JP2002006665A - 定着ローラ - Google Patents

定着ローラ

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JP2002006665A
JP2002006665A JP2000187308A JP2000187308A JP2002006665A JP 2002006665 A JP2002006665 A JP 2002006665A JP 2000187308 A JP2000187308 A JP 2000187308A JP 2000187308 A JP2000187308 A JP 2000187308A JP 2002006665 A JP2002006665 A JP 2002006665A
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fixing roller
sheet
heater
heat
medium
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JP2000187308A
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English (en)
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Shuji Motomura
修二 本村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】幅の狭いシート状媒体を連続通紙した後に幅の
広いシート状媒体を通紙した場合に、非通紙部の昇温に
より通紙部領域と非通紙部領域とに大きな温度差が生
じ、幅の広いシート状媒体に定着ムラやシワが発生した
り、未定着トナー像の非通紙部領域に対応した部分のト
ナーが溶けすぎて定着ローラに付着し、シート状媒体の
表面を汚す所謂ホットオフセットを生じる等の問題を解
決すること。 【解決手段】ヒータ1−1の定着ローラ2の軸心から偏
心した位置の発熱部分(幅B)と遮蔽部材1−1とを互
いに近接する第1の相対位置に位置させることができる
ので、狭幅用紙を定着する際に非通紙部(幅Bの領域)
において通紙部(A)におけるよりもヒータ1−1から
の放射をより大きい割合で遮蔽でき、非通紙部昇温を抑
制あるいは緩和することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、ファク
シミリ、プリンタ等の画像形成装置において、シート状
媒体面上に形成された加熱溶融性のトナー画像を加熱定
着する定着ローラ、定着装置及びこれら定着ローラ、定
着装置を使用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置において
は、感光体から紙に静電転写されたトナーは簡単にはが
れ落ちるので、トナーを加熱あるいは加圧することによ
り紙に永久的に固着させることが必要となる。この工程
は定着プロセスと呼ばれている。
【0003】定着には色々な方法があるが、そのうち
で、熱ローラ定着方式が、熱効率が高く安全である等の
理由でもっとも広く使われている。これは、2つのロー
ラを圧接し、そのうちの少なくとも一方のローラを加熱
し、この2つのローラの圧接部分(ニップ部)に未定着
トナー像を担持したシート状媒体(紙やOHPシートな
ど)を通過させることにより、未定着トナーを加熱しシ
ート状媒体に定着させる方式である。
【0004】2つのローラのうちの一方を加熱する場
合、加熱する方のローラを定着ローラと呼び、他方のロ
ーラを加圧ローラと呼ぶ。定着ローラは円筒形状をして
おり、その円筒の内部にはハロゲンランプあるいは電気
ヒータ等の熱源が、定着ローラの軸方向に内装されてい
る。定着ローラの外側表面には温度センサーが取り付け
られており、ニップ部の温度が定着に適した温度に維持
されるように、熱源への電力供給量が制御される。
【0005】このような加熱定着装置においては、被加
熱材であるシート状媒体が通過する通紙部領域では、被
加熱材(シート状媒体とその上の未定着トナー)に熱が
奪われるが、非通紙部領域では被加熱材に熱が消費され
ないので畜熱し、この非通紙部領域のニップ部の温度
が、所定温度に維持管理される通紙部領域のニップ部の
温度よりも高くなってしまう。
【0006】定着ローラの肉厚が厚ければ、被加熱材に
多少熱を奪われても、熱容量が大きいため温度が下がり
にくく、通紙部領域と非通紙部領域との温度差は問題を
生じるほど大きくはならないが、定着ローラの肉厚が薄
い場合は、通紙部領域と非通紙部領域との温度差が、次
のような問題を生じるほど大きくなる。
【0007】すなわち、定着装置を通過する記録媒体の
大きさと向きはA3縦、A4縦、A4横、B4縦、B4
横、B5縦、B5横など様々であるため、シート状媒体
の幅は一定でないが、幅の狭いシート状媒体を連続通紙
した後に幅の広いシート状媒体を通紙した場合(例えば
A4縦用紙を連続通紙した後、A3縦用紙を通紙する場
合)に、通紙部領域と非通紙部領域とに大きな温度差が
生じていると、幅の広いシート状媒体に定着ムラやシワ
が発生したり、未定着トナー像の非通紙部領域に対応し
た部分のトナーが溶けすぎて定着ローラに付着し、シー
ト状媒体の表面を汚す所謂ホットオフセットを生じる等
の問題が生じる。
【0008】近年、定着装置の消費エネルギー量を減ら
すために、定着ローラの肉厚を薄くして立ち上がり時間
を短くすることが試みられており、そのような薄肉ロー
ラでは特にこの非通紙部領域の昇温が問題となってい
た。このような通紙部領域と非通紙部領域との温度差を
減らすための従来技術としては、次のようなものがあ
る。 .定着ローラの熱容量を大きくすることにより、非通
紙部領域の温度上昇を抑える。 .定着ローラの熱伝導率を高くすることにより、ある
いは定着ローラまたは加圧ローラに熱伝導率の高い物体
を当接することによりローラ長手方向の温度分布を均一
にする(特開平8−87191号公報参照) .定着ローラでの長手方向の加熱幅あるいは加熱位置
が異なるヒータを複数個設けて、各ヒータを個別に制御
することにより、長手方向の温度分布を均一にする。ま
た、1個のヒータ長手方向の発熱量を変化させることに
より、長手方向の温度分布を均一にする。あるいは1個
のヒータでの発熱部分の幅を切り替えられるようにする
ことにより、ローラ長手方向の温度分布を均一にする
(特開平4−240683号公報、特開平8−6428
号公報、特開平5−53461号公報参照)。.被加
熱材の幅に応じて制御温度を変える(特開平4−178
677号公報参照)。 .非通紙部領域を冷却することにより、ローラ長手方
向の温度分布を均一にする(特開平4−51179号公
報参照)。 .ローラの通紙部領域表面外側のみに保温部材を設
け、通紙部から外に逃げる熱量を非通紙部から外に逃げ
る熱量よりも少なくする(特開平6−274055号公
報参照)。 .小サイズ被加熱材の通紙部位置を変化させることに
より、定着ローラの長手方向の特定の領域のみが熱を奪
われることを防ぐ(特開平7−13450号公報)。 .ヒータに熱遮蔽部材を併設して、その遮蔽部材の位
置を制御することにより定着ローラの加熱位置を変え
て、ローラ長手方向の温度分布を均一にする(特開平4
−174484号公報、特開平6−138789号公報
参照)。
【0009】これらは、非通紙部において定着ローラの
内面とヒータとの間に円筒状の遮蔽部材を挿入すること
により、ヒータからの照射光を遮り、定着ローラの非通
紙部が不要に加熱されるのを防ぐというものである。 .特開平9−62141号公報:これは、非通紙部に
おいて定着ローラの内面とヒータとの間に感熱開閉体で
できた遮蔽部材を設置し、非通紙部の温度が設定温度以
上になった場合に遮蔽部材が開いて遮蔽面積を広げて照
射光を遮り、定着ローラの非通紙部が不要に加熱される
のを防ぐというものである。
【0010】上記従来技術には、次のような問題があっ
た。は、薄肉化したローラに対する適用が困難であ
る。は、薄肉化したローラでは、ヒータで加熱される
ことによる温度上昇が、熱伝導による熱拡散時間に比べ
て速すぎるため、効果に限界がある。また、熱伝導率の
高い物体を当接すると、その物体に熱を奪われるので、
その分だけ定着ローラの加熱に費すエネルギーの一部を
捨てることになり、省エネルギーという観点からは好ま
しくない。とは、ヒータあるいはヒータの電力制御
機構が複雑になり、コストが増大する。は、過昇温し
た部分を冷やすので、加熱に費やしたエネルギーの一部
を捨てることになり、省エネルギーという観点からは好
ましくない。は、ローラの外側表面から空気中に逃げ
る熱量がシート状媒体に奪われる熱量に比べると小さい
ので、効果が少ない。は、用紙搬送機構が複雑にな
り、コストが増大する。は、薄肉化したローラにも適
用でき、低コストで実現でき、温度を長手方向に均一化
する効果が大きい。
【0011】しかしながら、次のような問題点がある。
特開平4−174484号および特開平6−13878
9号について、非通紙部において遮蔽部材が吸収した熱
を遮蔽部材が定着ローラの外に放熱している。したがっ
て、その分だけエネルギーを余計に消費している。
は、定着ローラと遮蔽部材との間に空間があり、定着ロ
ーラの温度変化がただちに遮蔽部材に伝わらないにも関
わらず、遮蔽部材が自分自身の温度によって遮蔽面積を
変化させるようになっているので、遮蔽量の調整が非通
紙部の温度変化よりも遅れてしまうことがあり得る。ま
た、遮蔽部材が吸収したヒータからの輻射熱が遮蔽部材
が存在している非通紙部で熱としてローラ内に再放出さ
れるので、非通紙部昇温が完全には防げない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】幅の狭いシート状媒体
を連続通紙した後に幅の広いシート状媒体を通紙した場
合に、非通紙部の昇温により通紙部領域と非通紙部領域
とに大きな温度差が生じ、幅の広いシート状媒体に定着
ムラやシワが発生したり、未定着トナー像の非通紙部領
域に対応した部分のトナーが溶けすぎて定着ローラに付
着し、シート状媒体の表面を汚す所謂ホットオフセット
を生じる等の問題を解決すること。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、以下の構成とした。 (1).未定着トナー画像を担持したシート状の記録媒
