JP2006243497A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加圧ロールとエンドレスベルトとによって被記録媒体の表面に担持された未定着像を定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる定着装置を得る。
【解決手段】 定着装置30は、押圧支持体34と、定着ベルト36と、加圧ロール38と、を有している。押圧支持体34の頂点部分には平面部46が設けられており、該平面部46はブラスト処理により粗面化し点接触状態で定着ベルト36と摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。さらに、押圧支持体34を熱吸収性及び熱伝導性の良い材料にすることで、磨耗粉により定着ベルト36内面が損傷することが防止され、定着性や搬送性を安定化することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 定着装置30は、押圧支持体34と、定着ベルト36と、加圧ロール38と、を有している。押圧支持体34の頂点部分には平面部46が設けられており、該平面部46はブラスト処理により粗面化し点接触状態で定着ベルト36と摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。さらに、押圧支持体34を熱吸収性及び熱伝導性の良い材料にすることで、磨耗粉により定着ベルト36内面が損傷することが防止され、定着性や搬送性を安定化することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被記録媒体の表面に担持された未定着像を加熱および加圧することにより当該被記録媒体に定着させるための定着装置に関する。
画像形成技術として、印刷速度が速く、印刷版をその都度用意する必要が無く簡単であり、種々の画像情報から直接画像を得ることができ、装置も比較的小型であり、フルカラー化も容易であること等、数多くのメリットを有することから、電子写真方式が広く普及している。
電子写真方式を採用した画像形成装置(電子写真装置)は、一般的に、潜像担持体表面に静電潜像を形成し、帯電されたトナーを前記潜像担持体表面に接触させることで、選択的にトナーを付着させてトナー画像を形成し、これを、中間転写体を介して、あるいは介さずに、被記録媒体に転写して、次いで熱および/または圧力等により前記トナーを被記録媒体表面に定着することで、画像を得る構成となっている。
かかる電子写真装置において、通常定着には、加熱ロールと加圧ロールとが当接してなる2ロール方式の定着装置が用いられ、両者が当接して形成されるニップ部に、未定着トナー画像が表面に形成された被記録媒体を挿通することで、熱および圧力によりトナーを溶融し前記被記録媒体表面に永久画像として定着せしめている。また、この加熱ロールおよび/または加圧ロールに代えて、エンドレスベルト状の加熱部材、加圧部材を用いることもある。
加熱ロールは、内部にハロゲンランプ等の熱源を有する金属製のコアに、弾性層や離型層を設けてなるものであり、前記熱源により内部から加熱ロール表面を加熱するものである。定着装置においては、省エネルギーの観点や、画像形成装置の使用時にユーザーを待たせないようにする等の観点から、加熱ロール等の加熱部材を瞬時に加熱することができ、待ち時間(ウォームアップタイム)をできる限り少なくすることが望まれている。
従来の定着装置は、中空の定着体たる定着ロール(加熱ロール)と、付勢手段により前記定着ロールに押圧される加圧ロールと、加熱手段たるハロゲンヒータ(定着ヒータ)とを有しており、電源からの電力が前記ハロゲンヒータに供給されることで前記定着ロールが加熱されるようになっている。また、前記定着ロールの表面温度を検知するセンサの出力が温度コントロールに入力され、該温度コントロールによって前記出力に基づきハロゲンヒータがON/OFFされて、前記定着ロールは所定の表面温度に維持される。被記録媒体に載った状態の未定着トナーから成る未定着像は、定着ロールおよび加圧ロールのなす定着ニップ内で被記録媒体とともに加熱および加圧され永久定着されることとなる。
ところで、従来の中空の円筒形状をした定着ロールは、定着ニップ部の形状を自由な形状に加工することは難しいため、被記録媒体にしわやカールを生じさせたり、搬送性に影響を与えたり、定着性等を向上するための制約を生じさせたり等、多種類の被記録媒体全てに対してこれらを満足させることが困難であった。
例えば、封筒など、2層以上の多層構造となっている被記録媒体においては、定着ロールと加圧ロールとの間のニップ部の形状が平面でなく曲率を有していると、両者の回転速度が同じでも、表面の線速度に微妙な差異が生じてしまい、被記録媒体の上下面で搬送速度にずれが生じてしわが発生したり、定着性や搬送性に影響を与えてしまったりといった不具合を生じてしまう場合がある。特に、プロセススピードを速くしようとすると、上記不具合が生じ易い欠点があった。
そこで、上記の如き不具合を解消するために、特許文献1に示される技術が開示されている。この特許文献1に示された技術では、内部に熱源を備えた中空パイプと、この中空パイプを加圧する加圧ロールと、前記中空パイプに巻掛けられる耐熱性のエンドレスシートを有しており、このエンドレスシートと前記加圧ロールとの間に未定着トナーを担持した記録紙(被記録媒体)を通過させて、加熱加圧定着を行う定着装置であり、前記記録紙の前記未定着トナーを担持した面は、前記エンドレスシートと接し、前記エンドレスシートは、前記記録紙の搬送速度と同速度で回動しており、且つ、前記中空パイプの前記加圧ロールによる押圧位置は、略平面形状である定着装置である。
