JP6308408B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置においては、用紙等の記録媒体上に担持されたトナー画像を定着させる定着装置が設けられている。一般に、定着装置は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材と、その定着部材に当接してニップ部を形成する対向部材とを備える。画像形成装置にて作像動作が開始され、用紙にトナー画像が転写されると、その用紙が、所定の温度にまで加熱された定着部材と対向部材の間のニップ部を通過することにより、用紙上に担持されたトナーが加熱溶融されて画像が定着される。
また、定着装置では、ニップ部を通過する用紙によって定着部材の熱が奪われるので、温度センサなどによって定着部材が適切な温度に維持されるように管理されている。一方、用紙が通過しない非通紙領域では、定着部材の熱が奪われにくい傾向にある。このため、特に、用紙を連続通紙した場合に、非通紙領域において定着部材が過昇温するといった問題がある。
そこで、この問題を解決するため、定着部材の非通紙領域において加熱源からの熱を遮蔽する遮蔽部材を設けた定着装置が提案されている(特許文献1)。この定着装置では、ハロゲンヒータの周囲に、開口部を定着部材に向けた反射部材を配置し、反射部材の開口部から定着ローラに向けて照射された熱の照射経路内に遮蔽部材を出し入れして、非通紙領域における定着部材の過昇温を防止するようにしている。
しかしながら、特許文献1の定着装置では、照射経路内に配置された遮蔽部材でも熱が反射され、反射した熱の一部が反射部材に戻って反射部材を昇温させる点が問題となる。反射部材は本来加熱すべき部材ではないので、このような反射部材の昇温は、エネルギーロスを生じる要因となる。
本発明は、かかる事情に鑑み、エネルギーロスを低減できる定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、回転可能な定着部材と、定着部材を加熱する加熱源と、定着部材の外周面に当接してニップ部を形成する対向部材と、加熱源の周囲に配置された反射部材と、加熱源と定着部材の間に配置された遮蔽部材とを備え、遮蔽部材に、加熱源から定着部材へ向かう熱を遮蔽する遮蔽部が設けられた定着装置において、遮蔽部材のうち、少なくとも遮蔽部の、加熱源と対向する表面の熱反射率を、反射部材の加熱源と対向する表面の熱反射率よりも小さくしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、遮蔽部での熱反射が抑制され、これにより遮蔽部に吸収される熱量が増えるため、その分だけ反射部材に吸収される熱量を減少させることができる。この場合、遮蔽部に吸収される熱で遮蔽部材が昇温するが、遮蔽部材は反射部材よりも定着部材に接近した位置にあるため、遮蔽部材が吸収した熱で定着部材を加熱することができる。従って、反射部材の昇温等によるエネルギーロスを小さくすることができる。
本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 前記画像形成装置に搭載された定着装置の概略構成図である。 遮蔽部材を退避位置へ移動させた状態を示す図である。 前記定着装置の斜視図である。 遮蔽部材の支持構造を示す図である。 遮蔽部材の駆動手段を示す図である。 遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。 遮蔽部材の他の実施形態を示す図である。 遮蔽部材を遮蔽位置へ移動させた状態を示す図である。 遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部との関係を示す図である。 遮蔽部材の形状とハロゲンヒータの発熱部との関係を示す図である。 遮蔽部材の断面図である。 遮蔽部材の断面図である。 遮蔽部材の断面図である。 ハロゲンヒータ周辺の概略構造を示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34と、ベルトクリーニング装置35とを備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33、およびテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、上記一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には、補給用のトナーを収容する4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙Pを二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。そして、各感光体5の表面が図示しない除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
