JP6032541B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、用紙等の記録媒体上に担持されたトナー画像を定着させる定着装置が設けられている。一般に、定着装置は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材と、その定着部材に当接してニップ部を形成する対向部材とを備える。画像形成装置にて作像動作が開始され、用紙にトナー画像が転写されると、その用紙が、所定の温度にまで加熱された定着部材と対向部材の間のニップ部を通過することにより、用紙上に担持されたトナーが加熱溶融されて画像が定着される。
また、定着装置では、ニップ部を通過する用紙によって定着部材の熱が奪われるので、温度センサなどによって定着部材が適切な温度に維持されるように管理されている。一方、用紙が通過しない非通紙領域では、定着部材の熱が奪われにくい傾向にある。このため、特に、用紙を連続通紙した場合に、非通紙領域において定着部材が過昇温するといった問題がある。
そこで、この問題を解決するため、特許文献1、2、3では、定着部材の非通紙領域において加熱源からの熱を遮蔽する遮蔽部材を設けた定着装置が提案されている。また、これらの定着装置においては、遮蔽部材が移動可能に構成されており、遮蔽部材を用紙サイズに応じて適切な位置に配設することで、必要な範囲において熱を遮蔽すると共に、用紙幅に対応した加熱領域を確保できるようにしている。
なお、特許文献4に記載の定着装置は、磁束を発生させることで定着部材を加熱する電磁誘導加熱方式を用いたものであるが、ここでは、磁束を遮蔽する磁束遮蔽部材を用紙サイズに応じて移動可能とすることで、用紙幅に対応した加熱領域を確保できるようにしている。
上記のように、遮蔽部材を移動可能とした構成においては、遮蔽部材の位置制御のために、印刷動作(定着処理)終了後に遮蔽部材を一旦初期位置に戻すようにすることも考えられる。ただし、異常により画像形成装置が動作途中で停止した場合や、定着装置を脱着した場合は、遮蔽部材が初期位置に戻されていない可能性があるため、例えば、画像形成装置の立ち上げ動作時に、遮蔽部材を初期位置に戻す動作を行う必要がある。しかしながら、そのとき、遮蔽部材を初期位置に戻すのに時間を要すると、その間、印刷動作(定着処理)が行えないため、ユーザー等の待ち時間が長くなるといった問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑み、遮蔽部材を初期位置に戻す時間を短くすることが可能な定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、回転可能な定着部材と、前記定着部材を輻射熱により加熱する加熱源と、前記定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記加熱源からの熱を遮蔽する遮蔽部材とを備える定着装置において、前記遮蔽部材は、前記ニップ部を通過する記録媒体の幅サイズに応じて、予め設定された初期位置とそれとは異なる位置との間で移動可能に構成され、前記遮蔽部材の初期位置を検知する初期位置検知手段を備え、前記初期位置検知手段は、前記遮蔽部材と連動する被検知部と、前記被検知部の位置を検知する検知センサとを備え、前記被検知部は、リンク部材を介して前記遮蔽部材に連結され、前記被検知部を前記リンク部材の一端部に連結し、前記遮蔽部材を前記リンク部材の他端部に連結したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、初期位置検知手段によって遮蔽部材の初期位置を直接検知することができるので、遮蔽部材を初期位置に戻すのに要する時間を短くすることができる。
本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 前記画像形成装置に搭載された定着装置の概略構成図である。 遮蔽部材を退避位置へ移動させた状態を示す図である。 前記定着装置の斜視図である。 遮蔽部材の支持構造を示す図である。 遮蔽部材の駆動手段を示す図である。 遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。 遮蔽部材の他の実施形態を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。 遮蔽部材の位置を検知する位置検知手段を示す図である。 遮蔽部材を初期位置へ戻す動作を説明するための図である。 比較例の位置検知手段を示す図である。 比較例の位置検知手段を用いた場合の遮蔽部材を初期位置へ戻す動作を説明するための図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、上記一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には、補給用のトナーを収容する4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙Pを二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。そして、各感光体5の表面が図示しない除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
プリンタの下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によって搬送が一旦停止される。
