JP2014178608A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着装置20は、回転可能な定着ベルト21と、定着ベルトを輻射熱により加熱するハロゲンヒータ23と、定着ベルトの外周面に当接してニップ部Nを形成する加圧ローラ22と、ハロゲンヒータからの熱を遮蔽する遮蔽部材27とを備える。この定着装置において、作像開始時に、ハロゲンヒータによる加熱が開始された後で遮蔽部材27を移動させて輻射熱の照射領域を変更する。
【選択図】図12
Description
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
以下、図2に基づき、定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する対向部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内周側から加圧ローラ22に当接してニップ部Nを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23からの熱を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ28等を備える。
図4に示すように、定着ベルト21の両端部の内周には、それぞれベルト保持部材としてのフランジ部材40が挿入されており、定着ベルト21はこのフランジ部材40によって回転可能に保持されている。また、各フランジ部材40、ハロゲンヒータ23及びステー25は、定着装置20の図示しない一対の側板に固定支持されている。
図5に示すように、遮蔽部材27は、フランジ部材40に取り付けられた円弧状のスライド部材41を介して支持されている。具体的には、遮蔽部材27の端部に設けられた突起27aが、スライド部材41に設けられた孔部41aに挿入されることで、遮蔽部材27がスライド部材41に取り付けられている。また、スライド部材41には凸部41bを設けてあり、その凸部41bがフランジ部材40に設けられた円弧状の溝部40aに挿入されることで、スライド部材41は溝部40aに沿ってスライド移動可能となっている。これにより、遮蔽部材27は、スライド部材41と一体的に、フランジ部材40の周方向に回転移動可能となっている。また、本実施形態では、フランジ部材40及びスライド部材41は、樹脂で構成されている。
図6に示すように、本実施形態では、遮蔽部材27の駆動機構として、駆動源であるモータ42と、複数のギヤ43,44,45からなるギヤ列を有する動力伝達機構46とを備える。ギヤ列のうち、一端側のギヤ43はモータ42に連結され、他端側のギヤ45はスライド部材41の周方向に設けられたギヤ部41cに連結されている。モータ42が駆動すると、その駆動力がギヤ列を介してスライド部材41に伝達され、遮蔽部材27が正方向(非加熱領域βから被加熱領域αに向う回転方向)および逆方向(被加熱領域αから非加熱領域βに向う回転方向)に回転移動するようになっている。モータ42は例えばステッピングモータで構成することができ、この場合の遮蔽部材27の位置制御は、駆動パルス数を変更することで行うことができる。なお、モータ42としては、ステッピングモータに代えてDCモータ等を使用することもできる。
まず、図7に基づき、遮蔽部材27の形状について詳しく説明する。
図7に示すように、本実施形態の遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽するために両端部に設けられた一対の遮蔽部48と、遮蔽部48同士を連結する連結部49とを有する。また、両遮蔽部48の間は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽せずに放出する開口部50となっている。
図7に示すように、本実施形態では、用紙サイズに応じて加熱領域を変更するため、各ハロゲンヒータ23の発熱部の長さや配設位置を異ならせている。2本のハロゲンヒータ23のうち、一方(図の下側)のハロゲンヒータ23の発熱部23aは、長手方向中央部側に配設され、他方(図の上側)のハロゲンヒータ23の発熱部23bは、長手方向両端部側にそれぞれ配設されている。この例では、中央部側の発熱部23aは、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲に配設されており、両端部側の発熱部23bは、中サイズの通紙幅W2以上で、大サイズ及び特大サイズの通紙幅W3,W4を含む範囲に配設されている。
