JP2006235041A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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淳平 天野
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篤実 栗田
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康博 上原
Hideo Saito
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Abstract

【課題】 画像形成装置の高速化に対応して、温度ドループ現象の発生を抑制するとともに、記録紙を定着ロール側表面から安定的かつ確実に剥離する。
【解決手段】 定着ベルト614が張架された定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に押圧するように配置された加圧ベルトモジュール62とを備え、定着ベルトモジュール61は、剥離ロール64が加圧ベルトモジュール62の加圧ロール622を定着ベルト614の内部から押圧するとともに、剥離ロール64を長手方向に亘って加圧ロール622側に押圧する圧接ロール65が配設されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置は、例えば、円筒状の芯金の内部に加熱源が配設され、その芯金に耐熱性弾性層と離型層とが積層されて形成された定着ロールと、この定着ロールに対して圧接配置され、芯金に耐熱性弾性層と耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層とが積層されて形成された加圧ロールとで構成されている。そして、定着ロールと加圧ロールとの間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させ、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、ロールニップ方式と呼ばれて、一般に広く利用されている。
ところで、ロールニップ方式の定着装置において高速化を図ろうとする場合には、トナーと記録紙に充分な熱量を供給するために、ニップ幅を定着速度に比例して広くすることが必要となる。ニップ幅を広くする方法として、定着ロールと加圧ロールとの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、さらにはロール径を大きくする方法がある。
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そこで、これらの問題を解消して、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現するべく、本出願人は、表面に弾性体が被覆された定着ロールと、複数の張架ロールによって張架されたエンドレスベルトとを設け、エンドレスベルトと定着ロールとの間にニップ領域を形成するようにエンドレスベルトを定着ロールの周りに所定角度領域だけ巻き付けるとともに、ニップ領域の出口にニップ領域の他の部分よりも大きな圧力を局部的に加えて定着ロール表面の弾性体にひずみを生じさせるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、本出願人は、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと定着ロールとの間にシートを通過させるベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献2参照)。
かかる特許文献1に記載された技術では、複数個のロールで張架されたエンドレスベルトを接触させてベルトニップを形成している。また、特許文献2に記載された技術では、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させてベルトニップを形成している。このような構成を採用することにより、定着ロールとエンドレスベルトとによって形成されるベルトニップの幅が従来の定着ロールと加圧ロールとによるロールニップの幅よりも容易に大きくすることができるので、高速化対応が可能となり、しかも装置の小型化を図ることも容易である。
特に、定着ロールに圧接させるエンドレスベルトの熱容量が小さいために定着ロールから伝達される熱も発散され難い。そのため、定着ロールの回転が開始されても、定着ロールからエンドレスベルト側に奪われる熱量は比較的少なく、熱をトナーの溶融に利用する効率が高まることから、トナーの定着性の向上を図ることができるという利点も有している。
特許第3084692号公報(第5-8頁) 特許第3298354号公報(第4-7頁)
しかしながら、上記した特許文献1および特許文献2に記載した定着装置(これらを総称して「ベルトニップ方式」という。)においては、画像形成装置の高速化が進み、短時間に連続して送られてくる多数枚の記録紙に対して定着処理を行うこととなると、画像形成装置の立ち上がり時において定着ロールの表面温度が一時的に低下する所謂「温度ドループ」という現象が発生する。この温度ドループ現象は、定着ロールの芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性層が熱的抵抗体として作用するために、定着ロールの内部から充分な熱量を供給しても、その熱が定着ロール表面に伝達されるまでにタイムラグが生じることに起因するものである。特に、熱容量の大きい厚紙等においては定着ロールの表面から奪われる熱量が大きくなるので、温度ドループが大きくなる傾向がある。そのため、画像形成装置のさらなる高速化を図る場合においては、定着ロールの表面温度が回復するまでのある程度の枚数の記録紙において定着不良が発生し易いという新たな課題が生じることとなる。
さらに、記録紙の表面にはトナー像が担持されているため、定着ロール側の熱によってトナー像が溶融して、記録紙と定着ロール側表面とは付着し易い状態となっている。そのため、ベルトニップ方式の定着装置においても、定着ロール側の表面には離型層を形成して、記録紙と定着ロール側表面との付着力を低減させるとともに、定着ロール表面の弾性体のうちニップ部の出口側を局部的に弾性変形させるように構成して、記録紙にダウンカールを生じさせ、定着ロール側からの剥離を促すように構成している。しかし、画像形成装置の高速化を図る場合には、一旦剥離不良が生じて紙詰まり(ジャム)が生じるとその影響を受けて損傷する後続の記録紙の枚数も多くなることから、ニップ部を高速で通過した記録紙を定着ロール側表面から安定的かつ確実に剥離する必要もある。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の高速化に対応して、温度ドループ現象の発生を抑制することができる定着装置を提供することにある。