その後、所定のタイミングでレジストローラ12の回転駆動を開始し、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップへ搬送する。このとき、二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2は、本実施形態の定着装置の断面図である。
以下、図2に基づき、定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する対向部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内周側から加圧ローラ22に当接してニップ部Nを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23からの熱を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ28等を備える。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着部材と対向部材は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
上記ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の内周側で、かつ、ニップ部Nの用紙搬送方向の上流側に配設されている。詳しくは、図2において、ニップ部Nの用紙搬送方向の中央Qと、加圧ローラ22の回転中心Oを通る仮想直線をLとすると、ハロゲンヒータ23はこの仮想直線Lよりも用紙搬送方向の上流側(図2の下側)に配設されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ28による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサの代わりに、加圧ローラ22の温度を検知する温度センサ(図示省略)を設け、その温度センサで検知した温度により、定着ベルト21の温度を予測するようにしてもよい。
本実施形態では、ハロゲンヒータ23は2本設けられているが、プリンタで使用する用紙のサイズ等に応じて、ハロゲンヒータ23の本数を1本又は3本以上としてもよい。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いることも可能である。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の定着ベルト21と対向する面に設けられた低摩擦性の摺動シート240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されている。ベースパッド241が加圧ローラ22の加圧力を受けることで、ニップ部Nの形状が決まる。本実施形態では、ニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。摺動シート240は、定着ベルト21が回転する際の摺動摩擦を低減するために設けられている。なお、ベースパッド241自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、摺動シート240を有しない構成としてもよい。
ベースパッド241は、耐熱温度200℃以上の耐熱性部材で構成されており、トナー定着温度域で熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド241の材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂を用いることが可能である。
また、ベースパッド241は、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。また、ベースパッド241も、強度確保のためにある程度硬い材料で構成されていることが望ましい。ベースパッド241の材料としては、液晶ポリマー(LCP)等の樹脂や、金属、あるいはセラミックなどを適用することができる。
上記反射部材26は、ハロゲンヒータ23と対向するようにステー25に固定支持されている。この反射部材26によって、ハロゲンヒータ23から放射された熱(又は光)を定着ベルト21へ反射することで、熱がステー25等に伝達されるのを抑制し、定着ベルト21を効率良く加熱すると共に省エネルギー化を図っている。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が用いられる。特に、アルミニウム製の基材に輻射率の低い(反射率の高い)銀を蒸着したものを用いた場合、定着ベルト21の加熱効率を向上させることが可能である。
上記遮蔽部材27は、厚さ0.1mm〜1.0mmの金属板を、定着ベルト21の内周面に沿った円弧状の断面形状に形成して構成されている。また、遮蔽部材27は、必要に応じて定着ベルト21の周方向に移動可能となっている。本実施形態では、定着ベルト21の周方向領域において、ハロゲンヒータ23が定着ベルト21に直接対向して加熱する直接加熱領域と、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21との間に遮蔽部材27以外の他部材(反射部材26、ステー25、ニップ形成部材24等)が介在する非直接加熱領域とがあるが、熱遮蔽する必要がある場合は、図2に示すように、遮蔽部材27を直接加熱領域側の遮蔽位置に配設する。一方、熱遮蔽の必要がない場合は、図3に示すように、遮蔽部材27を非直接加熱領域側の退避位置へ移動させ、遮蔽部材27を反射部材26やステー25の裏側へ退避させることが可能となっている。また、遮蔽部材27は耐熱性を要するため、その素材には、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料、又はセラミックを用いることが好ましい。