しかしながら、かかる定着装置にあっては、前記中空パイプ全体を前記ハロゲンヒータによって温めているため、定着に寄与しない前記中空パイプのニップ部以外の部位をも加熱することになり、定着部材全体を所定の温度まで温度上昇させるのに時間がかかり、ウォームアップ時間の短縮にならないという問題が発生する。
さらに、連続通紙を行った際、前記中空パイプのニップ部においては、熱が前記記録紙に奪われるため、温度低下が発生する。この中空パイプのニップ部温度を所定の温度に維持するためには、前記熱源から加熱を行う必要があるが、前記中空パイプにおける、前記熱源から見てニップ部とは反対側の部分は、熱を奪われることが無いためどんどん高温となってしまう。その結果、当該部分の温度が所定の温度以下となるようにすべく、プリント速度の低下やプリントの停止が必要となってしまう。
この場合、加圧ロールに摺接するエンドレスベルトを内部から押圧してニップ部を形作る押圧支持体を設け、この押圧支持体の形状等を工夫することで(例えば、押圧支持体がエンドレスベルトの進行方向の前後に向けて熱源を取り囲むように延伸して設ける)、前述の如きウォームアップ時間等の温度に関連する不具合を解決することが考えられる。このような定着装置では、エンドレスベルトを、熱源からの輻射熱により直接加熱すると共に押圧支持体を介して熱伝導によっても加熱することができ、必要箇所を好適に加熱することが可能となる。
しかしながら反面、かかる定着装置にあっては、エンドレスベルトを回転させるための必要摺動トルクが大きくなり、駆動モーターの負担が増したり、ベルト回転始動時にベルトスリップ現象を起こしてしまうという新たな問題が生じてしまう。
特開平7−287460号公報
本発明は上記事実を考慮し、加圧ロールとこの加圧ロールに当接してニップ部を形成するエンドレスベルトとによって被記録媒体の表面に担持された未定着像を当該被記録媒体に定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる定着装置を得ることが目的である。
請求項1に係る発明の定着装置は、弾力性または柔軟性を有し、回転駆動する加圧ロールと、耐熱性を有し、前記加圧ロールに当接して被記録媒体が挿通されるニップ部を形成しつつ従動回転するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトと摺接する平面部を有し、前記平面部で前記エンドレスベルトを内方から押圧して前記ニップ部を略平面状に形作る押圧支持体と、前記エンドレスベルトの周内に配置され、前記エンドレスベルトを輻射熱により直接加熱すると共に前記押圧支持体を介して熱伝導により加熱する熱源と、を有し、前記被記録媒体の表面に担持された未定着像を前記ニップ部により加熱および加圧することで当該被記録媒体に定着させるための定着装置において、前記押圧支持体の前記平面部を粗面化した、ことを特徴としている。
請求項1記載の定着装置では、エンドレスベルトにより形成されるニップ部は、当該エンドレスベルトが押圧支持体の平面部で内方から押圧されることで略平面状に形作られている。
この場合、単に略平面状に形作られているだけだと、エンドレスベルト内面と押圧支持体の平面部との接触面積が大きくなり、エンドレスベルトを回転させる際の摺動トルクが大きく、駆動モーターの負担が増してしまう。また、ベルト回転始動時には必要駆動トルクが大きく、ベルトスリップ現象を起こしてしまう。
この点、請求項1記載の定着装置では、押圧支持体の平面部は粗面化されているため、粗面化された当該平面部は点接触状態でエンドレスベルトと摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなり(摺動トルクを低く抑えることができ)、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。またさらに、エンドレスベルト内面の摺動抵抗が減少するため、押圧支持体を熱吸収性及び熱伝導性の良い例えばアルミ系材料製とした場合でも、ベルトスリップ現象の防止と併せて、磨耗粉によりエンドレスベルト内面が損傷することが防止され、磨耗によるエンドレスベルトや押圧支持体の耐久性低下を防止することができ、定着性や搬送性を安定することができる。
このように、請求項1記載の定着装置では、加圧ロールとこの加圧ロールに当接してニップ部を形成するエンドレスベルトとによって被記録媒体の表面に担持された未定着像を当該被記録媒体に定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる。
請求項2に係る発明の定着装置は、請求項1記載の定着装置において、前記押圧支持体の前記平面部は、ブラスト加工処理を施した凹凸面とされる、ことを特徴としている。
請求項2記載の定着装置では、ブラスト加工処理を施すことによって押圧支持体の平面部を凹凸面としているため、コストアップを伴うことなく好適に粗面化することができる。
請求項3に係る発明の定着装置は、請求項1または請求項2記載の定着装置において、前記押圧支持体の前記平面部の平均表面粗さRaは、0.1μmから3μmの範囲とされる、ことを特徴としている。