体を定着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ローラを
回転させて上記記録媒体を搬送しつつ上記未定着トナー
画像に熱と圧力とを加えて上記記録媒体に定着させる定
着ローラであって、薄肉の中空シリンダ状の定着ローラ
本体と、前記定着ローラ本体に内包され定着ローラ本体
を長手方向に渡って加熱するヒータと、前記ヒータから
の放射熱の一部を前記定着ローラ本体に届く前に遮蔽す
る遮蔽部材とを有し、前記ヒータは前記定着ローラの長
手方向の狭幅シート状媒体が通過しない範囲について前
記定着ローラの軸心から偏心した部位を発熱させ、前記
狭幅シート状媒体が通過する範囲について定着ローラの
軸心の位置で発熱させ、前記ヒータの前記定着ローラの
軸心から偏心した位置の発熱部分と遮蔽部材とが、互い
に近接する第1の相対位置と、その相対位置とは別の第
2の相対位置との少なくとも2つの相対位置をとること
とした(請求項1)。 (2).(1)記載の定着ローラにおいて、前記遮蔽部
材をニップ部の定着ローラ回転方向下流側に設けた(請
求項2)。 (3).請求項(1)又は(2)記載の定着ローラにお
いて、前記遮蔽部材を金属で構成し、少なくともヒータ
に面した側面に赤外線および可視光線の吸収率を高める
処理を施した(請求項3)。 (4).(1)乃至(3)の何れか1つに記載の定着ロ
ーラにおいて、前記遮蔽部材が、定着ローラ内面に対し
てほぼ垂直の向きに配置され定着ローラ長手方向に延び
た板状の物体であり、広幅シート状媒体が通紙するとき
に、前記遮蔽部材が存在する位置の定着ローラの軸心を
挟んだほぼ反対側の位置に、前記定着ローラの軸心から
偏心した位置にあるヒータの発熱部分を位置させること
とした(請求項4)。 (5).(4)記載の定着ローラにおいて、前記遮蔽部
材がニップ部近傍に位置し、狭幅シート状媒体を通紙す
るときに、前記ヒータの定着ローラの軸心から偏心した
位置にある発熱部分を、前記遮蔽部材に対して前記定着
ローラ回転方向下流側に位置させることとした(請求項
5)。 (6).未定着トナー画像を担持したシート状の記録媒
体を定着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ローラを
回転させて上記記録媒体を搬送しつつ上記未定着トナー
画像に熱と圧力とを印加して上記記録媒体に定着させる
定着ローラであって、薄肉の中空シリンダ状の定着ロー
ラ本体と、定着ローラ本体に内包され定着ローラ本体を
長手方向に渡って加熱するヒータと、ヒータからの放射
熱の一部を定着ローラ本体に届く前に遮蔽する遮蔽部材
とを有し、該ヒータは定着ローラの長手方向の狭幅シー
ト状媒体が通過しない範囲について定着ローラの軸心か
ら偏心した位置において発熱し、該ヒータは定着ローラ
の長手方向の狭幅シート状媒体が通過する範囲において
定着ローラの軸心の位置において発熱し、該遮蔽部材
は、前記定着ローラの軸心から偏心した位置の前記ヒー
タ発熱部分に近接した位置に設けられ、前記定着ローラ
の長手方向に垂直な面内で少なくとも前記ヒータに対す
る遮蔽角が異なる2つの傾きをとることができるように
した(請求項6)。 (7).未定着トナー画像を担持したシート状媒体を定
着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ローラを回転さ
せて前記シート状媒体を搬送しつつ上記未定着トナー画
像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着させ
る定着ローラを構成する薄肉で中空シリンダ状の定着ロ
ーラ本体と、前記定着ローラ本体に内包され該定着ロー
ラ本体を長手方向に渡って加熱するヒータとを有し、該
ヒータは前記定着ローラの長手方向の狭幅シート状媒体
が通過しない範囲において前記定着ローラの軸心から偏
心した位置において発熱し、前記定着ローラの長手方向
の狭幅シート状媒体が通過する範囲において前記定着ロ
ーラの軸心の位置において発熱し、前記定着ローラの軸
心を中心として回転可能であり、かつ、該ヒータは定着
ローラの軸心から偏心した位置の発熱部分がニップ部出
口近傍に存在する第1の回転位置と、その位置とは別の
第2の回転位置の少なくとも2つの回転位置をとること
とした(請求項7)。 (8).未定着トナー画像を担持したシート状媒体を定
着ローラと加圧部材で挟圧し、前記定着ローラを回転さ
せて前記シート状媒体を搬送しつつ前記未定着トナー画
像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着させ
る定着ローラであって、薄肉の中空シリンダ状の定着ロ
ーラ本体と、該定着ローラ本体に内包され該定着ローラ
本体を長手方向に渡って加熱するヒータを有し、該ヒー
タは該定着ローラの長手方向の狭幅シート状媒体が通過
する範囲において前記定着ローラの軸心から偏心した位
置において発熱し、該定着ローラの長手方向の狭幅シー
ト状媒体が通過しない範囲で前記定着ローラの軸心の位
置において発熱し、定着ローラの軸心を中心として回転
可能であり、かつ、該ヒータはヒータの定着ローラの軸
心から偏心した位置の発熱部分がニップ部入口近傍に存
在する第3の回転位置と、その位置とは別の第4の回転
位置との少なくとも2つの回転位置をとることとした
(請求項8)。 (9).未定着トナー画像を担持したシート状媒体を定
着ローラと加圧部材で挟圧し、前記定着ローラを回転さ
せて前記シート状媒体を搬送しつつ前記未定着トナー画
像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着させ
る定着装置であって、前記定着ローラとして、(1)乃
至(8)の任意の1つに記載の定着ローラを具備した
(請求項9)。 (10).シート状媒体に画像形成を行なう画像形成手
段及びこの画像形成されたシート状媒体を搬送する搬送
手段を有する画像形成装置において、(9)に記載の定
着装置を具備した(請求項10)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 [1]実施例1(請求項1乃至3対応) 本発明における定着装置は、定着ローラと加圧ローラと
図示しない圧接手段と温度センサとにより構成されてい
る。また、本発明における定着ローラは、定着ローラ本
体と、その内部空間に配設されたヒータと、遮蔽板と、
定着ローラの軸心を中心としてヒータを回転させるヒー
タ回転用部材とからなる。
【0015】図1はその定着ローラを長手方向に切った
断面を模式的に示したものである。図1において、符号
1−1はヒータの一例としてのハロゲンランプを示して
いる。定着ローラ2の加熱に用いられる従来のハロゲン
ランプは一直線状の棒形をしているが、本例におけるハ
ロゲンランプ1−1は、図1に示されているように、一
部がコの字形に曲った形状になっている。
【0016】符号2aは定着ローラ本体を示し、金属製
の芯金と、その胴部表面の図示していない薄い離型層か
らなる。符号3は遮蔽部材としての遮蔽板、符号4はヒ
ータ回転用部材をそれぞれ示す。このヒータ回転用部材
はハロゲンランプ1−1の一端部に取り付けられた単な
るギヤであり、図示しない第2のギヤおよびモータと組
み合わされてヒータ回転機構を形成している。
【0017】図2に本実施例で使うハロゲンランプ1−
1を模視的に示す。図2ではハロゲンランプ1−1を太
い線と細い線の2種類の線で表してあるが、これは発光
部とその他の部分を区別するためであり、実際に太さが
違うわけではない。ただし、太さが違っていても構わな
い。
【0018】太い線で示した部分(図の幅Aの部分およ
び幅Bの部分)は発光部である。残りの部分(細い線で
示した部分)は発光量が0または0に近い部分である。
ただし、この部分の発光量が0に近い値よりも大きくて
も構わない。重要なのは、発光部が定着ローラの軸心か
らの距離が異なる2つの領域からなっていることであ
る。この発光部は、通常のハロゲンランプと同じであっ
て、直径5mm〜15mm程度の円柱形状をなした石英
ガラス管の内部にタングステンコイルを封入してある。
【0019】本例の場合は、管の外径は6mmである。
発光部以外の部分は、タングステンコイルの巻線密度が
粗いこと、あるいはタングステン線がコイル形状でなく
直線状になっていること以外は、発光部と同じである。
以後、図2で符号Aで示す部分をハロゲンランプの基
部、符号Bで示す部分をハロゲンランプの凸部Bと呼
ぶ。
【0020】基部Aは、A4用紙の横幅すなわち210
mmとほぼ等しい長さにしてある。その理由は、定着装
置に未定着トナー画像を担持したシート状のA4用紙大
のシート状媒体(以後、単に「A4用紙」と呼ぶ。ま
た、未定着トナー画像を担持したシート状媒体を単に
「用紙」と呼ぶ。)を縦向きに連続通紙したときに、非
通紙部の昇温を防止できるようにするためである。
【0021】別の幅の用紙、例えばB5縦向き用紙を連
続通紙したときに非通紙部の昇温を防止できるようにし
たい場合は、基部Aの長さをB5用紙の横幅とほぼ等し
い長さにする必要がある。凸部Bはハロゲンランプ1−
1において、定着ローラ2の軸心から偏心した位置の発
熱部分である。
【0022】基部Aと凸部Bを合わせた長さは、定着ロ
ーラの定着可能な最大用紙幅にほぼ等しくしてある。本
例の定着ローラの場合は、この長さは300mmであ
る。また、この長さは本体2aの胴部の長さにほぼ等し
い。ハロゲンランプ1−1の基部Aと凸部Bの間の距離
Kは、ハロゲンランプ1−1の基部Aを定着ローラ本体
2aの軸心に合わせてハロゲンランプ1−1を定着ロー
ラ本体2aの中に設置したときに、凸部Bが定着ローラ
本体2aの内部に収まり、かつ、後述するように、凸部
Bと定着ローラ本体2aの内面との間に遮蔽板3を収め
ることが可能な範囲内の任意の距離とする。
【0023】ただし、その範囲内の距離のうちの最大値
に近い値にすることが望ましい。その理由は、後述する
ように、凸部Bが遮蔽板3に近いほど、凸部13から定
着ローラ本体2aの内面に照射される赤外線と可視光線
の遮蔽率が高まるからである。
【0024】本例では、この基部Aと凸部Bの間の距離
Kは12mmである。図2ではこの距離Kを誇張して表
示している。このハロゲンランプ1−1は、基部Aが定
着ローラ本体2aの軸心に一致するように定着ローラ本
体2a内に設置する。
【0025】図3は、定着ローラ2を通過する用紙と定
着ローラとの位置関係を示したものである。用紙は、そ
の片側が基準位置O1―O1(図3に一点鎖線1で示し
