラ8との間の転写ニップNへ搬送される。このように用紙Tが感光体ドラム2へ向かって搬送されるとき、まず、帯電部10が、帯電工程において感光体ドラム2の表面全体を帯電させるとともに、レーザスキャナユニット4が、露光工程においてレーザ光源(図示せず)から感光体ドラム2へ向けてレーザ光を照射し、感光体ドラム2の表面のうちレーザ光が照射された部分に静電潜像を形成する。
次に、現像器16が、現像工程において帯電したトナーを現像ローラ17により感光体ドラム2へ供給することで、感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて、トナー画像を現像する。続いて、転写ローラ8が、転写工程において感光体ドラム2と転写ローラ8との間を通過する用紙Tに、感光体ドラム2の表面に付着したトナー画像を転写する。
そして、転写工程においてトナー画像が転写された用紙Tは、第2搬送路L2を通って定着装置9へ向けて搬送され、定着装置9における加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間へ搬送される。
また、プリンタ制御部からヒータ920A,920Bへ出力される制御信号をONとすることで電源部からヒータ920A,920Bへの電力供給が開始されて、両ヒータ920A,920Bが発熱動作される。同時に、プリンタ制御部から加圧ローラ駆動部(図示せず)へ出力される制御信号をONとすることで電源部から加圧ローラ駆動部への電力供給が開始されて、加圧ローラ9bが回転駆動されると共に、加圧ローラ9bの回転駆動に伴って加熱回転ベルト9aが従動回転される。これによって、定着装置9は、定着工程において加熱回転ベルト9aと加圧ローラ9bとの間を通過する用紙Tに付着したトナーTNに対して、ヒータ920A,920Bからの放射熱により加熱された加熱回転ベルト9aを介して熱が付与され、この熱によってトナーTNが溶解されると共に、加圧ローラ9bによって用紙Tに圧力を加えることで、トナー画像が用紙Tに定着される。
定着装置9による前述のような定着動作時において、加熱回転ベルト9aが潤滑剤溜まり部970を通過するときに、加熱回転ベルト9aの内周面には、潤滑剤溜まり部970に溜められている潤滑剤Gが付着することになる。これによって、加熱回転ベルト9aの内周面と受圧部材940の摺接平板部941及び傾斜板部943との接触時の摩擦抵抗が減少する。そのため、加熱回転ベルト9aは、受圧部材940に対して円滑に摺動し、ヒータ920A,920Bの放射熱により加熱された熱は、定着ニップN9に伝達される。
本実施形態の定着装置9によれば、次のような効果が奏される。
本実施形態の定着装置9においては、加熱回転ベルト9aの内周面側で且つ受圧部材940よりも第1回転体9aの回転方向上流側に、加熱回転ベルト9aの内周面に付着した潤滑剤Gが溜まる潤滑剤溜まり部970が形成され、本実施形態の定着装置9は、加熱回転ベルト9aの内部に、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽して放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害する第1熱遮蔽部材980を備えている。
本実施形態の定着装置9においては、加熱回転ベルト9aの内周面側で且つ受圧部材940よりも第1回転体9aの回転方向上流側に、加熱回転ベルト9aの内周面に付着した潤滑剤Gが溜まる潤滑剤溜まり部970が形成され、本実施形態の定着装置9は、加熱回転ベルト9aの内部に、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽して放射熱が潤滑剤溜まり部970へ直接放射されることを阻害する第1熱遮蔽部材980を備えている。
そのため、潤滑剤溜まり部970に溜められている潤滑剤Gがヒータ920Aからの放射熱を直接受けて加熱され、その結果、潤滑剤G中のオイル成分が蒸発し、これに伴って粘性が高くなるなどの熱劣化を抑制することが可能である。したがって、潤滑剤Gの性能の耐久性向上を図ることができ、長時間に亘る連続的な定着動作においても加熱回転ベルト9aと受圧部材940との摩擦抵抗を減少させて両者間の摺動性を円滑に且つ良好に維持することができる。