押圧支持体の平面部の粗面度合いは、その平均表面粗さRaが0.1μm以下だと目的とする摺動抵抗低減が不十分であり、一方、平均表面粗さRaが3μm以上だとエンドレスベルト内面にダメージを与えたり定着画像に粗さによる定着ムラが発生してしまう。
この点、請求項3記載の定着装置では、押圧支持体の平面部の粗面度合い(平均表面粗さRa)を好適な範囲に設定しているため、前記不具合が生じない。
請求項4に係る発明の定着装置は、弾力性または柔軟性を有し、回転駆動する加圧ロールと、耐熱性を有し、前記加圧ロールに当接して被記録媒体が挿通されるニップ部を形成しつつ従動回転するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトを内方から押圧して前記ニップ部を形成するための押圧支持体と、前記押圧支持体の前記加圧ロール側に設けられ、前記エンドレスベルトと摺接する平面部を有し、前記平面部で前記ニップ部を略平面状に形作る平面板と、前記エンドレスベルトの周内に配置され、前記エンドレスベルトを輻射熱により直接加熱すると共に前記押圧支持体及び前記平面板を介して熱伝導により加熱する熱源と、を有し、前記被記録媒体の表面に担持された未定着像を前記ニップ部により加熱および加圧することで当該被記録媒体に定着させるための定着装置において、前記平面板の前記平面部を粗面化した、ことを特徴としている。
請求項4記載の定着装置では、エンドレスベルトにより形成されるニップ部は、当該エンドレスベルトが、押圧支持体に設けられた平面板の平面部で内方から押圧されることで略平面状に形作られている。
この場合、単に略平面状に形作られているだけだと、エンドレスベルト内面と平面板の平面部との接触面積が大きくなり、エンドレスベルトを回転させる際の摺動トルクが大きく、駆動モーターの負担が増してしまう。また、ベルト回転始動時には必要駆動トルクが大きく、ベルトスリップ現象を起こしてしまう。
この点、請求項4記載の定着装置では、平面板の平面部は粗面化されているため、粗面化された当該平面部は点接触状態でエンドレスベルトと摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなり(摺動トルクを低く抑えることができ)、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。またさらに、エンドレスベルト内面の摺動抵抗が減少するため、ベルトスリップ現象の防止と併せて、磨耗粉によりエンドレスベルト内面が損傷することが防止され、磨耗によるエンドレスベルトや平面板の耐久性低下を防止することができ、定着性や搬送性を安定することができる。
またしかも、押圧支持体とは別の平面板を設けこの平面板がエンドレスベルトと摺接する構成であるため、押圧支持体に求められる強度や熱吸収性及び熱伝導性といった特性と、エンドレスベルトと摺動する部分に求められる摺動抵抗低減や摺動潤滑剤との濡れ性といった特性を両立することが容易に可能となる。
このように、請求項4記載の定着装置では、加圧ロールとこの加圧ロールに当接してニップ部を形成するエンドレスベルトとによって被記録媒体の表面に担持された未定着像を当該被記録媒体に定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる。
請求項5に係る発明の定着装置は、請求項4記載の定着装置において、前記平面板の前記平面部は、ブラスト加工処理を施した凹凸面とされる、ことを特徴としている。
請求項5記載の定着装置では、ブラスト加工処理を施すことによって平面板の平面部を凹凸面としているため、コストアップを伴うことなく好適に粗面化することができる。
請求項6に係る発明の定着装置は、請求項4または請求項5記載の定着装置において、前記平面板の前記平面部の平均表面粗さRaは、0.1μmから3μmの範囲とされる、ことを特徴としている。
平面板の平面部の粗面度合いは、その平均表面粗さRaが0.1μm以下だと目的とする摺動抵抗低減が不十分であり、一方、平均表面粗さRaが3μm以上だとエンドレスベルト内面にダメージを与えたり定着画像に粗さによる定着ムラが発生してしまう。
この点、請求項6記載の定着装置では、平面板の平面部の粗面度合い(平均表面粗さRa)を好適な範囲に設定しているため、前記不具合が生じない。
請求項7に係る発明の定着装置は、請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の定着装置において、前記平面板は金属材または耐熱性樹脂材により成ることを特徴としている。
請求項7記載の定着装置では、平面板(エンドレスベルトと摺動する部分)に求められる特性を容易に満足することができる。
請求項8に係る発明の定着装置は、請求項4乃至請求項7の何れか1項に記載の定着装置において、前記平面板の熱伝導率は、前記エンドレスベルトの基材の熱伝導率以上とされている、ことを特徴としている。
請求項8記載の定着装置では、エンドレスベルトが押圧支持体及び平面板を介して熱伝導により加熱される際に、当該加熱を平面板が不要に阻害することが無く、熱源からの熱を好適にエンドレスベルトに伝導することができる。
請求項9に係る発明の定着装置は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の定着装置において、前記エンドレスベルトの内周面に摺動潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を備えたことを特徴としている。