た位置)に一致させられて通過する。基準位置O1−O
1からの領域300はA4用紙が縦向きに通過するとき
の用紙通過領域を示し、基準位置O1−O1からの領域
400は、定着可能な最大幅用紙が通過する領域を示
す。ハロゲンランプ1−1は、基部Aが領域300にあ
るように配置する。
【0026】次に、図4により本例で使う遮蔽板3を説
明する。遮蔽板3は、ハロゲンランプ1−1の凸部Bか
ら定着ローラ本体2aの内面に照射される赤外線と可視
光線とを途中で遮るためのものである。
【0027】この遮蔽板3は、図4に示すような、厚さ
Dが1.5mm、幅Wが7mmの長方形の断面を持ち、
長さLが300mmであるアルミニウム製の平板であ
り、反射防止のために、片面Fに赤外線および可視光線
を吸収しやすい物質が塗布してある。ただし、平板でな
く湾曲していてもよく、大きさもこれに限るものではな
い。
【0028】長さLは定着ローラの胴部長(図1のE)
よりわずかに短くし、図1に示すように定着ローラ本体
2aの内部に設置したときに、定着ローラ2の胴部の長
手方向の一端から他端までの範囲に渡って存在するよう
にするのが望ましいが、それより短くてもよい。ただ
し、ハロゲンランプ1−1の凸部Bと定着ローラ2の内
面との間に凸部Bの長さ全体に渡って介在できるよう
に、最低でも凸部Bの長さよりは長くするのが望まし
い。
【0029】この遮蔽板3は、図示しない保持部材によ
り、定着ローラ2の内面に近くかつ定着ローラ2と接触
しない位置に保持する。その際、遮蔽板3と定着ローラ
2の軸心との距離が、ハロゲンランプ1−1の凸部Bと
定着ローラ2の軸心との距離よりも大きくなるようにす
る。
【0030】遮蔽板3の保持部材も定着ローラ2と接触
しない位置に設置する。したがって遮蔽板3が定着ロー
ラ2に連れ回りすることはない。遮蔽板3の材料は、ア
ルミニウムに限らず他の金属、例えば、チタン、銅、
鉄、黄銅などでもよく、また金属でなくセラミックスや
ガラスのような固体であってもよい。
【0031】図5に、定着ローラ本体2aと遮蔽板3と
の位置関係を示す。符号7の十字線は定着ローラ3の中
心の位置を示す。ハロゲンランプは図示してない。遮蔽
板3は、赤外線と可視光線を吸収しやすい材料が塗って
ある面Fが定着ローラ2の中心側に向くように設置す
る。
【0032】図5では、面Fが定着ローラ2の中心と面
Fとを結ぶ実在しない線15に対してほぼ直角になって
いるが、別の角度であっても構わない。遮蔽板3を設置
する位置は、定着ローラ2の周方向には任意でよい。
【0033】図5からわかるように、遮蔽板3が定着ロ
ーラ2の内面近くに設置可能であるためには、遮蔽板3
の幅は遮蔽板3が定着ローラ2に接触しない範囲内に収
まっていなければならない。その条件を満たす範囲内で
は、遮蔽板3の幅は任意でよいが、後述する遮蔽角を考
慮して適切な幅を決めるのがよい。また、本例の遮蔽板
3は平板であるが、図6に示すように湾曲した遮蔽板
3'としてもよい。
【0034】遮蔽板3'のように湾曲させる場合は、定
着ローラ2に接触しにくくなるので遮蔽板3'の幅を広
くとることができる。また、ハロゲンランプ1−1の凸
部Bを回転させて遮蔽板3'の近傍に移す場合も、凸部
Bと遮蔽板3'との距離を短く取っても互いにぶつかる
ことがない。
【0035】遮蔽板3は、ハロゲンランプ1−1の凸部
Bと定着ローラ2の軸心との距離よりも定着ローラ2の
軸心から離れた位置に設置する。遮蔽板3があまり定着
ローラ内面に近すぎると、遮蔽板3の熱が定着ローラ内
面に伝わり易くなり遮蔽効果が薄れるので、遮蔽板3の
定着ローラ内面への最近接位置が定着ローラ内面から1
mm以上離れていることが望ましい。
【0036】本例では、定着ローラの内面の半径が20
mmであり、定着ローラの中心軸と遮蔽板3との距離
(図5に点線で示した距離)mは、16mmである。
【0037】図7は本例における定着ローラ2をその中
心軸線に垂直に切ったときの断面をハロゲンランプ1−
1を含めて示したものである。図7において、ハロゲン
ランプ1−1はその基部Aを中心として回転可能になっ
ており、両端矢印付き破線8は、ハロゲンランプ1−1
を回転する際に凸部Bが移動する経路を示す。ハロゲン
ランプ1−1の凸部Bは少なくとも、凸部Bと遮蔽板3
とが互いに近接する第1の相対位置〔BP−1〕と、こ
の第1の相対位置〔BP−1〕から離れた別の位置であ
る第2の相対位置〔BP−2〕との、2つの位置に存在
し得るようにしてある。
【0038】第1の相対位置〔BP−1〕は、凸部Bが
遮蔽板3に最も近づいた位置あるいはその近傍である。
最も近づいた位置では後述する遮蔽角が最大になるので
好ましいが、遮蔽角を最大にしたくない場合は、この第
1の相対位置〔BP−1〕を凸部Bが遮蔽板3に最も近
づいた位置から多少ずらせばよい。
【0039】また、第2の相対位置〔BP−2〕は、図
7に示した位置に限定する必要はなく、図示していない
別の位置であってもよい。ただし、ここでの「別の位
置」は、第1の相対位置〔BP−1〕と異なる位置と
し、後述するように、遮蔽角を考慮して決める。
【0040】ハロゲンランプ1−1の凸部Bの位置を変
えるのは、ヒータ回転機構による。ヒータ回転機構は、
ハロゲンランプ1−1の一端部近くに取り付けたギヤと
このギヤに噛み合わされる第2のギヤ、この第2のギヤ
を駆動するモータからなる。
【0041】ただし、精密な位置決めは必要ないので、
もっと簡単で安価な回転機構を使っても構わない。この
ヒータ回転機構によりハロゲンランプ1−1が基部Aを
中心として回転されることにより、ハロゲンランプ1−
1の凸部Bが定着ローラ2の軸心を中心とした円周上を
移動する。
【0042】図8は、ハロゲンランプ1−1の凸部Bか
ら照射される赤外線および可視光線のうち、遮蔽板3に
吸収されて定着ローラ2の内面に届かない量の割合を示
すためのものである。
【0043】図8において、ハロゲンランプ1−1の凸
部Bが図8の第2の相対位置〔BP−2〕にあるとき
は、全周360度のうち角度θの部分の赤外線と可視光
線が遮蔽板3に吸収されて定着ローラ2の内面に届かな
いが、ハロゲンランプ1−1の凸部Bが図8の第1の相
対位置〔BP−1〕にあるときは、角度ψの部分が遮蔽
板3に吸収されて定着ローラ2の内面に届かない。この
ハロゲンランプ1−1の凸部Bから見た遮蔽板3のなす
角(θとψ)を、遮蔽角と呼ぶことにする。
【0044】ハロゲンランプ1−1の基部Aから照射さ
れる赤外線と可視光線のうち遮蔽板3に吸収されるもの
の割合は、ハロゲンランプ1−1の凸部Bの位置によら
ず一定である。
【0045】本例の場合は、遮蔽角θは約10度であ
り、遮蔽角ψは約110度であるから、ハロゲンランプ
1−1の凸部Bから照射される赤外線および可視光線の
うち、遮蔽板3に吸収されずに定着ローラ2の芯金に届
く割合は、ハロゲンランプ1−1の凸部Bが図8の第2
の相対位置〔BP−2〕にあるときは、約97%であ
る。また、ハロゲンランプ1−1の凸部Bが図8に示す
第1の相対位置〔BP−1〕にあるときは、約69%で
ある。
【0046】図9に、ハロゲンランプ1−1の基部Aに
おける遮蔽角φと凸部Bにおける遮蔽角ψとの比較を示
したが、遮蔽角φは約25度であり、ハロゲンランプ1
−1の基部Aから照射される赤外線および可視光線のう
ち、遮蔽板3に吸収されずに定着ローラ2の芯金に届く
割合は、約93%である。遮蔽板3の幅が広いほど、ま
た、凸部Bが遮蔽板3に最接近した第1の相対位置〔B
P−1〕と遮蔽板3との距離が短いほど遮蔽角ψは大き
くなる。
【0047】一方、遮蔽板3の幅が狭いほど、遮蔽角θ
は小さくなる。また、遮蔽角θはハロゲンランプ1−1
の凸部Bの位置によって変わる。例えば、凸部Bが図9
の第1の相対位置〔BP−1〕にあるときと、図10に
示す第2の相対位置〔BP−3〕にあるときとでは、遮
蔽角θの値は異なる。
【0048】さらに、遮蔽角は、定着ローラ内面に対す
る遮蔽板の傾きにも依存する。例えば、図10の遮蔽板
3の傾きを変えて図11のようにすると、遮蔽角θが小
さくなる。前記2つの遮蔽角ψとθの比が適切な値にな
るように、遮蔽板3の幅と位置および広幅用紙通紙時の
ハロゲンランプ1−1の凸部Bの位置を決める。
【0049】A4用紙を縦方向に通紙する時(以後この
用紙を狭幅用紙と呼ぶ)には、ハロゲンランプ1−1を
回転させて凸部Bを遮蔽板3に最も近い第1の相対位置
〔BP−1〕(図8参照)におく。すると、ハロゲンラ
ンプ1−1から定着ローラ2の非通紙部に照射される赤
外線と可視光線の量は、上述のように、遮蔽板3に吸収
される割合が多いため、通紙部に照射される赤外線と可
視光線の量よりも大幅に少なくなる。
【0050】本例の場合は、前述したように、定着ロー
ラ2の非通紙部内面には、凸部Bから放射される赤外線
と可視光線のうちの69%が入射するが、定着ローラ2
の通紙部内面には、基部Aから放射される赤外線と可視
光線のうちの93%が入射する。
【0051】一方、A4用紙が横方向に通紙される時、
あるいはA3用紙が通紙される時(以後これらの用紙を
広幅用紙と呼ぶ)には、凸部Bを図8の1の位置にお
く。この場合は、定着ローラ2の非通紙部に照射される
赤外線と可視光線の量は、通紙部に照射される赤外線と
可視光線の量とほとんど変らない。すなわち、前述した
ように、定着ローラ2の非通紙部には、凸部Bから放射
される赤外線と可視光線のうちの97%が入射し、定着
ローラ2の通紙部には、基部Aから放射される赤外線と
可視光線のうちの93%が入射する。
【0052】遮蔽板3が吸収した赤外線と可視光線は熱
に変るため、遮蔽板3の温度が上がる。凸部Bが図8の
第1の相対位置〔BP−1〕にある場合は、遮蔽板3の
凸部Bに近い部分、すなわち遮蔽板3の非通紙部側部分
が、遮蔽板3の通紙部側部分よりも、ハロゲンランプ1
−1からの照射光を多量に受けて、温度が高くなる。
【0053】遮蔽板3の高温になった非通紙部側部分か
らは、熱エネルギーが赤外線として放射されて定着ロー
ラの非通紙部の内面を加熱する。また、遮蔽板3に接触
する空気を加熱することにより間接的に定着ローラ非通
紙部の内面を加熱する。しかし、ハロゲンランプから直
接加熱されるのに比べると、これらの加熱力は弱い。
【0054】遮蔽板3に生じた熱は遮蔽板内を熱伝導に
より拡散していくため、遮蔽板3のうちの非通紙部部分
が吸収した赤外線と可視光線から生じた熱のうちの一部
は、通紙部側部分で放出される。
【0055】したがって、凸部Bが図8の第1の相対位