プリンタの下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によって搬送が一旦停止される。
その後、所定のタイミングでレジストローラ12の回転駆動を開始し、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップへ搬送する。このとき、二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図2は、本実施形態の定着装置の断面図である。
以下、図2に基づき、定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21の外周面に当接する対向部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内周側から加圧ローラ22に当接してニップ部Nを形成するニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23からの熱を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材27と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ28等を備える。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ80μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ80μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、80〜300μm、3〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着部材と対向部材は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。
上記ハロゲンヒータ23は、定着ベルト21の内周側で、かつ、ニップ部Nの用紙搬送方向の上流側に配設されている。詳しくは、図2において、ニップ部Nの用紙搬送方向の中央Qと、加圧ローラ22の回転中心Oを通る仮想直線をLとすると、ハロゲンヒータ23はこの仮想直線Lよりも用紙搬送方向の上流側(図2の下側)に配設されている。ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ28による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサの代わりに、加圧ローラ22の温度を検知する温度センサ(図示省略)を設け、その温度センサで検知した温度により、定着ベルト21の温度を予測するようにしてもよい。
本実施形態では、ハロゲンヒータ23は2本設けられているが、プリンタで使用する用紙のサイズ等に応じて、ハロゲンヒータ23の本数を1本又は3本以上としてもよい。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いることも可能である。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の定着ベルト21と対向する面に設けられた低摩擦性の摺動シート240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されている。ベースパッド241が加圧ローラ22の加圧力を受けることで、ニップ部Nの形状が決まる。本実施形態では、ニップ部Nの形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。摺動シート240は、定着ベルト21が回転する際の摺動摩擦を低減するために設けられている。なお、ベースパッド241自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、摺動シート240を有しない構成としてもよい。
ベースパッド241は、耐熱温度200℃以上の耐熱性材料で構成されている。かかる構成により、トナー定着温度域で熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図ることができる。また、ベースパッド241は、強度確保のために相応の剛性が求められる。以上の条件を満たすベースパッド241の材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)などの樹脂を用いることが可能である。この他、金属やセラミックでベースパッド241を形成することもできる。
また、ベースパッド241は、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鋼等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。