請求項9記載の定着装置では、エンドレスベルトと摺動する部分(押圧支持体の平面部、あるいは、平面板の平面部)の摺動抵抗が大幅に低減されることになり、一層効果的である。
以上説明した如く本発明に係る定着装置は、加圧ロールとこの加圧ロールに当接してニップ部を形成するエンドレスベルトとによって被記録媒体の表面に担持された未定着像を当該被記録媒体に定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、エンドレスベルトの摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができるという優れた効果を有する。
「第1の実施の形態」
図1には、本発明の第1の実施形態に係る定着装置30の構成が概略的な断面図にて示されており、また、図2には、この定着装置30が適用された画像形成装置10の全体構成が概略的な側面図にて示されている。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る定着装置30の構成が概略的な断面図にて示されており、また、図2には、この定着装置30が適用された画像形成装置10の全体構成が概略的な側面図にて示されている。
図2に示されるように、この画像形成装置10は、大きく画像形成部(画像形成手段)Xと定着部(定着手段)Yとの2つの構成に分かれている。
画像形成部Xは、一様帯電後に像様の光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成され、矢印A方向に回転する感光体ドラム(潜像担持体)12を備えており、この周囲に、回転方向(矢印A方向)に順に、感光体ドラム12の表面を一様に帯電させる帯電ロール(帯電手段)14と、感光体ドラム12に像様の光を照射して表面に静電潜像を形成する像露光器(潜像形成手段)16と、感光体ドラム12表面に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像(未定着像)を形成する現像器(現像手段)18と、感光体ドラム12と対向し、記録紙(被記録媒体)Pを挟んで感光体ドラム12との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール(転写手段)20と、トナー像の転写後に感光体ドラム12に残留するトナーを除去するクリーナ(クリーニング部材)22とが設けられて構成されている。
感光体ドラム12は、金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。
帯電ロール14は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム12に当接し、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、帯電ロール14と感光体ドラム12との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電が生じ、感光体ドラム12の表面をほぼ一様に帯電するものである。
像露光器16は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム12の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム12の表面に静電潜像を形成するものである。
現像器18は、ブラックのトナーを収容しており、当該トナーを担持した現像ロールを感光体ドラム12と近接・対向させ、感光体ドラム12表面に形成された静電潜像に対応してトナーを転移し、可視化したトナー像(未定着像)を形成する(現像する)ものである。
転写ロール20は、導電性もしくは半導電性のロール状部材からなり、感光体ドラム12との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム12表面のトナー像を記録紙Pに転写するものである。
クリーナ22は、感光体ドラム12の表面に圧接されるブレード状の部材であり、感光体ドラム12表面に残留するトナーを掻き取るように除去するものである。なお、クリーニング部材としては、このようなブレード状のものに代えて、ロール状部材によってトナーを掻き取ったり、ブラシによってトナーを掃き出すものであってもよい。
以上の構成の画像形成部Xにおいては、感光体ドラム12と転写ロール20との対向部へ、その上流側(図2における右側)から矢印C方向に、記録紙Pが供給されるように、給紙機構が構成されている(図示省略)。前記対向部に搬送された記録紙Pの表面には、転写ロール20により前記トナー像が、感光体ドラム12から転写される。つまり、画像形成部Xにおいて、記録紙P表面にトナー像(未定着像)が形成される構成である。
一方、記録紙Pの搬送方向(矢印C方向)における画像形成部Xの下流側に位置する定着部Yは、記録紙P表面に転写されたトナー像を加熱溶融し記録紙Pに圧着する定着装置30により構成されている。