図4は、本実施形態の定着装置の斜視図である。
図4に示すように、定着ベルト21の両端部には、それぞれベルト保持部材としてのフランジ部材40が挿入されており、定着ベルト21はこのフランジ部材40によって回転可能に保持されている。また、各フランジ部材40、ハロゲンヒータ23及びステー25は、定着装置20の図示しない一対の側板に固定支持されている。
図5は、遮蔽部材の支持構造を示す図である。
図5に示すように、遮蔽部材27は、フランジ部材40に取り付けられた円弧状のスライド部材41を介して支持されている。具体的には、遮蔽部材27の端部に設けられた突起27aが、スライド部材41に設けられた孔部41aに挿入されることで、遮蔽部材27がスライド部材41に取り付けられている。また、スライド部材41には凸部41bが設けてあり、その凸部41bがフランジ部材40に設けられた円弧状の溝部40aに挿入されることで、ガイド部材41は溝部40aに沿ってスライド移動可能となっている。これにより、遮蔽部材27は、スライド部材41と一体的に、フランジ部材40の周方向に回転移動可能となっている。また、本実施形態では、フランジ部材40及びスライド部材41は、樹脂で構成されている。
なお、図5では、片方の端部の支持構造のみ示しているが、他方の端部も同様に、スライド部材41を介して回転移動可能に保持されている。
図6は、遮蔽部材の駆動手段を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、遮蔽部材27の駆動手段として、駆動源であるモータ42と、複数の伝達ギア43,44,45から成るギア列とを備える。ギア列のうち、一端側のギア43はモータ42に連結され、他端側のギア45はスライド部材41の周方向に設けられたギア部41cに連結されている。これにより、モータ42が駆動すると、その駆動力がギア列を介してスライド部材41に伝達され、遮蔽部材27が回転移動するようになっている。
図7は、遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。
まず、図7に基づき、遮蔽部材27の形状について詳しく説明する。
図7に示すように、本実施形態の遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽するために両端部に設けられた一対の遮蔽部48と、遮蔽部48同士を連結する連結部49とを有する。また、両遮蔽部48の間は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽せずに放出する開口部50となっている。
また、各遮蔽部48の互いに対向する内縁には、遮蔽部材27の回転方向に対して平行なストレート部51と、その回転方向に対して傾斜する傾斜部52とが形成されている。図7において、遮蔽部材27が遮蔽位置へ回転移動する側を遮蔽側Yとすると、各傾斜部52はストレート部51の遮蔽部側Yに連続して設けられており、互いに遮蔽側Yに向かって離れるように傾斜している。これにより、開口部50は、その遮蔽側Yに向かって、ストレート部51間で同じ幅に形成され、傾斜部52間では幅が広がるように形成されている。
次に、ハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、用紙サイズに応じて加熱領域を変更するため、各ハロゲンヒータ23の発熱部の長さや配設位置を異ならせている。2本のハロゲンヒータ23のうち、一方(図の下側)のハロゲンヒータ23の発熱部23aは、長手方向中央部側に配設され、他方(図の上側)のハロゲンヒータ23の発熱部23bは、長手方向両端部側にそれぞれ配設されている。この例では、中央部側の発熱部23aは、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲に配設されており、両端部側の発熱部23bは、中サイズの通紙幅W2以上で、大サイズ及び特大サイズの通紙幅W3,W4を含む範囲に配設されている。
また、遮蔽部材27の形状と用紙サイズとの関係では、各ストレート部51が、大サイズの通紙幅W3の端部に対して幅方向内側近傍に配設され、各傾斜部52が、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。
なお、本実施形態における用紙サイズの例としては、例えば、中サイズがレターサイズ(通紙幅215.9mm)又はA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがダブルレターサイズ(通紙幅279.4mm)又はA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)などが挙げられる。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。また、ここでいう、中サイズ、大サイズ、特大サイズは、各サイズの相対的な関係を示すものであり、小サイズ、中サイズ、大サイズなどであっても構わない。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が図示しない分離部材の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
次に、用紙サイズごとのハロゲンヒータの制御と遮蔽部材の制御について説明する。
まず、図7に示す中サイズ用紙P2を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aのみを発熱させることにより、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲のみを加熱する。また、特大サイズ用紙P4を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aに加え、両端部側の発熱部23bも発熱させ、特大サイズの通紙幅W4に対応した範囲を加熱する。