置〔BP−1〕にあるときは、定着ローラ本体2aの非
通紙部が赤外線と可視光線と空気からの伝熱の形で受け
取るエネルギーの総量は通紙部に比べて少なく、定着ロ
ーラ本体2aの非通紙部の温度が上がりにくい。このた
め、非通紙部昇温が緩和される。
【0056】遮蔽板3のうちの凸部Bに近い部分が吸収
したハロゲンランプ1−1からの放射エネルギーが非通
紙部側で再放出される率が少ないほど非通紙部昇温の抑
制能力が高まるので、遮蔽板3熱伝導率をなるべく高く
して遮蔽板内に熱を拡散させることが望ましい。
【0057】そのため、遮蔽板3の材料としては、熱伝
導率の高い金属を使用することが望ましい。そのような
金属としては、アルミニウム(熱伝導率約200W/m
K)、銅(熱伝導率約400W/mK)、鉄鋼(熱伝導
率約50W/mK)などがある。
【0058】ただし、これらの金属は赤外線と可視光線
の吸収率が小さいので、ハロゲンランプ1−1に面した
側面に、赤外線と可視光線の吸収率が大きい物質を塗布
したり、表面を酸化させたり、粗くしたりするなど吸収
率を高める処理を施すのが望ましい。
【0059】このように、遮蔽板3を金属で構成しハロ
ゲンランプ1−1に面した側面に赤外線と可視光線の吸
収率を高める処理を施したので、遮蔽板3がハロゲンラ
ンプからの放射を遮蔽する率が高まり非通紙部昇温の抑
制能力が増す。
【0060】なお、このように遮蔽板3が吸収したエネ
ルギーを非通紙部側で放出させることができるために
は、通紙部にまで遮蔽板3が延びている必要がある。し
かしながら、通紙部における遮蔽板3は、ハロゲンラン
プ1−1からの照射光を遮ることにより、通紙部におけ
る定着ローラ本体2aの温度回復過程を妨げる。
【0061】すなわち、定着ローラ本体2aは、ニップ
部において用紙に熱を奪われて温度が低下するが、回転
している間にハロゲンランプ1−1から照射エネルギ―
を供給されて次第に温度が回復し、ニップ部入口に戻っ
てきたときには元の温度に戻るのであるが、遮蔽板3に
より定着ローラ本体2aが受け取るエネルギ―が減った
分だけ、温度回復が妨げられる。
【0062】このマイナス効果は、遮蔽板3を設置する
位置をニップ部入口から最も遠い位置、すなわちニップ
部の定着ローラ回転方向下流側、所謂ニップ部出口近傍
にすることで、最も少なくすることができる。これによ
り、定着ローラ本体2aが一周する間に定着ローラ本体
2aが受け取る照射エネルギ―は、遮蔽板3がどこにあ
っても同じであるが、空気中に逃げる熱量は定着ローラ
本体2aの温度が低いほど少ないので、ニップ部出口で
遮蔽すると、定着ローラ本体2aの温度が低くなってい
る時間が最も長く確保でき、従って空気中に逃げる熱量
を最も減らせるからである。
【0063】図12により、ニップ部出口で遮蔽した場
合に、定着ローラ本体2aの温度が低くなっている時間
が最も長く確保できることを説明する。図12におい
て、縦軸は定着ローラ本体2aの温度であり、横軸は時
間であり、左端が定着ローラ本体2aの着目している部
分がニップ出口にある時、右端がニップ部入口にある時
である。区間Gは、ニップ部出口に遮蔽板を置いた場合
の遮蔽期間であり、区間Hは、ニップ部出口から離れた
場所に遮蔽板3を置いた場合の遮蔽期間である。
【0064】曲線9は、ニップ部出口に遮蔽板3を置い
た場合の定着ローラ本体の着目している部分の温度変化
であり、曲線10は、ニップ部出口から離れた場所に遮
蔽板3を置いた場合の定着ローラ本体2aの着目してい
る部分の温度変化である。
【0065】このように、ニップ部出口から遠いところ
に遮蔽板3を置いた場合よりも、ニップ部出口に近いと
ころに遮蔽板3を置いた場合の方が、温度が低くなって
いる時間が長い。
【0066】通紙される用紙の幅は、従来技術で検知で
きる。ハロゲンランプ1−1の凸部Bの位置を、用紙の
幅でなく定着ローラの非通紙部の温度によって切り替え
てもよい。すなわち、定着ローラ2の非通紙部に設けた
温度センサにより、定着ローラ2の非通紙部が所定の温
度以上になったことを検知したら、または定着ローラ2
の非通紙部の温度上昇速度が所定の値以上になったら、
あるいは定着ローラの非通紙部の温度と温度上昇速度が
所定の条件を満たしたら、ハロゲンランプの凸部の位置
を変えるようにしてもよい。ただし、遮蔽量の変化に少
し遅れて定着ローラ2の温度が変化するため、ハロゲン
ランプ1−1の凸部Bの位置を非通紙部の温度によって
切り替えるよりは用紙の幅で切り替える方が、非通紙部
の温度上昇量をより小さい値に抑制できる。
【0067】本例では、定着ローラの本体2aは、アル
ミニウムの芯金とその表面の離型層から構成されていた
が、これに限るものではなく、任意の構成の定着ローラ
であっても構わない。例えば、芯金がSUS(ステンレ
ススチール)であってもよく、芯金と離型層以外の別の
層が付加されていても構わない。
【0068】ヒータとしてハロゲンランプを使っていた
が、ハロゲンランプでなく、別種の棒状ヒータ、例えば
ニクロム線ヒータでも構わない。遮蔽角はヒータと遮蔽
板の相対位置で決まるので、ヒータの凸部を移動させる
のでなく、ヒータは固定して遮蔽板を移動させてもよ
く、あるいはヒータの凸部と遮蔽板の双方を移動させて
もよい。
【0069】以上において、用紙の搬送方向に対して垂
直な方向の幅が210mm(A4用紙横幅)である用紙
を狭幅用紙と呼び、それより幅の広い用紙を広幅用紙と
呼んだが、本例は、狭幅用紙と広幅用紙の境界を210
mmに限定するものではなく、境界を364mm(B4
用紙長さ)297mm(A4用紙長さ)257mm(B
4用紙横幅)182mm(B5用紙横幅)あるいはその
他の任意の長さにとってもよい。ハロゲンランプ1−1
の基部Aの長さをこれら境界とした用紙の幅に略一致さ
せればよい。 [2]実施例2 本例は、ハロゲンランプの形状が異なることと、片側基
準でなく中央基準で通紙すること以外は、実施例1と同
じである。図13に本例のハロゲンランプ1−2を示
す。太い線で示した部分、つまり、図13の幅A1の部
分および幅B1と幅B2の部分は発光部である。残りの
細い線で示した部分は発光量が0または0に近い部分で
ある。ただし、この部分の発光量が0に近い値よりも大
きくても構わない。太い線と細い線の2種類の線で表し
たのは、発光部と残りの部分とを区別するためであり、
実際に太さが違うわけではない。ただし、太さが違って
いても構わない。
【0070】以後、図13の幅A1の部分をハロゲンラ
ンプ1−2の基部、図の幅B1とB2の部分をハロゲン
ランプ1−2の凸部と呼ぶ。基部A1は、実施例1の場
合と同じく、A4用紙の横幅すなわち210mmとほぼ
等しい長さである。また、凸部B1と凸部B2の幅は互
いにほぼ等しい。基部A1と凸部B1、B2を合わせた
長さは定着ローラ2の定着可能な最大用紙幅にほぼ等し
くしてある。
【0071】本例の定着ローラ2の場合は、この長さは
300mmである。また、この長さは定着ローラ2の胴
部の長さにほぼ等しい。ハロゲンランプ1−2の基部A
1と凸部B1、B2の間の距離Kは、実施例1の場合と
同じである。
【0072】図14は、定着ローラを通過する用紙と定
着ローラとの位置関係を示したものである。用紙は、そ
の中央が基準位置O2―O2に一致させられて通過す
る。図14において符号2で示したのが定着ローラであ
り、両端矢印付き実線で示した領域11は狭幅用紙が通
過するときの用紙が通過する領域を示し、両端矢印付き
実線で示した領域12は定着可能な最大幅用紙が通過す
る領域を示す。ハロゲンランプ1−2は、基部A1が領
域11にあるように配置する。
【0073】遮蔽板3は実施例1と同じものを使う。ハ
ロゲンランプ1−2の回転操作についても、実施例1と
同じである。さらに、ハロゲンランプ1−2を移動させ
るのでなく、ハロゲンランプ1−2は固定して遮蔽板3
移動させてもよく、あるいはハロゲンランプ1−2と遮
蔽板3の双方を移動させてもよい点も実施例1と同じで
ある。 [3]実施例3(請求項4、5対応) 本例では、遮蔽板を、定着ローラの内面の近くに、定着
ローラの内面に対して垂直な向きに設置する。また、実
施例1と実施例2の場合には、狭幅用紙を通過させると
きにハロゲンランプの凸部B、B1、B2をおく位置
は、遮蔽板3のすぐ内側だったが、本例では、定着ロー
ラの軸心からみて遮蔽板3のすぐ横の位置におく。
【0074】また、広幅用紙を通過させるときには、ハ
ロゲンランプの凸部を遮蔽板3からほぼ180度回転し
た位置におく。その他の点では、実施例1および実施例
2と同じである。
【0075】図15にその様子を示す。図15で符号3
0は遮蔽板を示し、符号A1はハロゲンランプ1−2基
部であり、位置〔BP−4〕は狭幅用紙を通過させると
きのハロゲンランプの凸部B1、B2の位置〔BP−
5〕は広幅用紙を通過させるときのハロゲンランプの凸
部B1、B2の位置であり、領域13はハロゲンランプ
の凸部B1、B2を移動させるときの移動経路を示す。
【0076】定着ローラ2の内面の半径は20mmであ
り、遮蔽板30の幅は6mmで厚さは約1mmであり、
ハロゲンランプの凸部B1、B2と基部A1の間の距離
は17mmであり、狭幅用紙を通過させるときにはハロ
ゲンランプの凸部B1、B2を遮蔽板30との隙間が
1.5mmになるまで遮蔽板30に近づける。
【0077】ただし、これらの寸法は、これらの値に限
るものではなく、遮蔽板30の幅および狭幅用紙を通過
させるときのハロゲンランプの凸部と遮蔽板との距離
は、遮蔽角が望ましい値になるように決めればよい。
【0078】本例の場合は、広幅用紙を通過させるとき
には、ハロゲンランプの基部A1に対する遮蔽板30の
遮蔽角とハロゲンランプの凸部B1、B2に対する遮蔽
板30の遮蔽角は、遮蔽板30が薄ければ、どちらもほ
とんど0である。
【0079】一方、狭幅用紙を通過させるときには、ハ
ロゲンランプの基部A1に対する遮蔽板30の遮蔽角は
0に近い値のままであるが、ハロゲンランプの凸部B
1、B2に対する遮蔽角は大きな値になる。本例の場合
は、その遮蔽角(図16のψ)は約110度である。
【0080】図16には、加圧ローラの一部も示してあ
る。図16の符号30は遮蔽板を示し、符号B1、B2
は狭幅用紙を通過させるときのハロゲンランプの凸部を
示す。また、符号2は定着ローラ、符号5は加圧ローラ
の一部、符号5は定着ローラの回転の向きを示す矢印を
それぞれ示している。
【0081】遮蔽板30は、図16に示したように、ニ
ップ部の近傍に設置し、狭幅用紙を通過させるときのハ