図1に示す如く、定着装置30は、出力500W〜1000Wのハロゲンランプ(熱源)32と、このハロゲンランプ32を取り囲むように配された押圧支持体34と、押圧支持体34の外周を取り巻くように掛けられる耐熱性の定着ベルト(耐熱性エンドレスベルト)36と、定着ベルト36との間で記録紙Pを加圧する加圧ロール38と、を有している。定着ベルト36と加圧ロール38との間にはニップ部Nが形成され、ここに未定着のトナー像を担持した記録紙Pを矢印C方向に挿通させることで、加熱加圧定着が行われるようになっている。
図3に示す如く、熱源としてのハロゲンランプ32は、ガラス製で円筒状のランプ管40の略軸心にフィラメント42が配され、かつ、ランプ管40の周面の一部の領域G、すなわち白色セラミックスコーティング部44に、白色セラミックスが被覆されてなるものである。この領域Gの範囲としては、例えば、フィラメント42を基点(中心)として、中心角180°〜270°の範囲となるようにすることが好ましい。この範囲に熱半遮蔽部材を設けることで、ニップ部Nに対応する押圧支持体34の平面部46(後に詳述する)を積極的に加熱することができ、定着ベルト36や、押圧支持体34の平面部46以外の箇所を過剰に加熱することを防止することができる。
押圧支持体34は、全体として断面略C字形に形成されており、その頂点部分には平面部46が設けられると共に、平面部46とは反対側が開口した状態となっている。この押圧支持体34は、鉄、アルミなどの耐久性及び耐熱性の良い剛性の高い材料を用いることができるが、熱伝導性の観点からアルミ系の材料が好ましく、本第1の実施の形態においてはアルミ合金(A3004系)を用いた。また、本第1の実施の形態においては、押圧支持体34の平面部46は、幅寸法を5mmに設定している。
またここで、押圧支持体34は、少なくとも、ベルト内面と摺擦する側の平面部46が粗面化されている。本第1の実施の形態においては、公知のブラスト処理により、平面部46に平均表面粗さRa=0.8μmの粗面化を施した。なお、この平面部46の表面粗さとしては、平均表面粗さRaで0.1μm〜3μmが好ましく、より好ましくは、平均表面粗さRaで0.5μm〜1.5μmが好ましい。平均表面粗さRaが0.1μm以下だと、目的とする摺動抵抗低減が不十分であり、平均表面粗さRaが3μm以上だと、ベルト内面にダメージを与えたり、定着画像に粗さによる定着ムラが発生してしまう。
なお、本第1の実施の形態ではブラスト処理を施したが、レーザー加工や研磨加工、切削加工、転造加工など公知の表面粗面化加工でも良い。
図4に示す如く、定着ベルト36は、離型層52および熱吸収性層54により構成されている。離型層52は、厚さ1〜40μm程度(本第1の実施の形態では、30μm)の離型性かつ耐久性の良い材料(例えば、ポリイミド樹脂やフッ素樹脂。本第1の実施の形態では、PFA)からなる。また、熱吸収性層54は、厚さ30μm〜100μm程度(本第1の実施の形態では、80μm)のポリイミド樹脂にカーボンブラックを混ぜ合わせたものである。このように、定着ベルト36としては、ハロゲンランプ32からの輻射熱を定着ベルト36に吸収させ易くするべく、熱吸収性を向上させる処理が為された熱吸収性層を含むことが好ましい。なお、別の例として、PFAにカーボンブラック等を混ぜて、熱吸収性層としてもよい。この場合、当該熱吸収性層のみの単層構造でも、離型性と熱吸収性とを兼ね備える定着ベルトとすることができる。なお、本第1の実施の形態においては、定着ベルト36の外径をφ30mmに設定している。
またここで、定着ベルト36の軸中心位置からニップ部Nに近い方向に7mmだけ偏移した位置に、ハロゲンランプ32を配置しており、ニップ部Nを主に加熱するように構成さている。さらに、押圧支持体34は、ハロゲンランプ32(より詳しくは、ハロゲンランプ32内のフィラメント)を基点として、その周りを中心角230°取り囲んだ状態で配置されている。
以上の構成により、押圧支持体34が開口しているニップ部Nの反対側で、ハロゲンランプ32からの輻射熱により、定着ベルト36を直接加熱することができ、また、押圧支持体34を介して熱伝導により間接的に加熱することができる。すなわち、定着ベルト36を、熱が奪われるニップ部Nでは押圧支持体34からの熱伝導により加熱することができ、そこで熱を奪われた定着ベルト36はニップ部Nから離れた場所でハロゲンランプ32からの輻射熱により加熱することができ、全体として効率的に定着ベルト36に熱を与えることができ、定着ベルト36および押圧支持体34のニップ部Nにおける温度を、所定の温度に容易かつ適切にコントロールすることができる構成となっている。さらに、効率的に加熱が為されることから、ウォームアップの短縮化を達成することができる構成である。
一方、加圧ロール38は、金属製の芯金にシリコーンゴムやその発泡体等の弾性の高い耐熱性材料からなる弾性層を形成してなる、いわゆるソフトロールを用いている。加圧ロール38がソフトロールであるため、ニップ部Nにおいて加圧ロール38が適切に凹み、ニップ部Nの形状が、押圧支持体34の平面部46の影響を受けて、略平面状となる。なお、加圧ロール38の表面性状としては、押圧支持体34の平面部46との当接により、略平面状となる程度の弾力性ないし柔軟性を有することが条件であり、目的に応じて各種材料を適宜選択することができる。
また、本第1の実施の形態においては、押圧支持体34と加圧ロール38の間の荷重を5kgに設定している。
次ぎに、本第1の実施の形態の作用を説明する。