まず、図7に示す中サイズ用紙P2を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aのみを発熱させることにより、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲のみを加熱する。また、特大サイズ用紙P4を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aに加え、両端部側の発熱部23bも発熱させ、特大サイズの通紙幅W4に対応した範囲を加熱する。
本実施形態の場合は、特に、大サイズの通紙幅W3よりも外側の領域において温度上昇しやすいので、大サイズの通紙幅W3よりも外側に温度センサ28を配設することが望ましい(図7参照)。また、本実施形態では、2本のハロゲンヒータ23のうち、上記温度上昇に大きく起因するのは、両端部側に発熱部23bを有するハロゲンヒータ23であるので、このハロゲンヒータ23の発熱部23bと対向する位置に温度センサ28を配設することが望ましい。図7では通紙幅の両端に温度センサ28を配置した場合を例示しているが、どちらか一方の温度センサ28を省略することもできる。また、図示した場所以外に温度センサ28を配置することもできる(例えば通紙幅の中央部)。温度センサ28の設置数は任意であり、定着ベルト21の軸方向の3箇所以上に配置することもできる。この場合、通紙する用紙幅に応じて使用する温度センサ28を選択するようにしてもよい。
図9に示す遮蔽部材27では、両端部側の遮蔽部48が、それぞれ2つの段差部を有する形状に形成されている。すなわち、各遮蔽部48は、長手方向幅の小さい小遮蔽部48aと、長手方向幅の大きい大遮蔽部とで構成されている。大遮蔽部48b同士は、連結部49を介して連結されており、小遮蔽部48aは、大遮蔽部48bの遮蔽側Yに連続して設けられている。また、小遮蔽部48aの互いに対向する内縁、及び大遮蔽部48の互いに対向する内縁は、遮蔽側Yに向かって互いに離れるように傾斜する傾斜部52a,52bとなっており、ここでは、上記図7に示す遮蔽部材27のようなストレート部51は形成されていない。
この位置検出手段は、被検知部である1つのフィラー54と、被検知部の位置を検知する二つの検知センサ55,56とを備える。
フィラー54は、略扇形に形成されており、図示しないリンク機構を介して遮蔽部材27と連動して正逆方向に回転するように構成されている。2つの検知センサ55,56は、フィラー54の回転方向に離間させて何れも図示しないフレームなどに固定されている。この検知センサ55,56は、例えば発光部と受光部を有するフォトインタラプタで構成することができる。発光部と受光部の間にフィラー54が進入して光が遮断されると(遮光状態)、各センサ55,56がそれぞれHighの信号を発し、発光部と受光部の間からフィラー54の端部が抜け出て光が透過されると(透光状態)、各センサ55,56がそれぞれLowの信号を発する。
同図は、画像形成装置の制御装置に作像開始(Start)の信号入力があった後の定着装置の制御フローチャートを示している。同図に示すように、作像開始の信号を受けると、先ず遮蔽部材27が初期位置にあるか否かの判定が行われる。この際、上記のとおり初期位置検出用センサ55がHigh(遮光状態)で回転角制御用センサ56がLow(透光状態)であれば(YES)、遮蔽部材27が初期位置にあると判定することができるので次のステップに移行する。この条件が満足されていなければ(No)、遮蔽部材27が初期位置にないと判定し、遮蔽部材27を逆方向X2に回転させて初期位置を検出する。
この切り替え機構60は、ニップ部Nが加圧状態であるか脱圧状態であるかを検出する機能を有するもので、レバー部材61、カム62、弾性部材63、被検知部材としてのフィラー64、およびフォトインタラプラ等からなる検知センサ65を主要な構成要素としている。レバー部材61は、その一端に設けた支軸O1を中心として回転可能に支持されており、レバー部材61の他端にカム62のカム面が当接している。加圧ローラ22の軸端部には芯金22aが突出しており、この芯金22aがレバー部材61の中間部と当接している。カム62は、偏心位置に設けた支軸O2を中心として回転可能に支持され、図示しないモータ等の駆動源により回転駆動される。レバー部材61は、引張ばね等からなる弾性部材63の弾性力でカム62のカム面に押し付けられている。