また他の目的は、記録紙を定着ロール側表面から安定的かつ確実に剥離することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、回転ロールと複数の張架ロールとによってベルト部材が張架されたベルトモジュールと、ベルトモジュールに押圧するように配置された加圧部材とを備え、ベルトモジュールは、張架ロールのうちの1の張架ロールが加圧部材をベルト部材の内部から押圧するとともに、かかる1の張架ロールを長手方向に亘って加圧部材側に押圧する圧接部材が配設されたことを特徴としている。
ここで、圧接部材は、前記した1の張架ロールと並行に配置され、かかる1の張架ロールよりも大きな外径で形成されたロール状の部材であることを特徴とすることができる。特に、圧接部材は、長手方向中央部の外径が両端部の外径よりも大きいクラウン形状に形成されたことを特徴とすることもできる。また、圧接部材は、表面に弾性層が被覆された構成とすることもできる。
さらに、加圧部材は、回転ロールに押圧するように配置された加圧ロールと、張架ロールとによって加圧ベルトが張架されて構成され、ベルトモジュールは、前記した1の張架ロールが加圧部材の加圧ロールをベルト部材の内部から押圧することを特徴とすることができる。
また、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、回動可能な定着ロールと、定着ロールに張架される定着ベルトと、定着ベルトを張架する張架ロールと、定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールと、加圧ロールに張架され、定着ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ベルトと、定着ベルトの外表面を加圧ロールにラップされた加圧ベルトに当接させるように配置された剥離ロールと、剥離ロールを長手方向に亘って加圧ロール側に押圧する圧接部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、圧接部材は、ロール状に形成されるとともに、定着ロールに当接して定着ロールに従動し、剥離ロールを回転駆動させることを特徴とすることができる。また、定着ベルトの外表面に接触するように配置された加熱ロールをさらに備えた構成を採ることができる。
また、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、回動可能な定着ロールと、定着ロールに張架される定着ベルトと、定着ベルトを張架する張架ロールと、定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールと、加圧ロールに張架され、定着ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ベルトと、定着ベルトの外表面を加圧ロールにラップされた加圧ベルトに当接させるように配置された剥離ロールと、剥離ロールを長手方向に亘って加圧ロール側に押圧する圧接部材とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、画像形成装置の高速化を図った場合においても、定着装置における温度ドループ現象の発生を抑制することができるので、画像形成装置の立ち上がり時から安定した定着性能を得ることが可能となる。また、記録紙を定着ロール側から安定的かつ確実に剥離することができるので、紙詰まりの発生を抑えることも可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する押圧ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が10〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。
図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。この定着装置60は、定着ベルトモジュール61と加圧部材の一例としての加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、矢印A方向に回転する定着ロール610、内部に加熱部材としてのハロゲンヒータ616が配設された張架ロール615、ニップ部Nの最下流部に配置された剥離ロール64、剥離ロール64を背後から押し当てる圧接部材の一例としての圧接ロール65、定着ロール610と張架ロール615、さらには剥離ロール64に張架されて矢印D方向に従動回転する定着ベルト614により構成されている。
定着ロール610は、厚さ5mmのアルミニウムで形成された芯金611の表面に、厚さ1.5mmの弾性層612が被覆されて形成された、外径65mmφ、長さ350mmのソフトロールである。弾性層612には、ゴム硬度が25〜45°(JIS−A)のLSR(Liquid Silicone Rubber)が用いられている。そして、定着ロール610は、400mm/sの表面速度で矢印A方向に回転する。
また、定着ロール610の内部には加熱部材として定格1000Wのハロゲンヒータ613が配設され、定着ロール610の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図1参照)が定着ロール610の表面温度を160℃に制御している。
なお、弾性層612の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、例えばフッ素ゴムのような従来公知の各種材質を用いることができ、また、シリコーンゴムとフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性層612を用いてもよい。さらに、定着ロール610としては、弾性層612のない、所謂ハードロールを用いることができ、この場合には、定着ロール610から定着ベルト614への熱供給がさらに効率化され、より温度ドループの小さな高速適性に優れた定着装置60が得られる。
定着ベルト614は、定着ロール610および張架ロール615、さらにはニップ部Nの最下流部に配置された剥離ロール64により張力10kgfで張架されている。定着ベルト614は周長330mm、幅340mmのフレキシブルなエンドレスベルトで形成されている。