ところが、本実施形態では、ハロゲンヒータ23の加熱範囲は中サイズの通紙幅W2と特大サイズの通紙幅W4にしか対応していない。このため、大サイズ用紙P3を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させると、必要な範囲が加熱されず、中央部側と両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させると、加熱される範囲が大サイズの通紙幅W3を超えてしまう。仮に、中央部側の両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させた状態で、そのまま大サイズ用紙P3を通紙すると、大サイズの通紙幅W3よりも外側の非通紙領域において定着ベルト21の温度が過度に上昇するといった問題がある。
そこで、本実施形態では、大サイズ用紙P3を通紙する際、図8に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置へ移動させる。これにより、両端部側の遮蔽部48によって大サイズの通紙幅W3の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
また、定着処理を終えた場合、又は、定着ベルト21の非通紙領域の温度が所定の閾値以下になった場合など、熱遮蔽する必要がなくなった場合は、遮蔽部材27を退避位置へ戻す。このように、必要に応じて遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させることで、通紙速度を落としたりすることなく良好な定着を行うことができる。
また、本実施形態では、遮蔽部48に傾斜部52を設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することにより、遮蔽部48によって発熱部23bを覆う範囲を調整することが可能である。例えば、通紙枚数や通紙時間が増えると、非通紙領域における定着ベルト21の温度が上昇しやすい傾向にあるので、通紙枚数が所定枚数に達した際、又は通紙時間が所定時間に達した際に、両端部側の発熱部23bを覆い隠す方向に遮蔽部材27を回転させることで、より高度に温度上昇を抑制することが可能となる。
なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサ28は、定着ベルト21の軸方向における温度上昇が顕著な領域に配設することが望ましい。
本実施形態の場合は、特に、大サイズの通紙幅W3よりも外側の領域において温度上昇しやすいので、大サイズの通紙幅W3よりも外側に温度センサ28を配設することが望ましい(図7参照)。また、本実施形態では、2本のハロゲンヒータ23のうち、上記温度上昇に大きく起因するのは、両端部側に発熱部23bを有するハロゲンヒータ23であるので、このハロゲンヒータ23の発熱部23bと対向する位置に温度センサ28を配設することが望ましい。
また、図9に、遮蔽部材の他の実施形態を示す。
図9に示す遮蔽部材27では、両端部側の遮蔽部48が、それぞれ2つの段差部を有する形状に形成されている。すなわち、各遮蔽部48は、長手方向幅の小さい小遮蔽部48aと、長手方向幅の大きい大遮蔽部とで構成されている。大遮蔽部48b同士は、連結部49を介して連結されており、小遮蔽部48aは、大遮蔽部48bの遮蔽側Yに連続して設けられている。また、小遮蔽部48aの互いに対向する内縁、及び大遮蔽部48の互いに対向する内縁は、遮蔽側Yに向かって互いに離れるように傾斜する傾斜部52a,52bとなっており、ここでは、上記図7に示す遮蔽部材27のようなストレート部51は形成されていない。
図9に示す実施形態では、小サイズ用紙P1、中サイズ用紙P2、大サイズ用紙P3及び特大サイズ用紙P4の少なくとも4種類の用紙を用いる。この実施形態における用紙サイズの例としては、例えば、小サイズがはがきサイズ(通紙幅100mm)、中サイズがA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)などが挙げられる。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。
ここで、小サイズ用紙P1の通紙幅W1は、中央部側の発熱部23aの長さよりも小さい範囲となっている。また、遮蔽部材27の形状との関係では、大遮蔽部48bの各傾斜部52bが、小サイズの通紙幅W1の端部を跨ぐ位置に配設され、小遮蔽部48aの各傾斜部52aは、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。なお、小サイズ以外の用紙サイズ(中、大、特大)と、各発熱部23a,23bとの位置関係は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
小サイズ用紙P1を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させる。しかし、この場合、中央部側の発熱部23aで加熱される範囲は、小サイズの通紙幅W1を超えてしまうので、図10に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させる。これにより、両大遮蔽部48bによって小サイズの通紙幅W1の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