カム62の回転に伴い、加圧ローラ22は脱圧位置から加圧位置に移動する。この加圧ローラ22の移動に伴い、図14に示すように、検知センサ65の出力がHighからLowに切り替わる。従って、検知センサ65の出力を制御装置で監視することで、加圧ローラ22が加圧状態にあるのか、脱圧状態にあるのかを認識することが可能となる。
制御装置が作像動作の開始信号を受けると(Start)、先ずカム65の回転を開始させる(加圧力切替動作開始)。次いで、検知センサ65の出力がHighであるか否かを判定するプロセスに移行する。出力がHighであれば(Yes)、加圧ローラ22が加圧状態になったと認識されるので、次いで定着ベルト21の回転を開始し、さらにハロゲンヒータ23をONにしてハロゲンヒータ23による加熱を開始する。Lowであれば(No)、出力信号がHighになるまでカム65の回転を継続する。
具体的には、図16に示すように、先ず、定着を行う用紙情報(紙幅)を確認し、複数の温度センサ28の中から対象とする温度センサ28を確定する。次に温度センサ28の検知温度が判定温度(閾値)よりも大きいか否かを判定する。ここで検知温度が判定温度よりも小さい場合(Yes)は、遮蔽部材27を移動させずにその位置を保持する。検知温度が判定温度よりも大きければ(No)、遮蔽部材27を所定パルス分だけ正方向X1に回転させて遮蔽面積を大きくし、被加熱領域αの面積を縮小する。このように遮蔽部材27の動作開始タイミングのトリガとして、定着ベルト21の温度情報を用いることで、定着ベルト21をはじめとする各部材の保護を図り、かつ定着ベルト21の軸方向の温度ムラを抑制することが可能となる。
具体的には、図17に示すように、先ず、定着を行う用紙情報(紙幅)を確認し、複数の温度センサ28の中から対象とする温度センサ28を確定する。状態遷移が「通紙中」となったところからカウントを開始し、判定時間が経過した否かを判定する。判定時間が経過した場合に遮蔽部材27を所定パルス分だけ正方向X1に回転させ、遮蔽部材27を狙いの遮蔽位置に移動させる。このように遮蔽部材27の動作開始タイミングのトリガとして、搬送される用紙情報ごとに異なる時間情報を使用することで、図16に示す制御フローを行う場合と同様の効果を得ることができる。
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
27 遮蔽部材
54 フィラー(被検知部)
55 初期位置検知用センサ
56 回転角制御用センサ
60 切り替え機構
62 カム
64 フィラー(被検知部)
65 検知センサ
P 用紙(記録媒体)
Claims (7)
- 回転可能な定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱源と、前記定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記加熱源と定着部材の間で移動可能であり、かつその移動により、定着部材の、前記加熱源に加熱される被加熱領域の面積を変更可能な遮蔽部材とを備える定着装置において、
作像開始時に、加熱源による加熱が開始された後で遮蔽部材を移動させて被加熱領域の面積を変更することを特徴とする定着装置。 - 加熱源による加熱が開始された後の前記遮蔽部材の移動が、被加熱領域の面積が縮小する方向に行われる請求項1記載の定着装置。
- 前記加熱源による加熱の開始が、定着部材の回転開始後に行われる請求項1または2記載の定着装置。
- 前記ニップ部を加圧状態と脱圧状態との間で切り替える切り替え機構を備え、ニップ部が加圧状態の時に、前記加熱源による加熱が開始される請求項1〜3何れか1項に記載の定着装置。
- 定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、加熱源による加熱が開始されてから遮蔽部材の移動が開始されるまでの時間を、温度検知手段が検知した温度情報に基づいて定める請求項1〜4何れか1項に記載の定着装置。
- 加熱源による加熱が開始されてから遮蔽部材の移動が開始されるまでの時間を、ニップ部に供給される記録媒体の情報に応じて定める請求項1〜4何れか1項に記載の定着装置。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の定着装置を有する画像形成装置。
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