ロゲンランプ1−2の凸部B1、B2の位置は、遮蔽板
30に対して定着ローラ5の回転の下流側とすることに
よって、定着ローラ本体2aのうちのニップ部の入口N
P1から定着ローラ2の回転の上流側にかけての部分が
遮蔽板30の影になるようにするのが望ましい。
【0082】その理由は、ニップ部入口手前で熱供給を
断つと、前記した図12における曲線10のように、定
着ローラ表面の温度が高い区間が最大になり、そのた
め、定着ローラ表面から空気中へ逃げる熱量が最大にな
るからである。 [4]実施例4(請求項6対応) 実施例1および実施例2では、ヒータまたは遮蔽板また
はその両方を移動させて、それらの間の相対距離を変え
ることによって、遮蔽角を変えていた。本実施例では、
ヒータと遮蔽板の位置は固定とし、遮蔽板の傾きを変え
ることによって、遮蔽角を変える。その他の点に関して
は、実施例1及び実施例2と同じである。
【0083】図17は、本実施例の定着ローラ5を長手
方向に切った断面を模式的に示したものである。図17
において、ヒータとしてハロゲンランプ1−3を用いて
いる。このハロゲンランプ1−3は、凸部Bと軸部であ
る基部Aとの間の距離Kが12mmであること以外は実
施例1または実施例2のハロゲンランプと同じである。
【0084】図17には実施例1と同じく片側基準で通
紙する場合に使うものを示した。符号2aは定着ローラ
の本体を示し、金属製の芯金と、その胴部表面の図示し
ていない薄い離型層からなる。
【0085】符号30は遮蔽板を示し、符号40の位置
には、図18に説明するように遮蔽板の向きを変える機
構が付加されている。他の実施例と異なりヒータ回転用
部材は存在しない。
【0086】図18に遮蔽板の向きを変える機構を示
す。これは、遮蔽板30を長手方向の一方側から見たも
のである。図18において、符号41は遮蔽板30の保
持部材の一部であり、遮蔽板は30は位置P―1で回転
自在に保持部材41に枢着されている。
【0087】符号42は、遮蔽板の向きを変えるための
ワイヤなどの線を示し、この線の一端側は保持部材41
から遠い側の端近くで遮蔽板30に結合されており、他
端側は引き回し用のプーリ43とプーリ44を経て定着
ローラ外側の図示していない巻き取り部材に結合されて
いる。
【0088】線42が巻き取り部材に巻き取られていな
いときは遮蔽板30は図18に示した位置〔P−1〕に
あるが、線42が巻き取り部材に一定長さだけ巻き取ら
れると、線42は矢印43で示した方向に移動し、遮蔽
板30は矢印46で示したように軸45を中心に回動し
て方向を変える。
【0089】巻き取り部材に加えていた巻き取り力を解
除して線42の巻き取られていた部分が巻き取り部材か
ら解放されると、遮蔽板30は自重により矢印46と逆
方向に傾きを変え、元の位置に戻る。
【0090】図19は遮蔽板30が2つの向きを取った
ときの遮蔽角を比較したものである。図19において符
号Bはハロゲンランプ1−3の凸部、符号Aはハロゲン
ランプ1−3の基部をそれぞれ示し、位置〔P−2〕
は、可能な2つの向きのうちの1つの向きにあるときの
遮蔽板30の位置を示し、位置〔P−3〕は他方の向き
にあるときの遮蔽板30の位置を示している。
【0091】遮蔽板30は、定着ローラの軸心から偏心
した位置のハロゲンランプ発熱部分(凸部)に近接した
位置に設けられている。遮蔽板30が位置〔P−2〕の
傾き状態にある時は、凸部Bに対するその遮蔽角(図1
9のψ)は約120度であり、ハロゲンランプ1−3の
基部Aに対する遮蔽角(図19のφ)は約30度であ
る。遮蔽板30が位置〔P−3〕の傾き状態にある時
は、凸部Bに対するその遮蔽角(図19のθ)は約10
度であり、基部に対する遮蔽角はほとんど0度である。
【0092】したがって、遮蔽板が30が位置〔P−
2〕向きにある時は、ハロゲンランプ1−3の凸部Bか
ら定着ローラ内面に照射される照射光のうち約33%が
遮蔽板30により遮蔽されるが、ハロゲンランプ1−3
の基部Aから定着ローラ内面に照射される照射光のうち
約8%しか遮蔽板30により遮蔽されない。
【0093】また、遮蔽板30が位置〔P−3〕の向き
にある時は、ハロゲンランプ1−3の凸部Bから定着ロ
ーラ内面に照射される照射光のうち約3%が遮蔽板30
により遮蔽され、ハロゲンランプ1−3の基部Aから定
着ローラ内面に照射される照射光はほとんど遮蔽されな
い。
【0094】遮蔽板が30が位置〔P−2〕の向きにあ
る時は、ハロゲンランプ1−3の凸部Bから照射される
照射光のうちの約67%が遮蔽されずに定着ローラ内面
に到達し、ハロゲンランプの1−3基部Aから照射され
る照射光のうちの約92%が遮蔽されずに定着ローラ内
面に到達する。
【0095】遮蔽板30が位置〔P−3〕の向きにある
時は、ハロゲンランプ1−3の凸部Bから照射される照
射光のうちの約97%が遮蔽されずに定着ローラ内面に
到達し、ハロゲンランプ1−3の基部Aから照射される
照射光のうちのほぼ全部が遮蔽されずに定着ローラ内面
に到達する。
【0096】なお、本例においては、ハロゲンランプ1
−3の凸部Bは定着ローラの軸心から約10mm離れた
位置にある。遮蔽板30の幅は約6mmである。定着ロ
ーラ2の半径は20mmである。
【0097】狭幅用紙の通紙時には、遮蔽板30の向き
を図19の位置〔P−2〕、すなわちハロゲンランプ1
−3の凸部B側から見て遮蔽角が最も大きくなる向きに
設置する。すると、ハロゲンランプ1−3から定着ロー
ラ2の非通紙部(狭幅用紙が通過しない範囲)に照射さ
れる赤外線と可視光線の量は、上述のように、遮蔽板3
0に吸収される割合が多いため、通紙部(狭幅用紙が通
過する範囲)に照射される赤外線と可視光線の量よりも
大幅に少なくなる。
【0098】本例の場合は、前述したように、定着ロー
ラ2の通紙部には、基部Aから放射される赤外線と可視
光線のうちの約92%が入射するが、定着ローラ2の非
通紙部には、凸部Bから放射される赤外線と可視光線の
うちの約67%だけが入射する。
【0099】一方、広幅用紙の通紙時には、遮蔽板30
を図19の位置〔P−3〕に設置する。この場合は、定
着ローラ2の非通紙部に照射される赤外線と可視光線の
量は、通紙部に照射される赤外線と可視光線の量とほと
んど変らない。
【0100】前述したように、定着ローラ2の通紙部に
は、基部Aから放射される赤外線と可視光線のうちのほ
とんどすべてが入射し、定着ローラ2の非通紙部には、
凸部Bから放射される赤外線と可視光線のうちの約97
%が入射する。遮蔽板30が非通紙部で大量に吸収した
赤外線と可視光線は熱エネルギーの形で遮蔽板30から
定着ローラ2の内部に再放出されるが、遮蔽板内の熱伝
導により非通紙側だけでなく通紙部側でも放出され、ま
た遮蔽板30の回りの空気を加熱するのに消費された再
放出エネルギーは、空気流により定着ローラ2の内部に
拡散するから、非通紙部昇温が緩和される。 [5]実施例5(請求項7対応) 本例の定着ローラは、実施例1の定着ローラ2から遮蔽
板3を除いたものである。すなわち、図20に示すよう
に、定着ローラ本体2aと、その内部空間に配設された
ヒータと、定着ローラ2の軸心を中心としてヒータを回
転させるヒータ回転用部材4とからなる。ヒータとして
は、実施例1の場合と同じく、一部がコの字形に曲った
形状のハロゲンランプ1−4を使う。
【0101】このハロゲンランプ1−4は、基部Aと凸
部Bの長さが実施例1のものと同じであり、実施例1と
同じく、基部Aが定着ローラ2の軸心に一致するように
定着ローラ2内に設置する。
【0102】また、基部Aの位置が片側基準で通紙する
場合の狭幅用紙の通過位置にほぼ一致するように設置す
る。ただし、中央基準で通紙する場合は、基部Aと凸部
Bの配置と長さが実施例2のハロゲンランプ1−2と同
じハロゲンランプを使い、実施例2と同じく、基部A1
の位置が中央基準で通紙する場合の狭幅用紙が通過する
範囲にほぼ一致するように設置する。
【0103】図20において、ハロゲンランプ1−4に
ついて、基部Aと凸部Bとの間の距離Kは、ハロゲンラ
ンプの基部Aを定着ローラ2の軸心に合わせてハロゲン
ランプ1−4を定着ローラ2の中に設置したときに、凸
部Bが定着ローラ2の内部に収まることが可能な範囲内
の任意の距離とする。
【0104】ただし、その範囲内の距離のうちの最大値
に近い値にすることが望ましい。本例では、この基部と
凸部の間の距離は15mmである。本例のハロゲンラン
プ1−4は、この点でのみ、実施例1と実施例2のハロ
ゲンランプと異なっている。なお、定着ローラの内面の
半径は、実施例1と同じく20mmである。
【0105】図21は、本例における定着ローラ2の軸
に垂直に切った断面をハロゲンランプ1−4を含めて示
したものである。図21において、符号2は定着ロー
ラ、符号5は加圧ローラ、符号Aはハロゲンランプ1−
4の基部、符号Bは1つの位置におけるハロゲンランプ
1−4の凸部、符号31は定着ローラ2の回転方向を示
す矢印、符号8は凸部Bの移動経路を示す両端矢印付き
破線をそれぞれ示す。
【0106】ハロゲンランプ1−4はその基部あを中心
として回転可能になっており、ハロゲンランプ1−4の
凸部Bは少なくとも図21に示す第1の回転位置〔BP
−6〕と、この第1の回転位置〔BP−6〕から離れた
別の第2の回転位置〔BP−7〕との、2つの位置に存
在し得るようにしてある。
【0107】狭幅用紙を通紙するときは、凸部Bをこの
図21の第1の回転位置〔BP−6〕におく。また、広
幅用紙を通紙するときは、凸部Bをこの図21の第2の
回転位置〔BP−7〕におく。
【0108】この第1の回転位置〔BP−6〕は、凸部
Bがニップ部出口NP2の少し後方に来る位置である。
また第2の回転位置〔BP−7〕は、この図21に示す
第2の回転位置〔BP−7〕に限定される訳ではなく、
図示していない別の位置であってもよいが、後述するよ
うに、広幅用紙を通紙する場合に、定着ローラ本体2a
が回転してニップ部にさしかかるときに、その非通紙部
と通紙部の温度がほぼ同じになるような位置が望まし
い。
【0109】ハロゲンランプ1−4の凸部Bの位置は、
ヒータ回転機構による。ヒータ回転機構はハロゲンラン
プ1−4の一端近くに取り付けたヒータ回転用部材とし
てのギヤとそのギヤに噛み合わされる図示省略の第2の
ギヤとその第2のギヤを駆動するモータなどからなる。
【0110】ただし、精密な位置決めは必要ないので、
もっと簡単で安価な回転機構を使っても構わない。この
ヒータ回転機構によりハロゲンランプが基部を中心とし
て回転されることにより、ハロゲンランプ1−4の凸部