定着ベルト614は、厚さ75μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性層と、さらに弾性層の表面側(外周面側)に、離型層として厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)で形成された表面層とからなる多層構造で構成されている。ここでは、弾性層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものであり、本実施の形態ではゴム硬度が20°(JIS−A)のシリコーンゴムを使用している。なお、定着ベルト614の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等を適宜選択することができる。
張架ロール615は、外径23mmφ、肉厚2mm、長さ350mmのステンレスロールを基材として、その外表面に厚さ20μmのPFAが離型層として被覆されて形成されている。この離型層は、定着ベルト614表面に付着した僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール615表面に堆積するのを防止する機能を有している。
また、張架ロール615の内部には加熱部材として定格800Wのハロゲンヒータ616が配設されており、温度センサ617bと制御部40(図1参照)とによって、張架ロール615の表面温度は200℃に制御されている。したがって、張架ロール615は、定着ベルト614を張架する機能とともに、定着ベルト614を加熱する加熱ロールとしての機能をも併せ持っている。
さらには、張架ロール615は、定着ベルト614の軸方向の変位をできる限り小さくするため、および、定着ベルト614の張架を均一にするため、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成している。
剥離ロール64は、外径8mmφ、長さ350mmで形成された小径のステンレスロールである。そして、剥離ロール64は、定着ロール610と後段で述べる加圧ベルトモジュール62に配置された加圧ロール622との当接部の下流側近傍において、定着ベルト614および後段で述べる加圧ベルト620を介して定着ベルト614の内側から加圧ロール622を圧接するように配置されている。
また、圧接ロール65は、外径15mmφ、長さ350mmのステンレスコアに、厚さ1.5mmの弾性層が被覆して構成されている。弾性層としては、例えば、ゴム硬度が25〜45°(JIS−A)のLSRが用いられている。そして、圧接ロール65は、剥離ロール64の加圧ロール622とは反対側において剥離ロール64に当接するように配置され、剥離ロール64を加圧ロール622側に押圧するように設定されている。このような圧接ロール65からの押圧力により、剥離ロール64は、定着ベルト614および加圧ベルト620を介して、加圧ロール622を荷重20kgfで圧接している。
さらに、圧接ロール65は、定着ロール610に対しても当接するように配置されている。それにより、圧接ロール65は定着ロール610からの回転駆動力を受け、定着ロール610に従動する。そして、圧接ロール65の回転は圧接する剥離ロール64に伝達され、剥離ロール64も圧接ロール65に従動する。このように、剥離ロール64は、圧接ロール65を介して定着ロール610に従動するように構成されている。
次に、加圧ベルトモジュール62は、インレットロール621、加圧ロール622および張架ロール623の3本のロールにより張架された加圧ベルト620、加圧ベルト620の内側において、加圧ベルト620を介して定着ロール610側に付勢される状態で配置される押圧部材としての圧力パッド63により主要部が構成されている。そして、加圧ベルトモジュール62は定着ベルトモジュール61に押圧されるように配置され、加圧ベルト620は、定着ベルトモジュール61の定着ロール610が矢印A方向へ回転するのに伴い、定着ロール610に従動して矢印B方向に回動する。その進行速度は、定着ロール610の表面速度と同じ400mm/sである。
加圧ベルトモジュール62と定着ベルトモジュール61との接触部(ニップ部N)には、定着ベルト614が定着ロール610に巻き付けられた(ラッピングされた)領域(以下、このような領域を「ラップ領域」という。)内において、加圧ベルト620が定着ベルト614の外周面に圧接するように形成された第1ニップ部N1が設定されている。この第1ニップ部N1には、加圧ベルト620の内側に圧力パッド63が加圧ベルト620を介して定着ロール610側に向けて付勢された状態で配置され、加圧ベルト620を定着ロール610のラップ領域に押圧している。また、第1ニップ部N1の最下流部では、加圧ロール622が、加圧手段としての圧縮コイルスプリング(不図示)によって、加圧ベルト620および定着ベルト614を介して定着ロール610の中心軸に向けて付勢されており、定着ロール610および定着ベルト614の当接部に局所的な高圧を生じさせている。
さらに、第1ニップ部N1の下流側には、加圧ロール622に加圧ベルト620が巻き付けられたラップ領域内であって、加圧ロール622が定着ロール610を圧接する領域から、剥離ロール64が加圧ロール622を圧接している領域に亘る範囲において、第1ニップ部N1に連続するように、定着ベルト614が加圧ロール622のラップ領域に圧接するように形成された第2ニップ部N2が設定されている。
トナー像を担持した用紙Pは、このニップ部N(第1ニップ部N1および第2ニップ部N2)を通過する際に、主として第1ニップ部N1において加熱および加圧され、トナー像が用紙Pに定着される。また、第2ニップ部N2では、用紙Pを定着ベルト614から確実に剥離するための準備工程が行なわれる。
なお、本実施の形態の定着装置60では、第1ニップ部N1は、定着ロール610の回転軸に関する中心角として45°に亘る帯状領域(以下、この中心角を「ラップ角度」という。)として形成され、この場合のニップ幅は26mmである。また、第2ニップ部N2では、加圧ロール622に関するラップ角度が45°に亘る帯状領域として形成され、この場合のニップ幅は9.8mmである。
加圧ベルトモジュール62の構成部材の1つである加圧ベルト620は、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のような耐熱強度の高い樹脂で形成されたベース層で構成されている。ベース層の厚さとしては、例えば50〜125μm程度、より好ましくは75〜100μmに形成される。