上記構成の定着装置30では、画像形成部Xにおいて記録紙(被記録媒体)P表面に形成されたトナー像(未定着像)を、加熱溶融して記録紙Pに圧着する。すなわち、定着ベルト36と加圧ロール38との間にニップ部Nが形成され、ここに未定着のトナー像を担持した記録紙Pを矢印C方向に挿通させることで、加熱加圧定着が行われる。
この場合、押圧支持体34の平面部46は略平面状であり、加圧ロール38によって十分な加圧力が定着ベルト36に加えられ、加圧ロール38が回転することにより、定着ベルト36および記録紙Pが共に搬送され、そのときニップ部Nも略平面状に形作られているため、両者の搬送速度(線速度)が略同一となり、紙しわやカールの発生を防止することができる。
またここで、この定着装置30では、定着ベルト36により形成されるニップ部Nは、当該定着ベルト36が押圧支持体34の平面部46で内方から押圧されることで略平面状に形作られている。
この場合、単に略平面状に形作られているだけだと、定着ベルト36内面と押圧支持体34の平面部46との接触面積が大きくなり、定着ベルト36を回転させる際の摺動トルクが大きく、駆動モーターの負担が増してしまう。また、ベルト回転始動時には必要駆動トルクが大きく、ベルトスリップ現象を起こしてしまう。
この点、本第1の実施の形態に係る定着装置30では、押圧支持体34の平面部46は粗面化されているため、粗面化された当該平面部46は点接触状態で定着ベルト36と摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、定着ベルト36の摺動トルクが小さくなり(摺動トルクを低く抑えることができ)、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。またさらに、定着ベルト36内面の摺動抵抗が減少するため、押圧支持体34を熱吸収性及び熱伝導性の良い例えばアルミ系材料製とした場合でも、ベルトスリップ現象の防止と併せて、磨耗粉により定着ベルト36内面が損傷することが防止され、磨耗による定着ベルト36や押圧支持体34の耐久性低下を防止することができ、定着性や搬送性を安定することができる。
また、押圧支持体34の平面部46の粗面度合いは、その平均表面粗さRaが0.1μm以下だと目的とする摺動抵抗低減が不十分であり、一方、平均表面粗さRaが3μm以上だとエンドレスベルト内面にダメージを与えたり定着画像に粗さによる定着ムラが発生してしまう。
この点、本第1の実施の形態に係る定着装置30では、押圧支持体34の平面部46の粗面度合い(平均表面粗さRa)を好適な範囲に設定しているため、前記不具合が生じない。
またしかも、この定着装置30では、ブラスト加工処理を施すことによって押圧支持体34の平面部46を凹凸面としているため、コストアップを伴うことなく好適に粗面化することができる。
ここで、本出願人が「比較の形態」として、押圧支持体34の平面部46にブラスト処理を施さないままにした以外は、前記第1の実施の形態と同様の構成のもので実験を行った。その結果、50mm/secの速度で前述の画像形成部で印字した記録紙P(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙したところ、ベルトスリップ現象が発生し、印字した画像もズレが発生していた。
これに対し、本第1の実施の形態に係る定着装置30においては、前述の如く押圧支持体34の平面部46を5mm、定着ベルト36の外径をφ30mmとし、押圧支持体34と加圧ロール38間の荷重を5kgにして、用紙入り口側の押圧支持体34近傍に置いた温度センサにて160℃の定着温度で制御し、50mm/secの速度で前述の画像形成部で印字した記録紙P(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙したところ、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
このように、本第1の実施の形態に係る定着装置30では、加圧ロール38とこの加圧ロール38に当接してニップ部Nを形成する定着ベルト36とによって記録紙Pの表面に担持された未定着像を当該記録紙Pに定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、定着ベルト36の摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる。
次ぎに、本発明の他の実施の形態を説明する。
なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与し、その説明を省略する。
「第2の実施の形態」
図5には、本発明の第2の実施形態に係る定着装置60に適用された押圧支持体62の構成が概略的な断面図にて示されている。
図5には、本発明の第2の実施形態に係る定着装置60に適用された押圧支持体62の構成が概略的な断面図にて示されている。
この押圧支持体62は、全体として断面略C字形に形成されており、その両端部分が断面円弧状のリブ64が形成されており、押圧支持体62の所定の剛性を確保している。また、押圧支持体62の頂点部分には、平面板66が一体に設けられている。この平面板66には、前述した第1の実施の形態における押圧支持体34と同様に、平面部68が設けられており、しかも、当該平面部68は粗面化されている。本第2の実施の形態においては、平面板66は、50μmのSUS板の片面に平均表面粗さRa=0.7μmのブラスト加工を施したものを用い、そのブラスト面(平面部68)を定着ベルト36と摺擦する側になるよう配置することで、ニップ部Nを略平面状に形作るように構成している。またこの場合、平面板66の熱伝導率は、定着ベルト36の基材(熱吸収性層54)の熱伝導率以上とされている。