上記反射部材26は、ハロゲンヒータ23と対向するようにステー25に固定支持されている。この反射部材26によって、ハロゲンヒータ23から放射された熱(又は光)を定着ベルト21へ反射することで、熱がステー25等に伝達されるのを抑制し、定着ベルト21を効率良く加熱すると共に省エネルギー化を図っている。
上記遮蔽部材27は、例えば厚さ0.1mm〜1.0mmの薄い金属板で製作され、その全体が、長手方向と直交する断面を有端とした部分円筒面状に形成されている。遮蔽部材27は、定着ベルト21の内部でベルト内周面に近接し、かつ該内周面に非接触の状態で定着ベルト21と略同軸に回転する。本実施形態では、定着ベルト21の周方向領域において、ハロゲンヒータ23が定着ベルト21に直接対向して加熱する直接加熱領域と、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21との間に遮蔽部材27以外の他部材(反射部材26、ステー25、ニップ形成部材24等)が介在する非直接加熱領域とがある。熱遮蔽する必要がある場合は、図2に示すように、遮蔽部材27を直接加熱領域側の遮蔽位置に配置する。一方、熱遮蔽の必要がない場合は、図3に示すように、遮蔽部材27を回転させて非直接加熱領域側の退避位置へ移動させ、遮蔽部材27を反射部材26やステー25の裏側へ退避させることが可能となっている。このように遮蔽部材27を回転させることで、遮蔽面積を増加し、あるいは減少(0にする場合も含む)させて、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に供給される熱量を調整するようになっている。遮蔽部材27は、350℃以上の耐熱性を有する材料で形成され、この条件を満たす限り、金属以外の材料、例えば樹脂やセラミック等で遮蔽部材27を形成することもできる。
図4は、本実施形態の定着装置の斜視図である。
図4に示すように、定着ベルト21の両端部には、それぞれベルト保持部材としてのフランジ部材40が挿入されており、定着ベルト21はこのフランジ部材40によって回転可能に保持されている。また、各フランジ部材40、ハロゲンヒータ23及びステー25は、定着装置20の図示しない一対の側板に固定支持されている。
図5は、遮蔽部材の支持構造を示す図である。
図5に示すように、遮蔽部材27は、フランジ部材40に取り付けられた円弧状のスライド部材41を介して支持されている。具体的には、遮蔽部材27の端部に設けられた突起27aが、スライド部材41に設けられた孔部41aに挿入されることで、遮蔽部材27がスライド部材41に取り付けられている。また、スライド部材41には凸部41bが設けてあり、その凸部41bがフランジ部材40に設けられた円弧状の溝部40aに挿入されることで、ガイド部材41は溝部40aに沿ってスライド移動可能となっている。これにより、遮蔽部材27は、スライド部材41と一体的に、フランジ部材40の周方向に回転移動可能となっている。また、本実施形態では、フランジ部材40及びスライド部材41は、樹脂で構成されている。
なお、図5では、片方の端部の支持構造のみ示しているが、他方の端部も同様に、スライド部材41を介して回転移動可能に保持されている。
図6は、遮蔽部材の駆動手段を示す図である。
図6に示すように、本実施形態では、遮蔽部材27の駆動手段として、駆動源であるモータ42と、複数の伝達ギヤ43,44,45から成るギヤ列とを備える。ギヤ列のうち、一端側のギヤ43はモータ42に連結され、他端側のギヤ45はスライド部材41の周方向に設けられたギヤ部41cに連結されている。これにより、モータ42が駆動すると、その駆動力がギヤ列を介してスライド部材41に伝達され、遮蔽部材27が回転移動するようになっている。
図7は、遮蔽部材27の形状とハロゲンヒータ23の発熱部と用紙サイズとの関係を示す図である。
まず、図7に基づき、遮蔽部材27の形状について詳しく説明する。
図7に示すように、本実施形態の遮蔽部材27は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽するために両端部に設けられた一対の遮蔽部48と、遮蔽部48同士を連結する連結部49とを有する。また、両遮蔽部48の間は、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽せずに放出する開口部50となっている。
また、各遮蔽部48の互いに対向する内縁には、遮蔽部材27の回転方向に対して平行なストレート部51と、その回転方向に対して傾斜する傾斜部52とが形成されている。図7において、遮蔽部材27が遮蔽位置へ回転移動する側を遮蔽側Yとすると、各傾斜部52はストレート部51の遮蔽部側Yに連続して設けられており、互いに遮蔽側Yに向かって離れるように傾斜している。これにより、開口部50は、その遮蔽側Yに向かって、ストレート部51間で同じ幅に形成され、傾斜部52間では幅が広がるように形成されている。