また、加圧ベルト620は、ベース層の定着ロール610側の表面または両面に離型層が被覆された構成を採ることもできる。その場合の離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA等が5〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。さらには、必要に応じてベース層と離型層との間に弾性層が形成された積層構造を採ることもできる。その場合、弾性層としては、厚さが100〜200μmのシリコーンゴム等を使用することができる。
本実施の形態の定着装置60においては、加圧ベルト620として、厚さ75μm、幅340mm、周長288mmのポリイミドフィルムのベース層のみにより構成されている。
加圧ベルト620を張架する3個のロールは、ステンレス製のインレットロール621と、スチールコアに弾性層622aとしてシリコーンゴムが1.0mmの厚さで被覆された加圧ロール622と、ステンレス製の張架ロール623とで構成され、10kgfの張力で加圧ベルト620を張架している。それぞれのロールの外径は、22mmφ、25mmφおよび20mmφであり、長さは340mmである。また、インレットロール621の内部には、加熱源としてハロゲンヒータ625が配設されている。そして、図示しない温度センサおよび制御部40(図1参照)によりその表面温度は120℃に制御され、加圧ベルト620に予熱を与えている。
また、加圧ロール622は、加圧手段としての圧縮コイルスプリング(不図示)によって、加圧ベルト620および定着ベルト614を介して定着ロール610の中心軸に向けて付勢されており、定着ロール610および定着ベルト614の当接部に局所的な高圧を生じさせている。その場合、この定着ロール610および定着ベルト614に対する局所的な高圧を低荷重で効率良く付与するために、加圧ロール622は定着ロール610より小径で、その表面は定着ロール610表面よりも硬質に形成されていることが望ましい。
なお、インレットロール621、加圧ロール622および張架ロール623のいずれかのロールには、加圧ベルト620のベルトエッジ位置検知機構と、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて加圧ベルト620の軸方向における当接位置を変位させる軸変位機構とを配設し、加圧ベルト620の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成することも可能である。
さらに、押圧部材としての圧力パッド63は、幅の広い第1ニップ部N1を確保するための弾性体部材と、弾性体部材が加圧ベルト620の内周面と接触する面に設けられた低摩擦層とで構成され、金属等からなるホルダ(不図示)に保持されている。低摩擦層を表面に有する弾性体部材は、定着ロール610側がほぼ定着ロール610の外周面に倣う凹形状に形成され、定着ロール610に対して押圧されて配置され、定着ロール610のラップ領域に形成された第1ニップ部N1の入口側領域を形成している。
圧力パッド63の弾性体部材としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。弾性体部材上に形成された低摩擦層は、加圧ベルト620内周面と圧力パッド63との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のある材質であることが望ましい。具体的には、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。
なお、圧力パッド63としては、本実施の形態のようにパッド状に成型されたものの他に、例えば、ロール状に成型されたものを用いることもでき、加圧ベルト620を介して定着ロール610表面に付勢させて従動回転させてもよい。ただし、本実施の形態のようにパッド状に成型された圧力パッド63のほうが、当接する第1ニップ部N1全域に亘って、広く均一にニップ圧を付与することができる。
次に、本実施の形態の定着装置60における定着動作について説明する。
画像形成装置の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55および定着入口ガイド56により、定着装置60の第1ニップ部N1に向けて(矢印C方向)搬送されてくる。第1ニップ部N1を通過する用紙P表面の未定着トナー像は、第1ニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。本実施の形態の定着装置60では、上述したように、圧力パッド63を押圧させながら、定着ベルト614がラッピングされた定着ロール610と加圧ベルト620とを当接させた構成により、第1ニップ部N1を広く設定することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
このとき、第1ニップ部N1に作用する熱は、主として定着ベルト614によって供給される。定着ベルト614は、定着ロール610の内部に配置されたハロゲンヒータ613から定着ロール610を通じて供給される熱と、張架ロール615の内部に配置されたハロゲンヒータ616から張架ロール615を通じて供給される熱とによって加熱されるように構成されている。そのため、定着ロール610のみでは熱エネルギーが不充分である場合においても、張架ロール615から適切かつ速やかに熱エネルギーを補給することができるので、ニップ部Nにおいては、プロセススピードが400mm/sという高速であっても充分な熱量を確保することができる。
ところで、本実施の形態の画像形成装置のようにプロセススピードが例えば400mm/sと高速である場合には、用紙Pが次々と定着装置60に搬送されて連続定着が行われる。その際には、第1ニップ部N1では用紙Pおよび未定着トナー像に熱が奪われるとともに、加圧ベルトモジュール62からの放熱量も増加する。そのため、定着ベルトモジュール61が定着ロール610のみからなる構成であって、加圧ベルト620が単に定着ロール610に巻き付いただけの構成を仮定したとすれば、定着ロール610の表面温度の低下量は極めて大きくなる。加えて、このような構成では、熱エネルギーの供給は、ハロゲンヒータ613による定着ロール610内部からの供給のみであって、定着ロール610自身が厚みを有することから、その表面にハロゲンヒータ613からの熱が到達するまでにタイムラグが存在し、熱の供給が遅れるという現象も生じる。