なお、前述の如く平面板66を金属材(SUS板)にて形成するに限らず、前記所定の条件を満足する耐熱性樹脂材により形成する構成としてもよい。
この平面板66以外については、前記第1の実施の形態と同様の構成である。
本第2の実施の形態に係る定着装置60では、定着ベルト36により形成されるニップ部Nは、定着ベルト36が押圧支持体62に設けられた平面板66の平面部68によって内方から押圧されることで略平面状に形作られている。しかも、平面板66の平面部68は粗面化されているため、粗面化された当該平面部68は点接触状態で定着ベルト36と摺接し、両者の接触面積が実質的に小さくなる。したがって、定着ベルト36の摺動トルクが小さくなり(摺動トルクを低く抑えることができ)、駆動モーターの負担が軽減され、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防ぐことができる。またさらに、定着ベルト36内面の摺動抵抗が減少するため、押圧支持体62を熱吸収性及び熱伝導性の良い例えばアルミ系材料製とした場合でも、ベルトスリップ現象の防止と併せて、磨耗粉により定着ベルト36内面が損傷することが防止され、磨耗による定着ベルト36や押圧支持体62の耐久性低下を防止することができ、定着性や搬送性を安定することができる。
またしかも、この定着装置60では、押圧支持体62とは別の平面板66を設けこの平面板66(平面部68)が定着ベルト36と摺接する構成であるため、押圧支持体62に求められる強度や熱吸収性及び熱伝導性といった特性と、定着ベルト36と摺動する部分(平面板66)に求められる摺動抵抗低減や摺動潤滑剤との濡れ性といった特性を両立することが容易に可能となる。
ここで、本出願人が行った実験によれば、平面板66の平面部68の幅寸法を5mm、定着ベルト36の外径をφ30mmとし、押圧支持体62と加圧ロール38間の荷重を5kgにして、用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて160℃の定着温度で制御し、50mm/secの速度で前述の画像形成部Xで印字した記録紙P(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙したところ、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
またさらに、この定着装置60にて、1万枚前記記録紙Pを通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、SUS製のブラスト面の磨耗も殆ど見られなかった。
このように、本第2の実施の形態に係る定着装置60では、加圧ロール38とこの加圧ロール38に当接してニップ部Nを形成する定着ベルト36とによって記録紙Pの表面に担持された未定着像を当該記録紙Pに定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、定着ベルト36の摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる。
「第3の実施の形態」
図6には、本発明の第3の実施形態に係る定着装置70の構成が概略的な断面図にて示されている。
図6には、本発明の第3の実施形態に係る定着装置70の構成が概略的な断面図にて示されている。
この定着装置70は、基本的に前記第2の実施の形態に係る定着装置60と同様の構成であるが、更に、押圧支持体62(平面板66)の上流側端部に摺動潤滑剤付与部72を設けた構成となっている。この摺動潤滑剤付与部72は、摺動潤滑剤(例えば、シリコンオイル)を含浸させた耐熱性繊維で構成されており、定着ベルト36の内周面及び平面板66の平面部68に摺動潤滑剤を付与(供給)することができる構成となっている。
この摺動潤滑剤付与部72以外については、前記第2の実施の形態と同様の構成である。
本第3の実施の形態に係る定着装置70では、平面板66の平面部68に摺動潤滑剤付与部72によって摺動潤滑剤が付与(供給)されるため、摺動抵抗が大幅に低減されることになり、一層効果的である。
なお、前記第2の実施の形態の如く平面板66を設けない構成、すなわち、前記第1の実施の形態に係る押圧支持体34の如き構成の場合であっても、摺動潤滑剤付与部72を設ける構成とすることができ、一層効果的である。
ここで、本出願人が「比較の形態」として、平面板66の平面部68に粗面化処理を施さずに、鏡面(平均表面粗さRa=0.05μm以下)とした以外は、前記第3の実施の形態と同様の構成・条件のもので実験を行った。その結果、200mm/secの速度で前述の画像形成部Xで印字した記録紙P(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙した所、ベルトスリップ現象が発生し、定着画像ズレが発生してしまった。