次に、ハロゲンヒータの発熱部と用紙サイズとの関係について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、用紙サイズに応じて加熱領域を変更するため、各ハロゲンヒータ23の発熱部の長さや配設位置を異ならせている。2本のハロゲンヒータ23のうち、一方(図の下側)のハロゲンヒータ23の発熱部23aは、長手方向中央部側に配設され、他方(図の上側)のハロゲンヒータ23の発熱部23bは、長手方向両端部側にそれぞれ配設されている。この例では、中央部側の発熱部23aは、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲に配設されており、両端部側の発熱部23bは、中サイズの通紙幅W2以上で、大サイズ及び特大サイズの通紙幅W3,W4を含む範囲に配設されている。
また、遮蔽部材27の形状と用紙サイズとの関係では、各ストレート部51が、大サイズの通紙幅W3の端部に対して幅方向内側近傍に配設され、各傾斜部52が、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。
なお、本実施形態における用紙サイズは、例えば、中サイズがレターサイズ(通紙幅215.9mm)又はA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがダブルレターサイズ(通紙幅279.4mm)又はA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)である。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。また、ここでいう、中サイズ、大サイズ、特大サイズは、各サイズの相対的な大小関係を示すものであり、通紙幅の具体的数値は上記の例示に限定されない。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が図示しない分離部材の先端に接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
次に、用紙サイズごとのハロゲンヒータの制御と遮蔽部材27の制御について説明する。
まず、図7に示す中サイズ用紙P2を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aのみを発熱させることにより、中サイズの通紙幅W2に対応した範囲のみを加熱する。また、特大サイズ用紙P4を通紙する場合は、中央部側の発熱部23aに加え、両端部側の発熱部23bも発熱させ、特大サイズの通紙幅W4に対応した範囲を加熱する。
ハロゲンヒータ23の加熱範囲は中サイズの通紙幅W2と特大サイズの通紙幅W4にしか対応していない。このため、大サイズ用紙P3を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させると、必要な範囲が加熱されず、中央部側と両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させると、加熱される範囲が大サイズの通紙幅W3を超えてしまう。仮に、中央部側の両端部側の各発熱部23a,23bを発熱させた状態で、そのまま大サイズ用紙P3を通紙すると、大サイズの通紙幅W3よりも外側の非通紙領域において定着ベルト21の温度が過度に上昇するといった問題がある。
そこで、本実施形態では、大サイズ用紙P3を通紙する際、図8に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置へ移動させる。これにより、両端部側の遮蔽部48によって大サイズの通紙幅W3の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
また、定着処理を終えた場合、又は、定着ベルト21の非通紙領域の温度が所定の閾値以下になった場合など、熱遮蔽する必要がなくなった場合は、遮蔽部材27を退避位置へ戻す。このように、必要に応じて遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させることで、通紙速度を落としたりすることなく良好な定着を行うことができる。
また、本実施形態では、遮蔽部48に傾斜部52を設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することにより、遮蔽部48によってハロゲンヒータ23bを覆う範囲を調整することが可能である。例えば、通紙枚数や通紙時間が増えると、非通紙領域における定着ベルト21の温度が上昇しやすい傾向にあるので、通紙枚数が所定枚数に達した際、又は通紙時間が所定時間に達した際に、両端部側の発熱部23bを覆い隠す方向に遮蔽部材27を回転させる。これにより、確実に定着ベルト21の異常な温度上昇を抑制することが可能となる。