なお、その他のサイズの用紙(中、大、特大)を通紙する際のハロゲンヒータ23と遮蔽部材27の制御は、上記実施形態と同様である。この場合、上記実施形態における遮蔽部48としての機能は、小遮蔽部48aが果たす。
また、図9に示す実施形態の場合も、上記実施形態の遮蔽部48と同様に、小遮蔽部48aと大遮蔽部48bにそれぞれ傾斜部52a,52bを設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することで、各遮蔽部48a,48bによって各発熱部23a,23bを覆う範囲を調整することが可能である。
ところで、用紙サイズに応じて遮蔽部材を適切な位置に配設するには、遮蔽部材の回転位置を検知する位置検知手段を設け、その回転位置を管理する必要がある。位置検知手段としては、例えば、図13に示すように、遮蔽部材100と連動する被検知部としてのフィラー200と、そのフィラー200の位置を検知する検知センサとしてのフォトインタラプタ300とを備えるものが挙げられる。この場合、遮蔽部材100の回転に伴い、フィラー200がフォトインタラプタ300の発光部と受光部との間に介在し、遮光されることで、遮蔽部材100が図の実線で示す位置(初期位置)から図の二点鎖線で示す位置に達したことが検知される。また、この場合、印刷動作(定着処理)が終了すると、遮蔽部材100は初期位置に戻される。
しかしながら、紙詰まりやその他の異常により画像形成装置が動作途中で停止した場合や、定着装置を脱着した場合は、遮蔽部材が初期位置に戻されていない可能性がある。このような場合、例えば、画像形成装置の立ち上げ動作時に、遮蔽部材を初期位置に戻す動作を行う必要がある。ただし、そのとき、遮蔽部材を初期位置に戻すのに要する時間が長くなると、立ち上げ時のウォームアップ時間(電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度(リロード温度)までに要する時間)が長くなってしまうといった問題がある。
具体的には、図14に示すように、フィラー200が初期位置とフォトインタラプタ300との間の位置で静止している場合、まず、遮蔽部材100の位置を把握するために、一旦、遮蔽部材100を初期位置とは反対側のフォトインタラプタ300側へ回転させる必要がある。そして、フォトインタラプタ300によってフィラー200を検知してから、遮蔽部材100をステッピングモータのパルス制御等により初期位置まで移動させる。しかし、このように、遮蔽部材100を初期位置とは反対側へ一旦移動させると、その分、余計に時間がかかってしまう。
そこで、本発明では、遮蔽部材を迅速に初期位置に戻せるような対策を講じている。
以下、本発明の特徴部分について説明する。
図11は、上記本発明の実施形態における遮蔽部材の位置検知手段を示す図である。
ここでは、位置検知手段として、被検知部である1つのフィラー54と、被検知部の位置を検知するための検知センサである2つのフォトインタラプタ55,56とを備える。なお、フィラーとフォトインタラプタ以外のものを位置検知手段として用いてもよい。
フィラー54は、略扇形に形成されており、支持板57に取り付けられた支点54aを中心に回転可能に構成されている。また、フィラー54は、リンク部材58を介して遮蔽部材27と連動可能に構成されている。詳しくは、リンク部材58の両端部が、フィラー54に設けられた突起部54bと、スライド部材41に設けられた突起部41dとに連結されている。これにより、遮蔽部材27を保持するスライド部材41がフランジ部材40に沿って回転すると、これに伴ってフィラー54が支点54aを中心に回転するようになっている。また、このように、リンク部材58を介してフィラー54を連動させる構成とすることで、レイアウト上、遮蔽部材27やスライド部材41の近傍にフィラー54やフォトインタラプタ55,56を配設することができない場合であっても、対応できるようになる。
また、支持板57には、フィラー54とスライド部材41の各突起部54b,41dの回転軌道に沿った円弧状溝から成る2つのガイド部57a,57bが形成されている。フィラー54とスライド部材41が回転する際、各突起部54b,41dが各ガイド部57a,57bに沿って移動することで、フィラー54とスライド部材41が安定して連動するようにしている。
2つのフォトインタラプタ55,56は、プリンタ本体の図示しないフレームなどに固定されている。フォトインタラプタ55,56は、いずれも上記と同様に、光を発する発光部と、その光を受光する受光部とを有している。そして、発光部と受光部の間にフィラー54の端部が進入して光を遮断したとき、又は発光部と受光部の間からフィラー54の端部が抜け出て光が透過したときに、遮蔽部材27が所定の回転位置に達したことが検知される仕組みとなっている。
本実施形態では、2つのフォトインタラプタ55,56のうち、一方(図11の上側)のフォトインタラプタ55を、遮蔽部材27の初期位置を検知する初期位置検知手段として用いている。印刷動作(定着処理)が終了したときなど、遮蔽部材27を初期位置へ戻す場合は、初期位置用のフォトインタラプタ55によって、フィラー54が検知される。
また、他方(図11の下側)のフォトインタラプタ56は、初期位置とは異なる位置で遮蔽部材27の位置を検知するチェック用位置検知手段として用いられる。基本的に、遮蔽部材27の回転位置の制御は、図示しないステッピングモータのパルス量を調整することで行っているが、チェック用のフォトインタラプタ56を用いることで、遮蔽部材27の位置認識の信頼性を向上させている。なお、ステッピングモータの代わりにDCモータ等を用いてもよい。