Bが定着ローラ2の軸心を中心とした符号32で示す円
周上を移動する。
【0111】図22において定着ローラ本体2aの矢印
で示した範囲33は、狭幅用紙の通紙部であり、矢印3
4で示した範囲は、狭幅用紙の非通紙部である。以後、
狭幅用紙の通紙部を単に狭幅通紙部と呼び、狭幅用紙の
非通紙部を単に狭幅非通紙部と呼ぶことにする。
【0112】広幅用紙を通紙するときには、狭幅非通紙
部でも用紙が通過する。狭幅通紙部では、定着ローラ本
体はニップ部で用紙に熱を奪われて冷えるが、ニップ部
を出た後回転して再びニップ部入口NP1に戻ってくる
間に、定着ローラの軸心に位置しているハロゲンランプ
1−4からの照射光を受けて温度が回復する。これは、
その間に定着ローラ本体から外部空気中へ熱が逃げるも
のの、その逃げる熱量よりもハロゲンランプから定着ロ
ーラ本体へ入射するエネルギー量の方が大きいからであ
る。
【0113】一方、狭幅非通紙部では、ハロゲンランプ
1−4の凸部Bが図23の第1の回転位置〔BP−6〕
にあるときは、定着ローラ本体2aは図23に両端矢印
付き破線35で示した領域で集中的に加熱され高温にな
った後、外部空気中へ放熱しながら回転してニップ部入
口NP1に戻ってくる。
【0114】その際、集中加熱により通紙部よりも高温
になった分だけ、狭幅通紙部よりも定着ローラ本体と外
部空気との温度差が大きくなって、外部空気中へ逃げる
熱量が狭幅通紙部よりも多くなる。定着ローラ本体2a
が一回転する間にハロゲンランプ1−4から受け取る照
射エネルギーは、狭幅通紙部でも狭幅非通紙部でも同じ
である。したがって、一回転する間の狭幅非通紙部での
外部空気中への放熱量が狭幅通紙部でのそれよりも多い
分だけ、狭幅非通紙部が差し引き受け取る熱量が狭幅通
紙部が差し引き受け取る熱量よりも少なく、非通紙部昇
温が緩和される。
【0115】広幅用紙を通紙する時にハロゲンランプ1
−4の凸部Bを位置させる第2の回転位置〔BP−7〕
(図21参照)は、次のようにして決める。広幅用紙を
通紙する時、狭幅通紙部では、定着ローラ2の軸心に位
置するハロゲンランプの基部Aからの放射光により定着
ローラ本体2aは均一に加熱され、ニップ部を出てから
再びニップ部の入口NP1に戻るまでほぼ一様に温度が
上がっていく。
【0116】一方、狭幅非通紙部では、ハロゲンランプ
の凸部Bが図24の第2の回転位置〔BP−8〕にある
場合は、図24に両端矢印付き破線36で示した領域で
定着ローラ内面に入射する光量が少ないので、ニップ部
を出た後の定着ローラ本体2aの温度はこの領域を通過
中はあまり上昇せず、定着ローラ本体2aが図24の4
の第2の回転位置〔BP−8〕の近くにさしかかかった
時点で温度が大きく上昇しそのままニップ部入口NP1
に達する。
【0117】この第2の回転位置〔BP−8〕をうまく
調整すれば、狭幅非通紙部でも、狭幅通紙部とほぼ同じ
温度で定着ローラ本体2aをニップ部入口NP1に戻す
ことができる。もし、ハロゲンランプの凸部Bがニップ
部入口NP1に近い第3の回転位置〔BP−9〕にある
場合は、狭幅非通紙部では、定着ローラ本体2aは温度
があまり上昇しないうちにニップ部入口NP1に到達す
る。
【0118】ハロゲンランプ1−4の凸部Bがニップ部
出口NP2に近い第1の回転位置〔BP−6〕にある場
合も、前述のように、狭幅非通紙部では、定着ローラ本
体2aがニップ部入口NP1に到達するまでに温度が十
分上昇しない。すなわち、ハロゲンランプの凸部Bをニ
ップ部入口NP1からも、ニップ部出口NP2からも離
れた適当な位置に置いた場合だけ、定着ローラ本体2a
がニップ部入口NP1に戻ってきたときに、狭幅非通紙
部と狭幅通紙部とがほぼ同じ温度になる。この位置を実
測により求めて、そこを広幅用紙を通紙する際にハロゲ
ンランプの凸部Bをおく位置とする。 [6]実施例6(請求項8対応) 本例における定着ローラ2は、定着ローラ本体2aと、
その内部空間に配設されたヒータと、定着ローラの軸心
を中心としてヒータを回転させるヒータ回転用部材とか
らなる。実施例1および実施例2と違って遮蔽板はな
い。図25は定着ローラ2を長手方向に切った断面を模
式的に示したものである。
【0119】ヒータはハロゲンランプ1−5で構成され
ている。定着ローラ2の加熱に用いられる従来のハロゲ
ンランプは一直線状の棒形をしているが、本例で使うハ
ロゲンランプ1−5は、図25に示すように、一部がコ
の字形に曲った形状になっている。
【0120】実施例5のハロゲンランプ1−4(図2
0、図22参照)とは基部Aと凸部Bの領域とが定着ロ
ーラ2の長手方向上で逆になっている。図25におい
て、定着ローラ2は、金属製の芯金と、その表面の図示
していない薄い離型層を具備している。符号4はヒータ
回転用部材である。このヒータ回転用部材はハロゲンラ
ンプの一端に取り付けられた単なるギヤであり、図示し
ない第2のギヤおよびモータと組み合わされてヒータ回
転機構を形成している。
【0121】図25に示すハロゲンランプ1−5は、凸
部Bの長さが実施例5の基部A(図20参照)の長さと
同じであり、基部Aの長さが、実施例5の凸部B(図2
0参照)の長さと同じである。
【0122】図25において、凸部Bは、A4用紙の横
幅すなわち210mmとほぼ等しい長さである。また、
基部Aと凸部Bを合わせた長さは定着ローラ2の定着可
能な最大用紙幅にほぼ等しくしてある。本例の定着ロー
ラ2の場合は、この長さは300mmである。また、こ
の長さは定着ローラ2の胴部の長さにほぼ等しい。
【0123】ハロゲンランプ1−5の基部Aと凸部Bの
間の距離Kは、ハロゲンランプの基部Aを定着ローラ2
の軸心に合わせてハロゲンランプ1−5を定着ローラ2
の中に設置したときに、凸部Bが定着ローラ2の内部に
収まることが可能な範囲内の任意の距離とする。ただ
し、その範囲内の距離のうちの最大値に近い値にするこ
とが望ましい。
【0124】本例では、この基部Aと凸部Bの間のK距
離は15mmである。なお、定着ローラ本体2a内面の
半径は、実施例1と同じく20mmである。
【0125】このハロゲンランプ1−5は、基部Aが定
着ローラ2の軸心に一致するように定着ローラ本体2a
内に設置する。また、凸部Bが片側基準で通紙する場合
の狭幅用紙の通過領域14(図25参照)に略一致する
ように設置する。
【0126】図26は、本例における定着ローラ2の軸
に垂直に切った断面をハロゲンランプ1−5を含めて示
したものである。図26において、符号2は定着ロー
ラ、符号5は加圧ローラ、符号Aはハロゲンランプ1−
5の基部、符号Bは1つの位置におけるハロゲンランプ
の凸部をそれぞれ示している。また、凸部Bのとる一つ
の位置を符号〔BP−11〕で示し、別の位置を符号
〔BP−12〕で示している。
【0127】定着ローラ2は矢印31で示す方向に回転
する。符号7はハロゲンランプを回転する際に凸部Bが
移動する経路を示し、ハロゲンランプ1−5は基部Aを
中心として回転可能になっており、ハロゲンランプ1−
5の凸部Bは少なくとも図26に示す第3の回転位置
〔BP−11〕と、この第3の回転位置〔BP−11〕
から離れた別の位置である第4の回転位置〔BP−1
2〕との、2つの位置に存在し得るようにしてある。
【0128】この第3の回転位置〔BP−11〕は、凸
部Bがニップ部入口NP1の少し手前にくる位置であ
る。また第4の回転位置〔BP12〕は、この図26に
示した位置に限定されることはなく、図示していない別
の位置であってもよいが、ニップ部から遠く離れた位置
が望ましい。
【0129】ハロゲンランプ1−5の凸部Bの位置は、
ヒータ回転機構を用いて変える。ヒータ回転機構は、ハ
ロゲンランプ1−5の一端部近くに取り付けたギヤとそ
のギヤに噛み合わされる第2のギヤとその第2のギヤを
駆動するモーターからなる。ただし、精密な位置決めは
必要ないので、もっと簡単で安価な回転機構を使っても
構わない。
【0130】このヒータ回転機構によりハロゲンランプ
1−5が基部Aを中心として回転されることにより、ハ
ロゲンランプの凸部Bが定着ローラ2の軸心を中心とし
た円周上(図26の両端矢印付破線8)を移動する。
【0131】図26において、狭幅用紙が通紙される時
には、ハロゲンランプ1−5を回転させて凸部Bをニッ
プ部入口NP1の少し手前の第3の回転位置〔BP−1
1〕におく。
【0132】定着ローラ2のうちのハロゲンランプ1−
5の凸部Bに近い部分は、定着ローラの軸心にハロゲン
ランプ1−5がある場合に比べて、より多くの放射エネ
ルギーを受け取り、より高温になる。
【0133】すなわち、狭幅用紙が通過している部分で
は、ニップ部NPの少し手前(ニップ部入口NP1)で
高温に加熱された定着ローラの部分が回転してニップ部
NPに進入してくる。したがって、定着ローラ2から熱
があまり空気中に放散しないうちに用紙に熱を与えるこ
とができ、用紙への熱供給効率がよい。一方、狭幅用紙
が通過しない部分はハロゲンランプ1−5の基部Aから
の照射光で加熱されるため、非通紙部への熱供給効率は
ハロゲンランプ1−5の回転によって変ることはない。
【0134】このように通紙領域において用紙への熱供
給効率が高まった分だけ、非通紙部昇温が緩和される。
広幅用紙が通紙される時には、凸部Bを第4の回転位置
〔BP−12〕におく。この第4の回転位置〔BP−1
2〕においた場合は、ニップ部NPに進入してくる定着
ローラ本体2aの温度は、ハロゲンランプが定着ローラ
2の軸心にある場合とほとんど変らない。したがって、
用紙は幅方向に均一に加熱される。
【0135】なお、片側基準でなく中央基準で通紙する
場合は、図27に示したハロゲンランプ1−6を使用す
る。図27の符号B3で示した部分がハロゲンランプ1
−6の凸部であり、図27において符号A1、A2で示
した部分がハロゲンランプ1−6の基部である。
【0136】凸部B3は、A4用紙の横幅すなわち21
0mmとほぼ等しい長さである。また、基部A2と基部
A3の幅はほぼ等しい。基部A2と基部A3の二つの凸
部を合わせた長さは定着ローラ2の定着可能な最大用紙
幅にほぼ等しくしてある。
【0137】本例の定着ローラ2の場合は、この長さは
300mmである。また、この長さは定着ローラの胴部
の長さにほぼ等しい。ハロゲンランプの基部A2、A3
と凸部B3の間の距離Kは、片側基準で通紙する場合と
同じである。ハロゲンランプ1−6を回転させて凸部A
を移動させる際に凸部Aをおく位置は、片側基準の場合
と同じである。 [7]実施例7 以下に、前記[1]〜[6]で説明した定着ローラ及び