なお、定着ベルト21の温度を検知する温度センサ28は、定着ベルト21の軸方向における温度上昇が顕著な領域に配設することが望ましい。
本実施形態の場合は、特に、大サイズの通紙幅W3よりも外側の領域において温度上昇しやすいので、大サイズの通紙幅W3よりも外側に温度センサ28を配設することが望ましい(図7参照)。また、本実施形態では、2本のハロゲンヒータ23のうち、上記温度上昇に大きく起因するのは、両端部側に発熱部23bを有するハロゲンヒータ23であるので、このハロゲンヒータ23の発熱部23bと対向する位置に温度センサ28を配設することが望ましい。
図9に、遮蔽部材の他の構成例を示す。
図9に示す遮蔽部材27では、両端部側の遮蔽部48が、それぞれ2つの段差部を有する形状に一体形成されている。すなわち、各遮蔽部48は、長手方向幅の小さい小遮蔽部48aと、長手方向幅の大きい大遮蔽部48bとで構成されている。小遮蔽部48aは、遮蔽部材27の長手方向両端に位置し、大遮蔽部48bよりも遮蔽側Yに突出している。二つの遮蔽部48は、連結部49を介して連結されている。また、小遮蔽部48aの互いに対向する内縁、及び大遮蔽部48の互いに対向する内縁は、遮蔽側Yに向かって互いに離れるように傾斜する傾斜部52a,52bとなっている。このタイプの遮蔽部材27では、図7に示す遮蔽部材27のようなストレート部51は形成されていない。
図9に示す実施形態では、小サイズ用紙P1、中サイズ用紙P2、大サイズ用紙P3及び特大サイズ用紙P4の少なくとも4種類の用紙を用いる。この実施形態における用紙サイズは、例えば、小サイズがはがきサイズ(通紙幅100mm)、中サイズがA4サイズ(通紙幅210mm)、大サイズがA3サイズ(通紙幅297mm)、特大サイズがA3ノビ(通紙幅329mm)である。ただし、用紙サイズの例はこれに限定されるものではない。
ここで、小サイズ用紙P1の通紙幅W1は、中央部側の発熱部23aの長さよりも小さい範囲となっている。また、遮蔽部材27の形状との関係では、大遮蔽部48bの各傾斜部52bが、小サイズの通紙幅W1の端部を跨ぐ位置に配設され、小遮蔽部48aの各傾斜部52aは、大サイズの通紙幅W3の端部を跨ぐ位置に配設されている。なお、小サイズ以外の用紙サイズ(中、大、特大)と、各発熱部23a,23bとの位置関係は、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
小サイズ用紙P1を通紙する場合、中央部側の発熱部23aのみを発熱させる。しかし、この場合、中央部側の発熱部23aで加熱される範囲は、小サイズの通紙幅W1を超えてしまうので、図10に示すように、遮蔽部材27を遮蔽位置に移動させる。これにより、両大遮蔽部48bによって小サイズの通紙幅W1の端部近傍から外側の範囲を覆うことができるので、非通紙領域において定着ベルト21の温度上昇を抑えることができる。
なお、その他のサイズの用紙(中、大、特大)を通紙する際のハロゲンヒータ23と遮蔽部材27の制御は、上記実施形態と基本的に同様である。この場合、上記実施形態における遮蔽部48としての機能は、小遮蔽部48aが果たす。
また、図9に示す実施形態の場合も、上記実施形態の遮蔽部48と同様に、小遮蔽部48aと大遮蔽部48bにそれぞれ傾斜部52a,52bを設けているので、遮蔽部材27の回転位置を変更することで、各遮蔽部52a,52bによって各発熱部23a,23bを覆う範囲を調整することが可能である。
図2および図3に示すように、本発明では、定着ベルト21の内部に遮蔽部材27を配置し、遮蔽部材27を遮蔽位置と退避位置との間で移動させている。特に遮蔽部材27が遮蔽位置にある場合、加熱源23から照射された熱の一部は、遮蔽部材27の遮蔽部48で反射され、反射部材26に戻される。この熱が再び反射部材26で反射されることで、熱が遮蔽部材27と反射部材26の間を行き来する。そのため、結果的に反射部材26が加熱され、反射部材26が昇温する。あるいは、反射部材26に加えられた熱がステー25に逃げるため、反射部材26およびその周辺構造での熱容量が大きくなる。これらの要因から、エネルギーロスが増大する結果となる。
この対策として、本発明では、図11に示すように、遮蔽部材27のうち、少なくとも加熱源23と対向する遮蔽部48の表面(図中の散点模様を付した領域)での熱反射率を、反射部材26の加熱源23と対向する表面の熱反射率よりも小さくしている。
これにより、遮蔽部材27が遮蔽位置にある場合でも、遮蔽部48に吸収される熱量が増えるため、反射部材26での熱吸収を少なくして反射部材26の過昇温(特にその非通紙領域での過昇温)や定着ベルト21内部の大熱容量化によるエネルギーロスの増大を抑制することができる。この場合、遮蔽部48の温度は上昇するが、遮蔽部材48は、加熱源23と定着ベルト21の間に配置され、しかも定着ベルト21の内周面に近接した位置にあるため、遮蔽部48に吸収された熱で定着ベルト21を加熱することができる。従って、定着装置20全体でのエネルギーロスを減じることができる。