このような技術的な課題に対処するために、定着ロール610の構成のみによって定着ロール610の表面温度を必要な温度に維持しようとすれば、極めて多くの熱量を定着ロール610の内部から供給する必要が生じる。このような方法では、エネルギー損失が大きく、また装置自体の負荷も大きい。さらに、連続定着の終了後に必要以上に定着ロール610の表面温度が高温となるため、定着ロール610が損傷を受け、次の画像形成サイクルにおいて定着不良が発生するという懸念もある。
そこで、その対応策の1つとして、定着ロール610の表面に直接接触するように外部加熱ロールのような外部加熱装置を配置し、定着ロール610の表面を外部から補助加熱する方法も考えられる。しかし、外部加熱ロールと定着ロール610の表面との接触幅を大きく設定することは難しいので、充分な熱量を定着ロール610の表面に供給するには限界がある。
したがって、これまでの一般的なロールニップ方式やベルトニップ方式の定着装置のように加熱部材が定着ロール610のみで構成される場合には、画像形成装置の高速化を図ろうとすると、定着ロール610の表面層が用紙Pと当接する領域(ニップ部N)を通過した後、再度用紙Pと当接する領域に戻るまでの1回転の間に、熱容量が大きい定着ロール610を所定の定着温度に復帰させることは、上述した理由によって極めて困難となる。そのために、定着ロール610を1回転させるだけでは、所定の定着温度へ復帰させるのに間に合わないといった状況が発生し、特に画像形成装置の立ち上がり時において温度ドループ(定着ロールの表面温度が一時的に低下する現象)が起こって定着不良を生じさせる可能性が高くなる。
これに対して、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール610と並行して内部にハロゲンヒータ616が配設された張架ロール615を配置し、張架ロール615と定着ロール610とによって無端状の定着ベルト614が張架される構成を採用している。かかる構成では、定着ベルト614は用紙Pを加熱する直接的な加熱部材として機能し、定着ロール610と張架ロール615の双方は定着ベルト614に対し熱を供給する熱供給部材として機能する。ただし、定着ロール610は、定着ベルト614を介して用紙Pに接触していることから、用紙Pを直接加熱する機能をも兼ね備えている。
かかる構成においては、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト614は、極めて熱容量を小さく形成することができる。加えて、熱供給部材である定着ロール610と張架ロール615の双方とは広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触できる。そのため、定着ベルト614が1回転する短かい時間内において定着ロール610や張架ロール615から充分な熱量を供給することができ、定着ベルト614を必要な定着温度に復帰させることが充分に可能となる。
このように、本実施の形態の定着装置60では、極めて小熱容量である定着ベルト614が、熱供給部材である定着ロール610および張架ロール615の双方と広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触することができるので、定着ロール610や張架ロール615から定着ベルト614への熱の伝達が迅速かつ充分に行われ、定着ベルト614を定着ベルト614が1回転する間という短時間で必要な定着温度に復帰させることが可能となる。したがって、第1ニップ部N1においては、定着装置60が高速化されても、所定の定着温度を常に維持することができる。
その結果、高速定着時における大きな課題であった温度ドループの発生を抑制することが可能となる。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、温度ドループの発生を抑制することができる。また、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト614は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ613およびハロゲンヒータ616の出力調整により、所望の温度への切り替えは容易であり、かつそれを速やかに行うこともできる。
なお、ハロゲンヒータ616が配設された張架ロール615を複数配置すれば、さらに効果的に定着ベルト614を必要な定着温度に復帰させることが可能となる。その場合、かかる張架ロール615は、定着ベルト614の外表面を張架するように配置することもできる。
また、本実施の形態の定着装置60は、第1ニップ部N1では、加圧ベルトモジュール62の加圧ベルト620が、定着ロール610表面に対し定着ベルト614が巻き付けられた領域(ラップ領域)内でのみ、定着ベルト614の外周面に当接するように構成されている。すなわち、第1ニップ部N1においては、定着ベルト614の内周面側には定着ロール610が全域に亘って位置している。したがって、定着ベルト614と加圧ベルト620との当接は、定着ロール610表面によって安定的に支持された状態が形成されるので、第1ニップ部N1の全域において両者を均一に密着させることができる。かかる定着ベルト614と加圧ベルト620との良好な密着性により、定着ベルト614から用紙Pへの熱の伝導を効率的に行うことができるので、温度ドループの発生をより効果的に抑制することができる。
さらに、かかる第1ニップ部N1の構成により、定着ベルト614の第1ニップ部N1入口側上流においては、定着ベルト614が定着ロール610とのみ接触する領域が形成されている。そのため、定着ベルト614がこの領域を通過する際に、回動の間に定着ベルト614に生じたシワが矯正される。したがって、ニップ部Nにおいては、用紙P上の未定着トナー像と平滑な状態で接触することができるので、良質な定着画像を得ることができる。
本実施の形態の定着装置60では、第1ニップ部N1において作用する圧力と熱とによりトナー像が理想に近いレベルまで定着されるが、第1ニップ部N1の最下流部においては、定着ロール610の中心軸に向けて付勢されて配置された加圧ロール622が、局所的な高圧によって溶融したトナー像に効率的に圧力を加えることで、定着性を確保するとともに、トナー像表面を平滑にしてカラー画像に良好な画像光沢を付与している。上述したように、加圧ロール622は、定着ロール610より小径で、その表面は定着ロール610表面よりも硬質に形成されることで、低荷重で効率良くトナー像に局所的な高圧を付加することができる。