また、本実施形態においては、第1熱遮蔽部材980の他端部980Cは、加熱回転ベルト9aの内周面における潤滑剤溜まり部970よりも加熱回転ベルト9aの回転方向上流側に当接し又は近接している。そのため、ヒータ920Aからの放射熱を遮蔽することにより温度が上昇する第1熱遮蔽部材980の熱を他端部980Cを経て加熱回転ベルト9aの内周面に部分的に伝達させ、第1熱遮蔽部材980により遮蔽して得られる熱を、加熱回転ベルト9aの加熱に有効に活用し、ヒータ920Aからの放射熱のロスを減少することができる。
また、本実施形態においては、第1熱遮蔽部材980は、ヒータ920Aからの放射熱を反射する。
そのため、ヒータ920Aからの放射熱が第1熱遮蔽部材980において反射された反射熱を、加熱回転ベルト9aを部分的に加熱する熱エネルギーに有効活用して、加熱回転ベルト9aの温度を効率よく上昇させることができる。これにより、加熱回転ベルト9aを定着に必要な所定温度に加熱して昇温させるために要する熱エネルギーを節減し、定着装置9における消費電力を極力抑制することができる。
そのため、ヒータ920Aからの放射熱が第1熱遮蔽部材980において反射された反射熱を、加熱回転ベルト9aを部分的に加熱する熱エネルギーに有効活用して、加熱回転ベルト9aの温度を効率よく上昇させることができる。これにより、加熱回転ベルト9aを定着に必要な所定温度に加熱して昇温させるために要する熱エネルギーを節減し、定着装置9における消費電力を極力抑制することができる。
また、本実施形態の定着装置9は、加熱回転ベルト9aの内部に配置され、ヒータ920Bからの放射熱が受圧部材940よりも加熱回転ベルト9aの回転方向下流側の部位へ直接放射されることを遮蔽する第2熱遮蔽部材990であって第2熱遮蔽部材990の他端部990Cが加熱回転ベルト9aの内周面における受圧部材940よりも加熱回転ベルト9aの回転方向下流側に当接し又は近接している第2熱遮蔽部材990を更に備える。
そのため、ヒータ920Aからの放射熱が受圧部材940及び支持部材960を含めて加熱回転ベルト9aの回転方向下流側の部位へ直接放射されることを阻害して、不必要な放熱ロスを低減することができ、消費電力の一層の軽減を図ることができる。
そのため、ヒータ920Aからの放射熱が受圧部材940及び支持部材960を含めて加熱回転ベルト9aの回転方向下流側の部位へ直接放射されることを阻害して、不必要な放熱ロスを低減することができ、消費電力の一層の軽減を図ることができる。
また、本実施形態においては、加熱回転ベルト9aの回転軸方向に視た場合において、第1熱遮蔽部材980は、その他端部980Cが加熱回転ベルト9aの回転方向下流側へ延びるように、屈曲している。また、第2熱遮蔽部材990は、その他端部990Cが加熱回転ベルト9aの回転方向下流側へ延びるように、屈曲している。そのため、加熱回転ベルト9aの内周面と、第1熱遮蔽部材980の他端部980C又は第2熱遮蔽部材990の他端部990Cとの接触により加熱回転ベルト9aの回転が阻害されにくく、加熱回転ベルト9aはスムーズに回転しやすい。
また、本実施形態の定着装置9は、加熱回転ベルト9aの内部に配置され受圧部材940を支持する支持部材960と、断熱性を有する素材から形成され第1熱遮蔽部材980と支持部材960とを連結させる第1断熱性連結部材982と、断熱性を有する素材から形成され第2熱遮蔽部材990と支持部材960とを連結させる第2断熱性連結部材992と、を備える。
そのため、ヒータ920A,920Bからの放射熱の遮蔽に伴って温度が上昇する第1熱遮蔽部材980,第2熱遮蔽部材990の熱が支持部材960側に伝わりにくく、支持部材960の温度が無用に上昇することを抑制することができる。これにより、熱エネルギーのロスが減少し、ヒータ920A,920Bの無駄な加熱動作を抑制し、全体として、消費電力の軽減を図ることができる。
そのため、ヒータ920A,920Bからの放射熱の遮蔽に伴って温度が上昇する第1熱遮蔽部材980,第2熱遮蔽部材990の熱が支持部材960側に伝わりにくく、支持部材960の温度が無用に上昇することを抑制することができる。これにより、熱エネルギーのロスが減少し、ヒータ920A,920Bの無駄な加熱動作を抑制し、全体として、消費電力の軽減を図ることができる。
さらに、本実施形態においては、第2熱遮蔽部材990の他端部990Cと加熱回転ベルト9aの内周面とに挟まれた状態で加熱回転ベルト9aの内部に配置され、加熱回転ベルト9aの内周面に付着した状態で加熱回転ベルト9aの回転に伴って加熱回転ベルト9aの回転方向下流側へ移動する潤滑剤Gを堰き止める潤滑剤堰き止め部材993を備える。