遮蔽部材27のうち、連結部49は、遮蔽部材49の遮蔽状態および退避状態を問わず、常時、反射部材26の背後にあるため、加熱源23や反射部材26からの熱を直接受けることがない。従って、連結部49の熱反射率は特に問題とはならない。また、加熱源23のうち、両端の発熱部23bと対向する領域の外側では、照射熱量が少なくなるため、この外側領域における遮蔽部48の熱反射率もそれほど問題とはならない。よって、図11の散点模様で示す領域の熱反射率を上記の関係に規定すれば、最低限の効果を得ることができる。
もちろん遮蔽部材27の加熱源23側の全表面の熱反射率を上記の関係に規定してもよい。例えば、反射部材26の加熱源側の表面に高熱反射率を有する被膜(例えば銀合金被膜)を形成し、あるいは反射部材27の加熱源側の表面をアルミニウムの電解研摩面とした場合、遮蔽部材27全体をステンレス鋼で形成すれば、遮蔽部材27の熱反射率<反射部材26の熱反射率、の関係が得られるため、上記の効果を得ることができる。
図12に、図9に示す遮蔽部材27に本発明を適用した場合を示す。このタイプの遮蔽部材27でも、遮蔽部材27のうち、少なくとも加熱源23と対向する遮蔽部48の表面(図中の散点模様を付した領域)での熱反射率を、反射部材26の加熱源と対向する表面の熱反射率よりも小さくすることで、同様の効果を得ることができる。
図13は、基材270と基材270の表面を覆う低熱反射率層271とからなる複合構造の遮蔽部材27を示すものである。この遮蔽部材27は、素材として熱反射率は高いが他のメリット(例えば低コスト)を有する材料を使用したい場合に特に適合する。この場合、基材270にそのような素材を使用し、基材270よりも低熱反射率の材料で低熱反射率層271を形成する。低熱反射率層271としては、メッキや蒸着等の公知の成膜手段で形成した被膜を使用することができる。この他、二種類の薄板材を積層することで図13に示す複合構造を得ることもできる。
この構成においても、低熱反射率層271の熱反射率を、反射部材27の加熱源23側の表面の熱反射率よりも小さくすることで、上記の効果が得られる。遮蔽部材27の全体を複合構造にする他、少なくとも遮蔽部48の加熱源23と対向する領域(図11および図12の散点模様の領域)を複合構造にすれば足りる。なお、基材270の材料としては、アルミニウム、鋼(ステンレス鋼を含む)等の金属材料、さらにはセラミック等を使用することができる。
ところで、遮蔽状態の遮蔽部材27では、遮蔽部48が集中的に加熱されるため、遮蔽部材27の遮蔽部48周辺が局所的に昇温する傾向にある。特に上記のように遮蔽部48の反射率を低くした場合には、この傾向が助長される。遮蔽部材27の局所的な昇温は、加熱ムラや遮蔽部材27の変形等の要因となるために回避することが望まれる。
この問題の対策として、遮蔽部材27の熱伝導率を高めることが考えられる。このように遮蔽部材27の熱伝導率を高くすることで、遮蔽部48に局所的に吸収された熱を遮蔽部材27の全体に速やかに拡散することが可能となり、遮蔽部材27の局所的な過昇温を防止することができる。
図14はこの対策の具体例を示すもので、基材270と基材270の表面を覆う高熱伝導率層272とからなる複合構造の遮蔽部材27を示すものである。この場合、高熱伝導率層272の熱伝導率は、少なくとも基材270の熱伝導率よりも大きくする。具体的には、室温で30W/(m・K)以上、望ましくは80W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料で高熱伝導率層272を形成する。このような材料の具体例として、銅系材料、アルミ系材料、あるいはニッケル系材料を挙げることができる。なお、高熱伝導率層272は、低熱反射率層271と同様に被膜や薄板材で形成することができる。
高熱伝導率層272は、遮蔽部材27の加熱源23側の表面およびその反対面のうち、何れか一方の表面の全体に渡って形成される。図14の実施形態では、一例として基材270の、加熱源23と対向する面とは反対側の面に高熱伝導率層272を形成している。この場合、基材270の加熱源23と対向する表面は、反射部材26の加熱源23と対向する表面よりも小さい熱反射率にする必要がある。
そのような熱反射率を有する基材270を使用できない場合には、図15に示すように、基材270の加熱源23側の表面に、図13の実施形態で述べた低熱反射率層271を形成する。これにより、反射部材26の過昇温や定着ベルト21内部の大熱容量化を防止してエネルギーロスを低減することができる。
図13〜図15では、二層以上の複合構造にした遮蔽部材27を例示しているが、遮蔽部材27に求められる上記の各物性(所定の熱反射率、30W/(m・K)以上の熱伝導率、さらに好ましくは350℃以上の耐熱性)を満たす材料(例えば銅系材料、アルミ系材料、あるいはニッケル系材料)であれば、その材料自体で遮蔽部材27を形成しても構わない。