続いて、第1ニップ部N1を通過した後には、用紙Pは第2ニップ部N2に搬送される。第2ニップ部N2は、加圧ロール622に加圧ベルト620が巻き付けられたラップ領域内であって、加圧ロール622が定着ロール610を圧接する領域から、剥離ロール64が加圧ロール622を圧接している領域に亘る範囲に設定されている。そして、第2ニップ部N2では、定着ベルト614が加圧ロール622のラップ領域に圧接するように設定されている。
したがって、図3に詳細に示したように、第1ニップ部N1は定着ロール610の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、第2ニップ部N2は加圧ロール622の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有している。そのため、第1ニップ部N1において定着ロール610の曲率のもとで加熱加圧された用紙Pは、第2ニップ部N2において加圧ロール622による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト614表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。そのため、用紙Pが第2ニップ部N2を通過する際にトナー像と定着ベルト614との付着力が弱められることとなる。そして、トナー像と定着ベルト614との付着力が弱められた後に用紙Pは定着ベルト614から剥離される。このように、第2ニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程が行なわれる領域として位置付けられる。
そして、第2ニップ部N2の出口では、定着ベルト614は小径の剥離ロール64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト614の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、剥離ロール64は定着ベルト614に対して加圧ロール622とは反対となる下に凸の湾曲した形状を形成するとともに、小径であるため曲率半径が小さいので、剥離ロール64での定着ベルト614の屈曲は大きなものとなる。そのため、第2ニップ部N2内において定着ベルト614との付着力が予め弱められた用紙Pは、用紙P自身が有している紙のコシによって定着ベルト614から確実にセルフストリップすることが可能となる。
特に、第2ニップ部N2は加圧ロール622の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有しているため、用紙Pにはダウンカールを形成することができるので、定着ベルト614からのセルフストリップを促進させることができる。
さらに加えて、剥離ロール64は、圧接ロール65からの押圧力によって、定着ベルト614および加圧ベルト620を介して荷重20kgfで加圧ロール622に圧接するように配置されている。その際、剥離ロール64はステンレス製のハードロールであり、加圧ロール622は外表面に弾性層622aが被覆されたソフトロールであるため、剥離ロール64が加圧ロール622に圧接している部分(圧接部分)では、加圧ロール622表面に凹部が形成される。この凹部によって、用紙Pは加圧ベルト620に巻き付くことが抑制される。すなわち、例えば両面プリント時には、用紙Pの裏面(加圧ベルト620側)にもトナー像が担持されており、第1ニップ部N1を通過することによって、裏面のトナー像が軟化して加圧ベルト620に付着し易くなっている。そこで、第2ニップ部N2の最後端部で加圧ロール622表面に凹部を形成することによって、用紙Pには小さなアップカールが形成されるように力が作用するので、用紙Pは加圧ロール622の曲率に沿うことなく加圧ベルト620からも剥離される。したがって、定着ベルト614だけでなく、両面プリント時において加圧ベルト620からの剥離を行なうことも可能となる。
ここで、剥離ロール64は、剥離ロール64の加圧ロール622側とは反対側に配置された圧接ロール65により、定着ベルト614および加圧ベルト620を介して加圧ロール622を圧接するように構成されている。そのため、剥離ロール64は、長手方向の全域に亘って均一な押圧力で加圧ロール622を押圧することが可能となる。
ところで、剥離ロール64においては、加圧ロール622に対して加圧ロール622表面に凹部が形成されるような局所的な高圧を印加すると同時に、定着ベルト614の搬送方向を急激に変化させる機能を果たすといった観点から、剥離ロール64を小径に形成する必要がある。ところが、剥離ロール64を小径に形成すると、加圧ロール622を押圧するに際して剥離ロール64は撓み易くなり、例えば、剥離ロール64の長手方向中央部において加圧ロール622に対する押圧力が相対的に小さくなるという現象が生じる。そのような場合には、押圧力の弱く作用する中央部と強く作用する両端部とでは、定着画像に光沢ムラが生じ易くなる。また、押圧力のばらつきによって紙しわも生じ易くなる。
それに対して、剥離ロール64と圧接ロール65、および加圧ロール622の位置関係を表す図4に示したように、剥離ロール64は、長手方向の全域に亘って加圧ロール622側とは反対側から圧接ロール65により押圧されているため、剥離ロール64に撓みが生じることを抑えながら、加圧ロール622を押圧することができる。それにより、剥離ロール64は長手方向の全域に亘って均一な押圧力で加圧ロール622を押圧することができる。その結果、定着画像に剥離ロール64の押圧ムラに起因する光沢ムラや紙しわの発生を抑制することが可能となる。
その際に、圧接ロール65は剥離ロール64よりも外径が大きく形成され、剥離ロール64からの反力を受けても圧接ロール65自体に生じる撓みが殆どない程度に剛性が高められている。また、この場合、圧接ロール65の長手方向中央部に生じる若干の撓みを考慮して、圧接ロール65を長手方向中央部の外径が両端部よりも大きく形成した所謂クラウン形状に形成することも、押圧力を均一にするためには効果的である。
また、図4に示したように、圧接ロール65の長手方向の長さは剥離ロール64よりも長く構成することが好ましい。それにより、剥離ロール64の端部においても加圧ロール622を均一に押圧することが可能となる。
次に、本実施の形態の定着装置60を用いて、用紙Pにおける光沢ムラの発生に関する実験を行なった。この実験では、用紙Pとして富士ゼロックス(株)製のA3サイズのJDコート紙(商品名)を用いた。また、テストチャートとして、用紙Pの幅方向中央部と両端部とにY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のトナー像を20×20mmのパッチとして形成したものを用いた。そして、テストチャートが形成された用紙Pを定着装置60に通紙し、各パッチの光沢を光沢度測定装置(60°法)にて測定した。その結果、本実施の形態の定着装置60では、各パッチ間の光沢差を、平均値で3%、最大値で5%に抑えることができた。