そのため、定着ニップN9を通過した後の加熱回転ベルト9aの内周面に付着した潤滑剤Gを、堰き止め部材993により堰き止めることで、不必要な潤滑剤Gが第2熱遮蔽部材990の他端部990Cよりも回転方向下流側に移送されることを抑制することができる。
そのため、定着ニップN9を通過した後の加熱回転ベルト9aの内周面に付着した潤滑剤Gを、堰き止め部材993により堰き止めることで、不必要な潤滑剤Gが第2熱遮蔽部材990の他端部990Cよりも回転方向下流側に移送されることを抑制することができる。
特に、堰き止め部材993として、潤滑剤Gを吸収する吸収性の有するものを用いることにより、堰き止めた潤滑剤Gを堰き止め部材993自体で吸収保持させることが可能である。これによって、加熱回転ベルト9aの内周面に必要以上の潤滑剤Gが付着したままでヒータ920Aによる加熱領域に進入し、その進入した潤滑剤Gがヒータ920Aからの放射熱で加熱されて熱劣化し、所定の摺動性が低下することも極力抑制することができる。
また、本実施形態では、加熱回転ベルト9aの外周面の検出温度を検出するサーミスタ975に対応する箇所に、加熱回転ベルト9aの内周面に当接して従動回転可能な規制ローラ972が配置されている。また、規制ローラ972よりも加熱回転ベルト9aの回転方向下流側において加熱回転ベルト9aの内周面に第1熱遮蔽部材980の他端部980Cが当接又は近接されている。
そのため、サーミスタ975に対応する加熱回転ベルト9a部分の形状を一定に保持してサーミスタ975と加熱回転ベルト9aの外周面との距離を一定に保つことが容易である。これによって、サーミスタ975による加熱回転ベルト9aの温度の検出を精度よく行うことができる。従って、加熱回転ベルト9aの検出温度に基づくサーモスタット976の電気抵抗値の変化に応じて、ヒータ920A,920Bの発熱量を適正に調節して、加熱回転ベルト9aの温度制御を安定的に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、加圧ローラ9b(第2回転体)を回転駆動させ、加熱回転ベルト9a(第1回転体)を従動回転させているが、これに制限されず、第1回転体を回転駆動させ、第2回転体を従動回転させてもよい。
また、第2回転体として、加圧ローラ9bを用いたが、これに代えて、無端状に形成されたフレキシブルなベルトからなる加圧回転体を用いることができる。
例えば、前記実施形態においては、加圧ローラ9b(第2回転体)を回転駆動させ、加熱回転ベルト9a(第1回転体)を従動回転させているが、これに制限されず、第1回転体を回転駆動させ、第2回転体を従動回転させてもよい。
また、第2回転体として、加圧ローラ9bを用いたが、これに代えて、無端状に形成されたフレキシブルなベルトからなる加圧回転体を用いることができる。
また、前記実施形態においては、2つのヒータ920(920A,920B)、及びそれら両ヒータ920A,920Bそれぞれに対応する第1熱遮蔽部材980,第2熱遮蔽部材990を備えているが、これに制限されない。例えば、定着装置9は、一方のヒータ920A及び第1熱遮蔽部材980のみを備えたものであってもよい。
本発明の定着装置は、ユニット化され、画像形成装置の装置本体から着脱自在に構成されていてもよく、あるいは、画像形成装置の装置本体と一体的に構成されていてもよい。
本発明の定着装置は、ユニット化され、画像形成装置の装置本体から着脱自在に構成されていてもよく、あるいは、画像形成装置の装置本体と一体的に構成されていてもよい。
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
1……プリンタ(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、16……現像器、9……定着装置、9a……加熱回転ベルト(第1回転体)、9b……加圧ローラ(第2回転体)、920(920A,920B)……ヒータ、940……受圧部材、960……支持部材、970……潤滑剤溜まり部、980……第1熱遮蔽部材、980C……他端部(端部)、982……第1断熱性連結部材、990……第2熱遮蔽部材、990C……他端部(端部)、992……第2断熱性連結部材、993……潤滑剤堰き止め部材、G……潤滑剤、T……用紙(被転写材)、TN……トナー
Claims (11)