以上に述べた各実施形態では、エネルギーロスを低減するため、遮蔽部材27の熱反射率を所定の条件に規定しているが、この目的は、材料物性だけでなく、反射部材26の形態に配慮を加えることでも達成することができる。
具体的には、図16(a)に示すように、加熱源23の周囲に配置された反射部材26のうち、加熱源23の両側方に配置された側壁26a間の間隔W1を反射部材26の先端側ほど拡大させる。図16(b)に示す反射部材26’のように、側壁26a’間の間隔W2が先端側でも一定であると、加熱源23と反射部材26’の間の空間に熱がこもり易くなり、反射部材26の過昇温や定着ベルト21内部の大熱容量化の一因となるが、図16(a)に示す構成であれば、放熱が促進されるため、反射部材26の昇温、さらにはエネルギーロスを抑制することができる。また、図2に示すように、反射部材26とステー25の間の隙間29を局部的に大きくすれば、反射部材26の熱がステー25に伝わり難くなるので、エネルギーロスをさらに低減することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、定着ベルトを用いた定着装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、定着ベルトの代わりに中空(筒状)又は中実の定着ローラを用いた構成にも本発明を適用することは可能である。また、遮蔽部材の形状は、上述の実施形態に限定されることはない。使用する紙サイズに応じて、遮蔽部材が3つ以上の段差部を有する形状に形成してもよい。また、本発明に係る定着装置を搭載する画像形成装置も、図1に示すようなプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等とすることが可能である。
20 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
26 反射部材
27 遮蔽部材
40 ベルト保持部材
41 スライド部材
270 基材
271 低熱反射率層
272 高熱伝導率層
P 用紙(記録媒体)
特開2008−139779号公報

Claims (8)

  1. 回転可能な定着部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱源と、
    前記加熱源の周囲に配置された反射部材と、
    前記加熱源と前記定着部材の間で前記定着部材の長手方向の端部側に配置された遮蔽部材とを備えた定着装置において、
    前記定着部材の内部の前記遮蔽部材の、前記定着部材の内部の前記加熱源と対向する表面の熱反射率を、
    前記定着部材の内部の前記反射部材の、前記加熱源と対向する表面の熱反射率よりも小さくし、
    前記反射部材は、前記加熱源と、前記反射部材を支持する前記定着部材の内部の金属材料の支持部材との、間に配置されたことを特徴とする定着装置。
  2. 回転可能な定着部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱源と、
    前記加熱源の周囲に配置された反射部材と、
    前記加熱源と前記定着部材の間に配置された遮蔽部材とを備えた定着装置において、
    前記定着部材の内部の前記遮蔽部材の、前記定着部材の内部の前記加熱源と対向する表面の熱反射率を、
    前記定着部材の内部の前記反射部材の、前記加熱源と対向する表面の熱反射率よりも小さくし、
    前記反射部材は、前記加熱源と、前記反射部材を支持する前記定着部材の内部の金属材料の支持部材との、間に配置され、前記反射部材と前記支持部材との間に隙間を設けたことを特徴とする定着装置。
  3. 遮蔽部材のうち、少なくとも遮蔽部の加熱源と対向する領域が、基材と、基材の加熱源側の表面を覆い、かつ基材よりも低い熱反射率を有する低熱反射率層とを有する請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 遮蔽部材が、基材と、基材の表面を覆い、かつ基材よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導率層とを有する請求項1または2に記載の定着装置。
  5. 遮蔽部材を、熱伝導率30W/(m・K)以上の高熱伝導材料で形成した請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 定着部材が筒状の部材であり、定着部材の内部に加熱源、遮蔽部材、および反射部材が配置されている請求項1〜何れか1項に記載の定着装置。
  7. 定着部材が無端状の定着ベルトであり、定着ベルトの内部に、ニップ部を形成するニップ形成部材と、ニップ形成部材を支持する支持部材とが配置されている請求項6に記載の定着装置。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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