該定着ローラを具備した定着装置を備えた画像形成装置
を例示する。図28は、デジタル式の画像形成装置の主
要部断面を示す。図28において、ドラム状をした回転
体の周面に感光層を具備してなる像担持体67の周面部
は光書き込み手段による被走査面を構成している。
【0138】この像担持体67のまわりには、矢印で示
す時計回りの向きの回転方向順に、帯電手段としての帯
電ローラ55、光書込み手段としての光走査装置66、
現像ローラ65を具備した現像装置57、記録媒体とし
ての転写材をガイドする搬送ガイド60、像担持体67
の周面に摺接するブレード156を具備したクリーニン
グ装置157などが配置されている。
【0139】像担持体67上であって帯電ローラ55と
現像ローラ65との間の位置には光走査装置66から光
ビームLbが像担持体67に向けて照射され該像担持体
67の回転軸方向と平行な主走査方向に走査されるよう
になっている。この光ビームLbの照射位置を露光部1
58と称する。像担持体67の下部には転写手段として
の転写ローラ4が接している。この接している部位が転
写部(以下、ニップ部159という。)である。
【0140】転写ローラ68は矢印で示す向きに連れま
わりにより回転される。給紙部160からはレジストロ
ーラ69に向けて搬送ガイド59が設けられ、さらに、
レジストローラ69からは搬送ガイド60がニップ部N
Pに向けて延びている。なお、搬送ガイド60は、後述
するように上側ガイドと下側ガイドからなる。
【0141】給紙部160に積載されたシート状媒体S
は、給紙コロ164から繰り出され図示省略の分離機構
を経て1枚分離されて、搬送ガイド59、レジストロー
ラ69、搬送ガイド60、ニップ部NP、定着装置15
2を経て排紙トレイ153に排出される。この搬送経路
を図28に破線で示す。
【0142】この画像形成装置において、画像形成は次
のようにして行われる。像担持体67が回転を始め、こ
の回転中に像担持体67が暗中において帯電ローラ55
により均一に負帯電され、光ビームLbが露光部158
に照射、走査されて光照射部の電荷が消去され、作成す
べき画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜
像は像担持体67の回転により現像装置57に至り、こ
こでトナーにより可視像化されてトナー像が形成され
る。
【0143】現像装置57における現像ローラ65は像
担持体67の静電潜像に正極性のトナーを付着し静電潜
像を可視化する。なお本実施の形態の画像形成システム
は像担持体67を負帯電し正極性のトナーを用いるいわ
ゆるネガポジ現像システムである。
【0144】前記トナー像の形成後、所定の給紙タイミ
ングで給紙コロ164によりシート状媒体Sの送給が開
始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストロー
ラ69の位置で一旦送りが停止され、シート状媒体Sが
像担持体67上のトナー像とニップ部NPで合致するよ
うに送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミ
ングが到来するとレジストローラ69の部位で停止して
いた転写材はレジストローラ67から送り出される。
【0145】レジストローラ67から送り出されたシー
ト状媒体Sの先端部はやがてニップ部NPに至る。像担
持体67上のトナー像とシート状媒体Sとは、ニップ部
NPで合致し、転写ローラ68により形成される電界に
よって、シート状媒体Sにトナー像が転写される。
【0146】こうしてトナー像を転写されたシート状媒
体Sは、定着装置152を通過する間に定着ローラ2、
加圧ローラ5により画像定着されて、排紙トレイ153
に送り出される。
【0147】一方、ニップ部NPで転写されずに像担持
体67上に残った残留トナーは像担持体67の回転と共
にクリーニング装置157に至り、該クリーニング装置
157を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えら
れる。
【0148】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、ヒータの定着
ローラの軸心から偏心した位置の発熱部分と遮蔽部材と
を互いに近接する第1の相対位置に位置させることがで
きるので、狭幅用紙を定着する際に非通紙部において通
紙部におけるよりもヒータからの放射をより大きい割合
で遮蔽でき、非通紙部昇温を抑制あるいは緩和すること
ができる。また、遮蔽部材は定着ローラの内部にのみ存
在するので、遮蔽部材が吸収した熱は定着ローラの内部
に再放出され定着ローラの加熱に消費され、遮蔽部材が
吸収した熱を定着ローラの外に捨てない分だけエネルギ
ーの利用効率が高い。また、ヒータの定着ローラの軸心
から偏心した位置の発熱部分と遮蔽部材との距離を変え
ると遮蔽角が変るので、上記第1の相対位置を調整する
ことにより、遮蔽率を調整できる。
【0149】請求項2記載の発明では、遮蔽部材をニッ
プ部の定着ローラ回転方向下流側に設けたため、遮蔽部
材が別の位置に存在する場合よりも定着ローラ表面の温
度が下がり、そのため定着ローラ表面から空気中に逃げ
る熱量を減らすことができ、遮蔽部材が通紙部において
もヒータからの放射を遮蔽してしまう好ましくない効果
を低減することができる。
【0150】請求項3記載の発明では、遮蔽部材を金属
で構成したので、遮蔽部材の熱伝導率が高く、遮蔽部材
が非通紙部において吸収した熱を通紙部で再放出する率
が高まり、非通紙部昇温の抑制能力が高まる。また、少
なくともヒータに面した側面に赤外線および可視光線の
吸収率を高める処理を施したので、遮蔽部材がヒータの
放射を遮蔽する率が高まり、非通紙部昇温の抑制能力が
高まる。
【0151】請求項4記載の発明では、遮蔽部材が、定
着ローラ内面に対してほぼ垂直の向きに配置され定着ロ
ーラ長手方向に延びた板状の物体であり、広幅記録媒体
を通紙するときに、遮蔽部材が存在する位置の定着ロー
ラの軸心を挟んだほぼ反対側の位置に、定着ローラの軸
心から偏心した位置にあるヒータの発熱部分を位置させ
たので、広幅記録媒体を通紙するときの遮蔽率を0に近
くすることが出来る。また、遮蔽部材が、定着ローラ内
面に対してほぼ垂直の向きに配置され定着ローラ長手方
向に延びた板状の物体であるので、狭幅用紙を通紙する
ときの通紙部における遮蔽率を0に近くすることができ
る。
【0152】請求項5記載の発明では、遮蔽部材がニッ
プ部近傍に位置し、狭幅記録媒体を通紙するときに、ヒ
ータの定着ローラの軸心から偏心した位置にある発熱部
分を、遮蔽部材に対して定着ローラ回転方向下流側に位
置させたので、遮蔽部材の影になって温度が上がらない
場所がニップ部の入口から定着ローラ回転方向上流側に
かけての領域になり、別の配置を取らせた場合に比べ
て、狭幅記録媒体の非通紙部において定着ローラ表面か
ら空気中に逃げる熱量をより大きくすることができる。
【0153】請求項6記載の発明では、遮蔽部材をヒー
タの定着ローラの軸心から偏心した位置の発熱部分に近
接して存在させ、少なくとも2つの傾きを取る事ができ
るようにしたので、狭幅用紙を定着する際に非通紙部に
おいてヒータからの放射を通紙部におけるよりも大きい
割合で遮蔽でき、非通紙部昇温を抑制あるいは緩和する
ことができる。また、遮蔽部材は定着ローラの内部にの
み存在するので、遮蔽部材が吸収した熱は定着ローラの
内部に再放出され定着ローラの加熱に消費され、遮蔽部
材が吸収した熱を定着ローラの外に捨てない分だけエネ
ルギーの利用効率が高い。
【0154】請求項7記載の発明では、ヒータを定着ロ
ーラの長手方向の狭幅記録媒体が通過しない範囲におい
て定着ローラの軸心から偏心した位置において発熱さ
せ、定着ローラの長手方向の狭幅シート状媒体が通過す
る範囲において定着ローラの軸心の位置において発熱さ
せ、定着ローラの軸心を中心として回転可能とし、該ヒ
ータをヒータの定着ローラの軸心から偏心した位置の発
熱部分がニップ出口近傍に存在する第1の回転位置と、
その位置とは別の第2の回転位置との少なくとも2つの
回転位置をとらせるようにしたので、狭幅シート状媒体
の非通紙部において定着ローラ表面から空気中に逃げる
熱量をシート状媒体が通過する範囲におけるそれ(空気
中から逃げる熱量)よりも大きくすることができ、シー
ト状媒体が通過しない範囲の昇温を緩和することができ
る。
【0155】請求項8記載の発明では、ヒータを定着ロ
ーラの長手方向の狭幅記録媒体が通過する範囲において
定着ローラの軸心から偏心した位置において発熱させ、
定着ローラの長手方向の狭幅記録媒体が通過しない範囲
において定着ローラの軸心の位置において発熱させ、定
着ローラの軸心を中心として回転可能とし、該ヒータを
ヒータの定着ローラの軸心から偏心した位置の発熱部分
がニップ入口近傍に存在する第1の回転位置と、その位
置とは別の第2の回転位置との少なくとも2つの回転位
置をととらせるようにしたので、狭幅記録媒体の通紙部
において定着ローラから記録媒体への熱量の供給効率を
非通紙部におけるそれよりも大きくすることができ、非
通紙部昇温を緩和することができる。
【0156】請求項9記載の発明では、幅の広いシート
状媒体に定着ムラやシワが発生したり、未定着トナー像
の非通紙部領域に対応した部分のトナーが溶けすぎて定
着ローラに付着し、シート状媒体の表面を汚す所謂ホッ
トオフセットを生じることのない定着装置を提供するこ
とができる。
【0157】請求項10では、幅の広いシート状媒体に
定着ムラやシワが発生したり、未定着トナー像の非通紙
部領域に対応した部分のトナーが溶けすぎて定着ローラ
に付着し、シート状媒体の表面を汚す所謂ホットオフセ
ットを生じることのない定着装置を具備した画像形成装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図7のX―X矢視断面図である。
【図2】ハロゲンランプを模式的に示した正面図であ
る。
【図3】定着ローラと用紙サイズとの関係を説明した図
である。
【図4】遮蔽板の斜視図である。
【図5】定着ローラ内の遮蔽板を示した図である。
【図6】定着ローラ内の遮蔽板を示した図である。
【図7】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの位
置関係を示した図である。
【図8】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの位