- 画像形成装置に設けられた状態で、シート状の被転写材に転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融して前記被転写材に定着させる定着装置であって、
無端ベルト状で周方向に回転可能な第1回転体と、
前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体を内側から加熱するヒータと、
前記第1回転体の内部に配置され、該第1回転体の内周面に当接する受圧部材と、
前記第1回転体を介して前記受圧部材との間で前記被転写材を挟持して定着ニップを形成する回転可能な第2回転体と、を備え、
前記第1回転体の内周面と前記受圧部材との間に、該第1回転体の内周面と該受圧部材との摩擦抵抗を減少させる潤滑剤が配され、
前記第1回転体の内周面側で且つ前記受圧部材よりも該第1回転体の回転方向上流側に、前記第1回転体の内周面に付着した前記潤滑剤が溜まる潤滑剤溜まり部が形成され、
前記第1回転体の内部に、前記ヒータからの放射熱を遮蔽して該放射熱が前記潤滑剤溜まり部へ直接放射されることを阻害する第1熱遮蔽部材であって、該第1熱遮蔽部材の端部が前記第1回転体の内周面における前記潤滑剤溜まり部よりも該第1回転体の回転方向上流側に当接し又は近接している第1熱遮蔽部材を更に備える
定着装置。 - 前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記潤滑剤溜まり部は、前記受圧部材における前記第1回転体の回転方向上流側の外面と前記第1回転体の内周面とにより凹状に形成される凹部から形成される
請求項1に記載の定着装置。 - 前記第1熱遮蔽部材は、前記ヒータからの放射熱を反射する
請求項1又は2に記載の定着装置。 - 前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記第1熱遮蔽部材は、その前記端部が該第1回転体の回転方向下流側へ延びるように、屈曲している
請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。 - 前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持する支持部材と、
断熱性を有する素材から形成され、前記第1熱遮蔽部材と前記支持部材とを連結させる第1断熱性連結部材と、を更に備える
請求項1から4のいずれかに記載の定着装置。 - 前記第1回転体の内部に配置され、前記ヒータからの放射熱が前記受圧部材よりも前記第1回転体の回転方向下流側の部位へ直接放射されることを遮蔽する第2熱遮蔽部材であって、該第2熱遮蔽部材の端部が前記第1回転体の内周面における前記受圧部材よりも該第1回転体の回転方向下流側に当接し又は近接している第2熱遮蔽部材を更に備える
請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。 - 前記第1回転体の回転軸方向に視た場合において、前記第2熱遮蔽部材は、その前記端部が該第1回転体の回転方向下流側へ延びるように、屈曲している
請求項6に記載の定着装置。 - 前記第2熱遮蔽部材の前記端部と前記第1回転体の内周面とに挟まれた状態で該第1回転体の内部に配置され、前記第1回転体の内周面に付着した状態で前記第1回転体の回転に伴って前記第1回転体の回転方向下流側へ移動する前記潤滑剤を堰き止める潤滑剤堰き止め部材を更に備える
請求項6又は7に記載の定着装置。 - 前記潤滑剤堰き止め部材は、前記潤滑剤を吸収する吸収性を有する
請求項8に記載の定着装置。 - 前記第1回転体の内部に配置され、前記受圧部材を支持する支持部材と、
断熱性を有する素材から形成され、前記第2熱遮蔽部材と前記支持部材とを連結させる第2断熱性連結部材と、を更に備える
請求項6から9のいずれかに記載の定着装置。 - 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
請求項1から10のいずれかに記載の定着装置と、を備える
画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2009168380A JP2011022430A (ja) | 2009-07-17 | 2009-07-17 | 定着装置及び画像形成装置 |
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