これに対し、本第3の実施の形態に係る定着装置70においては、平面板66の平面部68の幅寸法を12mm、定着ベルト36の外径をφ30mmとし、押圧支持体62と加圧ロール38間の荷重を20kgにして、用紙入り口側の支持体近傍に置いた温度センサにて165℃の定着温度で制御し、200mm/secの速度で前述の画像形成部で印字した記録紙P(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙したところ、ベルトスリップ現象も起きずに、定着画像ズレも未発生であり、紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性であった。
またさらに、この定着装置70にて、10万枚前記記録紙Pを通紙したが、ベルトスリップなどの異常は見られず、SUS製のブラスト面の磨耗も殆ど見られなかった。
このように、本第3の実施の形態に係る定着装置70においても、加圧ロール38とこの加圧ロール38に当接してニップ部Nを形成する定着ベルト36とによって記録紙Pの表面に担持された未定着像を当該記録紙Pに定着させるに際し、ウォームアップ時間の短縮やプリント速度の向上等の温度に関係する不具合を解消できるに止まらず、定着ベルト36の摺動トルクが小さくなって駆動モーターの負担が減り、ベルト回転始動時のベルトスリップ現象を防止することができると共に、部材磨耗粉による損傷を防止することができ、定着性や搬送性をさらに一層安定することができる。
なお、前述した各実施の形態においては、白黒用定着装置を例に挙げて説明したが、定着ベルト36に弾性層を含めることで、カラー用の定着装置として用いても同様の効果を得ることができる。
10 画像形成装置
30 定着装置
32 ハロゲンランプ(熱源)
34 押圧支持体
36 定着ベルト(エンドレスベルト)
38 加圧ロール
46 平面部
60 定着装置
62 押圧支持体
66 平面板
68 平面部
70 定着装置
72 摺動潤滑剤付与部(潤滑剤付与手段)
N ニップ部
P 記録紙
30 定着装置
32 ハロゲンランプ(熱源)
34 押圧支持体
36 定着ベルト(エンドレスベルト)
38 加圧ロール
46 平面部
60 定着装置
62 押圧支持体
66 平面板
68 平面部
70 定着装置
72 摺動潤滑剤付与部(潤滑剤付与手段)
N ニップ部
P 記録紙
Claims (9)
- 弾力性または柔軟性を有し、回転駆動する加圧ロールと、
耐熱性を有し、前記加圧ロールに当接して被記録媒体が挿通されるニップ部を形成しつつ従動回転するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトと摺接する平面部を有し、前記平面部で前記エンドレスベルトを内方から押圧して前記ニップ部を略平面状に形作る押圧支持体と、
前記エンドレスベルトの周内に配置され、前記エンドレスベルトを輻射熱により直接加熱すると共に前記押圧支持体を介して熱伝導により加熱する熱源と、
を有し、前記被記録媒体の表面に担持された未定着像を前記ニップ部により加熱および加圧することで当該被記録媒体に定着させるための定着装置において、
前記押圧支持体の前記平面部を粗面化した、ことを特徴とする定着装置。 - 前記押圧支持体の前記平面部は、ブラスト加工処理を施した凹凸面とされる、ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記押圧支持体の前記平面部の平均表面粗さRaは、0.1μmから3μmの範囲とされる、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の定着装置。
- 弾力性または柔軟性を有し、回転駆動する加圧ロールと、
耐熱性を有し、前記加圧ロールに当接して被記録媒体が挿通されるニップ部を形成しつつ従動回転するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを内方から押圧して前記ニップ部を形成するための押圧支持体と、
前記押圧支持体の前記加圧ロール側に設けられ、前記エンドレスベルトと摺接する平面部を有し、前記平面部で前記ニップ部を略平面状に形作る平面板と、
前記エンドレスベルトの周内に配置され、前記エンドレスベルトを輻射熱により直接加熱すると共に前記押圧支持体及び前記平面板を介して熱伝導により加熱する熱源と、
を有し、前記被記録媒体の表面に担持された未定着像を前記ニップ部により加熱および加圧することで当該被記録媒体に定着させるための定着装置において、
前記平面板の前記平面部を粗面化した、ことを特徴とする定着装置。 - 前記平面板の前記平面部は、ブラスト加工処理を施した凹凸面とされる、ことを特徴とする請求項4記載の定着装置。
- 前記平面板の前記平面部の平均表面粗さRaは、0.1μmから3μmの範囲とされる、ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の定着装置。
- 前記平面板は金属材または耐熱性樹脂材により成ることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載の定着装置。
- 前記平面板の熱伝導率は、前記エンドレスベルトの基材の熱伝導率以上とされている、ことを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか1項に記載の定着装置。
- 前記エンドレスベルトの内周面に摺動潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の定着装置。
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