一方、その比較例として、圧接ロール65を用いず、剥離ロール64を両端部からコイルスプリングのみで押圧した構成に設定して、同様の実験を行なった。その結果、各パッチ間の光沢差は、平均値で8%、最大値で16%となり、本実施の形態の定着装置60と比較して大きなものとなった。
この実験によって、本実施の形態の定着装置60に用いた圧接ロール65の大きな効果を確認することができた。
このように、本実施の形態の定着装置60では、第1ニップ部N1において圧力と熱とを作用させてトナー像を理想に近いレベルまで定着した後に、定着ベルト614を張架するロールの1つである剥離ロール64を加圧ロール622に圧接するように配置し、定着ベルト614が加圧ロール622のラップ領域に圧接するように形成された第2ニップ部N2を構成している。このように構成することによって、用紙Pを定着ベルト614から確実にセルフストリップさせることが可能となる。その際には、剥離ロール64は加圧ロール622側とは反対側から圧接ロール65により押圧されるため、剥離ロール64に撓みが生じることが抑えられる。それにより、剥離ロール64は長手方向の全域に亘って均一な押圧力で加圧ロール622を押圧することができる。そのため、定着画像に剥離ロール64の押圧ムラに起因する光沢ムラや紙しわの発生を抑制することが可能となる。
ここで、本実施の形態の定着装置60においては、剥離ロール64を長手方向の全域に亘って加圧ロール622側とは反対側から押圧する圧接部材として回転可能な圧接ロール65を用いたが、圧接部材としては、固定された部材を用いることもできる。図5は、剥離ロール64を長手方向の全域に亘って加圧ロール622側に圧接する圧接部材の他の構成例である固定圧接部材66を示したものである。図5(a)は平面図であり、(b)はXX断面図である。図5に示したように、固定圧接部材66は、支持部66aと、支持部66aの長手方向にそれぞれが所定の間隔をもって固定配置され、剥離ロール64に当接する当接部66bと、当接部66bにおいて剥離ロール64の表面形状に倣って被覆された、耐磨耗性に優れ、摩擦係数の小さい例えばテフロン(登録商標)のような材質からなる低摩擦層66cとで構成されている。固定圧接部材66では、支持部66aが図示しない加圧手段によって剥離ロール64を押圧するように設定されている。そして、当接部66bが剥離ロール64を押圧する。その際に、剥離ロール64とは低摩擦層66cとで接触するように構成して、剥離ロール64の回転に対して摺動抵抗となることを極力抑えるように設定している。このような構成の固定圧接部材66によっても、剥離ロール64が長手方向の全域に亘って均一な押圧力で加圧ロール622を押圧するように設定することが可能である。なお、加圧ロール622を押圧するに際して剥離ロール64の中央部の撓み量が多くなり易いため、当接部66bの配置間隔が中央部で密となるように構成するのが好ましい。
ところで、図3に示したように、圧接ロール65の表面には弾性層65aが被覆されている。圧接ロール65の表面に弾性層65aが被覆されていることで、圧接ロール65と剥離ロール64との圧接部の弾性層65aは凹状に変形する。圧接部において弾性層65aが凹状に変形することにより、圧接部では、変形により弾性層65aの表面が伸びた量だけ圧接ロール65の表面速度は速くなる。そのため、剥離ロール64は圧接ロール65の圧接部以外の領域の表面速度よりも速く駆動されることとなる。
剥離ロール64が圧接ロール65の表面速度よりも速く回転することで、剥離ロール64は定着ベルト614の回動速度よりも速く回転することとなる。すなわち、定着ベルト614は定着ロール610の表面速度と等速で回動している。また、圧接ロール65は定着ロール610に従動しているので、圧接ロール65の表面速度も定着ロール610の表面速度と等速である。それに対し、圧接ロール65の弾性層65aの変形により、剥離ロール64は圧接ロール65よりも速く駆動される。そのため、剥離ロール64は定着ベルト614よりも速く回転する。その際に、剥離ロール64と圧接ロール65との半径比、弾性層65aの厚さおよび変形量等を適宜設定することで、剥離ロール64を定着ベルト614よりも例えば2%程度速く回転するように構成することができる。
このように、剥離ロール64を定着ベルト614よりも2%程度速く回転するように構成することで、剥離ロール64が定着ベルト614を回動方向に引っ張ることとなるので、第2ニップ部N2における定着ベルト614の弛みを抑えることができる。それにより、第2ニップ部N2での定着ベルト614と加圧ベルト620との密着性を高めることができるので、定着画像に画像ずれや画像乱れ等の画像不良が発生することを抑制することも可能となる。
ここで、本実施の形態の定着装置60では、剥離ロール64の駆動は、定着ロール610に従動する圧接ロール65によって行なわれ、圧接ロール65の表面に被覆された弾性層65aの変形によって、剥離ロール64を定着ベルト614よりも例えば2%程度速く回転するように構成している。このような構成の他に、本実施の形態の定着装置60では、圧接ロール65を定着ロール610に従動させず、駆動手段によって独立に駆動させ、剥離ロール64を定着ベルト614よりも例えば2%程度速く回転するように構成することもできる。この場合には、圧接ロール65の表面の弾性層65aは特に必要ないが、圧接ロール65から剥離ロール64への駆動力の伝達効率を高めるため、圧接ロール65表面に摩擦係数の高いゴム層や樹脂層を被覆したり、さらには圧接ロール65表面を粗面に形成することが好ましい。
なお、第2ニップ部N2で定着ベルト614(および加圧ベルト620)から剥離された用紙Pは、ニップ部Nの下流側であって、定着ベルト614表面近傍に配置された剥離案内板626により分離される。分離された用紙Pは排出ガイド628により案内されて、排出ロール629により画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送され、載置される。
ところで、本実施の形態の定着装置60では、第2ニップ部N2には圧力パッドを配置していないが、第1ニップ部N1における圧力パッド63と同様に、第2ニップ部N2においても圧力パッドを配置した構成を採ることもできる。その場合には、第2ニップ部N2においても、均一なニップ圧を付与することができる。