また、プリンタが何らかの異常により動作途中で停止した場合や、定着装置をプリンタ本体に対して脱着した場合は、プリンタの立ち上げ動作時に、遮蔽部材27を初期位置に戻す動作を行う。このとき、遮蔽部材27が初期位置以外の任意の位置で静止していれば、遮蔽部材27を初期位置側へ直接移動させ、初期位置用のフォトインタラプタ56でフィラー54を検知する。
例えば、図12に示すように、フィラー54の周方向中間部分がチェック用のフォトインタラプタ56の間に介在している場合であっても、フィラー54を初期位置用のフォトインタラプタ55側(図の矢印K方向)に回転させ、遮蔽部材27を初期位置へ直接移動させる。すなわち、この場合、フィラー54の端部540をチェック用のフォトインタラプタ56で一旦検知するために、遮蔽部材27を初期位置とは反対側(図の矢印J下方)へ移動させる必要はない。
このように、本発明によれば、異常などで遮蔽部材が任意の位置で静止した場合であっても、遮蔽部材の位置を一旦別の位置検知手段で検知することなく、初期位置検知手段によって直接検知することができる。これにより、遮蔽部材を初期位置に戻すのに要する時間が短くなるので、画像形成装置の立ち上げ動作時のウォームアップ時間の短縮を図れるようになる。
また、初期位置をどの位置に設定するかは、プリンタの構成や使用態様などによって適宜決定すればよいが、本実施形態では、初期位置を、最も使用頻度が高いと予測される通紙幅に対応させて設定している。
例えば、上記各遮蔽部が段差部を1つずつ有する実施形態(図7参照)においては、ダブルレターサイズの用紙を縦方向、又はレターサイズの用紙を横方向に通紙する際の幅(通紙幅279.4mm)が最も使用頻度が高いと予測される通紙幅となっている。従って、この場合、ダブルレターサイズの用紙を縦方向、又はレターサイズの用紙を横方向に通紙する際に、遮蔽部材27が配設される遮蔽位置を、初期位置としている。
また、上記各遮蔽部が段差部を2つずつ有する実施形態(図9参照)においては、A3サイズの用紙を縦方向、又はA4サイズの用紙を横方向に通紙する際の幅(通紙幅297mm)が最も使用頻度が高いと予測される通紙幅となっている。従って、この場合は、A3サイズの用紙を縦方向、又はA4サイズの用紙を横方向に通紙する際に、遮蔽部材27が配設される遮蔽位置を、初期位置として設定している。
このように、初期位置を、最も使用頻度が高いと予測される通紙幅に対応した位置とすることで、遮蔽部材を移動させる頻度を減らすことができ、立ち上げ時のウォームアップ時間や、ファーストプリント時間(印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印字動作を行い排紙が完了するまでの時間)の短縮化を図れるようになる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、定着部材として、定着ベルトの代わりに中空(筒状)又は中実の定着ローラを用いてもよい。また、遮蔽部材の形状は、上述の実施形態に限定されることはない。使用する紙サイズに応じて、遮蔽部材が3つ以上の段差部を有する形状に形成してもよい。また、本発明に係る定着装置を搭載する画像形成装置も、図1に示すようなプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等とすることが可能である。
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
27 遮蔽部材
54 フィラー(被検知部)
55 フォトインタラプタ(検知センサ)
58 リンク部材
P 用紙(記録媒体)
特許第4130898号公報 特開2008−58833号公報 特開2008−139779号公報 特開2006−71960号公報

Claims (5)

  1. 回転可能な定着部材と、前記定着部材を輻射熱により加熱する加熱源と、前記定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記加熱源からの熱を遮蔽する遮蔽部材とを備える定着装置において、
    前記遮蔽部材は、前記ニップ部を通過する記録媒体の幅サイズに応じて、予め設定された初期位置とそれとは異なる位置との間で移動可能に構成され、
    前記遮蔽部材の初期位置を検知する初期位置検知手段を備え
    前記初期位置検知手段は、前記遮蔽部材と連動する被検知部と、前記被検知部の位置を検知する検知センサとを備え、
    前記被検知部は、リンク部材を介して前記遮蔽部材に連結され、
    前記被検知部を前記リンク部材の一端部に連結し、前記遮蔽部材を前記リンク部材の他端部に連結したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部材は、無端状の定着ベルトであり、
    前記定着ベルトの内周面側で固定支持されると共に、前記対向部材に対して定着ベルトを介して当接するニップ形成部材を備えた請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記初期位置を、前記ニップ部にA3サイズの記録媒体を縦方向、又はA4サイズの記録媒体を横方向に通過させる際に、前記遮蔽部材を配設する位置とした請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記初期位置を、前記ニップ部にダブルレターサイズの記録媒体を縦方向、又はレターサイズの記録媒体を横方向に通過させる際に、前記遮蔽部材を配設する位置とした請求項1又は2に記載の定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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