置関係を示した図である。
【図9】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの位
置関係を示した図である。
【図10】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの
位置関係を示した図である。
【図11】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの
位置関係を示した図である。
【図12】定着ローラ本体の温度分布を時間との関係で
示した特性線図である。
【図13】ハロゲンランプを模式的に示した正面図であ
る。
【図14】定着ローラと用紙サイズとの関係を説明した
図である。
【図15】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの
位置関係を示した図である。
【図16】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの
位置関係を示した図である。
【図17】定着ローラの断面図である。
【図18】遮蔽板の向きを変える機構の正面図である。
【図19】定着ローラ内での遮蔽板、ハロゲンランプの
位置関係を示した図である。
【図20】定着ローラの断面図である。
【図21】定着ローラ内でのハロゲンランプの動作領域
を示した図である。
【図22】定着ローラの断面図である。
【図23】定着ローラ内でのハロゲンランプの動作領域
を示した図である。
【図24】定着ローラ内でのハロゲンランプの動作領域
を示した図である。
【図25】定着ローラの断面図である。
【図26】定着ローラ内でのハロゲンランプの動作領域
を示した図である。
【図27】ハロゲンランプを模式的に示した正面図であ
る。
【図28】本発明に係る定着装置、定着ローラを具備し
た画像形成装置を概略構成と共に示した正面図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3、1−4 ハロゲンランプ 2 定着ローラ 12 トレイ BP−1 第1の相対位置 BP−2 第2の相対位置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未定着トナー画像を担持したシート状の記
    録媒体を定着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ロー
    ラを回転させて上記記録媒体を搬送しつつ上記未定着ト
    ナー画像に熱と圧力とを加えて上記記録媒体に定着させ
    る定着ローラであって、 薄肉の中空シリンダ状の定着ローラ本体と、前記定着ロ
    ーラ本体に内包され定着ローラ本体を長手方向に渡って
    加熱するヒータと、前記ヒータからの放射熱の一部を前
    記定着ローラ本体に届く前に遮蔽する遮蔽部材とを有
    し、前記ヒータは前記定着ローラの長手方向の狭幅シー
    ト状媒体が通過しない範囲について前記定着ローラの軸
    心から偏心した部位を発熱させ、前記狭幅シート状媒体
    が通過する範囲について定着ローラの軸心の位置で発熱
    させ、前記ヒータの前記定着ローラの軸心から偏心した
    位置の発熱部分と遮蔽部材とが、互いに近接する第1の
    相対位置と、その相対位置とは別の第2の相対位置との
    少なくとも2つの相対位置をとることを特徴とする定着
    ローラ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着ローラにおいて、前記
    遮蔽部材をニップ部の定着ローラ回転方向下流側に設け
    たことを特徴とする定着ローラ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の定着ローラにおい
    て、 前記遮蔽部材を金属で構成し、少なくともヒータに面し
    た側面に赤外線および可視光線の吸収率を高める処理を
    施したことを特徴とする定着ローラ。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れか1つに記載の定着
    ローラにおいて、前記遮蔽部材が、定着ローラ内面に対
    してほぼ垂直の向きに配置され定着ローラ長手方向に延
    びた板状の物体であり、広幅シート状媒体が通紙すると
    きに、前記遮蔽部材が存在する位置の定着ローラの軸心
    を挟んだほぼ反対側の位置に、前記定着ローラの軸心か
    ら偏心した位置にあるヒータの発熱部分を位置させるこ
    とを特徴とする定着ローラ。
  5. 【請求項5】請求項4記載の定着ローラにおいて、前記
    遮蔽部材がニップ部近傍に位置し、狭幅シート状媒体を
    通紙するときに、前記ヒータの定着ローラの軸心から偏
    心した位置にある発熱部分を、前記遮蔽部材に対して前
    記定着ローラ回転方向下流側に位置させることを特徴と
    する定着ローラ。
  6. 【請求項6】未定着トナー画像を担持したシート状の記
    録媒体を定着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ロー
    ラを回転させて上記記録媒体を搬送しつつ上記未定着ト
    ナー画像に熱と圧力とを印加して上記記録媒体に定着さ
    せる定着ローラであって、薄肉の中空シリンダ状の定着
    ローラ本体と、定着ローラ本体に内包され定着ローラ本
    体を長手方向に渡って加熱するヒータと、ヒータからの
    放射熱の一部を定着ローラ本体に届く前に遮蔽する遮蔽
    部材とを有し、該ヒータは定着ローラの長手方向の狭幅
    シート状媒体が通過しない範囲について定着ローラの軸
    心から偏心した位置において発熱し、該ヒータは定着ロ
    ーラの長手方向の狭幅シート状媒体が通過する範囲にお
    いて定着ローラの軸心の位置において発熱し、該遮蔽部
    材は、前記定着ローラの軸心から偏心した位置の前記ヒ
    ータ発熱部分に近接した位置に設けられ、前記定着ロー
    ラの長手方向に垂直な面内で少なくとも前記ヒータに対
    する遮蔽角が異なる2つの傾きをとることができること
    を特徴とする定着ローラ。
  7. 【請求項7】未定着トナー画像を担持したシート状媒体
    を定着ローラと加圧部材で挟圧し、上記定着ローラを回
    転させて前記シート状媒体を搬送しつつ上記未定着トナ
    ー画像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着
    させる定着ローラを構成する薄肉で中空シリンダ状の定
    着ローラ本体と、前記定着ローラ本体に内包され該定着
    ローラ本体を長手方向に渡って加熱するヒータとを有
    し、該ヒータは前記定着ローラの長手方向の狭幅シート
    状媒体が通過しない範囲において前記定着ローラの軸心
    から偏心した位置において発熱し、前記定着ローラの長
    手方向の狭幅シート状媒体が通過する範囲において前記
    定着ローラの軸心の位置において発熱し、前記定着ロー
    ラの軸心を中心として回転可能であり、かつ、該ヒータ
    は定着ローラの軸心から偏心した位置の発熱部分がニッ
    プ部出口近傍に存在する第1の回転位置と、その位置と
    は別の第2の回転位置の少なくとも2つの回転位置をと
    ることを特徴とする定着ローラ。
  8. 【請求項8】未定着トナー画像を担持したシート状媒体
    を定着ローラと加圧部材で挟圧し、前記定着ローラを回
    転させて前記シート状媒体を搬送しつつ前記未定着トナ
    ー画像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着
    させる定着ローラであって、 薄肉の中空シリンダ状の定着ローラ本体と、該定着ロー
    ラ本体に内包され該定着ローラ本体を長手方向に渡って
    加熱するヒータを有し、該ヒータは該定着ローラの長手
    方向の狭幅シート状媒体が通過する範囲において前記定
    着ローラの軸心から偏心した位置において発熱し、該定
    着ローラの長手方向の狭幅シート状媒体が通過しない範
    囲で前記定着ローラの軸心の位置において発熱し、定着
    ローラの軸心を中心として回転可能であり、かつ、該ヒ
    ータはヒータの定着ローラの軸心から偏心した位置の発
    熱部分がニップ部入口近傍に存在する第3の回転位置
    と、その位置とは別の第4の回転位置との少なくとも2
    つの回転位置をとることを特徴とする定着ローラ。
  9. 【請求項9】未定着トナー画像を担持したシート状媒体
    を定着ローラと加圧部材で挟圧し、前記定着ローラを回
    転させて前記シート状媒体を搬送しつつ前記未定着トナ
    ー画像に熱と圧力とを印加して前記シート状媒体に定着
    させる定着装置であって、 前記定着ローラとして、請求項1乃至8の任意の1つに
    記載の定着ローラを具備したことを特徴とする定着装
    置。
  10. 【請求項10】シート状媒体に画像形成を行なう画像形
    成手段及びこの画像形成されたシート状媒体を搬送する
    搬送手段を有する画像形成装置において、請求項9に記
    載の定着装置を具備したことを特徴とする画像形成装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014074885A (ja) * 2012-09-14 2014-04-24 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2014238428A (ja) * 2012-09-14 2014-12-18 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

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JP2018124563A (ja) * 2012-09-14 2018-08-09 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

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