また、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルトモジュール61と加圧ベルトモジュール62とで主要部を構成したが、加圧部材として加圧ベルトモジュール62に代えて加圧ロールだけで構成することもできる。また、加圧ベルトモジュール62に剥離ロール64を配設した構成とすることもできる。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール610と並行して内部に加熱部材であるハロゲンヒータ616が配設された張架ロール615を配置し、張架ロール615と定着ロール610とを無端状の定着ベルト614で張架する構成を採用している。そして、用紙Pを加熱する主要な加熱部材として定着ベルト614を機能させ、定着ロール610と張架ロール615との双方は定着ベルト614に対し熱を供給する熱供給部材として機能させている。そのため、ニップ部Nにおいては、定着装置60が高速化されても、所定の定着温度を常に維持することができるので、温度ドループの発生を抑制することができる。
また、第1ニップ部N1において圧力と熱とを作用させてトナー像を理想に近いレベルまで定着した後に、定着ベルト614を張架するロールの1つである剥離ロール64を加圧ロール622に圧接するように配置し、定着ベルト614が加圧ロール622のラップ領域に圧接するように形成された第2ニップ部N2を構成している。このように構成することによって、用紙Pを定着ベルト614から確実にセルフストリップさせることが可能となる。その際には、剥離ロール64は加圧ロール622側とは反対側から圧接ロール65により押圧されるため、剥離ロール64に撓みが生じることが抑えられる。それにより、剥離ロール64は長手方向の全域に亘って均一な押圧力で加圧ロール622を押圧することができる。その結果、定着画像に剥離ロール64の押圧ムラに起因する光沢ムラや紙しわの発生を抑制することが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 ニップ部の構成を説明する図である。 剥離ロールと押圧ロール、および加圧ロールの位置関係を表す図である。 圧接部材の他の構成例である固定圧接部材を示した図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60…定着装置、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ベルトモジュール、63…圧力パッド、64…剥離ロール、65…圧接ロール、66…固定圧接部材、613,616,625…ハロゲンヒータ、614…定着ベルト、615…張架ロール、620…加圧ベルト、621…インレットロール、622…加圧ロール、623…張架ロール

Claims (9)

  1. 回転ロールと複数の張架ロールとによってベルト部材が張架されたベルトモジュールと、
    前記ベルトモジュールに押圧するように配置された加圧部材とを備え、
    前記ベルトモジュールは、前記張架ロールのうちの1の張架ロールが前記加圧部材を前記ベルト部材の内部から押圧するとともに、当該1の張架ロールを長手方向に亘って当該加圧部材側に押圧する圧接部材が配設されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記圧接部材は、前記1の張架ロールと並行に配置され、当該1の張架ロールよりも大きな外径で形成されたロール状の部材であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記圧接部材は、長手方向中央部の外径が両端部の外径よりも大きいクラウン形状に形成されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記圧接部材は、表面に弾性層が被覆されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  5. 前記加圧部材は、前記回転ロールに押圧するように配置された加圧ロールと、張架ロールとによって加圧ベルトが張架されて構成され、
    前記ベルトモジュールは、前記1の張架ロールが前記加圧部材の前記加圧ロールを前記ベルト部材の内部から押圧することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    回動可能な定着ロールと、
    前記定着ロールに張架される定着ベルトと、
    前記定着ベルトを張架する張架ロールと、
    前記定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールと、
    前記加圧ロールに張架され、前記定着ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ベルトと、
    前記定着ベルトの外表面を前記加圧ロールにラップされた前記加圧ベルトに当接させるように配置された剥離ロールと、
    前記剥離ロールを長手方向に亘って前記加圧ロール側に押圧する圧接部材と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  7. 前記圧接部材は、ロール状に形成されるとともに、前記定着ロールに当接して当該定着ロールに従動し、前記剥離ロールを回転駆動させることを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記定着ベルトの外表面に接触するように配置された加熱ロールをさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  9. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    回動可能な定着ロールと、
    前記定着ロールに張架される定着ベルトと、
    前記定着ベルトを張架する張架ロールと、
    前記定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールと、
    前記加圧ロールに張架され、前記定着ベルトとの間にニップ部を形成する加圧ベルトと、
    前記定着ベルトの外表面を前記加圧ロールにラップされた前記加圧ベルトに当接させるように配置された剥離ロールと、
    前記剥離ロールを長手方向に亘って前記加圧ロール側に押圧する圧接部材と
    とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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